ウェアラブル機器の取付構造、支持フレーム及び取付部材
【課題】ウェアラブル機器を容易に着脱でき、装着位置の左右交換が容易にできるウェアラブル機器の取付構造を提供する。
【解決手段】使用者の頭部に装着可能な支持フレーム100にウェアラブル機器を取り付けるための取付構造であって、支持フレーム100は、頭部への装着状態において左右の側頭部側に位置する左右のテンプル部120L,120Rと、テンプル部120L,120Rに設けられた左右の保持部150L,150Rとを有し、ウェアラブル機器は、取付部材200に設けられた機器接続部２５０に接続され、取付部材200は、支持フレーム100の頭部への装着状態における側面視において、線対称形状を有し、その対称軸がテンプル部120L,120Rに対して傾斜して、保持部150L,150Rに着脱自在に装着される。
【解決手段】使用者の頭部に装着可能な支持フレーム100にウェアラブル機器を取り付けるための取付構造であって、支持フレーム100は、頭部への装着状態において左右の側頭部側に位置する左右のテンプル部120L,120Rと、テンプル部120L,120Rに設けられた左右の保持部150L,150Rとを有し、ウェアラブル機器は、取付部材200に設けられた機器接続部２５０に接続され、取付部材200は、支持フレーム100の頭部への装着状態における側面視において、線対称形状を有し、その対称軸がテンプル部120L,120Rに対して傾斜して、保持部150L,150Rに着脱自在に装着される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ウェアラブル機器を頭部に装着可能な支持フレームに着脱自在に取り付けるための取付構造、支持フレーム及び取付部材に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
近年、頭部装着型表示装置等のウェアラブル機器を、頭部に装着可能な眼鏡フレーム等の支持フレームに取り付けて利用することが知られている（例えば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２０１０−９１７４８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、特許文献１に開示のように、ウェアラブル機器を、アタッチメント等の取付部材を介して眼鏡フレームのテンプル部にビス等で固定して取り付ける場合は、眼鏡フレームに対する着脱作業が煩雑になるとともに、ウェアラブル機器の取付位置を左右交換する場合の作業も煩雑になる。
【０００５】
また、取付部材をテンプル部の外側に位置させてテンプル部に沿って固定すると、ウェアラブル機器の位置調整の際に、ウェアラブル機器がテンプル部と干渉して自由な位置調整が困難になるとともに、取付部材を含むウェアラブル機器の全体が、テンプル部の外側に大きく張り出すことになって、外観が損なわれて、見栄えが悪くなる。
【０００６】
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、頭部に装着可能な支持フレームに対してウェアラブル機器を容易に着脱できるとともに、装着位置の左右交換が容易にできるウェアラブル機器の取付構造、支持フレーム及び取付部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記目的を達成する本発明に係るウェアラブル機器の取付構造の要旨構成は、以下の通りである。
（１）使用者の頭部に装着可能な支持フレームにウェアラブル機器を取り付けるための取付構造であって、
前記支持フレームは、前記頭部への装着状態において左右の側頭部側に位置する左右のテンプル部と、左右の前記テンプル部に設けられた左右の保持部とを有し、
前記ウェアラブル機器は、取付部材に設けられた機器接続部に接続され、
前記取付部材は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における側面視において、線対称形状を有し、該線対称形状の対称軸が前記テンプル部に対して傾斜して、前記保持部に着脱自在に装着される、
ことを特徴とするものである。
【０００８】
（２）上記（１）に記載のウェアラブル機器の取付構造において、
前記保持部および前記取付部材の少なくとも一方は、少なくとも一部が前記取付部材を前記保持部に着脱する際に弾性変形可能な弾性部材からなる、
ことを特徴とするものである。
【０００９】
（３）上記（１）または（２）に記載のウェアラブル機器の取付構造において、
前記取付部材は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における側面視において、前記対称軸と直交する方向の寸法が、後方が小さく、前方が大きい形状であり、
前記機器接続部は、前記取付部材の前方側に設けられている、
ことを特徴とするものである。
【００１０】
（４）上記（３）に記載のウェアラブル機器の取付構造において、
前記保持部は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における側面視において、前方が開口したスリット形状からなり、
前記取付部材は、前記保持部に係合する溝または突起を備える、
ことを特徴とするものである。
【００１１】
（５）上記（３）に記載のウェアラブル機器の取付構造において、
前記保持部は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における側面視において、前方側が開口したＶ字形状からなり、
前記取付部材は、前記保持部に係合する楔形状からなる、
ことを特徴とするものである。
【００１２】
（６）上記（１）〜（５）のいずれかに記載のウェアラブル機器の取付構造において、
前記取付部材は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における上面視において、線対称形状を有し、該線対称形状の対称軸が前記テンプル部に略重なる、
ことを特徴とするものである。
【００１３】
（７）上記（４）または（５）に記載のウェアラブル機器の取付構造において、
前記保持部は、一方の辺が前記テンプル部からなり、他方の辺が該テンプル部から傾斜して突出する弾性変形可能な傾斜片からなる、
ことを特徴とするものである。
【００１４】
（８）上記（７）に記載のウェアラブル機器の取付構造において、
前記保持部は、前記テンプル部側に突部または凹部を有し、
前記取付部材は、前記テンプル部側の前記突部または凹部に係合する凹部または突部を有する、
ことを特徴とするものである。
【００１５】
（９）上記（１）〜（８）のいずれかに記載のウェアラブル機器の取付構造において、
前記機器接続部は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における上面視において、前記テンプル部と重なりを持つように位置する、
ことを特徴とするものである。
【００１６】
（１０）上記（１）〜（９）のいずれかに記載のウェアラブル機器の取付構造において、
前記取付部材は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における側面視において、前記対称軸の延長線上に前記使用者の眼球のほぼ中心が重なるように前記保持部に装着される、
ことを特徴とするものである。
【００１７】
更に、上記目的を達成する本発明に係るウェアラブル機器の支持フレームの要旨構成は、以下の通りである。
（１１）使用者の頭部に装着可能で、ウェアラブル機器を取り付けるための支持フレームであって、
前記頭部への装着状態において左右の側頭部側に位置する左右のテンプル部と、
左右の前記テンプル部に設けられ、ウェアラブル機器が接続された取付部材が着脱自在に装着される左右の保持部と、を有し、
前記保持部は、当該支持フレームの前記頭部への装着状態における側面視において、前方側が開口したＶ字形状またはスリット形状からなる、
ことを特徴とするものである。
【００１８】
（１２）上記（１１）に記載のウェアラブル機器の支持フレームにおいて、
前記開口は、前記テンプル部の下側に配置されている、
ことを特徴とするものである。
【００１９】
（１３）上記（１１）または（１２）に記載のウェアラブル機器の支持フレームにおいて、
前記保持部は、一方の辺が前記テンプル部からなり、他方の辺が該テンプル部から傾斜して突出する弾性変形可能な傾斜片からなる、
ことを特徴とするものである。
【００２０】
（１４）上記（１３）に記載のウェアラブル機器の支持フレームにおいて、
前記保持部は、前記テンプル部側に、前記取付部材側の突部または凹部に係合する凹部または突部を有する、
ことを特徴とするものである。
【００２１】
更に、上記目的を達成する本発明に係るウェアラブル機器の取付部材の要旨構成は、以下の通りである。
（１５）ウェアラブル機器が接続され、使用者の頭部に装着可能な支持フレームに着脱自在に装着される取付部材であって、
前記支持フレームへの装着状態における側面視において線対称形状を有し、該線対称形状の対称軸上に前記ウェアラブル機器の機器接続部を有する、
ことを特徴とするものである。
【００２２】
（１６）上記（１５）に記載のウェアラブル機器の取付部材において、
前記線対称形状は楔形状からなる、
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【００２３】
本発明によれば、頭部に装着可能な支持フレームに対してウェアラブル機器を容易に着脱できるとともに、装着位置の左右交換が容易にできるウェアラブル機器の取付構造、支持フレーム及び取付部材を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２４】
【図１】本発明の第１実施の形態に係るウェアラブル機器の取付構造を説明するための斜視図である。
