イオン発生装置付き収納庫
【課題】イオン発生装置からのイオンを利用して、衣類などを収納した収納庫内の脱臭や除菌を効率よく行う。
【解決手段】収納庫は、前面に開閉自在な扉8を有し、衣類1をポール9に吊り下げて収納する。イオンを発生させるイオン発生装置3が天板4に設けられ、イオン発生装置3は衣類1の上方に位置する。イオン発生装置3は、イオンを吹き出す吹出口21と収納庫内の空気を吸い込む吸込口20とを有し、吸込口20が吹出口21よりも扉8に近い前側に位置する。吹出口21からイオンを含んだ気流が衣類1の上部に吹き出され、気流は下方に向かって流れる。イオンにより衣類1全体の脱臭や除菌が行われる。
【解決手段】収納庫は、前面に開閉自在な扉8を有し、衣類1をポール9に吊り下げて収納する。イオンを発生させるイオン発生装置3が天板4に設けられ、イオン発生装置3は衣類1の上方に位置する。イオン発生装置3は、イオンを吹き出す吹出口21と収納庫内の空気を吸い込む吸込口20とを有し、吸込口20が吹出口21よりも扉8に近い前側に位置する。吹出口21からイオンを含んだ気流が衣類1の上部に吹き出され、気流は下方に向かって流れる。イオンにより衣類1全体の脱臭や除菌が行われる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類などの物品を吊り下げて収納する収納空間内の除菌や脱臭を行えるイオン発生装置付き収納庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のクローゼットなどの収納庫では、煙草や汗の臭いが付着した衣類が吊り下げられて収納されることがある。収納庫内の収納空間は閉空間であり、収納された衣類が密集しているため、衣類に付着した臭いが取れにくい。しかも、収納空間にその臭いがこもる、他の綺麗な衣類に臭いが移るといった問題がある。また、雨などで少し濡れた状態の衣類をそのまま収納すると、小空間である収納空間では、湿度が上がり、その結果、カビが繁殖しやすい環境になってしまうという問題もある。
【0003】
その解決策として、特許文献1に記載された衣類収納庫では、静電霧化装置を設け、その装置によって生成される帯電微粒子水によって、収納庫内の脱臭やカビ発生の抑制が行われる。この静電霧化装置は、収納庫の下部に配置され、空気吸込口と空気吐出口とを有する。空気吸込口および空気吐出口は、上方に向けられ、空気吐出口から帯電微粒子水が放出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−61409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に衣類は、収納庫内に差し渡されたハンガーポールに掛けられる。上記の衣類収納庫のように、衣類の下側に静電霧化装置が設置されていると、空気の吸込みや帯電微粒子水の吹出しに対して衣類が邪魔する。例えば、空気吐出口から吹き出された帯電微粒子水を含む空気がすぐに吸込口から吸い込まれるショートサーキットが生じる。そのため、帯電微粒子水は収納庫内の上部まで到達せず、衣類の下部の脱臭等はできるが、衣類の上部の脱臭等はできない。
【0006】
また、収納庫内の下部には、空きスペースがあり、収納ボックスなどを置くことができる。しかし、この空きスペースに静電霧化装置が設置されているので、収納のためのスペースが犠牲になり、収納庫としての本来の機能を損なう。
【0007】
ここで、脱臭や除菌のために、イオンを発生させて空気中にイオンを送出するイオン発生装置が用いられる。本発明は、イオン発生装置からのイオンを利用して、衣類などを収納した収納庫内の脱臭や除菌を効率よく行える収納庫の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前面に開閉自在な扉が設けられ、物品を吊り下げて収納する収納庫であって、イオンを発生させるイオン発生装置を備えたものである。イオン発生装置は、物品の上部にイオンを吹き出す。イオンは物品の上部から下部に向けて流れていき、物品全体にイオンが行き渡る。このイオンにより、衣類等の物品に対して脱臭や除菌が行われる。
イオン発生装置は、物品の上方に設けられる。イオン発生装置から吹き出されたイオンは、物品の上部に向かい、さらに物品に沿って下部まで流れる。
【0009】
イオン発生装置は、イオンを吹き出す吹出口と収納庫内の空気を吸い込む吸込口とを有する。吹出口は物品の上方に位置する。また、吸込口が吹出口よりも扉に近い前側に位置する。吸込口に埃等を除去するためのフィルタが設けられていると、このフィルタは扉側に位置するので、フィルタの清掃や交換が行いやすくなる。
【0010】
なお、イオン発生装置から吹き出されるイオンは、物品の上部に向かえばよい。すなわち、吹出口が物品の上方に設けられる。吹出口からのイオンは下方の物品に向かって吹き出される。この場合、イオン発生装置は物品の上方以外の場所に設置してもよい。
【0011】
イオン発生装置に操作部が設けられ、操作部が扉に対面するようにイオン発生装置が配置される。扉を開けると、眼前に操作部がくる。そのため、操作部を操作するときや操作部を視認するときに、収納されている物品が邪魔にならない。
【0012】
収納庫の天板に、イオン発生装置が設けられる。イオン発生装置の下面に、吸込口および吹出口が形成されている。収納庫では、物品を吊り下げるためのポールが左右方向にわたって設けられる。したがって、イオン発生装置の吹出口はポールよりも上側に位置する。吹出口からイオンは、下方に向かって吹き出され、イオンが物品に触れる。
