説明

イグニッションスイッチ装置

【課題】シャフトの軸芯部にトルクリミッタ手段とは異なる他の構成要素を配設させることができるイグニッションスイッチ装置を提供する。
【解決手段】受信手段で受信したIDコードが正規のものと判定されたことを条件として当該シャフト3の回動の規制を解除する規制手段14と、規制手段14によりシャフト3の回動が規制された状態で、且つ、操作ノブ2に対して所定トルク以上の操作力で回動操作すると、当該操作ノブ2をシャフト3に対して相対的に回動させて空回りさせるトルクリミッタ手段とを具備したイグニッションスイッチ装置において、トルクリミッタ手段は、シャフト3の軸芯部から側面側にオフセットした位置に配設された板ばね9と、板ばね9の付勢力により操作ノブ2の凹部2aに対して押圧されつつ嵌合したスチールボール9とを有するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発信手段からのIDコードが予め登録された正規のものであると判別されることを条件としてエンジンを始動させ得るイグニッションスイッチ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年多発する車両の盗難防止を図るために、運転者が携帯しつつ車両固有のIDコードを発信し得る発信手段と、そのIDコードを受信し得る受信手段とを備え、当該受信手段にて受信したIDコードが正規のものであることを条件として、エンジン始動を含む車両の各種操作を可能とした所謂スマートエントリーシステムが提案されている。例えば、二輪車におけるスマートエントリーシステムの場合、発信手段(電子キー)を携帯した運転者が車両に近づくと、その発信手段から発信されたIDコードを受信手段が受信し、予め登録した正規のものであるか否かが判定されるとともに、正規のものである場合に限りエンジン始動操作を可能としている。
【0003】
然るに、上記の如きスマートエントリーシステムを具備した二輪車においては、従来、正規のIDコードを受信したと判定されたことを条件として回動操作可能な操作ノブを有し、当該操作ノブを回動操作することによりエンジンの始動が可能とされたイグニッションスイッチ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。かかるイグニッションスイッチ装置は、正規のIDコードが受信されるまでは操作ノブの回動操作が規制されているとともに、その規制された状態で強引に回転操作しようとしたときに当該操作ノブを空回りさせるトルクリミッタ機構が配設されている。
【0004】
このトルクリミッタ機構は、操作ノブと共に回動し得るシャフトと、該シャフトに形成されるとともに操作ノブに対して径方向(操作ノブの回動方向と直交する方向)に延設されたコイルスプリングと、該コイルスプリングの付勢力により操作ノブを押圧するクリックボールと、操作ノブ側に形成されて当該クリックボールを嵌合状態にて収容する凹部とから構成されており、強引に操作ノブを回動操作しようとすると、凹部からクリックボールが外れ、操作ノブが空回りするようになっていた。これにより、不正にエンジン始動がなされてしまうのを防止することができる。
【特許文献1】特開2005−112048号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のイグニッションスイッチ装置においては、トルクリミッタ機構を構成するコイルスプリングが操作ノブに対して径方向に延設されているので、シャフトの軸芯部にキーシリンダ等の他の構成要素を配設することができないという問題があった。即ち、従来のものは、シャフトの径方向に亘ってコイルスプリングが配設されているので、当該シャフトに他の構成要素を配設しようとしてもそのスペース的な余地がないのである。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、シャフトの軸芯部にトルクリミッタ手段とは異なる他の構成要素を配設させることができるイグニッションスイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、運転者が携帯し得るとともに車両固有のIDコードを発信し得る発信手段と、該発信手段から発信されたIDコードを受信し得る受信手段と、該受信手段で受信したIDコードが予め登録した正規のものであるか否かを判定する判定手段と、運転者が回動操作可能な操作ノブと、該操作ノブの回動操作に伴って回動し、車両のエンジンを始動させ得るシャフトと、該シャフトの回動を規制するとともに、前記判定手段により前記受信手段で受信したIDコードが正規のものと判定されたことを条件として当該シャフトの回動の規制を解除する規制手段と、該規制手段により前記シャフトの回動が規制された状態で、且つ、前記操作ノブに