説明

ウェーブの付与方法

【課題】ヘアスタイルの左右の対称性が高く、その輪郭のバランスがとれた、ヘアスタイル全体として一体感のあるウェーブ又はパーマネントウェーブを髪全体に付与するといった観点での適切な位置に、毛髪保持具を容易に装着することができる、ウェーブ用毛髪保持具キット等、及びそれを用いたウェーブの付与方法等を提供すること。
【解決手段】本発明のウェーブ用毛髪保持具キットは、筒状体の内部に毛髪束を収納し、該毛髪束を螺旋状に変形させ保持可能な、下記の第1の毛髪保持具1A及び第2の毛髪保持具1Bのそれぞれ複数個からなる。第1の毛髪保持具1A:毛髪束を毛髪束の根元側から見て時計回りの螺旋状に変形させ得る毛髪保持具。第2の毛髪保持具1B:毛髪束を毛髪束の根元側から見て反時計回りの螺旋状に変形させ得る毛髪保持具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭髪をウェーブ形状に変形し保持することができ、該頭髪へウェーブを付与するのに好ましく用い得られるウェーブ用毛髪保持具キット、及びそれを用いたウェーブの付与方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、所望のヘアスタイルを作るには、ヘアスタイルの左右対称性やその輪郭のバランスを維持しながらヘアスタイルのベースを整え、次いで、個性の発揮や嗜好性を高める観点からヘアスタイルのベースの一部を積極的に変形・調整し、時には崩す等してアレンジを加えて行なわれて完成に至る。
美容室にて行なわれるパーマネントウェーブ施術に代表されるウェーブ施術は、前述におけるヘアスタイルのベースを整えることを目的に行なわれるために、左右対称性やヘアスタイルの輪郭のバランスに対する配慮が必要とされている。
通常、美容室でウェーブ施術を行なう場合、ウェーブのデザインにも依存するが、頭髪全体を、基本的な区画にブロッキングし、さらに各々の区画を細かくスライスして、最終的には20〜30個程度のカーリングロッドを使って頭髪をワインディングする必要がある。
ヘアスタイルのベースの対称性を維持できるようにウェーブ施術を行うためには、カーリングロッドに装着する頭髪の量やその装着位置を決めるためのブロッキング工程及びスライス工程と、その後に行なうワインディング工程を正確に行う必要があり、一層、熟練を要するために、誰もが容易には行えなかった。
【0003】
本出願人は、先に、筒状の毛髪保持具を使って頭髪を巻き上げる技術を提案した(特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−111612号公報
【特許文献2】特開2008−142432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ウェーブ施術におけるワインディング工程に、特許文献1に提案した毛髪保持具を使用すると、1つの毛髪保持具で巻き上げることが出来る毛髪の量が増加するため、従来のカーリングロッドよりも使用する毛髪保持具の数を大幅に減らすことができ、未熟練な技術者であっても容易に毛髪保持具の装着が行なえるようになった。
しかし、ヘアスタイルの左右対称性やその輪郭のバランスが良好となるように、頭髪全体に毛髪保持具を装着するには、毛髪保持具が装着される各々の相対的な位置や1つの毛髪保持具が扱う頭髪量の観点から、頭髪全体を適正に分割する必要であるため、未だ、頭髪全体を適正に分割する工程においてある程度の熟練が必要であった。
【0006】
また、ウェーブ施術において、美容室での美容技術者により提供される施術サービスの他に、及び頭髪にウェーブを付与したい人自身がウェーブ施術を行えるようにする場合もあることを踏まえると、とりわけ後者を意図した場合には、ヘアスタイルの左右対称性やその輪郭のバランスが良好になるように毛髪保持具を装着するための頭髪を分割する作業は、一層困難である。
【0007】
従って、本発明は、ヘアスタイルの左右の対称性が高く、その輪郭のバランスがとれた、ヘアスタイル全体として一体感のあるウェーブ又はパーマネントウェーブを髪全体に付与するといった観点での適切な位置に、毛髪保持具を容易に装着することができる、ウェーブ用毛髪保持具キット、ウェーブ付与セット、パーマネントウェーブ付与セット、及びそれら道具を用いたウェーブの付与方法、パーマネントウェーブの付与方法にを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、筒状体の内部に毛髪束を収納し、該毛髪束を螺旋状に変形させ保持可能な、下記の第1の毛髪保持具及び第2の毛髪保持具のそれぞれ複数個からなるウェーブ用毛髪保持具キットを提供するものである。
第1の毛髪保持具:毛髪束を毛髪束の根元側から見て時計回りの螺旋状に変形させ得る毛髪保持具。
第2の毛髪保持具:毛髪束を毛髪束の根元側から見て反時計回りの螺旋状に変形させ得る毛髪保持具。
【0009】
また、本発明は、ウェーブ用毛髪保持具キットを用いて、頭髪にウェーブを付与する方法であって、
第1及び第2の毛髪保持具を頭髪に装着する工程が、下記の分割工程と装着工程を含むウェーブの付与方法を提供するものである。
分割工程:頭髪を、上側頭髪と下側頭髪とに2分割し、該下側頭髪を、頭部の周方向に2〜3分割して同数の下側毛髪束とし、該上側頭髪を、頭部の周方向に4〜8分割して同数の上側毛髪束とし、合計6〜11個の毛髪束に分割する工程。
装着工程:分割工程で分割した毛髪束に第1及び第2の毛髪保持具を装着する工程。
【0010】
また、本発明は、ウェーブ用毛髪保持具キットを用いて、本発明のウェーブの付与方法に従い、頭髪をウェーブ形状に変形し保持した状態で、パーマネントウェーブ用剤を処理し、頭髪にパーマネントウェーブを付与する、パーマネントウェーブ付与方法を提供するものである。
【0011】
さらに、本発明は、ウェーブ用毛髪保持具キット、及びウェーブの付与方法、又はパーマネントウェーブ付与方法を記載した説明書をセットにした、ウェーブ付与セット又はパーマネントウェーブ付与セットを提供するものである。
【0012】
