説明

インクジェットプリンタ及びインクジェットプリンタの運送方法

【課題】装置の外観を損なうことなく、安定して安全に搬送することができるとともに、運送時に主走査レールユニットに対してかかる負担を軽減して、主走査レールユニットの精度を維持したまま運送することのできるインクジェットプリンタ及びインクジェットプリンタの運送方法を提供する。
【解決手段】キャリッジ15を主走査方向Xに移動させるための主走査レールユニット20と、主走査レールユニット20よりも下方に位置し、装置脚部50を構成する箱状枠体51と、箱状枠体51に立設されるとともに、主走査レールユニット20と直交する方向に延在する柱状部材53には、主走査レールユニット20を支持する支持部55が設けられ、支持部55の鉛直又はその近傍に、装置運送用の吊り上げ用部材101を主走査方向Xに直交する副走査方向Yに挿入可能な吊り上げ用部材挿入部56が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタ及びインクジェットプリンタの運送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
紙や布帛等の通常の記録媒体のみならず、樹脂フィルムや金属類等のインク吸収性の乏しい記録媒体に対しても画像を記録することができる画像記録装置として、記録ヘッドの一端面に設けられたノズルからインクを射出して記録媒体上に着弾させるインクジェットプリンタが開発され、現在、その技術は種々の技術分野で応用されている。
【0003】
インクジェットプリンタの中でもシリアルヘッド方式のインクジェットプリンタでは、記録媒体の上方で記録ヘッドを主走査方向に走査させながらインクを射出して記録媒体に1列分の画像を記録し、記録媒体を上記主走査方向に略直交する搬送方向に所定量だけ搬送して停止させ、再度記録ヘッドの主走査方向に走査させながら記録媒体に画像を記録する。この記録ヘッドの走査と記録媒体の搬送を交互に繰り返しながら、画像記録を行う。
【0004】
このようなインクジェットプリンタでは、記録対象である記録媒体の幅に対応する幅寸法が必要であるため、記録媒体のサイズが大型化するにつれて装置も大型化する。特に、業務用等に用いられる大型のインクジェットプリンタの場合、記録ヘッドや、記録ヘッドを搭載するキャリッジ、メンテナンス部等を含む部分は、通常、非常に重い。こうした大型のインクジェットプリンタを運送するにあたっては、吊り上げ用の紐等を装置に固定して、クレーン等の比較的大型の装置や専用の移動装置を用いて吊り上げ、運送することが考えられる。
【0005】
従来、物を吊り上げ、運送の手法としては、例えば、箱体を吊り上げるための吊上体を設けて安定した状態で吊り上げることを可能とした箱体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、容器内に収納された搬送物品を安全かつ容易に搬送できるようにする技術として、容器に把持部分を設け、この把持部分に吊り具を装着するとともに、吊り具に吊りベルトを掛け渡してこの吊りベルトにフォークリフト等を引っ掛けるものが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−119678号公報
【特許文献2】特開平4−371488号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述のように大型のインクジェットプリンタの場合、かなりの重量があるため、上記特許文献1に記載されているような手法は、重量のあるものを吊り上げることを予定したものではなく、インクジェットプリンタの搬送に転用することはできない。
【0007】
また、インクジェットプリンタは、各所に凹凸があり、また、長手方向に長尺な構成となっていることから、単なる箱や容器と異なって、特許文献2に記載されているような手法では、全体を安定して吊り上げることは難しい。
さらに、インクジェットプリンタは、記録ヘッドを搭載したキャリッジを取り付ける主走査レールユニットの精度が低いと、高精細な画像記録を行うことができない。この点、主走査レールユニットは、装置の長手方向に延在して設けられており、重心を考慮したバランスの取れた位置に吊り上げ用の紐等を固定しなければ、装置を吊り上げた際に主走査レールユニットに負担がかかる。主走査レールユニットに過度の負担がかかると、主走査レールユニットに歪みや位置ずれ等の悪影響が生じることとなり妥当でない。
【0008】
従来、インクジェットプリンタの運送においては、例えば主に重量物の吊り上げ用として使用されるアイボルト(頭部が大きなリング形状をしたボルト)等の吊り上げ用部材を装置の外壁等に複数個取付け、これに吊り上げ用の紐等をかけて吊り上げる等の手法がとられていた。しかし、装置の外壁に孔を開けなければならず、運送後アイボルト等を取り外すとねじ孔が残ってしまい、外観上好ましくない。