対して所定トルク以上の操作力で回動操作すると、当該操作ノブをシャフトに対して相対的に回動させて空回りさせるトルクリミッタ手段とを具備したイグニッションスイッチ装置において、前記トルクリミッタ手段は、前記シャフトの軸芯部から側面側にオフセットした位置に配設された板ばねと、該板ばねの付勢力により前記操作ノブに形成された凹部に対して押圧されつつ嵌合した押圧部とを有することを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のイグニッションスイッチ装置において、前記板ばねは、前記シャフトの側面形状に倣った弧状とされて当該シャフトに組みつけられたことを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載のイグニッションスイッチ装置において、前記押圧部は、前記板ばねとは別体のスチールボールから成ることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1又は請求項2記載のイグニッションスイッチ装置において、前記押圧部は、前記板ばねの一部を折り曲げ形成して成ることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか1つに記載のイグニッションスイッチ装置において、メカキーを差込んで回動操作されることにより前記規制手段による規制を強制的に解除させるキーシリンダが前記シャフトの軸芯部に形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、押圧部を付勢する板ばねがシャフトの軸芯部から側面側にオフセットした位置に配設されたので、シャフトの軸芯部にトルクリミッタ手段とは異なる他の構成要素を配設させることができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、板ばねは、シャフトの側面形状に倣った弧状とされて当該シャフトに組みつけられたので、押圧部に付与させる付勢力を維持しつつ、シャフトの軸芯部のスペースをより大きく取ることができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、押圧部は、板ばねとは別体のスチールボールから成るので、操作ノブをシャフトに対して相対的に回動させて空回りさせる際、当該スチールボールが転動することにより、滑らかでスムーズな空回りとさせることができる。
【0015】
請求項4の発明によれば、押圧部は、板ばねの一部を折り曲げ形成して成るので、トルクリミッタ手段の部品点数を削減することができ、イグニッションスイッチ装置の製造コストの低減および構成の簡素化を図ることができる。
【0016】
請求項5の発明によれば、メカキーを差込んで回動操作されることにより規制手段による規制を強制的に解除させるキーシリンダがシャフトの軸芯部に形成されたので、当該軸芯部のスペースを有効活用することができるとともに、電池切れ等何らかの不具合により規制手段による規制が解除されない場合、メカキーによる強制的な解除を可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係るイグニッションスイッチ装置は、二輪車におけるエンジン始動及び停止を制御するためのものであり、図1〜4に示すように、シリンダボディから成るイグニッションスイッチ本体1と、その上部に形成された操作ノブ2とから主に外観が構成されている。このうち操作ノブ2は、エンジンEを始動させ得るオン位置、エンジンEを停止させるオフ位置、ハンドルバーをロックさせるステアリングロック位置の間で回動可能とされている。
【0018】
また、本実施形態に係るイグニッションスイッチ装置は、図5に示すように、運転者が携帯し得るとともに車両固有のIDコードを発信し得る発信手段11と、車両側に配設されて発信手段11からのIDコードを受信し得る受信手段12と、該受信手段12で受信したIDコードが予め登録した正規のものであるか否かを判定する判定手段13と、シャフト3の回動を規制するとともに、判定手段13により受信手段12で受信したIDコードが正規のものと判定されたことを条件として当該シャフト3の回動の規制を解除する規制手段14とを有している。
【0019】
発信手段11は、電波などにより常時IDコードを発信し得るもので、かかる発信手段11を携帯した運転者が車両に近づいて所定の認証操作を行うと、車両側のアンテナ等から成る受信手段12が当該IDコードを受信し得るよう構成されている。判定手段13は、予め登録されたIDコードと受信手段12にて受信したIDコードとを比較して、これらが合致していれば正規のIDコードを受信したと判定するものである。而して、判定手段13にて正規のIDコードを受信したと判定されると、規制手段14による規制が解除され、操作ノブ2の回動操作が可能とされる一方、正規のIDコードが受信されないと規制手段14にて操作ノブ2の回動が規制された状態とされる。
