説明

インクジェット記録媒体の製造方法

【課題】インク受容層の耐傷性に優れ、高い印画濃度を実現できるインクジェット記録媒体の製造方法を提供する。
【解決手段】インクジェット記録媒体の製造方法に、支持体上に、無機微粒子および水溶性樹脂を含む第1の塗布液の少なくとも1種を塗布して塗布層を形成する塗布層工程と、(1)該塗布と同時、または(2)該塗布によって形成される塗布層の乾燥途中であって前記塗布層が減率乾燥を示す前のいずれかに、ポリビニルアルコールを含み、無機微粒子の含有率が前記ポリビニルアルコールに対して50質量%以下である第2の塗布液を付与する工程と、を含むインク受容層形成工程を備えせしめる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録媒体の製造方法に関する、
【背景技術】
【0002】
近年、情報産業の急速な発展に伴い、種々の情報処理システムが開発され、その情報処理システムに適した記録方法および装置も開発されて、各々実用化されている。上記記録方法の中で、インクジェット記録方法は、多種の記録材料に記録可能なこと、ハード(装置)が比較的安価であること、コンパクトであること、静粛性に優れること等の点から、オフィスは勿論、いわゆるホームユースにおいても広く用いられてきている。
【0003】
また、近年のインクジェットプリンターの高解像度化やハード(装置)の発展に伴ない、インクジェット記録用の媒体も各種開発され、近年ではいわゆる写真ライクな高画質記録物を得ることも可能になってきた。
特にインクジェット記録用の媒体に要求される特性としては、一般に、(1)速乾性があること(インク吸収速度が大きいこと)、(2)インクドットの径が適正で均一であること(ニジミのないこと)、(3)粒状性が良好であること、(4)ドットの真円性が高いこと、(5)色濃度が高いこと、(6)彩度が高いこと(クスミのないこと)、(7)印画部の耐光性、耐ガス性、耐水性が良好なこと、(8)記録面の白色度が高いこと、(9)記録媒体の保存性が良好なこと(長期保存で黄変着色を起こさないこと、長期保存で画像が滲まないこと)、(10)変形し難く寸法安定性が良好であること(カールが十分小さいこと)、(11)ハード走行性が良好であること等が挙げられる。更に、いわゆる写真ライクな高画質記録物を得る目的で用いられるフォト光沢紙の用途としては、上記特性に加えて光沢性、表面平滑性、銀塩写真に類似した印画紙状の風合い等も要求される。
【0004】
上記の要求を満たすインクジェット記録用の媒体として、少なくとも2層のインク受容層を有し、気相法シリカ等の無機微粒子とポリビニルアルコール(PVA)等の水溶性樹脂との比率を、上層と下層とで異なる比率としたインクジェット用記録材料が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また無機微粒子と水溶性樹脂を含む塗布層上に、有機媒染剤を含む塗布液をさらに付与してインク受容層が形成されたインクジェット記録用シートが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−36715号公報
【特許文献2】特開2002−274024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1〜2に記載のインクジェット記録媒体では、インク受容層の耐傷性と印画濃度の両立の点で満足できるものではなかった。
本発明は、耐傷性に優れ、高い印画濃度を実現できるインクジェット記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 支持体上に、無機微粒子および水溶性樹脂を含む第1の塗布液の少なくとも1種を塗布して塗布層を形成する塗布層形成工程と、(1)該塗布と同時、または(2)該塗布によって形成される塗布層の乾燥途中であって前記塗布層が減率乾燥を示す前のいずれかに、ポリビニルアルコールを含み、無機微粒子の含有率が前記ポリビニルアルコールに対して50質量%以下である第2の塗布液を付与する工程と、を含むインク受容層形成工程を備えるインクジェット記録媒体の製造方法。
<2> 前記第2の塗布液は、重合度が1000〜3500のポリビニルアルコールを含む前記<1>に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
<3> 前記第2の塗布液を付与する工程は、ポリビニルアルコールの付与量が0.002〜0.1g/mである前記<1>または<2>に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
<4> 前記インク受容層は2層以上からなり、支持体から最も遠い第1の層における前記水溶性樹脂に対する前記無機微粒子の含有比(P/B比)が、前記第1の層よりも支持体に近い第2の層における前記水溶性樹脂に対する前記無機微粒子の含有比よりも、1以上大きい前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、耐傷性に優れ、高い印画濃度および高い光沢度を実現できるインクジェット記録媒体の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のインクジェット記録媒体の製造方法は、支持体上に少なくとも1層からなるインク受容層を有するインクジェット記録媒体の製造方法であって、支持体上に少なくとも1層のインク受容層を形成するインク受容層形成工程を備える。本発明においては、インク受容層形成工程が、支持体上に、無機微粒子および水溶性樹脂を含む第1の塗布液の少なくとも1種を塗布して塗布層を形成する塗布層形成工程と、(1)該塗布と同時、または(2)該塗布によって形成される塗布層の乾燥途中であって前記塗布層が減率乾燥を示す前のいずれかに、ポリビニルアルコールを含み、無機微粒子の含有率が前記ポリビニルアルコールに対して50質量%以下である第2の塗布液を付与する工程と、を含む。
かかるインク受容層形成工程で形成されたインク受容層を有するインクジェット記録媒体は、耐傷性に優れ、高い印画濃度を実現でき、さらに高い光沢度を有する。
【0010】
[インク受容層形成工程]
本発明におけるインク受容層形成工程は、支持体上に、無機微粒子および水溶性樹脂を含む第1の塗布液の少なくとも1種を塗布して塗布層を形成する塗布層形成工程と、(1)該塗布と同時、または(2)該塗布によって形成される塗布層の乾燥途中であって前記塗布層が減率乾燥を示す前のいずれかに、ポリビニルアルコールを含み、無機微粒子の含有率が前記ポリビニルアルコールに対して50質量%以下である第2の塗布液を付与する工程と、を含む
【0011】
前記塗布層形成工程においては、支持体上に、無機微粒子および水溶性樹脂を含む第1の塗布液の少なくとも1種を塗布して塗布層を形成する。本発明においてインク受容層を形成するための塗布層は1層からなるものであっても、2種以上の第1の塗布液を塗布して形成された2層以上からなるものであってもよい。
