説明

ウニの殻穴開け具

【課題】 ウニの殻の中に生息する卵巣を採取する為の殻を割る用具において、殻の中の卵巣の形を崩さず、更に殻の中のワタを散らす事無く、労力のいらない作業で殻を割ることが出来るウニの殻穴開け具を提供する。
【解決の手段】 薄板金属材からなる筒状本体1は、底部2付きの開口部3からなり、該底部の中央に止め軸4を介して樹脂材の取っ手5を一体化し、更に、開口部の全周に沿うって先端6,6a、6b、6cの尖った鋭角Dの三角形刃7を設けてなる、ウニAの殻Bに丸い穴Cを開ける用具であって、該三角形刃は全周で対向する三角形刃の同志が同等でなる先端の高さhの形状にし、順次先端の高さに段差aを付けた構造でなる、ウニの殻穴開け具にする

【発明の詳細な説明】
【技術の分野】
【0001】
この発明は、ウニの殻を割って食用に使う卵巣を取り出す為の殻割り用具に関し、詳しくは、ウニの殻を割って中の卵巣を素早く採取するために使う、労力を余り使わずに、そして、卵巣を崩すことなく容易にウニの殻を割ることの出来る、業務用に使うに最適な、ウニの殻穴開け具に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来の技術として、古くは包丁を使ってウニの殻を割る為に栗のイガの様に殻から突き出している円盤状ウニの下部の中央フラット部に開口する食口穴に包丁の刃先を突き差し、硬い殻を切り裂きながら2分割に割り、割って開いた殻の中に詰ったワタ(内臓物)を箸を使い綺麗に取り出した後に殻の内壁に張付いている卵巣を丁寧にスプン等を使い形ちを崩す事の無い様にはがし取り出して食用にしていた。或いは包丁に変わるウニの殻割り専用に使う用具として、ウニの殻割り器が主流に使われように進歩した。これらのウニの殻割器を図5で示すに、金属製の第1レバー11と第2レバー12との双方が対向し支軸13を介しシーソー式に結合し、それぞれの双方のレバーの片方の先端には約70度の角度で尖ったステンレス製の三角形状のカッター14が設けられ、開閉自在に双方が接合し、またそれぞれのレバーの他方の双方の端子は板バネ15の反発力Pで一定の開きでなり、片方の先端に固定するカッターの双方は閉成体を構成するが、第2レバーの他方の先端は合成樹脂製のグリップ16が固定されてなる、そして、グリップを矢印方向に握ってカッターを矢印方向に開き、握りの解除でカッターが閉成体とらり、工作ハサミやペンチの開閉操作と逆作用でなる、ウニの殻割り器が知られている。
【0003】
上記するウニの殻割り器でウニの殻を割る際にはハンドルを握り、カッターを閉じたままウニの殻下部のフラット面に開口する食口穴に三角形状の尖った先端を差込みながらワタを切断し、差込んでいくにつれてカッターの三角体のテーパーによって切断切り込みが広がり、カッターの先端がワタのほぼ中央深さに達した目安にレバーを握りしめることにより閉じた双方のカッターが開き、ウニの殻を割りながら開くことが出来、ワタを取り除き殻の内壁に密着して生息する卵巣をスプンで丁寧に採取することの出来る構成である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記する包丁を使ってのウニの殻割り作業では、硬い殻を刃先で切りながら切り口をこじ開け広げるのに危険が伴い、更には、刃先の動きでウニの卵巣を切り崩したりするなどで作業性が悪く、労力がいる危険な殻割りを強いられるなどの課題が有った。
また、ウニ割り器での作業は殻を切り込むのにレバーのグリップを握りウニの殻下部の食口穴にカッターの先端を差し込む押し圧で、殻の切り口を広げなければならない為過剰な押し力と更に差し込んだカッター先端を開く力はレバーに使われた板バネの反発力に逆らう負荷を加算し、硬い殻を2分割しなければならないため素手の握力不足が作業を阻害するなどの課題が残る。また、殻の切り口が狭いと中のワタの用具での取り出しと卵巣の採取りに難をきたす等の課題が残る。
【0005】