【0020】
操作ノブ2は、運転者が回動操作可能な摘み状の部材から成り、軸L(シャフト3の軸芯)を中心として回動自在とされている。シャフト3は、後述するトルクリミッタ手段を構成する板ばね9及びスチールボール10を介してシャフト3と連結され、当該操作ノブ2の回動操作に伴って軸芯Lを中心として回動し、車両のエンジンを始動させ得るものである。具体的には、シャフト3は、図1に示すように、その下端にて連結シャフト4と連結されており、当該連結シャフト4を介して可動部材6及びロックバーRを動作させ得るよう構成されている。
【0021】
そして、例えば、操作ノブ2をオフ位置から押圧操作しつつステアリングロック位置まで回動操作すると、ロックバーRが突出状態となって二輪車のハンドルバー(不図示)と係止して当該ハンドルバーをロックするとともに、操作ノブ2をオフ位置からオン位置まで回動操作すると、可動部材6の回動に伴って可動接点6aが動作し、固定接点7と接触、離間し得るようになっている。尚、図1中符号8は、操作ノブ2の押圧操作に伴ってシャフト3が同図中下方へ移動するのを検知するセンサを示している。
【0022】
可動部材6、可動接点6a及び固定接点7は、イグニッションスイッチ5を構成するものである。かかるイグニッションスイッチ5は、図5に示すように、エンジンE(具体的にはエンジンEを制御するECU)と電気的に接続されており、当該イグニッションスイッチ5にて所定回路が形成されると、エンジンEを始動させ得る状態となるよう構成されている。そして、エンジンEを始動させ得る状態にて、別個配設されたスタートボタン(不図示)を押圧操作すれば、エンジンEが始動する。即ち、操作ノブ2を回動操作することにより、シャフト3及び連動シャフト4を回動させれば、イグニッションスイッチ5が電気的にオンして二輪車のエンジンを始動させ得る状態となるのである。
【0023】
一方、規制手段14は、イグニッションスイッチ装置本体1内に配設され、判定手段13と電気的に接続されて成るものであり、例えば先端がシャフト3又は連動シャフト4に形成された切欠と係合する位置と係合が解かれた位置との間で揺動するアームと、該アームの基端に接続されたプランジャを有するソレノイドとを有したものが挙げられる。そして、判定手段13により受信手段12にて受信したIDコードが正規のものであると判定されると、ソレノイドに対して通電がなされ、当該通電によりプランジャを吸引して移動させ、これにより、アームの基端も押し下げられ、当該アームが揺動して、その先端がシャフト3又は連動シャフト4の切欠から離間するので、シャフト3の回動操作に対するロックが解除される。この状態で、操作ノブ2をオン位置まで回動操作すれば、イグニッションスイッチ5がオンしてエンジンEが始動することとなる。
【0024】
ここで、本実施形態におけるトルクリミッタ手段は、板ばね9と、該板ばね9とは別体のスチールボール10(押圧部)とから主に構成されたものとされ、規制手段14によりシャフト3の回動が規制された状態で、且つ、操作ノブ2に対して所定トルク以上の操作力で回動操作すると、当該操作ノブ2をシャフト3に対して相対的に回動させて空回りさせるものである。
【0025】
より具体的には、シャフト3の先端(図中の上端)には、シャフト3の軸芯部(軸芯Lの近傍の中心部)から側面側にオフセットした位置(中心からずれた位置)に収容凹部3aが形成されるとともに、当該収容凹部3aから側面に向かって連通し、外部に開口した連通孔3aaが形成されている。この収容凹部3aに板ばね9が弧状に配設されるとともに、当該板ばね9の略中央にスチールボール10が当接しつつ連通孔3aa内に配設されている。かかるスチールボール10は、板ばね9の付勢力により操作ノブ2に形成された凹部2aに対して押圧されつつ嵌合して組み付けられている。また、板ばね9は、図3に示すように、シャフト3の側面形状(円弧形状)に倣った弧状とされて当該シャフト3に組みつけられている。
【0026】
然るに、規制手段14によりシャフト3の回動が規制された状態で、且つ、操作ノブ2に対して所定トルク以上の操作力で強引に回動操作すると、凹部2aに対するスチールボール10の嵌合が外れて空回りするよう構成されている。即ち、所定トルク以上の操作力で強引に操作ノブ2を回動操作すると、スチールボール10が板ばね9による付勢力に抗して凹部2aを乗り上げ、当該スチールボール10の凹部2aに対する嵌合力が解かれるので、操作ノブ2がシャフト3に対して相対的に回動し、空回りするのである。
【0027】