塗布層が2層以上からなる場合、前記塗布層は2種以上の第1の塗布液を逐次塗布して形成されたものであっても、重層塗布して形成されたものであってもよい。本発明における塗布層は、インク吸収性の観点から、2層以上からなるものであることが好ましく、重層塗布して形成された2層以上からなるものであることがより好ましい。
【0012】
(無機微粒子)
前記第1の塗布液は、無機微粒子の少なくとも1種を含む。無機微粒子は、インク受容層を形成した際に多孔質構造を形成し、インクの吸収性能を向上させる役割を持つ。
特に、無機微粒子のインク受容層における固形分含有量が50質量%以上、より好ましくは60質量%を超えていると、更に良好な多孔質構造を形成することが可能となり、十分なインク吸収性を備えたインクジェット記録媒体が得られるので好ましい。ここで、微粒子のインク受容層における固形分含有量とは、インク受容層を構成する組成物中の水以外の成分に基づき算出される含有量である。
【0013】
本発明における無機微粒子としては、例えば、シリカ微粒子、コロイダルシリカ、二酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、擬ベーマイト、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、アルミナ、珪酸アルミニウム、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化ランタン、酸化イットリウム等が挙げられる。これらの中でも良好な多孔質構造を形成する観点より、シリカ微粒子、コロイダルシリカ、アルミナ微粒子又は擬ベーマイトが好ましい。微粒子は1次粒子のまま用いても、又は2次粒子を形成した状態で使用してもよい。これら微粒子の平均一次粒径は2μm以下が好ましく、200nm以下がより好ましい。
更に、平均一次粒径が30nm以下のシリカ微粒子、平均一次粒径が30nm以下のコロイダルシリカ、平均一次粒径が20nm以下のアルミナ微粒子、又は平均細孔半径が2〜15nmの擬ベーマイトがより好ましく、特にシリカ微粒子、アルミナ微粒子、擬ベーマイトが好ましい。
【0014】
シリカ微粒子は、通常その製造法により湿式法粒子と乾式法(気相法)粒子とに大別される。上記湿式法では、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が主流である。一方、気相法は、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって無水シリカを得る方法が主流であり、「気相法シリカ」とは該気相法によって合成されたシリカ(無水シリカ微粒子)を意味する。本発明に用いるシリカ微粒子としては、特に気相法シリカ微粒子が好ましい。
【0015】
上記気相法シリカは、含水シリカと表面のシラノール基の密度、空孔の有無等に相違があり、異なった性質を示すが、空隙率が高い三次元構造を形成するのに適している。この理由は明らかではないが、含水シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が5〜8個/nmで多く、シリカ微粒子が密に凝集(アグリゲート)し易く、一方、気相法シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個/nmであり少ないことから疎な軟凝集(フロキュレート)となり、その結果、空隙率が高い構造になるものと推定される。
【0016】
上記気相法シリカは、比表面積が特に大きいので、インクの吸収性、保持の効率が高く、また、屈折率が低いので、適切な粒子径まで分散をおこなえば受容層に透明性を付与でき、高い色濃度と良好な発色性が得られるという特徴がある。受容層が透明であることは、OHP等透明性が必要とされる用途のみならず、フォト光沢紙等の記録用媒体に適用する場合でも、高い色濃度と良好な発色性光沢を得る観点で重要である。
【0017】
上記気相法シリカの平均一次粒子径としては30nm以下が好ましく、20nm以下が更に好ましく、10nm以下が特に好ましく、3〜10nmが最も好ましい。上記気相法シリカは、シラノール基による水素結合によって粒子同士が付着しやすいため、平均一次粒子径が30nm以下の場合に空隙率の大きい構造を形成することができ、インク吸収特性を効果的に向上させることができる。
【0018】
本発明における無機微粒子としては、上記乾式法で得られる気相法シリカ微粒子(無水シリカ)が好ましく、更に微粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個/nmであるシリカ微粒子がより好ましい。
本発明に最も好ましく用いられるシリカ微粒子は、BET法による比表面積が200m/g以上の気相法シリカである。
【0019】
また、シリカ微粒子は、前述の他の微粒子と併用してもよい。該他の微粒子と上記気相法シリカとを併用する場合、全微粒子中の気相法シリカの含有量は、30質量%以上が好ましく、50質量%以上が更に好ましい。
【0020】
本発明における無機微粒子としては、アルミナ微粒子、アルミナ水和物、これらの混合物又は複合物も好ましい。この内、アルミナ水和物は、インクを良く吸収し定着することなどから好ましく、特に、擬ベーマイト(Al・nHO)が好ましい。アルミナ水和物は、種々の形態のものを用いることができるが、容易に平滑な層が得られることからゾル状のベーマイトを原料として用いることが好ましい。
【0021】
擬ベーマイトの細孔構造については、その平均細孔半径は1〜30nmが好ましく、2〜15nmがより好ましい。また、その細孔容積は0.3〜2.0ml/gが好ましく、0.5〜1.5ml/gがより好ましい。ここで、上記細孔半径及び細孔容積の測定は、窒素吸脱着法により測定されるもので、例えば、ガス吸脱着アナライザー(例えば、コールター社製の商品名「オムニソープ369」)により測定できる。
また、アルミナ微粒子の中では気相法アルミナ微粒子が、その比表面積が大きく好ましい。該気相法アルミナの平均一次粒子径としては30nm以下が好ましく、20nm以下が更に好ましい。
【0022】
上述の微粒子をインクジェット記録媒体に用いる場合は、例えば、特開平10−81064号、同10−119423号、同10−157277号、同10−217601号、同11−348409号、特開2001−138621号、同2000−43401号、同2000−211235号、同2000−309157号、同2001−96897号、同2001−138627号、特開平11−91242号、同8−2087号、同8−2090号、同8−2091号、同8−2093号、同8−174992号、同11−192777号、特開2001−301314号等公報に開示された態様でも、好ましく用いることができる。
【0023】
(水溶性樹脂)
