説明

インソール

【課題】 履物内での足の前ずれを防止することによって、外反母趾を極めて効果的に防止するとともに、外反母趾患者が履物を履いて歩行する際の痛みを著しく軽減することができるインソールを提供する。
【解決手段】 本発明のインソールは、使用者の足の後足部後端から土踏まず部までに相当する足底の領域に概ね対応する輪郭を有する底部と、底部の外足側縁部に隣接して設けられており、インソールが履物の内部に設置されたときに履物の内壁に沿って立ち上がることによって少なくとも立方骨及び踵骨の外足側に相当する足の領域を押圧する外足押圧部と、底部の内足側に隣接して設けられており、足の土踏まず部の少なくとも一部を支持する縦アーチ支持部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、履物の内部に設置されて用いられるインソールに関し、特に、外反母趾の予防、矯正、及び疼痛緩和に適したインソールに関する。
【背景技術】
【0002】
最初に、図7に基づいて足の構造を簡単に説明する。図7に示されるように、足は、臨床的には、後足部、中足部、及び前足部に分類される。後足部は横足根関節より近位の部分をいい、中足部は横足根関節から足根中足関節までの部分をいい、前足部は足根中足関節から遠位の部分をいう。足の骨格は、末節骨、中節骨、及び基節骨からなる14個の趾骨と5つの中足骨と足根骨とから構成される。足根骨は、楔状骨、舟状骨、立方骨、距骨、踵骨からなる。横足根関節は、踵骨及び距骨と舟状骨及び立方骨との間の関節であり、足根中足関節は、足根骨と中足骨との間の関節である。足は、これらの骨格と、これらの骨格を取り巻く多数の腱及び筋肉等とによって構成される。多数の腱及び筋肉等の例として、例えば、足の第2〜4指から足の甲を通って踵骨外側まで繋がり、足指の背屈を担う短指伸筋や、中足指節関節から踵まで足の裏に膜のように張っている腱組織であり、足の縦アーチを支える重要な役割を果たす足底腱膜がある。
【0003】
外反母趾は、足の第1中足骨(いわゆる親指の中足骨)が内反し、第1基節骨(いわゆる親指の基節骨)が外反することによって、第1中足骨と第1基節骨とをつなぐ関節である第1MP関節が内足側に突出する現象であり、特にハイヒールのような踵の高い履物や爪先の細い履物を履いて歩行する際に履物の中で足が前方にずれ、履物の爪先によって第1指の指先が内側から圧迫されて生じることが多い進行性の変形疾患である。外反母趾に罹患すると、第1MP関節の痛みによって、歩行が困難になるなどの問題を生じる場合がある。
【0004】
外反母趾を防止するためには、足の縦アーチ及び横アーチを保ち適正な骨格を維持することによって、第1指にかかる負担を軽減するとともに、足の縦アーチを支える足底腱膜や足の横アーチを形成している中足関節の靭帯(横中足靱帯)が緩むのを防ぐことが必要である。また、履物の内部において足の前方へのずれを防止することや、第1指MP関節の内足側への突出を抑制することなども、外反母趾の防止、矯正、及び疼痛緩和のための方法として重要である。外反母趾に罹患した場合には、履物によって第1指の関節が圧迫され激しい痛みが生じる場合が多く、痛みを軽減し外反母趾を矯正するためにも、履物の中における足の前方へのずれの防止とそれによる前足部への荷重の軽減、第1指の適切な固定、縦アーチ及び横アーチの適切な形成及び保持等が必要となる。
【0005】
外反母趾をはじめとする足の疾患に対処するための履物及び中敷きに関する先行技術にとして、例えば以下のものがある。
特許文献1は、足の土踏まずによる縦アーチ、横足弓による横アーチ、第5中足骨による縦アーチ、並びに、第1、第2、第3、第4及び第5中足骨の各後端による横アーチが保たれると、足のクッション性が高められ、さらに外反母趾の予防又は矯正に効果があるという知見に基づく外反母趾対策用の靴中敷きを開示する。この中敷きは、中底に設けられた親指安定用凹部、踵安定用凹部、及び土踏まず支持用凸部によって、足を安定させて歩行の際に足の爪先が履物の前方に向かってずれるのを妨ぐとともに、足の縦アーチ及び横アーチを形成することで、外反母趾の予防又は矯正が可能になるとされている。
【0006】
特許文献2は、踵安定用凹部と、土踏まず支持用凸部と、土踏まず領域と踵部領域の境界部の内甲側と外甲側との位置付近の凸部と、第2中足骨骨頭位置付近の凸部とを有する履物半中敷きを開示する。この半中敷きによって、踵のフィット感と安定性に優れ、足が履物の中で前方に向かってずれるのを抑制し、結果として外反母趾の予防が可能になるとされている。
【0007】
特許文献3は、薄板状の可撓性樹脂成型体によって形成される矯正中敷きを開示する。この中敷きは、踵部を安定させる凹面部と、横足根関節近くの踵骨部分が位置する足裏部を支持するように設けられた第1の厚肉部と、足弓に対応するアーチ部と、第5中足骨付近の第2の厚肉部とを有し、アーチ部にはドーム部を有する。この中敷きによれば、足の骨格の弱い部位を支持しながら、体重移動をスムーズにしてバランスのとれた正常な歩行ができ、外反拇趾の足指の変形や、身体の歪み等に起因する諸症状の改善に有効に寄与させることができるとされている。
【0008】
