説明

エアクリーナ装置の取付構造

【課題】 部品点数が低減可能で、エアクリーナの弾性支持に適したエアクリーナ装置の取付構造を提供する。
【解決手段】 エアクリーナ装置1が周辺部材に取り付けられる。エアクリーナ装置1は、カバー部材11とケース部材12と、フィルタエレメント13とを有する。カバー部材11に設けられたエア出口111には、エラストマーにより形成されたエアダクト2の一端2aが接続され、エアダクトの他端2bは、下流側通気経路の一部を構成する下流側周辺部材3に接続される。エアダクト2の前記他端2b付近からは、第1支持部22がエアダクトから突出するように一体に設けられ、ケース部材12には第2支持部122が設けられて、第1支持部22と第2支持部122とが互いに固定されて、ケース部材の第2支持部122がエアダクト2を介して下流側周辺部材3に取り付けられるようにエアクリーナ装置1が取付られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアクリーナ装置の取付構造に関するものである。特に、内燃機関や燃料電池などに供給する空気を濾過するエアクリーナ装置の取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エアクリーナ装置は、ガソリンエンジンなどの内燃機関や燃料電池などに供給する空気を濾過するために、空気が通流する通気経路中に設けられる。そして、エアクリーナ装置は、自動車の車体フレームや、エンジン本体、変速機本体などに対して、例えばマウントブッシュ(グロメット)などを介して取り付けられる。
【0003】
例えば、特許文献1には、吸気マニホールドの側方に配置したエアクリーナを、吸気マニホールドに架設したスティフナ(補強部材)で支持することが開示されており、高い支持剛性を確保すると共に、軽量化、且つ製造コストを削減できることが開示されている。
また、特許文献2には、エアクリーナの上部から突出する取付け片を、スロットルボデー側にグロメットを介しボルト締結するエアクリーナの取付構造が開示されており、エアクリーナの取付け作業の簡単化を図ることが開示されている。
また、特許文献3には、エアクリーナにおける接続管部を、スロットルボデーにおける接続管部に対して、その間に特定の形状の軟質弾性体製のシール体を介挿して被嵌することにより接続するエアクリーナの取付構造が開示されており、接続部のシール性を向上すると共に、エアクリーナからスロットルボデーへの空気の流れ抵抗を低減できることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−256990号公報
【特許文献2】実開平6−49758号公報
【特許文献3】特開平11−82194号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エアクリーナ装置の取付構造は、エアクリーナ装置を確実に取り付けることが求められるほかに、必要に応じて、防振性能や変位吸収性能のために弾性支持することが求められる。また、エアクリーナ装置の取付構造においても、部品点数の削減や、取付に要するスペースの低減が希求されている。
【0006】
本発明の目的は、部品点数が低減可能で、エアクリーナの弾性支持に適したエアクリーナ装置の取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明者は、鋭意検討の結果、エアクリーナ装置に接続されるエラストマー製のエアダクト部材から、第1支持部を突出させて設け、エアクリーナケースに第2支持部を設けて、第1支持部と第2支持部とを互いに固定すると、第2支持部がエアダクトを介して周辺部材に取付できて、上記目的を達成できることを知見し、本発明を完成させた。
【0008】
本発明は、一連の通気経路中に設けられるエアクリーナ装置を周辺部材に取り付ける構造であって、エアクリーナ装置は、カバー部材とケース部材と、カバー部材とケース部材との間に挟持されるフィルタエレメントとを有し、カバー部材に設けられたエア出口には、エラストマーにより形成されたエアダクトの一端が接続され、エアダクトの他端は、エアクリーナ装置よりも下流側の通気経路の一部を構成する下流側周辺部材に接続され、エアダクトの前記他端付近からは、第1支持部がエアダクトから突出するように一体に設けられ、ケース部材には第2支持部が設けられて、第1支持部と第2支持部とが互いに固定されて、ケース部材の第2支持部がエアダクトを介して下流側周辺部材に取り付けられるようにされた、エアクリーナ装置の取付構造である(第1発明)。
【0009】
本発明においては、エアクリーナ装置を周辺部材に取り付けるための他の取付部が、全て、ケース部材に一体に設けられることが好ましい(第2発明)。
