説明

イオン発生機

【課題】寿命の差が大きい正イオン、負極性の帯電微粒子水が二つの通流路から放出される場合であっても、寿命が短い方の正イオンを、寿命が長い方の負極性の帯電微粒子水よりも多く放出することができ、空気中の正、負極性のバランスを長時間に亘って保つことができるイオン発生機を提供する。
【解決手段】送風機3が送出する空気を同方向へ個別に通流させて外部へ放出する二つの通流路21,22の一方に、コロナ放電だけで正イオンを発生するイオン発生部4を配し、他方に、静電霧化現象により負極性の帯電微粒子水を発生するイオン発生部5を配し、一方の通流路21に絞り部27を設けて、当該一方の通流路21を通流する空気の風速が、他方の通流路22を通流する空気の風速よりも速くなるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はイオン発生部が発生したイオンを、送風機が送出する空気とともに室内等の空間に放出するためのイオン発生機に関する。
【背景技術】
【0002】
イオン発生機は、送風機と、該送風機が送出する空気を同方向へ個別に通流させて外部へ放出する二つの通流路を有するハウジングと、前記通流路夫々の路壁に装着されイオンを発生させるイオン発生部とを備え、該イオン発生部が発生したイオン(正イオン・負イオン)を、通流路を通流する空気とともに室内に放出し、空気中に浮遊する細菌を除去したり、ウイルスを不活化するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。イオン発生部は、針形状の放電電極及び該放電電極に電圧を印加する電圧印加部を有し、放電電極からコロナ放電現象によってイオンを発生させるように構成されている。
【0003】
特許文献2には、電圧が印加されることにより一面が吸熱し、他面が発熱するペルチェ素子の一面に放電電極が結合され、ペルチェ素子の他面に、放熱フィンを有する放熱板が結合され、電圧がペルチェ素子に印加されることにより放電電極を冷却し、空気中の水分を放電電極の先端部に結露させ、電圧が放電電極に印加されることにより該放電電極の先端部に静電霧化現象を発生させ、負極性の帯電微粒子水を発生させるように構成された静電霧化装置(イオン発生機)が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−80425号公報
【特許文献2】特開2011−33293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1のように二つの通流路夫々にイオン発生部が配されているイオン発生器にあっては、二つの通流路夫々を通流する空気の風速がほぼ同じであり、通流路夫々の風速を可変にすることにより、空気中のイオン量を制御するように構成されている。従って、二つの通流路の一方に、正イオンを発生させるイオン発生部を配し、他方に、負イオンを発生させるイオン発生部を配してあるイオン発生機にあっては、正イオン及び負イオンの寿命が同程度であるため、同数量の正イオン、負イオンを発生させて同じ風速で正イオン、負イオンを放出することにより、空気中の正、負のイオンバランスを所定時間に亘って保つことができる。
【0006】
また、特許文献2に記載されている静電霧化装置が空気中に放出する負極性の帯電微粒子水の寿命は、特許文献1に記載されているイオン発生機が空気中に放出する正イオンの寿命よりも数倍寿命が長いことが知られている。従って、特許文献1のように二つの通流路夫々からイオンを放出するように構成されたイオン発生機において、通流路の一方に、正イオンを発生させるイオン発生部を配し、他方に、負極性の帯電微粒子水を発生させるイオン発生部を配してあるイオン発生機を構成し、正イオンと負極性の帯電微粒子水とを空気中に放出する場合において、同数量の正イオン、負極性の帯電微粒子水を空気中に放出した際、負極性の帯電微粒子水の量が正イオンの量よりも多くなり、空気中の正、負極性のバランスが悪くなる。