特許文献4は、三層構造からなる履物用中敷きを開示する。この中敷きは、天然皮革、人工皮革又は熱可塑性繊維の布材からなる表面層と、スポンジなどの緩衝材からなる熱可塑性樹脂シートの中間層と、ウレタンフォームなどの比較的硬度のある弾性体からなる熱可塑性樹脂シートの下面層の三層の部材から構成されており、それぞれの層は輪郭が異なる。こうした構成を採用することにより足のアーチを的確に支持することによって理想的な骨格を形成し、足の骨格が崩れることによる外反母趾などの弊害を予防、緩和するとされている。
【0009】
特許文献5は、つま先領域を除く靴の内底面上に敷き込まれる底面載置部と、該底面載置部から延設された内側翼片部及び外側翼片部を備える中敷き本体と、前記内側翼片部及び前記外側翼片部に各別に接合固着されるパッドとで構成される中敷きを開示する。内側翼片部は、内側楔状骨から第1中足骨側へと至る内側面領域との対面位置にある裏革部に設置され、外側翼片部は、足根骨を構成している立方骨から第5中足骨側へと至る外側面領域との対面位置にある裏革部に設置される。この中敷きによれば、内側と外側のパッドが足の内側及び外側を支持し、外反転及び内反転を防止することによって、歩行時における足の傾きを修正して、正しい姿勢で歩くことができるとされている。
【0010】
特許文献6は、履物の踵部にU字形のヒールカウンタを備えた履物を開示する。この履物は、ヒールカウンタに設けられた突起によって踵骨の載距突起及び立方骨の一部を支持し、それにより踵の内反及び外反運動を抑制するため、踵を直立に保持して横ぶれを防止し、足首や膝への負担を軽減することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平9−140405明細書
【特許文献2】特開2004−229992明細書
【特許文献3】特許第3805937号明細書
【特許文献4】特許第4002109号明細書
【特許文献5】特開2008−194079明細書
【特許文献6】特開2002−262907明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
特許文献1〜3に記載の技術によれば、足底の部材に設けられた踵部の凹部、土踏まず部の凸部、踵部と土踏まず部の間の凸部などによって、履物の中で足が前方にずれるのを抑制することができるとされている。しかしながら、こういった足底部材の凹凸構造のみでは、足の踵を履物の踵方向に引きつける作用、及び、歩行時の遊脚期(足先が地面を離れてから踵が地面に着地するまでの体重がかかっていない状態)においてインソールと足と間に隙間が生じることを防止する作用は得られない。したがって、特許文献1〜3に開示される技術によって足の前ずれを防止して外反母趾予防、矯正、及び疼痛緩和の効果を得ることは困難であると考えられる。特に、女性用のハイヒールなどのような踵の高い履物の場合には履物内で足が前方にずれる力が強くなるため、これらの技術によって足の前ずれを防止することは極めて困難であると考えられる。
【0013】
特許文献4に記載の技術は、各々の層を異なる材質で構成することによって踵にかかる衝撃を和らげ、魚の目などの痛みを軽減する効果はあると思われる。しかしながら、特許文献4には足の踵を履物の踵方向に引きつける作用、及び、歩行時の遊脚期においてインソールと足と間に隙間が生じることを防止する作用については開示されておらず、上記各文献同様、足の前ずれを効果的に防止することは困難であると考えられる。
【0014】
特許文献5に記載の技術は、足の側面の一部にパッドが当たることによって後足部の回内外運動(足底が内足側又は外足側を向くように後足部が内側又は外側に旋回する運動)を抑制することはできると思われるものの、足の前ずれを防止する作用、及び、歩行時の遊脚期においてインソールと足と間に隙間が生じることを防止する作用については開示されておらず、こういった構成ではそのような作用も得られない。また、特許文献6に記載の技術は、後足部の回内外運動を抑制することは可能であると思われるが、ヒールカウンタによって足が前方に押し出される作用が発生するため、足の爪先が履物の爪先部分に押し付けられることになり、かえって外反母趾を促進するおそれがある。
【0015】
本発明は、こうした従来技術の問題点に着目してなされたものであり、履物内での足の前ずれを防止することによって、外反母趾を極めて効果的に防止するとともに、外反母趾患者が履物を履いて歩行する際の痛みを著しく軽減することができるインソール、及びこうしたインソールを用いた履物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、履物の内部に設置されて用いられる弾性材料からなるインソールを提供する。本発明の第1の態様は、使用者の足の後足部後端から土踏まず部までに相当する足底の領域に概ね対応する輪郭を有する底部と、底部の外足側縁部に隣接して設けられており、インソールが履物の内部に設置されたときに履物の内壁に沿って立ち上がることによって少なくとも立方骨及び踵骨の外足側に相当する足の領域を押圧する外足押圧部と、底部の内足側に隣接して設けられており、足の土踏まず部の少なくとも一部を支持する縦アーチ支持部と、を備えることを特徴とするインソールを提供する。本発明に係るインソールは、さらに、底部の内足側縁部に隣接して、インソールが履物の内部に設置されたときに履物の内壁に沿って立ち上がることによって少なくとも舟状骨及び踵骨の内足側に相当する足の領域を押圧する内足押圧部を備えることもできる。本発明に係るインソールは、後足部後端から土踏まず部までに相当する足裏の領域に概ね対応する輪郭を有する底部に代えて、後足部後端からMP関節までに相当する足裏の領域に概ね対応する輪郭を有する底部を用いることもできる。
