説明

ウイルス抗原への直接蛍光イムノアッセイ

本発明は、感染細胞において、呼吸器系ウイルスを検出するために、迅速かつ精度が高い液体直接蛍光抗体試験に関する。アッセイは、標本を遠心分離し、液体中でサンプルと試薬をインキュベートし、呼吸器系ウイルス存在又は非存在の検出を含む。モノクローナル抗体を入れるために、細胞の透過性を上げる界面活性剤としてサポゲニンを用い、細胞内抗原と反応させる。細胞をバックグラウンド染色及び蛍光核染色と伴ってウイルス抗原に対する蛍光標識モノクローナル抗体で染色する。この反対の染色は、バックグラウンドを減少し、検出を増強するための抗原及び核構造の共局在を与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、液体形式で直接的にウイルスを検出するための生体サンプルを処理すること関する。例えば、サンプルは呼吸器系に由来してもよい。検出方法は、ウイルス抗原に直接に結合する抗体を使用してよく、それにより検出も同定もできてよい。いくつかの態様では、抗体は標識モノクローナル抗体である。方法は、複数の蛍光信号を区別することができるアルゴリズムを含む装置に統合されてもよい。
【背景技術】
【0002】
背景
ウイルス感染(言い換えると、例えば、インフルエンザA及びBウイルス)は、子どもと成人の両者において毎年の流行病の原因である。インフルエンザA及びBウイルスによって引き起こされた疾病は臨床的に判別不能で、共に循環しうる。Van Vorisら、“Influenza viruses” p. 267−297. In: R. B. Belshe (ed.), Textbook Of Human Virology. PSG Publishing Co., Littleton, Mass. (1984)。抗ウイルス化学予防及び治療は現在非常に限られている(つまり、例えば、インフルエンザAウイルス特異的な薬剤アマンタジン及びリマンタジン等に限られる)。したがって、インフルエンザウイルスの迅速な検出は、患者治療を促進し、かつ効果的な抑制対策を始めるのに不可欠である。
【0003】
直接的蛍光抗体(DFA)染色のために標本を調製するための現在知られている方法は、高価で、多くの時間と労力を有する。通常、標本からの細胞懸濁液の1滴をスライドガラス上で乾かし、アセトン、メタノール及びエタノール等、沈殿する又は変性する固定液で固定する。これらの化合物は、タンパク質の第三の疎水的相互作用を崩壊させ、タンパク質分子の可溶性を低減するために働く。固定後、サンプルを
i)標識をつける工程、
ii)洗浄する工程、及び
iii)カバーガラスに付着させる工程、
などいくつかの工程を含む蛍光抗体で染色する。最後に、サンプルを蛍光顕微鏡の下で検査する。
【0004】
抗体調製物が、細胞を同定する際に手助けするエバンスブルーのような一般的なタンパク質対比染色を通常含んでいるので、顕微鏡検査中にDFA技術のさらなる問題に遭遇する。この対比染色は、さらに細胞を同定することを困難にさせ得る細胞構造がない物質を染色する。さらに、細胞が完全には乾燥していない場合、処理工程中に細胞は失われる場合があり、ウイルスの存在に関して判断を下すために細胞の不適当な数をもたらし得る。また、現在のDFA方法は、標本中非特異性の染色性粘液又は残屑が存在し得るので、結果を調製し、読み、かつ判断するために非常に熟練した専門家を必要とする。細胞をガラス上で乾燥する場合、細胞形態や染色パターンも損なわれる。
【0005】
当分野に必要なものは、現在利用可能なものよりよい精度及びより速い処理時間を備えた改善されたDFAアッセイである。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、液体形式で直接的にウイルスを検出するための生体サンプルを処理することに関する。例えば、サンプルは、呼吸器系(例えば肺吸引物サンプル又は鼻咽頭の綿棒のサンプル)に由来してもよい。検出方法は、細胞上の、又は細胞中のウイルス抗原に直接に結合する抗体を使用してよく、それによって、検出も同定も可能となる。いくつかの実例では、抗体は、標識モノクローナル抗体である。方法は、複数の蛍光信号を区別することができるアルゴリズムを含む装置に統合されてよい。
【0007】
ある実施態様においては、本発明は、少なくとも1つの蛍光標識を含む液体直接蛍光アッセイ(LDFA)を実施する方法を意図する。ある実施態様においては、蛍光標識はR‐フィコエリトリン(PE)を含む。ある実施態様においては、蛍光標識はフルオレセインイソチオシアネート(FITC)を含む。ある実施態様においては、蛍光標識は抗体に付着される。
【0008】
ある実施態様においては、本発明は、
a)i)少なくとも一つのウイルス抗原を含む生体サンプル、及び
ii)第一抗体が第一ウイルス抗原と反応し、第二ウイルス抗原と反応せず、第一蛍光標識で標識化され、第二抗体が前記第二ウイルス抗原と反応し、前記第一ウイルス抗原と反応せず、第二蛍光標識で標識化されることを特徴とする第一及び第二抗体を提供する工程、
b)前記第一及び第二抗体の一つだけが抗原と結合するような条件下にて、懸濁液中で前記サンプルの少なくとも一部を前記第一及び第二抗体とインキュベートする工程、
c)前記第一蛍光標識を検出することに基づいて第一ウイルスを同定する工程、
を含む方法を意図する。ある実施態様においては、さらに方法は、d)前記第二蛍光標識を検出することに基づいて第二ウイルスを同定する工程を含む。ある実施態様においては、さらに方法は、前記第一蛍光標識及び前記第二蛍光標識を検出することに基づいて前記第一ウイルス及び第二ウイルスを同定することを含む。ある実施態様においては、第一標識が、R‐フィコエリトリンを含む。ある実施態様においては、第二標識が、フルオレセインイソチオシアネートを含む。ある実施態様においては、抗体がモノクローナル抗体を含む。ある実施態様においては、第一及び第二抗体を懸濁液とインキュベートすることが同時である。ある実施態様においては、第一及び第二抗体を懸濁液でインキュベートすることが連続である。ある実施態様においては、ウイルスは、ライノウイルス(rhinovirus)、ヒト乳頭腫ウイルス(human papilloma virus)、ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus)、肝炎ウイルス(hepatitis virus)、ニューカッスル病ウイルス(Newcastle disease virus)、カルジオウイルス(cardiovirus)、コルチコ・ウイルス科(corticoviridae)、シストウイルス科(cystoviridae)、エプスタイン・バー・ウイルス(epstein‐barr virus)、フィロウイルス科(filoviridae)、ヘパドナウイルス科(hepadnviridae)、肝炎ウイルス(hepatitis virus)、ヘルペスウイルス(herpes virus)、インフルエンザウイルス(influenza virus)、イノウイルス科(inoviridae)、イリドウイルス科(iridoviridae)、メタニューモウイルス(metapneumovirus)、オルソミクソウイルス科(orthomyxoviridae)、パポバウイルス(papovavirus)、パラミキソウイルス科(paramyxoviridae)、パルボウイルス科(parvoviridae)、ポリドナウイルス科(polydnaviridae)、ポキシスウイルス科(poxyviridae)、レオウイルス科(reoviridae)、ラブドウイルス科(rhabdoviridae)、セムリキ森林ウイルス(semliki forest virus)、テトラウイルス科(tetraviridae)、ベルンウイルス(toroviridae)、水痘帯状ヘルペスウイルス(varicella zoster virus)、牛痘ウイルス(vaccinia virus)及び水疱性口内炎ウイルス(vesicular stomatitis virus)を含む群から選択されてよいが、これらに限定されない。
【0009】
ある実施態様においては、本発明は、
a)i)少なくとも一つのウイルス抗原で感染した細胞を含む生体サンプル、及び
ii)第一抗体が呼吸器合胞体ウイルス抗原と反応し、メタニューモウイルス抗原と反応せず、第一蛍光標識で標識化され、第二抗体が前記メタニューモウイルス抗原と反応し、前記呼吸器合胞体ウイルス抗原と反応せず、第二蛍光標識で標識化されることを特徴とする第一及び第二抗体を提供する工程、
b)前記第一及び第二抗体の一つだけが抗原と結合するような条件下にて、懸濁液中前記サンプルの少なくとも一部を前記第一及び第二抗体とインキュベートする工程、及び
c)前記第一又は第二蛍光標識を検出することに基づいて前記ウイルス抗原を同定する工程、
を含む方法を意図する。ある実施態様においては、方法は、第一蛍光標識を検出することに基づいて呼吸器合胞体ウイルス抗原を同定する。ある実施態様においては、方法は、第二蛍光標識を検出することに基づいてメタニューモウイルス抗原を同定する。ある実施態様においては、第一及び第二蛍光標識を検出することに基づいて呼吸器合胞体ウイルス抗原及びメタニューモウイルス抗原を同定する。ある実施態様においては、第一標識が、R‐フィコエリトリンを含む。ある実施態様においては、第二標識が、フルオレセインイソチオシアネートを含む。ある実施態様においては、抗体がモノクローナル抗体を含む。ある実施態様においては、第一及び第二抗体を懸濁液とインキュベートすることが同時である。ある実施態様においては、第一及び第二抗体を懸濁液でインキュベートすることが連続である。
【0010】
ある実施態様においては、本発明は、
a)i)少なくとも一つのウイルス抗原を含む生体サンプル、及び
ii)第一抗体がインフルエンザウイルスA抗原と反応し、インフルエンザBウイルス抗原と反応せず、第一蛍光標識で標識化され、第二抗体が前記インフルエンザBウイルス抗原と反応し、前記インフルエンザAウイルス抗原と反応せず、第二蛍光標識で標識化されることを特徴とする第一及び第二抗体を提供する工程、
b)前記第一及び第二抗体の一つだけがウイルスと結合するような条件下にて、懸濁液中で前記サンプルの少なくとも一部を前記第一及び第二抗体とインキュベートする工程、及び
c)前記第一又は第二蛍光標識を検出することに基づいてウイルス抗原の少なくとも一つを同定する工程、
を含む方法を意図する。ある実施態様においては、方法は、第一蛍光標識を検出することに基づいてインフルエンザAウイルス抗原を同定する。ある実施態様においては、方法は、第二蛍光標識を検出することに基づいてインフルエンザBウイルス抗原を同定する。ある実施態様においては、第一及び第二蛍光標識を検出することに基づいてインフルエンザAウイルス抗原及びインフルエンザBウイルス抗原を同定する。ある実施態様においては、第一標識が、R‐フィコエリトリンを含む。ある実施態様においては、第二標識が、フルオレセインイソチオシアネートを含む。ある実施態様においては、抗体がモノクローナル抗体を含む。ある実施態様においては、第一及び第二抗体を懸濁液とインキュベートすることが同時である。ある実施態様においては、第一及び第二抗体を懸濁液でインキュベートすることが連続である。
【0011】
ある実施態様においては、本発明は、
a)i)少なくとも一つのウイルス抗原を含む生体サンプル、及び
ii)第一抗体がパラインフルエンザウイルス抗原と反応し、アデノウイルスのウイルス抗原と反応せず、第一蛍光標識で標識化され、第二抗体が前記アデノウイルスのウイルス抗原と反応し、前記パラインフルエンザウイルス抗原と反応せず、第二蛍光標識で標識化されることを特徴とする第一及び第二抗体を提供する工程、
b)前記第一及び第二抗体の一つだけがウイルスと結合するような条件下にて、懸濁液中で前記サンプルの少なくとも一部を前記第一及び第二抗体とインキュベートする工程、及び
c)前記第一又は第二蛍光標識を検出することに基づいて少なくとも一つのウイルス抗原を同定する工程、
を含む方法を意図する。ある実施態様においては、方法は、第一蛍光標識を検出することに基づいてパラインフルエンザウイルス抗原を同定する。ある実施態様においては、方法は、第二蛍光標識を検出することに基づいてアデノウイルス抗原を同定する。ある実施態様においては、第一及び第二蛍光標識を検出することに基づいてパラインフルウイルス抗原及びアデノウイルスのウイルス抗原を同定する。ある実施態様においては、第一標識が、R‐フィコエリトリンを含む。ある実施態様においては、第二標識が、フルオレセインイソチオシアネートを含む。ある実施態様においては、抗体がモノクローナル抗体を含む。ある実施態様においては、第一及び第二抗体を懸濁液とインキュベートすることが同時である。ある実施態様においては、第一及び第二抗体を懸濁液でインキュベートすることが連続である。
【0012】
ある実施態様においては、本発明は、
a)i)少なくとも一つのウイルス抗原を含む疑いのある生体サンプルを含む懸濁液と、
ii)前記少なくとも一つの抗原が少なくとも一つの蛍光標識された抗体に相互作用することができ、前記抗体が異なって標識化されることを特徴とする少なくとも二つの蛍光標識された抗体
を提供する工程、
b)少なくとも一つの前記蛍光標識された抗体が前記少なくとも一つのウイルス抗原に結合するような条件下にて、前記蛍光標識された抗体と前記懸濁液をインキュベートし、それにより標識化抗原‐抗体複合体を形成する工程、及び
c)一つの蛍光標識された抗体を同定することにより前記標識化抗原‐抗体複合体を前記懸濁液内で検出し、それにより少なくとも一つのウイルス抗原を同定する工程
を含む方法を意図する。ある実施態様においては、生体サンプルは、患者由来であり、それによりウイルス感染を診断する。ある実施態様においては、蛍光標識された抗体がモノクローナル抗体を含む。ある実施態様においては、ウイルス抗原が、呼吸器合胞体ウイルスのウイルス抗原を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたモノクローナル抗体が呼吸器合胞体ウイルスのウイルス抗原に特異的親和性を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたモノクローナル呼吸器合胞体ウイルス抗体がPE蛍光標識を含む。ある実施態様においては、ウイルス抗原がインフルエンザウイルスのウイルス抗原を含む。ある実施態様においては、インフルエンザウイルスのウイルス抗原がインフルエンザAウイルス抗原を含む。ある実施態様においては、インフルエンザウイルスのウイルス抗原がインフルエンザBウイルス抗原を含む。ある実施態様においては、蛍光標識された抗体がモノクローナル抗体を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたモノクローナル抗体がインフルエンザAウイルスのウイルス抗原に特異的親和性を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたインフルエンザAモノクローナル抗体がPE蛍光標識を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたモノクローナル抗体がインフルエンザBウイルスのウイルス抗原に特異的親和性を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたインフルエンザBモノクローナル抗体がFITC蛍光標識を含む。ある実施態様においては、ウイルス抗原がアデノウイルスのウイルス抗原を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたモノクローナル抗体がアデノウイルスのウイルス抗原に特異的親和性を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたアデノウイルスモノクローナル抗体がFITC蛍光標識を含む。ある実施態様においては、ウイルス抗原がパラインフルエンザウイルスのウイルス抗原を含む。ある実施態様においては、パラインフルエンザウイルスのウイルス抗原がパラインフルエンザ1ウイルスのウイルス抗原を含む。ある実施態様においては、パラインフルエンザウイルスのウイルス抗原がパラインフルエンザ2ウイルスのウイルス抗原を含む。ある実施態様においては、パラインフルエンザウイルスのウイルス抗原がパラインフルエンザ3ウイルスのウイルス抗原を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたモノクローナル抗体がパラインフルエンザウイルスに特異的親和性を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたパラインフルエンザモノクローナル抗体がPE蛍光標識を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたパラインフルエンザモノクローナル抗体がパラインフルエンザ1ウイルスのウイルス抗原に特異的親和性を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたパラインフルエンザモノクローナル抗体がパラインフルエンザ2ウイルスのウイルス抗原に特異的親和性を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたパラインフルエンザモノクローナル抗体がパラインフルエンザ3ウイルスのウイルス抗原に特異的親和性を含む。ある実施態様においては、ウイルス抗原がメタニューモウイルスのウイルス抗原を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたモノクローナル抗体がメタニューモウイルスのウイルス抗原に特異的親和性を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたメタニューモウイルスモノクローナル抗体がFITC蛍光標識を含む。ある実施態様においては、ウイルス抗原が水痘帯状ヘルペスのウイルス抗原を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたモノクローナル抗体が水痘帯状ヘルペスのウイルス抗原に特異的親和性を含む。ある実施態様においては、蛍光標識された水痘帯状ヘルペスモノクローナル抗体がPE蛍光標識を含む。ある実施態様においては、ウイルス抗原が単純ヘルペスのウイルス抗原を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたモノクローナル抗体が単純ヘルペス‐1のウイルス抗原に特異的親和性を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたモノクローナル抗体が単純ヘルペス‐2のウイルス抗原に特異的親和性を含む。ある実施態様においては、蛍光標識された単純ヘルペスモノクローナル抗体がFITC蛍光標識を含む。ある実施態様においては、懸濁液がエバンスブルー、ヨウ化プロピジウム、アクリジンオレンジ、及びこれらの組み合わせの群から選択される染色試薬を含む。ある実施態様においては、懸濁液が界面活性剤を含む。ある実施態様においては、界面活性剤がサポゲニンである。ある実施態様においては、蛍光標識された抗体と懸濁液のインキュベートが同時である。ある実施態様においては、蛍光標識された抗体と懸濁液のインキュベートが連続である。
【0013】
ある実施態様においては、本発明は、
a)i)呼吸器合胞体ウイルスのウイルス抗原を含む疑いのある生体サンプルを含む懸濁液と、
ii)前記ウイルス抗原が少なくとも一つの蛍光標識された抗体に相互作用することができ、抗体が異なって標識化されることを特徴とする少なくとも二つの蛍光標識された抗体
を提供する工程、
b)前記呼吸器合胞体ウイルスのウイルス抗原が少なくとも一つの蛍光標識された抗体に結合するような条件下にて、前記蛍光標識された抗体と前記懸濁液をインキュベートし、それにより標識化抗原‐抗体複合体を形成する工程、及び
c)一つの蛍光標識された抗体を同定することにより前記標識化抗原‐抗体複合体を懸濁液内で検出し、それにより前記呼吸器合胞体ウイルスのウイルス抗原を同定する工程
を含む方法を意図する。ある実施態様においては、生体サンプルは、患者由来であり、それにより呼吸器合胞体ウイルス感染を診断する。ある実施態様においては、蛍光標識された抗体がモノクローナル抗体を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたモノクローナル抗体が呼吸器合胞体ウイルスのウイルス抗原に特異的親和性を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたモノクローナル呼吸器合胞体ウイルス抗体がPE蛍光標識を含む。ある実施態様においては、懸濁液がエバンスブルー、ヨウ化プロピジウム、アクリジンオレンジ、及びこれらの組み合わせの群から選択される染色試薬を含む。ある実施態様においては、懸濁液が界面活性剤を含む。ある実施態様においては、界面活性剤がサポゲニンである。ある実施態様においては、モノクローナル呼吸器合胞体ウイルス抗体が3A4D9クローン又は4F9G3クローンを含む群から選択されるクローン由来である。ある実施態様においては、蛍光標識された抗体と懸濁液のインキュベートが同時である。ある実施態様においては、蛍光標識された抗体と懸濁液のインキュベートが連続である。
【0014】
ある実施態様においては、本発明は、
a)i)インフルエンザウイルスのウイルス抗原を含む疑いのある生体サンプルを含む懸濁液と、
ii)前記ウイルス抗原が少なくとも一つの蛍光標識された抗体に相互作用することができ、抗体が異なって標識化されることを特徴とする少なくとも二つの蛍光標識された抗体
を提供する工程、
b)少なくとも一つの前記蛍光標識された抗体が前記インフルエンザウイルスのウイルス抗原に結合するような条件下にて、前記蛍光標識された抗体と前記懸濁液をインキュベートし、それにより標識化抗原‐抗体複合体を形成する工程、及び
c)一つの蛍光標識された抗体を同定することにより前記標識化抗原‐抗体複合体を前記懸濁液内で検出し、それにより前記インフルエンザウイルスのウイルス抗原を同定する工程
を含む方法を意図する。ある実施態様においては、生体サンプルは、患者に由来するものであり、それによりインフルエンザウイルス感染を診断する。ある実施態様においては、インフルエンザウイルスのウイルス抗原は、インフルエンザウイルスAのウイルス抗原を含む。ある実施態様においては、インフルエンザウイルスのウイルス抗原は、インフルエンザウイルスBのウイルス抗原を含む。ある実施態様においては、蛍光標識された抗体がモノクローナル抗体を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたモノクローナル抗体がインフルエンザウイルスAのウイルス抗原に特異的親和性を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたインフルエンザウイルスAモノクローナル抗体がPE蛍光標識を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたモノクローナル抗体がインフルエンザウイルスBのウイルス抗原に特異的親和性を含む。ある実施態様においては、インフルエンザBモノクローナル抗体は8C7E11クローン又は9B4D9クローンを含む群から選択されるクローンに由来する。ある実施態様においては、蛍光標識されたインフルエンザウイルスBモノクローナル抗体がFITC蛍光標識を含む。ある実施態様においては、懸濁液がエバンスブルー、ヨウ化プロピジウム、アクリジンオレンジ、及びこれらの組み合わせの群から選択される染色試薬を含む。ある実施態様においては、懸濁液が界面活性剤を含む。ある実施態様においては、界面活性剤がサポゲニンである。ある実施態様においては、インフルエンザウイルスAモノクローナル抗体が2H3C5クローン又はA(6)B11クローンを含む群から選択されるクローン由来である。ある実施態様においては、蛍光標識された抗体と懸濁液のインキュベートが同時である。ある実施態様においては、蛍光標識された抗体と懸濁液のインキュベートが連続である。
【0015】
ある実施態様においては、本発明は、
a)i)アデノウイルスのウイルス抗原を含む疑いのある生体サンプルを含む懸濁液と、
ii)前記ウイルス抗原が少なくとも一つの蛍光標識された抗体に相互作用することができ、抗体が異なって標識化されることを特徴とする少なくとも二つの蛍光標識された抗体
を提供する工程、
b)前記少なくとも一つの前記蛍光標識された抗体が前記アデノウイルスのウイルス抗原に結合するような条件下にて、前記蛍光標識された抗体と前記懸濁液をインキュベートし、それにより標識化抗原‐抗体複合体を形成する工程、及び
c)一つの蛍光標識された抗体を同定することにより前記標識化抗原‐抗体複合体を前記懸濁液内で検出し、それによりアデノウイルスのウイルス抗原を同定する工程
を含む方法を意図する。ある実施態様においては、生体サンプルは、患者由来であり、それによりアデノウイルス感染を診断する。ある実施態様においては、蛍光標識された抗体がモノクローナル抗体を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたモノクローナル抗体がアデノウイルスのウイルス抗原に特異的親和性を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたアデノウイルスモノクローナル抗体がFITC蛍光標識を含む。ある実施態様においては、懸濁液がエバンスブルー、ヨウ化プロピジウム、アクリジンオレンジ、及びこれらの組み合わせの群から選択される染色試薬を含む。ある実施態様においては、懸濁液が界面活性剤を含む。ある実施態様においては、界面活性剤がサポゲニンである。ある実施態様においては、アデノウイルスモノクローナル抗体が8H2C9クローン、2H10E2クローン、又は4H6C9クローンを含む群から選択されるクローン由来である。ある実施態様においては、蛍光標識された抗体と懸濁液のインキュベートが同時である。ある実施態様においては、蛍光標識された抗体と懸濁液のインキュベートが連続である。
【0016】
ある実施態様においては、本発明は、
a)i)パラインフルエンザのウイルス抗原を含む疑いのある生体サンプルを含む懸濁液と、
ii)前記ウイルス抗原が少なくとも一つの蛍光標識された抗体に相互作用することができ、前記抗体が異なって標識化されることを特徴とする少なくとも二つの蛍光標識された抗体
を提供する工程、
b)前記少なくとも一つの前記蛍光標識された抗体が前記パラインフルエンザのウイルス抗原に結合するような条件下にて、前記蛍光標識された抗体と前記懸濁液をインキュベートし、それにより標識化抗原‐抗体複合体を形成する工程、及び
c)一つの蛍光標識された抗体を同定することにより前記標識化抗原‐抗体複合体を検出し、それにより前記パラインフルエンザのウイルス抗原を同定する工程
を含む方法を意図する。ある実施態様においては、生体サンプルは、患者由来であり、それによりパラインフルエンザ感染を診断する。ある実施態様においては、インフルエンザウイルスのウイルス抗原はパラインフルエンザ1ウイルスのウイルス抗原を含む。ある実施態様においては、インフルエンザウイルスのウイルス抗原はパラインフルエンザ2ウイルスのウイルス抗原を含む。ある実施態様においては、インフルエンザウイルスのウイルス抗原はパラインフルエンザ3ウイルスのウイルス抗原を含む。ある実施態様においては、蛍光標識された抗体がモノクローナル抗体を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたモノクローナル抗体がPE蛍光標識を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたモノクローナル抗体は、パラインフルエンザ1ウイルスのウイルス抗原の特異的親和性を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたモノクローナル抗体は、パラインフルエンザ2ウイルスのウイルス抗原の特異的親和性を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたモノクローナル抗体は、パラインフルエンザ3ウイルスのウイルス抗原の特異的親和性を含む。ある実施態様においては、懸濁液がエバンスブルー、ヨウ化プロピジウム、アクリジンオレンジ、及びこれらの組み合わせの群から選択される染色試薬を含む。ある実施態様においては、懸濁液が界面活性剤を含む。ある実施態様においては、界面活性剤がサポゲニンである。ある実施態様においては、パラインフルエンザウイルス1モノクローナル抗体が1D8E10クローン又は9F61C9クローンを含む群から選択されるクローン由来である。パラインフルエンザウイルス2モノクローナル抗体が2E4D7クローン又は5E4E11クローンを含む群から選択されるクローン由来である。パラインフルエンザウイルス3モノクローナル抗体が4G5(1)E2H9クローン又は1F6C8クローンを含む群から選択されるクローン由来である。ある実施態様においては、蛍光標識された抗体と懸濁液のインキュベートが同時である。ある実施態様においては、蛍光標識された抗体と懸濁液のインキュベートが連続である。
【0017】
ある実施態様においては、本発明は、
a)i)メタニューモウイルスのウイルス抗原を含む疑いのある生体サンプルを含む懸濁液と、
ii)前記ウイルス抗原が少なくとも一つの蛍光標識された抗体に相互作用することができ、抗体が異なって標識化されることを特徴とする少なくとも二つの蛍光標識された抗体
を提供する工程、
b)少なくとも一つの前記蛍光標識された抗体が前記メタニューモウイルスのウイルス抗原に結合するような条件下にて、請求項蛍光標識された抗体と前記懸濁液をインキュベートし、それにより標識化抗原‐抗体複合体を形成する工程、及び
c)一つの蛍光標識された抗体を同定することにより前記標識化抗原‐抗体複合体を検出し、それにより前記メタニューモウイルスのウイルス抗原を同定する工程
を含む方法を意図する。ある実施態様においては、生体サンプルは、患者由来であり、それによりメタニューモウイルス感染を診断する。ある実施態様においては、蛍光標識された抗体がモノクローナル抗体を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたモノクローナル抗体がメタニューモウイルスのウイルス抗原に特異的親和性を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたメタニューモウイルスモノクローナル抗体がFITC蛍光標識を含む。ある実施態様においては、懸濁液がエバンスブルー、ヨウ化プロピジウム、アクリジンオレンジ、及びこれらの組み合わせの群から選択される染色試薬を含む。ある実施態様においては、懸濁液が界面活性剤を含む。ある実施態様においては、界面活性剤がサポゲニンである。ある実施態様においては、メタニューモウイルスモノクローナル抗体が#4クローン、#23クローン、又は#28クローンを含む群から選択されるクローン由来である。ある実施態様においては、蛍光標識された抗体と懸濁液のインキュベートが同時である。ある実施態様においては、蛍光標識された抗体と懸濁液のインキュベートが連続である。
【0018】
ある実施態様においては、本発明は、
a)i)患者由来の非固定細胞を含む生体サンプルを含む懸濁液であり、前記濁液がさらにサポニゲンを含み、固定剤及び非水溶性溶剤を含まないことを特徴とする前記懸濁液、及び
ii)ウイルス抗原と反応する蛍光標識された抗体
を提供する工程、
b)抗体の少なくとも一部が前記ウイルス抗原と反応するような条件下にて、前記細胞懸濁液中に前記蛍光標識された抗体を導入し、それにより前記細胞に結合した前記ウイルス抗原を暴露する工程、
を含む方法を意図する。ある実施態様においては、サンプルは、ウイルス感染を有する疑いのある患者由来である。ある実施態様においては、ウイルス抗原は、細胞内である。ある実施態様においては、ウイルス抗原は、細胞外である。ある実施態様においては、ウイルス抗原は、ウイルスに付着している。ある実施態様においては、ウイルス抗原は細胞表面上に表示されている。
【0019】
ある実施態様においては、本発明は、
a)サイトメーターと滑動自在に接合するサンプルトレイ内に存在するように備わるサンプル容器、
b)前記容器の少なくとも一部を照らすために位置した励起照明光源、及び
c)前記容器の前記少なくとも一部からの発光照明を集めるように配置される検出器を含むサイトメーターを意図する。ある実施態様においては、サンプル容器は、複数のウェルを有するスライドグラスを含む。ある実施態様においては、サンプルトレイは、照明を受けた部分に複数のコンテナーを連続的に露出するようにスライドする。ある実施態様においては、励起照明光源は発光ダイオードを含む。ある実施態様においては、発光照明は蛍光標識されたモノクローン抗体に由来する。
【0020】
ある実施態様においては、本発明は、
a)i)蛍光標識された生体細胞を含む生体サンプルを含む懸濁液、
ii)サンプルトレイを含むサイトメーターであって、前記トレイが装置内にサンプル容器を読み取るために構成され、前記容器が複数のサンプルを含むことを特徴とするサイトメーター、及び
iii)少なくとも一つのサンプルに目標を設定した励起照明光源
を提供する工程、及び
b)第一サンプルが前記励起照明光源により照らされるような条件下にて前記サンプル容器を前記サンプルトレイに挿入する工程、及び
c)第二サンプルが前記励起照明光源により照らされるような条件下にて前記サンプル容器を読み取る工程
を含む方法を意図する。ある実施態様においては、蛍光標識された細胞が蛍光染料を含む。ある実施態様においては、蛍光染料がヨウ化プロピジウム、臭化エチジウム、及びアクリジンオレンジからなる群から選択される。ある実施態様においては、蛍光標識された細胞は蛍光標識されたモノクローナル抗体を含む。ある実施態様においては、蛍光標識された抗体がR‐フィコエリトリンを含む。ある実施態様においては、蛍光標識された抗体が蛍光フルオレセインイソチオシアネートを含む。
【0021】
ある実施態様においては、本発明は、
a)i)少なくとも二つの蛍光標識されたウイルス抗原を含む生体サンプルを含む懸濁液、及び
ii)前記少なくとも二つの蛍光標識されたウイルス抗原を特異的に検出できるサイトメーター
を提供する工程、
b)前記懸濁液を前記サイトメーターへ置く工程、及び
c)少なくとも一つの前記蛍光標識されたウイルス抗原を検出する工程
を含む方法を意図する。ある実施態様においては、第一ウイルス抗原の検出が第一ウイルスを同定する。ある実施態様においては、第二ウイルス抗原の検出が第二ウイルスを同定する。
【0022】
ある実施態様においては、本発明は、
a)i)異常細胞を含む疑いのある生体サンプルを含む懸濁液と、
ii)前記細胞が少なくとも一つの蛍光標識された抗体に相互作用することができ、前記抗体が異なって標識化されることを特徴とする少なくとも二つの蛍光標識された抗体
を提供する工程、
c)少なくとも一つの前記蛍光標識された抗体が前記細胞に結合するような条件下にて、前記蛍光標識された抗体と前記懸濁液をインキュベートし、それにより標識化細胞‐抗体複合体を形成する工程、及び
d)一つの蛍光標識された抗体を同定することにより前記標識化細胞‐抗体複合体を前記懸濁液内で検出し、それにより前記異常細胞を診断する工程
を含む方法を意図する。ある実施態様においては、生体サンプルは、患者由来である。ある実施態様においては、懸濁液がエバンスブルー、ヨウ化プロピジウム、アクリジンオレンジ、及びこれらの組み合わせの群から選択される染色試薬を含む。ある実施態様においては、懸濁液が界面活性剤を含む。ある実施態様においては、蛍光標識された抗体がR‐フィコエリトリン(PE)を含む。ある実施態様においては、蛍光標識された抗体が蛍光フルオレセインイソチオシアネート(FITC)を含む。ある実施態様においては、界面活性剤がサポゲニンである。ある実施態様においては、蛍光標識された抗体と懸濁液のインキュベートが同時である。ある実施態様においては、蛍光標識された抗体と懸濁液のインキュベートが連続である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図の簡単な説明
この特許のファイルは、カラーで行なわれた少なくとも1つの図面を含んでいる。色図面を有するこの特許のコピーは、必要な料金の請求及び支払いに応じて特許商標庁によって提供されるだろう。
【0024】
図1は、非インフルエンザA型ウイルス感染細胞(言い換えると、ネガティブコントロール)の中で蛍光標識されたモノクローナル抗体(MAb)インキュベーションの典型的なデータを示す。黄色染色:バックグラウンド信号。
【0025】
図2は、インフルエンザA型ウイルス感染細胞の1+稀釈アリコート(低い力価)中で蛍光標識されたMAbインキュベーションの典型的なデータを示す。アップルグリーン染色:MAb‐標識化細胞。黄色染色:バックグラウンド信号。
【0026】
図3は、インフルエンザA型ウイルス感染細胞の4+稀釈アリコート(高い力価)の中で蛍光標識されたMAbインキュベーションの典型的なデータを示す。アップルグリーン染色:FITC MAb‐標識化ウイルス感染細胞。黄色染色:バックグラウンド信号。
【0027】
図4は、アデノウイルス感染細胞の中蛍光標識されたFITC MAbインキュベーションの典型的なデータを示す。上図:ヨウ化プロピジウム及びエバンスブルーで染色されたネガティブコントロール標本。下図:アップルグリーン染色:FITC MAb‐標識化アデノウイルス感染細胞。
【0028】
図5は、呼吸系ウイルス感染細胞の中で蛍光標識されたPE MAbインキュベーションの典型的なデータを示す。上図:ヨウ化プロピジウム及びエバンスブルーで染色されたネガティブコントロール標本。下図:金染色:PE MAb‐標識化アデノウイルス感染細胞。
【0029】
図6は、インフルエンザA型ウイルスMAbsのSDS−PAGE電気泳動単離の典型的なデータを示す。
i) MAb A(6)B11:レーンA2、C5及びC6;
ii) MAb 10B12C11:レーンBl;及び
iii)MAb 2H3C5:レーンCl、C2及びC3。
分子量マーカーはレーンA6、B4及びC4である;2本のより重いマーカー・バンドは、それぞれ50及び20kDaを表わす。他のレーンは他のウイルスMAbsの代表である。およそ5μgのタンパク質を各ウェルに充填した。
【0030】
図7は、インフルエンザA型(テキサス)ウイルスへのインフルエンザA型ウイルスMAbsに関する様々な態様の結合能の典型的なデータを提示する。正方形:MAb 10B12C11。円:MAb 2H3C5。三角形:MAb ZymeTx A(6)B11
【0031】
図8は、イエロー‐ゴールドの蛍光性のモノクローナル抗体(図8A)又はアップルグリーンの蛍光性のモノクローナル抗体(図8B)を用いてインフルエンザA型ウイルス感染細胞の検出を示す典型的なデータを示す。
【0032】
図9は、インフルエンザA型(図9A)及びインフルエンザB型(図9B)に関してDFA対LDFA(MAbs: 10B12Cl1+A(6)B11)のウイルス検出の比較を示す典型的なデータを示す。
【0033】
図10は、呼吸系ウイルス(図10A)及びメタニューモウイルス(図10B)に関するDFA対LDFA(MAbs: 10B12Cl1+A(6)B11)のウイルス検出の比較を示す典型的なデータを示す。
【0034】
図11は、アデノウイルス(図11A)及びパラインフルエンザウイルス1(図11B)に関するDFA対LDFA(MAbs: 1OB 12Cl 1+A(6)B11)のウイルス検出の比較を示す典型的なデータを示す。
【0035】
図12は、パラインフルエンザウイルス2(図12A)及びパラインフルエンザウイルス3(図12B)に関するDFA対LDFA(MAbs: 1OB 12Cl 1+A(6)B11)のウイルス検出の比較を示す典型的なデータを示す。
【0036】
