説明

インタラクティブな照明制御システム及び方法

入力装置から受信された位置の指示に基づく照明シーンの調整のような照明効果の制御及び生成のための、インタラクティブな照明制御システム(及び方法)。本発明のシステムの基本的な着想は、特に大型で多様な照明基盤を持つ照明シーンの調整のような、照明効果の生成を改善するために、照明制御において、照明効果主導型の手法と位置指示装置を組み合わせることにより、インタラクティブな照明制御を提供することである。本発明のインタラクティブな照明制御システム10は、現実の環境における或る位置を指し示すことにより該位置を検出するように構成された入力装置18から、現実の環境における現実の位置16を示すデータ14を受信し、該現実の位置において所望される照明効果32に関連するデータを受信するためのインタフェース12と、該現実の位置を現実の環境の仮想的なビューの仮想的な位置にマッピングし、該仮想的な位置において利用可能な照明効果を決定するための照明効果コントローラ20と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インタラクティブな照明制御に関し、特に入力装置から受信される位置指示に基づく照明シーンの調整のような照明効果の制御及び生成に関し、更に詳細には、位置指示装置を用いた照明効果制御及び生成のためのインタラクティブな照明制御システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
将来の家庭用及び現在のプロフェッショナル環境は、アンビエント(ambient)照明、雰囲気照明、アクセント照明又はタスク照明のための、白熱灯、ハロゲン、放電又はLED(発光ダイオード)ベースのランプといった異なる特性及びタイプの大量の光源を含む。全ての光源は、環境における当該光源の効果を変化させる、調光レベル、冷色/暖色照明、RGB、又はその他の方法のような、種々の制御機能を持つ。
【0003】
照明における制御パラダイムの殆ど全てが、ランプ主導型である。ユーザがランプを選択し、調光値を変更することによって、又は該ランプのRGB(赤緑青)チャネルに対して操作することによって、該ランプの制御を直接に操作する。位置に対して照明効果を直接に調節し、位置における効果に影響するランプを探すことに煩わせられないことは、非常に自然なことであり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光源の数が20よりも多いと、或る位置における効果に影響を及ぼす光源を見出すことが困難となり得る。更に、該効果は、種々の特性の光源(例えばアンビエントTL(タスク照明)及び壁面照明LEDランプ)からの種々の照明効果の組み合わせの結果であり得る。この場合には、ユーザは種々のランプの照明制御を取り扱う必要があり、これらランプの効果を評価する必要がある。幾つかの場合には、当該効果は大域的であり(例えばアンビエント照明の場合)、また幾つかの場合には、当該効果は非常に局所的である(例えばスポット照明)。従ってユーザは、所望の照明設定に近づくためには、どの制御がどの効果に関連しているかを見出し、当該効果のサイズを見出す必要がある。
【0005】
本発明の目的は、照明の基盤の制御を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本目的は、独立請求項に係る発明により解決される。更なる実施例が、従属請求項により示される。
【0007】
本発明の基本的な着想は、特に大型で多様な照明基盤を持つ照明シーンの調整のような、照明効果の生成を改善するために、照明制御に対して、照明効果主導型の手法と位置指示装置を組み合わせることにより、インタラクティブな照明制御を提供することである。照明制御における効果主導型の手法は、照明基盤を用いた現実環境の仮想的な表現を有するコンピュータモデルにより実装され得る。該仮想的なビューは、現実の位置を、仮想環境における仮想的な位置にマッピングするために使用され得る。現実の位置において利用可能な照明効果は、仮想的なビューにおいて検出されモデル化されることができる。このとき、仮想的な位置及び利用可能な照明効果の双方が、照明効果を選択のためにユーザに示し、照明基盤のための制御設定を算出するために使用され得る。当該自動化された照明効果主導型の手法は、特に複雑な照明基盤の制御を改善し得、より自然なインタラクションを提供する。なぜなら、ユーザは、該ユーザが照明基盤により生成される照明効果を変更したいと思う現実の環境の位置を指し示すだけで良いからである。
【0008】
本発明の一実施例は、
現実の環境における或る位置を指し示すことにより前記位置を検出するように構成された入力装置から、現実の環境における現実の位置を示すデータを受信し、前記現実の位置において所望される照明効果に関連するデータを受信するためのインタフェースと、
