説明

イムノクロマトグラフ検体分析用具

【課題】 大型化することなく、バックグラウンドの上昇が防止されたイムノクロマトグラフ検体分析用具を提供する。
【解決手段】 展開層12と展開液受取パッド13とを有し、前記展開層12表面上の一端側に前記展開液受取パッド13が配置され、前記展開層12表面の他端側に抗体が固定化された固定化抗体部18が形成され、前記展開層12表面の前記固定化抗体部18と前記展開液受取パッド13との間に検体供給部17が形成され、前記展開液受取パッド13の表面に展開液供給部14が形成され、前記展開液受取パッド13が基質を含むイムノクロマトグラフ検体分析用具10において、前記展開層12表面上の一端側に、液体非透過性層19を配置し、前記液体非透過性層19の上に前記展開液受取パッド13を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イムノクロマトグラフ検体分析用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、生化学検査や臨床検査等において、検体分析用具が汎用されている。近年では、検体中の様々な物質の検出、定性分析または定量分析にイムノクロマトグラフ法(Immuno−Chromatographic Assay;ICA)を利用したイムノクロマトグラフ検体分析用具が使用されている(例えば、特許文献1参照)。ここで、ICAとは、免疫反応(抗原−抗体反応)を利用した測定方法である。
【0003】
図9に、従来のイムノクロマトグラフ検体分析用具を示す。図示のとおり、このイムノクロマトグラフ検体分析用具90は、支持体91上に前記支持体91より長さの短い展開層92が配置され、この展開層92表面の一端(同図において右側端部)側に展開液受取パッド93が配置され、前記展開層92表面の他端(同図において左側端部)側に抗体が固定化された固定化抗体部98が形成されている。また、前記展開層92表面の前記固定化抗体部98と前記展開液受取パッド93との間に検体供給部97が形成されている。そして、前記展開液受取パッド93の表面には、展開液供給部94および基質含浸部95が形成されている。さらに、前記展開層92表面の前記固定化抗体部98よりもさらに他端(同図において左側端部)側には、廃液吸収パッド96が配置されている。前記展開液受取パッド93の一端(同図において右側端部)側は、前記展開層92表面の一端(同図において右側端部)から前記支持体91上へと垂らされ、前記支持体91の一端(同図において右側端部)に固定されている。また、前記廃液吸収パッド96の一端(同図において左側端部)側は、前記展開層92表面の他端(同図において左側端部)から前記支持体91上へと垂らされ、前記支持体91の他端(同図において左側端部)に固定されている。
【0004】
つぎに、このイムノクロマトグラフ検体分析用具90を用いた特定物質(被測定物質)の測定について説明する。まず、検体供給部97に、検体と酵素標識抗体とを含む検体液を供給する。このとき、検体中に被測定物質が含まれていれば、抗原−抗体反応により、被測定物質(抗原)と酵素標識抗体とが結合する。つぎに、展開液供給部94に展開液を供給する。すると、前記展開液が基質含浸部95に含浸された基質を溶解し、この溶液が展開層92へと展開される。前記溶液は、図9の矢印dに示すように、毛細管作用により、検体供給部97に供給された前記検体液とともに固定化抗体部98へと運ばれる。ここで、検体中に被測定物質が含まれていれば、抗原−抗体反応により、酵素標識抗体が結合した被測定物質(抗原)と固定化抗体部98に固定化された抗体とが結合する。ついで、固定化抗体部98において、酵素標識抗体の酵素と基質との反応による発色または発光を測定することにより、被測定物質の検出、定性分析または定量分析を行うことができる。
【0005】
【特許文献1】特開2005−61910号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記イムノクロマトグラフ検体分析用具90では、展開層92で起こる毛細管作用が一方向に限られないため、検体供給部97に供給された検体液が、図9の矢印eに示すように、展開液受取パッド93の側にも運ばれてしまう。この結果、展開層92の展開液受取パッド93側や、展開液受取パッド93でも酵素と基質との反応による発色または発光が起こってしまい、この結果、バックグラウンドが上がってしまう。バックグラウンドが上がってしまうと、固定化抗体部98における発色または発光の測定において、十分なシグナルが得られないという問題があった。また、この問題を回避するために、検体供給部97と展開液受取パッド93との間の距離を長くしたり、幅を広くしたりするという方法がある。