本願の特許請求の範囲及び明細書における「ウェーブ」は、パーマネントウェーブ及び一時的に付与されるウェーブの両者を包含する意味であるが、パーマネントウェーブを含まない一時的なウェーブの意味で用いている箇所もある。一時的なウェーブ(非パーマネントウェーブ)を示すウェーブは文意から判断することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のウェーブ用毛髪保持具キットによれば、ヘアスタイルの左右対称性が高く、しかも、その輪郭のバランスがとれた、ヘアスタイル全体として一体感のあるウェーブ又はパーマネントウェーブを髪に付与することができる。
本発明のウェーブの付与方法及びパーマネントウェーブの付与方法によれば、複数の毛髪保持具を、ヘアスタイルの左右対称性が高く、しかも、その輪郭のバランスがとれた、ヘアスタイル全体として一体感のあるウェーブ又はパーマネントウェーブを頭髪全体に付与するといった観点での適切な位置に容易に装着することができ、そのようなウェーブ又はパーマネントウェーブを簡便に付与することができる。
【0014】
本発明のウェーブ用毛髪保持具キット、並びにウェーブの付与方法及びパーマネントウェーブの付与方法は、髪にウェーブ又はパーマネントウェーブを付与したい人が自分で毛髪保持具の装着工程を実施する場合に限られるものではないが、髪にウェーブ又はパーマネントウェーブを付与したい人が自分で装着工程を実施する場合に、さらに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明のウェーブ用毛髪保持具キットの一実施形態における第1及び第2の毛髪保持具を示す図であり、(a)は第1の毛髪保持具、(b)は第2の毛髪保持具を示す図である。
【図2】図2は、所定の分割工程後に生じる毛髪束を第1の毛髪保持具で巻き上げる様子を示す図で、(a)は第1の毛髪保持具に毛髪束を挿入した状態、(b)は巻き上げ用糸を引っ張り、毛髪束と共に筒状体を巻き上げる途中の状態を示す斜視図である。
【図3】図3は、第1又は第2の毛髪保持具に毛髪束を挿通する際に好ましく用いられる毛髪束挿入具の例を示す図である。
【図4】図4は、従来のカーリングロッドを用いてワインディングを行うための、一般的なブロッキングを示す図である。
【図5】図5は、本発明における好ましい、頭髪全体の分割工程の一例を示す図である。
【図6】図6は、本発明における他の頭髪全体の分割工程の例を示す図である。
【図7】図7は、本発明における頭髪全体の分割工程の更に他の例を示す図である。
【図8】図8は、ウェーブ用毛髪保持具キットを用いて、髪にパーマネントウェーブを付与したい人自身が、分割工程及び装着工程を行う場合の好ましい手順(前半)を示す図である。
【図9】図9は、ウェーブ用毛髪保持具キットを用いて、髪にパーマネントウェーブを付与したい人自身が、分割工程及び装着工程を行う場合の好ましい手順(後半)を示す図である。
【図10】図10は、毛髪保持具の形状及び寸法の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を、その好ましい実施形態に基づいて図を参照しながら説明する。
図1は、本発明のウェーブ用毛髪保持具キットの一実施形態に含まれる第1及び第2の毛髪保持具を示す図である。
第1の毛髪保持具1Aは、図1(a)に示すように、一端の開口部21から他端の開口部22に向けて毛髪束を挿通可能な扁平な筒状体2と、該筒状体2に形成された複数の挿通孔部6A,6Bに順次挿通された巻き上げ用糸7とを有している。
第1の毛髪保持具1Aは、図2(a)に示すように、筒状体2に、毛髪束Hを、一端の開口部21側から他端の開口部22側に向かって挿入した状態で、巻き上げ用糸7を引っ張ることにより、図2(b)に示すように、毛髪束Hを、毛髪束の根元側から見て時計回りの螺旋状に変形させ得るものである。
【0017】
第1の毛髪保持具1Aについてより詳細に説明する。
図1(a)に示すように、毛髪保持具1Aは、縦長であり、筒状体2を主体として構成されている。筒状体2は、シート23により形成されており、より具体的には、扁平な筒状体2の一方の面を形成するシート23A及び他方の面を形成するシート23Bからなる。シート23A及びシート23Bは、何れも帯状をなしており、長手方向に沿う両側端部24A,24Bにおいて、両シート23A,23B間が接合されることにより、一端の開口部21及び他端の開口部22を有する筒状体2が形成されている。
筒状体2を形成するシート23としては、各種可撓性のシート材が用いられる。可撓性のシート材としては、メッシュシート、不織布、織布、多孔性若しくは非多孔性の樹脂フィルム、紙又はこれらの二種以上からなる複合体等が挙げられる。筒状体2内の毛髪束に対して筒状体2の外部からパーマネントウェーブ用剤を施す観点からは、シート23が、パーマネントウェーブ用剤に対して透過性を有する材料を用いることが好ましい。
【0018】
シート23A及びシート23Bには、図1(a)に示すように、筒状体2の巻き上げ用の巻き上げ用糸7を挿通案内する複数個の挿通孔部6A,6Bが設けられている。巻き上げ用糸7は、その一端71が筒状体2の他端の開口部22近傍に係止されており、巻き上げ用糸7は、その一端71側から他端72側に向かって、挿通孔部6A,6Bに順次挿通案内されて筒状体2の外周面に螺旋状に巻き付けられている。巻き上げ用糸7は、これを引っ張るって毛髪束の巻き上げ作業を行うことができるものであれば良く、糸状のものの他、細長い帯状のもの等であっても良い。
【0019】
巻き上げ用糸7は、図1(a)に示すように、シート23A及びシート23Bにおける両側部に互い違いに形成された挿通孔部6A,6Bに、ジグザグの軌跡を描くように挿通されて、筒状体2に取り付けられている。詳細には、筒状体2は、その両側部に第1の挿通孔部6Aからなる第1の挿通孔部列と、第2の挿通孔部6Bからなる第2の挿通孔部列とを有している。第1の挿通孔部列における隣接する挿通孔部6A,6Aの間隔は一定になっている。第2の挿通孔部列においても同様であり、その間隔は第1の挿通孔部列と同じになっている。そして、各挿通孔部列における挿通孔部6A,6Bは、互いに半ピッチずれるように互い違いに配置されている。
【0020】