また、本発明においては、エアダクトの通気方向に沿う全長をLとして、エアダクトの前記他端からの距離が0.05L〜0.5Lとなる位置に、第1支持部が突出して設けられることが好ましい(第3発明)。
【発明の効果】
【0010】
本発明のエアクリーナ取付構造(第1発明)によれば、ケース部材の第2支持部が、エラストマーにより形成されたエアダクト及び第1支持部を介して、下流側支持部材に対して弾性的に取り付けられる。従って、第2支持部の弾性取付に要するゴムマウントやグロメットを削減できる。
【0011】
さらに、第2発明のように、他の取付部を全てケース部材に設けた場合には、取付部に働く力や相対変位によって、カバー部材とケース部材がずれたりすることが抑制でき、エアクリーナ装置のシール性の悪化を抑制できる。
【0012】
また、第1支持部の配置を第3発明のようにした場合には、ケースの第2支持部の取付を確実なものとしながら、その取付を弾力性に富むものとでき、両者を高いレベルで両立できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態のエアクリーナ装置の取付構造の全体を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態のエアクリーナ装置の取付構造の構成部材を示す分解図である。
【図3】第1実施形態におけるエアダクトの形態を示す斜視図である。
【図4】第1実施形態におけるエアクリーナ装置のケース部材の形態を示す斜視図である。
【図5】第1支持部と第2支持部との固定についての形態例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下図面を参照しながら、自動車のガソリンエンジンに供給される空気を濾過するエアクリーナ装置を例として、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下に示す個別の実施形態だけに限定されるものではなく、その形態を変更して実施することもできる。
【0015】
図1は本発明の第1実施形態のエアクリーナ装置の取付構造を示す図である。図2には、構成部品を分解した状態を示している。
エアクリーナ装置1は、カバー部材11とケース部材12とフィルタエレメント13を有する。カバー部材11とケース部材12とによって、中空箱状のエアクリーナケースが構成されて、エアクリーナ装置の内部は、通気経路中でチャンバ状に拡大された空間とされている。フィルタエレメント13はそのチャンバ状の空間を上流側と下流側の2つに分断するように、カバー部材11とケース部材12とに挟持されて設けられており、エアクリーナ装置1の内部を通流する空気がフィルタエレメント13により濾過される。なお、カバー部材11とケース部材12とは、公知のボルトや板バネ等を利用して一体化される。
【0016】
エアクリーナ装置1は、エンジンに空気を供給する一連の通気経路中に設けられている。具体的には、一連の通気経路は、上流側ダクト部材(図示せず)が、ケース部材12に設けられたエア吸入口123に接続され、カバー部材11に設けられたエア出口111にはエアダクト2の一端2aが接続され、エアダクト2の他端2bが下流側周辺部材(スロットルボディ)3に接続され、スロットルボディ3がインテークマニフォールド(図示せず)に接続されて、最下流に位置するエンジン(図示せず)に空気が供給されるよう構成されている。エアダクト2の端部2a、2bの接続に際しては、必要に応じて、締め付けバンドなどを使用しても良い。
【0017】
カバー部材11やケース部材12やフィルタエレメント13の具体的構造や構成材料・製造方法は、特に限定されず公知のものが採用できる。例えば、カバー部材やケース部材は、ポリプロピレン樹脂やポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂材料を射出成形することにより構成される。また、フィルタエレメント13は、例えば、濾過材となる不織布素材を襞折りして略長方形状にして、その周縁部に熱可塑性樹脂を射出成形して枠部を一体化し、さらに枠部の周縁部にシール部材を取り付けて構成できる。
【0018】
本実施形態において、エアクリーナ装置1は以下に説明するような構造で周辺部材に取り付けられている。ここで、周辺部材とは、エアクリーナ装置の周辺に配置・固定されて、エアクリーナの取り付け(固定)に寄与する部材であり、例えば、車体(車体フレーム)、装置(例えば発電装置)のフレーム、エンジン本体、変速機本体、インテークマニフォールド、スロットルボディ(スロットル装置)、コンプレッサーなどが例示できる。
【0019】
また、エアダクト2の他端2bは下流側周辺部材に接続されるが、下流側周辺部材は本実施形態のようなスロットルボディ3に限定されるものではなく、エアクリーナ装置よりも下流側の通気経路を構成する周辺部材であればよく、例えば、インテークマニフォールドやエンジン本体やコンプレッサー装置の空気取入れ口であっても良い。