前記現実の位置を現実の環境の仮想的なビューの仮想的な位置にマッピングし、前記仮想的な位置において利用可能な照明効果を決定するための照明効果コントローラと、
を有する、インタラクティブな照明制御システムを提供する。
【0009】
該システムは更に、前記仮想的な位置において利用可能な照明効果に基づいて、前記現実の位置において前記所望される照明効果を生成するための、照明基盤のための制御設定を算出するための照明効果生成器を有しても良い。該照明効果生成器は例えば、仮想的なビューにおいて選択された照明効果を、現実の環境における照明効果に転写するソフトウェアモジュールとして実装されても良い。例えば、ユーザが照明効果を変更するために現実の環境における特定の位置を選択し、仮想的なビューによって照明効果を変更した場合、照明効果生成器は、現実の環境における照明効果を生成するために適切な制御設定を算出することにより、仮想的なビューにおける当該変更された照明効果を自動的に処理しても良い。照明効果生成器はまた、照明効果を生成する際に、現実の環境における照明基盤のいずれかの制約を考慮に入れても良い。
【0010】
前記入力装置は、
前記位置を赤外線発光ダイオードの検出された位置から導出するように構成された第1の入力装置と、
前記位置を符号化されたビーコンの検出された位置から導出するように構成された第2の入力装置と、
カメラにより検出される懐中電灯と、
カメラにより検出されるレーザポインタと、
のうちの1つ以上を有しても良い。
【0011】
典型的には、本発明において適切な入力装置は、ポインティングデバイス、即ち当該装置によりユーザが指した位置を検出するための装置である。
【0012】
該システムは更に、カメラと、前記カメラから受信されたビデオデータを処理し、前記入力装置が指し示した前記現実の環境における位置を検出し、前記検出された現実の位置を更なる処理のために前記照明効果コントローラに出力するように構成されたビデオ処理ユニットと、を有しても良い。
【0013】
前記インタフェースは、照明効果入力装置から前記現実の位置において所望される照明効果に関連するデータを受信するように構成されても良い。
【0014】
前記照明効果コントローラは、前記仮想的なビューにおける前記仮想的な位置に基づいて前記現実の位置において利用可能な照明効果を示し、利用可能な照明効果を前記入力装置、ディスプレイ装置、及び/又はオーディオ装置にユーザへ示すために送信するように構成されても良い。
【0015】
前記ディスプレイ装置は、照明効果を伴う静的又は動的なコンテンツが、照明効果入力装置による選択のために表示されるように制御されても良い。
【0016】
前記現実の位置において所望される照明効果に関連するデータは、
前記所望される照明効果が生成されるべき前記現実の位置のサイズについてのデータと、
前記照明効果が生成されるべき第2の現実の位置に、入力装置によってドラッグされた、第1の現実の位置における照明効果についてのデータと、
前記照明効果が移動されるべき第2の現実の位置に、入力装置によってドラッグされた、第1の現実の位置における照明効果についてのデータと、
特定の領域又はスポットにおける勾配効果又は減光効果についてのデータと、
のうちの1つ以上を有するも良い。
【0017】
前記照明効果生成器は、前記仮想的な位置に基づいて、前記現実の位置における照明に影響を与える前記照明基盤のランプを見出し、前記見出された前記ランプについての制御設定を算出するように構成されても良い。
【0018】
本発明の更なる実施例は、本発明による以上に記載されたシステムのための入力装置であって、
前記入力装置が指し示した現実の環境における位置を検出するためのポインティング位置検出器と、
前記検出された位置を示すデータを送信するための送信器と、
を有する装置に関する。
【0019】
該入力装置は更に、前記入力装置が指し示した位置において所望される照明効果を入力するための照明効果入力手段を更に有しても良く、所望される入力された照明効果に関連するデータが前記送信器によって送信されても良い。
【0020】
本発明の更に他の実施例は、
現実の環境における或る位置を指し示すことにより前記位置を検出するように構成された入力装置から、現実の環境における現実の位置を示すデータを受信し、前記現実の位置において所望される照明効果に関連するデータを受信するステップと、
前記現実の位置を現実の環境の仮想的なビューの仮想的な位置にマッピングし、前記仮想的な位置において利用可能な照明効果を決定するステップと、
を有する、インタラクティブな照明制御方法に関する。
【0021】
