説明

イカ釣り漁具

【課題】釣糸の投下の間中断なくイカを釣り上げること可能にする釣具を提供する。
【解決手段】複数の発光疑似餌21を左舷12から右舷11に左舷回転車121または右舷回転車111により回転する釣糸20に取り付け、右舷11から最下部までは発光が停止し、最下部を過ぎ釣糸20が海上に向けて上向きの位置から左舷12の甲板までは発光するイカ釣り漁具である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はイカ釣り漁具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、イカ釣りにおいては夜間に「メタルハライド灯」を点灯して「自動イカ釣り機」で釣り上げるのが一般的である。最近、省電力の「LED灯」がある。しかし、これらのすべては海上に大容量のランプを照らし、海面にイカをおびき寄せ、疑似餌とそれをコントロールする「自動イカ釣り機」でいったん魚群近くに降ろし、イカなどの魚が疑似餌に絡みつくと、逆回転して釣り上げている。これらの改善として、海中に複数の「光源付き疑似餌」を投入したものが提案されている。例えば特許文献1。「光源付き疑似餌」そのものは古くから提案されている。例えば特許文献2である。
【0003】
この特許文献1の技術は「光源付き疑似餌」を点滅させて釣り上げている。これらの技術の基本は海上での大容量のランプの重油の消費をなくし、海中でのピンポイントで発光させて、魚を疑似餌に誘い込み、釣り上げる方法である。
【0004】
また他に図7の「非特許文献1」のように「魚群探知機」でイカの所在位置を調査し、その群れに「海中灯」を下ろし、集魚を確認した後、徐々に減光しながら浅い海中に引き上げるとイカが追従して浅い海中におびき寄せられる。そして、「自動イカ釣り機」で釣り上げる。
以上の例の基本技術は海上での大容量のランプの重油の消費をなくし、効率よく海中での発光により効率良く、省エネでの「自動イカ釣り機」でのイカ釣りを可能としたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭52−23991号
【特許文献2】実公昭24−6025号
【特許文献3】USP2682208
【非特許文献】
【非特許文献1】http://www.takuyo−riken.co.jp/new/products/sougyou/sougyou−ikaturi.html#1よりの図面。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上の従来の発明のイカ釣り方法は、最近ではコンピータ化された「自動イカ釣り機」と組み合わせたものが主力である。その場合、複数の疑似餌をつけた釣糸を魚群に投下し、魚群の下まで行くと、今度は逆転して甲板まで引き上げる。この一連の動作は「自動イカ釣り機」がやってくれる。人間が釣る作業を自動化したものである。
【0007】
しかし、現在の「自動イカ釣り機」には問題がある。それは複数の疑似餌をつけた釣糸を魚群に投下して下降している間は、イカは喰らいついてくれないのである。また「光源付き疑似餌」を投下した場合、せっかく浅い海中に上がって来ているイカを逆に深い方向に誘導してしまう。
【0008】
本発明の目的は従来のように大容量のランプを点灯し大量の重油の消費することなく、また「自動イカ釣り機」のように高価な機械を使用することなく、また釣糸の投下の間の釣れないということなく、即ち「中断なく」イカを釣り上げること可能にする釣具を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は上記目的を達成するための釣具である。それは複数の発光疑似餌21を左舷12から右舷11に左舷回転車121または右舷回転車111により回転する釣糸20一定間隔でに取り付け、右舷11から最下部までは発光が停止し、最下部を過ぎ釣糸20が海上に向けて上向きにした位置から左舷12の甲板までは発光することを特徴としたイカ釣り漁具である。
【0011】
また第2の課題解決手段は本発明に使用する疑似餌21をつけた漁具である。その疑似餌21は透明の疑似餌21の内部上部にLED球214を備え、そのLED球214の陽極線215は陽極キャツプ2151につながり、それは電池218の陽極2181にかぶり。一方、陰極線216は内部下部にある陰極接点217に繋がっている。疑似餌21の外部下部には針211が複数固定されている。陽極2181とLED球214との間には空間がある。疑似餌21を反転すると電池218の陰極2182が陰極接点217から離れLED球214が消灯する疑似餌21。
