説明

イオン発生装置及び電気機器

【課題】消費電力を抑えたイオン発生装置を提供する。
【解決手段】イオン発生装置は、高電圧発生回路と、前記高電圧発生回路から出力される高電圧または前記高電圧発生回路から出力される高電圧を基に生成される電圧が与えられるイオン発生素子とを備える。前記高電圧発生回路が、コンデンサと、1次側に接続される前記コンデンサから出力される電圧を昇圧して2次側に高電圧を出力する高圧トランスと、前記高圧トランスの1次側に接続され、ON/OFFにより前記高圧トランスの1次側電流を断続するスイッチング素子と、前記スイッチング素子のON/OFFを制御するためのパルス信号を発生するパルス信号発生部とを有する。前記パルス信号発生部が、前記パルス信号のON期間のパルス幅と、前記高圧トランスのフォワード動作時における出力電圧周波数の逆数に1/4を乗じた時間とが略一致するように、前記ON期間のパルス幅を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空間にイオンを放出して室内環境を改善することが可能なイオン発生装置、及び当該イオン発生装置を備えた電気機器に関するものである。なお、上記の電気機器に該当する例としては、主として閉空間(家屋内、ビル内の一室、病院の病室や手術室、車内、飛行機内、船内、倉庫内、冷蔵庫の庫内等)で使用される空気調和機、除湿器、加湿器、空気清浄機、冷蔵庫、ファンヒータ、電子レンジ、洗濯乾燥機、掃除機、殺菌装置などを挙げることができる。
【背景技術】
【0002】
放電現象を利用した種々のイオン発生装置が実用化されている。これらのイオン発生装置は通常、イオンを発生させるためのイオン発生素子と、イオン発生素子に高電圧を供給するための高圧トランスと、高圧トランスを駆動するための高電圧発生回路と、コネクタなどの電源入力部とにより構成されている。
【0003】
実用化されているイオン発生素子の例としては、金属線、鋭角部を持った金属板、針形状の金属などを放電電極とし、大地電位の金属板やグリッドなどを誘導電極(対向電極)としたイオン発生素子、或いは、金属線、鋭角部を持った金属板、針形状の金属などを放電電極とし、誘導電極の代わりに大地を用いて特に誘導電極を配置しないイオン発生素子などを挙げることができる。これらのイオン発生素子では、空気が絶縁体の役割を果たす。また、これらのイオン発生素子は、放電電極と誘導電極或いは大地との間に高電圧を印加した際に、放電電極の鋭角形状を有する先端で電界集中が生じ、その先端の極近部分の空気が絶縁破壊することで放電現象を得る方式でイオンを発生させる。
【0004】
上記の方式でイオンを発生させるイオン発生素子を備えるイオン発生装置の一例が、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されているイオン発生装置は、針状金属を備えた放電電極とこの放電電極に対向して設けられた穴あき平板電極とを有し、コロナ放電に伴って発生する正イオン及び負イオンを装置の外部に取り出す装置である。
【0005】
また、上記の方式でイオンを発生させるイオン発生素子を備えるイオン発生装置の他の例が、特許文献2に開示されている。特許文献2に開示されているイオン発生装置は、商用電源の交流波形を利用した高電圧発生回路を備える装置である。
【0006】
また、上記の方式でイオンを発生させるイオン発生素子を備えるイオン発生装置の更に他の例が、特許文献3に開示されている。特許文献3に開示されているイオン発生装置は、高電圧発生回路に、昇圧トランスを駆動するスイッチング素子と、そのスイッチング素子のON/OFFを制御するパルス信号を出力する制御回路とを使用し、その制御回路にマイクロコントローラ(マイクロコンピュータ)を使用することが可能な装置である。
【0007】
また、コロナ放電によってオゾンを発生させるコロナ放電装置の一例が、特許文献4に開示されている。特許文献4に開示されているコロナ放電発生装置は、高電圧を発生させるためのパルス列の生成に、中央演算処理装置(CPU)を用いて、パルス幅変調(PWM)やパルス位置変調(PPM)などのパルス列変調を使用する装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4503085号公報
【特許文献2】特許第3460021号公報
【特許文献3】特許第4489090号公報
【特許文献4】特開2008-171785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した特許文献1〜4に開示されている装置の全てに、高電圧トランスを使用した高電圧発生回路が含まれている。なお、高電圧トランスの入力側である1次巻線にパルス電流を流すことにより、高電圧トランスの出力側である2次巻線に高電圧を発生させることは、特許文献1〜4以外の多くの公知文献でも開示されており、既知の技術である。
【0010】
特許文献3の図5には、昇圧トランスの1次巻線に流す電流のパルス幅(時間)を変更することにより、昇圧トランスの2次出力電圧を変更できることが開示されている。また、特許文献4の図5には、トランスの1次巻線に流す電流のパルス幅を変更する事により、そのパルス幅に応じて出力電圧波形幅も可変できることが開示されている。