図13は、パラインフルエンザ(1−3)(図13A)及び図9から13Aの中のウイルスの組み合わせ混合物(図13B)に関するDFA対LDFA(MAbs: 10B12C11+A(6)B11)のウイルス検出の比較を示す典型的なデータを示す。
【0037】
図14は、少なくとも2つの異なるように標識化されたMAbsからの発光イルミネーションを検出及び測定することができポータブルの蛍光性の読取り機の1つの実施態様を示す。さらに、サンプル用の引き出しに挿入される(1ユニットとして)スライドトレイ上に装置へのエントリーのために置かれたマルチ‐ウェルサンプルスライドを示す。
【0038】
図15は、図14の装置で示されるようなマルチ‐ウェルサンプルスライドの1つの実施態様を示す。ピペットは、液体試料の挿入及び/又は排出のための入口及び出口ポートの位置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
定義
本明細書に使用される用語「の疑いのある」は、患者が特別の疾病又は疾患にかかりうることを示唆する、患者によって示された病状又は病状のセットをいう。例えば、これらの条件は、異常な身体症状、異常な情動性症状又は異常な生化学のテスト結果を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0040】
本明細書に使用される用語「液体細胞懸濁液」又は「懸濁液」は、生体サンプルを含む任意の流体組成物いい、ここでサンプルの成分は任意の天然又は人工表面及び/又は物質に比べて流動的なままである。液体組成物は有機成分及び水性成分も含んでもよい。例えば、液体細胞懸濁液はリン酸緩衝生理食塩水を含んでもよい。
【0041】
本明細書に使用される用語「付着される(attached)」は、媒介物(又はキャリアー)と薬の間の任意の相互作用をいう。付着は可逆的又は不可逆でよい。そのような付着は共有結合、イオンの結合、ファンデルワールス力又は、摩擦などを含むがこれらに限定されない。薬が媒介物(あるいはキャリアー)に浸透し、取り込まれ、覆われ、懸濁し、溶け込み、混合する場合等には、薬は媒介物に付着されている。
【0042】
本明細書に使用される用語「に由来する」は、目的のアイテム(つまり、例えばモノクローナル抗体又はエネルギー・シグネチャー)の源をいう。
ある点では、ウイルス感染細胞は、生物学的な生物体(言い換えると、例えば人間、動物、植物又は患者)に由来してもよい。ある点では、モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ・クローン細胞系(言い換えると、例えばクローン)に由来してもよい。ある点では、発光イルミネーションは蛍光化合物に由来してもよい。ある点では、励起イルミネーションは発光源に由来してもよい。
【0043】
本明細書に使用される用語「に基づいて」は、特定の励起源の強度の量を計る能力に帰着する数学アルゴリズムを含む任意の処理又は方法を指す。さらに、処理、方法又は数学アルゴリズムは、個々にそれらの量を計り比較することができるように複数の励起源を区別することができる。
【0044】
本明細書に使用される用語「検出すること」又は「検出する」又は「検出された」は、イルミネーション源又は励起源を同定することができる任意の方法及び/又は装置をいう。
【0045】
本明細書にて用いる用語「患者」は、人間又は動物で入院する必要はない。例えば、外来患者、老人ホームの人は「患者」である。患者は、人間又は人間以外の動物のどんな年齢も含み、従って、成人及び年少者(つまり子ども)両方を含める。用語「患者」は、治療の必要とする人を意味することは意図されず、従って、患者は、自発的であるか否かを問わず、臨床研究であろうと、基礎科学研究のサポートであろうと実験作業の一環に組み込まれる者をいう。
【0046】
本明細書に用いる用語「親和性」は、物質又は粒子状物質を化合結合へ入らせ、とどまらせる、物質又は粒子状物質の間のあらゆる引力をいう。例えば、受容体に高親和性がある阻害剤化合物は、受容体がその天然リガンドと相互に作用するのを防ぐ際に、低親和性を有する阻害剤より大きな効能を提供するだろう。
【0047】
本明細書にて用いる用語「タンパク質」は、ペプチド結合によって結合されたアミノ酸残基から成る、多数の自然発生の非常に複雑な物質(酵素又は抗体として)のうちのいずれかをいい、炭素、水素、窒素、酸素、通常、硫黄の元素を含む。一般的に、タンパク質は、何百にも達し得る数を有するアミノ酸を含む。
【0048】
本明細書に用いる用語「ペプチド」は、1つのアミノ酸のアミノ基と別のアミノ酸のカルボキシル基の結合による2つ以上のアミノ酸に由来し、通常タンパク質の部分加水分解によって得られる様々なアミドのうちのいずれかをいう。一般的に、ペプチドは、何十の数のアミノ酸を有するものを含む。
【0049】
本明細書にて用いる「核酸配列」及び「ヌクレオチド配列」は、オリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチド、及びそれのフラグメント又は、それらの部分をいい、一本鎖又は二本鎖でよく、センス鎖又はアンチセンス鎖と表現してよい、ゲノム又は合成起源のDNA又はRNAをいう。
【0050】
本明細書にて用いる用語「単離された核酸」は、その自然状態(例えば、好ましい実施態様においては、細胞から除かれ、他のゲノムの核酸がない)から取り除かれたあらゆる核酸分子をいう。
【0051】
本明細書にて用いる用語「アミノ酸配列」及び「ポリペプチド配列」は相互に交換可能であり、アミノ酸の順序をいう。
【0052】
本明細書において「所定のタンパク質の一部」などという場合のタンパク質について用いる用語「一部」は、そのタンパク質のフラグメントをいう。フラグメントのサイズは、4アミノ酸残基以上で全アミノ酸配列から1アミノ酸を引いたアミノ酸配列までの範囲でよい。
【0053】
ヌクレオチド配列に関して使用される時、用語「部分」は、そのヌクレオチド配列のフラグメントいう。フラグメントのサイズは、5ヌクレオチド残基からなるフラグメント以上で、全ヌクレオチド配列から1核酸残基を引いたフラグメントまでの範囲でよい。
【0054】
用語「抗体」は、免疫原(抗原)によって動物に引き起こされた免疫グロブリンをいう。抗体は、免疫原に含まれるエピトープへの特異性を実証することが望ましい。用語「ポリクローナル抗体」は、形質細胞の2以上のクローンから生産された免疫グロブリンをいい、対照的に、「モノクローナル抗体」は、形質細胞の単一のクローンから生産された免疫グロブリンをいう。ウイルス抗原の特異親和性を有する、本明細書にて意図するモノクローナル抗体は、すべて市販で入手可能である。(Diagnostics Hybrids, Inc., Athens, OH)。
【0055】
抗体及びタンパク質又はペプチドの相互作用に関して使用する場合、用語「特異親和性」、「特異的結合」又は「特異的に結合すること」は、相互作用がタンパク質上の特定構造(言い換えると、例えば、抗原決定基又はエピトープ)の存在に依存することを意味する。言いかえれば、抗体は一般的なタンパク質ではなくむしろ特異タンパク質構造を認識して結合している。例えば、抗体がエピトープ「A」に特異的である場合、標識化「A」及び抗体を含む反応物中、エピトープA(又は遊離した、非標識化A)を含むタンパク質の存在は、抗体に結合する標識化Aの量を減らすだろう。
【0056】
本明細書に手用いる用語「サンプル」は、その最も広い意味の中で使用され、環境サンプル及び生体サンプルを含む。環境サンプルは、土と水のような環境からの物質を含む。生体サンプルは、人間を含む動物、液体(例えば、鼻咽頭分泌物、血液、血漿及び血清)、固形物(例えば、排便)、組織、液状食品(例えば、ミルク)、また固形食(例えば、野菜)でよい。例えば、肺のサンプルは、肺組織に由来した液体及び細胞を含む気管支肺胞洗浄(bronchoalveolar lavage)(BAL)によって集められてもよい。ウイルス感染細胞、組織抽出液又は体液を含む疑いのある生体サンプルを集めてよい。
【0057】
用語「免疫学的に活性のある」は、適切な動物又は細胞中の特異的免疫反応を引き起こすために及び/又は特異抗体と結合するために、自然の、組み換えの、又は、合成のペプチド(言い換えると、例えば、コラーゲン様ファミリータンパク質)又はそれらの任意のオリゴペプチドの能力をいう。
【0058】
本明細書に用いる用語「抗原決定基」は、特定の抗体(つまりエピトープ)によって認識される分子のその部分をいう。タンパク質又はタンパク質のフラグメントが宿主動物を免疫にするために使用される場合、タンパク質の多数の領域は、タンパク質上の一定の領域又は三次元構造に特異的に結合する抗体の産生を引き起こしてもよい。これらの領域又は構造は、抗原決定基という。抗原決定基は、無傷の抗原(つまり、免疫反応を誘発するために使用される免疫原)が抗体に結合することを競合してよい。そのような1つの抗原決定基は、「ウイルス抗原」でよく、その抗原が、ウイルスに感染した宿主細胞表面上に又はその中に表示されてもよく、又はウイルス・コート表面上に表示されてもよい。
【0059】
用語「免疫原」、「抗原」、「免疫原の」、及び「抗原の」は、動物へ導入された時、抗体を作りだすことができる任意の物質をいう。定義によって、免疫原は少なくとも1つのエピトープ(免疫反応を引き起こすことができる特異的な生化学ユニット)を含んでいるに違いないし、一般的にさらに多く含んでいる。タンパク質は、免疫原として最も頻繁に使用される。しかし、タンパク質と複合体を作る脂質及び核酸の部分は、さらに免疫原として働いてもよい。わずかのエピトープを有するより小さな分子が満足な免疫反応を単独で刺激しない場合、後者の複合体は、しばしば有用である。
【0060】
用語「抗体」は、免疫原(抗原)によって動物に引き起こされた免疫グロブリンをいう。抗体は、免疫原に含まれるエピトープへの特異性を実証することが望ましい。用語「ポリクローナル抗体」は、形質細胞の2以上のクローンから生産された免疫グロブリンをいい、対照的に、「モノクローナル抗体」は、形質細胞の単一のクローンから生産された免疫グロブリンをいう。
【0061】
用語「標識」又は「検出できる標識」は、蛍光、分光器、光化学的、生化学的、免疫化学的、電気的、光学的、化学的手段によって検出できる任意の組成物をいうために本明細書に使用される。例えば、そのような標識、テトラメチルローダミンイソチアシヤネート(tetramethylrhodamine isothiocyanate)(TRITC)、量子ドット、CY3及びCY5を含んでもよいが、これらに限定されない。他のそのような標識は、標識化ストレプトアビジン結合体で染色するためのビオチン、磁気ビーズ(例えば、Dynabeads(商標))、蛍光染料(例えば、フルオレセイン、テキサスレッド(texas red)、ローダミン、緑色蛍光タンパク質等)、放射性同位体(例えば、H、125I、35S、14C又は32P)、酵素(例えば、西洋わさびペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、及び一般にELISAの中で使用される他のもの)、及びコロイド金又は色ガラスのような熱量測定の標識又はプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックス等)ビーズを含むがこれらに限定されない。そのような標識の使用を開示する特許は、米国特許番号3,817,837、3,850,752、3,939,350、3,996,345、4,277,437、4,275,149、及び4,366,241(本明細書に参照によりすべて組込まれる)を含むがこれらに限定されない。本発明の中で意図する標識は、多くの方法によって検出されてもよい。例えば、放射性同位体は、写真フィルム又はシンチレーション計数器を使用して検出されてもよく、蛍光マーカーは放射光を検出するために光検出器を使用して検出されてもよい。酵素の標識は、酵素に基質を提供し、基質上の酵素の作用によって生産された反応生成物を検出することにより典型的に検出され、及び熱量測定の標識は、単に有色の標識を視覚化することにより検出される。
【0062】
本明細書にて用いる用語「結合する(binding)」は、感染抑制組成物と表面の間の任意の相互作用をいう。表面等は「結合表面」として規定される。結合は可逆的又は不可逆的でよい。そのような結合は非共有結合、共有結合、イオン結合、ファン・デル・ワールス力又は、摩擦等でよいがこれらに限定されない。感染抑制組成物が表面から浸透し、取り込まれ、表面により覆われ、内側で懸濁し、溶け込み、混合する等の場合、感染抑制組成物はその表面に結合している。
【0063】
用語「蛍光を発する中心」は、蛍光的に抗体を標識化した時、蛍光を発する1個の細胞又は密着して隣接する細胞の一群のいずれかをいう。いくつかの単独ウイルス感染は、マルチ細胞プラークを生産し、他のものは、生存可能なウイルス当たり1個又は2個の細胞の感染でのみ生じる。多くの蛍光染色細胞から成るウイルスのプラークは、HSV、VZV、及びRSVなどウイルスについて「1」として数えられる。インフルエンザA型、B型、及びアデノウイルスのようなウイルスは、生存可能な感染性ウイルス当たりわずか1つ又は少数の蛍光染色細胞しかつくらない。
【0064】
用語「ウイルス」は、自律複製(つまり、複製は、宿主細胞の機構の使用を必要とする)のできない、偏性で、超顕微鏡的な細胞内寄生体をいう。ウイルスは、アデノウイルス(adenovirus)、ライノウイルス(rhinovirus)、ヒト乳頭腫ウイルス(human papilloma virus)、ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus)、肝炎ウイルス(hepatitis virus)、ニューカッスル病ウイルス(Newcastle disease virus)、カルジオウイルス(cardiovirus)、コルチコ・ウイルス科(corticoviridae)、シストウイルス科(cystoviridae)、エプスタイン・バー・ウイルス(epstein‐barr virus)、フィロウイルス科(filoviridae)、ヘパドナウイルス科(hepadnviridae)、肝炎ウイルス(hepatitis virus)、ヘルペスウイルス(herpes virus)、インフルエンザウイルス(influenza virus)、イノウイルス科(inoviridae)、イリドウイルス科(iridoviridae)、メタニューモウイルス(metapneumovirus)、オルソミクソウイルス科(orthomyxoviridae)、パポバウイルス(papovavirus)、パラインフルエンザウイルス(parainfluenza virus)、パラミキソウイルス科(paramyxoviridae)、パルボウイルス科(parvoviridae)、ポリドナウイルス科(polydnaviridae)、ポキシスウイルス科(poxyviridae)、レオウイルス科(reoviridae)、呼吸器合胞体ウイルス(respiratory syncytial virus)、ラブドウイルス科(rhabdoviridae)、セムリキ森林ウイルス(semliki forest virus)、テトラウイルス科(tetraviridae)、ベルンウイルス(toroviridae)、牛痘ウイルス(vaccinia virus)及び水疱性口内炎ウイルス(vesicular stomatitis virus)を例示されるが、これらに限定されない。「ウイルス」はプラス鎖RNAウイルスでない動物ウイルスを含み、例えば、アレナウイルス(Arenaviridae)、バキュロウイルス(Baculoviridae)、ビルナウイルス科(Birnaviridae)、ブンヤウイルス(Bunyaviridae)、カルジオウイルス(Cardiovirus)、コルチコウイルス(Corticoviridae)、シストウイルス(Cystoviridae)、エプスタインバーウイルス(Epstein‐Barr virus)、フィロウイルス科(Filoviridae)、ヘパドナウイルス科(Hepadnviridae)、肝炎ウイルス(Hepatitis virus)、ヘルペスウイルス科(Herpesviridae)、インフルエンザウイルス(Influenza virus)、イノウイルス科(Inoviridae)、イリドウイルス科(Iridoviridae)、メタニューモウイルス(Metapneumovirus)、オルソミクソウイルス科(Orthomyxoviridae)、パポーバウイルス(Papovavirus)、パラミキソウイルス科(Paramyxoviridae)、パルボウイルス科(Parvoviridae)、ポリドナウイルス科(Polydnaviridae)、ポキシスウイルス科(Poxyviridae)、レオウイルス科(Reoviridae)、ラブドウイルス科(Rhabdoviridae)、セムリキ森林ウイルス(Semliki Forest virus)、テトラウイルス科(Tetraviridae)、ベルンウイルス(Toroviridae)、牛痘ウイルス(Vaccinia virus)、水疱性口内炎ウイルス(Vesicular stomatitis virus)を例示するが、これらに限定されない。
【0065】
本明細書にて用いる用語「病原体」は、少なくとも1つの抗原を含む任意の超顕微鏡的生物又は微生物をいう。例えば、抗原を含む病原体は、病原体抗原に対して特異親和性を有する、蛍光標識されたモノクローナル抗体によって検知し同定することができる。病原体の代表的な例は、バクテリア、菌類、酵母、ウイルス又は任意の微生物を含むが、これらに限定されない。
【0066】
本明細書にて用いる用語「呼吸系ウイルス」は、肺(pulmonary)組織(つまり例えば肺(lung)組織)を感染させることができる任意のウイルスをいう。例えば、レスピレーターウイルスは、インフルエンザ(influenza)、パラインフルエンザ(parainfluenza)、アデノウイルス(adenovirus)、ライノウイルス(rhinovirus)、単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus)、呼吸器合胞体ウイルス(respiratory syncytial virus)、ハンタウイルス(hantavirus)、又はサイトメガロウイルス(cytomegalovirus)を含むが、これらに限定されない。
【0067】
発明の詳細な説明
本発明は、液体形式で直接的にウイルスを検出するための生体サンプルを処理すること関する。例えば、サンプルは呼吸器系に由来してもよい。検出方法は、ウイルス抗原に直接に結合する抗体を使用してよく、それにより検出も同定もできてよい。いくつかの態様では、抗体は標識モノクローナル抗体である。方法は、複数の蛍光信号を区別することができるアルゴリズムを含む装置に統合されてもよい。
【0068】
ある実施態様においては、本発明は、細胞がウイルス感染について陽性又は陰性かどうか判断するために処理された生体細胞標本の画像及びアルゴリズムを使用して、ウイルス抗原を検出し同定する方法を意図する。ある実施態様においては、方法は、調製、処理、及び検査の間、液体試料を含む。
【0069】
I.ウイルス感染
流行の間に、ウイルスは、特に老年者、及び慢性肺疾患及び/又心血管障害を有する患者にとって、罹患率と死の重要な原因となりうる。Swenson ら、 ”Rapid detection of influenza virus in cell culture by indirect immunoperoxidase staining with type−specific monoclonal antibodies” Diagn. Microbiol. Infect. Dis. 7:265−268 (1987).適切な感染抑制措置及び適切な患者治療は臨床検査材料中のウイルスの迅速な検出及び同定によって最適化されてよい。
【0070】
ウイルスは、繁殖(例えば、複製)するために生細胞に侵入しなければならない小さな感染性の生物体(菌類又はバクテリアよりはるかに小さい)である。ウイルスは細胞(宿主細胞という)に付着し、それに侵入し、細胞の内部へそのDNA又はRNAを放出する。ウイルスのDNA又はRNAはウイルスを複製するために必要とされる情報を含んでいる遺伝物質である。ウイルスの遺伝物質は細胞を支配し、ウイルスを複製することをそれに強いる。ウイルスが、それがその正常機能を行なわないようにするので、感染細胞は通常死ぬ。死ぬ場合、細胞は新しいウイルスを放出する。それは次に他の細胞を感染させる。
【0071】
いくつかのウイルスは、それらが感染させる細胞を殺さないが、代わりに、細胞の機能を変更する。時々、感染細胞は、正常細胞分裂に対するコントロールを失い、癌になる。いくつかのウイルスは宿主細胞の中に遺伝物質を残し、ここで遺伝物質は長時間(例えば、潜伏感染)で休止しているままである。細胞が妨害される場合、ウイルスは再び複製し始め、疾病を引き起こしうる。
【0072】
通常、ウイルスは細胞の1つの特別の型を感染させる。例えば、かぜウイルスは、上気道の細胞だけを感染させる。さらに、ほとんどのウイルスは、植物又は動物のほんの少数の種を感染させる。いくつかは人々だけを感染させる。多くのウイルスが一般に幼児と子どもに感染する。
【0073】
ウイルスは、様々な方法で蔓延する(例えば、感染する)。一部のウイルスは呑み込まれ、一部は吸入され、及び一部は、昆虫及び他の寄生生物(つまり、例えば、蚊及びダニ)にさされることによって流布する。一部のウイルスは性的に流布される。
【0074】
1.防御物
ほとんどの生物学的な生物体は、ウイルスに対する多くの防衛をしている。例えば、皮膚のような身体的なバリアは容易な侵入を妨げる。感染細胞はさらにインターフェロン(非感染細胞を多くのウイルスによる感染に対してもっと耐性にすることができる物質)を作る。
【0075】
ウイルスが身体を入る場合、ウイルスは身体の免疫防御を引き起こしうる。これらの防御は、リンパ球と単球のような白血球から始まり、ウイルス又は感染細胞を攻撃し破壊する抗体を産生する。抗ウイルス抗体の産生は、続いて起こる免疫の状態をつくり、その状態においては白血球は、再感染に直ちに応答するようにプログラムされる。免疫のこれらの状態は、無感染のウイルス粒子を有する予防接種によって人為的に引き起こされる場合がある。予防接種は、様々な白血球からの抗体の産生を始めて、それによって、性質上ポリクローナルな抗体を生産する。
【0076】
2.ウイルス感染の型
恐らく、最も一般的なウイルス感染は、上部呼吸器気道(つまり、例えば、鼻、喉、等)のものである。これらの感染は咽頭炎、副鼻腔炎及び風邪を含む。インフルエンザは、ウイルス呼吸器感染症である。小さな子どもにおいて、ウイルスは、一般にクループ及び気管の炎症(言い換えると、例えば、喉頭気管気管支炎)又は肺の内部でより深い他の気道の炎症を引き起こす。呼吸器感染症は、幼児、年配の人々及び肺又は心疾患を持った人々において、重い症状を引き起こす可能性が大きい。
【0077】
いくつかのウイルス(言い換えると、例えば、狂犬病ウイルス(rabies virus)、西ナイルウイルス(West Nile virus)及びいくつかの異なる脳炎ウイルス(encephalitis viruses)は、神経系に感染する。ウイルス感染は、皮膚の中で成長し、ときどき、疣贅又は他の斑点に至る。
【0078】
他の一般的なウイルス感染はヘルペスウイルスによって引き起こされる。異なる8つのヘルペスウイルスが人々に感染し、単純ヘルペスウイルス1型(herpes simplex virus type 1)、単純ヘルペスウイルス2型(herpes simplex virus type 2)、及び水痘帯状ヘルペスウイルス(varicella‐zoster virus)を含むが、これらに限定されない。これらのウイルスは、皮膚又は粘液の膜の上の水疱を生産する感染を引き起こす。別のヘルペスウイルス(エプスタインバーウイルス(Epstein‐Barr virus)は伝染性単核症を引き起こす。サイトメガロウイルス(Cytomegalovirus)は、新生児、及び弱体化された免疫系を有する人々において重篤感染症の原因である。サイトメガロウイルスはさらに健康な免疫系を有する人々において伝染性単核症に似ている症状を出すことができる。ヒトヘルペスウイルス6及び7は、小児バラ疹(roseola infantum)と呼ばれる小児期感染症を引き起こす。ヒトヘルペスウイルス8は癌(カポジ肉腫(Kaposi's sarcoma))の原因としてAIDSの人々に密接に結び付けられた。
【0079】
ウイルスが休止している(潜在している)状態でその宿主細胞内にとどまるので、すべてのヘルペスウイルスは、生涯にわたる感染を引き起こす。時々、ウイルスは再活性化し、疾病のさらなる症状を発現する。再活性化が急速にあるいは初感染後の長年たって生じ得る。
【0080】
3.診断
通常のウイルス感染は症状に基づいて、通常分析される。流行(言い換えると、例えば、インフルエンザ)で生じる感染については、他の同様なケースの存在により、医者が特定の感染を同定するのを助けうる。他の感染については、血液検査、及び培養(血液、体液又は感染地域から取られた他の物質のサンプルからの研究所にて微生物を培養する)を行ってよい。血液は、ウイルスの抗体又は抗原(身体の防御物を引き起こすウイルス上の、又はそのウイルス中のタンパク質)に関して試験してもよい。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)テクニックは、医者が速やかにかつ正確にウイルスを同定することを可能にして、ウイルスの遺伝物質の多くのコピーを作るために使用してもよい。例えば、感染は公衆衛生に対する深刻な脅威である場合、又は症状が重い場合に、テストは時々速く行われる。血液又は他の組織のサンプルは、電子顕微鏡で時々検査され、それは高倍率に明瞭な解像力を提供する。
【0081】
4.処置
ウイルス感染と戦う医薬品は抗ウイルス薬と呼ばれる。ヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus)(HIV)感染を治療するために使用される医薬品など、多くの抗ウイルス薬が、ウイルスの複製を妨害することにより作用する。ウイルスは、細胞自身の代謝機能を使用する細胞の内部で複製するので、抗ウイルス薬がターゲットとすることができる代謝機能の数は限られている。したがって、抗ウイルス薬は開発するのが難しい。さらに、効果的な抗ウイルス薬はヒト細胞へ有毒でありうる。ウイルスは、抗ウイルス薬に対する抵抗性を発現させることもできる。
【0082】
他の抗ウイルス薬は、ウイルス感染への生物学的な免疫反応を強くする。これらの医薬品はいくつかの型のインターフェロン、免疫グロブリン及びワクチン剤を含む。インターフェロン医薬品はウイルス複製を遅くする又は止める自然におこる物質のレプリカである。免疫グロブリンは、一群の人々から集められた抗体(免疫グロブリンともいう)の滅菌溶液である。ワクチン剤は、身体の自然な防衛機構を刺激することにより感染を防ぐのを助ける物質である。多くの免疫グロブリン及びワクチン剤が感染を防ぐためにウイルスに暴露する前に与えられる。感染が進行するのを防ぐか又は感染の発病度を低下させるのを助けるために、狂犬病とB型肝炎用のものなど、いくつかの免疫グロブリン及びいくつかのワクチン剤は、ウイルスへの暴露の後にも使用される。免疫グロブリンは、さらにいくつかの確立した感染を治療し、かつウイルスへの将来の暴露の後に感染を防ぐのを助けてもよい。
【0083】
ほとんどの抗ウイルス薬は経口投与することができる。いくつかは、静脈(静脈内で)又は筋肉(筋肉内に)への注射から投与することができる。いくつかは、軟膏剤、クリーム剤又は目薬として適用されるか、又はパウダーとして吸入される。
【0084】
抗生物質はウイルス感染に対して効果的ではない。しかし、人がウイルス感染に加えて細菌感染をしていれば、抗生物質は多くの場合必要である。
【0085】
II.ウイルス検出アッセイ
感染症割合及び免疫戦略は、社会のニーズ、国防、及び疾病を生む生物体中の進化の変更に応じて、米国及び世界的に発展し続ける。予防接種は多くの感染を防ぐために行なわれる一方、集団検診は、効果的なワクチン剤がない感染のため、及び一般的予防注射が十分な効果が無いと考える低い発生率を有する疾病のために用いられている。
【0086】
病気の診断、病原体など生体試料への暴露の有無を決定し、又は免疫状態をモニタリングするための現行手法は、特異的アッセイに依存して変わる。いくつかの方法はインビボ(in vivo)アッセイを使用する。他のものは、取得され、試験されるべき、血液又は血清など、生体サンプルを必要とする。通常行なわれるテストは、酵素結合免疫吸着測定法(enzyme−linked immunosorbant assay)(以下、「ELISA」)、ラジオイムノアッセイ(radioimmunoassay)(以下に「RIA」)又は凝集など非均一型診断法のうちの一つである。すべては、表面結合、異種混合アッセイであり、成功するために、目的の抗原が表面と相互に作用することが必要であり、しばしば、かなりの非特異的結合及び特異性の損失という犠牲を払う。
【0087】
本明細書に記載の実施態様は、方法のすべての工程を包含する、全体として液体環境を提供することにより、従来報告された免疫測定を改良する。
【0088】
A.非蛍光抗体アッセイ
溶液中のウイルスを発見することができると考えられた一般的方法については、蛍光標識された感染細胞を捕らえる抗体を表示する複合有機無機のナノクラスタを使用することが報告された。Sunら、”Multiplexed Detection of Analytes in Fluid Solution,” United States Patent Publication No. 2007/0279626。その後、捕らえられた感染細胞の数を決定するために、ナノクラスタ‐抗体‐細胞複合体はラマン分析法ともにFACSにて処理される。液相の免疫診断アッセイは、抗原/抗体複合体が第一及び第二酵素によって作用する場合、生化学的なリポーターを作りだすことが報告された。Clemmonsら、 ”Liquid−Phase Immunodiagnostic Assay,” United States Patent No. 5,637,473。示唆された抗原/抗体複合体が様々なウイルス関連のエピトープを含む。病気を持っている疑いのある患者の臨床のサンプルからの検体検出は、核酸‐標識結合構築物でサンプルを反応させることにより報告された。結合する構築物は検体への親和性がある抗体でよい。一度結合したら、抗体/検体複合体は単離され、核酸標識は、捕らえられた検体の定量するために、増幅され、同定される。Lawton, ”Soluble Analyte Detection and Amplification,” United States Patent No. 7, 341, 837、及び米国特許番号2005/0048500。
【0089】
B.間接免疫蛍光法
間接免疫蛍光法は、特異性抗原対して向けた、第一の標識化されていないIgG抗体が第一抗体と同じ種の標識化された(つまり、例えば、蛍光標識された)抗‐IgGの使用によって検出される方法を表わす。例えば、標識化されたヤギ抗‐ウサギIgG抗体は、ウサギの中で惹起された特異的第一抗体に対して使用することができる。
【0090】
FACS方法論を用いることによるフローサイトメトリーは、マトリックス タンパク質I及び核タンパク質に向けられた蛍光標識されたモノクローナル抗体の使用により、細胞内のインフルエンザA型の複製をモニタリングにすることに使用された。このシステムでは、着生MDCK細胞は、最初にウイルスを含んでいるサンプルで接種を受けて、次に、エタノール及びパラホルムアルデヒド/エタノールで固定し、脱水した。Schulze−Horsel ら、 ”Flow Cytometric Monitoring of Influenza A Virus Infection in MDCK Cells During Vaccine Production,” BMC Biotechnol. 8:45 (2008)、及びLonsdaleら、 ”A Rapid Method for Immunotitration of Influenza Viruses Using Flow Cytometry,” J. Virol. Methods, 110(l):67−71, (2003))。
【0091】
インビボ(in vivo)抗体産生は、FACS免疫蛍光検査法を使用して、インフルエンザウイルスに感染したネズミで研究された。データは、感染した脾臓細胞から分離されたB細胞が、感染の間に、自然なIgMアイソタイプからインフルエンザ‐特異的アイソタイプまでアイソタイプ・スイッチングを経験しないことを実証した。Baumgarth ら、 ”Innate and Acquired Humoral Immunities to Influenza Virus are Mediated by Distinct Arms of the Immune System,” PNAS 96:2250−2255 (1999)。
【0092】
インフルエンザウイルスの検出は、細胞培養に基づいた間接免疫蛍光染色を使用して、様々な処理方法間で比較された。チャンバースライド(Chamber slide)、シェル・バイアル(shell vial)、標準ウイルス単離及び鼻洗浄標本はすべて、インフルエンザA型ウイルス(つまり、マトリックスタンパク質又は核タンパク質)又はインフルエンザB型ウイルス(つまり、核タンパク質又は赤血球凝集素)のいずれかの抗原に特異的なモノクローナル抗体を使用して試験された。Walls他 ”Characterization and evaluation of monoclonal antibodies developed for typing influenza A and influenza B viruses” J. Clin. Microbiol. 23:240−245 (1986)。これらの比較は、間接免疫蛍光法試験が激しい洗浄にかかわらず豊富な粘液デブリにより、及び時々生菌の不適当な数により判断するのが難しいことを示した。Stokesら、”Rapid Diagnosis of Influenza A and B by 24−h Fluorescent Focus Assays,” J. Clin. Microbiol. 26(7):1263−1266 (1988)。また、インフルエンザ感染は、組み換え的につくられたインフルエンザA型M2タンパク質で覆われた表面上に臨床のサンプル内の自然に産生された抗体を捕らえることにより検知されてもよい。
Kendalら、”Improved Expression of Influenza A M2 Protein in Baculovirus and Uses of M2 Protein,” WO/1993/003173.インフルエンザウイルス感染も、サンドイッチ免疫蛍光測定法を使用して検知されてもよく、この方法は、NP、Ml、HA及びNAタンパク質を認識する抗‐インフルエンザ抗血清が、固定され透過性になったHeLa細胞と反応する。得られたタンパク質‐抗体複合体はFITC‐標識化抗ウサギIgG抗体で視覚化された。Shiratsuchiら、 ”Phosphatidylserine−Mediated Phagocytosis of Influenza A Virus−Infected Cells by Mouse Peritoneal Macrophages,” J. Virol. 74(19): 9240−9244 (2000)。
【0093】
インフルエンザウイルスは、抗マウスFITC二次抗体によって検出される非標識化インフルエンザA型‐特異的モノクローナル抗体を用いて組織塗布標本上で検知された。方法は、サポゲニンの使用、又はヨウ化プロピジウムを開示していない。Selleckら、 ”Rapid Diagnosis of Highly Pathogenic Avian Influenza Using Pancreatic Impression Smears,” Avian Diseases 47(s3):l 190−1195 (2002)。
【0094】
C.直接的な蛍光性アッセイ(DFA)
直接免疫蛍光法は、標識化されていない反応物(つまり、例えば、抗原、ウイルスのエピトープ又は細胞エピトープ)の存在を検出するとともに示す標識化された反応物(つまり、例えば、抗体)の使用を含む。ある場合には、標識は、蛍光分子を含む。ある場合には、蛍光分子で直接に標識化された一次抗体を使用することが有利である。この直接標識は、染色手順での工程を減少させ、そして、さらに重要なことには、しばしば交差反応性及び高いバックグラウンド問題を回避する。
【0095】
1.非液体をベースとしたDFA
ウイルスの直接検出は、免疫蛍光法又は酵素免疫吸着法(ELISA)の使用により実施されてきた。免疫蛍光法による直接塗抹検査は低感度及び非特異性のバックグラウンド染色により問題である。代替的に、シェル・バイアル遠心分離アッセイが、インフルエンザウイルスの検出のために適応させてきた。Espyら、 ”Rapid detection of influenza virus by shell vial assay with monoclonal antibodies” J. Clin. Microbiol. 24:677−679 (1986)、及びStokesら、”Rapid diagnosis of influenza A and B by 24−h fluorescent focus assay” J Clin. Microbiol. 26:1263−1266 (1988)。
【0096】
臨床の呼吸器検体でインフルエンザA型及びインフルエンザB型ウイルスを検出するいくつかの細胞培養に基づいた方法は、メイディン・ダービー(Madin‐Darby)イヌ腎臓細胞を使用し、それは、インフルエンザウイルスによる感染に非常に敏感である。そのような方法は、サンプルによる細胞培養のウイルス感染から得られる細胞変性効果の発現を観察するために、インキュベーションが少なくとも1週かかる。Frank ら、 ”Comparison of different tissue cultures for isolation and quantitation of influenza and parainfluenza viruses” J. Clin. Microbiol. 10:32−36 (1979)、及びMeguroら、”Canine kidney cell line for isolation of respiratory viruses” J. Clin. Microbiol. 9:175−179 (1979)。臨床検体塗布標本も直接免疫蛍光法アッセイの使用により試験された。これらの塗抹標本は、顕微鏡上で見る前に、スライドグラス上のサンプルを調製し乾かすために、いくつかの工程で処理された。インフルエンザは、エバンスブルーを有する対比染色法と共にFTIC標識抗体を使用して検出された。この方法は、検出できる信号を改善するためにサポゲニンを使用することによって、又はヨウ化プロピジウムと対比染色組み合わせを使用することによって増強されない。Millsら、”Detection of Influenza Virus by Centrifugal Inoculation of MDCK Cells and Staining with Monoclonal Antibodies,” J. Clin. Microbiol. 27(11):2505−2508 (1989)。
【0097】
現在、インフルエンザAとB型、呼吸器合胞体ウイルスなどの呼吸器系ウイルスの存在を検知するために蛍光性の標識抗体を使用して、直接に呼吸器検体を色付けするために使用された2つの(2)一般的方法(つまり、標準のDFA及びサイトスピンDFA)がある。これらのアッセイ手順は、はるかに速い、本明細書に記載の1つの実施態様(つまり、例えば、液体DFA;LDFA)と比較される。表1を見てください。
【0098】
【表1】

