説明

インプリントポリマー及びフォトクロミックスイッチ分子を用いて分析物を比色検出するための組成物、装置及び方法

本発明は、比色分析読み出しによる分析物の検出に有用なさまざまな組成物、装置及び方法を提供する。該組成物及び装置は、細孔を有し、該細孔内に分析物を捕捉するためにインプリントされたポリマーと、前記ポリマー上に積層されたナノ粒子と、前記ナノ粒子上にコーティングされた比色分析光スイッチ分子と、を含む。ポリマーの細孔内に分析物が捕捉されるとポリマー上に積層されたナノ粒子の空間的関係が変化してナノ粒子上にコーティングされた比色分析光スイッチ分子においてエネルギー状態が変化し、このエネルギー状態の変化が比色分析光スイッチ分子の光学スペクトルの目に見える変化に対応する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年10月30日に出願された米国仮出願第61/256,618号の利益を主張する。
【0002】
本発明は全体的に分析物センサ及び分子インプリントポリマー(MIPs)に関し、特に、比色分析読み出しによる分析物の検出に有用なさまざまな組成物、装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
尿などの溶液中の薬物又はその他の分析物を検出するための現在の大量生産法は主にワットマン製ろ紙に付属された抗体染色システムを用いる。このような抗体染色システムは通常特定の分析物をターゲットとする。このようなシステムの使用は、例えば抗体薬物検出装置をサンプル中に浸して分析物の有無に対応する色変化を観察するというものである。このシステムの問題は使用においてしばしばマイナスの結果をもたらすことである。例えば上記システムは対応する分析物が存在しない場合にも色の変化を示すことがある。また、上記システムでは色変化は永続的でない。
【0004】
分子インプリントポリマーは、製造中に組成物をろ過及び精製するために典型的に使用されているポリマーである。このポリマーは、後に取り除かれる分子の存在下で形成され、これにより取り除かれた分子に相補的な空隙がポリマーに形成される。このようなポリマーは、取り除かれた分子に対してある程度の化学親和力を示すことから、センサの製造に使用することができる。
【0005】
分析物の検出において永続的且つプラスの色変化をもたらすバイオセンサとして使用可能な分子インプリントポリマーを作成することによって、長年の要求が満たされるとともに、現存の抗体ベース薬物検出システムが大きく改善されると考えられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】JACS(2007)129:15911−15918
【非特許文献2】JACS(2004)126:7827−7833及びAnalyst(2001)126:793−797
【非特許文献3】Langmuir(2003)19:3921−3925
【非特許文献4】Anal Chem(2004)76:1310−1315oyobi Int Reviews in Physical Chemistry(2000)19:409−413
【非特許文献5】Anal Chem(2004)76:1310−1315
【非特許文献6】Science(1995)267:1629−1632,Langmuir(2001)17:957−960,J.Am Chem Soc.(2001)123:3177−3178,Optics Lett(2000)25:372−374,Anal Chem(1995)67:735−743,Langmuir(1995)11:1313−1317
【非特許文献7】K.Mosbach,O.Ramstrom,Biol.and Technol.14(1996)163
【非特許文献8】G.Wulff,Angrew.Chem.,Int.Ed.Engl.34(1995)1812
【非特許文献9】K.J.Shea,Trends Polym.Sci.2(1994)166
【非特許文献10】G.Vlatakis,L.I.Andersson,R.Muller,K.Mosbach,Nature361(1993)645
【非特許文献11】Haupt K,Dzgoev A,Mosbach K.Anal Chem(1998)70:628−631
【非特許文献12】Analytic Chemistry(2004)76:1310−1315,Akamatsu KらAl.,J.Material Chemistry(2002)12:2862−2865),Grabar KCら(Anal Chemistry(1995)67:735−743)、Frens G.(Nature Phys Sci(1973)241:20−22),SutherlandらJ.Colloid Interface Sci(1992)48:129−141
【非特許文献13】MatsuiらAnalytic Chemistry(2004)76:1310−1315
【非特許文献14】Akamatsu KらJ.Material Chemistry(2002)12:2863−2865.Grabar KCらAnal Chemistry(1995)67:735−743
【非特許文献15】Frens G.Nature Phys Sci(1973)241:20−22
【非特許文献16】SutherlandらJ.Colloid Interface Sci(1992)48:129−141