【0011】
しかしながら、実際はトランスの周波数特性などによりトランスの2次巻線から出力される電圧の周波数はほぼ決まっており、トランスの1次巻線に流す電流のパルス幅を変更しても自由にトランスの2次出力電圧を変化させたり、出力電圧波形幅を変化させたりすることはできない。
【0012】
また、上述した特許文献1〜3のいずれにおいても、高電圧パルスの発生方法のみが開示されており、効率良く低消費電流にて高電圧を発生させる方法は開示されていない。これは、イオン発生装置を搭載している従来の電気機器が、空気清浄機、空気調和機、除電器などある程度大型機器であり、電源を商用電源線(家庭用コンセントなど)から供給していたためと考えられる。しかし、今後、イオン発生装置の小型化が進み電池駆動となった場合、消費電流を抑えることは重要な課題となる。
【0013】
現在商品化されているイオン発生装置は、高電圧発生回路を含めたイオン発生回路ブロックの消費電力が0.5Wから数Wに及び消費電力が多いため、電池で動作させるポータブル機器などへの搭載が困難であった。
【0014】
また、上述した特許文献4においても、高電圧パルスの発生方法のみが開示されており、効率良く低消費電流にて高電圧を発生させる方法は開示されていない。これは、特許文献4の第0010段落ではポータブル機器への搭載について言及されているが、小型軽量化のみが技術課題とされているためと考えられる。
【0015】
本発明は、上記の状況に鑑み、消費電力を抑えたイオン発生装置、及び当該イオン発生装置を備えた電気機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために本発明に係るイオン発生装置は、高電圧発生回路と、前記高電圧発生回路から出力される高電圧または前記高電圧発生回路から出力される高電圧を基に生成される電圧が与えられるイオン発生素子とを備えるイオン発生装置であって、前記高電圧発生回路が、入力直流電圧又は前記入力直流電圧をDC/DC変換した電圧を蓄えるコンデンサと、1次側に接続される前記コンデンサから出力される電圧を昇圧して2次側に高電圧を出力する高圧トランスと、前記高圧トランスの1次側に接続され、ON/OFFにより前記高圧トランスの1次側電流を断続するスイッチング素子と、前記スイッチング素子のON/OFFを制御するためのパルス信号を発生するパルス信号発生部とを有し、前記パルス信号発生部が、前記パルス信号の前記スイッチング素子をONにする期間であるON期間のパルス幅と、前記高圧トランスのフォワード動作時における出力電圧周波数の逆数に1/4を乗じた時間とが略一致するように、前記ON期間のパルス幅を調整する構成(第1の構成)とする。
【0017】
このような構成によると、パルス信号のスイッチング素子をONにする期間であるON期間のパルス幅と、高圧トランスのフォワード動作時における出力電圧周波数の逆数に1/4を乗じた時間とが略一致することによって、高圧トランスのフォワード動作とフライバック動作を連続的に利用することができるので、消費電力を抑えることができる。
【0018】
上記第1の構成のイオン発生装置において、前記パルス信号発生部によって調整される前記ON期間のパルス幅が可変する構成(第2の構成)であることが望ましい。
【0019】
このような構成によると、種々の仕様の高圧トランスに対応して、消費電力を抑えることができる。
【0020】
上記第1または第2の構成のイオン発生装置において、前記スイッチング素子が前記パルス信号で直接駆動する構成(第3の構成)であることが望ましい。
【0021】
このような構成によると、パルス発生部とスイッチング素子との間にバッファ回路を設ける必要がなくなるので、低コスト化及び小型化に有利である。
【0022】
上記第1〜第3のいずれかの構成のイオン発生装置において、前記コンデンサが前記入力直流電圧を蓄える構成(第4の構成)であることが望ましい。
【0023】
このような構成によると、入力直流電圧をDC/DC変換するDC/DCコンバータを設ける必要がなくなるので、低コスト化及び小型化に有利である。
【0024】
上記第1〜第4のいずれかの構成のイオン発生装置において、前記コンデンサがセラミックコンデンサまたはフィルムコンデンサである構成(第5の構成)であることが望ましい。
【0025】
このような構成によると、コンデンサのESR(Equivalent Series Resistance:等価直列抵抗)を小さいので、高圧トランスの1次側に短時間に大きな電流を流す場合に適している。
【0026】
前記スイッチング素子の例としては、MOS−FET(Metal Oxide Semiconductor−Field Effect Transistor)、バイポーラトランジスタ、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を挙げることができる。
【0027】
また、前記パルス信号発生部は、前記パルス信号の発生をソフトウェアで制御するマイクロコントローラ、前記パルス信号の発生をハードウェアで制御する専用回路のいずれであっても構わない。
【0028】