【0020】
図3にも示すように、エアダクト2には、中空筒状のエアダクト本体21から突出するように第1支持部22が一体に設けられている。ここで、エアダクト2は、エラストマーにより形成されている。エラストマーとしては、ゴム(例えばNBRなど)や熱可塑性エラストマー(例えばオレフィン系熱可塑性エラストマーなど)などが使用できる。エアダクト2は、例えば、これらのエラストマーを射出成形して、第1支持部22と共に一体成形することにより製造できる。
【0021】
第1支持部22は、エアダクト本体21からダクト半径方向外側に向かって、板状に突出して設けられている。そして、第1支持部の突出端部(半径方向外側の端部)には、第1支持部22を貫通するような楕円形の貫通穴Hが設けられている。
【0022】
第1支持部22は、エアダクト2が下流側周辺部材(スロットルボディ3)に接続される側の端部2b付近に設けられる。そして、第1支持部22が設けられるエアダクト軸方向(空気が通流する方向に沿う方向)の位置は、好ましくは、エアダクト2が下流側周辺部材(本実施形態ではスロットルボディ3)に接続される端部2bから第1支持部22までの距離Xが、エアダクト2の軸方向の全長(ダクト中心線に沿って測った全長)をLとして、0.05L〜0.5Lの範囲に入るように(即ち、0.05L<X<0.5Lとなるように)決定される。本実施形態においては、概ねX=0.1Lとなる位置に設けられている。
【0023】
一方、ケース部材12には、第2支持部122が設けられている。第2支持部122は、エアダクトの第1支持部22と互いに固定される部分である。第2支持部122は、ケース部材12と一体に設けられ、その形成方法としては、射出成形による直接成形や、インサート成形などが例示される。本実施形態においては、図4にケース部材の形状を示すように、ケース部材12のエア吸入口123となっている円筒状部分から、中空の楕円柱状に突出して、第2支持部122が形成されている。
【0024】
エアクリーナ装置1が車両等に組み込まれる際には、図1、図2に示すように、エアダクト2の第1支持部22に設けられた貫通穴Hに、ケース部材12に設けられた第2支持部122を貫通させるように挿通させて、第1支持部22と第2支持部122が互いに固定される。本実施形態においては、第2支持部122の先端部がやや拡径するように形成されており、その拡径部が、第2支持部122に第1支持部22が固定される際の抜け止めの役割を果たす。
なお、第1支持部22と第2支持部122の固定の具体的手段としては、後述するように、多様な固定の手段が採用できる。
【0025】
第1支持部22と第2支持部122が互いに固定されることにより、エアクリーナ装置1のケース部材12の第2支持部122は、エラストマー製のエアダクト2を介して、下流側周辺部材(スロットルボディ3)に取り付けられ、支持される。
【0026】
さらに、ケース部材12には、他に2つの取付部121,121が設けられている。取付部121は、エアクリーナ装置1(ケース部材12)を、車体やエンジン本体などの周辺部材に取り付けるために設けられた部位である。取付部121は、ケース部材から突出するようにケース部材と一体に設けられている。取付部121の具体的形態やその製造方法は、公知のものが採用できる。本実施形態では、取付部121の先端部は、ゴム製のグロメット(マウント部材)などを介して、エンジン本体に取り付けられる。なお、図1、図2ではエンジン本体や、グロメット、取付ボルトなどは図示を省略している。取付部121は、例えば車体フレームや変速機本体やインテークマニフォールドなどの他の周辺部材に取り付けられても良い。
【0027】
エアクリーナ装置に対し、第2支持部122のほかに、他の取付部121を設ける場合には、本実施形態のように、エア吸入口123を有するケース部材12に取付部121を設け、エア出口111を有するカバー部材11には取付部を設けないことが好ましい。即ち、第2支持部122と取付部121とは、全て同じ部材(本実施形態においてはケース部材12)に設けられることが好ましい。
【0028】
本発明の上記第1実施形態が有する効果について説明する。
本発明では、エアダクト2が下流側周辺部材(スロットルボディ3)に接続される側のダクト端部2b付近から、第1支持部22が、エラストマー製のエアダクト2から突出するように一体に設けられる一方で、ケース部材12には第2支持部122が設けられて、第1支持部22と第2支持部122とが互いに固定されて、ケース部材12の第2支持部122がエアダクト2を介して下流側周辺部材(スロットルボディ3)に取り付けられるようにされている。