【0012】
また第3の課題解決手段は本発明に使用する疑似餌21をつけた漁具である。その疑似餌21は透明の疑似餌21の内部上部に遮蔽筒313を備え、その内部を上下移動する胴体に蛍光塗料314を塗布した移動体318を備え、疑似餌21の外部下部には針211が複数上向きに固定されている。疑似餌21を反転すると移動体318の蛍光塗料314を遮蔽筒313に収納される疑似餌21。
【0013】
上記第1の問題解決手段による作用は以下のとおりである。すなわち発光疑似餌21が左舷12から右舷11に左舷回転車121または右舷回転車111により回転する釣糸20に取り付け、右舷11から最下部までは発光が停止し、最下部を過ぎ釣糸20が海上に向けて上向きの位置から左舷12の甲板までは発光する疑似餌21であるので、その結果イカの群れは左舷12に集まる。複数の疑似餌21は釣糸20の最深部から上向きに転じた時に、発光する。そして海上に向かってエンドレスに発光して次々と移動する。イカはしたから次々に上昇してくるいずれかの発光疑似餌21に食いつき、針211に引っかかり、左舷回転車121を越えた甲板上で分離される。
【0014】
上記第2の問題解決手段による作用は以下のとおりである。それは透明の疑似餌21の内部上部にLED球214を備え、そのLED球214の陽極線215は陽極キャツプ2151につながり、それは電池218の陽極2181にかぶる。一方、陰極線216は内部下部にある陰極接点217に繋がっている。疑似餌21の外部下部には針211が複数固定されている。陽極2181とLED球214内部には空間がある。疑似餌21を反転すると電池218の陰極2182が陰極接点217から離れLED球214が消灯する疑似餌21である。この発光疑似餌21が左舷12から右舷11に左舷回転車121または右舷回転車111により回転する釣糸20に取り付け、右舷11から最下部までは発光が停止し、最下部から左舷12の甲板までは発光する疑似餌21であるので、その結果、イカの群れは左舷12に集まる。複数の疑似餌21は釣糸20の最深部から上向きに転じた時に、発光する。そして海上に向かってエンドレスに発光して次々と移動する。イカは下から次々に上昇してくるいずれかの発光疑似餌21に食いつき、針211に引っかかり、左舷回転車121を越えた甲板上で分離される。
【0015】
上記第3の問題解決手段による作用は以下のとおりである。それは透明の疑似餌21の内部上部に遮蔽筒313を備え、その内部を上下移動する胴体に蛍光塗料314を塗布した移動体318を備え、疑似餌21の外部下部には針211が複数上向きに固定されている。疑似餌21を反転すると移動体318の蛍光塗料314を遮蔽筒313に収納される。この発光疑似餌21が左舷12から右舷11に左舷回転車121または右舷回転車111により回転する釣糸20に取り付け、右舷11から最下部までは発光が停止し、最下部を過ぎ釣糸20が海上に向けて上向きの位置から左舷12の甲板までは発光する疑似餌21であるので、その結果、イカの群れは左舷12に集まる。複数の疑似餌21は釣糸20の最深部から上向きに転じた時に遮蔽筒313から移動体318が下降し蛍光塗料314がイカに見える。そして海上に向かってエンドレスに発光して次々と移動する。イカは下から次々に上昇してくるいずれかの発光疑似餌21に食いつき、針211に引っかかり、左舷回転車121を越えた甲板上で分離される。
【発明の効果】
【0016】
a.本発明は海上での大容量のランプのための重油の消費をなくし、海中でのピンポイントで発光させて、魚を疑似餌に誘い込み、釣り上げる方法であるので、重油の消費をなくし省エネのイカ釣り漁具である。
b.従来の「自動イカ釣り機」のように上下運動をコントロールする高価装置でなく、一方向に回転するモータつきの回転車であるので廉価な漁具である。
c.従来の「自動イカ釣り機」は疑似餌を上下運動させているので、下げる時にはイカは食いつくチャンスはないが、本発明は回転しているのでエンドレスでイカは食いつく。