また、インクジェットプリンタの大型化、重量化が進む中で、アイボルト等の吊り上げ用部材が外れる等の危険もあり、アイボルト等を用いた吊り上げでは十分な安全性を確保することができないおそれもある。
【0009】
そこで、本発明は以上のような事情に鑑みてなされたものであり、装置の外観を損なうことなく、安定して安全に搬送することができるとともに、運送時に主走査レールユニットに対してかかる負担を軽減して、主走査レールユニットの精度を維持したまま運送することのできるインクジェットプリンタ及びインクジェットプリンタの運送方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、請求項1に記載のインクジェットプリンタは、キャリッジを主走査方向に移動させるための主走査レールユニットと、
前記主走査レールユニットよりも下方に位置し、装置脚部を構成する脚部材と、
前記脚部材に立設されるとともに、前記主走査レールユニットと直交する方向に延在する複数の柱状部材と、を備え、
前記柱状部材のうち少なくとも前記主走査方向に所定の間隔を有する2つには、前記主走査レールユニットを支持する支持部が設けられ、
前記支持部の鉛直又はその近傍に、装置運送用の吊り上げ用部材を前記主走査方向に直交する副走査方向に挿入可能な吊り上げ用部材挿入部が設けられていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明のインクジェットプリンタの運送方法は、
キャリッジを主走査方向に移動するための主走査レールユニットと、前記主走査レールユニットよりも下方に位置し、装置脚部を構成する脚部材と、前記脚部材に立設されるとともに、前記主走査レールユニットと直交する方向に延在する複数の柱状部材と、を備え、前記柱状部材のうち少なくとも前記主走査方向に所定の間隔を有する2つには、前記主走査レールユニットを支持する支持部が設けられ、前記支持部の鉛直又はその近傍に、装置運送用の吊り上げ用部材を挿入可能な吊り上げ用部材挿入部が設けられているインクジェットプリンタの前記吊り上げ部材挿入部に、前記吊り上げ用部材を前記主走査方向に直交する副走査方向に挿入し、前記インクジェットプリンタを吊り上げて運送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明のインクジェットプリンタ及びインクジェットプリンタの運送方法によれば、主走査レールユニットを支持する支持部の鉛直又はその近傍に、装置運送用の吊り上げ用部材を挿入可能な吊り上げ用部材挿入部を設けて、インクジェットプリンタの吊り上げ、運送を可能としている。このため、インクジェットプリンタを吊り上げた際に十分な強度を得ることができ、重心の取れた安定した位置に運送用の紐等を固定することができる。また、吊り上げ、運送時に主走査レールユニットや装置全体に歪み等が生じるのを防止することができ、主走査レールユニット等の精度を保つことができるとの効果を奏する。
【0013】
また、吊り上げ用部材挿入部を貫通孔とした場合には、各吊り上げ用部材挿入部に1本ずつ吊り上げ用部材を挿入すれば運送可能な状態となり、運送時に必要な部材が少なく、運送準備にかかる手間も少なくて済む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図1から図4を参照しつつ、本発明に係るインクジェットプリンタ及びインクジェットプリンタの運送方法の一実施形態について説明する。
【0015】
図1は、本実施形態に係るインクジェットプリンタの要部外観を示した斜視図であり、図2は、後述するインクラックを除くインクジェットプリンタの外観を示した側面図である。また、図3は、後述するカバー部材を外して装置枠体の構成を示した要部正面図であり、図4は、図3に示すインクジェットプリンタを側面から見た側面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るインクジェットプリンタ100は、記録部本体1と、記録部本体1を被覆するカバー部材3と、この記録部本体1及びカバー部材3が組み付けられる装置枠体5と、記録部本体1の動作を制御するコンピュータ7と、インクラック9と、を備えて構成されている。
【0016】
記録部本体1は、図示しない記録媒体を搬送する搬送部11と、記録媒体に対して記録動作を行う主走査部12とを備えている。
【0017】
搬送部11には、記録媒体を裏面側から支持しながら図中矢印Yで示される搬送方向である副走査方向Yに搬送するための無端状の搬送ベルト13が配設されている。搬送ベルト13は、図示しない駆動モータによって回転駆動する搬送ローラとこれに従動する従動ローラ(いずれも図示しない)との間を周回するようになっている。
【0018】