しかし、この方法では、イムノクロマトグラフ検体分析用具90全体が大きくなってしまうという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、大型化することなく、バックグラウンドの上昇が防止されたイムノクロマトグラフ検体分析用具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明のイムノクロマトグラフ検体分析用具は、展開層と展開液受取パッドとを有し、前記展開層表面上の一端側に前記展開液受取パッドが配置され、前記展開層表面の他端側に抗体が固定化された固定化抗体部が形成され、前記展開層表面の前記固定化抗体部と前記展開液受取パッドとの間に検体供給部が形成され、前記展開液受取パッドの表面に展開液供給部が形成され、前記展開液受取パッドが基質を含み、検体と酵素標識抗体とを含む検体液を前記検体供給部から供給して前記検体液を前記展開層中を移動させて前記固定化抗体部に導入し、前記固定化抗体、前記検体中の被測定物質および前記酵素標識抗体の複合体を形成させ、前記展開液供給部から展開液を供給して前記基質を前記展開液と共に前記展開層中を移動させて前記固定化抗体部に導入し、前記酵素標識抗体の酵素と前記基質との反応による発色および発光の少なくとも一方を検出することにより、前記被測定物質を検出するイムノクロマトグラフ検体分析用具において、前記展開層表面上の一端側に、液体非透過性層が配置され、前記液体非透過性層の上に前記展開液受取パッドが配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
このように、本発明のイムノクロマトグラフ検体分析用具では、展開層と展開液受取パッドとの間に液体非透過性層が配置されている。このため、本発明のイムノクロマトグラフ検体分析用具では、従来のイムノクロマトグラフ検体分析用具のように、展開層の展開液受取パッド側や、展開液受取パッドで酵素と基質とが反応することを防止できる。この結果、イムノクロマトグラフ検体分析用具を大型化することなく、展開層の展開液受取パッド側や、展開液受取パッドの発色または発光によるバックグラウンドの上昇を防止することができる。したがって、本発明のイムノクロマトグラフ検体分析用具は、小型化が可能で、高精度で信頼性に優れた分析を実施することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明において、「被測定物質の検出」とは、被測定物質の定性分析および定量分析をも含む概念である。
【0011】
本発明において、「酵素標識抗体」とは、酵素で標識化された抗体を意味する。
【0012】
本発明のイムノクロマトグラフ検体分析用具において、前記展開層表面と前記展開液受取パッドの前記検体供給部側の底部との間に、前記液体非透過性層が配置され、前記展開層表面と前記展開液受取パッドの前記検体供給部側と反対側の底部との間には、前記液体非透過性層が配置されていなくともよい。
【0013】
本発明のイムノクロマトグラフ検体分析用具において、前記液体非透過性層は、液体を透過させないものであればいかなるものを用いてもよいが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムであってもよい。
【0014】
本発明のイムノクロマトグラフ検体分析用具において、前記展開液受取パッド中に基質含浸部を有し、前記基質含浸部に基質が配置されていてもよい。
【0015】
本発明のイムノクロマトグラフ検体分析用具は、さらに、支持体を有し、前記支持体の上に前記展開層が配置されていてもよい。
【0016】
本発明のイムノクロマトグラフ検体分析用具は、さらに、廃液吸収パッドを有し、前記廃液吸収パッドが、前記展開層表面の前記固定化抗体部よりもさらに他端側に配置されていてもよい。
【0017】
本発明のイムノクロマトグラフ検体分析用具において、前記固定化抗体部は、前記被測定物質を捕捉する抗体が固定化されている固定化捕捉抗体部と、対照用の抗体が固定化されている固定化対照抗体部とを有し、前記固定化対照抗体部よりも、前記固定化捕捉抗体部が、前記検体供給部側に配置されていてもよい。
【0018】
つぎに、本発明のイムノクロマトグラフ検体分析用具について例を挙げて説明する。ただし、本発明は、下記の例に制限されるものではない。
【0019】
(実施形態1)
図1に、本発明のイムノクロマトグラフ検体分析用具の一例を示す。図示のように、このイムノクロマトグラフ検体分析用具10は、支持体11上に前記支持体11より長さの短い展開層12が配置され、この展開層12表面上の一端(同図において右側端部)側に展開液受取パッド13が配置され、前記展開層12表面の他端(同図において左側端部)側に抗体が固定化された固定化抗体部18が形成されている。また、前記展開層12表面の前記固定化抗体部18と前記展開液受取パッド13との間に検体供給部17が形成されている。そして、前記展開液受取パッド13の表面には、展開液供給部14および基質含浸部15が形成されている。さらに、前記展開層12表面の前記固定化抗体部18よりもさらに他端(同図において左側端部)側には、廃液吸収パッド16が配置されている。