従って、第1支持部22がエラストマー素材により形成されることに加え、第2支持部122(ケース部材12)と下流側周辺部材(スロットルボディ3)との間には、エラストマー製のエアダクト2のダクト本体21の一部が介装されることになって、第2支持部122は下流側周辺部材に対し、弾性支持(弾性取付)されることになる。
【0029】
そして、第1支持部22やダクト本体21自体が弾性を有するために、第2支持部122の固定に際し、グロメットやゴムブッシュなどの他の弾性支持部材を介装させる必要がない。従って、この部位におけるグロメットなどの弾性支持部材を省略でき、エアクリーナ装置の取り付けに要する部品の部品点数を削減できる。
【0030】
特に、エアダクト2の第1支持部22は、エアダクト本体21から突出するように設けられているので、第1支持部22自体を弾性に富むものに構成することができる。第1支持部の突設量は、エアダクト2の直径の1/4〜2倍程度とすることが、適度な弾力性を与える上で好ましい。
【0031】
さらに、エアダクト2の第1支持部22を、エアダクト2が下流側周辺部材(スロットルボディ3)に接続される側のダクト端部2b付近に設けることにより、第2支持部の固定を確実なものとしながらも、エアダクト本体21の弾性も利用して、下流側周辺部材に対する第2支持部122の取り付けを弾力性に富むものとできる。
【0032】
特に、エアダクト2の第1支持部22を、エアダクト2の通気方向に沿う全長をLとして、エアダクト2が下流側周辺部材に接続される側の端部からの距離Xが0.05L〜0.5Lとなる位置に設けるようにした場合には、第2支持部の取り付けの確実さ、しっかりさと、第2支持部の取付の弾力性・変位吸収性の確保が両立しやすくなって、特に好ましい。上記距離Xが0.5Lを大きく越え、例えば距離Xが0.9Lを越えて、エアダクトの第1支持部22が、エアダクトがカバー部材に接続される側の端部2aに近接して設けられると、第2支持部122の取り付け、保持が不十分になりやすい傾向がある。また、上記距離Xが0.05Lを下回ると、エアダクト本体21が有する弾力性が活用しにくくなり、第2支持部の取り付けの弾力性や変位吸収性が小さくなる傾向がある。
【0033】
さらに、第2支持部122や他の取付部121,121を、全てケース部材12の側に設けるようにした場合には、エアクリーナ装置1を周辺部材に取り付ける部分が、全て、エアクリーナ装置の片側の部材(即ちケース部材12)に設けられているので、各取付部に働く力や相対変位によって、カバー部材11とケース部材12がずれたりしてエアクリーナ装置1のシール性が悪化することが抑制される。
【0034】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の改変をして実施することができる。以下に本発明の他の実施形態について説明するが、以下の説明においては、上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様である部分についてはその詳細な説明を省略する。また、以下に示す実施形態は、その一部を互いに組み合わせて、あるいは、その一部を置き換えて実施できる。
【0035】
上記第1実施形態の説明においては、ケース部材12のエア吸入口121に接続される上流側ダクト部材については詳しい説明をしていないが、上流側ダクト部材としては種々の公知のダクトが使用できる。また。上流側ダクト部材はサイドブランチと呼ばれる共鳴管やヘルムホルツ型レゾネータなどの消音装置を備えるものであっても良い。
【0036】
また、上記第1実施形態においては、エアクリーナ装置が直方体状の箱型である場合について説明したが、エアクリーナ装置1(カバー部材11やケース部材12)やフィルタエレメント13の具体的形態はこれに限定されず、円筒状などの他の形態のものであっても良い。さらに、カバー部材やケース部材に、レゾネータなどの消音装置を一体に設けても良い。
【0037】
図5には、第1支持部と第2支持部とを互いに固定する構造のバリエーションを示す。
図5(a)は上記第1実施形態に対応する図であり、エラストマー製のエアダクト2から、突出する板状の第1支持部22の先端部に、楕円状の貫通穴Hを設けて、一方で、ケース部材12のエア吸入口123の円筒部分から中空の楕円柱状に突出形成された第2支持部122を設け、第2支持部122の先端部を貫通穴Hに挿通させて、第1支持部と第2支持部とを互いに固定するものである。
【0038】
図5(b)に示す実施形態では、エアダクト4の第1支持部42の先端部に円形の貫通穴H4を設け、一方で、ケース部材7には、ケース部材の壁部にナット部材74を埋設一体化して第2支持部として、貫通穴H4を貫通するように、ボルト75をナット部材74に締結して、第1支持部と第2支持部とを互いに固定する。
【0039】
