説明

インクジェット記録装置

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、インクジエツト記録装置に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、紙、OHP用シートなどの記録媒体(以下記録用紙または単に紙ともいう)に対して記録を行う記録装置は、種々の記録方式による記録ヘツドを搭載した形態で提案されている。この記録ヘツドには、ワイヤードツト方式、感熱方式、熱転写方式、インクジエツト方式によるものなどがある。
特にインクジエツト記録方式は、記録用紙に直接インクを噴射するものであるので、ランニングコストが安く、静かな記録方法として注目されている。
かかるインクジエツト方式による記録装置においては、記録ヘツドとして一般に微細な吐出口を配列したものが用いられる。このため、記録ヘツドを長時間動作させないで放置した場合には、吐出口内方への気泡や塵埃の混入、あるいはインク溶剤の蒸発に伴う増粘等によってインクが吐出、記録に適さない吐出不良状態となる。
また、記録ヘツドの非動作時に、記録媒体を移動(以下、紙送りという)して次の記録開始位置に記録ヘツドを相対的に移動することが一般的である。この紙送りが連続すると、記録ヘツドの記録性能を低下させる紙粉等の塵埃が発生しやすくなり、吐出不良状態となりやすくなる。
これら吐出不良状態となるのを防止するために、一般にキヤツピングが行なわれている。これは、記録ヘツドの吐出口形成面を覆うことが可能なキヤツプを記録領域外に配置し、記録ヘツドの非動作時にキヤツプによって吐出口形成面を覆うものである。
このキヤツピングを行なうには、記録ヘツドを記録領域外に退避させ、キヤツプを記録ヘツドに当接させる動作を必要とする。このため、記録ヘツドの非動作時に常にキヤツピングを行なうことは、記録時間の増大を招くことになる。
そこで、従来第6図に示すような記録ヘツドの退避動作を行なっていた。同図において、紙送りパルス数は搬送モータの駆動パルスであり、紙送り量に対応している。
ここで、記録終了後第1の時間t1までは記録ヘツドを記録領域内に留めておき、この時間内に記録が再開されれば連続的に記録を行ない、その時間内に記録が再開されなければ記録ヘツドを記録領域外の待機位置に移動させる。図中tW1はこの移動に要する時間を示す。第1を時間内に連続して記録が行なわれれば、退避動作を行なわないので最高の記録速度を得ることができる。
また、待機位置にて第2の時間t2内に記録が再開されれば記録ヘツドにキヤツピングをすることなく連続して記録を行ない、再開されなければ記録ヘツドを待機位置からキヤツピング位置に移動させた後にキヤツピングを行なう。図中、tW2はこれに要する時間を示す。第2の時間t2内に記録が再開されれば、キヤツピングを行なわないので記録速度の低下を防止し得るとともに、記録ヘツドを待機位置に退避させているので紙粉等の付着は低減することができる。
第7図は、紙送りを行なう搬送モータ35にパルスモータを用いた場合の回転制御図である。この図は、モータの回転速度を回転開始時に徐々にアップして高速で一定回転させ(ランプアツプ)、一定回転から停止する場合も徐々にダウンする(ランプバウン)ランプアツプ・ランプダウン制御を示している。
ここで、第6図中A点においてグラフの傾きが異なるのは、A点以前は紙送り用のパルスモータの駆動方法として自起動を行なっているからである。自起動とは、第7図7図に示したようにパルスモータを高速回転させるためのランプアツプ・ランプダウン制御を行なわず、常に一定速度で回転させる方法である。このため、速度回転はできず、紙送り時間が多く必要となる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述した従来のインクジエツト記録装置では、記録後の紙送り時間が上記第1の時間t1を越える場合、第1の時間t1だけ記録ヘツドは記録領域内(用紙上)に留まった後に記録領域外の待機位置に退避していた。従って、記録ヘツドは、第1の時間t1だけ紙送りを行なっている用紙上に留まることになり、紙粉等の塵埃が記録ヘツドに付着する可能性が高くなってしまう。また、記録媒体としてフアンフオールド紙を使用した場合には、紙送り時にミシン目の部分が記録ヘツドに接触して用紙にインクが付着する事態が発生する。