第1の毛髪保持具1Aにおいては、巻き上げ用糸7は、他端部の開口部22に最も近接した第1の挿通孔部6Aに、シート23Aからシート23Bに向けて挿通され、その位置から斜め右上方に位置する第2の挿通孔部6Bに向けて、シート23Bの外面に沿って配されている〔図1(a)参照〕。そして、第2の挿通孔部6Bにおいて、シート23Bからシート23Aに向けて挿通されている。第2の挿通孔部6Bに挿通された巻き上げ用糸7は、その位置から斜め左上方に位置する第1の挿通孔部6Aに向けて、シート23Aの外面に沿って配されている。以後、この挿通が繰り返され、巻き上げ用糸7はシート23A又は23B側から見てジグザグの軌跡を描いている。また、このように挿通された巻き上げ用糸7は、筒状体2の周囲に、一端の開口部21側から他端の開口部22方向に向かって反時計回りの螺旋状に巻き付いており、巻き上げ用糸7を引っ張って毛髪束の巻き上げ作業を行うときには、筒状体2が、一端の開口部21側から見て時計回りの螺旋状に変形し、それにより、筒状体2内の毛髪束Hも、毛髪束の根元側から見て時計回りの螺旋状に変形する。
【0021】
第1の毛髪保持具1Aは、巻き上げ用糸7を引っ張り毛髪束を巻き上げた後に、その巻き上げ用糸7を引き出した状態に保持可能なストッパー部3、毛髪束を一端開口部21から筒状体2内に挿通させる際に、指を挿通して開口部21の開口を容易とする一対の指掛け部4,4、巻き上げ用糸7の一端71側を筒状体の端部26又はその近傍に係止させる係止片73、巻き上げ用糸7の他端72側に設けられた係止片74を有している。
ストッパー部3は、弾性を有するシート片31から形成されており、筒状体2の一端部25に設けられている。シート片31には、貫通孔部32が形成されており、また該貫通孔部32を中心として放射状に延びる一対の切れ目33,33が形成されている。巻き上げ用糸7は、貫通孔部32に挿通されている。巻き上げ用糸7は、図2(b)に示すように、巻き上げ用糸7を引っ張り、筒状体2の巻き上げている途中においては、貫通孔部32内を切れ目33に拘束されずに移動可能であるが、巻き上げ後には、切れ目33に挟まれ拘束されて、巻き上げ用糸7が元の状態に戻ることが阻止される。これにより、筒状体2の巻き上げ状態及び毛髪束Hの巻き上げ状態が安定に維持される。係止片74は、引き出した巻き上げ用糸7をループ状に折り曲げた状態で、筒状体2の指掛け部4等に脱着自在に止着可能になされている。
【0022】
第2の毛髪保持具1Bは、図1(b)に示すように、第1の毛髪保持具1Aに対して、鏡像関係にある形態を有する以外は同一の形態を有している。
第2の毛髪保持具1Bによれば、毛髪束Hを、筒状体2の内部に、一端の開口部21側から他端の開口部22に向かって挿通した状態で、巻き上げ用糸7を引っ張ることにより、毛髪束Hを筒状体2と共に巻き上ることができるが、それによって形成される螺旋の向きが第1の毛髪保持具1Aとは逆向きとなっている。即ち、第2の毛髪保持具1Bにおいては、筒状体2が、一端の開口部21側から見て反時計回りの螺旋状に変形し、それにより、筒状体2内の毛髪束Hも、毛髪束の根元側から見て反時計回りの螺旋状に変形する。
第1及び第2の毛髪保持具1A、1Bに関し改めて説明しない点は、好ましい構成等を含めて、特開2008−142432号公報に記載の毛髪保持具1と同様とすることができる。
【0023】
毛髪束Hを筒状体2の内部に挿入する際には、毛髪束挿入具を用いて、毛髪束Hを一端の開口部21から筒状体2の内部へ挿入することが好ましい。
毛髪束挿入具は、一方の端部に毛髪束Hを係止するための係止部を有し、他方の端部に把持部を有しており、毛髪保持具1A、1B内に、筒状体2の一端の開口部21から前記係止部が突出し、他端の開口部22から前記把持部が突出した状態とされて使用し得るものが好ましい。このような毛髪束挿入具としては、例えば、図3に示すようなもの等を用いることができる。また、特許文献1,2に記載のもの等を用いることもできる。
【0024】
図3に示す各毛髪束挿入具5A〜5Cにおいては、符号51が係止部を示し、符号52が把持部を示している。毛髪束挿入具5Aにおいては、可撓性を有する扁平帯状の合成樹脂製本体の端部が2本に分割されており、その分割部分同士がループ状に連結されて係止部51を形成している。毛髪束挿入具5Bは、可撓性を有する扁平帯状の合成樹脂製本体の端部に矩形状の貫通孔51aが設けられ、該貫通孔51aに一端を有するスリット51bが設けられている。貫通孔51a及びスリット51bが係止部51を構成している。毛髪束挿入具5Cは、紐ないし糸状体をループ状にした係止部51及び紐ないし糸状体からなる把持部52を有している。毛髪束挿入具は、上記のものに制限されず、筒状体2内に毛髪束を挿通し得る各種公知のもの等を特に制限なく用いることができる。
【0025】
全頭髪を6〜11分割してできる毛髪束と同数の図1に示す毛髪保持具(a)又は(b)が、その内部に1本の毛髪束を挿入して、毛髪束を均一なウェーブ形状に変形できるとの観点から、毛髪保持具の組み立ての際の熱シール等によって毛髪束が通過できない部分を除いた可毛髪束通過幅を25mm〜55mm、さらに30mm〜50mm、毛髪保持具の長さを、200mm〜320mm、さらに、230mm〜290mmにすることが好ましい。
【0026】
第1の毛髪保持具1Aと第2の毛髪保持具1Bとは、両者を着色や識別標識等により視覚的に容易に判別できるようにすることが好ましい。毛髪保持具の一部の色を異ならせることにより両者を容易に判別できるようにすることがより好ましく、例えば、巻き上げ用糸7の色や、筒状体2を構成するシート23(23A及び/又は23B)の色、ストッパー部3の色、指掛け部4の色等の何れか一以上の色を異ならせることができる。毛髪を巻き上げた状態における視認性に優れた巻き上げ用糸7の色を異ならせることがより好ましい。色には白及び黒も含まれる。
【0027】
本発明の一実施形態であるウェーブ用毛髪保持具キット(以下、毛髪保持具キットともいう)は、上記構成の第1及び第2の毛髪保持具1A,1Bのそれぞれ複数個からなる。毛髪保持具キットは、第1及び第2の毛髪保持具1A,1Bを、それぞれ、2〜6個含んでいることが好ましく、3〜5個含んでいることがより好ましく、4又は5個含んでいることが更に好ましい。第1の毛髪保持具1Aの個数と第2の毛髪保持具1Bの個数は、同数又は差が1個であることが好ましい。
【0028】
毛髪保持具キットは、頭髪全体にウェーブ付与又はパーマネントウェーブ付与を一回行うために用いる複数の毛髪保持具の一人分を一組として纏めたものである。
ウェーブ付与セットは、頭髪全体にウェーブ付与を一回行うために用いる複数の毛髪保持具の一人分を一組と毛髪保持具キットを用いたウェーブの付与方法を記載した説明書を纏めたものである.
