説明

エアゾール容器を備える固定噴射用ケース

【課題】エアゾール容器として自由に使用することも、エアゾール容器として固定して使用することもできるエアゾール容器収納体を提供する。
【解決手段】本発明は、容器本体2に設けられたヘッド3の押し下げにより内容物が噴射されるエアゾール容器1と、エアゾール容器1に着脱可能に保持されるオーバーキャップ6と、キャップ6が取り外された状態のエアゾール容器1が装填される装填凹部Cを有する本体10と、本体10に合わさって内側にエアゾール容器1の収納空間Rを形成する蓋体20とを備え、蓋体20に配置された押圧ボタン32によってヘッド3を押し下げることでヘッド3からの内容物が蓋体20を通して外界に噴射される。蓋体20の外表面には、エアゾール容器1から取り外したオーバーキャップ6がボタン32のカバーとなるように、オーバーキャップ6が着脱可能に嵌合する、第1の嵌合部22と、当該第1の嵌合部22と異なる、第2の嵌合部23とが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアゾール容器をケースに固定して使用できるようにすることで、エアゾール容器を手に取って使用だけでなく、エアゾール容器を据え置いた状態でも使用することもできるようにするための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エアゾール容器としては、例えば、容器本体の上側に設けられたヘッドの押し下げによって、このヘッドに形成された開口部を通して、芳香剤を噴射させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4−86789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のエアゾール容器は、使用者が直接手にとって使用することで、使用者が意識する場所に直接内容物を噴射させることできる。このため、こうしたエアゾール容器によれば、その使用に際し、使用者の意思を直接反映させることができる。
【0005】
しかしながら、反対に、内容物を外界に噴射させることが主目的であり、内容物を噴射させる場所を、適宜意識する必要が無い場合にまで、使用者がエアゾール容器を直接手にとって使用することは使い勝手が悪く、改善の余地がある。
【0006】
そこで、本願発明者は、エアゾール容器を本体に装填すると共に、この本体を閉じる蓋体に押圧ボタンを配置し、これを操作することで、机等の固定物に据え置いた状態でも、内容物を噴射させることができる技術を着想するに至った。
【0007】
ところが、蓋体に押圧ボタンを配置した場合、ケースが比較的低い位置に据え置かれるため、誤ってボタンが押し込まれると、使用者が予期しないからの内容物の噴射が考えられる。このため、本願発明者は、誤ったボタン操作によって、内容物が噴射されることを防止する必要があることを認識するに至った。
【0008】
本発明の目的とするところは、エアゾール容器として自由に使用することも、エアゾール容器として固定して使用することもできると共に、エアゾール容器をセットした状態での予期せぬ噴射を防止することができる、新規なエアゾール容器を備える固定噴射用ケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明である、エアゾール容器を備える固定噴射用ケースは、容器本体に設けられたヘッドの押し下げにより内容物が噴射されるエアゾール容器と、当該エアゾール容器に着脱可能に保持されるオーバーキャップと、オーバーキャップが取り外された状態のエアゾール容器が装填される装填凹部を有する本体と、当該本体に合わさって内側にエアゾール容器の収納空間を形成する蓋体とを備え、当該蓋体に配置された押圧ボタンによってエアゾール容器のヘッドを押し下げることでヘッドからの内容物が蓋体を通して外界に噴射されるエアゾール容器を備える固定噴射用ケースであって、蓋体の外表面に、オーバーキャップが押圧ボタンのカバーとなるように、当該オーバーキャップが着脱可能に嵌合する、第1の嵌合部と、当該第1の嵌合部と異なる、第2の嵌合部とを設けたことを特徴とするものである。
【0010】
本発明では、第1の嵌合部を、オーバーキャップの端部に対して着脱可能に嵌合する、突条又は条溝とすると共に、第2の嵌合部を、オーバーキャップの端部に対して着脱可能に嵌合する、突条、条溝又は窪み(陥没部)とすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、エアゾール容器を、本体に設けた装填凹部に載せ置いて蓋体を閉じれば、噴射スイッチを操作するだけで、内容物を一定に固定された方向に噴射させることができる。また、エアゾール容器は、本体の装填凹部に装填されるため、蓋体を開けば、本体に対して自由に固定し、又は、取り外すことができる。
【0012】