本発明における第1の塗布液は、少なくとも1種の水溶性樹脂を含む。前記水溶性樹脂としては、例えば、親水性構造単位としてヒドロキシル基を有する樹脂である、ポリビニルアルコール(PVA)、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、セルロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)等〕、キチン類、キトサン類、デンプン;親水性のエーテル結合を有する樹脂である、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリビニルエーテル(PVE);親水性のアミド基又はアミド結合を有する樹脂である、ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)等が挙げられる。また、解離性基としてカルボキシル基を有する、ポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン類等を挙げることもできる。
【0024】
本発明における水溶性樹脂は、光沢度とインク吸収性の観点から、ポリビニルアルコールであることが好ましい。ポリビニルアルコールは、その構造単位に水酸基を有するが、この水酸基とシリカ微粒子表面のシラノール基とが水素結合を形成して、シリカ微粒子の二次粒子を鎖単位とする三次元網目構造を形成し易くする。この様な三次元網目構造の形成によって、空隙率の高い多孔質構造のインク受容層を形成し得ると考えられる。
インクジェット記録媒体において、上述のようにして得られた多孔質のインク受容層は、毛細管現象によって急速にインクを吸収し、インク滲みのない真円性の良好なドットを形成することができる。
【0025】
本発明におけるポリビニルアルコールのけん化度には特に制限はなく、例えば80〜99.8mol%のものを用いることができる。中でもインク吸収性とインク受容層の形成安定性の観点から、92〜98mol%であることが好ましく、93〜97mol%であることがより好ましい。
また、本発明におけるポリビニルアルコールの重合度には特に制限はなく、例えば300〜4500のものを用いることができる。中でもインク受容層のひび割れ防止とインク受容層の形成安定性の観点から、1500〜3600であることが好ましく、2000〜3500であることがより好ましい。
【0026】
本発明においては、水溶性樹脂としてポリビニルアルコールに加えて、必要に応じて他の水溶性樹脂を併用することができる。ポリビニルアルコールと他の水溶性樹脂とを併用する場合のポリビニルアルコールと他の水溶性樹脂との合計量に対する他の水溶性樹脂の割合は1〜30質量%が好ましく、3〜20質量%がさらに好ましく、6〜12質量%が特に好ましい。
【0027】
また、本発明における水溶性樹脂の含有量としては、該含有量の過少による、膜強度の低下や乾燥時のひび割れを防止し、且つ、該含有量の過多によって、該空隙が樹脂によって塞がれ易くなり、空隙率が減少することでインク吸収性が低下するのを防止する観点から、インク受容層の全固形分質量に対して、9〜40質量%が好ましく、12〜33質量%がより好ましい。
【0028】
(無機微粒子と水溶性樹脂との含有比)
本発明において、インク受容層全体における無機微粒子(好ましくは、シリカ微粒子)(x)と水溶性樹脂(y)との含有比〔P/B比(x/y)、水溶性樹脂1質量部に対する無機微粒子の質量〕は、インク受容層の膜構造にも大きな影響を与える。即ち、P/B比が大きくなると、空隙率や細孔容積、表面積(単位質量当り)が大きくなる。具体的には、上記P/B比(x/y)としては、該P/B比が大き過ぎることに起因する、膜強度の低下や乾燥時のひび割れを防止し、且つ該P/B比が小さ過ぎることによって、該空隙が樹脂によって塞がれ易くなり、空隙率が減少することでインク吸収性が低下するのを防止する観点から、1.5/1〜10/1が好ましい。
【0029】
インクジェットプリンターの搬送系を通過する場合、インクジェット記録媒体に応力が加わることがあるので、インク受容層は充分な膜強度を有していることが必要である。更にシート状に裁断加工する場合、インク受容層の割れ及び剥がれ等を防止する上でも、インク受容層には充分な膜強度が必要である。この様な観点より、上記P/B比(x/y)としては5/1以下が好ましく、インクジェットプリンターで高速インク吸収性をも確保する観点からは、2/1以上であることが好ましい。
【0030】
例えば、平均一次粒子径が20nm以下の無水シリカ微粒子と本発明のポリビニルアルコールとをP/B比(x/y)が2/1〜5/1で水溶液中に完全に分散した塗布液を支持体上に塗布し、該塗布層を乾燥した場合、シリカ微粒子の二次粒子を鎖単位とする三次元網目構造が形成され、平均細孔径が30nm以下、空隙率が50%〜80%、細孔比容積0.5ml/g以上、比表面積が100m/g以上の、透光性の多孔質膜を容易に形成することができる。
【0031】
(架橋剤)
本発明における第1の塗布液は、インク受容層の強度の観点から、架橋剤を含むことが好ましい。本発明に係るインク受容層は、該架橋剤による水溶性樹脂の架橋反応によって硬化された多孔質層である態様が好ましい。
【0032】
上記架橋剤としては、第1の塗布液に含まれる水溶性樹脂との関係で好適なものを適宜選択すればよい。例えば水溶性樹脂としてポリビニルアルコールを用いる場合、架橋反応が迅速である点でホウ素化合物が好ましく、例えば、ホウ砂、ホウ酸、ホウ酸塩(例えば、オルトホウ酸塩、InBO、ScBO、YBO、LaBO、Mg(BO)、Co(BO)、二ホウ酸塩(例えば、Mg、Co)、メタホウ酸塩(例えば、LiBO、Ca(BO)、NaBO、KBO)、四ホウ酸塩(例えば、Na・10HO)、五ホウ酸塩(例えば、KB・4HO、Ca11・7HO、CsB)等を挙げることができる。中でも、速やかに架橋反応を起こすことができる点で、ホウ砂、ホウ酸、ホウ酸塩が好ましく、特にホウ酸又はホウ酸塩が好ましく、これらを水溶性樹脂としてポリビニルアルコールと組合わせて使用することが最も好ましい。
【0033】
本発明において上記架橋剤は、例えば、ポリビニルアルコール1.0質量部に対して、0.05〜0.50質量部含有されることが好ましく、0.08〜0.30質量部含有されることがより好ましい。架橋剤の含有量が上記範囲であると、ポリビニルアルコールを効果的に架橋してひび割れ等を防止することができる。
【0034】
また水溶性樹脂としてゼラチンを用いる場合などには、ホウ素化合物以外の下記化合物も架橋剤として用いることができる。
例えば、ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタールアルデヒド等のアルデヒド系化合物;ジアセチル、シクロペンタンジオン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−S−トリアジン・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジビニルスルホン酸、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノール、N,N'−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタミド)、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメチロ−ル尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN−メチロール化合物;メラミン樹脂(例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン);エポキシ樹脂;