又、パーマネントウェーブ付与セットは、頭髪全体にウェーブ付与を一回行うために用いる複数の毛髪保持具の一人分を一組とパーマネントウェーブ用剤と毛髪保持具キットを用いた、パーマネントウェーブの付与方法を記載した説明書を纏めたものである。
【0029】
本発明の頭髪全体にウェーブ又はパーマネントウェーブを付与する方法の好ましい実施形態においては、予め、最適な位置に第1及び第2の毛髪保持具を装着し、髪をウェーブ形状に変形し固定する方法は、分割工程と装着工程の2つの工程に分けられる。
【0030】
図4は、通常のパーマネントウェーブ施術において用いられるカーリングロッドでワインディングを行うために行なわれる、一般的な頭髪全体のブロッキングを示す図である。ブロッキングとは、例えば図4に示すように、予め、頭髪全体を基本的な区画に区分けする工程であり、通常は、ブロッキングにより生じた区画をさらに細かく区分けするスライス工程も合わせて行なう。
前記のブロッキング工程及びスライス工程は、ヘアスタイルの左右対称性が高く、その輪郭のバランスがとれ、一体感のあるパーマネントウェーブを髪全体に付与するといった観点から、複数のカーリングロッドを適切な位置に配置するために重要な作業である。
一方、ワインディングは、予めブロッキング工程及びスライス工程により、適切な位置や適切な毛髪量に区分けされて生じた毛髪束を、実際にカーリングロッドを使って毛髪束をウェーブ形状に変形し固定する工程である。
【0031】
これらの工程を、従来用いられているカーリングロッドタイプの毛髪保持具を用いて行う場合には、段やレイヤー等のヘアカットが施され長さが異なる髪の巻き上げや、カーリングロッドに適した最適な髪の量を取り分けるスライス、根元部分での毛流れをコントロールする目的で行なうストランドの角度の調整、ウェーブを求める大きさにする目的で巻き上げる部位や毛質によるカーリングロッド径の調節等の作業を行うには、一般に高い熟練が必要である。
しかし、従来用いられているカーリングロッドに比べて、より多くの毛髪量を一度に扱える、第1及び第2の毛髪保持具1A,1Bのような筒状の毛髪保持具を用いれば、カーリングロッドを扱う際に要したワインディングスキルの大半は不要又は簡便となり、特段の熟練がなくとも後に続く装着工程を行なうことが出来るようになる。
【0032】
本発明の方法の好ましい実施態様においては、頭髪全体に対して下記(イ)〜(ロ)を内容とする分割工程を行い、また、分割工程で分割した毛髪束のそれぞれに、第1又は第2の毛髪保持具1A,1Bを装着する装着工程を行なう。なお、図5に示す本発明の分割工程の方法は、頭髪全体を8ヶ所に分割する場合の具体的な例である。
【0033】
(イ)図5(a)に示すように、頭髪を、上側頭髪と下側頭髪とに2分割する。この分割は、左右の耳の付け根を結ぶ線P1を境に行うことが好ましい。
(ロ)図5(b)に示すように、(イ)で生じる下側頭髪を、頭部の周方向に2〜3分割して同数の下側毛髪束とする。図5(b)には、下側頭髪を中央から左右に2分割した例を示したが、これに代えて、図6に示すように、下側頭髪を、頭部の周方向に3分割することもできる。しかし、下側頭髪は、3分割より2分割する方が、何れの毛髪保持具にも挿入されない毛髪束の一部の巻き残し(後れ毛)の発生抑制、各毛髪束の毛髪量を均等に分割する際の容易性、パーマネントウェーブ処理に要する作業量の軽減の観点から好ましい。尚、図5(b)には、2分割した場合に、頭部の左側に生じる区画をL1、頭部の右側に生じる区画をR1として示してある。
【0034】
(ハ)図5(c)に示すように、(イ)で生じる上側頭髪を、頭部の周方向に4〜8分割して同数の上側毛髪束とする。この上側頭髪の分割は、図5(c)に示すように、頭頂部を基点する線P2を基準に行うことが好ましい。
図5(c)には、上側頭髪を、頭部の周方向に6分割した例を示したが、これに代えて、上側頭髪を、頭部の周方向に4分割、5分割、7分割、8分割することもできる。図7に5分割する場合の一例を示した。尚、図5(c)には、6分割した場合に、頭部の左側に生じる3つの区画をL2〜L4、頭部の右側に生じる3つの区画をR2〜R4として示してある。
【0035】
上記(ハ)の操作においては、何れの毛髪保持具にも挿入されない毛髪束の一部の巻き残し(後れ毛)の発生抑制、各毛髪束の毛髪量を均等に分割する際の容易性の観点から、上側頭髪は、偶数個(4個,6個又は8個)に分割することが好ましく、6個に分割することがより好ましい。
【0036】
装着工程においては、分割工程により分割して生じた各毛髪束に、第1又は第2の毛髪保持具1A,1Bを装着する。
上述した何れの分割工程の方法においても、隣りあう毛髪束どうしのウェーブ形状の均一性の観点から、つまり、対象性を望む場合には、第1の毛髪保持具1Aを、頭部における左右の一方の側の総ての区画の毛髪束に装着し、第2の毛髪保持具1Bを、左右の他方の側の総ての区画の毛髪束に装着することが好ましい。
一方、毛髪の対象性を望まない場合、例えば、図6に示すように下側頭髪を左右の中央線で分割しない場合や、例えば、図7に示すように上側頭髪を左右の中央線で分割しない場合には、該中央線が通る位置に区画MD,MUが生じるが、それらの区画MD,MUの毛髪束には、第1及び第2の毛髪保持具1A,1Bの何れを装着しても良い。
【0037】
上述した分割工程及び装着工程は、分割工程が完全に終了した後に、装着工程を行っても良いが、分割工程と装着工程の各々の実施時期を明確に区別することを要求するものではない。つまり、頭髪全体の一部又は全部を分割工程に処した後に、その一部又は全部を装着工程に処しても良い。例えば、分割工程において、毛髪保持具1A又は1Bを装着し得る1又は2以上の毛髪束が生じるたびに、それらの毛髪束に毛髪保持具1A又は1Bを装着しても良い。或いは、一部又は全部をまとめて分割工程を行った後に装着工程を行い、更に残りを分割工程を行った後に、装着工程を行っても良い。
分割と装着は、適宜組合せて行うことができる。一例を挙げれば、頭髪を上側頭髪と下側頭髪とに2分割し、その上側頭髪を2又は3分割した後、下側頭髪を分割する前に、上側頭髪の分割により生じた2又は3本の毛髪束に毛髪保持具1A又は1Bを装着しても良い。また、上側頭髪の2又は3分割と下側頭髪の4〜8分割は、上側頭髪の分割後に下側頭髪の分割を行っても良いし、下側頭髪の分割後に上側頭髪の分割を行っても良い。
更に、上側頭髪又は下側頭髪を3分割以上に分割する場合、上側頭髪又は下側頭髪を2分割して毛髪保持具1A又は1Bを装着し得る一部の毛髪束を生じさせ、その毛髪束に毛髪保持具1A又は1Bを装着した後、残りの部分を分割して、毛髪保持具1A又は1Bを装着し得る他の毛髪束を生じさせ、それらに毛髪保持具1A又は1Bを装着しても良い。
【0038】
上述した本発明の方法の好ましい実施態様によれば、上記のようにして、分割工程と装着工程を行いウェーブ形状に変形し保持した毛髪束を、ウェーブ用剤によって処理を行うことで、未熟練な技術者であっても、仕上がりのウェーブヘアスタイルの対称性が高くなる位置に毛髪保持具を自然に取り付けられ、ヘアスタイルの左右対称性が容易に確保でき、しかも、頭の形状や上側頭髪と下側頭髪に付与されたウェーブ形状の重なるクラウン及びバックでボリュームが出過ぎず、首筋の部分で髪の重なりが少なくなり、バック及びネープのシルエットが凹むことがなくなることでヘアスタイルの輪郭のバランスがとれ、さらには、上側頭髪の毛先部分のウェーブと下側頭髪の中間部分のウェーブがともに同じ強さのかかりになることから、ウェーブが連続して不自然さのない一体感を構成し、全体的に一体感のあるウェーブを頭髪全体に付与できる。