【0013】
また、収納庫の背板、側板あるいは扉に、イオン発生装置が設けられる。吹出口は吸込口よりも上側に位置する。吹出口は物品よりも上方にくるので、イオンが物品の上部から下部に向かって流れていく。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、イオン発生装置から吹き出されたイオンは、衣類等の物品の上部から下方に向かって流れる。これにより、イオンが物品全体に行き渡り、物品の脱臭や除菌をむらなく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のイオン発生装置付き収納庫の外観を示す図
【図2】イオン発生装置付き収納庫内部の正面図
【図3】イオン発生装置付き収納庫内部の側面図
【図4】下側から見たイオン発生装置の斜視図
【図5】イオン発生装置の内部構造を示す図
【図6】イオン発生装置のA−A断面図
【図7】イオン発生部の斜視図
【図8】イオン発生装置を上側に設けた収納庫におけるイオン濃度測定箇所を示す図
【図9】イオン発生装置を下側に設けた収納庫におけるイオン濃度測定箇所を示す図
【図10】収納庫内の平面方向のイオン濃度測定箇所を示す図
【図11】枕棚を有するイオン発生装置付き収納庫内部の正面図
【図12】イオン発生装置を背板に設けた収納庫内部の側面図
【図13】イオン発生装置を扉に設けた収納庫内部の側面図
【図14】イオン発生装置を天板の外部に設けた収納庫の外観を示す図
【発明を実施するための形態】
【0016】
本実施形態のイオン発生装置付き収納庫を図1〜3に示す。衣類1などの物品を吊り下げて収納する収納庫は、前面が開口した収納空間2を有し、イオンを発生させるイオン発生装置3を備えている。
【0017】
収納空間2は、天板4、背板5、左右の側板6、底板7から形成され、前面の開口に開閉自在な扉8が設けられる。収納空間2の上部には、衣類1を吊り下げるためのポール9が設けられる。ポール9は、左右方向に差し渡され、左右の側板6に取り付けられる。
【0018】
収納空間2内に設置されるイオン発生装置3は、天板4に取り付けられ、ポール9よりも上方に位置する。図4〜6に示すように、イオン発生装置3は、イオンを発生するイオン発生器10と、発生したイオンを吹き出すための送風機11とを備えている。これらはケース12に内装されている。ケース12は、後板13と後板13に着脱可能に取り付けられたカバー14とから構成される。後板13が天板4に取り付けられ、カバー14が下方の衣類1に対向する。
【0019】
カバー14の下面に、空気の吸込口20とイオンを吹き出す吹出口21とが形成される。吸込口20および吹出口21は、下向きとされる。吸込口20は、カバー14に形成された凹部22内に位置し、凹部22にフィルタ23が嵌め込まれている。吹出口20および吸込口21は、ポール9よりも上側に位置する。
【0020】
カバー14の前面に、操作部24が設けられる。操作部24は、電源のオンオフや運転切り替えを行う運転スイッチと、運転モードや異常などの動作状態を示すインジケータなどを備えている。
【0021】
イオン発生器10は、図7に示すように、複数のイオン発生部30を有する本体部31と、イオン発生部30を覆う電極カバー32とから一体的に形成され、ユニット化されている。本体部31には、高電圧発生回路などを搭載した制御回路基板が内蔵され、外部から電力を供給するコネクタ33が設けられている。外部から電線が収納庫内に引き込まれ、天板4に沿って配線され、電線がコネクタ33に接続される。
【0022】
イオン発生部30は、針状の放電電極34と誘導電極(図示せず)とを有する。電極カバー32は、イオン発生部30を外部の異物から守り、損傷を防ぐとともに、使用者が触れないように保護している。イオン発生器10はケース12に着脱自在に装着される。カバー14の側面に、イオン発生器10の着脱用の開口が形成され、開口は蓋35に覆われている。
【0023】
商用電源から電力が電線を通じてイオン発生器10に供給されると、高電圧に変換されてイオン発生部30に供給される。放電電極34と誘導電極との間に高電圧が印加されて放電が起こり、放電電極34の先端でイオンが発生する。このイオン発生器10は、正イオンH+(H2O)mあるいは負イオンO2−(H2O)nを発生する。m、nは任意の自然数である。正イオンを発生するイオン発生部30は、両端の2つのイオン発生部30とされ、負イオンを発生するイオン発生部30は、中央の2つのイオン発生部30とされる。
【0024】
送風機11の駆動により、収納空間2の空気が吸込口20からケース12内に吸い込まれる。フィルタ23は、吸い込む空気から埃等を除去する。清浄にされた空気は、送風機11を通り、イオン発生部30を通過する。イオン発生部30から発生したイオンが送風機11の気流によって運ばれ、イオンを含む空気が吹出口21から収納空間2に吹き出される。
【0025】
正イオンと負イオンを空気中に同時に送出する場合、空気中の浮遊細菌や臭い物質の表面に正負イオンが付着して、化学反応を起こし、そのときに発生する水酸基ラジカル(・OH)や過酸化水素(H2O2)によって殺菌されたり、分解されたりする。また、衣類1が帯電している場合、その電位と逆の電位が吸着されるので、帯電除去も行える。
【0026】