【非特許文献17】Eck D,Helm,CA Wagner NJ,Vaynberg KA.金ナノコロイド上の生体ポリマーの吸着及び吸着動力学のプラズモン共鳴測定.Langmuir(2001)17:957−960
【非特許文献18】Nath N,Chikoti A.表面の生体分子間相互作用をリアルタイムで調べるための比色分析金ナノ粒子センサ.Anal Chem(2002)74:504−509
【非特許文献19】Lyon,L.A.;Pena,D.J.;Natan,M.J.金コロイド修正された金膜の表面プラズモン共鳴:粒径依存性.J.Phys.Chem,B1999,103,5826−5831
【非特許文献20】Katherine A.Willets及びRichard P.Van Duyne,局在化表面プラズモン共鳴分光法及び感知、Physical Chemistry年報2007.58:267−297
【非特許文献21】Raymo FM,Tomasulo M.フォトクロミックスイッチを用いる電子及びエネルギー移動変調
【非特許文献22】Sakata T,Yan Y, Marriott G.部位選択性分子光スイッチのファミリー.J.Org Chem(2005)70:2009−2013
【非特許文献23】Medints ILらJ.Am.Chem.Soc(2004)126:30−31
【非特許文献24】Angelini NらAl.Biophys J.(1998)74:2601−2610
【非特許文献25】Song.L.らPhotochem.Photobiol A.(2002)150:177−185
【非特許文献26】Nath N,Chikoti A.表面の生体分子間相互作用をリアルタイムで調べるための比色分析金ナノ粒子センサ.Anal Chem(2002)74:504−509
【非特許文献27】Sato T,Hasko DG,Ahmed H.ナノスケールコロイド状粒子:単層組織及びパターニング.J.Vasc Sci Technol B(1997)15:45−48
【発明の概要】
【0007】
本発明は、ナノ技術バイオセンサ検出と、比色分析光読み出しとして任意の分子認識装置内の又はそれに関連する非局在化電子のスペクトル特性を測定するためのゲスト・ホスト有機発色団と、の二つの異なる技術を組合せたものである。これらの技術の組み合わせは、興味のある物質の存在の検出に使用されるバイオセンサ反応のための基盤を提供する。検出は、表面元素又は金属ナノ及び内部の分析物成分の互いに対する空間的変化に基づく。このバイオ感知パラダイムは、ゲスト・ホストパラダイムを基本的なメカニズムとする反応の検出には十分である。
【0008】
したがって、本発明は、興味のある物質、化学物質又は分子(本明細書では「分析物」と称する)の存在を、表示メカニズムを介して検出するための組成物、装置及び方法を提供する。この表示メカニズムは少なくともに一つの認識部位に固定され、これにより、興味のある物質、化学物質又は分子が認識部位に存在するときに組成物又は装置において永続的で検知可能な変化がもたらされる。表示メカニズム読み出しは比色分析を使用する。好ましいことに、色読み出しは、組成物又は装置の寿命が尽きるまで永続的であり、興味のあるアイテムが検出されるとそれ以後変化しない。
【0009】
一側面において、本発明は、比色分析光読み出しによるサンプル中の分析物の検出に使用される組成物であって、(a)細孔を有し、該細孔内に分析物を捕捉するためにインプリントされたポリマーと、(b)前記ポリマー上に積層されたナノ粒子と、(c)前記ナノ粒子上にコーティングされた比色分析光スイッチ分子と、を含み、前記細孔内に前記分析物が捕捉されると前記ポリマー上に積層された前記ナノ粒子の空間的関係の変化が生じ、前記ナノ粒子の空間的関係の変化によって、前記ナノ粒子上にコーティングされた前記比色分析光スイッチ分子においてエネルギー状態の変化が生じ、該エネルギー状態の変化は前記比色分析光スイッチ分子の光学スペクトルの目に見える変化に対応し、これにより比色分析光読み出しによる前記分析物の検出が行われることを特徴とする。
【0010】
別の側面において、本発明は、比色分析光読み出しによりサンプル中の分析物を検出する装置において、(a)分析物を含むサンプルを収容するためのチャンバと、(b)前記チャンバ内に配置された組成物と、を有し、前記組成物は、(i)細孔を有し、該細孔内に分析物を捕捉するためにインプリントされたポリマーと、(ii)前記ポリマー上に積層されたナノ粒子と、(iii)前記ナノ粒子上にコーティングされた比色分析光スイッチ分子と、を含み、前記細孔内に前記分析物が捕捉されると、前記ポリマー上に積層された前記ナノ粒子の空間的関係の変化が生じ、前記ナノ粒子の空間的関係が変化することで、前記ナノ粒子上にコーティングされた前記比色分析光スイッチ分子においてエネルギー状態の変化が生じ、該エネルギー状態の変化は前記比色分析光スイッチ分子の光学スペクトルの目に見える変化に対応し、これにより比色分析光読み出しによる前記分析物の検出が行われることを特徴とする。
【0011】
