説明

インプラントを移植するためのシステムおよびその方法

【課題】患者の身体中の解剖学的部位に外科用デバイスを移植する新規なシステムを提供する。
【解決手段】インプラントを移植するためのシステムおよびそれらの方法が開示される。このシステムは、インプラント(10)、インプラントを囲むエンベロープ(20)、送達アセンブリ(650)、およびこのエンベロープまたはインプラントを送達アセンブリに装着するための付属部品(350)を備える。このエンベロープは、薬物コーティング、位置決め補助、およびエンベロープ除去を容易にするための手段を含み得る。1つの実施形態おいて、送達アセンブリは、患者の体内のインプラントおよび/またはエンベロープ送達のために使用される。別の実施形態において、送達アセンブリおよび付属部品は、患者の体内にインプラントまたはエンベロープを送達するために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、それらの全体内容が本明細書に参考として援用される、2001年3月9日に米国特許商標庁に出願された仮特許出願第60/274,843号および2001年4月26日に米国特許商標庁に出願された仮特許出願第60/286,863号に基づき、
そしてそれらへの優先権を主張する。
【0002】
(技術分野)
本発明は、一般に、患者の身体中の解剖学的部位に手術メッシュのようなデバイスを移植するシステムに関する。より詳細には、本発明は、患者の身体中の解剖学的部位にエンベロープおよびメッシュを送達するためのエンベロープおよびシステム内に含まれる手術メッシュに関する。
【背景技術】
【0003】
(背景情報)
生存組織の修復および回復のための手術メッシュの使用は周知である。例えば、手術メッシュは、患者の身体中の損傷または弱体化し部分を支持および/または補強するために用いられ得る。これに関し、外科メッシュは、さらに、移植後にメッシュを通る組織の成長を可能にするに十分、多孔性でなければならない。治癒する組織は、例えば、移植された合成メッシュ中の多孔の開口を通って成長し、それによって、この組織をメッシュと同化し、そして組織に構造的一体性を付加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
手術メッシュは、単繊維(monofilament)および多繊維(multifilament)を含む織糸(yarn)で製造され得る。多繊維織糸は、織糸繊維間に小空隙領域または間隙空間を有する。手術メッシュ中の織糸は、ポリプロピレン、ポリエステル、およびそれらのコポリマーのような材料から作製され得る。このようなポリマー材料は、代表的には、吸収剤または吸着剤である表面構造を有しておらず;従って、このような材料から作製されるメッシュは、薬物を吸収することができない。
【0005】
外科メッシュの割れ目および空隙は、移植の間に外科メッシュを汚染する細菌またはその他の病原体を宿し得る。患者中の手術メッシュの移植後、メッシュ中に宿された細菌またはその他の病原体は、手術メッシュが移植される解剖学的部位に導入される。代表的には、修復されているこの解剖学的部位は、メッシュを移植するための手術の間にこの解剖学的部位に釣り上げられ、かつ導入され得る細菌またはその他の病原体と戦うために手術内で付与される抗微生物薬物への接近可能性に乏しい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
本発明は、中央尿道におけるような、患者の身体中の解剖学的部位における三角布(sling)のような、移植物を移植するためのデバイス、送達システムおよび方法、ならびにそのようなデバイスおよび送達システムを製造する方法に関する。これらのデバイスおよび送達システムは、比較的安価であり、有効な治療を提供し、そしてそれらの使用には最少の訓練しか必要としない。本発明の1つの実施形態では、本発明のデバイス、送達システム、および方法は、ストレス尿失禁を含む、女性の尿失禁を処置するために用いられ得る。本明細書に記載の本発明の利点は、移植物の汚染を最少にするかまたは防ぎ、そして患者の組織の汚染を最少にするかまたは防ぐ一方、同時に、解剖学的部位への移植物の送達の間に患者の組織に抗生物質のような治療剤または薬物を導入する送達システムを含む。さらに、本発明によるシステムは、オペレーターが、患者の身体中の解剖学的部位において移植物を調節かつ位置決めし、そして送達システムを取り出す間およびその後にこの解剖学的部位に移植物の正確な位置を維持することを可能にする。さらに、本発明によるシステムは、移植物を送達アセンブリに取り付けるための単純な手段を提供する。この送達アセンブリは、経膣および経腹部アプローチ(例えば、皮下)のような尿道への複数の手術アプローチのために用いられ、そして患者身体中の解剖学的部位における移植物の正確な位置決めにおいてオペレーターを支援する。
【0007】
1つの局面では、本発明は、身体中に移植物を移植するためのシステムを含む。本発明の1つの実施形態では、この送達システムは、送達アセンブリおよび取り付け片を含む。別の実施形態では、この送達システムは、移植物を取り囲む内表面および外表面を有するエンベロープをさらに含む。このエンベロープの内表面または外表面の少なくとも1つは、少なくとも1つの治療剤、例えば、抗生物質のような抗微生物薬物を含む。本発明による1つの実施形態では、このエンベロープを作製するために用いられる材料は、吸収性材料である。あるいは、このエンベロープを作製するために用いられる材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(例えば、TEFLON(登録商標))、TYVEK(登録商標)、MYLAR(登録商標)、およびこれらのコポリマーを含む群から選択される。なお別の実施形態では、このエンベロープは、内表面または外表面上が親水性薬剤または疎水性薬剤で被覆され得る。この被覆は、1つ以上が吸収性被覆である、合成被覆および天然被覆からなる群から選択され得る。
【0008】
本発明による1つの実施形態では、このエンベロープは、アパーチャ、例えば、スリットまたは切れ目を有するエンベロープの領域のような引き裂き可能な領域を含む。あるいは、エンベロープの少なくとも一部分は、引き裂き可能な材料、すなわち、高度に配向された分子配向、例えば、直線状分子配向のような、ある力の付与により複数片に離れて引っ張られ得る材料を含む。なお別の実施形態では、エンベロープは、第1の材料と第2の材料の複合体、例えば、引き裂き可能な材料と裂けない材料との複合体である。引き裂き可能な領域は、第1の側面の第1の材料および第2の側面の第2の材料が連結されてエンベロープが形成される場所である縫目を備ええる。あるいは、引き裂き可能な領域は、エンベロープ外表面に隣接する外部タブを含み得る。このタブを引くとき、エンベロープが裂ける。別の実施形態では、この引き裂き可能な領域は、エンベロープの内表面内に取り囲まれる内部タブを含む。この内部タブは、引かれるときエンベロープを裂く。
【0009】
本発明の別の実施形態では、このエンベロープは、少なくとも2つのスリーブを含む。この2つのスリーブは、少なくとも1つの引きタブを含み得る。1つの実施形態では、これらスリーブは、少なくとも1つのヒンジセクションを含む。本発明のこの実施形態では、1つのスリーブのこのヒンジセクションは、他方のスリーブのヒンジセクションに連結され得る。本発明による別の実施形態では、システムは、2つ以上のスリーブを連結するために、クランプのようなスペーサーを含む。このクランプは、バルク材料、バルーンまたは圧力センサを含み得る。
【0010】
なお別の実施形態では、このエンベロープは、患者の身体中の解剖学的部位に移植物を位置決めする、少なくとも1つの位置決め部材を含む。別の実施形態では、このエンベロープは、少なくとも1つの取り付け片を含む。
【0011】
本発明による1つの実施形態では、抗微生物薬物、例えば、抗生物質が、エンベロープの内表面上に配置される。あるいは、またはさらに、抗微生物薬物は、エンベロープの外表面上に配置される。このエンベロープは、吸収性材料から製造することができ、そして薬物は、この吸収性材料を通じて、エンベロープの内表面および外表面の両方に吸収され得る。
【0012】
本発明による別の実施形態では、抗生物質のような薬物は、エンベロープ材料と、またはエンベロープの内表面または外表面に付与された1つ以上の被覆と結合または会合され得る。あるいは、1つ以上の表面被覆が吸収材であり得、そして薬物を吸収する。エンベロープ表面から患者身体の解剖学的部位への薬物の放出および送達は、一部、この薬物とこの被覆とにより共有される結合親和性に依存する。この結合が比較的弱いとき、この薬物は、この結合が比較的強いときより容易に、薬物がエンベロープから放出される。
【0013】
別の局面では、本発明によるシステムは、移植物を取り囲むように構成されたエンベロープ、および、患者の身体中の解剖学的部位に移植物を位置決めるために有用である、エンベロープの上記内表面または外表面の少なくとも1つの上に配置されたスペーサーを含む。本発明の1つの実施形態では、このスペーサーは、ヒドロゲル、ポリエチレン、またはセルロースのようなバルク材料を含む。別の実施形態では、このスペーサーは、ガスまたは液体で満たされ得るバルーンを含む。なお別の実施形態では、このスペーサーは、第1の部材および第2の部材を含むクランプである。例えば、第1の部材の厚さが、移植物を位置決めするために有用なスペーサー厚みを提供し得る。あるいは、バルーンまたはバルク材料が、クランプの第1の部材の外表面に付加されてスペーサー厚さを調節し得る。なお別の実施形態では、本発明によるシステムは、移植物が身体中に位置決められた後、移植物に付与される張力の量を決定するために、例えば、スペーサーに配置される圧力センサを含む。さらに、この圧力センサは、エンベロープに付与される張力の量、あるいは移植物に付与される張力の量を示し得る。
【0014】
別の局面では、本発明によるシステムは、移植物を取り囲むように構成された2つのスリーブ、およびこの2つのスリーブを一緒に連結するためのクランプを含むエンベロープを含む。このクランプは、第1の部材および第2の部材を含む。本発明の1つの実施形態では、これらスリーブの一部分は重複し、そしてクランプが、スリーブのこの重複する部分を一緒に固定する。このクランプは、これらスリーブを離脱可能に連結し得る。この実施形態では、これらスリーブは同一長さであり得るか、または異なる長さであり得る。1つの実施形態では、2つ以上のスリーブが同一であり得る。
【0015】
別の局面では、本発明によるシステムは、移植物を取り囲むエンベロープを含み、このエンベロープは、身体中に移植物を位置決めするために、エンベロープの第1の端部および第2の端部で連結される少なくとも1つのタブをさらに含む。1つの実施形態では、このタブは、患者の身体中で移植物を位置決めするための位置決め手段である。エンベロープは、2つ以上のスリーブおよびヒンジを含み得る。別の実施形態では、2つ以上のスリーブを有するエンベロープおよび/またはヒンジは、少なくとも1つの取り付け片を含む。なお別の実施形態では、スリーブの各々はヒンジセクションを含み、2つのスリーブのヒンジセクションは互いに連結され得る。
【0016】
本発明の別の局面では、三角布のような移植物を送達アセンブリに連結するための取り付け片が提供される。この取り付け片は、移植物に結合される第1の部材を含む。この第1の部材は、第2の部材と係合可能であり、ここで、第1の部材は第2の部材中に着座し、移植物を送達アセンブリに連結する。別の実施形態では、この取り付け片の第1の部材は、移植物が結合される付属物(appendage)を含む。この付属物および第1の部材は、ポリエチレンから製造することができ、そして接着剤によるか、縫合によるか、または熱結合により移植物に結合され得る。1つの実施形態では、この付属物は、移植物に結合される自由端部を含む。
【0017】
本発明の別の局面では、このシステムは、移植物を患者の身体中の解剖学的部位に送達するための送達アセンブリを含む。1つの実施形態では、この送達アセンブリは、後退ポイント、近位ボタンを含む送達ハンドル、および遠位ボタンを含む。この近位ボタンおよび遠位ボタンは、後退ポイントに作動可能に連結される。近位ボタンおよび遠位ボタンの各々は、この後退ポイントを、第1の位置から第2の位置に移動させる。本発明の1つの実施形態では、この送達アセンブリは、管腔を有するカニューレをさらに含む。このカニューレはアーク(arc)を含み得る。送達アセンブリのこの後退ポイントは、カニューレの管腔中に配置され得る。
【0018】
本発明のこの局面のなお別の実施形態では、この送達アセンブリは、送達ハンドルの細長い本体部分上に位置する拡張管(dilator tube)および伸長器ボタン(extender button)をさらに含み得る。この伸長器ボタンは、拡張管に作動可能に連結され、そして送達ハンドルの細長い本体部分の遠位端から、拡張管を伸長および後退させる。拡張管は中空の部材を含む。1つの実施形態では、この中空部材は、この中空部材の壁に取り付けられた剛直なリングをさらに含む。
【0019】
本発明の別の実施形態では、拡張管は円錐形先端部を含む。この円錐形先端部はヒンジを含み、そしてこのヒンジはこの管の壁の一部分であり得る。本発明による1つの実施形態では、取り付け片の第1の部材は、拡張管の管腔内に適合するサイズおよび形状である。第1の部材は、第1の部材と拡張管が一緒に係留されるとき、この拡張管により取り囲まれる第1の部分および第2の部分を含む。本発明の1つの実施形態では、この第1の部材は、スリットを有する第1の端部を含む。1つの実施形態では、第1の部材が拡張管中に係留されるとき、上記付属物は、円錐形先端部とこの管との間に位置する。別の実施形態では、この円錐形先端部は、第1の部材の第1の位置上に着座するようなサイズおよび形状であり、この第1の部材を拡張管に係留する。なお別の実施形態では、第1の部材と拡張管が係合するとき、この第1の部材の第1の部分は、拡張管の管腔から伸長する。円錐形先端部は、送達アセンブリの組織貫通端部に位置し、そしてまたアパーチャを含み得る。このアパーチャは、それを通ってカニューレが出現し得る開口部を提供し得る。
【0020】
別の局面では、本発明は、患者の身体中の解剖学的部位に移植物を配置する方法に関する。この方法では、移植物およびエンベロープを含むシステムが提供される。このエンベロープは移植物を取り囲むように構成され、そしてこのエンベロープの内表面および外表面の少なくとも1つの上に配置される薬物を含む。このシステムは、患者の身体中で、処置されるべき解剖学的部位に挿入される。薬物はエンベロープから放出され、そして患者身体中の解剖学的部位に送達される。この移植物は解剖学的部位に配置され、そしてエンベロープは患者身体から取り除かれる。エンベロープの除去後、移植物は、解剖学的部位においてそれが配置された場所に残る。本発明の方法の1つの実施形態では、移植物は、患者の中央尿道に配置され、例えば、女性の尿失禁を処置する。特定の実施形態では、エンベロープは、エンベロープ外表面上に、または少なくともそれから見える可視指標マークを有し、オペレーターが患者の身体中の解剖学的部位に移植物を配置することを支援する。
【0021】
外科メッシュのような、移植物を取り囲むエンベロープを、患者身体の損傷した部分に提供することが、本発明の方法のさらなる目的であり、ここで、このエンベロープは、患者身体の内側で外科メッシュの配置の際に、上記損傷した領域に薬物を送達する。この手術メッシュは、例えば、女性患者の中央尿道に適合する形状の三角布またはその他の型のメッシュであり得る。
【0022】
別の局面では、本発明は、患者の身体中の解剖学的部位に移植物を位置決めする方法を含む。この方法の1つの実施形態では、システムは、移植物を取り囲む少なくとも2つのスリーブを有するエンベロープ、およびこれらスリーブを一緒に連結するクランプを含む。このシステムは、患者の身体中に挿入され、そして処置されるべき解剖学的部位に位置決めされる。一旦、移植物を取り囲むシステムが位置決めされると、クランブがはずされ、そして患者の身体から取り除かれ、患者の身体からスリーブが連結を解かれ、そして除去される。移植物は、患者の身体中で処置されるべき解剖学的部位に位置決めされて残る。
【0023】
別の局面では、本発明は、患者の身体中の解剖学的部位に移植物を配置するための方法である。本発明のこの方法によれば、移植物を取り囲むサイズの管腔を有するエンベロープ、およびこのエンベロープの第1の端部および第2の端部の各々に配置されたタブを含むシステムが提供される。オペレーターは、患者の身体中にこのシステムを挿入し、エンベロープの第1の端部および第2の端部に配置されたタブを掴み、身体中に移植物を位置決め、そしてエンベロープを身体から取り除く。1つの実施形態では、このタブは、患者の身体中で移植物を取り囲むエンベロープを配置するための位置決め部材を含む。このエンベロープは、患者の身体中に移植物を位置決めするための可視指標マークまたは位置決めマークを含み得る。
【0024】
別の局面では、本発明は、患者の身体中の解剖学的部位に移植物を送達するための方法である。この方法によれば、オペレーターは移植物を取り付け片に取り付け、そしてこの取り付け片は送達アセンブリに固定される。この取り付け片がエンベロープに予め取り付けられる1つの実施形態では、オペレーターは、この予め取り付けられた取り付け片およびエンベロープを送達アセンブリ上に取り付け、送達システムを形成する。1つの実施形態では、この送達アセンブリは、ハンドル、後退可能ポイント、近位ボタン、および遠位ボタンを含む。あるいは、この送達アセンブリは、拡張管および伸長器ボタンをさらに含む。この後退可能ポイントは、近位ボタンまたは遠位ボタンのいずれかを作動または移動させることにより伸ばされる。1つの実施形態では、送達アセンブリに取り付けられた移植物が送達システムを提供し、そしてこの送達システムが患者の身体中に導入され、そして解剖学的部位に位置決めされる。移植物が送達アセンブリから離脱され、そして送達アセブリが引き抜かれる。別の実施形態では、送達アセンブリが患者の身体中に導入され、次いで移植物が送達アセンブリに取り付けられ、そして解剖学的部位に位置決めされる。その後、移植物が送達アセンブリから離脱され、そして送達アセンブリが患者の身体から引き抜かれる。本発明の別の実施形態では、この方法は、エンベロープの端部におけるタブを掴む工程、およびエンベロープを裂き、移植物から次いで身体からそれを取り除く工程をさらに包含する。
本願発明はまた、以下の項目に関し得る
(項目1)患者の体中の解剖部位に、インプラントを移植するためのシステムであって、上記システムが、以下:少なくとも2つのスリーブを備えるエンベロープであって、上記スリーブが、上記インプラントを囲むように設定される、エンベロープ;および上記スリーブとともに結合される、クランプを備える、システム。
(項目2)患者の体中の解剖部位にインプラントを移植するためのシステムであって、以下:上記インプラントならびに第1の末端および第2の末端を囲むようにサイズ化された管腔を備えるエンベロープで、上記第1の末端および上記第2の末端は、上記エンベロープの長手軸の反対側に配置される、エンベロープ;ならびに上記エンベロープの上記第1の末端および上記第2の末端の1方に接続されるタブであって、ここで、上記タブが、上記体中で上記インプラントを位置付けるために、操作者によって握られている、タブ、を含む、システム。
(項目3)インプラントを送達アセンブリに接続するための付属部品であって、以下:拡張管に係合可能な第1の部材、上記第1の部材に結合されるインプラント、を備え、ここで、上記第1の部材は、上記インプラントを上記送達アセンブリに接続するために、上記拡張管内に収容される、付属部品。
(項目4)インプラントを患者の体中の解剖部位に送達するための送達アセンブリであって、以下:格納式点;近位ボタンおよび遠位ボタンを備える送達ハンドル;格納式点に操作可能に接続される上記近位ボタンおよび上記遠位ボタン、を備え、ここで、上記近位ボタンおよび上記遠位ボタンの各々が、複数の位置で格納式点を移動する、送達アセンブリ。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1A】身体中に移植物を移植するための送達システムの斜視図である。
【図1B】身体中に移植物を移植するためのシステムの1つの実施形態の長軸方向セクションの平面図である。
【図1C】図1Aに示される、身体中に移植物を移植するためのシステムの1C−1Cにおける断面図である。
【図2A】身体中に移植物を移植するシステムの別の実施形態の長軸方向セクションの平面図であり、ここで、薬物が、エンベロープの内側上に被覆された表面により吸収される。
【図2B】図2Aに示される身体中に移植物を移植するためのシステムの2B−2Bにおける断面図である。
【図3A】エンベロープの内側表面が薬物溶液と接触することを可能にするアパーチャおよび裂ける特徴を含む、図2Aに示すシステムの長軸方向セクションの別の実施形態を示す図である。
【図3B】図3Aに示される身体中に移植物を移植するシステムの3B−3Bにおける断面図である。
【図4A】移植物を移植するシステムの第1の側面の図である。
【図4B】移植物を移植するシステムの第2の側面の図である。
【図4C】図4Aに示される第1の側面および図4Bに示される第2の側面を含む、身体中に移植物を移植するシステムの側面図である。
【図4D】図4Aに示される第1の側面および図4Bに示される第2の側面を含む、身体中に移植物を移植するシステムの図である。
【図4E】図4Aに示される第1の側面および図4Bに示される第2の側面を含む、身体中に移植物を移植するシステムの別の実施形態の図である。
【図4F】図4Eに示される身体中に移植物を移植するシステムの4F−4Fにおける断面図である。
【図4G】図4Aに示される第1の側面および図4Bに示される第2の側面を含む、身体中に移植物を移植するシステムの別の実施形態の断面図である。
