説明

インスリンを補った乳児用調製乳

【課題】インスリンが補われた乳児用調製乳を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、複数種の栄養補給成分と、インスリンサプリメントとを含有する粉末または液状の乳児用調製乳に関し、さらに、乳児に食餌を摂取させる方法であって、複数種の栄養補給成分と、インスリンサプリメントとを含有する乳児用調製乳粉末を水に溶解させることによって前記複数種の栄養補給成分と前記インスリンサプリメントとを含有する溶液を得るステップと、前記溶液を前記乳児に摂取させるステップと、を含む方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳児用調製乳に関する。より詳細には、インスリンを補った乳児用調製乳に関する。
【背景技術】
【0002】
自然の摂理に従った栄養補給方法である母乳育児は、乳児に様々な有益な効果をもたらす。第1に、母乳は、乳児が必要とする栄養素を含む最適な食餌であることが周知である。第2に、母乳は、感染に由来する多種多様な疾病から乳児を守るための免疫を授ける(非特許文献1)。第3に、母乳は活性インスリン分子を含有するため、1型糖尿病の発症から乳児を守る(非特許文献2、3)。第4に、乳が含有するインスリンは小腸の成長と発達を促す(非特許文献4)。
【0003】
インスリン依存型糖尿病(IDDM)である1型糖尿病は、膵β細胞の自己免疫性破壊が初期の無症候期間中に進行した結果、発現するものであり、この無症候期間は何年間にも及ぶ場合がある(非特許文献5、6)。この病因は、β細胞の自己免疫性破壊を誘発する遺伝的素因と環境因子との複合的な作用にある。一卵性双生児に見られるIDDMの一致は30〜50%以下であるという事実(非特許文献7)と、最近になってIDDMであると診断された患者の90%は、親兄弟にIDDM発症者がいないという事実(非特許文献8)がある。これに加えて、過去10年間におけるIDDMの発症率に急激な増加が見られる(非特許文献9)。これらの事実は、遺伝的にIDDMを発症しやすい人に対し自己免疫プロセスの発現を誘発する環境因子の重要性を示唆していると考えられている。
【0004】
多くの研究結果から、1型糖尿病は、牛乳の消費と、新生児の食習慣とに関連があることが示されている(非特許文献2、10)。症例対照法(Juvenile Diabetes Unit
of the Rambam Medical Center,Haifa,Israelにおける研究を含む)によると、1型糖尿病患者は、母乳を摂取した期間が3ヶ月間未満であり、かつ生後3ヶ月未満で牛乳蛋白に接触していた傾向がより高かった(非特許文献3)。さらに、抗体試験とリンパ球活性試験とによって、IDDM患者の免疫系が牛乳蛋白を認識することが実証された(非特許文献11)。上記データは、食餌と、経口投与される蛋白質とが、自己免疫性糖尿病の発現に重要な関わりを持つことを強調するものである。
【0005】
動物モデルにおいて、特定の抗原を経口摂取させることによって免疫系の抑制が可能になり、また、T細胞増殖、遅延型過敏症および抗体産生を含む多くのタイプの免疫応答を抗原特異的に低下させられることが示された(非特許文献12〜15)。インスリンの経口投与によって、自己免疫性糖尿病の発症を抑制する活性細胞機序が発現する(非特許文献16)。これらの結果によって、「経口寛容アプローチ」への道が拓かれた。また、インスリンの経口投与治療に関し、ハイリスクグループにおける1型糖尿病予防に向けた人体への治験が既に実施されている(非特許文献17)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Wold AE,Hanson LA. Defence factors in human milk. Curr OpinGastroenterol 10:652-8,1994.
【非特許文献2】Kostraba J. What can epidemiology tell us about the role of infantdiet in the etiology of IDDM?. Diabetes Care 17:87-91,1994
【非特許文献3】Verge C, Howard N, Irwig L, Simpson J, Mackerras D, Silink M.Environmental factors in childhood IDDM. Diabetes Care 17:1381-1338,1994.
【非特許文献4】Shulman RJ. Oral insulin increases small intestinal mass anddisaccharidase activity in the newborn miniature pig. pediatr Res28:171-5,1990.