さらに別の側面において、本発明は、比色分析光読み出しによりサンプル中の分析物を検出する方法において、(a)分析物を含むサンプルを組成物に接触させる工程と、ここで該組成物は、(i)細孔を有し、該細孔内に分析物を捕捉するためにインプリントされたポリマーと、(ii)前記ポリマー上に積層されたナノ粒子と、(iii)前記ナノ粒子上にコーティングされた比色分析光スイッチ分子と、を含み、(b)前記ポリマーの前記細孔内に前記分析物を捕捉する工程と、(c)前記分析物を検出する工程と、を有し、前記分析物が捕捉されると、前記ポリマー上に積層された前記ナノ粒子の空間的関係の変化が生じ、前記ナノ粒子の空間的関係の変化によって、前記ナノ粒子上にコーティングされた前記比色分析光スイッチ分子においてエネルギー状態の変化が生じ、該エネルギー状態の変化は前記比色分析光スイッチ分子の光学スペクトルの目に見える変化に対応し、これにより比色分析光読み出しによる前記分析物の検出を行うことを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明は、比色分析光読み出しによるサンプル中の分析物の検出のための製品を包括し、該製品は、本明細書及び本明細書に添付された特許請求の範囲に記載された、該製品と接触したサンプルに含まれる分析物を検出可能な組成物を含む。
【0013】
勿論、本発明は、比色分析読み出しによる分析物の検出のための装置及び製品の製造における本明細書及び特許請求の範囲に記載された組成物の使用、並びに比色分析読み出しによる分析物の検出のための装置及び製品に組み込まれた本発明に係る組成物の使用をも熟慮している。
【0014】
本発明の他の目的、特徴及び利点は、本明細書並びに本明細書に添付された特許請求の範囲及び図面の記載から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】分子インプリントポリマー(「MIP」)の表面上に金属ナノ粒子と発色団の混合物を積層するための一般的な手順を示す。
【図2】発色団標識した金属ナノ粒子をMIPの表面上に積層するための別の手順を示す。
【図3】MIP内の細孔を占める分析物を示し、結果として得られる周囲の金属ナノ粒子間の空間的関係の変化の影響を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る材料及び方法について記載する前に、本発明は記載される特定の方法論、プロトコル、材料及び試薬に限定されず、これらはさまざまであってもよい。また、本明細書に記載の用語は単に特定の実施形態を説明するためのものであり本発明の範囲を限定することは意図していない。
【0017】
また、本明細書及び本明細書に添付された特許請求の範囲に使用される用語は、別途記載のない限りは単数形と複数形の両方を含む。また、例えば「一以上」及び「少なくとも一つの」なる表現は同じ意味で用いられる。また、「含む」などの各種用語は限定的な意味を持たない。したがって、「備える」、「含む」及び「有する」などの用語は同じ意味で用いられる。
【0018】
特に定義しない限り、本明細書に記載の全ての技術用語及び科学用語は当業者の一般的な理解と同じ意味を有する。本発明の実施又は試験においては本明細書に記載のものと類似又は同等の任意の方法及び材料を使用することができるが、以下に好ましい方法及び材料について説明する。本明細書に記載された全ての刊行物及び特許は参照により本明細書に盛り込まれ、本発明に関連して使用され得る刊行物中で報告されている化学薬品、道具、統計的分析及び方法論の記載及び開示を目的とする。本明細書に記載の全ての参考文献は当業者のレベルに見合ったものである。本明細書の全記載は、本発明がそのような開示に先行しないことを示すものではない。
【0019】
以下、分子インプリントポリマー(MIPs)について説明する。分子インプリンティングは、近年世界中の研究室で用いられている実験技術である。この技術を用いることによりポリマー内に認識部位を形成することができる。認識部位は、ターゲット抗原との相互作用における自然抗体の結合部位を模倣する。少数の特定部位において結合定数は4.0nmol/Lと小さく、交差反応性は生物学的抗体で観測されるものと同等又はそれよりも良い。
【0020】
分子インプリンティングは、重合性モノマー間の可逆的な共有結合性又は非共有結合性の相互作用をもたらし、次にそれらを架橋性モノマー及び多孔率を増大させる溶媒(porogenic solvent)の存在下で重合させることにより、分子又は鋳型をインプリントする。その結果として硬いマクロ細孔質ポリマーが得られる。次に、ポリマーと鋳型間の可逆的な相互作用を断つことによって、インプリント分子に相補的な形状及び官能基を有する認識部位が形成される。研究者達によって、さまざまな実験的アプローチから、上記の合成的に生産された認識部位が他の密接に関連した構造に比べてインプリント種の再結合が優先されることが示された。
【0021】
分子インプリンティングにはさまざまなモノマーが用いられている。具体的には、インプリント分子との異なる相互作用が可能な異なるモノマーが用いられている。さらに、バルクポリマー、ビーズ、膜及びポリマー膜などのさまざまなモノマー配置が分子インプリンティングに用いられている。
【0022】
メタクリル酸を含むバルクメタクリル酸塩重合体を用いるインプリンティングは一般的である。このようなポリマーは、インプリント分子と非共有結合性水素結合又はイオン相互作用する。重合は乾燥した有機溶媒で行われる。ポリマーは、生理的に活性な薬物を含む小さな分子に対する優れた選択性を持つよう作成されている。うまくインプリントされた薬理学的構造(インプリント抗原)は、テオフィリン、ジアゼパム、モルヒネ、S−プロプラノロール及びコルチゾールなどの薬物を含む。
【0023】