【図5A】クランプを含む、本発明によるシステムの実施形態の側面図である。
【図5B】本発明によるクランプの1つの実施形態の側面図である。
【図5C】本発明によるクランプの別の実施形態の側面図である。
【図5D】図5Aに示されるクランプを含む、本発明によるシステムの実施形態の平面図である。
【図5E】エンベロープの表面上に配置されたバルク材料を含む、身体中に移植物を移植する本発明による別の実施形態の側面図である。
【図5F】エンベロープの表面上のバルーンを含む、身体中に移植物を移植する本発明によるシステムの別の実施形態の側面図である。
【図5G】バルーンが充填されている、図5Fに示される身体中に移植物を移植するシステムを示す図である。
【図5H】充填されたバルーンを含む、図5A中に示されるクランプの実施形態を示す図である。
【図5I】クランプの第1の部材がバルク材料を含む、図5Aに示されるクランプの実施形態の図である。
【図6】身体中に移植物を移植する、図5F−5Gに示されるシステムの実施形態を示す図である。
【図7A】身体中に移植物を移植するシステムの別の実施形態を示す図である。
【図7B】手術メッシュを含む、図7Aに示されるシステムを示す図である。
【図7C】図7Bに示されるシステムを示す図である。
【図7D】図7Cに示されるシステムの実施形態の7D−7Dにおける断面図である。
【図7E】身体中に移植物を移植する図7Cに示されるシステムの別の実施形態の図である。
【図7F】身体中に移植物を移植するシステムの別の実施形態の側面図である。
【図7G】身体中に移植物を移植する図7Fに示されるシステムの別の実施形態の図である。
【図8A】身体中に移植物を移植するシステムの1つの実施形態の図である。
【図8B】身体中に移植物を移植する図8Aに示されるシステムにおける使用のためのスリーブを示す図である。
【図8C】身体中に移植物を移植する図8Aに示されるシステムにおける使用のためのスリーブの別の実施形態を示す図である。
【図8D】身体中に移植物を移植する図8Aに示されるシステムにおける使用のためのスリーブの別の実施形態を示す図である。
【図8E】身体中に移植物を移植する図8Aに示されるシステムにおける使用のためのスリーブを示す図である。
【図8F】図8Aに示される身体中に移植物を移植するシステムの作製を示す図である。
【図8G】図8Gは、図8Aに図示される、体内にインプラントを移植するためのシステムの平面図を図示する。
【図8H】図8Hは、図8Aに図示される、体内にインプラントを移植するためのシステムの側面図を図示する。
【図8I】図8Iは、図8Hに図示される、体内にインプラントを移植するためのシステムの別の図を図示する。
【図8J】図8Jは、図8Dに図示されるスリーブの別の実施形態を図示する。
【図8K】図8Kは、図8Gに図示される、体内にインプラントを移植するためのシステムの別の実施形態を図示する。
【図9A】図9Aは、図8Aに図示される、体内にインプラントを移植するためのシステムの別の実施形態を図示し、ここではインプラントはスリングである。
【図9B】図9Bは、図9Aに図示される、体内にインプラントを移植するためのシステムの別の実施形態を図示する。
【図9C】図9Cは、図9Aに図示される、体内にインプラントを移植するためのシステムの別の実施形態を図示する。
【図9D】図9Dは、図9Aに図示される、体内にインプラントを移植するためのシステムの別の実施形態を図示する。
【図9E】図9Eは、図8Gに図示される、体内にインプラントを移植するためのシステムの別の実施形態を図示する。
【図10A】図10Aは、体内にインプラントを移植するためのシステムの1つの実施形態を図示する。
【図10B】図10Bは、体内にインプラントを移植するための、図10Aに図示されるシステムにおける使用のためのスリーブを図示する。
【図10C】図10Cは、体内にインプラントを移植するための、図10Aに図示されるシステムにおける使用のためのスリーブを図示する。
【図10D】図10Dは、体内にインプラントを移植するための、図10Aに図示されるシステムにおける使用のためのスリーブを図示する。
【図10E】図10Eは、体内にインプラントを移植するための、図10Aに図示されるシステムにおける使用のためのスリーブを図示する。
【図10F】図10Fは、図10Aに図示される、体内にインプラントを移植するためのシステムの別の実施形態を図示し、ここではインプラントはスリングである。
【図11A】図11Aは、本発明に従う、アタッチメント部分の実施形態を図示する。
【図11B】図11Bは、図11Aに図示される、アタッチメント部分に固定されたインプラントの実施形態を図示する。
【図11C】図11Cは、身体にインプラントを送達するためのアタッチメント部分のような、インプラント送達部材の1実施形態の透視図を図示する。
【図11D】図11Dは、図11Cの実施形態の側面図を図示する。
【図11E】図11Eは、図11Cの実施形態の平面図を図示する。
【図11F】図11Fは、図11Cの実施形態の底面図を図示する。
【図11G】図11Gは、図11Cの実施形態の背面図を図示する。
【図11H】図11Hは、図11Cの実施形態の前面図を図示する。
【図11I】図11Iは、身体にインプラントを送達するためのアタッチメント部分のような、インプラント送達部材の別の実施形態の透視図を図示する。
【図11J】図11Jは、図11Iの実施形態の側面図を図示する。
【図11K】図11Kは、図11Iの実施形態の平面図を図示する。
【図11L】図11Lは、図11Iの実施形態の底面図を図示する。
【図11M】図11Mは、図11Iの実施形態の背面図を図示する。
【図11N】図11Nは、図11Iの実施形態の前面図を図示する。
【図12A】図12Aは、本発明に従う、拡張チューブの1つの実施形態を図示する。
【図12B】図12Bは、図12Aに図示される拡張チューブの、別の実施形態を図示する。
【図13】図13は、本発明に従う、拡張チューブおよびカニューレの1つの実施形態を図示する。
【図14】図14は、拡張チューブにアタッチメント部分を配置および固定するための、本発明の方法に従う工程の1つの実施形態を図示する。
【図15】図15は、拡張チューブにアタッチメント部分を配置および固定するための、本発明の方法に従う工程の1つの実施形態を図示する。
【図16】図16は、拡張チューブにアタッチメント部分を配置および固定するための、本発明の方法に従う工程の1つの実施形態を図示する。
【図17】図17は、拡張チューブにアタッチメント部分を配置および固定するための、本発明の方法に従う工程の1つの実施形態を図示する。
【図18A】図18Aは、本発明に従うアタッチメント部分の別の実施形態を図示する。
【図18B】図18Bは、図18Aに図示されるアタッチメント部分のアセンブリを図示する。
【図19A】図19Aは、本発明に従う、送達アセンブリ1つの実施形態を図示する。
【図19B】図19Bは、身体にインプラントを送達するためのハンドルの、1つの実施形態の透視図を図示する。
【図19C】図19Cは、図19Bの実施形態の前面図を図示する。
【図19D】図19Dは、図19Bの実施形態の背面図を図示する。
【図19E】図19Eは、図19Bの実施形態の側面図を図示する。
【図19F】図19Fは、図19Eに示される実施形態の反対側面の図を図示する。
【図19G】図19Gは、図19Bの実施形態の平面図を図示する。
【図19H】図19Hは、図19Bの実施形態の底面図を図示する。
【図20A】図20Aは、本発明に従う、拡張チューブおよびブッシングの1つの実施形態を図示する。
【図20B】図20Bは、図20Aに図示される拡張チューブの実施形態の20B−20Bでの断面図を図示する。
【図20C】図20Cは、ハンドルから延びた位置での、図19Aに図示される拡張チューブの実施形態を図示する。
【図20D】図20Dは、ハンドル内腔中での後退した位置に拡張チューブを有する、図19Aに図示される拡張チューブの実施形態を図示する。
【図20E】図20Eは、図13に図示される拡張チューブの1つの実施形態を図示する。
【図21A】図21Aは、本発明に従うカニューレの1つの実施形態を図示する。
【図21B】図21Bは、図21Cに図示されるカニューレの実施形態の、21B−21Bでの断面図を図示する。
【図21C】図21Cは、拡張チューブが後退したカニューレの1つの実施形態を図示する。
【図22A】図22Aは、本発明に従う格納式の先端の1つの実施形態を図示する。
【図22B】図22Bは、本発明に従う格納式の先端の断面図を図示する。
【図22C】図22Cは、カニューレから延びた、図22Aに示される格納式の先端を図示する。
【図23A】図23Aは、本発明に従う、ハンドル上の近位および遠位のボタンの1つの実施形態の2つの位置、ならびにカニューレ格納ボタンの2つの位置を図示する。
【図23B】図23Bは、本発明に従う、ハンドル上の近位および遠位のボタンの1つの実施形態の3つの位置、ならびにカニューレノッチの2つの位置、ならびにカニューレ格納ボタンの2つの位置を図示する。
【図23C】図23Cは、図23Bに図示されるカニューレノッチの別の実施形態を図示する。
【図23D】図23Dは、連結リングを有するインプラントの1つの実施形態を図示する。
【図23E】図23Eは、連結リングを有するインプラントの別の実施形態を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の先に記載の目的およびその他の目的、局面、特徴、および利点は、以下の記載から、および特許請求の範囲からより明らかとなる。
【0027】
(説明)
一般的に、本明細書中に記載される本発明は、患者の体内にインプラントを移植するためのシステムである。図1Aを参照すると、1つの局面において、このシステムは、インプラント10、インプラントを包むエンベロープ20、エンベロープ20またはインプラント10を送達アセンブリ650に取り付けるためのアタッチメント部分350、および患者の体内の解剖学的部位にインプラント10を送達するための送達アセンブリ650を備える。1つの実施形態において、この送達アセンブリ650は、送達ハンドル700、拡張チューブ500およびカニューレ600を有する。
【0028】
1つの局面において、本発明は、インプラントを包むためのエンベロープに関する。このエンベロープは、エンベロープの外部表面上、内部表面上、または外部表面および内部表面の両方上に、治療薬物(例えば、抗生物質)を含む。
【0029】
図1Bに図示される本発明の1つの実施形態において、このシステムは、エンベロープ20で囲まれるかまたはエンベロープ20中に包まれたインプラント10(例えば、外科的メッシュまたは外科的スリング)を備える。このエンベロープ20は、メッシュ10を囲むポーチまたはスリーブに例えられ得る。
【0030】
図1Cを参照すると、1つの実施形態において、エンベロープ20は、内腔185を有し、そしてこのエンベロープ20は、例えば、メッシュ10を包むチューブである。このエンベロープ20は、内部表面30および外部表面40を有する。図1Cを参照すると、エンベロープ20の幅24は、エンベロープ20の第1側面203と第2側面204との間で測定される場合、約0.2インチ〜約2.0インチの範囲を有し得、好ましくは約0.5インチと約0.8インチとの間であり、そして最も好ましくは、0.6インチである。エンベロープ20の長手軸22は、エンベロープ20の第1末端201から第2末端202まで測定すると、約3.9インチ〜約27.6インチの範囲であり、好ましくは約11.8インチと約23.6インチとの間であり、最も好ましくは、19.7インチである。1つの実施形態において、第1末端201および第2末端202は開口している。あるいは、第1末端201および第2末端202は、例えば、熱シール接着によって閉じられ得る。
【0031】
本発明に従う1つの実施形態において、インプラントは外科的メッシュ10である。この外科的メッシュ10は、1本以上の編み糸から作られ得、そして編み糸は、1つ以上の物質から作製され得る。使用され得る非限定的な物質としては、米国特許第6,042,592号(この開示は本明細書中で参考として援用される)に記載されるように、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリウレタン、ナイロンおよびそれらのコポリマーが挙げられる。この外科的メッシュ10は、合成物質および組織のハイブリッドであり得る;このインプラント10は、例えば、U.S.S.N.09/916,983号(この開示全体が本明細書中で参考として援用される)に記載されるスリングに関し得る。この外科的メッシュ10はまた、吸収性の物質(例えば、ポリグリコール酸、ポリ乳酸および他の適切な吸収性の物質)が適し得る。
【0032】
編み糸は、複数の繊維を含み得るか、あるいは単一繊維の編み糸が使用され得る。1つの実施形態において、このメッシュは、外科的適用における使用のためのポリプロピレン単一繊維のトリコットメッシュである。メッシュ10の中に、各編み糸は編み糸繊維の間に空隙領域を有し得る。このメッシュ10を作るために使用されるプロセスは、このメッシュ10中に間隙を形成し得る。多繊維の編み糸は、編み糸繊維の間に複数の空隙または介在空間を有する。本発明に従って、メッシュ10は、編物、織物また編組(braiding)を含む(が、これらに限定されない)、当業者に公知の種々の製造プロセスに従って作製され得る。多繊維の編み糸を使用して作られたメッシュは、間隙および内部空隙の両方を有し得る。本発明に従う1つの実施形態において、外科的メッシュ10は、この外科的メッシュ10を取り囲むエンベロープ20の中に包まれる。このメッシュ10を取り囲むエンベロープ20は、者の体内の解剖学的部位にメッシュを設置する手順の間に、このメッシュ10が患細菌のような外来物質で汚染される可能性を低減させる。
【0033】
図1Bおよび図1Cを続けて参照すると、本発明に従う1つの実施形態において、インプラント10はスリングであり、例えば、Gellmanらによる、「Medical Slings」と表題が付けられた米国特許出願(代理人事件整理番号(BSC−205)、この本願と共に出願され、その開示全体が本明細書により全て参考として援用される)に記載されたスリング10である。
【0034】
スリング10の長手軸13は、約3.9インチ〜約24.0インチの範囲であり得るか、または約15.7インチ〜約19.7インチの間であり得、好ましくは約17.7インチであり得る。このスリング10の幅14は、約0.39インチと約1インチとの間であり、好ましくは約0.43インチである。図1Cをなお参照すると、このスリング10の厚さ15は、約0.0025インチと約0.1インチとの間の範囲であり、好ましくは約0.001インチと約0.01インチとの間である。
【0035】
図1Bおよび図1Cをなお参照すると、エンベロープ20を作成するために使用される物質の厚さは、約0.0001インチ〜約0.01インチの範囲であり得、好ましくは0.0003インチの厚さである。図1Cに示されるように、このエンベロープは第1側面21および第1側面21の反対側の第2側面23を有する。エンベロープ20の第1側面21と第2側面23との間の距離は、約0.0027インチ〜約0.12インチの間の範囲である。
【0036】
エンベロープ20は、外科的な設置の間、スリング10を操作することを補助するために、および/またはスリング10を調節することを補助するために使用され得る。例えば、このエンベロープ20は、患者の体内の解剖学的部位でのスリング10の設置前のスリング10の操作に起因して、スリング10が伸張することまたは歪みを生じることから防ぐことを補助する。
【0037】
1つの局面において、本発明は、薬物送達特性を有するインプラント10を送達するためのシステムを提供する。この薬物は、患者の体内の解剖学的部位に送達され、そして医者の選択に従って選択され得る。好ましくは、例示的薬物は、水または他の生物学的に不活性な溶液に可溶であり、そして、抗菌物質および抗生物質(例えば、ネオマイシンおよびサルファ剤)、ならびに抗炎症剤(例えば、ステロイド性または非ステロイド性の抗炎症剤)が挙げられるが、これらに限定されない。この薬物は、患者の組織との接触の際にその組織に対して放出される。従って、エンベロープ20を利用して挿入する場合に患者の組織表面に送達される薬物は、インプラントの移植の間の患者組織との接触の際、活性である。
【0038】
例えば、図1Bおよび図1Cを再度参照すると、本発明に従う1つの実施形態において、薬物送達システムは、例えば、スポンジ様物質のような、1つ以上の吸収性物質から作製されるエンベロープ20を備える。このエンベロープ20は、患者の体内へのインプラント10の外科的移植の前に、抗生物質のような薬物を含む溶液中に予め浸漬され得る。手術直前に薬物を含む溶液中にエンベロープ20を浸漬することにより、このエンベロープ20の外部表面40がその薬物でコーティングされる。薬物溶液中にエンベロープを予め浸漬することは好都合である。なぜなら、エンベロープ20がインプラント10の外科的な移植の間に患者の体内に挿入される場合、患者の体組織の内部は、薬物でコーティングされたエンベロープ20で拭われるからである。あるいは、このエンベロープが浸漬される薬物溶液中の薬物は、吸収性物質に浸透して、そして吸収性エンベロープ20の内部表面30をコーティングする。
【0039】
別の実施形態において、本発明に従って、エンベロープ20は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン、TYVEK(登録商標)、MYLAR(登録商標)、またはそれらのコポリマーのような、非湿潤性の物質から作製される。ポリテトラフルオロエチレンは、本発明に従う使用に適しており、そしてDuPont(Wilmington、Delaware、商品名TEFLON(登録商標)の下で)より入手可能である。これらの非湿潤性物質は、液体、例えば薬物溶液を全く取り込まない。これらの非湿潤性物質の表面に対する薬物の結合または吸収を可能にするために、このエンベロープ20の内部表面30および/または外部表面40は、例えば湿潤性のコーティング組成物のような湿潤性である物質で前処理される。この湿潤性コーティング組成物は、例えば、ポリビニルピロリドン(PVP)のような合成コーティング、または例えばコラーゲンのような天然のコーティングであり得る。このコーティングは、例えばセルローススポンジ物質のような物理学的に吸収性の物質であり得る。この湿潤性コーティング組成物は親水性であり得、これは親水性の薬物を吸収する。1つの実施形態において、この親水性薬物は、親水性のコーティングと結合する。あるいは、疎水性の薬物がエンベロープ20上に配置されて、このエンベロープ20は疎水性コーティングを含む。いくつかの実施形態において、疎水性コーティングは、エンベロープ表面に疎水性の薬物をトラップする。
【0040】
本発明に従う別の実施形態において、親水性のコーティングは、エンベロープ20の1つ以上の表面に適用され得る。この疎水性コーティングは、疎水性薬物と組み合わせて使用され得る。エンベロープ20の疎水性コーティングと薬物との間の結合が弱い場合、この薬物は、エンベロープ20によって接触される組織表面に対して容易に放出される。あるいは、コーティングと薬物との間のより強力な結合(すなわち、より強力な結合親和性)は、この薬物のより遅滞した放出を提供し得る。
【0041】
本発明に従う特定の実施形態において、エンベロープ20の表面に適用されるコーティングは、イオン性の電荷を有し得る。本発明のこの実施形態に従って、コーティングおよび薬物がお互いに曝される場合、相補的な電荷を有する薬物は、エンベロープ20の表面に適用された荷電したコーティングと結合する。薬物とコーティングとの間の結合の強度は、この薬物がエンベロープ20の表面からどれほど容易に放出されるかということに影響する。エンベロープ20上のコーティングと薬物との間のイオン性の結合が弱い場合、この薬物はより容易に放出される。エンベロープ20の表面コーティングと薬物との間の共有結合は、薬物放出を減少させる。
【0042】
例えば図2Bに示される、本発明に従う1つの実施形態において、エンベロープ20の内部表面30は内部表面コーティング35を有し、そしてエンベロープ20の外部表面40は外部表面コーティング45を有する。内部表面コーティング35および外部表面コーティング45は、合成および天然のコーティングから選択され得る。合成または天然のコーティングは、親水性剤、疎水性剤、および物理学的に吸収性の物質(例えば、セルローススポンジ状物質)からなる群より選択され得る。
【0043】
本発明の特定の実施形態において、エンベロープ20の一方の表面のみがコーティングされる。例えば、エンベロープ20の内部表面30のみがコーティングされる。あるいは、別の実施形態において、エンベロープ20の外部表面40がコーティングされる。コーティングされた表面を有するエンベロープ20は、手術直前に、薬物(例えば、親水性薬物)を含む溶液中に浸漬され得る。溶液中の薬物は、エンベロープ20上の親水性コーティングと結合する。別の実施形態において、親水性コーティングおよび親水性薬物を混合して、単一なコーティングを形成する。この親水性コーティングは、エンベロープ20の外部表面40、内部表面30、または外部表面40および内部表面30の両方の上に配置され得る。1つの実施形態において、エンベロープは、予め取り込まれた薬物、または薬物およびコーティングの混合物を含む。なお別の実施形態において、エンベロープ20はコーティングされないが、手術直前に薬物溶液中に浸漬される場合、その薬物はエンベロープ20の表面を覆い、そして/または十分な量の薬物(例えば、約0.5ml〜約3mlの間)がエンベロープ20中にトラップされる。
【0044】