画像記録時には、記録媒体が搬送ベルト13の上面(載置面)に載置され、駆動ローラおよび従動ローラ間を周回する搬送ベルト13の周回動作によって搬送方向Yに搬送されるようになっている。
なお、記録媒体としては、紙や布帛のほか、樹脂フィルムや金属類等を用いることが可能であり、特に限定されない。
【0019】
主走査部12は、搬送部11の上方に配置されており、インクジェットプリンタ100の長手方向(図1における主走査方向X)に延在する長尺の主走査ステー14(図3参照)を備えている。この主走査ステー14には、キャリッジ15を案内する2本の主走査レール16が主走査ステー14の長手方向(主走査方向X)に沿ってほぼ平行して設けられている。
主走査ステー14は、例えば表面に各種部材を固定する取付ボルトを挿入するための孔(いずれも図示せず)が複数形成され内部が中空構造となっている。主走査レール16は、主走査ステー14の孔に取付ボルトを挿入しナット(図示せず)で締め付けることにより主走査ステー14に固定されている。
【0020】
図3及び図4に示すように、主走査ステー14には、2つの基準ブロック体17が取り付けられている。本実施形態では、主走査ステー14、主走査レール16、1対の基準ブロック体17によって主走査レールユニット20が構成されており、この基準ブロック体17を介して主走査レールユニット20が装置枠体5に組み付けられるようになっている。
なお、基準ブロック体17は必須の構成ではなく、主走査ステー14を直接装置枠体5に組み付けるように構成してもよい。
【0021】
主走査レールユニット20の主走査レール16には、略筐体状のキャリッジ15が主走査レール16に沿って主走査方向Xに往復移動自在に支持されている。
【0022】
キャリッジ15には、画像記録時にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)等の各色のインクを射出する複数のノズルが形成されたノズル面を有する記録ヘッド(いずれも図示せず)が複数搭載されている。主走査部12は、記録ヘッドのノズル面が搬送部の搬送ベルト13における記録媒体を載置する載置面と対向するように位置調整されており、各記録ヘッドのノズルから搬送ベルト13上の記録媒体に対して各色のインクの液滴が射出されるようになっている。そして、このような記録ヘッドを搭載したキャリッジ15が主走査方向Xに走査されることによって、記録媒体上に画像が記録されるようになっている。
【0023】
なお、キャリッジ15には、記録ヘッドにインクを供給する図示しない配管や、記録ヘッドや図示しないヘッド駆動回路基板等を駆動するための電気信号や電力を伝達する図示しない配線等が収容されたケーブルベア(図示せず)が接続されている。
【0024】
また、図示は省略するが、本実施形態において、主走査部12の主走査方向Xの一端側は、記録ヘッドのメンテナンスを行うためのメンテナンス部とされており、また、主走査部12の主走査方向Xの他端側は、記録ヘッドのノズルが非記録動作時に乾燥してノズルからのインクの射出に不具合が生じないように、非記録動作時に記録ヘッドのノズル面を保湿するためのノズル保湿部とされている。
【0025】
装置枠体5は、インクジェットプリンタ100の脚部50を構成する脚部材である左右1対の箱状枠体51と、各箱状枠体51を連結する梁部材52と、箱状枠体51上に立設され主走査レールユニット20と直交する方向に延在する柱状部材53とを備えている。
箱状枠体51は、ほぼ直方体形状に形成されており、図1に示すように、直方体の4つの角部に対応して、インクジェットプリンタ100の正面側に位置する第1の脚柱部材511a及び第2の脚柱部材511b、背面側に位置する第3の脚柱部材511c、第4の脚柱部材511dの4つの脚柱部材511を備えている。各脚柱部材511のインクジェットプリンタ100の設置面(すなわち床面)側の端部には、それぞれ移動用の車輪512が取り付けられている。各脚柱部材511は、インクジェットプリンタ100の設置面に対してほぼ垂直に立設されており、各脚柱部材511は、隣接する脚柱部材511と、その下側端部、上側端部で、それぞれ連結部材513によって連結されている。
【0026】
本実施形態では、柱状部材53として、例えば2つの第3の脚柱部材511cにそれぞれ連設されている第1の柱状部材53aと、各箱状枠体51上であって、第1の柱状部材53aよりもインクジェットプリンタ100の前面側に立設されている2つの第2の柱状部材53bとを備えている。このうち、第1の柱状部材53aには、主走査レールユニット20を支持する支持部55が設けられている。支持部55は、インクジェットプリンタ100の設置面とほぼ平行な基準面としてユニット取付面551を有している。主走査レールユニット20の主走査ステー14をこのユニット取付面551上に固定することにより、主走査レールユニット20が、インクジェットプリンタ100の設置面とほぼ平行となるように装置枠体5に組み付けられるようになっている。