本発明に係る電気機器は、上記いずれかの構成のイオン発生装置と、前記イオン発生装置で発生したイオンを前記イオン発生装置の外部に送出するための送出部とを備える構成とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明によると、パルス信号のスイッチング素子をONにする期間であるON期間のパルス幅と、高圧トランスのフォワード動作時における出力電圧周波数の逆数に1/4を乗じた時間とが略一致することによって、高圧トランスのフォワード動作とフライバック動作を連続的に利用することができるので、消費電力を抑えたイオン発生装置、及び当該イオン発生装置を備えた電気機器を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態に係るイオン発生装置の概略構成を示す図である。
【図2】NチャネルMOS−FETを用いた場合の図1に示すイオン発生装置の要部概略図である。
【図3】高電圧回路及びイオン発生素子の一例を示す図である。
【図4A】第1の放電部及び第2の放電部を備える第1構造例に係るイオン発生素子の上面図である。
【図4B】第1の放電部及び第2の放電部を備える第1構造例に係るイオン発生素子の断面図である。
【図4C】第1の放電部及び第2の放電部を備える第2構造例に係るイオン発生素子の平面図である。
【図4D】第1の放電部及び第2の放電部を備える第2構造例に係るイオン発生素子の第2構造例を示す正面図である。
【図4E】第2構造例に係るイオン発生素子が備える誘導電極を下側から見た斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態におけるパルス信号と高圧トランスの出力電圧の測定を示すタイムチャートである。
【図6】比較例におけるパルス信号と高圧トランスの出力電圧の測定を示すタイムチャートである。
【図7】比較例におけるパルス信号と高圧トランスの出力電圧の測定を示すタイムチャートである。
【図8】本発明に係る電気機器の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。
【0032】
本発明の一実施形態に係るイオン発生装置の概略構成を図1に示す。図1に示す本発明の一実施形態に係るイオン発生装置は、高電圧発生回路1と、高電圧発生回路1から出力される高電圧を基にイオン発生素子3に与える高電圧を生成する高電圧回路2と、イオン発生素子3とを備えている。
【0033】
高電圧発生回路1は、入力直流電圧VinをDC/DC変換するDC/DC/DCコンバータ11と、DC/DC/DCコンバータ11から出力される電圧を蓄えるコンデンサ12と、1次側に接続されるコンデンサ12から出力される電圧を昇圧して2次側に高電圧を出力する高圧トランス13と、高圧トランス13の1次側に接続され、ON/OFFにより高圧トランス13の1次側電流を断続するスイッチング素子14と、スイッチング素子14のON/OFFを制御するためのパルス信号P1を発生するマイクロコントローラ15と、スイッチング素子14とマイクロコントローラ15との間に設けられマイクロコントローラ15から出力されるパルス信号P1をスイッチング素子14の電圧や電流の定格仕様に合わせるバッファ回路16とを有している。マイクロコントローラ15とバッファ回路16はそれぞれ入力直流電圧Vinを駆動電圧として用いて動作している。
【0034】
本実施形態では、入力直流電圧Vinを約10V程度とした。入力直流電圧Vinが高すぎると、DC/DC/DCコンバータ11に使用する部品サイズが大きくなるため、入力直流電圧Vinは効率とサイズの面から数十V程度が望ましい。
【0035】
使用する部品の特性や定格仕様によっては、DC/DCコンバータ11やバッファ回路16を設けなくても構わない。DC/DCコンバータ11を設けない場合、コンデンサ12は入力直流電圧Vinを蓄える。バッファ回路16を設けない場合、スイッチング素子14がコントローラ15から出力されるパルス信号P1で直接駆動する。
【0036】
高圧トランスをパルス駆動にて動作させる場合、高圧トランスの特性に合わせて高圧トランスの1次側に瞬間的に数アンペアから数十アンペアの電流を流すことが多い。本実施形態では、約15Aから約20Aの範囲の電流を数μs間流した。このように短時間に大きな電流はDC/DCコンバータ11或いは入力直流電圧Vinの電源として想定している電池などから直接では流せないため、一旦コンデンサ12に蓄えて、コンデンサ12から高圧トランス13に供給するようにする必要がある。このようにコンデンサ12から高圧トランス13に短時間に大きな電流を流す必要があるため、コンデンサ12には、ESRが低い特性のコンデンサを用いることが望ましい。ESRが低い特性のコンデンサとしては、例えば、セラミックコンデンサやフィルムコンデンサなどを挙げることができる。
【0037】
詳細は後述するが、本発明では高圧トランスのフォワード動作を利用するので、高圧トランス13には、フォワード動作に適した特性すなわち閉磁路型で結合率が高い特性を持つトランスを用いることが望ましい。
【0038】