図2Aおよび図2Bを再度参照すると、本発明の1つの実施形態において、エンベロープ20の内部表面コーティング35は疎水性であり得る。別の実施形態において、この疎水性コーティングは、これもまた疎水性である薬物と混合される。その後、予め混合された疎水性コーティングおよび疎水性薬物の組み合わせ混合物は、エンベロープ20の内部表面30上に配置される。図2Bは、図2Aに図示されるインプラント10を備えるシステムの実施形態の断面図である。図2Bは、内部表面コーティング35が、エンベロープ20の第1側面21の内部表面30および第2側面23の内部表面30上に配置されることを図示する。別の実施形態において、薬物およびコーティングの組み合わせが、その上に配置し得る。
【0045】
代替の実施形態において(示さず)、エンベロープ20の外部表面40は、疎水性コーティングおよび疎水性薬物の組み合わせ混合物でコーティングされる。
【0046】
親水性コーティングは水溶性であり得、そして適切な水溶性親水性コーティングは、Boston Scientific Corp.、Natick、MAから、商品名HydroPlusおよびHydroPassの下で入手可能である。ヒオスシアミン(hyoscymine)硫酸塩は、本発明に従って使用され得、これはPolymedica(Woburn、MA)から、商品名CYTOSPAZの下で入手可能である。ケトロラックトロメタミン(ketrolac tromethamine)は、Roche Pharmaceuticals(Nutley、NJ)より商品名Toradolの下で入手可能である。本発明に従って使用され得る親水性薬物としては、オキシブチニンクロライド、リドカイン、ケトロラックおよびヒオスシアミン硫酸塩が挙げられる。適切な疎水性薬物としては、イブプロフェン、ケトプロフェンおよびジクロフェナクが挙げられる。本発明に従って使用され得る疎水性コーティングとしては、ポリテトラフルオロエチレン、シリコンおよびピレレン(pyrelene)が挙げられる。
【0047】
本発明に従う、図3Aおよび図3Bに図示される別の実施形態において、1つ以上のアパーチャ50が、エンベロープ20中に導入される。このアパーチャ50は、例えば、切れ目またはスリットであり得る。これらのアパーチャ50はエンベロープ20を通って延びて、そしてエンベロープ20の少なくとも第1側面21を通って配置される。別の実施形態において、これらのアパーチャ50は、エンベロープ20の全ての側面に導入される。これらのアパーチャ50は、エンベロープ20の内部表面30への薬物の接近を可能とする。例えば、エンベロープ20が薬物を含む溶液中に浸漬される場合、この薬物はアパーチャ50を介してエンベロープ20の内腔185に入り込み、そして内部表面コーティング35と会合する。
【0048】
図3Aおよび図3Bをなお参照すると、本発明に従う別の実施形態において、エンベロープ20の外部表面40および内部表面30は、イオン性のコーティング組成物でコーティングされる。あるいは、エンベロープ20の外部表面40または内部表面30のうちの一方のみが、イオン性コーティング組成物でコーティングされる。アパーチャ50を有するエンベロープ20が、イオン性コーティング組成物の電荷に相補的な電荷を保持する薬物を含む溶液中に浸漬される場合、外部表面コーティング45および内部表面コーティング35の両方がその薬物と結合する。図3Bは、1つの実施形態において、エンベロープ20の第1側面21の内部表面30が、内部コーティング表面35を含み、そして第1側面21の外部表面40が外部表面コーティング45を含むことを示す。同様に、図3Bはまた、エンベロープ20の第2側面23の内部表面30が内部表面コーティング35を含み、そして第2側面23の外部表面40が外部表面コーティング45を含むことを示す。
【0049】
図3Aおよび図3Bに示される、本発明の1つの実施形態において、アパーチャ50は、エンベロープ20の少なくとも第1側面21上に存在する。この実施形態において、薬物は、アパーチャ50を通ってエンベロープ20の内腔185中へと流れる場合に、エンベロープ20の内部表面30と接触する。この薬物は内部表面コーティング35と会合する。特定の実施形態において、外部表面コーティング45は、例えばエンベロープ20が薬物を含む溶液中に浸される場合、薬物と結合する。
【0050】
エンベロープ20上に配置される1つ以上のアパーチャ50は、例えば、エンベロープ20を通って配置されるスリットである。これらのアパーチャ50はエンベロープ20中に配置され、エンベロープ20の内腔185に薬物が入り、そしてエンベロープ20の内部表面30と接触することを可能にするために、エンベロープ20上に開口部を提供する。1つの実施形態において、これらのアパーチャ50は、約1/16インチ〜最大寸法で約1/4インチのサイズの範囲であり、そしてエンベロープ20の内腔185の内外の液体交換を可能にする。1つの実施形態において、エンベロープ20を製造するために使用される物質は、多孔性の物質、例えば、ポリテトラフルオロエチレン物質またはポリエチレン物質であり、そして孔が約1ミクロン以上に達するように引き延ばされ得る。
【0051】
1つの実施形態において、1つ以上のアパーチャ50は、溶液がエンベロープ20の内腔185に流入することを許容するが流出は許容しないように配置され得る(すなわち、一方向チャネル)。別の実施形態において、エンベロープ20を通って配置される1つ以上のアパーチャ50は、孔またはスリットであり得る。このようなアパーチャ50は、約1ミクロン〜最大寸法で約1/4インチの大きさの範囲であり得る。例えば、約1/16インチと最大寸法で1/4インチとの間の比較的大きなアパーチャ50は、エンベロープ20が薬物を含む溶液中で浸漬される場合、薬物を含む溶液がエンベロープ20の内部表面30の中へと容易に侵入し、そしてそこと接触することを可能とする。いくらかの溶液はまた、エンベロープ20から免れる。別の実施形態において、1つ以上のアパーチャ50は、非常に小さい(すなわち、約5ミクロン)ために、その溶液がエンベロープ20から逃れることを許容しない。
【0052】
図3Aおよび図3Bに示されるように、本発明に従う別の実施形態において、エンベロープ20はまた、裂け目60を含む。裂け目60は、患者の体内でエンベロープ20によって取り囲まれたメッシュ10の配置のためにエンベロープ20を開ける際に、操作者を補助する。この裂け目60は、エンベロープ20を通る一連の穿孔であり得る。このエンベロープ20を通る一連の穿孔は、裂け目が配列されたエンベロープ20の一部を弱め、その結果、裂け目60は、操作者がエンベロープ20に最小の力を適用することによってエンベロープ20を開けることを可能にする。特定の実施形態において、この裂け目60は、エンベロープ20の周囲ほぼ全体に配置される。あるいは、この裂け目60は、単にエンベロープ20の周囲の一部に沿って配置され得る。
【0053】
本発明のさらに別の実施形態において、裂け目60の穿孔は、隙間50の2倍であり得、これはエンベロープ20の浸されている溶液が、エンベロープ20の管腔185に入ることを可能にし、そして、エンベロープ20の内面30と接触することを可能にする。例えば、裂け目60がエンベロープ20を通る一連の隙間50であり、エンベロープ20が薬物溶液に浸されている場合、この隙間50は、薬物溶液が被20の内面30に接触するために、エンベロープ20を通って管腔185に穿孔することを可能にする。
【0054】
あるいは、裂け目60は、容易に引き裂き得る材料を含有する。このような引き裂きの容易な材料として、例えば、低密度ポリエチレンまたは線状ポリテトラフルオロエチレン(例えば、TEFLON(登録商標))のような分子配向を有する材料が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、エンベロープ20の1つ以上の部分のみが、「引き裂き可能な」材料および/または構築方法、すなわち線状低密度ポリエチレンおよび/またはエンベロープの領域に渡る一連の穿孔もしくは隙間50を含むセクションから製造される。本発明に従う別の実施形態において、裂け目60はまた、以下に基づき、図8A〜8Kおよび9A〜9Eに詳細に記載されるように、引き裂かれ得るタブ188およびタブ198を備えるエンベロープ20を含む。さらに別の実施形態において、裂け目60は、エンベロープ20の幅24の周囲全体について配置された材料の小片である。この材料の小片は、例えば、エンベロープの内面30に位置付けられ得る。この材料の小片は、エンベロープ20の1つ以上の領域から突き出て、これがアクセスされ得、そして引き裂かれ得る場合、エンベロープ20の周囲の少なくとも一部に解体する。
【0055】
本発明のさらに別の実施形態において、このエンベロープは、2つ以上の材料の複合物である。ここで、図4A、4Bおよび4Cを参照して、エンベロープ20の第1の側面21は、第1の材料を含有し、そしてエンベロープ20の第2の側面23は、第1の材料とは異なる第2の材料を含有する。図4Cはエンベロープ20の側面図を描き、ここで、第1の側面21は第1の材料を含有し、第2の側面23は第2の材料を含有し、そして側面21および23は、エンベロープ20を形成するために縫い目27に並べられそして結合される。
【0056】
1つの実施形態において、エンベロープ20の第1の側面21の第1の材料は、引き裂き可能な材料からなる群より選択され、これらの材料として、例えば、ポリプロピレン、ナイロン、線状低密度ポリプロピレンのような分子配向性を有する材料あるいは他の利用可能な可撓性のフィルムが挙げられる。別の実施形態において、エンベロープ20の第2の側面23の第2の材料は、引き裂かれない材料であり得、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、TYVEK(登録商標)、MYLAR(登録商標)または例えば、熱可塑性のような他の材料であり得る。本発明に従う、複合エンベロープ20は、引き裂かれない2つの異なる材料から形成され得る(例えば、第1の側面21は、TYVEK(登録商標)を有し、そして第2の側面23は、MYLAR(登録商標)を有する)。あるいは、複合エンベロープ20は、ポリエチレンの第1の側面21およびポリプロピレンの第2の側面23といった、裂ける2つの材料から形成され得る。
【0057】
図4Aは、図4Cに図示されたエンベロープ20の第1の側面21を図示し、そして図4Bは、図4Cに図示されたエンベロープ20の第2の側面23を図示する。図4Aを再び参照して、上面931から下面941までを測定した第1の側面21の幅241は、約0.2インチ〜約2.0インチにわたるか、または約0.5インチ〜約0.8インチにわたり、そして好ましくは、0.6インチである。図4Aに図示されるように、第1の端部911から第2の端部921までを測定した第1の側面21の長手方向軸221は、約3.9インチ〜約27.6インチの長さにわたるか、または約11.8インチと約23.6インチとの間であり、好ましくは、19.7インチである。図4Bを再び参照して、上面932から下面942までを測定した、第2の側面23の幅242は、約0.2インチ〜約2.0インチにわたるか、または約0.5インチと約0.8インチとの間であり、好ましくは0.6インチである。第1の端部912から第2の端部922までを測定した、第2の側面23の長手方向軸222は、約3.9インチ〜約27.6インチにわたるか、または約11.8インチと約23.6インチとの間であり、好ましくは19.7インチである。
【0058】
図4A、4Bおよび4Cを再び参照して、1つの実施形態において、エンベロープ20の第1の側面21および第2の側面23は、大きさに切断され得、そして第1の側面21は、第2の側面23の上端に配置され得そして、第2の側面23に並べられ得る。第1の側面21および第2の側面23が並べられる場合、第1の側面21の上面931および第2の側面23の上面932は隣接し(示さず)、第1の側面21の下面941および第2の側面23の下面942は、隣接し、第1の側面21の第1の端部911および第2の側面23の第1の端部912は隣接し、そして第1の側面21の第2の端部921および第2の側面23の第2の端部922は隣接する。エンベロープ20は、例えば、並べた第1の側面21および第2の側面23の周辺を熱接着することにより形成され得、並べた第1の側面21および第2の側面23の4つの側面の周囲に縫い目27を形成し得る。さらに図4Cを参照して、別の実施形態において、管状エンベロープ20を形成するために、第1の縫い目(示さず)は、第1の側面21の上面931と第2の側面23の上面932との間に形成され、そして第2の縫い目27は、第1の側面21の下面941と第2の側面23の下面942との間に形成され、従って、エンベロープ20の内部は、第1の開口端201および第2の開口端202とを備える管腔185を備える。
【0059】
あるいは、第1の側面21が、第2の側面23の上端に配置される場合、第2の側面23(これは、第1の側面21に隣接する)は、融解性ライナー(melt liner)を含み得る。融解性ライナーは、第1の側面21および/または第2の側面23に加えられる場合(例えば、側面21および側面23が、所望の温度範囲に曝される場合)、第1の側面21と第2の側面23との間の縫い目27の形成を補助する、層または層の一部である。使用され得る適切な融解性ライナーとしては、例えば、低密度ポリエチレン、ポリウレタン、およびポリエステルが挙げられる。1つの実施形態において、第2の側面23は、引き裂かれ得ない材料(例えば、TYVEK(登録商標))を含む。1つの実施形態において、第1の側面21に隣接するTYVEK(登録商標)の少なくとも側面は、融解性ライナーに覆われ、この融解性ライナーは、エンベロープ20の縫い目27を形成するために第1の側面21と第2の側面23とを熱シールすることが可能である。図4Cに示される、エンベロープ20のさらに別の実施形態において、第1の側面21および第2の側面23は、縫い目27を形成するために接着剤を用いて結合される。適切な接着剤として、例えば、ウレタンベースの接着剤およびポリエステルベースの(すなわちエラストマーの)接着剤が挙げられる。1つの実施形態において、縫い目27は、複合エンベロープ20の引き裂き可能な領域を形成する。図4Dおよび図4Eに図示される別の実施形態において、第2の側面23は、第1の側面21より寸法が大きい。1つの実施形態において、第2の側面23の幅242の寸法を測定すると約0.8インチであり、そして第2の側面23の長手方向軸222を測定すると、約27.6インチである。第1の側面21の幅241の寸法を測定すると、約0.5インチであり、長手方向軸221を測定すると、約27インチである。第1の側面21は、上端面21aおよび底面21b(示さず)を有し、そして第1の側面21は、第2の側面23の上端に配置される。別の実施形態において、第1の側面21は、第2の側面23の中央に配置される。第2の側面23は、上端面23aおよび底面23bを有する。
【0060】
図4Eおよび4Fは、図4Dに示される第2の側面23の幅242に沿う余剰資材をが、第1の側面21の上端部21aに位置するように折り畳まれることを示す。第2の側面23の上面932の折り畳まれた部分26は、第1の縫い目27を形成するために第1の側面21の上端面21aと結合され、そして第2の側面23の底面942の折り畳まれた部分26はまた、第2の縫い目27を形成するために、第1の側面21の上端面21aと結合される。第1の側面21の上端面21aに折り畳まれた第2の側面23の折り畳まれた部分26は、接着剤を含み、この部分は、第2の側面23の上端面23aを第1の側面21の上端面21aに結合し、管腔185を有するエンベロープ20を形成する。あるいは、第2の側面23の上端面23a(これは、第1の側面21の上端面21aに隣接する)は、融解性ライナーを含む。第2の側面23の一部が、第1の側面21を超えて折り畳まれる場合、融解性ライナーは、例えば、折り畳まれた部分26に熱を与えることによって、第2の側面23の折り畳まれた部分26と第1の側面21とを連結し、第2の側面23と第1の側面21の上端面21aとを結合し、縫い目27を形成する。さらに別の実施形態において、第1の側面21の第1の材料および第2の側面23の第2の材料は、折り畳まれた部分26において熱接着により結合され、縫い目27を形成する。
【0061】
特定の実施形態において、図4Dおよび図4Eを再び参照して、第1の側面21の第1の材料は、引き裂き可能(すなわち、線状低密度ポリエチレン)であり、そして第2の側面23の第2の材料は、引き裂かれ得ない(例えば、MYLAR(登録商標))。ここで、図4Eおよび4Fを参照して、第2の側面23の上端面23aの折り畳まれた部分26は、上面932で、第1の側面21の上端面21aと結合され、第1の縫い目27を形成し、そして第2の側面23の下面942は、第2の縫い目27を形成する。一旦、第1と第2の縫い目27が形成されると、第1の側面21および第2の側面23は、エンベロープ20を形成し、このエンベロープ20は、管腔185を有する。管腔185の第1の側面21の第1の端部911が、第2の端部921に向かって引き抜かれる場合、折り畳まれた部分26での第2の側面23のほぼ上面932および下面942とで結合された第1の側面21の引き裂き可能な材料は、縫い目27で引き裂かれ、そして第2の側面23から切り離される。従って、引き裂き可能な領域は、引き裂かれない材料が、引き裂かれる材料と結合されているエンベロープの領域を含み得る。
【0062】
図4Gは、ここで、第1の側面21の底面21bが、ほぼ折り畳まれた部分26で第2の側面23の底面23bと結合され、エンベロープ20の第1の縫い目27および第2の縫い目27を形成するための実施形態を図示する。1つの実施形態において、第1の側面21上の第1の材料が引き裂き可能ではなく、そして第2の側面23上の第2の材料が、引き裂き可能であり、第1の側面21が第2の側面23から分離される場合、第2の側面23は、縫い目27で引き裂かれる。
【0063】
別の実施形態において、ここで図5A〜5Eを参照して、本発明は、スペーサー100を備えるエンベロープ20、インプラント10を取り囲むエンベロープ20を特徴とする。スペーサー100は、エンベロープ20の少なくとも1つの外部面上の突出部であり、患者の体内における解剖学的部位にてインプラント10の位置決めを補助するための、1つ以上の事前に選択された平面を備える。図5Aに図示される1つの実施形態において、エンベロープ20は、中間尿道スリング(mid−urethral sling)10のようなインプラント10を取り囲む。スペーサー100は、患者の身体の内部へのスリング10の配置を調整するために使用される。例えば、スリング10が、アンカーを有さない中間尿道スリング安定化法により、腹圧性尿失禁の処置のために使用される場合、事前に選択された寸法を備えるスペーサー100は、スリング10および患者の尿道999を取り囲むエンベロープ20との間の距離の参照を提供するために使用される。操作者は、スペーサー100の既知の事前に選択された寸法によって、スリング10を封入するエンベロープ20と患者の尿道999との間の相対距離を参照され得る。操作者はまた、スペーサー100に適用される張力に関して、スリング10を調整し得る。1つの実施形態において、裂け目60を含むエンベロープ20はまた、図3A〜3Bに関連して記載されたような、スペーサー100を備え、このスペーサーは、張力の調整を提供し得る。裂け目60は、スリング10が配置された後の、エンベロープ20の除去を単純化する。
【0064】
本発明に従う1つの実施形態において、図5Aに図示されるスペーサー100は、エンベロープ20の周辺に固定される。図5Bおよび5Cにおいて図示される1つの実施形態において、スペーサー100は、エンベロープ20の周辺で固定され得るクランプ110である。クランプ110スペーサー100は、エンベロープ20に開放可能なように結合され得る。クランプ110は、第1の部材120および第2の部材130を有する。第1の部材120は、近位端120aおよび遠位端120b、ならびにそれらの間に広がる少なくとも第1の外部面121および第1の厚み105を有する。クランプ110はまた、第1の内部面122を有する。第2の部材130は、近位端130aおよび遠位端130b、ならびにそれらの間に広がる少なくとも第2の外部面131および第2の厚み106を有する。1つの実施形態において、(示さず)、第1の部材120の近位端120aおよび第2の部材130の近位端130aは、例えば結合することによって、係合可能であり、そして第1の部材120の遠位端120bおよび第2の部材130の遠位端130bは、結合することによって係合可能である。
【0065】
図5Bおよび5Cに示されるような、特定の実施形態において、クランプ110は、さらにヒンジ140を備える。クランプ110のヒンジ140は、第1の部材120とクランプ110の第2の部材130とを連結する。第1の部材120の近位端120aおよび第2の部材130の近位端130aは、舌部および溝型、ネジおよび孔、または当業者に公知の結合のための他の機構のような結合機構によって結合する。クランプ110は、エンベロープ20を取り囲むような大きさにされる。クランプ110の第1部材120の第1の内部面122の長さ、および、クランプ110の第2の部材130の第2の内部面132の長さは、約0.2インチ〜2.0インチにわたる。クランプ110の内部面122の寸法およびクランプ110の内部面132は、エンベロープ20の寸法に従って選択される。
【0066】
ここで、図5Dを参照して、第1の部材120の幅125およびクランプ110の第2の部材130の幅(示さず)は、約0.2インチと約0.8インチとの間にわたり得、好ましくは、約0.4インチと約0.6インチとの間にわたり得る。クランプ110の第1の部材120の長さ127は、約0.2インチ〜約2.0インチの間にわたり得る。図5Bおよび図5Cを再び参照して、クランプ110の第1部材120の厚み105は、約0.007インチと約0.12インチとの間にわたり得る。
【0067】