【非特許文献5】Gorsuch AN, Spencer KN, Lister J, McNally JM, Bottazzo GF, CudworthAG: Evidence for a long prediabetic period in type1(insulin-dependent)Diabetes. Lancet ii:1363-1365,1981.
【非特許文献6】Eisenbarth G: Autoimmune beta cell insufficiency: Diabetes mellitustype 1. Triangle 23:111-124,1984.
【非特許文献7】Barnett AH, Eff C, Leslie RDG, Pyke DA. Diabetes in identical twins:a study of 200 pairs: Diabetologia 20:87-93,1983.
【非特許文献8】LaPorte RE, Cruickshanks KJ. Incidence and risk factors for insulindependent diabetes. In: National Diabetes Data Group. Diabetes in America:diabetes data compiled 1984. Bethesda, Md.:Department of health and humanservices, III-1-III-12. (NIH publication no.85-1468.),1985.
【非特許文献9】Laron Z, Shamis I, Gordon O, Albaz Y: Increased incidence ofchildhood IDDM (0-17yr) in Israel. J Ped Endocrinol Met 8:224, 1995.
【非特許文献10】Fava D, Leslie D, Pozzilli P. Relationship between daily productconsumption and incidence of IDDM in childhood in Italy. Diabetes Care17:1488-1490,1994.
【非特許文献11】Karjalainen J, Martin JM, Knip M, Ilonen J, Dosch H-M. A bovinealbumin peptide as a possible trigger of insulin-dependent diabetesmellitus. N Engl J Med 327:302-307,1992.
【非特許文献12】Weiner HL. Oral tolerance for the treatment of autoimmune diseases.Annu Rev Med 48:341-351,1997.
【非特許文献13】Garside P, Mowat AM. Mechanisms of oral tolerance. Crit Rev Immunol17:119,1997.
【非特許文献14】Ke Y, Kapp JA. Oral antigen inhibits priming of CD8+ CTL, CD4+ Tcells, and antibody responses while activating CD8+ suppressor T cells. JImmunol 156:916-21,1996.
【非特許文献15】Bergerot I, Fabien N, Maguer V, Thivolet C. Oral administration ofhuman insulin to NOD mice generates CD4+ T cells that suppress adoptivetransfer of diabetes. J Autoimmun 7:65-71,1994.
【非特許文献16】Zhang ZJ, Davidson L, Eisenbarth G, Weiner HL. Suppression ofdiabetes in nonobese diabetic mice by oral administration of porcine insulin.Proc Natl Acad Sci USA 80:10252-10256,1991.
【非特許文献17】Schatz DA, Rogers DG, Brouhard BH. Prevention of insulin-dependentdiabetes mellitus: an overview of three trials. Cleve Clin J Med 63:270-4,1996.
【非特許文献18】Vaarala O, Paronen J, Otonkoski T, Akerblom HK. Cow milk feedinginduces antibodies to insulin in children-A link between cow milk andInsulin-Dependent Diabetes Mellitus?. Scand J Immunol 47:131-135,1998.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