【0099】
現在の標準及びサイトスピンDFAは、
i)標本から細胞を集めて濃縮するために遠心分離する工程(この工程は実験に依存して、変わる。多数のすすぎが行なわれる場合に、それは10分から30分以内までに及びうる。)、
ii)スライド上の置かれた細胞を乾燥させる工程、
iii)脱水剤(つまり、例えば、アセトン)を使用して、細胞を固定する工程、
iv)付着し、固定した細胞をそれぞれのフルオレセインイソチオシアネート(FITC)標識化Abと37℃でインキュベートする工程、及び
v)標識化/固定細胞を顕微鏡で見るため操作し、蛍光性の細胞の存在について検査する工程
を含む多数でかつ長い実験工程を含むことを必要とする。現在のDFAの重要な1つの欠点は、顕微鏡を見ること及び蛍光性に標識化された細胞のための検査が手動で(つまり、目視検査によって)行われるということである。さらに、通常、単一の蛍光標識が各抗体に使用されるので、個別のサンプルは、各疑わしいウイルスの存在を検出するために逐次連続的に処理されなければならない。
【0100】
DFAの中の固定液は、通常脱水剤(つまり、例えば、アセトン)であり、それは、タンパク質を固定し、細胞をスライドガラスへ付着させ、細胞を、細胞内抗原と反応するMAbの侵入のために透過性にする。DFAの中の染色剤は、細胞対比染色法用のタンパク染料(つまり、例えば、エバンスブルー)と組み合わせたウイルス抗原用、通常直接に標識化されたFITC MAbである。
【0101】
2.液体DFA(LDFA)
現在利用可能なDFAは、上記に記述するように、長くかつ困難な技術を使用して、ウイルス(つまり、8つのアリコート合計)それぞれを検出し、同定するために異なるアリコートを必要とするだろう。例えば、8つの(8)ウイルスの非液体DFA検出は、37の(37)実験操作を必要とする。対照的に、本発明によって考えられたLDFA実施態様は、液体試料の3つのアリコートの連続分析を使用して、わずか14の(14)実験操作しか含まない。ある実施態様においては、方法は、さらにコントロールとして標識化されたモノクローナル抗体のない液体試料の第4のアリコートを含む。
【0102】
蛍光標識されたリガンド(つまり、例えば、小分子、ペプチド)は、蛍光偏光法の変化の測定により抗体を検出することにより溶液ベース診断アッセイの中で使用した。蛍光に標識化されたリガンドは、分子の回転速度の変化をうけ、それによって、リガンドが結合するパートナー(つまり例えば、抗体で結合する標識抗原)と結合する場合、その発光パターンを変更する。例えば、方法は、微生物(つまり、例えば、バクテリア又はウイルス)に感染する、患者からの生体サンプル中の自然に生成された抗体を検出してもよい。Cullumら、”Fluorescence Polarization Instruments and Methods For Detection of Exposure to Biological Materials By Fluorescence Polarization Immunoassay of Saliva, Oral or Bodily Fluids,” United States Patent No. 7,408,640 (2008)、及び米国特許公報番号2005/0095601(本明細書に比較によって組込まれる)。
【0103】
蛍光標識されたモノクローナル抗体の溶液は、ELISA型でのマイコプラズマ肺炎(Mycoplasma pneumonia)を同定するために用いるアゾ化合物で安定した。感染細胞は、抗体を用いたインキュベーションの前にマイクロウェル・プレートに固定した。これらの方法は、改善された細胞透過性(つまり、例えば、サポゲニンの追加による)又はヨウ化プロピジウムで逆染色することに依存せず、ウイルス(つまり、例えば、インフルエンザ)の検出を意図しない。Sawayanagiら、”Stable Antibody Solution and Method For Preparing the Same,” United States Patent No. 5,602,234 (1997)(本明細書に参照により組込まれる)。
【0104】
ある実施態様においては、本発明は、透過性を上昇させる薬剤及び少なくとも1つの細胞染色と液体試料をインキュベートすることを含むLDFAを実施する方法に関する。発明の機構を理解することは必要ではないが、これは現在利用可能な、2つの個別の工程で固定及び染色のアナログ工程を実施する非液体DFAに対する顕著な利点であると考えられる。ある実施態様においては、透過性を上昇させる薬剤はアセトンを含む。ある実施態様においては、細胞染色は、現在利用可能なDFA中の約1/8量で特異タンパク質染色(つまり、例えば、エバンスブルー)及び非特異性の細胞核染色(つまり、例えば、ヨウ化プロピジウム)を含む。
【0105】
ある実施態様においては、本発明は、10(10)分未満で検査のために液体試料を調製することを含むLDFAを実施する方法を意図する。ある実施態様においては、方法は約5(5)分の間透過性を上昇する薬剤(つまり、例えば、アセトン)と少なくとも1つの細胞染色で室温にて液体試料をインキュベートすることを含む。ある実施態様においては、方法は約2(2)分の間室温で透過性になり、染色された液体試料をすすぎ遠心分離機にかけることを含む。LDFAは、検査技師が液体の標本で速くウイルス感染細胞を同定し数を数える能力を著しく改善することにより、現在知られているDFAアッセイに対して著しい有益性を持つ。表2を見てください。
【0106】
【表2】