1つの実施形態において、さらに図5Aおよび5Bを参照して、スペーサー100は、第1の部材120を備える。スペーサー100の第1の部材120の厚み105は、スリング10を取り囲むエンベロープ20と患者の尿道999または患者の膀胱頚部との間の距離に固定される。第1の部材120がスペーサーである場合、スペーサー100の厚み105の寸法を測定すると、約0.007インチと約0.8インチとの間であり、好ましくは、約0.2インチと約0.6インチとの間である。スペーサー100が、患者の尿道999に隣接して配置される実施形態において、第1の部材120の長さは、第1の部材120の近位端120aおよび遠位端120bとの間の距離によって測定され、患者の尿道999の長さを補完する長さに合わされ得、概して、約0.2インチと約1.2インチとの間である。
【0068】
図5Eに図示される実施形態に示されるように、スペーサー100は、エンベロープ20の第1の側面21に配置されるバルク材112を備え得る。このバルク材112は、例えば、ポリエチレンまたはカルボキシメチルセルロースナトリウムのようなヒドロゲル、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)またはそれらの組み合わせであり得る。1つの実施形態において、バルク材112は、エンベロープ20の第1の側面21の表面全体に配置され得る。
【0069】
あるいは、図5Eに示されるように、バルク材112は、エンベロープ20の第1の側面21の一部にのみ配置され得る。例えば、1つの実施形態において、バルク材112は、エンベロープ20の第1の側面21の長手方向軸の第1の端部201と第2の端部202との間の中間点に配置され得る。このバルク材112は、長手方向軸の中間点の側面の各々に、約0.1インチ〜約0.4インチの間に配置され得、好ましくは、約0.2インチ〜約0.3インチの間に配置され得る。図5Eの参照を続けて、スペーサー100のバルク材112は、エンベロープ20の第1の側面21の幅24を横切って、すなわちエンベロープ20の上端面203および底面204との間に、配置され得る。図5Aを再び参照して、スリング10を取り囲むエンベロープ20が、アンカーを有さない中間尿道スリング安定化法により、腹圧性尿失禁の処置のために使用される場合、エンベロープ20の幅24は、尿道999または膀胱頚部に隣接する。スペーサー100は、エンベロープ20と患者の尿道999または患者の膀胱頚部との間の距離の参照を提供する。バルク材112は、エンベロープ20の幅24に沿っておよそ、約0.2インチ〜約1.2インチの間に配置されるべきである。なぜならば、スペーサー100は、女性の尿道の長さ以下であるべきだからであり、そして概して、女性の尿道の最大長は、1.2インチである。第1の側面21の上に配置されるバルク材112の厚み103は、約0.007インチ〜約0.8インチの間にわたり得、好ましくは、約0.2インチ〜約0.6インチの間である。
【0070】
図5F〜5Gに図示されるさらに別の実施形態において、スペーサー100は、バルーン111を備える。1つの実施形態において、バルーン111は、エンベロープ20の一部であり、そしてエンベロープ20と一体化する。別の実施形態において、スペーサー100、バルーン111は、例えば接着剤によって、エンベロープと結合される。
【0071】
1つの実施形態において、バルーン111は、エンベロープ20の第1の側面21の内面30上に位置付けられる。別の実施形態において、このバルーン111は、エンベロープ20の第1の側面の外面40上に位置付けられる。このバルーン111は、エンベロープ20の第1の側面21の長さ全体に沿って配置され得る。あるいは、図5F〜5Gに示されるように、バルーン111は、エンベロープ20の第1の側面21の単に一部に配置され得る。例えば、1つの実施形態において、バルーン111の長手方向軸107は、約1.2インチ〜約4.0インチの間でエンベロープ20の長手方向軸22のほぼ中央点にある。バルーン111の幅104の寸法を測定すると、約0.4インチ〜約1.2インチの間にある。特定の実施形態において、バルーン111の長手方向軸107は、約0.2インチ〜約0.8インチの間にあり、好ましくは、約0.4インチ〜約0.6インチであり、エンベロープ20の長手方向軸22のほぼ中央点にあり、そしてバルーン111の幅104は、約0.4インチ〜約1.2インチの間にある。1つの実施形態において、バルーン111の幅104は、女性の尿道の長さ以下であり、概して1.2インチ以下である。別の実施形態において、バルーン111の幅104は、エンベロープ20の幅24と同一である。
【0072】
バルーン111は、エンベロープ20と同一の材料から作製され得る。これらの材料として、例えば、スポンジ様材料のような吸着材料、またはポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレンまたはこれらのコポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、バルーン111は、エンベロープ20を作製するために使用された材料とは異なる材料から作製され得る。バルーン111は、当業者に公知の方法に従って、エンベロープ20上に配置され得、例えば、エンベロープ20の表面上に、膠状で付ける(gluing)か、縫い付けるか、結びつけるか、または融かして付けることにより配置され得る。1つの実施形態において、バルーン111は、流体または気体で満たされ、次いで、エンベロープ20の第1の側面21の外部表面40に結合される。あるいは、バルーン111は、バルーン111がエンベロープ20に結合された後、気体または液体で満たされ得る。さらに別の実施形態において、このバルーン111は、エンベロープ20が組み立てられる場合、一体化される、すなわち、エンベロープ20の中に組み立てられる。
【0073】
バルーン111は、水、滅菌水、食塩水、またはバルク材(例えば、ポリエチレン)またはヒドロゲル(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、PBSリン酸緩衝化生理食塩水、またはそれらの組み合わせのような気体または流体で満たされ得る。別の実施形態において、このバルーン111は、約0.08インチ〜約0.8インチの間の厚み103に満たされ得、好ましくは、約0.2インチ〜約0.6インチである。バルーン111の膨張の範囲は、操作者の好み、患者の大きさ、バルーンが位置付けられる解剖学的な部位、または他の因子に基づいて変わり得る。1つの実施形態において、このバルーン111は、外科手順を始める前に操作者によって満たされ得る。あるいは、このバルーン111は、インプラント10を取り囲むエンベロープ20が、患者の身体の解剖学的部位に導入された後に、満たされる。
【0074】
本発明に従う、1つの実施形態において、このバルーン111は、シリンジと結合したニードルのバルーン111への挿入により満たされ得、そしてシリンジの内容物(例えば、空気、水、滅菌水、食塩水、バルク材、またはそれらの組み合わせ)を、バルーン111に注入する。あるいは、このバルーン111は、弁を備え得、そしてこのバルーンは、シリンジの内容物をバルーン111に注入することによって実質的に満たされ得る。1つの実施形態において、このバルーン111は、事前に満たされ得、そしてエンベロープ20に予め取り付けら得る。
【0075】
図5Hおよび図5Iに示される別の実施形態において、クランプ110は、バルーン111またはバルク材112を備える。例えば、図5Hに示される、第1の部材120の第1の外部面121は、バルーン111を備える。この実施形態において、スペーサー100の厚みは、第1の部材120の厚み105およびバルーン、バルク材または他のスペーサーデバイスの厚み103との組み合わせを含む。スペーサー100の厚みは、それぞれ、図5Hおよび5Iに示されるような第1の部材120の厚み105およびバルーン111の厚み103、または、第1の部材120の厚み105およびバルク材112厚みの103を含む。スペーサー100の厚みは寸法を測定すると、約0.007インチ〜約0.8インチの間にあり、好ましくは、0.08インチ〜0.7インチの間にあり、好ましくは約0.2インチ〜約0.6インチの間にある。
【0076】
図5Hを参照して、このバルーン111は、第1の部材の外部面121上に配置され得る。同様に、図5Iに示されるように、バルク材112は、第1の部材120の外部面121上に配置され得る。1つの実施形態において、このバルーンまたはバルク材は、第1部材120の第1外部面121を完全に覆う。図5Aを再び参照して、スペーサー100が、尿道中間部のスリング手順に使用される場合、このスペーサー100は、尿道999または膀胱頚部に隣接して位置付けられる。尿道の長さは、概して3cm(約1.2インチ)までである。従って、バルーンまたはバルク材がクランプ110の第1の部材120と一緒になってスペーサー100を形成する場合、スペーサー100の長さは、それに基づいて合わせられる。図5Dを再び参照して、バルーンまたはバルク材は、第1の部材120の長さ127を約0.2インチ〜約1.2インチの間で覆うように位置付けられ、スペーサー100を形成する。1つの実施形態において、バルーン111およびバルク材112は、第1の部材120の幅125を約0.2インチ〜約0.8インチの間で覆うように位置付けられる。特定の実施形態において、バルーン111またはバルク材112は、第1の部材120の幅125を覆う。
【0077】
別の実施形態において、クランプ110は、圧力感受性機構すなわち圧力センサ101を備える。1つの実施形態において、図5Bにおいて図示される、クランプ110は、第1の部材120の外部面121上に圧力センサ101を備える。別の実施形態において、図5Hに示されるように、第1の部材120の第1の外部面121は、バルーン111のようなスペーサー100および圧力センサ101を備える。この圧力センサ101は、スペーサー100に適用される圧力を示す。あるいは、図5Gに示されるような、エンベロープ20上に配置されるスペーサー100は、圧力センサ101を備える。
【0078】
図5Aおよび図5Bを再び参照して、圧力センサ101は、スペーサー100によって尿道999または膀胱頚部に適用される圧力を測定するおよび/または示すために外科手順の間に使用される。このスペーサー100は、インプラント10を取り囲むエンベロープ20に隣接する(すなわち、エンベロープ20上に配置されるかまたは結合される)。スリング10を取り囲むエンベロープ20を移植する場合、尿道999または膀胱頚部とこのスリング10との間の距離を調整するために、張力が、エンベロープ20に適用される。目標圧力範囲は、インジケーターまたは圧力ゲージに設定され得る。圧力センサ101は、例えば、管の1つの端部でスペーサー100に結合され、そして管のもう一方の端部で圧力インジケーターに接続された管であり得る。適切なレベルの圧力がスペーサー100に適用される場合、圧力センサ101は、木彫とされた圧力範囲が達成されたことを示す。圧力センサ101は、種々のインジケーター手段(例えば、音、デジタル読出し、機械的インジケーター、および後押し液(fluid displacement)(すなわち、圧力計))によって、この圧力に到達したことを示し得る。圧力センサ101が、圧力範囲が満たされたことおよびエンベロープ20の配置が適切に調整されたことを示す場合、次いで、スペーサー100およびエンベロープ20は、除去され、スリング10を正しい位置に残し、そして患者の身体における解剖学的な部位にて適切な圧力のままにする。別の実施形態において、スペーサー100およびエンベロープ20が、除去された後、スペーサー100によって作り出されたギャップは、スリング10と尿道999との間に残され、そしてスリング10と尿道999との間に負荷は存在しない。スペーサー100が、エンベロープ20の周辺に固定されたクランプ110である実施形態において、患者の身体における外科的部位からエンベロープ20を除去するに先立ち、クランプ110は、エンベロープ20から放出される。
【0079】
本発明に従った別の実施形態において、エンベロープ20および/またはクランプ110は薄い色がついている。1つの実施形態において、エンベロープ20の一部のみが、例えば、エンベロープ20の長手軸22の周りに薄い色がついている。エンベロープ20およびクランプ110は同じ色であってもよいし、あるいはこれらは異なる薄い色であってもよい。なお別の実施形態において、1つの様式またはデザインをエンベロープ20および/またはクランプ110に適用する。好ましい実施形態において、このエンベロープ20は薄い青色であり、この色は、患者の体内へとスリング10を移植する場合に使用される膀胱鏡(cytoscope)からの明かりの下で可視である。別の実施形態において、エンベロープ20は薄い黒色である。なお別の実施形態において、スペーサー、クランプ、薄色の領域または他の表示マークは、スリング10の配置についての可視な表示を提供する。この可視な表示を使用して、オペレーターに、スリング10の方向性について、例えば、このスリング10が表を上にしているか、表を下にしているか、または曲がっているかについて、伝え得る。1つの好ましい実施形態において、この可視な表示マークは、スリング10を囲むエンベロープ20の中央にある。引き続き図5Aについて、1つの好ましい実施形態において、クランプ110の可視の表示は尿道999と整列される。
【0080】
なお別の実施形態において、例えば、図6に示されるように、バルーン111を備えるエンベロープは、エンベロープ20の外部表面40上に外部表面コーティング45を備える。治療薬物は、例えば外部表面コーティング45と結合されるように、結び付けられ得る。スペーサー100を有するエンベロープ20は、さらに、上記のように1つ以上の薬物および/または1つ以上のコーティングを備え得る(図1A、図1B、図2A、図2B、図3Aおよび図3B、ならびに対応する本文を参照のこと)。
【0081】
別の局面において、本発明はエンベロープに囲まれたインプラントを送達するためのシステムである。1つの実施形態において、本発明に従って、エンベロープ20は、2つ以上のスリーブ20A、スリーブ20Bを有し、これらを、第1スリーブ20Aの片方の末端が、隣接する第2スリーブ20Bの末端と重なるように配置する。これら2つのスリーブ20A、スリーブ20Bは、インプラント10を囲む。例えば、図7Aを参照すると、第1スリーブ20Aは、タブ158を備える近位末端154および遠位末端150を有する。1つの実施形態において、タブ158は第1スリーブ20Aの近位末端154を閉じる。別の実施形態において、タブ158は、患者の体内の解剖部位にてエンベロープ20を位置させるための位置決めの部材である。図7Aをなお参照すると、第1スリーブ20Aの遠位末端150は、第2スリーブ20Bの近位末端160に隣接する。第2スリーブ20Bの遠位末端164は、タブ168を備える。1つの実施形態において、タブ168は第2スリーブ20Bの遠位末端164を閉じる。別の実施形態において、このタブ168は、患者の体内の解剖部位にてエンベロープ20を位置付けるための位置決めの部材である。
【0082】
第1スリーブ20Aの長さは、遠位末端150〜近位末端154まで測定されると、約2.0インチ〜約15.4インチの範囲であり得、好ましくは11.0インチである。第2スリーブ20Bの長さは、近位末端160〜遠位末端164まで測定されると、約2.0インチ〜約15.4インチの範囲であり得、好ましくは11.0インチである。1つの実施形態において、第1および第2のスリーブ20Aおよびスリーブ20Bは、これらの遠位末端から近位末端まで、等しい長さである。図7Bは、インプラント10、例えば中央部の尿管スリングを示し、その一部が第1スリーブ20Aの遠位末端150の中へと取り付けられ、そしてその一部が第2スリーブ20Bの近位末端160の中へと取り付けられる。スリング10の長さ(すなわち、スリング10の近位末端11から遠位末端12までの距離)は、約4.0インチ〜約24.0インチの範囲であり得るか、または約16.0インチ〜約20.0インチの間であり、好ましくは約18.0インチである。
【0083】
図7Cは、インプラント10を囲む、第1スリーブ20Aおよび第2スリーブ20Bを備えるエンベロープ20の1つの実施形態を示す。7Cに示されるように、スリーブ20Bの近位末端160をスリーブ20Aの遠位末端150の中へと挿入して、第1スリーブおよび第2スリーブ20A、20Bの重なり領域20Cを形成する。第1スリーブ20Aおよび第2スリーブ20Bの重なり領域20Cは、約0.4インチ〜約3.2インチの長さの範囲であり得、好ましくは0.8インチと1.6インチとの間である。図7Dは、第2スリーブ20Bの近位末端160が第1スリーブ20Aの遠位末端150により囲まれる位置でのエンベロープ20の領域20Cの断面の1つの実施形態を図示する。図7Cを再度参照すると、重なり領域20Cの長さ、スリング10の長さ、ならびに第1スリーブ20Aおよび第2スリーブ20Bの長さは、スリング10の近位末端11からスリーブ20Aの近位末端154まで、スリーブ20Aのセクション172を提供するように選択される。このセクションの長さは少なくとも1インチの長さである。同様に、スリング10の遠位末端12からスリーブ20Bの遠位末端164までの、スリーブ20Bのセクション174は、少なくとも1インチの長さである。これらのセクション172およびセクション174は、以下に記載のように、オベレーターによって把持されて、そしてスリング10のインプラントの位置を妨ない、患者の体からのエンベロープ20の取り外しを補助する。
【0084】
エンベロープ20の長手軸22は、第1側面201と第2側面202との間を測定すると、約3.6インチ〜約30.4インチの範囲であるか、または約11.8インチと約23.6インチとの間の長さであり、好ましくは19.7インチである。エンベロープ20の幅24は、エンベロープ20の上側203と底側204との間を測定すると、約0.2インチ〜約2.0インチの範囲であり得るか、または約0.5インチと約0.8インチとの間であり、好ましくは0.6インチである。
【0085】
図7E、7Fおよび7Gに示される、本発明に従った別の実施形態において、クランプ110を使用して、重なり領域20C中にスリーブ20Aおよびスリーブ20Bを固定し、その結果、スリーブ20Aおよびスリーブ20Bを適所に固定して、そしてインプラント10はエンベロープ20の内部に留まる。この実施形態において、このクランプ110はエンベロープ20の重なり領域20Cの境界線の周囲に位置して、そして固定される。図7Eおよび7Fに示されるように、患者の体内の解剖部位にこのエンベロープ20を位置する手順の間に、クランプ110の第1部材120および第2部材130を近くに並べて配置して、領域20Cを固定するように、かつ第1スリーブ20Aおよび第2スリーブ20Bの解離を防ぐように、十分な圧縮力を提供する。1つの実施形態において、クランプ110または他の留め具は、スリーブ20Aおよびスリーブ20Bを解放可能に結合させて、そしてクランプ110を備えるエンベロープ20が患者の体内に位置する後、このクランプ110は留め具を外されてそして取り除かれる。次いで、スリーブ20Aおよびスリーブ20Bを取り除いて、そしてスリング10は患者の体内の解剖部位に置かれたままで残る。例えば、止血剤、針把持体、およびスプリングで負荷されたクランプのような、代替の留め具(示さない)を使用して、エンベロープのスリーブの内側に、インプラントを固定し得る。
【0086】
図7Fは、図7Eに図示されるエンベロープ20の側面図を示す。このエンベロープ20は、2つのスリーブ20Aおよび20B、ならびにクランプ110を備える。このクランプ110を使用して、スリーブ20Aおよび20Bを結合して、インプラント10を取り囲む。図7Fに示されるように、スリーブ20Aの遠位末端150の内部のスリーブ20Bの近位末端160は、重なり領域20Cを形成する。このクランプ110を重なり部分20Cの境界線の周りに設置する。この図では、クランプ110のヒンジ140は、エンベロープ20の側面より可視である。
【0087】
別の局面において、本発明は患者の体内で解剖部位にスリング10を設置するため(例えば、女性の尿失禁の処置のために、中心尿道のスリングを設置するため)の方法を含む。本発明に従った方法の1つの実施形態において、例えば、図7Eおよび図7Fに示されるように、クランプ110をスリング10の中点の周囲に置く。医者は、クランプ110を用いて、スリング10を取り囲むエンベロープの配置を指し示し得る。スリング10の取り付けの間に、このクランプ110は患者の尿道999の直下に設置される。このクランプ110はさらにスペーサー100を備え得る。例えば図5Hおよび図5Iに関して上記のように、このスペーサー100はクランプ110の第1部材120の厚さ105を備え得るか、代替的にはさらに、クランプ110上のスペーサー100の厚さは、バルーン111の厚さ103もしくは張出し器具(bulk material)112の厚さ103を含み得る。オペレーターはスペーサー100を使用してスリング10の取り付け中にスリング10の張力を調節し得る。別の実施形態において、このクランプ110はさらに、圧力センサ(例えば、図5B、5F、5Gおよび5Hに関して上記の圧力センサ101)を備え得る。この圧力センサ101はオペレーターにより使用されて、スリング10を設置すること、およびスリング10に対して正しい張力を適用することを補助する。
【0088】
本発明に従った方法の1つの実施形態において、オペレーターは、患者の体内の解剖部位に、図7Eおよび図7Fに示されるように、第1スリーブ20A、第2スリーブ20B、スリング10ならびにクランプ110を備えるエンベロープ20を設置する。本発明に従った1つの実施形態において、オペレーターがスリング10の位置および/または張力に納得する場合、クランプ110を切り離し、エンベロープ20から解除され、そして患者の体から取り除かれ得る。次いで、オペレーターは、スリーブ部分174および172をそれぞれ把持して引く抜くことにより、患者の体から第2スリーブ20Bおよび第1スリーブ20Aを取り除き得る。スリング10の取り付けおよび張力を維持してそしてスリング10器具が伸びるのを避けるように慎重に、クランプ110ならびにスリーブ20Aおよび20Bの除去を完了させる。従って、本発明の特定の実施形態において、第1スリーブ20Aおよび第2スリーブ20Bの取り外しは、スリング10の位置に変化を全く生じない。従って、スリング10の取り付けおよび/または張力は、オペレーターが、第1スリーブ20Aおよび第2スリーブ20Bの除去の前に、体内の解剖部位にスリング10を取りつけた場合の、スリング10の取り付けおよび張力と同様に、保持される。
