ウォーターブロック及びウォーターブロック構造体
【課題】軽く、容器(タンク)として利用でき、基礎が不要で、ブロックとして積み上げることができるものであって、構造体を容易に構築できるウォーターブロックを提供する。
【解決手段】本発明のウォーターブロックBは、合成樹脂からなる中空のウォーターブロックである。ウォーターブロックBの基準線Xに対して所定間隔部Yをおいて外方向に張り出した複数の第1の方向の中空容器部10と、基準線Xに対して、第1の方向の中空容器部10の所定間隔部Yの位置で且つ異なる外方向に所定間隔部Yをおいて張り出した少なくとも一つの第2の方向の中空容器部20と、を備えている。そして、第1の方向の中空容器部10と第2の方向の中空容器部20の内部で連通した連続空間部30を有し、この連続空間部30には、少なくとも2箇所の給水又は排水用の出入り口40,50が形成されている。
【解決手段】本発明のウォーターブロックBは、合成樹脂からなる中空のウォーターブロックである。ウォーターブロックBの基準線Xに対して所定間隔部Yをおいて外方向に張り出した複数の第1の方向の中空容器部10と、基準線Xに対して、第1の方向の中空容器部10の所定間隔部Yの位置で且つ異なる外方向に所定間隔部Yをおいて張り出した少なくとも一つの第2の方向の中空容器部20と、を備えている。そして、第1の方向の中空容器部10と第2の方向の中空容器部20の内部で連通した連続空間部30を有し、この連続空間部30には、少なくとも2箇所の給水又は排水用の出入り口40,50が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はウォーターブロック及びウォーターブロック構造体に係り、特に液状物を注入可能なウォーターブロックと、このウォーターブロックを予め複数連結した後で、液状物の注入を行なうことのできるウォーターブロック及びウォーターブロック構造体に関する。なお、本明細書の説明において、液状物を「水」を対象として説明するが、「水」以外の液状物を含むものである。
【背景技術】
【0002】
従来からウォーターブロックについては、折りたたみ式ウォーターブロック注水口より水道水その他の水を注水するだけで即席硬質重量感のあるブロック体を形成する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
しかし、上記特許文献1の提案技術では、ブロック体を複数結合させて、壁や建築物、陳列棚等を構成する構造体を提供することはできないものであった。
そこで、「プラスチックのブロックでできた建築」として、建築家の隈健吾氏の考えたウォーターブロックは、子供がLEGO(商標:ブロック)で家をつくるようにして組み立てられるプラスチック製のブロックを使った建築が提案されている(非特許文献1)。
【0004】
この非特許文献1によれば、「大きなプラスチックのブロックは重くて持てないし組み立てもむずかしい」こと、「ウォーターブロックは中が空洞になっていて組み立てる時は重くない」こと、「その空洞部に水を入れることで安定し建物としての強度が得られるしくみになっている」こと、「中の水は断熱材の効果があり、外が寒くても中は暖かい」こと、「使い終わったら水を抜いて、回収するとまた違う場所で組み立てて使用できる」こと、「このウォーターブロックをデュポン社のバイオマックス(商標)で製作し、災害時の仮設住宅などに役に立てようというアイデアもある」こと、「その環境や人の心に深い思い入れのある隈氏は、ウォーターブロックに生分解性プラスチックを利用することで本来の機能(その独特な意匠性、設営が簡単にできること、住宅としての機能があること、撤去が簡単にできることなど)に加え、廃棄の際にも環境に優しいものになることを希望している」ことなどが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2000−144672
【非特許文献1】「ミラノサローネ 隈 研吾スペシャルインタビュー」2007年5月25日(http://www.excite.co.jp/ism/concierge/rid_381/参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記非特許文献1に記載のウォーターブロックは、非常に軽く、持ち運びが簡単で、組付が容易であり、液体を入れることにより、重量が増加すると共に、構造体を形成することが可能となるものであるなど、非常に有用であるが、ウォーターブロックそのものの具体的な構成や、ウォーターブロックを組み付けた構造体そのものについては、何らの開示がないものであり、ウォーターブロックがどのような形状で、どのような構成をしているのか、ウォーターブロックをどのようにして構造体とするのかなど、明確に開示されていないものである。
【0007】
本発明の目的は、ウォーターブロックが軽く、容器(タンク)として利用でき、基礎が不要で、ブロックとして積み上げることができるものであって、前記非特許文献1に記載のような構造体を容易に構築できるウォーターブロックを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記ウォーターブロックによって形成される壁体、陳列台など各種の建築物や構造物を形成したウォーターブロック構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題は、本発明のウォーターブロックによれば、合成樹脂からなる中空のウォーターブロックにおいて、ウォーターブロックの基準線に対して所定間隔部をおいて外方向に張り出した複数の第1の方向の中空容器部と、前記基準線に対して、前記第1の方向の中空容器部の所定間隔部の位置で且つ異なる外方向に所定間隔部をおいて張り出した少なくとも一つの第2の方向の中空容器部と、を備え、前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部の内部で連通した連続空間部を有し、該連続空間部には、少なくとも2箇所の給水又は排水用の出入り口が形成されていること、により解決される。
このように、第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部の内部で連通した連続空間部を有し、この連続空間部には、少なくとも2箇所の給水又は排水用の出入り口が形成されているので、ウォーターブロックへの水の供給、排出を容易にすることが可能となる。特に、ウォーターブロックの基準線を一致させて、異なる方向に張り出した第1の方向の中空容器部と第2の方向の中空容器部を組み合わせることによって、ブロックを積み重ねたウォーターブロック構造体を形成することができ、少なくとも2箇所の給水又は排水用の出入り口が形成されているので、一方の出入り口から、水を注入することで、他方から連続空間部の内部の空気を排出できることで、ウォーターブロック内に水を十分に充填でき、安定性をもった重量のある構造物を提供することが可能となる。
【0009】
また少なくとも2箇所の給水或いは排水用の出入り口は、第1の方向の中空容器部と第2の方向の中空容器部のうち端側に位置する端部側に形成されたものを含み、端部側に形成された出入り口には、螺子部が形成されて、螺子キャップで封止可能となっていると、好適である。これにより、水が充填されたウォーターブロックを、螺子キャップによって、簡単に密閉することができる。
このとき、出入り口の螺子部は、螺子きり方向が互いに逆方向となっていると好適である。
【0010】
このように、2箇所の給水或いは排水用の出入り口の螺子部が、互いに逆方向となっていると、複数のウォーターブロックを連続して接続するときに、内側に回動係止するための係止孔を有する連結具を、回動治具によって操作して、接続されるウォーターブロック同士を引き付けるように結合できる。このため、複数のウォーターブロックを連続的に接続することが可能となる。
さらに前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部のうち端側に位置する端部側に形成された出入り口は、中空容器部の外側壁より内側に形成されているとより好ましい。このように構成することにより、ウォーターブロック同士が端部で当接しても、出入り口が邪魔にならずに、密着して構造体を形成することが可能となる。
【0011】
なお、合成樹脂は、芳香族環を有する生分解性ポリエステルで成形されていると良い。このように、生分解性ポリエステルで構成すると、最終的には水と二酸化炭素に分解されるという新しいサイクルシステムを構築することになる。
【0012】