従って、規制手段14でシャフト3の回動が規制された状態で所定トルク以上の操作力で強引に回動操作しようとした場合、操作ノブ2をシャフト3に対して相対的に回動させて空回りさせ、当該操作ノブ2の回転操作に伴う第三者による不正なイグニッションスイッチ5に対する操作を抑制することができるのである。また、操作ノブ2を空回りさせることにより、当該操作ノブ2を強引に回動させることによる当該操作ノブ2やシャフト3等の破損を回避することができる。
【0028】
本実施形態によれば、スチールボール10(押圧部)を付勢する板ばね9がシャフト3の軸芯部(中心部)から側面側にオフセットした位置に配設されたので、シャフト3の軸芯部(中心部)にトルクリミッタ手段とは異なる他の構成要素を配設させることができる。例えば、図9に示すように、メカキー(発信手段11の如き電子キーとは別個のメカ的なキー)を差込んで回動操作されることにより規制手段14による規制を強制的に解除させるキーシリンダ16がシャフト3の軸芯部(中心部)に形成されたものとすることができる。
【0029】
かかるキーシリンダ16は、キー孔及び複数のタンブラ(不図示)が形成され、当該キー孔にメカキーが挿通されると、タンブラのシャフト3に対する係合が解かれ回動操作が可能とされるとともに、当該回動操作により規制手段14を操作してシャフト3の回動の規制を解除し得るよう構成されたものである。尚、同図中符号2bは、操作ノブ2に形成され、キーシリンダ16のキー孔を外部に臨ませる連通孔2bを示しており、符号18は、メカキーを差し込むと開放されるシャッターを示している。また、符号17は操作ノブ2を上方に付勢するスプリング、符号19は操作ノブ2とシャフト3とを係合させるスプリングピン、符号20は操作ノブ2の抜け止め用カバーをそれぞれ示している。
【0030】
上記構成によれば、メカキーを差込んで回動操作されることにより規制手段14による規制を強制的に解除させるキーシリンダ16がシャフト3の軸芯部に形成されたので、当該軸芯部のスペースを有効活用することができるとともに、発信手段11の如き電子キーの電池切れ等何らかの不具合により規制手段14による規制が解除されない場合、メカキーによる強制的な解除を可能とすることができる。
【0031】
また、本実施形態によれば、板ばね9は、シャフト3の側面形状に倣った弧状とされて当該シャフト3に組みつけられたので、スチールボール10(押圧部)に付与させる付勢力を維持しつつ、シャフト3の軸芯部(中心部)のスペースをより大きく取ることができる。更に、板ばね9の付勢力により操作ノブ2に形成された凹部2aに対して押圧されつつ嵌合する押圧部が、当該板ばね9とは別体のスチールボール10から成るので、規制手段14でシャフト3の回動が規制された状態で所定トルク以上の操作力で強引に回動操作しようとし、操作ノブ2をシャフト3に対して相対的に回動させて空回りさせる際、当該スチールボール10が転動することにより、滑らかでスムーズな空回りとさせることができる。
【0032】
本実施形態においては、板ばね9が両持ち(両端が支持された状態のもの)とされているが、例えば図6、7に示すように、片持ちの板ばね9’としてもよい。この場合、板ばね9’の一端は、ネジNにてシャフト3に固定されるとともに、他端側に押圧部としてのスチールボール10が配設されており、当該板ばね9’の付勢力によりスチールボール10が操作ノブ2に形成された凹部2aに対して押圧されつつ嵌合するようになっている。尚、ネジNに代えて汎用的な他の固定手段にて板ばね9’の一端を固定するよう構成してもよい。
【0033】
また、上記実施形態においては、板ばね9とは別体のスチールボール10にて押圧部(板ばね9の付勢力により操作ノブ2の凹部2aに対して押圧されつつ嵌合する部位)を構成しているが、当該スチールボール10に代え、図8に示すように、板ばね15の一部(同図においては略中央部)を操作ノブ2の凹部2a側に折り曲げ形成して凸部15aを構成して成るものとしてもよい。而して、板ばね15の一部である凸部15aが操作ノブ2の凹部2aに対して押圧されつつ嵌合することとなる。このように、押圧部が板ばね15の一部を折り曲げ形成して成るものとすることにより、スチールボール10の如きトルクリミッタ手段の部品点数を削減することができ、イグニッションスイッチ装置の製造コストの低減および構成の簡素化を図ることができる。
【0034】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばスチールボール10に代え、板ばね9(或いは板ばね9’も同様)の付勢力により操作ノブ2の凹部2aに対して押圧されつつ嵌合したローラ状部材又はピン状部材としてもよい。また、板ばねは、シャフト3の軸芯部から側面側にオフセットした位置に配設され、その付勢力にて押圧部を操作ノブ2の凹部2aに押圧させ得るものであれば、全体形状や材質等は如何なるものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