【0035】
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート系化合物;米国特許明細書第3017280号、同第2983611号に記載のアジリジン系化合物;米国特許明細書第3100704号に記載のカルボキシイミド系化合物;グリセロールトリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物;1,6−ヘキサメチレン−N,N'−ビスエチレン尿素等のエチレンイミノ系化合物;ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸等のハロゲン化カルボキシアルデヒド系化合物;2,3−ジヒドロキシジオキサン等のジオキサン系化合物;乳酸チタン、硫酸アルミ、クロム明ばん、カリ明ばん、酢酸ジルコニル、酢酸クロム等の金属含有化合物、テトラエチレンペンタミン等のポリアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジド化合物、オキサゾリン基を2個以上含有する低分子又はポリマー等である。上記の架橋剤は、1種単独でも、2種以上を組合せて用いてもよい。
【0036】
(水溶性アルミニウム化合物)
本発明における第1の塗布液は水溶性アルミニウム化合物を含むことが好ましい。水溶性アルミニウム化合物を用いることにより形成画像の耐水性及び耐経時にじみの向上を図ることができる。
水溶性アルミニウム化合物としては、例えば無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物がある。これらの中でも、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましい。
【0037】
前記塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物とは、主成分が下記の式1、2又は3で示され、例えば〔Al(OH)153+、〔Al(OH)204+、〔Al13(OH)345+、〔Al21(OH)603+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
【0038】
〔Al(OH)Cl6−n 5<m<80 、 1<n<5 (式1)
〔Al(OH)AlCl 1<n<2 (式2)
Al(OH)Cl(3n−m) 0<m<3n、 5<m<8 (式3)
【0039】
これらのものは多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、大明化学(株)よりアルファイン83の名でまた他のメーカーからも同様の目的を持って上市されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できるが、pHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用いることも可能である。
【0040】
本発明におけるインク受容層において、上記水溶性アルミニウム化合物の含有量としては、インク受容層を構成する全固形分の0.1〜20質量%が好ましく、1〜8質量%がより好ましく、特に2〜4質量%が最も好ましくい。水溶性アルミニウム化合物の含有量が2〜4質量%の範囲にあると光沢度、耐水性、耐ガス性、耐光性の向上効果が得られる。
【0041】
(ジルコニウム化合物)
本発明における第1の塗布液はジルコニウム化合物を含むことが好ましい。ジルコニウム化合物を用いることにより、より効果的に耐水性が向上する。
本発明に用いられるジルコニウム化合物としては、特に限定されず種々の化合物が使用できるが、例えば、酢酸ジルコニル、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニル、硝酸ジルコニル、塩基性炭酸ジルコニル、水酸化ジルコニル、炭酸ジルコニル・アンモニウム、炭酸ジルコニル・カリウム、硫酸ジルコニル、フッ化ジルコニル化合物等が挙げられる。中でも特に酢酸ジルコニルが好ましい。
【0042】
本発明におけるインク受容層において、上記ジルコニウム化合物の含有量としては、インク受容層を構成する全固形分の0.05〜5.0質量%が好ましく、0.1〜3.0質量%がより好ましく、特に0.5〜2.0質量%が最も好ましい。ジルコニウム化合物の含有量が0.5〜2.0質量%の範囲にあるとインクの吸収性を低下させることなく耐水性を向上させることが可能である。
【0043】
本発明においては、上述した水溶性アルミニウム化合物及びジルコニウム化合物以外のその他の水溶性多価金属化合物を併用することもできる。その他の水溶性多価金属化合物としては、例えば、カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、鉄、亜鉛、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられる。
具体的には、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、リンタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストリン酸n水和物、12タングストケイ酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドリン酸n水和物等が挙げられる。
【0044】
(他の成分)
本発明における第1の塗布液は、必要に応じて上記以外の他の成分をふく含有させて構成される。即ち、インク色材の劣化を抑制する目的で、各種の紫外線吸収剤、酸化防止剤、一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤を含んでいてもよい。
これらの具体例としては、例えば、特開2005−14593号公報の段落番号0088から0117に記載されている成分や、特開2006−321176号公報の段落番号0138〜0155に記載されている成分等を、適宜選択して用いることができる。
【0045】
本発明において第1の塗布液は、カール防止用に高沸点有機溶剤を含有することが好ましい。上記高沸点有機溶剤としては、水溶性のものが好ましく、該水溶性の高沸点有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGMBE)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリンモノメチルエーテル、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコール(重量平均分子量が400以下)等のアルコール類が挙げられる。好ましくは、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGMBE)である。
【0046】
上記高沸点有機溶剤のインク受容層形成液中における含有量としては、0.05〜1質量%が好ましく、特に好ましくは0.1〜0.6質量%である。