前記課題は、本発明のウォーターブロック構造体は、合成樹脂からなる中空のウォーターブロックを複数連結したウォーターブロック構造体であって、前記ウォーターブロックは、ウォーターブロックの基準線に対して所定間隔部をおいて外方向に張り出した複数の第1の方向の中空容器部と、前記基準線に対して、前記第1の方向の中空容器部の所定間隔部の位置で且つ異なる外方向に所定間隔部をおいて張り出した少なくとも一つの中空の第2の方向の中空容器部と、を備え、前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部の内部で連通した連続空間部を有し、該連続空間部には、少なくとも2箇所の給水又は排水用の出入り口が形成されており、前記一つのウォーターブロックの第1の方向の中空容器部の所定間隔部と、他のウォーターブロックの第1の方向の中空容器部又は第2の方向の中空容器部とを嵌め合わせて壁体を形成したこと、により解決される。
【0013】
前記課題は、本発明のウォーターブロック構造体によれば、合成樹脂からなる中空のウォーターブロックを複数連結したウォーターブロック構造体であって、前記ウォーターブロックは、ウォーターブロックの基準線に対して所定間隔部をおいて外方向に張り出した複数の第1の方向の中空容器部と、前記基準線に対して、前記第1の方向の中空容器部の所定間隔部の位置で且つ異なる外方向に所定間隔部をおいて張り出した少なくとも一つの中空の第2の方向の中空容器部と、を備え、前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部の内部で連通した連続空間部を有し、該連続空間部には、少なくとも2箇所の給水又は排水用の出入り口が形成されており、該少なくとも2箇所の給水或いは排水用の出入り口は、前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部のうち端側に位置する端部側に形成されるものを含み、前記端部側に形成された出入り口には、螺子部が形成され、該螺子部で、内側に回動させるための回動係止孔を有する連結具を介して複数のウォーターブロックを連続して接続してなること、により解決される。
【0014】
このとき、前記複数のウォーターブロックを、連結具を介して連続して接続した最後の複数のウォーターブロックは、螺子キャップで封止可能となっていると好適である。これにより、複数のウォーターブロックを連結したウォーターブロック構造体を密閉することが可能となる。
【0015】
前記課題は、本発明のウォーターブロック構造体によれば、合成樹脂からなる中空のウォーターブロックを複数利用したウォーターブロック構造体であって、前記ウォーターブロックは、ウォーターブロックの基準線に対して所定間隔部をおいて外方向に張り出した複数の第1の方向の中空容器部と、前記基準線に対して、前記第1の方向の中空容器部の所定間隔部の位置で且つ異なる外方向に所定間隔部をおいて張り出した少なくとも一つの第2の方向の中空容器部と、を備え、前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部の内部で連通した連続空間部を有し、該連続空間部には、少なくとも2箇所の給水又は排水用の出入り口が形成されており、該少なくとも2箇所の給水或いは排水用の出入り口は、前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部のうち端側に位置する端部側に形成されるものを含み、前記複数のウォーターブロックを土台として、展示用棚板を配置し、該棚板の上に所定間隔をおいて複数のウォーターブロックを配置し、さらに展示用棚板を配置したものを、複数段構成し、一番上に棚板を配置して構築されること、により解決される。本発明の構造体は、展示用の棚としても活用することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のウォーターブロックによれば、小型化が図れて、輸送コストや保管費用の削減が可能となり、また、展示用としても利用することが可能であり、デザイン性の向上が図れるものを提供することができる。またウォーターブロック構造体は、各ウォーターブロックが、単純に凹凸を組み合わせることで、技術を要することなく、容易に構造体を形成できるだけでなく、解体も容易である。構造体としない場合には、容器(タンク)として使用することもできる。
【0017】
例えば、被災害地などには、援助物質として、ブロックによって水を供給することができ、運ぶ物質は水だけでなく、液体状物や医薬なども運べ、これらの供給の後で、このブロックは、仮設住宅を組み立てるブロックとして利用することができる。そして、その後は、パッケージとしてリサイクルに利用し、或いは芳香族環を有する生分解性ポリエステルで成形されているので、最終的には水と二酸化炭素に分解されるという新しいサイクルシステムを構築することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
図は本発明の実施形態を示すものであり、図1はウォーターブロックの斜視図、図2は図1のウォーターブロックの側面図、図3は図1のウォーターブロックの上面図、図4は図1のウォーターブロックの一部切欠した側面図、図5は図1のX方向からみた図、図6はウォーターブロックを連結するときの説明図、図7及び図8はキャップ及び連結部材の説明図、図9乃至図11はウォーターブロックの連結の説明図、図12乃至図18はウォーターブロック構造体の説明図である。
【0019】
本発明に係るウォーターブロックBは、合成樹脂から形成されており、このウォーターブロックBの中心である基準線Xに対して、一方向、図1では、上方向に、所定間隔部Yをおいて張り出した複数、図1では2つの第1の方向の中空容器部10,10が形成されている。本実施形態では、図1で示すように、第1の方向の中空容器部10は2箇所形成した例を示しているが、これに限らず、3箇所以上でもよい。
【0020】
また、この基準線Xに対して、上記第1の方向の中空容器部10の所定間隔部Yの位置で且つ異なる外方向、図1では下方向に、所定間隔部Yをおいて張り出した複数の第2の方向の中空容器部20,20・・、を備えている。本実施形態では、図1で示すように、第2の方向の中空容器部20は3箇所形成した例を示しているが、これに限らず、1箇所、2箇所或いは4箇所以上でもよい。
本実施形態では、第1の方向の中空容器部10と、第2の方向の中空容器部20、所定間隔部Yは、全て同じ長さ(例えば100mm)で構成されている。
【0021】
そして、第1の方向の中空容器部10と第2の方向の中空容器部20の内部で連通して形成された連続空間部30(図4参照)を有し、この連続空間部30は、2箇所の給水又は排水用の出入り口40,50が形成されている。
【0022】
図1乃至図4で示すように、2箇所の給水或いは排水用の出入り口40,50は、第1の方向の中空容器部10,10と第2の方向の中空容器部20,20,20のうち端側に位置する端部側に形成されている。また両方の端部側に形成された出入り口40,50には、突起となった外周にねじ切りされた螺子部41,51が形成されている。図7及び図8で示すように、出入り口40,50の螺子部41,51の螺子きり方向に応じて、螺子キャップ70,80の内側に形成された螺子きり部71,81が逆になるように形成されている。そして、螺子キャップ70,80の螺子きり部71,81が螺子部41,51と螺合できるようになっている。従って、出入り口40,50に螺子キャップ70,80を螺合させて、密封できるようになっている。
【0023】
また、上記出入り口40,50の螺子部41,51は、連結具60によって螺合できるように形成されている。本実施形態の連結具60は、図7及び図8で示すように、内側の中央部には連結具60を回動させるための回動係止孔61が形成されている。この回動係止孔61は図8で示すように六角形をした孔となっているが、孔の形状は回動できればよく、所定形状に限定されるものではない。
【0024】
また、連結具60は、回動係止孔61を中心として内周両側に、逆方向の螺子きり部62(図7及び図8では一方のみ図示)が形成されており、出入り口40,50の螺子部41,51の外周と螺合して、連結できるようになっている。
このため、図6で示すように、逆方向の螺子部41,51の間に連結具60を配置して、出入り口40,50のうちの一方から、上記回動係止孔61に嵌る回動具(不図示)によって、連結具60を回動すると、互いの螺子部41,51は、回動係止孔61側に引き寄せられて、隣接するウォーターブロックB同士が連結されて一体となる。このようにして、基準線Xが同一であるので、連結具60を用いて順次ウォーターブロックB同士を、真っ直ぐに連続して接合することが可能である。
