説明

ウェブ近接表面に遷移部を有する移動ウェブ安定化装置と方法

【課題】高速で搬送するウェブが安定化装置から離れやすくなることを防止し、気流が安定化して波打ちが発生を少なくする。
【解決手段】一個又は複数個のウェブ機の2つのコンポーネントの間のスパンを通過するウェブを安定化するように適応されたウェブ安定化装置であって、前記安定化装置が、移動しているウェブに面して近接している表面、および安定化装置の表面の少なくとも1つの遷移部5を備え、前記遷移部5が、直角のコーナーを有する段差を形成することを特徴とする装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブに近接した表面に遷移部を有する移動ウェブ安定化装置と方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウェブ材(ティシュペーパー、タオルペーパー、他のペーパー、ボード、プラスチック、およびポリマーを含むが、これらに限定されない)は、スパンを通過して輸送されるが、スパンには、普通、米国特許第4,321,107号明細書に示されるようなウェブ安定化装置が備えられる。ウェブは、比較的高速度でスパンを通過し、ウェブ安定化装置を横切って移動する。
【0003】
安定化装置は、従来、一般に平坦な表面またはプレーンを有し、ウェブがスパンを横切って移動すると、ウェブは、その表面に相対して移動する。安定化装置は、ウェブに近接して位置し、ウェブはウェブの平坦な表面から短い距離だけ離れている。ウェブは、高速で、例えば、4,000〜7,000フィート/分(1,200〜2,100m/分)で移動する。ウェブ移動により、ウェブの上面と下面の両面に空気の流れが引き起こされる。この空気の流れは、ウェブと同じ速度で動く傾向がある。
【0004】
ウェブには、ウェブの片面または両面の空気流れ乱れのために波打ち現象が生じ得る。乱れは、ウェブに直に近接した空気の層流、例えば、気流境界層がウェブから分離されることで引き起こされ、乱された空気の流れがウェブに近接して存在する。
【0005】
ウェブに直に近接した表面を有するウェブ安定化装置を用いると、ウェブが波打つ傾向は小さくなる。米国特許第4,321,107号と第4,906,333号の各明細書にはウェブ安定化装置の実施例が開示されている。ウェブが安定化装置の表面を通過して移動するとき、安定化装置は、ウェブが安定化装置の方向に波打つのに対して物理的障壁となり、安定化装置とウェブの間の気流を滑らかに整える傾向となる。気流を滑らかに整えることによって、層流境界層気流がウェブに近接して維持されるので、ウェブの波打ちが少なくなる。
【0006】
従来の安定化装置の問題点は、ウェブが、安定化装置の表面から離れ易いということである。特に、安定化装置表面がウェブ移動の方向に長めで、ウェブが安定化装置の底部を移動する場合は、そうである。安定化装置のリーディングエッジに突起バーを加えることによって波打ちを低減することが行われている。突起バーは、パイプまたはバー(断面は円形)であり、安定化装置のリーディングエッジに溶接され、安定化装置の下側に(ウェブの方向に)延びているので、ウェブは、安定化装置の低面の下を通過して移動する前に、最初に突起バーを通過する。
【0007】
安定化装置の底部で生ずるウェブ波打ちの問題を克服する別のアプローチの一つは、米国特許第6,325,896号明細書に開示されているように、安定化装置表面とウェブの間のギャップに高速度の空気の流れを注入することである。高速度空気は、ウェブと安定化装置の間の空気圧を下げる。空気圧が下がると、ウェブは、安定化装置の方向に引っ張られる。しかし、高速度空気流を注入するには、空気の供給源と空気の導管と空気の噴出口またはスロットが必要となり、従って安定化装置を製作・作動するコストが増大する。さらに、空気注入のノズルやスロットには、目詰まりが生じ易い。
【0008】