【0039】
本発明のウェーブ用毛髪保持具キットやウェーブ付与セットを用いて、頭髪全体に一時的なウェーブを付与する方法としては、以下の方法が挙げられる。
・ウェーブを付与する部位に毛髪保持具を装着し、一定時間、例えば10〜20分程度、毛髪保持具を装着した状態を維持したのち、毛髪保持具を外す方法。
・ウェーブを付与する部位に毛髪保持具を装着し、毛髪保持具を装着した状態でヘアドライヤーを使い一旦加熱して、頭髪が冷えた時点で毛髪保持具を外す方法。
・ウェーブを付与する部位に毛髪保持具を装着し、毛髪保持具を装着した状態で一時的なウェーブ付与剤を塗布し、剤の乾燥後に毛髪保持具を外す方法。
【0040】
本発明のウェーブ用毛髪保持具キットやウェーブ付与セットと併用する好ましい一時的なウェーブ付与剤は、水、形状変形促進剤、形状保持剤を含む。
形状変形促進剤は、α−ヒドロキシモノカルボン酸、炭素数2〜6のアルコール、芳香族アルコール、N−アルキルピロリドン、アルキレンカーボネート、数平均分子量が200〜1000のポリプロピレングリコール、ラクトン及び環状ケトンからなる群より選ばれる一種以上を用いることができる。
α−ヒドロキシモノカルボン酸としては、グリコール酸、乳酸、α−オキシ酪酸、グリセリン酸が挙げられ、炭素数2〜6のアルコールとしては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンが挙げられ、芳香族アルコールとしては、ベンジルアルコール、シンナミルアルコール、フェネチルアルコール、p−アニシルアルコール、p−メチルベンジルアルコール、フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノールが挙げられる。N−アルキルピロリドンとしては、N−メチルピロリドン、N−オクチルピロリドン、N−ラウリルピロリドンが挙げられ、アルキレンカーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートが挙げられ、数平均分子量が200〜1000のポリプロピレングリコールとしては、数平均分子量の400が挙げられる。
これらのうち、乳酸、エタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、N−メチルピロリドン、プロピレンカーボネートが好ましい。
【0041】
一時的なウェーブ付与剤への形状変形促進剤の配合量としては、毛髪保持具に包まれた毛髪束への剤の馴染み及びウェーブ付与剤塗布後の髪の乾きの速さの観点から、0.5〜50質量%が好ましく、1〜45質量%がさらに好ましく、2〜40質量%が一層好ましい。
【0042】
形状保持剤としては、毛髪内部での架橋を形成する有機ジカルボン酸又はその塩と、毛髪の表面にて被膜形成性又は粘着性を示すポリマーが挙げられる。
有機ジカルボン酸又はその塩としては、炭素数2〜8のものが好ましく、具体的にはマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、シュウ酸、リンゴ酸、酒石酸等が挙げられる。これらのうち、炭素数3以上のヒドロキシジカルボン酸であるリンゴ酸、酒石酸、マロン酸、コハク酸が好ましく、とりわけリンゴ酸が好ましい。これら有機ジカルボン酸の塩としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニア、有機アミン化合物との塩が挙げられる。
一時的なウェーブ付与剤への有機ジカルボン酸の配合量としては、形状保持効果の観点から、0.1〜15質量%が好ましく、0.2〜12.5質量%がさらに好ましく、0.5〜10質量%が一層好ましい。
【0043】
被膜形成性又は粘着性を示すポリマーとしては、ポリ(N−ホルミルエチレンイミン)オルガノシロキサン、ポリ(N−アセチルエチレンイミン)オルガノシロキサン、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)オルガノシロキサン等のオルガノポリシロキサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体、ビニルピロリドン/酢酸ビニル/プロピオン酸ビニル三元共重合体、ビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート(四級塩化)共重合体、ビニルピロリドン/アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、ビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体等のポリビニルピロリドン系高分子化合物;メチルビニルエーテル/無水マレイン酸アルキルハーフエステル共重合体等の酸性ビニルエーテル系高分子化合物;酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/ネオデカン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/プロピオン酸ビニル共重合体等の酸性ポリ酢酸ビニル系高分子化合物;(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸/アクリル酸アルキルエステル/アルキルアクリルアミド共重合体等の酸性アクリル系高分子化合物;N−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン/メタクリル酸ブチル共重合体、アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル/アクリル酸オクチルアミド共重合体等の両性アクリル系高分子化合物;アクリルアミド・アクリルエステル系四元共重合体等の塩基性アクリル系高分子化合物;カチオン性セルロース誘導体等のセルロース誘導体;ヒドロキシプロピルキトサン、カルボキシメチルキチン、カルボキシメチルキトサン等のキチン・キトサン誘導体などが挙げられ、とりわけ、オルガノポリシロキサンが好ましい。
【0044】
一時的なウェーブ付与剤への被膜形成性又は粘着性を示すポリマーの配合量としては、形状保持効果の観点から、乾燥樹脂量として0.1〜15質量%が好ましく、0.2〜10重量%がさらに好ましく、0.5〜5重量%が一層好ましい。
ウェーブ付与剤のpHは、形状保持効果の観点から、2.5〜5.5が好ましく、2.75〜5.0がさらに好ましく、3.0〜4.5が一層好ましい。
【0045】
上述のようにして、第1又は第2の毛髪保持具1A,1Bを頭髪全体に装着した後、パーマネントウェーブ用剤を用いて処理を行うことにより、頭髪全体にパーマネントウェーブを付与することもできる。
本発明で用いることができるパーマネントウェーブ用剤としては、従来のパーマネントウェーブの施術に用いられているパーマネントウェーブ用第1剤(以後、第1剤という)及び、必要に応じて、パーマネントウェーブ用第2剤(以後、第2剤という)を第1剤に引き続き使用することができる。
【0046】