本発明の表示メカニズムは、任意の適切な工程を介して動作することにより鋳型又は表示(センサ)メカニズムに永続的で検出可能な変化をもたらす。例えば、架橋剤の存在下での後続の重合、架橋反応又は他の工程によって、鋳型部位が属する不溶性マトリックスが形成される。ステロイド検出を伴う例において、適切な架橋剤は、ステロイド鋳型のp電子を他の環状構造とともに非局在化することができるスチルベン部分である。
【0024】
以下、MIPにおけるインプリントの「形状」及び分析物の数の影響について説明する。
【0025】
上記「形状」の影響は、「自己集合」モデルで作用する周知の熱力学的に規定される傾向を上回る。したがって、分子形状及び必須ではないが分子構造(リンカ―依存性)が、MIPにおける分析物認識において極めて重要であると考えられる。したがって、認識部位の増大によって、特定の結合グループを欠く鋳型であっても、(MIPの)形状の認識のみに基づき高い選択性が達成される。
【0026】
MIP形状変化に対するナノ粒子検出の使用は分析物の存在下で行うことができる。分析物が結合している場合のMIPの分子形状変化の検出は、結果として得られるAu−MIP混合物内のAuナノ粒子間の空間的差異を利用することにより研究されている(特に非特許文献24の図2A−B参照)。図3は分析物の進入後に拡張するポケット及び表面分子の影響の例を示す。表面分子は例えば金ナノ粒子である。アドレナリンに関連する分析物のファミリーは、インプリントポリマー内に固定化したAuナノ粒子の物理的近接を変化させて選択的結合を示す。このことは、非インプリントポリマー及びインプリントポリマーについて測定され、そして分析物を洗い流した後に測定された。UV−Vis分光側色法により検出されたモデル分析物のように、アドレナリンを使用した場合、固定化したAuナノ粒子のプラズモン吸収バンドにおけるブルーシフトが増大した。金属コロイド単層についても同様のプラズモン及びUV−Vis効果が報告されている。また、分子インプリントによって感度及び選択性が効果的に向上し、したがってAu−MIPは5μMにて分析物を選択的に検出した。分子インプリントとAuナノ粒子系感知システムの組合せは、形状依存に関するこれまでの報告を立証する。
【0027】
本発明は、比色分析領域の読み出しを用いてナノ微環境の分子を検出するためのものである。本発明の装置は一連の構成要素から構成される。全構成要素は、ナノ粒子により規定される基礎熱力学及びエネルギー移動、ナノ粒子、分子インプリントポリマー及びコロイド粒子の自己集合を支配する法則並びにフォトクロミック光スイッチのエネルギー状態によって定義される方向性と一致して作動する。
【0028】
図3を参照すると、本発明は一側面においてバイオセンサ装置を提供する。第一の構成要素は、粒子状又はメソ多孔質ブロックモノリス状の形態の(水溶性の)多孔質ポリマーである。該ポリマーは全体的にインプリント穴を有するよう予め作成される。この穴は、検出される分析物の大きさ及び形状の両方によって特定される。分析物は、上記装置を利用して感知される任意の分子である。所望の分析物を含む任意の媒質にポリマーが浸されると、分子細孔(インプリント空間)内への分析物の不可逆の局在化が起こる。このインプリント空間は分析物の収納場所に基づき変化する。この変化は細孔内への分析物の捕捉とさらにこの事象のエネルギー結果として認識される。
【0029】
ポリマーに分析物がインプリントされた及び存在する結果、インプリントの形状変化が生じる。これは分析物によって占有される結果、大きくなる。この形状変化は、結果としてポリマーの表面(外側)に直接遷移した分析物の結合エネルギーの純増加をもたらす。
【0030】
ポリマーの外側は新規の感知装置で覆われ、該感知装置の一実施例は金もしくは銀又は素ナノ粒子などの貴金属でもよい。感知装置は、複数の技法によって積層可能な貴金属ナノ粒子の層からなる。例示の積層技法は、表面におけるナノスフィアリソグラフィー、コロイド金属表面コーティング及びその他の任意の技術であって固体に固定された任意のナノ粒子の表面の作成に利用される技術を含む。
【0031】
結果として、ナノ粒子を適用することにより、ナノ粒子は、ナノ次元での粒子の自己集合を包括する熱力学的に予測された振る舞い並びにMIPの共重合体、テンプレート及び架橋部分に基づいて、自らパターン形成する。ナノ粒子の位置関係は互いに等間隔である(物質の自己集合の理論により熱力学的に予測及び説明される)。分析物が分子インプリントされた細孔内で場所を占めることによる地理的な結果として、ナノ粒子の互いに対する距離が検出可能な程度に変化する。このことは勿論、ポリマーの外側へのポリマーの形状変化によって定義される余分なエネルギーの移動として最も良く理解される。
【0032】
表面に自己集合したナノ表面粒子は、フォトクロミック光スイッチ分子の繋留モノマー単位(tethered monomer units)で覆われる。光スイッチなる用語は、基本自己集合位置から離脱した際にナノ粒子が取得した追加のエネルギー(運動、振動、回転、位置)が、二つの異なる状態を占有できる有機分子モノマーに即時に移動したことを示すために用いられる。一つの状態(基底状態)においてモノマーは無色である。エネルギーの追加によってモノマーは別の形態に変化する(インプリントの形状変化から受けたときのナノ粒子のエネルギーの吸収)。フォトクロミック分子の新しい構造は電子構造内の電子の非局在化に関する。非局在化によって光学スペクトルに対応する新しいエネルギー状態に上がり、これにより明るい色が生成される。ポリマー内に分析物が永続的に維持されるので色の変化は永続的である。