【0017】
これらの発明によれば、外足押圧部と縦アーチ支持部とによって、又は、外足押圧部及び内足押圧部と縦アーチ支持部とによって、踵骨、立方骨、舟状骨、及び中足骨が適正な位置に保持され後足部の立体的な支持が可能になるとともに、足の縦アーチが適正に保持される。その結果、足の前方へのずれの防止、前足部にかかる荷重の軽減が可能になるとともに、歩行時の遊脚期における足底とインソールとの間の隙間の発生も防止されるため、履物の内部で足を常に適正な位置に保つことができ、第1指圧迫の軽減及び外反母趾の疼痛緩和が可能である。また、外足押圧部及び内足押圧部によって、後足部の回内外運動を防止することができる。さらに、インソールは、弾性材料を用いて形成されているため、後足部の形状に容易に適合し、立脚期(踵の接地から足先の離地までの体重がかかっている状態)及び遊脚期にいずれにおいても履物内での足のずれを防止し、足を履物内で適正な位置に保持することができる。さらに、縦アーチ支持部によって足の縦のアーチを保つことにより、中足関節の靱帯をサポートし、外反母趾の防止、矯正、及び疼痛緩和が可能となる。
【0018】
本発明の第2の態様は、使用者の足の土踏まず部からMP関節までに相当する足底の領域に概ね対応する輪郭を有する底部と、底部の内足側に隣接して設けられており、少なくとも第1MP関節及び第1中足骨に相当する足の領域を内足側から押圧する第1指押圧部と、底部の前方部中央上における第1指と第2指との間に対応する領域に設けられており、少なくとも第1指の外足側側部を押圧する隆起部と、を備えることを特徴とするインソールを提供する。本発明に係るインソールは、土踏まず部からMP関節までに相当する足裏の領域に概ね対応する輪郭を有する底部に代えて、後足部後端からMP関節までに相当する足裏の領域に概ね対応する輪郭を有する底部を用いることもできる。
【0019】
これらの発明によれば、弾性材料を用いて形成された第1指押圧部と隆起部とによって第1指が挟み込むように固定されるため、立脚期及び遊脚期にいずれにおいても履物内での第1指のずれを防止し、第1指を履物内で適正な位置に保持することができる。その結果、母趾圧迫の軽減及び外反母趾の疼痛緩和が可能である。また、第1指が適切な位置に固定されることによって、足先が地面を離れる際に第1指の正しい位置が地面に接するようになり、地面を蹴り上げる力が補われる。
【0020】
本発明に係るインソールは、さらに、底部の前方部中央上における中足骨の少なくとも一部に相当する足の領域に、中足骨を支持する横アーチ支持部を備えるものとすることもできる。
【0021】
この発明によれば、中足骨によって形成される横アーチを維持するとともに、適切な横アーチが形成されていない場合にはそれを作り出すことができる。その結果、中足関節の靭帯(横中足靱帯)が緩むのを防ぐことができるようになり、外反母趾の予防、矯正、及び疼痛緩和が可能になる。また、適切な横アーチが形成されることによって、足底にかかる圧力が分散されるため、魚の目やタコが形成されにくくなる。
【0022】
本発明に係るインソールは、使用者の足の後足部後端からMP関節までに相当する足裏の領域に概ね対応する輪郭を有する底部に代えて、後足部後端から末節骨までに相当する足裏の領域に概ね対応する輪郭を有する底部を用いることもできる。
【0023】
この発明によれば、底部を指先まで設けることによって、外反母趾の変形角度が軽度である使用者が本発明に係るインソールを使用する場合に、足裏全体に均等に荷重を分散させることができるようになる。そのため、外反母趾による疼痛が緩和される。
【0024】
本発明に係るインソールは、さらに、インソールを構成する各部、すなわち、底部、外足押圧部、内足押圧部、縦アーチ支持部、横アーチ支持部、第1指押圧部、及び隆起部のうちの1つ又は複数を複数の層からなる積層体とし、履物の大きさとその使用者の足の大きさとの関係に応じて複数の層の1つ又は複数を繰り返し剥離又は貼付することができるように構成することもできる。
【0025】
この発明によれば、使用者の足の大きさ及び履物の大きさに合わせて、各部の厚みを自在に変えることができるため、足の部分毎にインソールの支持力を調整することができ、足の前方へのずれをより効果的に防止し、外反母趾の防止、矯正、及び疼痛緩和が可能となる。
【0026】
本発明に係るインソールは、ゲル状物質、発泡ポリウレタン樹脂、ラテックスフォーム、又はシリコン樹脂のうちのいずれかを用いて形成することができる。また、本発明に係るインソールは、インソールを構成する各部、すなわち、底部、外足押圧部、内足押圧部、縦アーチ支持部、横アーチ支持部、第1指押圧部、及び隆起部のうちの1つ又は複数を、異なる弾性材料又は異なる弾性値を有する材料を用いて形成することもできる。