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、主たる目的は、二つの通流路の一方を通流する空気のイオン発生部周辺における風速が、他方の通流路を通流する空気のイオン発生部周辺における風速よりも速くなる手段を設けることにより、寿命の差が大きい正イオン、負極性の帯電微粒子水が二つの通流路から放出される場合であっても、寿命が短い方の正イオンを、寿命が長い方の負極性の帯電微粒子水よりも多く放出することができ、空気中の正、負極性のバランスを長時間に亘って保つことができるイオン発生機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るイオン発生機は、送風機が送出する空気を個別に通流させて外部へ放出する二つの通流路夫々に、イオンを発生させるイオン発生部を配してあるイオン発生機において、前記二つの通流路の一方を通流する空気の前記イオン発生部周辺における風速が、他方の通流路を通流する空気の前記イオン発生部周辺における風速よりも速くなる手段を備え、前記イオン発生部の一方は、放電により正イオンが発生する放電電極を有し、他方は、放電により負極性の帯電微粒子水が発生する放電電極を有することを特徴とする。
【0009】
この発明にあっては、二つの通流路の一方から放出されるイオンの寿命が、通流路の他方から放出される負極性の帯電微粒子水の寿命よりも短い場合であっても、寿命が短い側の通流路の風速が、寿命が長い側の通流路の風速よりも速いため、寿命が短い正イオンの放出量を、寿命が長い負極性の帯電微粒子水の放出量よりも多くすることができ、空気中の正、負極性のバランスを長時間に亘って保つことができる。
【0010】
また、本発明に係るイオン発生機は、前記手段は、前記通流路の一方の通流方向の前記イオン発生部周辺における断面積が通流路の他方の断面積よりも狭くしてある構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、二つの通流路を有する既存のイオン発生機における通流路の一方の断面積を部分的に狭くすることにより風速を速くすることができるため、改良箇所が少なく、コストを低減できる。
【0011】
また、本発明に係るイオン発生機は、前記イオン発生部の一方は、前記手段よりも前記通流方向下流側の位置に配してある構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、通流路の断面積が狭い箇所を空気が通流する際、断面積が狭い箇所を通過した箇所で風速が最も速くなるため、寿命が短い正イオンの放出量をより一層多くすることができる。
【0012】
また、本発明に係るイオン発生機は、前記手段は、他方の通流路に配してあるイオン発生部に対して前記通流方向の上流及び下流側の位置で他方の通流路に開口するバイパス路である構成とするのが好ましい。
この発明にあっては、他方の通流路を通流する空気が、イオン発生部を配してある通流路とバイパス路との二つの経路に分流され、イオン発生部を配してある通流路を通流する空気のイオン発生部周辺における風速が、一方の通流路を通流する空気のイオン発生部周辺における風速よりも相対的に遅くなり、ひいては一方の通流路を通流する空気のイオン発生部周辺における風速が、他方の通流路を通流する空気のイオン発生部周辺における風速よりも相対的に速くなり、寿命が短い正イオンの放出量を多くすることができる。また、二つの通流路を有する既存のイオン発生機における通流路の他方にバイパス路を設けることにより風速を相対的に速くすることができるため、改良箇所が少なく、コストを低減できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、二つの通流路の一方から放出される正イオンの寿命が、通流路の他方から放出される負極性の帯電微粒子水の寿命よりも短い場合であっても、寿命が短い側の通流路の風速が、寿命が長い側の通流路の風速よりも速いため、寿命が短い正イオンの放出量を、寿命が長い負極性の帯電微粒子水の放出量よりも多くすることができ、空気中の正、負極性のバランスが長時間に亘って保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るイオン発生機の構成を示す縦断側面図である。
【図2】本発明に係るイオン発生機の他の箇所の構成を示す縦断側面図である。
【図3】本発明に係るイオン発生機の構成を示す縦断正面図である。
【図4】本発明に係るイオン発生機の他の構成を示す断面正面図である。
【図5】本発明に係るイオン発生機の他の構成を示す縦断正面図である。
【図6】図5のVI−VI線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。
実施の形態1
図1は本発明に係るイオン発生機の構成を示す縦断側面図、図2はイオン発生機の他の箇所の構成を示す縦断側面図、図3はイオン発生機の構成を示す縦断正面図である。
【0016】