後述するように、従来技術において、乳児用調製乳を母乳に可能な限り近づけようという試みがなされているものの、免疫学的に認識可能なインスリンは人乳のそれに比べ非常に少ない。製造過程に伴う過酷な条件を鑑みれば、これらの調製乳における活性インスリンレベルは恐らくゼロであろう。
【0008】
上述したように、インスリンが補われた乳児用調製乳の必要性は多方面で認識されており、インスリンが補われた乳児用調製乳が実現されれば非常に有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの態様によって、複数種の栄養補給成分と、インスリンサプリメントとを含有する、粉末状または液状の乳児用調製乳が得られる。
【0010】
本発明の他の態様によって、複数種の栄養補給成分と、インスリンサプリメントとを含有する乳児用調製乳粉末を水に溶解させて前記複数種の栄養補給成分と前記インスリンサプリメントとを含有する溶液を得るステップと、前記溶液を乳児に摂取させるステップとを含む、前記乳児に食餌を摂取させる方法が得られる。
【0011】
後述する本発明の好ましい実施態様によれば、前記インスリンが組換えインスリンであることをさらに特徴とする。
【0012】
さらに説明する好ましい実施態様によれば、前記インスリンが合成インスリンであることをさらに特徴とする。
【0013】
さらに説明する好ましい実施態様によれば、前記インスリンが天然インスリン精製物であることをさらに特徴とする。
【0014】
さらに説明する好ましい実施態様によれば、前記インスリンが生物的に活性なものであることをさらに特徴とする。
【0015】
さらに説明する好ましい実施態様によれば、前記インスリンの濃度範囲が、前記粉末100gに対して約25000〜75000μUまたは前記溶液100mlに対して3000〜10000μUであることをさらに特徴とする。
【0016】
さらに説明する好ましい実施態様によれば、前記インスリンは、ヒトインスリンのアミノ酸配列を有することをさらに特徴とする。
【0017】
さらに説明する好ましい実施態様によれば、前記複数種の栄養補給成分のうち少なくとも数種は、乳由来または大豆由来であることをさらに特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、人乳により類似し、1型糖尿病の発症を予防し、かつ乳児の腸の発達および成熟を促す乳児用調製乳を提供することによって、現状において周知の形態における課題を好首尾に解決するものである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、インスリン、好ましくはヒトインスリンを補った、乳児に摂取させることが可能な乳児用調製乳に関する。具体的には、本発明は、インスリンが欠乏した食餌を生後1年間に摂取したことに由来する症候群から乳児を守る目的で用いることができる。本発明によって、乳児用調製乳がより人乳に近いものとなる。
【0020】
本発明の本質および本発明による乳児用調製乳の効果は、図面および以下の説明を検討することによって、より明瞭に理解されるであろう。
【0021】
本発明の少なくとも1つの実施態様を詳細に説明するが、その前に、本発明の適用は、以下の説明に記載するか或いは図面に例示する構成の詳細および成分の処方に何ら限定されないことを理解されなければならない。本発明は、他の実施態様または様々な方法で実施若しくは実行することが可能である。また、本明細書において用いる表現および用語は説明を目的とするものであって、制約的なものであると認識されるべきでないことを理解されよう。
【0022】
疫学および動物実験データにおいて、乳児の食餌におけるインスリン含有量が、自己免疫性糖尿病の予防および腸の発達の促進に重要な役割を果たす可能性が示されている。
【0023】
実施例の項において後述するが、通常用いられる各種乳児用調製乳における免疫学的に認識されるインスリンレベルは極めて低い。そのレベルは人乳の少なくとも4分の1から10分の1であるか、恐らくそれ以下である。検査を実施したわけではないが、製造過程に伴う過酷な条件を鑑みれば、この種の調製乳における活性インスリンレベルはゼロであると予想される。大豆ベースの乳児用調製乳は乳成分を含有しないため、免疫学的に認識可能なインスリンは一切含まれず、活性インスリンについては言うまでもない。
【0024】
さらに、新鮮な牛乳に含まれるウシインスリンは、わずか3種のアミノ酸がヒトインスリンと異なるのみであるが、ウシインスリンと接触することでインスリンに対する寛容が破綻し、自己免疫性糖尿病が誘発される可能性が示されている(非特許文献18)。
【0025】
乳児用の食餌に関する上記2つの障害を克服するべく、乳児用調製乳にヒトインスリンを添加することを本明細書によって初めて提案する。上記2つの障害とは、乳児用調製乳におけるインスリン不足と、未加工の牛乳を使用することによってインスリンに対する免疫寛容が破綻するリスクである。