【図２】図１の取付構造を示す側面図である。
【図３】図１の取付部材の構成を示す図である。
【図４】図１の取付部材の装着状態における対称軸と使用者の眼球との位置関係を説明するための図である。
【図５】図１の取付構造によりウェアラブル機器である表示装置が装着された場合を示す図である。
【図６】図１の取付構造によりウェアラブル機器である撮像装置が装着された場合を示す図である。
【図７】図１の取付構造によりウェアラブル機器が左右に交換装着された場合を示す図である。
【図８】本発明の第２実施の形態に係るウェアラブル機器の取付構造を示す側面図である。
【図９】図８の取付部材の構成を示す図である。
【図１０】本発明の第３実施の形態に係るウェアラブル機器の取付構造を示す側面図である。
【図１１】図１０の取付部材の構成を示す図である。
【図１２】図１０の取付構造の部分上面図である。
【図１３】本発明の第４実施の形態に係るウェアラブル機器の取付構造を示す側面図である。
【図１４】図１３の取付部材の構成を示す図である。
【図１５】図１３の取付構造の部分上面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２５】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
【００２６】
（第１実施の形態）
図１〜図７は、本発明の第１実施の形態に係るウェアラブル機器の取付構造を示すものである。本実施の形態に係る取付構造は、図１に斜視図を示すように、支持フレーム１００と取付部材２００とを有している。支持フレーム１００は、眼鏡フレーム形状からなり、使用者の頭部への装着状態において、顔面側に位置するフロント部１１０と、該フロント部１１０の左右に接続されて左右の側頭部側に位置する左右のテンプル部１２０Ｌ，１２０Ｒと、テンプル部１２０Ｌ，１２０Ｒの後端部に形成された左右のモダン部１３０Ｌ，１３０Ｒと、を有する。フロント部１１０には、左右の眼鏡レンズ１４０Ｌ，１４０Ｒが装着される。なお、眼鏡レンズ１４０Ｌ，１４０Ｒは、レンズ機能を有しない単なる光透過部材の場合もある。左右のテンプル部１２０Ｌ，１２０Ｒには、モダン部１３０Ｌ，１３０Ｒ側に左右の保持部１５０Ｌ，１５０Ｒが設けられている。
【００２７】
取付部材２００は、支持フレーム１００の左右の保持部１５０Ｌ，１５０Ｒに着脱自在に装着される。図１は、右側の保持部１５０Ｒに、取付部材２００を装着する場合を例示している。
【００２８】
以下、各部の構成について、更に詳細に説明する。
【００２９】
支持フレーム１００の左右の保持部１５０Ｌ，１５０Ｒは、同様に構成される。以下、右側の保持部１５０Ｒに関して説明し、左側の保持部１５０Ｒに関しては、詳細な説明を省略する。図２（ａ）及び（ｂ）は、取付構造を示す側面図で、図２（ａ）は取付部材２００の装着状態を示し、図２（ｂ）は取付部材２００を取り外した状態を示している。
【００３０】
保持部１５０Ｒは、前方側が開口したＶ字形状からなっている。この保持部１５０ＲのＶ字形状の一方の辺は、テンプル部１２０Ｒからなり、他方の辺は、テンプル部１２０Ｒの延在方向に対して前下がりに傾斜して突出する傾斜片１５１Ｒからなる。そして、少なくとも傾斜片１５１Ｒは、テンプル部１２０Ｒから離れる方向に弾性変形可能となっている。
【００３１】
また、保持部１５０Ｒのテンプル部１２０Ｒ側には、保持部１５０Ｒからの取付部材２００の脱落を防止するため、好ましくは保持部１５０Ｒの前方側に、傾斜片１５１Ｒ側に突出して突部１５２Ｒが形成されているとともに、保持部１５０Ｒの前方端部に取付部材２００の係止部１５３Ｒが形成されている。なお、保持部１５０Ｒを構成する部分のテンプル部１２０Ｒ及び傾斜片１５１Ｒは、水平方向の寸法（厚み）がほぼ同じに形成されている。
【００３２】
図３（ａ），（ｂ）及び（ｃ）は、取付部材２００の構成を示す図で、図３（ａ）は正面図、図３（ｂ）は上面図、図３（ｃ）は右側面図である。取付部材２００は、線対称形状からなり、左右の保持部１５０Ｌ，１５０Ｒに選択的に装着可能である。以下、主として右側の保持部１５０Ｒに装着される場合について説明し、左側の保持部１５０Ｒに装着される場合に関しては、適宜、説明を省略する。
【００３３】
取付部材２００は、線対称形状の対称軸Ｓａがテンプル部１２０Ｒの延在方向に対して前下がりに傾斜して、保持部１５０Ｒに着脱自在に装着される。本実施の形態では、保持部１５０ＲがＶ字形状を有しているので、取付部材２００は、保持部１５０Ｒへの装着状態における側面視において、対称軸Ｓａと直交する方向の寸法が、後方が小さく、前方が大きくなる楔形状からなる。
【００３４】
取付部材２００には、図３（ｂ）及び（ｃ）に示すように、上面及び下面に、保持部１５０Ｒに係合可能な、ほぼ同じ深さ及び幅を有する係合溝２１１が左右端に連通して形成されている。また、上面の係合溝２１１には、図３（ｂ）に示すように、保持部１５０Ｒの突部１５２Ｒに嵌合可能な凹部２１２が形成されている。なお、図示しないが、下面の係合溝２１１にも、同様に、左側の保持部１５０Ｌの突部１５２Ｌ（図１参照）に嵌合可能な凹部が形成されている。
【００３５】
また、取付部材２００には、楔形状の大寸法部側に、保持部１５０Ｒへの装着状態において、テンプル部１２０Ｒの係止部１５３Ｒに係合する係止辺２１３Ｒが形成されているとともに、保持部１５０Ｌへの装着状態において、テンプル部１２０Ｌの係止部１５３Ｌ（図７（ｂ）参照）に係合する係止辺２１３Ｌが形成されている。
【００３６】
更に、取付部材２００には、図３（ｃ）に示すように、楔形状の大寸法部側の端面に、図３（ａ）に示す正面視において対称軸Ｓａと重なり、保持部１５０Ｒへの装着状態の上面視において、テンプル部１２０Ｒと重なりを持つように、ウェアラブル機器の機器接続部２５０が形成されている。機器接続部２５０は、例えば、対称軸Ｓａに沿って穿設された穴部からなり、この穴部にウェアラブル機器の棒状の支持部が挿入固定されて、ウェアラブル機器が取付部材２００に接続されるようになっている。
【００３７】
上述したように、本実施の形態に係るウェアラブル機器の取付構造は、眼鏡フレーム形状の支持フレーム１００の左右のテンプル部１２０Ｌ，１２０Ｒに、それぞれ前方に開口したＶ字形状の保持部１５０Ｌ，１５０Ｒを有している。そして、ウェアラブル機器が接続される取付部材２００は、Ｖ字形状と相似の上下対称の楔形状からなり、保持部１５０Ｌ，１５０Ｒに着脱自在に装着される。
【００３８】
ここで、取付部材２００を保持部１５０Ｒに装着する場合は、傾斜片１５１Ｒの弾性力に抗して、取付部材２００を前方側から後方側に向けて保持部１５０Ｒに挿入する。これにより、取付部材２００の上面に形成された係合溝２１１を保持部１５０Ｒのテンプル部１２０Ｒに係合させ、下面の係合溝２１１を傾斜片１５１Ｒに係合させる。また、テンプル部１２０Ｒに形成された突部１５２Ｒを、取付部材２００の上面の係合溝２１１に形成された凹部２１２に嵌め込み、取付部材２００の係止辺２１３Ｒをテンプル部１２０Ｒの係止部１５３Ｒに係止させる。これにより、取付部材２００を保持部１５０Ｒに容易に装着することが可能となる。
【００３９】
また、支持フレーム１００が眼鏡フレーム形状からなる場合は、耳に掛け易いように、一般に、テンプル部１２０Ｌ，１２０Ｒは、モダン部１３０Ｌ，１３０Ｒ側が細く形成される。本実施の形態においては、保持部１５０Ｌ，１５０Ｒが、テンプル部１２０Ｌ，１２０Ｒのモダン部１３０Ｌ，１３０Ｒ側に設けられている。そして、取付部材２００は、テンプル部１２０Ｌ，１２０ＲのＶ字形状に整合するように楔形状からなり、その寸法の小さい部分（小寸法部）がテンプル部１２０Ｌ，１２０Ｒの後方に、寸法の大きい部分（大寸法部）がテンプル部１２０Ｌ，１２０Ｒの前方に位置して装着される。したがって、支持フレーム１００への取付部材２００の収まりがよく、支持フレーム１００の外観の悪化が抑えられる。また、取付部材２００の大寸法部側の端面に、ウェアラブル機器の機器接続部２５０が形成されているので、ウェアラブル機器の接続も容易になる。
【００４０】
また、取付部材２００は、コンパクトでありながら支持フレーム１００との接地面を大きく取れる。したがって、保持部１５０Ｌ，１５０Ｒがモダン部１３０Ｌ，１３０Ｒ側に設けられていることと相俟って、支持フレーム１００の頭部への装着状態において、取付部材２００の一部を支持フレーム１００と側頭部との間に挟持できるので、取付部材２００を保持部１５０Ｒに脱落することなく確実に装着でき、コンパクトで一体的な外観デザインが実現される。なお、取付部材２００は、予めウェアラブル機器が接続されたものを保持部１５０Ｌ，１５０Ｒに装着することも可能である。
【００４１】
また、取付部材２００を保持部１５０Ｒから取り外す場合は、傾斜片１５１Ｒを弾性力に抗して下方に回動させて、テンプル部１２０Ｒの突部１５２Ｒを、係合溝２１１の凹部２１２から外し、その後、取付部材２００を前方側に移動させることにより、容易に取り外すことができる。
【００４２】
また、取付部材２００は、例えば、保持部１５０Ｒに装着された場合、線対称形状の対称軸Ｓａがテンプル部１２０Ｒの延在方向に対して前下がりに傾斜する。これにより、テンプル部１２０Ｒと機器接続部２５０の高さを異なる位置にすることができるので、当該機器接続部２５０に、例えば棒状のフレキシブル支持部を介してウェアラブル機器が接続された場合、ウェアラブル機器をテンプル部１２０Ｒに干渉することなく、左右または上下に位置調整することが可能となる。
【００４３】