本発明の一実施例は、プロセッサが本発明による以上に説明された方法を実行することを可能とするコンピュータプログラムを提供する。該プロセッサは例えば、照明システムの中央コントローラにおけるような照明制御システムにおいて実装されても良い。
【0022】
本発明の更なる実施例によれば、例えばCD−ROM、DVD、メモリカード、ディスケット、インターネットメモリ装置、又はこれらと同様の光学的又は電子的なアクセスのためのコンピュータプログラムを保存するのに適したデータ担体のような、本発明によるコンピュータプログラムを保存する記録担体が提供され得る。
【0023】
本発明の更なる実施例は、PC(パーソナルコンピュータ)のような、本発明による方法を実行するようにプログラムされたコンピュータを提供する。該コンピュータは、例えば照明基盤の中央コントローラを実装しても良い。
【0024】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明される実施例を参照しながら説明され明らかとなるであろう。
【0025】
本発明は、実施例を参照しながら、以下に詳細に説明される。しかしながら、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明によるインタラクティブな照明制御システムの実施例を示す。
【図2】本発明による入力装置により、照明効果が或る位置から別の位置へとドラッグされる、本発明によるインタラクティブな照明制御システムの第1の使用例を示す。
【図3】本発明による入力装置により、向き変更可能なランプからのスポットが或る位置から別の位置へとドラッグされる、本発明によるインタラクティブな照明制御システムの第2の使用例を示す。
【図4】本発明によりインタラクションを拡張するための機能が仮想的なビューに提供される、本発明によるインタラクティブな照明制御システムの第3の使用例を示す。
【図5】位置アトラクタが備えられた、本発明によるインタラクティブな照明制御システムの第4の使用例を示す。
【図6】ディスプレイ装置が静的な色パレットを示す、本発明によるインタラクティブな照明制御システムの第5の使用例の第1の実施例を示す。
【図7】ディスプレイ装置が動的な色パレットを示す、本発明によるインタラクティブな照明制御システムの第5の使用例の第2の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、機能的に類似する又は同一の要素は、同一の参照番号を持ち得る。「ランプ」、「照明」及び「照明器具」なる語は、同一のものを示す。
【0028】
図1は、インタラクティブな照明制御システム10を示し、該システム10は、例えば入力装置18からデータを無線で受信するように構成された無線送受信器のようなインタフェース12と、照明効果コントローラ20と、照明効果生成器22と、インタラクティブな照明制御システム10に接続されたカメラ24を用いて捕捉されたビデオデータを処理するためのビデオ処理ユニット26と、を有する。インタラクティブな照明制御システム10は、壁30を持つ部屋のような現実の環境に設置された幾つかのランプ36を有する照明基盤34を制御するために備えられる。システム10は、システム10のモジュール20、22及び26を実装するソフトウェアを実行するコンピュータにより実装されても良い。このときインタフェース12は、例えば該コンピュータのBluetooth(登録商標)又はWiFi(登録商標)送受信器であっても良い。システム10は更に、コンピュータモニタ又はTVセットのようなディスプレイ装置28に接続されていても良い。
【0029】
照明基盤34による生成された照明のインタラクティブな制御は、ユーザ38により保持されていても良い入力装置18の使用により実行されても良い。ユーザ38は、壁30における現実の位置16に特定の照明効果を生成したいと欲しており、該ユーザは単に、位置16に入力装置18を向ける。ユーザ38が指し示した位置16を検出するため、入力装置18は位置16を検出するように構成される。
【0030】
入力装置18は例えば、本出願人によるuWand(登録商標)という直観的なポインタ及び3D制御装置であっても良い。uWand制御装置は、符号化されたIRビーコンから信号を検出するIR(赤外線)受信器を有し、TVセットの背後の壁30に配置されても良い。該受信された信号及びビーコンの位置から、uWand制御装置は、ポインティング位置を導出し、該導出されたポインティング位置を無線2.4GHz通信リンクを介してインタフェース12へと送信する。uWand制御装置は、2D及び3D位置検出を可能とする。例えば、入力装置の回転が検出され得る。
【0031】
また、本発明の目的のために、任天堂社からのWiiMote入力装置が利用されても良い。WiiMote入力装置は、内蔵カメラによりIRのLEDからのIR放射を捕捉することにより2Dポインティング位置検出を可能と、IRのLEDの検出された位置からポインティング位置を導出する。検出されたポインティング位置に関するデータの伝送は、例えばインタフェース12を用いて、Bluetooth通信リンクを介して実行される。