【0027】
支持部55の鉛直に位置し、第1の脚柱部材511aと第3の脚柱部材511cとを連結する連結部材513aには、インクジェットプリンタ100を運送する際の装置運送用の吊り上げ用部材101を挿入可能な吊り上げ用部材挿入部56が副走査方向Yに貫通するように設けられている。
図1及び図2に示すように、インクジェットプリンタ100の運送時には、この吊り上げ用部材挿入部56に装置運送用の吊り上げ用部材101を挿入し、副走査方向Yに貫通させる。吊り上げ用部材101は、長尺な棒状の部材であり、この吊り上げ用部材101を吊り上げ用部材挿入部56の一方側から他方側に貫通させる。
【0028】
装置枠体5の上側には、天板57が取り付けられており、装置枠体5の両側部であって、装置本体部1が取り付けられている部分には、側板58がそれぞれ取り付けられている。
天板57におけるインクジェットプリンタ100の前側端部には、装置本体部1を被覆するカバー部材3が取り付けられている。カバー部材3のほぼ中央部であって、主走査部12による記録が行われる記録領域に対応する部分は、ヒンジ31を解して開閉可能な蓋部32となっている。
【0029】
本実施形態では、装置本体部1の背後には、各記録ヘッドにそれぞれ供給する各色のインクを貯蔵するインクタンク91を備えるインクラック9が配置されている。各インクタンク91からは、図示しない供給管や前述した配管等を介して各記録ヘッドにインクがそれぞれ供給されるようになっている。
【0030】
また、装置本体部1の下方には、インクジェットプリンタ100を構成する各部を制御するためのコンピュータ7が配設されており、コンピュータ7から前述した配線を介してヘッド駆動回路基板等に電気信号等が伝達されるようになっている。
【0031】
次に、本実施形態におけるインクジェットプリンタ100の運送方法について説明する。
【0032】
インクジェットプリンタ100の運送時においては、まず、2箇所の吊り上げ用部材挿入部56にそれぞれ装置運送用の吊り上げ用部材101を挿入し、一方側から他方側に貫通させる。そして、この吊り上げ用部材101に吊り上げ用の紐等をかけて、これにクレーン等を引っ掛けることによりインクジェットプリンタ100の吊り上げ、運送を行う。
【0033】
以上のように、本実施形態では、主走査レールユニット20を支持する支持部55の鉛直下側に吊り上げ用部材挿入部56を設けている。
インクジェットプリンタ100は、装置全体が長尺であり、重量も重いため、強度の弱い部分で支持しようとすると、装置全体に歪みや撓みを生じるおそれがある。装置枠体5に組み付けられている主走査レールユニット20は、高精度に水平を保って取付が行われている。インクジェットプリンタ100の搬送時にこの主走査レールユニット20に負担がかかると、精度よく組み付けを行っても、歪みや変形を生じて、記録動作において高精細な画像を形成できない等、不具合が生じる。
この点、インクジェットプリンタ100は、一般に装置の脚部50は比較的堅牢な構成となっているため、力がかかっても装置全体に影響しにくい。さらに、本実施形態では、装置全体における縦方向の中程の位置に当たる装置の脚部50と柱状部材53との境界部分付近にあたる連結部材513aに吊り上げ用部材挿入部56を設けているため、安定よく装置の吊り上げを行うことができる。また、支持部55の鉛直下側で装置の吊り上げを行った場合には、主走査レールユニット20には真下から真上に向かう方向しか力がかからず、主走査レールユニット20に対する影響が最も少ない。このため、装置運送時に主走査レールユニット20や装置全体に歪み等が生じることがなく、主走査レールユニット20等の精度を保つことができる。
【0034】
また、装置の脚部50を構成する箱状枠体51の連結部材513aに吊り上げ用部材挿入部56を設けるので、新たに部材を取り付ける必要がなく、部品点数や組み立て工数が増加しないため、製造コストを抑えることができる。また、インクジェットプリンタ100を運送するとき以外は、吊り上げ用部材101を吊り上げ用部材挿入部56から取り外すことができ、装置外観的にも優れている。
【0035】
また、吊り上げ用部材挿入部56が貫通孔であるため、各吊り上げ用部材挿入部56に1本ずつ吊り上げ用部材101を挿入すれば運送可能な状態となり、運送時に必要な部材が少なく、運送準備にかかる手間も少なくて済むため、便宜である。
【0036】
なお、本実施形態では、装置枠体5に4つの柱状部材53を設けて、そのうち第3の脚柱部材511cに連設されている柱状部材53aに設けられた支持部55において主走査レールユニット20が装置枠体5に対して支持されている場合を例として説明したが、柱状部材53や支持部55の数や設けられる位置等は、ここに例示した物に限定されない。
【0037】