ここで、前記展開層12表面上の一端(同図において右側端部)側に、液体非透過性層19が配置され、前記液体非透過性層19の上に前記展開液受取パッド13が配置されている。本発明において、前記展開液受取パッド13は、その全体が前記液体非透過性層19の上に載った状態であってもよいし、その一部のみが前記液体非透過性層19の上に載った状態であってもよい。同図においては、前記展開液受取パッド13の一端(同図において右側端部)側は、前記液体非透過性層19の端部(同図において右側端部)から前記支持体11上へと垂らされ、前記支持体11の一端(同図において右側端部)に固定されている。また、前記廃液吸収パッド16の一端(同図において左側端部)側は、前記展開層12表面の他端(同図において左側端部)から前記支持体11上へと垂らされ、前記支持体11の他端(同図において左側端部)に固定されている。
【0020】
前記支持体11の大きさは、特に制限されないが、例えば、長さ5〜200mm、幅1〜50mm、厚み0.005〜0.5mmである。
【0021】
前記支持体11としては、例えば、PET、ポリスチレン、ポリエステル、酢酸セルロース等から形成されたものが使用でき、その形状としては、フィルム状、シート状、板状のいずれでもよい。
【0022】
なお、本発明において、前記支持体11は、任意の構成要素であり、形成しなくともよいが、形成することが好ましい。
【0023】
前記展開層12の形成材料は、毛細管作用を奏するものであれば特に制限されず、例えば、セルロース膜、酢酸セルロースまたはニトロセルロース等のセルロース誘導体膜、ガラスフィルター、濾紙等の多孔質膜が使用できる。前記展開層12の大きさは、特に制限されないが、例えば、その長さは、4.5〜190mmであり(前記支持体11の長さの5〜95%であり)、その厚みは、0.025〜0.25mmであり、その幅は、前記支持体11と同様である。
【0024】
前記支持体11上への前記展開層12の形成は、常法により行うことができ、例えば、支持体11上に、多孔質膜を両面テープや接着剤を用いて固定すればよい。
【0025】
前述のとおり、前記液体非透過性層19としては、例えば、PETフィルムを用いることができるが、それ以外にも、塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド等を用いることができる。前記液体非浸透性層19の大きさは、特に制限されないが、例えば、その長さは、前記展開層12の長さの5〜95%であり、その厚みは、0.005〜0.25mmであり、その幅は、前記支持体11と同様である。前記展開層12上への前記液体非透過性層19の形成は、常法により行うことができ、例えば、展開層12上に、PETフィルムを両面テープや接着剤を用いて固定すればよい。
【0026】
前記展開液受取パッド13は、多孔性の材料からなり、その形成材料としては、例えば、ポリエチレン、グラスファーバー、レーヨン、ナイロン、紙、セルロース等が挙げられる。前記展開液受取パッド13の大きさは、特に制限されないが、例えば、その長さは、5〜200mmであり、その厚みは、0.1〜5mmであり、その幅は、前記支持体11と同様である。
【0027】
前記展開液受取パッド13の形成は、例えば、前記支持体11の一端(図1において右側端部)に前記展開液受取パッド13の一端(図1において右側端部)を両面テープや接着剤を用いて固定し、前記展開液受取パッド13の他端(図1において左側端部)側を前記液体非透過性層19上に重ねることで行うことができる。なお、前記展開液受取パッド13の他端(図1において左側端部)側を、前記液体非透過性層19上に両面テープや接着剤を用いて固定してもよい。
【0028】
前述のとおり、前記展開層12表面の他端(図1において左側端部)側には、抗体が固定化された固定化抗体部18が形成されている。
【0029】
前記固定化抗体部18に固定化される抗体は、検体中の被測定物質と結合するものであれば特に制限されず、免疫グロブリン(Ig)G、IgA、IgM、IgE、IgDのいずれであってもよい。また、これらの抗体は、ポリクローナルおよびモノクローナルのいずれでもよい。これらの抗体は、マウス、ラット、ヤギ等の動物を用いて、常法により作製できる。
【0030】
固定化抗体部18に抗体が固定化されている一例を、図2に示す。図2において、図1と同一部分には同一符号を付している。図示のとおり、固定化抗体部18に、抗体21が固定化されている。なお、図2は、模式的に示したものであり、抗体21の大きさ、数等は、実際とは異なる。
【0031】
前述のとおり、前記展開層12表面の前記固定化抗体部18と前記展開液受取パッド13との間には、検体供給部17が形成されている。
【0032】
前記固定化抗体部18と前記検体供給部17との間の距離は、特に制限されないが、例えば、前記展開層11の長さの0〜95%の範囲である。
【0033】