なお、イオン発生器10の構造として、平板上に放電電極および誘導電極を印刷形成した平板型、ガラス管等の内外表面にそれぞれ電極を配した円筒側、空間に電極線を張った線状電極型のいずれかを採用してもよい。また、イオン発生器10から負イオンのみを発生させてもよい。この場合、若干の殺菌効果と帯電防止効果が得られる。負イオンを発生させる場合、イオン発生器10の代わりに、トルマリンなどの鉱物を使用してもよい。この鉱物に空気が接触することにより、負イオンが発生する。
【0027】
イオン発生装置3は、収納空間2の左右方向において中央に位置する。前後方向においても中央付近に位置する。すなわち、イオン発生装置3は、衣類1の上方に設けられる。イオン発生装置3の吹出口21からイオンが下方に向かって放出され、ダウンフローが生じる。イオンは、ポール9に吊り下げられた衣類1に当たり、袖などに沿って衣類1の下部まで到達する。このように、ポール9の上方の空いたスペースから吹き出されたイオンは、衣類1全体、さらには収納空間2全体に行き渡る。そのため、効率よく衣類1および収納空間2の脱臭、除菌を行うことができる。
【0028】
特に、イオン発生装置3をポール9の真上に設置することが好ましい。吸込口20と吹出口21とはポール9を跨いで前後方向に配置されることになる。吸込口20は吹出口21よりも前側に位置する。吹出口21から吹き出したイオンを含む気流は、衣類1と背板5との間の空間を通り、収納空間2の下部に至り、前側に向かって流れ、衣類1と扉8との間の空間を通って吸込口20に戻る。このように、収納空間2を循環する流路が形成され、イオンを収納空間2全体に効率的に行き渡らせることができる。
【0029】
ここで、イオン発生装置3を収納空間2の上側に設置した場合と下側に設置した場合とにおけるイオンの分布を比べる。イオン発生装置3を天板4の中央に設置した場合と底板7の中央に設置した場合とにおいて、イオンの濃度を測定する。イオン発生装置3が上側にある場合、図8に示すように、衣類1よりも下方の位置でイオン濃度を測定する。イオン発生装置3が下側にある場合、図9に示すように、衣類1よりも上方の位置でイオン濃度を測定する。図10に示すように、前後方向および左右方向のそれぞれ3点ずつ計9点で測定する。そして、衣類有りのときと衣類無しのときにそれぞれ測定する。
【0030】
測定によって得られた結果を表1,2に示す。表1は、イオン発生装置3を上側に設置した場合、表2は、イオン発生装置3を下側に設置した場合である。表中の数値は、衣類無しのときのイオン濃度を100%として、衣類有りのときに測定したイオン濃度から正負イオンの残存率を算出した値を示す。上段が正イオンの残存率、下段が負イオンの残存率である。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
この測定結果より、イオンの放出を上側から行った場合、衣類1の下側における正イオンの平均残存率は72%、負イオンの平均残存率は63%である。これに対し、イオンの放出をした側から行った場合、衣類1の上側における正イオンの平均残存率は11%、負イオンの平均残存率は12%である。イオン発生装置3を上側に設置することにより、衣類が吊り下げられていても、ダウンフローによってイオンは収納空間2の下部まで行き届く。一方、イオン発生装置3を下側に設置して上向きにイオンを送出しても、衣類1によってイオンの上昇が妨げられる。そして、収容空間に下部に漂っているイオンはイオン発生装置3の吸込口から吸い込まれてしまうので、ほとんどのイオンは衣類の上部まで達しない。したがって、収納空間2全体の脱臭および除菌を効率的に行うには、上から下に向けてイオンを送出させることが最良の方法である。これによって、衣類に対してもくまなく脱臭および除菌を行うことができる。
【0034】
イオン発生装置3は、収納空間2内の空気を吸い込み、イオンを含ませて吹き出す。このとき、フィルタ23は、空気中の埃を捕集する。時間が経過するにつれて、フィルタ23全体に埃が付着し、吸い込む空気の量が減少する。そのため、送風機11の送風量が減少し、イオンの放出に影響を及ぼす。そのため、フィルタ23の清掃、交換といったメンテナンスが定期的に必要となる。イオン発生装置3の吸込口20は扉8寄りに位置しているので、フィルタ23をケース12から着脱する際、ポール9や衣類1が邪魔にならない。したがって、使用者は楽にフィルタ23を着脱することができる。
【0035】
また、操作部24が収納庫の前面に臨むように設けられているので、扉8を開ければ、操作部24が眼前に現れる。使用者は、イオン発生装置3の運転状況やイオンの発生状況を容易に確認することができ、操作に関しても手を伸ばすことによって簡単に行える。
【0036】
イオン発生装置3が天板4に取り付けられているため、収納空間2の下部はフリースペースとなる。そのため、他の物品を収納することができる。例えば、衣類を収納したボックスを置くことができる。そこで、このボックスに通気口を形成する。上部から流れてきたイオンが通気口を通ってボックス内に入る。ボックス内を脱臭および除菌することができる。
【0037】
ところで、収納庫では、扉8の内側に小物を掛けるためのスペースが設けられる。そのため、図3に示すように、ポール9は、前後方向の中央よりも少し後側に配される。イオン発生装置3の操作性および視認性を考慮すると、イオン発生装置3は、天板4の前側寄りに設置される。イオン発生装置3の吹出口21はポール9よりも前側に位置する。
【0038】
この場合、吹出口21から放出されたイオンを含む気流は、衣類1の上部に当たる。気流の一部は衣類1の肩のラインに沿って後側に流れ、衣類1と背板5との間の空間を通って衣類1の下部に達する。したがって、イオンは収納空間2の後側の下部まで届き、衣類1全体の脱臭や除菌を問題なく行える。