【0033】
別の実験では、ポリマーから分析物が化学的に除去された際にインプリントの大きさがこれに対応して減少し、元の形状(占有されていないときの形状)よりもさらに小さくなることが分かった。しかしながら、インプリントに分析物が結合していることから、色変化(光の色)は瞬時で且つ永続的である。ナノ表面数が無限に大きいことから、一ナノ粒子当たりの無数のフォトクロミック光モノマーと結びついた形状変化エネルギーの増幅によって十分過ぎる色の増大が確実に得られ、これにより色変化が普通の状態つまり人間の視覚によって容易に識別可能となる。紫外線光を追加で用いる必要はない。
【0034】
これらのメカニズムの複雑さは、構成要素の振る舞いを支配する基本的な科学的法則に対応する。これらの原理は、分子及びナノ自己集合の法則並びに単一分子エネルギー波長線形状(付加的なものとして)の確率的影響を含み、そしてフォトクロミックスイッチに適用されるエネルギー捕捉に関する数学、物理及び熱力学並びに感知装置が適用される共重合体構造の性質の進歩によってさらに証明されている。
【0035】
以下に記載する例は、勿論、単に説明のみを目的としており、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。実際に、当業者にとって当然ながら、上述した記載及び以下に記載の例だけでなく本発明に対するさまざまな修正が特許請求の範囲に含まれる。
【0036】

例1
分子インプリントポリマーは、当該分野で周知の合成を用いて作成することができる。ポリマーの一般的な作成方法は以下のとおりである。インプリントポリマー(A)は、鋳型の存在下における架橋モノマー(EDMA)と機能性モノマー(4−VPなど)の共重合によって作成される。含水溶媒中でインプリントポリマーを作成及び使用するとの目的を考えれば、複雑な形成は、水素結合とは異なり水の存在下で妨害されることのない(もしくはそれほど妨害されることのない)疎水性及びイオン性相互作用に依存する。機能性モノマーとして4−VPを選択することにより、鋳型のカルボキシル基とのイオン性相互作用が可能となると共にその芳香環の疎水性の使用が可能となる。EDMA及び鋳型が純水中にわずかしか溶けないことから、インプリンティングは好ましくはメタノール/水(4:1)で実施される。
【0037】
インプリントポリマー(A)について、20mmolのEDMA,4mmolの4−VP、1mmolの(鋳型)及び0.31mmolの重合開始剤(ABDV)をガラスの試験管内に入れ、4mLのメタノールと1mLの超純水に溶かした。溶液を次に超音波処理し、窒素と共に2分間拡散し、そして恒温水槽内に45℃で4時間置きその後60℃で2時間置いた。
【0038】
対照群のポリマーを上記と同じ方法で作成し、但し鋳型(B)の添加は除き、あるいは鋳型の代わりに1mmolのトルエン及び1mmolの酢酸(C)又は1mmolのPOEtOH(D)を含むようにした。
【0039】
結果として得られた硬いバルクポリマーを機械的モルタルで細かく砕き、25μmのふるいを用いてアセトン中で湿式ふるいにかけた。粒子は、メタノール/酢酸(7:3)(2x)、アセトニトリル/酢酸(9:1)(2x)、アセトニトリル(1x)及びメタノール(2x)中で、各回2時間、定温放置した後に、遠心分離機にかけて洗浄した。
【0040】
その後、粒子を4時間アセトン中に再度けん濁させ安定させた。けん濁液中に残った粒子(細粒)を回収し、上記手順を4回繰り返した。溶媒を遠心分離器で取り除き、粒子を真空で乾かした。このようにして、60%の全収率で微細粒を得た。これらの粒子の平均直径は1μmとなるべきである(透過電子顕微鏡により測定)。粒子の多孔率は、Micrometrix製ASAP2400M計器(ジョージア州アトランタ)での窒素吸着/脱着多孔度測定を用いて測定してもよい。
【0041】
例2−制御された寸法を有するAuナノコロイド製剤の作成
Auナノコロイド製剤を作成するために、非特許文献24の手順を修正したもの及びその他の同様の手順に先んじる。以下の例示の試薬を用いてもよい。アクリル酸、2−アミノエタノール塩酸塩、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、クロロホルム、ジメチルスルホキシド(DMSO)、テトラオクチルアンモニウムブロミド(TOAB)、トルエン、テトラクロロ金(III)酸(HAuCl4・4H2O)、11−メルカプトウンデカン酸(MUA)、水素化ホウ素ナトリウム、N,Nメチレンビス(アクリルアミド)(MBA)及びN−イソプロピルアクリルアミド(NIPA)。トルエン、DMSO及びアクリル酸は使用前に蒸留により精製すべきであり、MBA及びAIBNは使用前に再結晶化により精製すべきである。その他の全ての試薬はそれ以上精製せずに使用すべきである。
【0042】
例3−寸法が制御されたAuナノ粒子の作成
この作成は、報告されている及び修正された方法に従って実施してもよい。トルエン(400mL)中のTOAB(3.3g、6.0mmol)溶液をHAuCl4・4H2O(15mM、200mL、3.0mmol)の水溶液に添加した。次に、得られた混合液にトルエン(100mL)中のMUA溶液(655mg、3.0mmol)を徐々に添加し、同時によくかき混ぜ、その後、新しく作成されたNaBH4(0.30M、100mL、30mmol)水溶液を少量ずつ添加した。混合液を1時間かき混ぜた後、有機相を分離して蒸留水で洗浄した。溶媒を次にロータリーエバポレーター内で完全に蒸発させ、1日真空で乾燥させた。こうして得られた黒い固体を次に155℃にて毎分2℃の加熱速度で30分間熱処理した。熱処理された生成物を次に50mLのトルエンに溶かし、過剰なTOAB及びMUAを除去するために800mLのクロロホルムと混ぜ、その後Auナノ粒子を得るためにろ過した。
