説明

インデックスシート

【課題】
使用形態に利便性をもたせて需要者の購買意欲を喚起することのできる充分な付加価値を備える。
【解決手段】
書類,冊子等を綴保管するファイル類の背表紙部分に設けられた袋形のインデックス収容部に差込み使用される単枚のシート1からなる。シート1は、一部に複数の見出表示,分類表示等の表示項目2が整列して記され残る他部に表示項目2を覆うことのできる面積のカバー面3が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書類,冊子等を綴保管するファイル類の背表紙部分に設けられた袋形のインデックス収容部に差込み使用され、綴保管されている書類,冊子等を見出表示,分類表示等するインデックスシートに係る技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
最近、ファイル類の多用によってインデックスシートの重要性が増してきている。然しながら、現在インデックスシートとして提供されているものは、ファイル類のインデックス収容部にそのまま差込まれる大きさのほぼ無地の単枚のシートに形成され、綴込み作業者が手書き,プリンタ印刷等によって文字,数字等からなる見出表示,分類表示等を記すようにしたものが一般的である。即ち、通常の紙を切断して使用しても充分にその機能を確保することができるもので、需要者の購買意欲を喚起し得るほどの付加価値を有するものではない。このため、需要者の購買意欲を喚起することのできる付加価値を備えたインデックスシートの開発が要望されている。
【0003】
従来、需要者の購買意欲を喚起することのできる付加価値を備えたインデックスシートとしては、例えば、以下に記載のものが知られている。
【特許文献1】特開2000−190677号公報 特許文献1には、ある程度の大きさを備えたシートにミシン目を重畳的に設けてなるインデックスシートが記載されている。
【0004】
特許文献1に係るインデックスシートは、ミシン目から切断することで必要な大きさ,形状のシートを簡単に形成することができるようにして、ファイル類以外にも使用可能にする汎用性という付加価値を備えたものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に係るインデックスシートでは、綴込み作業者が手書き,プリンタ印刷等によって文字,数字等からなる見出表示,分類表示等を記すという基本的な使用形態に変化がないため、ファイル類用に限定した場合に需要者の購買意欲を喚起することのできる充分な付加価値を備えているとはいえないという問題点がある。
【0006】
本発明は、このような問題点を考慮してなされたもので、使用形態に利便性をもたせて需要者の購買意欲を喚起することのできる充分な付加価値を備えたインデックスシートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述の課題を解決するため、本発明に係るインデックスシートは、特許請求の範囲の各請求項に記載の手段を採用する。
【0008】
即ち、請求項1では、書類,冊子等を綴保管するファイル類の背表紙部分に設けられた袋形のインデックス収容部に差込み使用される単枚のシートからなるインデックスシートにおいて、シートは一部に複数の見出表示,分類表示等の表示項目が整列して記され残る他部に表示項目を覆うことのできる面積のカバー面が設けられていることを特徴とする。
【0009】
この手段では、既に記されている表示項目から必要な表示項目のみを残して他の表示項目を折畳んだカバー面で覆うことで、必要な表示項目のみを見出表示,分類表示等として表示することができる。
【0010】
また、請求項2では、請求項1のインデックスシートにおいて、表示項目はシートの表面,裏面の双方に記されていることを特徴とする。
【0011】
この手段では、シートを反転しても使用することができる。
【0012】
また、請求項3では、請求項1または2のインデックスシートにおいて、カバー面は表示項目の整列の境界に対応した部分にミシン目が設けられていることを特徴とする。
【0013】
この手段では、カバー面の表示項目を覆う部分と覆わない部分とをミシン目から正確に切断することができる。
【0014】
また、請求項4では、請求項1〜3のいずれかのインデックスシートにおいて、表示項目は整列が2条隣接して配置され、カバー面は表示項目の両外側にそれぞれ設けられ隣接する表示項目の整列の1条ずつを覆うことのできる面積を有していることを特徴とする。
【0015】
この手段では、シートの片面で表示項目が増加され、カバー面が観音開き式で表示項目を覆うことになる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るインデックスシートは、既に記されている表示項目から必要な表示項目のみを残して他の表示項目を折畳んだカバー面で覆うことで、必要な表示項目のみを見出表示,分類表示等として表示することができるため、使用形態に利便性をもたせて需要者の購買意欲を喚起することができる効果がある。