ここで、取付部材２００は、図４に示すように、例えば保持部１５０Ｒへの装着状態における側面視において、対称軸Ｓａの延長線上に使用者（装着者）の眼球Ｅのほぼ中心（眼球中心）Ｅｏが重なるのが好ましい。このようにすれば、例えば、図５（ａ）に側面図を示すように、ウェアラブル機器として表示装置３００が棒状のフレキシブル支持部４００を介して対称軸Ｓａに沿って接続された場合、フレキシブル支持部４００の直線状態における表示装置３００の光軸の眼球Ｅに対する角度は、取付部材２００の対称軸Ｓａの傾きと一致する。これにより、表示装置３００による虚像の表示位置が正面方向よりもやや下方に設定されて、表示装置３００による映像が表示されるので、長時間の観察でも見やすく、疲れにくい表示映像を提示することが可能となる。
【００４４】
また、取付部材２００の機器接続部２５０は、例えば保持部１５０Ｒへの装着状態での上面視において、図５（ｂ）に示すように、テンプル部１２０Ｒと重なりを持つように位置する。したがって、テンプル部１２０Ｒから外側への取付部材２００及びフレキシブル支持部４００の張り出しを小さくできるので、外観上好ましい。
【００４５】
また、機器接続部２５０がテンプル部１２０Ｒの下側に位置していることから、特に、フレキシブル支持部４００により表示装置３００の表示位置を左右方向に調整する際や、下方へ調整する際に、テンプル部１２０Ｒと干渉することがない。したがって、例えば、モバイルで使用する場合、正面視界を確保しながら、表示画面を邪魔にならない視野の周辺に配置できることができ、特に視野の左右の外側や視野の下方へ表示させることで、見やすさと視界確保とを両立することができて好ましい。また、このように、フレキシブル支持部４００を介して表示装置３００を取付部材２００に接続することで、表示位置を自由に直感的に調整することが可能となる。
【００４６】
また、図６（ａ）及び（ｂ）に示すように、ウェアラブル機器がカメラ等の撮像装置３０１からなる場合、図６（ａ）に示すように、対称軸Ｓａの延長線上に使用者の眼球中心Ｅｏがほぼ重なると、フレキシブル支持部４００の直線状態における撮像装置３０１の中心線と対称軸Ｓａとがほぼ一致する。これにより、使用者の目線に近い映像を撮影することが可能となる。また、撮像装置３０１の位置を上下左右方向に調整することにより、任意の目線方向での映像を撮影することが可能となる。しかも、取付部材２００の対称軸Ｓａがテンプル部１２０Ｒに対して傾斜しているので、撮像装置３０１の位置調整の際、撮像装置３０１やフレキシブル支持部４００のテンプル部１２０Ｒへの干渉を軽減することが可能となる。
【００４７】
以上、取付部材２００を、主として右側の保持部１５０Ｒに対して着脱する場合について説明したが、取付部材２００を左側の保持部１５０Ｌに対して着脱する場合は、右側の保持部１５０Ｒに対する着脱の場合とは、取付部材２００の上下を反転させることで、同様にして行うことができる。これにより、図７（ａ）に示す右側の保持部１５０Ｒへの装着と、図７（ｂ）に示す左側の保持部１５０Ｌへの装着との左右の交換装着を容易に行うことが可能となり、左右の装着において同様の作用効果が得られる。なお、例えば、図７（ａ）及び（ｂ）において、ウェアラブル機器を棒状のフレキシブル支持部４００を介して取付部材２００の機器接続部２５０に接続した状態で、左右の交換装着を行う場合は、ウェアラブル機器やフレキシブル支持部４００も、上下対称形状とするのが外観上好ましい。
【００４８】
また、上述したように、支持フレーム１００は、左右の保持部１５０Ｌ，１５０Ｒを有するので、例えば、保持部１５０Ｌ，１５０Ｒの双方に取付部材２００を装着し、ウェアラブル機器の使用時にのみ、少なくとも一方の取付部材２００にウェアラブル機器を取り付けることも可能である。これにより、ウェアラブル機器の未使用時及び使用時の支持フレーム１００の外観を好ましい形状とすることが可能となる。
【００４９】
なお、上記の説明では、ウェアラブル機器がフレキシブル支持部４００を介して取付部材２００の機器接続部２５０に接続されるものとしたが、ウェアラブル機器は剛体の支持部を介して取付部材２００の機器接続部２５０に接続されてもよい。
【００５０】
（第２実施の形態）
図８及び図９は、本発明の第２実施の形態に係るウェアラブル機器の取付構造を示すものである。以下、第１実施の形態と同一作用を成す構成要素には、同一参照符号を付して説明する。本実施の形態に係る取付構造は、支持フレーム１０１の保持部１５０Ｌ，１５０Ｒに対して取付部材２０１を着脱自在に懸架して装着可能としたものである。
【００５１】
図８（ａ）及び（ｂ）は、取付構造を示す側面図で、図８（ａ）は取付部材２０１の装着状態を示し、図８（ｂ）は取付部材２０１を取り外した状態を示している。保持部１５０Ｒは、取付部材２０１が着脱自在に懸架される懸架部１６０Ｒを有している。懸架部１６０Ｒは、テンプル部１２０Ｒの上面の一部を段差状（凹状）に切り欠いた形状に形成されており、取付部材２０１が装着された状態で、取付部材２０１の上面とテンプル部１２０Ｒの上面とがほぼ同一面となるように形成されている。図示しないが、左側の保持部１５０Ｌも同様に構成される。
【００５２】
図９（ａ），（ｂ）及び（ｃ）は、取付部材２０１の構成を示す図で、図９（ａ）は正面図、図９（ｂ）は上面図、図９（ｃ）は右側面図である。取付部材２０１は、第１実施の形態と同様、図９（ａ）の正面視において、対称軸Ｓａを有する上下対称の楔形状からなり、その大寸法部側の端面に、ウェアラブル機器の機器接続部２５０が形成されている。そして、取付部材２０１の背面側の上部及び下部に、それぞれ左右端に連通する凹部を有し、保持部１５０Ｒ，１５０Ｌの懸架部１６０Ｒ，１６０Ｌ（図示せず）に着脱自在に懸架されるフック部２２０Ｒ，２２０Ｌが形成されている。
【００５３】
そして、取付部材２０１を保持部１５０Ｒに装着する場合は、図９において、上部のフック部２２０Ｒを保持部１５０Ｒの懸架部１６０に懸架し、保持部１５０Ｌ（図１参照）に装着する場合は、下部のフック部２２０Ｌを上下反転させて、保持部１５０Ｌの懸架部１６０Ｌ（図示せず）に懸架する。これにより、取付部材２０１を、例えば図８（ａ）に示すように、対称軸Ｓａがテンプル部１２０Ｒの延在方向に対して前下がりに傾斜して保持部１５０Ｒに装着することができる。
【００５４】
本実施の形態においては、取付部材２０１の背面側に、保持部１５０Ｌ，１５０Ｒへのフック部２２０Ｌ，２２０Ｒが設けられるため、例えば保持部１５０Ｌへの装着状態の上面視において、テンプル部１２０Ｒと機器接続部２５０とが重ならない。そのため、機器接続部２５０に接続されるウェアラブル機器が外側に若干張り出すことになる。しかし、その点を除けば、第１実施の形態と同様の効果が得られる。特に、本実施の形態に係る取付構造は、取付部材２０１を保持部１５０Ｌまたは１５０Ｒに懸架して、つまり引っ掛けて装着するので、着脱がより容易になり、左右の交換装着も容易になる。また、支持フレーム１０１の保持部１５０Ｌ，１５０Ｒを簡単に形成できる利点もある。なお、フック部２２０Ｌ，２２０Ｒは、弾性変形可能に構成して、対応する保持部の懸架部を弾性的に挟持して装着するようにしてもよい。
【００５５】
（第３実施の形態）
図１０〜図１２は、本発明の第３実施の形態に係るウェアラブル機器の取付構造を示すものである。以下、第１実施の形態と同一作用を成す構成要素には、同一参照符号を付して説明する。図１０（ａ）及び（ｂ）は、取付構造を示す側面図で、図１０（ａ）は取付部材２０２の装着状態を示し、図１０（ｂ）は取付部材２０２を取り外した状態を示している。本実施の形態に係る取付構造は、支持フレーム１０２の保持部１５０Ｒに、図１０（ｂ）に部分拡大斜視図をも示すように、テンプル部１２０Ｒの外側に設けられた円柱部材１７０Ｒを有する。円柱部材１７０Ｒは、その軸線方向がテンプル部１２０Ｒの延在方向に対して前下がりに傾斜している。図示しないが、左側の保持部１５０Ｌも同様に構成される。
【００５６】
図１１（ａ）〜（ｄ）は、取付部材２０２の構成を示す図で、図１１（ａ）は正面図、図１１（ｂ）は上面図、図１１（ｃ）は左側面図、図１１（ｄ）は右側面図である。取付部材２０２は、保持部１５０Ｒの円柱部材１７０Ｒに嵌合する嵌合部２３０と、取付部材２０２の前方端部に位置する機器接続部２５０とを有し、図１１（ａ）の正面視において、対称軸Ｓａに関して上下対称形状からなる。なお、機器接続部２５０は、図１２に示すように、円柱部材１７０Ｒへの取付部材２０２の装着状態における上面視において、テンプル部１２０Ｒと重なりを持つように設けられる。
【００５７】
そして、取付部材２０２を保持部１５０Ｒに装着する場合は、取付部材２０２を円柱部材１７０Ｒに対して軸線方向の後方にスライドさせて、嵌合部２３０を円柱部材１７０Ｒに嵌合させる。これにより、取付部材２０２を保持部１５０Ｒに容易に装着することができ、その装着状態の側面視において、取付部材２０２は、対称軸Ｓａが円柱部材１７０Ｒの軸線と一致して、テンプル部１２０Ｒの延在方向に対して前下がりに傾斜した状態となる。また、機器接続部２５０は、上面視において、図１２に示すように、テンプル部１２０Ｒと重なりを持つように位置することになる。したがって、第１実施の形態の場合と同様の効果が得られる。
【００５８】
また、取付部材２０２を保持部１５０Ｒから取り外す場合は、取付部材２０２を円柱部材１７０Ｒに対して軸線方向に前方にスライドさせて、円柱部材１７０Ｒに対する嵌合部２３０の嵌合を解除する。これにより、取付部材２０２を保持部１５０Ｒから容易に取り外すことができる。また、取付部材２０２を保持部１５０Ｌ（図１参照）に対して着脱する場合は、取付部材２０２の上下を反転させて、同様にして行うことができる。したがって、取付部材２０２の左右の交換装着も容易にできる。なお、取付部材２０２の嵌合部２３０は、保持部の円柱部材に弾性的に嵌合させて装着するようにしてもよい。
【００５９】
（第４実施の形態）