【0043】
例4−コロイドの作成
Auコロイドナノ粒子は文献に記載の一般的な方法にある程度の修正を加えたものに基づいてもよい。使用する全ガラス製品を、使用前に、王水(HCl:HNO3が3:1)中で洗浄し、三重に蒸留されたH2Oに浸し、そしてオーブンで乾燥すべきである。1%HAuCL、38.8mMクエン酸ナトリウム及び1%クエン酸ナトリウムのストック溶液は、三重に蒸留され0.8μmの薄膜フィルタ(Gelman Scientific製)を介してろ過されたH2Oの使用を必要とする。その他の溶液は必要に応じて新しく作成すべきでありまた三重に蒸留されてろ過されたH2Oを使用すべきである。以下に二つの典型的なAuの作成について説明する。
【0044】
作成I。凝縮器を備える1Lの丸形底フラスコ中に500mLの1mM HAuClを入れてかき混ぜながら沸騰させた。50mLの38.8mMクエン酸ナトリウムを溶液の渦に素早く添加すると、薄い黄色から赤紫に色が変化した。10分間沸騰させ、その後加熱マントルを除去し、さらに15分間かき混ぜ続けた。溶液が室温になった後、溶液を0.8μmのGelman製薄膜フィルタを介してろ過した。得られたコロイド粒子の溶液は、520nmに吸収極大を持つという特徴を有する。透過電子顕微鏡法(TEM)により粒径が13nm1.7nm(100個の粒子が抽出された)であることが示された。
【0045】
作成II。凝縮器を備える1Lの丸形底フラスコ中に500mLの0.01%HAuClを入れてかき混ぜながら沸騰させた。この溶液に、7.5mLの1%クエン酸ナトリウムを添加した。溶液は25秒で青色に変化し、約70秒後に最終的に赤紫色に色が変化した。さらに10分間沸騰させ、加熱源を取り除き、コロイドをさらに15分間かき混ぜた。TEMデータは平均直径が18nm4.6nm(89個の粒子が抽出された)であることを示すべきである。粒子の寸法を減少又は増大させるためにそれぞれより多くの又はより少ない量のクエン酸ナトリウムを添加することによって、粒径を変化させることができる。
【0046】
Lee及びMeiselの方法に基づいてAgコロイドを作成した。加熱プレートと1Lフラスコを用いて、500mLの三重に蒸留されたH2O中の90mgAgNO3溶液を素早くかき混ぜながら沸騰させた。この溶液に10mLの1%クエン酸ナトリウムを添加した。30分間沸騰させ、その後フラスコを加熱源から取り除き、そして溶液を三重に蒸留されたH2Oを用いて希釈して420mLの最終的な体積を得た。全てのコロイドは室温で黒いボトルの中に格納すべきであり、通常は作成後1〜2カ月以内に使用すべきである。TEMによる粒子寸法測定用のサンプルは、ホルムバールでコーティングされたCuグリッド上に10pLのコロイドを落としてコーティングしサンプルを乾かすことによって、作成することができる。平均寸法は、サンプル全体で一貫した軸に沿って直径を測ることによって測定される。
【0047】
例5−表面誘導体化。誘導体化の前に以下の方法で基板を洗浄すべきである。約2cmx0.7cmの寸法に切断されたガラス及び石英を、H2SO4:30%H22を4:1で含む槽中で60℃で10分間洗浄する。サンプルを分光測定グレードのCH3OH中に浸し、必要となるまでこの溶媒中で保管する。SiOでコーティングされたTEMグリッドをオゾンプラズマ中で30分間洗浄する。洗浄はしばしばグリッドの使用の数週間前に行うべきであり、この期間中、グリッドはTEMグリッドホルダ内に空中で保管すべきである。
【0048】
アルコキシシランを用いるガラス及び石英基板の誘導体化は以下の方法で行われた。きれいな基板を、分光測定グレードのCH3OHで1:4に希釈されたシランが入った小びんの中に浸した。24時間後、基板を取り出して、表面から非結合モノマーを除去するためにCH3OHでよく洗い流した。この時点で、シラン処理された基板をCH3OH中で必要となるまで保管する。コロイド状Auで誘導体化する前に、基板をH2Oで洗い流し、基板は次にコロイド状Auの入った小びん中に24時間浸した。最終的なH2Oを用いた洗い流しによって誘導体化の工程が終了する。同様に,Auでコーティングされたシリコン基板上に作成されたカルボキシル基を末端に有するSAMsを、コロイド状Au溶液中に数日間浸した。基板は分析用に必要となるまでH2O中に保管する。
【0049】
TEMグリッドの誘導体化は、その固有の壊れやすさと小さな寸法から細心の注意を必要とする。具体的に、SiOでコーティングされたTEMグリッドを、ストレートのシラン中に3時間浸し、その後メタノールでよく洗い流し、H2Oで洗い流した。洗い流しは、グリッドの表面全体にピペットで溶媒を適用すること又は溶媒の入った小びん中でグリッドを前後に振ることによって、達成される。ホルムバール膜をより良く保存するために、グリッド面に垂直な溶媒の流れを最小化すべきである。最後に、グリッドをコロイド溶液上に12時間浮かべた。サンプルは、分析の前にH2Oで洗い流し、ろ過紙の上で空気乾燥させた。
【0050】
例6−二分子間相互作用の光センサとしての比色分析金ナノ粒子。自己集合Auナノによって、固定化したコロイドの表面への生体分子の結合に応じてガラス上のコロイド状金自己集合単層の吸収スペクトル(UV−Vis)が変化することを証明する方法は、文献中に報告された方法に基づく。