【0017】
さらに、請求項2として、シートを反転しても使用することができるため、表示項目が増加され見出表示,分類表示等としての表示機能が高くなる効果がある。
【0018】
さらに、請求項3として、カバー面の表示項目を覆う部分と覆わない部分とをミシン目から正確に切断することができるため、表示項目を確実に表示することができるとともに、カバー面による覆いの体裁が綺麗になる効果がある。
【0019】
さらに、請求項4として、シートの片面で表示項目が増加されるため、見出表示,分類表示等としての表示機能が高くなる効果がある。また、カバー面が観音開き式で表示項目を覆うことになるため、カバー面の折畳長が長くなって取扱いが不便になるのを防止することができる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係るインデックスシートを実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1〜図5は、本発明に係るインデックスシートを実施するための最良の形態の第1例を示すものである。
【0022】
第1例では、縦長の長方形のシート1からなるものを示してある。
【0023】
シート1は、紙材,布材,合成樹脂材等で折畳みが可能な薄い単枚の構造に形成されたもので、好ましくは各種の筆記具による手書きで必要事項を記すことが可能な材質が選択される。
【0024】
シート1の表面11の左半部には、図1(A)に示すように、複数の見出表示,分類表示等の表示項目2が上下に整列して印刷等で記されている。表示項目2については、図面では単純化して「AAAA」〜「LLLL」として12項目が記されているが、実際には「月」 ,「週」,「日」や「経理科目」,「顧客名」等の使用分野に対応した項目が記されることになる。
【0025】
シート1の表面11の右半部には、図1(A)に示すように、空白の面であるカバー面3が設けられている。カバー面3には、表示項目2の整列の境界に対応した部分の横長の全長に平行にミシン目4が設けられている。ミシン目4は、指で掴み捻ることでシート1を切断することのできる間欠微小孔からなる。
【0026】
シート1の裏面12には、図1(B)に示すように、表示項目2が記されていない。
【0027】
この第1例は、図1(A)に示すように、シート1の縦長aが書類,冊子等を綴保管するファイル類Fの背表紙部分に設けられた袋形のインデックス収容部Pの縦長に相当する長さに形成され、同一長さである表示項目2の横長bとカバー面3の横長cとがそれぞれインデックス収容部Pの横長に相当する長さに形成されている。なお、表示項目2,ミシン目4の各縦幅dは、同一長となっている。
【0028】
第1例を使用するには、例えば見出表示,分類表示等として表示する表示項目2として「AAAA」を選択した場合、図2(B)に示すように、表示項目2の「AAAA」と「BBBB」との間に位置するミシン目4を破断する。間欠微小孔からなるミシン目4は、不測の方向への破断,亀裂を防止して正確な破断を案内する。そして、図2(C)に示すように、カバー面3の表示項目2の「AAAA」に対応した部分をシート1の裏面12側に折畳み、カバー面3の残る部分をシート1の表面側に折畳んで表示項目2の「BBBB」以下を覆う。
【0029】
このように折畳み加工されたシート1は、インデックス収容部Pに差込み可能な大きさになっている。従って、図3に示すように、シート1をそのままインデックス収容部Pに差込み収容することができる。
【0030】
なお、例えば見出表示,分類表示等として表示する表示項目2として「BBBB」を選択した場合、図4(A)に示すように、表示項目2の「AAAA」と「BBBB」との間に位置するミシン目4を破断し、さらに表示項目2の「BBBB」と「CCCC」との間に位置するミシン目4をも破断し、カバー面3の表示項目2の「BBBB」に対応した部分をシート1の裏面12側に折畳み、カバー面3の残る部分をシート1の表面側に折畳んで表示項目2の「BBBB」以外を覆うことになる。また、例えば見出表示,分類表示等として表示する表示項目2として「CCCC」を選択した場合、図4(B)に示すように、表示項目2の「BBBB」と「CCCC」との間に位置するミシン目4を破断し、さらに表示項目2の「CCCC」と「DDDD」との間に位置するミシン目4をも破断し、カバー面3の表示項目2の「CCCC」に対応した部分をシート1の裏面12側に折畳み、カバー面3の残る部分をシート1の表面側に折畳んで表示項目2の「CCCC」以外を覆うことになる。表示項目2の「DDDD」以下についても、同様の加工がなされる。
【0031】
この結果、図5に示すように、整理棚等に並べられたファイル類Fに見出表示,分類表示等として表示する必要な表示項目2のみが表示されることになる。表示される表示項目2の縦幅dが同一長で視覚的な印象が均等であるため、他のファイル類Fに表示されている表示項目2との識別が容易である。また、表示される表示項目2は、ミシン目4に沿ったカバー面3の正確な破断によって露出されているため、一部が覆われたりすることなく確実に表示される。また、カバー面3の正確な破断は、カバー面3による覆いの体裁を綺麗にする。
