説明

インタロゲータ及び同様のものを用いるインタロゲーション・システム

インタロゲータと共に用いる制御及び処理システム及び同様のものを用いるインタロゲーション・システム。一実施例において、制御及び処理システムは、参照コード1915と無線周波数識別(RFID)タグからの応答コード1925との相関をとり、そこから相関信号を提供する相関器1930を有する相関サブシステム1905を含む。制御及び処理システムは、RFIDタグの存在を相関信号の関数として確認する判定サブシステム1910を更に含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年3月3日に出願された、米国仮出願番号第60/549,853号、発明の名称「インタロゲータ及び同様のものを用いるインタロゲーション・システム」の利益を主張するものであり、参照のためここに引用する。本発明は、全般的に通信システムに関し、更に詳細には、インタロゲータ、無線周波数識別(RFID)オブジェクトを識別する方法、及び同様のものを用いるインタロゲーション・システムに関する。
【背景技術】
【0002】
在庫管理の又は同様の目的の資産追跡は、2、3例を挙げると、食品産業、衣料業界、及びかなり多数の製造部門など、多くの産業部門において用いられている。多くの場合、バーコード化されたタグ又はRFIDタグが資産に貼り付けられ、リーダーが、そのタグを読み、追跡されている資産を最終的に捜し当てるため、その品物に問い掛けをする(interrogate)。容易には採用されないが、心電図(Elektrokardiogramm(EKG))装置や他のモジュラー患者監視機器など、機器を追跡するために、類似のシステムが医療の環境で用いられ得る。
【0003】
特に注目すべきなのは手術の環境であり、そこでは、手術の準備のため、予め滅菌された、手術用具及び使い捨ての品々(まとめて手術用品と呼ぶ)の用具キットが手術施設(surgical suite)に運ばれる。この用具キットには、行われる手術の種類に基づいて、止血鉗子、クランプ、鉗子、はさみ、スポンジ、及び同様のものを含む手術用品一揃えが含まれる。通常、手術室ナースが、このキットから手術用品をはずし、手術台の後ろに置かれるバックテーブルの上にそれらを並べる。手術用品は、医師やサポートチームに届きやすく扱いやすいように、巻いたタオル地の上に並べられる。手術処置の経過中、手術用品は、手術台のそばの「メイヨー(Mayo)」スタンドに置かれることが多いが、使用されない手術用品はバックテーブルに残される。手術の経過中及び終了時に、すべての手術用品は、特に、患者の体内にいかなる手術用品も残さぬように、入念にカウントしなければならない。
【0004】
その結果、手術用品は手術処置の経過中に少なくとも3回カウントされるのが典型的である。第1のカウントは処置を開始する前に成され、第2のカウントは患者の閉創前に成され、第3のカウントは処置の終了時に成される。処置に複数の手術チームが配属される場合など多くの場合において、しばしば異なるスタッフ(例えば、外回りナース及び手術室ナース)が関与して、手術用品のカウントが更に多く成される。実際には、米国手術室看護協会(AORN)は、手術処置の推奨する業務の一部として手術用品の4回のカウントを勧めている。また、手術用品のカウントを把握し続けるため、手術用品のカウントを示す、ホワイトボードに走り書きした視覚的な記録などの原始的なシステム、又は他の一層進化したコンピュータ・カウント・システムなどを用いることが多い。
【0005】
通常、カウントするプロセスの間、手術施設の手術室の入退出は制限されるが、これによって貴重な専門スタッフを引き留めることになる。そのカウントで不一致があった場合、更なるカウントによって、必要であれば、患者の身体検査やX線検査によって解決しなければならない。カウントでの不一致の原因が、手術用品が患者の体内に残されたことであることは稀であるが、毎回の手術処置で生じるカウント及び再カウント、及び手術用品の紛失に関連する影響は、医療施設や専門職にとって重大な関心事である。
【0006】
このように、手術用品を手作業で何度もカウントすることは、時間がかかり、重要な専門スタッフの手をふさぎ、手術施設のダウンタイムにつながり、手術処置からスタッフの注意をそらし、患者が麻酔を受けている時間を延ばして死亡率や罹病リスクの増加につながり、関与するものすべてにとって概して不快なことであり、用具を患者の体内に残すという過失にもつながる。スタッフ、資本設備、及び手術施設自体に関連するこのような遅延の平均コスト超過が、処置当たり数万ドルに達し得ることはよく理解できるであろう。年間ベースで、手術施設に関連する生産性の損失はかなりの大きさであり、医療施設の収益を支えるために対処すべきである。
【0007】
上述の警告の程度と同等に、手術用品の紛失に関連する問題、特に患者体内への手術用品置き忘れは深刻な問題であり、医療過誤保険のコストに大きな影響を与える。実際、患者体内への異物置き忘れは、医療過誤の請求のカテゴリーの中で最もよく見られるものの1つであり、置き忘れ異物で最もよくあるのはスポンジである。それに従い、患者体内にスポンジ状の異物が残されることについて「gossypiboma」(gossypiumはラテン語で綿、bomaはスワヒリ語で隠れ場所のことである)として知られる診断がある。医療文献には、残されたスポンジが手術処理の数日、数ヶ月、或いはそれどころか数年後に見つかったことを示す報告が数多くある。
【0008】
スポンジは、たいてい4インチ四方又は2インチ掛ける4インチの長方形を覆う寸法のガーゼ状の材料でできているのが典型的である。かつてはスポンジは綿でできているのが一般的であったが、今では多数のフィラメント材料が用いられている。場合によっては、放射線不透過性材料(例えば、硫酸バリウム(BaSO4))のフィラメントが手術用スポンジに織り込まれるか、又は、この材料のタブが手術用スポンジに取り付けられる。このフィラメントやタブは、患者の体内にスポンジが存在するかどうかを判定する目的で、X線装置上に明確なシグネチャーを生成するために提供される。これは概して効果的であるが、これらのフィラメントやタブでもスポンジの位置特定を助けるのに100%効果的ではない。様々な研究者が、手作業によるカウントを補足するためのX線方式は当てにはならないことを報告している。
【0009】
また、スポンジが体内に長期間残った場合、放射線不透過性のフィラメントは、位置特定をすることだけでなく内部構造に沿うことすら難しくなり得る。X線検査よりもCT(computerized tomography)スキャンの方が効果的となり得ることを示唆する者もいる。これは、CTスキャン及び超音波診断は、スポンジによる密度の減少、及びスポンジ内に閉じ込められた空気や気泡の特徴的なパターンを検出し得るためである。放射線専門医の多くは、紛失したスポンジが見つかる問題について長年にわたり多くの論文を発表しており、これらは医療の分野では一般的に知られている。
【0010】
前述のように、品物をカウントすること、追跡すること、及び捜し当てることは他の分野で幅広く実践されており、より普及しており最も低コストのアプローチのうち2つは、種々の種類のバーコード技術及びRFID技術に関連している。バーコード技術と同様にRFID技術は、主に自動データ取り込みに用いられており、これまでのところ、これらの技術は手術用品のカウントとは一般的に適合していない。バーコード及びRFID技術が医療環境に適合しない原因は、液体や廃棄物で覆われた用品を識別することが前提であること、及び読み取り可能なタグを含めた手術用品の滅菌に関連する要件である。
【0011】
決して理想的とは言えない状況が一般的である、医療環境におけるRFID技術のアプリケーションの前述の制約を考慮しても、RFIDタグは多数の苛酷な環境に適合してきている。例えば、製薬業界では、RFIDタグは、摂氏120度を超えて一定時間の間製品を滅菌することが必要な製造プロセスを耐えている。RFIDタグでタグ付けされたスチール・ラックに製品が搭載されてオートクレーブ処理され、そのラックがコンベヤ上のオートクレーブを通過するというようなプロセスの開始時と終了時に、そのラックのID番号及び時間/日付スタンプが自動的に収集されるようになっている。RFIDタグは、摂氏120度を超える温度で1000時間以上耐えられるように特徴付けすることが可能である。これは、RFIDタグがオートクレーブ処理に関連する高温を含む過酷な環境にどのように耐え得るかの一例に過ぎないが、バーコード・ラベルがこのような処理に耐えることはありそうもない。
【0012】
識別タグやラベルは、医療の用途に関連する困難な条件に耐えることができるかもしれないが、手術用品又は任意の小型のデバイスに識別素子を取り付けることを目指すには、更に別の難題がある。RFIDタグは、機械的技術を用いることによってデバイスに取り付けられることが多く、或いは縫い付け技術で貼り付けることもある。RFIDタグのデバイスへの取り付けで、より一般的な形式は、カプセル封入又は粘着を含むボンディング技術によるものである。
【0013】
医療デバイスメーカーはボンディングのための複数のオプションを有しているが、生体適合性、結合強度、硬化特性、柔軟性、及びギャップ埋め能力などの分野において材料間に大幅な差異があることがある。使い捨て医療デバイス及び再使用可能な医療デバイスの両方の組立て及び製造において、多くのボンディング材料が用いられ、それらの多くは、米国薬局方クラス4(Class VI)規定に認証されている。これらの製品には、エポキシ、シリコン、紫外線硬化、シアノアクリレート、及び特殊なアクリルポリマー配合が含まれる。
【0014】
多くの場合、生体適合性のあるエポキシは、その靭性及び汎用性の特性のため魅力的な選択肢となる。エポキシは、強く耐久性のある結合を形成し、効果的にギャップを埋め、殆どの種類の物質に良好に付着する。医療用エポキシの一般的な用途には、幾つか例を挙げると、内視鏡のレンズの結合、使い捨てカテーテルの管へのプラスチック端の取り付け、移植可能な人工器官デバイスのコーティング、バルーン血管形成用のバルーンのカテーテルへの結合、及び冠動脈バイパス形成手術のためのダイヤモンド・メス刃の結合など、滅菌適合性を必要とする多くの用途が含まれる。このような広範囲の材料が利用可能であり、幾つかは、丈夫で、耐水性があり、ガス抜けが少なく、華氏600度までの温度範囲を超えても寸法的に安定である、高強度の結合を提供する。幾つかのエポキシは、オートクレーブ処理、放射、エチレンオキサイド、及び冷却(例えば、化学的)滅菌法など、繰り返しの滅菌に耐えることができる。
【0015】
前に述べたように、RFID技術でよく知られている用途には、航空会社の手荷物追跡の、又は在庫管理や盗難抑止のため多くの店にある「スマートラベル」が含まれる。時には、スマートラベルはRFID技術及びバーコード技術の両方を組み合わせることがある。タグにはバッテリーが含まれ得、典型的には、読み出し専用デバイスとしてのみ、又は読み出し/書込みデバイスとして機能する。RFID技術でそれほど知られていない用途には、盗難防止デバイスとして自動車のキー・チェーンに含まれるRFIDタグ、従業員の識別バッジ、刑務所の受刑者或いは娯楽やリクリエーション施設の利用客を識別及び追跡する、正確で安全な方法としてリストバンドに組み込まれるRFIDタグがある。医療分野の中では、RFIDタグは、患者や患者のファイル、従業員識別バッジ、血液バッグの識別、及び医療業務のための製品を製造するメーカーの工場内のプロセス管理を追跡する目的で用いられている。
【0016】
バッテリーを有さないRFIDタグ(即ち、受動デバイス)は、能動デバイスのものよりも小さく、軽く、安いのが典型的である。受動型RFIDタグは、典型的に、メンテナンスフリーであり長期間持続し得る。受動型RFIDタグは、比較的廉価であり、一般的に長さが1インチよりも短く、機密ガラスシリンダに封入したときの直径が約8分の1インチである。これらは近いうちにもっと小さくなることが最近の開発で示されている。RFIDタグは、非常に多くの数の固有のID番号(例えば、およそ18,446,744,073,709,551,616個の固有のID番号)を表す64ビット又はそれ以上のビットのデータで符号化することができる。符号化されるデータのこの数が、手術処置において又は資産追跡による恩恵を受ける他の環境において用いられる、あらゆる品物を識別するのに十二分な固有の符号を提供することは明らかである。
【0017】
RFIDインタロゲーション・システムの重要な特質は、搬送信号に識別情報を付ける技術に関連する信号処理に由来する多くのRFIDタグが、同時に問い掛けされ得ることである。関連する及び望ましい特質は、典型的に、RFIDタグ間に必要とされる最小間隔がないことである。衝突防止アルゴリズムを用いて、非常に厳しい読み取り範囲でも多数のRFIDタグが容易に識別され得、相互の離調(detuning)を避けるための最小間隔(例えば、5センチメートル又はそれ以下)のみが必要となるのが一般的である。バーコードを用いるシステムなど殆どの他の識別システムでは、通常は各デバイスに個別に問い掛けすることが強いられる。近接して配置された複数のRFIDタグに同時に問い掛けする能力は、大量の品物の迅速なインタロゲーションを要求する用途に望ましいものである。
【0018】
一般に、無線周波数識別の分野は、自動識別及びデータ収集の分野の中で最も早く成長している領域の1つである。RFIDシステムの普及の理由の1つは、RFIDタグを種々の多様なオブジェクト(「RFIDオブジェクト」とも呼ぶ)に付けることができること、及びRFIDタグの存在が実際に物理的にそのRFIDタグを見たり接触したりすることなく検出され得ることである。その結果、RFIDシステム用に多数のアプリケーションが開発されており、更に多くが日々開発されている。
【0019】
RFIDシステムのアプリケーションのパラメータは広範にわたって変化するが、一般的に3つの重要なカテゴリーに分けることができる。まず、RFIDタグを高速に読む能力である。2つ目のカテゴリーは、非常に多くの数のRFIDタグを同時に(又はほぼ同時に)読む能力が中心となっている。3つ目のカテゴリーは、拡大された範囲で、或いは無線周波数信号が実質的に減衰された状況で、信頼性を持ってRFIDタグを読む能力に由来する。多数のRFIDタグをほぼ同時に読む領域において大きな進歩が成されてきているが、(例えば、2001年7月24日に、ブラックらに付与された米国特許番号第6,265,962号、発明の名称「フィールド内の多数のRFIDトランスポンダ間の信号衝突を解決する方法」を参照されたく、参照のためここに引用する)、拡大された範囲で、或いは無線周波数信号が実質的に減衰された状況で、信頼性を持ってRFIDタグを読む能力の領域において大幅な改善の余地がまだ残されている。
【0020】
従って、当業界で必要とされているのは、先行技術の欠点を克服する、環境やアプリケーションに関わらずあらゆる種類の用品を識別及び捜索するためのインタロゲータ、インタロゲーション・システム、及び関連する方法である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0021】
インタロゲータ及び同様のものを用いるインタロゲーション・システムを含む本発明の有利な実施例によって、これらの及び他の問題は全般的に解決されるか回避され、技術的利点が全般的に達成される。一実施例において、インタロゲータは、参照コードと無線周波数識別(RFID)タグからの応答コードとの相関をとり、そこから相関信号を提供する相関サブシステムを有する制御及び処理システムを含む。制御及び処理システムは、RFIDタグの存在を相関信号の関数(function)として確認する判定サブシステムを更に含む。
【0022】
別の側面において、本発明は、RFIDタグに関連する応答コードを提供するRFID感知サブシステムと制御及び処理サブシステムとを含むインタロゲータを提供する。制御及び処理サブシステムは、参照コードと応答コードとの相関をとり、そこから相関信号を提供する相関サブシステムを含む。制御及び処理サブシステムは更に、RFIDタグの存在を相関信号の関数として確認する判定サブシステムを含む。インタロゲータは更に、金属オブジェクトの存在を表す金属シグネチャーを有する信号を提供する金属感知サブシステムを含む。制御及び処理サブシステムは、この信号から金属オブジェクトの存在を識別するように構成され得る。
【0023】
更に別の側面において、本発明は、コンピュータ・システムと、コンピュータ・システムのための信号を送信及び受信するトランシーバとを含むインタロゲーション・システムを提供する。インタロゲーション・システムは更に、RFIDオブジェクトのRFIDタグに関連する応答コードを提供するRFID感知サブシステムを有するインタロゲータを含む。インタロゲータは更に、参照コードと応答コードとの相関をとり、そこから相関信号を提供する相関サブシステムを有する制御及び処理サブシステムを含む。制御及び処理サブシステムは更に、RFIDタグの存在を相関信号の関数として確認する判定サブシステムを含む。インタロゲータは更に、トランシーバと通信する通信サブシステムを含む。
【0024】
前述の概要は、以下の本発明の詳細な説明をよりよく理解できるように、本発明の特徴及び技術的利点を大まかに概説したものである。本発明の特許請求の範囲の主題を形成する本発明のその他の特徴及び利点を以下で説明する。開示された概念及び具体的な実施例は、本発明の目的と同じものを実行するために別の構造又はプロセスを修正又は設計する基盤として、容易に利用可能であることは当業者には認められてしかるべきである。また、そのような等価の構造は、添付の特許請求の範囲に示した本発明の趣旨及び範囲から逸脱するものではないことは当業者には認められて当然である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明を更によく理解するために、添付図面に関連して以下の説明を参照する。
【0026】
現在の好ましい実施例の構成及び使用について以下で詳細に説明する。ただし、本発明は、多種多様な具体的なコンテキストにおいて具現化できる多数の適用可能な発明構想を提供するものであることは認められてしかるべきである。ここで説明する具体的な実施例は、本発明を構成し且つ使用するための具体的な方法を単に示すのであって、本発明の範囲を限定するものではない。本発明は、具体的なコンテキストにおける例示用の実施例、即ち、インタロゲータ、金属オブジェクト(即ち、金属を含むオブジェクト)及びRFIDオブジェクト(即ち、RFIDタグ又は無線周波数識別を含むオブジェクト)を識別する方法、及び同様のものを用いるインタロゲーション・システムに関連して説明する。
【0027】
一つの側面において、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータは、RFIDタグからの応答コードを読み、この応答コードを、スペクトラム拡散通信のコンテキストにおける拡散コードとして扱い、この拡散コードは、同じくスペクトラム拡散通信のコンテキストにおいて好ましくは単一のデータ・ビットであるRFIDタグの存在を含む。このアプローチによって達成される付加的な利得により、実質的に遮断されたRFIDタグ、及びインタロゲータから一層遠い距離に位置するRFIDタグの両方の検出プロセスの可能性が広がる。
【0028】
別の側面において、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータは、応答コードの振幅の固有の特徴が取り込まれ、そのRFIDタグに関連する固有度を増大させることができるように、多数の振幅ビット(例えば、少なくとも2つ)を有するRFIDタグの応答コードを読むことができる。このため、タグ識別(ID)コード部分を含む応答コードの固有度に加え、振幅情報がRFIDタグの或る種の「顕著な特徴(fingerprint)」として機能する。
【0029】
別の側面において、インタロゲーション・システムは、前初期化段階、初期化段階、及び後初期化段階で機能し得る。前初期化段階及び初期化段階のうちの一つの間、RFIDタグの応答コードに対応する参照コードが、インタロゲーション・システムのインタロゲータのメモリ(例えば、データベース)に記録(log)される。その後及び後初期化段階の間、インタロゲータの相関サブシステムは、参照コードとRFIDタグ(インタロゲータによってその後作動されるとき)からの応答コードとの間の相関をとり、その判定感度を向上させる。
【0030】
別の側面において、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータは、一層高いレベルの感度を得るため、合成により得られる、RFIDタグの応答コードに対応する参照コードを用い得る。本明細書に説明したように、RFIDタグに関する振幅情報は、RFIDタグの存在を検出するため、入力される応答コードに対して相関をとるための参照コードを生成するために用いられ得る。特定の種類のRFIDタグの振幅、位相、及び遅延(励起信号に応答するタイミング)情報は、合成参照コードを得るためにインタロゲータによって用いられ得る。
【0031】
合成参照コードを生成する一実施例は、特定の部類のRFIDタグに対し、論理「0」及び論理「1」をプリロード(preload)することであり(論理「0」及び論理「1」の例示用の実施例については図12参照)、プリロードされる情報は、特定の種類のRFIDタグについて上述したように、固有の振幅、位相及び遅延情報を含む。プリロードされた情報は、合成コードを構成するために個別の構成要素(building block)として用いられる。初期化の間、RFIDオブジェクトが、従来の方式で読むことができるような、扱い易い信号状況(即ち、高い信号対雑音比)で典型的に読まれるとき、完全なRFIDタグ・コード又はデジタル・シグネチャーが得られる。更に、初期化プロセスの一部として、完全なデジタル・シグネチャー及びプリロードされた論理「0」及び論理「1」を用いて、インタロゲータによるRFID問い合わせに対するRFIDオブジェクトの応答の表示が、デジタル・シグネチャーのビット(「0」又は「1」である)から開始して、1度に1ビットが合成により構成され、それにより(論理「0」及び論理「1」を用いて)合成コードの対応ビットが構築される。
【0032】
同様の方式で、合成コードの別のビットが決定され、他方のビットに連続する場合、上述の第1のビットに追加される。このプロセスは、デジタル・シグネチャーの少なくとも一部に対応する合成コードが生成されるまでビット単位で継続する。場合によっては、RFIDオブジェクトの予想される応答全体を合成により構成することが好ましいこともあり、本発明は、RFID応答の一部のみだけでなくRFID応答全体が合成により生成される場合も包含する。論理「1」及び「0」のプリロードは、各初期化段階の一部として生じてもよく、或いは、制御及び処理サブシステムのメモリ内に不揮発性の形式で含まれてもよい。これらは、インタロゲータの通信サブシステムを介して、入力及び更新されるのが典型的である。インタロゲータは、このような要素のセットを1つ又はそれ以上含み得る。参照コードを合成により生成する又は参照コードを合成により部分的に生成することに加え、インタロゲータは、初期化段階中にRFIDタグを直接走査することによって参照コードを生成することもできる。