シャフトの軸芯部から側面側にオフセットした位置に配設された板ばねと、該板ばねの付勢力により操作ノブに形成された凹部に対して押圧されつつ嵌合した押圧部とを有したトルクリミッタ手段を備えたイグニッションスイッチ装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施形態に係るイグニッションスイッチ装置を示す全体断面模式図
【図2】同イグニッションスイッチ装置における操作ノブ及びその近傍のシャフトを示す断面模式図
【図3】同イグニッションスイッチ装置におけるトルクリミッタ手段(両持ちの板ばね及びスチールボールを有したもの)を示す断面図
【図4】同イグニッションスイッチ装置におけるシャフト先端(操作ノブを取り外した状態)を示す側面図
【図5】同イグニッションスイッチ装置の全体概略構成を示すブロック図
【図6】本発明の他の実施形態に係るイグニッションスイッチ装置におけるトルクリミッタ手段(片持ちの板ばね及びスチールボールを有したもの)を示す断面図
【図7】同イグニッションスイッチ装置におけるシャフト先端(操作ノブを取り外した状態)を示す側面図
【図8】本発明の更に他の実施形態に係るイグニッションスイッチ装置におけるトルクリミッタ手段(板ばねの一部を折り曲げ形成して押圧部としたもの)を示す断面図
【図9】本発明のイグニッションスイッチ装置における操作ノブ近傍を拡大した断面図であって、規制手段による規制を強制的に解除させるキーシリンダがシャフトの軸芯部に形成されたものを示す模式図
【符号の説明】
【0037】
1 イグニッションスイッチ装置本体
2 操作ノブ
2a 凹部
3 シャフト
4 連動シャフト
5 イグニッションスイッチ
6 可動部材
7 固定接点
8 センサ
9、9’ 板ばね
10 スチールボール(押圧部)
11 発信手段
12 受信手段
13 判定手段
14 規制手段
15 板ばね
16 キーシリンダ
17 スプリング
18 シャッター
19 スプリングピン
20 抜け止め用カバー
E エンジン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者が携帯し得るとともに車両固有のIDコードを発信し得る発信手段と、
該発信手段から発信されたIDコードを受信し得る受信手段と、
該受信手段で受信したIDコードが予め登録した正規のものであるか否かを判定する判定手段と、
運転者が回動操作可能な操作ノブと、
該操作ノブの回動操作に伴って回動し、車両のエンジンを始動させ得るシャフトと、
該シャフトの回動を規制するとともに、前記判定手段により前記受信手段で受信したIDコードが正規のものと判定されたことを条件として当該シャフトの回動の規制を解除する規制手段と、
該規制手段により前記シャフトの回動が規制された状態で、且つ、前記操作ノブに対して所定トルク以上の操作力で回動操作すると、当該操作ノブをシャフトに対して相対的に回動させて空回りさせるトルクリミッタ手段と、
を具備したイグニッションスイッチ装置において、
前記トルクリミッタ手段は、前記シャフトの軸芯部から側面側にオフセットした位置に配設された板ばねと、該板ばねの付勢力により前記操作ノブに形成された凹部に対して押圧されつつ嵌合した押圧部とを有することを特徴とするイグニッションスイッチ装置。
【請求項2】
前記板ばねは、前記シャフトの側面形状に倣った弧状とされて当該シャフトに組みつけられたことを特徴とする請求項1記載のイグニッションスイッチ装置。
【請求項3】
前記押圧部は、前記板ばねとは別体のスチールボールから成ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のイグニッションスイッチ装置。
【請求項4】
前記押圧部は、前記板ばねの一部を折り曲げ形成して成ることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のイグニッションスイッチ装置。
【請求項5】
メカキーを差込んで回動操作されることにより前記規制手段による規制を強制的に解除させるキーシリンダが前記シャフトの軸芯部に形成されたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載のイグニッションスイッチ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−100147(P2010−100147A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−272563(P2008−272563)
【出願日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(000213954)朝日電装株式会社 (184)