前述のとおり、前記展開液受取パッド13の表面には、展開液供給部14と基質含浸部15とが形成されている。なお、図1においては、前記展開液供給部14が前記基質含浸部15よりも前記展開液受取パッド13表面の一端(同図において右側端部)側に形成されているが、本発明は、これに限定されない。本発明において、例えば、前記展開液供給部14は、前記基質含浸部15よりも前記展開液受取パッド13表面の他端(同図において左側端部)側に形成されていてもよい。また、本発明において、例えば、前記展開液供給部14と前記基質含浸部15とは、前記展開液受取パッド13表面の同じ位置に重なって形成されていてもよい。
【0034】
前記基質含浸部15には、後述の酵素標識抗体の酵素に対応した基質(発色基質、蛍光基質、発光基質等)が含浸される。前記基質は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。また、前記基質含浸部15は、図1に示すように、前記展開液受取パッド13の表面に1箇所だけ設けてもよいし、用いる基質の種類および量に応じて、前記展開液受取パッド13上に2箇所以上設けてもよい。なお、本発明において、前記基質含浸部15は、任意の構成要素であり、前記基質含浸部15を形成することなく、前記展開液受取パッド13に基質を含ませてもよい。つぎに、前記基質を例示するが、前記基質は、下記の例に制限されない。
【0035】
(a)発色基質
パーオキシダーゼ用(過酸化水素と組み合わせて):2,2’−アジノ−ビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)(ABTS)、3,3’,5,5’−テトラメチルベンチジン(TMB)、ジアミノベンチジン(DAB)
アルカリホスファターゼ用:5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸(BCIP)
【0036】
(b)蛍光基質
アルカリホスファターゼ用:4−メチルウムベリフェニル−ホスフェート(4MUP)
β−D−ガラクトシダーゼ用:4−メチルウムベリフェニル−β−D−ガラクトシド(4MUG)
【0037】
(c)発光基質
アルカリホスファターゼ用:3−(2’−スピロアダマンタン)−4−メトキシ−4−(3’’−ホスフォリルオキシ)フェニル−1,2−ジオキセタン(AMGPD)・2ナトリウム塩(AMPPD)
β−D−ガラクトシダーゼ用:3−(2’−スピロアダマンタン)−4−メトキシ−4−(3’’−β−D−ガラクトピラノシル)フェニル−1,2−ジオキセタン(AMGPD)
パーオキシダーゼ用(過酸化水素と組み合わせて):ルミノール、イソルミノール
【0038】
前記基質含浸部15は、例えば、前記基質の水溶液を、前記展開液受取パッド13に塗布した後、乾燥させることで形成することができる。前記水溶液には、所望により、シグナル増強剤、安定化剤、溶解調節剤等を添加することもできる。前記基質の量は、測定条件により決定することができるが、例えば、イムノクロマトグラフ検体分析用具1個当たり100〜400mgである。
【0039】
前記検体供給部17と前記展開液受取パッド13の前記検体供給部17側の端部との間の距離は、特に制限されないが、例えば、前記展開層12の長さの50〜100%の範囲であり、好ましくは、10〜200mmの範囲であり、より好ましくは、20〜100mmの範囲である。
【0040】
前記廃液吸収パッド16は、展開層12における毛細管現象を補助するとともに、固定化抗体部18を通過してきた廃液を回収するためのものである。前記廃液吸収パッド16には、例えば、濾紙等を使用することができる。なお、本発明において、前記廃液吸収パッド16は、任意の構成要素であり、形成しなくともよいが、形成することが好ましい。
【0041】
前記廃液吸収パッド16の形成は、例えば、前記支持体11の他端(図1において左側端部)に前記廃液吸収パッド16の一端(図1において左側端部)を両面テープや接着剤を用いて固定し、前記廃液吸収パッド16の他端(図1において右側端部)側を前記展開層12の他端(図1において左側端部)上に重ねることで行うことができる。
【0042】
つぎに、このイムノクロマトグラフ検体分析用具10を用いた測定について、図面を参照して説明する。
【0043】
まず、検体供給部17に、検体と酵素標識抗体とを含む検体液を供給する。
【0044】
本発明において、その測定対象となる検体は、液状のものが好ましいが、これに限定されない。検体が固体状のものであっても、緩衝液等の液体中に溶解若しくは分散させれば、展開層に展開可能となるからである。前記検体としては、特に制限されないが、例えば、全血、血清、血漿、唾液、尿、髄液等が挙げられる。
【0045】
