説明

ウェブコンテンツ表示装置およびウェブコンテンツ表示方法

【課題】ウェブページ内の動画コンテンツの再生操作を容易にするウェブコンテンツ表示装置およびウェブコンテンツ表示方法を提供する。
【解決手段】ウェブコンテンツ表示装置は、リモコンからのキー入力を受信するリモコン受信部と、ウェブコンテンツを受信するウェブコンテンツ受信部と、ウェブページ情報を作成するウェブページ情報作成部と、ウェブページ情報から動画コンテンツ情報を抽出する抽出部と、動画コンテンツが再生可能かを判定する判定部と、再生可能な動画コンテンツ情報を保存する蓄積部と、再生可能な動画コンテンツ情報から動画コンテンツ一覧を作成する動画コンテンツ一覧作成部と、動画コンテンツの再生を制御する再生制御部と、ウェブページ情報と動画コンテンツ一覧を同時表示する表示制御部とを備え、再生制御部は、リモコン受信部が受信したキー入力に応じて、動画コンテンツの再生を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブコンテンツ表示装置およびウェブコンテンツ表示方法に関し、更に詳しくは、ボタン操作によりウェブコンテンツ内の動画閲覧を容易にするウェブコンテンツ表示装置およびウェブコンテンツ表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットに接続する機能がゲーム機やテレビなどに搭載され、テレビを利用してインターネットのウェブサイトを閲覧するようになってきた。更に、動画コンテンツを閲覧するウェブサイトが増え、テレビの大画面で動画コンテンツを再生したいという要望も大きくなっており、リモコンの矢印キーによる操作で動画コンテンツを容易に扱えるテレビ向けウェブページもでてきた。しかしながら、やはり、ウェブページの多くは、マウスを前提としたユーザーインターフェースでデザインされており、マウスと馴染みがないテレビでは、扱いにくいのが現状である。
【0003】
一方、テレビなどのリモコンでのウェブページ閲覧を容易にする技術として、HTML(HyperText Markup Language)データからリンク情報を抽出し、そのリンク情報の夫々に個別の記号を付与し、その記号が入力された場合にその記号に対応するリンク情報の示すウェブページへ移動する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−217228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1によるウェブページ閲覧装置では、記号を入力すると対応するリンク情報の示すウェブページに移動するが、記号で指定できるのはあくまでウェブページであって、ウェブページ内にある動画コンテンツを指定できるものではない。そのため、ウェブページ内の動画コンテンツはウェブページ内だけで制御されるものであって、例えば、動画再生の再生ボタンや一時停止ボタンで再生を制御する、動画コンテンツをテレビに全画面表示するといった処理を行うことはできず、テレビで閲覧することに一番メリットがある動画再生に関しては、依然、マウス操作を必要とするという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、ウェブページ内の動画コンテンツの再生操作を容易にするウェブコンテンツ表示装置およびウェブコンテンツ表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1にかかるウェブコンテンツ表示装置は、リモコンからのキー入力を受信するリモコン受信部と、ウェブコンテンツを受信するウェブコンテンツ受信部と、ウェブコンテンツを解析して、ウェブページ情報を作成するウェブページ情報作成部と、ウェブページ情報から動画コンテンツ情報を抽出する動画コンテンツ情報抽出部と、動画コンテンツ情報で指定された動画コンテンツが再生可能かどうかを判定する動画コンテンツ再生可否判定部と、再生可能な動画コンテンツ情報を保存する動画コンテンツ情報蓄積部と、再生可能な動画コンテンツ情報に応じて、動画コンテンツ一覧を作成する動画コンテンツ一覧作成部と、動画コンテンツの再生を制御する動画コンテンツ再生制御部と、ウェブページ情報と動画コンテンツ一覧を同時表示するウェブコンテンツ表示制御部と、を備え、動画コンテンツ再生制御部は、リモコン受信部が受信したキー入力に応じて、動画コンテンツの再生を制御することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2にかかるウェブコンテンツ表示方法は、ウェブコンテンツを受信するステップと、受信したウェブコンテンツを解析して、ウェブページ情報を作成するステップと、作成したウェブページ情報から動画コンテンツ情報を抽出するステップと、抽出した動画コンテンツ情報で指定された動画コンテンツが再生可能かどうかを判定するステップと、再生可能な動画コンテンツ情報を保存するステップと、再生可能な動画コンテンツ情報に応じて、動画コンテンツ一覧を作成するステップと、作成したウェブページ情報と前記動画コンテンツ一覧を同時表示するステップと、リモコンからのキー入力を受信するステップと、キー入力に応じて、再生可能な動画コンテンツの再生を制御するステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のウェブコンテンツ表示装置およびウェブコンテンツ表示方法によれば、ウェブコンテンツ内の動画再生において、マウスがなくてもテレビなどのリモコンで容易に操作できるため、ユーザの操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態1におけるウェブコンテンツ表示装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1におけるウェブページの構成例を示す図