【0027】
本発明の第3の態様は、上述のインソールが内部に設置された履物を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の1つの実施形態に係るインソールの平面図を示す。
【図2】本発明の1つの実施形態に係るインソールが履物の内部に設置された状態を示す。
【図3】本発明の1つの実施形態に係るインソールの縦断面(A−A´)の形状を示す。
【図4】本発明の1つの実施形態に係るインソールの横断面(B−B´、C−C´、D−D´)の形状を示す。
【図5】本発明の1つの実施形態に係る第1指押圧部の横断面(E−E´)及び縦断面(F−F´)の形状を示す。
【図6】本発明の1つの実施形態に係るインソールと足の骨格との位置関係を概略的に示す。
【図7】ヒトの足の骨格を示しており、左の図が甲側から見た骨格、右の図が足底側から見た骨格である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、図面を参照して本発明の1つの実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の1つの実施形態に係るインソールを示す。図2は、本発明の1つの実施形態に係るインソールが履物の内部に設置された状態を示す斜視図である。図3及び図4は、インソールの縦断面の形状及び横断面の形状を示し、図5は、第1指押圧部の縦断面及び横断面の形状を示す。図6は、本発明の1つの実施形態に係るインソールと使用者の足の骨格との概略的な位置関係を表す図である。
【0030】
本発明の1つの実施形態に係るインソール1は、図1に示されるように、底部10、外足押圧部16、内足押圧部18、縦アーチ支持部20、第1指押圧部22、隆起部24、及び横アーチ支持部26を有する。
【0031】
インソール1の底部10は、1つの実施形態においては、図1に示されるように、前後方向には足の後足部後端付近から足のMP関節(中足骨と基節骨の間の関節、図7を参照されたい)付近までの長さを有し、横方向には足底に概ね対応する幅を有する。すなわち、底部10は、足指を除く足底全体の領域に概ね対応する輪郭を有する。底部10は、足底にかかる体重を分散するように機能する。また、底部10を、足指の部分に対応する部分を底部10から除いた形状、すなわちMP関節より前方の足指を覆わない長さにすることによって、履物の内部で足指が自由になり、外反母趾患者であっても外反母趾による痛みを軽減させることができるという効果を有する。外反母趾を罹患してはいないが外反母趾の防止を目的とする使用者の履物に用いる場合、又は、外反母趾の変形角度が軽度の使用者の履物に用いる場合には、底部10は、前方部をさらに延長して足指の先端まで、すなわち末節骨(図7を参照されたい)にまで達するような長さのものとしてもよい。このようにすることによって、足裏全体に均等に荷重を分散させることができるようになるため、外反母趾の防止、矯正、及び疼痛緩和の効果が得られる。また、本発明の別の実施形態においては、底部10は、図1のAの線より踵側の部分のみ、すなわち、使用者の足の後足部後端から土踏まず部までに相当する足裏の領域に概ね対応する輪郭を有するものとすることもできる。
【0032】
底部10は、全体の厚みが概ね均一となるように形成されるが、例えば足の踵に対応する部分を他の部分より相対的に薄くして凹部を設け、足の踵がその凹部に収まることによって踵が安定するように構成することもできる。底部10の厚みは、歩行時に足底にかかる圧力を効果的に軽減することができるような厚みであることが好ましく、本発明の1つの実施形態においては、約1.2mm〜約3mmであることが好ましい。
【0033】
インソール1の外足押圧部16は、底部10の外足側(足の第5指側に対応する側)縁部11の中央部付近から後端部13付近までの位置において、外足押圧部16の縁部16aと外足側縁部11とが接するように設けられる。外足押圧部16と底部10は、一体的に形成されることが好ましいが、それぞれ別個の部材として形成された後に接着剤などによって互いに接続されてもよい。外足押圧部16は、図2に示されるように、インソール1が履物の内部に設置されたときに履物の内壁に沿って立ち上がり、その結果、縁部16aは下方に位置し、外足押圧部16の足底10に接しない縁部16bは上方に位置するようになる。
【0034】
外足押圧部16の縁部16bは、インソール1が履物の内部に設置されたときに履物の上部履き口から突出しない形状であることが好ましい。縁部16bは、例えば図1に示されるように滑らかな曲線形状とすることが好ましいが、これに限定されるものではなく、多角形の形状であってもよい。
【0035】
外足押圧部16の中央領域16cは、インソール1が設置された履物の内部に足30が挿入されたときに、足30の外側中央部を押圧し、少なくとも足30の立方骨及び踵骨の外足側に相当する領域を支持するように機能する。
【0036】