【0033】
別の側面において、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータは、参照コード及びRFIDタグからの応答コードの多数のシーケンスのノン・コヒーレント統合(integration)を用いる。それに従い、(参照コードの)参照ビット及び(応答コードに対応する)サンプル・ビットは、インタロゲータの相関サブシステムの相関器内でラッチされ、ビット対ビットで相関がとられる。相関器からの信号は、相関閾値感知(sense)によって処理され、その閾値は相関オペレーションの閾値を改善するために変更され得る。相関閾値感知の出力は、その後加算器に入力され、これは、多数の送信及び検出の後、RFIDタグの存在を最終的に判定するためにインタロゲータの判定サブシステムに入力される。
【0034】
別の側面において、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータは、参照コードとRFIDタグからの応答コードの使用中の部分(on portions)との間の相関を行い、RFIDタグの存在の表示を提供する、相関サブシステムを含む。例えば、応答コードのプリアンブルの相関は、検出感度の9デシベルの増加(例えば、8ビットのプリアンブルの場合)を提供する。プリアンブルのみの使用では、RFIDタグを固有に識別することはないが、比較的高い確率でRFIDタグの存在が示される。従って、多数のRFIDタグの応答コードが同一のプリアンブルを有していてもよく、インタロゲータは、RFIDタグの存在を示すために参照コードを応答コードのプリアンブルに対して相関をとる。プリアンブルでもアプリオリな知識は、インタロゲータの感度を増加させるために相関オペレーションを更に向上させる。もちろん、相関サブシステムは、参照コードを、特定のアプリケーションに応じたRFIDタグの応答コード全体に対して相関をとるために用いてもよい。このため、インタロゲータは、RFIDタグからの応答コードの一部の相関をとるため、分析的な(discriminating)相関技術を用いる。この分析的な相関技術は、RFIDタグの応答コードの一部を利用して、その存在を反復して検出するために階層型検出技術も用いてもよい。
【0035】
別の側面において、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータは、閾値検出器に組み込まれた判定サブシステムを含む。閾値検出器は少なくとも2つの論理出力、即ち、論理「1」及び論理「0」を提供する。典型的に、閾値検出器の出力は、閾値基準を超える場合、所定の論理「1」又は「0」であり、閾値基準を超えない場合、反対の(alternate)論理「0」又は「1」である。選択された基準に従い、インタロゲータは、ユーザー・インタフェースを介して、RFIDタグが検出されたこと、RFIDタグが検出されていないこと、及び不確定であることの表示(少なくとも第3の状態が利用可能であるとき)を提供できる。後者の場合、RFIDタグの存在、その欠如、又は不確定の状態を判定するため、一層深い又は一層徹底した検出モードが用いられ得る。その結果、インタロゲータは、不明瞭になったRFIDタグを検出するために付加的なオーバーヘッド必要品を用いることなく、容易に利用できるRFIDタグを検出することができる。
【0036】
別の側面において、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータは、単一の相関器又は多数の相関器を備えた相関サブシステムを含む。後者の場合、多数のRFIDタグを同時に検出するために多数の相関器を用いることができ、その場合、それらの多数の相関器は個別に動作するのが典型的である。代替として、多数の相関器は、単一のRFIDタグを見つけるために割り当てられてもよく、この場合、各相関器には、検索のために時間又は位相空間が僅かに異なる領域が与えられ得る。言い換えると、多数の相関器は、コード空間がオフセットされたRFIDタグに割り当てられ、コード空間(即ち、時間空間に対するビット又はチップ空間)の多数の位置で検索することが可能である。この実施例の場合、データレートよりも大きなクロックレートが好ましい。この一層高いレートは、信号処理利得を向上させるため、データに対し相関器を一層よく整合させるためにチップのプラス又はマイナスへの移動が用いられ得るように、チップ・レートと呼ばれることが多い。チップ・レートは一般に一層高いレートを指し、ここで、チップは、ビットの分数(a fraction of a bit)を表し、1つのデータ・ビットと同じ時間を占める「J」個の連続するビットを有し、チップ・レートはデータレートの「J」倍である。
【0037】
別の側面において、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータは、ダイバーシティ(diversity)から付加的な利得を得るための多数のアンテナを含む。それに従い、相関サブシステムの異なる相関器が、特定のアンテナに割り当てられ得る。その結果、インタロゲータは、空間ダイバーシティ、偏波ダイバーシティ、角度ダイバーシティ、及び時間ダイバーシティの恩恵を受けることができる。
【0038】
以下の記述において、本発明の原理を医療の環境に関して説明する。しかし、当業者であれば、本発明の原理は、小売業界のサプライチェーン管理システムなど、他の分野にも適用可能であることを理解されたい。
【0039】
まず図1を参照すると、本発明の原理に従って構成された、医療環境で用いることのできる通信システムの一実施例の略図が示されている。通信システムは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、イントラネット、エクストラネット、インターネット、ワールドワイドウェブ、公衆交換電話網(PSTN)、将来これらを拡張したもの(例えば、インターネット2)、又はこれらの組み合わせを含み得る通信ネットワーク105を介して、情報を配送、収集、及び処理する。本発明の目的のため、ワールドワイドウェブは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)を一般的に用いているインターネット上の全てのリソース及びユーザーと定義されている。本発明の一実施例において、通信システムは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)を用いてそれに接続される各デバイスと通信する。
【0040】
TCP/IPは二層のプロトコルである。上位層であるTCP(Transmission Control Protocol)は、メッセージ又はファイルの一層小さなパケットへのアセンブルを管理し、これらのパケットは、通信ネットワーク105上で転送され、それらのパケットをオリジナルメッセージへ再アセンブルするTCP層によって受信される。下位層であるIP(Internet Protocol)は、各パケットが正しい宛先に届くように各パケットのアドレス部分を処理する。通信システムの各ゲートウェイ・コンピュータは、そのメッセージを転送する場所を判定するためにこのアドレスをチェックする。同じメッセージからの幾つかのパケットは他のパケットとは別々に配送されるが、これらのパケットは宛先で再アセンブルされる。
【0041】
TCP/IPは、コンピュータ・ユーザー(クライアント)が要求をし、通信システムの別のコンピュータ(サーバー)によってサービス(ウェブページを送信するなど)が提供される、通信のクライアント/サーバ・モデルを用いる。TCP/IP通信は主としてポイント・ツー・ポイントであり、これは、各通信が、通信システムの1つのポイント(又はホスト・コンピュータ)から別のポイント又はホスト・コンピュータへのものであることを意味する。TCP/IP及びTCP/IPを用いる上位レベルのアプリケーションは、ひとまとめにして「ステートレス」であると言われる。これは、各クライアントの要求が、(通話の間、専用の接続を必要とする通常の電話の会話とは異なり)任意の以前の要求とは関連のない新しい要求であるとみなされるためである。ステートレスであるとそのネットワークパスは開放され、誰もがそのパスを継続して使うことができるようになる。任意の1つのメッセージが関連する限り、TCP層自体はステートレスであるとはみなされず、メッセージの全てのパケットが受信されるまで接続はその場に(in place)残ることを理解されたい。
【0042】
インターネット・ユーザーは、インターネットに到達するためにTCP/IPを用いる、更に上位の層のアプリケーション・プロトコルに精通している。この更に上位の層のアプリケーション・プロトコルには、ワールドワイドウェブのHTTP(Hypertext Transfer Protocol)、FTP(File Transfer Protocol)、テルネット(Telnet)(ユーザーがリモート・コンピュータにログオンできるようにするコマンド及びプロトコル)、及びSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)が含まれる。これら及び他のプロトコルは、TCP/IPと共に組み合わされることが多い。
【0043】
パーソナル・コンピュータ・ユーザーは、通常、SLIP(Serial Line Internet Protocol)又はPPP(Point-to-Point Protocol)を介してインターネットにアクセスする。これらのプロトコルは、従来のモデムなど、アクセス・プロバイダーの接続デバイスにダイヤル・アップ電話接続でIPパケットを送信できるように、IPパケットをカプセル化している。
【0044】
TCP/IPに関連するプロトコルには、UDP(User Datagram Protocol)、ICMP(Internet Control Message Protocol)、IGP(Interior Gateway Protocol)、EGP(Exterior Gateway Protocol)、及びBGP(Border Gateway Protocol)が含まれる。状況に応じて、特殊なネットワーク通信のために、TCPの代わりにUDPを用いることもできる。前述のプロトコル、即ち、ICMP、IGP、EGP、及びBGPは、ルーター情報を交換するためにネットワーク・ホスト・コンピュータによって用いられることが多い。
【0045】
TCP/IPは、インターネットのほかに、イントラネット及びエクストラネットと呼ばれるプライベート・ネットワークの通信プロトコルとしても用いられ得る。イントラネットは、企業(組織のオフィスビルなど)内に構成されるプライベート・ネットワークである。イントラネットは、多くの連結されたLANから成り得、WANの専用回線を用い得る。典型的に、イントラネットは、外部のインターネットへの1つ又はそれ以上のゲートウェイ・コンピュータ(図示せず)を介する接続を含む。イントラネットの主な目的は、従業員間で組織の情報及びコンピューティング資源を共有することである。イントラネットは、グループでの業務を円滑にするため、及びテレコンファレンスのために用いることもできる。
【0046】
イントラネットは、TCP/IP、HTTP、及び他のインターネット・プロトコルを用いるのが典型的であり、一般的に、インターネットのプライベート版のように見える。トンネリングを用いれば、組織は、イントラネットの一部分を別の部分に接続するために、公衆ネットワークを特殊な暗号化/復号化及び他の安全予防手段と共に用いて、公衆ネットワークを介してプライベート・メッセージを送ることができる。
【0047】
エクストラネットは、インターネット・プロトコルを用いるプライベート・ネットワークであり、或る組織の情報又はオペレーションの一部を、サプライヤ、ベンダー、パートナー、顧客、又は他の医療組織と安全に共有するために、公衆ネットワークを用いることができる。エクストラネットは、組織の外部のユーザーに拡張された、或る組織のイントラネットの一部と見ることができる。インターネットと同様に、エクストラネットもHTML、HTTP、SMTP、及び他のインターネット・プロトコルを用いる。
【0048】
エクストラネットには、ファイアウォールを用いることによって提供される安全性及びプライバシーも要求される。ファイアウォールは、安全性が維持されるように双方向のメッセージを遮蔽する能力を有するサーバーであるのが典型的である。ファイアウォール・サーバーは、デジタル証明書又はユーザー認証の同様の手段、メッセージの暗号化、及び公衆ネットワークをトンネリングする仮想プライベート・ネットワーク(VPN)の使用を用いる。
【0049】
医療組織は、電子データ交換(Electronic Data Interchange:EDI)を用いて、大量のデータをやりとりしたり、関連する施設間で情報を共有したりするために、エクストラネットを用いることができる。エクストラネットは、或る組織が、共同開発事業で他の組織と協働したり、トレーニング・プログラムを共同開発及び共同利用したりできるようにするために用いることもできる。エクストラネットを介して、或る組織が、医療機関の代わりに1つの組織によって管理される医療記録管理アプリケーションなど、1つの組織によって提供されるサービスを他の組織のグループに提供又はアクセスしたり、パートナー組織と排他的に共通の利益の情報を共有したりすることもできる。
【0050】
通信システムの医療環境内には、主たる医療施設120に配置されるサーバー110があり、主たる医療施設120は、サーバー110が、要求を受取り、特定のタスクを行い、少なくとも1つのデータベースの情報を検索及び更新し、通信システム上でサーバー110に送信された要求に応答することができるようにするシステムを含む。他の実施例において、通信システムは多数のサーバーを含んでいてもよく、多数のサーバーの各々が、特定のタスクを実行したり、同じタスクを実行したり、冗長システムとして機能したり、又はデータベース・サイトとして機能したりしてもよい。
【0051】
本発明の別の実施例において、サーバー110はアプリケーション・サーバーであってもよい。アプリケーション・サーバーは特化されたプログラムを含む分散型ネットワーク内の或るコンピュータであり、そのプログラムは、通信システム内のどこかに配置される少なくとも1つのアプリケーション・プログラム用のビジネス・ロジックを提供する。アプリケーション・サーバーは、グラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)・サーバー、アプリケーション(ビジネス・ロジック)・サーバー、及びデータベース及びトランザクション・サーバーから成る3層アプリケーションの一部と見られることが多い。「フロントエンド」とも呼ばれるアプリケーションの第1層は、通常、パーソナル・コンピュータ(PC)などのクライアント・コンピュータ又はワークステーションに配置され、ウェブ・ブラウザ・ベースのグラフィカル・ユーザー・インタフェースを含み得る。第2層は、ビジネス・ロジック・アプリケーション又はアプリケーションのセットであり、LAN又はイントラネット・サーバーに配置され得る。
【0052】
「バックエンド」とも呼ばれるアプリケーションの第3層は、データベース及びトランザクション・サーバーであり、メインフレーム又は大型サーバーに配置され得る。古い従来のデータベース及びトランザクション管理アプリケーションは、バックエンド、即ち、第3層の一部である。アプリケーション・サーバーは、ブラウザ・ベースのフロントエンド・データベース及びバックエンド・データベースと従来のシステムとの間の仲介役である。
【0053】
多くの場合、アプリケーション・サーバーは、ウェブ・サーバーと組み合わされるか又は共に機能し、「ウェブ・アプリケーション・サーバー」と呼ばれる。ウェブ・ブラウザは、ユーザーに対し、作成しやすいHTMLベースのフロントエンドをサポートする。ウェブ・サーバーは、アプリケーション・サーバーへ要求を転送し、修正された又は新しいウェブページをユーザーに送信するための幾つかの異なる方法を提供する。これらのアプローチには、CGI(Common Gateway Interface)、高速CGI、マイクロソフト社のASP(Active Server Page)、及びJSP(Java Server Page)が含まれる。場合によっては、ウェブ・アプリケーション・サーバーは、CORBAのIIOP(Internet Inter-ORB Protocol)などの要求「仲介」インタフェースもサポートする。
【0054】
通信システムは、従来のパーソナル・コンピュータ(PC)125、ワークステーション130、オフィス・コンピュータ・システム140、及びラップトップ・コンピュータ150も含む。他の実施例において、通信システムは、任意の数の、PC125、ワークステーション130、オフィス・コンピュータ・システム140、及びラップトップ・コンピュータ150を含んでいてもよい。本発明の一実施例において、PC125、ワークステーション130、オフィス・コンピュータ・システム140、及びラップトップ・コンピュータ150は、クライアント・コンピュータ・システムである。クライアント・コンピュータ・システムは、ユーザーが、情報にアクセスし、要求を出し、サーバー110に関連する機能を行うことができるようにするユーザー・インタフェースを含む。別の実施例において、オフィス・コンピュータ・システム140は、第2層タイプのコンピュータ・システムとして構成されてもよい。単なる例示の目的のため、PC125、ワークステーション130、オフィス・コンピュータ・システム140、及びラップトップ・コンピュータ150は、図示するように、主たる医療施設120、補助医療施設155、及び医師のオフィス160のいずれかに配置される。
【0055】
図示した実施例において、通信システムは、PDA(personal digital assistant)又はタブレットPCなどのハンドヘルド・デバイス170も含む。PDAとは、一つには、コンピュータ処理、情報蓄積及び検索能力を提供する任意の小型のモバイル・ハンドヘルド・デバイスに用いられる用語である。PDAは、スケジュール、カレンダー、住所録情報、及び医療情報を保持するためによく用いられる(PDAの例には、ヒューレット・パッカード社のPalmtop(商標)及び3Com社のPalmPilot(商標)がある)。タブレットPCは、ラップトップ・コンピュータに類似しているが、手書き認識能力を備えたコンパクトなデバイスである(タブレットPCの例には、Compact TC1000及びViewSonic V1100がある)。
【0056】
殆どのPDAには小さなキーボードがあり、ものによっては、手書きを受信及び認識することが可能な電子感知性パッドを有するPDAもある。アップル社のNewton(商標)は、市場から撤退しているが、手書きを認識するPDAで幅広く販売された最初のものだった。ネットワーク・プログラムやインターネット・アクセス・プログラムを含む多くのアプリケーションが、PDA用に書かれている。PDAは、無線通信のために電話やページング・システムと組み合わされることが増えてきている。幾つかのPDAは、Windows CE(商標)と呼ばれるマイクロソフト社のWindows(商標)オペレーティング・システムの変形物を提供している。他のPDA製品は、PalmOS(商標)など独自のオペレーティング・システム又はサードパーティのオペレーティング・システムを用いている。
【0057】
救急車などのIAV(individually addressable vehicle)180も通信システム内に配置される。IAV180は、個別にアドレス指定可能な無線ネットワーク・レシーバ及び/又はトランスミッタを備えたコンピュータを有することが可能な、任意の種類の車両を含み得る。例えば、インターネット端末を含む救急車はIAVであり、或いは患者情報を転送する無線レシーバ/トランスミッタ及びセンサーを備えたコンピュータがIAVの部類に入る。
【0058】
図示した実施例において、IAV180は、情報を要求するため、又はその車両の位置に関連する情報又は全般的な患者情報を検索するなどの特定の機能を行うため、通信システム内のサーバー110に要求を送ることが可能である。IAV180は、プッシュ・ボタン、タッチ・スクリーン、又はIAVとのユーザー・インタフェースを助けるためのこの2つの組み合わせなど、ディスプレイ(図示せず)及び入力デバイス(図示せず)を含んでいてもよい。
【0059】
通信システムには携帯電話190も含まれ得る。携帯電話190は、通信システムから検索し得る情報を示すことが可能なディスプレイを含む。携帯電話190は、サーバー110から情報を送信及び検索し、ネットワーク機能を備えた携帯電話の能力に関連する特化したタスクを行うことができる。一実施例において、携帯電話190は、ウェブページへアクセスすること、インターネットを横断すること、ウェブページに関連する情報をそのディスプレイに表示することが可能である。
【0060】
関連する技術に習熟した者であれば、本発明の原理は、上述の種類のデバイスと共に用いることに限定されないことは理解されよう。他の実施例において、通信システムは、IAED(individually accessible electronic devices)を含んでいてもよい。IAEDは、ネットワーク上で個別にアドレス指定することが可能なネットワーク・インタフェースを有する電子デバイスである。例えば、固有のネットワーク・アドレスを有するネットワークに接続された医療施設の医療用具は、IAEDの代表例である。
【0061】
また、関連する技術に習熟した者であれば、本発明の原理は、従来の配線による又は無線の通信ネットワークを介して用いることもできることも理解されよう。例として、主たる医療施設120内のPDA170は、Bluetooth規格Version 1.1に規定されたBluetooth通信環境、又は米国電気電子学会規格(Institute of Electronic and Electrical Engineers Specification)のセクション802.11に規定されたIEEE802.11通信環境と互換性のある無線リンクを介して、患者情報をワークステーション130に通信することが可能であり、これら両方の通信環境は、それら全体の参照のためここに引用する。もちろん、独自のシステムを用いるものを含むその他の既存の又は将来の無線規格を用いることもできる。ワークステーション130は、その後、配線による接続を介してサーバー110へ情報をダウンロードし得る。もちろん、医療施設内のネットワーク及び通信ネットワーク105自体も、配線による及び無線のセグメントを含んでいてよい。また、本発明の原理は医療環境の通信システムに限定されないことも明白である。例えば、本発明の原理は、小売業界のサプライチェーン・アプリケーションと連携して用いられ得る。
【0062】