図1に示したイオン発生機は、後面下部に吸込口11を有し、上部に吹出口12を有するハウジング1と、該ハウジング1内に内装されているケーシング2と、該ケーシング2内の下部に配されている送風機3と、ハウジング1内における送風機3及び吹出口12間に配されている二つのイオン発生部4,5とを備える。
【0017】
ハウジング1は平面視矩形をなす底壁1aと、該底壁1aの二辺に連なる前壁1b、後壁1c及び底壁1aの他の二辺に連なる側壁と、前壁1b及び後壁1c間に配された中間壁1dと、天壁1eとを有する略直方体をなし、後壁1cに吸込口11が開設され、天壁1eに吹出口12が開設されている。
【0018】
中間壁1dは吸込口11の縁に連なる皿形状をなし、下部の送風機3と対向する箇所に連通孔1fが開設されており、また、上部の一方のイオン発生部4と対向する箇所に孔1gが開設されている。中間壁1d内の吸込口11と対向する箇所には、送風機3が吸込口11から吸込む空気を通過させ、該空気中の異物を除去して清浄空気にするフィルタ6が取付けられている。また、ハウジング1の天壁1eで、吹出口12の一側には、運転スイッチなどの複数のスイッチ及びランプなどの表示手段を含む操作部が設けられている。
【0019】
ケーシング2は、ハウジング1の前壁1b及び中間壁1dの間に配されており、前後に離隔して対向する前壁2a、後壁2b、前壁2a及び後壁2b間の下部に配されている湾曲誘導壁2cと、該湾曲誘導壁2cの上端に連なる二つの側壁2d,2eとを有し、上部が吹出口12に開放されており、前壁2a、後壁2b及び側壁2d,2e間に二つの通流路21,22が仕切壁23にて形成されている。通流路21,22における前壁2a及び後壁2bは吹出口12に向けて後方へ若干傾斜し、通流路21,22の吹出口側断面積が送風機側断面積よりも狭くなっている。
【0020】
一方の側壁2dは、湾曲誘導壁2cの一端から上方へほぼまっすぐに配され、他方の側壁2eは、湾曲誘導壁2cの他端から該湾曲誘導壁2cの内側に回転自在に配される羽根車の接線方向へ傾斜して配されている。
【0021】
通流路21,22における後壁2bの上下中央部には孔24,25が開設されている。また、後壁2bの下部には連通孔1fの縁に連なる吸気孔26が開設されている。
【0022】
仕切壁23は、側壁2d,2e間に配され、仕切壁23及び側壁2d間に一方の通流路21を形成してあり、仕切壁23及び側壁2e間に他方の通流路22を形成してある。通流路21の通流方向中間には、該通流路21を通流する空気の風速を、他方の通流路22を通流する空気の風速よりも速くする絞り部27が設けられている。
【0023】
絞り部27は仕切壁23の通流路21側と、側壁2dとに設けられた湾曲凸部27a,27bからなり、通流路21における絞り部27の断面積が、他の部分における断面積及び通流路22の断面積よりも狭くなっており、該絞り部27の最狭点から通流方向下流側(吹出口12側)へ若干離隔した位置に一方の孔24が開設されている。孔24には一方のイオン発生部4が配される。
【0024】
送風機3は、ケーシング2の湾曲誘導壁2c内に前後方向への回転軸を中心として回転自在に収容されている羽根車31と、該羽根車31を駆動する電動モータ32とを有し、該電動モータ32がケーシング2の前壁2aに取付けられている。羽根車31はシロッコファンであり、羽根車31の回転により送出される空気が、通流路21,22を経て吹出口12から外部へ放出される。また、羽根車31の周方向1箇所での接線方向に側壁2eが配されている。
【0025】
イオン発生部4,5のうち、一方のイオン発生部4は、コロナ放電だけで正イオンを発生するように構成されており、他方のイオン発生部5は、静電霧化現象により負極性の帯電微粒子水を発生するように構成されている。正イオンの空気中の寿命は、帯電微粒子水の空気中の寿命よりも短い。
【0026】
一方のイオン発生部4は、ケーシング2の孔24から通流路21に臨む放電電極41、該放電電極41の先端部に離隔して対向する誘導電極環42と、放電電極41及び誘導電極環42を保持する保持ケース43とを有し、放電電極41及び誘導電極環42に電圧を印加することにより、放電電極41がコロナ放電し、正イオンを発生するように構成されている。イオン発生部4は、放電電極41及び誘導電極環42がケーシング2の孔24から通流路21に臨むように保持ケース43がケーシング2に取付けられている。
【0027】