【0025】
上記本実施形態では、出入り口40,50は、図1乃至図4で示すように、第2の方向の中空容器部20の外側壁21より若干内側に形成されている。これによって、出入り口40,50が隣接し、螺子キャップ70,80を取り付けても、外側壁21より突出せず、出入り口40,50が干渉せずに第2の方向の中空容器部20の外側壁21が密着して当接させることができる。なお、図では、説明の都合で線を明確に示しているが、角部はR形状をしている。これにより、組み付けるときに、R形状部分が案内となって、組み付け易くなる。
【0026】
本発明のウォーターブロックBは合成樹脂として、芳香族環を有する生分解性ポリエステルで、回転成形で形成されたものである。この合成樹脂は、加水分解性生分解性ポリエステルとも言われ、水分子と結合して加水分解を起こし、低分子化されたものが微生物によって水と二酸化炭素に分解する。具体的にはデュポンの生分解性ポリエステルである生分解性素材「APEXA」(商標:アペクサ)であり、「APEXA」(商標:アペクサ)は、ポリエステルのコポリマーであり、ポリエチレンテレフタレートを基本にその分子構造に生分解性の特徴を有する。この合成樹脂は、高い耐熱性、優れた耐久性を有し、熱にも強く、芳香族環を有しているので熱的に安定しているから生分解による劣化も、実は使用時とか、保管時には起こりにくい。つまり、必要な加水分解が生じる条件が通常の生活環境では、揃い難いことから、生分解による劣化も起こりにくいという特性を有する。なお、焼却してもその残った灰から有害なものが検出されないことも確認されている。生分解性のウォーターブロックの中では群を抜いたバリア性(水とガスに対して)をもっており、中に入っているものが蒸発したり、腐ったりしない。ウォーターブロックとして、耐熱性、耐久性、印刷特性に優れ、透明性、高い強度を確保できる。
また印刷特性に優れているため、ウォーターブロックの表面に意匠効果に適するようにグラデーションなどの微妙な彩色を施し、或いは内部に着色水を注入したり、照明を投射するなどを行って、デザイン性をもった空間を形成する壁材などウォーターブロック構造体を形成することができる。
【0027】
次に、上述のウォーターブロックBを用いたウォーターブロック構造体について説明する。
図9は、ウォーターブロックB同士を、同じ方向に組み付けて積み上げたものであり、このように構成することで、壁面を構成することが可能となる。
また図10は、直角方向に組み付けた例を示すものである。図11は、縦横に組み付けた例を示すものである。図12は第1の方向の中空容器部を上側にしたものと、下側にしたものを組み合わせて並べた例であり、一列おきに、第2の方向の中空容器部を上側にしたものと、下側にしたものを、交互に配置した例を示すものである。図13は図11で示すウォーターブロックを多数、面状に配置した例(床面)を示すものである。図14はウォーターブロックを多数に配置した例(壁体)を示すものである。この図9及び図14で示す組み付けは、予めウォーターブロックBに給水して組み付けることも可能であるが、次に説明するように、給水しない状態のウォーターブロックBを組み付けた後で、給水するように構成することができる。
【0028】
本実施形態では、この図9及び図14で示す組み付けを基本としてウォーターブロック構造体を形成している。
つまり、一つのウォーターブロックの第1の方向の中空容器部の所定間隔部と、他のウォーターブロックの第1の方向の中空容器部又は第2の方向の中空容器部とを嵌め合わせて壁体を形成している。
【0029】
そして、隣接するウォーターブロックは基準線に合った2箇所の給水或いは排水用の出入り口が形成され、この出入り口には、螺子部が形成されているので、この螺子部で、内側に回動係止するための係止孔を有する連結具60を介して複数のウォーターブロックBを連続して接続してウォーターブロック構造体を構成することができる。
【0030】
例えば図13で示すウォーターブロック構造体では、連結されて連続したウォーターブロックの列の端部と、連結されて連続したウォーターブロックの列の端部の各列の出入り口を連結ホースHで繋ぐことにより、予め、水の入っていない軽い状態のウォーターブロックBによって、所定のウォーターブロック構造体を形成し、連結ホースHと接続されていない出入り口から給水(注水)することにより、ウォーターブロック構造体を構成するそれぞれのウォーターブロックBに水を充填して、重量をもった安定した構造体とすることが可能となる。給水手段は、図示しないが公知の給水ポンプなどを用いることができる。
【0031】
複数のウォーターブロックBを、連結具を介して接続して連続した場合、最後のウォーターブロック(端部側に位置して他のウォーターブロックと連結されないもの)は、螺子キャップ70,80で封止する。
また、ウォーターブロック構造体を形成する場合に、連結具60を介して連続して接続した端部側で隣接するウォーターブロックBの給水或いは排水用の出入り口40,50は、連結ホースHにより連通する(図13参照)ことにより、給水や排水を容易にすることができる。特に給水の場合には、ウォーターブロック構造体の上方位置にある排出する1または複数の出入り口を開放した状態とし、給水ポンプ等で下側に位置する給水或いは排水用の出入り口により水を送り込ませる。
【0032】
これにより、連結された空間部を有するウォーターブロック構造体の上部側の出入り口から空気が抜けてウォーターブロック構造体全体に十分な給水が可能となる。また排出する場合には、ウォーターブロック構造体の下側に位置する給水或いは排水用の出入り口から排水ポンプで吸引することにより、ウォーターブロック構造体全体から容易に排水することが可能となる。そして、上記図13で示すウォーターブロック構造体の例では、温水、冷水を供給することにより、熱交換システムによる床材として、活用することが可能である。つまり、不図示の温水供給システム(或いは冷水供給システム)と、給水ポンプを介して、ウォーターブロック構造体に、温水、冷水等を供給することにより、季節に適合した床温度とすることが可能となる。
また、図12で示すような連続したウォーターブロック構造体として、ウォーターブロックBの所定位置に、浄水するための各種材料を入れて連結することにより、浄水システムとしても利用することが可能となる。例えば、災害地において、飲料水の確保のために、本発明のウォーターブロックBを所定数連結して、浄水することは非常に有益である。
【0033】
図15乃至図18は、ウォーターブロック構造体として、ウォーターブロックBを用いた展示用の棚を形成した例を示すもので、図15は概略斜視図、図16は横断面からみた説明図、図17は縦断面からみた説明図、図18は連続させたイメージ図である。この例で示すウォーターブロック構造体は、ブレース110で補強されたものであり、前述した複数のウォーターブロックBを土台として、乳白色のルメウォール板90を配置し、その上に複数のウォーターブロックBを配置して、さらに複数段の乳白色のルメウォール板90とウォーターブロックBを重ねて、複数段形成し、一番上段にポリカーボネート製の棚板100を配置して構築したものである。
具体的には、ルメウォール板90、棚板100には、所定位置に穴91、101が形成されており、この穴91、101にウォーターブロックBの中空容器部10,20が嵌合するように形成されている。また図15で示す実施例では、棚板100で示されるように、左右側に4ヶ所、合計8箇所の穴101が形成され、この穴101にウォーターブロックBの中空容器部10が嵌合しており、不図示のブレース110で補強して構造体を形成している。ブレース110は、図16及び図17で示すように、鉛直方向のブレース110が、床面から設けられている。これによって、展示用の棚が補強されている。なお、鉛直方向のブレース110は、棚板100に上部を当接させてもよく、あるいは、棚板100に当接させずに、ウォーターブロックBとの間で、補強できるものであればよい。
また、上記実施形態では、ウォーターブロックBの中空容器部10が嵌合した例を示しているが、棚板100に図15の点線で示すように矩形の穴を形成し、この矩形の穴の四隅にウォーターブロックBの中空容器部10が位置するように形成してもよい。
【0034】
また、ウォーターブロックBと、ルメウォール板90との間の空間に、照明ボックスを配置したり、商品やカタログを配置することで、展示用カウンターとして利用することも可能となる。当然ながら、移動時には、給水せず、構築にあたって給水し、移動運搬するときには、排水することによって、軽量で取り扱い易いものとなる。なお、図18は、展示用のウォーターブロック構造体のイメージ図である。