図１３〜図１５は、本発明の第４実施の形態に係るウェアラブル機器の取付構造を示すものである。以下、第１実施の形態と同一作用を成す構成要素には、同一参照符号を付して説明する。図１３（ａ）及び（ｂ）は、取付構造を示す側面図で、図１３（ａ）は取付部材２０３の装着状態を示し、図１３（ｂ）は取付部材２０３を取り外した状態を示している。本実施の形態に係る取付構造は、支持フレーム１０３の保持部１５０Ｒに、図１３（ｂ）に部分拡大斜視図をも示すように、テンプル部１２０Ｒに前方に開口して形成されたスリット１８０Ｒを有する。スリット１８０Ｒは、その延在方向がテンプル部１２０Ｒの延在方向に対して前下がりに傾斜している。図示しないが、左側の保持部１５０Ｌも同様に構成される。
【００６０】
図１４（ａ）〜（ｄ）は、取付部材２０３の構成を示す図で、図１４（ａ）は正面図、図１４（ｂ）は上面図、図１４（ｃ）は左側面図、図１４（ｄ）は右側面図である。取付部材２０３は、図１４（ａ）の正面視において、対称軸Ｓａに関して上下対称の楔形状からなる。また、取付部材２０３は、テンプル部１２０Ｒを外側及び内側から挟むように、図１４（ｂ）の上面視において、対称軸Ｓｂに関して前後対称、つまり、支持フレーム１０３への装着状態（使用状態）において左右対称の楔形状からなる。そして、図１４（ｂ）に示すように、楔形状の小寸法部には、テンプル部１２０Ｒを挟み込む空隙部２４０が形成され、楔形状の大寸法部の中央部には、機器接続部２５０が形成されている。また、空隙部２４０と機器接続部２５０との間の上下左右の中央部には、対称軸Ｓａ及びＳｂに沿って、保持部１５０Ｒのスリット１８０Ｒに嵌入する嵌入部２４１が形成されている。
【００６１】
そして、取付部材２０３を保持部１５０Ｒに装着する場合は、空隙部２４０に保持部１５０Ｒのテンプル部１２０Ｒを入り込ませた状態で、取付部材２０３をスリット１８０Ｒの延在方向の後方にスライドさせて、嵌入部２４１をスリット１８０Ｒに嵌入させる。これにより、取付部材２０３を保持部１５０Ｒに容易に装着することができる。なお、この際、テンプル部１２０Ｒのスリット１８０Ｒを構成する下側の辺を、図２（ｂ）のＶ字形状を形成する傾斜片１５１Ｒと同様に、テンプル部１２０Ｒから離れる方向に弾性変形可能として、嵌入部２４１をスリット１８０Ｒにおいて弾性的に挟持されるように構成してもよい。あるいは、空隙部２４０において、保持部１５０Ｒのテンプル部１２０Ｒを弾性的に挟持するように取付部材２０３を構成してもよい。
【００６２】
取付部材２０３は、保持部１５０Ｒへの装着により、側面視において、対称軸Ｓａがスリット１８０Ｒの延在方向と一致して、テンプル部１２０Ｒの延在方向に対して前下がりに傾斜した状態となる。また、取付部材２０３は、上面視において、図１５に示すように、テンプル部１２０Ｒと対称軸Ｓｂとが重なって、テンプル部１２０Ｒに対して左右対称に保持部１５０Ｒに装着され、機器接続部２５０がテンプル部１２０Ｒと重なりを持つように位置することになる。したがって、第１実施の形態の場合と同様の効果が得られる。
【００６３】
また、取付部材２０３を保持部１５０Ｒから取り外す場合は、取付部材２０３をスリット１８０Ｒに対して、その延在方向に前方にスライドさせてスリット１８０Ｒから嵌入部２４１を抜き出すことにより、取付部材２０３を保持部１５０Ｒから容易に取り外すことができる。また、取付部材２０３を保持部１５０Ｌ（図１参照）に対して着脱する場合は、取付部材２０３に接続されるウェアラブル機器に応じて、取付部材２０３の上下を反転させて、あるいは、反転させることなく、同様にして行うことができ、取付部材２０３の左右の交換装着も容易にできる。
【００６４】
すなわち、本実施の形態においては、取付部材２０３が上下左右に対称形状となっている。したがって、例えば、ウェアラブル機器が左右対称形状の場合は、取付部材２０３を上下反転することなく、他方の保持部に装着することが可能となる。これにより、ウェアラブル機器が、例えば、図６（ａ）及び（ｂ）に示したようにカメラ等の撮像装置３０１からなる場合は、撮影した映像を反転することなく利用することが可能となる。
【００６５】
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、支持フレームは、眼鏡フレーム形状に限らず、頭部への装着状態において左右の側頭部側に位置する左右のテンプル部を有する形状であれば、ヘッドセットタイプやゴーグルタイプ等の形状であってもよい。また、取付部材の保持部は、テンプル部の下側に限らず、上側に設けてもよい。
【符号の説明】
【００６６】
１００，１０１，１０２，１０３ 支持フレーム
１２０Ｌ，１２０Ｒ テンプル部
１５０Ｌ，１５０Ｒ 保持部
１５１Ｌ，１５１Ｒ 傾斜片
１５２Ｌ，１５２Ｒ 突部
１５３Ｌ，１５３Ｒ 係止部
１６０Ｒ 懸架部
１７０Ｒ 円柱部材
１８０Ｒ スリット
２００，２０１，２０２，２０３ 取付部材
２１１ 係合溝
２１２ 凹部
２１３Ｌ，２１３Ｒ 係止辺
２２０Ｌ，２２０Ｒ フック部
２３０ 嵌合部
２４０ 空隙部
２４１ 嵌入部
２５０ 機器接続部
３００ 表示装置
３０１ 撮像装置
４００ フレキシブル支持部
Ｓａ，Ｓｂ 対称軸
Ｅ 眼球
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ウェアラブル機器を頭部に装着可能な支持フレームに着脱自在に取り付けるための取付構造、支持フレーム及び取付部材に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
近年、頭部装着型表示装置等のウェアラブル機器を、頭部に装着可能な眼鏡フレーム等の支持フレームに取り付けて利用することが知られている（例えば、特許文献１参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２０１０−９１７４８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、特許文献１に開示のように、ウェアラブル機器を、アタッチメント等の取付部材を介して眼鏡フレームのテンプル部にビス等で固定して取り付ける場合は、眼鏡フレームに対する着脱作業が煩雑になるとともに、ウェアラブル機器の取付位置を左右交換する場合の作業も煩雑になる。
【０００５】
また、取付部材をテンプル部の外側に位置させてテンプル部に沿って固定すると、ウェアラブル機器の位置調整の際に、ウェアラブル機器がテンプル部と干渉して自由な位置調整が困難になるとともに、取付部材を含むウェアラブル機器の全体が、テンプル部の外側に大きく張り出すことになって、外観が損なわれて、見栄えが悪くなる。
【０００６】
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、頭部に装着可能な支持フレームに対してウェアラブル機器を容易に着脱できるとともに、装着位置の左右交換が容易にできるウェアラブル機器の取付構造、支持フレーム及び取付部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記目的を達成する本発明に係るウェアラブル機器の取付構造の要旨構成は、以下の通りである。
（１）使用者の頭部に装着可能な支持フレームにウェアラブル機器を取り付けるための取付構造であって、
前記支持フレームは、前記頭部への装着状態において左右の側頭部側に位置する左右のテンプル部と、左右の前記テンプル部に設けられた左右の保持部とを有し、
前記ウェアラブル機器は、取付部材に設けられた機器接続部に接続され、
前記取付部材は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における側面視において、線対称形状を有し、該線対称形状の対称軸が前記テンプル部に対して傾斜して、前記保持部に着脱自在に装着される、
ことを特徴とするものである。
【０００８】
（２）上記（１）に記載のウェアラブル機器の取付構造において、
前記保持部および前記取付部材の少なくとも一方は、少なくとも一部が前記取付部材を前記保持部に着脱する際に弾性変形可能な弾性部材からなる、
ことを特徴とするものである。
【０００９】
（３）上記（１）または（２）に記載のウェアラブル機器の取付構造において、
前記取付部材は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における側面視において、前記対称軸と直交する方向の寸法が、後方が小さく、前方が大きい形状であり、
前記機器接続部は、前記取付部材の前方側に設けられている、
ことを特徴とするものである。
【００１０】
（４）上記（３）に記載のウェアラブル機器の取付構造において、
前記保持部は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における側面視において、前方が開口したスリット形状からなり、
前記取付部材は、前記保持部に係合する溝または突起を備える、
ことを特徴とするものである。
【００１１】
（５）上記（３）に記載のウェアラブル機器の取付構造において、
前記保持部は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における側面視において、前方側が開口したＶ字形状からなり、
前記取付部材は、前記保持部に係合する楔形状からなる、
ことを特徴とするものである。
【００１２】
（６）上記（１）〜（５）のいずれかに記載のウェアラブル機器の取付構造において、
前記取付部材は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における上面視において、線対称形状を有し、該線対称形状の対称軸が前記テンプル部に略重なる、
ことを特徴とするものである。
【００１３】
（７）上記（４）または（５）に記載のウェアラブル機器の取付構造において、
前記保持部は、一方の辺が前記テンプル部からなり、他方の辺が該テンプル部から傾斜して突出する弾性変形可能な傾斜片からなる、
ことを特徴とするものである。
【００１４】
（８）上記（７）に記載のウェアラブル機器の取付構造において、
前記保持部は、前記テンプル部側に突部または凹部を有し、