スイッチング素子14としては、例えば、MOS−FET、バイポーラトランジスタ、IGBTなどを挙げることができる。スイッチング素子14には、周波数特性が良く、ON抵抗が100mΩ以下であるスイッチング素子を用いることが望ましい。また、スイッチング素子14がON状態からOFF状態に変化する際、高圧トランス13のフライバック動作によってサージ電圧が発生するため、高圧トランスの1次側に接続される第1端子とグランドに接続される第2端子間の耐圧がサージ電圧以上(たとえば100V以上)のスイッチング素子をスイッチング素子14として用いることが望ましい。
【0039】
例えば、周波数特性が良くドレイン−ソース間耐圧が高いNチャネルMOS−FETをスイッチング素子14に用いた場合、図2に示すように、NチャネルMOS−FETのドレインが高圧トランス13の1次巻線に接続され、NチャネルMOS−FETのソースがグランドに接続される。ドレイン−ソース間耐圧が高いNチャネルMOS−FETにはゲート駆動電圧が高い特性のFETが多く、マイクロコントローラ15の端子電圧でNチャネルMOS−FETを直接駆動できない場合は、本実施形態のようにマイクロコントローラ15とスイッチング素子14として用いられているNチャネルMOS−FETとの間にバッファ回路16を設ける必要がある(図1参照)。バッファ回路16としては、例えば2電源レベルシフタを挙げることができる。
【0040】
NチャネルMOS−FETをスイッチング素子14に用いた場合、NチャネルMOS−FETのゲートに供給されるパルス信号がHighレベルの期間にNチャネルMOS−FETがON状態になってドレイン−ソース間が導通して高圧トランス13の1次側に電流が流れ、NチャネルMOS−FETのゲートに供給されるパルス信号がLowレベルの期間にNチャネルMOS−FETがOFF状態になってドレイン−ソース間が遮断して高圧トランス13の1次側に電流が流れなくなる。この高圧トランス13の1次側電流をON/OFFにより、高圧トランス13の2次側に高電圧が出力される。
【0041】
なお、本実施形態では、スイッチング素子14のON/OFFを制御するためのパルス信号P1を発生するパルス信号発生部として、パルス信号P1の発生をソフトウェアで制御するマイクロコントローラ15を用いたが、マイクロコントローラ15の代わりに、パルス信号P1の発生をハードウェアで制御する専用回路を用いても構わない。
【0042】
また、本実施形態では高電圧発生回路1とイオン発生素子3との間に高電圧回路2を設けたが、高電圧回路2を設けずに、例えば放電部を1つのみ備えているイオン発生素子を高圧トランス13の2次巻線に直接接続する構成にしても構わない。
【0043】
次に、高電圧回路2及びイオン発生素子3の一例について図3を参照して説明する。図3に示す例では、高電圧回路2が整流ダイオード21及び22によって構成され、イオン発生素子3が第1の放電部の第1の放電電極31A及び第1の誘導電極31B並びに第2の放電部の第1の放電電極32A及び第1の誘導電極32Bを有している。整流ダイオード21のカソード及び整流ダイオード22のアノードは高圧トランス13の2次巻線に接続され、整流ダイオード21のアノードはイオン発生素子3の第1の放電部の第1の放電電極31Aに電気的に接続され、整流ダイオード22のカソードはイオン発生素子3の第2の放電部の第2の放電電極32Aに電気的に接続される。そして、イオン発生素子3の第1の放電部の第1の誘導電極31Bと第2の放電部の第2の誘導電極32Bはグランドに接地される。
【0044】
ここで、第1の放電部及び第2の放電部を備える第1構造例に係るイオン発生素子を図4A及び図4Bに示す。図4Aは第1構造例に係るイオン発生素子の上面図であり、図4Bは第1構造例に係るイオン発生素子のX−X線断面図である。
【0045】
図4A及び図4Bに示す第1構造例に係るイオン発生素子は、第1の放電部(第1の放電電極31A、第1の誘導電極31B、放電電極接点31C、誘導電極接点31D、接続端子31E及び31F、並びに接続経路31G及び31H)と、第2の放電部(第2の放電電極32A、第2の誘導電極32B、放電電極接点32C、誘導電極接点32D、接続端子32E及び32F、並びに接続経路32G及び32H)と、誘電体33(上部誘電体33Aと下部誘電33B)と、コーティング層34とを有して成る。
【0046】
誘電体33は、略直方体状の上部誘電体33Aと下部誘電体33Bを貼り合わせて成る。誘電体33の材料として無機物を選択するのであれば、高純度アルミナ、結晶化ガラス、フォルステライト、ステアタイト等のセラミックを使用することができる。また、誘電体33の材料として有機物を選択するのであれば、耐酸化性に優れたポリイミドやガラスエポキシなどの樹脂が好適である。ただし、耐食性の面を考えれば、誘電体33の材料として無機物を選択する方が望ましく、さらに、成形性や後述する電極形成の容易性を考えれば、セラミックを用いて成形するのが好適である。また、第1の放電電極31Aと第1の誘導電極31Bとの間の絶縁抵抗及び第2の放電電極32Aと第2の誘導電極32Bとの間の絶縁抵抗は均一であることが望ましいため、誘電体33の材料としては、密度ばらつきが少なく、その絶縁率が均一であるものほど好適である。なお、誘電体33の形状は、略直方体状以外(円板状や楕円板状、多角形板状等)であってもよく、さらには円柱状であってもよいが、生産性を考えると、本構成例のように平板状(円板状及び直方体状を含む)とするのが好適である。
【0047】