底部10の内足側の中央部付近には、縦アーチ支持部20が設けられる。縦アーチ支持部20は、図1〜図4に示されるように、使用者の足底の土踏まずの形状に概ね合わせた形状を有する。縦アーチ支持部20と底部10は、一体的に形成されることが好ましいが、それぞれ別個の部材として形成された後に接着剤などによって互いに接続されてもよい。縦アーチ支持部20は、図2及び図4に示されるように縁部20aから上方に立ち上がり、その頂部から縁部20bに向かってなだらかに傾斜するように形成される。縦アーチ支持部20の縁部20aは、底部10において縦アーチ支持部20が設けられる縁部12の部分の形状に一致するように形成されることが好ましい。縦アーチ支持部20の縁部20bは、図1に示されるような滑らかな曲線形状となるように形成されることが好ましい。
【0037】
上述された外足押圧部16及び縦アーチ支持部20がインソール1に設けられることによって、足の立方骨、舟状骨、踵骨、中足骨などが適正な位置に保持される。
【0038】
インソール1には、さらに、内足押圧部18が設けられることが好ましい。インソール1の内足押圧部18は、図1に示されるように、底部10の内足側(足の第1指側に対応する側)縁部12の中央部付近から後端部付近までの位置において、内足押圧部18の縁部18aと内足側縁部12とが接するように設けられる。内足押圧部18と底部10は、一体的に形成されることが好ましいが、それぞれ別個の部材として形成された後に接着剤などによって互いに接続されてもよい。内足押圧部18は、図2に示されるように、インソール1が履物の内部に設置されたときに履物の内壁に沿って立ち上がり、その結果、縁部18aは下方に位置し、内足押圧部18の足底10に接しない縁部18bは上方に位置するようになる。
【0039】
内足押圧部18の縁部18bは、インソール1が履物の内部に設置されたときに履物の上部履き口から突出しない形状であることが好ましい。縁部18bは、例えば図1に示されるような滑らかな曲線形状とすることが好ましいが、これに限定されるものではなく、多角形の形状であってもよい。
【0040】
内足押圧部16の中央領域18cは、インソール1が設置された履物の内部に足30が挿入されたときに、足30の内側中央部を押圧し、少なくとも、足30の舟状骨及び踵骨の内足側に相当する領域を支持するように機能する。
【0041】
本発明の1つの実施形態においては、外足押圧部16及び内足押圧部18は、図4に示されるように全体の厚みが概ね均一となるように形成される。しかしながら、外足押圧部16及び内足押圧部18は、例えば、足を押圧する力が増すように中央部16cを他の部分に対して相対的に厚く構成してもよい。外足押圧部16及び内足押圧部18の厚みは、足の側部を適切に支持することができるように、約3mm〜約5.5mmであることが好ましい。
【0042】
本発明に係るインソール1は、外足押圧部と縦アーチ支持部とによって、又は、外足押圧部及び内足押圧部と縦アーチ支持部とによって、踵骨、立方骨、舟状骨、及び中足骨が包み込まれるように適正な位置に保持され後足部の立体的な支持が可能になるとともに、足の縦アーチが適正に保持される。その結果、足の前方へのずれの防止、前足部にかかる荷重の軽減が可能になるとともに、歩行時の遊脚期における足底とインソールとの間の隙間の発生も防止されるため、履物の内部で足を常に適正な位置に保つことができ、第1指圧迫の軽減及び外反母趾の疼痛緩和が可能である。また、外足押圧部及び内足押圧部によって、後足部の回内外運動を防止することができる。さらに、インソールは、弾性材料で形成されているため、外足押圧部及び内足押圧部が後足部の形状に容易に適合し、立脚期及び遊脚期にいずれにおいても履物内での足のずれを防止し、足を履物内で適正な位置に保持することができる。さらに、縦アーチ支持部によって足の縦のアーチを保つことにより、中足関節の靱帯をサポートし、外反母趾の防止、矯正、及び疼痛緩和が可能となる。
【0043】
底部10の前方部の内足側には、第1指押圧部22が設けられる。第1指押圧部22は、図1、図2、図4〜図6に示されるように、第1MP関節及び第1中足骨に相当する領域を少なくとも含む第1指の内足側を内側から押圧するように隆起した形状に形成されており、したがって、第1指押圧部22の第1指に対向する面(縁部22bから上方に立ち上がる面)は、第1指の内足側の形状に概ね合わせた形状となるように形成されている。第1指押圧部22の少なくとも第1指側の側面には、第1指が効果的に固定されるように第1指の形状に合わせて凹みを設けることが好ましい。第1指押圧部22のその他の部分の形状は、特に限定されないが、インソール1が履物の内部に設置されたときに履物の内壁の形状に概ね合わせた形状であることが好ましい。第1指押圧部22と底部10は、一体的に形成されることが好ましいが、それぞれ別個の部材として形成された後に接着剤などによって互いに接続されてもよい。
【0044】
第1指押圧部22が第1指の第1MP関節を内足側から押圧することによって、第1MP関節の内足側への突出が防止され、外反母趾が効果的に防止又は矯正される。
【0045】