【0032】
更に、例えば壁30のような現実の環境におけるポインティング位置の検出のためのカメラと組み合わせられる場合には、入力装置としてレーザポインタ又は懐中電灯が利用されても良い。検出されたポインティング位置に関するデータは、カメラにより捕捉された画像のビデオ処理により生成される。該カメラは、WiiMote入力装置に類似する入力装置に一体化されていても良い。代替としては、該カメラは、ポインティング位置を検出するためのビデオ処理ユニットと組み合わせられた外部装置であっても良い。該カメラを有する外部装置は、システム10のカメラ24及びビデオ処理ユニット26のように、該インタラクティブな照明制御システム10に接続されていても良いし、又は該システム10に一体化されていても良い。
【0033】
入力装置18は、該装置が現実の環境30において指し示す位置16を示すデータ14を、インタラクティブな照明制御システム10のインタフェース12に無線で送信する。
【0034】
インタラクティブな照明制御システム10の照明効果コントローラ20は、受信されたデータ14を以下のように処理する。位置16の現実の位置が、現実の環境の仮想的なビューの仮想的な位置にマッピングされる。該仮想的なビューは、図1に示される壁30のような、現実の環境の2D表現であっても良い。該仮想的なビューは、例えばカメラ24により現実の環境を捕捉することにより生成されても良い。該仮想的なビューはまた、例えばディジタル写真カメラにより壁30の画像を撮影し、該撮影された画像をシステム10に転送することにより、インタラクティブな照明制御システム10に既に保存されていても良い。
【0035】
照明効果コントローラ20は、該仮想的な位置において利用可能な照明効果を決定する。このことは例えば、現実の環境において設置されている照明基盤34のモデルにより実行されても良く、ここで該モデルは、現実の環境の仮想的なビューにおける照明効果及び位置に、照明基盤34の制御を関連付けるものである。
【0036】
該モデルは、いわゆる暗室較正(DRC)法により生成されても良く、このとき例えばDMXチャネルのような各照明制御の効果及び位置が測定される。DRCにより検出された照明効果は次いで、仮想的なビューにおける仮想的な位置に割り当てられ、モデルを形成しても良い。例えば、目標照明分布が、例えば壁において測定された分布、又はカメラ若しくは測色装置により受信された分布のような、2Dビューにおける色彩に富む分布として、又はより抽象的には、照明効果を位置に関連付ける機能として、例えば動作面の幾つかの点において500luxのような離散的な位置における目標のセットとして、表現されても良い。
【0037】
位置16において利用可能なものとして照明効果コントローラ20により決定された照明効果は、ディスプレイ装置28に表示されても良いし、又は入力装置18若しくは別個の照明効果入力装置40にインタフェース12を介して送信されても良い。ここで該入力装置40は、例えばPDA(Personal Digital Assistant)、スマートホン、キーボード、PC(パーソナルコンピュータ)、又は例えばTVセットのリモートコントローラにより実装されても良い。
【0038】
所望の照明効果のユーザ選択は、入力装置18又は照明効果入力装置40からシステム10に送信されるか、又はインタフェース12を介して照明効果コントローラ20に送信される。該照明効果コントローラ20は、選択された照明効果及び位置16を、照明効果生成器22に送信する。該生成器22は、位置16における照明に影響を与える照明基盤34のランプ36を見出し、該見出されたランプ36のための制御設定を算出し、該算出された制御設定を照明基盤34に送信して、ユーザが所望する照明効果32が位置16におけるランプ36により生成されるようにする。
【0039】
以下、ユーザ38による照明効果の選択が、幾つかの使用例により説明される。図示される使用例において、十字記号が入力装置18のポインティング位置を示し、破線矢印が入力装置18により実行された動き、即ち例えば壁30のような現実の環境の2D表現である仮想的なビューにおける或る位置から別の位置への入力装置18のポインティング位置の動きを示す。
【0040】
図2乃至7は、入力装置18と仮想的なビューにおいて存在する効果との間の幾つかのとり得るインタラクションを示す。仮想的なビューの内容は目標照明効果分布とみなされることができ、照明出力はそれに従って変化し得、それによりユーザ38は即座のフィードバックを得ることができる。このことは、照明基盤34により生成される照明雰囲気の没入型の微調整に帰着し得る。