第1の放電電極31A及び第2の放電電極32Aは、上部誘電体33Aの表面に該上部誘電体33Aと一体的に形成されている。第1の放電電極31A及び第2の放電電極32Aの材料としては、例えばタングステンのように、導電性を有するものであれば、特に制限なく使用することができるが、放電によって溶融等の変形を起こさないことが条件となる。
【0048】
また、第1の誘導電極31B及び第2の誘導電極32Bは、上部誘電体33Aを挟んで、第1の放電電極31A及び第2の放電電極32Aと平行に設けられている。このような配置とすることにより、互いに対向する放電電極と誘導電極の距離及び(以下、電極間距離と呼ぶ)を一定とすることができるので、放電電極と誘導電極との間の絶縁抵抗を均一化して放電状態を安定させ、イオンを好適に発生させることが可能となる。なお、誘電体33を円柱状とした場合には、第1の放電電極31A及び第2の放電電極32Aを円柱の外周表面に設けるとともに、第1の誘導電極31B及び第2の誘導電極32Bを軸状に設けることによって、前記電極間距離を一定とすることができる。第1の誘導電極31B及び第2の誘導電極32Bの材料としては、第1の放電電極31A及び第2の放電電極32Aと同様、例えばタングステンのように、導電性を有するものであれば、特に制限なく使用することができるが、放電によって溶融等の変形を起こさないことが条件となる。
【0049】
放電電極接点31Cは、第1の放電電極31Aと同一形成面(すなわち上部誘電体33Aの表面)に設けられた接続端子31E、及び接続経路31Gを介して、第1の放電電極31Aと電気的に導通されている。従って、放電電極接点31Cにリード線(銅線やアルミ線など)の一端を接続し、該リード線の他端を整流ダイオード21(図3参照)のアノードに接続すればよい。
【0050】
放電電極接点32Cは、第2の放電電極32Aと同一形成面(すなわち上部誘電体33Aの表面)に設けられた接続端子32E、及び接続経路32Gを介して、第2の放電電極32Aと電気的に導通されている。従って、放電電極接点32Cにリード線(銅線やアルミ線など)の一端を接続し、該リード線の他端を整流ダイオード22(図3参照)のカソードに接続すればよい。
【0051】
誘導電極接点31Dは、第1の誘導電極31Bと同一形成面(すなわち下部誘電体33Bの表面)に設けられた接続端子31F、及び接続経路31Hを介して、第1の誘導電極31Bと電気的に導通されている。従って、誘導電極接点31Dにリード線(銅線やアルミ線など)の一端を接続し、該リード線の他端をグランドに接地すればよい。
【0052】
誘導電極接点32Dは、第2の誘導電極32Bと同一形成面(すなわち下部誘電体33Bの表面)に設けられた接続端子32F、及び接続経路32Hを介して、第2の誘導電極32Bと電気的に導通されている。従って、誘導電極接点32Dにリード線(銅線やアルミ線など)の一端を接続し、該リード線の他端をグランドに接地すればよい。
【0053】
なお、図4A及び図4Bに示す第1構造例に係るイオン発生素子において、第1の放電電極31A及び第2の放電電極32Aは鋭角部を持ち、その部分で電界を集中させ、局部的に放電を起こす構成としている。放電により、第2の放電部では正イオンであるH+(H2O)m(mは自然数)が発生し、第1の放電部では負イオンであるO2-(H2O)n(nは自然数)が発生する。
【0054】
続いて、第1の放電部及び第2の放電部を備える第2構造例に係るイオン発生素子を図4C及び図4Dに示す。図4Cは第2構造例に係るイオン発生素子の平面図であり、図4Dは第2構造例に係るイオン発生素子の正面図である。図4C及び図4Dに示す第2構造例に係るイオン発生素子は、基板301と、誘導電極302及び303と、針電極304及び305とを備え、さらに高電圧回路2のダイオード21及び22(図3参照)を内部に組み込んでいる。
【0055】
基板301は、長方形状のプリント基板である。誘導電極302及び303の各々は独立部品として形成され、誘導電極302は基板301表面の一方端部(図中の左側端部)に搭載され、誘導電極303は基板301表面の他方端部(図中の右側端部)に搭載されている。
【0056】
図4Eは、誘導電極302を下側から見た斜視図である。図4Eにおいて、誘導電極302は、一体の金属板で形成されている。誘導電極302の平板部310の中央には円形の貫通孔311が形成されている。貫通孔311の直径は、たとえば9mmである。貫通孔311は、コロナ放電により発生するイオンを外部に放出するための開口部である。貫通孔311の周縁部分は、たとえば絞り加工などの工法により、金属板を平板部310に対して屈曲させた屈曲部312となっている。この屈曲部312により、貫通孔311の周縁部の厚み(たとえば1.6mm)が平板部310の厚み(たとえば0.6mm)よりも大きくなっている。
【0057】
また、平板部310の両端部の各々には、金属板の一部を平板部310に対して屈曲させた脚部313が設けられている。各脚部313は、基端側の支持部314と先端側の基板挿入部315を含む。平板部310の表面から見た支持部314の高さ(たとえば2.6mm)は、貫通孔311の周縁部の厚み(たとえば1.6mm)よりも大きくなっている。基板挿入部315の幅(たとえば1.2mm)は、支持部314の幅(たとえば4.5mm)よりも小さい。
【0058】