しかして、僅かな労力で殻割りが出来、更にウニの殻の切り口が広く開きワタの取り出しが容易で、卵巣をいためることなく安直に採取の出来る用具が強く要望されていた。そしてまたグルメブームに乗り穴の開いたウニの殻を利用しての生け作り仕込みの盛り付けの飾りや焼きウニの盛り付け殻として利用が出来、遜色の無い再生殻が出来る為のウニの殻割り用具の登場が願望されてい
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、かかる課題を解決する為に、請求項1での発明は図1(a)図での部分断での斜視図と図1(b)図での左側面図とで述べるに、薄板金属材からなる筒状本体1は、底部2付きの開口部3からなり、該底部の中央には止め軸4を介して樹脂材の取っ手5を一体化し、更に、開口部の周辺に沿うって先端6、6a、6b、6cの尖った鋭角Dの三角形刃7を設けてなる、ウニAの殻Bに丸い穴Cを開ける用具であって、該三角形刃は全周で対向してなる三角形刃の同士を同等な先端の高さhの形状にし、順次先端の高さに段差aを付けた構成とする。
次に、請求項2での発明は、図4での一部断面での全体を示す斜視図で述べるに、筒状本体を底部20側と開口部30側とでの2分割にし、該開口部側での反対側の開口部30aを取っ手を一体化してなる底部側の開口部20aに圧入固着することで、筒状本体の外周に段差aaを設け、この段差をウニの殻に穴開けの作業時で三角形刃の過度なワタへの突き差し深さのストッパーにしたウニの殻穴開け具を構成する。
【発明の効果】
【0007】
本発明は上述の通り構成作用するので、次の優れた効果を奏する。
即ち、請求項1での発明の効果は、三角形刃先をウニのフラット部の殻に突き当て、取っ手の頭をハンマーで軽くたたくだけで、次々と段差で配置した三角形刃が殻に切り込まれ殻を壊すことなく弱い力で、丸い穴を開けることが出来るので、卵巣を殻に残したまま穴からワタを分別して取り出すことの出来る、ウニの殻穴開け具を提供できる。
また、請求項2での発明の効果は、差込んだ三角形刃が本体の外周のストッパーで差込が止められ、殻を壊したり卵巣の形を崩すことなどの無い、ウニの殻穴開け具を提供できる。
この様に穴開け作業に手先の握力を使わずに安直にハンマーで取っ手を叩くだけで殻を壊すことなく丸い穴が開くので、空の殻を盛り付け用の飾り入れ物や焼きウニ用に使うなどの付加価値を生むことが出来る新たな効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に図示の実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。図1(a)図は一部断面図を示しての全体斜視図と図1(b)図での左側面図とで第1実施例を示すに、薄板金属材で例えばステンレス材を筒状深絞り加工でなる筒状本体1と合成樹脂材成型加工での棒状で中心にひけ対策での肉盗みの穴を開口しての取っ手5から構成するが、双方の2部品は筒状本体を構成する底部2の中央に設けた穴と取っ手の穴の双方を貫通する鋲状の止め軸4を使い、双方を結合し一体化しているが、取っ手の穴をねじ切りにし、止め軸をねじにしてのねじ締めでの双方の結合でも良い。
【0009】
そして、前記する筒状本体はコップ状で底部付きで開口部3からなるが、開口部の全周に沿うって先端6、6a、6b、6cの尖った鋭角Dの三角形刃7が設けられ、全周で対向するそれっぞれの三角形刃の同志が同等でなる先端の高さhの一対での形状にし、順次先端の高さを段差aにしている。即ち、先端が緩やかな2つの傾斜での構成とする。
これらの先端の尖りがウニの硬い殻の面に次々に差し込まれ丸く容易に差し込まれる為に鋭い先端にすると良い。図2中(c)図は三角形刃の先端の尖りがウニAの殻Bに突き当てる使用例を示し、図2中(d)図は三角形刃の根元まで差し込まれ、丸い穴Cが開き殻の中のワタEに切り込んでの使用例を示し、それぞれは取っ手を矢印方向に力を付加するだけの作業で、図3での分解斜視図で示すようにウニの食口穴Bbのあるフラット部面に筒状の太さと同等の丸い穴が開き蓋BBとワタが取り除かれ、殻の内壁に付着して生息する卵巣が形を崩すことなくピンセットでワタと分別することで、卵巣の採取が容易に出来るウニの殻開け具を具現化している。