また、無機微粒子の分散性を高める目的で、各種無機塩類、pH調整剤として酸やアルカリ等を含んでいてもよい。
更に、表面の摩擦帯電や剥離帯電を抑制する目的で、電子導電性を持つ金属酸化物微粒子を、表面の摩擦特性を低減する目的で各種のマット剤を含んでいてもよい。
【0047】
塗布層形成工程において、塗布層が2種以上の第1の塗布液を塗布して形成される場合、2種以上の第1の塗布液は互いに構成が異なっていればよく、その構成の差異に特に制限はない。本発明においては、インク吸収性と印画濃度の観点から、2種以上の第1の塗布液は互いに水溶性樹脂に対する無機微粒子の含有比(P/B比)が異なっていることが好ましく、支持体から最も遠い側に塗布される第1の塗布液のP/B比が、支持体に近い側に塗布される第1の塗布液のP/B比よりも大きいことがより好ましい。中でも支持体から最も遠い側に塗布される第1の塗布液のP/B比が、支持体に近い側に塗布される第1の塗布液のP/B比よりも1以上20以下大きいことが好ましく、より好ましくは2以上10以下の範囲である。
P/B比の差を1以上とすることで、印画濃度がより効果的に向上する。また、20以下とすることで、支持体から最も遠い側の塗布液の水溶性樹脂量の低下を抑制し、光沢度の低下することを抑制することができる。
また、支持体から最も遠い側に塗布される第1の塗布液からなる最上層の厚みについては、光沢度および塗布乾燥時のひび割れ防止の観点からインク受容層全体の層厚を100%とした場合に、5%〜50%であることが好ましく、10%〜30%であることがより好ましい。尚、最上層の厚みについてはP/B比に応じて適宜調整できる。
【0048】
本発明において第1の塗布液は、例えば、シリカ微粒子と、必要に応じてジルコニウム化合物とを高圧分散機を用いて、対向衝突させて、又は、オリフィスを通過させて分散することによりシリカ微粒子分散液を調製し、これに水溶性樹脂を添加して調製することができる。
【0049】
シリカ微粒子を、高圧分散機を用いて対向衝突させて、又は、オリフィスを通過させて分散することにより得られる分散液は、無機微粒子の粒子径が細かい点で優れる。
【0050】
シリカ微粒子はこれらを含む分散液(予分散液)の状態で高圧分散機に供せられる。予備混合(予分散)は、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で行うことができる。
【0051】
シリカ微粒子分散液の調製に用いられる高圧分散機としては、一般に、高圧ホモジナイザーと呼ばれている市販の装置が好適に使用できる。
前記高圧ホモジナイザーの代表例としては、ナノマイザー製の商品名;ナノマイザー、マイクロフルイディクス製の商品名;マイクロフルイダイザー、及びスギノマシン製のアルティマイザーなどを挙げることができる。
【0052】
なお、前記オリフィスとは、円形などの微細な穴を持つ薄板(オリフィス板)を直管内に挿入し、直管の流路を急激に絞る機構をいう。
【0053】
上記高圧ホモジナイザーは、基本的には、原料スラリーなどを加圧する高圧発生部と、対向衝突部或いはオリフィス部とからなる装置である。高圧発生部としては、一般にプランジャーポンプと呼ばれている高圧ポンプが好適に採用される。高圧ポンプには、一連式、二連式、三連式などの各種の形式があるが、いずれの形式も特に制限なく本発明において採用できる。
【0054】
前記高圧で対向衝突させる場合における処理圧力は50MPa以上、100MPa以上が好ましく、さらに130MPa以上が好ましい。
また、前記オリフィスを通過させる場合におけるオリフィスの入口側と出口側の差圧も、前記処理圧力と同様に、50MPa以上、好ましくは100MPa以上、さらに好ましくは130MPa以上が望ましい。
【0055】
対向衝突させる場合の予分散液の衝突速度は、相対速度として50m/秒以上が好ましく、100m/秒以上がより好ましく、150m/秒以上が好ましい。
【0056】
オリフィスを通過する際の溶媒の線速度は、用いるオリフィスの孔径にも依存するため一概には決められないが、上記対向衝突の際の衝突速度と同様に50m/秒以上が好ましく、100m/秒以上がより好ましく、150m/秒以上が好ましい。
【0057】
いずれの方法においても、分散効率は処理圧力に依存するため、処理圧力が高いほど分散効率も高くなる。ただし、処理圧力が350MPaを越えると高圧ポンプの配管等の耐圧性や装置の耐久性に問題が発生しやすい。
【0058】
上記したいずれの方法においても、処理回数は特に制限されず、通常は、1〜数十回の範囲から適宜選択される。これにより分散液を得ることができる。
【0059】
この分散液を調製する際には、各種の添加剤を添加することができる。
添加剤としては、例えば、ノニオン性またはカチオン性の各種の界面活性剤(アニオン性界面活性剤は凝集物を形成するために好ましくない)、消泡剤、ノニオン性の親水性ポリマー(ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、各種の糖類、ゼラチン、プルラン等)、ノニオン性またはカチオン性のラテックス分散液、水混和性有機溶媒(酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、アセトンなど)、無機塩類、pH調整剤などが挙げられ、これらは必要に応じて適宜使用することができる。
【0060】
特に、水混和性有機溶媒は、シリカ微粒子を予備分散した際の微小なダマの形成が抑制される点で好ましい。水混和性有機溶媒は、分散液中に0.1〜20質量%、特に好ましくは0.5〜10質量%使用される。
【0061】
シリカ微粒子分散液を調製する際のpHは、シリカ微粒子の種類や各種の添加剤等により広範に変化し得るが、一般的にはpHが1〜8であり、特に2〜7が好ましい。また、上記の分散には2種以上の添加剤を併用することも可能である。
【0062】
上述の方法により得られたシリカ微粒子分散液に、水溶性樹脂等が添加されてインク受容層形成用塗布液が得られる。上述のシリカ微粒子分散液と水溶性樹脂等との混合は通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で行うことができる。
【0063】
本発明において、第1の塗布液には水溶性アルミニウム化合物をインライン混合させることができる。インライン混合に用いられる好ましいインライン混合機は、特開2002−85948号公報等に記載されているがこれに限定されるものではない。
【0064】
第1の塗布液の調製には溶媒として、水、有機溶媒、又はこれらの混合溶媒を用いることができる。この塗布に用いることができる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、メトキシプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン等が挙げられる。
【0065】
第1の塗布液の塗布は、例えば、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等の公知の塗布方法によって行うことができる。
【0066】