【0089】
本発明に従ったなお別の実施形態において、図7Gに示される、第1スリーブ20A、第2スリーブ20B、スリング10およびクランプ110を備えるエンベロープ20はまた、エンベロープ20の外部表面上に配置された外部表面コーティング45を備える。スリーブ20A、スリーブ20Bおよびクランプ110を備えるエンベロープ20は、さらに、上記のような1つ以上の薬物および/または1つ以上のコーティングを備え得る(図1A、図1B、図2A、図2B、図3Aおよび図3B、ならびに対応する本文を参照のこと)。
【0090】
別の局面において、本発明は、エンベロープおよびインプラントの送達のためのシステムを含む。図8Aに示される1つの実施形態において、このシステムは、2つ以上のスリーブ20A、20B、および1つ以上のタブ188、タブ198、タブ208、タブ218を備えるエンベロープ20を含む。これらタブ188、タブ198、タブ208およびタブ218は、患者の体内からのエンベロープ20の取り付けおよび/または除去を容易にする。
【0091】
図8Aを参照すると、本発明に従った1つの実施形態において、このシステムは、第1スリーブ20A、第2スリーブ20B、タブ188、タブ198およびエンベロープヒンジ200を備えるエンベロープ20を備える。このエンベロープ20は、インプラント10を取り囲む。例えば、図8Bは、図8Aに図示されるエンベロープ20の第1スリーブ20Aを図示する。第1スリーブ20Aは、内部表面30、外部表面40、近位末端154および遠位末端150を備える。第1スリーブ20Aは、第1内腔185Aを有する。長手軸22Aに沿った近位末端154と遠位末端150との間の第1スリーブ20Aの長さは、約4.0インチと約28.0インチとの間であり、好ましくは約20.0インチである。第1スリーブ20Aの垂直軸24Aは、約0.2インチ〜約2.0インチの間に及び、好ましくは約0.4インチと約0.8インチの間であり、好ましくは0.6インチである。
【0092】
図8Bをなお参照すると、本発明の1つの実施形態において、矢印172および矢印174により示される2つの角が、第1スリーブ20Aに、切り込まれる。これらの角172および角174は、図8Bに図示されるスリーブ20Aの長手軸22Aから、約20°〜約100°の範囲で切り込まれるか、または約30°〜約70°であり、好ましくは、約60°である。1つの実施形態において、この2つの角172および角174は、約0.01インチと約0.05インチとの間の距離で第1スリーブ20Aに切り込まれ、好ましくは約0.04インチである。1つの実施形態において第1スリーブ20Aに切り込まれた距離は、このスリーブ20A材料の厚さと等しい。角172および角174、ならびにそれらの配置は、以下に示されるように、例えば裂け目のための開始点を提供することにより、このスリーブ20Aをタブ188で裂くことを容易にし得る。スリーブ20Aの遠位末端150の部分は、この遠位末端150から角172まで、および遠位末端150から角174までの長手軸22Aに沿って切り取られる。一般的に、遠位末端150から各それぞれの角までの長手軸22Aに沿って切り取られる第1スリーブ20Aの量は、実質的に同じである。第1スリーブ20Aは第1内腔185Aを有して、そしてその構造は管のようであるので、第1スリーブ20Aが切り取られた後、遠位末端150部分は、図8Cおよび図8Dに図示されるような、上面部150Aおよび底面部150Bを有する。角174から上面部150Aの末端150までの第1スリーブ20Aの長手軸22Aは、約2.0インチ〜約14.0インチの間に及び得、好ましくは約10.0インチである。上面部150Aの幅は、この幅がエンベロープ20の第1スリーブ20Aの第1内腔185Aの内径と等しいか、またはそれよりも小さいような大きさである。例えば、上面部150Aの幅は、約0.1インチと約2.0インチとの間に及び得る。
【0093】
図8Cをなお参照すると、タブ188は上面部150Aの末端と繋げられ得る。このタブ188は、上面部150Aの末端150の幅を補うように成形され得る。タブ188は、例えば、上面部150Aの末端150に接着する接着剤を備え得る。別の実施形態においてタブ188は、接着剤、ステープル、加熱接着剤または当業者に公知の他の方法によって、上面部150Aと繋がれた厚紙を備え得る。タブ188が例えばTYVEK(登録商標)のような種々の医用グレードの物質を備え得、それら物質は、第1スリーブ20Aの上面部150Aと繋がれ得ることが、企図される。あるいは、上面部150Aの末端150は、タブ188に成形され得る。この実施形態において、このタブ188はスリーブ20Aまたはスリーブ20Bの材料上にエンボス加工された組織を有し得るか、またはスリーブ20Aもしくはスリーブ20Bの材料のさらなる層を末端150と繋いでタブ188を形成し得る。1つの実施形態において、このさらなる層は着色され得る。
【0094】
図8Dに示されるように、1つの実施形態において、タブ188と結合された上面部150Aは、第1スリーブ20Aの第1内腔185Aの中へと第1スリーブ20Aの近位末端154に向かって引き込まれる。従って、エンベロープが平坦にあり得ることを確認するために、上面部150Aの幅は、好ましくは、第1内腔185Aの内径と等しいか、またはそれよりも小さいような大きさであり、その結果、上面部150Aが第1内腔185Aの内部へと引き込まれる場合にスリーブ20Aが平らである。
【0095】
特定の実施形態において上面部150Aはスリーブ20Aの中には完全には引き込まれず、その結果、上面部150Aの重なり部位150Cは、第1スリーブ20Aの外部表面40上に残る。この重なり部位150Cは、約0.04インチ〜約1.2インチの間の範囲であり、好ましくは約0.3インチである。底面部150Bの長さは、角172および角174から、長手軸22Aに沿って、そして底面部150Bの遠位末端150へと計測すると、約2.0インチ〜約14.0インチの間に及び得、好ましくは約10.0インチである。
【0096】
図8Eは、図8Aに示されるエンベロープ20の第2スリーブ20Bを図示する。この第2スリーブ20Bは、内部表面30、外部表面40、近位末端160および遠位末端164を有する。この第2スリーブ20Bは、第2内腔185Bを備える。長手軸22Bに沿った、近位末端160と遠位末端164との間の第2スリーブ20Bの長さは、約4.0インチと約28.0インチとの間であり、好ましくは、約20.0インチである。第2スリーブ20Bの垂直軸24Bは、約0.2インチ〜約2.0インチの間に及び、好ましくは約0.4インチと約0.8インチの間であり、好ましくは約0.6インチである。
【0097】
図8Eをなお参照すると、本発明の1つの実施形態において、矢印172および矢印174により示される2つの角、第2スリーブ20Bに、第2スリーブ20Bの長手軸22Bから、約20°〜約100°の範囲で、または約30°〜約70°であり、好ましくは、約60°で切り込まれる。1つの実施形態において、この2つの角172および角174は、約0.01インチと約0.05インチとの間の距離で第2スリーブ20Bに切り込まれ、好ましくは約0.04インチである。第2スリーブ20Bは、この近位末端160から角172まで、および近位末端160から角174までの長手軸22Bに沿って切り取られる。一般的に、近位末端160から各それぞれの角172および174までの長手軸22Bに沿って切り取られる第2スリーブ20Bの量は、実質的に同じである。第2スリーブ20Bの第2内腔185Bは、管のような構造を備える。管のような第2スリーブ20Bが切り取られた後、近位末端160は、図8Eに図示されるような、上面部160Aおよび底面部160Bを有する。角172および角174から末端部160Bまでの第2スリーブ20Bの長手軸22Bは、約2.0インチ〜約14.0インチの間に及び得、好ましくは約10.0インチである。上面部160Aの幅は、好ましくは、第2内腔185Bの内径と等しいか、またはそれよりも小さいような大きさであり、その結果、スリーブ20Bは、上面部160Aが第2内腔185Bの内部へと引き込まれる場合に水平のままである。上面部160Aの幅は、約0.1インチと約2.0インチとの間に及び得る。
【0098】
図8Eをなお参照すると、タブ198は上面部160Aの末端と繋げられ得る。このタブ198は、上面部160Aの末端160の幅を補うように成形され得、そしてタブ198は、タブ188について上に記載したように構築され得る。タブ198と接続された上面部160Aは、第2スリーブ20Bの第2内腔185Bの中へとスリーブ20Bの遠位末端164に向かって引き込まれる。特定の実施形態において、上面部160Aは、スリーブ20Bの中には完全には引き込まれず、その結果、上面部160Aの重なり部位160Cは、第2スリーブ20Bの外部表面40上に残る。この重なり領域160Cは、約0.04インチ〜約1.2インチの間の範囲であり、好ましくは約0.3インチである。底面部160Bの長さは、角172および角174から、長手軸22Bに沿って、そして底面部160Bの近位末端160へと測定すると、約2.0インチ〜約14.0インチの間に及び得、好ましくは約10.0インチである。
【0099】
図8Fおよび図8Gに示されるように、第1スリーブ20Aの底面部150Bは、第1スリーブ20Aの長手軸22Aに対して約90°の角度に取り付けられる。同様に、第2スリーブ20Bの底面部160Bは、第2スリーブ20Bの長手軸22Bに対して約90°の角度に取り付けられる。これらスリーブ20Aおよびスリーブ20Bは、お互い近位に整列され、その結果、スリーブ20Aおよびスリーブ20Bそれぞれの底面部150Bおよび底面部160Bはお互いに向き合う。
【0100】
ここで図8Hおよび図8Iを参照すると、底面部150Bおよび底面部160Bは、お互いに接着、ステープル、熱接着剤または当業者に公知の他の方法によって繋げられる。図8Fおよび図8Gに示されるように、第1スリーブ20Aの近位末端154および第2スリーブ20Bの遠位末端164は、スリーブ20Aおよびスリーブ20Bにより形成される、エンベロープ20の反対の末端上に位置付けられる。図8Hおよび図8Iを再度参照すると、スリーブ20Aおよびスリーブ20Bの底面部150Bおよび底面部160Bは、エンベロープ20のヒンジ200を形成する。このエンベロープ20は、近位末端154および遠位末端164を有し、スリーブ20Aおよび20Bそれぞれの近位末端154および遠位末端164により形成される。図8Gを再度参照すると、エンベロープ20の長さは、近位末端154(これは第1末端201と同じである)から遠位末端164(これは第2末端202と同じである)までの長手軸22に沿って測定すると、約4.0インチから約28.0インチの間の範囲であるか、または約12.0インチと約24.0インチとの間であり、最も好ましくは20.0インチである。
【0101】
図8G〜8Iを参照すると、エンベロープ20のスリーブ20Bの重なり領域160Cは、エンベロープ20のスリーブ20Aの重なり領域150Cの先端に位置し得る。第1スリーブ20Aの、残りのチューブ様の部分に隣接する重なり領域160Cの長さ(すなわち、160C’)は、約0.02インチ〜約0.06インチの間の範囲であり得、好ましくは0.04インチである。図8Aを再度参照すると、この重なり領域はエンベロープ20の内部のインプラント10を保護し、このエンベロープ20は、スリーブ20Aおよびスリーブ20Bを備える。例えば、このエンベロープ20が中央部の尿路スリングを移植するために使用される実施形態において、エンベロープ20の重なり領域150Cおよび160Cは、例えば、外科手術で使用される止血剤によって生じるスリングの伸長を防ぐ。
【0102】
図8Jに図示される別の実施形態において、矢印212および矢印214によって表される角は、第1スリーブ20Aの近位末端154中に刻まれて、そしてスリーブ20Aは図示されるように実質的に削り取られて、スリーブ20Aの末端に細い部分を形成する。スリーブ20Aのチューブ様の近位末端154が削り取られる後、近位末端154は上面部154Aおよび底面部154B(示さず)を有する。上面部154Aおよび底面部154Bは、お互いに分けられている。角212から上面部154Aの近位末端154までの第1スリーブ20Aの長手軸は、約0.6インチ〜約4.0インチの間に及び得、好ましくは約1.2インチと約2.0インチとの間である。上面部154Aの垂直軸は、約0.1インチと約2.0インチとの間に及び得る。好ましい実施形態において、上面部154Aの垂直軸は、スリーブ20Aの上面部150Aの幅と等しく、このことから、上面部150Aはこのエンベロープから容易に裂けて離れ得る。図8Jおよび図8Kを参照すると、近位末端154が削り取られて近位上面部154Aおよび近位底面部154B(示さず)を形成する場合、第1スリーブ20Aの第1内腔185Aを介して近位末端154の方へタブ188と結合される上面部150Aを引き抜くことは、容易にされる。セクション154Aと154Bとの開口部は、タブ188に接近して、上面部150Aを第1スリーブ20Aを介して近位末端154の方へと引き抜くことを容易にする。いくつかの実施形態において、このタブ188は面154Aと154Bとの間で引き抜かれる。次いで、図8Jに示されるように、1つの実施形態において、タブ208を使用して、近位上面部154Aおよび近位底面部154Bを繋ぎ得る。このタブ188としては、タブ188に関して上に記載されるように、接着テープ、接着された厚紙、または他の物質を備え得る、これらは上面部および底面部の154Aおよび154Bそれぞれを一緒に繋ぎ得る。1つの実施形態において、タブ208が近位の上面部および底面部を繋ぐ後、末端154周囲において、スリーブ20Aの開口部は上面部と底面部の154Aと154Bとの間に依然として残る。このタブ188は、この開口部を介して接近され、そして引き抜かれ得るが、タブ208はスリーブ20Aの末端154に残る。
【0103】
同様に、図8Kを参照すると、スリーブ20Bの遠位末端164は、実質的に図8Jに図示されるように、角212、角214で削り取られてエンベロープ20の各末端に狭い部位を形成する。従って、遠位の上面部164Aおよび遠位の底面部164B(示さず)が形成される。この遠位上面部164Aおよび遠位底面部164Bは分けられるので、タブ198と結合された上面部160Aを、スリーブ20Bの第2内腔を通るスリーブ20B内部表面30を介して遠位末端164の方へと引き抜くことは、容易にされる。1つの実施形態において、タブ218を使用して、遠位上面部164Aおよび遠位底面部164Bをお互いと繋ぐ。スリーブ20Aに関して上に記載されるように、このタブ218は、スリーブ20Bの末端164に取りつけられて、遠位の上面部と底面部の154Aと154Bとの間の開口部を残し得、ここで、タブ198はアクセスされ得、そして引き抜かれ得る。
【0104】
図8Fおよび図8Gに示されるように、スリーブ20Aおよびスリーブ20Bを繋いで、エンベロープ20を形成する。第1内腔185Aおよび第2内腔185Bはエンベロープ20の単一内腔185を形成する。ここで図8Hを参照すると、スリーブ20Aおよびスリーブ20Bの繋がった底面部150Bおよび底面部160Bは、エンベロープ20のヒンジ200を形成する。種々の方法(例えば、熱接着剤、接着剤、またはステープル)を使用して、底面部150Bおよび160Bを繋ぎ得る。例えばTYVEK(登録商標)のような、これらの面を一緒に結合可能な代替の医用グレードの物質を使用し得る。ヒンジ200の長さは、約2.0インチ〜約14.0インチの長さの範囲であり得る。このヒンジ200は、より短い長さまで削り取られて、これはインプラントを移植する方法(図9B〜9Dに従って、以下に記載される)の間に、オペレーターにより把持され得る。
【0105】
図9Aは、エンベロープ20の内腔185中に位置するインプラント10の1つの実施形態を図示する。この実施形態において、重なり領域150Cおよび160Cは、エンベロープ20の中に囲まれたインプラント10を覆う。
【0106】
本発明に従った別の実施形態において、図8F、図8Gおよび図8Hを参照すると、スリーブ20Aおよび20Bがヒンジ200にて繋げられる後であるが、タブ208およびタブ218がエンベロープ20と繋げられる前に、インプラント10はエンベロープ20中に設置される。このインプラント(例えば、スリング10)は、エンベロープ20の内腔185の中へと手動で挿入され得る。別の実施形態において、このスリング10は、第1スリーブ20Aの第1内腔185A中に手動で、そして/または把持器具の補助を伴って、設置される。次いで、スリーブ20Bはヒンジ200を用いてスリーブ20Aと繋げられて、エンベロープ20を形成する。スリング10の残りの部分は、ヒンジ200の形成の前または後に、スリーブ20Bの第2内腔185B中に設置され得る。
【0107】
図8Aおよび図9A〜9Dに関して、別の局面では、本発明は患者の体内に解剖部位にてインプラントを設置するための方法を含む。本発明の方法の1つの実施形態に従って、オペレーターはスリング10(例えば、図9Aに図示される)を囲むエンベロープ20を、解剖部位(例えば、尿道999または膀胱口)に設置する。図9Aおよび図9Bを参照すると、オペレーターはエンベロープ20の近位上面部154Aと結合したタブ208にアクセスする。図9Cを参照すると、近位末端154と結合されたタブ208は、オペレーターによって取り除かれ、これによって近位先端部分154Aが近位底面部154Bから切り離される。
【0108】
ここで図9Dを参照にして、操作者はヒンジ200をつかみ、そして矢印189によって示される方向にタブ188を一斉に進める。頂部部分150Aに連結したタブ188による力は、第1スリーブ20Aの頂部部分に従ってエンベロープ20を引裂く。その後、スリーブ20Aの頂部部分150Aは、単一片でエンベロープ20から引裂かれて移植スリング10を曝露する。タブ188、頂部部分150A、スリーブ20Aの頂部、および近位の頂部部分154Aは、エンベロープ20から引裂かれ、そして移植スリング10が曝露される。スリング10の曝露された部分は、尿道999に隣接している。
【0109】
なお図9Dを参照にして、タブ218に連結した遠位端164は、同様に除去され(示されていない)、そして遠位頂部部分164Aおよび遠位底部分164Bは、連結されない。操作者は、ヒンジ200をつかみ、そしてタブ198を一斉に引く。頂部部分160Aに連結したタブ198に及ぼされる力は、エンベロープ20から離れたスリーブ20Bのこれらの部分を引裂く。従って、タブ198、頂部部分160A、スリーブ20Bの頂部、および遠位の頂部部分164Aは、エンベロープ20から除去される。予め封じ込めておいたスリング10の一部は、これによって曝露される。最終的に、ヒンジ200は、エンベロープ20の残り部分にそって除去され、そしてスリング10は、解剖学的部位(スリング10が、操作者によって位置される部位、例えば、尿道999の解剖学的部位)で患者の体内に残る。
【0110】
図9Eに例示される他の実施形態において、図8Dおよび図8Eに沿って記載されるスリーブ20Aおよび20Bは、第1スリーブ20Aおよび第2スリーブ20Bそれぞれの垂直軸に沿って配置される、カット220Aおよびカット220Bをさらに備える。このカット220Aおよび220Bは、スリーブ20A、20Bの上面に配置され得る。このカット220Aは、タブ188の垂直軸と等しいか、またはそれよりも長いようなサイズ、および頂部部分150Aの垂直軸と等しいか、またはそれよりも長いようなサイズにされ得、タブ188および頂部部分150Aが、カット220Aを通って容易に引き抜かれるのを可能にする、頂部部分150Aに連結しているタブ188は、カット220Aを通り抜け得、その結果タブ188またはタブ188および少なくとも頂部部分150Aの少なくとも一部は、エンベロープ20の外面40に隣接する。このカット220Bは、タブ198および頂部部分160Aの垂直軸について同様のサイズにされ得る。同様に、頂部部分160Aに連結したタブ198は、カット220Bを通り抜け得、その結果、タブ198またはタブ198および頂部部分160Aの少なくとも一部は、エンベロープ20の外面40に隣接する。従って、タブ188およびタブ198は、エンベロープ20の近位端154および遠位端164から容易に接近可能なので、タブ188およびタブ198は、通り抜けて、図9Dに参照として上記されるように、エンベロープ20内に収納されたインプラント10を曝露し得る。本発明のこの実施形態において、端部154および164は、タブ188およびタブ198を引く前にエンベロープ20から除去される必要はない。
【0111】
なお別の局面において、本発明は、図10Aに例示されるエンベロープ20を提供する。このエンベロープ20は、スリーブ20C、ならびにタブ188および198を含み、これらは、エンベロープ20の外面40に隣接する。ここで図10Bを参照して、スリーブ20Cが提供され、スリーブ20Cの長手方向軸22C(第1端部201から第2端部202)は、約12.0インチ〜約84.0インチの長さ寸法であり、そして好ましくは約50.0インチの長さである。面203と面204との間の寸法のような、スリーブ20Cの幅24Cは、約0.2インチ〜約2.0インチ、好ましくは約0.5インチと約0.8インチの長さの間、そして最も好ましくは0.6インチの範囲を有し得る。スリーブ20Cは、管腔185を含む。スリーブ20Cはまた、上面234および底面236を含む。
【0112】