【0026】
乳児用調製乳にインスリンを添加することは以下に示す有益な効果をもたらす。第1に、インスリン添加によって乳児用調製乳が人乳により近いものとなる。第2に、インスリン添加によって1型糖尿病の発症が予防される。第3に、インスリン添加によって乳児の腸の発達と成熟が促される。乳児用調製乳へのヒトインスリン添加は安全であり、それには少なくとも2点の根拠がある。第1の根拠は、人乳のインスリン濃度に近似するようなインスリン濃度が選択されている点である。第2の根拠は、数件の人間への治験において、インスリンの経口投与が既に実施されている点である(非特許文献17)。
【0027】
従って、本発明の1つの実施態様によって、複数種の栄養補給成分と、インスリンサプリメントとを含有する、粉末または液状の乳児用調製乳が得られる。
【0028】
本発明の他の実施態様によって、乳児に食餌を摂取させる方法が得られる。前記方法は、以下のステップを実施することにより達成される。まず、複数種の栄養補給成分と、インスリンサプリメントとを含有する乳児用調製乳粉末を水に溶解させることによって前記複数種の栄養補給成分と前記インスリンサプリメントとを含有する溶液を得る。次いで、前記溶液を前記乳児に摂取させる。
【0029】
以下の実施例の項で例示するが、前記複数種の栄養補給成分は、乳由来または大豆由来の複数種の栄養補給成分を含んでもよい。さらに1種以上含有してもよい成分として、ラクト−ス、野菜油、脱脂乳粉末、ホエー蛋白濃縮物、ナトリウム、カルシウム、リン、カリウム、塩化物、鉄、マグネシウム、タウリン、ビタミン類、ブドウ糖シロップ、大豆蛋白単離物、ショ糖、マルトオリゴ糖、メチオニン、タウリン、カルニチンおよび微量元素が挙げられる。
【0030】
本発明の好ましい実施態様によれば、前記インスリンは、以下のインスリンタイプ:組換え型インスリン、合成インスリン、天然インスリン精製物、生物活性を有するインスリンおよびヒトインスリンアミノ酸配列を有するインスリン(例えばヒトインスリン)、から選択される。これらのタイプには重複しているものがあるため、前記インスリンは、上に列挙したインスリンタイプから1種以上のタイプが選択される、としてもよい。精製された形態の組換えヒトインスリンは、米国所在のEli Lilly & Coより入手可能である。精製された形態の天然ヒトインスリンは、デンマーク所在のNovo Nordiskより入手可能である。製造方法にもよるが、粗抽出物も有用な場合がある。合成インスリンは、従来技術において周知の、BocおよびFmoc化学ペプチド合成用の市販の組み立てユニットを用いて製造してもよい。
【0031】
本発明の他の好ましい実施態様によれば、前記溶液に含まれる前記インスリンの濃度は人乳のインスリン濃度に近似している。従って、好ましい実施態様によれば、前記インスリン濃度は、前記粉末100gに対して約25000〜75000μU(前記粉末を約7.5倍に希釈することによって前記溶液を形成する)または前記溶液100mlに対して3000〜10000μUの範囲にあり、好ましくは前記溶液100mlに対して3000〜6000μUの範囲にあり、最適には前記溶液100mlに対して約4200μUである。
【実施例】
【0032】
以下の実施例をもってここに参考例を示す。以下の実施例と上記説明とをもって本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0033】
<原料および方法>
乳サンプルおよびインスリン測定:人間の母乳サンプルは、正常な妊娠期間を経て分娩した、分娩後2日目以上30日目以内の母親から収集した。牛乳サンプルは、貯蔵されている未加工の市販の乳から採取した。牛乳調製乳は製造業者の指示に従って調製した。全サンプルをポリプロピレン管内で−20℃に保管した。乳サンプルを、PBS(KH2PO4 10mM、NaCl 0.15M、pH7.4)を用いて希釈することにより脂肪を含まない下清みを得、次いで100000gで60分間遠心分離した。透明な下清みを吸引し、−20℃で保管した。インスリン濃度は、ヒトインスリンを基準物質とし、市販のキット(Bio Data,Sorin)を用いてラジオイムノアッセイにて決定した。
【0034】
<実験結果>
表1に示すように、人乳のインスリン濃度(約42μU/ml)は、市販の未加工牛乳(約17μU/ml)や乳児用調製乳(約4〜12μU/ml)に比し著しく高い。乳児用調製乳のインスリンレベルは非常に低く、このレベルはネガティブコントロール溶液(0.5%ウシ血清アルブミン溶液、約6μU/ml)で記録されたレベルに近い。
【0035】
【表1】

【0036】
以下の表2と表3に、本発明による乾燥および溶液状態の、乳ベースおよび大豆ベースの、乳児用調製乳の組成例を示す。
【0037】
乳児用調製乳I(乳ベース)
該調製乳は以下の成分を含有する:ラクト−ス、野菜油、脱脂乳粉末、ホエー蛋白濃縮物、ナトリウム、カルシウム、リン、カリウム、塩化物、鉄、マグネシウム、タウリン、ビタミン類およびインスリン。