ここで、紙送りは、記録後の記録ヘツドの非動作時で停止または停止する直前に行なわれる。このため、記録後の紙送り時間が第1の時間t1を越える場合には、紙送りを一時停止して記録ヘツドを待機位置に移動させ、その後、再度紙送りを実行させる必要があり、全体的な記録速度を低下させることとなる。
また、記録後の紙送り時間が上記第1と第2の時間の和を越える場合、まず第1の時間t1が経過した時点で記録ヘツドを待機位置に移動し、次に待機位置にて第2の時間t2が経過した時点t3で記録ヘツドをキヤツピング位置に再度移動した後、キヤツピング動作を行なわなければならない。このため、記録ヘツドの2度の移動に伴なって紙送りを2度中断することとなり、全体的な記録速度は更に低下することとなる。
以上説明したように、従来のインクジエツト記録位置では、記録後の紙送り動作時に記録ヘツドに紙粉等の塵埃が付着して吐出不良状態となったり、紙送りに要する時間が増大して記録速度が低下する欠点を有していた。
そこで、本発明は上述の問題点を解決するためになされたもので、記録速度の低下を防止し得るとともに、記録ヘツドの吐出不良を防止し得るインクジエツト記録装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
そのため、本発明のインクジエツト記録装置は、記録ヘツドからインクを吐出しない状態で記録媒体を記録ヘツドと相対的に移動させる移動量または時間を算出する算出手段と、この算出手段によって算出された移動量に基づいて上記記録ヘツドを記録領域外へ退避する動作を制御する制御手段を有することを特徴とする。
〔作用〕
上記構成によれば、記録ヘツドは制御手段によって、上記移動量または時間に基づいて記録領域外へ退避制御されるので、不要な退避動作による記録速度の低下を招くこともなく、また、紙粉等の塵埃による吐出不良を防止することができる。
〔実施例〕
以下、本発明のインクジエツト記録装置に係る実地例について、図面を参照して詳細に説明する。
第1図は本発明の一実施例の回路構成を示すブロツク図、第2図は第1図に示す実施例の機構構成を示す斜視図である。
まず、第2図に示す記録装置について説明する。
同図において、9はインクジエツト記録ヘツド9aを有したヘツドカートリツジで、供給インクタンク9bを一体に有している。11はこのヘツドカートリツジ9を搭載して図中S方向に走査するためのキヤリツジである。13はヘツドカートリツジ9をキヤリツジ11に取付けるためのフツク、15はフツク13を操作するためのレバーである。このレバー15には、後述するカバーに設けられた目盛を指示してヘツドカートリツジの記録ヘツドによる印字位置や設定位置等を読取り可能とするためのマーカ17が設けられている。19はヘツドカートリツジ9に対する電気接続部を支持する支持板である。21はその電気接続部と本体制御部とを接続するためのフレキシブルケーブルである。
23は、キヤリツジ11をS方向に案内するためのガイド軸であり、キヤリツジ11の軸受25に挿通されている。27はキヤリツジ11が固着され、これをS方向に移動させるための動力を伝達するタイミングベルトであり、装置両側部に配置されたプーリ29A、29Bに張架されている。一方のプーリ29Bには、ギヤ等の伝導機構を介してキヤリツジモータ31より駆動力が伝達される。
33は紙等の記録媒体の被記録面を規制するとともに記録等に際してこれを搬送するためのプラテンローラであり、搬送モータ35によって駆動される。37は記録媒体を給紙トレー4側より記録位置に導くためのペーパーパン、39は記録媒体の送給経路途中に配設されて記録媒体をプラテンローラ33に向けて押圧し、これを搬送するためのフイードローラである。41は記録媒体搬送方向上、記録位置より下流側に配置され、記録媒体を不図示の排紙口へ向けて排紙するための排紙ローラである。42は排紙ローラ41に対応して設けられる拍車であり、記録媒体を介してローラ41を押圧し、排紙ローラ41による記録媒体の搬送力を生じさせる。43は記録媒体のセツト等に際してフイードローラ39、押え板45、拍車42それぞれの付勢を解除するための解除レバーである。
45は記録位置近傍において記録媒体の浮上り等を抑制し、プラテンローラ33に対する密着状態を確保するための押え板である。本実施例においては、記録ヘツドとインク吐出を行うことにより記録を行うインクジエツト記録ヘツドを採用している。従って、記録ヘツドのインクを吐出口形成面と記録媒体の被記録面との距離は比較的微少であり、かつ記録媒体と吐出口形成面との接触を避けるべくその間隔が厳しく管理されなければならないので、押え板45の配設が有効である。47は押え板45に設けた目盛、49はこの目盛に対応してキヤリツジ11に設けられたマーカであり、これらによっても記録ヘツドの印字位置や設定位置が読取り可能である。