本発明の第1剤は、還元剤を含有する。還元剤としては、チオグリコール酸及びその塩、システイン及びその塩、チオ乳酸及びその塩、システアミン及びその塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、チオ硫酸塩、アセチルシステイン、グルタチオンが挙げられる。チオグリコール酸及びチオ乳酸の塩としては、アンモニウム塩、有機アミン類(モノエタノールアミン等)のアンモニウム塩が、システイン及びシステアミンの塩としては塩酸塩、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩及びチオ硫酸塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、有機アミン類(モノエタノールアミン等)のアンモニウム塩が挙げられる。施術者の熟練を要しなくてもヘアダメージや皮膚刺激がなく、しかも、適切な強さのパーマネントウェーブが得られるとの観点から、還元剤としては、チオグリコール酸及びその塩、システイン及びその塩、チオ乳酸及びその塩、亜硫酸塩が好ましく、また、同様の観点から、還元剤の含有量は、第1剤中に0.1〜15質量%が好ましく、0.2〜10質量%がより好ましく、0.5〜7質量%が一層好ましい。さらに、通常の第1剤に用いられている成分や化粧品分野で用いられる成分を、目的に応じて加えることができる。このような任意成分の配合目的としては、アルカリ剤、pH調整剤、乳化剤、可溶化剤、粘度調整剤、浸透促進剤、感触向上剤、毛髪補修剤、パール剤化、抗炎症剤、防腐剤、金属封鎖剤、安定化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、保湿剤、製品着色剤、賦香剤等を挙げることができる。
【0047】
一方、本発明の第1剤に引き続いて使用する第2剤は、酸化剤を含有する。酸化剤としては、臭素酸塩、過ホウ素酸塩、過酸化水素等が挙げられ、臭素酸塩及び過ホウ素酸塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩が挙げられる。酸化剤の含有量は、施術者の熟練を要しなくてもヘアダメージがなく、しかも、適切な強さのパーマネントウェーブが得られるとの観点から、酸化剤としては、過酸化水素及び臭素酸ナトリウムが好ましく、さらに、同様の観点から、酸化剤の含有量は、過酸化水素の場合、第2剤中に0.25〜3質量%が好ましく、0.5〜2.75質量%がより好ましく、0.75〜2.5質量%が一層好ましく、臭素酸ナトリウムの場合、第2剤中に0.5〜10質量%が好ましく、0.75〜9質量%がより好ましく、1〜8質量%が一層好ましい。また、通常の第2剤に用いられている成分や化粧品分野で用いられる成分を、目的に応じて加えることができる。このような任意成分の配合目的としては、pH調整剤、乳化剤、可溶化剤、粘度調整剤、浸透促進剤、感触向上剤、毛髪補修剤、パール化剤、抗炎症剤、防腐剤、金属封鎖剤、安定化剤、紫外線吸収剤、保湿剤、製品着色剤、賦香剤等を挙げることができる。
【0048】
第1剤又は第2剤で処理する方法は、第1剤又は第2剤を毛髪保持具内に開口部等から注入する方法を採用することもできるが、筒状体2を液透過性として毛髪保持具の外部から施すことが好ましい。例えば、毛髪束と共に巻き上げた状態の筒状体2を、袋(ポリエチレンやポリプロピレンやポリエチレンテレフタレートやそれらの複合樹脂等の樹脂フィルム製の袋等)や容器等に収容した第1剤又は第2剤に漬すことにより施すことが好ましい。また、第1剤又は第2剤は、筒状体2の外面から塗り込んだり、筒状体2の外面に吹きかけたりして施すこともできる。また、第1剤による処理と第2剤による処理との間には、筒状体2を毛髪束に装着して巻き上げた状態のまま、洗髪して第1剤を洗い落とすことも好ましい。この観点からは、筒状体2は、メッシュからなるもの等、水等を容易に透過し得るものであることが好ましい。
【0049】
図8及び図9は、ウェーブ用毛髪保持具キットを用いて、髪にウェーブを付与したい人自身が、分割工程及び装着工程を行う場合の好ましい方法を示す図である。当該方法は、下記手順1〜8をその順に行うことで、分割工程及び装着工程を行うものである。
【0050】
手順1:両耳上から親指を入れ、上下に分け、上側頭髪をゴム等の留め具(以下、ゴムという)で留める〔図8(a),(b)参照〕。
手順2:下側頭髪を左右均等に分ける〔図8(b)参照〕。片側をゴムで留めると便利である。
手順3:第2の毛髪保持具1Bを装着し、左側の毛髪束HL1を巻き上げる〔図8(c)(d)参照〕。
手順4:ゴムで留めた場合には、そのゴムを外し、第1の毛髪保持具1Aを用いて、右側の毛髪束HR1も巻き上げる〔図8(d)参照〕。
【0051】
手順5:上側頭髪を、中央から2つに分ける〔図9(a)参照〕。頭部片側の毛髪束はゴムで留めておくことが好ましい。
手順6:上側頭髪左側の毛髪束を、頭頂部と耳の後ろを結ぶラインP2aで2つの束に分け〔図9(b)参照〕、フェースラインに最も近い位置にできた上側毛髪束HL2を先に巻き上げる〔図9(c)参照〕。上側頭髪左側の毛髪束の巻き上げには、第2の毛髪保持具1Bを用いる。
手順7:左側の残った毛髪束を、頭頂部から2つの上側毛髪束HL3,HL4に分ける〔図9(d)参照〕。そして、フェースラインに近い方の上側毛髪束から順に、何れも第2の毛髪保持具1Bを使用して巻き上げる〔図9(e)参照〕。
手順8:そして、頭部の反対側(右側)も同様にして巻き上げる。但し、右側の毛束の巻き上げには、第1の毛髪保持具1Aを用いる〔図9(f)参照〕。
なお、毛髪束HL1〜HL4、HR1〜HR4は、それぞれ、図5に示す分割工程の各区画L1〜L4,R1〜R4に対応する毛髪束である。
【0052】
手順1〜8に従って、頭髪全体を合計8個の毛髪束に分けて巻き上げた後、パーマネントウェーブ用剤によって処理を行うことで、自分自身で処理する場合であっても、適切な位置に容易に毛髪保持具を取り付けることができ、ヘアスタイルの左右対称性やその輪郭のバランスが良好なパーマネントウェーブを頭髪全体に容易に付与することができる。
【0053】
なお、上記の例では、頭部の左側の毛髪束の巻き上げに第2の毛髪保持具1B、頭部の右側の毛髪束の巻き上げに第1の毛髪保持具1Aを用いたため、最もフェースライン側にある左右2本の上側の毛髪束に、外巻きの螺旋状のウェーブを付与することができる。これに代えて、左側の毛髪束の巻き上げに第1の毛髪保持具1A、右側の毛髪束の巻き上げに第2の毛髪保持具1Bを用いても良く、その場合には、最もフェースライン側にある左右2本の上側の毛髪束に、内巻きの螺旋状のウェーブを付与することができる。何れの場合も最もフェースライン側にある毛髪束に左右のバランスのよい螺旋状のウェーブを付与できるため、全体としても左右のバランスが良い印象のパーマネントウェーブを付与することができる。
【0054】
一般消費者が、家庭等において、自分の髪に自分でパーマネントウェーブ施術ができるようにする観点から、パーマネントウェーブ付与セットには、一人1回分のパーマネントウェーブ施術を可能とする数量の第1及び第2の毛髪保持具の一組みを含む本発明の毛髪保持具キットと、パーマネントウェーブの付与方法の1又は2以上の実施形態が記載された説明を付属させることが好ましい。