図10Cに例示されるように、スリーブ20Cの上面234のほぼ中間点で、カット220Cが、スリーブ20Cの長手方向軸22Cにほぼ垂直に作製される。カット220Cは、第1面221Cおよび第2面222Cを有する。第1面221Cから第2面222Cまでの寸法の、カット220Cの長さは、好ましくは、スリーブ20Cの幅と等しいか、またはそれよりも短い。いくつかの実施形態において、カット220Cの範囲は、約0.2インチ〜約2.0インチの長さである。斜方向カット224は、スリーブ20Cの底面236を介して作製され得る。カット224は、上面225および底面226を有する。斜方向カット224は、カット220Cに対して約85°と約5°との間、好ましくは約45°の角度で作製される。斜方向カット224の上面225とカット220Cの第1面221Cとの間の長さは、スリーブ20Cの横幅24Cおよび対角線224の角度によって変化し、1つの実施形態において、この長さの範囲は、約0.1インチ〜約1.5インチ、そして好ましくは0.3インチである。対角線のカット224の底面226とカット220Cの第2面222Cとの間の距離は、同様に変化し、そして1つの実施形態において、この長さの範囲は、約0.1インチ〜約1.5インチであり、そして好ましくは0.3インチである。1つの実施形態において、対角線のカット224は、その長さにそって穿孔される。
【0113】
図10Cをなお参照にして、スリーブ20Cの第1端部201は、スリーブ20Cの第1頂部201Aおよび第1底部201Bを形成するようにトリムされ、その結果、トリムされた管腔185は、2つの別々の片、201Aおよび201Bを有する。同様に、スリーブ20Cの第2端部202は、2つの別々の片(すなわち、第2頂部202Aおよび第2底部202B)を形成するようにトリムされる。第1頂部201Aは、その幅が、スリーブ20Cの内径(すなわち、管腔185)に等しいか、またはそれよりも短いようにトリムされる。同様に、第2頂部202Aは、管腔185の直径と等しいか、またはそれよりも短い幅にトリムされる。
【0114】
いくつかの実施形態において、第1頂部201Aの自由端は、タブ188を含む。同様に、第2頂部202Aの自由端は、タブ198を含む。第1頂部201Aおよび第2頂部202Aにそれぞれ連結しているタブ188および198は、タブ188および図8Cについての参照とともに上記されるように構築され得る。
【0115】
ここで、図10Dを参照にして、第1頂部201Aの端部に結合するタブ188は、管腔185に折り畳まれ、そして管腔185を通る。第1頂部201Aに結合されたタブ188は、カット220Cを通り抜け、その結果、タブ188および/または第1頂部201Aの一部が、スリーブ20Cの外側上面40上に曝露される。
【0116】
図10Dに示されるように、第2頂部202Aの端部に結合されたタブ198は、管腔185中に折り畳まれ、そして管腔185を通る。その後、第2頂部202Aに結合されたタブ198は、管腔185中に折り畳まれ、そして管腔185をとおり、最終的に、カット220Cを通り抜け、その結果、タブ198および/または第2頂部202Aの一部もまた、スリーブ20Cの外面40上に曝露される。頂部部分に隣接する2つのタブが管腔185を通り、カット220C(第1頂部201Aは第2頂部202Aに隣接し、そして両方ともカット220C内に含まれる)を通り抜ける。1つの実施形態において、図10B〜10Eに例示されるように、対角線のカット224は、スリーブ20C内に配置される。対角線のカット224は、タブ188および第1頂部201Aならびにタブ198および第2頂部202Aを、管腔185を通してカット220Cに入れるように単純化され得る。別の実施形態において、単一のカット(例えば、対角線のカット224またはカット220C)は、1つの面(すなわち、スリーブ20Cの上面234または底面236のいずれか)のみを介して配置される。本発明に従う1つの実施形態において、図10Eに示されるように、タブ208は、第1底201Bの自由端に配置され、同様に、タブ218は、第2底202Bの自由端に配置される。タブ208および218は、タブ188および図8Cに参照として上記されるような粘着タブ、接着された厚紙、または他の材料から作製され得る。タブ208および218は、患者の体内にエンベロープを配置する際に用いられ得る。
【0117】
図10Fは、図10A〜10Eを参照として上記される、エンベロープ20の管腔185内に配置されるインプラント10の1つの実施形態を例示する。1つの実施形態において、エンベロープは、容易に引裂かれる材料を含む。このような容易に引裂かれる材料は、図1A、1B、2A、2B、3Aおよび3Bを参照として上記され、例えば、分子配向を有する材料(例えば、直線の低密度ポリエチレン)を含み得る。インプラント10は、手動またはつかみデバイスの助けでエンベロープ20の管腔185内に配置され得る。1つの実施形態において、タブ188と198の両方および/または第1頂部201Aと第2頂部202Aの両方が、スリーブ20Cのカット220Cを介して配置された後、インプラント10が、管腔185中に配置される。
【0118】
図10Fに例示されるように、エンベロープ20は、インプラント10(例えば、中間の尿道のスリング)を含む。別の局面において、本発明は、患者の体内の解剖学的部位にインプラントを配置するための方法を含む。1つの実施形態において(示されていない)、第1頂部201Aの長さおよび第1底部201Bの長さを整列して、エンベロープ20が平面に横たわる場合に、タブ188および208がほぼ隣接して横たわることを可能にする。エンベロープ20の第1頂部201Aおよび第1底部201Bを介して配置されるアイレットまたは穴は整列して、図23Dおよび23Fを参照として以下に記載される連結リング環355を形成し、これらは、患者の体内への移植のための送達アセンブリ650カニューレ600に付着され得る。同様に、第2頂部202Aおよび第2底部202Bを介して配置されるアイレットは整列して、患者の体内にエンベロープ20を移植するために用いられ得る連結リング環355を形成する。
【0119】
本発明の方法の1つの実施形態に従って、操作者は、例えば、図10Aおよび10F(尿道999)に例示されるような解剖学的部位にスリング10を包含するエンベロープ20を配置する。1つの実施形態において、スリング10を包含するエンベロープ20が、尿道999に隣接して配置される場合、エンベロープ20の底面236は、尿道に隣接する。従って、タブ188および198ならびに関連する第1頂部201Aの一部および第2頂部202Aの一部はそれぞれ、患者の膣から見ることが可能である。1つの実施形態において、置換手順の間、操作者は、タブ208および218が患者の体の外側部分にあるようにこれらを配置する(例えば、タブ208および218は、患者の骨盤または腹膜の外側にある)。
【0120】
一旦配置されると、操作者は、患者の膣の範囲内に配置されている、第1頂部201Aに結合されたタブ188および第2頂部202Bに結合されたタブ198にアクセスする。操作者は、第1頂部201Aに連結したタブ188をつかみ、そして190の方向にタブ188を引く。第1頂部201Aに連結したタブ188による力は、エンベロープ20の頂部部位234の一部を引裂く。その後、操作者は、第2頂部202Aに連結されたタブ198をつかみ、そして190の方向にタブ198を引く。同様に、第2頂部202Aに連結しているタブ198による力は、エンベロープ20の上面234の残りの部分を引裂く。最終的に、操作者は、タブ208を引いて患者の体からエンベロープ20の底面236を除く。いくつかの実施形態において、底面236は、2つの片に引裂かれ得、従って、例えば、このような場合において、対角線のカット224の領域において、第1底部201Bに連結したタブ208および第2底部202Bに連結したタブ198の両方が、患者の体の方向から引き離される。
【0121】
別の実施形態において、インプラント10の長手方向軸は、少なくともエンベロープ20の長さに等しい。この実施形態において、インプラント10は、タブ208および218によってエンベロープ20内に維持され得、例えば、タブが粘着性である場合、インプラントは、エンベロープ20の各端部に配置されるタブ208および218によって、エンベロープ20内に維持され得る。このような実施形態において、置換手順の間、タブ208および218が患者の体の外部に出た後、操作者は、タブ208および218を開放し得、インプラント10を置く。本発明のこの方法に従って、タブ208および218は、患者の体からエンベロープ20を除去する工程の前に開放される。
【0122】
別の局面において、本発明は、スリング10またはスリング10を包含するエンベロープ20を、送達アセンブリ650に取り付けるための付属員350に関する。図11Aに例示される本発明の1つの実施形態において、付属品350は、第1部材400(例えば、シリンダー部材400)を含む。付着片350のシリンダー部材400は、以下に記載されるように、送達アセンブリ650の拡張管部材500と係合し得る。
【0123】
図11Aをなお参照にして、シリンダー部材400は、少なくとも1つの管腔418を有する中空であり、そして実質的に壁414によって囲まれたシリンダーである。このシリンダー部材400は、シリンダーの一端に第1部分410、そしてシリンダーの反対の端に第2部分420をさらに含む。シリンダー部材400の高さは、0.1〜1.0インチ、好ましくは0.3インチの範囲であり、そして0.1インチ〜0.6インチ、好ましくは0.19インチの範囲の外径を有する。シリンダー部材400は、例えば、ポリエチレン/エチレン酢酸ビニル(EVA)ブレンド、ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレン、および熱可塑性FEPのような材料から製造される。
【0124】
このシリンダー部材400は、シリンダーの一端にある第1部分410および第1部分410の反対の端にある第2部分420に分けられる。第1部分410の長さは、シリンダー部材400の全体の長さの20〜40%であり、そしてシリンダーの反対の端にある第2部分420の長さは、シリンダー部材400の全体の長さの60〜80%である。本発明の1つの実施形態において、図11Aに示されるように、アペンデージ430は、シリンダー部材400の第1部分410、およびシリンダー部材400の第2部分420の界面412にあるシリンダー部材400の壁414から、外側へ伸長する。
【0125】
図11Aをなお参照にして、本発明に従う1つの実施形態において、シリンダー部材400は、第1端415から第2端417までのシリンダー部材400の縦軸に沿って約3分の1の長さでシリンダー部材400の面から伸長するアペンデージ430をさらに備える。アペンデージ430は、実質的に平らである。アペンデージ430の形状は、患者の体内を通って移動する方向に依存して、アペンデージ430が上下に曲がるのを可能にする。以下に記載されるように、シリンダー部材400が、患者の組織を通り抜ける場合、アペンデージ430は、送達アセンブリ拡張管の形状と一致する。アペンデージ430は、シリンダー部材400に成形されるか、または安定に取り付けられるように結合される。アペンデージ430は、約0.2〜1.0インチの幅、および0.5〜2.0インチの長さ、好ましくは0.6インチ〜1.0インチまでの範囲の寸法である。アペンデージ430の製造において使用される材料としては、ポリエチレン/エチレン酢酸ビニルブレンド、ポリエチレン、ナイロン、ポリプロピレン、および熱可塑性FEPが挙げられるが、これらに限定されない。このアペンデージ430は、患者の組織を引裂いたり、組織を傷つけたりせずに通り抜けるのに十分な可撓性の材料から製造される。このアペンデージ430は、接着、熱封鎖、または他の当業者に公知の手段によって、シリンダー部材400に結合される。1つの実施形態において、シリンダー部材400は、エンベロープ20材料に熱結合される。あるいは、アペンデージ430およびシリンダー部材400は、例えば、射出成形によって、単一片として製造される。
【0126】
ここで、図11Bを参照にして、アペンデージ430の自由端435は、インプラント10(例えば、雌性の尿失禁の処置のために使用される移植可能なスリング10)を包含するエンベロープまたはスリーブ20の自由端436に取り付け可能である。あるいは、アペンデージ430の自由端435は、例えば、移植デバイス10の自由端434に取り付け可能である。なお別の実施形態において、本発明に従って、自由端434は、シリンダー部材400に結合されるか、または安定に取り付けられる。
【0127】
従って、本発明に従って、移植可能デバイス10は、シリンダー部材400に結合されるか、さもなくば安定に取り付けられる。この移植デバイス10は、クランプで締めたり、挟んだり、突き刺したりされない。従って、部材400に結合される以外の移植可能デバイス10は自由であり、患者の体内に導入される場合、複数の平面において操作される。
【0128】
アペンデージ430の自由端435およびエンベロープ20の自由端436は、例えば、熱結合、縫合結合、または接着結合によって取り付けられる。エンベロープ20にアペンデージ430を結合するために熱が使用される場合、アペンデージ430およびエンベロープ20を製造するために使用される材料のガラス遷移範囲は、十分な結合を可能にする範囲と同様でなければならない。本発明の特定の実施形態において、アペンデージ430とエンベロープ20は、同じ材料から製造され、例えば、アペンデージ430およびエンベロープ20を製造するためにしようされる材料は、ポリエチレンであり得る。
【0129】
ここで、図12Aを参照にして、拡張管500は、細長中空部材510および先端部520(例えば、円錐先端部)を備える。細長中空部材510は、4.0〜14.0インチ、好ましくは8.0インチの長さであり、そして0.2〜0.4インチ、好ましくは0.25インチの外径である。細長中空部材510の管腔510は、0.1〜0.7インチの直径であり、好ましくは0.19インチの直径であり、そして管壁516によって囲まれている。管壁516は、0.01〜0.08インチの厚さであり、好ましくは0.03インチである。中空の細長部材510は、円錐先端部520に隣接する端部560で終わる。拡張管500を製造するために使用される材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびナイロンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0130】
図12Bを参照して、円錐先端部520は、中空であり、そして円錐型である。円錐先端部520の底514は、細長中空部材510の端部560に隣接するように構造される。1つの実施形態において、図12Aを参照にして、円錐先端部520は、アパーチャ402を備える。
【0131】
図12Aに例示されるように、1つの実施形態において、本発明に従って、拡張管500の壁516は、伸長された中空部材510の長軸に実質的に垂直であり、そして、円錐先端部520の基部514に近いか、実質的に隣接して配置される、カット512を備える。このカット512は、細長部材510の遠位端560を形成し、そして拡張管500の壁の周囲全体近くに伸長するが、拡張管500の細長中空部材510から円錐先端部520を分離することを短期間停止する。従って、壁516のフラップ518は、円錐先端部520を細長部材510に連結し続ける。従って、フラップ518は、図13に例示されるように、ヒンジとして作用し、細長部材510の長軸に体する円錐先端部520の少なくとも90°、好ましくは180°の関節接合を可能にする。例示されている以外の壁516に円錐先端部520を取り付ける他の手段もまた、本発明によって意図されるが、例示されるものに限定されない。
【0132】
図13を参照にして、本発明の1つの実施形態において、以下により詳細に記載されるカニューレ600は、拡張管500の細長中空部材510の管腔540中に挿入される。このカニューレ600は、カニューレ600の端部602が、実質的にヒンジ518に隣接する細長中空部材510の端部で形成される開口部542から現れるまで、中空部材510の管腔540に進められる。
【0133】
ここで、図11A〜11Nを参照にして、本発明の1つの実施形態において、シリンダー部材400の頂部415は、頂部415を通ってシリンダー部材400の管腔418内に延びる1つ以上のスリット416を含む。図11Aに例示されるように、本発明の実施形態において、シリンダー部材400の頂部415を通るスリット416は、「X」の形状であり得る。スリット416の実施形態は、例示されるものに限られず、例えば、Y型、V型、O型または曲線を含み得る。1つの実施形態において、シリンダーの頂部415は、円錐の形状を有し、これは、1つ以上のスリット416によるスリットである。頂部415および/またはスリット416の形状は、シリンダー部材400を、拡張管500の管腔540中に配置する1つの方法であることを確実にする形状を有する、シリンダー部材400を提供する。部材400の配置の1つの方法を包含するさらなる手段または形状が、用いられ得る。例示される実施形態において、部材400は、拡張管500の中空部材510の管腔540と結合するような、シリンダーとして形付けられる。従って、他の適切な結合拡張管500、管腔540、およびシリンダー部材400の形状が、例えば、四角、三角、長方形または星型のように選択され得る。1つの実施形態において、スリット416は、以下に記載されるように、カニューレ600にわたりシリンダー部材400の1方向アセンブリを可能にする。
【0134】
シリンダー部材400の第2部分420は、シリンダー形状で中空である。第2部分420の高さは、0.07〜0.7インチであり、好ましくは0.2インチ、またはシリンダー部材400の第1部分410の高さの2〜3倍である。第部分420の寸法は、以下に記載されるように、第2部分420が拡張管500の管腔540内に位置されることを可能にするように構成される。シリンダー部材400の第1部分410および第2部分420の寸法は、シリンダー部材400が1方向で拡張管500の管腔540に入ることを可能にするように構成され得、すなわち、その結果、第2部分420は、拡張管500の管腔540中に挿入される。これらの寸法は、シリンダー部材400の第1部分410を、拡張管500の管腔540中に不適切に導入することを防ぐように選択される。拡張管500の管腔540を伴うシリンダー部材400の1方向の構成は、患者の体内のインプラント10の適切な配置を保証する。本発明の1つの実施形態において、シリンダー部材400の第2部分420の自由端417は、それが、拡張管500の管腔540に容易に配置することを可能にする面取りされた縁を有する。
【0135】
ここで、図14を参照にして、アペンデージ430によって移植デバイス(例えば、スリング10を包含するエンベロープ20)に取り付けられたシリンダー部材400は、拡張管500の細長部材510の管腔540中に導入される。シリンダー部材400は、拡張管500の細長部材510の管腔540中に置かれ、これによって、シリンダー400を拡張管500に固定する。カニューレ600は、図15に例示されるように、カニューレ600の端部602が、スリット416を介してシリンダー部材400の頂部415から現れるまで、拡張管500の管腔540から中空シリンダー部材400の管腔418中に導入される。
【0136】
図16を参照にして、シリンダー部材400の端部415を超えて延びたカニューレ600の末端602と共に、拡張管500の円錐先端部520は、シリンダー部材400の第1部分410の頂部にわたって回転される。従って、図17に例示されるように、シリンダー部材400のアペンデージ430は、拡張管500の細長部材510の遠位端542と拡張管500の円錐先端部520の底部514との間に閉じ込められる。この位置において、円錐先端部520は、シリンダー部材400の第1部分410を包含し、これにより、アペンデージ430によって、スリング10、またはエンベロープ20およびスリング10を、送達アセンブリ650の拡張管500に連結する。
【0137】
なお図17を参照にして、カニューレ600は、シリンダー部材400の頂部415におけるスリット416、および円錐先端部520の末端にあるアパーチャ402を介して、さらに伸長され得る。カニューレ600の末端602が、円錐先端部520の端部あるアパーチャ402を通って現れる場合、円錐先端部520は、適所に固定され、そしてほとんど動かされ得ず、これにより、スリング10を、送達アセンブリ650の拡張管500にロックする。
【0138】
ここで、図18Aを参照にして、本発明に従う別の実施形態において、接着片350は、円錐460およびコレット580を含む。円錐460は、接着結合、熱結合、縫合または当業者に公知の任意のほかの結合によって、インプラント10またはエンベロープに20に結合される。1つの実施形態において、ここで、図1Aおよび18Aを参照にして、エンベロープ20の第1端部201の幅24は、装着部位466で円錐460の外径の部分周辺に熱結合される。1つの特定の実施形態において、エンベロープ20の第1端201の幅24は、装着部位466で円錐460の外周の約半分をカバーする。円錐460およびコレット580は、以下のような材料から製造される;ポリプロピレン、ナイロン、アクリトニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカルボネート、好ましくはポリエチレンまたはスリーブへの熱結合を可能にするポリエチレン/エチレン酢酸ビニルブレンド。円錐460およびコレット580は、射出成形によって製造され得る。
【0139】