【0010】
そしてまた、図4での一部断面での全体斜視図で第2実施例を述べるに、前記する薄板金属材からなる筒状本体を底部20側と開口部30側との2分割にし、該開口部側の反対側の開口部30aを取っ手と一体化でなる底部側の開口部20aに差込圧入一体化結合し、筒状本体の外周に段差aaを設け、ウニ殻の穴開け作業時に三角形刃の過度な殻への突き差し深さのストッパーを設けた構成とする。
【0011】
また、前記する筒状本体と取っ手の一体化は固定式での結合構成で、取っ手の回動で筒状本体を回動の出来る構成でも良く、或いは、双方の一体化結合をガタ付かせての空転結合での一体化にして、ウニの殻に差し込んだ取っ手の回動を筒状本体の同期回動の防止に役立つことで、差し込んだ筒状本体でワタをかき回わしたく無い用具としてのウニの殻アナ開け具として具現化しても良い。
そしてまた、前記する筒状本体の開口部の全周に設けた三角形刃は本実施例では8枚での偶数枚で先端の尖がり角度を約60度で具現化しているが先端の角度を更に小さい角度にし、且つ三角形刃の枚数を偶数枚増やし、先端の段差をなだらかにする等して殻への差し込み力の低減を具現化することでも良い。この様に本発明のポイントはギザギザ形状の三角形刃に段差を付けることで、小さな押しきり力でウニの殻を壊すことなく丸い穴を切り抜くことが出来内臓するワタを散らばす事無く取り除き形を崩す事無く卵巣をスプンで採取の出来るウニの殻穴開け具を構成している。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】 図中(a)図は本発明に係わる第1実施例での全体を示す斜視図である。図中(b)図は本発明に係わる第1実施例での左側面図である。
【図2】 図中(c)図は第1実施例での使用例を示しての要部斜視図である。図中(d)図は第1実施例での使用例を示しての要部斜視図である。
【図3】 本発明に係わる第1実施例での使用例での分解斜視図である。
【図4】 本発明に係わる第2実施例での部分断面を示しての全体斜視図である。
【図5】 従来技術での全体を示しての斜視図である。
【符号の説明】
【0013】
A ウニ
B 殻
Ba 肛門穴
Bb 食口穴
C 穴
D 鋭角
E ワタ
F 卵巣
a,aa 段差
h 高さ
1 筒状本体
2、20 底部
3、 30a、20a 開口部
4、 止め軸
5、 取っ手
6,6a、6b、6c 先端
7 三角形刃

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄板金属材からなる筒状本体は、底部付きの開口部からなり、該底部の中央に止め軸を介して樹脂材の取っ手を一体化し、更に、開口部の全周に沿うって先端の尖った鋭角の三角形刃を設けてなる、ウニの殻に丸い穴を開ける用具であって、該三角形刃は全周で対向する三角形刃の同志が同等でなる先端の高さの形状にし、順次先端の高さに段差を付けたことを特徴とする、ウニの殻穴開け具。
【請求項2】
前記する薄板金属材からなる筒状本体を底部側と開口部側との2分割にし、該開口部側の反対側の開口部を取っ手一体化する底部側での開口部に差込み圧入固着し、筒状本体の外周に段差を設け、ウニの殻に穴開けの作業時に三角形刃の過度な殻への突き差し深さのストッパーにしたことを特徴とする請求項1記載のウニの殻穴開け具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−152204(P2012−152204A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−26524(P2011−26524)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(507109147)東京電子工業株式会社 (3)
【Fターム(参考)】