【0039】
上記とは逆に、イオン発生装置3を天板4の後側寄りに設置してもよい。吹出口21は、背板5の近くに位置する。吹出口21からの気流は、衣類1と背板5との間の空間に直接放出される。気流速度が速いので、気流は収納空間2の下部まで到達しやすくなる。
【0040】
収納庫として、たんす、押入れ、部屋組み込み式のクローゼット、ウォークインクローゼットがあげられる。部屋組み込み式のクローゼットの場合、図11に示すように、天板4の下方に枕棚36が設けられる。枕棚36の上部空間には、衣装ケースなどが載置される。枕棚36の下方にポール9が設けられる。イオン発生装置3は、枕棚36の下面に取り付けられる。
【0041】
イオン発生装置3は、収納庫内の衣類1よりも上方に設けられる。そこで、イオン発生装置3の他の設置形態として、図12に示すように、イオン発生装置3が背板5の上部に取り付けられる。あるいは図13に示すように、イオン発生装置3が扉8の上部に取り付けられる。なお、イオン発生装置3を左右の側板6の一方あるいは両方に取り付けてもよい。
【0042】
このような設置時には、吹出口21は吸込口20よりも上側とされるとともに、ポール9よりも上方に位置する。吹出口21からの気流は、収納空間2の上部に放出され、イオンは上方から下方に向かって押し流される。イオンは衣類1に触れ、衣類1の脱臭や除菌が行われる。このとき、気流速度が速くても、吹き出された気流は衣類1に直接当たらない。したがって、気流が衣類1に直接当たることによる騒音の発生を抑制できる。
【0043】
イオン発生装置3の設置位置を少し下げると、吹出口21が衣類1に対向した位置になる。この場合、吹出口21からの気流は衣類1に直接当たる。すなわち、高濃度のイオンが衣類1に触れるので、脱臭や除菌の効果を高めることができる。したがって、イオン発生装置3を上下方向に移動可能に取り付けるとよい。静粛性を求める場合には、イオン発生装置3を高い位置に移動すればよく、効果を高めたい場合には、イオン発生装置3を低い位置に移動すればよい。
【0044】
また、他の設置形態として、図14に示すように、イオン発生装置3を天板4の上面に設ける。天板4に、貫通孔が形成され、イオン発生装置3の吹出口21は貫通孔に対向する。吹出口21からの気流は、天板4の貫通孔を通って収納空間2内に吹き出される。吸込口20から収納庫の外部の空気が吸い込まれる。貫通孔にルーバを設けておくと、気流を分散させることができ、イオンを収納空間2の隅々まで広めることができる。しかも、イオン発生装置3は収納庫の外部にあるので、給電のための電線を収納庫内に引き込む必要がなくなり、設置作業が簡単になる。
【0045】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。収納庫が冷蔵室や冷凍室であってもよく、吊り下げられて収納される物品は、食肉やソーセージなどの食品とされる。
【0046】
また、イオン発生装置からのイオンは、衣類等の物品の上部に向かって放出されればよい。すなわち、イオン発生装置の吹出口が物品の上方に位置すればよい。イオン発生装置は、物品の上方以外の場所に設置される。例えば、天板の扉の近傍のように、収納空間の前側にイオン発生装置が設置される。イオン発生装置からダクトなどにより、物品の上方に至る送風路を設ける。送風路は天板に沿って配され、送風路の先端が吹出口とされ、吹出口は物品の上方に位置することになる。
【符号の説明】
【0047】
1 衣類
2 収納空間
3 イオン発生装置
4 天版
5 背板
6 側板
7 底板
8 扉
9 ポール
10 イオン発生装置
11 送風機
12 ケース
20 吸込口
21 吹出口
23 フィルタ
24 操作部
30 イオン発生部
31 本体部
32 電極カバー
33 コネクタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類などの物品を吊り下げて収納する収納空間内の除菌や脱臭を行えるイオン発生装置付き収納庫に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のクローゼットなどの収納庫では、煙草や汗の臭いが付着した衣類が吊り下げられて収納されることがある。収納庫内の収納空間は閉空間であり、収納された衣類が密集しているため、衣類に付着した臭いが取れにくい。しかも、収納空間にその臭いがこもる、他の綺麗な衣類に臭いが移るといった問題がある。また、雨などで少し濡れた状態の衣類をそのまま収納すると、小空間である収納空間では、湿度が上がり、その結果、カビが繁殖しやすい環境になってしまうという問題もある。
【0003】
その解決策として、特許文献1に記載された衣類収納庫では、静電霧化装置を設け、その装置によって生成される帯電微粒子水によって、収納庫内の脱臭やカビ発生の抑制が行われる。この静電霧化装置は、収納庫の下部に配置され、空気吸込口と空気吐出口とを有する。空気吸込口および空気吐出口は、上方に向けられ、空気吐出口から帯電微粒子水が放出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−61409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に衣類は、収納庫内に差し渡されたハンガーポールに掛けられる。上記の衣類収納庫のように、衣類の下側に静電霧化装置が設置されていると、空気の吸込みや帯電微粒子水の吹出しに対して衣類が邪魔する。例えば、空気吐出口から吹き出された帯電微粒子水を含む空気がすぐに吸込口から吸い込まれるショートサーキットが生じる。そのため、帯電微粒子水は収納庫内の上部まで到達せず、衣類の下部の脱臭等はできるが、衣類の上部の脱臭等はできない。