前記取付部材は、前記テンプル部側の前記突部または凹部に係合する凹部または突部を有する、
ことを特徴とするものである。
【００１５】
（９）上記（１）〜（８）のいずれかに記載のウェアラブル機器の取付構造において、
前記機器接続部は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における上面視において、前記テンプル部と重なりを持つように位置する、
ことを特徴とするものである。
【００１６】
（１０）上記（１）〜（９）のいずれかに記載のウェアラブル機器の取付構造において、
前記取付部材は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における側面視において、前記対称軸の延長線上に前記使用者の眼球のほぼ中心が重なるように前記保持部に装着される、
ことを特徴とするものである。
【００１７】
更に、上記目的を達成する本発明に係るウェアラブル機器の支持フレームの要旨構成は、以下の通りである。
（１１）使用者の頭部に装着可能で、ウェアラブル機器を取り付けるための支持フレームであって、
前記頭部への装着状態において左右の側頭部側に位置する左右のテンプル部と、
左右の前記テンプル部に設けられ、ウェアラブル機器が接続された取付部材が着脱自在に装着される左右の保持部と、を有し、
前記保持部は、当該支持フレームの前記頭部への装着状態における側面視において、前方側が開口したＶ字形状またはスリット形状からなる、
ことを特徴とするものである。
【００１８】
（１２）上記（１１）に記載のウェアラブル機器の支持フレームにおいて、
前記開口は、前記テンプル部の下側に配置されている、
ことを特徴とするものである。
【００１９】
（１３）上記（１１）または（１２）に記載のウェアラブル機器の支持フレームにおいて、
前記保持部は、一方の辺が前記テンプル部からなり、他方の辺が該テンプル部から傾斜して突出する弾性変形可能な傾斜片からなる、
ことを特徴とするものである。
【００２０】
（１４）上記（１３）に記載のウェアラブル機器の支持フレームにおいて、
前記保持部は、前記テンプル部側に、前記取付部材側の突部または凹部に係合する凹部または突部を有する、
ことを特徴とするものである。
【００２１】
更に、上記目的を達成する本発明に係るウェアラブル機器の取付部材の要旨構成は、以下の通りである。
（１５）ウェアラブル機器が接続され、使用者の頭部に装着可能な支持フレームに着脱自在に装着される取付部材であって、
前記支持フレームへの装着状態における側面視において線対称形状を有し、該線対称形状の対称軸上に前記ウェアラブル機器の機器接続部を有する、
ことを特徴とするものである。
【００２２】
（１６）上記（１５）に記載のウェアラブル機器の取付部材において、
前記線対称形状は楔形状からなる、
ことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【００２３】
本発明によれば、頭部に装着可能な支持フレームに対してウェアラブル機器を容易に着脱できるとともに、装着位置の左右交換が容易にできるウェアラブル機器の取付構造、支持フレーム及び取付部材を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２４】
【図１】本発明の第１実施の形態に係るウェアラブル機器の取付構造を説明するための斜視図である。
【図２】図１の取付構造を示す側面図である。
【図３】図１の取付部材の構成を示す図である。
【図４】図１の取付部材の装着状態における対称軸と使用者の眼球との位置関係を説明するための図である。
【図５】図１の取付構造によりウェアラブル機器である表示装置が装着された場合を示す図である。
【図６】図１の取付構造によりウェアラブル機器である撮像装置が装着された場合を示す図である。
【図７】図１の取付構造によりウェアラブル機器が左右に交換装着された場合を示す図である。
【図８】本発明の第２実施の形態に係るウェアラブル機器の取付構造を示す側面図である。
【図９】図８の取付部材の構成を示す図である。
【図１０】本発明の第３実施の形態に係るウェアラブル機器の取付構造を示す側面図である。
【図１１】図１０の取付部材の構成を示す図である。
【図１２】図１０の取付構造の部分上面図である。
【図１３】本発明の第４実施の形態に係るウェアラブル機器の取付構造を示す側面図である。
【図１４】図１３の取付部材の構成を示す図である。
【図１５】図１３の取付構造の部分上面図である。
【発明を実施するための形態】
【００２５】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
【００２６】
（第１実施の形態）
図１〜図７は、本発明の第１実施の形態に係るウェアラブル機器の取付構造を示すものである。本実施の形態に係る取付構造は、図１に斜視図を示すように、支持フレーム１００と取付部材２００とを有している。支持フレーム１００は、眼鏡フレーム形状からなり、使用者の頭部への装着状態において、顔面側に位置するフロント部１１０と、該フロント部１１０の左右に接続されて左右の側頭部側に位置する左右のテンプル部１２０Ｌ，１２０Ｒと、テンプル部１２０Ｌ，１２０Ｒの後端部に形成された左右のモダン部１３０Ｌ，１３０Ｒと、を有する。フロント部１１０には、左右の眼鏡レンズ１４０Ｌ，１４０Ｒが装着される。なお、眼鏡レンズ１４０Ｌ，１４０Ｒは、レンズ機能を有しない単なる光透過部材の場合もある。左右のテンプル部１２０Ｌ，１２０Ｒには、モダン部１３０Ｌ，１３０Ｒ側に左右の保持部１５０Ｌ，１５０Ｒが設けられている。
【００２７】
取付部材２００は、支持フレーム１００の左右の保持部１５０Ｌ，１５０Ｒに着脱自在に装着される。図１は、右側の保持部１５０Ｒに、取付部材２００を装着する場合を例示している。
【００２８】
以下、各部の構成について、更に詳細に説明する。
【００２９】
支持フレーム１００の左右の保持部１５０Ｌ，１５０Ｒは、同様に構成される。以下、右側の保持部１５０Ｒに関して説明し、左側の保持部１５０Ｒに関しては、詳細な説明を省略する。図２（ａ）及び（ｂ）は、取付構造を示す側面図で、図２（ａ）は取付部材２００の装着状態を示し、図２（ｂ）は取付部材２００を取り外した状態を示している。
【００３０】
保持部１５０Ｒは、前方側が開口したＶ字形状からなっている。この保持部１５０ＲのＶ字形状の一方の辺は、テンプル部１２０Ｒからなり、他方の辺は、テンプル部１２０Ｒの延在方向に対して前下がりに傾斜して突出する傾斜片１５１Ｒからなる。そして、少なくとも傾斜片１５１Ｒは、テンプル部１２０Ｒから離れる方向に弾性変形可能となっている。
【００３１】
また、保持部１５０Ｒのテンプル部１２０Ｒ側には、保持部１５０Ｒからの取付部材２００の脱落を防止するため、好ましくは保持部１５０Ｒの前方側に、傾斜片１５１Ｒ側に突出して突部１５２Ｒが形成されているとともに、保持部１５０Ｒの前方端部に取付部材２００の係止部１５３Ｒが形成されている。なお、保持部１５０Ｒを構成する部分のテンプル部１２０Ｒ及び傾斜片１５１Ｒは、水平方向の寸法（厚み）がほぼ同じに形成されている。
【００３２】
図３（ａ），（ｂ）及び（ｃ）は、取付部材２００の構成を示す図で、図３（ａ）は正面図、図３（ｂ）は上面図、図３（ｃ）は右側面図である。取付部材２００は、線対称形状からなり、左右の保持部１５０Ｌ，１５０Ｒに選択的に装着可能である。以下、主として右側の保持部１５０Ｒに装着される場合について説明し、左側の保持部１５０Ｒに装着される場合に関しては、適宜、説明を省略する。
【００３３】
取付部材２００は、線対称形状の対称軸Ｓａがテンプル部１２０Ｒの延在方向に対して前下がりに傾斜して、保持部１５０Ｒに着脱自在に装着される。本実施の形態では、保持部１５０ＲがＶ字形状を有しているので、取付部材２００は、保持部１５０Ｒへの装着状態における側面視において、対称軸Ｓａと直交する方向の寸法が、後方が小さく、前方が大きくなる楔形状からなる。
【００３４】
取付部材２００には、図３（ｂ）及び（ｃ）に示すように、上面及び下面に、保持部１５０Ｒに係合可能な、ほぼ同じ深さ及び幅を有する係合溝２１１が左右端に連通して形成されている。また、上面の係合溝２１１には、図３（ｂ）に示すように、保持部１５０Ｒの突部１５２Ｒに嵌合可能な凹部２１２が形成されている。なお、図示しないが、下面の係合溝２１１にも、同様に、左側の保持部１５０Ｌの突部１５２Ｌ（図１参照）に嵌合可能な凹部が形成されている。
【００３５】
また、取付部材２００には、楔形状の大寸法部側に、保持部１５０Ｒへの装着状態において、テンプル部１２０Ｒの係止部１５３Ｒに係合する係止辺２１３Ｒが形成されているとともに、保持部１５０Ｌへの装着状態において、テンプル部１２０Ｌの係止部１５３Ｌ（図７（ｂ）参照）に係合する係止辺２１３Ｌが形成されている。
【００３６】
更に、取付部材２００には、図３（ｃ）に示すように、楔形状の大寸法部側の端面に、図３（ａ）に示す正面視において対称軸Ｓａと重なり、保持部１５０Ｒへの装着状態の上面視において、テンプル部１２０Ｒと重なりを持つように、ウェアラブル機器の機器接続部２５０が形成されている。機器接続部２５０は、例えば、対称軸Ｓａに沿って穿設された穴部からなり、この穴部にウェアラブル機器の棒状の支持部が挿入固定されて、ウェアラブル機器が取付部材２００に接続されるようになっている。
【００３７】
上述したように、本実施の形態に係るウェアラブル機器の取付構造は、眼鏡フレーム形状の支持フレーム１００の左右のテンプル部１２０Ｌ，１２０Ｒに、それぞれ前方に開口したＶ字形状の保持部１５０Ｌ，１５０Ｒを有している。そして、ウェアラブル機器が接続される取付部材２００は、Ｖ字形状と相似の上下対称の楔形状からなり、保持部１５０Ｌ，１５０Ｒに着脱自在に装着される。
【００３８】