もう一つ別のアプローチは、米国特許第6,325,896号明細書に開示されているように、安定化装置をエーロフォイル翼形状として、安定化装置とウェブの間に低圧域が形成されるようにすることである。しかし、エーロフォイル翼形状の安定化装置は、ウェブ移動方向に対して相対的に長めになるので、安定化装置の下流域の波打ちを低減するのは難しくなる。長い安定化装置表面で発生するウェブ波打ちを抑制し、製造・作動コストが低廉で、空気注入のノズルやスロットの目詰まりが起こり難いウェブ安定化装置に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0009】
ウェブに面する表面に1個以上の遷移部を有するウェブ安定化装置が開発された。これらの遷移部は、ウェブ移動の方向に直交して、安定化装置の幅に延びる畝または段差、あるいは安定化装置の表面に形成された凹部と凸部から構成されるアレイとし得る。この遷移部とウェブ移動の作用によって、低圧領域が、ウェブ移動方向で各遷移部の直ぐ下側に形成される。これらの低圧域は、安定化装置の表面に向かってウェブを引っ張る(バイアスする)圧力差をウェブの相対する面の間に生じさせる。
【0010】
ウェブ安定化装置の表面の遷移部は、ウェブと安定化装置の間に低圧域を、好ましくは遷移部に高速度空気流の注入を行うことなく生じさせる。安定化装置の表面の様々な位置に遷移部を配置することによって、遷移部で形成された低圧域が、ウェブを安定化装置の長さに沿って安定化装置方向に引っ張る。ウェブ上に長い表面を有する安定化装置上の遷移部は、安定化装置の全長に沿ってウェブの波打ちを少なくする役目を果たす。
【0011】
安定化装置上の遷移部の様々な形状と配置、例えば、本明細書に開示のようなものは、本発明に基づくものである。遷移部の形状としては、以下のものが挙げられる。安定化装置の表面の幅に延び、ウェブ移動の方向に直交する段差、畝、および溝。ウェブに面する安定化装置の表面から大気圧に空気を排出する排気口まで、または集塵機のような吸い込み装置まで延びる空気通路であって、好ましくは、ウェブ移動の方向から離れるよう傾斜している空気通路。安定化装置の表面に形成された凹部と凸部から構成されたアレイであって、凸部と凹部がウェブ移動の方向に直交する方向に好ましくは最も広くなっている凹部と凸部から構成されたアレイ。
【0012】
さらに、遷移部と遷移部の間の安定化装置の表面は、リニア状、カーブ状、起伏状、または他の形状で差し支えない。遷移部と遷移部の間の安定化装置の表面上で遷移部を多様な形状と配置にすることによって、安定化装置の表面とウェブの間に低圧域が促進され、ウェブ波打ちが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1A】段差遷移部を具備する安定化装置を通過して移動するウェブを示す図である。
【0014】
【図1B】段差遷移部を有する表面を具備する安定化装置を通過して移動するウェブを示す図である。
【0015】
【図2】段差(スクエア)遷移部と段差間の平坦な表面域を有する表面を具備するウェブ安定化装置の概略側部断面図である。この図では、各平坦な表面域は、互いに対して、かつウェブ移動の方向に対して実質的に平行である。
【0016】
【図3】段差(凹状またはフィレット状)遷移部と、段差間の平坦な領域とを有する表面を具備するウェブ安定化装置の概略側部断面図である。この図では、各平坦な表面域は、互いに対して、かつウェブ移動の方向に対して実質的に平行である。
【0017】
【図4】段差(スクエア)遷移部と、段差間の平坦な表面域を有する表面を具備するウェブ安定化装置の概略側部断面図である。この図では、各平坦な表面域は、互いに対して実質的に平行であるが、ウェブ移動の方向に関しては傾斜している。
【0018】
【図5】安定化装置の幅に延びる段差(スクエア)遷移部を有する表面を具備するウェブ安定化装置の概略側部断面図である。この図では、安定化装置は各遷移部の間に凹状表面を具備している。
【0019】