本発明におけるインク受容層形成工程は、第1の塗布液を支持体上に塗布して形成された塗布層に、(1)前記塗布液を塗布すると同時、(2)前記塗布層の乾燥途中であって前記塗布層が減率乾燥を示す前、のいずれかのときに、ポリビニルアルコールを含み、無機微粒子の含有率が前記ポリビニルアルコールに対して50質量%以下の第2の塗布液を付与する工程を含む。
第2の塗布液がポリビニルアルコールを含むことで、インク受容層の耐傷性が良好になり、インク吸収性が向上し、印画濃度が大きくなる。さらに、高い光沢度も実現できる。
【0067】
本発明における第2の塗布液は、ポリビニルアルコールの少なくとも1種を含み、無機微粒子の含有率が前記ポリビニルアルコールに対して50質量%以下であれば、特に制限はない。本発明において第2の塗布液は、インク受容層のインク吸収性とヒビ割れ防止などの観点から、pHが7.1以上の塩基性溶液であることが好ましい。第2の塗布液としてアルカリ溶液として用いることで硬膜を促進できる。第2の塗布液のpHは、より好ましくはpH7.5以上であり、特に好ましくはpH7.9以上である。前記pHが7.1以上であることで、架橋剤による第1の塗布液に含まれるポリビニルアルコールの架橋反応が十分に行なわれ、ブロンジングの発生や、インク受容層にひび割れ等を効果的に抑制することができる。
【0068】
第2の塗布液のpHは、例えば、第2の塗布液に塩基性化合物を含有させることで所望のpHに制御することができる。前記塩基性化合物としては、特に制限なく通常用いられる化合物を用いることができ、有機塩基であっても無機塩基であってもよい。
また第2の塗布液は、必要に応じて架橋剤等をさらに含有することができる。
【0069】
また第2の塗布液はポリビニルアルコールの少なくとも1種を含有する。第2の塗布液が含有するポリビニルアルコールとしては、前記第1の塗布液におけるポリビニルアルコールと同様のものを用いることができる。本発明においては、インク吸収性と印画濃度の観点から、重合度が1000〜3500であることが好ましく、1500〜2400であることがより好ましい。またインク吸収性と印画濃度の観点から、けん化度が99〜88%であることが好ましく、95〜88%であることがより好ましい。
また、各種変性PVAをもちいることができるが、耐傷性向上の観点からその中でもシラノール変性PVAを用いることが好ましい。
また第2の塗布液におけるポリビニルアルコールの含有率は塗布方式に応じて適宜調整することが望ましいが、例えば、0.02%〜5質量%とすることができ、0.05〜2質量%であることが好ましく、0.05〜0.5質量%であることがより好ましい。
【0070】
本発明における第2の塗布液は、無機微粒子の含有率が前記ポリビニルアルコールに対し50質量%以下であるが、耐傷性、印画濃度、光沢度の観点から、20質量%以下であることがより好ましく、実質的に含有しないことがさらに好ましい。第2の塗布液中の無機微粒子の含有率がポリビニルアルコールに対して50質量%を超えると、耐傷性、光沢度が低下する場合がある。
尚、第2の塗布液に含有されうる無機微粒子としては、前記第1の塗布液における無機微粒子と同義であり、好ましい態様も同様である。
【0071】
第2の塗布液は、例えば、イオン交換水に、ポリビニルアルコールと、塩基性化合物(例えば、1〜5%)と、必要に応じて架橋剤(例えば、ホウ素化合物)や金属化合物(例えば、1〜5%)等とを添加し、十分に攪拌することで調製することができる。なお、各組成物の「%」はいずれも固形分質量%を意味する。
【0072】
本発明においては、前記塗布層形成工程で形成された塗布層に、(1)前記第1の塗布液を塗布すると同時、(2)前記塗布層の乾燥途中であって前記塗布層が減率乾燥を示す前、のいずれかのときに第2の塗布液を付与する。
前記「塗布層が減率乾燥を示すようになる前」とは、通常、第1の塗布液の塗布直後から数分間の過程を指し、この間においては、塗布された塗布層中の溶媒(分散媒体)の含有量が時間に比例して減少する「恒率乾燥速度」の現象を示す。この「恒率乾燥速度」を示す時間については、例えば、化学工学便覧(頁707〜712、丸善(株)発行、昭和55年10月25日)に記載されている。
【0073】
前記の通り、第1の塗布液の塗布後、該塗布層が減率乾燥を示すようになるまで乾燥されるが、この乾燥は一般に40〜180℃で0.5〜10分間(好ましくは、0.5〜5分間)行われる。この乾燥時間としては、当然塗布量により異なるが、通常は前記範囲が適当である。
【0074】
第2の塗布液の付与方法としては、第1の塗布液によって形成された塗布層上にさらに塗布する方法、スプレー等の方法により噴霧する方法、第2の塗布液中に塗布層が形成された支持体を浸漬する方法等を挙げることができる。
第2の塗布液を塗布によって付与する場合の塗布方法としては、第1の塗布液の塗布方法と同様の方法を挙げることができるが、第1の塗布液によって形成された塗布層にコータが直接接触しない方法を選択することが好ましい。
【0075】
本発明において第2の塗布液の付与量としては、インク受容層の耐傷性、インク吸収性、印画濃度および光沢度の観点から、ポリビニルアルコールの付与量として0.002〜0.1g/mであることが好ましく、0.005〜0.05g/mであることがより好ましい。
【0076】
第2の塗布液の付与後は、一般に40〜180℃で0.5〜30分間加熱され、乾燥および硬化がおこなわれる。中でも、40〜150℃で1〜20分間加熱することが好ましい。例えば、上記第2の塗布液がホウ素化合物として硼砂や硼酸を含有する場合には、60〜100℃での加熱を0.5〜15分間おこなうことが好ましい。
【0077】
また、上記第2の塗布液は、第1の塗布液を塗布すると同時に付与してもよい。この場合、第1の塗布液および第2の塗布液を、第1の塗布液が支持体と接触するようにして支持体上に同時塗布(重層塗布)し、その後乾燥硬化させることによりインク受容層を形成することができる。
【0078】
上記同時塗布(重層塗布)は、例えば、エクストルージョンダイコータ、カーテンフローコータを用いた塗布方法によりおこなうことができる。同時塗布の後、形成された塗布層は乾燥されるが、この場合の乾燥は、一般に塗布層を40〜150℃で0.5〜10分間加熱することによりおこなわれ、好ましくは、40〜100℃で0.5〜5分間加熱することによりおこなわれる。例えば、架橋剤溶液に含有する架橋剤としてホウ砂やホウ酸を使用する場合は、60〜100℃で5〜20分間加熱することが好ましい。
【0079】
(支持体)
本発明における支持体としては、プラスチック等の透明材料よりなる透明支持体、紙等の不透明材料からなる不透明支持体のいずれをも使用できる。具体的には、特開2008−246988号公報の段落番号0139〜0155等に記載の支持体をあげることができる。中でも、ポリエチレン被覆紙を好ましく用いることができる。
【実施例】
【0080】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
【0081】
[実施例1]
(支持体の作製)
アカシアからなるLBKP50部及びアスペンからなるLBKP50部をそれぞれディスクリファイナーによりカナディアンフリーネス300mlに叩解し、パルプスラリーを調製した。