ここで、取付部材２００を保持部１５０Ｒに装着する場合は、傾斜片１５１Ｒの弾性力に抗して、取付部材２００を前方側から後方側に向けて保持部１５０Ｒに挿入する。これにより、取付部材２００の上面に形成された係合溝２１１を保持部１５０Ｒのテンプル部１２０Ｒに係合させ、下面の係合溝２１１を傾斜片１５１Ｒに係合させる。また、テンプル部１２０Ｒに形成された突部１５２Ｒを、取付部材２００の上面の係合溝２１１に形成された凹部２１２に嵌め込み、取付部材２００の係止辺２１３Ｒをテンプル部１２０Ｒの係止部１５３Ｒに係止させる。これにより、取付部材２００を保持部１５０Ｒに容易に装着することが可能となる。
【００３９】
また、支持フレーム１００が眼鏡フレーム形状からなる場合は、耳に掛け易いように、一般に、テンプル部１２０Ｌ，１２０Ｒは、モダン部１３０Ｌ，１３０Ｒ側が細く形成される。本実施の形態においては、保持部１５０Ｌ，１５０Ｒが、テンプル部１２０Ｌ，１２０Ｒのモダン部１３０Ｌ，１３０Ｒ側に設けられている。そして、取付部材２００は、テンプル部１２０Ｌ，１２０ＲのＶ字形状に整合するように楔形状からなり、その寸法の小さい部分（小寸法部）がテンプル部１２０Ｌ，１２０Ｒの後方に、寸法の大きい部分（大寸法部）がテンプル部１２０Ｌ，１２０Ｒの前方に位置して装着される。したがって、支持フレーム１００への取付部材２００の収まりがよく、支持フレーム１００の外観の悪化が抑えられる。また、取付部材２００の大寸法部側の端面に、ウェアラブル機器の機器接続部２５０が形成されているので、ウェアラブル機器の接続も容易になる。
【００４０】
また、取付部材２００は、コンパクトでありながら支持フレーム１００との接地面を大きく取れる。したがって、保持部１５０Ｌ，１５０Ｒがモダン部１３０Ｌ，１３０Ｒ側に設けられていることと相俟って、支持フレーム１００の頭部への装着状態において、取付部材２００の一部を支持フレーム１００と側頭部との間に挟持できるので、取付部材２００を保持部１５０Ｒに脱落することなく確実に装着でき、コンパクトで一体的な外観デザインが実現される。なお、取付部材２００は、予めウェアラブル機器が接続されたものを保持部１５０Ｌ，１５０Ｒに装着することも可能である。
【００４１】
また、取付部材２００を保持部１５０Ｒから取り外す場合は、傾斜片１５１Ｒを弾性力に抗して下方に回動させて、テンプル部１２０Ｒの突部１５２Ｒを、係合溝２１１の凹部２１２から外し、その後、取付部材２００を前方側に移動させることにより、容易に取り外すことができる。
【００４２】
また、取付部材２００は、例えば、保持部１５０Ｒに装着された場合、線対称形状の対称軸Ｓａがテンプル部１２０Ｒの延在方向に対して前下がりに傾斜する。これにより、テンプル部１２０Ｒと機器接続部２５０の高さを異なる位置にすることができるので、当該機器接続部２５０に、例えば棒状のフレキシブル支持部を介してウェアラブル機器が接続された場合、ウェアラブル機器をテンプル部１２０Ｒに干渉することなく、左右または上下に位置調整することが可能となる。
【００４３】
ここで、取付部材２００は、図４に示すように、例えば保持部１５０Ｒへの装着状態における側面視において、対称軸Ｓａの延長線上に使用者（装着者）の眼球Ｅのほぼ中心（眼球中心）Ｅｏが重なるのが好ましい。このようにすれば、例えば、図５（ａ）に側面図を示すように、ウェアラブル機器として表示装置３００が棒状のフレキシブル支持部４００を介して対称軸Ｓａに沿って接続された場合、フレキシブル支持部４００の直線状態における表示装置３００の光軸の眼球Ｅに対する角度は、取付部材２００の対称軸Ｓａの傾きと一致する。これにより、表示装置３００による虚像の表示位置が正面方向よりもやや下方に設定されて、表示装置３００による映像が表示されるので、長時間の観察でも見やすく、疲れにくい表示映像を提示することが可能となる。
【００４４】
また、取付部材２００の機器接続部２５０は、例えば保持部１５０Ｒへの装着状態での上面視において、図５（ｂ）に示すように、テンプル部１２０Ｒと重なりを持つように位置する。したがって、テンプル部１２０Ｒから外側への取付部材２００及びフレキシブル支持部４００の張り出しを小さくできるので、外観上好ましい。
【００４５】
また、機器接続部２５０がテンプル部１２０Ｒの下側に位置していることから、特に、フレキシブル支持部４００により表示装置３００の表示位置を左右方向に調整する際や、下方へ調整する際に、テンプル部１２０Ｒと干渉することがない。したがって、例えば、モバイルで使用する場合、正面視界を確保しながら、表示画面を邪魔にならない視野の周辺に配置できることができ、特に視野の左右の外側や視野の下方へ表示させることで、見やすさと視界確保とを両立することができて好ましい。また、このように、フレキシブル支持部４００を介して表示装置３００を取付部材２００に接続することで、表示位置を自由に直感的に調整することが可能となる。
【００４６】
また、図６（ａ）及び（ｂ）に示すように、ウェアラブル機器がカメラ等の撮像装置３０１からなる場合、図６（ａ）に示すように、対称軸Ｓａの延長線上に使用者の眼球中心Ｅｏがほぼ重なると、フレキシブル支持部４００の直線状態における撮像装置３０１の中心線と対称軸Ｓａとがほぼ一致する。これにより、使用者の目線に近い映像を撮影することが可能となる。また、撮像装置３０１の位置を上下左右方向に調整することにより、任意の目線方向での映像を撮影することが可能となる。しかも、取付部材２００の対称軸Ｓａがテンプル部１２０Ｒに対して傾斜しているので、撮像装置３０１の位置調整の際、撮像装置３０１やフレキシブル支持部４００のテンプル部１２０Ｒへの干渉を軽減することが可能となる。
【００４７】
以上、取付部材２００を、主として右側の保持部１５０Ｒに対して着脱する場合について説明したが、取付部材２００を左側の保持部１５０Ｌに対して着脱する場合は、右側の保持部１５０Ｒに対する着脱の場合とは、取付部材２００の上下を反転させることで、同様にして行うことができる。これにより、図７（ａ）に示す右側の保持部１５０Ｒへの装着と、図７（ｂ）に示す左側の保持部１５０Ｌへの装着との左右の交換装着を容易に行うことが可能となり、左右の装着において同様の作用効果が得られる。なお、例えば、図７（ａ）及び（ｂ）において、ウェアラブル機器を棒状のフレキシブル支持部４００を介して取付部材２００の機器接続部２５０に接続した状態で、左右の交換装着を行う場合は、ウェアラブル機器やフレキシブル支持部４００も、上下対称形状とするのが外観上好ましい。
【００４８】
また、上述したように、支持フレーム１００は、左右の保持部１５０Ｌ，１５０Ｒを有するので、例えば、保持部１５０Ｌ，１５０Ｒの双方に取付部材２００を装着し、ウェアラブル機器の使用時にのみ、少なくとも一方の取付部材２００にウェアラブル機器を取り付けることも可能である。これにより、ウェアラブル機器の未使用時及び使用時の支持フレーム１００の外観を好ましい形状とすることが可能となる。
【００４９】
なお、上記の説明では、ウェアラブル機器がフレキシブル支持部４００を介して取付部材２００の機器接続部２５０に接続されるものとしたが、ウェアラブル機器は剛体の支持部を介して取付部材２００の機器接続部２５０に接続されてもよい。
【００５０】
（第２実施の形態）
図８及び図９は、本発明の第２実施の形態に係るウェアラブル機器の取付構造を示すものである。以下、第１実施の形態と同一作用を成す構成要素には、同一参照符号を付して説明する。本実施の形態に係る取付構造は、支持フレーム１０１の保持部１５０Ｌ，１５０Ｒに対して取付部材２０１を着脱自在に懸架して装着可能としたものである。
【００５１】
図８（ａ）及び（ｂ）は、取付構造を示す側面図で、図８（ａ）は取付部材２０１の装着状態を示し、図８（ｂ）は取付部材２０１を取り外した状態を示している。保持部１５０Ｒは、取付部材２０１が着脱自在に懸架される懸架部１６０Ｒを有している。懸架部１６０Ｒは、テンプル部１２０Ｒの上面の一部を段差状（凹状）に切り欠いた形状に形成されており、取付部材２０１が装着された状態で、取付部材２０１の上面とテンプル部１２０Ｒの上面とがほぼ同一面となるように形成されている。図示しないが、左側の保持部１５０Ｌも同様に構成される。
【００５２】
図９（ａ），（ｂ）及び（ｃ）は、取付部材２０１の構成を示す図で、図９（ａ）は正面図、図９（ｂ）は上面図、図９（ｃ）は右側面図である。取付部材２０１は、第１実施の形態と同様、図９（ａ）の正面視において、対称軸Ｓａを有する上下対称の楔形状からなり、その大寸法部側の端面に、ウェアラブル機器の機器接続部２５０が形成されている。そして、取付部材２０１の背面側の上部及び下部に、それぞれ左右端に連通する凹部を有し、保持部１５０Ｒ，１５０Ｌの懸架部１６０Ｒ，１６０Ｌ（図示せず）に着脱自在に懸架されるフック部２２０Ｒ，２２０Ｌが形成されている。
【００５３】
そして、取付部材２０１を保持部１５０Ｒに装着する場合は、図９において、上部のフック部２２０Ｒを保持部１５０Ｒの懸架部１６０に懸架し、保持部１５０Ｌ（図１参照）に装着する場合は、下部のフック部２２０Ｌを上下反転させて、保持部１５０Ｌの懸架部１６０Ｌ（図示せず）に懸架する。これにより、取付部材２０１を、例えば図８（ａ）に示すように、対称軸Ｓａがテンプル部１２０Ｒの延在方向に対して前下がりに傾斜して保持部１５０Ｒに装着することができる。
【００５４】
本実施の形態においては、取付部材２０１の背面側に、保持部１５０Ｌ，１５０Ｒへのフック部２２０Ｌ，２２０Ｒが設けられるため、例えば保持部１５０Ｌへの装着状態の上面視において、テンプル部１２０Ｒと機器接続部２５０とが重ならない。そのため、機器接続部２５０に接続されるウェアラブル機器が外側に若干張り出すことになる。しかし、その点を除けば、第１実施の形態と同様の効果が得られる。特に、本実施の形態に係る取付構造は、取付部材２０１を保持部１５０Ｌまたは１５０Ｒに懸架して、つまり引っ掛けて装着するので、着脱がより容易になり、左右の交換装着も容易になる。また、支持フレーム１０１の保持部１５０Ｌ，１５０Ｒを簡単に形成できる利点もある。なお、フック部２２０Ｌ，２２０Ｒは、弾性変形可能に構成して、対応する保持部の懸架部を弾性的に挟持して装着するようにしてもよい。