他方のイオン発生部5は、電圧が印加されることにより一面が吸熱し、他面が発熱するペルチェ素子51と、該ペルチェ素子51の一面に結合され、ケーシング2の孔25から通流路22に臨む棒状の放電電極52と、該放電電極52の先端部に離隔して対向する誘導電極環53と、一面に複数の放熱フィン54aを有し他面がペルチェ素子51の他面に結合されている放熱板54と、ペルチェ素子51及び誘導電極環53を保持する保持ケース55とを備え、ペルチェ素子51に電圧を印加することにより放電電極52を冷却し、空気中の水分を放電電極52の先端部に結露させ、放電電極52に電圧を印加することにより該放電電極52の先端部に静電霧化現象を発生させ、負に帯電した帯電微粒子水を発生させるように構成されている。イオン発生部5は、放電電極52及び誘導電極環53がケーシング2の孔25から通流路22に臨むように保持ケース55がケーシング2に取付けられ、放熱板54の放熱フィン54aが中間壁1dの孔1gから中間壁1d内側の空気吸込路に露出し、空気吸込路を通流する吸込空気にて冷却されるようになしてある。
【0028】
以上のように構成されたイオン発生機の運転動作について説明する。イオン発生機は吸込口11が壁側となるように居住室内の壁の近くに据えられる。操作部に配置されている運転スイッチを操作することにより、イオン発生部4,5及び送風機3が運転を開始する。送風機3の羽根車31は、図3に示すように電動モータの出力軸を中心として時計回りに回転する。羽根車31によって吸込口11からフィルタ6を経て吸込まれた空気はケーシング2の湾曲誘導壁2cにより誘導されて上方の二つの通流路21,22へ送出される。
【0029】
一方の通流路21にはコロナ放電だけで正イオンを発生するイオン発生部4を配してあるため、該イオン発生部4が通流路21に沿って上方へ通流する空気中に正イオンを発生させる。この正イオンを含む空気が通流路21を上方へ通流し、吹出口12から居住室内に放出される。
【0030】
他方の通流路22には静電霧化現象により負極性の帯電微粒子水を発生するイオン発生部5を配してあるため、該イオン発生部5が通流路22に沿って上方へ通流する空気中に負極性の帯電微粒子水を発生させる。この帯電微粒子水を含む空気が通流路22を上方へ通流し、吹出口12から居住室内に放出される。
【0031】
正イオンが通流路21に沿って通流し、負極性の帯電微粒子水が通流路22に沿って通流する際、寿命が短い正イオンを発生するイオン発生部4が配されている通流路21の通流方向中間で、イオン発生部の配置部分には絞り部27があり、該絞り部27により一方の通流路21を正イオンとともに通流する空気の風速が、他方の通流路22を寿命が長い帯電微粒子水とともに通流する空気の風速よりも速いため、寿命が短い正イオンの放出量を、寿命が長い帯電微粒子水の放出量よりも多くすることができ、空気中の正、負極性のバランスを長期間に亘って保つことができる。
【0032】
実施の形態2
図4は本発明に係るイオン発生機の他の構成を示す断面正面図である。このイオン発生機は、ケーシング2の後壁2bに正イオンを発生するイオン発生部4を取付け、ケーシング2の側壁2eに帯電微粒子水を発生するイオン発生部5を取付け、該イオン発生部5の放熱板54を通流路22に臨ませ、通流路22に連通する連通路22aに放電電極52及び誘導電極環53を臨ませたものである。
【0033】
ケーシング2の側壁2eには通流路22に開口する孔25と、該孔25に連通し通流方向下流側(吹出口12側)へ離隔した位置で通流路22に開口する連通孔22aとが開設され、放熱板54が孔25から通流路22に臨み、放電電極52及び誘導電極環53が連通孔22aから通流路22に臨むように保持ケース55が側壁2eに取付けられている。
【0034】
この実施の形態にあっては、イオン発生部5の放熱板54が通流路22に配されており、送風機3から通流路22に送出される空気にて放熱板54を冷却することができるため、放熱板54の放熱性を高めることができる。
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0035】
実施の形態3
図5は本発明に係るイオン発生機の他の構成を示す縦断正面図、図6は図5のVI−VI線断面図である。このイオン発生機は、他方の通流路22に配してあるイオン発生部5に対して通流方向の上流及び下流側の位置で他方の通流路22に開口するバイパス路22bを設け、他方の通流路22を通流する空気を、イオン発生部5を配してある通流路22とバイパス路22bとの二つの経路に分流させ、イオン発生部5を配してある通流路22を通流する空気のイオン発生部周辺における風速が、一方の通流路21を通流する空気のイオン発生部周辺における風速よりも相対的に遅くなり、ひいては一方の通流路21を通流する空気のイオン発生部周辺における風速が、他方の通流路22を通流する空気のイオン発生部周辺における風速よりも相対的に速くなるように構成したものである。