次いで、前記で得られたパルプスラリーに、対パルプ当たり、カチオン性デンプン(日本NSC製 CAT0304L)1.3%、アニオン性ポリアクリルアミド(星光化学製 ポリアクロンST−13)0.15%、アルキルケテンダイマー(荒川化学製 サイズパインK)0.29%、エポキシ化ベヘン酸アミド0.29%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(荒川化学製 アラフィックス100)0.32%を加えた後、消泡剤0.12%を加えた。
前記のようにして調製したパルプスラリーを長網抄紙機で抄紙し、ウェッブのフェルト面をドラムドライヤーシリンダーにドライヤーカンバスを介して押し当てて乾燥する工程において、ドライヤーカンバスの引張り力を1.6Kg/cmに設定して乾燥を行った後、サイズプレスにて原紙の両面にポリビニルアルコール((株)クラレ製 KL−118)を1g/m塗布して乾燥し、カレンダー処理を行った。なお、原紙の坪量は157g/mで抄造し、厚さ157μmの原紙(基紙)を得た。
【0082】
得られた基紙のワイヤー面(裏面)側にコロナ放電処理を行なった後、溶融押出機を用いて高密度ポリエチレン/低密度ポリエチレンの比率を80%/20%の比率でブレンドし20g/mとなるように320℃の温度で溶融押し出しコーティングし、マット面からなる熱可塑性樹脂層を形成した(以下、この熱可塑性樹脂層面を「裏面」と称する。)。この裏面側の熱可塑性樹脂層に更にコロナ放電処理を施し、その後、帯電防止剤として酸化アルミニウム(日産化学工業(株)製の「アルミナゾル100」)と二酸化ケイ素(日産化学工業(株)製の「スノーテックスO」)とを1:2の質量比で水に分散した分散液を、乾燥重量が0.2g/mとなる様に塗布した。続いて、表面にコロナ処理し、10質量%の酸化チタンを有する密度0.93g/mのポリエチレンを24g/mになるように溶融押出機を用いて320℃で押し出しコーティングした。
【0083】
<第1の塗布液Aの調製>
下記「シリカ分散液A」の組成に従って、シリカ微粒子とイオン交換水とジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体(第一工業製薬製、シャロールDC902P)と酢酸ジルコニルとを混合し、液液衝突型分散機(スギノマシン社製、アルティマイザー)で分散した後、分散液を45℃に加熱して、20時間保持してシリカ分散液Aを作製した。
得られたシリカ分散液A45.7部に対し、下記組成からなるポリビニルアルコール(水溶性樹脂)溶解液Aの26部およびホウ酸0.33部、イオン交換水を20部を30℃にて添加し、インク受容層形成用の第1の塗布液Aを調製した。
第1の塗布液Aにおける水溶性樹脂に対するシリカ微粒子の質量比(P/B比=シリカ微粒子/水溶性樹脂)は4.9であった。
【0084】
「シリカ分散液A」
(1)シリカ微粒子 19.5部
(日本アエロジル(株)製、AEROSIL300SF75)
(2)イオン交換水 77.7部
(3)「シャロールDC−902P」(51.5%溶液) 1.7部
(第一工業製薬(株)製、分散剤)
(4)酢酸ジルコニル(50%溶液) 1.1部
(第一稀元素化学工業(株)製、ジルコゾールZA−30)
【0085】
「ポリビニルアルコール(水溶性樹脂)溶解液A」
(1)ポリビニルアルコール 7部
(日本酢ビ・ポバール製、「JM−33」、鹸化度94.3mol%、重合度3300)
(2)イオン交換水 91.2部
(3)ジエチレングリコールモノブチルエーテル 2.1部
(協和発酵ケミカル(株)製、ブチセノール20P)
(4)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.02部
(花王(株)製、エマルゲン109P)
【0086】
<第2の塗布液Aの調製>
下記「第2の塗布液A」の組成となるように各成分を混合して第2の塗布液を調製した。
「第2の塗布液A」
(1)ポリビニルアルコール 0.1部
((株)クラレ製、PVA217、けん化度87〜89%、重合度1700)
(2)炭酸アンモニウム(1級) 5.0部
(関東化学(株))
(3)イオン交換水 88.9部
(4)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 6.0部
(花王(株)製、エマルゲン109P、10%水溶液、HLB値13.6)
【0087】
<インクジェット記録媒体の作製>
支持体のオモテ面にコロナ放電処理を行なった後、インク受容層形成用塗布液Aの190ml/mに対して、下記組成からなるインライン液Aを11.4ml/mの速度でインライン混合したインク受容層形成用塗布液をエクストルージョンダイコーターで塗布を行い、塗布層を形成した。
【0088】
その後、塗布層の固形分濃度が17%になるまで、熱風乾燥機にて90℃(露点5℃)で(風速3〜8m/秒)乾燥させ、次いで、塗布層の固形分濃度が24%になるまで55℃(露点5℃)で(風速3〜8m/秒)乾燥させた。塗布層は、この間は恒率乾燥速度を示した。
【0089】
その直後、第2の塗布液に3秒間浸漬して上記塗布層上にその10g/mを付着させ、更に72℃下で10分間乾燥させた。これにより乾燥膜厚が35μmのインク受像層が設けられた実施例1のインクジェット記録媒体1を作製した。
【0090】
「インライン液A」
(1)ポリ塩化アルミニウム水溶液 2.0部
(大明化学工業(株)製、アルファイン83、塩基度83%)
(2)イオン交換水 8.0部
【0091】
[実施例2]
実施例1において、ポリビニルアルコールとしてPVA217の代わりに、PVA235((株)クラレ製、けん化度87〜89%、重合度3500)を用いた以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体2を作製した。
【0092】
[実施例3]
実施例1において、ポリビニルアルコールとしてPVA217の代わりに、PVA124((株)クラレ製、けん化度98〜99%、重合度2400)を用いた以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体3を作製した。
【0093】
[実施例4]
実施例1における、第2の塗布液の調製において、ポリビニルアルコールの添加量を1部に変更した以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体4を作製した。
【0094】
[実施例5]
実施例1における、第2の塗布液の調製において、ポリビニルアルコールの添加量を0.05部に変更した以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体5を作製した。
[実施例6]
実施例1において、ポリビニルアルコールとしてPVA217の代わりに、R1130((株)クラレ製、シラノール変性PVA)を用いた以外は実施例1と同様にして、インクジェット記録媒体6を作製した。
【0095】
[実施例7]
<第1の塗布液Bの調製>