通信システム及びネットワーク全般を更に良く理解するために、Theodore S. Rappaport著「無線通信、原理及び実践(Wireless Communications, Principles and Practice)」(プレンティスホール出版、1996年)、William C. Jakes編集「マイクロ波モバイル・コミュニケーション(Microwave Mobile Communications)」(IEEEコミュニケーションズ・ソサエティ、1993年)、及びJohn C. Proakis著「デジタル通信(Digital Communications)」(第3版、マグローヒル社、1995年)を参照されたく、これらは全てそれら全体の参照のためここに引用する。アンテナ設計及び通信などを含む通信システムを更に良く理解するためには、Richard Johnson、Henry Jasik共著「アンテナ・エンジニアリング・ハンドブック(Antenna Engineering Handbook)」、(マグローヒル社、1992年)、及びAndreas F. Molisch著「広帯域無線デジタル通信(Wideband Wireless Digital Communications)」、(ピアソン・エデュケーション、2000年)を参照されたく、これらも全体として参照によってここに引用する。
【0063】
次に図2を参照すると、医療施設の手術室内で用いることが可能な、本発明の原理に従って構成されたインタロゲーション・システムの一実施例を絵で表わした図が示されている。図示した実施例において、インタロゲーション・システムは、患者203がその上に載せられた手術台202、及び複数の手術用具205a及び使い捨て用品205b(スポンジなど)を収容するバックテーブル204を有する手術室内で用いられる。他の備品、例えば、メイヨースタンド、リングスタンド、付加的なバックテーブル、及びキックバケツも、手術室環境に慣れている者には知られており、何らかの量及び配置で存在する可能性がある。インタロゲーション・システムは、コンピュータ・システム210、コンピュータ・システム210に関連する信号を送信及び受信する手術室トランシーバ215、及びインタロゲータ(例えば、ポータブル・インタロゲータ)225を含む。インタロゲータは、テーブル(例えば、バックテーブル204)、スタンド、施設内の壁又は天井に貼り付けられてもよく、多数の調整されたシステム及びサブシステム、ハードウェア及びソフトウェア両方に組み込むことも可能であることを理解されたい。
【0064】
コンピュータ・システム210は、医療施設に関連するサーバーに接続されるクライアントとして機能してもよく、或いは代替例として、コンピュータ・システム210は、手術室201のみに専用のスタンドアロン・ユニットであってもよい。トランシーバ215は、コンピュータ・システム210とポータブル・インタロゲータ225との間に接続され、ポータブル・インタロゲータ225へ信号を送信しポータブル・インタロゲータ225からの信号を受信するために用いられる。
【0065】
図示した実施例において、トランシーバ215は、手術室201の角に近接して配置される第1、第2、第3、及び第4のアンテナ・エレメント216a、216b、216c、及び216dを有するアンテナ・アレイに配線による接続217を介して接続される、送信及び受信セクションを含む。アンテナ・アレイは、ポータブル・インタロゲータ225に含まれるインタロゲータ・アンテナ226を介してポータブル・インタロゲータ225と無線で通信するために、トランシーバ215によって用いられ得る。インタロゲータ・アンテナ226は、図示するように外部にあってもよく、又は代替例として、ポータブル・インタロゲータ225の本体に統合されてもよい。もちろん、手術室環境に関連する特殊なパラメータ又は特性に指示される通りに、更に多くの又はより少ないアンテナ・エレメントを含むその他のアンテナ構成、又は代替の配置を用いてもよい。また、ポータブル・インタロゲータ225を充電し、用いられないときポータブル・インタロゲータ225が置かれるのに安全な場所を提供する充電スタンド230は、ポータブル・インタロゲータ225のバッテリーを充電し、ポータブル・インタロゲータ225とコンピュータ・システム210との間のインタフェースを提供することが可能である。
【0066】
ポータブル・インタロゲータ225は、金属オブジェクトの存在を表す金属シグネチャーを有する第1の信号を提供する金属感知サブシステムと、RFIDオブジェクトの存在を表すRFIDシグネチャーを有する第2の信号を提供するRFID感知サブシステムを含む。図示した実施例において、金属感知サブシステムは、金属感知インタフェース及び金属感知アンテナを用いるように構成される。同様に、RFID感知サブシステムは、RFID感知アンテナ・インタフェース及びRFID感知アンテナを用いるように構成される。代替の実施例において、金属及びRFID感知サブシステムは、アンテナ・ダイプレクサ及び統合された感知アンテナを用いるように構成される。代替として、金属及びRFID感知サブシステムは、金属オブジェクトの存在を表す金属シグネチャーとRFIDオブジェクトの存在を表すRFIDシグネチャーのうち少なくとも1つを有する1つの信号又は複数の信号を提供する感知サブシステムに統合されてもよい。
【0067】
ポータブル・インタロゲータ225は、第1及び第2の信号の1つから金属及びRFIDオブジェクトのうち少なくとも1つの存在を識別する制御及び処理サブシステム(制御及び処理システムと呼ぶこともある)も含む。制御及び処理サブシステムは、前記金属及びRFIDオブジェクトのうち少なくとも1つの存在を識別するため、感知サブシステムからの(1つ又は複数の)信号の処理の調整をすることもできる。制御及び処理サブシステムは更に、金属及びRFIDオブジェクトのうち少なくとも1つの存在を識別するため、適応性統合フィルタを用い、観測値及びデータの1つと連携して(1つ又は複数の)信号の処理を調整し得る。ポータブル・インタロゲータ225は、トランシーバ215との通信を可能にする、インタロゲータ・アンテナ226に接続された通信サブシステムも含む。図示した実施例において、ポータブル・インタロゲータ225は、内部ユーザー・インタフェース227と、コンピュータ・システム210に接続される外部ユーザー・インタフェース228とを更に含む。ポータブル・インタロゲータ225は更に、ポータブル・インタロゲータ225の位置が決定され得るようにする位置センサーを含む。ポータブル・インタロゲータ225は、配線によるインタフェース、例えばUSB(Universal Serial Bus)ポートも有していてもよい。
【0068】
手術処置を開始する前、ポータブル・インタロゲータ225は、手術室201内の複数の手術用具205a及び使い捨て用品205bの在庫を確認するために用いられ得る。これは、手術を開始する前に、ポータブル・インタロゲータ225で、複数の手術用具205a及び使い捨て用品205bをスキャンすることによって成され得る。代替として、別個の資産管理システムがこの情報をポータブル・インタロゲータ225に提供してもよい。在庫の確認は両方のアプローチを用いてもよい。また、特定の種類の手術用具205aの存在は、医療専門家による要求に従い、スキャン動作を介して確認されてもよい。この要求は、コンピュータ・システム210を介して、又は医療専門家のPDAを介して手配され得る。手術処置の間、ポータブル・インタロゲータ225は、複数の手術用具205a及び使い捨て用品205bのあらゆる移動又は再配置を監視するために用いられ得、それにより、手術処置でのあらゆる用品の使用の間、位置追跡が提供される。
【0069】
更に、ポータブル・インタロゲータ225は、手術処置の前、最中、及び終了した後に患者203をスキャンするために用いられ得る。手術処置の前に患者203をスキャンすることにより、患者203内に既に存在する金属又はRFIDオブジェクトの位置が提供される。手術処置の最中に患者203をスキャンすることにより、複数の手術用具205a及び使い捨て用品205bの位置が、それらが意図された場所にあるというオペレーションの確実性がリアルタイムで提供される。手術処置の終了後に患者203をスキャンすることにより、残存する金属又はRFIDオブジェクトはすべて、意図されたもののみであるという確認が提供される。更に、ポータブル・インタロゲータ225は、任意の金属又はRFIDオブジェクトの位置の確認を更に支援するため、患者203について多数のスキャンをすることが可能である。
【0070】
ポータブル・インタロゲータ225は、独立した、又は統合されたオペレーション・モードの何れでも用いることができる。独立オペレーション・モードの場合、制御及び処理サブシステムは、ポータブル・インタロゲータ225のオペレーションを独立して遂行し、ポータブル・インタロゲータ225によってスキャンされている金属及びRFIDオブジェクトの存在を識別するために必要とされる、全ての分析アルゴリズムを提供し、全ての機能を行う。代替例として、統合されたオペレーション・モードは、トランシーバ215、アンテナ・アレイ、及びインタロゲータ・アンテナ226を介して無線で、又は配線によるインタフェースを通して、コンピュータ・システム210を用い、金属及びRFIDオブジェクトの存在を識別する際に制御及び処理サブシステムをサポートする。統合されたモードは、向上された解決策に組み込まれ得る、一層多くのセンサー及び感知された用品に対応し得る。統合されたモードは、典型的に、独立オペレーション・モードで用いられる場合よりも、一層広範囲のデータベース及びアルゴリズムの利用を可能にする。
【0071】
手術室201で用いられる移動可能な金属オブジェクトの大多数は、典型的に、様々な大きさ及び形状の手術用具又は鋭利なもの、又は患者203に手術で移植されることが意図された金属構造である。その他の金属オブジェクトには金属ワイヤを用いる使い捨てスポンジが含まれ得、その金属ワイヤにより金属感知サブシステムがそれらの使い捨てスポンジを検出することができる。金属オブジェクトの各々は金属シグネチャーを生成し、その金属シグネチャーによりポータブル・インタロゲータ225がそれを検出することができる。一般的に、金属シグネチャーは、それに関連する第1の信号が、形状、振幅、又は周波数スペクトルなど、金属が存在することを示す普遍的な特性を有するようにさせ得る。更に具体的には、金属シグネチャーは、第1の信号が、特定の種類の金属オブジェクトに実質的に固有な特定の特性を有するようにさせ得、それによって、更に一層固有に識別することが可能となる。
【0072】
RFIDシグネチャーは、第2の信号に関連するRFIDシグネチャーが、固有でありRFIDオブジェクトの形状又は大きさとは無関係である点で、金属シグネチャーと異なる。RFIDシグネチャーは、通常、その物体に付けられたRFIDタグ(例えば、そこにデータを含むRFID情報タグであり、その一つを207で示している)によって提供される。本明細書の説明のため、金属オブジェクトは金属を含むオブジェクトを指し、RFIDオブジェクトは、RFIDタグ又はそれに関連する何らかの他の無線周波数識別を含むオブジェクトを指す。例えば、RFIDタグが手術用金属用具に付けられる場合、ポータブル・インタロゲータ225は、一般的な又はその手術用金属用具に特有であり得る金属シグネチャーだけでなく、固有のRFIDシグネチャーも認識し得る。金属シグネチャーは、あるオブジェクトが金属オブジェクトであること、又はそれが手術用金属用具の一種であることを識別するために用いられ得る。一方、RFIDシグネチャーは、その金属オブジェクトがどの手術用金属用具であるかを正確に識別するために用いられ得る。また、金属ワイヤのみが組み込まれた使い捨て用品がそのような全ての用品に特有の金属シグネチャーを典型的に提供するのに対し、スポンジなどの使い捨て用品へのRFIDタグ付けは、各用品に固有のRFIDシグネチャーを提供することができる。
【0073】
内部ユーザー・インタフェース227は、英数字の又はグラフィカル・キャラクターを用いる一体型ディスプレイ、及びデータ又は情報を入力するためのタッチパッドを含むことが典型的である。内部ユーザー・インタフェース227は、可聴又は視覚的アラームも用い得る。図示した実施例において、外部ユーザー・インタフェース228は、ポータブル・インタロゲータ225及びコンピュータ・システム210に無線で接続される、モニター228a及びキーボード228bを含む。代替例として、外部ユーザー・インタフェース228をポータブル・インタロゲータ225に接続するために、ポータブル・インタロゲータ225の配線によるインタフェースが用いられてもよい。外部ユーザー・インタフェース228は、内部ユーザー・インタフェース227によって提供され得るよりも、一層広範な監視能力を促進しつつ、一層包括的なデータ入力能力を提供し得る。
【0074】
ポータブル・インタロゲータ225の位置監視は位置センサーによって提供され、位置センサーは、患者203、バックテーブル204、又は他の位置との相対的な位置の判定を可能にする。RFID位置マーカーが、鼻、へそ、ひざ、及びくるぶしなど、所定のベンチマーク位置で患者203上に配置され得、実質的に固有である患者の寸法(又は患者の特徴の位置)を提供し、患者の他の特徴的位置及び距離が更に一層正確に判定され得る。更に、RFID/金属較正マーカーが患者203上の他の場所に配置され得、ポータブル・インタロゲータ225が、患者203に関連する深さ又は他の適当な厚みを較正できるようにしてもよい。もちろん、RFIDマーカーは、例えば、バックテーブル、リングスタンド、メイヨースタンド、又は手術室内の適当と思われる任意の他の場所の品物に配置されてもよい。
【0075】
複数のポータブル・インタロゲータ225は、ネットワーク化されたインタロゲータ・オペレーション・モードを形成するため、無線で或いは配線によるインタフェースを介して、機械的に又は電気的に共に接続され得る。ネットワーク化されたインタロゲータ・オペレーション・モードにより、2つ又はそれ以上のインタロゲータがデータを共有及び協働することができる。この協働は、患者203に同時に用いられる複数のインタロゲータの調整を含み得る。代替として、この協働は、バックテーブル204上の用品に関連する情報など手術室201に関連する情報だけでなく、その医療施設環境内に位置する他の患者情報を調整することも含み得る。この協働作業は、リアルタイムで、又は一定期間にわたって成され得、独立モード、統合されたモード、又はこれらのモードの組み合わせで動作するインタロゲータを用いることができる。
【0076】
次に図3に移ると、医療施設の手術室内で用いることが可能であり、本発明の原理に従って構成されたインタロゲーション・システムの一実施例を絵で表わした図が示されている。図示した実施例において、インタロゲーション・システムは、患者303を伴った手術台302を含む手術室内で用いられる。しかし、当業者であれば、本発明の原理は他の業界及びオペレーション分野にも同様に適用可能であることを理解されたい。
【0077】
インタロゲーション・システムは、データベース311に接続されるコンピュータ・システム310、トランシーバ・アンテナ316を用いてコンピュータ・システム310に関連する信号を送信及び受信するトランシーバ315、及びインタロゲータ・アンテナ327を用いるインタロゲータ(例えば、ポータブル・インタロゲータ)325を含む。インタロゲーション・システムは更に、第1、第2、第3、及び第4のRFID位置マーカー330、331、332、333(まとめてRFID位置マーカー330〜333と呼ぶ)、患者303に取り付けられたRFID患者ブレスレット340、及び第1、第2、第3、及び第4のRFID/金属較正マーカー341、342、343、344(まとめてRFID/金属較正マーカー341〜344と呼ぶ)を含む。
【0078】
RFID位置マーカー330〜333は、患者303上の所定の位置に配置され得る。一般的に、RFID位置マーカーは、患者303の「位置固有」マッピングを提供し、このマッピングはここに示したものより多くの又は少ないRFID位置マーカーを用いてもよい。ポータブル・インタロゲータ325の掃査する(sweeping)動きと連携して用いると、RFID位置マーカーのうち2つのRFID位置マーカー間に位置する金属又はRFIDタグ付されたオブジェクトの存在を特定して識別することが可能となる。このため、ポータブル・インタロゲータの制御及び処理サブシステムは、金属及びRFIDオブジェクトのうち少なくとも1つの存在を識別するため、感知サブシステムからの(例えば、多数のスキャンから得られる)複数の信号の処理を調整するためにマルチスキャン、コヒーレント信号処理を用い得る。
【0079】
更に、ポータブル・インタロゲータ325の慣性位置センサーを用いることにより、これらの2つのRFID位置マーカー間のRFID又は金属オブジェクトの存在及び位置を一層高精度に判定することができる。この場合、ポータブル・インタロゲータ325の多数の掃査でのセンサー・データを統合することが可能であり、それによって、その感度及び検出品質を高めることができる。もちろん、特定の状況に適切なように、任意の数のRFID位置マーカーを使用及び配置することができる。
【0080】
RFID/金属較正マーカー341〜344は、固有のRFIDシグネチャー及び既知の量及び種類の金属を有する。これらは、典型的に、患者303の上には配置されず、足の下側や腕と胸の間など、患者303の下又は側面に配置される。ポータブル・インタロゲータ325が患者303上で掃査されるとき、RFID/金属較正マーカー341〜344は、オブジェクト識別の許容し得るレベルを提供するため、ポータブル・インタロゲータ325が必要とするインタロゲーションの種類及び感度を較正するために用いられ、それにより、オペレーションの向上された整合性を実現する。もちろん、特定の状況に適当なように、任意の数のRFID/金属較正マーカーを使用及び配置することができる。代替として、特定のアプリケーションに適切なように、RFIDのみ又は金属のみを用いる較正マーカーが用いられてもよい。
【0081】
RFID患者ブレスレット340は、患者303に関係する特定の情報を含む。RFID患者ブレスレット340は、ポータブル・インタロゲータ325によって、又は別の適当なデバイスによって読み取られる。特定の情報はその後、測定感度及び品質を更に改良させる目的で、ポータブル・インタロゲータ325又はコンピュータ・システム310によって利用され得る。例えば、体重40ポンドの7歳の女児患者に充分なインタロゲーションは、体重260ポンドの50歳の男性患者のものとはまったく異なり得る。患者303を識別するだけでなく、患者303に関連する特定のデータベース及び一般的情報を用いることにより、測定品質及び感度の改善が可能となる。データベース311を用いるコンピュータ・システム310が、統合されたオペレーション・モードにおいて用いられてもよく、或いはポータブル・インタロゲータ325は独立して機能してもよい。
【0082】
また、インタロゲーション・システムは、医療施設サーバー及び拡張されたデータベースを有し、共同し得、インタロゲーション・プロセスの一部として用いられるべき付加的な情報及びアルゴリズムを提供し得る。利用できるのは患者の特定の情報だけではなく、患者のタイプに関係する統計的情報も用いることができる。この情報は、医療施設サーバー内の包括的な信号処理のために用いられてもよく、又はこの情報のサブセットが、コンピュータ・システム310又はポータブル・インタロゲータ325自体の中で用いられてもよい。
【0083】
次に図4に移ると、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータ(例えば、ポータブル・インタロゲータ)の一実施例を絵で表わした図が示されている。ポータブル・インタロゲータは、ディスプレイ406、一群のタッチ・キー408を用いるタッチパッド407、及び可聴アラーム409を有する電子機器ハウジング405を含む。ポータブル・インタロゲータは、感知アンテナ・アセンブリ410、ハンドル415、及びインタロゲータ・アンテナ420も含む。
【0084】
感知アンテナ・アセンブリ410は、例えば医療環境の患者などに関連するRFID及び金属オブジェクトを感知するために用いられ得る、RFID及び金属感知アンテナ及びアンテナ・インタフェースを含む。電子機器ハウジング405は、金属感知サブシステム、RFID感知サブシステム、制御及び処理サブシステム、及び通信サブシステムを含む。金属感知サブシステム及びRFID感知サブシステムは、それぞれRFID及び金属アンテナ信号を受信し、信号処理のため制御及び処理サブシステムに接続されており、RFID及び金属オブジェクトがある場合、この信号処理の結果それらが検出される。また、金属感知サブシステム及びRFID感知サブシステムは、1つの感知サブシステムに統合されてもよい。制御及び処理サブシステムは通信サブシステムに接続され、通信サブシステムは、インタロゲータ・アンテナ420を用いて外部コンピュータ・システム、データベース、及びディスプレイと通信する。ディスプレイ406、タッチパッド407、及び可聴アラーム409は、統合されたユーザー・インタフェースをポータブル・インタロゲータに提供する。ここでも、インタロゲータを医療環境に関連して説明したが、当業者であれば、インタロゲータは他の環境で用いることもでき、この場合も本発明の幅広い範囲内にあることを理解されたい。また、特に医療環境におけるインタロゲーション・システムのアプリケーションに関する更なる情報のため、2003年3月3日に出願された、Volpiらの米国特許出願番号第10/378,043号、発明の名称「インタロゲータ及び同様のものを用いるインタロゲーション・システム」を参照されたく、参照のためここに引用する。
【0085】
次に図5に移ると、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータの実施例のシステム図が示されている。インタロゲータは、金属感知サブシステム505、金属感知アンテナ・インタフェース506、金属感知アンテナ507、RFID感知サブシステム510、RFID感知アンテナ・インタフェース511、RFID感知アンテナ512、制御及び処理サブシステム515、通信サブシステム525、内部ユーザー・インタフェース530、位置センサー535及び電源540を含む。図示した実施例では統合された金属及びRFID検出能力を提供するが、当業者に習熟した者であれば、インタロゲータの一部は、金属又はRFIDインタロゲータを提供するために省かれてもよく不作動(inactive)にされてもよいことを理解されたい。
【0086】
図示した実施例において、内部ユーザー・インタフェース530は、タッチパッド531、一体型ディスプレイ532、及びアラーム533を含み、アラーム533は可聴アラート533a及び視覚的アラート533bの両方を含み得る。また、インタロゲータは、USB接続526又は無線接続527を介して、例えば、図示するように通信サブシステム525を通して接続された、外部ユーザー・インタフェース534(例えば、充電スタンド又はクレードルを含む)を用いる。外部ユーザー・インタフェース534は、内部ユーザー・インタフェース530と実質的に同等の要素を用い得る。しかし、ディスプレイ及びタッチパッド・エレメントは、一層大きく、機能は一層広範囲にわたり得る。