【図6】ウェブ移動の方向に対して一般に平行な平坦な表面を具備するウェブ安定化装置の概略側部断面図である。この図では、表面は、表面の長さに沿って間隔をもって表面の幅に延びる溝状または凹状の遷移部を有している。
【0020】
【図7】ウェブ移動の方向に対して一般に平行な平坦な表面を具備するウェブ安定化装置の概略側部断面図である。この図では、表面は、ウェブ移動の方向に好ましくは直交して延びるスロットまたは通路を有し、スロットまたは通路からは、ウェブと安定化装置の表面の間にある空気が排出され、その結果として、表面に設けられたスロットまたは通路の入口の箇所に低圧域が形成される。
【0021】
【図8】凹部と凸部から構成されるアレイを有する表面を具備するウェブ安定化装置の概略側部断面図である。
【0022】
【図9】図8に示される安定化装置の表面の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1Aと図1Bは、ティシュ製造機10の一部を示す。ウェブ12は、同機械の2つのコンポーネント11、例えば、カレンダーとロールとの間のスパン13を通過して移動する。固定位置にある安定化装置1は、ウェブのすぐ上のスパン間に固定されており、ウェブは、一般にウェブに平行な下面14の下を通過して移動する。
【0024】
安定化装置の下面14は、安定化装置の幅(W)に広がる遷移部16を有する。遷移部16は、下面14の箇所に段差を形成する。ウェブ12が、下面14と遷移部16の前方域15を超えて移動すると(移動方向19)、ウェブは、下面の後方域17に引き上げられる。ウェブが引き上げられるのは、下面とウェブの間のギャップの箇所で遷移部16のすぐ下流に低圧域が形成されるからである。ウェブが下面14の箇所に引き上げられ、ウェブが波打つ傾向が小さくなる。
【0025】
遷移部16は、安定化装置の下面の長さに沿って様々な位置に設け得る。例えば、遷移部16は、下面の長さの1/3の間隔に配置し得る。好ましくは、少なくとも1個の遷移部16が、ウェブ移動の方向19で安定化装置の下面14の長さの1/2または1/3の箇所の上流側に置かれ、もう一つ別の遷移部が、安定化装置の下面の長さの1/2または1/3の箇所の下流側に置かれる。安定化装置の1/2または1/3の箇所の下流側に置かれた遷移部は、ウェブが安定化装置を通過して移動するとき、ウェブの波打ちを少なくするのに役立つ。
【0026】
図2は、一般に、平面であり、ウェブ移動の方向19に沿って配置される実質的に平行な表面2、3、および4を有する下面14を具備する安定化装置21を示す。表面2、3、および4は、互いに対して、かつウェブ移動方向に対して実質的に平行である。表面2、3、および4は、ウェブと安定化装置の下面の幅に延び得る。
【0027】
平行な表面2、3、および4の各々を分離するのは、実質的にスクエアの段差遷移部5であり、これらは、好ましくは、安定化装置の幅に延び、ウェブ移動の方向19に対して直交している。これらのスクエアの遷移部5は、表面2と3の間と表面3と4の間とに直角のコーナーを有する段差を形成する。段差は、例えば、0.25インチ〜0.75インチ(6.3〜19mm)の範囲の高さの寸法を有し得る。段差は、この範囲より短かく、例えば、0.06インチ(1.5mm)の高さでもよい。また、段差は、この範囲より大きく、例えば、1.5インチ(38mm)の高さででもよい。
【0028】
段差遷移部5の高さは、ウェブとの干渉を避けるように、例えば、ウェブを引き裂いてしまわないように、そして段差のすぐ下流と安定化装置の表面とウェブとの間で低圧域を形成するように決定し得る。遷移部5は、実質的に安定化装置の全幅一杯またはウェブの幅一杯に延び得る。
【0029】
遷移部5は、ウェブ移動の方向に実質的に直角とし得る。別法としては、遷移部5は、ウェブ移動の方向に斜めにしてもよい。例えば、ウェブ移動の方向に対して75°〜89°の角度としてもよい。さらに、遷移部は、直線を形成しなくともよく、ある部分がウェブ移動方向に直角で、他の部分がウェブ移動方向に斜めになるようにしてもよい。
【0030】