【0107】
スライドガラスへ細胞を付着させる固定液は、LDFAにおいて必要とされないが、脱水剤は細胞透過性を上昇させる薬剤として恐らく有用であろう。さらに、界面活性剤(つまり、例えば、サポゲニン)は、細胞内抗原と反応するMAbの侵入用の細胞を透過性にするために使用してもよい。通常、LDFA中の染色剤は、エバンスブルー(つまり、例えば、蛍光性のバックグラウンド染色を消すこと)及び細胞の核染色法を用いてFITC及び/又はPEからの蛍光関して何の細胞であるか同定するのを助けるために使用されるヨウ化プロピジウム(蛍光性の核染色法)の低濃度と組み合わせて、ウイルス抗原用の直接に標識化された蛍光性のMAbのである。
【0108】
そのような標識化は、試験液の中に存在する感染細胞(つまり、例えばインフルエンザA型に感染した)の数に比例することが観察された。実施例Iに従って行なった図1、2及び3を見てください。同様のデータはHSV−I感染細胞(データ示さず)で得られた。本明細書にて開示されたLDFAの1つの利点は、細胞懸濁液が乾燥すること又は封入液体でカバーすることを必要とせず、顕微鏡検査を容易にすることである。洗浄ステップも必要ではないが、洗浄ステップを含む本発明の実施態様はより低いバックグラウンド信号を持つだろうと考えられる。これらの予備的研究は、染色した単層に対する掻き集められた懸濁液でのMAb陽性細胞の数の比較に基づいて非常によい感度を実証した。
【0109】
本発明のLDFA方法は、LDFA対従来のDFAの特異性及び選択性を実証することにより、従来のDFA方法と比較された:
i)クローン2H3C5及びクローンA(6)B11のインフルエンザA型(FluA)MAb組み合わせ;
ii)クローン8C7E11及びクローン9B4D9のインフルエンザB型(FluB)MAb組み合わせ;
iii)クローン3A4D9及びクローン4F9Gの呼吸系ウイルス(RSV)MAb組み合わせ;
iv)クローン#4、クローン#23及びクローン#28のメタニューモウイルス(MPV)MAb組み合わせ;
v)クローン8H2C9、クローン2Hl0E2及びクローン4H6C9のアデノウイルス(ADV)MAb組み合わせ;
vi)クローン1D8E10及びクローン9F61C9のパラインフルエンザ(PIV)ウイルス1 MAb組み合わせ;
vii)クローン2E4D7及びクローン5E4E11のパラインフルエンザウイルス2 MAb組み合わせ;
viii)クローン4G5(1)E2H9及びクローン1F6C8のパラインフルエンザウイルス3 MAb組み合わせ;
ix)上述のようにプールしたパラインフルエンザ1−3 MAbs及び
x)i)−ix)の組み合わせた混合物。
代表的な顕微鏡写真は、LDFA対DFA結果についてMAb陽性信号を示す。それぞれ図4及び図5見てください。さらに、単一のMAbアッセイ系では、ウイルスの陽性細胞対ウイルス陰性の細胞のLDFA及びDFA同定を比較する。表3〜8をそれぞれ見てください。
【0110】
表3:個々のインフルエンザA型試薬と比較した、LDFAインフルエンザA&B試薬を使用する、インフルエンザA型ウイルス検出及び同定に関するLDFA及びDFA間の相互相関
【0111】
【表3】

【0112】
表4:個々のインフルエンザB型試薬と比較した、LDFAインフルエンザA&B試薬を使用する、インフルエンザB型ウイルス検出及び同定に関するLDFA及びDFA間の相互相関
【0113】
【表4】

【0114】
表5:個々のRSV試薬と比較した、LDFAインフルエンザRSV&MVB試薬を使用する、RSV検出及び同定に関するLDFA及びDFA間の相互相関
【0115】
【表5】

【0116】
表6:個々のMVP試薬と比較した、LDFAインフルエンザRSV&MVB試薬を使用する、MVP検出及び同定に関するLDFA及びDFA間の相互相関
【0117】
【表6】

【0118】
表7:個々のパラインフルエンザ試薬と比較した、LDFAパラインフルエンザプール及びアデノウイルス試薬を使用する、パラインフルエンザ検出及び同定に関するLDFA及びDFA間の相互相関
【0119】
【表7】

【0120】
表8:個々のアデノウイルス試薬と比較した、LDFAインフルエンザパラインフルエンザプール及びアデノウイルス試薬を使用する、アデノウイルス検出及び同定に関するLDFA及びDFA間の相互相関
【0121】
【表8】

【0122】
研究は、次のものについて、LDFA対従来のDFAの特異性及び選択性をさらに実証した:
i)クローン10B 12Cl1及びクローンA(6)B11(図9A)のインフルエンザA型(FluA)MAb組み合わせ、
ii)クローン8C7E11及びクローン9B4D9(図9B)のインフルエンザB型(FluB)MAb組み合わせ、
iii)クローン3A4D9及びクローン4F9G3(図10A)の呼吸器合胞体ウイルス(RSV)MAb組み合わせ、
iv)クローン#4、クローン#23及びクローン#28(図10B)のメタニューモウイルス(MPV)MAb組み合わせ、
v)クローン8H2C9、クローン2H10E2及びクローン4H6C9(図11A)のアデノウイルス(ADV)MAb組み合わせ、
vi)クローン1D8E10及びクローン9F61C9(図11B)のパラインフルエンザ(PIV)ウイルス1 MAb組み合わせ、
vii)クローン2E4D7及びクローン5E4E11(図12A)のパラインフルエンザウイルス2 MAb組み合わせ、
viii)クローン4G5(1)E2H9及びクローン1F6C8(図12B)のパラインフルエンザウイルス3 MAb組み合わせ、
ix)上記に記載のようにプールしたパラインフルエンザ1−3 MAbs(図13A)及び
x)i)−ix)の組み合わせ混合物(図13B)。
【0123】
ある実施態様においては、本発明は、ウイルス特異の抗体を含むLDFAを行なう方法を意図する。ある実施態様においては、抗体はモノクローナル抗体を含む。ある実施態様においては、ウイルス特異的モノクローナル抗体は蛍光標識を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたモノクローナル抗体はFluAモノクローナル抗体(つまり、例えば、PE標識を有する)を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたモノクローナル抗体はFluBモノクローナル抗体(つまり例えばFITC標識を有する、)を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたモノクローナル抗体はRSVモノクローナル抗体(つまり、例えば、PE標識を有する)を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたモノクローナル抗体はMPVモノクローナル抗体(つまり、例えば、FITC標識を有する)を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたモノクローナル抗体はパラインフルエンザ(つまり、例えば、PIV−1、−2及び−3)モノクローナル抗体(つまり、例えば、PE標識を有する)を含む。ある実施態様においては、蛍光標識されたモノクローナル抗体はアデノウイルスモノクローナル抗体(つまり、例えば、FITC標識を有する)を含む。
【0124】
ある実施態様においては、本発明は、第一ウイルスに向けられた少なくとも1つのPE標識されたモノクローナル抗体及び第二のウイルスに向けられた少なくとも1つのFITC標識されたモノクローナル抗体と単一液体サンプルをインキュベートすることを含むウイルスの少なくとも8(8)を検知し、少なくとも5つの(5)ウイルスを同定する方法に関する。ある実施態様においては、液体試料の第1のアリコートはPE標識インフルエンザAモノクローナル抗体及びFITC標識インフルエンザBモノクローナル抗体を含む。ある実施態様においては、液体試料の二次のアリコートはPE標識RSVモノクローナル抗体及びFITC標識MPVモノクローナル抗体を含む。ある実施態様においては、液体試料の第3のアリコートはPE標識PIVモノクローナル抗体及びFITC標識アデノウイルス・モノクローナル抗体を含む。本発明は、現在利用可能なDFAのものに対して、顕著な有益性がある。なぜなら、本発明は単一の生体サンプルからの3つの(3)アリコートを使用して、少なくとも8つの(8)呼吸系ウイルスを検出し同定することができるからだ。
【0125】
a.サポゲニン増強方法
ある実施態様においては、本発明は、ウイルスを検出するための液体直接的蛍光測定を意図し、それは固定液又は脱水剤のいずれのインキュベーションを必要としない。これらの固定液及び/又は脱水剤は、DFAにおいて必要である。なぜなら、顕微鏡で観察し、検査することを容易にするために、ウイルス感染細胞をガラス物質に付着させるからである。ある実施態様においては、本発明の方法は、非固定細胞を含み、液体は、固定液又は非水溶媒(言い換えると、例えば、アルコール、アセトン、アルデヒド、トルエン、等)を含まない。ある実施態様においては、発明は、細胞が界面活性剤を用いて透過性になることを特徴とするLDFAを意図する。ある実施態様においては、界面活性剤はサポゲニンを含む。発明の機構を理解することは必要ではないが、界面活性剤は、従来の固定液及び脱水剤に比較して、蛍光標識された抗体の改善された細胞透過性を供給すると考えられる。さらにこの改善された蛍光標識された抗体透過性は、ウイルス抗原とかなり高い結合性をもたらすと考えらえれ、それによって、改善された信号強度をもたらす。さらに改善された信号強度はウイルス検出と同定に関して本発明のLDFA対現在利用可能なDFAについて等価な感度及び改善された精度を提供すると考えられる。
【0126】
サポゲニンを含むサポニンは、脂質ベースの界面活性剤として報告された。サポゲニンは、組織学のスライド調製物での細胞及びサブ細胞形態学の差異を増強することができることとして示唆された。典型的に、そのような組織学調製物は、脱水溶媒(つまり、例えば、トルエン)を使用するが、蛍光標識を使用してもよい。サポゲニンは、ウイルス(つまり、例えば、インフルエンザ)の検出を容易にするためには使用されなかった。Farrellら、”Biological Sample Processing Composition and Method,”米国特許公報番号2007/0172911(本明細書に参照によって組込まれる)。サポニンは、細胞膜を透過性にするためにさらに報告された。インフルエンザウイルスを染色するエバンスブルー及びヨウ化プロピジウムと共に使用されるサポニンは、溶液ベースアッセイにおけるウイルスを検出するのには気づかれなかった。Johansenら、”Compositions and Methods for Treatment of Viral Diseases,”米国特許公報番号2008/0161324(本明細書に参照によって組込まれる)。
【0127】
サポニンは界面活性剤様の特性を持ち、泡立て剤のように有用であることが報告された。さらに、サポニンは免疫アジュバントとしてインフルエンザを含むウイルス性ワクチンに使用されてもよく、蛍光標識された場合、細胞表面マーカーを検知することができる。Marcianiら、”Triterpene Saponin Analogs Having Adjuvant and Immunostimulatory Activity,” 米国特許番号5,977,081(1999)、米国特許番号6,262,029、及び米国特許番号6,080,725(両者は、本明細書に参照によって組込まれる)。サポニンは、栄養補助食品及び/又は薬剤とくみわせてよい。例えば、サポニンはHIV複製を抑えてもよい。Dobbinsら、”Process For Isolating Saponins From Soybean−Derived Materials,”米国特許番号6,355,816(2002)(本明細書に参照によって組込まれる)。
【0128】
ある実施態様においては、本発明は、サポゲニンを含む液体の直接蛍光アッセイ((liquid direct flourescent assay)LDFA)を実施する方法を意図する。発明の機構を理解することは必要ではないが、化合物が細胞を固定する代わりに細胞を透過性にするので、サポゲニンには現在知られるDFA方法に対して著しい長所があると考えられる。さらに透過性上昇は次の有益性を有すると考えられる。それは、
i)穏やかな界面活性剤で感染細胞の処理し、それにより、細胞がタンパク質対比染色及び標識抗体で染色されながら、細胞の3次元構造を維持することを可能にすること、
ii)細胞膜の脂質部分を可溶性にすること、及び
iii)より大きな色素分子及び抗体が細胞の内部にアクセス可能となること
である。ある実施態様においては、本発明は、LDFAを含む方法であって、サポゲニン処理がバックグラウンドノイズを減少し、抗体信号強度を改善することによりウイルス検出と同定を改善することを特徴とする該方法を意図する。
【0129】
III.ポータブル蛍光読取り装置
蛍光顕微鏡法は、目視検査による蛍光に染色された標本の検査を可能とした。しかしながら、全細胞数について蛍光標識された細胞計数の自動化は、速く信頼できる診断情報(つまり、例えば、内部アルゴリズムを有するサイトメーター)のための機会を提供する。ある実施態様においては、本発明は、従来のヘマサイトメーターからのものに比較して優れているデータを作りだす装置を意図する。しかし、それは、主観的な解釈に関連した不安定性を除去する。ある実施態様においては、装置は1つのサンプル当たり1分未満でテスト結果を表示することができる。ある実施態様においては、装置はさらに自動的に細胞の生存率を計算する。
【0130】
ある実施態様においては、装置は複数の染色剤と一緒に使用してもよい。ある実施態様においては、汚染剤は、哺乳動物細胞、ハイブリドーマ及びフィコール調製物を含むが、これらに限定されない、多様な有核細胞系を試験することを提供する。ある実施態様においては、染色剤は、細胞計数手順を効率化する蛍光顕微鏡に基づいた画像システムによって検出される。例えば、染色剤は、複数の蛍光標識されたモノクローナル抗体及び核酸染料を含んでもよいが、これらに制限されない。ある実施態様においては、核酸染料は、ヨウ化プロピジウム、アクリジンオレンジ又は臭化エチジウム含むが、これらに制限されない。
【0131】
ある実施態様においては、装置は、電荷結合素子が、発光ダイオードによる照明の結果である発光された蛍光を集めることを特徴とする落射照明顕微鏡を含む。ある実施態様においては、装置は、複数のサンプル(つまり、例えば、マルチウェルサンプルスライド)を含む試料トレイを受納するように構成されたサンプル・引き出しを含む。ある実施態様においては、照明は、高強度水銀アーク又は石英ハロゲン電球発光ダイオードによって実施される。蛍光の照明及び収集に続いて、細胞計数は内部アルゴリズムを使用して、画像分析によって作りだされる。ある実施態様においては、装置は、タッチ・スクリーン上に視覚的にテスト結果を表示する。ある実施態様においては、装置が独立貯蔵装置(つまり、例えば、コンピューター)にテスト結果をエクスポートすることができる。
【0132】
ある実施態様においては、装置は、
a)マルチウェル・スライドグラスの少なくとも1つのマイクロウェルへサンプルをピペッティングする工程、
b)スライド・トレイ上にスライドを載せる工程、及び
c)装置のサンプル・引き出しにスライド・トレイを挿入する工程
を含む方法と互換性をもつ。ある実施態様においては、サンプルは細胞懸濁液及び複数の染色試薬を含む。細胞(生細胞及び死細胞)の合計は染色することで数えられてもよく、例えばチオフラビンT、アクリジンオレンジ、非特異性の蛍光染料、又は顕微鏡によって検出できる抗体に付けられた任意の粒子によってである。臭化エチジウムは、死細胞を同定するためにさらに追加され、生細胞の数は減算によって決定する。
【0133】
本発明はこの明細書で述べる方法発明の方法に用いることのできる様々な仕組みの使用を意図する。好ましい使用は次のものを含むが、これらに限定されない。
i)約8μlサンプルのサンプルボリューム、
ii)ダイナミックレンジ:5×10から1×10細胞/mL、
iii)約8−40ミクロン間の検出できるセル径、
iv)画面サイズの指定されたボリューム中の標識細胞及び細胞の合計を数えることにより、標識された細胞計数及び%生存度を決定する計算ソフトウェア、
v)例えば、電荷結合素子カメラを有する蛍光顕微鏡、
iv)2発光ダイオード(LED)@それぞれ470と530nm;
v)1つのテスト当たり約1分の全分析時間、
vi)6つの(6)イメージ/テストの処理、
vi)およその寸法:37.5Hx25Dx30Wcm、
vii)およその重量:9kg(20 lbs)、
vii)およそ10−35℃間の最適な動作温度、
viii)およそ20−80%の相対湿度間の最適な動作湿度、
ix)およそ2,000メーター以内の最適な操作の高度、
またx)所要動力:100−240のVAC、50−60Hz。
図14を見てください。
【0134】
ある実施態様においては、本発明は、複数のサンプルウェル(〜200μl)を含むスライドグラスを意図する。ある実施態様においては、マイクロウェルは入口ポートを含む。ある実施態様においては、マイクロウェルは出口ポートを含む。ある実施態様においては、マイクロウェルは入口ポートと出口ポートを含み、ある実施態様においては、マイクロウェルはカバーガラスによってカバーされる。ある実施態様においては、ポートは10μlのピペットチップと互換性をもつ。図15を見てください。
【0135】
ある実施態様においては、第一、第二、第三、及び第四アリコートは、ガラス支持体に独立的に置く。ある実施態様においては、ガラス支持体は少なくとも4つの(4)サンプルウェルを含み、それは独立したサンプルがそれぞれ個別のマイクロウェル内に置かれる。ある実施態様においては、マイクロウェルはそれぞれ側面の入口ポート及び側面の出口ポートを含む。ある実施態様においては、マイクロウェルは常設蓋を含む。
【0136】
IV.装置と方法の統合
ある実施態様においては、本発明は、
a)i)複数のサンプルを含むサンプル容器に適合した蛍光性のサイトメトリー、及び
ii)複数の細胞を含む生物標本
を提供する工程、
b)複数の蛍光染料で細胞を標識する工程、
c)サンプル容器内に標識された細胞を置く工程、及び
d)サイトメトリーを使用して、蛍光用のサンプル容器を検査する工程
を含む方法を意図する。
【0137】
ある実施態様においては、本発明は、複数の蛍光信号を区別することができるアルゴリズムを含むマイクロプロセッサーを含む装置を意図する。ある実施態様においては、第一の蛍光信号はPE信号を含み、ある実施態様においては、PE信号がゴールデンイエロー蛍光染色液として現われる。ある実施態様においては、第二の蛍光信号はFITC信号を含む。ある実施態様においては、FITC信号がアップルグリーンの蛍光染色液として現われる。ある実施態様においては、第3の蛍光信号はヨウ化プロピジウム信号を含む。ある実施態様においては、ヨウ化プロピジウム信号が赤い蛍光染色として現われる。
【0138】
ある実施態様においては、すすがれ、遠心分離機にかけられた液体サンプルは、ガラス支持体を含むサンプル容器に載せられる。ある実施態様においては、ガラス支持体は複数の独立したサンプルを含む。ある実施態様においては、ガラス支持体は、複数の蛍光信号を検出し、評価できるアルゴリズムを含む装置と互換性をもつ。ある実施態様においては、装置は、個々の独立したサンプルからの信号を検出する。
【0139】
細胞を調製し、検査する多くの異なる方法があるが、次のプロトコルは、本明細書に示された発明に適した1つの実施例として、詳細に記載される。手短に言えば、器械で読むための標本の処理は次の通りである。鼻咽頭(NP)綿棒又は吸引されたNP標本は、輸送培地(つまり、例えば、リン酸緩衝生理食塩水; PBS)に置かれる。アリコート(〜1ml)はペレット成形用の遠心分離管に移される。細胞ペレットは、約0.1mlのPBSの中で再懸濁し、攪拌し、細胞を分散させ、そして次に25uLのけん濁液を4本の別個のチューブに移し、1滴の蛍光標識された、非免疫マウスAb、FluA MAb、FluB MAb及びRSV MAbをそれぞれ加え、10分間室温で放置した。任意に、これらのMAb溶液の各々は、細胞浸透性試薬としてサポゲニン、感染したすべてのウイルスの核を対比染色するヨウ化プロピジウム及び感染していないNP細胞も含んでいる。その後、1.5mlのPBSを遠心分離機にかけた各チューブに加え、各上澄みを(それは過剰のMAb、対比染色及び透過性上昇試薬を含む)デカントする。各細胞ペレットは、PBSの最小のボリューム中で再懸濁する。マウス抗体のFc部分を結合する細胞を含むいくつかの標本があるので、免疫性がないマウスAbはコントロールとして含まる。そのような場合、蛍光標識MAbを含むすべてのウェルが蛍光性を示し、標本の感染の状態はこの方法によって決定することができない。約l0uLの各4つの懸濁液は、上記に記載されたオーダーで特別のスライドの4つのウェルのへピペットで移される。4つの別個のウェルはカバーガラスによってカバーされ、各々ウェルは各側面で入口ポートを有する。各々ウェルは、約7uLの容量がある。細胞懸濁液を含むスライドは、サイトメーター装置のスライド・トレイに挿入され、その装置では、スライドの整列が最初にチェックされ、次に連続的に5X対物レンズの下に各ウェルを配置させるように装置内部でスライドを移動させる。例えば、その整列は約95秒かかってもよく、マイクロウェルはそれぞれ約2分(つまり4つの連続のマイクロウェル読み取りのための合計8分)かかってもよい。器械は少なくとも2つのLEDを含んでよい。第1のLEDは、フルオレセインを励起するために一定波長で光を放射する。第2のLEDは、ヨウ化プロピジウム対比染色を励起する光を放射する。放射光線とCCDの間に置かれた狭い帯域波長フィルターがある。各ウェルにて、フィールドの予定数(例えば、27のうち、9又は16)は、CCDによって捕らえられる両方のLED波長で別々に(最初にフルオレセイン、直後にヨウ化プロピジウムが続く)励起され、画像化される。その後、アルゴリズムを用いて、画像を分析し、サイズ及び蛍光標識MAbとヨウ化プロピジウムの共局在に基づいて、特異的なウイルス感染細胞を同定し、及びサイズとヨウ化プロピジウム染色に基づいて、非感染の細胞を同定する。アルゴリズムは、検査したウェルとフィールドでの感染細胞の数、及び細胞の総数を提供する。4つのウェルの読みとり完了後、スライドは器械から放出される。器械は次の標本含むスライドを操作する準備ができている。
【0140】
ある実施態様においては、本発明は公に利用可能なMAbsの混合物を使用して、ウイルスを検出し同定することを意図する。ある実施態様においては、ウイルスはそれぞれ少なくとも1つの標識されたMAbを使用して検出されてもよい。表9を参照してください。
【0141】
【表9】