【0038】
【表2】


【0039】
乳児用調製乳II(大豆ベース)
該調製乳は以下の成分を含有する:ブドウ糖シロップ、野菜油、大豆蛋白単離物、ショ糖、マルトオリゴ糖、ナトリウム、カルシウム、リン、カリウム、塩化物、鉄、マグネシウム、ビタミン類、メチオニン、タウリン、カルニチン、微量元素およびインスリン。
【0040】
【表3】


【0041】
以上、具体的な実施態様と併せて本発明を説明してきたが、当業者にとって多くの代替物使用、修正および変更が容易であることは明らかである。従って、添付の請求の範囲に記載する趣旨および広い範囲内のあらゆる代替物使用、修正および変更を包含することを意図するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種の栄養補給成分と、インスリンサプリメントとを含有する、粉末状または液状の乳児用調製乳であって、前記乳児用調製乳を乳児が摂取することによって前記乳児が糖尿病を発症する可能性が低下する、乳児用調製乳。
【請求項2】
前記インスリンがヒトインスリンのアミノ酸配列を含む、請求項1に記載の乳児用調製乳。
【請求項3】
前記インスリンが組換えインスリンである、請求項1に記載の乳児用調製乳。
【請求項4】
前記インスリンがヒトインスリンのアミノ酸配列を含む、請求項3に記載の乳児用調製乳。
【請求項5】
前記インスリンが合成インスリンである、請求項1に記載の乳児用調製乳。
【請求項6】
前記インスリンがヒトインスリンのアミノ酸配列を含む、請求項5に記載の乳児用調製乳。
【請求項7】
前記インスリンが天然インスリン精製物である、請求項1に記載の乳児用調製乳。
【請求項8】
前記インスリンがヒトインスリンのアミノ酸配列を含む、請求項7に記載の乳児用調製乳。
【請求項9】
前記インスリンが生物学的に活性なものである、請求項1に記載の乳児用調製乳。
【請求項10】
前記インスリンの濃度範囲が粉末100gに対して約25000〜75000μUまたは溶液100mlに対して3000〜10000μUである、請求項1に記載の乳児用調製乳。
【請求項11】
前記複数種の栄養補給成分のうち少なくとも数種が乳由来である、請求項1に記載の乳児用調製乳。
【請求項12】
前記複数種の栄養補給成分のうち少なくとも数種が大豆由来である、請求項1に記載の乳児用調製乳。
【請求項13】
乳児に食餌を摂取させる方法であって、複数種の栄養補給成分と、インスリンサプリメントとを含有する乳児用調製乳粉末を水に溶解し、前記複数種の栄養補給成分と前記インスリンサプリメントとを含有する溶液を得るステップと、前記溶液を前記乳児に摂取させることによって、前記乳児が糖尿病を発症する可能性を低下させるステップと、を含む方法。
【請求項14】
前記インスリンがヒトインスリンのアミノ酸配列を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記インスリンが組換えインスリンである、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記インスリンがヒトインスリンのアミノ酸配列を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記インスリンが合成インスリンである、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記インスリンがヒトインスリンのアミノ酸配列を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記インスリンが天然インスリン精製物である、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記インスリンがヒトインスリンのアミノ酸配列を有する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記インスリンが生物的に活性なものである、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
前記インスリンの濃度範囲が、前記粉末100gに対して約25000〜75000μUまたは前記溶液100mlに対して3000〜10000μUである、請求項13に記載の方法。
【請求項23】
前記複数種の栄養補給成分のうち少なくとも数種が乳由来である、請求項13に記載の方法。
【請求項24】
前記複数種の栄養補給成分のうち少なくとも数種が大豆由来である、請求項13に記載の方法。


【公開番号】特開2012−65675(P2012−65675A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−1306(P2012−1306)
【出願日】平成24年1月6日(2012.1.6)
【分割の表示】特願2000−551812(P2000−551812)の分割
【原出願日】平成11年6月3日(1999.6.3)
【出願人】(503463900)ニュートリニア リミテッド (1)
【Fターム(参考)】