図19は、ウォーターブロックBを組み合わせることによって、屋根のある建築構造物を形成することもできる。このとき、ウォーターブロックBの全てに、給水することもできるが、例えば、下側に位置するウォーターブロックBには給水量を多くして、上層部のウォーターブロックBの所定箇所のみに給水することによって重量を下げ、下方に重心をおいた建築物とすることができる。また所定のウォーターブロックBには給水せずに、照明等を入れ、或いは、透明なウォーターブロックBを配置して、外部が見えるように構成することもできる。本発明によれば、ウォーターブロックB内への給水量を調整して、構造設計に適合するように構成することが容易にできる。
【0035】
前記実施形態では、給水或いは排水用の出入り口を2箇所とした例を説明したが、これに限らず3箇所以上形成してもよい。また給水或いは排水用の出入り口を中空容器部のうち端側に位置する端部側に形成した例を示したが、これに限らず、組み立て時に、一番上面に位置する、例えば中空容器部10の上面に開口を設けて形成することもできる。当然ながら、開口部は密閉できるように蓋体を用いるものである。また、前記実施形態では、給水或いは排水用の出入り口という表現を用いたが、ウォーターブロックB内に入れるものとしては、これに限らず、場所によっては、照明を含めたものを配設したものを組み付けるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態に係るウォーターブロックの斜視図である。
【図2】図1のウォーターブロックの側面図である。
【図3】図1のウォーターブロックの上面図である。
【図4】図1のウォーターブロックの一部切欠した側面図である。
【図5】図1のX方向からみた図である。
【図6】ウォーターブロックを連結するときの説明図である。
【図7】キャップ及び連結部材の説明図である。
【図8】キャップ及び連結部材の説明図である。
【図9】ウォーターブロックの連結の説明図である。
【図10】ウォーターブロックの連結の説明図である。
【図11】ウォーターブロックの連結の説明図である。
【図12】ウォーターブロック構造体の説明図である。
【図13】ウォーターブロック構造体の説明図である。
【図14】ウォーターブロック構造体の説明図である。
【図15】ウォーターブロック構造体の概略斜視図である。
【図16】ウォーターブロック構造体の横断面からみた説明図である。
【図17】ウォーターブロック構造体の縦断面からみた説明図である。
【図18】ウォーターブロック構造体の説明図である。
【図19】ウォーターブロック構造体の説明図である。
【符号の説明】
【0037】
10 第1の方向の中空容器部
20 第2の方向の中空容器部
21 外側壁
30 連続空間部
40,50 出入り口
41,51 螺子部
60 連結具
61 回動係止孔
62 螺子きり部
70,80 螺子キャップ
71,81 螺子きり部
90 ルメウォール板
100 棚板
91,101 穴
110 ブレース
B ウォーターブロック
H 連結ホース
X 基準線
Y 所定間隔部
【技術分野】
【0001】
本発明はウォーターブロック及びウォーターブロック構造体に係り、特に液状物を注入可能なウォーターブロックと、このウォーターブロックを予め複数連結した後で、液状物の注入を行なうことのできるウォーターブロック及びウォーターブロック構造体に関する。なお、本明細書の説明において、液状物を「水」を対象として説明するが、「水」以外の液状物を含むものである。
【背景技術】
【0002】
従来からウォーターブロックについては、折りたたみ式ウォーターブロック注水口より水道水その他の水を注水するだけで即席硬質重量感のあるブロック体を形成する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
しかし、上記特許文献1の提案技術では、ブロック体を複数結合させて、壁や建築物、陳列棚等を構成する構造体を提供することはできないものであった。
そこで、「プラスチックのブロックでできた建築」として、建築家の隈健吾氏の考えたウォーターブロックは、子供がLEGO(商標:ブロック)で家をつくるようにして組み立てられるプラスチック製のブロックを使った建築が提案されている(非特許文献1)。
【0004】
この非特許文献1によれば、「大きなプラスチックのブロックは重くて持てないし組み立てもむずかしい」こと、「ウォーターブロックは中が空洞になっていて組み立てる時は重くない」こと、「その空洞部に水を入れることで安定し建物としての強度が得られるしくみになっている」こと、「中の水は断熱材の効果があり、外が寒くても中は暖かい」こと、「使い終わったら水を抜いて、回収するとまた違う場所で組み立てて使用できる」こと、「このウォーターブロックをデュポン社のバイオマックス(商標)で製作し、災害時の仮設住宅などに役に立てようというアイデアもある」こと、「その環境や人の心に深い思い入れのある隈氏は、ウォーターブロックに生分解性プラスチックを利用することで本来の機能(その独特な意匠性、設営が簡単にできること、住宅としての機能があること、撤去が簡単にできることなど)に加え、廃棄の際にも環境に優しいものになることを希望している」ことなどが開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2000−144672
【非特許文献1】「ミラノサローネ 隈 研吾スペシャルインタビュー」2007年5月25日(http://www.excite.co.jp/ism/concierge/rid_381/参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記非特許文献1に記載のウォーターブロックは、非常に軽く、持ち運びが簡単で、組付が容易であり、液体を入れることにより、重量が増加すると共に、構造体を形成することが可能となるものであるなど、非常に有用であるが、ウォーターブロックそのものの具体的な構成や、ウォーターブロックを組み付けた構造体そのものについては、何らの開示がないものであり、ウォーターブロックがどのような形状で、どのような構成をしているのか、ウォーターブロックをどのようにして構造体とするのかなど、明確に開示されていないものである。
【0007】
本発明の目的は、ウォーターブロックが軽く、容器(タンク)として利用でき、基礎が不要で、ブロックとして積み上げることができるものであって、前記非特許文献1に記載のような構造体を容易に構築できるウォーターブロックを提供することにある。
本発明の他の目的は、上記ウォーターブロックによって形成される壁体、陳列台など各種の建築物や構造物を形成したウォーターブロック構造体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題は、本発明のウォーターブロックによれば、合成樹脂からなる中空のウォーターブロックにおいて、ウォーターブロックの基準線に対して所定間隔部をおいて外方向に張り出した複数の第1の方向の中空容器部と、前記基準線に対して、前記第1の方向の中空容器部の所定間隔部の位置で且つ異なる外方向に所定間隔部をおいて張り出した少なくとも一つの第2の方向の中空容器部と、を備え、前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部の内部で連通した連続空間部を有し、該連続空間部には、少なくとも2箇所の給水又は排水用の出入り口が形成されていること、により解決される。
このように、第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部の内部で連通した連続空間部を有し、この連続空間部には、少なくとも2箇所の給水又は排水用の出入り口が形成されているので、ウォーターブロックへの水の供給、排出を容易にすることが可能となる。特に、ウォーターブロックの基準線を一致させて、異なる方向に張り出した第1の方向の中空容器部と第2の方向の中空容器部を組み合わせることによって、ブロックを積み重ねたウォーターブロック構造体を形成することができ、少なくとも2箇所の給水又は排水用の出入り口が形成されているので、一方の出入り口から、水を注入することで、他方から連続空間部の内部の空気を排出できることで、ウォーターブロック内に水を十分に充填でき、安定性をもった重量のある構造物を提供することが可能となる。
【0009】