前記酵素標識抗体の抗体は、前記検体中の被測定物質と結合するものであれば特に制限されず、免疫グロブリン(Ig)G、IgA、IgM、IgE、IgDのいずれであってもよい。また、これらの抗体は、ポリクローナルおよびモノクローナルのいずれでもよい。これらの抗体は、マウス、ラット、ヤギ等の動物を用いて、常法により作製できる。前記酵素標識抗体の酵素も、特に制限されず、例えば、パーオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ等が挙げられる。
【0046】
ここで、検体中に被測定物質が含まれていれば、抗原−抗体反応により、被測定物質(抗原)と酵素標識抗体とが結合する。
【0047】
つぎに、展開液供給部14に、展開液を供給する。前記展開液としては、例えば、トリス緩衝液、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、ホウ酸緩衝液等を用いることができる。前記展開液には、界面活性剤、安定化剤、抗菌剤等を適宜添加してもよい。
【0048】
図3の断面図に、本実施形態における検体液、展開液の移動の状態を示す。なお、図3において、図1と同一部分には同一符号を付している。同図に示すように、前記展開液供給部14に展開液が供給されると、前記展開液が前記基質含浸部15に含浸された基質を溶解し、その溶液が、矢印aに示すように、前記展開層12の端部(同図において右側端部)から回りこんで、展開層12へと展開される。前記溶液は、図3の矢印bに示すように、毛細管作用により、検体供給部17に供給された前記検体液とともに固定化抗体部18へと運ばれる。ここで、検体中に被測定物質が含まれていれば、抗原−抗体反応により、酵素標識抗体と結合した被測定物質(抗原)と固定化抗体部18に固定化された抗体とが結合する。一方、検体供給部17に供給された前記検体液は、展開液受取パッド13側にも毛細管作用で移動するが、矢印cで示すように、液体非透過性層19があることで、展開層12の展開液受取パッド13側や、展開液受取パッド13での酵素と基質との反応による発色または発光が防止される。この結果、このイムノクロマトグラフ検体分析用具10によれば、イムノクロマトグラフ検体分析用具10を大型化することなく、展開層12の展開液受取パッド13側や、展開液受取パッド13の発色または発光によるバックグラウンドの上昇を防止することができる。
【0049】
図4に、本発明における抗原−抗体反応を模式的に示す。図4において、図1〜3と同一部分には同一符号を付している。図示のとおり、検体中の被測定物質(抗原)41が、酵素標識抗体24と結合するとともに、固定化抗体部18に固定化された抗体21とも結合し、複合体を形成している。なお、図4において、22は、酵素標識抗体24の抗体を示し、23は、酵素標識抗体24の酵素を示す。また、図4は、模式的に示したものであり、抗体および標識の大きさ等は、実際とは異なる。
【0050】
ついで、固定化抗体部18を通過した廃液が、廃液吸収パッド16によって回収される。
【0051】
所定時間(特に制限されないが、例えば、10〜20分)経過後、固定化抗体部18における、酵素標識抗体の酵素と基質との反応による発色または発光を測定することにより、被測定物質の検出、定性分析または定量分析を行うことができる。前記測定は、目視による判定や、比色計、蛍光光度計、フォトンカウンター、感光フィルム等の測定装置を用いることで実施することができる。
【0052】
(実施形態2)
図5に、本発明のイムノクロマトグラフ検体分析用具のその他の例を示す。図5において、図1および図3と同一部分には同一符号を付している。図示のとおり、このイムノクロマトグラフ検体分析用具10は、液体非透過性層19の配置位置が異なること以外、図1および図3に示した実施形態1のイムノクロマトグラフ検体分析用具と同様の構成である。また、このイムノクロマトグラフ検体分析用具を用いた測定方法も、実施形態1と同様である。
【0053】
同図に示すように、本実施形態のイムノクロマトグラフ検体分析用具10では、液体非透過性層19を、検体供給部17側に突き出した(ずらした)形態で配置しており、展開層12表面と展開液受取パッド13の検体供給部17側の底部との間に、液体非透過性層19が配置され、前記展開層12表面と前記展開液受取パッド13の前記検体供給部17と反対側の底部との間には、前記液体非透過性層19が配置されていない構成となっている。このような構成としても、基質を含む展開液が、矢印aに示すように、前記展開層12の端部(同図において右側端部)から回り込んで、展開層12へと展開される。また、矢印cに示すように、展開液受取パッド13への検体液の浸入が防止される。この結果、イムノクロマトグラフ検体分析用具10を大型化することなく、展開液受取パッド13の発色または発光によるバックグラウンドの上昇を防止することができる。
【0054】
(実施形態3)
図6に、本発明のイムノクロマトグラフ検体分析用具のさらにその他の例を示す。図6において、図1および図3と同一部分には同一符号を付している。図示のとおり、このイムノクロマトグラフ検体分析用具10では、液体非透過性層19の長さを図1および図3に示したイムノクロマトグラフ検体分析用具のそれよりも短くしている。それ以外は、図1および図3に示した実施形態1のイムノクロマトグラフ検体分析用具と同様の構成である。また、このイムノクロマトグラフ検体分析用具を用いた測定方法も、実施形態1と同様である。