【0087】
金属感知サブシステム505は、金属感知アンテナ・インタフェース506及び金属感知アンテナ507に接続され、金属オブジェクトの存在を表すシグネチャーを有する第1の信号を提供するように構成される。RFID感知サブシステム510は、RFID感知アンテナ・インタフェース511及びRFID感知アンテナ512に接続され、RFIDオブジェクトの存在を表すシグネチャーを有する第2の信号を提供するように構成される。制御及び処理サブシステム515は、金属感知サブシステム505及びRFID感知サブシステム510に接続され、第1及び第2の信号のうち1つから、金属オブジェクト及びRFIDオブジェクトのうち少なくとも1つの存在を識別するように構成される。
【0088】
制御及び処理サブシステム515は、金属感知サブシステム505及びRFID感知サブシステム510のオペレーションを調整する。更に、制御及び処理サブシステム515は、金属オブジェクト・シグネチャーについて第1の信号を分析し、RFIDオブジェクト・シグネチャーについて第2の信号を分析する。金属オブジェクト・シグネチャーは、典型的に、金属感知サブシステム505に関連するフィールドの変化又は歪みによって作られる。RFIDオブジェクト・シグネチャーは、典型的に、RFIDオブジェクトに関連する識別データ・シーケンスとして作られる。第1及び第2の信号の分析は、その金属又はRFIDオブジェクトに関連する大きさ、形状、方位、尤度、位置、又は深さなどのファクターに基づいたシグネチャー・パラメータを用い得る。更に、この分析は、内部に又は外部に蓄積されている、金属又はRFIDオブジェクトに関連するデータを用いることもできる。
【0089】
制御及び処理サブシステム515は、通信サブシステム525、内部ユーザー・インタフェース530、及び位置センサー535にも接続される。位置センサー535は、典型的には、金属又はRFIDタグ検出を助ける目的で、慣性型であってもよく、インタロゲータの位置に関する2次元(2D)又は3次元(3D)情報のいずれかを提供し得る。図示した実施例において、通信サブシステム525は、外部トランシーバとデータを交換するために、アンテナに接続された送信及び受信回路を用いる。
【0090】
例えば、通信サブシステム525は、制御及び処理サブシステム515の能力を超え得る更に広範囲にわたる分析のため、金属及びRFIDシグネチャー情報を外部サーバーに送信するために用いられ得る。この分析の結果は、制御及び処理サブシステム515による最終的な処置のため、通信サブシステム525を介して戻される。代替として、制御及び処理サブシステム515は、制御及び処理サブシステム515によって局所的に利用されるべきシグネチャー・プロファイル又は分析アルゴリズムを求めて外部データベースを順次照会するために、通信サブシステム525を用いることもできる。
【0091】
内部ユーザー・インタフェース530は、インタロゲータとやりとりするユーザーが、そのアプリケーションに関連する入力を提供し出力を受信することができるようにする。位置センサー535は、制御及び処理サブシステム515と協働して、インタロゲータの位置が決定され得るようにする。電源540は、充電可能な又は交換式のバッテリーを用い、必要な作動供給電圧をインタロゲータに提供する。
【0092】
インタロゲータのユーザーは、タッチパッド531を用いて、オペレーション・モードを選択する、又は特定の金属又はRFIDオブジェクトについての情報の入力及び要求の両方をすることができる。一体型ディスプレイ532は、RFID番号を示すため、又はインタロゲータが金属又はRFIDオブジェクトの存在を検出していることを示すために用いられ得る。代替として、金属又はRFIDオブジェクトの存在を示すために外部ディスプレイ534が用いられてもよい。更に、一体型ディスプレイ532又は外部ディスプレイ534は、インタロゲータの移動又は掃査する動きに対する金属又はRFIDオブジェクトのプロファイル及び位置を判定するため、位置センサー535と連携して用いられ得る。可聴アラート533aは、特徴的なトーン又は合成された音声通信を含み得る。視覚的アラート533bは、点滅であってもよく、又は文字や図による表示を含む彩色された特徴であってもよい。視覚的アラート533bは、一体型ディスプレイ532、外部ディスプレイ534に関連してもよく、それらはスタンドアロンであってもよい。
【0093】
次に図6に移ると、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータの別の実施例のブロック図が示されている。インタロゲータは、金属感知サブシステム605、金属感知アンテナ・インタフェース610、金属感知アンテナ615、RFID感知サブシステム620、RFID感知アンテナ・インタフェース630、RFID感知アンテナ635、及び制御及び処理サブシステム640を含む。図示した実施例では一体化された金属及びRFID検出能力を提供するが、当業者に習熟した者であれば、インタロゲータの一部は、金属又はRFIDインタロゲータを提供するために省かれてもよく不作動にされてもよいことを理解されたい。
【0094】
金属感知サブシステム605は、金属感知デジタル・アナログ・コンバータ(DAC)606、金属感知送信増幅器607、金属感知受信増幅器608、及び金属感知アナログ・デジタル・コンバータ(ADC)609を含む。金属感知アンテナ・インタフェース610は、金属感知送信調整(conditioning)フィルタ611及び金属感知受信調整フィルタ612を含む。金属感知アンテナ615は、金属感知送信アンテナ616及び金属感知受信アンテナ617を含む。
【0095】
RFID感知サブシステム620は、RFID感知DAC621、RFID感知送信切り替えスイッチ622、第1のRFID感知送信増幅器623、第2のRFID感知送信増幅器624、第1のRFID感知受信増幅器625、第2のRFID感知受信増幅器626、RFID感知受信切り替えスイッチ627、及びRFID感知ADC628を含む。RFID感知アンテナ・インタフェース630は、第1及び第2のRFID感知送信調整フィルタ631、632、及び第1及び第2のRFID感知受信調整フィルタ633、634を含む。RFID感知アンテナ635は、第1及び第2のRFID感知送信アンテナ636、637、及び第1及び第2のRFID感知受信アンテナ638、639を含む。「高帯域」及び「低帯域」機能は、様々な種類のRFIDタグを検出するために必要とされる幅広い周波数範囲に対応するためにある。
【0096】
代替の実施例において、RFID感知ADC628機能又はRFID感知DAC621機能に、ミキシング又はヘテロダイン機能が含まれてもよい。これらの技術は当業者には既知であり、信号処理を一層望ましい周波数範囲に変換し、それによって、一層安価な又は一層容易に手に入る構成部品を用いることができるようにするために用いられ得る。また、第1及び第2の送信調整フィルタ631、632、及び第1及び第2のRFID感知受信調整フィルタ633、634の特定の性質及び機能は、制御及び処理のため、及び信号生成及び回復のために用いられる特定のアルゴリズムに従って変化し得る。更に、幾つかの実施例では、図示したフィルタの幾つか又は全てを必要としないこともある。
【0097】
図示した実施例において、制御及び処理サブシステム640は、ソフトウェア機能を変えることによってインタロゲータの特徴及び機能を容易に修正又は調整し得る、ソフトウェア定義型構造であってもよい。制御及び処理サブシステム640は、金属及びRFID感知サブシステム605、620の両方に正確な基準周波数を提供するため、水晶振動子を用いる。
【0098】
制御及び処理サブシステム640は、選択された金属感知オペレーション・モードに基づいて金属感知デジタル励起信号を生成し、この信号を金属感知DAC606に提供する。金属感知デジタル励起信号は連続するトーンの形式であり得る。代替として、デジタル励起信号は、振幅、周波数、又は位相が変化してもよく、波形デューティ・サイクルが100%より少ないパルス状のものであってもよい。金属感知デジタル励起信号の周波数は、一般的に5から100kHzの範囲である。鉄金属及び非鉄金属の両方の検出を最善にするため、異なる波形も用いられ得る。これらの波形は、金属の異なる寸法及び量に合わせて、及び患者の体内の異なる位置及び深さに合わせて選択され得る。これらの励起信号を生成する際に用いられるアルゴリズム関連情報は、制御及び処理サブシステム640の一部であってもよい。
【0099】
金属感知DAC606は、金属感知デジタル励起信号の振幅以外を、金属感知送信信号であるアナログ信号に変換する。このアナログ信号は金属感知送信増幅器607に提供され、ここで、アナログ信号は送信のため適正な振幅まで増幅される。金属感知送信増幅器607の出力は金属感知送信調整フィルタ611に提供され、金属感知送信調整フィルタ611は、全ての帯域外信号を充分に減衰させ、適正なインピーダンス・マッチングを金属感知送信アンテナ616に提供する。金属感知送信アンテナ616は、金属感知送信信号を発信する。
【0100】
金属感知送信アンテナ616及び金属感知送信信号の付近にある金属オブジェクトは、金属感知リターン信号を生成し、この金属感知リターン信号は、金属感知送信信号のフィールド特性の変化に基づき得る。フィールド特性は、特徴的な金属感知受信信号が、金属感知受信アンテナ617に当たりそれを励起するように、金属オブジェクトの付近で変化し得る。金属感知受信アンテナ617の出力は、金属感知受信調整フィルタ612に提供され、金属感知受信調整フィルタ612は、全ての帯域外エネルギーを充分に減衰させ、金属感知受信アンテナ617と金属感知受信増幅器608の間の適正なインピーダンス・マッチングを提供する。
【0101】
金属感知受信増幅器608は、金属感知受信信号を処理に充分なレベルまで増幅させ、それを金属感知ADC609に提供する。金属感知ADC609は、金属感知受信信号につりあった金属感知デジタル信号を制御及び処理サブシステム640に提供し、制御及び処理サブシステム640は、その金属感知デジタル信号が、金属感知アンテナ615に近接する金属オブジェクトの存在を表すシグネチャーを有するかどうかを判定する。
【0102】
制御及び処理サブシステム640は、選択されたRFIDオペレーション・モードに基づいてRFID感知デジタル励起信号を生成し、この信号をRFID感知DAC621に出力する。RFID感知デジタル励起信号は、RFIDタグを含む存在するRFIDオブジェクトを励起及び作動させるコードの形式であり得る。このコードに関連する搬送波周波数は2つの周波数帯域のうちの1つであり得る。第1の周波数帯域は約133〜135kHzに中心があり得、「低帯域」と呼ばれる。第2の周波数帯域は約10〜13MHzに中心があり得、「高帯域」と呼ばれる。代替として、約902〜928MHzの「高帯域」を用いてもよい。代わりに、133〜135kHz及び10〜13MHzの帯域が「低帯域」に組み合わされてもよく、幾つかの特殊な実装では単一帯域のみを必要とするものもある。周波数帯域は、選択されたRFIDオペレーション・モードに基づいて選択される。各周波数帯域は、存在するRFIDタグの異なる種類に対応し、その寸法又は他のファクターに基づき得る。一般に、RFID感知デジタル励起信号を生成するためのアルゴリズム関連情報は、制御及び処理サブシステム640内に含まれている。
【0103】
RFID感知DAC621は、RFID感知デジタル励起信号の振幅以外を、RFID感知送信信号であるアナログ信号に変換する。RFID感知送信信号は、制御及び処理サブシステム640によって制御されるRFID感知送信切り替えスイッチ622に提供される。RFID感知送信切り替えスイッチ622は、RFID感知送信信号を、そのRFID感知送信信号が「高帯域」であるか「低帯域」であるかに基づいて、それぞれ、第1のRFID感知送信増幅器623又は第2のRFID感知送信増幅器624に送る。第1のRFID感知送信増幅器623及び第2のRFID感知送信増幅器624は、「高帯域」及び「低帯域」信号の振幅を、送信のため適正な振幅まで増加させる。
【0104】
第1のRFID感知送信増幅器623は、「高帯域」信号を第1のRFID感知送信調整フィルタ631に提供し、第2のRFID感知送信増幅器624は、「低帯域」信号を第2のRFID感知送信調整フィルタ632に提供する。第1及び第2のRFID感知送信調整フィルタ631、632は、異なる中心周波数を用い、関連する帯域外信号を充分に減衰させる。更に、これらは、適正なインピーダンス・マッチングを、それぞれの第1又は第2のRFID感知送信アンテナ636、637に提供し、第1及び第2のRFID感知送信アンテナ636、637は、それぞれのRFID感知送信信号を発信する。
【0105】
第1又は第2のRFID感知送信アンテナ636、637の付近のRFIDタグを含むRFIDオブジェクトは、RFID感知リターン信号を生成する。RFID感知リターン信号は、それぞれ、適切な第1又は第2のRFID感知受信アンテナ638、639に当たり、それらを励起させてRFID感知受信信号を提供する。第1又は第2のRFID感知受信アンテナ638、639の出力は、それぞれ、第1又は第2のRFID感知受信調整フィルタ633、634に提供される。第1又は第2のRFID感知受信調整フィルタ633、634は、帯域外エネルギーを充分に減衰させ、それぞれ、第1又は第2のRFID感知受信アンテナ638、639と第1又は第2のRFID感知受信増幅器625、626との間の適正なインピーダンス・マッチングを提供する。
【0106】
第1又は第2のRFID感知受信増幅器625、626は、小さなRFID感知受信信号を処理に充分なレベルまで増幅させ、増幅されたRFID感知受信信号をRFID感知受信切り替えスイッチ627に提供し、このRFID感知受信切り替えスイッチ627は、制御及び処理サブシステム640によって制御される。制御及び処理サブシステム640は、送信された励起信号に基づき、RFID感知ADC628への入力のため、RFID感知受信切り替えスイッチ627を介して適切な受信パスを選択する。RFID感知ADC628は、RFID感知受信信号につりあったRFID感知デジタル信号を制御及び処理サブシステム640に提供し、制御及び処理サブシステム640は、そのRFID感知デジタル信号が、RFID感知アンテナ635の付近のRFIDオブジェクトの存在を表すシグネチャーを有するかどうかを判定する。
【0107】
次に図7に移ると、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータの代替の実施例のシステム図が示されている。インタロゲータは、金属感知サブシステム705、RFID感知サブシステム710、金属及びRFID感知アンテナ・ダイプレクサ712、金属及びRFID感知統合アンテナ714、制御及び処理サブシステム715、通信サブシステム725、ユーザー・インタフェース730、位置センサー735、及び電源740を含む。
【0108】
このインタロゲータは、図5のインタロゲータと類似しており、金属及びRFID感知アンテナ・ダイプレクサ712が、金属感知アンテナ・インタフェース506及びRFID感知アンテナ・インタフェース511に取って代わっている。更に、金属及びRFID感知統合アンテナ714が、金属感知アンテナ507及びRFID感知アンテナ512に取って代わっている。インタロゲータの全般的なオペレーションも、図5のインタロゲータのオペレーションと類似している。
【0109】
ただし、このインタロゲータは、金属感知及びRFID感知サブシステム705、710の両方に関連する送信パス及び受信パス間で金属及びRFID感知アンテナ・ダイプレクサ712を用いている。金属及びRFID感知アンテナ・ダイプレクサ712は、周波数選択機能及びインピーダンス・マッチング機能に対応している。同様に、金属及びRFID感知統合アンテナ714も、金属感知及びRFID感知サブシステム705、710の両方に関連する送信パス及び受信パスの両方で用いられる。金属及びRFID感知アンテナ・ダイプレクサ712及び金属及びRFID感知統合アンテナ714の更に詳しい説明は、図8に関連して以下に示す。
【0110】
次に図8に移ると、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータの別の実施例のブロック図が示されている。インタロゲータは、金属感知サブシステム805、RFID感知サブシステム810、金属及びRFID感知アンテナ・ダイプレクサ815、金属及びRFID感知統合アンテナ825、及び制御及び処理サブシステム830を含む。
【0111】
金属及びRFID感知アンテナ・ダイプレクサ815は、金属感知送信調整フィルタ816、金属感知受信調整フィルタ817、金属感知ダイプレクサ・スイッチ822、第1及び第2のRFID感知送信調整フィルタ818、819、第1及び第2のRFID感知受信調整フィルタ820、821、及び第1及び第2のRFID感知ダイプレクサ・スイッチ823、824を含む。金属及びRFID感知統合アンテナ825は、金属感知送信/受信アンテナ826及び第1及び第2のRFID感知送信/受信アンテナ827、828を含む。
【0112】
金属感知サブシステム805、RFID感知サブシステム810、及び制御及び処理サブシステム830のオペレーションは、図6のインタロゲータに関連して説明した、金属感知サブシステム605、RFID感知サブシステム620、及び制御及び処理サブシステム640と類似している。RFID感知サブシステム810は、好ましくはナイキスト速度の少なくとも2倍で動作する単一パスアナログ・デジタル・コンバータを含むが、同相信号及び直交位相信号に変換されるべき信号を分離させ、その後、それらに対し後続の処理を実行することによって、ナイキスト速度で動作するようにアナログ・デジタル変換プロセスを構成することも充分に本発明の幅広い範囲内にある。代替として、金属及びRFID感知サブシステム805、810は、金属オブジェクの存在を表す金属シグネチャー及びRFIDオブジェクの存在を表すRFIDシグネチャーのうち少なくとも1つを有する1つの信号又は複数の信号を提供する1つの感知サブシステムに統合されてもよい。
【0113】
ただし、このインタロゲータは、関連する送信及び受信信号間で共通のアンテナを共有する金属及びRFID感知統合アンテナ825を用いている。例えば、金属感知送信/受信アンテナ826は、金属感知ダイプレクサ・スイッチ822を介して、金属感知送信調整フィルタ816及び金属感知受信調整フィルタ817の両方に接続される。同様に、第1及び第2のRFID感知送信/受信アンテナ827、828は、第1及び第2のRFID感知ダイプレクサ・スイッチ823、824を介して、それらの対応するRFID感知調整フィルタに接続される。
【0114】
一般的に、送信増幅器からアンテナへ進む励起信号用に低損失パスを提供し、それに対応して、アンテナから受信増幅器への入力信号用に低損失パスを提供するように、ダイプレクサ・スイッチは従来の3ポート・デバイスとして構成される。時間ドメイン構成では、これらは簡単なスイッチング又はゲート制御(gating)によって達成され得る。継続モード構成では、これは、それらが所望のポートを通過するとき同相であり、所望でないポートを通過するとき位相が異なるように、適切に位相整合(phasing)させることによって達成され得る。
【0115】
金属及びRFID感知統合アンテナ825は、金属及びRFID感知機能に関連する送信信号の発信及び信号の受信の両方をするのに適したマッチングを提供する。個別のアンテナは、単一エレメントから構成されてもよく、又はそれら自体が多数のエレメントを備えた本質的に複雑なものであってもよい。アンテナは、不要な方向へ送信された及び不要な方向から受信された放射を抑制するように部分的に遮蔽されてもよい。例えば、患者の上又はバックテーブルやメイヨースタンドなど手術室の一部の上を通過するアンテナは、患者の方向及び近辺で最大の感度を有し、全てのその他の方向で最大の減衰を有するのが理想的である。
【0116】
次に図9に移ると、本発明の原理に従って構成された制御及び処理サブシステムの一実施例のブロック図が示されている。制御及び処理サブシステムは、周波数制御水晶振動子910を用いるデジタル・シグナル・プロセッサ905、ブートストラップ・メモリ915、フラッシュ・メモリ920、ランダム・アクセス・メモリ925、及び入力/出力インタフェース930を含む。
【0117】
制御及び処理サブシステムは、インタロゲータに関連する、デジタル信号処理機能、信号生成機能、制御機能、及び入力及び出力インタフェース機能を提供する。デジタル・シグナル・プロセッサ905は、単一の集積回路として、又はこの役割を実行する集積回路のグループとして組み込まれてもよい。また、当業者に習熟した者であれば、デジタル・シグナル・プロセッサ905は、デジタル・シグナル・プロセッサ・エンジン、組み合わせ型(combinatorial)ロジック及びソフトウェア、又はデジタル・シグナル・プロセッサ・エンジン、特定用途向け集積回路、グルー・ロジック(レベル・シフタ、トランスレータ、ドライバ、同期化器などを含む)及びソフトウェア、又は特殊用途のデジタル・シグナル・プロセッサ・エンジン、汎用エンジン及びソフトウェアに組み込まれ得ることを理解されたい。送信信号は、デジタル・シグナル・プロセッサ905内で生成され、デジタル・シグナル・プロセッサ905は信号同期化機能も含む。周波数制御水晶振動子910は、信号同期化機能のために適正なタイミングを提供する。
【0118】
ブートストラップ・メモリ915は、インタロゲータの始動、キーボードからのコマンドの受信、診断法の表示、及びデータ・ポートを用いることができるようにすることが可能な基本ソフトウェア・プログラムを含む不揮発性読み取り専用メモリである。ソフトウェア関連のシステム障害の場合、ブートストラップ・システム915は、インタロゲータを回復(即ち、リブート)させることができる。更に、どのようなソフトウェアがロードされるかに関わらず動作し得る基本システム診断も備えている。
【0119】
フラッシュ・メモリ920は不揮発性ランダム・アクセス・メモリであり、そこに、インタロゲータの現在のオペレーティング・システム及びプログラムがロードされる。フラッシュ・メモリ920の内容は、ブートストラップ・メモリ915に含まれる診断及びプログラムによって変更、更新、及びチェックすることができる。例えば、ランダム・アクセス・メモリ925をテストするため、診断がブートストラップ・メモリ915内に存在する。入力/出力インタフェース930は、制御及び処理サブシステムの一部であり、インタロゲータの外部ポートだけでなく、全ての他の必要な部分にアクセスし、ここで、一群のインタフェース接続935が典型的であると考えられる。
【0120】