また少なくとも2箇所の給水或いは排水用の出入り口は、第1の方向の中空容器部と第2の方向の中空容器部のうち端側に位置する端部側に形成されたものを含み、端部側に形成された出入り口には、螺子部が形成されて、螺子キャップで封止可能となっていると、好適である。これにより、水が充填されたウォーターブロックを、螺子キャップによって、簡単に密閉することができる。
このとき、出入り口の螺子部は、螺子きり方向が互いに逆方向となっていると好適である。
【0010】
このように、2箇所の給水或いは排水用の出入り口の螺子部が、互いに逆方向となっていると、複数のウォーターブロックを連続して接続するときに、内側に回動係止するための係止孔を有する連結具を、回動治具によって操作して、接続されるウォーターブロック同士を引き付けるように結合できる。このため、複数のウォーターブロックを連続的に接続することが可能となる。
さらに前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部のうち端側に位置する端部側に形成された出入り口は、中空容器部の外側壁より内側に形成されているとより好ましい。このように構成することにより、ウォーターブロック同士が端部で当接しても、出入り口が邪魔にならずに、密着して構造体を形成することが可能となる。
【0011】
なお、合成樹脂は、芳香族環を有する生分解性ポリエステルで成形されていると良い。このように、生分解性ポリエステルで構成すると、最終的には水と二酸化炭素に分解されるという新しいサイクルシステムを構築することになる。
【0012】
前記課題は、本発明のウォーターブロック構造体は、合成樹脂からなる中空のウォーターブロックを複数連結したウォーターブロック構造体であって、前記ウォーターブロックは、ウォーターブロックの基準線に対して所定間隔部をおいて外方向に張り出した複数の第1の方向の中空容器部と、前記基準線に対して、前記第1の方向の中空容器部の所定間隔部の位置で且つ異なる外方向に所定間隔部をおいて張り出した少なくとも一つの中空の第2の方向の中空容器部と、を備え、前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部の内部で連通した連続空間部を有し、該連続空間部には、少なくとも2箇所の給水又は排水用の出入り口が形成されており、前記一つのウォーターブロックの第1の方向の中空容器部の所定間隔部と、他のウォーターブロックの第1の方向の中空容器部又は第2の方向の中空容器部とを嵌め合わせて壁体を形成したこと、により解決される。
【0013】
前記課題は、本発明のウォーターブロック構造体によれば、合成樹脂からなる中空のウォーターブロックを複数連結したウォーターブロック構造体であって、前記ウォーターブロックは、ウォーターブロックの基準線に対して所定間隔部をおいて外方向に張り出した複数の第1の方向の中空容器部と、前記基準線に対して、前記第1の方向の中空容器部の所定間隔部の位置で且つ異なる外方向に所定間隔部をおいて張り出した少なくとも一つの中空の第2の方向の中空容器部と、を備え、前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部の内部で連通した連続空間部を有し、該連続空間部には、少なくとも2箇所の給水又は排水用の出入り口が形成されており、該少なくとも2箇所の給水或いは排水用の出入り口は、前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部のうち端側に位置する端部側に形成されるものを含み、前記端部側に形成された出入り口には、螺子部が形成され、該螺子部で、内側に回動させるための回動係止孔を有する連結具を介して複数のウォーターブロックを連続して接続してなること、により解決される。
【0014】
このとき、前記複数のウォーターブロックを、連結具を介して連続して接続した最後の複数のウォーターブロックは、螺子キャップで封止可能となっていると好適である。これにより、複数のウォーターブロックを連結したウォーターブロック構造体を密閉することが可能となる。
【0015】
前記課題は、本発明のウォーターブロック構造体によれば、合成樹脂からなる中空のウォーターブロックを複数利用したウォーターブロック構造体であって、前記ウォーターブロックは、ウォーターブロックの基準線に対して所定間隔部をおいて外方向に張り出した複数の第1の方向の中空容器部と、前記基準線に対して、前記第1の方向の中空容器部の所定間隔部の位置で且つ異なる外方向に所定間隔部をおいて張り出した少なくとも一つの第2の方向の中空容器部と、を備え、前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部の内部で連通した連続空間部を有し、該連続空間部には、少なくとも2箇所の給水又は排水用の出入り口が形成されており、該少なくとも2箇所の給水或いは排水用の出入り口は、前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部のうち端側に位置する端部側に形成されるものを含み、前記複数のウォーターブロックを土台として、展示用棚板を配置し、該棚板の上に所定間隔をおいて複数のウォーターブロックを配置し、さらに展示用棚板を配置したものを、複数段構成し、一番上に棚板を配置して構築されること、により解決される。本発明の構造体は、展示用の棚としても活用することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明のウォーターブロックによれば、小型化が図れて、輸送コストや保管費用の削減が可能となり、また、展示用としても利用することが可能であり、デザイン性の向上が図れるものを提供することができる。またウォーターブロック構造体は、各ウォーターブロックが、単純に凹凸を組み合わせることで、技術を要することなく、容易に構造体を形成できるだけでなく、解体も容易である。構造体としない場合には、容器(タンク)として使用することもできる。
【0017】
例えば、被災害地などには、援助物質として、ブロックによって水を供給することができ、運ぶ物質は水だけでなく、液体状物や医薬なども運べ、これらの供給の後で、このブロックは、仮設住宅を組み立てるブロックとして利用することができる。そして、その後は、パッケージとしてリサイクルに利用し、或いは芳香族環を有する生分解性ポリエステルで成形されているので、最終的には水と二酸化炭素に分解されるという新しいサイクルシステムを構築することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
図は本発明の実施形態を示すものであり、図1はウォーターブロックの斜視図、図2は図1のウォーターブロックの側面図、図3は図1のウォーターブロックの上面図、図4は図1のウォーターブロックの一部切欠した側面図、図5は図1のX方向からみた図、図6はウォーターブロックを連結するときの説明図、図7及び図8はキャップ及び連結部材の説明図、図9乃至図11はウォーターブロックの連結の説明図、図12乃至図18はウォーターブロック構造体の説明図である。
【0019】
本発明に係るウォーターブロックBは、合成樹脂から形成されており、このウォーターブロックBの中心である基準線Xに対して、一方向、図1では、上方向に、所定間隔部Yをおいて張り出した複数、図1では2つの第1の方向の中空容器部10,10が形成されている。本実施形態では、図1で示すように、第1の方向の中空容器部10は2箇所形成した例を示しているが、これに限らず、3箇所以上でもよい。
【0020】
また、この基準線Xに対して、上記第1の方向の中空容器部10の所定間隔部Yの位置で且つ異なる外方向、図1では下方向に、所定間隔部Yをおいて張り出した複数の第2の方向の中空容器部20,20・・、を備えている。本実施形態では、図1で示すように、第2の方向の中空容器部20は3箇所形成した例を示しているが、これに限らず、1箇所、2箇所或いは4箇所以上でもよい。
本実施形態では、第1の方向の中空容器部10と、第2の方向の中空容器部20、所定間隔部Yは、全て同じ長さ(例えば100mm)で構成されている。
【0021】
そして、第1の方向の中空容器部10と第2の方向の中空容器部20の内部で連通して形成された連続空間部30(図4参照)を有し、この連続空間部30は、2箇所の給水又は排水用の出入り口40,50が形成されている。
【0022】