実施例1における第1の塗布液Aの調製において、シリカ分散液A 45.7部に、ポリビニルアルコール(水溶性樹脂)溶解液A 31.2部、ホウ酸 0.33部、およびイオン交換水を14.8部を30℃にて添加し、インク受容層形成用の第1の塗布液Bを調製した。第1の塗布液Bにおける水溶性樹脂に対するシリカ微粒子の質量比(P/B比=シリカ微粒子/水溶性樹脂)は4.1であった。
【0096】
<第1の塗布液Cの調製>
同様に、実施例1における第1の塗布液Aの調製において、シリカ分散液A 45.7部に、ポリビニルアルコール(水溶性樹脂)溶解液A 20.8部、ホウ酸0.33部、およびイオン交換水 25.2部を30℃にて添加し、インク受容層形成用の第1の塗布液Cを調製した。
【0097】
<インクジェット記録媒体の作製>
支持体のオモテ面にコロナ放電処理を行なった後、第1の塗布液Bの133ml/mに対して、インライン液を8.0ml/mの速度でインライン混合した下層用塗布液と、第1の塗布液Cの57ml/mに対して、インライン液を3.4ml/mの速度でインライン混合した上層用塗布液とをエクストルージョンダイコーターで同時重層塗布を行い、塗布層を形成した。
【0098】
その後、塗布層の固形分濃度が17%になるまで、熱風乾燥機にて90℃(露点5℃)で(風速3〜8m/秒)乾燥させ、次いで、塗布層の固形分濃度が24%になるまで55℃(露点5℃)で(風速3〜8m/秒)乾燥させた。塗布層は、この間は恒率乾燥速度を示した。
【0099】
その直後、実施例1における第2の塗布液に3秒間浸漬して上記塗布層上にその10g/mを付着させ、更に72℃下で10分間乾燥させた。これにより乾燥膜厚が35μmのインク受像層が設けられたインクジェット記録媒体7を作製した。
【0100】
[比較例1]
実施例1において、第2の塗布液Aの組成を下記組成に変更したこと以外は同様にして比較例1のインクジェット記録媒体C1を作製した。
「第2の塗布液B」
(1)炭酸アンモニウム(1級) 5.0部
(関東化学(株))
(2)イオン交換水 89.0部
(3)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 6.0部
(花王(株)製、エマルゲン109P、10%水溶液、HLB値13.6)
[比較例2]
実施例7において、第1の塗布液Bと第1の塗布液Cを同時重層塗布する際に、第1の塗布液Bを上層用塗布液に、第1の塗布液Cを下層用塗布液に用い、第2の塗布液として比較例1における第2の塗布液Bを用いたこと以外は実施例7と同様にして比較例2のインクジェット記録媒体C2を作製した。
【0101】
[比較例3]
実施例1における、第2の塗布液Aの調製において、ポリビニルアルコールの代わりに、ポリアリルアミン(PAA03:日東紡(株)製)を0.5部添加した以外は実施例1と同様にして、比較例3のインクジェット記録媒体C3を作製した。
【0102】
[評価]
作製したインクジェット記録媒体について、下記評価を行った。評価結果を表1に示した。
【0103】
<耐傷性>
(耐傷性)
摩擦試験機(新東科学製)を用い、各インクジェット記録シート上に黒紙(東京製紙製 カナディアン)を重ね、300gの荷重をかけてこすった後、目視にて傷の程度を観察し、下記評価基準に従って評価した。
〜評価基準〜
A: 傷が全く視認されなかった。
B: わずかに傷が確認されるが、通常の使用ではほとんど傷が発生しないレベルだった。
C: 傷の発生が確認されるが、通常の使用で許容レベルだった。
D: 傷が強くつき、許容できないレベルだった。
【0104】
<光沢度>
光沢度は、デジタル変角光沢度計(UGV-50DP、スガ試験機(株)製)を用いて、60°の鏡面光沢として測定し、下記評価基準に従って評価した。
〜評価基準〜
A:45以上
B:35以上45未満
C:30以上35未満
D:30未満
【0105】
<インク吸収性>
純正インクセットを装填したインクジェットプリンター(エプソン(株)製の「PM―A820」)を用いて、23℃50%RHおよび23℃80%RHにてそれぞれ1日調湿したインクジェット記録媒体上に、黒のベタ画像をそれぞれ印画した。インクのあふれの有無を目視で観察し、下記評価基準に従って評価した。
〜評価基準〜
A:インクのあふれは、認められなかった。
B:インクのあふれが、23℃80%RHで調湿したインクジェット記録媒体において、やや認められたが実用上問題ないレベルであった。
C:インクのあふれが、やや認められ、実用上問題があるレベルであった。
D:インクのあふれが、大きく認められた。
【0106】
<印画濃度>
純正インクセットを装填したインクジェットプリンター(エプソン(株)製の「PMA−820」)を用いて、23℃、50%RHにて1日調湿したインクジェット記録媒体上に、黒のベタ画像を印画した。印画濃度をX−rite310TR(グレタグマクベス社製)を用いて測定し、下記評価基準に従って評価した。
〜評価基準〜
A: 2.5以上
B: 2.4以上2.5未満
C: 2.3以上2.4未満
D: 2.3未満
【0107】
【表1】



【0108】
表1から、本発明のインクジェット記録媒体の製造方法で製造されたインクジェット記録媒体は、耐傷性に優れ、高い印画濃度で画像を記録できることが分かる。さらに高い光沢度と良好なインク吸収性を有することが分かる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に、無機微粒子および水溶性樹脂を含む第1の塗布液の少なくとも1種を塗布して塗布層を形成する塗布層形成工程と、
(1)該塗布と同時、または(2)該塗布によって形成される塗布層の乾燥途中であって前記塗布層が減率乾燥を示す前のいずれかに、ポリビニルアルコールを含み、無機微粒子の含有率が前記ポリビニルアルコールに対して50質量%以下である第2の塗布液を付与する工程と、を含むインク受容層形成工程を備えるインクジェット記録媒体の製造方法。
【請求項2】
前記第2の塗布液は、重合度が1000〜3500のポリビニルアルコールを含む請求項1に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
【請求項3】
前記第2の塗布液を付与する工程は、ポリビニルアルコールの付与量が0.002〜0.1g/mである請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
【請求項4】
前記インク受容層は2層以上からなり、支持体から最も遠い第1の層における前記水溶性樹脂に対する前記無機微粒子の含有比(P/B比)が、前記第1の層よりも支持体に近い第2の層における前記水溶性樹脂に対する前記無機微粒子の含有比よりも、1以上大きい請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。

【公開番号】特開2010−221549(P2010−221549A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−71787(P2009−71787)
【出願日】平成21年3月24日(2009.3.24)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】