当該説明は、毛髪保持具キットが収容された包装体(包装容器や包装紙等)の外面に印刷等により表示する場合の他、包装体に説明書を同封しても良いし、そのような説明書を、包装体に紐やゴム等を介して取り付けても良い。説明の表現方法も、制限されず、文章のみで表現されていても、文章と図(イラスト等)や写真等とを組合せて表現されていても良く、図や写真のみで表現されていても良い。また、一般消費者に判り易い説明とするために、第1の毛髪保持具1Aと第2の毛髪保持具1Bを着色や識別標識により識別できるようにしても良く、例えば、巻き上げ用糸7等の構成部材の色を異ならせ、第1及び第2の毛髪保持具1A,1Bを、それぞれの色に応じて、黄色の巻き上げ用糸のカーラー、ピンクの巻き上げ用糸のカーラー等と判り易く表現することも好ましい。
【0055】
また、パーマネントウェーブ付与セットは、毛髪保持具キット、パーマネントウェーブ用剤、パーマネントウェーブの付与方法を記載した説明書の他に、パーマネントウェーブ施術に用いる道具、例えば、毛髪束を毛髪保持具の内部に挿入するための毛髪束挿入具、パーマネントウェーブ用剤を用い毛髪束を処理する際の剤の垂れ落ちを抑制する、パーマネントウェーブ用剤及び毛髪束に装着した毛髪保持具をその内部に収容可能な袋、衣服へのパーマネントウェーブ用剤やすすぎ水の垂れ落ちを防ぐケープ等と共に、パーマネントウェーブ付与セットとして流通(販売等)させることも好ましい。
【0056】
以下、本発明のウェーブ付与方法及びパーマネントウェーブ付与方法それぞれの好ましい一実施態様を、本発明に係るウェーブ付与セット(又はパーマネントウェーブ付与セット)の具体的な使用手順により説明する。
【0057】
1.一時的なウェーブ付与方法
頭髪全体に、洗髪により元の形状に戻る一時的なウェーブを付与したい人自身が、ウェーブ付与セットを使用し、手順T1〜T9に従いウェーブを付与する方法。
【0058】
〔ウェーブ付与セット〕
使用するウェーブ付与セットの構成は、次の通り。
・第1の毛髪保持具L1、L2、L3、L4の4個、及び第2の毛髪保持具R1、R2、R3、R4の4個からなる「ウェーブ付与キット」。
・毛髪束挿入具:第1及び第2の毛髪保持具へ毛髪束を挿入するために用いるもの。図3(a)に示す外観で、材質が低密度ポリエチレン製、材質厚1.2mm、全長35cmのもの。
・ポンプディスペンサー容器(内容物を霧状にして噴霧できるもの)に充填された表1記載の一時的なウェーブ付与剤
・下記のウェーブの付与方法の手順が記載された「使用説明書」
【0059】
第1及び第2の毛髪保持具は、図1(a)、(b)に記載の構造を有し、以下の材料を用い図10で示す形状及び寸法に基づき作成したものを使用した。但し、第1及び第2の毛髪保持具は互いに鏡像関係にあることから、その形状及び寸法は第1の毛髪保持具を以って例示した。図10中の数値の単位はmmである。
図1で示す筒状体2を構成するシート23A及びシート23Bは、ティーロード4817(山中産業社製)として入手できる熱融着性ポリエステル繊維のメッシュ素材(オープニング180μm、オープニングエリア68%、繊径50μm)、巻き上げ糸7は、材質がポリエチレンテレフタレート製で線径が1.0mm、巻き上げ糸7の両端に熱融着した係止片72、73、及び74は、材質がポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン芯鞘構造のスパンボンド不織布エルベス(坪料70g/m2、、ユニチカ(株)製)、ストッパー部3を構成する弾性を有するシート片31は、材質が低密度ポリエチレン製、厚み1mm、指掛け部4は、材質がポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン芯鞘構造のスパンボンド不織布エルベス(坪料70g/m2、ユニチカ(株)製)を用いた。各部材は図10の寸法に従って切断した後、全て熱シールにより接合し第1又は第2の毛髪保持具に組み立てた。
【0060】
〔ウェーブ付与方法の手順〕
手順T1.両耳の付け根の上側を親指で軽く押さえ、頭から親指が離れないように親指を水平に頭の後ろに動かし分け取れる上側の髪を片手で握り、それを束ね・捻り・折り曲げたあと、ウェーブクリップにて留め、頭髪を上側の髪と下側の髪に分割した。
手順T2.リングコームで下側の髪の毛流れを整えたのち、頭部を左右に分ける中央線を基準に左右2つの毛髪束に分割し、それぞれを両手で握る手の感覚を基準にして、左右の毛髪束の毛量が均等なるように調整したのち、左右の毛髪束をそれぞれゴムで留め、下側の髪を左右に分割した。
手順T3.上側の髪からウェーブクリップを外し、リングコームで毛流れを整えたのち、頭部を左右に分ける中央線を基準に左右の毛髪束に分割し、毛髪束を手で握ったときの感覚を基準に毛量が均等になるように毛量を調節したのち、上側の右毛髪束を束ねゴムで留めた。
手順T4.リングコームで毛流れを整えたのち、上側の左毛髪束を手で握ったときの感覚を基準に毛量が均等になるよう、顔に近い毛髪束から、上側の左前、左中央、左後の3つの毛髪束に等分し、それぞれの毛髪束をゴムで留めた。
手順T5.上側の右毛髪束のゴムを外し、リングコームで毛流れを整えたのち、上側の右毛髪束を手で握ったときの感覚を基準に毛量が均等になるよう、顔に近い毛髪束から、上側の右前、右中央、右後の3つの毛髪束に等分し、それぞれの毛髪束をゴムで留めた。
手順T6.下側の髪の左毛髪束のゴムを外し、リングコームで毛流れを整えたのち、
毛髪束挿入具を使い第1の毛髪保持具L1へ毛髪束を挿入し、巻き上げ用糸を使いウェーブ形状に変形・固定し装着した。次いで、下側の髪の右毛髪束のゴムを外し、リングコームで毛流れを整えたのち、毛髪束挿入具を使い第2の毛髪保持具R1へ毛髪束を挿入し、巻き上げ用糸を使いウェーブ形状に変形・固定し装着した。
手順T7.上側の髪の左前の毛髪束のゴムを外し、リングコームで毛流れを整えたのち、毛髪束挿入具を使い第1の毛髪保持具L2へ毛髪束を挿入し、巻き上げ用糸を使いウェーブ形状に変形・固定し装着した。同様に、左中央、左後の順に、第1の毛髪保持具L3、L4をそれぞれ装着した。
手順T8.上側の髪の右前の毛髪束のゴムを外し、リングコームで毛流れを整えたのち、毛髪束挿入具を使い第2の毛髪保持具R2へ毛髪束を挿入し、巻き上げ用糸を使いウェーブ形状に変形・固定し装着した。同様に、右中央、右後の順に、第2の毛髪保持具R3、R4をそれぞれ装着した。
手順T9.ポンプディスペンサー容器に充填された表1記載の一時的なウェーブ付与剤を毛髪保持具の外から、毛髪束が少し湿るまで噴霧する。
手順T10.そのままの状態で5分間静置する。
手順T11.毛髪束から毛髪保持具を外し、ブラシを使ってヘアスタイルを整えてウェーブ付与方法の手順を終了した。
【0061】
【表1】

【0062】
2.パーマネントウェーブ付与方法
頭髪全体に、パーマネントウェーブを付与したい人自身が、パーマネントウェーブ付与セットを使用し、下記手順P1〜P11に従いパーマネントウェーブを付与する方法。
【0063】
〔パーマネントウェーブ付与セット〕
使用するパーマネントウェーブ付与セットの構成は、次の通り。
・第1の毛髪保持具L1、L2、L3、L4の4個、及び第2の毛髪保持具R1、R2、R3、R4の4個からなる「ウェーブ付与キット」で、ウェーブ付与セットで使用したウェーブ付与セットと同じもの。
・毛髪束挿入具:第1及び第2の毛髪保持具へ毛髪束を挿入するために用いるもの。図3(a)に示す外観で、材質が低密度ポリエチレン製、樹脂の厚み1.2mm、長さ35cm。
・先細ノズルのアプリケーターに充填された表2記載のローション状の第1剤80mL及びジャー容器に充填された表3記載のクリーム状の第2剤60gからなる「パーマネントウェーブ用剤」
・本パーマネントウェーブ付与方法の手順が記載された「使用説明書」