図4C及び図4Dに戻って引き続き第2構造例に係るイオン発生素子について説明する。誘導電極302の2つの基板挿入部315は、基板301の一方端部に形成された2つの貫通孔(図示せず)に挿入されている。2つの貫通孔は、基板301の長さ方向に配列されている。各基板挿入部315の先端部は、基板301裏面の電極に半田付けされている。支持部314の下端面は、基板1の表面に当接されている。したがって、平板部310は、基板301の表面に対して所定の隙間を開けて平行に配置される。
【0059】
誘導電極303は、誘導電極302と同じ構成である。誘導電極303の2つの基板挿入部315は、基板301の他方端部に形成された2つの貫通孔(図示せず)に挿入されている。2つの貫通孔は、基板301の長さ方向に配列されている。各基板挿入部315の先端部は、基板301裏面の電極に半田付けされている。支持部314の下端面は、基板301の表面に当接されている。したがって、平板部310は、基板301の表面に対して所定の隙間を開けて平行に配置される。
【0060】
誘導電極302及び303の合計4本の基板挿入部315は、基板301の長さ方向に配列されている。基板301の中央側の2本の基板挿入部315は、基板301の裏面の電極EL1により互いに電気的に接続されている。
【0061】
なお、誘導電極302及び303は、図4C及び図4Dに示すように、取付け後に基板301の外形からはみ出さないことが必要であり、誘導電極302及び303の寸法は基板301の幅以下で、基板301の長さの1/2以下に制限される。また、部品としての形状をできるだけ小さくし、低コスト化、生産性の向上を図るため、誘導電極302及び303の縦横の寸法は略同じにされている。
【0062】
また、基板301には、誘電電極302の貫通孔311の中心線を通す貫通孔(図示せず)が形成されており、その貫通孔に針電極304が挿入されている。針電極304は、正イオンを発生するために設けられている。針電極304の先端は基板301の表面上に突出し、その基端は基板301の裏面に突出し、その中央部は基板301の裏面に形成された電極EL2に半田付けされている。基板301の表面から見た針電極304の先端の高さは、誘導電極302の屈曲部312の下端の高さと上端の高さの間の範囲内(たとえば下端と上端の中間の高さ)に設定されている。
【0063】
また、基板301には、誘電電極303の貫通孔311の中心線を通す貫通孔(図示せず)が形成されており、その貫通孔に針電極305が挿入されている。針電極305は、負イオンを発生するために設けられている。針電極305の先端は基板301の表面上に突出し、その基端は基板301の裏面に突出し、その中央部は基板301の裏面に形成された電極EL3に半田付けされている。基板301の表面から見た針電極305の先端の高さは、誘導電極303の屈曲部312の下端の高さと上端の高さの間の範囲内(たとえば下端と上端の中間の高さ)に設定されている。針電極304及び305の先端の間隔は所定の値に設定される。
【0064】
また、ダイオード22のカソード端子線22aは電極EL2に半田付けされており、針電極304に電気的に接続されている。ダイオード22のアノード端子線22bは、基板301の裏面の電極EL4に半田付けされている。ダイオード21のカソード端子線21aは電極EL4に半田付けされており、ダイオード22のアノード端子線22bに電気的に接続されている。ダイオード21のアノード端子線21bは電極EL3に半田付けされており、針電極305に電気的に接続されている。
【0065】
なお、基板301には、ダイオード21及び22の本体部を挿入したり、高電圧側の電極EL2〜EL4と基準電圧側の電極EL1とを分離するための切欠き部301aが複数箇所に形成されている。切欠き部301aにはモールド樹脂が充填される。
【0066】
なお、図4C及び図4Dに示す第2構造例に係るイオン発生素子では、針電力304及び305の各先端部分で電界を集中させ、局部的に放電を起こす構成としている。放電により、針電極304では正イオンであるH+(H2O)m(mは自然数)が発生し、針電力305では負イオンであるO2-(H2O)n(nは自然数)が発生する。
【0067】
次に、マイクロコントローラ15が発生するパルス信号P1について説明する。
【0068】
高圧トランス13の基本動作には、1次側に電流を流している期間に2次側に高電圧が出力されるフォワード動作と、1次側の電流を停止した時に2次側に高電圧が出力されるフライバック動作とがある。
【0069】
従来のイオン発生装置では、フォワード動作とフライバック動作のいずれか一方のみによって高圧トランスが高電圧を発生させていた。これに対して、本発明に係るイオン発生装置では、フォワード動作とフライバック動作の両方によって高圧トランスが高電圧を発生させ、消費電流が非常に少なくてすむようにする。フォワード動作とフライバック動作の両方によって高圧トランス13が高電圧を発生させるようにするために、本実施形態では、マイクロコントローラ15が、パルス信号P1のスイッチング素子14をONにする期間であるON期間のパルス幅と、高圧トランス13のフォワード動作時における出力電圧周波数の逆数に1/4を乗じた時間とが略一致するように、パルス信号P1のON期間のパルス幅を調整する。なお、種々の仕様の高圧トランスに対応できるように、マイクロコントローラ15によって調整されるパルス信号P1のON期間のパルス幅は可変することが望ましい。