図1乃至図4で示すように、2箇所の給水或いは排水用の出入り口40,50は、第1の方向の中空容器部10,10と第2の方向の中空容器部20,20,20のうち端側に位置する端部側に形成されている。また両方の端部側に形成された出入り口40,50には、突起となった外周にねじ切りされた螺子部41,51が形成されている。図7及び図8で示すように、出入り口40,50の螺子部41,51の螺子きり方向に応じて、螺子キャップ70,80の内側に形成された螺子きり部71,81が逆になるように形成されている。そして、螺子キャップ70,80の螺子きり部71,81が螺子部41,51と螺合できるようになっている。従って、出入り口40,50に螺子キャップ70,80を螺合させて、密封できるようになっている。
【0023】
また、上記出入り口40,50の螺子部41,51は、連結具60によって螺合できるように形成されている。本実施形態の連結具60は、図7及び図8で示すように、内側の中央部には連結具60を回動させるための回動係止孔61が形成されている。この回動係止孔61は図8で示すように六角形をした孔となっているが、孔の形状は回動できればよく、所定形状に限定されるものではない。
【0024】
また、連結具60は、回動係止孔61を中心として内周両側に、逆方向の螺子きり部62(図7及び図8では一方のみ図示)が形成されており、出入り口40,50の螺子部41,51の外周と螺合して、連結できるようになっている。
このため、図6で示すように、逆方向の螺子部41,51の間に連結具60を配置して、出入り口40,50のうちの一方から、上記回動係止孔61に嵌る回動具(不図示)によって、連結具60を回動すると、互いの螺子部41,51は、回動係止孔61側に引き寄せられて、隣接するウォーターブロックB同士が連結されて一体となる。このようにして、基準線Xが同一であるので、連結具60を用いて順次ウォーターブロックB同士を、真っ直ぐに連続して接合することが可能である。
【0025】
上記本実施形態では、出入り口40,50は、図1乃至図4で示すように、第2の方向の中空容器部20の外側壁21より若干内側に形成されている。これによって、出入り口40,50が隣接し、螺子キャップ70,80を取り付けても、外側壁21より突出せず、出入り口40,50が干渉せずに第2の方向の中空容器部20の外側壁21が密着して当接させることができる。なお、図では、説明の都合で線を明確に示しているが、角部はR形状をしている。これにより、組み付けるときに、R形状部分が案内となって、組み付け易くなる。
【0026】
本発明のウォーターブロックBは合成樹脂として、芳香族環を有する生分解性ポリエステルで、回転成形で形成されたものである。この合成樹脂は、加水分解性生分解性ポリエステルとも言われ、水分子と結合して加水分解を起こし、低分子化されたものが微生物によって水と二酸化炭素に分解する。具体的にはデュポンの生分解性ポリエステルである生分解性素材「APEXA」(商標:アペクサ)であり、「APEXA」(商標:アペクサ)は、ポリエステルのコポリマーであり、ポリエチレンテレフタレートを基本にその分子構造に生分解性の特徴を有する。この合成樹脂は、高い耐熱性、優れた耐久性を有し、熱にも強く、芳香族環を有しているので熱的に安定しているから生分解による劣化も、実は使用時とか、保管時には起こりにくい。つまり、必要な加水分解が生じる条件が通常の生活環境では、揃い難いことから、生分解による劣化も起こりにくいという特性を有する。なお、焼却してもその残った灰から有害なものが検出されないことも確認されている。生分解性のウォーターブロックの中では群を抜いたバリア性(水とガスに対して)をもっており、中に入っているものが蒸発したり、腐ったりしない。ウォーターブロックとして、耐熱性、耐久性、印刷特性に優れ、透明性、高い強度を確保できる。
また印刷特性に優れているため、ウォーターブロックの表面に意匠効果に適するようにグラデーションなどの微妙な彩色を施し、或いは内部に着色水を注入したり、照明を投射するなどを行って、デザイン性をもった空間を形成する壁材などウォーターブロック構造体を形成することができる。
【0027】
次に、上述のウォーターブロックBを用いたウォーターブロック構造体について説明する。
図9は、ウォーターブロックB同士を、同じ方向に組み付けて積み上げたものであり、このように構成することで、壁面を構成することが可能となる。
また図10は、直角方向に組み付けた例を示すものである。図11は、縦横に組み付けた例を示すものである。図12は第1の方向の中空容器部を上側にしたものと、下側にしたものを組み合わせて並べた例であり、一列おきに、第2の方向の中空容器部を上側にしたものと、下側にしたものを、交互に配置した例を示すものである。図13は図11で示すウォーターブロックを多数、面状に配置した例(床面)を示すものである。図14はウォーターブロックを多数に配置した例(壁体)を示すものである。この図9及び図14で示す組み付けは、予めウォーターブロックBに給水して組み付けることも可能であるが、次に説明するように、給水しない状態のウォーターブロックBを組み付けた後で、給水するように構成することができる。
【0028】
本実施形態では、この図9及び図14で示す組み付けを基本としてウォーターブロック構造体を形成している。
つまり、一つのウォーターブロックの第1の方向の中空容器部の所定間隔部と、他のウォーターブロックの第1の方向の中空容器部又は第2の方向の中空容器部とを嵌め合わせて壁体を形成している。
【0029】
そして、隣接するウォーターブロックは基準線に合った2箇所の給水或いは排水用の出入り口が形成され、この出入り口には、螺子部が形成されているので、この螺子部で、内側に回動係止するための係止孔を有する連結具60を介して複数のウォーターブロックBを連続して接続してウォーターブロック構造体を構成することができる。
【0030】
例えば図13で示すウォーターブロック構造体では、連結されて連続したウォーターブロックの列の端部と、連結されて連続したウォーターブロックの列の端部の各列の出入り口を連結ホースHで繋ぐことにより、予め、水の入っていない軽い状態のウォーターブロックBによって、所定のウォーターブロック構造体を形成し、連結ホースHと接続されていない出入り口から給水(注水)することにより、ウォーターブロック構造体を構成するそれぞれのウォーターブロックBに水を充填して、重量をもった安定した構造体とすることが可能となる。給水手段は、図示しないが公知の給水ポンプなどを用いることができる。
【0031】
複数のウォーターブロックBを、連結具を介して接続して連続した場合、最後のウォーターブロック(端部側に位置して他のウォーターブロックと連結されないもの)は、螺子キャップ70,80で封止する。
また、ウォーターブロック構造体を形成する場合に、連結具60を介して連続して接続した端部側で隣接するウォーターブロックBの給水或いは排水用の出入り口40,50は、連結ホースHにより連通する(図13参照)ことにより、給水や排水を容易にすることができる。特に給水の場合には、ウォーターブロック構造体の上方位置にある排出する1または複数の出入り口を開放した状態とし、給水ポンプ等で下側に位置する給水或いは排水用の出入り口により水を送り込ませる。
【0032】
これにより、連結された空間部を有するウォーターブロック構造体の上部側の出入り口から空気が抜けてウォーターブロック構造体全体に十分な給水が可能となる。また排出する場合には、ウォーターブロック構造体の下側に位置する給水或いは排水用の出入り口から排水ポンプで吸引することにより、ウォーターブロック構造体全体から容易に排水することが可能となる。そして、上記図13で示すウォーターブロック構造体の例では、温水、冷水を供給することにより、熱交換システムによる床材として、活用することが可能である。つまり、不図示の温水供給システム(或いは冷水供給システム)と、給水ポンプを介して、ウォーターブロック構造体に、温水、冷水等を供給することにより、季節に適合した床温度とすることが可能となる。
また、図12で示すような連続したウォーターブロック構造体として、ウォーターブロックBの所定位置に、浄水するための各種材料を入れて連結することにより、浄水システムとしても利用することが可能となる。例えば、災害地において、飲料水の確保のために、本発明のウォーターブロックBを所定数連結して、浄水することは非常に有益である。
【0033】
図15乃至図18は、ウォーターブロック構造体として、ウォーターブロックBを用いた展示用の棚を形成した例を示すもので、図15は概略斜視図、図16は横断面からみた説明図、図17は縦断面からみた説明図、図18は連続させたイメージ図である。この例で示すウォーターブロック構造体は、ブレース110で補強されたものであり、前述した複数のウォーターブロックBを土台として、乳白色のルメウォール板90を配置し、その上に複数のウォーターブロックBを配置して、さらに複数段の乳白色のルメウォール板90とウォーターブロックBを重ねて、複数段形成し、一番上段にポリカーボネート製の棚板100を配置して構築したものである。