図18Aを続けて参照すると、コレット580は、ほぼ円柱形であり、管腔590を備え、そして最も幅の広い点において、約0.3インチ〜約0.9インチ、好ましくは約0.6インチの長さ、および0.1インチ〜0.7インチ、好ましくは0.3インチの直径を有する。図18Aに例示されるコレット580の第1の端部582は、中空の円柱であり、そしてこのコレット580の長さの約25〜50%を占める。図18Aに例示されるコレット580の第2の端部584は、コレット580の第1の端部582から第2の端部585に向かって先細になっている。一実施形態において、コレット580の第1の端部582は、拡張器チューブ500の細長中空部材510の管腔540に挿入され、そしてこの拡張器チューブに連結される。コレット580が拡張器チューブ500の細長中空部材510の遠位端560に連結される実施形態において、円錐部520は、拡張器チューブ500から取り外され得る。開口部592は、コレット580の端部585に位置決めされる。コレット580のテーパー付けにより、取付け部品350が円錐部460なしで適所に進められる場合の、患者の身体中の組織の容易な通過が可能となる。
【0140】
さらに図18Aを参照すると、一対のカンチレバーロッキングタブ586が、コレット580のテーパー状の第2の部分584の外面上に配置される。カンチレバーロッキングタブ586は、外力が適用された場合に内側に反り、そしてこのタブ586はその元の位置に戻り、以下に記載されるように、円錐部460上の対応するロッキングレセプタクル462とのスナップ係合を提供する。
【0141】
さらに図18Aを参照すると、安定化突出部588が、カンチレバーロッキングタブ586が円錐部460と係合する場合に、このカンチレバーロッキングタブ586を安定化するために、このカンチレバーロッキングタブ586上に設けられる。この安定化突出部588は、コレット580を円錐部460上に固定する。
【0142】
続けて図18Aを参照すると、一実施形態において、取付け部品350の円錐部460は、この円錐部460の第1端部461付近の管腔465の側部中の壁部463中に配置される実質的に矩形のロッキングレセプタクル462を備える。コレット580中のカンチレバーロッキングタブ586は、ロッキングレセプタクル462と係合して、このコレット580をこの円錐部460に固定する。コレット580上のロッキングレセプタクル462の数は、円錐部460上に配置されるカンチレバーロッキングタブ586の数と少なくとも同じ程度多い。本発明の別の実施形態において、このロッキングレセプタクル462は、円錐部460の管腔465の側部上の壁部463を取り囲む連続レセプタクル(図示せず)である。
【0143】
この円錐部460は、この円錐部の第1端部460から円錐部の第2端部464に向かって先細になっている。一実施形態において、開口部470は、第2端部464に配置される。円錐部460のテーパーは、コレット580の第2部分584のテーパーと平行である。円錐部460およびコレット580の第2部分584の類似のテーパーにより、このコレット580の第2端部584は、円錐部460の管腔465内にぴったりと嵌合し得る。円錐部460は、インプラント10またはスリーブ20の取付けのための、円錐部460の外面上の表面468を備える。
【0144】
図18Bを参照すると、インプラントが表面468で取り付けられた円錐部460をコレット580に固定するために、コレット580の第2端部584が、円錐部460の管腔465に導入される。カンチレバーロッキングタブ586および安定化突出部588は、円錐部460の対応するロッキングレセプタクル462中に嵌合して、コレット580を円錐部460に固定する。円錐部460とコレット580との間の界面は、約0.5ポンド〜約10ポンドの間、好ましくは4ポンドの分離力に十分確実に耐えなければならない。カニューレ600は、コレット580の管腔590、円錐部460の管腔465、コレット580の開口部592、および円錐部460の開口部470を通して導入され得る。一実施形態において、カニューレ600は、コレット580の管腔590の内側にぴったりと嵌合するように、サイズ決めされる。コレット580の管腔590中にカニューレ600が存在することにより、ロッキングタブ586の内向きの反りが防がれ得る。このカニューレ600、および円錐部460とコレット580とを備える取付け部品350は、患者の身体中に、円錐部460に連結されたインプラント10またはエンベロープ20を導入するために使用され得る。コレット580は円錐部460に固定されており、このコレット580は、ロッキングタブ586を反らさずに円錐部460から取り外され得ない。円錐部640は、リーディングカニューレ600からコレットの拡張形状までの滑らかな移行を提供する。カニューレ600が取付け部品350に挿入されると、カンチレバータブ586は、円錐部460のレセプタクル462と完全に係合し、取付け部品350の円錐部およびコレットを一緒に固定して、取付け部品350がカニューレ600から取り外されるまで、カンチレバータブ586が反るのを防ぐ。
【0145】
本発明の別の実施形態において、円錐部460は、取付け部品350の組み立ての間に、コレット580上の所定の方向への円錐部460の組立を可能にする方向付けキーを備える。
【0146】
別の局面において、図11Aを再び参照すると、本発明は、女性の切迫尿失禁の処置のための医療用デバイス10(例えば、スリングインプラント10)を送達アセンブリ650に取り付けるための方法である。本発明の方法の一実施形態によると、シリンダー部材400は、付属部430を介して、インプラント10またはこのインプラント10を取り囲むエンベロープ20に予め取り付けられる。操作者(例えば、医師)は、このシリンダー部材400の第2部分420を、拡張器チューブ500の細長中空部材510の管腔540内に配置し、このシリンダー部材400を拡張器チューブ500に係留する。円錐形先端部520は、この円錐形先端部520がシリンダー部材400の第1部分410上に配置されるまで、ヒンジ518の周りで回転される。カニューレ600は、カニューレ600の端部602がシリンダー部材400の上部415中のスリット416を通って出てくるまで、シリンダー部材400の上部415に向かって進められる。このカニューレは、カニューレ600の端部602が円錐形先端部520中の開口部402を通って出てくるまで、さらに進められる。
【0147】
本発明の別の実施形態において、本発明の送達システム2は、送達アセンブリ650を備える。ここで図19Aを参照すると、一実施形態において、送達アセンブリ650は、拡張器チューブ500、カニューレ600、収縮可能点740および送達ハンドル700を備える。この収縮可能点740は、ハンドル700の遠位端714を介して、ハンドル700上のボタン713およびボタン715(以下に記載される)に操作可能に連結される。拡張器チューブ500は、ハンドル700の細長部材710上に配置される拡張ボタン717に操作可能に連結される。
【0148】
ここで図19A〜19Hを参照すると、本発明に従う一実施形態において、ハンドル700は、細長部材710を備え、この細長部材710は、拡張器チューブ500の円錐形先端部520から最も離れている近位端712、および拡張器チューブ500の円錐形先端部520に最も近い遠位端714を有する。ハンドル700の細長部材710は、図20Dに例示される、少なくとも1つの管腔709を有し、これは、ハンドル700の長軸に平行である。細長部材710は、約4.0インチ〜14.0インチ、好ましくは8.0インチの長さであり、そして約0.5インチ〜5.0インチ、好ましくは1.5インチの直径である。ハンドル700は、近位ボタン713、遠位ボタン715および拡張ボタン717を有する。
【0149】
本発明の一実施形態において、近位ボタン713は、ハンドル700の一方の側部上の近位端712において、細長部材710の表面上に配置される。本発明に従う特定の実施形態において、この遠位ボタン715は、近位ボタン713と同じハンドル700の側部上の細長部材710の遠位端714において、細長部材710上に配置される。本発明に従う一実施形態において、拡張ボタン717は、近位ボタン713および遠位ボタン715が配置されるハンドル700の側部以外の側部上に配置される。例えば、図19Aを参照すると、拡張ボタン717は、近位ボタン713および遠位ボタン715が配置される細長部材710の側部の反対側の、ハンドル700の細長部材710の側部上に配置される。別の実施形態において、拡張ボタン717、近位ボタン713および遠位ボタン715は、ハンドル700の同じ側部上に配置される。
【0150】
図19Aを再び参照すると、上記の拡張器チューブ500は、前後にスライドして、ハンドル700の細長部材710の遠位端714から外向きに延びる。拡張器チューブ500の円錐形先端部520は、拡張器チューブ500の遠位端に配置される。ここで図20Aおよび20Bを参照すると、ブッシング724が、拡張器チューブ500の近位端726中に挿入される。カフ718は、拡張ボタン717に取り付けられ、そして拡張器チューブ500の近位端726の外側を取り囲む。一実施形態において、拡張ボタン717およびカフ718は、例えば、射出成形によって単一のユニットとして製造される。一実施形態において、このブッシング724は、拡張器チューブ500がカフ718の内側にぴったりと嵌合するようなサイズにされる。このブッシング724は、拡張器チューブ500をカフ718の内側に維持し、そして拡張器チューブ500をハンドル700の内側に保持する。
【0151】
ここで図20Cおよび20Dを参照すると、拡張器チューブ500は、第1の位置(図20Cに例示され、ここで、拡張器チューブ500は、ハンドル700の細長部材710の遠位端714から第1の位置(または延びた位置)にある)から、第2の位置または収縮位置(図20Dに例示され、ここで、拡張器チューブ500の近位端726は、ハンドル700の細長部材710の近位端712に実質的に隣接した位置まで、ハンドル700の細長部材710の管腔709中に引っ込められる)まで、拡張ボタン717により手動でスライド式に移動可能である。
【0152】
図20Eに例示される拡張器チューブの別の実施形態において、剛性リング523が、拡張器チューブ500の管腔540中の内壁に、細長中空部材510の端部542から約0.5インチ〜3.0インチ、好ましくは1.3インチのところに取り付けられる。剛性リング523は、拡張器チューブ500の管腔540中のカニューレ600の通過のためのガイドとして役立つ。別の実施形態において、1つより多い剛性リング523が、拡張器チューブ500の細長部材510中および/または拡張器チューブ500の円錐形先端部520内に存在する。この剛性リング523は、カニューレ600を誘導し、そして拡張器チューブ500の管腔内のカニューレ600の配置を安定化し、そしてこの剛性リング523は、拡張器チューブ500の中心部へカニューレ600を方向付けるように配置され得る。一実施形態において、剛性リング523は、ある角度まで先細になっており、そして拡張器チューブ500の管腔の内径と次第に接触(flush)して、拡張器チューブ500内のカニューレ600の配置を補助する。さらに別の実施形態において、この剛性リング523は、例えば、拡張器チューブ500の細長部材510および/または円錐形先端部520中に挿入され得る挿入物(例えば、管状挿入物)である。このような挿入物の外径は、細長部材510の内径と密接に対応し得、一実施形態において、この挿入物の外径は、約0.2インチであり、そして内径は、約0.14インチである。一実施形態において、この挿入物は、例えば、熱接合によって、細長部材510に連結される。ここで図21A、21Bおよび21Cを参照すると、カニューレ600は、第2の細長中空チューブ604である。このカニューレ600は、図21Bに例示されるように、拡張器チューブ500の管腔540内に挿入される。本発明に従う特定の実施形態において、カニューレ600のチューブ604は、カニューレ600の遠位端におけるカニューレ先端部602から、チューブ604の長さの約10〜75%までの弧を形成する。例えば、図19Aを参照すると、カニューレ600は、弧の凹面がハンドル700のボタン713およびボタン715と同じカニューレ600の側部上にある弧を形成する。このカニューレ600の弧は、患者の組織を通る送達システムの挿入の容易さを最適化して、このインプラント10を適切な解剖学的部位に配置するように選択される。カニューレ600は、約4.0インチ〜約14.0インチ、好ましくは8.0インチの長さであり、そして約0.05インチ〜約0.3インチ、好ましくは0.13インチの直径である。カニューレ600は、拡張器チューブ500とほぼ同じ長さである。拡張器チューブ500の最も伸長した第1の位置において、図20Cに例示されるように、カニューレ600の長さの実質的に全てが、拡張器チューブ500によって取り囲まれる。この拡張器チューブ500が、最も収縮した第2の位置にある場合、図21Cに例示されるように、このカニューレ600の約20〜50%が、拡張器チューブ500により取り囲まれる。カニューレ600は、剛性であり、そしてステンレス鋼、メッキ炭素鋼または被覆炭素鋼のような材料から製造される。
【0153】
ここで図22A、22Bおよび22Cを参照すると、本発明に従う収縮可能点740は、細長部材742を備え、この細長部材742は、この細長部材742の遠位端741にテーパー状端部744を有する。収縮可能点740の細長部材742は、約4.0インチ〜約14.0インチ、好ましくは8.0インチの長さであり、そして約0.03インチ〜約0.1インチ、好ましくは0.06インチの直径である。この収縮可能点740の細長部材742は、カニューレ600の弧に対応する弧を描く。この収縮可能点740は、図22Bに例示されるように、カニューレ600の管腔610中に配置される。この収縮可能点740は、図22Cに例示される伸長した第1の位置から図20Cに例示される収縮した第2の位置まで移動可能である。
【0154】
ここで図23Aを参照すると、ハンドル700上の近位ボタン713および遠位ボタン715の各々が、収縮可能点740に操作可能に連結され、そして2つの位置(第1の位置Aおよび第2の位置B)を通って移動可能である。ここで図22Aおよび22Cを参照すると、第1の位置Aにおいて、収縮可能点740のテーパー状端部744は、カニューレ600中に収縮される。第2の位置Bにおいて、収縮可能点740のテーパー状端部744は、例えば、図22Cに例示されるように、カニューレ600の遠位端602から延びる。ボタン713および715は、第2の位置から第1の位置までバネ付勢され、これは、操作者がボタン713または715を手動で保持して、このボタンを第2の位置に維持し、テーパー状端部744をカニューレ600の遠位端602から延ばすことを必要とする。図20D、22Aおよび22Cを再び参照すると、近位ボタン713が押し下げられる場合、ボタン713の下にある突出部707は、送達ハンドル700の遠位端714に向かって押され、これにより、バー705が遠位端714に向かって前方向に動く。収縮可能点740は、バー705の内側に収容され、そしてボルト743によってバー705の内側に固定される。近位ボタン713が押し下げられて、突出部707をハンドル700の遠位端714に向かって押す場合、このバーは、ハンドル700の遠位端714に向かって動く。従って、点744は、遠位方向にかつカニューレ600の外側に延びる。同様に、遠位ボタン715の下に位置する突出部708は、突出部707と同じ方向に傾けられるので、ボタン715が押し下げられる場合、点744は、遠位方向にかつカニューレ600の外側に延びる。
【0155】
送達アセンブリ650の別の実施形態において、図23Bに例示されるカニューレ600、カニューレ600の遠位端602付近のカニューレ600の部分は、カニューレ600への連結リング355の取付けを可能にするロッキングノッチ615を備える。図23Dおよび23Fに例示される連結リングは、インプラントの端部に取り付けられたループであるか、またはカニューレのノッチ615に連結するために、インプラント10の端部に配置される穴もしくはアイレットである。このループは、例えば、縫合糸またはワイヤにより形成され得、そしてループは、例えば、接着剤、熱融着、インプラント10の端部へのボルト留め、インプラント10を通して糸でつなぐこと、または他の利用可能な取付け手段によって、インプラント10の端部に係留され得る。別の実施形態(図示せず)において、連結リング355は、エンベロープ20の1以上の端部を通して配置され、カニューレ600のロッキングノッチ615へのエンベロープ20の連結が可能となる。
【0156】
図23Bに例示されるように、本発明のこの実施形態において、ボタン713およびボタン715は、3つのボタン位置(位置A、位置Bおよび位置C)を有する。ボタン713およびボタン715の位置Aにおいて、ノッチ615は、連結リング355を収容する準備のできた開口した固定されていない位置にある。ボタン713およびボタン715の位置Bにおいて、ノッチ615は、図23Cに例示されるように、閉じて固定された位置にある。位置Bにおいて、連結リング355は、ノッチ中に固定される。ボタン713およびボタン715の位置Cにおいて、収縮可能点740は、カニューレ600の遠位端602から延ばされる。ボタン713およびボタン715の位置Cは、位置Bまでバネ付勢され、その結果、操作者は、ボタンを位置Cに保持して、収縮可能点740を延ばさなければならない。
【0157】
別の実施形態において、カニューレ600またはカニューレ600の遠位端部は、送達アセンブリ650から取り外し可能である。
【0158】
本発明の別の局面は、本発明に従う送達アセンブリ650を使用して、身体中の解剖学的部位に移植可能デバイス10を送達するための方法を包含する。解剖学的部位としては、例えば、尿道中間部、前立腺、または膀胱頸部が挙げられる。この方法の一実施形態によると、経膣アプローチが、インプラント10のエンベロープ20(例えば、Boston Scientific Corporation(Natick,MA)により製造されるPINNACLE Sling)と共に使用される。スリング10は、初めに、このスリング10をシリンダー部材400に、熱接合、接着剤、または当業者に公知の他の方法によって連結することによって、送達アセンブリ650に固定される。拡張器チューブ500は、送達ハンドル700上の拡張ボタン717を、図23Aに例示される位置Eから位置Dまで動かすことによって、図20Cに例示される伸長位置に配置される。拡張器チューブ500の円錐形先端部520は、図20Cに例示される位置まで手動で開けられる(図11Aもまた参照のこと)。シリンダー部材400の第2の位置420は、図14および15に例示されるように、拡張器チューブ500の細長中空部材510の管腔540中に配置される。円錐形先端部520は、図16に示されるように、シリンダー部材400の第1の位置410の上を手動で回転される。従って、スリング10は、図17に示されるように、取付け部品350によって、送達アセンブリ650に取り付けられる。スリング10が拡張器チューブ500に固定された後、拡張器チューブ500は、ボタン717を、図23Aに例示される位置Dから位置Eまで動かすことによって、図20Cに例示される伸長位置から図21Cに例示される収縮位置まで移動される。操作者は、経膣アプローチにおいて、ハンドル700を把持し、そしてカニューレ600の遠位端602を経膣的に進めて、患者の恥骨結節の領域中の直筋膜、腹筋膜および腹腔壁を通って出す。尿道中間部の領域中のスリング10の配置について正確な位置を確認した後、拡張器チューブ500を、拡張ボタン717を第1の位置Eから第2の位置Dまで動かし、それにより拡張器チューブ500をカニューレ600の上で遠位に進めることにより、カニューレ600上を進める。カニューレ600および拡張器チューブ500は、スリング10が直筋膜を通って延びるまで、患者の組織中をさらに進められる。このスリング10は、例えば、切断によって、取付け部品350から取り外され、そしてカニューレ600および拡張器チューブ500は、患者から引き出される。この手順は、患者の反対側で繰り返される。
【0159】
別の実施形態において、送達ハンドル700の管腔709は、1つ以上のロッキング領域を有し、この領域において、操作者が拡張器チューブ500を第1の位置Eから第2の位置Dまで動かす場合、この拡張器チューブ500が適所に固定され得る。この実施形態によると、操作者は、カニューレ600および拡張器チューブ500の両方を使用して、直筋膜、腹腔筋膜および腹腔壁に押し通し得、この場合この手順の間に患者の膣から恥骨結節の領域までを横切る。この実施形態によると、スリング10は、拡張器チューブ500およびカニューレ600を患者の組織を通して動かす前に、送達アセンブリ650に取り付けられ得る。あるいは、スリング10は、組織が最初に貫通された後にのみ、送達アセンブリ650に取り付けられ得る。
【0160】
この方法の代替のアプローチにおいて、尿道中間部は、上記のように経膣的ではなく、腹腔壁、腹腔筋膜、および直筋膜を通して経皮的にアプローチされる。本発明に従うこの方法において、拡張器チューブ500は、ハンドル700上の拡張ボタン717を第1の位置Eから第2の位置Dまで動かすことによって、カニューレ600の上を進められる。一実施形態において、拡張ボタン717は、第1の位置Eから第2の位置Dまで、複数の位置を通って可逆的に移動可能である。図23Aに示されるように、近位ボタン713は、位置Aから位置Bまで移動して、収縮可能点740のテーパー状端部744を、カニューレ600の遠位端602を越えて延ばす。ハンドル700を堅く把持することによって、伸長した収縮可能点740および伸長した拡張器チューブ500を有するカニューレ600は、恥骨結節の領域中の直筋膜を通して進められる。カニューレ600および拡張器チューブ500は、これらが膣壁中の切開部から出てくるまで、進められる。取付け部品350に取り付けられるスリング10は、上記のように、送達アセンブリ650に固定される。カニューレ600およびスリング10が取り付けられた拡張器チューブ500は、スリング10が尿道中間部の領域中の正しい位置に配置されるまで、この切開部中に押し戻される。一旦、スリング10の配置が確認されると、このスリング10は、取付け部品350から取り外され、そして鉗子を用いて安定化される。カニューレ600および拡張器チューブ500は、身体から引き出される。同じ工程が、膣の反対側で繰り返される。