【0070】
高圧トランス13に、フォワード動作時における出力電圧周波数の逆数が約12000nsである高圧トランスを用いた場合の、パルス信号P1のON期間のパルス幅と高圧トランス13の2次側から出力される高電圧との測定結果を図5に示す。本実施形態では、パルス信号P1のON期間のパルス幅は、高圧トランス13のフォワード動作時における出力電圧周波数の逆数に1/4を乗じた時間と略一致する3000nsである。
【0071】
一方、比較例として、パルス信号P1のON期間のパルス幅を、高圧トランス13のフォワード動作時における出力電圧周波数の逆数に1/8を乗じた時間と略一致する1500ns(本実施形態より短い時間)にした場合の測定結果を図6に示し、パルス信号P1のON期間のパルス幅を、高圧トランス13のフォワード動作時における出力電圧周波数の逆数に1/2を乗じた時間と略一致する6000ns(本実施形態より長い時間)にした場合の測定結果を図7に示す。
【0072】
なお、図5〜図7において、パルス信号P1の電圧レンジは2V/Divであり、高圧トランス13の2次側から出力される高電圧の電圧レンジは2000V/Divである。また、図5〜図7のそれぞれにおいて、(a)と(b)は時間のレンジを変えているだけあり、(a)は4μs/Divであり、(b)は20μs/Divである。
【0073】
本実施形態では、高圧トランス13の2次側から出力される高電圧が正弦波形に近く(図5参照)、ロスが少ない効率の良い昇圧が行われている。これに対して、比較例では、高圧トランス13の2次側から出力される高電圧に鋭角の部分やリンギングが存在して波形が乱れており(図6及び図7参照)、ロスが多く発生していることが分かる。
【0074】
ここで、パルス信号P1のON期間のパルス幅と、高圧トランス13の2次側から出力される高電圧、イオン発生装置の消費電流、単位消費電流(1mA)当たりの出力電圧との関係を表1に示す。本実施形態では、高圧トランス13の2次側から出力される高電圧が11920V(peak to peak値)であるのに対し、比較例1では9600V(peak to peak値)、比較例2では11200V(peak to peak値)となり、本実施形態で最大電圧が出力されていることが分かる。また、昇圧の効率を示す指標である単位消費電流当たりの出力電圧でも、本実施形態では2820V/mAと最大値を示しており、高圧トランス13を最大効率で動作させていることが分かる。
【0075】
【表1】

【0076】
上記の通り、本実施形態において高圧トランス13が効率よく昇圧している理由について図5を参照して説明する。
【0077】
パルス信号P1をOFF期間からON期間に切り換えてスイッチング素子14をOFF状態からON状態に切り換えて高圧トランス13の1次側に電流を流す。この電流により高圧トランス13の2次側に高電圧が励起され出力電圧が立ち上がっていく。高圧トランス13の2次側の出力電圧がピーク電圧となる付近で、パルス信号P1をON期間からOFF期間に切り換えて高圧トランス13の1次側の電流を遮断する。このときのパルス信号P1のON期間が、高圧トランス13のフォワード動作時における出力電圧周波数の逆数に1/4を乗じた時間と略一致する。パルス信号P1のON期間において、高圧トランス13はフォワード動作を行っている。
【0078】
また、高圧トランス13の1次側に電流を流しているフォワード動作期間中には2次側に高圧波形が出力されると同時に高圧トランス13の磁性体コアに磁気エネルギーが蓄えられる。高圧トランス13の1次側の電流を遮断すると、高圧トランス13は、それまでに高圧トランス13の磁性体コアに蓄えられた磁気エネルギーが電気エネルギーに変換され2次側に高電圧が出力されるフライバック動作を行う。
【0079】
上記のように、パルス信号P1のON期間と、高圧トランス13のフォワード動作時における出力電圧周波数の逆数に1/4を乗じた時間とを略一致させることで、高圧トランス13のフォワード動作とフライバック動作とを連続的に利用することができ、効率の良い昇圧が可能となる。これにより、少ない消費電流で高電圧を得ることができ、消費電力を抑えることができる。これにより、従来は商用電源より電源を入力する電機機器にしか搭載されなかったイオン発生装置を、電池などで動作できるポータブルタイプにすることが可能となる。
【0080】
なお、特許文献3では、パルス信号のON期間を長くすることにより昇圧部の出力電圧が高くなることが記載されているが、図7に示す通りパルス信号のON期間が長すぎると出力電圧が下がると同時に消費電流が増えてしまう。また、特許文献4では、パルス信号のON期間に応じた幅の出力電圧が出力されると記載されているが、図7に示す通り高圧トランス13の出力電圧の周波数はパルス信号のON期間に関係なく一定である。
【0081】