具体的には、ルメウォール板90、棚板100には、所定位置に穴91、101が形成されており、この穴91、101にウォーターブロックBの中空容器部10,20が嵌合するように形成されている。また図15で示す実施例では、棚板100で示されるように、左右側に4ヶ所、合計8箇所の穴101が形成され、この穴101にウォーターブロックBの中空容器部10が嵌合しており、不図示のブレース110で補強して構造体を形成している。ブレース110は、図16及び図17で示すように、鉛直方向のブレース110が、床面から設けられている。これによって、展示用の棚が補強されている。なお、鉛直方向のブレース110は、棚板100に上部を当接させてもよく、あるいは、棚板100に当接させずに、ウォーターブロックBとの間で、補強できるものであればよい。
また、上記実施形態では、ウォーターブロックBの中空容器部10が嵌合した例を示しているが、棚板100に図15の点線で示すように矩形の穴を形成し、この矩形の穴の四隅にウォーターブロックBの中空容器部10が位置するように形成してもよい。
【0034】
また、ウォーターブロックBと、ルメウォール板90との間の空間に、照明ボックスを配置したり、商品やカタログを配置することで、展示用カウンターとして利用することも可能となる。当然ながら、移動時には、給水せず、構築にあたって給水し、移動運搬するときには、排水することによって、軽量で取り扱い易いものとなる。なお、図18は、展示用のウォーターブロック構造体のイメージ図である。
図19は、ウォーターブロックBを組み合わせることによって、屋根のある建築構造物を形成することもできる。このとき、ウォーターブロックBの全てに、給水することもできるが、例えば、下側に位置するウォーターブロックBには給水量を多くして、上層部のウォーターブロックBの所定箇所のみに給水することによって重量を下げ、下方に重心をおいた建築物とすることができる。また所定のウォーターブロックBには給水せずに、照明等を入れ、或いは、透明なウォーターブロックBを配置して、外部が見えるように構成することもできる。本発明によれば、ウォーターブロックB内への給水量を調整して、構造設計に適合するように構成することが容易にできる。
【0035】
前記実施形態では、給水或いは排水用の出入り口を2箇所とした例を説明したが、これに限らず3箇所以上形成してもよい。また給水或いは排水用の出入り口を中空容器部のうち端側に位置する端部側に形成した例を示したが、これに限らず、組み立て時に、一番上面に位置する、例えば中空容器部10の上面に開口を設けて形成することもできる。当然ながら、開口部は密閉できるように蓋体を用いるものである。また、前記実施形態では、給水或いは排水用の出入り口という表現を用いたが、ウォーターブロックB内に入れるものとしては、これに限らず、場所によっては、照明を含めたものを配設したものを組み付けるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態に係るウォーターブロックの斜視図である。
【図2】図1のウォーターブロックの側面図である。
【図3】図1のウォーターブロックの上面図である。
【図4】図1のウォーターブロックの一部切欠した側面図である。
【図5】図1のX方向からみた図である。
【図6】ウォーターブロックを連結するときの説明図である。
【図7】キャップ及び連結部材の説明図である。
【図8】キャップ及び連結部材の説明図である。
【図9】ウォーターブロックの連結の説明図である。
【図10】ウォーターブロックの連結の説明図である。
【図11】ウォーターブロックの連結の説明図である。
【図12】ウォーターブロック構造体の説明図である。
【図13】ウォーターブロック構造体の説明図である。
【図14】ウォーターブロック構造体の説明図である。
【図15】ウォーターブロック構造体の概略斜視図である。
【図16】ウォーターブロック構造体の横断面からみた説明図である。
【図17】ウォーターブロック構造体の縦断面からみた説明図である。
【図18】ウォーターブロック構造体の説明図である。
【図19】ウォーターブロック構造体の説明図である。
【符号の説明】
【0037】
10 第1の方向の中空容器部
20 第2の方向の中空容器部
21 外側壁
30 連続空間部
40,50 出入り口
41,51 螺子部
60 連結具
61 回動係止孔
62 螺子きり部
70,80 螺子キャップ
71,81 螺子きり部
90 ルメウォール板
100 棚板
91,101 穴
110 ブレース
B ウォーターブロック
H 連結ホース
X 基準線
Y 所定間隔部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂からなる中空のウォーターブロックにおいて、
ウォーターブロックの基準線に対して所定間隔部をおいて外方向に張り出した複数の第1の方向の中空容器部と、前記基準線に対して、前記第1の方向の中空容器部の所定間隔部の位置で且つ異なる外方向に所定間隔部をおいて張り出した少なくとも一つの第2の方向の中空容器部と、を備え、
前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部の内部で連通した連続空間部を有し、該連続空間部には、少なくとも2箇所の給水又は排水用の出入り口が形成されていることを特徴とするウォーターブロック。
【請求項2】
前記少なくとも2箇所の給水或いは排水用の出入り口は、前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部のうち端側に位置する端部側に形成されたものを含み、前記端部側に形成された出入り口には、螺子部が形成されて、螺子キャップで封止可能となっていることを特徴とする請求項1記載のウォーターブロック。
【請求項3】
前記出入り口の螺子部は、螺子きり方向が互いに逆方向となっていることを特徴とする請求項2記載のウォーターブロック。
【請求項4】
前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部のうち端側に位置する端部側に形成された出入り口は、中空容器部の外側壁より内側に形成されていることを特徴とする請求項2記載のウォーターブロック。
【請求項5】
前記合成樹脂は、芳香族環を有する生分解性ポリエステルで成形されてなることを特徴とする請求項1記載のウォーターブロック。
【請求項6】
合成樹脂からなる中空のウォーターブロックを複数連結したウォーターブロック構造体であって、
前記ウォーターブロックは、ウォーターブロックの基準線に対して所定間隔部をおいて外方向に張り出した複数の第1の方向の中空容器部と、前記基準線に対して、前記第1の方向の中空容器部の所定間隔部の位置で且つ異なる外方向に所定間隔部をおいて張り出した少なくとも一つの第2の方向の中空容器部と、を備え、前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部の内部で連通した連続空間部を有し、該連続空間部には、少なくとも2箇所の給水又は排水用の出入り口が形成されており、
前記一つのウォーターブロックの第1の方向の中空容器部の所定間隔部と、他のウォーターブロックの第1の方向の中空容器部又は第2の方向の中空容器部とを嵌め合わせて壁体を形成したことを特徴とするウォーターブロック構造体。
【請求項7】
合成樹脂からなる中空のウォーターブロックを複数連結したウォーターブロック構造体であって、
前記ウォーターブロックは、ウォーターブロックの基準線に対して所定間隔部をおいて外方向に張り出した複数の第1の方向の中空容器部と、前記基準線に対して、前記第1の方向の中空容器部の所定間隔部の位置で且つ異なる外方向に所定間隔部をおいて張り出した少なくとも一つの第2の方向の中空容器部と、を備え、
前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部の内部で連通した連続空間部を有し、
該連続空間部には、少なくとも2箇所の給水又は排水用の出入り口が形成されており、
該少なくとも2箇所の給水或いは排水用の出入り口は、前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部のうち端側に位置する端部側に形成されるものを含み、前記端部側に形成された出入り口には、螺子部が形成され、該螺子部で、内側に回動させるための回動係止孔を有する連結具を介して複数のウォーターブロックを連続して接続してなるウォーターブロック構造体。