【0006】
また、収納庫内の下部には、空きスペースがあり、収納ボックスなどを置くことができる。しかし、この空きスペースに静電霧化装置が設置されているので、収納のためのスペースが犠牲になり、収納庫としての本来の機能を損なう。
【0007】
ここで、脱臭や除菌のために、イオンを発生させて空気中にイオンを送出するイオン発生装置が用いられる。本発明は、イオン発生装置からのイオンを利用して、衣類などを収納した収納庫内の脱臭や除菌を効率よく行える収納庫の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前面に開閉自在な扉が設けられ、物品を吊り下げて収納する収納庫であって、イオンを発生させるイオン発生装置を備えたものである。イオン発生装置は、物品の上部にイオンを吹き出す。イオンは物品の上部から下部に向けて流れていき、物品全体にイオンが行き渡る。このイオンにより、衣類等の物品に対して脱臭や除菌が行われる。
イオン発生装置は、物品の上方に設けられる。イオン発生装置から吹き出されたイオンは、物品の上部に向かい、さらに物品に沿って下部まで流れる。
【0009】
イオン発生装置は、イオンを吹き出す吹出口と収納庫内の空気を吸い込む吸込口とを有する。吹出口は物品の上方に位置する。また、吸込口が吹出口よりも扉に近い前側に位置する。吸込口に埃等を除去するためのフィルタが設けられていると、このフィルタは扉側に位置するので、フィルタの清掃や交換が行いやすくなる。
【0010】
なお、イオン発生装置から吹き出されるイオンは、物品の上部に向かえばよい。すなわち、吹出口が物品の上方に設けられる。吹出口からのイオンは下方の物品に向かって吹き出される。この場合、イオン発生装置は物品の上方以外の場所に設置してもよい。
【0011】
イオン発生装置に操作部が設けられ、操作部が扉に対面するようにイオン発生装置が配置される。扉を開けると、眼前に操作部がくる。そのため、操作部を操作するときや操作部を視認するときに、収納されている物品が邪魔にならない。
【0012】
収納庫の天板に、イオン発生装置が設けられる。イオン発生装置の下面に、吸込口および吹出口が形成されている。収納庫では、物品を吊り下げるためのポールが左右方向にわたって設けられる。したがって、イオン発生装置の吹出口はポールよりも上側に位置する。吹出口からイオンは、下方に向かって吹き出され、イオンが物品に触れる。
【0013】
また、収納庫の背板、側板あるいは扉に、イオン発生装置が設けられる。吹出口は吸込口よりも上側に位置する。吹出口は物品よりも上方にくるので、イオンが物品の上部から下部に向かって流れていく。
【発明の効果】
【0014】
本発明によると、イオン発生装置から吹き出されたイオンは、衣類等の物品の上部から下方に向かって流れる。これにより、イオンが物品全体に行き渡り、物品の脱臭や除菌をむらなく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明のイオン発生装置付き収納庫の外観を示す図
【図2】イオン発生装置付き収納庫内部の正面図
【図3】イオン発生装置付き収納庫内部の側面図
【図4】下側から見たイオン発生装置の斜視図
【図5】イオン発生装置の内部構造を示す図
【図6】イオン発生装置のA−A断面図
【図7】イオン発生部の斜視図
【図8】イオン発生装置を上側に設けた収納庫におけるイオン濃度測定箇所を示す図
【図9】イオン発生装置を下側に設けた収納庫におけるイオン濃度測定箇所を示す図
【図10】収納庫内の平面方向のイオン濃度測定箇所を示す図
【図11】枕棚を有するイオン発生装置付き収納庫内部の正面図
【図12】イオン発生装置を背板に設けた収納庫内部の側面図
【図13】イオン発生装置を扉に設けた収納庫内部の側面図
【図14】イオン発生装置を天板の外部に設けた収納庫の外観を示す図
【発明を実施するための形態】
【0016】
本実施形態のイオン発生装置付き収納庫を図1〜3に示す。衣類1などの物品を吊り下げて収納する収納庫は、前面が開口した収納空間2を有し、イオンを発生させるイオン発生装置3を備えている。
【0017】
収納空間2は、天板4、背板5、左右の側板6、底板7から形成され、前面の開口に開閉自在な扉8が設けられる。収納空間2の上部には、衣類1を吊り下げるためのポール9が設けられる。ポール9は、左右方向に差し渡され、左右の側板6に取り付けられる。
【0018】
収納空間2内に設置されるイオン発生装置3は、天板4に取り付けられ、ポール9よりも上方に位置する。図4〜6に示すように、イオン発生装置3は、イオンを発生するイオン発生器10と、発生したイオンを吹き出すための送風機11とを備えている。これらはケース12に内装されている。ケース12は、後板13と後板13に着脱可能に取り付けられたカバー14とから構成される。後板13が天板4に取り付けられ、カバー14が下方の衣類1に対向する。
【0019】
カバー14の下面に、空気の吸込口20とイオンを吹き出す吹出口21とが形成される。吸込口20および吹出口21は、下向きとされる。吸込口20は、カバー14に形成された凹部22内に位置し、凹部22にフィルタ23が嵌め込まれている。吹出口20および吸込口21は、ポール9よりも上側に位置する。