【0051】
ナノ粒子をMIP上に積層するために複数の技法を用いることができ、その一つはナノスフィアリソグラフィーである。別の実施形態は、図1及び2に示すように、発色団と金を含む又は金に繋留された発色団を含む自己集合するナノ粒子の混合物の使用である。
【0052】
プラズモン共鳴測定は、バイオセンサへの適用に伴うポリマー及びバイオポリマーの金膜上への適用の研究に幅広く用いられている。
【0053】
例7−金ナノコロイド上への発色団スイッチの繋留及びフォトクロミックスイッチ。
無色の及び有色のフォトクロミック化合物間の可逆な相互変換は、電子及びエネルギー移動プロセスの変調に有効利用することができる。ホトクロム(photochrome)は、二つの状態のうちの一つにある相補的なドナーのみから電子又はエネルギーをもらうよう設計することができる。
【0054】
あるいは、フォトクロミックスイッチに関連する光励起転移は、ドナー−アクセプター対の相対的な向き及び距離を制御するために設計することができる。エネルギー又は電子を光で調整して移動させることによって、発光強度が変調される。
【0055】
生体結合物(bioconjugate)内での相互作用及び活動が光によって素早く、可逆的に及び効率よく変調される新しい光スイッチ試薬の開発が報告されている。この新しいアプローチは、無色で且つ分極の弱いスピロ(SP)状態と、有色で且つ分極の大きなメロチアニン(MC)状態と、の間の光による素早く可逆的な転移を経験するフォトクロミックプローブの性質を有効利用する。365nmの光でSPを励起するとMCが生成され、546nmの光でMCを励起するとSPが生成される。
【0056】
上記の新しいモノマー分子光フォトクロミックスイッチは、生体分子に具体的に標識付けすることもできる。一例は、機能化されたコロイド状ナノ粒子又は生体分子のチオール基の選択的標識を経験可能なマレイミド、ブロモメチル又はヨウ化メチルを含むフォトクロミックモノマープローブのファミリーを調べることによって見つけることができる。この単量体フォトクロミックスイッチの新しい分類は、複雑な光化学を示し、モノマーと異なる光性質を有するダイマーを形成し、複雑且つ不可逆な光化学を示す典型的なタンパク質標識ホトクロム(タンパク質結合体)に対して大きな利点を有する。
【0057】
例8−金コロイドの機能化。
ガラス上のコロイド状金単層(AuCM)の製造及び特性評価は複数の方法を用いて行うことができる。
【0058】
以下に、標準的な方法に基づく方法を記載する。10x50mm片に切断されたガラスカバースリップ(VWR Scientific製)を、コロイド状金単層の重合用の基板に用いることができる。ガラス基板を熱いRBS35合成洗剤(Pierce製)中で超音波処理により5分間洗浄し、蒸留水でよく洗浄する。基板をさらにメタノールとHClの1:1溶液中で30分間洗浄し、蒸留水でよく洗い、60℃で一晩乾かす。きれいになったガラス基板を、無水エタノール中のγ−(アミノプロピル)トリエトキシシラン(APTES、Sigma製)の10%(v/v)溶液中に15分間浸し、エタノール中での超音波処理で5回洗い、120℃で3時間乾かす。シラン処理したガラスカバースリップをその後、コロイド状金溶液中(11.6nM)に一晩浸して、ガラスカバースリップ(AuCM)の両面に金コロイドの自己集合単層を形成させる。固定化したコロイドは、マルチモードナノスコープIIIa(Digital Instruments Inc.製)上の標準Si34カンチレバーを使用して空中でタッピングモードの原子間力顕微鏡法(AFM)により画像化することができる。
【0059】
AuCMの機能化には以下に記載の方法を用いることができる。AuCMはメルカプトプロピオン酸(MPA)の自己集合単層(SAM)を形成することにより修正され、これは無水エタノール中のMPAの1mM溶液のコロイド単層をガラス上で10分間室温にて定温放置することによって達成される(以下、AuCM−MPAという)。これらのサンプルは、フィブリノゲン吸着の研究に用いることができる。AuCM−MPAサンプルは、以下のようにビオチンを用いて機能化される。AuCM−MPAサンプルを、0.1M1−エチル−3−(3−チメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDAC、Sigma製)及び0.2Mペンタフルオロフェノール(PEP、Sigma製)のエタノール溶液中に室温で20分間浸し、エタノールで3回洗い、エタノール中の(+)−ビオチニル−3,6,9−トリオキサデカンジアミン(trioxaundecanediamine)(商号、EZ−Link−ビオチン−PEO−LC−アミン、Pierce製)の100μg/mL溶液中に2時間浸し、エタノールで洗い、そして使用するまでPBS内に4℃で保管する。
【0060】