一群のインタフェース接続935のデータI/Oポートにより、インタロゲータにロードされるべき特定のソフトウェアの、無線による又は配線を用いた、リリース又はアップグレードが可能となる。このようにして、インタロゲータの特性は、必要な又は適切なときに容易に変化させる又はアップグレードさせることができる。すべての信号処理判定及び信号生成開始は制御及び処理サブシステム内で発生するため、ソフトウェア定義型アーキテクチャがこの能力が提供し得る。
【0121】
同様に、このアーキテクチャにより、ハードウェアを修正することなく、既存のRFIDタグ及び金属検出に対し、既存のアルゴリズムのアップグレードや新しいアルゴリズムの組み込みが可能となる。従って、このインタロゲータは、将来開発されるRFIDタグを含む、種々の製造業者からの多数のタイプのRFIDタグを読むように適応させることができる、実質的に普遍的なインタロゲータとして用いられ得る。もちろん、これは、金属検出の改良及び付加も含む。
【0122】
提示した本発明の実施例は、使い捨ての及び使い捨てではない医療用具の検出及び監視に的を絞ってきたが、医療分野以外の代替の実施例及び将来のアプリケーションも想定している。これらのアプリケーションには、単一システム内で多数の異種のオブジェクトの検出を統合すること、及び異種の観測値を単一統合フィルタへ統合することが含まれる。更に、観測値を多数のデータベースとリアルタイムで統合させること、及びインタロゲータからの信号処理の一部をリアルタイムで肩代わりすることも含まれる。
【0123】
代替の実施例には、検出範囲の増大、厳しい環境での検出感度の向上、検出整合性の向上、検出されるべきものをダイナミックに選択するリアルタイム汎用性、及びたいてい異種の周波数で動作する多数の種類のRFIDタグ及び金属質オブジェクトの普遍的な同時検出が含まれる。これらのアプリケーション及び実施例は、例えば、在庫管理、サプライチェーン管理、及びセキュリティを包含し得る。
【0124】
本発明の原理に従ったインタロゲータ及びインタロゲーション・システムに関連する例示用の機能性が提供されたので、無線周波数識別能力を以下に更に詳細に説明する。送信機能及び対応するRFID受信機能に典型的に組み込まれる、少なくとも1つのRFID励起源を含むプロトコル独立型インタロゲーション・システム(例えば、RFIDインタロゲーション・システム)が説明される。送信及び受信機能は、ソフトウェア定義型アーキテクチャに組み込まれる制御及び処理サブシステム及び感知サブシステムを含むインタロゲータで用いられ得、ここで、信号処理の有意な部分(significant portion)は、入力信号及び任意の関連するノイズが適切にデジタル化された後、デジタル・ドメインで成される。インタロゲータは、現在利用可能なリーダーの検出閾値よりも実質的に低いレベルでRFIDオブジェクト(即ち、RFIDタグ又は無線周波数識別子を含むオブジェクト)から来る信号を正確に及び予測可能に検出及び読み出すことができる。
【0125】
本発明の原理に従ったインタロゲーション・システムの向上された感度は、幾つかの構成及び幾つかの異なる及び異種のアプリケーションにおいて利用することができる。このインタロゲータの柔軟性により、選択されたRFIDタグを「クワイエット(quiet)」のままにし、それ以外をアクティブにして「トーク(talk)」とすることができる。また、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータは、従来のリーダー・モードで動作するように、又はRFIDタグを検索するため「深い」又は「焦点の合った」検索モードを実行するために向上させた感度を用いるように構成され得る。「深い」又は「焦点の合った」検索モードにより、インタロゲータは、励起信号のエネルギーを増加させたり、RFIDタグの幾つかに「クワイエット」となるよう指令したり、インタロゲータの相関サブシステムの統合期間を増加させたり、ユーザーに或るエリアを一層念入りにスキャンするように指令したり、又は外部センサー(例えば、位置センサー)からの支援を増加させたりするように設定され得る。上述の機能は、ユーザーによって手動で設定されてもよく、又はインタロゲータによって自動で成されてもよい。
【0126】
更にインタロゲータのRFID感知機能に関連し、制御及び処理サブシステム、及びアンテナと連携するRFID感知サブシステムは、無線周波数励起信号を送信し、RFIDタグからの応答コードの形式の応答を受信し、必要なときは、その応答をデジタル化のため一層低い周波数にダウンコンバートする。RFID感知サブシステムのデジタル・アナログ・コンバータは、この応答をデジタル信号に変換する。このデジタル化は少なくとも1ビット量子化であるのが典型的である。振幅情報は典型的に1ビット量子化では保持されないが、応答の周波数情報は保持されるのが典型的である。1ビット量子化はスクエアリング(squaring)損失を受けるため、アプリケーションによっては、少なくとも2ビットを用いる量子化が望ましい場合もある。一層高いレベルの量子化は、スクエアリング損失を減少させ特定のRFIDタグの固有の振幅特性をも得る振幅情報を取り込み、これが検出感度を向上させる。
【0127】
デジタル化された信号は、制御及び処理サブシステムのデジタル・シグナル・プロセッサに入力される。付加的な外部センサー、例えば、静止しているRFIDタグに関連するインタロゲータの動きに注目することにより検出を支援することが可能な慣性位置センサー、を用いることにより、デジタル信号処理が向上し得る。制御及び処理サブシステムは、RFIDタグが存在するか存在しないかを判定する。インタロゲータを形成するシステム及びサブシステムは、システム・モード、検出モード、及び全ての他の関連する機能を含む制御及び処理サブシステムによって制御される。ユーザー・インタフェース及び通信サブシステムは、人間とコンピュータ・システムとのやりとりのために提供される。
【0128】
次に図10に移ると、本発明の原理に従った無線周波数識別に関連する能力を示すインタロゲーション・システムの実施例のブロック図が示されている。インタロゲーション・システムは、RFID感知サブシステム1020と、RFIDタグ1005を作動させ、その後、RFIDタグ1005からの符号化されたRFエネルギー(反射される又は送信される)を受信、検出、復号する制御及び処理サブシステム1030とを含むインタロゲータ1015を含む。制御及び処理サブシステム1030は、インタロゲータ1015の機能だけでなく、任意のレポート機能の制御を全般的に提供する。インタロゲータ1015は更に、上述のように、ユーザー・インタフェース、通信サブシステム、電源、及び他のサブシステムを含む。
【0129】
また、インタロゲーション・システムは、多数のRFIDオブジェクト及び異なる種類のRFIDタグと共に用いることができる。例えば、RFIDタグは、受動型、能動型応答を有する受動型、及び完全な能動型であってもよい。受動型RFIDタグの場合、送信されたエネルギーは、そのRFIDタグ内のエネルギー蓄積デバイスに充電するためのソースを提供する。蓄積されたエネルギーは、RFIDタグからの応答に電力供給するために用いられ、マッチング・インピーダンス及びそれによるRFIDタグの反射率は、「1」及び「0」の符号化された形式に変更される。時には、RFIDタグは、そこからの応答を促進するためにバッテリーも含み得る。このバッテリーは、単に、上述のインピーダンス・マッチング/ミスマッチング・オペレーションに電力を供給するために用いられてもよく、或いはRFIDタグは、能動型送信機能を有することさえあり得、インタロゲータの周波数とは異なる周波数で応答することさえあり得る。現在用いることのできる又は将来開発される任意の種類のタグ(例えば、RFIDタグ)が、インタロゲーション・システムと連携して用いられ得る。また、RFIDオブジェクトは、それぞれがRFIDオブジェクトに関する異なる情報(例えば、オブジェクト特定の、又はオブジェクトの状態についてレポートするセンサー)を保持する複数のRFIDタグを含み得る。RFIDタグは、各回路がインタロゲーション・システムに有益となる、異なる符号化情報を含む複数の集積回路を含んでいてもよい。
【0130】
次に図11に移ると、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータによる問い合わせに対するRFIDタグからの応答コードの実施例のブロック図が示されている。この実施例において、応答コードは、3つのセクション、即ち、プリアンブル1105、ビット・エラーをチェックするための巡回冗長検査(CRC)1110、及びRFIDタグを固有に特定するタグ識別(ID)コード1115を含む。この例では、プリアンブル1105は8ビットを有する固定長であり、CRC1110は16ビットであり、タグIDコード1115は64又は96ビットのいずれかである。もちろん、応答コードのそれぞれのセクション及び応答コードを形成するセクションの長さは、付加的な又は異なるセクションの付加を含んで修正されてもよく、この場合も本発明の幅広い範囲に含まれる。
【0131】
インタロゲータは、特定のRFIDタグ及びRFIDタグに関連するデジタル・シグネチャーを一層明確に検出し識別するため、IDコード1115を用い得る。更に詳細には、応答コードの一部又は全体を用いてRFIDタグを検出することができる。一例において、インタロゲータは、RFIDタグの存在を検出するためにタグIDコード1115のみを用いてもよく、又は、RFIDタグを処理及び識別するために一層長く一層感度のよいデータストリームを生成するため、CRC1110から用いることのできる付加的なビットだけでなく、プリアンブル1105又は応答コードの他のセクションを用いることもできる。また、従来のリーダー・モードにおいて及び上述したように、RFIDタグは、入力RFエネルギーを介して、及びRFIDタグに関する任意の情報のアプリオリな知識なしに、検出され得る。この場合、入力信号及び最終的にはRFIDタグの存在を高い信頼性で検出するため、充分に確実な(positive)信号対雑音比(SNR)を生成するためにインタロゲータへの比較的強い信号入射(incident)が好ましい。
【0132】
次に図12に移ると、本発明の原理に従った、RFIDタグからインタロゲータへの応答の例示用の1ビットセルの波形図が示されている。論理「1」応答と共に、ゼロ符号化は、論理「1」を論理「0」と区別するための周波数偏移変調(FSK)変調フォーマットであるが、RFIDタグの後方散乱リターン信号のオン/オフの性質も、実際には振幅偏移変調(ASK)信号である。振幅のシフトはインタロゲータによって検出され、オペレーションの周波数が、その検出が論理「1」を表すか論理「0」を表すかを判定する。RFIDタグを更によく理解するため、マサチューセッツ工科大学(77 Massachusetts Avenue、Bldg 3-449、Cambridge MA 02139-4307)のAuto-IDセンター発表「テクニカル・レポート860MHz-930MHz Class I無線周波数識別タグ無線周波数及び論理通信インタフェース仕様書勧告候補(Technical Report 860 MHz-930 MHz Class I Radio Frequency Identification Tag Radio Frequency & logical Communication Interface Specification Candidate Recommendation)」、(Version 1.0.1、2002年11月)を参照されたく、参照のためここに引用する。
【0133】
後方散乱リターン信号はRFIDタグからの応答に組み込まれる。RFIDタグのアンテナへの任意のエネルギー入射がRFIDタグ内で消費(dissipated)され、従ってインタロゲータへ戻らないようにマッチングされた負荷(load)をRFIDタグが生成するとき、低い後方散乱リターン信号が生成される。一方、RFIDタグのアンテナへの任意のエネルギー入射がRFIDタグから反射され、従ってインタロゲータに戻るようにミスマッチングされた負荷をRFIDタグが提供するとき、高い後方散乱リターン信号が生成される。更なる情報については、Klaus Finkenzeller著「RFIDハンドブック」(ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社、第2版、2003年)、を参照されたく、参照のためここに引用する。
【0134】
次に図13に移ると、本発明の原理に従ったRFIDタグからの例示用の応答の波形図が示されている。この例示用の応答は、記録された送信1315及び扱い易い状況でのRFIDタグからの後方散乱リターン信号1320を含む。扱い易い状況では、RFIDタグからの応答は非常に強く、周囲ノイズ・レベル1310よりも実質的に高く、インタロゲータは、個別のビット毎ベースで応答を一層容易に検出することができる。
【0135】
次に図14に移ると、図13に示したRFIDタグからの応答に関連するスペクトル応答の波形図が示されている。図示するように、スペクトル応答は、扱い易い状況ではRFIDタグからの応答に従って強い信号を提供する。この信号には本質的に2つの別個の構成成分がある。第1の構成成分は強い後方散乱リターン1410であり、これは振幅が最も強く、応答の中央にある。第2の構成成分は、振幅が一層小さなFSK変調後方散乱リターン1415であり、一連のピークから成る。厳しい環境において、或いはより一般的には、RFIDタグがインタロゲータから一層広い範囲に位置するとき、又はRFIDタグが吸収性の又は反射性の材料によってインタロゲータから遮断されるときなど、RFIDタグからの応答がさほど強くないとき、RFIDタグからインタロゲータへの後方散乱リターン信号1415は実質的に弱められる。その結果、RFIDタグの検出及び識別が一層困難になり、誤った応答の確率を増加させることなく、劣悪な状況下で改善された信号対雑音検出能力に対応することが可能なインタロゲータ・アーキテクチャは利点となり得る。更に明白なことであろうが、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータ及びインタロゲーション・システムは、扱い易い状況での及び厳しい環境でのRFIDタグの信頼性の高い識別に対応する。
【0136】
例として、RFIDタグからの応答及びその存在が1ビットのメッセージである、即ち、RFIDタグが存在するか存在しないかのいずれかであると考える。その場合、RFIDタグの存在は論理「1」、RFIDタグが存在しないことは論理「0」となり得、或いはその逆となり得る。更に、応答コードのビット(例えば、図11の応答コードを参照)が1ビットのメッセージの拡散コードであると考える。拡散コードは、弱い信号の信号処理から付加的な利得を提供するためにスペクトラム拡散通信で用いられる。スペクトラム拡散技術を更によく理解するために、Roger L. Petersonらの著書、「スペクトラム拡散通信入門(Introduction to Spread Spectrum Communications)」(プレンティスホール出版、1995年)、及びGeorge R. Cooperらの著書、「現代の通信及びスペクトラム拡散(Modern Communications and Spread Spectrum)」(マグローヒル社、1986年)を参照されたく、これらは両方とも参照のためここに引用する。
【0137】
更に、参照コード(応答コード又はタグIDコードなどその一部を表すもの)がインタロゲータにプリロードされ、RFIDタグからの応答コード及び任意のノイズが、インタロゲータ内の相関サブシステムによって参照コードに対して相関がとられると仮定する。マッチングが生じると、インタロゲータ内でマッチングされた信号に対する利得[単位はデシベル(dB)]の増加は、以下に示す関係に従う。
【0138】
利得増加(dB)=10×Log10(N)
ここで、「N」は相関に用いられるビット数である。
【0139】
数値的な例で言えば、64ビットのタグIDコードを有するRFIDタグが相関に用いられる場合、利得は18.06dBとなり得る。また、96ビットのタグIDコード、8ビットのプリアンブル、及び16ビットのCRCを有するRFIDタグが相関に用いられる場合、利得は20.79dBとなり得る。この利得は上述のSN比の改善に対応する。
【0140】
次に図15に移ると、本発明の原理に従ったインタロゲータを用いた代表的な信号対雑音利得を示す波形図が示されている。典型的に、RFIDタグからの応答に関連する応答コードは、ビット毎ベースで読み出され、各ビットは個別ベースで検出される。理想的とはいえない状況下では、検出されたビット1510は、図15に図示するように、周囲ノイズ・レベル1525より僅かしか上回っていないことが多い。好ましくは、本発明に従って構成されたインタロゲータは、応答コード全体を読み出し、この応答コードを、単一のデータ・ビットのみであるRFIDタグの存在を含む、拡散コードとして扱う。このため、このアプローチによって達成される付加的な利得1515は、実質的に一層大きな信号1505を生成し、この信号が、遮断されたRFIDタグ及びインタロゲータから一層遠い距離に位置するRFIDタグの両方を高い信頼性で検出するプロセスの可能性を実質的に拡張する。
【0141】
検出閾値1520は、インタロゲータの有用性が覆されないよう、偽のアラームが容易に生じないようにノイズよりも充分に高いレベルであるべきである。同様に、検出閾値1520をあまりに高く設定することはインタロゲータの感度に有害な影響を与え得る。このため、インタロゲータの閾値を較正することにより、その検出感度に悪影響を及ぼすことなく閾値を設定する際の一層の許容度が提供される。付加的な検出感度は、幾つかの方法で有利となるように用いられ得る。例えば、付加的な検出感度は、減衰材料によって不明瞭にされたときRFIDタグを検出する検出範囲を増加させるため、又は検出(又は非検出)の統計的品質を実質的に改善させるために用いられ得る。このため、参照コードと、RFIDタグからの入力応答コード及び周囲ノイズとの相関をとることによって、RFIDタグからの応答コードが現在利用できるよりも実質的に低い信号レベルであるとき、RFIDタグの存在を信頼性を持って検出することができる。
【0142】
次に図16に移ると、本発明の原理に従ったインタロゲーション・システムの初期化段階の実施例のブロック図が示されている。オプションの前初期化段階の間、RFIDオブジェクト1610(A、B、C、…Nで示す)上のRFIDタグ1605の応答コードに対応する参照コードは、インタロゲーション・システムのインタロゲータ1615のメモリ(例えば、データベース)に記録される。その後、初期化段階の間、RFIDオブジェクト1610がインタロゲータ1615によってスキャンされ、そのとき、RFIDタグ1605の各個別の応答コードが読み出され、前初期化段階の間に記録された参照コードのデータベースに対してチェックされる。前初期化段階が実行されない場合は、RFIDタグ1605の応答コードに対応する参照コードは、初期化段階の間にデータベースに記録される。
【0143】
初期化段階の間、RFIDタグ1605の応答コードの識別が高レベルの感度を用いることなく実行され得るように、RFIDタグ1605は遮断されないのが典型的である。この方式で読み出されるとき、RFIDタグ1605の応答コードに対応するタグIDコード及び他のフィールド(参照コードとして機能し得る)は、多数の振幅ビット(例えば、少なくとも2つ)を用いて取り込まれ得る。これは、応答コードの振幅の固有の特徴をも取り込み、これらが、RFIDタグ1605に関連する固有度を増加させるために用いられ得、後続の相関オペレーションの間に用いることができるようにするためである。単一ビット検出も可能であり、本発明の幅広い範囲内にあるが、単一ビット検出は、そのスクエアリング損失の感度劣化を受ける可能性がある。インタロゲータ1605の感度を更に増加させるため、インタロゲータ1605は、周囲背景ノイズなどの環境に関連する特徴も取り込むこともできる。
【0144】
参照コードを生成するには幾つかの代替の方法がある。初期化段階の間RFIDタグ1605を直接スキャンすることによって、参照コードを形成するためにRFIDタグ1605に関する殆どの情報を得ることができる。代替として、参照コードは合成により得ることができる。参照コードを合成によって得るため、特定の種類のRFIDタグ1605の振幅、位相及び遅延(励起信号に対する応答のタイミング)情報が、合成参照コードを得るインタロゲータ1615によって用いられ得る。参照コードを得る別の技術は、1ビット量子化を用いて、参照コードを同様に合成により得ることである。振幅情報は1ビット量子化に保持されない可能性があるが、応答の周波数情報は保持されるのが典型的である。1ビット量子化はスクエアリング損失を受けるため、アプリケーションによっては少なくとも2ビットを用いる量子化が好ましい場合もある。一層高いレベルの量子化は、スクエアリング損失を低減させ特定のRFIDタグ1605の固有の振幅特性をも得る振幅情報を取り込み、これが検出感度を向上させる。
【0145】
代替の実施例において、RFIDタグ1605の応答コードに対応する参照コードは、キーボード又はデータ・ポートを介してデジタル的に入力され得、相関パターンは、各データ・ビットに対し1ビットを用いてデジタル・ドメインで生成され得る。振幅情報がこの状況下で取り込まれる又は用いられることは典型的ではないが、周囲ノイズ情報は、インタロゲータ1615の感度を増大させるために更に収集され得る。更に別の関連する実施例において、プリロードされた振幅情報は、RFIDタグ1605の応答コードの振幅特性にマッチングするインタロゲータ1615に入力され得る。その結果、RFIDタグ1605の応答コードに対応する参照コードのデジタル入力を利用しつつ、同時に、インタロゲータ1615の感度が向上する。その後及び後初期化段階の間、インタロゲータ1615の相関サブシステムは、その検出感度を向上させるため、参照コードとRFIDタグ1605(その後インタロゲータ1615によって作動されるとき)からの応答コードとの間の相関をとる。
【0146】
次に図17に移ると、本発明の原理に従ったインタロゲーション・システムの後初期化段階の実施例のブロック図が示されている。例示用の方式において、第1、第2及び第3のタグ付けされた品物のセット1705、1710、1715(RFIDオブジェクトとも呼ぶ)にわたってスキャンするインタロゲータ1720が示されている。ここで、タグ付けされた品物の第1のセット1705は、遮断されていないタグを表し、一方、タグ付けされた品物の第2及び第3のセット1710、1715は、遮断された、不明瞭にされた、又は一層遠いタグを表す。一般に、遮断されていないRFIDタグのスキャンは、インタロゲータ1720が高レベルの感度を用いることなく読み出すことができ、かなりの範囲(例えば、15〜20フィート)で読み出すことが可能である。このような状況では、インタロゲータ1720は相関オペレーションを用いない場合もある。これに対し、遮断された(遮断する媒体による、又は一層大きな範囲の)RFIDタグのスキャンは、インタロゲータ1720が一層高いレベルの感度を用いて実行することが好ましい。このような状況では、インタロゲータ1720は、参照コード(事前に記録された)とRFIDタグの応答コードとの間で相関をとるために相関サブシステムを用い得る。