51はホームポジシヨンにおいて記録ヘツドのインク吐出口形成面と対向するゴム等の弾性材料で形成したキヤツプであり、記録ヘツドに対し当接/離脱が可能に支持されている。このキヤツプ51は、非記録時等の記録ヘツドの保護や、記録ヘツドの吐出回復処理に際して用いられる。吐出回復処理とは、インク吐出口内方に設けられてインク吐出のために利用されるエネルギー発生素子を駆動することにより全吐出口からインクを吐出させ、これによって気泡や塵埃、増粘して記録に適さなくなったインク等の吐出不良要因を除去する処理(予備吐出)や、これとは別に吐出によりインクを強制的に排出させることにより吐出不良要因を除去する処理である。
53はインク強制排出のために吸引力を作用するとともに、かかる強制排出による吐出回復処理や予備吐出による吐出回復処理に際してキヤツプ51に受容されたインクを吸引するために用いられるポンプである。55はこのポンプ53によって吸引された廃インクを貯留するための廃インクタンク、57はポンプ53と廃インクタンク55とを連通するチユーブである。
59は記録ヘツドの吐出口形成面のワイピングを行うためのブレードであり、記録ヘツド側に突出してヘツド移動の過程でワイピングを行うための位置と、吐出口形成面に係合しない後退位置とに移動可能に支持されている。61は回復系モータ、63は回復系モータ61から動力の伝達を受けてポンプ53に駆動およびキヤツプ51やブレード59の移動をそれぞれ行わせるためのカム装置である。
次に、第2の記録装置におけるインク経路について、第3図の模式図を参照して説明する。
インクは、インクカートリツジ9内の供給インクタンク9bから記録ヘツド9aに供給される。この実施例では、記録ヘツド9aと供給インクタンク9bとを一体的にインクカートリツジ9に収納したが、別体であってもよい。この場合は、供給インクタンクからインクチユーブを経由して記録ヘツドへインクを供給すればよい。
キヤツピング状態においては、キヤツプ51は記録ヘツド9aに当接している。インクを記録ヘツド9aから強制吸引する場合は、大気連通口切替弁52aをP1の位置に移動し、ポンプ53を駆動することによって、記録ヘツド9aのインクはキヤツプ51、大気連通口切替弁52aを経由してポンプ53内に吸引される。この状態では、空気系の回路は密閉されている。そして、ポンプ53内のインクは、排インクチユーブ57を経由して排インクタンク55に排出される。
また、上記キヤツピング状態において、記録ヘツド9aが高温状態にあると、空気閉回路内の空気が緩められて熱膨張を起こす。この場合、大気連通口切替弁52aをP2の位置に移動することによって、膨張した空気を大気連通口52bを介して外部に放出する。
次に、第1図に示すブロツク図に戻って、本実施例の回路構成について説明する。この回路構成は、第2図、第3図に示した記録装置の記録動作と回復動作の制御を司どるものである。
第1図において、中央処理装置(以下、メインCPUという)101から、アドレスバス、データバス、およびそれらを制御する制御バスからなるバス114が出力されている。このバス114はRAM102、ROM103、データ受信部104、スイツチ入力部105、ランプ点灯部106、及び補助処理装置(以下サブCPUという)107に接続されている。又サブCPU107からもアドレスバス、データバス、及びそれらを制御する制御バスからなるバス115が出力されている。このバス115は、記録ヘツド移動駆動部108、紙送り駆動部109、記録ヘツド記録駆動部110、ポンプ駆動部111、大気連通口開閉駆動部112、各種センサー部113、及びタイマー部116に接続されている。タイマー部116からの時間情報は、信号117によってサブCPU107に与えられる。
メインCPU101は、ROM103に内蔵されたプログラムにより各部を制御する。ホストコンピユータから送信された記録情報は、記録装置側のデータ受信部104で受信される。データ受信部104は、設定された手順に従って、データの受信と用紙状態等のデータの授受をホストコンピユータとの間で行なう。受信した記録情報はRAM102に格納され、記録命令等の記録要因が発生した時点でサブCPU107に対し記録命令として与えられる。記録命令を受信したサブCPU107は、記録ヘツド移動駆動部108、紙送り駆動部109、記録ヘツド記録駆動部110、ポンプ駆動部111、大気連通口開閉駆動部112を最適に制御させ、各種センサー部113の状態を確認しながら記録を行う。