・手袋とケープ
【0064】
〔パーマネントウェーブ付与方法の手順〕
手順P1.両耳の付け根の上側を親指で軽く押さえ、頭から親指が離れないように親指を水平に頭の後ろに動かし上側の髪を分け取り、それを束ね・捻り・折り曲げたあと、ウェーブクリップにて留め、頭髪を上側の髪と下側の髪に分割した。
手順P2.リングコームで下側の髪の毛流れを整えたのち、頭部を左右に分ける中央線を基準に左右2つの毛髪束に分割し、それぞれを両手で握る手の感覚を基準にして、左右の毛髪束の毛量が均等なるように調整したのち、右の毛髪束をゴムで留め、下側の髪を左右均等に分割した。
手順P3.リングコームで下側の左毛髪束の毛流れを整えたのち、毛髪束挿入具を使い左側の毛髪束を第1の毛髪保持具L1へ挿入し、巻き上げ用の糸を使い毛髪束をウェーブ形状に変形・固定し装着した。次に、下側の右毛髪束からゴムを外し、リングコームで毛流れを整えたのち、左毛髪束と同様の手順で第2の毛髪保持具R1を装着した。
手順P4.上側の髪からウェーブクリップを外し、リングコームで毛流れを整えたのち、頭部を左右に分ける中央線を基準に左右2つの毛髪束に分割し、毛髪束を手で握ったときの感覚を基準に毛量が均等になるように毛量を調節したのち、上側の右髪束を束ねゴムで留めた。
手順P5.上側の左毛髪束を手で握ったときの感覚を基準に毛量が均等になるよう、顔に近い毛髪束から、上側の左前、左中央、左後の3つの毛髪束に等分し、左中央、左後の2つの毛髪束をそれぞれゴムで留めた。リングコームで毛流れを整えたのち、左前の毛髪束へ第1の毛髪保持具L2を装着し、次いで、左中央の毛髪束のゴムを外し、リングコームで毛流れを整えたのち、左中央の毛髪束へ第1の毛髪保持具L3を装着し、さらに、左後の毛髪束のゴムを外し、リングコームで毛流れを整えたのち、左後の毛髪束へ第1の毛髪保持具L4を装着した。
手順P6.上側の右髪束のゴムを外し、リングコームで毛流れを整えたのち、上側の右毛髪束を手で握ったときの感覚を基準に毛量が均等になるよう、顔に近い毛髪束から、上側の右前、右中央、右後の3つの毛髪束に等分し、右中央、右後の2つの毛髪束をそれぞれゴムで留めた。リングコームで毛流れを整えたのち、右前の毛髪束へ第2の毛髪保持具R2を装着し、次いで、右中央の毛髪束のゴムを外し、リングコームで毛流れを整えたのち、右中央の毛髪束へ第2の毛髪保持具R3を装着し、さらに、右後の毛髪束のゴムを外し、リングコームで毛流れを整えたのち、右後の毛髪束へ第2の毛髪保持具R4を装着した。
手順P7.下側の髪に装着した第1の毛髪保持具L1、第2の毛髪保持具R1の順に表2記載のパーマネントウェーブ用剤1剤を10mLずつ塗布、次いで、上側の髪に装着した6個の第1及び第2の毛髪保持具に対して、L2、R2、L3、R3、L4、R4の順にパーマネントウェーブ用剤1剤を10mLずつ塗布した。
【0065】
手順P8.最後の毛髪保持具にパーマネントウェーブ用剤1剤を塗布した後から10分間そのままの状態で静置した。
手順P9.毛髪保持具を装着した状態で、水でパーマネントウェーブ用第1剤をすすぎ流し、毛髪保持具からすすぎ水が垂れ落ちなくなるまでタオルで水気を除いた。
手順P10.毛髪保持具1個当たり7gの表3記載のパーマネントウェーブ用第2剤を、毛髪保持具の表面全体に手で塗布し、毛髪保持具の内部に行き渡るように擦り込んだ。
手順P11.10分間そのままの状態で静置した。
手順P12.全ての毛髪束から毛髪保持具を外し、水でパーマネントウェーブ用第2剤をすすぎ流し、パーマネントウェーブ付与方法の手順を終了した。
【0066】
【表2】

【0067】
【表3】

【0068】
以上、本発明の毛髪保持具キット、パーマネントウェーブの付与方法等の好ましいいくつかの実施形態について説明したが、各発明は、前述した実施形態に制限されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。
上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。
【符号の説明】
【0069】
1A 第1の毛髪保持具
1B 第2の毛髪保持具
2 筒状体
21 一端部の開口部
22 他端部の開口部
23,23A,23B シート
24A,24B 側端部
25 一端部
26 他端部
3 ストッパー部
31 シート片
32 貫通孔部
33 切れ目
4 指掛け部
5A〜5C 毛髪束挿入具
6A,6B 挿通孔部
7 巻き上げ用糸
71 一端
72 他端
73、74 係止片
F 指
H 毛髪束

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状体の内部に毛髪束を収納し、該毛髪束を螺旋状に変形させ保持可能な、下記の第1の毛髪保持具及び第2の毛髪保持具のそれぞれ複数個からなるウェーブ用毛髪保持具キット。
第1の毛髪保持具:毛髪束を毛髪束の根元側から見て時計回りの螺旋状に変形させ得る毛髪保持具。
第2の毛髪保持具:毛髪束を毛髪束の根元側から見て反時計回りの螺旋状に変形させ得る毛髪保持具。
【請求項2】
請求項1記載のウェーブ用毛髪保持具キットを用いて、頭髪にウェーブを付与する方法であって、
第1及び第2の毛髪保持具を頭髪に装着する工程が、下記の分割工程と装着工程を含むウェーブの付与方法。
分割工程:頭髪を、上側頭髪と下側頭髪とに2分割し、該下側頭髪を、頭部の周方向に2〜3分割して同数の下側毛髪束とし、該上側頭髪を、頭部の周方向に4〜8分割して同数の上側毛髪束とし、合計6〜11個の毛髪束に分割する工程。
装着工程:分割工程で分割した毛髪束に第1及び第2の毛髪保持具を装着する工程。
【請求項3】
前記分割工程が、頭部の前後に延びる中央線に対して左右対称の位置に毛髪束が生じる工程を含む、請求項2記載のウェーブの付与方法。
【請求項4】
前記分割工程が、左右の耳の付け根を結ぶ、左右中央線を基準に、上側頭髪と下側頭髪とに2分割し、該下側頭髪を、頭部の前後に延びる中央線を基準に周方向に2分割して2個の下側毛髪束とし、該上側頭髪を、頭頂部を基点とする線を基準に周方向に4〜8分割して4〜8個の上側毛髪束とする、請求項2又は3記載のウェーブの付与方法。
【請求項5】
前記装着工程が、前記分割工程で作られる上側毛髪束のうち、最もフェースライン側にある左右2本の毛髪束の一方に第1の毛髪保持具を装着し、他方に第2の毛髪保持具を装着する工程を含む、請求項2記載のウェーブの付与方法。
【請求項6】
請求項2〜5の何れかに記載のウェーブの付与方法により頭髪にウェーブ用毛髪保持具キットを装着した後に、パーマネントウェーブ用剤を適用し頭髪にパーマネントウェーブを付与するパーマネントウェーブの付与方法。
【請求項7】
請求項2〜5の何れかに記載のウェーブの付与方法が記載された説明、及び請求項1記載のウェーブ用毛髪保持具キットを含むウェーブ付与セット。
【請求項8】
請求項7記載のウェーブ付与セットに、更にパーマネント用剤を含むパーマネントウェーブ付与セット.

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−147730(P2011−147730A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−13534(P2010−13534)
【出願日】平成22年1月25日(2010.1.25)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】