【0147】
このような場合、インタロゲータ1720は、RFIDタグからの応答コードの小さな一部に対して相関をとり、RFIDタグの存在の表示を提供することが可能である。例えば、プリアンブルが8ビット長であるとき、このプリアンブルに対する相関は、検出感度の9デシベルの増加を提供する。プリアンブルのみを用いることでRFIDタグを固有に識別することはないが、これにより、高い確率でRFIDタグの存在が示される。もちろん、相関サブシステムは、特定のアプリケーションに応じてRFIDタグの応答コード全体に対して相関をとるために参照コードを用いてもよい。RFIDタグを固有に識別するために、ノン・コヒーレント平均化などの他の検出技術がインタロゲータによって用いられてもよい。
【0148】
次に図18に移ると、本発明の原理に従ったRFIDタグを検出する方法の実施例のフローチャートが示されている。このシステムは、まず始動され、システム立ち上げ及びセットアップ1805を実行する。その後、典型的に前初期化及び初期化段階1810が続く。上述のように、初期化段階の間、RFIDタグの応答コードに対応する参照コードがインタロゲータに記録される。RFIDタグの応答コードに対応する参照コードは、RFIDタグのIDコードと共に特定のRFIDタグ特性に注目して、インタロゲータによって読み込まれるか又はインタロゲータに記録される。これは、典型的に、参照コードをメモリにロードし、ロード・メモリ段階1815の間インタロゲータ内にログを構築することによって成される。その後及び後初期化段階の間、インタロゲータは、スキャン段階1820の間RFIDタグをスキャンし(これは単一のスキャンであってもノン・コヒーレント統合であってもよい)、検出段階1825の間、応答コードを介して、検出及びその検出の記録をする(これは、個別に及びグループで配置され得、ログとの相関がとられ得る)。
【0149】
インタロゲータによって行われる相関オペレーションは、参照コードとRFIDタグからの応答コードとの間で相関をとる。事前に記録されたが、相関オペレーションの間マッチングしない任意の参照コードは、フラグ(flagging)段階1830の間、インタロゲータのユーザーへのユーザー・インタフェース(可聴キュー(queues)又はアラームを含む)、コンピュータ・システムへの通信サブシステム、又は他の適切な技術を介して、フラグが立てられる(flagged)。アラートを介し、反復検索段階1835の間、事前に記録されたRFIDタグの応答コードに対応する参照コードが、後初期化段階の間に検出されたRFIDタグからの応答コードにマッチングするまで、付加された感度で検索が繰り返される。検索モードのインタロゲータに戻ると、これは、典型的に、RFIDタグの位置特定の最初の試みとなる。検索が反復されるとき、後で説明するように、多数のスキャン、高度に局地化されたスキャン、又はコヒーレント統合を含む他のアプローチが用いられ得る。
【0150】
次に図19に移ると、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータの制御及び処理サブシステムの一部のブロック図が示されている。制御及び処理サブシステムは、相関サブシステム1905及び判定サブシステム1910を含む。図示した実施例では相関サブシステム及び判定サブシステムは、そのデジタル・シグナル・プロセッサ内など、制御及び処理サブシステムの一部を形成するが、当業者に習熟した者であれば、これらのサブシステムは、インタロゲータの制御及び処理サブシステムの別個のサブシステムであってもよいことを理解されたい。
【0151】
上述のように、インタロゲータは、インタロゲータの感度を向上させるため、RFIDタグからの応答コード(全般的に1925で示す)に対応する参照コード(全般的に1915で示す)と、その後受信されデジタル化されたRFIDタグからの応答コードとの相関をとるため、相関オペレーションを用い得る。応答コードは、典型的に複素I+jQ信号として生成され、ここでIは信号の同相の部分を意味し、Qは信号の直交の対応部分を意味する。参照コードは、初期化段階の間にスキャンされるか、又は以降に説明するように合成により得られる。参照コードを合成によって得るため、特定の種類のRFIDタグの振幅、位相及び遅延(励起信号に対する応答のタイミング)情報が、合成参照コードを得るインタロゲータによって用いられ得る。相関は相関器1930で生じ、ここで応答コードと参照コードとの相関がとられる。相関は、数値的に、畳み込みオペレーションに類似する。畳み込み理論を更によく理解するには、John B. Thomas著「統計的通信理論入門(An Introduction to Statistical Communication Theory)」(ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社出版、1969年)を参照されたく、参照のためここに引用する。
【0152】
インタロゲータへの一連の入力データ(RFIDタグからの応答コードの形式の応答に対応する)は、参照コード・データベースにロードされたプリロード参照コードに対して適時に相関がとられる。代替として、入力データのサンプルは、インタロゲータによってブロック単位でゲート制御され得、その後、そのデータは参照コードに対しブロック方式で相関がとられる。後者の例において、ゲート制御するプロセスは、入力データを適切にゲート制御するために用いられる。このような状況では、インタロゲータによる問い合わせに関連するRFIDタグからの応答のタイミングのアプリオリな知識が、RFIDタグからの入力データ(即ち、応答)のブロックをゲート制御するプロセスに一層良好に役立つことが好ましい。RFIDタグからの応答に何らかの既知の遅延がある場合、この遅延は、初期化段階の間にインタロゲータにプリロードされ得る。位置センサー(例えば、慣性センサー)などの外部センサーは、RFIDタグからの応答のタイミングを予測する際に相関サブシステムを支援するために、インタロゲータによって用いられ得る。RFIDタグからの応答のタイミングを一層よく定義するために同期化パルス(送信励起信号から得られる)が用いられてもよい。
【0153】
参照コードの入力データとの個別の相関を表す、相関器1930の出力は、可算器1935に加算され、相関がとられた信号の信号対雑音比を改善するため、相関信号を提供する。加算器1935からの相関信号は、典型的に、RFIDタグの存在を確認するため、判定サブシステム1910内の閾値検出器1940に入力される。閾値検出器1940は、典型的に、相関信号を少なくとも1つの閾値基準又は値(閾値とも呼ぶ)と比較する。この閾値は固定されていても、ダイナミックに決定されてもよい。単一の閾値のみが存在する、例示用の一実施例において、加算器1935からの相関信号が閾値を超える場合RFIDタグは存在する、逆が真である場合存在しないと示される。他の実施例において、RFIDタグが存在するか存在しないかの尤度についての様々なレベルの確率を示すために、多数の閾値が用いられてもよい。この情報は、その後、残存する曖昧さを低減させるように、選択された又は付加的な検索モードを開始するために用いられ得る。
【0154】
RFIDタグからの応答のタイミングに関して、応答コードをトラッキングすることにより、応答コードがearly(早い)、prompt(プロンプト)又はlate(遅い)であることが示唆され得る。トラッキングが、応答コードがprompt(early及びlater出力よりも大きなprompt出力)であることを示唆する場合、ゲート制御機能は、有意な相関器出力を提供するように適切に整合される。トラッキングが、応答コードがearlyであることを示唆する場合、early相関器出力はlate相関器出力と比較すると有意であり、相関サブシステム1905が過度に早くトラッキングしており、必要とされる調整が成され得る。トラッキングが、応答コードがlateであることを示唆する場合、反対の調整が成され得る。
【0155】
別のアプローチは、後続の相関のためのゲート制御プロセスを構築するために過去の正常な検出パフォーマンスを用いる、トラッキング・ループを用いることである。RFIDタグからの応答コードの相関に関する更に別の実施例は、参照コードとRFIDタグからの応答コードのゲート制御されたサンプルとの両方に対して高速フーリエ変換(FFT)を実行することである。その後、畳み込み定理を用いて「フーリエ空間」の畳み込みオペレーションが実行され得る。畳み込み定理は、2つの関数の畳み込みはそのフーリエ変換の積であるとしている。相関オペレーションの出力は、典型的に、エンベロープ検出され、幾つかの出力が、各個別の検出の時間特性を保持する加算オペレーションで平均化され得る。
【0156】
次に図20に移ると、本発明の原理に従ってその例示用のオペレーションを示す、インタロゲータの制御及び処理サブシステムに関連する相関サブシステムの一部の実施例のブロック図が示されている。この実施例において、多数の相関の加算及び平均化プロセスを可能にする相関サブシステムに従って、「コーナー・ターニング・メモリ」と呼ばれる手法が用いられる。相関器の出力は、各行が単一の相関を示している行(そのうちの1つを2010で示す)毎にメモリに読み込まれる。その後、加算プロセス(これは、メモリ又はその機能を組み込む)からの出力は、適切なスケーリング係数を適用して、個別の列(全般的に2015で示し、このため、その名がコーナー・ターニングとなっている)にわたって加算することによって生成される。メモリからの出力は、相関サブシステムの「P」個の出力の平均を表し、ここで、「P」はコーナー・ターニング・メモリの行の数である。コーナー・ターニング・メモリのすべての行に信号が位置すると仮定すると、SNRの改善は「P」の平方根分増加する。
【0157】
このアプローチを用いると、インタロゲータのパフォーマンスを向上させるための幾つかのオプションが可能となる。例えば、異なる平均化時間の結果はほぼ同時に比較され得、インタロゲータのオペレーション・モードは、パフォーマンスを向上するために調整される。また、このアプローチにより、メモリからの出力が所定の時間期間にわたる平均であるように、(上述のような)スライディング(sliding)平均化手法が用いられ得る。また、コーナー・ターニング・メモリの利用に加え、他の平均化手法も充分に本発明の幅広い範囲内にある。
【0158】
次に図21に移ると、図19及び図20に関連して説明した相関サブシステムに関連する例示用の利点を示す波形図が示されている。図示した実施例において、従来の波形2115は、100回の実行し得る試みのうち少なくとも1つを読む従来のリーダーの所与の搬送波対雑音比(CNR)の検出の確率を表す。全部で100回の試験は相関サブシステムに従って平均化され、改善された波形2110は、インタロゲータの所与のCNRの検出の確率が増加されたことを表し、これにより28.06dBのSNRの改善を示している。これは、18.06dBが、長さ64ビットの電子製品コード(EPC:electronic product code)が用いられる相関オペレーションに因り、これに加え、付加的な10dBは、ノン・コヒーレント平均化に因ることを表す。相関オペレーションの1つの目的は、インタロゲータの出力又は平均化された出力がRFIDタグの存在を表すか否かを判定することである。本明細書で説明されるように、閾値検出器はその後、相関サブシステムからの相関信号を解析し、その出力がRFIDタグが存在するか否かを示すために、また、不確定である場合「一層深い」又は一層「焦点が合わされた」検索を行うために、充分な品質であるかどうかの判定を提供する。
【0159】
次に図22に移ると、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータの制御及び処理サブシステムに関連する判定サブシステムの実施例のブロック図が示されている。図示した実施例において、判定サブシステムは、それが相関サブシステムからの相関信号入力の状態を示すため、閾値検出器と呼ばれる。閾値検出器2220は、少なくとも2つの論理出力、即ち、論理「1」及び論理「0」を提供する。閾値検出器の出力は、閾値基準を超える場合、所定の論理「1」又は「0」であり得、閾値基準を超えない場合、反対の論理「1」又は「0」であり得る。要約すれば、RFIDタグが検出される場合、その入力が閾値を超えることを意味し、出力はイエスとなり、RFIDタグが検出されない場合、その入力が閾値を超えないことを意味し、ノーとなる。
【0160】
閾値基準の判定閾値は、以下に示すように幾つかの異なる方法で具体化され得る。
1.閾値基準は所定の固定値であり得る。
2.閾値基準は、RFIDタグを検出するために用いられる多数の作業及び平均化アルゴリズムに基づく時間変動値であり得る。
3.閾値基準は、上述のように、コーナー・ターニング・メモリの平均化に用いられる行の数に関連し得る。
4.閾値基準は、上述のように、初期化段階の間にその環境で検出される周囲状況(例えば、ノイズ)によって影響を受ける可能性がある。
5.閾値基準は、偽のアラーム又は検出見落としの許容レベルによって決定され得る。或いは
6.閾値基準は、制御及び処理サブシステムによって通り一遍の検索が指示されているか、或いは非常に包括的な「一層深い」又は一層「焦点が合わされた」検索が指示されているかによって決定され得る。
他の閾値基準が本発明の幅広い範囲内にあることは明らかである。また、閾値検出器2220の閾値基準内でノイズ・メータが用いられてもよい。
【0161】
また、RFIDタグが存在する又は存在しない状態を示すために2つ以上の出力が存在してもよく、一層低い基準と共に存在してもよい。例えば、RFIDタグが存在する「かもしれない」が、偽のアラームの統計的基準が合致していないかもしれないという表示が提供され得る。この情報は、ユーザー・インタフェース(例えば、ディスプレイ又はデータ出力)に有効であり得、ユーザー・インタフェースに提供され得、或いはこの情報は、インタロゲータのオペレーティング・モードを変更又は調整して、曖昧さを解決し後続の動作を指示するために制御及び処理サブシステムによって用いられてもよい。
【0162】
次に図23に移ると、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータの制御及び処理サブシステムに関連する相関サブシステムの実施例のブロック図が示されている。RFIDタグの応答コードに対応する参照コードに関連する、選択された数の参照ビットR1…RNがラッチされ、相関器2315の1つの入力に1度に1ビット供給される。得られた一連のサンプル・ビットT1…TN(RFIDタグからの応答コードのサンプル・ビットS1…SQに対応する)は、ほぼ同時に相関器2315に入力される。ゲート・クロック(gating clock)からのゲート・パルスは、相関器2315へのこれらの入力を適切なときに同期化させる。また、QからNへのオペレーション2325(ここで「Q」は、サンプル・ビットS1…SQを受信するシフトレジスタ2335の長さであり、「N」はラッチ2345の大きさである)が実行され、ここで、サンプリングされたビットS1…SQから得られたサンプル・ビットT1…TNが、相関サブシステムのラッチ2345に入力される。シフトレジスタ2335の出力に達するビットは、典型的に廃棄(discarded)される。
【0163】
参照ビットR1…RNと得られたサンプル・ビットT1…TNとの間の時間同期化が適正である場合、相関器2315からの信号は高度に相関がとられ得、相関閾値感知2350への大きな出力信号となる。また、この出力信号は、高レベルの相関の前及び後にある応答コードのビットに対応する、得られたサンプル・ビットT1…TNに対して振幅が変化し得る。時間同期化が適切でない場合又は応答コードが存在しない場合、相関機能は、ノイズのある出力を提供する。ゲート・クロックは、2つの信号間の適切な整合を検索するため、典型的に、時間及び位相でシフト可能である。適切な整合を達成するため、単一の相関器を用いる相関サブシステムは、励起信号の送信に関して時間及び位相にわたって検索することができる。代替として、多数の相関器を用いる相関サブシステムが、一層大きな位相及び周波数空間にわたって同時に検索するように、僅かに異なる時間及び位相設定に設定されてもよい。
【0164】
相関閾値感知2350は、図22に関連して図示され説明された閾値検出器に類似している。相関閾値感知2350の閾値は、典型的に、後続の処理で適度な平均化が生じ得るように非常に低く設定される。このコンテキストにおいて、相関閾値感知2350は、判定サブシステムへのプレフィルタと考えることができる。代替の実施例において、相関閾値感知2350は、判定サブシステムで実行されてもよい。相関閾値感知2350の出力はその後、可算器2355に入力され、可算器2355は、多数の転送及び検出(ノン・コヒーレント統合)の後、相関信号を判定サブシステムに提供する。
【0165】
例示用の実施例において、相関閾値感知2350は、参照ビットR1…RN及び得られたサンプル・ビットT1…TNに対しビット毎にオペレーションを実行する、排他的論理和関数からの出力を受信する。排他的論理和関数の多数の出力は、相関閾値感知2350に蓄積され、閾値と比較される。排他的論理和関数の出力が閾値を超える場合、相関三角波(triangle)のピークの位置の比較的良好な表示が提供される。その他の場合は、相関三角波のピークがサンプリングされたビットS1…SNの外にあるか、或いは相関三角波のピークがサンプリングされたビットS1…SN内の実質的に中心に位置していないことの比較的良好な表示が提供される。排他的論理和関数の蓄積された出力はその後、加算器2355に送信され、加算器2355は、更なる処理のためのコーナー・ターニング・メモリ(図20参照)を含み得る。コーナー・ターニング・メモリの環境において、排他的論理和関数の蓄積された出力の各々はコーナー・ターニング・メモリの或る行のデータ・ビット(D(1、P)など)を表す。
【0166】
閾値に関する例示用の相関三角波2365が、図23に図示されている。相関閾値感知2350内で、閾値検出器は、排他的論理和関数の蓄積された出力が閾値2370を超えるとき高い信号を提供し、その他の場合は低い信号を提供する。図23で図示するように、結果のパルス又は信号2375は、相関三角波2365のピークの位置を把握する(例えば、推定する)ために用いられ得る。
【0167】
次に図24に移ると、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータの制御及び処理サブシステムに関連する相関サブシステムの一部の実施例のブロック図が示されている。特に、この実施例は、QからNへのオペレーションを示し、ここで、「Q」はRFIDタグからの応答コードのサンプル・ビットS1…SQを受信するシフトレジスタ2410の長さであり、「N」はラッチの大きさである。RFIDタグからの応答コードを含む入力データは、応答コードの信号レートよりも高いレートでサンプリングされ、サンプリングされたビットS1…SQが生成される。その後、Jビットの連続する絶え間ないシーケンスを加算することによりQからNへの変換が生じ、ここでQ=J×Nであり、「J」は或るシーケンスでサンプリングされるビットの数である。その結果、得られたサンプル・ビットT1…TNがサンプル・ビットS1…SQから得られる。その後、得られたサンプル・ビットT1…TN及び参照ビットに適切なスケーリング係数が適用され、加算オペレーションを説明する(account for)。
【0168】
次に図25に移ると、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータの制御及び処理サブシステムに関連する相関サブシステムの別の実施例のブロック図が示されている。RFIDタグからの応答コードのサンプル・ビットS1…SQを含む入力データの長さがQからNに低減されている(前述の図24に関する説明を参照)、相関サブシステムの他の実施例に対し、この実施例では、NからQへのオペレーション2510から、得られた参照ビットのセットU1…UQを提供するため、参照ビットR1…RNの数が増加されている。NからQへのオペレーション2510は、図24に関連して図示され説明されたQからNへのオペレーションと実質的に逆である。その後、NからQへのオペレーションの出力は、相関器2525に入力される。また、相関サブシステムは、図23に関連して図示され説明された相関サブシステムに類似する出力結果を有する、一層高いサンプリング・レートを用いる(適切なスケーリング係数を適用した後)。
【0169】
ゲート・クロックからのゲート・パルスは、相関器2525への入力を適切なときに同期化させる。また、得られたサンプル・ビットT1…TQは、相関サブシステムのQビットのラッチ2530にラッチされる。これらのビットは、シフトレジスタ2540を介する、応答コードのクロック制御(clocking)の結果のサンプル・ビットである。シフトレジスタ2540の出力に達するビットは典型的に廃棄される。
【0170】
図23の場合のように、得られた参照ビットU1…UQと得られたサンプル・ビットT1…TQとの間の時間同期化が適正である場合、相関器からの信号は、高度に相関がとられ得、相関閾値感知2550への大きな出力信号となる。また、この出力信号は、高いレベルの相関の前及び後である、応答コードのビットに対応するサンプル・ビットT1…TQに対して振幅が変化し得る。時間同期化が適切でない場合又は応答コードが存在しない場合、相関機能は、ノイズのある出力を提供する。ゲート・クロックは、2つの信号間の適切な整合を検索するため、典型的に、時間及び位相でシフト可能である。適切な整合を達成するため、単一の相関器を用いる相関サブシステムは、励起信号の送信に関して時間及び位相にわたって検索することができる。代替として、多数の相関器を用いる相関サブシステムが、一層大きな位相及び周波数空間にわたって同時に検索するように、僅かに異なる時間及び位相設定に設定されてもよい。
【0171】
相関閾値感知2550は、図22に関連して図示され説明された閾値検出器に類似している。相関閾値感知2550の閾値は、典型的に、後続の処理で適度な平均化が生じ得るように非常に低く設定される。このコンテキストにおいて、相関閾値感知2550は、判定サブシステムへのプレフィルタと考えられる。代替の実施例において、相関閾値感知2550は、判定サブシステムで実施されてもよい。相関閾値感知2550の出力はその後、可算器2555に入力され、可算器2555は、多数の転送及び検出(ノン・コヒーレント統合)の後、相関信号を判定サブシステムに提供する。
【0172】