底部10の前方部の第1指と第2指の間に対応する位置には、図1及び図6に示されるように、隆起部24が設けられる。隆起部24と底部10は、一体的に形成されることが好ましいが、それぞれ別個の部材として形成された後に接着剤などによって互いに接続されてもよい。隆起部24は、隆起部24の内足側の面と上述の第1指押圧部22の外足側の面とによって第1指を固定するように構成される。本発明の1つの実施形態においては、図1〜図4及び図6に示されるように、隆起部24は、概ね円錐台又は楕円錐台の形状であることが好ましいがこれに限定されるものではなく、インソール1が設置された履物の内部に足30が挿入されたときに、隆起部24が足の第1指と第2指の間に適切に位置するとともに第1指押圧部22と協働して第1指を固定できるような形状であればよい。隆起部24の少なくとも第1指側の側面には、第1指が効果的に固定されるように第1指の形状に合わせて凹みを設けることが好ましい。本発明の1つの実施形態においては、隆起部24は、図1に示されるように、その一部が底部10の先端から突出して設けられる。
【0046】
隆起部24と第1指押圧部22とが第1指を挟むことで第1指が固定されるため、立脚期及び遊脚期にいずれにおいても履物内での第1指のずれを防止し、第1指を履物内で適正な位置に保持することができる。その結果、母趾圧迫の軽減及び外反母趾の疼痛緩和が可能である。また、第1指が適切な位置に固定されることによって、足先が地面を離れる際に第1指の正しい位置が地面に接するようになり、地面を蹴り上げる力が補われる。
【0047】
図1に示されるような後足部後端からMP関節までに相当する足裏の領域に概ね対応する輪郭を有する底部に代えて、図1のAの線より爪先側の部分のみ、すなわち、使用者の足の土踏まず部からMP関節までに相当する足底の領域に概ね対応する輪郭を有する底部を準備し、その底部に第1指押圧部22と隆起部24を設けることもできる。
【0048】
底部10の前方部中央上における中足骨に対応する位置には、5つの中足骨を足底側から支持するように上方に凸形状を有する横アーチ支持部26が設けられる。横アーチ支持部26と底部10は、一体的に形成されることが好ましいが、それぞれ別個の部材として形成された後に接着剤などによって互いに接続されてもよい。横アーチ支持部26は、足の5つの中足骨によって形成される横アーチの形状に概ね合わせた形状を有することが好ましい。
【0049】
横アーチ支持部26により、5つの中足骨によって形成される横アーチの形状が保たれるため、中足関節の靱帯が強化され、外反母趾の防止、矯正、及び疼痛緩和が可能になる。また、使用者の足に適切な横アーチが形成されていない場合には、適切な横アーチを作り出すことができ、それにより外反母趾の防止、矯正、及び疼痛緩和が可能になる。さらに、横アーチ支持部26が横アーチを形成することによって適切な骨格が維持され、足底にかかる圧力が分散し、タコ、魚の目などが形成されにくくなる。さらに、横アーチ支持部26がストッパーの役割を果たすことによって、足の前方へのずれが防止される。
【0050】
インソール1は、弾力性があり、柔軟性に優れ、加工しやすく、耐久性の高い材料を用いて形成されることが好ましい。インソール1は、例えば、ゲル状物質、発泡ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、ラテックスフォームなどといった材料を用いて形成されることが好ましく、中でもゲル状物質を用いて形成されることがより好ましいが、これらに限定されるものではない。インソール1は、弾力性を有する材料で形成されることによって、歩行時に履物の中で足の骨格に適合し、足の各部位をより適切に押圧し支持することができる。インソール1は、特に、インソール1が足を支持する際の違和感を低減するように、初期弾性率が低く小さな圧力でも変形しやすい柔軟性を有することが好ましい。ゲル状物質を用いてインソール1が形成される場合には、初期弾性率は10〜1,000kMPaであることが好ましい。さらに、インソール1は、履物を履いて歩行する際にかかる圧力(例えば、女性の歩行時にインソールにかかる圧力は約5MPaである)が繰り返し加わっても破壊しない強度を有することが好ましい。インソール1がゲル状物質で形成される場合には、インソール1は、製造方法に関して後述されるように、ゲル状物質を例えば2枚の熱可塑性樹脂のシートで挟んで封止することが好ましい。インソール1は、全体を、例えば布、天然皮革、合成皮革などで覆って使用してもよい。
【0051】
インソール1は、インソール1の上述の各部、すなわち、底部10、外足押圧部16、内足押圧部18、縦アーチ支持部20、第1指押圧部22、隆起部24、及び横アーチ支持部26の各々のすべてが同一の材料を用いて一体的に形成されることが好ましいが、インソール1の各部の幾つか又はすべてを異なる弾力性又は柔軟性などの特徴を有する別々の材料を用いて形成してもよい。
【0052】