【図3】本発明の実施の形態1における動画コンテンツ一覧の画面表示例を示す図
【図4】本発明の実施の形態1における動画コンテンツ抽出処理を示すフローチャート
【図5】本発明の実施の形態1における複数ウェブページから抽出した動画コンテンツ一覧の画面表示例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
【0012】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるウェブコンテンツ表示装置の構成を示すブロック図である。ウェブコンテンツ表示装置は、リモコン受信部102と、ウェブコンテンツ受信部103と、ウェブページ情報作成部104と、ウェブコンテンツ表示制御部105と、動画コンテンツ情報抽出部106と、動画コンテンツ再生可否判定部107と、動画コンテンツ情報蓄積部108と、動画コンテンツ一覧作成部109と、動画コンテンツ再生制御部110から構成され、ユーザはリモコン101によってウェブコンテンツ表示装置を制御する。
【0013】
リモコン受信部102において、ユーザのリモコン101操作により指定されたURLの情報が受信されると、ウェブコンテンツ受信部103は通信回線を経由して、指定されたURLのHTMLデータを受信し、ウェブページ情報作成部104は、受信されたHTMLデータを解析し、ウェブページ情報を作成する。ここで、ウェブページ情報は、テキストや画像などのHTML要素で構成される。そして、関連するCSS(Cascading Style Sheet)や画像などの情報と合わせて、それぞれのHTML要素がどの位置にどのようにレイアウトされるかが決定されて、ウェブコンテンツ表示制御部105によって画面に表示される。
【0014】
図2に、本実施の形態におけるHTMLデータとウェブページ情報の構成例を示す。HTML文書ファイル201に記述された各HTML要素は、論理的には木構造になっており、DOMツリー202のように表現される。DOMツリー202を構成するHTML要素の中には、表示スタイルを記述したCSSファイル203を指定するLINK要素や、画像データ204を指定するIMG要素などが含まれる。ここで動画コンテンツは、フラッシュプレイヤーなどによるプラグイン再生でなく、HTML5の規格で追加されたvideo要素として構成されており、video要素の中には、動画コンテンツのURL情報や再生画面のサイズ情報などが含まれている。
【0015】
さらに図1において、動画コンテンツ情報抽出部106は、ウェブページ情報作成部104で作成したウェブページ情報から、video要素を抽出し、動画コンテンツ再生可否判定部107へ渡す。動画コンテンツ再生可否判定部107は、video要素がウェブページ表示装置で再生可能かどうかを判定し、再生可能な場合は、video要素に含まれる動画コンテンツのURL情報を動画コンテンツ情報として動画コンテンツ情報蓄積部108へ蓄積する。動画コンテンツ一覧作成部109は、動画コンテンツ情報蓄積部108から、動画コンテンツ情報を取り出し、動画コンテンツ一覧を作成し、ウェブコンテンツ表示制御部105によって画面に出力する。
【0016】
図3に、動画コンテンツ一覧とウェブページの画面構成例を示す。ここで、例えば、リモコン101でのCHアップ/ダウンキー操作により、動画コンテンツ一覧画面301のフォーカス移動を操作し、リモコン101でのカーソルキー操作によりウェブページ画面302のフォーカス移動を操作することで、ウェブページを見ながら、ユーザは容易に動画コンテンツの選択と再生が操作できる。
【0017】
さらに、動画コンテンツ一覧画面301で動画コンテンツを選択すると、図1における動画コンテンツ再生制御部110により動画コンテンツの再生が行われ、動画コンテンツ一覧画面301とウェブページ画面302が消え、選択された動画コンテンツの再生が全画面に表示される。全画面再生中には、リモコン101の再生、停止、一時停止キー等で再生制御が可能になる。なお、他のリモコンキーにより再生制御のコマンドを割り当てることも可能である。また、戻るキーを押すことで、図3の画面に戻っても良いし、CHアップ/ダウンキーを押すことで、動画コンテンツ一覧の次の動画コンテンツの再生に自動的に切り替えてもよい。
【0018】
次に動画コンテンツの抽出アルゴリズムを、図4の動画コンテンツ抽出処理のフローチャートを用いて説明する。図1におけるウェブページ情報作成部104から、動画コンテンツ情報抽出部106にてウェブページ情報のHTML要素ツリー202の各HTML要素がvideo要素かどうか判定し(ステップS401)、video要素でなかったら(ステップS401のNo)、次のHTML要素の判定に移行する(ステップS405)。video要素の場合は(ステップS401のYes)、動画コンテンツ情報蓄積部108に動画コンテンツのURLが登録済みかどうかを判断し(ステップS402)、登録済みだった場合は(ステップS402のYes)、次のHTML要素の判定に移行する(ステップS405)。登録済みでない場合は(ステップS402のNo)、その動画コンテンツが再生可能かどうかを動画コンテンツ再生可否判定部107で判定する(ステップS403)。