【0020】
カバー14の前面に、操作部24が設けられる。操作部24は、電源のオンオフや運転切り替えを行う運転スイッチと、運転モードや異常などの動作状態を示すインジケータなどを備えている。
【0021】
イオン発生器10は、図7に示すように、複数のイオン発生部30を有する本体部31と、イオン発生部30を覆う電極カバー32とから一体的に形成され、ユニット化されている。本体部31には、高電圧発生回路などを搭載した制御回路基板が内蔵され、外部から電力を供給するコネクタ33が設けられている。外部から電線が収納庫内に引き込まれ、天板4に沿って配線され、電線がコネクタ33に接続される。
【0022】
イオン発生部30は、針状の放電電極34と誘導電極(図示せず)とを有する。電極カバー32は、イオン発生部30を外部の異物から守り、損傷を防ぐとともに、使用者が触れないように保護している。イオン発生器10はケース12に着脱自在に装着される。カバー14の側面に、イオン発生器10の着脱用の開口が形成され、開口は蓋35に覆われている。
【0023】
商用電源から電力が電線を通じてイオン発生器10に供給されると、高電圧に変換されてイオン発生部30に供給される。放電電極34と誘導電極との間に高電圧が印加されて放電が起こり、放電電極34の先端でイオンが発生する。このイオン発生器10は、正イオンH+(H2O)mあるいは負イオンO2−(H2O)nを発生する。m、nは任意の自然数である。正イオンを発生するイオン発生部30は、両端の2つのイオン発生部30とされ、負イオンを発生するイオン発生部30は、中央の2つのイオン発生部30とされる。
【0024】
送風機11の駆動により、収納空間2の空気が吸込口20からケース12内に吸い込まれる。フィルタ23は、吸い込む空気から埃等を除去する。清浄にされた空気は、送風機11を通り、イオン発生部30を通過する。イオン発生部30から発生したイオンが送風機11の気流によって運ばれ、イオンを含む空気が吹出口21から収納空間2に吹き出される。
【0025】
正イオンと負イオンを空気中に同時に送出する場合、空気中の浮遊細菌や臭い物質の表面に正負イオンが付着して、化学反応を起こし、そのときに発生する水酸基ラジカル(・OH)や過酸化水素(H2O2)によって殺菌されたり、分解されたりする。また、衣類1が帯電している場合、その電位と逆の電位が吸着されるので、帯電除去も行える。
【0026】
なお、イオン発生器10の構造として、平板上に放電電極および誘導電極を印刷形成した平板型、ガラス管等の内外表面にそれぞれ電極を配した円筒側、空間に電極線を張った線状電極型のいずれかを採用してもよい。また、イオン発生器10から負イオンのみを発生させてもよい。この場合、若干の殺菌効果と帯電防止効果が得られる。負イオンを発生させる場合、イオン発生器10の代わりに、トルマリンなどの鉱物を使用してもよい。この鉱物に空気が接触することにより、負イオンが発生する。
【0027】
イオン発生装置3は、収納空間2の左右方向において中央に位置する。前後方向においても中央付近に位置する。すなわち、イオン発生装置3は、衣類1の上方に設けられる。イオン発生装置3の吹出口21からイオンが下方に向かって放出され、ダウンフローが生じる。イオンは、ポール9に吊り下げられた衣類1に当たり、袖などに沿って衣類1の下部まで到達する。このように、ポール9の上方の空いたスペースから吹き出されたイオンは、衣類1全体、さらには収納空間2全体に行き渡る。そのため、効率よく衣類1および収納空間2の脱臭、除菌を行うことができる。
【0028】
特に、イオン発生装置3をポール9の真上に設置することが好ましい。吸込口20と吹出口21とはポール9を跨いで前後方向に配置されることになる。吸込口20は吹出口21よりも前側に位置する。吹出口21から吹き出したイオンを含む気流は、衣類1と背板5との間の空間を通り、収納空間2の下部に至り、前側に向かって流れ、衣類1と扉8との間の空間を通って吸込口20に戻る。このように、収納空間2を循環する流路が形成され、イオンを収納空間2全体に効率的に行き渡らせることができる。
【0029】
ここで、イオン発生装置3を収納空間2の上側に設置した場合と下側に設置した場合とにおけるイオンの分布を比べる。イオン発生装置3を天板4の中央に設置した場合と底板7の中央に設置した場合とにおいて、イオンの濃度を測定する。イオン発生装置3が上側にある場合、図8に示すように、衣類1よりも下方の位置でイオン濃度を測定する。イオン発生装置3が下側にある場合、図9に示すように、衣類1よりも上方の位置でイオン濃度を測定する。図10に示すように、前後方向および左右方向のそれぞれ3点ずつ計9点で測定する。そして、衣類有りのときと衣類無しのときにそれぞれ測定する。
【0030】
測定によって得られた結果を表1,2に示す。表1は、イオン発生装置3を上側に設置した場合、表2は、イオン発生装置3を下側に設置した場合である。表中の数値は、衣類無しのときのイオン濃度を100%として、衣類有りのときに測定したイオン濃度から正負イオンの残存率を算出した値を示す。上段が正イオンの残存率、下段が負イオンの残存率である。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