【0055】
同図に示すように、本実施形態のイムノクロマトグラフ検体分析用具10では、液体非透過性層19として、図1および図3に示したイムノクロマトグラフ検体分析用具のそれよりも長さが短いものを使用し、検体供給部17側の端部を前記展開液受取パッド13の端部とそろえた状態で配置しており、その結果、前記展開液受取パッド13の前記検体供給部17と反対側の底部と、展開層12表面との間には、前記液体非透過性層19が配置されていない状態となっている。このような構成としても、基質を含む展開液が、矢印aに示すように、前記展開層12の端部(同図において右側端部)から回り込んで、展開層12へと展開される。また、矢印cに示すように、展開液受取パッド13への検体液の浸入が防止される。この結果、イムノクロマトグラフ検体分析用具10を大型化することなく、展開液受取パッド13の発色または発光によるバックグラウンドの上昇を防止することができる。
【0056】
(実施形態4)
図7に、本発明のイムノクロマトグラフ検体分析用具のさらにその他の例を示す。図7において、図1および図3と同一部分には同一符号を付している。図示のとおり、このイムノクロマトグラフ検体分析用具10でも、液体非透過性層19の長さを図1および図3に示したイムノクロマトグラフ検体分析用具のそれよりも短くしている。それ以外は、図1および図3に示した実施形態1のイムノクロマトグラフ検体分析用具と同様の構成である。また、このイムノクロマトグラフ検体分析用具を用いた測定方法も、実施形態1と同様である。
【0057】
同図に示すように、本実施形態のイムノクロマトグラフ検体分析用具10では、液体非透過性層19として、図1および図3に示したイムノクロマトグラフ検体分析用具のそれよりも長さが短いものを使用し、前記液体非透過性層19の両端が、前記展開液受取パッド13の両端よりも内側にひっこんだ状態で配置されている。その結果、展開層12表面と前記展開液受取パッド13の前記検体供給部17側の底部との間、および前記展開層12表面と前記展開液受取パッド13の前記検体供給部17側と反対側の底部との間の双方において、前記液体非透過性層が配置されていない構成となっている。このような構成としても、基質を含む展開液が、矢印aに示すように、前記展開層12の端部(同図において右側端部)から回り込んで、展開層12へと展開される。また、矢印cに示すように、展開液受取パッド13への検体液の浸入が防止される。この結果、イムノクロマトグラフ検体分析用具10を大型化することなく、展開液受取パッド13の発色または発光によるバックグラウンドの上昇を防止することができる。
【0058】
(実施形態5)
図8に、本発明のイムノクロマトグラフ検体分析用具のさらにその他の例を示す。図8において、図1と同一部分には同一符号を付している。図示のとおり、このイムノクロマトグラフ検体分析用具10は、固定化抗体部18の構成が異なること以外、図1に示した実施形態1のイムノクロマト検体分析用具と同様の構成である。
【0059】
同図に示すとおり、本実施形態のイムノクロマトグラフ検体分析用具10では、固定化抗体部18が、検体中の被測定物質を捕捉する抗体が固定化されている固定化捕捉抗体部81と、対照用の抗体が固定化されている固定化対照抗体部82とを有し、前記固定化対照抗体部82よりも、前記固定化捕捉抗体部81が、検体供給部17側に配置されている。前記固定化捕捉抗体部81に固定化される抗体としては、実施形態1の固定化抗体部18に固定化される抗体と同様である。また、前記固定化対照抗体部82に固定化される対照用の抗体としては、例えば、抗マウス抗体、抗ヤギ抗体、抗ウサギ抗体、抗アルカリホスファターゼ抗体、抗ペルオキシダーゼ(POD)抗体等が挙げられる。このイムノクロマトグラフ検体分析用具10を用いた測定は、実施形態1と同様にして行うことができる。ここで、前記固定化捕捉抗体部81が、実施形態1における固定化抗体部18と同じ働きをする。また、本実施形態では、固定化対照抗体部82に固定化されている対照用の抗体が、酵素標識抗体と結合して発色または発光することで、前記固定化捕捉抗体部81での複合体の形成が完了したことを知ることができる。
【実施例】
【0060】
[実施例1]
下記の手順により、図8に示す構成のイムノクロマトグラフ検体分析用具を得た。ただし、本例のイムノクロマトグラフ検体分析用具において、液体非透過性層は、図8に示したイムノクロマトグラフ検体分析用具のそれよりも長さが短い。その結果、本例のイムノクロマトグラフ検体分析用具では、展開層表面と展開液受取パッドの検体供給部と反対側の底部との間には、前記液体非透過性層が配置されていない状態となっている。
【0061】
(1)展開層の作製