例示用の実施例において、相関閾値感知2550は、参照ビットU1…UQ及び得られたサンプル・ビットT1…TQに対しビット毎オペレーションを実行する排他的論理和関数からの出力を受信する。排他的論理和関数の多数の出力は、相関閾値感知2550に蓄積され、閾値と比較される。排他的論理和関数の出力が閾値を超える場合、相関三角波のピークの位置の比較的良好な表示が提供される。その他の場合は、相関三角波のピークがサンプリングされたビットS1…SQの外にあるか、或いは相関三角波のピークがサンプリングされたビットS1…SQ内の実質的に中心に位置していないことの比較的良好な表示が提供される。排他的論理和関数の蓄積された出力はその後、加算器に送信され、加算器は、更なる処理のためのコーナー・ターニング・メモリ(図20参照)を含み得る。コーナー・ターニング・メモリの環境において、排他的論理和関数の蓄積された出力の各々はコーナー・ターニング・メモリの或る行のデータ・ビット(D(1、P)など)を表す。
【0173】
閾値2570に関する例示用の相関三角波2565が、図25に図示されている。相関閾値感知2550内で、閾値検出器は、排他的論理和関数の蓄積された出力が閾値2570を超えるとき高い信号を提供し、その他の場合は低い信号を提供する。図25で図示するように、結果のパルス2575は、相関三角波2565のピークの位置を把握する(例えば、推定する)ために用いられ得る。
【0174】
次に図26に移ると、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータの制御及び処理サブシステムに関連する相関サブシステムの更に別の実施例のブロック図が示されている。RFIDタグの応答コードに対応する参照コードは、初期化段階の間取り込まれ、一層多くの数の参照ビットR1…RQとして蓄積される。その後、これらのビットは、得られた参照ビットU1…UQとしてQビットのラッチ2610にラッチされ、相関器2620の入力に1度に1ビット供給される。得られた一連のサンプル・ビットT1…TQ(RFIDタグからの応答コードのサンプル・ビットS1…SQに対応する)は、ほぼ同時に相関器2620に入力される。その後、上述のようなQからNへ又はNからQへの変換オペレーションを用いることなく相関オペレーションが実施される。一層多くの数のビットで(一層高いビットレートで)初期化段階を実施することにより、RFIDタグの一層多くの固有の特徴が取り込まれ、相関サブシステムを更に支援するために用いることができる。上述の相関サブシステムは、多数のサンプル(例えば、100個のサンプル)のノン・コヒーレント統合を実行する。ゲート・クロックからのゲート・パルスは、相関器2620への入力を適切なときに同期化させる。また、Qビットのラッチ2625は、得られたサンプル・ビットT1…TQをラッチ2625にラッチするために用いられる。シフトレジスタ2635の出力に達するビットは、典型的に廃棄される。
【0175】
参照ビットR1…RQとサンプル・ビットT1…TQとの間の時間同期化が適正である場合、相関器2620からの信号は高度に相関がとられ得、相関閾値感知2645への大きな出力信号となる。また、出力信号は、高いレベルの相関の前及び後である、応答コードのビットに対応する得られたサンプル・ビットT1…TQに対して振幅が変動し得る。時間同期化が適切でない場合又は応答コードが存在しない場合、相関機能は、ノイズのある出力を提供する。ゲート・クロックは、2つの信号間の適切な整合を検索するため、典型的に、時間及び位相でシフト可能である。適切な整合を達成するため、単一の相関器を用いる相関サブシステムは、励起信号の送信に関して時間及び位相にわたって検索することができる。代替として、多数の相関器を用いる相関サブシステムが、一層大きな位相及び周波数空間にわたって同時に検索するように、僅かに異なる時間及び位相設定に設定されてもよい。
【0176】
相関閾値感知2645は、図22に関連して図示され説明された閾値検出器に類似している。相関閾値感知2645の閾値は、典型的に、後続の処理で適度な平均化が生じ得るように非常に低く設定される。このコンテキストにおいて、相関閾値感知2645は、判定サブシステムへのプレフィルタと考えられる。代替の実施例において、相関閾値感知2645は判定サブシステムで実行されてもよい。相関閾値感知2645の出力はその後、可算器2650に入力され、可算器2650は、多数の転送及び検出(ノン・コヒーレント統合)の後、相関信号を判定サブシステムに提供する。
【0177】
例示用の実施例において、相関閾値感知2645は、得られた参照ビットU1…UQ及び得られたサンプル・ビットT1…TQに対してビット毎オペレーションを実行する排他的論理和関数からの出力を受信する。排他的論理和関数の多数の出力は、相関閾値感知2645に蓄積され、閾値と比較される。排他的論理和関数の出力が閾値を超える場合、相関三角波のピークの位置の比較的良好な表示が提供される。その他の場合は、相関三角波のピークがサンプリングされたビットS1…SQの外にあるか、或いは相関三角波のピークがサンプリングされたビットS1…SQ内の実質的に中心に位置していないことの比較的良好な表示が提供される。排他的論理和関数の蓄積された出力はその後、加算器2650に送信され、加算器2650は、更なる処理のためのコーナー・ターニング・メモリ(図20参照)を含み得る。コーナー・ターニング・メモリの環境において、排他的論理和関数の蓄積された出力の各々はコーナー・ターニング・メモリの或る行のデータ・ビット(D(1、P)など)を表す。
【0178】
閾値2665に関する例示用の相関三角波2660が、図26に図示されている。相関閾値感知2645内で、閾値検出器は、排他的論理和関数の蓄積された出力が閾値2665を超えるとき高い信号を提供し、その他の場合は低い信号を提供する。図26で図示するように、結果のパルス2670は、相関三角波2660のピークの位置を把握する(例えば、推定する)ために用いられ得る。
【0179】
図23以下に関する上述の説明に従って任意のサンプルを見ると、参照ビットRとサンプル・ビットSから得られたサンプル・ビットTとの間でビット対ビット排他的論理和関数を行い、サンプル・ビットSから得られたサンプル・ビットTを1度に1ビットシフトさせ、別のビット対ビット排他的論理和を行うことにより、RFIDタグからの応答コードが存在する(RFIDタグを検出するのに充分であり得る)とき、相関器により相関三角波が得られる。相関三角波が識別不可能である(恐らく、信号が弱い又は周囲ノイズが高い)場合、相関サブシステムは、上述の機能を更に別の応答コードで反復し(及び恐らく何度も)、相関器により更に別の相関三角波が得られ、このような場合、その結果は、その後、多数の応答コードのノン・コヒーレント統合を得るため、相関三角波が統合される(例えば、ビット対ビット加算)。
【0180】
図示し説明したように、これまで紹介した相関サブシステムの実施例は、相関がとられるべき信号(応答コード)がブロックで取り込まれ、相関サブシステムを介して1度に少なくとも1ビットがシリアルにゲート制御されるように、ゲート制御された相関オペレーションを用いる。強い信号条件の場合、RFIDタグの存在を判定するには、たいてい、単一のサンプリング及び相関で充分である。信号がさほど強くない条件の場合、加算されるサンプルの数は1つより多い数に増加する。SNRの改善は、部分的に、加算オペレーションに起因し得、この改善は、判定サブシステムに入力される前に平均化されるサンプルの数の平方根だけ増加し得る。上述の加算又は統合機能は、ノン・コヒーレント統合と呼ばれることもある。
【0181】
ここで図27及び図28に移ると、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータの制御及び処理サブシステム関連する相関サブシステムと共に用いることのできる高速フーリエ変換(FFT)オペレーションの実施例のブロック図が示されている。上述のように、畳み込み定理はFFTオペレーションと連携して実行され得る。FFTは、応答コードと初期化段階からの蓄積された参照コードとに対して実行される(図27参照)。応答コード及び参照コード(又は選択されたビット又はそのサンプル・ビット)は、その後、複素乗算され、逆高速フーリエ変換(IFFT)によって時間ドメインに逆変換される。エイリアシングを実質的に避けるためにゼロ・パディングが用いられる。
【0182】
これらのFFTオペレーションを除くと、この相関サブシステムは、上述の相関サブシステムに類似している。畳み込み定理及びFFTの利用により、相関サブシステムを実現する、演算が効率的な手法が提供される。また、演算の効率性を改善するためにFFTの長さが短縮され得るように、関心のない領域(即ち、相関三角波が存在しないと思われる場所)でのエイリアシングが結果に害を与えるべきではない。また、変動の範囲が小さい場合、更なる演算の効率化のため、内積(dot product)相関を用いることが好ましい場合もある。
【0183】
再び図27を参照すると、入力データは複素I及びQ値のブロック2710として収集され、DCタームの除去2715が続く。これらの値は、畳み込み定理を用いて参照コード2725に対して相関がとられる2720。相関の後、二乗エンベロープ検出機能2730が振幅情報を得る。その後、これはコーナー・ターニング・メモリ機能2735に入力され、上述した、可算器2740及びその後その閾値及び検出機能2745が続く。
【0184】
再び図28を参照すると、相関オペレーション2720の詳細が詳しく図示されている。長さSの入力データ2805は、FFTオペレーション2815のために適切な長さのデータを保証するため、ゼロ・パディング2810によって長さMまで増加される。同様にして、参照コードの正規化された長さR2830もゼロ・パディング2835によって長さMまで増加され、その後、長さMのFFT2845が実行され、その結果の複素共役2850が実行される。複素のターム毎の乗算(complex term by term multiplication)2820が実行され、この機能を完了するため、長さMのIFFT2825が実行される。
【0185】
ノイズがある場合、又は非常に弱い信号条件の間、相関サブシステムは、誤ってノイズに対し相関をとり得る。インタロゲータは、実際の相関が単一の相関ピークを有しておらず、一層小さなピークで主要なピークが囲まれていることを理解することによって、これらの影響を実質的に低減させる。上述の特徴は、サイドローブ又は時間サイドローブと呼ばれる。
【0186】
次に図29に移ると、本発明の原理に従った相関サブシステムに関連するサイドローブを示す波形図が示されている。サイドローブの性質を理解すること及び事前検出(predetecting)機能内でそれらの特性を用いることにより、インタロゲータの相関サブシステムが向上され得る。図示するように、相関は、主要なピーク2910(「prompt」と呼ばれる)、及びその主要なピークの周りの2つの一層小さなピーク(一般に「early」2915及び「late」2920と呼ばれる)を含む。early及びlate領域のノイズを平均化し、信号が存在しないとわかっているとき、これらの値を、記録されたノイズ・レベルと比較することにより、現在の信号レベルで単一の応答でRFIDタグが固有に識別可能でない場合でも、実際はRFIDタグが応答しているという付加的な確認が得られる。その後、RFIDタグ応答に対応する多数の応答を平均化することにより、SNRは、実質的に曖昧でない検出が生じる或るレベルまで向上する。
【0187】
この場合、RFIDタグの応答コードは検出されていないが、インタロゲータは、RFIDタグが本当に存在するという可能性を実質的に増加させる、周囲ノイズの変化を検出している。例えば、すべての3つの領域でサンプリングし、ノイズ・レベルを同一にすることは、RFIDタグが存在していないこと、及びそのサンプルが廃棄されるべきであることの良好な表示である。しかし、すべての3つの領域でサンプリングし、early及びlateレベルがほぼ等しく、中間レベルが大きいことを見つけることは、RFIDタグからの応答が実際は存在すること、及びこのサンプルが平均化機能に付加されるべきであることの良好な表示となる。early/lateノイズ検査をパスしないサンプルを廃棄することが、実際のRFIDタグのデータを確実に廃棄することになることは明らかである。しかし、RFIDタグからの応答コードを実際には含まないサンプルで平均を不当に損なわないためには、これは小さな代償である。僅かに長い時間サンプリングは、用いられるサンプルの減少を補償する。制御及び処理サブシステムは、平均化されるサンプルの数が有効であり続けるように、幾つのサンプルが廃棄されたか現在高を維持することが可能である。
【0188】
RFIDタグからの応答のタイミングに関して言えば、応答コードのトラッキングは、応答コードがearly、prompt又はlateであることを示唆し得る。トラッキングが、応答コードがprompt(early及びlate出力より大きなprompt出力)であることを示唆する場合、ゲート制御機能は、有意な相関器出力を提供するように適切に整合される。トラッキングが、応答コードがearlyであることを示唆する場合、early相関器出力はlate相関器出力と比較すると有意であり、相関サブシステムが過度に早くトラッキングしており、必要とされる調整が成され得る。トラッキングが、応答コードがlateであることを示唆する場合、反対の調整が成され得る。
【0189】
別のアプローチは、後続の相関のためのゲート制御プロセスを構築するために過去の正常な検出パフォーマンスを用いる、トラッキング・ループを用いることである。RFIDタグからの応答コードの相関に関する更に別の実施例は、参照コードとRFIDタグからの応答コードのゲート制御されたサンプルとの両方に対しFFTを実行することである。その後、畳み込み定理を用いて「フーリエ空間」で畳み込みオペレーションが実行され得る。畳み込み定理は、2つの関数の畳み込みがそのフーリエ変換の積であるとしている。相関オペレーションの出力は、典型的にエンベロープ検出され、幾つかの出力が、各個別の検出の時間特性を保持する加算オペレーションで平均化され得る。
【0190】
次に図30に移ると、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータの制御及び処理サブシステムに関連する相関サブシステムと共に機能し得る、事前検出機能の実施例のブロック図が示されている。上述のように、利益をもたらすため、インタロゲータ内の相関サブシステムと連携して多数の相関器が用いられ得る。多数の相関器は、多数のRFIDタグを同時に検出するために用いられ得、その場合、多数の相関器は独立して機能するのが典型的である。代替として、多数の相関器は、単一のRFIDタグを見つけるために割り当てられてもよく、この場合、各相関器には、検索するべき時間又は位相空間が僅かに異なる領域が与えられ得る。これは特に、RFIDタグから送信問い合わせへの応答のタイミングが既知でないとき有効である。もちろん、相関器はソフトウェア及び/又はハードウェアで実現されてもよい。
【0191】
入力データは、複素I及びQ値のブロック3010として収集され、DCタームの除去3015が続く。これらの値は、畳み込み定理を用いて参照コード3020に対して相関がとられる3025。相関の後、二乗エンベロープ検出機能3030が振幅情報を得る。整合及び事前検出機能3035が続き、その出力がコーナー・ターニング・メモリ機能3040に入力され、上述した、可算器3045及びその後その閾値及び検出機能3050が続く。
【0192】
インタロゲータに従って多数のアンテナを用いることも本発明の幅広い範囲内にあり、ここで、多数のアンテナはダイバーシティ用に用いられ、異なる相関器が特定のアンテナに割り当てられ得る。このような状況で、更なる検出感度を提供するために後相関(post correlation)及び/又は後平均化(post averaging)結果が組み合わされてもよい。上述の機能を行うため、インタロゲータは、各々がアンテナからの個別の直交入力を有する多数のRFID感知サブシステムを含んでいてもよい。
【0193】
次に図31から図34に移ると、本発明の原理に従ったインタロゲータの例示用のパフォーマンスを示す波形図が示されている。更に詳細には、図31は、約29フィートでのRFIDタグの、平均化をしていない相関応答を示す。従来のリーダーは、典型的に、この距離でRFIDタグを検出することはないことに注意されたい。これらの条件は、RFIDタグがインタロゲータから29フィートにあることを考慮しても、SNRが非常に大きいため、扱いやすい信号条件であると考えられる。図32は、共に平均化をした多数の相関を用いる相関オペレーションを用いることを付加した、上述と同じ条件を示す。実効(effective)ノイズが低減されていることに注意されたい。図33では、データに約14dBのノイズを付加し、平均化していない結果が示されている。この信号は不明瞭になっている。図34は、インタロゲータに対し前述の条件に平均化を適用した結果を示す。これらの非常に厳しい条件下でさえ、RFIDタグが高い信頼性を持って検出されることを示す、明確な相関シグネチャーが回復されていることに注意されたい。
【0194】
本発明の例示用の実施例を特定の電子部品を参照して説明してきた。しかし、当業者であれば、所望の状況をつくるため、又は所望の結果を達成するため、これらの構成部品は代替され得る(必ずしも同じ種類の構成部品を有していなくてもよい)ことを認識している。例えば、多数の構成部品が単一の構成部品に置き換えられてもよく、その逆であってもよい。本発明の原理は、RFIDオブジェクトを識別及び検出する幅広い多様なアプリケーションに適用し得る。例えば、医療環境において、複数のRFIDオブジェクトを含む用具キットは、その内容をインタロゲータに記録するためその場で(in situ)スキャンされ得、その後、用具キットは、その内容、内容の整合性(時間による影響を受けるオブジェクトについての有効期日を含む)及び同様のものを確認するためインタロゲータによってスキャンされ得る。本発明の原理に従ったインタロゲータの増加された感度により、本明細書で開示したインタロゲーション・システムに多くの新しい機会(例えば、消費者関連小売アプリケーションのサプライチェーン管理システム、セキュリティ・アプリケーションなど)が開拓される。
【0195】
通信理論及び無線周波数識別通信システムを更によく理解するには、以下の参考文献を参照されたい。Klaus Finkenzeller著「RFIDハンドブック」(ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社、第2版、2003年)、マサチューセッツ工科大学(77 Massachusetts Avenue、Bldg 3-449、Cambridge MA 02139-4307)のAuto-IDセンター発表「テクニカル・レポート860MHz-930MHz Class I無線周波数識別タグ無線周波数及び論理通信インタフェース仕様書勧告候補(Technical Report 860 MHz-930 MHz Class I Radio Frequency Identification Tag Radio Frequency & logical Communication Interface Specification Candidate Recommendation)」(Version 1.0.1、2002年11月)、Roger L. Petersonら著「スペクトラム拡散通信入門(Introduction to Spread Spectrum Communications)」(プレンティスホール出版、1995年)、George R. Cooperら著「現代の通信及びスペクトラム拡散(Modern Communications and Spread Spectrum)」(マグローヒル社、1986年)、John B. Thomasら著「統計的通信理論入門(An Introduction to Statistical Communication Theory)」(ジョン・ワイリー・アンド・サンズ社、1995年)、Theodore S. Rappaport著「無線通信、原理及び実践(Wireless Communication, Principles and Practice)」(プレンティスホール出版、1996年)、Lawrence Harteら著「無線技術の総合ガイド(The Comprehensive Guide to Wireless Technologies)」(APDG Publishing、1998年)、William Webb著「無線ローカル・ループ入門(Introduction to Wireless Local Loop)」(Artech Home Publishers、1998年)、及びJerry D. Gibson著「移動通信基礎技術ハンドブック(The Mobile Communications Handbook)」(CRC Press(IEEE Pressとの共同出版)、1996年)。従来のリーダーを更によく理解するために、以下のリーダー、即ち、カナダのオンタリオ州のSAMSys Technologies社によって提供された「MP9320 UHF Long-Range Reader」、ニューヨーク州MonseyのApplied Wireless ID による「MR-1824 Sentinel-Prox Medium Range Reader」(米国特許番号第5,594,384号、発明の名称「エンハンスト・ピーク検出器(Enhanced peak Detector)」、米国特許番号第6,377,176号、発明の名称「金属補償された無線周波数識別リーダー(Metal Compensated Radio Frequency Identification Reader)」、及び米国特許番号第6,307,517号、発明の名称「金属補償された無線周波数識別リーダー(Metal Compensated Radio Frequency Identification Reader)」も参照されたい)、ワシントン州エヴェレットのIntermec Technologies社によって提供された「2100UAP Reader」、及びカルフォルニア州モーガンヒルのAlien Technology社によって提供された「ALR-9780 Reader」を参照されたい。上述の参照文献、及びこの明細書の全ての参考文献は、それら全体の参照のためここに引用する。
【0196】
また、本発明及びその利点を詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲に規定した本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、以上の説明に種々の修正、置換及び変更が可能であることは理解されてしかるべきである。例えば、上述のプロセスの多くは、本明細書に説明した、低減されたオン抵抗、ゲート駆動エネルギー、及びコストを提供するデバイスを形成するため、異なる方法で実施され得、又は他のプロセス又はそれらの組み合わせで置換され得る。
【0197】
更に、本出願の範囲は、本明細書に記載されたプロセス、機械、生産物、組成物、手段、方法及び工程に関する特定の実施例に限定されることを意図したものではない。当業者は、本発明の開示内容から直ちに認めるであろうが、本明細書に記述された実施例の対応物とほぼ同じ機能を果たす、又はほぼ同じ結果を実現するプロセス、機械、生産物、組成物、手段、方法又は工程は、現在存在する又は後日開発されるものであれ、本発明によって利用可能である。従って、添付の特許請求の範囲は、その範囲にそのようなプロセス、機械、生産物、組成物、手段、方法又は工程を含むことを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0198】