この測定結果より、イオンの放出を上側から行った場合、衣類1の下側における正イオンの平均残存率は72%、負イオンの平均残存率は63%である。これに対し、イオンの放出をした側から行った場合、衣類1の上側における正イオンの平均残存率は11%、負イオンの平均残存率は12%である。イオン発生装置3を上側に設置することにより、衣類が吊り下げられていても、ダウンフローによってイオンは収納空間2の下部まで行き届く。一方、イオン発生装置3を下側に設置して上向きにイオンを送出しても、衣類1によってイオンの上昇が妨げられる。そして、収容空間に下部に漂っているイオンはイオン発生装置3の吸込口から吸い込まれてしまうので、ほとんどのイオンは衣類の上部まで達しない。したがって、収納空間2全体の脱臭および除菌を効率的に行うには、上から下に向けてイオンを送出させることが最良の方法である。これによって、衣類に対してもくまなく脱臭および除菌を行うことができる。
【0034】
イオン発生装置3は、収納空間2内の空気を吸い込み、イオンを含ませて吹き出す。このとき、フィルタ23は、空気中の埃を捕集する。時間が経過するにつれて、フィルタ23全体に埃が付着し、吸い込む空気の量が減少する。そのため、送風機11の送風量が減少し、イオンの放出に影響を及ぼす。そのため、フィルタ23の清掃、交換といったメンテナンスが定期的に必要となる。イオン発生装置3の吸込口20は扉8寄りに位置しているので、フィルタ23をケース12から着脱する際、ポール9や衣類1が邪魔にならない。したがって、使用者は楽にフィルタ23を着脱することができる。
【0035】
また、操作部24が収納庫の前面に臨むように設けられているので、扉8を開ければ、操作部24が眼前に現れる。使用者は、イオン発生装置3の運転状況やイオンの発生状況を容易に確認することができ、操作に関しても手を伸ばすことによって簡単に行える。
【0036】
イオン発生装置3が天板4に取り付けられているため、収納空間2の下部はフリースペースとなる。そのため、他の物品を収納することができる。例えば、衣類を収納したボックスを置くことができる。そこで、このボックスに通気口を形成する。上部から流れてきたイオンが通気口を通ってボックス内に入る。ボックス内を脱臭および除菌することができる。
【0037】
ところで、収納庫では、扉8の内側に小物を掛けるためのスペースが設けられる。そのため、図3に示すように、ポール9は、前後方向の中央よりも少し後側に配される。イオン発生装置3の操作性および視認性を考慮すると、イオン発生装置3は、天板4の前側寄りに設置される。イオン発生装置3の吹出口21はポール9よりも前側に位置する。
【0038】
この場合、吹出口21から放出されたイオンを含む気流は、衣類1の上部に当たる。気流の一部は衣類1の肩のラインに沿って後側に流れ、衣類1と背板5との間の空間を通って衣類1の下部に達する。したがって、イオンは収納空間2の後側の下部まで届き、衣類1全体の脱臭や除菌を問題なく行える。
【0039】
上記とは逆に、イオン発生装置3を天板4の後側寄りに設置してもよい。吹出口21は、背板5の近くに位置する。吹出口21からの気流は、衣類1と背板5との間の空間に直接放出される。気流速度が速いので、気流は収納空間2の下部まで到達しやすくなる。
【0040】
収納庫として、たんす、押入れ、部屋組み込み式のクローゼット、ウォークインクローゼットがあげられる。部屋組み込み式のクローゼットの場合、図11に示すように、天板4の下方に枕棚36が設けられる。枕棚36の上部空間には、衣装ケースなどが載置される。枕棚36の下方にポール9が設けられる。イオン発生装置3は、枕棚36の下面に取り付けられる。
【0041】
イオン発生装置3は、収納庫内の衣類1よりも上方に設けられる。そこで、イオン発生装置3の他の設置形態として、図12に示すように、イオン発生装置3が背板5の上部に取り付けられる。あるいは図13に示すように、イオン発生装置3が扉8の上部に取り付けられる。なお、イオン発生装置3を左右の側板6の一方あるいは両方に取り付けてもよい。
【0042】
このような設置時には、吹出口21は吸込口20よりも上側とされるとともに、ポール9よりも上方に位置する。吹出口21からの気流は、収納空間2の上部に放出され、イオンは上方から下方に向かって押し流される。イオンは衣類1に触れ、衣類1の脱臭や除菌が行われる。このとき、気流速度が速くても、吹き出された気流は衣類1に直接当たらない。したがって、気流が衣類1に直接当たることによる騒音の発生を抑制できる。
【0043】
イオン発生装置3の設置位置を少し下げると、吹出口21が衣類1に対向した位置になる。この場合、吹出口21からの気流は衣類1に直接当たる。すなわち、高濃度のイオンが衣類1に触れるので、脱臭や除菌の効果を高めることができる。したがって、イオン発生装置3を上下方向に移動可能に取り付けるとよい。静粛性を求める場合には、イオン発生装置3を高い位置に移動すればよく、効果を高めたい場合には、イオン発生装置3を低い位置に移動すればよい。
【0044】
また、他の設置形態として、図14に示すように、イオン発生装置3を天板4の上面に設ける。天板4に、貫通孔が形成され、イオン発生装置3の吹出口21は貫通孔に対向する。吹出口21からの気流は、天板4の貫通孔を通って収納空間2内に吹き出される。吸込口20から収納庫の外部の空気が吸い込まれる。貫通孔にルーバを設けておくと、気流を分散させることができ、イオンを収納空間2の隅々まで広めることができる。しかも、イオン発生装置3は収納庫の外部にあるので、給電のための電線を収納庫内に引き込む必要がなくなり、設置作業が簡単になる。