ニトロセルロース膜(ミリポア社製、商品名「HA180」)を、長さ50mm、幅4mmに切断し、これを展開層12とした。前記展開層12の一端(図8において右側端部)から31mm、35mmの位置に、それぞれ、卵白アレルゲン抽出蛋白質水溶液(1mg/mL(5mmol/L)ホウ酸緩衝液(pH8.5)で希釈後、透析した水溶液)と、抗ヤギIgGマウスモノクローナル抗体(0.1mg/mL(5mmol/L)ホウ酸緩衝液(pH8.5)で希釈後、透析した水溶液)とを、幅1mmとなるように塗布した。このようにして、前記展開層12表面に、固定化捕捉抗体部81および固定化対照抗体部82を形成した。なお、前記固定化捕捉抗体部81の形成においては、前記展開層12を37℃で1時間放置して、前記卵白アレルゲン抽出蛋白質を固定化した後、固定化した膜をブロッキングした。
【0062】
(2)展開液受取パッドの作製
セルロースパッド(ミリポア社製、商品名「AP25」)を、長さ20mm、幅4mmに切断し、これを展開液受取パッド13とした。前記展開液受取パッド13の一端(図8において右側端部)から3mmの位置に、基質として、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸(20mg/mL、ベーリンガーマンハイム社製、商品名「BCIP」)5μLを塗布し、37℃で1時間放置して乾燥させた。
【0063】
(3)廃液吸収パッドの作製
セルロースパッド(ミリポア社製、商品名「AP25」)を、長さ30mm、幅4mmに切断し、これを廃液吸収パッド16とした。
【0064】
(4)支持体の作製
バッキングシート(Bio Dot製)を、長さ80mm、幅5mmに切断し、これを支持体11とした。
【0065】
(5)液体非透過性層の作製
PETフィルムを、長さ10mm、幅4mmに切断し、これを液体非透過性層19とした。
【0066】
(6)イムノクロマトグラフ検体分析用具の作製
前記支持体11の一端(図8において右側端部)から10mmの位置に前記展開層12を貼り付け、前記展開層12の一端(図8において右側端部)から5mmの位置に前記液体非透過性層19を貼り付けた。つぎに、前記展開液受取パッド13の一端(図8において右側端部)を前記支持体11の一端(図8において右側端部)に固定し、前記展開液受取パッド13の他端(図8において左側端部)側を前記液体非透過性層19上に重ねた。つぎに、前記廃液吸収パッド16の一端(図1において左側端部)を前記支持体11の他端(図8において右側端部)に固定し、前記廃液吸収パッド16の他端(図8において右側端部)側を前記展開層12の他端(図1において左側端部)上に重ねた。このようにして、本例のイムノクロマトグラフ検体分析用具10を得た。
【0067】
(評価)
10μLの卵白特異IgG陽性血清と60μLのアルカリホスファターゼ標識抗体(10μg、ヤギ由来)を混合したものを検体液として用いた。前記検体液を検体供給部17(前記展開層12の一端(図8において右側端部)から20mmの位置)に10μL点着した。つぎに、前記展開液受取パッド13に80μLの展開液を滴下した。滴下から20分後、前記固定化捕捉抗体部81(1mm幅)および前記展開層12全体の発色の度合いを目視により判定した。
【0068】
[比較例1]
前記液体非透過性層を用いず、前記展開層表面の一端側の上に直接前記展開液受取パッドを配置したこと以外は、実施例1と同様にして、本例のイムノクロマトグラフ検体分析用具を得た。このイムノクロマトグラフ検体分析用具を、実施例1と同様にして評価した。
【0069】
実施例1および比較例1の評価結果を、下記表1に示す。なお、下記表1においては、発色が鮮明に観察されたものを+、発色がかろうじて観察されたものを±、発色が観察されなかったものを−とした。
【0070】
(表1)
固定化捕捉抗体部 展開層全体
実施例1 + −
比較例1 ± +

【0071】
上記表1に示すとおり、実施例1では、展開層全体からは発色が確認されず、固定化捕捉抗体部の発色が鮮明に観察された。一方、比較例1では、展開層全体が発色していたため、固定化捕捉抗体部の発色が検出しにくくなっていた。このように、実施例1のイムノクロマトグラフ検体分析用具では、展開層の展開液受取パッド側や、展開液受取パッドでの酵素と基質との反応が防止され、バックグラウンドの上昇が防止されていた。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明のイムノクロマトグラフ検体分析用具は、大型化することなく、バックグラウンドの上昇が防止されたものである。したがって、本発明のイムノクロマトグラフ検体分析用具は、例えば、全血、血清、血漿、唾液、尿、髄液等に含まれる特定物質の検出、定性分析または定量分析に好適に使用でき、臨床検査、生化学検査などの分野に使用できるが、その用途は制限されず、広い分野に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】図1は、本発明のイムノクロマトグラフ検体分析用具の一例の構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明のイムノクロマトグラフ検体分析用具の一例における固定化抗体部に固定化された抗体について説明する模式図である。