【００５５】
（第３実施の形態）
図１０〜図１２は、本発明の第３実施の形態に係るウェアラブル機器の取付構造を示すものである。以下、第１実施の形態と同一作用を成す構成要素には、同一参照符号を付して説明する。図１０（ａ）及び（ｂ）は、取付構造を示す側面図で、図１０（ａ）は取付部材２０２の装着状態を示し、図１０（ｂ）は取付部材２０２を取り外した状態を示している。本実施の形態に係る取付構造は、支持フレーム１０２の保持部１５０Ｒに、図１０（ｂ）に部分拡大斜視図をも示すように、テンプル部１２０Ｒの外側に設けられた円柱部材１７０Ｒを有する。円柱部材１７０Ｒは、その軸線方向がテンプル部１２０Ｒの延在方向に対して前下がりに傾斜している。図示しないが、左側の保持部１５０Ｌも同様に構成される。
【００５６】
図１１（ａ）〜（ｄ）は、取付部材２０２の構成を示す図で、図１１（ａ）は正面図、図１１（ｂ）は上面図、図１１（ｃ）は左側面図、図１１（ｄ）は右側面図である。取付部材２０２は、保持部１５０Ｒの円柱部材１７０Ｒに嵌合する嵌合部２３０と、取付部材２０２の前方端部に位置する機器接続部２５０とを有し、図１１（ａ）の正面視において、対称軸Ｓａに関して上下対称形状からなる。なお、機器接続部２５０は、図１２に示すように、円柱部材１７０Ｒへの取付部材２０２の装着状態における上面視において、テンプル部１２０Ｒと重なりを持つように設けられる。
【００５７】
そして、取付部材２０２を保持部１５０Ｒに装着する場合は、取付部材２０２を円柱部材１７０Ｒに対して軸線方向の後方にスライドさせて、嵌合部２３０を円柱部材１７０Ｒに嵌合させる。これにより、取付部材２０２を保持部１５０Ｒに容易に装着することができ、その装着状態の側面視において、取付部材２０２は、対称軸Ｓａが円柱部材１７０Ｒの軸線と一致して、テンプル部１２０Ｒの延在方向に対して前下がりに傾斜した状態となる。また、機器接続部２５０は、上面視において、図１２に示すように、テンプル部１２０Ｒと重なりを持つように位置することになる。したがって、第１実施の形態の場合と同様の効果が得られる。
【００５８】
また、取付部材２０２を保持部１５０Ｒから取り外す場合は、取付部材２０２を円柱部材１７０Ｒに対して軸線方向に前方にスライドさせて、円柱部材１７０Ｒに対する嵌合部２３０の嵌合を解除する。これにより、取付部材２０２を保持部１５０Ｒから容易に取り外すことができる。また、取付部材２０２を保持部１５０Ｌ（図１参照）に対して着脱する場合は、取付部材２０２の上下を反転させて、同様にして行うことができる。したがって、取付部材２０２の左右の交換装着も容易にできる。なお、取付部材２０２の嵌合部２３０は、保持部の円柱部材に弾性的に嵌合させて装着するようにしてもよい。
【００５９】
（第４実施の形態）
図１３〜図１５は、本発明の第４実施の形態に係るウェアラブル機器の取付構造を示すものである。以下、第１実施の形態と同一作用を成す構成要素には、同一参照符号を付して説明する。図１３（ａ）及び（ｂ）は、取付構造を示す側面図で、図１３（ａ）は取付部材２０３の装着状態を示し、図１３（ｂ）は取付部材２０３を取り外した状態を示している。本実施の形態に係る取付構造は、支持フレーム１０３の保持部１５０Ｒに、図１３（ｂ）に部分拡大斜視図をも示すように、テンプル部１２０Ｒに前方に開口して形成されたスリット１８０Ｒを有する。スリット１８０Ｒは、その延在方向がテンプル部１２０Ｒの延在方向に対して前下がりに傾斜している。図示しないが、左側の保持部１５０Ｌも同様に構成される。
【００６０】
図１４（ａ）〜（ｄ）は、取付部材２０３の構成を示す図で、図１４（ａ）は正面図、図１４（ｂ）は上面図、図１４（ｃ）は左側面図、図１４（ｄ）は右側面図である。取付部材２０３は、図１４（ａ）の正面視において、対称軸Ｓａに関して上下対称の楔形状からなる。また、取付部材２０３は、テンプル部１２０Ｒを外側及び内側から挟むように、図１４（ｂ）の上面視において、対称軸Ｓｂに関して前後対称、つまり、支持フレーム１０３への装着状態（使用状態）において左右対称の楔形状からなる。そして、図１４（ｂ）に示すように、楔形状の小寸法部には、テンプル部１２０Ｒを挟み込む空隙部２４０が形成され、楔形状の大寸法部の中央部には、機器接続部２５０が形成されている。また、空隙部２４０と機器接続部２５０との間の上下左右の中央部には、対称軸Ｓａ及びＳｂに沿って、保持部１５０Ｒのスリット１８０Ｒに嵌入する嵌入部２４１が形成されている。
【００６１】
そして、取付部材２０３を保持部１５０Ｒに装着する場合は、空隙部２４０に保持部１５０Ｒのテンプル部１２０Ｒを入り込ませた状態で、取付部材２０３をスリット１８０Ｒの延在方向の後方にスライドさせて、嵌入部２４１をスリット１８０Ｒに嵌入させる。これにより、取付部材２０３を保持部１５０Ｒに容易に装着することができる。なお、この際、テンプル部１２０Ｒのスリット１８０Ｒを構成する下側の辺を、図２（ｂ）のＶ字形状を形成する傾斜片１５１Ｒと同様に、テンプル部１２０Ｒから離れる方向に弾性変形可能として、嵌入部２４１をスリット１８０Ｒにおいて弾性的に挟持されるように構成してもよい。あるいは、空隙部２４０において、保持部１５０Ｒのテンプル部１２０Ｒを弾性的に挟持するように取付部材２０３を構成してもよい。
【００６２】
取付部材２０３は、保持部１５０Ｒへの装着により、側面視において、対称軸Ｓａがスリット１８０Ｒの延在方向と一致して、テンプル部１２０Ｒの延在方向に対して前下がりに傾斜した状態となる。また、取付部材２０３は、上面視において、図１５に示すように、テンプル部１２０Ｒと対称軸Ｓｂとが重なって、テンプル部１２０Ｒに対して左右対称に保持部１５０Ｒに装着され、機器接続部２５０がテンプル部１２０Ｒと重なりを持つように位置することになる。したがって、第１実施の形態の場合と同様の効果が得られる。
【００６３】
また、取付部材２０３を保持部１５０Ｒから取り外す場合は、取付部材２０３をスリット１８０Ｒに対して、その延在方向に前方にスライドさせてスリット１８０Ｒから嵌入部２４１を抜き出すことにより、取付部材２０３を保持部１５０Ｒから容易に取り外すことができる。また、取付部材２０３を保持部１５０Ｌ（図１参照）に対して着脱する場合は、取付部材２０３に接続されるウェアラブル機器に応じて、取付部材２０３の上下を反転させて、あるいは、反転させることなく、同様にして行うことができ、取付部材２０３の左右の交換装着も容易にできる。
【００６４】
すなわち、本実施の形態においては、取付部材２０３が上下左右に対称形状となっている。したがって、例えば、ウェアラブル機器が左右対称形状の場合は、取付部材２０３を上下反転することなく、他方の保持部に装着することが可能となる。これにより、ウェアラブル機器が、例えば、図６（ａ）及び（ｂ）に示したようにカメラ等の撮像装置３０１からなる場合は、撮影した映像を反転することなく利用することが可能となる。
【００６５】
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、支持フレームは、眼鏡フレーム形状に限らず、頭部への装着状態において左右の側頭部側に位置する左右のテンプル部を有する形状であれば、ヘッドセットタイプやゴーグルタイプ等の形状であってもよい。また、取付部材の保持部は、テンプル部の下側に限らず、上側に設けてもよい。
【符号の説明】
【００６６】
１００，１０１，１０２，１０３ 支持フレーム
１２０Ｌ，１２０Ｒ テンプル部
１５０Ｌ，１５０Ｒ 保持部
１５１Ｌ，１５１Ｒ 傾斜片
１５２Ｌ，１５２Ｒ 突部
１５３Ｌ，１５３Ｒ 係止部
１６０Ｒ 懸架部
１７０Ｒ 円柱部材
１８０Ｒ スリット
２００，２０１，２０２，２０３ 取付部材
２１１ 係合溝
２１２ 凹部
２１３Ｌ，２１３Ｒ 係止辺
２２０Ｌ，２２０Ｒ フック部
２３０ 嵌合部
２４０ 空隙部
２４１ 嵌入部
２５０ 機器接続部
３００ 表示装置
３０１ 撮像装置
４００ フレキシブル支持部
Ｓａ，Ｓｂ 対称軸
Ｅ 眼球
【特許請求の範囲】
【請求項１】
使用者の頭部に装着可能な支持フレームにウェアラブル機器を取り付けるための取付構造であって、
前記支持フレームは、前記頭部への装着状態において左右の側頭部側に位置する左右のテンプル部と、左右の前記テンプル部に設けられた左右の保持部とを有し、
前記ウェアラブル機器は、取付部材に設けられた機器接続部に接続され、
前記取付部材は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における側面視において、線対称形状を有し、該線対称形状の対称軸が前記テンプル部に対して傾斜して、前記保持部に着脱自在に装着される、
ことを特徴とするウェアラブル機器の取付構造。
【請求項２】
前記保持部および前記取付部材の少なくとも一方は、少なくとも一部が前記取付部材を前記保持部に着脱する際に弾性変形可能な弾性部材からなる、
ことを特徴とする請求項１に記載のウェアラブル機器の取付構造。
【請求項３】
前記取付部材は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における側面視において、前記対称軸と直交する方向の寸法が、後方が小さく、前方が大きい形状であり、
前記機器接続部は、前記取付部材の前方側に設けられている、
ことを特徴とする請求項１または２に記載のウェアラブル機器の取付構造。
【請求項４】
前記保持部は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における側面視において、前方が開口したスリット形状からなり、
前記取付部材は、前記保持部に係合する溝または突起を備える、