ここで、再生可能かどうかの判定は、URLのファイルの拡張子などでファイルフォーマットが対応しているかどうかを判断するとともに、一度動画コンテンツを受信し、裏で再生を試みることで、ビデオコーデックやDRMなどの条件も合わせて、再生可能かどうかを判断する。再生可能でない場合は(ステップS403のNo)、次のHTML要素の判定に移行する(ステップS405)。再生可能な場合は(ステップS403のYes)、動画コンテンツ情報蓄積部108に登録し(ステップS404)、次のHTML要素の判定に移行する(ステップS405)。すべてのHTML要素を判定したら(ステップS405のNo)、HTML要素ツリーの更新を監視する(ステップS406)。これは、ウェブページ操作中にJava(登録商標)ScriptプログラムによってHTML要素が動的に追加されたり削除されたりするためである。
【0019】
図5は、ウェブページA502、ウェブページB503、ウェブページC504から動画コンテンツ情報を抽出し、動画コンテンツ一覧501に表示する画面構成例を示している。このように複数ページから抽出することで、ウェブページをまたいだ動画コンテンツの選択を容易にできる。
【0020】
また、図5ではタブで開いているウェブページのみから抽出しているが、ウェブページを画面表示することなく図4に示す動画コンテンツ抽出処理だけ実行することで、例えばブックマークに登録しているものすべてから抽出することもできる。さらに、ウェブページを開いていない場合は、video要素の追加・削除の更新が分からないが、定期的に動画コンテンツ抽出処理を実行することで、更新を検知し、動画コンテンツ情報を更新することができる。抽出した動画コンテンツのURLに置いてある動画コンテンツが、消されたり、変更されたりする可能性もあるので、この定期的に再生可能かどうかを判定する処理は有用である。
【0021】
なお、本実施の形態では、video要素の抽出に関して説明したが、audio要素などの他の要素の抽出に関しても同様の処理で同様の効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明にかかるウェブコンテンツ表示装置およびウェブコンテンツ表示方法は、ウェブページ外に動画コンテンツ一覧を抽出することで、再生可能な動画コンテンツを容易に選択することができ、全画面表示やリモコンの再生/停止ボタンで制御可能とするなどのユーザカスタマイズ可能な動画再生を可能とし、主にリモコン操作がメインであってマウスを使うことに馴染みのないデジタルテレビ等の表示画面を有するAV機器に有用である。
【符号の説明】
【0023】
101 リモコン
102 リモコン受信部
103 ウェブコンテンツ受信部
104 ウェブページ情報作成部
105 ウェブコンテンツ表示制御部
106 動画コンテンツ情報抽出部
107 動画コンテンツ再生可否判定部
108 動画コンテンツ情報蓄積部
109 動画コンテンツ一覧作成部
110 動画コンテンツ再生制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リモコンからのキー入力を受信するリモコン受信部と、
ウェブコンテンツを受信するウェブコンテンツ受信部と、
前記ウェブコンテンツを解析して、ウェブページ情報を作成するウェブページ情報作成部と、
前記ウェブページ情報から動画コンテンツ情報を抽出する動画コンテンツ情報抽出部と、
前記動画コンテンツ情報で指定された動画コンテンツが再生可能かどうかを判定する動画コンテンツ再生可否判定部と、
再生可能な動画コンテンツ情報を保存する動画コンテンツ情報蓄積部と、
前記再生可能な動画コンテンツ情報に応じて、動画コンテンツ一覧を作成する動画コンテンツ一覧作成部と、
前記動画コンテンツの再生を制御する動画コンテンツ再生制御部と、
前記ウェブページ情報と前記動画コンテンツ一覧を同時表示するウェブコンテンツ表示制御部と、を備え、
前記動画コンテンツ再生制御部は、前記リモコン受信部が受信した前記キー入力に応じて、前記動画コンテンツの再生を制御することを特徴とするウェブコンテンツ表示装置。
【請求項2】
ウェブコンテンツを受信するステップと、
受信した前記ウェブコンテンツを解析して、ウェブページ情報を作成するステップと、
作成した前記ウェブページ情報から動画コンテンツ情報を抽出するステップと、
抽出した前記動画コンテンツ情報で指定された動画コンテンツが再生可能かどうかを判定するステップと、
再生可能な動画コンテンツ情報を保存するステップと、
前記再生可能な動画コンテンツ情報に応じて、動画コンテンツ一覧を作成するステップと、
作成した前記ウェブページ情報と前記動画コンテンツ一覧を同時表示するステップと、
リモコンからのキー入力を受信するステップと、
前記キー入力に応じて、前記再生可能な動画コンテンツの再生を制御するステップと、
を有することを特徴とするウェブコンテンツ表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−20400(P2013−20400A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−152522(P2011−152522)
【出願日】平成23年7月11日(2011.7.11)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVASCRIPT
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】