【0142】
ある実施態様においては、インフルエンザA(influenza A)型試薬は、クローン2H3C5又はクローンA(6)B11含む群から選択されるPE標識MAbの少なくとも1つを含む。ある実施態様においては、インフルエンザB(influenza B)型試薬は、クローン8C7E11又はクローン9B4D9を含む群から選択されるFITC標識MAbの少なくとも1つを含む。ある実施態様においては、呼吸器合胞体ウイルス(respiratory syncytial virus)試薬は、クローン3A4D9又はクローン4F9G3を含む群から選択されるPE標識MAbの少なくとも1つを含む。ある実施態様においては、メタニューモウイルス試薬は、クローン(clone)#4、クローン#23又はクローン#28を含む群から選択されるFITC標識MAbの少なくとも1つを含む。ある実施態様においては、パラインフルエンザウイルス1(parainfluenza 1)型試薬は、クローン1D8E10又はクローン9F61C9を含む群から選択されるPE標識MAbの少なくとも1つを含む。ある実施態様においては、パラインフルエンザウイルス2型試薬(parainfluenza 2)は、クローン4G5(1)E2H9又はクローン1F6C8を含む群から選択されるPE標識MAbの少なくとも1つを含む。ある実施態様においては、パラインフルエンザウイルス3(parainfluenza 3)型試薬は、クローン4G5(1)E2H9又はクローン1F6C8を含む群から選択されるPE標識MAbの少なくとも1つを含む。ある実施態様においては、アデノウイルス(adenovirus)試薬は、クローン8H2C9、クローン2H10E2又はクローン4H6C9を含む群から選択されるFITC標識MAbの少なくとも1つを含む。
【0143】
ウイルスの感染細胞を検出する及び同定する多くの異なる方法があるが、次のプロトコルは、本明細書に記載の発明と互換性をもつ1つの実施例として詳細に記載されている。ある実施態様においては、上記に記載されたように調製した標本は、ガラス支持体(つまり、例えば、顕微鏡スライス)上の3つの(3)独立したウェルへ小分けされる。ある実施態様においては、方法は、第1のウェル中のサンプルとインフルエンザA型試薬及びインフルエンザB型試薬を接触する工程をさらに含む。1つの実施態様では、方法は第二のウェル中のサンプルと呼吸器合胞体ウイルス試薬及びメタニューモウイルス試薬を接触する工程をさらに含む。ある実施態様においては、第3のウェルはパラインフルエンザウイルス1型試薬、パラインフルエンザウイルス2型試薬、パラインフルエンザウイルス3型試薬及びアデノウイルス試薬を含む。ある実施態様においては、方法は第1のウェルにゴールデンイエロー蛍光染色が出現したときにインフルエンザA型を検出することをさらに含む。ある実施態様においては、方法は第1のウェルに赤色染色だけが出現したときにインフルエンザA型の非存在を検出することをさらに含む。ある実施態様においては、方法は第1のウェルにアップルグリーンの蛍光染色が出現したときにインフルエンザB型を検出することをさらに含む。ある実施態様においては、方法は第1のウェルに赤色染色だけが出現したときにインフルエンザB型の非存在を検出することをさらに含む。ある実施態様においては、方法は第2のウェルにゴールデンイエロー蛍光染色が出現したときに呼吸器合胞体ウイルスを検出することをさらに含む。ある実施態様においては、方法は第2のウェルに赤色染色だけが出現したときに呼吸器合胞体ウイルスの非存在を検出することをさらに含む。ある実施態様においては、方法は第2のウェルにアップルグリーンの蛍光染色が出現したときにメタニューモウイルスを検出することをさらに含む。ある実施態様においては、方法は第2のウェルに赤色染色だけが出現したときにメタニューモウイルスの非存在を検出することをさらに含む。ある実施態様においては、方法は第3のウェルにゴールデンイエロー蛍光染色が出現したときに少なくとも1つのパラインフルエンザウイルスを検出することをさらに含む。ある実施態様においては、少なくとも1つのパラインフルエンザウイルスは、パラインフルエンザウイルス1型、パラインフルエンザウイルス2型又はパラインフルエンザウイルス3型を含む群から選択される。ある実施態様においては、方法は第3のウェルに赤色染色だけが出現したときにいずれのパラインフルエンザウイルスもの非存在を検出することをさらに含む。ある実施態様においては、方法は第3のウェルにアップルグリーンの蛍光染色が出現したときにアデノウイルスを検出することをさらに含む。ある実施態様においては、方法は第3のウェルに赤色染色だけが出現したときにアデノウイルスの非存在を検出することをさらに含む。
【0144】
V. 抗体
本発明は単離した抗体(つまり、例えば、ポリクローンの又はモノクローンの)を提供する。ある実施態様においては、本発明は、少なくとも5つのアミノ酸残基又は脂質残基で構成されたウイルスのエピトープに特に結合するモノクローナル抗体を提供する。これらの抗体は上記に記述された検出方法に用いる。
【0145】
抗体がエピトープを認識することができる限り、本発明のウイルスのエピトープに対する抗体は任意のモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体かもしれない。抗体は普通抗体又は抗血清の調製方法による抗原として本発明のタンパク質を使用することにより生産することができる。
【0146】
本発明は、モノクローナル及びポリクローナル抗体の両方の使用を意図する。任意の適切な方法は、本明細書に示されたものを含むが、これらに限定されずに、本発明の方法及び組成物の中で使用される抗体を作りだすために使用されてもよい。モノクローナル抗体の調製のために、例えば、タンパク質等、又は適切なキャリアーと一緒のタンパク質又は希釈剤は、抗体の産生を許す条件の下で動物(例えば哺乳動物)に投与される。抗体産生能力の増強のために、完全又は不完全フロイントアジュバントが投与されてもよい。通常は、タンパク質は、2週から6週の間に一度、合計、約2回から約10回投与される。そのような方法で使用するに適している動物は霊長動物、ウサギ、犬、モルモット、ハツカネズミ、ネズミ、羊、ヤギなどを含むがこれらに限定されない。
【0147】
モノクローナル抗体生産細胞の調製のために、最終免疫後2日から5日に、その抗体価が確認された個々の動物(例えばマウス)を選択し、その脾臓又はリンパ節を回収し、そこに含まれる抗体産生細胞は、ミエローマ細胞で融合され、所望のモノクローナル抗体生産ハイブリドーマを調製する。抗血清中の抗体価の測定は、例えば、以下に記載するように、標識タンパク質と抗血清を反応させることにより、次に、抗体に結合標識薬剤の活性を測定するにより実施する。細胞融合は既知の方法(例えばKoehler and Milstein (Nature 256:495 [1975]によって記述された方法)によって実行することができる。融合プロモーターとして、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、センダイウイルス(HVJ)であり、好ましくは、PEGを用いる。
【0148】
様々な方法は、抗体(例えば本発明のウイルスのエピトープに対する)を生産するハイブリドーマのためのスクリーニングに使用されてもよい。例えば、抗体が直接に又はキャリアーと一緒に吸着される固相(例えばマイクロプレート)にハイブリドーマの上澄みを加え、抗免疫グロブリン抗体(マウス細胞が細胞融合の中で使用される場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が使用される)又は、放射性物質又は酵素で標識されたプロテインAを固相に結合するタンパク質に対するモノクローナル抗体を検出するために加える。あるいは、ハイブリドーマの上澄みは、抗免疫グロブリン抗体又はプロテインAが吸着される固相に加えられ、次に、放射性物質又は酵素で標識されたタンパク質を固相に結び付けられたタンパク質に対するモノクローナル抗体を検知するために加える。
【0149】
モノクローナル抗体の選択は任意の既知の方法又はその変形によって行なうことができる。通常、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)が加えられる動物細胞用の培地を使用する。ハイブリドーマが培養できる限り、どんな選択及び増殖培地も使用することができる。例えば、1%から20%、好ましくは10%から20%のウシ胎児血清を含むRPMI 1640培地、1%から10%のウシ胎児血清を含むGIT培地、ハイブリドーマの培養用の血清のない培地(SFM−101(ニッスイ 製薬))などを使用することができる。通常は、培養を20℃から40℃まで、好ましくは37°Cにて、約5日から3週間の、好ましく1週から2週間、約5%のCOガスの下で実行される。ハイブリドーマ培養の上澄みの抗体価は、抗血清中の抗タンパク質の抗体価に関して上記に記載のような同じ方法によって測定することができる。
【0150】
モノクローナル抗体(例えば本発明のウイルスのエピトープに対する)の分離及び精製は、免疫グロブリンの分離及び精製など、従来のポリクローナル抗体のものと同じ方法によって行なうことができ、例えば、塩析、アルコール沈殿、等電点析出法、電気泳動、イオン交換体(例えばDEAE)を有する吸脱着、超遠心分離、ゲル濾過、又は抗体だけが、抗原結合固相、プロテインA又はプロテインGなど、活性のある吸着剤で集められ、結合を解離し、抗体を得ることを特徴とする特異的な精製方法である。
【0151】
ポリクローナル抗体は、任意の既知の方法又は患者から抗体を得ることを含むこれらの方法の変形によって調製されてよい。例えば、免疫原(タンパク質に対する抗原)及びキャリヤータンパク質の複合体は調製され、上記のモノクローナル抗体調製に関して記載された同じ方法で、動物を複合体で免疫する。抗体を含んでいる物質は、免疫した動物から回復され、抗体を分離し精製する。
【0152】
動物の免疫化に使用する免疫原及びキャリヤータンパク質の複合体に関して、ハプテンに対する抗体(それはキャリアー上で架橋され、免疫化に使用される)が、効率的に生産される限り、任意のキャリヤータンパク質、及びキャリアーとハプテンの任意混合割合も使用することができる。例えば、ウシ血清アルブミン、牛のシクログロブリン(cycloglobulin)、キーホールリンペットヘモシニアン(keyhole limpet hemocyanin)等は、1部のハプテン当たり約0.1部から約20部まで、好ましくは約1部から約5部までの重量比のハプテンに結合されてよい。
【0153】
さらに、様々な縮合剤は、ハプテンとキャリアーの結合に使用することができる。例えばグルタルアルデヒド、カルボジイミド、マレイミド活性化エステル、チオール基又はジチオピリジル(dithiopyridyl)基を含む、活性化されたエステル試薬などを本発明に用いる。縮合物それ自体又は適切なキャリアー又は希釈剤と一緒に抗体産生をさせる動物の部位へ投与する。抗体産生能力の増強のために、完全又は不完全フロイントアジュバントを投与してよい。通常は、タンパク質は、2週から6週の間に一度、合計、約3回から約10回、投与される。
【0154】
ポリクローナル抗体は、上記の方法によって免疫化した動物の血液、腹水などから回収する。抗血清中の抗体価はハイブリドーマ培養の上澄みに関して上記に記述されたそれと同じ方法によって測定することができる。抗体の分離及び精製は、上記のモノクローナル抗体に関して記載のように免疫グロブリンの同じ分離及び精製方法によって行なうことができる。
【0155】
免疫原として本明細書に使用されるタンパク質は、免疫原の任意の特別の型に制限されない。例えば、ウイルス感染(ヌクレオチド配列を部分的に変更する遺伝子をさらに含んで)に起因して表現されたタンパク質は、免疫原として使用することができる。さらに、タンパク質のフラグメントを使用してもよい。フラグメントは、遺伝子のフラグメント、タンパク質の酵素のプロセッシング、化学合成などの表現を含むが、これらに限定されないどんな方法によって得てもよい。
【0156】
本発明は任意の抗体を用いて実施してよい。上記に記載のように、好ましい抗体は、ハイブリドーマ細胞培養から生産するモノクローナル抗体を含む。ある実施態様においては、本発明は、モノクローナル抗体を生産するハイブリドーマ細胞培養を意図し、ここで前記モノクローナル抗体は、インフルエンザA型、インフルエンザB型、アデノウイルス、パラインフルエンザウイルス1型、パラインフルエンザウイルス2型、パラインフルエンザウイルス3型、パラインフルエンザウイルス4型、呼吸器合胞体ウイルス、ヒトメタニューモウイルス、帯状疱疹ウイルス、単純ヘルペスウイルス1、単純ヘルペスウイルス2、サイトメガロウイルスIE、コロナウイルス229E、コロナウイルスOC43、重症急性呼吸器症候群ウイルス、コクサッキーウイルスB3 VPlPan−EV、ポリオウイルス1 VPl Pan−EV、腸内ウイルス70特異性、腸内ウイルス71特異性、腸内ウイルス71/コクサッキー Al6 二重特異性、ボカウイルス及びヒト乳頭腫ウイルスを含む群から選択されるウイルス由来のウイルス抗原に特異親和性があるがこれらに限定されない。ある実施態様においては、本発明は、モノクローナル抗体を生産するハイブリドーマ細胞培養を意図し、ここで、モノクローナル抗体は、クラミジア、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、グループA連鎖球菌、及びグループB連鎖球菌を含む群から選択されるバクテリア由来の細菌抗原に特異親和性を有するがこれらに限定されない。ある実施態様においては、本発明は、モノクローナル抗体を生産するハイブリドーマ細胞培養を意図し、ここで、モノクローナル抗体にはニコチン又はコチニンを含む群から選択される小さな有機分子に特異親和性があるがこれらに限定されない。
【0157】
A.インフルエンザA型/呼吸器系ウイルス・モノクローナル抗体
ある実施態様においては、本発明は、質的にインフルエンザA型ウイルス抗原を検出でき同定できる特異的なモノクローナル抗体を意図する。ある実施態様においては、本発明は、インフルエンザB型ウイルス抗原、呼吸器合胞体ウイルス抗原、アデノウイルス抗原及びパラインフルエンザウイルス型1、2及び3の抗原を含む群から選択されるウイルス抗原のスクリーニングができる特異的なモノクローナル抗体を意図する。ある実施態様においては、検出及び/又はスクリーニングは、呼吸器系の生物標本に由来の細胞を直接に試験することを含む。ある実施態様においては、検出及び/又はスクリーニングは、モノクローナル抗体(MAbs)を使用して用いる免疫蛍光法によって細胞培養物の中で行う方法を含む。
【0158】
ある実施態様においては、MAbsは、複数のウイルス抗原に特異的なマウスMAbsを含むキットの中で提供される。ある実施態様においては、インフルエンザA型ウイルスのMAbsは、Rフィコエリトリン(つまり、例えば、ゴールデンイエロー蛍光を発光する)で直接に標識付される。ある実施態様においては、インフルエンザB型ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、アデノウイルス、パラインフルエンザウイルス型1、2及び3のMAbsは、フルオレセインイソチオシアネート(つまり、例えば、アップルグリーンの蛍光を発光する)で直接に標識付けされる。発明の機構を理解することは必要ではないが、これらのMAbsはこれらのウイルスの質的及び定量的検出をもたらすと考えられる。
【0159】
ある実施態様においては、本発明は、臨床の及び/又は生物の標本、又は細胞培養由来の細胞を単離することを含む方法を意図する。ある実施態様においては、細胞を処理し、染色し、標識化する。ある実施態様においては、標識化により、インフルエンザA型ウイルス感染細胞がゴールデンイエロー蛍光となる。ある実施態様においては、標識化により、インフルエンザB型ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、アデノウイルス又はパラインフルエンザウイルス型(1−3)感染細胞がアップルグリーンの蛍光となる。
【0160】
1.ハイブリドーマ開発
ある実施態様においては、本発明は、MAb 2H3C5を含む組成物を意図する。ある実施態様においては、組成物はさらにMAb 10B12Cl1を含んでよい。ある実施態様においては、組成物は、A(6)B11 MAbを含んでもよい。ある実施態様においては、MAbsはマウス・ハイブリドーマを含む哺乳類ハイブリドーマの中で生産されてもよいが、これらに限定されない。表10を見てください。
【0161】
【表10】

【0162】
発明のメカニズムを理解することは必要ではないが、最も高い抗原親和性があるMAbsは最も明るい蛍光染色を与えるだろうと考えられる。ある実施態様においては、本発明は、感染細胞培養上で間接の蛍光性のアッセイ(IFA)を使用して、高親和性MAbsでハイブリドーマを生産するMAbをスクリーニングすることを含む方法を意図する。例えば、インフルエンザA型ウイルスは、R−Mix(商標)(ダイアグノスティック ハイブリット社、Athens、OH)96のウェル・プレートの細胞単層上に接種をし、35°から37℃にて24時間培養した。その後、細胞は、アセトンで固定し、洗浄し、加湿インキュベーターの中で30分間ハイブリドーマ細胞上清と35°から37℃でインキュベートした。細胞は、再度洗浄し、次に、30分間FITC標識ヤギ抗‐マウス抗体と加湿インキュベーターの中で35°から37℃でインキュベートした。得られた染色は開発工程(つまり、例えば、小スケールの精製及び直接標識)の次のステップへ進むために最良のクローンを選ぶために使用された。
【0163】
このようにスクリーニングされ選別されたハイブリドーマにより、特異的なアイソタイプの同定をもたらした。例えば、マウス免疫化に使用された1つの免疫原は市販の羊水(R02302; バイオデザイン(Biodesign))から精製した、インフルエンザA型抗原(テキサス(Texas) 1/77、H3N2)だった。表11を見てください。
【0164】
【表11】

【0165】
2.モノクローナル抗体精製
次に、上記に生産されるようなハイブリドーマ・モノクローナル抗体を高速蛋白質液体クロマトグラフィー(Fast Protein Liquid Chromatography(FPLC))を使用して、プロテインG親和性によって細胞培養上清から精製した。MAb純度を、内部品質管理基準が、少なくとも90%の最小純度を保証するSDS−PAGEによってチェックした。
【0166】
さらに、得られた精製MAbsを変性条件の下にて4%から20%の勾配SDS−PAGE電気泳動・ゲル上で分離した(図6)。MAbsの各々の純度はデンシトメトリーの走査により決定された。表12を見てください。
【0167】
【表12】

【0168】
データは、個々の代表的なMAbの純度が最低の品質管理90%の純度条件を上回ったことを示し、すべてのMAbsの純度は約99.7〜100%の間の範囲であった。
【0169】
3.モノクローナル抗体結合親和性
様々なウイルス抗原のMAbsの相対親和性をELISAアッセイによって以下のように決定した。
i)Biodesign Internationalから得られたウイルス感染細胞(つまり、例えば、インフルエンザA型(テキサス/1/77 H3N2))の溶解物は、96のウェル・マイクロタイタープレートにコーティングするために使用した。
ii)二倍階段希釈法で希釈したMAbsを各プレート上でインキュベートした。
iii)固定されたウイルス抗原への各MAbの結合性は、ホースラディシュ・ペルオキシダーゼ(horseradish peroxidase)(HRP)結合ヤギ抗マウスIgG抗体を使用することにより検出した。
アッセイの結果を次に示す。
インフルエンザA型への
i) MAb(10B12C11);
ii)MAbs 2H3C5;及び
iii) MAb A(6)B11
の結合親和性は、2H3C5が、〜0.013 nMの、10B12C11が、〜0.36 nMの、及びA(6)B11が〜0.96 nMのkDa値に対応する結合親和性を示した。インフルエンザA型ウイルスMAb 2H3C5の結合親和性は、10B12Cl1 MAb及び/又はA(6)B11 MAbsより2−10倍高いオーダーだった。ある実施態様においては、2H3C5 MAbは、インフルエンザA型抗原への特異親和性を含む。
【0170】
4.モノクローナル抗体特徴付け
様々な方法を本発明のインフルエンザA型ウイルスMAbsを特徴づけるために使用した。表13を見てください。
【0171】
【表13】

【0172】
データは2H3C5及びA(6)B11が両方ともインフルエンザA型を検出することができたことを示す。
【0173】
a.分析感度
代表的なMAbsの分析感度をインフルエンザA型ウイルスを使用して評価した。例えば、菌株ビクトリア(Victoria)(H3N2; ATCC VR−822)を使用した。この測定では、2枚の96‐ウェル細胞培養プレートに0.2mL接種物あたり1.0の50%組織培養感染量(1.0TCID50)レベルに希釈したインフルエンザA型ウイルスを接種した。プレートを24時間35℃から37℃にてインキュベートし、次に、染色した。アッセイを4回行った。(96からの)平均35の陽性のウェルが、MAb 2H3C5及びMAb A(6)B11の組み合わせで検出された。同様に、(96からの)平均35の陽性のウェルが、MAb 10B12Cl1及びMAb A(6)B11の組み合わせで検出された。表14を見てください。
【表14】

【0174】
データは、1.0TCID50では、両方のMAb組み合わせが明確にインフルエンザA型ウイルス感染細胞を同定したことを示す。
【0175】
b.検出限界
分析検出範囲は、各MAbの組み合わせごとに決定した。例として2H3C5/A(6)B11 MAbの組み合わせを使用した。アッセイ条件は、上記に記載されたものと似ていた。結果は、異なるやり方(細胞単層当たりの蛍光細胞の数)で報告された。例えば、インフルエンザA型ウイルス(ビクトリア)ストック・ウイルス調製物を接種物当たり359TCID50の値に希釈し、それから、2倍階段稀釈を、最終計算値が0.7TCID50になるまで行った。それぞれウイルスの稀釈液を、シェル・バイアル中のR−Mix(商標)細胞の6つの融合性単層に接種し、60分間700xgで遠心分離機にかけ、48時間35°から37°Cにてインキュベートした。
【0176】
2H3C5/A(6)B11 MAbの組み合わせ又は10B12C11/A(6)B11 MAbの組み合わせは、96‐ウェル・プレートの個々のウイルスの稀釈の3つのシェル・バイアルを染色するために用いた。測定を3回繰り返して行ない、ウェル当たりの陽性細胞の数を数えた。蛍光細胞を示されたウイルス稀釈液にて各カバーガラス上で数えた。
【0177】
【表15】

【0178】
データは、1.4と0.7TCID50の間で検出された最小のウイルスの稀釈液を用いて、両方の蛍光抗体染色の組み合わせが比較可能な限界まで実施できたことを示す。
【0179】
5.ウイルス・モノクローナル抗体の性能
ある実施態様においては、本発明はFITC又はR−PEを含むが、これらに限定されない蛍光性の部分で標識されたウイルスのモノクローナル抗体を意図する。ある実施態様においては、蛍光標識MAbは蛍光性のアップルグリーンの色を示す。ある実施態様においては、フィコエリトリン標識MAbは蛍光性のゴールデンイエローを示す。発明のメカニズムを理解することは必要ではないが、標準FITCフィルターが取り付けられた顕微鏡を通して観察する時、両方の蛍光色は蛍光顕微鏡上でセットされた同じFITCフィルターを使用して視覚化されうると考えられる。
【0180】
ある実施態様においては、インフルエンザA型ウイルスに特異性を有する第一MAbは、R−PE(ゴールデンイエロー)で標識化され、及びインフルエンザB型ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、アデノウイルス、パラインフルエンザウイルス1、2及び3型に特異性を有する第二MAbは、FITC(アップルグリーン)で標識される。ある実施態様においては、本発明は、インフルエンザA型ウイルスと呼吸系ウイルスを区別することができる第1のDFAキットを意図し、ここで、インフルエンザA型ウイルスによって感染した細胞はゴールデンイエローに染色される(図8A)。ある実施態様においては、本発明は、インフルエンザA型ウイルス病巣及び呼吸系ウイルス病巣を区別することができる第二のDFAキットを意図し、ここで、インフルエンザウイルスよって感染した細胞はアップルグリーンに染色される(図8B)。また、第1又は第2のいずれかのDFAキットにおいては、インフルエンザB型ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、アデノウイルス及びパラインフルエンザウイルス1、2及び3型で感染させた細胞は、アップルグリーンに染色される。ある実施態様においては、インフルエンザA型ウイルスMAbは複数のインフルエンザA型株に対して特異性を持っている。発明のメカニズムを理解することは必要ではないが、蛍光染色ウイルス病巣は、蛍光標識された特異抗体を使用して染色された時蛍光を発する、1個の細胞又は一群の隣接細胞のいずれかであると考えられる。さらにインフルエンザA型、インフルエンザB型及びアデノウイルスを含むが、これらに限定されないウイルスは、生存可能な感染性ウイルス当たりわずか1つ又は少数の蛍光染色細胞しかもたらさないと考えられる。
【0181】
6.交差反応性テスト
2H3C5/A(6)B1 IMAbの組み合わせは、呼吸系ウイルスのためにテストする間に、感染性の生物体又は汚染物質のいずれかとして出会うかもしれない多くの微生物(つまり、例えば、ウイルス及び/又はバクテリア)に対する交差反応性のために評価された。
【0182】
交差反応性試験のためのストリンジェントな条件を微生物の高力価及びMAbsの高濃度の使用により達成した。特定のウイルスに依存して、接種物当たり71―1,400TCID50を試験に用いた。6.4xl0から2.93xl0/10μLの範囲のコロニー形成単位(Colony Forming Units)(CFU)のバクテリアを試験した。
【0183】
結合したMAbsは、臨床実験レジメン中の使用より高い濃度(つまり、例えば1.5X)で使用されたが、「信号」と一般的なバックグラウンドを区別することができる限度で十分に低くした。ある非特異性のバックグラウンド「グロー」はあったが、1.5X濃度で、特異的に感染した標的は1X濃度と等しい「明るい」標的を示した(つまり、例えば、消光はより高い濃度で観察されなかった)。
【0184】
いくつかの微生物を例えば米国培養菌保存施設(American Type Culture Collection)から商業的に購入した。66の(66)ウイルス株、17の宿主細胞培養型、25のバクテリア(bacteria)、3のバクテリアのクラミジア種(Chlamydia sp)、1つの酵母(yeast)及び1つの原虫類(protozoa)培養物は、既知のプロテインA生産バクテリアである黄色ブドウ球菌(Cowan菌株)含み、特異性と交差反応性とが検査された。これらの微生物を推奨プロトコルに従って培養し、凍結保存物を調製した。
【0185】
微生物の量は、蛍光信号が蛍光顕微鏡を使用して、検査によって容易に検出されるだろうということを保証するために選択された。特定のウイルスによって、71‐1,400TCID50のウイルスの接種物をシェル・バイアル又はマルチウェルプレート細胞培養に接種し、24〜48時間インキュベートし、1+から3+の細胞変性効果(cytopathic effect)(CPE)をつくり、処理し、1.5X試薬で染色した。染色された細胞を200X拡大で検査した。バクテリアを培養し、懸濁液として処理し、次に10μLドット中6.4x10から2.93x10/ウェルの範囲のCFUでスライドグラス上にスポットし、次に、1.5X MAbs調製物で染色した。染色スライドを400X拡大で試験した。いくつかの微生物をポジティブコントロールとしてアッセイに使用する目的で、スライドグラスを調製するような外部ソースから調達した。細胞培養を無傷の単層又はアセトン−固定細胞・スポットとして試験した。試験されたセルラインは呼吸系ウイルスを検出するために通常使用されるものだった。
【0186】
個々の試験されたウイルス株について、対象試薬で観察された交差反応性はなかった。DFA試薬ポジティブコントロールの各々は、陽性の結果を示す明るい蛍光を示す一方、その試薬は視覚的に蛍光性のない赤いエバンスブルー対比染色だけを示した。非感染細胞培養系統はいずれも蛍光も重要なバックグラウンド染色も示さない。ウイルスの交差反応性試験の2H3C5/A(6)B11 MAbの組み合わせの結果をまとめる(表16)。
【0187】
【表16】