【0041】
図2は、照明効果が或る位置161から選択され、別の位置162へとドラッグされる使用例を示す。スポットライトのような所望の照明効果が、最初に位置161にある。ユーザ38は、入力装置18で位置161を指し、入力装置18上の特定のボタンを押下することによって該所望の照明効果を選択し、斯くして選択された該照明効果を、該照明効果が生成されるべき新たな位置162へとドラッグする。十字記号により示された新たな位置162において、ユーザ38は押下されているボタンを離すか、又は再びボタンを押下する。入力装置18は、最初のボタン押下で位置161を記録し、ボタン押下を離したときに位置162を記録するか又は2回目のボタン押下で位置162を記録し、照明効果に関するデータ(即ち照明効果を位置161から位置162へとドラッグしたこと)と共に位置161及び162の両方を現実位置指示データとしてシステム10に送信し、該システム10が次いで、新たな位置162において位置161におけるスポットライトを生成する。位置についての所望の照明効果を選択するためのユーザインタラクションを検出するため及び当該選択に関するデータを送信するための当該技術的な処理は、以下に説明される更なる使用例においても実行されても良い。
【0042】
図3は、或る位置161における向き変更可能なランプ(又は可動ヘッド)により生成されたスポットライトのような照明効果が選択され、別の位置162にドラッグされる使用例を示す。インタラクションは、図2に示された使用例に関して説明されたものと同じである。当該使用例においては、ユーザの所望する新たな位置162において、照明効果を正確に配置することが、より容易となり得る。
【0043】
図4は、インタラクションを拡張するための仮想的なビューにおける機能による使用例を示す。幾つかの場合においては、より複雑な照明目標(勾配のような)が生成される必要がある。本例においては、緑色の効果163が、赤色から青色への勾配164に挿入され得る。緑色の効果の位置は、赤色→緑色及び緑色→青色の遷移の生成に影響を与える。緑色のスポットの位置は、記載されるドラッグによるインタラクションにより変更されることができる。一般に、(勾配生成のような)機能は、照明システムによる、より豊富なインタラクションが提供されるようなビューにおいて実装され得る。このとき、これらの機能は、より複雑なインタラクションを生成するため、照明効果の位置決めに反応する。
【0044】
図5は、位置アトラクタ165による更なる使用例を示す。システム10は効果及び効果最大の位置を知っているため、該システムはこれらの位置165を「効果アトラクタ」として使用することができる。照明効果166をドラッグすると、該効果はアトラクタからアトラクタへとジャンプする。効果が重要な位置にのみ配置されるため、このことはユーザにとって効果の位置決めを簡単化する。また、照明自体の変更によっても位置が追跡され得るため、このことはユーザに対する没入型のフィードバックを拡張する。アトラクタの解像度は効果最大位置に限定されるものではなく、機能についての感知入力位置が重要となり得る。
【0045】
図6及び7は、色パレット167を備えたディスプレイ装置を取り入れた、更なる使用例を示す。図1に関して説明されたように、現実の環境においては、ディスプレイ装置28が存在しても良く、照明効果の色パレット167を表示しても良い。該パレット及び画面上の構成は、インタラクティブな照明制御システム10により制御され得る。ディスプレイ装置28の位置は、仮想的なビューに組み込まれても良い。ディスプレイ装置28におけるパレット167の色168へのポインティングが仮想的なビューにおいて検出されることができ、当該ビューにおいては、ディスプレイ装置上の色ブロブと照明効果との間には差がない。このことは、図2に示され以上に説明された使用例、即ち効果を選択し該効果を別の位置にドラッグすることに類似するインタラクションを可能とする。色効果は、照明効果であるかのように、ディスプレイ装置から環境へとドラッグされる。静的な色パレットを持つディスプレイ装置の代わりに、図7に示されるような、何らかの動的なコンテンツを持つディスプレイ装置であっても良い。該動的なコンテンツは複数の画素169を含んでも良く、各画素は時間によって変化する。該動的なコンテンツにおける画素もまた、仮想的なビューにおける位置アトラクタにマッピングされることができる。別個のディスプレイ装置の代わりに、色パレット及び目標色が、入力装置18又は照明効果入力装置40において表示され選択されても良い。
【0046】
或る位置を指したとき、ディスプレイ装置はこれら位置における可能性に対する何らかのフィードバックを与えても良い。例えば、当該位置において描画されることができる色三角が、入力装置又は別個のディスプレイ装置において表示されても良い。