d.従来の「自動イカ釣り機」は常にイカの群れの現在位置を確認し調整しなければならないが、本発明は群れの深度に関係なく、海底から海上方向に発光する疑似餌が走るのでイカは食いつきやすい。
e.従来の「自動イカ釣り機」は必ず夜間に大容量のランプを海上で照らし、イカを浅い深さにおびきだし、捕獲している。一般にイカは昼間は深部(100m以上)にいる。本発明は昼間でも深部の暗い場所にいるイカに対して、発光する疑似餌に食わせることが可能である。夜間労働から解放される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明を実施するイカ釣り漁船の船首から見た正面図。
【図2】本発明を実施するイカ釣り漁船の左舷12から見た側面図。図1の左舷12から見た側面図
【図3】本発明の疑似餌の断面図。海底から海上方向に上昇している状態。
【図4】図3を反転した断面図。海上から海底方向に下降している状態。
【図5】本発明の他の実施例の疑似餌の断面図。海底から海上方向に上昇している状態。
【図6】図5を反転した断面図。海上から海底方向に下降している状態。
【図7】従来のイカ釣り漁法の工程図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図7に基づいて説明する。
【0019】
図1は本発明を実施するイカ釣り漁船の船首から見た正面図である。図2は本発明を実施するイカ釣り漁船の左舷12から見た側面図である。図1の左舷12から見た側面図である。
複数の発光疑似餌21を釣糸20に一定間隔をあけて、一定方向に発光体側糸通し219と電池側糸通し220を通して固定する。
複数の発光疑似餌21を左舷12から右舷11に左舷回転車121または右舷回転車111により回転する釣糸20に取り付けたものである。右舷11から最下部までは発光が停止し、最下部を過ぎ釣糸20が海上に向けて上向きの位置から左舷12の甲板までは発光する疑似餌21を備えたものである。その結果、イカの群れは左舷12に集まる。左舷回転車121または右舷回転車111が図1の矢印ように移動する。釣糸20は図1のようにエンドレスで回転する。左舷12に集まったイカは次々に海底から上昇してくる発光疑似餌21を見ることになり、いずれかの発光疑似餌21に食いつくことになる。発光疑似餌21の点灯・消灯の方法については公知の特許文献1のようにタイマーの装置を組み込むことで可能である。
【0020】
図3・図4は本発明の発光疑似餌21の断面図である。この図3、図4は発光疑似餌21の点灯・消灯する実施例である。複数の発光疑似餌21を釣糸20に一定間隔をあけて、一定方向に発光体側糸通し219と電池側糸通し220を通して固定する。図3は海底から海上方向に上昇している発光疑似餌21の状態である。図4は図3の発光疑似餌21を反転した断面図である。海上から海底方向に下降している状態である。その疑似餌21は透明の疑似餌21の内部上部にLED球214を備え、そのLED球214の陽極線215は陽極キャツプ2151につながり、それは単3か単4の電池218の陽極2181にかぶり、一方、陰極線216は内部下部にある陰極接点217に繋がっている。疑似餌21の外部下部には針211が複数固定されている。陽極2181とLED球214との間には空間がある。疑似餌21を反転すると電池218の陰極2182が陰極接点217から離れLED球214が消灯する疑似餌21である。複数の発光疑似餌21を左舷12から右舷11に左舷回転車121または右舷回転車111により回転する釣糸20に取り付けたものである。右舷11から最下部までは発光が停止し、最下部を過ぎ釣糸20が海上に向けて上向きの位置から左舷12の甲板までは発光する疑似餌21を備えたものである。その結果、イカの群れは左舷12に集まる。左舷回転車121または右舷回転車111が図1の矢印ように移動する。釣糸20は図1のようにエンドレスで回転する。左舷12に集まったイカは次々に海底から上昇してくる発光疑似餌21を見ることになり、いずれかの発光疑似餌21に食いつくことになる。
【0021】