【0036】
ケーシング2における後壁2bの通流路22側には、通流路22に開口する孔25と、該孔25から通流方向下流側及び上流側へ離隔した位置で通流路22に開口するバイパス路22bとが設けられ、放電電極52及び誘導電極環53が孔25から通流路22に臨むように保持ケース55が後壁2bに取付けられ、放熱板54がバイパス路22bに配され、通流路22から分流してバイパス路22bを通流する空気にて冷却されるようになしてある。
【0037】
この実施の形態にあっては、通流路22に連なる吹出口12から室内に吹出す空気の風速及び風量を確保することができるとともに、通流路21を通流する空気のイオン発生部周辺における風速を、通流路22を通流する空気のイオン発生部周辺における風速よりも相対的に速くすることができ、寿命が短い正イオンの放出量を、寿命が長い負極性の帯電微粒子水の放出量よりも多くすることができ、空気中の正、負極性のイオンバランスを長期間に亘って保つことができる。
【0038】
放電電極52部分の風速が速すぎると、放電電極52の先端部に結露が生じにくくなり、負極性の帯電微粒子水が発生しにくくなるが、バイパス路22bによって放電電極52部分の風速を遅くすることができるため、放電電極52の先端部に結露が生じ易くなり、負極性の帯電微粒子水が発生し易くなる。また、放熱板54がバイパス路22bに配されており、送風機3から通流路22に送出される空気にて放熱板54を冷却することができるため、放熱板54の放熱性を高めることができる。
その他の構成及び作用は実施の形態1と同様であるため、同様の部品については同じ符号を付し、その詳細な説明及び作用効果の説明を省略する。
【0039】
尚、以上説明した実施の形態では二つの通流路21,22を備える構成としたが、その他通流路21,22の個数は二つ以上であればよく、その個数は特に制限されない。
【0040】
また、以上説明した実施の形態では一つの羽根車31が送出する送出側に二つの通流路21,22を有する構成としたが、その他、一つの電動モータ32又は二つの電動モータにて駆動される二つの羽根車夫々が送出する二つの通流路を有する構成としてもよい。
【0041】
また、本発明に係るイオン発生機は、冷房機能及び暖房機能の少なくとも一つを備える空気調和機に組み込まれてもよい。この場合、イオン発生機を備える空気調和機となる。
【符号の説明】
【0042】
21,22 通流路
22b バイパス路(手段)
27 絞り部(手段)
3 送風機
4,5 イオン発生部
41 放電電極
52 放電電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風機が送出する空気を個別に通流させて外部へ放出する二つの通流路夫々に、イオンを発生させるイオン発生部を配してあるイオン発生機において、
前記二つの通流路の一方を通流する空気の前記イオン発生部周辺における風速が、他方の通流路を通流する空気の前記イオン発生部周辺における風速よりも速くなる手段を備え、
前記イオン発生部の一方は、放電により正イオンが発生する放電電極を有し、他方は、放電により負極性の帯電微粒子水が発生する放電電極を有することを特徴とするイオン発生機。
【請求項2】
前記手段は、前記通流路の一方の通流方向の前記イオン発生部周辺における断面積が通流路の他方の断面積よりも狭くしてある請求項1記載のイオン発生機。
【請求項3】
前記イオン発生部の一方は、前記手段よりも前記通流方向下流側の位置に配してある請求項1又は2記載のイオン発生機。
【請求項4】
前記手段は、他方の通流路に配してあるイオン発生部に対して前記通流方向の上流及び下流側の位置で他方の通流路に開口するバイパス路である請求項1記載のイオン発生機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−51189(P2013−51189A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−189955(P2011−189955)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【特許番号】特許第5111648号(P5111648)
【特許公報発行日】平成25年1月9日(2013.1.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】