上述した本発明に係るイオン発生装置は、電気機器に搭載することができる。そして、本発明に係るイオン発生装置を搭載した電気機器には、図8に示すように、本発明に係るイオン発生装置101に加えて、本発明に係るイオン発生装置101で発生したイオンを本発明に係るイオン発生装置101の外部に送出する送出部(例えば、送風ファン)102を搭載するとよい。このような電気機器であれば、機器本来の機能に加えて、搭載したイオン発生装置から放出された正イオン及び負イオンの作用により空気中のカビや菌を不活化してその増殖を抑制すること等ができ、室内環境を所望の雰囲気状態とすることが可能となる。
【0082】
なお、本発明に係るイオン発生装置は、正イオンと負イオンが略等量発生するイオン発生装置に限定されず、例えば図2に示す高圧回路2から整流ダイオード21を取り除き図2に示すイオン発生素子3から第1の放電電極31A及び第1の誘導電極31Bを含む第1の放電部を取り除いて正イオンのみが発生するようにしてもよく、高圧回路2から整流ダイオード22を取り除き図2に示すイオン発生素子3から第2の放電電極32A及び第2の誘導電極32Bを含む第2の放電部を取り除いて負イオンのみが発生するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 高電圧発生回路
2 高電圧回路
3 イオン発生装置
11 DC/DCコンバータ
12 コンデンサ
13 高圧トランス
14 スイッチング素子
15 マイクロコントローラ
16 バッファ回路
21、22 整流ダイオード
21a、22a カソード端子線
21b、22b アノード端子線
31A 第1の放電電極
31B 第1の誘導電極
31C、32C 放電電極接点
31D、32D 誘導電極接点
31E、31F、32E、32F 接続端子
31G、31H、32G、32H 接続経路
32A 第2の放電電極
32B 第2の誘導電極
33 誘電体
33A 上部誘電体
33B 下部誘電
34 コーティング層
101 本発明に係るイオン発生装置
102 送出部
301 基板
301a 切欠き部
302、303 誘導電極
304、305 針電極
310 平板部
311 貫通孔
312 屈曲部
313 脚部
314 支持部
315 基板挿入部
EL1〜EL4 電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高電圧発生回路と、
前記高電圧発生回路から出力される高電圧または前記高電圧発生回路から出力される高電圧を基に生成される電圧が与えられるイオン発生素子とを備えるイオン発生装置であって、
前記高電圧発生回路が、
入力直流電圧又は前記入力直流電圧をDC/DC変換した電圧を蓄えるコンデンサと、
1次側に接続される前記コンデンサから出力される電圧を昇圧して2次側に高電圧を出力する高圧トランスと、
前記高圧トランスの1次側に接続され、ON/OFFにより前記高圧トランスの1次側電流を断続するスイッチング素子と、
前記スイッチング素子のON/OFFを制御するためのパルス信号を発生するパルス信号発生部とを有し、
前記パルス信号発生部が、前記パルス信号の前記スイッチング素子をONにする期間であるON期間のパルス幅と、前記高圧トランスのフォワード動作時における出力電圧周波数の逆数に1/4を乗じた時間とが略一致するように、前記ON期間のパルス幅を調整することを特徴とするイオン発生装置。
【請求項2】
前記パルス信号発生部によって調整される前記ON期間のパルス幅が可変する請求項1に記載のイオン発生装置。
【請求項3】
前記スイッチング素子が前記パルス信号で直接駆動する請求項1または請求項2に記載のイオン発生装置。
【請求項4】
前記コンデンサが前記入力直流電圧を蓄える請求項1〜3のいずれか1項に記載のイオン発生装置。
【請求項5】
前記コンデンサがセラミックコンデンサまたはフィルムコンデンサである請求項1〜4のいずれか1項に記載のイオン発生装置。
【請求項6】
前記スイッチング素子が、MOS−FETである請求項1〜5のいずれか1項に記載のイオン発生装置。
【請求項7】
前記スイッチング素子が、バイポーラトランジスタである請求項1〜5のいずれか1項に記載のイオン発生装置。
【請求項8】
前記スイッチング素子が、IGBTである請求項1〜5のいずれか1項に記載のイオン発生装置。
【請求項9】
前記パルス信号発生部が、前記パルス信号の発生をソフトウェアで制御するマイクロコントローラである請求項1〜8のいずれか1項に記載のイオン発生装置。
【請求項10】
前記パルス信号発生部が、前記パルス信号の発生をハードウェアで制御する専用回路である請求項1〜8のいずれか1項に記載のイオン発生装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか1項に記載のイオン発生装置と、前記イオン発生装置で発生したイオンを前記イオン発生装置の外部に送出するための送出部とを備えることを特徴とする電機機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図8】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−98094(P2013−98094A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241583(P2011−241583)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)