【0188】
2H3C5/A(6)B11 MAbの組み合わせはウイルスの標的−特異的感染細胞と反応的であると明らかとなった。黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)での反応性は、ほぼ確実に、黄色ブドウ球菌によって生産されたプロテインAによるMAbsの特異的結合による。試験された他のすべての微生物、又は非感染細胞では、陽性の蛍光性の細胞がないこと又は高いバックグラウンド蛍光がないことによって示されるように、反応性は示されなかった。
【0189】
他のすべての培養が陰性だったけれども、黄色ブドウ球菌の染色は蛍光の小さな点として現われる。発明のメカニズムを理解することは必要ではないが、黄色ブドウ球菌によって生産されたプロテインAはいくつかの蛍光標識モノクローナル抗体のFc部分を結合しうると考えられている。さらに、そのような結合は、形態学(つまり、例えば、黄色ブドウ球菌‐結合蛍光が、小さく(〜1ミクロン直径)明るいドットとして現われる)に基づいて、ウイルス抗原結合と識別することができると考えられる。従って、偽陽性は細菌汚染を有する細胞培養の中に存在し得る。
【0190】
バクテリアのCFU確認のために接種を受けたプレートは次の結果を得た。情報は、mL当たりのCFUとして表され、0.01mLを試薬が試験される各スライドウェルにドットするために使用した。マイコプラズマ試験及び商業的に試験されたスライドの結果をリストし要約する(表17)。
【0191】
【表17】

【0192】
それぞれの試験されたバクテリアは、対象試薬を有する200又は400X拡大で観察された蛍光はなかった。黄色ブドウ球菌はある少しの蛍光を示す。しかし、それはMAbを結合するプロテインAによると推測される。
【0193】
7.安定性試験
2H3C5/A(6)B11 MAbの組み合わせの保存可能期間は、少なくとも12か月として確立されていた。安定性試験は、約2°から8°Cの間の範囲の温度でMAbの組み合わせを保存することにより行なわれる。様々なウイルスに感染したR−Mix(商標)細胞はヒト呼吸器系ウイルスで培養された(表18)。
【0194】
【表18】

【0195】
性能試験が、保管中に様々な時間間隔で行い、pH、色及び清澄性を含むが、これらに限定されずに特性をモニターされた。それぞれアッセイは、「原液」そして1/16稀釈液、それから1/2稀釈液、1/256希釈液までMAb結合体のそれぞれの希釈系列で実行した。判定基準は、少なくとも1/16稀釈液を使用して、固定した、染色した、感染細胞において観察される「明るい蛍光」である。表19を見てください。
【0196】
【表19】

【実施例】
【0197】
実施例I
インフルエンザA型ウイルスのLDFA検出
二重のR−Mix(商標)sv/cs細胞培養単層は、インフルエンザA型ウイルス(A/H3N2)又は単純ヘルペスウイルス(HSV−I)のいずれかの一連の4つの(4)10倍の階段希釈(つまり、サンプルとして指定された:4+、3+、2+及び1+)と接種してネガティブコントロール(NC)と比較した。約22(22)時間ウイルス複製を可能とするために、感染した培養物は、シェル・バイアル内のカバーガラス上で培養された。
【0198】
培地を各ウイルス・セットの4+、1+及びNCシェル・バイアルから吸引した。その後、リン酸緩衝生理食塩水(PBS; 200μl)を各シェル・バイアルに加えた;及び、単層はカバーガラスからこすり取られ、標識された1.5mlのエッペンドルフ(Eppendorf)遠心分離管に移された。アセトン(100%; 800μl)を、最終ボリュームが1mlまでになるように各遠心分離管に加え、80%のアセトン/細胞懸濁液溶液を作成した。この溶液を約10分間室温にてインキュベートし、細胞を透過性にした。
【0199】
その後、透過性になった細胞をCarlのマイクロチューブ遠心分離機の中で6分間4000rpmにて遠心分離機にかけ、採取した。その後、チューブをそれぞれ吸引し、液体をすべて除去した。蛍光標識インフルエンザA MAb又は蛍光標識HSV−I MAb(200μl)を適切なチューブに加えた。その後、各細胞ペレットをMAb溶液で再懸濁し、1時間35から37℃でインキュベートした。
【0200】
MAbインキュベーションの後に続き、チューブを、マイクロチューブ遠心分離機の中で6分間4000rpmにて遠心分離機にかけた。その後、各チューブを吸引し、MAb溶液を除去し、細胞をPBS(20μl)中で再懸濁した。各細胞懸濁液のアリコート(10μl)をそれぞれのスライド上に置き、次に、ワイドパス(widepass)バンドFITCフィルター(100X拡大)上で見た。
【0201】
実施例II
臨床吸引液中のデュエット(Duet)MAbウイルス・スクリーニング
鼻汁標本を患者から集めた。各標本のアリコートはA/Bチューブ;R/Mチューブ;あるいはP/Adチューブに入れた(A−インフルエンザA型;B−インフルエンザB型;R―呼吸系ウイルス;M−メタニューモウイルス;P−パラインフルエンザウイルス;Ad−アデノウイルス)。
1.各チューブに細胞懸濁液の70μlを加える。
2.対応するMAbの2滴を加える。
3.5分間35°Cから37°Cでインキュベートする。
4.1.5mlのPBSで洗う。
5.2000xgにて2分間遠心分離する
6.ホールピペットで上清を吸引する
7.各チューブに20μlの再懸濁緩衝液を加える。
8.スライドに充填する。
【0202】
実施例III
MAb交差反応性:材料のリスト
下記は、実施例IV及びVに従って、本明細書に記載された交差反応性試験に用いる材料とロット番号のリストである。
【0203】
材料 ロット番号
R-Mix 培養物(Cultures)(A549及びMv1 Lu細胞) 960309
MRC-5 シェル・バイアル(Shell Vials) C510328A
H&V 混合培養物(Mix Cultures) (MRC-5 及び CV-1 細胞) 980309
RM-03T リフィード培地(Refeed Medium) 011206A
RM02 リフィード培地(Refeed Medium) 110905A
010306A
HSV-1 DFA コントロール株 013105
HSV-2 DFA コントロール株 013105A
インフルエンザA(Influenza A) DFA コントロール株 061505A
インフルエンザB(Influenza B) DFA コントロール株 060205B
アデノウイルス(Adenovirus) DFA コントロール株 041205D
パラインフルエンザ1(Parainfluenza 1) DFA コントロール株 081205Pl
パラインフルエンザ2(Parainfluenza 2) DFA コントロール株 040505P2
パラインフルエンザ3(Parainfluenza 3) DFA コントロール株 052705P3
RSV DFA コントロール株 052505R
CMV IFA コントロール株 031804
ケミコン(Chemicon) VZV DFA コントロール株 24100183CE

アデノウイルス(Adenovirus)
ATCC VR-1 タイプ1 061704J
ATCC VR-3 タイプ3 112701A
ATCC VR-5 タイプ5 070505
ATCC VR-1083 タイプ6 111201A
ATCC VR-7 タイプ7 112701C
ATCC VR-1087 タイプ10 111201B
ATCC VR-14 タイプ13 112701E
ATCC VR-15 タイプ14 033104
ATCC VR-19 タイプ18 011702A
ATCC VR-1109 タイプ31 011702B
ATCC VR-931 タイプ40 012802
ATCC VR-930 タイプ41 012802A

インフルエンザAウイルス(Influenza A Virus)
ATCC VR-547 A2/Aichi/2/68 株 061704O
ATCC VR-98 A/MaI/302/54 株 061704D
ATCC VR-544 A/Hong Kong/8/68 株 040104
ATCC VR-546 Al/Denver/1/57 株 061704P
ATCC VR-810 A/Port Chalmers/1/73 株 061704C
ATCC VR-822 A/Victoria/3/75 株 080204
ATCC VR-897 A/New Jersey/8/76 株 110404
ATCC VR- 1520 A/WS/33 株 061704B
ATCC VR- 1469 A/PR/8/34 株 061704Q

インフルエンザBウイルス(Influenza B Virus)
ATCC VR-790 B/Russia/69 株 041105
ATCC VR-295 B/Taiwan/2/62 株 061704E
ATCC VR-103 B/GL/1739/54 株 061704F
ATCC VR-523 B/Mass/3/66 株 093004A
ATCC VR-296 B/Maryland/1/59 株 041105
ATCC VR-823 B/Hong Kong/5/72 株 093004B
JH-OOl Isolate, Cell Culture Adapted 061704R

RSV
ATCC VR-1401 RSV B Wash/18537/'62 株 042204W
ATCC VR-26 Long 株 042204L
ATCC VR-955 9320 株 0617041

パラインフルエンザ1型ウイルス(Parainfluenza 1 Virus)
ATCC VR-94 C-35 株 061704L

パラインフルエンザ2型ウイルス(Parainfluenza 2 Virus)
ATCC VR-92 Greer 株 061704M

パラインフルエンザ3型ウイルス(Parainfluenza 3 Virus)
ATCC VR-243 C 243 株 061704N
パラインフルエンザ4型ウイルス(Parainfluenza 4 Virus)
ATCC VR- 1378 M-25 株 112701U
ATCC VR-1377 CH 19503 株 112701V

メタニューモウイルス(Metapneumovirus)
サブグループ(Subgroup)A1 110905
サブグループ(Subgroup)A2 110805
サブグループ(Subgroup)B1 111105
サブグループ(Subgroup)B2 110405

コロナウイルス(Coronavirus)
ATCC VR-740 229E 株 121903
ATCC VR-1558 OC43 株 041204B

ライノウイルス(Rhinovirus)39
ATCC VR-340 209 ピコルナウイルス(Picornavirus)株 112701EE

HSV-I
ATCC VR-733 F (1) 株 052405
ATCC VR-539 Maclntyre 株 071005

HSV-2
ATCC VR-540 MS 株 112701Y
ATCC VR-734 G 株 052605

CMV
ATCC VR-977 Towne 株 011503
ATCC VR-807 Davis 株 062005
ATCC VR-538 Ad-169 株 052705

VZV
ATCC VR-916 Webster 株 040504
ATCC VR-1367 Ellen 株 050903

エコーウイルス(Echovirus)
エコー(Echo)4、6、9、11、30、及び34を有するビオンエンタープライジス(Bion Enterprises)エコーウイルス(Echovirus)パネル抗原(Panel Antigen)コントロール・スライド(Control Slide) QEC-0008

コクサッキーウイルス(Coxsackie virus)
コクサッキー(Coxsackie)B1、B2、B3、B4、B5及びB6を有するビオンエンタープライジス(Bion Enterprises) コクサッキー(Coxsackie) グループ B 抗原コントロールスライド QCB-0011

ムンプスウイルス(Mumps Virus)
ビオンエンタープライジス(Bion Enterprises) ムンプス(Mumps)抗原コントロールスライド QMU-0308

麻疹ウイルス(Rubeola (Measles) Virus)
ビオンエンタープライジス(Bion Enterprises) 麻疹(Rubeola) 抗原コントロールスライド QME-0424

交差反応性のために試験した細胞セルライン(Cell Lines)
RD (ヒト横紋筋肉腫(Human Rhabdomyosarcoma)) C760908
MvI Lu (ミンク肺(Mink Lung)) C580915
LLC-MK2 (アカゲザル腎臓(Rhesus Monkey Kidney)) C860928S
MRHF (ヒト包皮線維芽細胞(Human Foreskin Fibroblast)) C440912
NCI-H292 (ヒト肺粘表皮癌(Human Pulmonary Muco-Epidermoid Carcinoma)) C590929
BGMK (バッファローミドリザル腎臓(Buffalo Green Monkey Kidney)) C530914
MDCK (メイディン・ダービー・イヌ腎臓(Madin-Darby Canine Kidney)) C830921S
pRHMK (初代アカゲザル腎臓(Primary Rhesus Monkey Kidney)) CA490922
pRHMK II (3歳未満のpRHMK) A490909YS
MRC-5 (ヒト杯肺線維芽細胞(Human Embryonic Lung Fibroblast)) C510920
HEp-2 (ヒト表皮癌(Human Epidermoid Carcinoma)) C570914
pRK (初代ウサギ腎臓(Primary Rabbit Kidney)) 480909
pCMK (初代マカクザル腎臓(Primary Cynomolgus Monkey Kidney)) A470907
A549 (ヒト肺癌(Human Lung Carcinoma)) C560921
R-Mix (MvILu及びA549混合細胞) C960922
WI-38 (Human Embryonic Lung Fibroblasts) 850913
Vero (アフリカミドリザル腎臓(African Green Monkey Kidney)) C840914S

他の微生物/培養培地
ATCC 15531 マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae) 031404
ATCC 23114 マイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma hominis) 031404
ATCC 23714 マイコプラズマ・オラーレ(Mycoplasma orale) 031404
ATCC 23064 マイコプラズマ・サリバリウム(Mycoplasma salivarium) 031404
ATCC 27618 ウレアプラズマ・ウレアリチカム(Ureaplasma urealyticum) 031404
ATCC 23206 アコレプラズマ‐ライドラウィー(Acholeplasma laidlawii) 031404
ATCC 10580 ボルデテラ・ブロンキセプティカ(Bordetella bronchiseptica) 031404
ATCC 10380 百日咳菌(Bordetella pertussis) 031404
ATCC 33152 レジロネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila) 031404
ATCC 8176 モラクセラ・カタラーリス(Moraxella cartarrhalis) 031404
ATCC 19409 コリネバクテリウム・ジフテリエ(Corynebacterium diphtheriae) 031404
ATCC 9006 ヘモフィリス・インフルエンザエ・タイプA(Haemophilis influenzae Type A) 031404
ATCC 33495 クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae) 031404
ATCC 9027 緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa) 031404
ATCC 10813 ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae) 031404
ATCC 9898 化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes) 031404
膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)スライド 25030319CE
クラミジア・シッタシ(Chlamydia psittaci) スライド FP-I2-050218
クラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae) スライド CP-0176
クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis) スライド 052705
ガードネレラ・バジナリス(Gardnerella vaginalis) 410721
サルモネラ・ミネソタ(Salmonella minnesota)(エンテリティデス(enteriditi)) 3457511
淋菌(Neisseria gonorrhoeae) 060805
ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium) 363162
アシネトバクター・カルコアセチカス(Acinetobacter calcoaceticus) 934332
カンジダ・グラブラタ(Candida glabrata) 992206
大腸菌(Escherichia coli) 335472
プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis) 440498
ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae) 370784
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus) 081100