また、本実施形態では、吊り上げ用部材挿入部56が貫通孔である場合を例として説明したが、吊り上げ用部材挿入部56は貫通孔に限定されず、例えば、インクジェットプリンタ100の正面側から装置中程まで設けられた挿入部と背面側から装置中程まで設けられた挿入部とで構成されていてもよい。この場合には、インクジェットプリンタ100の運送時に、正面側及び背面側のそれぞれの挿入部に装置運送用の吊り上げ用部材を挿入する。このような構成とした場合には、本実施形態で用いる吊り上げ用部材101よりも長さの短い吊り上げ用部材を、各吊り上げ用部材挿入部につき2本ずつ用意することによ
り、同様にインクジェットプリンタ100の吊り上げ、運送を行うことができる。
【0038】
また、本実施形態では、吊り上げ用部材挿入部56が各支持部55の鉛直であって、第1の箱状枠体51aの第3の脚柱部材511c及び第2の箱状部材51bの第3の脚柱部材511cの上端部近傍に設けられている場合を例としたが、吊り上げ用部材挿入部56が設けられる位置はこれに限定されない。例えば、各支持部55の鉛直ではないが、各支持部55の下方(鉛直である位置の近傍)に吊り上げ用部材挿入部56を設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本実施形態に係るインクジェットプリンタの全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1のインクジェットプリンタの側面図である。
【図3】図1のインクジェットプリンタの内部構成を示す正面図である。
【図4】図1のインクジェットプリンタの内部構成を示す側面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 装置本体部
5 装置枠体
7 コンピュータ
11 搬送部
12 主走査部
15 キャリッジ
20 主走査レールユニットと
50 装置脚部
51 箱状枠体
53 柱状部材
55 支持部
56 吊り上げ用部材挿入部
511 脚柱部材
513(513a) 連結部材
100 インクジェットプリンタ
101 吊り上げ用部材
X 主走査方向
Y 副走査方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリッジを主走査方向に移動させるための主走査レールユニットと、
前記主走査レールユニットよりも下方に位置し、装置脚部を構成する脚部材と、
前記脚部材に立設されるとともに、前記主走査レールユニットと直交する方向に延在する複数の柱状部材と、を備え、
前記柱状部材のうち少なくとも前記主走査方向に所定の間隔を有する2つには、前記主走査レールユニットを支持する支持部が設けられ、
前記支持部の鉛直又はその近傍に、装置運送用の吊り上げ用部材を前記主走査方向に直交する副走査方向に挿入可能な吊り上げ用部材挿入部が設けられていることを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項2】
前記吊り上げ用部材挿入部は、前記副走査方向に貫通している貫通孔であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項3】
キャリッジを主走査方向に移動するための主走査レールユニットと、前記主走査レールユニットよりも下方に位置し、装置脚部を構成する脚部材と、前記脚部材に立設されるとともに、前記主走査レールユニットと直交する方向に延在する複数の柱状部材と、を備え、前記柱状部材のうち少なくとも前記主走査方向に所定の間隔を有する2つには、前記主走査レールユニットを支持する支持部が設けられ、前記支持部の鉛直又はその近傍に、装置運送用の吊り上げ用部材を挿入可能な吊り上げ用部材挿入部が設けられているインクジェットプリンタの前記吊り上げ部材挿入部に、前記吊り上げ用部材を前記主走査方向に直交する副走査方向に挿入し、前記インクジェットプリンタを吊り上げて運送することを特徴とするインクジェットプリンタの運送方法。
【請求項4】
前記吊り上げ用部材挿入部は、前記副走査方向に貫通している貫通孔であり、この貫通孔に前記吊り上げ用部材を貫通させて前記インクジェットプリンタを吊り上げることを特徴とする請求項3に記載のインクジェットプリンタの運送方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−131765(P2010−131765A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−307133(P2008−307133)
【出願日】平成20年12月2日(2008.12.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ケーブルベア
【出願人】(305002394)コニカミノルタIJ株式会社 (317)
【Fターム(参考)】