【0045】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正および変更を加え得ることは勿論である。収納庫が冷蔵室や冷凍室であってもよく、吊り下げられて収納される物品は、食肉やソーセージなどの食品とされる。
【0046】
また、イオン発生装置からのイオンは、衣類等の物品の上部に向かって放出されればよい。すなわち、イオン発生装置の吹出口が物品の上方に位置すればよい。イオン発生装置は、物品の上方以外の場所に設置される。例えば、天板の扉の近傍のように、収納空間の前側にイオン発生装置が設置される。イオン発生装置からダクトなどにより、物品の上方に至る送風路を設ける。送風路は天板に沿って配され、送風路の先端が吹出口とされ、吹出口は物品の上方に位置することになる。
【符号の説明】
【0047】
1 衣類
2 収納空間
3 イオン発生装置
4 天版
5 背板
6 側板
7 底板
8 扉
9 ポール
10 イオン発生装置
11 送風機
12 ケース
20 吸込口
21 吹出口
23 フィルタ
24 操作部
30 イオン発生部
31 本体部
32 電極カバー
33 コネクタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に開閉自在な扉が設けられ、物品を吊り下げて収納する収納庫であって、イオンを発生させるイオン発生装置を備え、イオン発生装置は、物品の上部にイオンを吹き出すことを特徴とするイオン発生装置付き収納庫。
【請求項2】
イオン発生装置は、物品の上方に設けられ、物品に向かってイオンを吹き出すことを特徴とする請求項1記載のイオン発生装置付き収納庫。
【請求項3】
イオン発生装置は、イオンを吹き出す吹出口と収納庫内の空気を吸い込む吸込口とを有し、吹出口は物品の上方に位置することを特徴とする請求項1または2記載のイオン発生装置付き収納庫。
【請求項4】
吸込口が吹出口よりも扉に近い前側に位置することを特徴とする請求項3記載のイオン発生装置付き収納庫。
【請求項5】
イオン発生装置に操作部が設けられ、操作部が扉に対面するようにイオン発生装置が配置されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のイオン発生装置付き収納庫。
【請求項6】
物品を吊り下げるためのポールが左右方向にわたって設けられ、イオン発生装置の吹出口はポールよりも上側に位置することを特徴とする請求項3または4記載のイオン発生装置付き収納庫。
【請求項7】
イオン発生装置の下面に、吸込口および吹出口が形成されたことを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載のイオン発生装置付き収納庫。
【請求項8】
収納庫の天板に、イオン発生装置が設けられたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のイオン発生装置付き収納庫。
【請求項9】
収納庫の背板、側板あるいは扉に、イオン発生装置が設けられ、吹出口は吸込口よりも上側に位置することを特徴とする請求項1記載のイオン発生装置付き収納庫。
【請求項1】
前面に開閉自在な扉が設けられ、物品を吊り下げて収納する収納庫であって、イオンを発生させるイオン発生装置を備え、イオン発生装置は、物品の上部にイオンを吹き出すことを特徴とするイオン発生装置付き収納庫。
【請求項2】
イオン発生装置は、物品の上方に設けられ、物品に向かってイオンを吹き出すことを特徴とする請求項1記載のイオン発生装置付き収納庫。
【請求項3】
イオン発生装置は、イオンを吹き出す吹出口と収納庫内の空気を吸い込む吸込口とを有し、吹出口は物品の上方に位置することを特徴とする請求項1または2記載のイオン発生装置付き収納庫。
【請求項4】
吸込口が吹出口よりも扉に近い前側に位置することを特徴とする請求項3記載のイオン発生装置付き収納庫。
【請求項5】
イオン発生装置に操作部が設けられ、操作部が扉に対面するようにイオン発生装置が配置されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のイオン発生装置付き収納庫。
【請求項6】
物品を吊り下げるためのポールが左右方向にわたって設けられ、イオン発生装置の吹出口はポールよりも上側に位置することを特徴とする請求項3または4記載のイオン発生装置付き収納庫。
【請求項7】
イオン発生装置の下面に、吸込口および吹出口が形成されたことを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載のイオン発生装置付き収納庫。
【請求項8】
収納庫の天板に、イオン発生装置が設けられたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のイオン発生装置付き収納庫。
【請求項9】
収納庫の背板、側板あるいは扉に、イオン発生装置が設けられ、吹出口は吸込口よりも上側に位置することを特徴とする請求項1記載のイオン発生装置付き収納庫。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−85830(P2013−85830A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230968(P2011−230968)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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