【請求項8】
合成樹脂からなる中空のウォーターブロックを複数利用したウォーターブロック構造体であって、
前記ウォーターブロックは、ウォーターブロックの基準線に対して所定間隔部をおいて外方向に張り出した複数の第1の方向の中空容器部と、前記基準線に対して、前記第1の方向の中空容器部の所定間隔部の位置で且つ異なる外方向に所定間隔部をおいて張り出した少なくとも一つの第2の方向の中空容器部と、を備え、
前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部の内部で連通した連続空間部を有し、
該連続空間部には、少なくとも2箇所の給水又は排水用の出入り口が形成されており、
該少なくとも2箇所の給水或いは排水用の出入り口は、前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部のうち端側に位置する端部側に形成されるものを含み、
前記複数のウォーターブロックを土台として、展示用棚板を配置し、該棚板の上に所定間隔をおいて複数のウォーターブロックを配置し、さらに展示用棚板を配置したものを、複数段構成し、一番上に棚板を配置して構築されるウォーターブロック構造体。
【請求項9】
前記複数のウォーターブロックの連結具を介して連続して接続した最後の複数のウォーターブロックは、螺子キャップで封止可能となっていることを特徴とする請求項7又は8記載のウォーターブロック構造体。
【請求項10】
前記複数のウォーターブロックの連結具を介して連続して接続した端部側で隣接するウォーターブロックの給水或いは排水用の出入り口は、連結ホースにより連通されていることを特徴とする請求項7又は8記載のウォーターブロック構造体。
【請求項1】
合成樹脂からなる中空のウォーターブロックにおいて、
ウォーターブロックの基準線に対して所定間隔部をおいて外方向に張り出した複数の第1の方向の中空容器部と、前記基準線に対して、前記第1の方向の中空容器部の所定間隔部の位置で且つ異なる外方向に所定間隔部をおいて張り出した少なくとも一つの第2の方向の中空容器部と、を備え、
前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部の内部で連通した連続空間部を有し、該連続空間部には、少なくとも2箇所の給水又は排水用の出入り口が形成されていることを特徴とするウォーターブロック。
【請求項2】
前記少なくとも2箇所の給水或いは排水用の出入り口は、前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部のうち端側に位置する端部側に形成されたものを含み、前記端部側に形成された出入り口には、螺子部が形成されて、螺子キャップで封止可能となっていることを特徴とする請求項1記載のウォーターブロック。
【請求項3】
前記出入り口の螺子部は、螺子きり方向が互いに逆方向となっていることを特徴とする請求項2記載のウォーターブロック。
【請求項4】
前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部のうち端側に位置する端部側に形成された出入り口は、中空容器部の外側壁より内側に形成されていることを特徴とする請求項2記載のウォーターブロック。
【請求項5】
前記合成樹脂は、芳香族環を有する生分解性ポリエステルで成形されてなることを特徴とする請求項1記載のウォーターブロック。
【請求項6】
合成樹脂からなる中空のウォーターブロックを複数連結したウォーターブロック構造体であって、
前記ウォーターブロックは、ウォーターブロックの基準線に対して所定間隔部をおいて外方向に張り出した複数の第1の方向の中空容器部と、前記基準線に対して、前記第1の方向の中空容器部の所定間隔部の位置で且つ異なる外方向に所定間隔部をおいて張り出した少なくとも一つの第2の方向の中空容器部と、を備え、前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部の内部で連通した連続空間部を有し、該連続空間部には、少なくとも2箇所の給水又は排水用の出入り口が形成されており、
前記一つのウォーターブロックの第1の方向の中空容器部の所定間隔部と、他のウォーターブロックの第1の方向の中空容器部又は第2の方向の中空容器部とを嵌め合わせて壁体を形成したことを特徴とするウォーターブロック構造体。
【請求項7】
合成樹脂からなる中空のウォーターブロックを複数連結したウォーターブロック構造体であって、
前記ウォーターブロックは、ウォーターブロックの基準線に対して所定間隔部をおいて外方向に張り出した複数の第1の方向の中空容器部と、前記基準線に対して、前記第1の方向の中空容器部の所定間隔部の位置で且つ異なる外方向に所定間隔部をおいて張り出した少なくとも一つの第2の方向の中空容器部と、を備え、
前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部の内部で連通した連続空間部を有し、
該連続空間部には、少なくとも2箇所の給水又は排水用の出入り口が形成されており、
該少なくとも2箇所の給水或いは排水用の出入り口は、前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部のうち端側に位置する端部側に形成されるものを含み、前記端部側に形成された出入り口には、螺子部が形成され、該螺子部で、内側に回動させるための回動係止孔を有する連結具を介して複数のウォーターブロックを連続して接続してなるウォーターブロック構造体。
【請求項8】
合成樹脂からなる中空のウォーターブロックを複数利用したウォーターブロック構造体であって、
前記ウォーターブロックは、ウォーターブロックの基準線に対して所定間隔部をおいて外方向に張り出した複数の第1の方向の中空容器部と、前記基準線に対して、前記第1の方向の中空容器部の所定間隔部の位置で且つ異なる外方向に所定間隔部をおいて張り出した少なくとも一つの第2の方向の中空容器部と、を備え、
前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部の内部で連通した連続空間部を有し、
該連続空間部には、少なくとも2箇所の給水又は排水用の出入り口が形成されており、
該少なくとも2箇所の給水或いは排水用の出入り口は、前記第1の方向の中空容器部と前記第2の方向の中空容器部のうち端側に位置する端部側に形成されるものを含み、
前記複数のウォーターブロックを土台として、展示用棚板を配置し、該棚板の上に所定間隔をおいて複数のウォーターブロックを配置し、さらに展示用棚板を配置したものを、複数段構成し、一番上に棚板を配置して構築されるウォーターブロック構造体。
【請求項9】
前記複数のウォーターブロックの連結具を介して連続して接続した最後の複数のウォーターブロックは、螺子キャップで封止可能となっていることを特徴とする請求項7又は8記載のウォーターブロック構造体。
【請求項10】
前記複数のウォーターブロックの連結具を介して連続して接続した端部側で隣接するウォーターブロックの給水或いは排水用の出入り口は、連結ホースにより連通されていることを特徴とする請求項7又は8記載のウォーターブロック構造体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
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【図4】
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【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−19032(P2010−19032A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−181965(P2008−181965)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【出願人】(504024933)株式会社隈研吾建築都市設計事務所 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【出願人】(504024933)株式会社隈研吾建築都市設計事務所 (4)
【Fターム(参考)】
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