インソール1の上述の各部のすべて又は幾つかは、複数の層からなる積層体として形成されることが好ましい。特に、インソールの1の底部10、外足押圧部16、内足押圧部18、及び縦アーチ支持部20のすべて又は幾つかは、少なくとも2層からなる積層体として形成されることが好ましい。各部が積層体として形成される場合には、それぞれの部材は、それぞれの部材に適した所定の同じ厚みを有する複数の層によって構成され、これらの複数の層を積層させた積層体としての全体の形状が、上述の各部の説明に関連して記載された形状となるようにする。あるいは、それぞれの部材は、所定の厚みを有する1つの層とその厚みより薄い複数の層とを組み合わせて、積層体としての全体の形状が上述の各部の説明に関連して記載した形状となるように構成することもできる。このように、インソール1の各部を複数の層からなる積層体として構成することによって、インソール1は、使用者の足の形状又は大きさと履物の形状又は大きさとの関係に合わせて必要に応じて各部の1つ又は複数の層を剥離又は貼付して使用することができる。したがって、インソール1を必要に応じて足の骨格に適合させることができるため、足の部分毎にインソール1から加わる押圧力又は支持力を適切に調整して、足の前方へのずれをより効果的に防止することができるようになる。
【0053】
インソール1の各部が複数の層からなる積層体で形成される場合には、層同士は、繰り返して剥離又は貼付できるように構成されることが好ましい。インソール1は、インソール1を構成する弾性材料を熱可塑性樹脂のシートで挟んで用いられる。したがって、熱可塑性樹脂のシート同士の接着性を利用することによって、複数の層を互いに剥離又は貼付することができる。
【0054】
インソール1の外足押圧部16、内足押圧部18、及び/又は底部10が複数の層からなる積層体として形成される場合には、例えば、外足押圧部16及び内足押圧部18の最下層(足30に接触する層とは反対側の層)と底部10の最下層とを一体的に形成し、その上に、必要な複数の層を貼付することによって、インソール1を形成することもできる。
【0055】
インソール1は、ゲル状物質、シリコン樹脂、発泡ポリウレタン樹脂、ラテックスフォームなどといった材料を用いて形成されることが好ましく、中でもゲル状物質を用いて形成されることがより好ましいことは上述のとおりである。ゲル状物質を用いてインソール1が一体的に形成される場合には、一例として、用いられるゲル状物質は、ウレタン系樹脂に安定性の高い架橋剤を添加し、そこにシリコーンオイルなどの高粘性溶媒を50〜80%加え、120℃〜160℃で加熱重合することにより製造することができる。インソール1は、このようにして製造されたゲル状物質を2枚の熱可塑性樹脂のシートで挟んで加熱圧縮し、金型などでインソール1の所定の形状に型抜きすると同時に外周を熱線で封止することによって形成される。
【0056】
本発明に係るインソール1は、上述のように、インソール1の各部を別個に形成し、それらの各々を接着剤などを用いて接続して最終的なインソール1を形成することができる。この実施形態の場合には、まずインソール1を構成する各部を上述のインソール1の一体的な形成方法と同様の方法によって形成し、次いで接着剤などを用いて各部を接続することによって、インソール1を形成する。また、インソールが複数の層からなる積層体として形成される実施形態の場合には、複数の層の各々を上述のインソール1の一体的な形成方法に関連して説明した方法と同様の方法によって形成し、次いで各層を互いに貼り合わせて底部10や外足押圧部16などの各部材を形成し、最後に各部材を接着剤などで接続してインソール1を形成することができる。
【0057】
本発明に係るインソール1は、2枚の熱可塑性樹脂のシートの間における上述の各部に相当する部分に異なる弾性値を有するゲル状物質を挟んで加熱圧縮し、金型によってインソール1の所定の形状になるように型抜きすると同時に外周を熱線で封止することによって形成することもできる。このようにインソール1を形成すれば、インソール1を構成する各部毎にその部分に適した弾力性を持たせることが可能となり、より効果的に足の各部分を押圧又は支持することができるようになるため、外反母趾の防止、矯正、及び疼痛緩和により有効である。
【符号の説明】
【0058】
1 インソール
10 底部
11 底部10の外足側縁部
12 底部10の内足側縁部
13 底部10の後端部
16 外足押圧部
18 内足押圧部
20 縦アーチ支持部
22 第1指押圧部
24 隆起部
26 横アーチ支持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物の内部に設置されて用いられる弾性材料からなるインソールであって、
使用者の足の後足部後端から土踏まず部までに相当する足裏の領域に概ね対応する輪郭を有する、底部と、
前記底部の外足側縁部に隣接して設けられており、前記インソールが履物の内部に設置されたときに履物の内壁に沿って立ち上がることによって少なくとも立方骨及び踵骨の外足側に相当する足の領域を押圧する、外足押圧部と、
前記底部の内足側に隣接して設けられており、足の土踏まず部の少なくとも一部を支持する、縦アーチ支持部と、
を備えることを特徴とするインソール。
【請求項2】
前記底部の内足側縁部に隣接して、前記インソールが履物の内部に設置されたときに履物の内壁に沿って立ち上がることによって少なくとも舟状骨及び踵骨の内足側に相当する足の領域を押圧する内足押圧部をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載のインソール。