このように、第1支持部と第2支持部との固定には、ボルト締結を利用することもできる。また、第2支持部をケース部材に設ける位置は、エア吸入口(第1実施形態:図5(a))やケース壁部(第2実施形態)などとすることができ、特に制限されない。
【0040】
図5(c)に示す実施形態では、エアダクト5に設けられる板状の第1支持部52の先端部分に、ケース部材8のエア吸入口83と略等しい直径の貫通穴H5が設けられている。
本実施形態では、エアクリーナ装置とエアダクト5が組み付けられる際に、貫通穴H5にエア吸気口83が挿入されて、貫通穴H5の周縁部とエア吸気口83の外周が密着した状態となって、第1支持部52とエア吸入口83とが互いに固定される。すなわち、本実施形態においては、ケース部材8のエア吸入口83が第2支持部となっている。
【0041】
即ち、本発明においてケース部材に設けられる第2支持部は、例えばエア吸入口などの、エアクリーナ装置の固定や支持とは異なる機能を有する部位と兼用して設けることができる。
【0042】
図5(d)に示す実施形態では、エアダクト6に設けられる円柱状の第1支持部62の先端部分に返しのついた係合部を設ける一方で、ケース部材9からは、貫通穴H9を有する第2支持部92を突設した。本実施形態においては、係合部を貫通穴H9に通して、第1支持部62と第2支持部92とを互いに固定する。
【0043】
本実施形態にも示すように、エアダクトに設けられる第1支持部の形状は柱状であっても良く、さらにはバンド状などの他の形状であってもよい。また、本実施形態のように、第1支持部62と第2支持部92との固定を、返しのある係合部を利用して行うようにすれば、両者の固定が確実なものとなって特に好ましい。
【0044】
また、ケース部材に設けられる第2支持部の構成として、ケース部材のケース壁に直接設けられた貫通穴を第2支持部とすることも可能である。
【0045】
また、上記第1実施形態の説明においては、エアクリーナ装置を周辺部材に取り付けるための他の取付部(第2支持部以外の取付部)が、全てケース部材に設けられた実施形態について説明したが、他の取付部は、カバー部材に設けられるものであってもよい。
【0046】
また、上記実施形態の説明においては、自動車のエンジンに空気を供給するためのエアクリーナ装置について説明したが、本発明は、他の用途のエアクリーナ装置、例えば、燃料電池に供給する空気を濾過するためのエアクリーナ装置の取付構造にも応用できることは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明のエアクリーナ装置の取付構造は、例えば内燃機関により駆動される自動車に使用でき、産業上の利用価値が高い。
【符号の説明】
【0048】
1 エアクリーナ装置
11 カバー部材
111 エア出口
12 ケース部材
121 取付部(マウント部)
122 第2支持部
123 エア吸入口
13 フィルタエレメント
2 エアダクト
21 ダクト本体
22 第1支持部
3 スロットルボディ(下流側周辺部材)
4,5,6 エアダクト
7,8,9 ケース部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一連の通気経路中に設けられるエアクリーナ装置を周辺部材に取り付ける構造であって、
エアクリーナ装置は、カバー部材とケース部材と、カバー部材とケース部材との間に挟持されるフィルタエレメントとを有し、
カバー部材に設けられたエア出口には、エラストマーにより形成されたエアダクトの一端が接続され、
エアダクトの他端は、エアクリーナ装置よりも下流側の通気経路の一部を構成する下流側周辺部材に接続され、
エアダクトの前記他端付近からは、第1支持部がエアダクトから突出するように一体に設けられ、ケース部材には第2支持部が設けられて、
第1支持部と第2支持部とが互いに固定されて、ケース部材の第2支持部がエアダクトを介して下流側周辺部材に取り付けられるようにされた、
エアクリーナ装置の取付構造。
【請求項2】
エアクリーナ装置を周辺部材に取り付けるための他の取付部が、全て、ケース部材に一体に設けられた請求項1に記載のエアクリーナ装置の取付構造。
【請求項3】
エアダクトの通気方向に沿う全長をLとして、エアダクトの前記他端からの距離が0.05L〜0.5Lとなる位置に、第1支持部が突出して設けられた、請求項1または請求項2に記載のエアクリーナ装置の取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−50030(P2013−50030A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186716(P2011−186716)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000108498)タイガースポリマー株式会社 (187)