遷移部は、安定化装置の下面にコーナーまたは傾斜表面を作ることによって、または下面でプレートを重ね合わせ、プレートが狭いギャップで離れているようにすることによって、または安定化装置の下面に何か他の不規則形状のものを設けることによって形成され得る。
【0031】
スクエアの遷移部5は、安定化装置の下面14に、固定、例えば溶接または締結された一本または複数本のバーまたは他の機械加工されたピースで形成し得る。スクエアの遷移部5は、表面2、3および4を形成するパネルに対する構造サポートとして形成し得る。スクエアの遷移部5と表面2、3および4を形成するパネルの間の連結部分は、空気が安定化装置の内部に入ったり、あるいは内部から逃げたりするのを避けるために密封し得る。別法としては、連結部分は、密封しないで済ませることもでき、この場合、各遷移部のすぐ下流の域の空気圧は、安定化装置の本体内の空気圧、例えば、周囲の大気圧と均圧化される。
【0032】
図3は、安定化装置の下面14上に実質的に平行な平坦な表面2、3および4を具備する安定化装置23を示す。図2に示される安定化装置21と同様に、平坦な表面2、3および4は、遷移部で分離されるが、この遷移部は、安定化装置の幅に延び、ウェブ移動方向19に対して一般に直交している。遷移部16は、表面2と3の間と表面3と4の間に段差を形成する。
【0033】
遷移部16は、表面2、3および4の間の連結箇所で凹状の段差24、フィレット形状の段差、または他のカーブした形状の段差である。遷移部16は、一本または複数本のピース、例えば、バーから形成され、これは機械加工されて、凹状部、フィレット形状部、またはカーブ形状部24を成す。遷移部16のピースは、製造され、安定化装置にアセンブリされ、例えば、溶接または締結されて、表面2、3および4を形成するパネルに対する構造サポートを提供し得る。遷移部16が凹状またはフィレット状段差24であると、図2に示されるスクエアの遷移部5と比較して、遷移部の箇所のオープンコーナー容積が少なくなるので、遷移部16のカーブ状段差24のすぐ下流で近接した箇所の遷移部コーナーの容積部に蓄積するダストや汚染物が最小限に抑えられる。
【0034】
図4は、実質的に平坦な下部表面31、32および33とこれらの表面の間に設けられたスクエアの段差遷移部34とを具備する安定化装置30を示す。下部表面は、ウェブ方向に必ずしも平行でなくてもよいが、互には平行としてもよい。下部表面31、32および33は、2〜10°の角度でウェブ方向に対して傾斜させ、表面がウェブ移動の方向19に対してウェブの方向に傾斜するようにし得る。遷移部34は、安定化装置30の実質的に全幅のサイズとし、ウェブ移動の方向に実質的に直交とし得る。
【0035】
図5は、段差遷移部44で分離された、凹状面41、42および43を有する下面を具備する安定化装置40を示す。凹状面は、ウェブ移動の方向に対して平行でも、平行でなくてもよい。遷移部44は、安定化装置40またはウェブの実質的に全幅のサイズとし、ウェブ移動の方向19に対して実質的に直交とし得る。遷移部44は、図2〜図4に示される遷移部と同じように形成し得る。凹状面41、42および43は、凹状を形成するように弓形に曲げられたパネルとし、安定化装置の遷移部44で内部支持材45(図4と図5に示される)によって支持し得る。内部支持材45は、例えば、内部リブや支持格子である。これらの内部支持材は、本明細書に開示された他の安定化装置にも使用得る。さらに、表面41、42および43は、図5に示される凹状表面でなく、むしろ凸状表面ともし得る。
【0036】
図6は、実質的に凹状遷移部48、例えば、溝で分離された平行な表面47で形成された下面を具備する安定化装置46である。表面47は、ウェブ方向に対して実質的に平行である。遷移部48は、安定化装置の実質的に全幅一杯に延び、ウェブ移動の方向に実質的に直交とし得る。表面47は、相互に実質的に平面であるが、凹んだ遷移部スロット48によって隔てられている。遷移部スロット48は、一個または複数個のピース、例えば、バーから成り、遷移部スロットを形成する溝となるように機械加工して得られる。これらのピースは、安定化装置に取り付けられ、表面47を形成するパネルの構造サポートを提供し得る。