【請求項3】
履物の内部に設置されて用いられる弾性材料からなるインソールであって、
使用者の足の土踏まず部からMP関節までに相当する足裏の領域に概ね対応する輪郭を有する、底部と、
前記底部の内足側に隣接して設けられており、少なくとも第1MP関節及び第1中足骨に相当する足の領域を内足側から押圧する、第1指押圧部と、
前記底部の前方部中央上における第1指と第2指との間に対応する領域に設けられており、少なくとも第1指の外足側側部を押圧する、隆起部と、
を備えることを特徴とするインソール。
【請求項4】
使用者の足の後足部後端から土踏まず部までに相当する足裏の領域に概ね対応する輪郭を有する底部、又は、使用者の足の土踏まず部からMP関節までに相当する足裏の領域に概ね対応する輪郭を有する底部に代えて、使用者の足の後足部後端からMP関節までに相当する足裏の領域に概ね対応する輪郭を有する底部を備えることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれか1つの請求項に記載のインソール。
【請求項5】
履物の内部に設置されて用いられる弾性材料からなるインソールであって、
使用者の足の後足部後端からMP関節までに相当する足裏の領域に概ね対応する輪郭を有する、底部と、
前記底部の外足側縁部に隣接して設けられており、前記インソールが履物の内部に設置されたときに履物の内壁に沿って立ち上がることによって少なくとも立方骨及び踵骨の外足側に相当する足の領域を押圧する、外足押圧部と、
前記底部の内足側縁部に隣接して設けられており、前記インソールが履物の内部に設置されたときに履物の内壁に沿って立ち上がることによって少なくとも舟状骨及び踵骨の内足側に相当する足の領域を押圧する、内足押圧部と、
前記底部の内足側に隣接して設けられており、足の土踏まず部の少なくとも一部を支持する、縦アーチ支持部と、
を備えることを特徴とするインソール。
【請求項6】
前記底部の内足側に隣接して設けられており、少なくとも第1MP関節及び第1中足骨に相当する足の領域を内足側から押圧する、第1指押圧部と、
前記底部の前方部中央上における第1指と第2指との間に対応する領域に設けられており、少なくとも第1指の外足側側部を押圧する、隆起部と、
をさらに備えることを特徴とする、請求項5に記載のインソール。
【請求項7】
前記底部の前方部中央上における中足骨の少なくとも一部に相当する足の領域に、中足骨を支持する横アーチ支持部をさらに備えることを特徴とする、請求項3から請求項6のいずれか1つの請求項に記載のインソール。
【請求項8】
前記底部は、使用者の足のMP関節から末節骨までに相当する足裏の領域に概ね対応するようにさらに延伸されていることを特徴とする、請求項3から請求項6のいずれか1つの請求項に記載のインソール。
【請求項9】
前記底部、前記外足押圧部、前記内足押圧部、前記縦アーチ支持部、前記横アーチ支持部、前記第1指押圧部、及び前記隆起部のうちの1つ又は複数が、ゲル状物質、発泡ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、又はラテックスフォームのうちのいずれか、又はこれらの組み合わせによって形成されたことを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか1つの請求項に記載のインソール。
【請求項10】
前記底部、前記外足押圧部、前記内足押圧部、前記縦アーチ支持部、前記横アーチ支持部、前記第1指押圧部、及び前記隆起部のうちの1つ又は複数が、複数の層からなる積層体であり、履物の大きさとその使用者の足の大きさとの関係に応じて前記複数の層の1つ又は複数を剥離又は貼付することができるように構成されたことを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか1つの請求項に記載のインソール。
【請求項11】
前記底部、前記外足押圧部、前記内足押圧部、前記縦アーチ支持部、前記横アーチ支持部、前記第1指押圧部、及び前記隆起部のうちの1つ又は複数が、互いに異なる弾性値を有する材料によって形成されたことを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれか1つの請求項に記載のインソール。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか1つの請求項に記載のインソールが内部に設置されたことを特徴とする履物。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−78641(P2011−78641A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−234442(P2009−234442)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【特許番号】特許第4633850号(P4633850)
【特許公報発行日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(509281324)
【Fターム(参考)】