ことを特徴とする請求項３に記載のウェアラブル機器の取付構造。
【請求項５】
前記保持部は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における側面視において、前方側が開口したＶ字形状からなり、
前記取付部材は、前記保持部に係合する楔形状からなる、
ことを特徴とする請求項３に記載のウェアラブル機器の取付構造。
【請求項６】
前記取付部材は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における上面視において、線対称形状を有し、該線対称形状の対称軸が前記テンプル部に略重なる、
ことを特徴とする請求項１〜５のいずれか一項に記載のウェアラブル機器の取付構造。
【請求項７】
前記保持部は、一方の辺が前記テンプル部からなり、他方の辺が該テンプル部から傾斜して突出する弾性変形可能な傾斜片からなる、
ことを特徴とする請求項４または５に記載のウェアラブル機器の取付構造。
【請求項８】
前記保持部は、前記テンプル部側に突部または凹部を有し、
前記取付部材は、前記テンプル部側の前記突部または凹部に係合する凹部または突部を有する、
ことを特徴とする請求項７に記載のウェアラブル機器の取付構造。
【請求項９】
前記機器接続部は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における上面視において、前記テンプル部と重なりを持つように位置する、
ことを特徴とする請求項１〜８のいずれか一項に記載のウェアラブル機器の取付構造。
【請求項１０】
前記取付部材は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における側面視において、前記対称軸の延長線上に前記使用者の眼球のほぼ中心が重なるように前記保持部に装着される、
ことを特徴とする請求項１〜９のいずれか一項に記載のウェアラブル機器の取付構造。
【請求項１１】
使用者の頭部に装着可能で、ウェアラブル機器を取り付けるための支持フレームであって、
前記頭部への装着状態において左右の側頭部側に位置する左右のテンプル部と、
左右の前記テンプル部に設けられ、ウェアラブル機器が接続された取付部材が着脱自在に装着される左右の保持部と、を有し、
前記保持部は、当該支持フレームの前記頭部への装着状態における側面視において、前方側が開口したＶ字形状またはスリット形状からなる、
ことを特徴とするウェアラブル機器の支持フレーム。
【請求項１２】
前記開口は、前記テンプル部の下側に配置されている、
ことを特徴とする請求項１１に記載のウェアラブル機器の支持フレーム。
【請求項１３】
前記保持部は、一方の辺が前記テンプル部からなり、他方の辺が該テンプル部から傾斜して突出する弾性変形可能な傾斜片からなる、
ことを特徴とする請求項１１または１２に記載のウェアラブル機器の支持フレーム。
【請求項１４】
前記保持部は、前記テンプル部側に、前記取付部材側の突部または凹部に係合する凹部または突部を有する、
ことを特徴とする請求項１３に記載のウェアラブル機器の支持フレーム。
【請求項１５】
ウェアラブル機器が接続され、使用者の頭部に装着可能な支持フレームに着脱自在に装着される取付部材であって、
前記支持フレームへの装着状態における側面視において線対称形状を有し、該線対称形状の対称軸上に前記ウェアラブル機器の機器接続部を有する、
ことを特徴とするウェアラブル機器の取付部材。
【請求項１６】
前記線対称形状は楔形状からなる、
ことを特徴とする請求項１５に記載のウェアラブル機器の取付部材。
【請求項１】
使用者の頭部に装着可能な支持フレームにウェアラブル機器を取り付けるための取付構造であって、
前記支持フレームは、前記頭部への装着状態において左右の側頭部側に位置する左右のテンプル部と、左右の前記テンプル部に設けられた左右の保持部とを有し、
前記ウェアラブル機器は、取付部材に設けられた機器接続部に接続され、
前記取付部材は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における側面視において、線対称形状を有し、該線対称形状の対称軸が前記テンプル部に対して傾斜して、前記保持部に着脱自在に装着される、
ことを特徴とするウェアラブル機器の取付構造。
【請求項２】
前記保持部および前記取付部材の少なくとも一方は、少なくとも一部が前記取付部材を前記保持部に着脱する際に弾性変形可能な弾性部材からなる、
ことを特徴とする請求項１に記載のウェアラブル機器の取付構造。
【請求項３】
前記取付部材は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における側面視において、前記対称軸と直交する方向の寸法が、後方が小さく、前方が大きい形状であり、
前記機器接続部は、前記取付部材の前方側に設けられている、
ことを特徴とする請求項１または２に記載のウェアラブル機器の取付構造。
【請求項４】
前記保持部は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における側面視において、前方が開口したスリット形状からなり、
前記取付部材は、前記保持部に係合する溝または突起を備える、
ことを特徴とする請求項３に記載のウェアラブル機器の取付構造。
【請求項５】
前記保持部は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における側面視において、前方側が開口したＶ字形状からなり、
前記取付部材は、前記保持部に係合する楔形状からなる、
ことを特徴とする請求項３に記載のウェアラブル機器の取付構造。
【請求項６】
前記取付部材は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における上面視において、線対称形状を有し、該線対称形状の対称軸が前記テンプル部に略重なる、
ことを特徴とする請求項１〜５のいずれか一項に記載のウェアラブル機器の取付構造。
【請求項７】
前記保持部は、一方の辺が前記テンプル部からなり、他方の辺が該テンプル部から傾斜して突出する弾性変形可能な傾斜片からなる、
ことを特徴とする請求項４または５に記載のウェアラブル機器の取付構造。
【請求項８】
前記保持部は、前記テンプル部側に突部または凹部を有し、
前記取付部材は、前記テンプル部側の前記突部または凹部に係合する凹部または突部を有する、
ことを特徴とする請求項７に記載のウェアラブル機器の取付構造。
【請求項９】
前記機器接続部は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における上面視において、前記テンプル部と重なりを持つように位置する、
ことを特徴とする請求項１〜８のいずれか一項に記載のウェアラブル機器の取付構造。
【請求項１０】
前記取付部材は、前記支持フレームの前記頭部への装着状態における側面視において、前記対称軸の延長線上に前記使用者の眼球のほぼ中心が重なるように前記保持部に装着される、
ことを特徴とする請求項１〜９のいずれか一項に記載のウェアラブル機器の取付構造。
【請求項１１】
使用者の頭部に装着可能で、ウェアラブル機器を取り付けるための支持フレームであって、
前記頭部への装着状態において左右の側頭部側に位置する左右のテンプル部と、
左右の前記テンプル部に設けられ、ウェアラブル機器が接続された取付部材が着脱自在に装着される左右の保持部と、を有し、
前記保持部は、当該支持フレームの前記頭部への装着状態における側面視において、前方側が開口したＶ字形状またはスリット形状からなる、
ことを特徴とするウェアラブル機器の支持フレーム。
【請求項１２】
前記開口は、前記テンプル部の下側に配置されている、
ことを特徴とする請求項１１に記載のウェアラブル機器の支持フレーム。
【請求項１３】
前記保持部は、一方の辺が前記テンプル部からなり、他方の辺が該テンプル部から傾斜して突出する弾性変形可能な傾斜片からなる、
ことを特徴とする請求項１１または１２に記載のウェアラブル機器の支持フレーム。
【請求項１４】
前記保持部は、前記テンプル部側に、前記取付部材側の突部または凹部に係合する凹部または突部を有する、
ことを特徴とする請求項１３に記載のウェアラブル機器の支持フレーム。
【請求項１５】
ウェアラブル機器が接続され、使用者の頭部に装着可能な支持フレームに着脱自在に装着される取付部材であって、
前記支持フレームへの装着状態における側面視において線対称形状を有し、該線対称形状の対称軸上に前記ウェアラブル機器の機器接続部を有する、
ことを特徴とするウェアラブル機器の取付部材。
【請求項１６】
前記線対称形状は楔形状からなる、
ことを特徴とする請求項１５に記載のウェアラブル機器の取付部材。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【公開番号】特開２０１３−８８７２３（Ｐ２０１３−８８７２３Ａ）
【公開日】平成２５年５月１３日（２０１３．５．１３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−２３０９９７（Ｐ２０１１−２３０９９７）
【出願日】平成２３年１０月２０日（２０１１．１０．２０）
【出願人】（００００００３７６）オリンパス株式会社 (11,466)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年５月１３日（２０１３．５．１３）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年１０月２０日（２０１１．１０．２０）
【出願人】（００００００３７６）オリンパス株式会社 (11,466)
【Ｆターム（参考）】
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