【図3】図3は、本発明のイムノクロマトグラフ検体分析用具の一例における検体液、展開液の移動の状態を説明する断面図である。
【図4】図4は、本発明のイムノクロマトグラム検体分析用具の一例における抗原−抗体反応の状態を説明する模式図である。
【図5】図5は、本発明のイムノクロマトグラフ検体分析用具のその他の例の構成を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明のイムノクロマトグラフ検体分析用具のさらにその他の例の構成を示す断面図である。
【図7】図7は、本発明のイムノクロマトグラフ検体分析用具のさらにその他の例の構成を示す断面図である。
【図8】図8は、本発明のイムノクロマトグラフ検体分析用具のさらにその他の例の構成を示す斜視図である。
【図9】図9は、従来のイムノクロマトグラフ検体分析用具の一例の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0074】
10、90 イムノクロマトグラフ検体分析用具
11、91 支持体
12、92 展開層
13、93 展開液受取パッド
14、94 展開液供給部
15、95 基質含浸部
16、96 廃液回収パッド
17、97 検体供給部
18、98 固定化抗体部
19 液体非透過性層
21、22 抗体
23 酵素
24 酵素標識抗体
41 被測定物質(抗原)
81 固定化捕捉抗体部
82 固定化対照抗体部
a、b、c、d、e 矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
展開層と展開液受取パッドとを有し、前記展開層表面上の一端側に前記展開液受取パッドが配置され、前記展開層表面の他端側に抗体が固定化された固定化抗体部が形成され、前記展開層表面の前記固定化抗体部と前記展開液受取パッドとの間に検体供給部が形成され、前記展開液受取パッドの表面に展開液供給部が形成され、前記展開液受取パッドが基質を含み、検体と酵素標識抗体とを含む検体液を前記検体供給部から供給して前記検体液を前記展開層中を移動させて前記固定化抗体部に導入し、前記固定化抗体、前記検体中の被測定物質および前記酵素標識抗体の複合体を形成させ、前記展開液供給部から展開液を供給して前記基質を前記展開液と共に前記展開層中を移動させて前記固定化抗体部に導入し、前記酵素標識抗体の酵素と前記基質との反応による発色および発光の少なくとも一方を検出することにより、前記被測定物質を検出するイムノクロマトグラフ検体分析用具において、前記展開層表面上の一端側に、液体非透過性層が配置され、前記液体非透過性層の上に前記展開液受取パッドが配置されていることを特徴とするイムノクロマトグラフ検体分析用具。
【請求項2】
前記展開層表面と前記展開液受取パッドの前記検体供給部側の底部との間に、前記液体非透過性層が配置され、前記展開層表面と前記展開液受取パッドの前記検体供給部側と反対側の底部との間には、前記液体非透過性層が配置されていない請求項1記載のイムノクロマトグラフ検体分析用具。
【請求項3】
前記液体非透過性層が、ポリエチレンテレフタレートフィルムから形成されている請求項1または2記載のイムノクロマトグラフ検体分析用具。
【請求項4】
前記展開液受取パッド中に基質含浸部を有し、前記基質含浸部に基質が配置されている請求項1から3のいずれか一項に記載のイムノクロマトグラフ検体分析用具。
【請求項5】
さらに、支持体を有し、前記支持体の上に前記展開層が配置されている請求項1から4のいずれか一項に記載のイムノクロマトグラフ検体分析用具。
【請求項6】
さらに、廃液吸収パッドを有し、前記廃液吸収パッドが、前記展開層表面の前記固定化抗体部よりもさらに他端側に配置されている請求項1から5のいずれか一項に記載のイムノクロマトグラフ検体分析用具。
【請求項7】
前記固定化抗体部は、前記被測定物質を捕捉する抗体が固定化されている固定化捕捉抗体部と、対照用の抗体が固定化されている固定化対照抗体部とを有し、前記固定化対照抗体部よりも、前記固定化捕捉抗体部が、前記検体供給部側に配置されている請求項1から6のいずれか一項に記載のイムノクロマトグラフ検体分析用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−116235(P2008−116235A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−297551(P2006−297551)
【出願日】平成18年11月1日(2006.11.1)
【出願人】(000141897)アークレイ株式会社 (288)
【Fターム(参考)】