【0037】
図7は、下面を具備する安定化装置50を示し、この下面は、スロット、他の空気通路またはオープン領域54によって分離された実質的に平行な下部表面51、52および53で形成し得る。表面(複数を含む)51、52および53は、ウェブ方向に実質的に平行な面とし得るし、相互に平行ともし得る。
【0038】
スロット、空気通路またはオープン領域(遷移部と総称する)54は、安定化装置の幅(またはウェブの幅)に延び、ウェブ移動の方向に対して一般に直交(または斜交)とし得る。遷移部54は、適切な形状に機械加工され、アセンブリ、例えば、溶接または締結された一個または複数個のピース、例えばバーによって安定化装置内に形成され、スロット、空気通路、またはオープン領域を形成し得る。
【0039】
遷移部54は、下面の部分51、52および53に近接して空気入口を備える。遷移部54には出口55があり、空気が下面51、52および53から離れている安定化装置の表面から排出されたり、あるいは安定化装置の内部空気導管へ排出されたりする。出口55は、常圧で大気へ排出したり、別の装置、例えば、真空のような集塵システム6へ排出したりし得る。真空のような集塵システム6は、出口55と遷移部54に吸引力を加えることによって、入口から遷移部へ空気を引っ張り込むのである。遷移部54の導管は、下面51、52および53に関して、例えば、30〜55°の角度に傾斜させ、入口が、ウェブ移動方向にある出口36の上流となるようにする。遷移部54の作用によって、ウェブと共に、かつウェブと下面51、52および53の間を移動する空気の一部が、遷移部に流れるようにされ、その結果、ウェブと下面との間に低圧域が生まれる。
【0040】
図8と図9は、ウェブと実質的に平行な平面とし得る下面62を具備する安定化装置60を示す。下面は、図2〜図7に示されているように、凸状または凹状の領域と段差遷移部を備え得る。
【0041】
下面62は、アレイ構成の遷移部8を備え、このアレイは、表面がウェブから緩やかに上下する起伏域を備え得る。例えば、この遷移部8は、凹部または凸部8を備え、凹部または凸部8は、ウェブ移動の方向に直交する幅を有するが、その幅寸法は、長さ寸法より実質的に大きい。例えば、遷移部8は、下面62に設けられた一般に長方形の、50mm〜500mmの幅と20mm〜200mmの長さ(ウェブ移動に対して平行方向)と5〜20mmの高さとを有する突起物とし得る。これらの遷移部8は、ウェブ移動の方向19に面する傾斜リーディングエッジと鋭いコーナー、例えば、90°コーナーのトレーリングエッジとを備え、空気に対する邪魔部を形成するとともに遷移部のすぐ下流に低圧域を形成する。
【0042】
遷移部8は、アレイ様式に配置し得る。遷移部は、ウェブ移動の方向に平行に列状に配置され、図9に示されているように、これらの列は互い違いになるように配置される。
【0043】
以上、本発明は、現在最も実用的で、好ましい態様であると考えられるものに関して記載されたけれども、理解されなければならないことは、本発明は、開示された態様に限定されることなく、むしろ反対に、その精神内に含まれ、かつ特許請求の範囲に含まれる多岐にわたる部分修正や均等の配置もカバーするということである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一個又は複数個のウェブ機の2つのコンポーネント間のスパンを通過するウェブを安定化するように適応されたウェブ安定化装置において、
移動しているウェブに面して近接している表面、および
安定化装置の表面の少なくとも1つの遷移部を備え、遷移部が、ウェブ移動の方向に面する安定化装置のリーディングエッジと安定化装置のトレーリングエッジとの間の表面の凸部または凹部であることを特徴とするウェブ安定化装置。
【請求項2】