BGサルファイト寒天培地(BG Sulfa agar)ハーディー ダイアグノスティックス (Hardy Diagnostics) G87
血液寒天培地(Blood agar) ハーディー ダイアグノスティックス (Hardy Diagnostics) 5257771
RTFキャスマン寒天培地(RTF Casman Agar) ハーディー ダイアグノスティックス (Hardy Diagnostics) A68
マッコンキー寒天培地(MacConkey agar) ハーディー ダイアグノスティックス (Hardy Diagnostics) G35
ニッケルソン寒天培地(Nickerson's Agar) ハーディー ダイアグノスティックス (Hardy Diagnostics) G17
トリプチケースソイ寒天培地(Trypticase Soy Agar) BD BBL 292396
【0204】
実施例IV
ウイルスの交差反応性プロトコル
A.呼吸系ウイルス
1.凍結ストックの調製:
a.インフルエンザA及びB型
オリジナルのATCC培養物からのMDCK T−75cmフラスコ中インフルエンザを以下のように増幅する:
・溶解し、必要ならば、各凍結乾燥されたインフルエンザのバイアルに滅菌水を加え、5〜10秒間ボルテックスにかける。
・0.250mLを除き、RM03T リフィード培地(Refeed Medium)(DHIカタログ番号10−330500)の10mLを加える。5〜10秒ボルテックスにかける。
・フラスコからの培地を吸引する。10mLのRM03Tを用いてフラスコをすすぎ、ステップ2からの希釈されたウイルスの10mLを加える。
・2時間5%COを有する加湿した35°から37°Cインキュベーターに放置する。10〜15分ごとにフラスコを揺り動かす。
・フラスコにRM03Tの20mLを加えて、インキュベーターにそれを戻す。
・細胞変性効果(CPE)を毎日モニターする。単層が〜80%から100%のCPEへ達する場合、少なくとも24時間−80℃の冷凍庫にフラスコを放置する。
・速やかに35°から37°Cの水浴中でフラスコを溶解する。
・フラスコからウイルスに感染した培地を50mLポリプロピレン製円錐遠心分離管に移しボルテックスにかける。
・10分間300xgにて遠心分離機にかけ、細胞残屑をペレットにする。
・ペレットを乱さないように注意して、上澄みを除去し、別の遠心分離管に移し及びボルテックスにかける。
・ラベルされた1mLのクライオバイアル(cryo‐vial)中へのウイルス懸濁液の1mLを分注し、−80℃以下で凍結する。
【0205】
b.呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、及びパラインフルエンザウイルス1、2及び4型
オリジナルのATCC培養物からのHEp−2 T−75cmフラスコ中RSVを以下のように増幅する:
・溶解し、必要ならば、各凍結乾燥されたRSVのバイアルに滅菌水を加え、5〜10秒間ボルテックスにかける。
・0.250mLを除き、RM03T リフィード培地(Refeed Medium)(DHIカタログ番号10−330500)の10mLを加える。5〜10秒ボルテックスにかける。
・フラスコからの培地を吸引する。10mLのRM03Tを用いてフラスコをすすぎ、ステップ2からの希釈されたウイルスの10mLを加える。
・2時間5%COで加湿した35°から37°Cインキュベーターに放置する。10〜15分ごとにフラスコを揺り動かす。
・フラスコにRM03Tの20mLを加えて、インキュベーターにそれを戻す。
・細胞変性効果(CPE)を毎日モニターする。単層が〜80%から100%のCPEへ達する場合、少なくとも24時間−80℃の冷凍庫にフラスコを放置する。
・速やかに35°から37°Cの水浴中でフラスコを溶解する。
・フラスコからウイルスに感染した培地を50mLポリプロピレン製円錐遠心分離管に移しボルテックスにかける。
・10分間300xgにて遠心分離機にかけ、細胞残屑をペレットにする。
・ペレットを乱さないように注意して、上澄みを除去し、別の遠心分離管に移し及びボルテックスにかける。
・ラベルされた1mLのクライオバイアル(cryo‐vials)中へのウイルス懸濁液の1mLを分注し、−80℃以下で凍結する。
【0206】
c.アデノウイルス
オリジナルのATCC培養物からのA549 T−75cmフラスコ中アデノウイルスを以下のように増幅する:
・溶解し、必要ならば、各凍結乾燥されたアデノウイルスのバイアルに滅菌水を加え、5〜10秒間ボルテックスにかける。
・0.250mLを除き、RM03T リフィード培地(Refeed Medium)の10mLを加える。5〜10秒ボルテックスにかける。
・フラスコからの培地を吸引する。ステップ2からの希釈されたウイルスの10mLを加える。
・2時間5%COで加湿した35°から37°Cインキュベーターに放置する。10〜15分ごとにフラスコを揺り動かす。
・フラスコにRM03Tの20mLを加えて、インキュベーターにそれを戻す。
・細胞変性効果(CPE)を毎日モニターする。単層が80%から100%のCPEへ達する場合、少なくとも24時間、−80℃の冷凍庫にフラスコを放置する。
・速やかに35°から37°Cの水浴中でフラスコを溶解する。
・フラスコからウイルスに感染した培地を50mLポリプロピレン製円錐遠心分離管に移しボルテックスにかける。
・10分間300xgにて遠心分離機にかけ、細胞残屑をペレットにする。
・ペレットを乱さないように注意して、上澄みを除去し、別の遠心分離管に移し及びボルテックスにかける。
・ラベルされた1mLのクライオバイアル(cryo‐vials)中へのウイルス懸濁液の1mLを分注し、−80℃以下で凍結する。
【0207】
2.呼吸系ウイルス濃度の測定
呼吸系ウイルス・ストックを冷凍後、それらをR−Mix細胞培養上で定量する(力価)。各ウイルスは、下記方法を使用して力価を測定する。
・速やかに適切なウイルスの1バイアルを35°から37°Cの水浴中又は加熱ブロック中で溶かす。
・バイアルをボルテックスにかけ、0.5mLを除去して、RM03T リフィード培地(Refeed Medium)の4.5mLに移し、1:10に稀釈する。
・1:100、1:1、000、1:10,000、1:100,000、及び1:1,000,000の稀釈液を作成するために1:10の階段希釈を行う。
・R−Mix培養物からの培地を吸引し、各稀釈の1mLを2つの単層に加える。
・60分間700xgにて遠心分離機にかける。
・24時間35°から37°Cにてインキュベーターに単層を放置する。
・培地を吸引して、5−10分間80%アセトンで細胞を固定する。アセトンを除き、単層が乾燥するのを防ぐためにリン酸緩衝生理食塩水(PBS)洗浄溶液(DHIカタログ番号01−001025)を加える。
・特異的なMAb試薬で染色し、蛍光性を検査する。
・蛍光を発する中心を数え、希釈数を計算して記録する。次のように力価を計算する。平均数X希釈係数の逆数=ウイルス/mL。
【0208】
これらのストックを培養してもよく、通常の方式でサブ培養してもよい。
【0209】
例:1mL接種物中1:10,000希釈にて数えられた250の蛍光を発する中心は(1mL接種物を用いて250の中心X10,000=2.5e6ウイルス/mL)を算出する。これは、ATCCによって述べられるように、0.7で1mLあたりのその中心を割ることによりTCID50に変換される。
atcc.org/common/technicallnfo/faqAnimalVirology.cfm
【0210】
3.交差反応性テスト
Mv1Lu及びA549細胞の両方を含んでいるR−MixセルラインをインフルエンザA型、インフルエンザB型、RSV、パラインフルエンザウイルス型1、2及び3、4a、4b及びアデノウイルスのウイルス単離染色に使用する。96ウェルマイクロタイタープレート中の単層を下記手順によって使用し、処理する。
・速やかに35°から37°Cの水浴で又は加熱ブロックで適切なウイルスの1つのバイアルを溶解する。
・凍結バイアルをボルテックスし、その後、0.5mL接種物当たり1,400のTCID50にて、RM03Tリフィード培地中各呼吸系ウイルス株を希釈する。
・各48のウェル・プレートから培地を吸引し、接種物の0.5mLを加える。
・60分間700xgにて遠心分離機にかける。
・プレートを24時間35°から37°Cのインキュベーターに放置する。
・インキュベーターから取り出し、培地を吸引し、1mLのPBSですすぐ。
・PBSを吸引し、その後、5分間80%アセトンの1mLで単層を固定する。吸引し、その後、PBSの0.5mLを加える。
・PBSを除き、0.15mLのCMV試薬を二つの単層に加える。さらに二つの単層にインフルエンザA型、インフルエンザB型、パラインフルエンザ、RSV及びアデノウイルス・ポジティブコントロール試薬(DHIカタログ番号01−013102、01−013202、01−013302、01−013402、01−013502、01−013602及び01−013702、ならびにライト・ダイアゴノスティックス(Light Diagnostics)パラインフルエンザウイルス4型試薬 カタログ番号5034)の0.15mLを加える。
・30分間35°から37°Cインキュベーターに培養物を放置する。
・IXPBS溶液で2〜3回すすぐ。曲がっている先端針を用いて、各カバーガラスを除き、一滴の封入液(Mounting Fluid)に細胞側を下にして置く。
・100‐200X全体倍率で蛍光について検査して、蛍光染色細胞又はバックグラウンド染色が見えるウェルを記録する。特異的なポジティブコントロール試薬だけが蛍光を示すに違いない。テストMAb試薬からの蛍光はないはずである。
【0211】
B.単純ヘルペスウイルス(Herpes Simplex Virus)(HSV)1及び2ならびにサイトメガロウイルス(Cytomegalovirus)(CMV)
1. 凍結ストックの調製:
オリジナルのATCC培養物からのMRC−5 T−75cmフラスコ中HSV及びCMVを以下のように増幅する。
・溶解し、必要ならば、各凍結乾燥されたHSV又はCMVのバイアルに滅菌水を加え、5〜10秒間ボルテックスにかける。
・0.250mLを除き、SR120 リフィード培地(Refeed Medium)(DHIカタログ番号10−200100)の10mLに加える。5〜10秒間ボルテックスする。
・フラスコから培地を吸引する。10mLのRM02リフィード培地を用いてフラスコをすすぎ、ステップ2からの希釈されたウイルスの10mLを加える。
・2時間5%COで加湿された35°から37°Cインキュベーターに放置する。10〜15分ごとにフラスコを揺り動かす。
・フラスコにSR120の20mLを加えて、インキュベーターにそれを戻す。
・細胞変性効果(CPE)を毎日モニターする。単層が〜80%から100%のCPEへ達する場合、下記のようにHSV及びCMVを処理する。
【0212】
HSVのみについて:
HSV−感染フラスコを少なくとも24時間−80℃の冷凍庫へ放置する。
速やかに35°から37°Cの水浴中でフラスコを溶解する。
【0213】
CMVのみについて:
細胞をフラスコの培地中へはぎ取る。
注射器に移し、26ゲージ注射針を通して50mL遠心分離管へ溶解物を圧をかけて押し出す。
【0214】
・10分間300xgにて遠心分離機にかけ、細胞残屑をペレットにする。
・ペレットを乱さないように注意して、上澄みを除去し、別の遠心分離管に移し及びボルテックスする。
・ラベルされた1mLのクライオバイアル(cryo‐vials)中へのウイルス懸濁液の1mLを分注し、−80℃以下で凍結する。
【0215】
2.HSV/CMV濃度の測定
ストックは、下記方法により力価を測定する。
・HSV/CMVの各菌の1つのバイアルを35°から37°Cのウォーターブロック中で溶かす。
・各バイアルをボルテックスし、0.5mLを除去して、HSVに関してELVIS(商標)交換培地(DHIカタログ番号10−220100)の4.5mLに移し及びCMVに関してRM−02リフィード培地(DHIカタログ番号10−320100)4.5mLに移し1:10に稀釈する。
・1:100、1:1、000、1:10,000、1:100,000、及び1:1、000,000の稀釈液を作成するために1:10の階段希釈を行う。
・ELVIS(商標)/MRC−5培養物からの培地を吸引し、各稀釈の1mLを2つの単層に加える。
・60分間700xgにて遠心分離機にかける。
・24時間35°から37°Cにてインキュベーターに培養物を放置する。
・培地を吸引して、5−10分間80%のアセトンで細胞を固定する。アセトンを除き、単層が乾燥するのを防ぐためにPBSを加える。
・ELVISタイピングシステム(Typing System)でHSVを染色し及び最初期(Immediate Early)CMV抗原に特異的な抗体で染色し、蛍光性を検査する。
・CMV及びHSV両方の蛍光を発する中心を数え、希釈数を計算し記録する。次のように力価を計算する。平均数X希釈係数の逆数=ウイルス/mL。
【0216】
これらのストックを培養してもよく、通常の方式でサブ培養してもよい。
【0217】
例:1mL接種物中1:10,000希釈にて数えられた250の蛍光を発する中心は(1mL接種物を用いて250の中心X10,000=2.5e6ウイルス/mL)を算出する。これは、ATCCによって述べられるように、0.7で1mLあたりのその中心を割ることによりTCID50に変換される。
atcc.org/common/technicallnfo/faqAnimalVirology.cfm
【0218】
3.交差反応性テスト
交差反応性研究については、HSV及びCMV株はH&V MIX(MRC‐5+CV1混合)シェル・バイアル培養物に接種される:
・各ウイルス・ストックを35°から37℃のウォーターブロックで速やかに溶解する。
・各HSV及びCMV、ウイルス・ストックをRM02リフィード培地中1mL接種物当たり140TCID50で試験されるように希釈する。
・各H&V MIXシェル・バイアルから培地を吸引し、接種物の1mLを加える。
・60分間700xgにて遠心分離機にかける。
・単層を24時間35°から37°Cのインキュベーターに放置する。
・インキュベーターから取り出し、接種物を吸引し、1mLのPBSですすぐ。
・PBSを吸引し、その後、5分間アセトンの1mLで単層を固定する。吸引し、その後、PBSの1mLを加える。
・PBSを除き、0.2mLのCMV MAb試薬をHSV及びCMV両者感染単層の二つのシェル・バイアルに加える。HSV感染単層について、それぞれ二つに、HSV−1及びHSV−2ポジティブコントロール試薬(DHIカタログ番号03−09510及び03−09520)の0.2 mLを加える。CMV感染シェル・バイアルについて、CMV IE Agポジティブコントロール試薬(DHIカタログ番号03−07300)を二つのシェル・バイアルに0.2 mLを加える。
・30分間35°から37°Cインキュベーターに培養物を放置する。
・CMV IE Agポジティブコントロール試薬で染色するシェル・バイアルについて、2〜3回各バイアルをすすぎ、CMV IE Agヤギ抗マウス試薬(DHIカタログ番号03−07400)の0.2mLを加え、30分間再びインキュベートする。
・PBSで2から3回すすぐ。曲がっている先端針を用いて、各カバーガラスを除き、一滴の封入液(Mounting Fluid)に細胞側を下にして置く。
・100‐200X全体倍率で蛍光について検査して、蛍光染色細胞又はバックグラウンド染色が見えるウェルを記録する。特異的なポジティブコントロール試薬だけが蛍光を示すに違いない。HSV−1及びHSV−2に感染した単層上のCMV MAbテスト試薬由来の蛍光はないはずである。CMV感染単層では、CMV MAbテスト試薬及びポジティブコントロールの両方が蛍光を示すはずである。
【0219】
C.水痘帯状ヘルペスウイルス(Varicella−zoster Virus)(VZV)
1.凍結ストックの調製
オリジナルのATCC培養物からのCV−1 T−75cmフラスコ中VZVを以下のように増幅する。
・VZVを溶解し、5〜10秒間ボルテックスする。
・0.250mLを除き、SR120 リフィード培地(Refeed Medium)(DHIカタログ番号10−200100)の10mLに加える。5〜10秒間ボルテックスする。
・フラスコから培地を吸引する。10mLRM02 リフィード培地を用いてフラスコをすすぎ、ステップ2からの希釈されたウイルスの10mLを加える。
・2時間5%COを有する加湿された35°から37°Cインキュベーターに放置する。10〜15分ごとにフラスコを揺り動かす。
・フラスコにSR120の20mLを加えて、インキュベーターにそれを戻す。
・細胞変性効果(CPE)を毎日モニターする。単層が〜50%のCPEへ達する場合、細胞をトリプシン処理して、CV−1 T−225cmフラスコに移し、CPEについて毎日モニターする。単層が80%から100%CPEへ達する場合、細胞をはぎ取り、26ゲージ注射針を通して50mL遠心分離管へ溶解物を圧をかけて押し出す。
・10分間300xgにて遠心分離機にかけ、細胞残屑をペレットにする。
・ペレットを乱さないように注意して、上澄みを除去し、別の遠心分離管に移し及びボルテックスする。
・ラベルされた1mLのクライオバイアル(cryo‐vials)中へウイルス懸濁液の1mLを分注し、−80℃以下で凍結する。
【0220】
2.VZV濃度の測定
ストックは、MRC−5単層上、下記方法により力価を測定する。
・各VZV菌の1つのバイアルを35°から37°Cのウォーターブロック中で溶かす。
・各バイアルをボルテックスし、0.5mLをRM−02の4.5mLに移し1:10に稀釈する。
・1:100、1:1、000、1:10,000、1:100,000、及び1:1,000,000の稀釈液を作成するために1:10の階段希釈を行う。
・MRC−5単層から培養培地を吸引し、各稀釈の1mLを2つの単層に加える。
・60分間700xgにて遠心分離機にかける。
・72時間35°から37°Cにてインキュベーターに単層を放置する。
・培地を吸引して、5−10分間80%アセトンで細胞を固定する。アセトンを除き、単層が乾燥するのを防ぐためにPBSを加える。
・VZVに特異的なMAbを用いて染色し蛍光性を検査する。
・蛍光を発する中心を数え、希釈数を計算して記録する。次のように力価を計算する。平均数X希釈係数の逆数=ウイルス/mL。
【0221】
これらのストックを培養してもよく、通常の方式でサブ培養してもよい。
【0222】
例:1mL接種物中1:10,000希釈にて数えられた250の蛍光を発する中心は(1mL接種物を用いて250の中心X10,000=2.5e6ウイルス/mL)を算出する。これは、ATCCによって述べられるように、0.7で1mLあたりのその中心を割ることによりTCID50に変換される。
atcc.org/common/technicallnfo/faqAnimalVirology.cfm
【0223】
3.交差反応性テスト
交差反応性試験については、VZV株はH&V Mix(MRC‐5+CV‐1混合)シェル・バイアル培養物に接種される:
・各ウイルス・ストックを35°から37℃のウォーターブロックで速やかに溶解する。
・各VZV株をRM02リフィード培地中1mL接種物当たり140TCID50を得るように希釈する。
・各H&V Mixマルチウェルプレートから培地を吸引し、接種物の0.2mLを加える。
・60分間700xgにて遠心分離機にかける。
・プレートを72時間35°から37°Cのインキュベーターに放置する。
・インキュベーターから取り出し、接種物を吸引し、0.2mLのPBSですすぐ。
・PBSを吸引し、その後、5分間80%アセトンの0.2mLで単層を固定する。吸引し、その後、PBSの0.2mLを加える。
・PBSを吸引し、0.05mLの対象試薬を二つのウェルに加える。二つのウェルにVZVポジティブコントロール試薬(DHIカタログ番号01−025005)の0.2 mLを加える。
・30分間35°から37°Cインキュベーターに培養物を放置する。
・PBSで2から3回すすぐ。一滴の封入液(Mounting Fluid)を各ウェルに加える。
・100‐200X全体倍率で蛍光について検査して、蛍光染色細胞又はバックグラウンド染色が見えるウェルを記録する。特異的なポジティブコントロール試薬だけが蛍光を示すに違いない。MAbテスト試薬由来の蛍光はないはずである。
【0224】
D.ライノウイルス(Rhinovirus)39
1.凍結ストックの調製
オリジナルのATCC培養物からのMRC−5 T−75cmフラスコ中ライノウイルスを以下のように増幅する。
・ライノウイルスを溶解し、5〜10秒間ボルテックスする。
・0.250mLを除き、SR120 リフィード培地(Refeed Medium)(DHIカタログ番号10−200100)の10mLに加える。5〜10秒間ボルテックスする。
・フラスコから培地を吸引する。10mLRM02 リフィード培地を用いてフラスコをすすぎ、ステップbからの希釈されたウイルスの10mLを加える。
・2時間5%COを有する加湿された33°から35°Cインキュベーターに放置する。10〜15分ごとにフラスコを揺り動かす。
・フラスコにSR120の20mLを加えて、インキュベーターにそれを戻す。
・CPE(細胞変性効果)を毎日モニターする。単層が〜80%から100%CPEへ達する場合、フラスコを少なくとも24時間、−80℃の冷凍庫で凍結する。
・ちょうど溶解するまで35°から37℃の水浴中でフラスコを溶解する。
・フラスコからウイルス感染培地を50mLポリプロピレン円錐型遠心分離官に移し、ボルテックスする。
・10分間300xgにて遠心分離機にかけ、細胞残屑をペレットにする。
・ペレットを乱さないように注意して、上澄みを除去し、別の遠心分離管に移し及びボルテックスする。
・ラベルされた1mLのクライオバイアル(cryo‐vials)中へウイルス懸濁液の1mLを分注し、−80℃以下で凍結する。
【0225】
2.ライノウイルス(Rhinovirus)濃度の測定
ストックは、MRC−5単層上、下記方法により力価を測定する。
・迅速に、ライノウイルス(Rhinovirus)39の1つのバイアルを35°から37°Cのウォーターブロック中で溶かす。
・各バイアルをボルテックスし、0.5mLをRM−02の4.5mLに移し1:10に稀釈する。
・1:100、1:1,000、1:10,000、1:100,000、及び1:1,000,000の稀釈液を作成するために1:10の階段希釈を続ける。
・MRC−5単層から培養培地を吸引し、各稀釈の1mLを2つの単層に加える。
・60分間700xgにて遠心分離機にかける。
・CPEが観察されるまで、33°から35°Cにてインキュベーターに単層を放置する。日数と希釈数を記録する。
【0226】
これらのストックを培養してもよく、通常の方式でサブ培養してもよい。
【0227】
3.交差反応性テスト
交差反応性試験については、ライノウイルスはMRC−5細胞培養物に接種される:
・ウイルス・ストックを35°から37℃のウォーターブロック中速やかに溶解する。
・ライノウイルスをRM02リフィード培地中1mL接種物当たり1,400TCID50を得るように希釈する。
・各MRC−5シェル・バイアルから培地を吸引し、接種物の1mLを加える。
・60分間700xgにて遠心分離機にかける。
・プレートを24時間33°から35°Cのインキュベーターに放置する。
・インキュベーターから取り出し、接種物を吸引し、1mLのPBSですすぐ。
・PBSを吸引し、その後、5分間80%アセトンの1mLで単層を固定する。吸引し、その後、PBSの1mLを加える。
・PBSを除き、0.2mLの対象試薬を二つのウェルに加える。
・30分間35°から37°Cインキュベーターに培養物を放置する。
・PBSで2から3回すすぐ。曲がっている先端針を用いて、カバーガラスを除き、細胞側を下にして、一滴の封入液(Mounting Fluid)に置く。
・100X全体倍率で蛍光について検査する。ウイルスのプラークは、蛍光染色もないし、過剰なバックグラウンド染色もないはずである。
【0228】
E.コロナウイルス(Coronaviruses)
1.凍結ストックの調製
オリジナルのATCC培養物からのMRC−5 T−75cmフラスコ中ライノウイルスを以下のように増幅する。
・コロナウイルスを溶解し、5から10秒間ボルテックスする。
・0.250mLを除き、10mLのSR120 リフィード培地(Refeed Medium)(DHIカタログ番号10−200100)に加える。5から10秒間ボルテックスする。
・フラスコから培地を吸引する。10mLRM02 リフィード培地を用いてフラスコをすすぎ、ステップbからの希釈されたウイルスの10mLを加える。
・2時間5%COを有する加湿された33°から35°Cインキュベーターに放置する。10〜15分ごとにフラスコを揺り動かす。
・フラスコにSR120リフィード培地の20mLを加えて、インキュベーターにそれを戻す。
・CPE(細胞変性効果)を毎日モニターする。単層が〜80%から100%CPEへ達する場合、フラスコを少なくとも24時間、−80℃の冷凍庫で凍結する。
・ちょうど溶解するまで35°から37℃の水浴中でフラスコを溶解する。
・フラスコからウイルス感染培地を50mLポリプロピレン円錐型遠心分離官に移し、ボルテックスする。
・10分間300xgにて遠心分離機にかけ、細胞残屑をペレットにする。
・ペレットを乱さないように注意して、上澄みを除去し、別の遠心分離管に移し及びボルテックスする。
・ラベルされた1mLのクライオバイアル(cryo‐vials)中へウイルス懸濁液の1mLを分注し、−80℃以下で凍結する。
【0229】
2.コロナウイルス(Coronaviruses)濃度の測定
コロナウイルスストックは、MRC−5単層上、下記方法により力価を測定する。
・迅速に、各コロナウイルスの1つのバイアルを35°から37°Cのウォーターブロック中で溶かす。
・各バイアルをボルテックスし、0.5mLをRM−02の4.5mLに移し1:10に稀釈する。
・1:100、1:1,000、1:10,000、1:100,000、1:1,000,000の稀釈液を作成するために1:10の階段希釈を続ける。
・MRC−5単層から培養培地を吸引し、各稀釈の1mLを2つの単層に加える。
・60分間700xgにて遠心分離機にかける。
・16‐24時間33°から35°Cのインキュベーターに単層を放置する。
・培地を吸引して、5−10分間80%アセトンで細胞を固定する。アセトンを除き、単層が乾燥するのを防ぐためにPBSを加える。
・試験使用のみのコロナウイルスモノクローナル抗体を用いて染色し蛍光性を検査する。
・蛍光を発する中心を数え、希釈数を計算して記録する。次のように力価を計算する。平均数X希釈係数の逆数=ウイルス/mL。
【0230】
これらのストックを培養してもよく、通常の方式でサブ培養してもよい。
【0231】
例:1mL接種物中1:10,000希釈にて数えられた250の蛍光を発する中心は(1mL接種物を用いて250の中心X10,000=2.5e6ウイルス/mL)を算出する。これは、ATCCによって述べられるように、0.7で1mLあたりのその中心を割ることによりTCID50に変換される。
atcc.org/common/technicallnfo/faqAnimalVirology.cfm
【0232】
3.交差反応性テスト
交差反応性試験については、コロナウイルスはMRC−5細胞培養物に接種される:
・ウイルス・ストックを35°から37℃のウォーターブロックで速やかに溶解する。
・コロナウイルスをRM02リフィード培地中1mL接種物当たり1,400TCID50を得るように希釈する。
・各MRC−5シェル・バイアルから培地を吸引し、接種物の1mLを加える。
・60分間700xgにて遠心分離機にかける。
・プレートを24時間33°から35°Cのインキュベーターに放置する。
・インキュベーターから取り出し、接種物を吸引し、1mLのPBSですすぐ。
・PBSを吸引し、その後、5分間80%アセトンの1mLで単層を固定する。吸引し、その後、PBSの1mLを加える。
・PBSを除き、0.2mLの対象試薬を二つのウェルに加える。研究使用のみのモノクローナル抗体試薬を二つのウェルに加える。
・30分間35°から37°Cインキュベーターに培養物を放置する。
・PBSで2から3回すすぐ。曲がっている先端針を用いて、各カバーガラスを除き、細胞側を下にして、一滴の封入液(Mounting Fluid)に置く。
・100X全体倍率で蛍光について検査する。対象試薬は、蛍光染色するはずがなく、過剰なバックグラウンド染色もないはずである。ポジティブコントロールは明るいアップルグリーンの蛍光を有するはずだ。
【0233】
F.メタニューモウイルス(Metapneumovirus)
1.凍結ストックの調製
Pavia大学 (イタリア)から得られたLLC−MK2 T−75cmフラスコ中メタニューモウイルス(Metapneumovirus)サブグループを以下のように増幅する。
・すべてのサブグループを溶解し、5から10秒間ボルテックスする。
・0.250mLを除き、10mLのSR120 リフィード培地(Refeed Medium)(DHIカタログ番号10−200100)に加える。5から10秒間ボルテックスする。
・フラスコから培地を吸引する。10mLのRM02 リフィード培地を用いてフラスコをすすぎ、ステップ2からの希釈されたウイルスの10mLを加える。
・2時間5%COを有する加湿された35°から37°Cのインキュベーターに放置する。10から15分ごとにフラスコを揺り動かす。
・フラスコにSR120リフィード培地の20mLを加えて、インキュベーターにそれを戻す。
・CPE(細胞変性効果)を毎日モニターする。単層が〜80%から100%CPEへ達する場合、フラスコから細胞をこすり落とし懸濁液にする。
・26ゲージ針を通して、各ウイルス懸濁液を別々に圧をかけて溶解する。
・溶解したウイルス/細胞懸濁液を50mLポリプロピレン円錐型遠心分離官に移し、ボルテックスする。
・10分間300xgにて遠心分離機にかけ、細胞残屑をペレットにする。
・ペレットを乱さないように注意して、上澄みを除去し、別の遠心分離管に移し及びボルテックスする。
・ラベルされた1mLのクライオバイアル(cryo‐vials)中へウイルス懸濁液の1mLを分注し、−80℃以下で凍結する。
【0234】
2.メタニューモウイルス(Metapneumovirus)濃度の測定
ストックは、R−Mix単層上、下記方法で力価を測定する。
・迅速に、各MVPサブグループの1つのバイアルを35°から37°Cのウォーターブロック中で溶かす。
・各バイアルをボルテックスし、0.5mLをRM−03Tの4.5mLに移し1:10に稀釈する。
・1:100、1:1,000、1:10,000、1:100,000、及び1:1,000,000の稀釈液を作成するために1:10の階段希釈を続ける。
・R−Mix単層から培養培地を吸引し、各稀釈の1mLを2つの単層に加える。
・60分間700xgにて遠心分離機にかける。
・24時間35°から37°Cのインキュベーターに単層を放置する。
・培地を吸引して、5−10分間80%のアセトンで細胞を固定する。アセトンを除き、単層が乾燥するのを防ぐためにPBS洗浄液(DHIカタログ番号01−001025)を加える。
・MVPモノクローナル抗体試薬を用いて染色し蛍光性を検査する。
・蛍光を発する中心を数え、希釈数を計算し記録する。次のように力価を計算する。平均数X希釈係数の逆数=ウイルス/mL。
【0235】
これらのストックを培養してもよく、通常の方式でサブ培養してもよい。
【0236】
例:1mL接種物中1:10,000希釈にて数えられた250の蛍光を発する中心は(1mL接種物を用いて250の中心X10,000=2.5e6ウイルス/mL)を算出する。これは、ATCCによって述べられるように、0.7で1mLあたりのその中心を割ることによりTCID50に変換される。
atcc.org/common/technicallnfo/faqAnimalVirology.cfm
【0237】
3.交差反応性テスト
交差反応性試験については、MVPサブグループはR−Mix5細胞培養物に接種される:
・適切なウイルスの1バイアルを35°から37℃の水浴又はヒートブロックで速やかに溶解する。
・凍結バイアルをボルッテックスし、それから各MVPサブグループをRM03リフィード培地中0.2mL接種物当たり1,400TCID50にて希釈する。
・各96ウェルプレートから培養培地を吸引し、接種物の0.2mLを加える。
・60分間700xgにて遠心分離機にかける。
・プレートを24時間35°から37°Cのインキュベーターに放置する。
・インキュベーターから取り出し、培地を吸引し、0.2mLのPBSですすぐ。
・PBSを吸引し、その後、5分間80%アセトンの0.2mLで単層を固定する。吸引し、その後、PBSの0.2mLを加える。
・PBSを除き、0.05mLの対象試薬を二つの単層に加える。また、ポジティブコントロールとしてDHI MPV ASRの0.05mLを加える。
・30分間35°から37°Cインキュベーターに培養物を放置する。
・PBS洗浄溶液で2から3回すすぐ。1滴の封入液(Mounting Fluid)を各染色されるウェルに添加する。
・100X全体倍率で蛍光について検査する。蛍光染色細胞又はバックグラウンド染色が見えるウェルを記録する。蛍光は、対象試薬で染色された単層で観察されるはずはない。すべての4MPVサブグループは、MVPポジティブコントロールを用いると蛍光染色細胞が示されるはずだ。
【0238】
G.エコーウイルス(Echovirus)、コクサッキーウイルス(Coxsackie virus)、麻疹(Measles)及びムンプス(Mumps)
次のコントロールスライドをMAbスクリーニング及び交差反応性試験の目的でビオン エンタープライズ(Bion Enterprise)から購入した。各スライドは、感染していない培養細胞だけを含むウェルに加えて特異的なウイルス薬で感染した培養細胞の微生物を含むウェルで個々にホイルに包まれる。感染培養細胞はポジティブコントロールとして役立ち、感染していない培養細胞はネガティブコントロールとして役立つ。特異的な微生物抗原を製品ラベル上で同定する。
【0239】
エコーウイルス・パネル(Echovirus Panel)(カタログ番号QEC−6506)は、感染細胞及び非感染細胞のミックスを含む6つのウェルを各々含む。各スライドは、エコーウイルス型4、6、9、11、30及び34で別々に構成される。
【0240】
コクサッキーウイルス・パネル(Coxsackie Virus Panel)(カタログ番号QCB−2506)は、感染細胞及び非感染細胞のミックスをそれぞれ含む6つのウェルを含む。スライドはそれぞれ、コクサッキーウイルス型Bl、B2、B3、B4、B5及びB6で別々に構成される。
【0241】
ムンプス抗原コントロール・スライド(Mumps Antigen Control Slides)(カタログ番号QMU−8002)は、ムンプス感染細胞の一つのウェル及びにムンプス非感染細胞の一つのウェルを含む。
【0242】
麻疹抗原コントロール・スライド(Measles Antigen Control Slides)(カタログ番号QME−0424)は、麻疹感染細胞の一つのウェル及び麻疹非感染細胞の一つのウェルを含む。
【0243】
抗原コントロール・スライドのテスト及び染色の手順は次の通りである:
・対象試薬のウェルあたり0.03mLで二つの各スライドに染色する。
・30分間35°−37℃のインキュベーターにスライドを入れる。
・インキュベーターから取り出し、PBSで優しくスライドをすすぐ。細胞スポットに触れない又は乱さないようにしながら、個々のスライドを拭き取り、乾燥する。
・各ウェルに一滴の封入液を加えて、各スライドにカバーグラスを置く。
・100X全体倍率で蛍光性を試験して、蛍光染色細胞又はバックグラウンド染色が見えるウェルを記録する。
【0244】
H.非感染細胞培養
シェル・バイアル型及びガラス丸底チューブでの非感染細胞培養を次の手順により、交差反応性について試験した(表20)。
【0245】
【表20】