記録ヘツド9aのキヤツピングは、ポンプ駆動部111と機械的に連結されたキヤツプ51を、ポンプ駆動部111によって動作させることにより行われる。
次に、本実施例の紙送り動作について、第4図のフローチヤートを参照して説明する。
メインCPU101より記録命令を受け取ったサブCPU107は、記録命令の内容を解析する。記録命令は記録情報と紙送り情報とによって構成されており、サブCPU107は紙送り情報から紙送りに必要とする時間tを算出する。この紙送り時間tの算出は、メインCPU101から与えられる紙送り情報中の紙送りパルス数から判断する。そして、紙送りパルス数から第6図の相関図を参照して、紙送り時間がX、Y、Zのいずれの領域に入るかを判断する(ステツプS1、S2)。例えば、紙送りパルス数が180以下であればt≦t1(X領域)、450以下であればt1<t≦t3(Y領域)、それを越えていればt>t3(Z領域)と判断する。なお、ここでは紙送りパルス1個あたり、1/360インチの紙送りがなされる。
次に、算出された紙送り時間に基づいて記録ヘツド9aの退避制御を行なう。つまり、紙送り途中で記録ヘツド9aの退避動作が入る場合は、記録ヘツド部108を駆動し、記録ヘツド9aを所定の位置に退避させる。Y領域の紙送り時間であれば、ステツプS3で記録ヘツド9aを待機位置に移動する。また、Z領域の紙送り時間であれば、ステツプS4で記録ヘツド9aをキヤツピング位置に移動する。キヤツピング位置に記録ヘツド9aが移動したことは、センサー部113のキヤリアホームセンサーにより確認される。その後、ステツプS5でポンプ駆動部111を制御し、連動して動作するキヤツプ51によってキヤツピング動作を行う。キヤツピングが正常に行われていることは、センサー部113のポンプホームセンサーにより確認される。
そして、ステツプS6で紙送り量に応じて紙送り駆動部109を制御して、所定量の紙送りを実行する。
なお、紙送り動作以外における記録ヘツド9aの非動作時には、従来と同様の退避動作が行なわれる。この場合、時間情報はタイマー部116から信号117によって与えられる。
第5図(a)は、本実施例の退避制御による紙送り量と紙送り時間の関係を示すグラフである。なお、同図(b)に従来例の退避制御によるグラフを示す。
同図において、tW1は紙送りを停止し記録ヘツド9aを待機位置に移動するのに要する時間であり、tW2は記録ヘツド9aを待機位置からキヤツピング位置に移動しキヤツピングに要する時間である。また、t1は記録ヘツド9aが用紙上に留まった状態で紙送りを行なっている時間であり、t2は記録ヘツド9aが待機位置にある状態で紙送りを行なっている時間である。
Y領域のL1の紙送り量を実行する場合、本実施例の制御によれば紙送り時間はtY1となるが、従来例ではtY2(>tY1)要してしまう。また、Z領域のL2の紙送り量を制御する場合、本実施例の制御によれば紙送り時間はtZ1となるが、従来例ではtZ2(>tZ1)要してしまう。以上のように、本実施例によれば紙送りに要する時間を短縮し、記録速度を向上させることができる。
また、従来例においては記録ヘツド9aが用紙上に留まった状態でt1時間紙送りが行なわれるため、記録ヘツド9aに紙粉等が付着してインクの吐出不良状態が発生していた。しかし、この実施例では、記録領域外に退避した状態で紙送りが行なわれるため、インクの吐出不良状態の発生を防止することがきる。
なお、上述の実施例では、記録ヘツドの退避位置として待機位置とキヤツピング位置の2ケ所の場合を説明したが、退避位置は1ケ所でも3ケ所以上でもよい。また、記録ヘツドを保護する方法は、キヤツピングに限定されるものではない。
更に、本発明は特にインクジェット機録装置の中でもバブルジエツト方式の記録装置において優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれば記録の高密度化、高精細化が達成できるからである。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、コンテイニユアス型のいずれにも適用可能である。特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘツドの熱作用面に膜沸騰を生じさせる。結果的に、この駆動信号を一対一で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