【0032】
即ち、第1例によると、既に記されている表示項目2から必要な表示項目2のみを残して他の表示項目2を折畳んだカバー面3で覆うことで、必要な表示項目2のみを見出表示,分類表示等として表示することができる。従って、使用形態に利便性がもたらされ、需要者の購買意欲が喚起される。
【0033】
なお、カバー面3に、補足的に各種の筆記具による手書きで必要事項を記すことは可能である。また、表示される表示項目2を2つ以上とすることも可能である。
【0034】
図6は、本発明に係るインデックスシートを実施するための最良の形態の第2例を示すものである。
【0035】
第2例では、シート1の裏面12にも表示項目2の「MMMM」以下を記してある。
【0036】
第2例によると、シート1を反転しても第1例と同様に使用することができるため、表示項目2が第1例の2倍に増加され見出表示,分類表示等としての表示機能が高くなる。
【0037】
図7,図8は、本発明に係るインデックスシートを実施するための最良の形態の第3例を示すものである。
【0038】
第3例では、表示項目2の上下の整列が2条隣接して配置され、カバー面3は表示項目2の両外側にそれぞれ設けられている。各カバー面3は、隣接する表示項目2の上下の整列の1条ずつを覆うことのできる面積を有している。
【0039】
第3例によると、第1例,第2例と同様のカバー面3の加工で使用することができる。そして、第1例,第2例に比してシート1の片面で表示項目2が増加されるため、見出表示,分類表示等としての表示機能が高くなる。また、カバー面3が観音開き式で表示項目2を覆うことになるため、カバー面3の折畳長が長くなって取扱いが不便になるのが防止される。
【0040】
以上、図示した各例の外に、ミシン目4を設けずに、カバー面3の表示される表示項目2に対応した部分をハサミ等で切除するようにすることも可能である。
【0041】
さらに、シート1の表示項目2,カバー面3の境界にもミシン目を設けて、カバー面3の表示される表示項目2に対応した部分をミシン目から切除するようにすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明に係るインデックスシートを実施するための最良の形態の第1例であり、(A)に表面図が(B)に裏面図が示されている。
【図2】図1の使用に際しての加工例の斜視図であり、(A)〜(C)にカバー面の加工手順が示されている。
【図3】加工された図2(C)の状態でのファイル類への差込み使用例の斜視図である。
【図4】他の表示項目を表示する際の図2(B)に対応した加工の斜視図であり、(A),(B)にそれぞれ異なる表示項目の場合が示されている。
【図5】第1例が使用された表示状態の正面図である。
【図6】本発明に係るインデックスシートを実施するための最良の形態の第2例の裏面図である。
【図7】本発明に係るインデックスシートを実施するための最良の形態の第3例の表面図である。
【図8】第3例が使用された表示状態の正面図であるである。
【符号の説明】
【0043】
1 シート
11 表面
12 裏面
2 表示項目
3 カバー面
4 ミシン目
F ファイル類
P インデックス収容部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
書類,冊子等を綴保管するファイル類の背表紙部分に設けられた袋形のインデックス収容部に差込み使用される単枚のシートからなるインデックスシートにおいて、シートは一部に複数の見出表示,分類表示等の表示項目が整列して記され残る他部に表示項目を覆うことのできる面積のカバー面が設けられていることを特徴とするインデックスシート。
【請求項2】
請求項1のインデックスシートにおいて、表示項目はシートの表面,裏面の双方に記されていることを特徴とするインデックスシート。
【請求項3】
請求項1または2のインデックスシートにおいて、カバー面は表示項目の整列の境界に対応した部分にミシン目が設けられていることを特徴とするインデックスシート。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかのインデックスシートにおいて、表示項目は整列が2条隣接して配置され、カバー面は表示項目の両外側にそれぞれ設けられ隣接する表示項目の整列の1条ずつを覆うことのできる面積を有していることを特徴とするインデックスシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−216553(P2007−216553A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−40926(P2006−40926)
【出願日】平成18年2月17日(2006.2.17)
【出願人】(599163458)アスクル株式会社 (10)