【0246】
1.シェル・バイアル手順
・培養培地を吸引し、一回PBSを用いてすすぐ。
・PBSを吸引し、10分間100%アセトン固定液の1mLを加える。
・固定液を吸引し、PBSの1mLを加える。
・そのPBSを吸引し、その後、重複して、対象試薬の0.2mLを加え、その後、30分の35°‐37°Cのインキュベーターの中へ放置する。
・インキュベーターから取り出し、PBSで2−3回すすぐ。
・鉗子及び曲がっている先端針を使用して、各カバーガラスを除き、ガラス標本スライド上の一滴の封入液上へ置く。
・100X全体倍率で蛍光性を試験し、蛍光染色細胞又はバックグラウンド染色が目に見えるかどうか注意する。
【0247】
2.ガラス丸底チューブ手順:
・2mL血清用ピペットを使用して、培養培地に細胞単層を剥がして集める。
・1.5mL エッペンドルフ(Eppendorf)チューブに移し、10分間300xgで遠心分離する。
・上澄みを吸引し、PBSの1mL中にペレットを懸濁させる。
・0.01mLで8つのウェル標本をスポットする。20分間風乾させる。
・100%アセトンの中で10分間標本スライドを定着させる。
・各セルラインの二つのウェル中に対象試薬の0.03mLを加える。
・30分間35°‐37°Cのインキュベーターの中へ放置する。
・インキュベーターから取り出し、PBSで2−3回すすぐ。
・各ウェルに封入剤の1滴加え、100X全体倍率で蛍光性を試験する。蛍光染色細胞又はバックグラウンド染色が目に見えるかどうか注意する。
【0248】
実施例V
バクテリア交差反応性試験
A. マイコプラズマ種(Mycoplasma sp.)、ウレアプラスマ種(Ureaplasma sp.)、またアコレプラズマ‐レイドロウイィ(Acholeplasma laidlawii)
1.凍結ストックの調製:
・ATCCからの培養物を溶解し、再構成する。
・培養可能なマイコプラズマ検出用MYCOTRIM(商標)TC Triphasic Culture System(Irvine Scientific カタログ番号T500−000)の中で供給された培養液で培養物を1:10及び1:100に希釈する。
・フラスコの上部の寒天に刻み目をいれて、希釈されたバクテリアの1mLを接種し、次に、フラスコの底の培養液に残りの接種物を放出する。注:希釈していないサンプルを接種しない。なぜならそれがバクテリアの増殖を防止する防腐剤を含んでいるかもしれないので。
・35°から37°Cにてフラスコを放置する。寒天中「目玉焼き」状のコロニーの外観及び培地中の濁度について、毎日フラスコを検査する。
・コロニーが観察される場合(約6〜7日接種後)、フラスコの底のものを培養液に掻き集めて、1.5mLエッペンドルフ(Eppendorf)遠心分離機バイアルに移す。また、ディーンズ染色(Dienes Stain)の0.2mLをフラスコの寒天培地側へ加え、35℃から37℃にて30分間染色する。この染色は、コロニーを観察するのを助けるだろう。
・30分間微小遠心管で9,000xgに遠心分離機にかける。上清を吸引して除き、50%グリセロール中にペレットを懸濁し、−80℃にて凍結する。
【0249】
2. 交差反応性試験:
各バクテリアを交差反応性試験用に培養し、スライド上で調製し、及び下記手順を用いて、濃度を同時に確認する:
・各バクテリア・ストック・バイアルを35℃及び37℃ウォーター・ブロックの中ですみやかに溶解する。
・各バイアルをボルテックスにかけ、1.5mLエッペンドルフチューブへ移す。
・30分管9,000xgにて遠心分離機にかける。
・上澄みを吸引して、PBSの1mLにペレットを再懸濁する。
・培養をMYCOTRIM(商標)TC Triphasic Culture Systemの中で供給された培養液で1:100及び1:1000に希釈する
・フラスコの上部の寒天に刻み目をいれて、希釈されたバクテリアの1mLで接種し、次に、フラスコの底の培養液に残りの接種物を放出する。
・35°から37°Cにてフラスコを放置する。寒天中「目玉焼き」状のコロニーの外観及び培地中の濁度について、毎日フラスコを検査する。
・コロニーが観察される場合(約6〜7日接種後)、フラスコの底のものを培養液に掻き集めて、1.5mLエッペンドルフ(Eppendorf)遠心分離バイアルに移す。また、ディーンズ染色(Dienes Stain)の0.2mLをフラスコの寒天培地側へ加え、35℃から37℃にて30分間染色する。この染色は、コロニーを観察するのを助けるだろう。
・30分間微小遠心管で9,000xgに遠心分離機にかける。
・上清を吸引して除き、PBSの1mL中にペレットを懸濁する。
・スペクトロフォトメーターを用いて、600nmにて96−ウェル・マイクロタイタープレート中の各懸濁液の0.1mLを読み取りする。同じプレート上に0.5から4.0にわたるマクファーランド濁度標準(McFarland Turbidity Standards)(Scientific Device Laboratory カタログ番号2350)を含む。
・O.D.値に基づいて、PBSに各バクテリア懸濁液を希釈し、mLあたり約6.0e6 CFUと等しい2.0のマクファーランドの標準とぴったり一致させる。
・その後、懸濁液をボルテックスし、両方のマクファーランドの調整濃度にて8‐ウェル・スライドガラスへ1つのウェル当たり0.01mL加える。
・各スライドを空気乾燥し、それから10分間アセトンで固定する。
・乾燥剤小袋を有する気密性の小袋に未使用のスライドを保管する。
・スライドを作るために使用される2.0のマクファーランド標準(McFarland Standard)に調整された各懸濁液をMYCOTRIM(商標)TC Triphasic Culture Systemで供給された培養液で1:1000、1:1,000,000、及び100,000,000に希釈する。
・フラスコの上部の寒天に刻み目をいれて、バクテリアの希釈系列の1mLのそれぞれを接種し、次に、フラスコの底の培養液に残りの接種物を放出する。
・35°から37°Cにてフラスコを放置する。寒天中「目玉焼き」状のコロニーの外観及び培地中の濁度について、毎日フラスコを検査する。
・どの希釈系列にてコロニーがまだフラスコ中にみえるか注意する。
【0250】
各8ウェル・スライドを下記手順によって対象試薬で染色する:
・CMV MAbテスト試薬の1ウェル当たり30μLを有する各バクテリア・スライドの2つのウェルを染色する。
・60分間35℃から37°Cのインキュベーターにスライドを放置する。
・インキュベーターから取り出し、それからPBSでスライドを優しくすすぐ。
細胞スポットに触れないよう、又は妨害しないようにして拭き取って乾燥する。
・各ウェルに一滴の封入液体を加え、各スライド上にカバーグラスを置く。
・200及び400Xの全体の倍率で蛍光性を検査し、蛍光染色細胞又はバックグラウンド染色が見えるウェルを記録する。
【0251】
B.ボルデテラ種(Bordetella sp.)、レジオネラ(Legionella p.)、モラクセラ種(Moraxella sp.)、コリネバクテリウム種(Corynebacterium sp.)、ヘモフィリス種(Haemophilis sp.),クレブシエラ種(Klebsiella sp.),シュードモナス種(Pseudomonas sp.)、ストレプトコッカス種(Streptococcus sp.)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)
1.凍結ストックの調製:
各々のストックはATCCから得られ、下のようにリストされた適切な寒天上で成長した:
・緩衝‐活性炭酵母エキス(Buffered Charcoal Yeast Extract):ボルデテラ種(Bordetella sp.)及びレジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophilia)
・血液寒天培地:モラクセラ・カタラーリス(Moraxella cartarrhalis)、コリネバクテリウム・ジフテリエ(Corynebacterium diphtheriae)、及びストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)。
・トリプチケースソイ寒天培地(Trypticase Soy Agar):
淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)
・チョコレート寒天培地:ヘモフィリス・インフルエンザエ・タイプA(Haemophilis influenzae type A)
【0252】
これらの微生物を下記手順を使用して培養する:
・トリプチケースソイ寒天培地(Trypticase Soy Agar)中のバクテリアを1:10と1:100で希釈し、適切な寒天上に懸濁液の1mLを吸収する。
・寒天プレートを35°から37°Cにて加湿したインキュベータへの中で表を下にして放置する。コロニーを毎日チェックする。
・コロニーが観察される場合、無菌の0.01mLループを使用し、PBSの1mLを含む1.5mLエッペンドルフ微小遠心管にコロニーを移す。PBSを濁っているようにするために十分なコロニーを取る。30分間9,000xgにて遠心分離機にかける。上清を吸引して除き、50%グリセロール中にペレットを再懸濁し、−80℃にて凍結する。
【0253】
2. 交差反応性試験:
各バクテリアを交差反応性試験用に培養し、スライド上で調製し、及び下記手順を用いて、濃度を同時に確認する:
・各バクテリア・ストック・ガラスを35℃から37℃のウォーター・ブロック中ですみやかに溶解する。
・トリプチケースソイ寒天培地(Trypticase Soy Agar)中のバクテリアを1:10と1:100で希釈し、適切な寒天上に懸濁液の1mLを吸収する。
・寒天プレートを35°から37°Cにて加湿したインキュベーターへの中で表を下にして放置する。コロニーを毎日チェックする。
・コロニーが観察される場合、滅菌の0.01mLループを使用し、PBSの1mLを含む1.5mL エッペンドルフ微小遠心管にコロニーを移す。PBSを濁っているようにするために十分なコロニーを取る。
・滅菌の0.01mLループを使用し、各標本を適切な寒天培地上にストリークする。
・寒天プレートを35°から37°Cにて加湿したインキュベーターへの中で表を下にして放置する。コロニーを毎日チェックする。
・コロニーが観察される場合、滅菌の0.01mLループを使用し、PBSの1mLを含む1.5mL エッペンドルフ微小遠心管にコロニーを移す。PBSを濁っているようにするために十分なコロニーを取る。
・スペクトロフォトメーターを用いて、600nmにて96−ウェル・マイクロタイタープレート中の各懸濁液の0.1mLを読み取りする。同じプレート上に0.5から4.0にわたるマクファーランド濁度標準(McFarland Turbidity Standards)(Scientific Device Laboratory カタログ番号2350)を含む。
・O.D.値に基づいて、PBSに各バクテリア懸濁液を希釈し、mLあたり約3.0e6及び6.0e6 CFUと等しい1.0及び2.0のマクファーランドの標準とぴったり一致させる。
・懸濁液をボルテックスし、両方のマクファーランドの調整濃度にて8‐ウェル・スライドガラスへ1つのウェル当たり0.01mL加える。
・各スライドを空気乾燥し、それから10分間アセトンで固定する。
・乾燥剤小袋を有する気密性の小袋に未使用のスライドを保管する。
・スライドを作るために使用される1.0のマクファーランド標準(McFrland Standard)にて各懸濁液を1:100、1:10,000、1:1,000,000、1:10,000,000及び100,000,000に希釈する。コロニー確認のために、各バクテリアからの各希釈液の1mLを適切な寒天培地に吸収する。
・寒天プレートを35°から37°Cにて加湿したインキュベーターへの中で表を下にして放置する。コロニーを毎日チェックする。
・約30−300を有する希釈プレートのコロニーを数える。1mL当たりのCFUを計算するためにカウント数に希釈係数の逆数を掛ける。
【0254】
各8ウェル・スライドを下記手順によってCMV MAb試薬で染色する:
・1ウェル当たり30μLのCMV MAbテスト試薬で各バクテリア・スライドの2つのウェルを染色する。
・60分間35℃から37°Cのインキュベーターにスライドを放置する。
・インキュベーターから取り出し、それからPBSでスライドをやさしくすすぐ。細胞スポットに触れないよう、又は妨害しないようにして拭き取って乾燥する。
・各ウェルに一滴の封入液体を加え、各スライド上にカバーグラスを置く。
・200及び400Xの全体の倍率で蛍光性を検査し、蛍光染色細胞又はバックグラウンド染色が見えるウェルを記録する。
【0255】
C.ガードネレラ・バジナリス(Gardnerella vaginalis)、サルモネラ種(Salmonella sp.)、アシネトバクター・カルコアセチカス(Acinetobacter calcoaceticus)、カンジダ・グラブラタ(Candida glabrata)、大腸菌(Escherichia coli)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、ストレプトコッカス・アガラクティエ 1(Streptococcus agalactiae 1)
1.凍結ストックの調製:
ハーディー ダイアグノスティックス(Hardy Diagnostics)から得られた各凍結乾燥ディスクを適切な寒天上で培養した:
・BGサルファイト寒天培地(BG Sulfa agar):サルモネラ種(Salmonella sp.)
・血液寒天培地:ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)
・RTFキャスマン寒天培地(RTF Casman Agar):ガードネレラ・バジナリス(Gardnerella vaginalis)
・マッコンキー寒天培地(MacConkey agar):
プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、アシネトバクター・カルコアセチカス(Acinetobacter calcoaceticus)、大腸菌(Escherichia coli)
・ニッケルソン寒天培地(Nickerson’s agar):カンジダ・グラブラタ(Candida glabrata)
【0256】
これらの微生物は次の方法で再構成され培養した:
・4−8°Cの貯蔵庫からLYFO DISK(商標)バイアルを取りだし、未開封バイアルを室温に平衡になるようにする。
・無菌的にバイアルから1つのゼラチン・ペレットを取り除く。無菌のブレインハートインフィージョン培地(Brain Heart Infusion Broth) (Hardy Diagnosticsカタログ番号Rl0)の0.5mLにペレットを置く。
・ペレット粒子が、サイズが同じで、懸濁液が外観的に均質になるまで、無菌の綿球又はピペットでペレットを乳化し及び砕く。
・含水材料で綿球を直ちに染み込ませて、適切な、非選択的な、栄養的、又は富栄養な寒天培地に材料を移す。圧力で、綿球を回転させて、寒天培地の円形のエリア(つまり直径1インチ又は25mm)に接種する。同じ綿球又は無菌のループを用いて、接種を受けたエリアにそって繰り返し(約10〜20回)ストリークし、そして次に、寒天表面の残りにストリークを続ける。
・コロニーが観察される場合、無菌の0.01mLループを使用し、PBSの1mLを含む1.5mL エッペンドルフ微小遠心管にコロニーを移す。PBSを濁っているようにするために十分なコロニーを取る。
30分間9,000xgにて遠心分離機にかける。上清を吸引して除き、50%グリセロール中にペレットを再懸濁し、−80℃にて凍結する。
【0257】
2. 交差反応性試験:
各バクテリアを交差反応性試験用に培養し、スライド上で調製し、及び下記手順を用いて、濃度を同時に確認する:
・各バクテリア・ストック・ガラスを35℃から37℃のウォーター・ブロック中ですみやかに溶解する。
・トリプチケースソイ寒天培地(Trypticase Soy Agar)中のバクテリアを1:10と1:100で希釈し、適切な寒天上に懸濁液の1mLを吸収する。
・寒天プレートを35°から37°Cにて加湿したインキュベーターへの中で表を下にして放置する。コロニーを毎日チェックする。
・コロニーが観察される場合、滅菌の0.01mLループを使用し、PBSの1mLを含む1.5mL エッペンドルフ微小遠心管に別々のコロニーを移す。PBSを濁っているようにするために十分なコロニーを取る。
・滅菌の0.01mLループを使用し、各標本を適切な寒天培地上にストリークする。
・寒天プレートを35°から37°Cにて加湿したインキュベーターへの中で表を下にして放置する。コロニーを毎日チェックする。
・コロニーが観察される場合、滅菌の0.01mLループを使用し、PBSの1mLを含む1.5mL エッペンドルフ遠心管にコロニーを移す。PBSを濁っているようにするために十分なコロニーを取る。
・スペクトロフォトメーターを用いて、600nmにて96−ウェル・マイクロタイタープレート中の各懸濁液の0.1mLを読み取りする。同じプレート上に0.5から4.0にわたるマクファーランド濁度標準(McFarland Turbidity Standards)(Scientific Device Laboratory カタログ番号2350)を含む。
・O.D.値に基づいて、PBSに各バクテリア懸濁液を希釈し、1mLあたり約3.0e6及び6.0e6 CFUと等しい1.0及び2.0のマクファーランド標準とぴったり一致させる。
・懸濁液をボルテックスし、両方のマクファーランドの調整濃度にて8‐ウェル・スライドガラスへ1ウェル当たり0.01mL加える。
・各スライドを空気乾燥し、それから10分間アセトンで固定する。
・乾燥剤小袋を有する気密性の小袋に未使用のスライドを保管する。
・スライドを作るために使用される1.0のマクファーランド標準(McFarland Standard)にて各懸濁液を1:100、1:10,000、1:1,00,000、1:1,000,000、1:10,000,000及び100,000,000に希釈する。コロニー確認のために、各バクテリアからの各希釈液の1mLを適切な寒天培地に吸収する。
・寒天プレートを35°から37°Cにて加湿したインキュベーターへの中で表を下にして放置する。コロニーを毎日チェックする。
・約30−300を有する希釈プレートのコロニーを数える。1mL当たりのCFUを計算するためにカウント数に希釈係数の逆数を掛ける。
【0258】
各8ウェル・スライドを下記のようにCMV MAb試薬で染色する:
・1ウェル当たり30μLのCMV MAbテスト試薬で各バクテリア・スライドの2つのウェルを染色する。
・60分間35℃から37°Cのインキュベーターにスライドを放置する。
・インキュベーターから取り出し、それからPBSでスライドを優しくすすぐ。細胞スポットに触れないように、又は妨害しないようにして拭き取って乾燥する。
・各ウェルに一滴の封入液体を加え、各スライド上にカバーグラスを置く。
・200及び400Xの全体の倍率で蛍光性を検査し、蛍光染色細胞又はバックグラウンド染色が見えるウェルを記録する。
【0259】
D.膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)、クラミジア・シッタシ(Chlamydia psittaci)、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)
これらの微生物は、定着された抗原コントロール・スライドである。膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)(カタログ番号5073−5)及びクラミジア・ニューモニエ(Chlamydia pneumoniae)コントロール・スライド(カタログ番号CP−4212)をChemicon/Light Diagnosticsから得た。クラミジア・シッタシ(Chlamydia psittaci)(カタログ番号210−88−12−FC)をVMRD, Inc.から購入した。クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)(カタログ番号01−00011)スライドは商品としてDiagnostic Hybridsによって製造される。
【0260】
各スライドを下記の手順でCMV MAb試薬で染色する:
・1ウェル当たり30μLのCMV MAbテスト試薬で各バクテリアの2つスライドを染色する。
・60分間35℃から37°Cのインキュベーターにスライドを放置する。
・インキュベーターから取り出し、それからPBSでスライドを優しくすすぐ。細胞スポットに触れないように、又は妨害しないようにして拭き取って乾燥する。
・各ウェルに一滴の封入液体を加え、各スライド上にカバーグラスを置く。
・200及び400Xの全体の倍率で蛍光性を検査し、蛍光染色細胞又はバックグラウンド染色が見えるウェルを記録する。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8A】

【図8B】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)i)少なくとも一つのウイルス抗原を含む生体サンプル、及び
ii)第一抗体が第一ウイルス抗原と反応し、第二ウイルス抗原と反応せず、第一蛍光標識で標識化され、第二抗体が前記第二ウイルス抗原と反応し、前記第一ウイルス抗原と反応せず、第二蛍光標識で標識化される第一及び第二抗体
を提供する工程、
b)抗体が抗原と結合するような条件下にて、懸濁液中で前記サンプルの少なくとも一部を前記第一及び第二抗体とインキュベートする工程、
c)前記第一蛍光標識を検出することに基づいて第一ウイルスを同定する工程、及び
d)前記第二蛍光標識を検出することに基づいて第二ウイルスを同定する工程
を含む方法。
【請求項2】
前記第一標識が、R‐フィコエリトリンを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第二標識が、フルオレセインイソチオシアネートを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第一及び第二抗体がモノクローナル抗体を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第一及び第二抗体を前記懸濁液と前記インキュベートする工程が同時であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第一及び第二抗体を前記懸濁液と前記インキュベートする工程が連続であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
a)i)少なくとも一つのウイルス抗原を含む疑いのある生体サンプルを含む懸濁液と、
ii)前記少なくとも一つのウイルス抗原が少なくとも一つの蛍光標識された抗体に結合することができ、抗体が異なって標識化されることを特徴とする少なくとも二つの蛍光標識された抗体
を提供する工程、
b)少なくとも一つの前記蛍光標識された抗体が前記ウイルス抗原に結合するような条件下にて、前記蛍光標識された抗体と前記懸濁液をインキュベートし、それにより標識化抗原‐抗体複合体を形成する工程、
c)一つの蛍光標識された抗体を同定することにより前記懸濁液内で前記標識化抗原‐抗体複合体を検出し、それにより前記ウイルス抗原を同定する工程
を含む方法。
【請求項8】
前記蛍光標識された抗体がモノクローナル抗体を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ウイルス抗原が、呼吸器合胞体ウイルス抗原を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも一つの前記蛍光標識されたモノクローナル抗体が呼吸器合胞体ウイルス抗原に特異的親和性を有することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記蛍光標識されたモノクローナル呼吸器合胞体ウイルス抗体がR‐フィコエリトリン蛍光標識を有することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ウイルス抗原がインフルエンザウイルス抗原を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記インフルエンザウイルス抗原がインフルエンザAウイルス抗原を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記インフルエンザウイルス抗原がインフルエンザBウイルス抗原を含むことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも一つの前記蛍光標識されたモノクローナル抗体がインフルエンザAウイルス抗原に特異的親和性を有することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項16】
前記蛍光標識されたインフルエンザAモノクローナル抗体がR‐フィコエリトリン蛍光標識を有することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも一つの前記蛍光標識されたモノクローナル抗体がインフルエンザBウイルス抗原に特異的親和性を有することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項18】
前記蛍光標識されたインフルエンザBモノクローナル抗体がフルオレセインイソチオシアネート蛍光標識を有することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ウイルス抗原がアデノウイルスのウイルス抗原を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも一つの前記蛍光標識されたモノクローナル抗体がアデノウイルスのウイルス抗原に特異的親和性を有することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項21】
前記蛍光標識されたアデノウイルスモノクローナル抗体がフルオレセインイソチオシアネート蛍光標識を有することを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ウイルス抗原がパラインフルエンザウイルス抗原を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項23】
前記パラインフルエンザウイルス抗原がパラインフルエンザ1ウイルス抗原を含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記パラインフルエンザウイルス抗原がパラインフルエンザ2ウイルス抗原を含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記パラインフルエンザウイルス抗原がパラインフルエンザ3ウイルス抗原を含むことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項26】
少なくとも一つの前記蛍光標識されたモノクローナル抗体がパラインフルエンザウイルス抗原に特異的親和性を有することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項27】
前記蛍光標識されたパラインフルエンザモノクローナル抗体がR‐フィコエリトリン蛍光標識を有することを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記蛍光標識されたパラインフルエンザモノクローナル抗体がパラインフルエンザ1ウイルス抗原に特異的親和性を有することを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記蛍光標識されたパラインフルエンザモノクローナル抗体がパラインフルエンザ2ウイルス抗原に特異的親和性を有することを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記蛍光標識されたパラインフルエンザモノクローナル抗体がパラインフルエンザ3ウイルス抗原に特異的親和性を有することを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記ウイルス抗原がメタニューモウイルスのウイルス抗原を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項32】
前記蛍光標識されたモノクローナル抗体がメタニューモウイルスのウイルス抗原に特異的親和性を有することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項33】
前記蛍光標識されたメタニューモウイルスモノクローナル抗体がフルオレセインイソチオシアネート蛍光標識を有することを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
さらに、前記懸濁液がエバンスブルー、ヨウ化プロピジウム、アクリジンオレンジ、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される染色試薬を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項35】
さらに、前記懸濁液が界面活性剤を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項36】
前記界面活性剤がサポゲニンであることを特徴とする請求項35に記載の方法。

【公表番号】特表2012−529009(P2012−529009A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505970(P2012−505970)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/031425
【国際公開番号】WO2010/121154
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(511248674)ダイアグノスティック・ハイブリット・インク (1)
【Fターム(参考)】