本発明の発光疑似餌21の構造は一実施例であり、陽極2181に陽極線215を直接ハンダ付けすることも可能である。また発光体側容器212と針側容器213は接合部2121でOリングを挟んだネジ式が良いだろう。本実施例は電池218がエンドレスの釣糸20の状態によってスィツチが入り、切れることを示しているのでこれに限定されるものではない。陽極2181・陰極2182は相対的なものであるのでこれに限定されるものでなく、逆になってもよいことは言うまでもない。また針211は発光疑似餌21の底部に一体化される必要はない。釣糸20上で発光疑似餌21の近くにあればよい。発光疑以餌21は発光体側糸通し219と電池側糸通し220により上下で釣糸20に固定されているので左舷回転車121を過ぎた時、イカがはずれやすくするために発光疑似餌21から独立していても良い。
【0022】
図5・図6は他の実施例である。発光は電気に限定されることなく、蛍光塗料でも可能である。電池の消耗がなく、経済的である。複数の発光疑似餌21を釣糸20に一定間隔をあけて、一定方向に遮蔽筒側糸通し319319と針側糸通し320を通して固定する。図5・図6により説明すると、図5は透明の疑似餌21の内部上部に遮蔽筒313と遮蔽筒側糸通し319を備え、遮蔽筒313の内部を上下移動する胴体に蛍光塗料314を塗布した移動体318を備え、疑似餌21の外部下部には針211と針側糸通し320が備えられている。遮蔽筒313は移動体318が図6の状態の時、蛍光塗料314の発光が外部に漏れないためのものである.図5は海底から海上方向に上昇している発光疑似餌21の状態である。図6は図5の発光疑似餌21を反転した断面図である。海上から海底方向に下降している状態である。図5の状態では胴体に蛍光塗料314を塗布した移動体318は針211側にあり、遮蔽筒313から飛び出し、蛍光塗料314は海中に光を放つ。複数の発光疑似餌21を左舷12から右舷11に左舷回転車121または右舷回転車111により回転する釣糸20に取り付けたものである。右舷11から最下部までは発光が停止し、最下部を過ぎ釣糸20が海上に向けて上向きの位置から左舷12の甲板までは発光する疑似餌21を備えたものである。その結果、イカの群れは左舷12に集まる。左舷回転車121または右舷回転車111が図1の矢印ように移動する。釣糸20は図1のようにエンドレスで回転する。左舷12に集まったイカは次々に海底から上昇してくる発光疑似餌21を見ることになり、いずれかの発光疑似餌21に食いつくことになる。
【0023】
本発明の場合、発光が恒久的なので接合面2121接着剤で接着しても良い。遮蔽筒313を省略する代わりに接合面2121から上部を透明でない、光を透過しないプラスティクで成型したものでも良い。
【符号の説明】
【0024】
右舷11
右舷回転車111
左舷12
左舷回転車121
釣糸20
発光疑似餌21
疑似餌21
針211
発光体側容器212
接合部2121
針側容器213
LED球214
陽極線215
陽極キャツプ2151
陰極線216
陰極接点217
電池218
陽極2181
陰極2182
発光体側糸通し219
電池側糸通し220
遮蔽筒313
蛍光塗料314
移動体318
遮蔽筒側糸通し319
針側糸通し320

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光疑似餌21を左舷12から右舷11に左舷回転車121または右舷回転車111により回転する釣糸20に取り付け、右舷11から最下部までは発光が停止し、最下部から左舷12の甲板までは発光することを特徴としたイカ釣り漁具。
【請求項2】
透明の疑似餌21の内部上部にLED球214を備え、そのLED球214の陽極線215は陽極キャツプ2151につながり、それは電池218の陽極2181にかぶり、一方、陰極線216は内部株にある陰極接点217に繋がっている。疑似餌21の外部下部には針211が複数上向きに固定されている。陽極2181とLED球214内部には空間がある。疑似餌21を反転すると電池218の陰極が陰極接点217から離れLED球214が消灯する疑似餌21を取り付けた「請求項1」の漁具。
【請求項3】
透明の疑似餌21の内部上部に遮蔽筒313を備え、その内部を上下移動する胴体に蛍光塗料314を塗布した移動体318を備え、疑似餌21の外部下部には針211が複数上向きに固定されている。疑似餌21を反転すると移動体318の蛍光塗料314を遮蔽筒313に収納される疑似餌21を取り付けた「請求項1」の漁具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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