【0161】
患者の身体中の解剖学的部位にインプラント10を移植するための方法の別の実施形態は、エンベロープ20に封入されたインプラント10を提供する工程をさらに包含し得る。この方法は、このエンベロープ20の内面、外面または内面と外面との両方を、を少なくとも1つの薬物(例えば、抗生物質)でコーティングする工程を包含する。本発明に従う方法は、エンベロープ上に分散された治療薬を、患者組織に提供する工程をさらに包含し得る。
【0162】
別の実施形態において、本発明の方法は、身体の解剖学的部位に、エンベロープ20内に封入されたインプラント10を配置する工程、およびこのインプラント10をこの患者の身体中の解剖学的部位に配置したまま、エンベロープ20を取り外す工程、をさらに包含し得る。さらに別の実施形態において、本発明の方法は、エンベロープ20の引き裂き可能領域50で、エンベロープ20を引き裂く工程、およびこのエンベロープ20を身体から取り出す工程、をさらに包含し得る。
【0163】
別の実施形態において、本発明の方法は、インプラント10を患者の身体中の標的解剖学的部位に配置するための、スペーサー100を提供する工程を包含する。この方法は、圧力センサ101によってスリング10に付与された張力を測定する工程をさらに包含し得る。
【0164】
本明細書中に記載されるものの改変、変更および他の実施は、主張されるように本発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者により行われる。従って、本発明は、上記の例示的な説明により規定されず、そのかわり上記の特許請求の範囲の精神および範囲により規定されるべきである。
【0165】
(図面の簡単な説明)
図面において、同様の参照文字は、一般に、異なる図面を通じて同じ部分に言及する。また、図面は必ずしもスケール通りではなく、代わりに、本発明の原理を例示するに際し一般に配置されていることを強調する。
【符号の説明】
【0166】
10 インプラント
20 エンベロープ
350 アタッチメント部分
500 拡張チューブ
600 カニューレ
650 送達アセンブリ
700 送達ハンドル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の体内の解剖学的部位へインプラントを移送するためのアセンブリであって:
エンベロープを含み、該エンベロープは少なくとも第1スリーブと第2スリーブとを有し、該スリーブは該インプラントの少なくとも一部を内包する様に構成され、該第1スリーブおよび第2スリーブの先端部は、タブに結合されており、該タブは、該スリーブの内腔内で引っ張られると、その結果、該タブが、該スリーブの遠位端におけるタブアクセスポイントに設置されるように構成されており、該タブの構成は、該インプラントと重なる舌部を形成する、アセンブリ。
【請求項2】
前記第1および第2スリーブの少なくとも一方は少なくとも2種の材料の複合体を含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記第1および第2スリーブのそれぞれが同じ長さである、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記第1および第2スリーブのそれぞれが少なくとも1個所の蝶番部分を有する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記第1スリーブの蝶番部分が前記第2スリーブの蝶番部分と連結して蝶番を形成する、請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記インプラントが女性の尿失禁を治療するための吊り具を含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記エンベロープが前記インプラントの全てを内包する、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項8】
インプラントを患者の体内の解剖学的部位に移送するためのシステムであって:
該システムは、エンベロープを備え、該エンベロープは少なくとも第1スリーブと第2スリーブとを含み、該スリーブは該インプラントの少なくとも一部を内包する形状であり、該第1スリーブおよび第2スリーブの先端部は、タブに結合されており、該タブは、該スリーブの内腔内で引っ張られると、その結果、該タブが、該スリーブの遠位端におけるタブアクセスポイントに設置されるように構成されており、該タブの構成は、舌部を形成し、該舌部は該インプラントと重なり、該エンベロープは、該インプラントを該解剖学的部位に設置する際に、該エンベロープが患者の体から引き抜かれ得るように構成されている、
システム。
【請求項9】
各スリーブがさらに蝶番部分を有し、一方のスリーブの該蝶番部分は他方のスリーブの該蝶番部分に連結する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記エンベロープが、前記蝶番部分を切断し、そして前記第1スリーブを前記第2スリーブから分離することにより、該スリーブが患者の体から引き抜かれることを可能にするように構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
インプラントを患者の体内の解剖学的部位に移送するための、アセンブリであって:
少なくとも第1スリーブと第2スリーブを含むエンベロープであって、該スリーブは該インプラントの少なくとも一部を内包する形状である、エンベロープと;
該第1スリーブと該第2スリーブとを連結する形状である骨格と;
を含み、
該第1スリーブおよび該第2スリーブの先端部は、タブに結合されており、該タブは、該スリーブの内腔内で引っ張られると、その結果、該タブが、該スリーブの遠位端におけるタブアクセスポイントに設置されるように構成されている、アセンブリ。
【請求項12】
前記骨格がさらに褶曲部を含み、前記第1スリーブと前記第2スリーブとの間に蝶番を形成する、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項13】
前記第1スリーブと前記第2スリーブのうちの一方が前記インプラントに重なる舌部をさらに含む、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項14】
前記第1および第2スリーブのうちの少なくとも一方が2種以上の材料の複合体を含む、請求項11に記載のアセンブリ。
【請求項15】
インプラントを患者の体内の解剖学的部位へ移送するためのシステムであって、該システムは:
エンベロープであって、該エンベロープは少なくとも第1スリーブと第2スリーブとを含み、該スリーブは該インプラントの少なくとも一部を内包する形状であり、該第1スリーブおよび該第2スリーブの先端部は、タブに結合されており、該タブは、該スリーブの内腔内で引っ張られると、その結果、該タブが、該スリーブの遠位端におけるタブアクセスポイントに設置されるように構成されている、エンベロープと;
骨格であって、該骨格は該第1スリーブと第2スリーブを結合する骨格と;
を備え、該エンベロープは、該インプラントを該解剖学的部位に設置する際に、該エンベロープが患者の体から引き抜かれ得るように構成されている、システム。
【請求項16】
前記骨格が褶曲部をさらに有し、前記第1スリーブと前記第2スリーブとの間に蝶番を形成する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記骨格が、該骨格を切断し、前記第1スリーブと前記第2スリーブとを分離することにより、該骨格と該スリーブとが患者の体から引き出されことを可能にするように構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
インプラントを患者の体内の解剖学的部位に移送するためのアセンブリであって:
共同作業して該インプラントの少なくとも一部を内包する第1スリーブ部分と第2スリーブ部分とを含むエンベロープと;
該第1スリーブ部分の末端上にあり、該第1スリーブ部分を通って該エンベロープの第1末端に達するタブと;
該タブにアクセスするために該エンベロープの該第1末端に位置するタブアクセスと、
を含み、
該第2スリーブ部分の末端上にあり、該第2スリーブ部分を通って該エンベロープの第2末端に達するタブと;
該タブにアクセスするために該エンベロープの該第2末端に位置するタブアクセスと、
をさらに含む、アセンブリ。
【請求項19】
前記アセンブリを患者の体内に設置するために、第1スリーブ部分の末端に位置するタブを前記エンベロープがさらに含む、請求項18に記載のアセンブリ。
【請求項20】
前記エンベロープの設置を助けるために、該エンベロープがその表面上に配置された目視指示マークを含む、請求項18に記載のアセンブリ。
【請求項21】
前記第1および第2スリーブ部分のそれぞれが別個のスリーブである、請求項18に記載のアセンブリ。
【請求項22】
前記第1および第2スリーブ部分のそれぞれが同じ長さである、請求項21に記載のアセンブリ。
【請求項23】
少なくとも前記第1および第2スリーブ部分が重なって、前記インプラントの少なくとも一部を内包する、請求項21に記載のアセンブリ。
【請求項24】
前記第1および第2スリーブ部分のそれぞれが少なくとも1個所の蝶番部分を含む、請求項18に記載のアセンブリ。
【請求項25】
前記第1スリーブ部分の蝶番部分が前記第2スリーブ部分の蝶番部分に連結して、蝶番を形成する、請求項24に記載のアセンブリ。
【請求項26】
前記エンベロープが引裂き可能領域を含む、請求項18に記載のアセンブリ。
【請求項27】
前記引裂き可能領域は前記第1スリーブ部分の上にタブを含む、請求項26に記載のアセンブリ。
【請求項28】
前記引裂き可能領域が複数の開口部を含む、請求項26に記載のアセンブリ。
【請求項29】
前記エンベロープが複数の切込みを含む、請求項18に記載のアセンブリ。
【請求項30】
前記エンベロープが引裂き可能な材料で製造される、請求項18に記載のアセンブリ。
【請求項31】
前記エンベロープが直線状の分子配向を有する材料で製造される、請求項18に記載のアセンブリ。
【請求項32】
インプラントを患者の体内の解剖学的部位へ移送するためのシステムであって:
該インプラントの少なくとも一部を内包する寸法の内腔と、内部タブと、タブアクセスとを含むエンベロープを備えるアセンブリを備え、
該インプラントを患者の体内に設置するために該タブアクセスにより該内部タブにアクセス可能であり、
該アセンブリが、患者の体内の該解剖学的部位に設置されるように構成されている、システム。
【請求項33】
インプラントを患者の体内の解剖学的部位へ移送するためのシステムであって:
インプラントとエンベロープを備え、該エンベロープが少なくとも2個のスリーブを含み、該スリーブが該インプラントの少なくとも一部を内包する形状であり、該スリーブの先端部は、タブに結合されており、該タブは、該スリーブの内腔内で引っ張られると、その結果、該タブが、該スリーブの遠位端におけるタブアクセスポイントに設置されるように構成されており、各スリーブがさらに蝶番部分を有し、一方のスリーブの該蝶番部分が他のスリーブの該蝶番部分と連結し;
該インプラントとエンベロープとが、該インプラントが患者の体内の該解剖学的部位に設置され得るように構成されている、システム。
【請求項34】
前記エンベロープが、前記蝶番部分を切断し前記スリーブを分離することにより、該スリーブが患者の体から引き出されることが可能になるように構成されている、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
患者の体内の解剖学的部位へインプラントを移送するためのシステムであって:
エンベロープによって保護されたインプラントであって、該エンベロープは、少なくとも第1スリーブと第2スリーブとを有し、該インプラントは、解剖学的部位に設置されるように構成されたインプラントと;
第1スリーブ部分および第2スリーブ部分のタブであって、該タブは、該スリーブの遠位端におけるタブアクセスポイントに設置され、該タブを引っ張ると、エンベロープの一部が引裂かれてエンベロープが該インプラントから外れるように構成されたタブと;
を備え、該エンベロープが、蝶番を備え、該蝶番は、該タブを引っ張った後に該エンベロープ上の該蝶番を膣内で引っ張ると、該エンベロープの全部または一部が膣を通して引き出されるように構成されている、システム。
【請求項36】
タブアクセスをさらに備え、該タブアクセスは、前記タブを引っ張る前に、前記第1スリーブ部分上の該タブアクセスを経由して、該第1スリーブ部分上の該タブにアクセスし得るように構成されている、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
患者の体内の解剖学的部位にインプラントを移送するためのアセンブリであって:
長さおよび幅を有する吊り具と;
該吊り具の少なくとも一部を内包し、第1および第2側面を有するエンベロープであって、該第1および第2側面の先端部は、タブに結合されており、該タブは、該エンベロープの内腔内で引っ張られると、その結果、該タブが、該側面の遠位端におけるタブアクセスポイントに設置されるように構成されており、第1側面が吊り具の第1部分に沿って幅を露出する不連続部分を有するエンベロープと、
を含む、アセンブリ。
【請求項38】
前記不連続部は、前記エンベロープの第1側面の第1および第2部分の間に配置されたギャップを含む、請求項37に記載のアセンブリ。
【請求項39】
前記エンベロープは、前記吊り具の第2部分に沿って幅を露出する第2不連続部分を含む、請求項37に記載のアセンブリ。
【請求項40】
前記吊り具の長さの中間部分に沿った幅は前記エンベロープで覆われていない、請求項38に記載のアセンブリ。
【請求項41】
前記吊り具の長さの中間部分に突起部がない、請求項39に記載のアセンブリ。
【請求項42】
前記吊り具の長さに沿って中間に位置する第1および第2スリット形開口部を、前記エンベロープの第1側面がさらに含み、該吊り具がスリット形第1開口部を通って該エンベロープの外へ出、スリット形第2開口部を通って該エンベロープ中へ戻り、該エンベロープのない長さの中間部分の該吊り具のループを形成する、請求項37に記載のアセンブリ。
【請求項43】
前記エンベロープのない長さの中間部分の前記吊り具のループに突起部がない、請求項42に記載のアセンブリ。

【図4F】
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【図4G】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5F】
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【図5G】
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【図5H】
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【図5I】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図8E】
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【図8I】
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【図9B】
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【図9C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11G】
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【図11H】
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【図11M】
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【図11N】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図19C】
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【図19D】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図20E】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図22B】
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【図22C】
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【図23C】
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【図23D】
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【図23E】
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【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図5A】
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【図5D】
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【図5E】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8F】
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【図8G】
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【図8H】
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【図8J】
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【図8K】
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【図9A】
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【図9D】
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【図9E】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図10D】
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【図10E】
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【図10F】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図11F】
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【図11I】
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【図11J】
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【図11K】
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【図11L】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19E】
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【図19F】
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【図19G】
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【図19H】
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【図20D】
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【図22A】
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【図23A】
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【図23B】
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【公開番号】特開2011−218193(P2011−218193A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−148603(P2011−148603)
【出願日】平成23年7月4日(2011.7.4)
【分割の表示】特願2008−110528(P2008−110528)の分割
【原出願日】平成14年3月7日(2002.3.7)
【出願人】(500332814)ボストン サイエンティフィック リミテッド (627)
【Fターム(参考)】