前記遷移部が、リーディングエッジとトレーリングエッジとの間に配置された複数の遷移部であることを特徴とする請求項1のウェブ安定化装置。
【請求項3】
前記遷移部が、ウェブの移動の方向に平行な方向には短く、ウェブの移動の方向に直交する方向には長いことを特徴とする請求項1のウェブ安定化装置。
【請求項4】
前記遷移部が、少なくともウェブ幅まで下面に延びていることを特徴とする請求項1のウェブ安定化装置。
【請求項5】
前記遷移部が、安定化装置の表面の第一領域と第二領域の間の段差であり、第一領域がウェブの移動の方向に沿って第二領域の上流に位置することを特徴とする請求項1のウェブ安定化装置。
【請求項6】
前記第一と第二の領域が、平面であり、互いに平行であることを特徴とする請求項5のウェブ安定化装置。
【請求項7】
前記第一と第二の領域が、凸面状または凹面状であることを特徴とする請求項5のウェブ安定化装置。
【請求項8】
前記遷移部が、直角コーナーを有する段差であることを特徴とする請求項1のウェブ安定化装置。
【請求項9】
前記遷移部が、カーブ状またはフィレット状の内部コーナーを有する段差であることを特徴とする請求項1のウェブ安定化装置。
【請求項10】
前記遷移部が、安定化装置の表面の溝または凹部であり、その溝または凹部がウェブの幅までに延びていることを特徴とする請求項1のウェブ安定化装置。
【請求項11】
前記遷移部が、表面とウェブの間のギャップから空気を受容するための空気入口と、受容された空気をギャップから放出するための空気排出口を備えることを特徴とする請求項1のウェブ安定化装置。
【請求項12】
前記遷移部が、表面の1/2または1/3の長さだけウェブの移動方向に関して下流に配置されることを特徴とする請求項1のウェブ安定化装置。
【請求項13】
前記遷移部が、表面の凸部または凹部のアレイであることを特徴とする請求項1のウェブ安定化装置。
【請求項14】

スパンを通過して移動するウェブを安定化するように適応されたウェブ安定化装置において、
移動しているウェブに面し、平行で、近接している表面を具備する安定化装置本体、および
安定化装置の表面の少なくとも1つの遷移部を備え、遷移部が、ウェブ移動の方向に面する安定化装置のリーディングエッジと安定化装置のトレーリングエッジとの間の表面の凸部または凹部であることを特徴とする装置。
【請求項15】
前記遷移部が、5〜20ミリメートル(mm)の範囲で安定化装置の表面から凸状になっているか、または凹状になっていることを特徴とする請求項14のウェブ安定化装置。
【請求項16】
前記遷移部が、表面上の突起物を備え、この突起物が、ウェブ移動に平行方向に50mm〜500mmの幅と、20mm〜200mmのウェブ移動方向に平行に延びる長さと、ウェブに垂直方向に5〜20mmの高さとを有することを特徴とする請求項14のウェブ安定化装置。
【請求項17】
前記遷移部が、リーディングエッジとトレーリングエッジの間に配置された複数の遷移部であることを特徴とする請求項14のウェブ安定化装置。
【請求項18】
前記遷移部が、ウェブの移動の方向に平行な方向には短く、ウェブの移動の方向に直交する方向には長いことを特徴とする請求項14のウェブ安定化装置。
【請求項19】
前記遷移部が、安定化装置の表面の第一領域と第二領域の間の段差であり、第一領域がウェブの移動の方向に沿って第二領域の上流に位置することを特徴とする請求項14のウェブ安定化装置。
【請求項20】
前記第一と第二の領域が、凸状または凹状であることを特徴とする請求項14のウェブ安定化装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−202409(P2010−202409A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−45202(P2010−45202)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(502278600)アンドリッツ インコーポレーテッド (10)
【Fターム(参考)】