〔発明の効果〕
本発明によれば、記録媒体の移動時間に基づいて記録ヘツドの記録領域外へ退避制御しているので、不要な退避動作による記録速度の低下を招くこともなく、紙粉等の塵埃による吐出不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のインクジエツト記録装置に係る一実施例の回路構成を示すブロツク図、
第2図は実施例の機構構成を示す斜視図、
第3図は実施例のインク経路を示す模式図、
第4図は実施例の動作を説明するフローチヤート、
第5図は実施例の動作を説明するグラフ、
第6図は従来のインクジエツト記録装置の動作を説明するグラフ、
第7図はモータの動作を説明するグラフである。
9……ヘツドカートリツジ
31……キヤリツジモータ
35……搬送モータ
51……キヤツプ
107……サブCPU
108……記録ヘツド移動駆動部
109……紙送り駆動部
110……記録ヘツド記録駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】記録媒体に対して記録領域内でインクを吐出することにより記録を行なう記録ヘツドと、この記録ヘツドからインクを吐出しない状態で、前記記録媒体を前記記録ヘツドと相対的に移動させる移動量または時間を算出する算出手段と、この算出手段によって算出された移動量または時間に基づいて前記記録ヘツドを記録領域外に退避させる退避動作を制御する制御手段とを具備したことを特徴とするインクジエツト記録装置。
【請求項2】前記記録ヘツドのインクを吐出する吐出口を形成した面に記録領域外で当接可能に設けられた記録ヘツド保護手段をさらに有し、前記制御手段は、前記算出手段によって算出された移動時間が第1時間以下のとき前記記録ヘツドを移動しない状態で待機させ、前記第1時間を越え第2時間以下のとき前記記録ヘツドを記録領域外に移動させて待機させ、前記第2時間を越えるとき前記記録ヘツドを記録領域外で前記記録ヘツド保護手段によって保護しつつ待機させることを特徴とする請求項(1)に記載のインクジエツト記録装置。
【請求項3】前記制御手段は、前記算出手段によって算出された移動時間が所定時間以下のとき前記記録ヘツドを移動しない状態で待機させ、前記所定時間を越えるとき前記記録ヘツドを前記領域外に移動させて退避させることを特徴とする請求項(1)に記載のインクジエツト記録装置。
【請求項4】前記記録ヘツドは、インクを吐出する複数の吐出口と、対応する吐出口毎に設けられ、インクに熱による状態変化を生起させ該状態変化に基づいてインクを前記吐出口から吐出させて飛翔的液滴を形成する熱エネルギー発生手段とを具備したことを特徴とする請求項(1)ないし(3)に記載のインクジエツト記録装置。

【第6図】
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【第1図】
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【第7図】
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【第2図】
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【第3図】
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【第4図】
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【第5図】
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【特許番号】第2675905号
【登録日】平成9年(1997)7月18日
【発行日】平成9年(1997)11月12日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平2−154683
【出願日】平成2年(1990)6月12日
【公開番号】特開平4−44858
【公開日】平成4年(1992)2月14日
【出願人】(999999999)キヤノン株式会社