【0047】
複数の効果が存在する場合、インタラクティブな照明制御システム10は、ユーザが指し示した位置における最も影響力のある効果を選択しても良い。効果のセットに影響を与えることも可能である。
【0048】
最後に、マウス及びポインタによる既知のインタラクションと同様に、ユーザ38は仮想的なビューにおいて領域を示すこともできる。このことは、当該領域に主に存在する効果のセットを選択する。次いで、調整操作が該効果のセットに対して実行される。
【0049】
選択された領域に対して可能な調整操作は、例えば
−色温度、色相、彩度及び強度を変更すること
−効果を平滑化又は鮮明化すること(色相/彩度/強度の極値が弱められる又は強められる)
であっても良い。
【0050】
選択された領域のサイズを示すため、当該領域に寄与するランプはフラッシングを開始しても良いし、又はインタラクティブな照明制御システム10によってコントラスト照明効果に設定されても良い。このことは、ユーザ38に該選択された領域についてのフィードバックを与える。
【0051】
入力装置18において、照明効果を変更するため、幾つかのインタラクション方法が使用され得る:
−指し示された位置において効果(のセット)の色相、彩度及び強度を変更するためのボタン。
−これらのパラメータは、入力装置18を上下に動かすことにより、及び当該動きを検出する加速度計を用いることにより、変更されても良い。
−「ドラッグ」操作(効果を移動させる又は領域を選択するために必要とされる)を実行するためにボタン又はその他の入力方法が使用されても良い。
−指し示された照明効果の色相、彩度及び強度を示し、当該色相、彩度及び強度をユーザが満足する値に変更することを可能とする、タッチスクリーンの色相環又はその他の構成。
【0052】
或る領域が選択されたときの、色相、彩度及び強度の表示値は、平均値であっても良いが、最小値又は最大値であっても良い。効果を平滑化又は鮮明化するため、極値の分布を弱める又は強めることも可能である。
【0053】
本発明は、例えば20個よりも多い数多くの照明器具が存在するような環境、複雑且つ多様な照明基盤を持つ将来の家庭、店内、公共空間、照明シーンが生成されるロビー、チェーン店(照明シーンが全ての店について生成される、単一の基準店が想到され得、照明シーンが展開されると、幾つかの微調整が必要となり得る)において使用され得る。インタラクションは、向き変更可能なスポットの位置を調整するのにも有用である。これらスポットは主に、店内(マネキン)、アートギャラリー、映画館及びコンサートのステージにおいて使用される。
【0054】
本発明の典型的な用途は例えば、初めからの照明シーンの生成(領域が特定され効果がゼロから所望の値まで増大させられる)、及び他の生成方法により生成された照明シーンの没入型の微調整である。
【0055】
本発明の機能の少なくとも幾つかは、ハードウェアによって実行されても良いし又はソフトウェアによって実行されても良い。ソフトウェアによる実装の場合には、単一の又は複数の標準的なマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラが、本発明を実装する単一の又は複数のアルゴリズムを処理するために使用されても良い。
【0056】
「有する(comprising)」なる語は他の要素又はステップを除外するものではなく、「1つの(a又はan)」なる語は複数を除外するものではないことは、留意されるべきである。更に、請求項におけるいずれの参照記号も、請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現実の環境における或る位置を指し示すことにより前記位置を検出するように構成された入力装置から、現実の環境における現実の位置を示すデータを受信し、前記現実の位置において所望される照明効果に関連するデータを受信するためのインタフェースと、
前記現実の位置を現実の環境の仮想的なビューの仮想的な位置にマッピングし、前記仮想的な位置において利用可能な照明効果を決定するための照明効果コントローラと、
を有する、インタラクティブな照明制御システム。
【請求項2】
前記仮想的な位置において利用可能な照明効果に基づいて、前記現実の位置において前記所望される照明効果を生成するための、照明基盤のための制御設定を算出するための照明効果生成器を更に有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記入力装置は、
前記位置を赤外線発光ダイオードの検出された位置から導出するように構成された第1の入力装置と、
前記位置を符号化されたビーコンの検出された位置から導出するように構成された第2の入力装置と、
カメラにより検出される懐中電灯と、