【図1】図1は、本発明の原理に従って構成された、医療環境で用いることのできる通信システムの一実施例の略図を示す。
【図2】図2は、本発明の原理に従って構成された、医療施設の手術室内で用いることができるインタロゲーション・システムの一実施例を絵で表わした図。
【図3】図3は、医療施設の手術室内で用いることが可能であり、本発明の原理に従って構成されたインタロゲーション・システムの一実施例を絵で表わした図。
【図4】図4は、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータの一実施例を絵で表わした図。
【図5】図5は、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータの一実施例のシステム図。
【図6】図6は、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータの別の実施例のブロック図。
【図7】図7は、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータの代替の実施例のシステム図。
【図8】図8は、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータの別の実施例のブロック図。
【図9】図9は、本発明の原理に従って構成された制御及び処理サブシステムの一実施例のブロック図。
【図10】図10は、本発明の原理に従った無線周波数識別に関連する能力を示すインタロゲーション・システムの一実施例のブロック図を示す。
【図11】図11は、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータによる問い合わせに応答するRFIDタグからの応答コードの一実施例のブロック図を示す。
【図12】図12は、本発明の原理に従った、RFIDタグからインタロゲータへの応答の例示用の1ビットセルの波形図を示す。
【図13】図13は、本発明の原理に従った、RFIDタグからの例示用の応答の波形図を示す。
【図14】図14は、図13で図示したRFIDタグからの応答に関連するスペクトル応答の波形図を示す。
【図15】図15は、本発明の原理に従ったインタロゲータを用いた、代表的な信号対雑音利得の波形図を示す。
【図16】図16は、本発明の原理に従ったインタロゲーション・システムの初期化段階の一実施例のブロック図を示す。
【図17】図17は、本発明の原理に従ったインタロゲーション・システムの後初期化段階の一実施例のブロック図を示す。
【図18】図18は、本発明の原理に従ったRFIDタグを検出する方法の一実施例のフローチャートを示す。
【図19】図19は、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータの制御及び処理サブシステムの一部のブロック図を示す。
【図20】図20は、本発明の原理に従った、例示用のオペレーションを示す、インタロゲータの制御及び処理サブシステムに関連する相関サブシステムの一部の一実施例のブロック図を示す。
【図21】図21は、図19及び20に関連して説明した相関サブシステムに関連する、例示用の利点を示す波形図を示す。
【図22】図22は、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータの制御及び処理サブシステムに関連する判定サブシステムの一実施例のブロック図を示す。
【図23】図23は、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータの制御及び処理サブシステムに関連する相関サブシステムの一実施例のブロック図を示す。
【図24】図24は、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータの制御及び処理サブシステムに関連する相関サブシステムの一部の一実施例のブロック図を示す。
【図25】図25は、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータの制御及び処理サブシステムに関連する相関サブシステムの別の実施例のブロック図を示す。
【図26】図26は、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータの制御及び処理サブシステムに関連する相関サブシステムの更に別の実施例のブロック図を示す。
【図27】図27及び図28は、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータの制御及び処理サブシステムに関連する相関サブシステムと共に用いることができる、高速フーリエ変換オペレーションの一実施例のブロック図を示す。
【図28】図27及び図28は、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータの制御及び処理サブシステムに関連する相関サブシステムと共に用いることができる、高速フーリエ変換オペレーションの一実施例のブロック図を示す。
【図29】図29は、本発明の原理に従った相関サブシステムに関連するサイドローブの波形図を示す。
【図30】図30は、本発明の原理に従って構成されたインタロゲータの制御及び処理サブシステムに関連する相関サブシステムと共に機能し得る、事前検出機能の一実施例のブロック図を示す。
【図31】図31から図34は、本発明の原理に従ったインタロゲータの例示用のパフォーマンスを示す波形図を示す。
【図32】図31から図34は、本発明の原理に従ったインタロゲータの例示用のパフォーマンスを示す波形図を示す。
【図33】図31から図34は、本発明の原理に従ったインタロゲータの例示用のパフォーマンスを示す波形図を示す。
【図34】図31から図34は、本発明の原理に従ったインタロゲータの例示用のパフォーマンスを示す波形図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御及び処理システムであって、
参照コードと無線周波数識別(RFID)タグからの応答コードとの相関をとり、そこから相関信号を提供するように構成された相関サブシステム、及び
前記RFIDタグの存在を前記相関信号の関数(function)として確認するように構成された判定サブシステム
を含む制御及び処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の制御及び処理システムであって、前記相関サブシステムが、排他的論理和関数を用いる時間ドメインで相関をとるように構成された、制御及び処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の制御及び処理システムであって、前記相関サブシステムが、高速フーリエ変換及び畳み込み定理を用いて相関をとるように構成された、制御及び処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の制御及び処理システムであって、前記相関サブシステムが、データ・ビットの分数(a fraction of a data bit)間隔で、前記応答コードを前記参照コードと整合させるように構成された、制御及び処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の制御及び処理システムであって、前記相関サブシステムが、前記参照コードの多数のタイミング及び多数の位相の少なくとも1つと、それぞれ、前記応答コードの多数のタイミング及び多数の位相の少なくとも1つとの相関をとるように構成された複数の相関器を含む、制御及び処理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の制御及び処理システムであって、前記相関サブシステムが、前記参照コードと前記応答コードとの、及び別の参照コードと別の応答コードとの相関をとるように構成された複数の相関器を含む、制御及び処理システム。
【請求項7】
請求項1に記載の制御及び処理システムであって、前記相関サブシステムが、前記参照コードの一部と前記応答コードの一部との相関をとるように構成された、制御及び処理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の制御及び処理システムであって、前記相関サブシステムが、
前記参照コードの少なくとも2ビットと前記応答コードの少なくとも2ビットとの相関をとり、相関三角波(triangle)を得るように構成された相関器、
前記相関三角波を閾値基準と比較して、前記相関三角波のピークを把握するパルスを得るように構成された相関閾値感知(sense)、及び
前記相関閾値感知からの複数のパルスを平均化して、前記相関信号を提供するように構成された可算器
を含む制御及び処理システム。
【請求項9】
請求項1に記載の制御及び処理システムであって、前記判定サブシステムが、前記相関信号を閾値と比較するように構成された閾値検出器を含む、制御及び処理システム。
【請求項10】
請求項1に記載の制御及び処理システムであって、前記参照コードが合成により得られる参照コードである、制御及び処理システム。
【請求項11】
請求項1に記載の制御及び処理システムであって、前記参照コードがオペレーションの初期化段階中に提供されるように構成され、前記応答コードがオペレーションの後初期化段階中に提供されるように構成された、制御及び処理システム。
【請求項12】
請求項1に記載の制御及び処理システムであって、前記参照コードが、RFIDオブジェクトに取り付けられた前記RFIDタグから提供されるように構成された、制御及び処理システム。
【請求項13】
請求項1に記載の制御及び処理システムであって、前記参照コードが、前記制御及び処理システムのメモリに入力されるように構成された、制御及び処理システム。
【請求項14】
請求項1に記載の制御及び処理システムであって、前記相関サブシステムが、前記参照コード及び前記応答コードの少なくとも1つの多数の振幅ビットを用いるように構成された、制御及び処理システム。
【請求項15】
請求項1に記載の制御及び処理システムであって、前記相関サブシステムが、前記参照コード及び前記応答コードの少なくとも1つを拡散コードとして用いるように構成された、制御及び処理システム。
【請求項16】
無線周波数識別(RFID)タグの存在を確認する方法であって、
参照コードとRFIDタグからの応答コードとの相関をとり、そこから相関信号を提供し、更に
前記RFIDタグの存在を前記相関信号の関数として確認する
ことを含む方法。
【請求項17】
請求項16に記載の方法であって、データ・ビットの分数間隔で、前記応答コードを前記参照コードと整合させることを更に含む方法。
【請求項18】
請求項16に記載の方法であって、前記相関をとる行為は、
前記参照コードの少なくとも2ビットと前記応答コードの少なくとも2ビットとの相関をとり、相関三角波を得、
前記相関三角波を閾値基準と比較して、前記相関三角波のピークを把握するパルスを得、更に
前記相関閾値感知からの複数のパルスを平均化させ、前記相関信号を提供することを含む方法。
【請求項19】
請求項16に記載の方法であって、前記確認する行為は、前記相関信号を閾値と比較することを含む方法。
【請求項20】
請求項16に記載の方法であって、前記参照コードを合成により得ることを更に含む方法。
【請求項21】
インタロゲータであって、
RFIDタグに関連する応答コードを提供するように構成された無線周波数識別(RFID)感知サブシステム、及び
制御及び処理サブシステムを含み、制御及び処理サブシステムが、
参照コードと前記応答コードとの相関をとり、そこから相関信号を提供するように構成された相関サブシステム、及び
前記RFIDタグの存在を前記相関信号の関数として確認するように構成された判定サブシステム
を含むインタロゲータ。
【請求項22】
請求項21に記載のインタロゲータであって、前記相関サブシステムが、排他的論理和関数を用いる時間ドメインで相関をとるように構成された、インタロゲータ。
【請求項23】
請求項21に記載のインタロゲータであって、前記相関サブシステムが、高速フーリエ変換及び畳み込み定理を用いて相関をとるように構成された、インタロゲータ。
【請求項24】
請求項21に記載のインタロゲータであって、前記相関サブシステムが、データ・ビットの分数間隔で、前記応答コードを前記参照コードと整合させるように構成された、インタロゲータ。
【請求項25】
請求項21に記載のインタロゲータであって、前記相関サブシステムが、前記参照コードの多数のタイミング及び多数の位相の少なくとも1つと、それぞれ、前記応答コードの多数のタイミング及び多数の位相のうち少なくとも1つとの相関をとるように構成された多数の相関器を含む、インタロゲータ。
【請求項26】
請求項21に記載のインタロゲータであって、前記相関サブシステムが、前記参照コードと前記応答コードとの、及び別の参照コードと別の応答コードとの相関をとるように構成された多数の相関器を含む、インタロゲータ。
【請求項27】
請求項21に記載のインタロゲータであって、前記相関サブシステムが、前記参照コードの一部と前記応答コードの一部との相関をとるように構成された、インタロゲータ。
【請求項28】
請求項21に記載のインタロゲータであって、前記相関サブシステムが、
前記参照コードの少なくとも2ビットと前記応答コードの少なくとも2ビットとの相関をとり、相関三角波を得るように構成された相関器、
前記相関三角波を閾値基準と比較して、前記相関三角波のピークを把握するパルスを得るように構成された相関閾値感知、及び
前記相関閾値感知からの複数のパルスを平均化して、前記相関信号を提供するように構成された可算器
を含むインタロゲータ。
【請求項29】
請求項21に記載のインタロゲータであって、前記判定サブシステムが、前記相関信号を閾値と比較するように構成された閾値検出器を含む、インタロゲータ。
【請求項30】
請求項21に記載のインタロゲータであって、前記参照コードが合成により得られる参照コードである、インタロゲータ。
【請求項31】
請求項21に記載のインタロゲータであって、前記参照コードが、オペレーションの初期化段階中に前記インタロゲータに提供されるように構成され、前記RFID感知サブシステムが、オペレーションの後初期化段階中に前記応答コードを提供するように構成された、インタロゲータ。
【請求項32】
請求項21に記載のインタロゲータであって、前記RFID感知サブシステムが、RFIDオブジェクトに取り付けられた前記RFIDタグから前記参照コードを提供するように構成された、インタロゲータ。
【請求項33】
請求項21に記載のインタロゲータであって、前記相関サブシステムが、前記参照コード及び前記応答コードの少なくとも1つの多数の振幅ビットを用いるように構成された、インタロゲータ。
【請求項34】
請求項21に記載のインタロゲータであって、前記相関サブシステムが、前記参照コード及び前記応答コードの少なくとも1つを拡散コードとして用いるように構成された、インタロゲータ。
【請求項35】
請求項21に記載のインタロゲータであって、金属オブジェクトの存在を表す金属シグネチャーを有する信号を提供するように構成された金属感知サブシステムを更に含み、前記制御及び処理サブシステムが、前記信号から前記金属オブジェクトの存在を識別するように構成された、インタロゲータ。
【請求項36】
インタロゲータを動作させる方法であって、
RFIDオブジェクトのRFIDタグに関連する参照コードを提供し、
前記参照コードをメモリに入力し、
その後、前記RFIDタグから応答コードを感知し、
前記参照コードと前記応答コードとの相関をとり、そこから相関信号を提供し、更に
前記RFIDタグの存在を前記相関信号の関数として確認する
ことを含む方法。
【請求項37】
請求項36に記載の方法であって、前記相関をとる行為が、
前記参照コードの少なくとも2ビットと前記応答コードの少なくとも2ビットとの相関をとり、相関三角波を得、
前記相関三角波を閾値基準と比較して、前記相関三角波のピークを把握するパルスを得、更に、
前記相関閾値感知からの複数のパルスを平均化し、前記相関信号を提供する
ことを含む方法。
【請求項38】
請求項36に記載の方法であって、前記確認する行為が、前記相関信号を閾値と比較することを含む方法。
【請求項39】
請求項36に記載の方法であって、前記前記参照コードを提供する行為が、前記参照コードを合成により得ることを含む方法。
【請求項40】
請求項36に記載の方法であって、金属オブジェクトの存在を表す金属シグネチャーを有する信号を提供し、その存在を識別することを更に含む方法。
【請求項41】
インタロゲーション・システムであって、
コンピュータ・システム、
前記コンピュータ・システムのための信号を送信及び受信するトランシーバ、及び
インタロゲータを含み、インタロゲータが、
RFIDオブジェクトのRFIDタグに関連する応答コードを提供する無線周波数識別(RFID)感知サブシステム、
制御及び処理サブシステムであって、
参照コードと前記応答コードとの相関をとり、そこから相関信号を提供する相関サブシステム、及び
前記RFIDタグの存在を前記相関信号の関数として確認する判定サブシステムを含む制御及び処理サブシステム、及び
前記トランシーバと通信する通信サブシステム
を含む、インタロゲーション・システム。
【請求項42】
請求項41に記載のインタロゲーション・システムであって、前記相関サブシステムが、排他的論理和関数を用いる時間ドメインで相関をとる、インタロゲーション・システム。
【請求項43】
請求項41に記載のインタロゲーション・システムであって、前記相関サブシステムが高速フーリエ変換及び畳み込み定理を用いて相関をとる、インタロゲーション・システム。
【請求項44】
請求項41に記載のインタロゲーション・システムであって、前記相関サブシステムが、データ・ビットの分数間隔で、前記応答コードを前記参照コードと整合させる、インタロゲーション・システム。
【請求項45】
請求項41に記載のインタロゲーション・システムであって、前記相関サブシステムが、前記参照コードの多数のタイミング及び多数の位相の少なくとも1つと、それぞれ、前記応答コードの多数のタイミング及び多数の位相の少なくとも1つとの相関をとる多数の相関器を含む、インタロゲーション・システム。
【請求項46】
請求項41に記載のインタロゲーション・システムであって、前記相関サブシステムが、前記参照コードと前記応答コードとの、及び別の参照コードと別の応答コードとの相関をとる多数の相関器を含む、インタロゲーション・システム。
【請求項47】
請求項41に記載のインタロゲーション・システムであって、前記相関サブシステムが、前記参照コードの一部と前記応答コードの一部との相関をとる、インタロゲーション・システム。
【請求項48】
請求項41に記載のインタロゲーション・システムであって、前記相関サブシステムが、
前記参照コードの少なくとも2ビットと前記応答コードの少なくとも2ビットとの相関をとり、相関三角波を得る相関器、
前記相関三角波を閾値基準と比較して、前記相関三角波のピークを把握するパルスを得る相関閾値感知、及び
前記相関閾値感知からの複数のパルスを平均化して、前記相関信号を提供する可算器
を含むインタロゲーション・システム。
【請求項49】
請求項41に記載のインタロゲーション・システムであって、前記判定サブシステムが、前記相関信号を閾値と比較する閾値検出器を含む、インタロゲーション・システム。
【請求項50】
請求項41に記載のインタロゲーション・システムであって、前記参照コードが合成により得られた参照コードである、インタロゲーション・システム。
【請求項51】
請求項41に記載のインタロゲーション・システムであって、前記インタロゲータが、オペレーションの初期化段階中に前記参照コードを受信し、前記RFID感知サブシステムが、オペレーションの後初期化段階中に前記応答コードを提供する、インタロゲーション・システム。
【請求項52】
請求項41に記載のインタロゲーション・システムであって、前記RFID感知サブシステムが前記RFIDタグからの前記参照コードを提供する、インタロゲーション・システム。
【請求項53】
請求項41に記載のインタロゲーション・システムであって、前記相関サブシステムが、前記参照コード及び前記応答コードの少なくとも1つの多数の振幅ビットを用いる、インタロゲーション・システム。
【請求項54】
請求項41に記載のインタロゲーション・システムであって、前記相関サブシステムが、前記参照コード及び前記応答コードの少なくとも1つを拡散コードとして用いる、インタロゲーション・システム。
【請求項55】
請求項41に記載のインタロゲーション・システムであって、前記インタロゲータが、金属オブジェクトの存在を表す金属シグネチャーを有する信号を提供する金属感知サブシステムを更に含み、前記制御及び処理サブシステムが、前記信号から前記金属オブジェクトの存在を識別する、インタロゲーション・システム。
【請求項56】
請求項41に記載のインタロゲーション・システムであって、前記インタロゲータがメモリ及びユーザー・インタフェースを更に含む、インタロゲーション・システム。
【請求項57】
請求項41に記載のインタロゲーション・システムであって、前記RFID感知サブシステムが、特徴の位置を示すためにRFID位置マーカーを用いる、インタロゲーション・システム。
【請求項58】
請求項41に記載のインタロゲーション・システムであって、前記RFID感知サブシステムが、RFID感知アンテナ・インタフェース及びRFID感知アンテナを用いる、インタロゲーション・システム。
【請求項59】
請求項41に記載のインタロゲーション・システムであって、前記通信サブシステムがインターネットを介して前記トランシーバと通信する、インタロゲーション・システム。
【請求項60】
請求項41に記載のインタロゲーション・システムであって、前記コンピュータ・システムに接続されたデータベースを更に含むインタロゲーション・システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公表番号】特表2007−526586(P2007−526586A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502072(P2007−502072)
【出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【国際出願番号】PCT/US2005/007292
【国際公開番号】WO2005/086072
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.Bluetooth
【出願人】(505332163)ケイデュシィズ エル エル シィ (2)
【Fターム(参考)】