固定化した金コロイドの吸収度測定は、ガラス又は他の基板上で行うことができる。温度制御された分光光度計(Cary300Bio、Varian Instruments製)を用いて、ガラスカバースリップ上の固定化した金コロイドの吸収度を測定することができる。矩形の4mm幅のガラスフローセルを設計してサンプルを保持するようにしてもよい。サンプルは、セルの上の二個のテフロン(登録商標)ガイドを用いてガラスセルの中央に位置付けされる。透過モードで350〜850nmの範囲にわたってスペクトルが集められる。ガラスカバースリップは市販のUMAX Super Vista S−12平床式スキャナ(UMAX Technologies,Inc.製)を用いてスキャンされる。色画像はNIH画像においてグレースケールに変換され、平均及び標準偏差が分析される。データは、一方向ANOVA及びMacIntoshバージョン2.0用InStat(GraphPad Software,Inc.製、サンディエゴ、カリフォルニア州)を用いるボンフェローニ多重比較テストにより分析される。
【0061】
本発明の他の実施形態及び使用は、本明細書に記載された本発明の実施から当業者に明らかとなる。全ての雑誌、米国/外国特許文献などを含む本明細書に引用される全ての参考文献は、その全てが参照により本明細書に盛り込まれる。本発明は、本明細書に記載及び図示される特定の試薬、処方、反応条件などに限定されず、その修正された形態を添付の特許請求の範囲として含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
比色分析光読み出しによるサンプル中の分析物の検出に使用される組成物において、
(a)細孔を有し、該細孔内に分析物を捕捉するためにインプリントされたポリマーと、
(b)前記ポリマー上に積層されたナノ粒子と、
(c)前記ナノ粒子上にコーティングされた比色分析光スイッチ分子と、を含み、
前記細孔内に前記分析物が捕捉されると、前記ポリマー上に積層された前記ナノ粒子の空間的関係が変化し、
前記ナノ粒子の空間的関係が変化することで前記ナノ粒子上にコーティングされた前記比色分析光スイッチ分子においてエネルギー状態の変化が生じ、該エネルギー状態の変化は前記比色分析光スイッチ分子の光学スペクトルの目に見える変化に対応し、これによって、比色分析光読み出しによる前記分析物の検出が行われる
ことを特徴とする組成物。
【請求項2】
比色分析光読み出しによりサンプル中の分析物を検出する装置において、
(a)分析物を含むサンプルを収容するためのチャンバと、
(b)前記チャンバ内に配置された組成物と、を有し、
前記組成物は、
(i)細孔を有し、該細孔内に分析物を捕捉するためにインプリントされたポリマーと、
(ii)前記ポリマー上に積層されたナノ粒子と、
(iii)前記ナノ粒子上にコーティングされた比色分析光スイッチ分子と、を含み、
前記細孔内に前記分析物が捕捉されると、前記ポリマー上に積層された前記ナノ粒子の空間的関係が変化し、
前記ナノ粒子の空間的関係が変化することで前記ナノ粒子上にコーティングされた前記比色分析光スイッチ分子においてエネルギー状態の変化が生じ、該エネルギー状態の変化は前記比色分析光スイッチ分子の光学スペクトルの目に見える変化に対応し、これによって、比色分析光読み出しによる前記分析物の検出が行われる
ことを特徴とする装置。
【請求項3】
比色分析光読み出しによりサンプル中の分析物を検出する方法において、
(a)分析物を含むサンプルを組成物に接触させる工程と、ここで該組成物は、(i)細孔を有し、該細孔内に分析物を捕捉するためにインプリントされたポリマーと、(ii)前記ポリマー上に積層されたナノ粒子と、(iii)前記ナノ粒子上にコーティングされた比色分析光スイッチ分子と、を含み、
(b)前記ポリマーの前記細孔内に前記分析物を捕捉する工程と、
(c)前記分析物を検出する工程と、を有し、
前記分析物が捕捉されると前記ポリマー上に積層された前記ナノ粒子の空間的関係が変化し、前記ナノ粒子の空間的関係が変化することで前記ナノ粒子上にコーティングされた前記比色分析光スイッチ分子においてエネルギー状態の変化が生じ、該エネルギー状態の変化は前記比色分析光スイッチ分子の光学スペクトルの目に見える変化に対応し、
これによって、比色分析光読み出しによる前記分析物の検出を行う
ことを特徴とする方法。
【請求項4】
比色分析光読み出しによりサンプル中の分析物を検出するための製品において、比色分析光読み出しを用いて前記製品と接触したサンプル中に含まれる分析物を検出可能な請求項1に記載の組成物を有していることを特徴とする製品。
【請求項5】
比色分析光読み出しによる分析物の検出に使用される請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
比色分析光読み出しにより分析物を検出可能な装置又は製品の製造のための請求項1に記載の組成物の使用。
【請求項7】
比色分析光読み出しによりサンプル中の分析物を検出するための装置において、
(a)分析物を含むサンプルを収容するためのチャンバと、
(b)比色分析光読み出しにより前記分析物を検出する手段と、を有する
ことを特徴とする装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−509585(P2013−509585A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−536954(P2012−536954)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【国際出願番号】PCT/US2010/054109
【国際公開番号】WO2011/053587
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(512114545)メドテック ディテクト、エル・エル・シー (1)
【Fターム(参考)】