カメラにより検出されるレーザポインタと、
のうちの1つ以上を有する、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
カメラと、前記カメラから受信されたビデオデータを処理し、前記入力装置が指し示した前記現実の環境における位置を検出し、前記検出された現実の位置を更なる処理のために前記照明効果コントローラに出力するように構成されたビデオ処理ユニットと、を更に有する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記インタフェースは、照明効果入力装置から前記現実の位置において所望される照明効果に関連するデータを受信するように構成された、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記照明効果コントローラは、前記仮想的なビューにおける前記仮想的な位置に基づいて前記現実の位置において利用可能な照明効果を示し、利用可能な照明効果を前記入力装置、ディスプレイ装置、及び/又はオーディオ装置にユーザへ示すために送信するように構成された、請求項1乃至5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記ディスプレイ装置は、照明効果を伴う静的又は動的なコンテンツが、照明効果入力装置による選択のために表示されるように制御される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記現実の位置において所望される照明効果に関連するデータは、
前記所望される照明効果が生成されるべき前記現実の位置のサイズについてのデータと、
前記照明効果が生成されるべき第2の現実の位置に、入力装置によってドラッグされた、第1の現実の位置における照明効果についてのデータと、
前記照明効果が移動されるべき第2の現実の位置に、入力装置によってドラッグされた、第1の現実の位置における照明効果についてのデータと、
特定の領域又はスポットにおける勾配効果又は減光効果についてのデータと、
のうちの1つ以上を有する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記照明効果生成器は、前記仮想的な位置に基づいて、前記現実の位置における照明に影響を与える前記照明基盤のランプを見出し、前記見出された前記ランプについての制御設定を算出するように構成された、請求項2乃至8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載のシステムのための入力装置であって、
前記入力装置が指し示した現実の環境における位置を検出するためのポインティング位置検出器と、
前記検出された位置を示すデータを送信するための送信器と、
を有する装置。
【請求項11】
前記入力装置が指し示した位置において所望される照明効果を入力するための照明効果入力手段を更に有し、所望される入力された照明効果に関連するデータが前記送信器によって送信される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
現実の環境における或る位置を指し示すことにより前記位置を検出するように構成された入力装置から、現実の環境における現実の位置を示すデータを受信し、前記現実の位置において所望される照明効果に関連するデータを受信するステップと、
前記現実の位置を現実の環境の仮想的なビューの仮想的な位置にマッピングし、前記仮想的な位置において利用可能な照明効果を決定するステップと、
を有する、インタラクティブな照明制御方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法を実行するように構成され、照明基盤を制御するためのインタフェースを有するコンピュータ。
【請求項14】
プロセッサが請求項12に記載の方法を実行することを可能とするコンピュータプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のコンピュータプログラムを保存する記録担体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−518382(P2013−518382A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550535(P2012−550535)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【国際出願番号】PCT/IB2011/050226
【国際公開番号】WO2011/092609
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】