また、本発明では、蓋体の外表面に、エアゾール容器から取り外したオーバーキャップが、押圧ボタンのカバーとなるように、当該オーバーキャップが着脱可能に嵌合する、第1の嵌合部を設けたことから、オーバーキャップを蓋体に嵌合させれば、押圧スイッチを誤って操作することがない。このため、エアゾール容器をセットした状態での予期せぬ噴射を防止することができる。
【0013】
従って、本発明によれば、1つのエアゾール容器を、ケースからエアゾール容器として取り出して自由に噴射することも、エアゾール容器をケースに固定した状態で噴射することもでき、併せて、エアゾール容器をセットした状態での予期せぬ噴射を防止することができる。加えて、本発明によれば、蓋体の外表面に、第2の嵌合部を設けたことから、この第2の嵌合部にオーバーキャップを嵌合させれば、オーバーキャップを紛失させることなく、噴射スイッチを操作可能な状態にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明である、エアゾール容器を備える固定噴射用ケースの第1の形態を示す分解斜視図である。
【図2】(a)〜(c)はそれぞれ、同形態に係るエアゾール容器の正面図、同エアゾール容器を装填した状態を一部仮想線で示す本体の平面図及び、同本体を蓋体で閉じた状態を示す平面図である。
【図3】同形態を操作して内容物を噴射する前の状態を側面から示す一部断面図である。
【図4】同形態を操作して内容物を噴射した状態を側面から示す一部断面図である。
【図5】(a)〜(c)はそれぞれ、本発明である、エアゾール容器を備える固定噴射用ケースの第2の形態に係るエアゾール容器の正面図、同エアゾール容器を装填した状態を一部仮想線で示す本体の平面図及び、同本体を蓋体で閉じた状態を示す平面図である。
【図6】同形態を操作して内容物を噴射する前の状態を側面から示す一部断面図である。
【図7】同形態を操作して内容物を噴射した状態を側面から示す一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明である、エアゾール容器を備える固定噴射用ケースを詳細に説明する。
【0016】
図1〜4は、本発明である、エアゾール容器を備える固定噴射用ケースの第1の形態である。図において、符号1は、エアゾール容器である。エアゾール容器1は、容器本体2の内側に形成された空間に圧縮ガスと共に、内容物たる、液体の芳香剤等の内容物が充填されている。容器本体2の上側には、図示せぬステムを介してヘッド3が取り付けられている。ヘッド3には、ノズル4が一体に設けられている。ノズル4は、図2(a)等に示すように、上向きに傾斜している。また、ノズル4には、ステムを介して容器本体2内に通じる開口部(以下、「噴射孔」)4aが形成されている。これにより、ヘッド3を押し下げると、ノズル4の噴射孔4aを通して内容物が霧状に噴射される。
【0017】
符号6は、エアゾール容器1に着脱可能に保持されるオーバーキャップである。オーバーキャップ6は、ヘッド3を取り囲むように形成された周壁6aと、この周壁6aの上端を閉じる天壁6bとからなり、周壁6aの下端6eがエアゾール容器1に被せたときにヘッド3が導入される開口部を形作る。周壁6aは、その下端6e側の内周面が容器本体2に繋がるマウントカップ巻締め部1rに着脱可能に嵌合する。これにより、エアゾール容器1は、単独での携帯時においても、ヘッド3が誤操作されることがない。従って、エアゾール容器1を単独で携帯しても、使用者が予期せぬ状態から内容物が噴射されることがない。
【0018】
符号10は、エアゾール容器1が装填される装填凹部Cを有する本体である。装填凹部Cは、図2(b)等に示すように、容器本体2の底部2aとの接触により当該底部2aを支持する底壁11aと、胴部2bとの接触により当該胴部2bを支持する底壁11a,11bを有する。底壁11a,11bは、図3等に示すように、互いに本体10の底部に向かって傾斜することで、断面V字形を形成する2つの傾斜壁としてなる。底壁11aは、容器本体2の底部2aと全面に亘って斜めに接触することで、エアゾール容器1を底部2a側から支持している。また、底壁11bは、胴部2bと斜めに接触することで、エアゾール容器1を胴部2b側から支持している。これにより、底壁11a,11bは、図3等に示すように、エアゾール容器1を、その自重によって比較的安定した状態に位置決めする。
【0019】
また、装填凹部Cは、底壁11a,11bと一体に繋がる2つの側壁12a,12bを有する。側壁12a,12bはそれぞれ、図2(b)等に示すように、容器本体の胴部2bの側面と接触することで、胴部2bを嵌合保持している。これにより、側壁12a,12bは、図2(b)に示すように、エアゾール容器1を胴部幅方向に位置決めする。
【0020】
符号20は、本体10に合わさって内側にエアゾール容器の収納空間R1を形成する蓋体である。蓋体20は、本体10と共に、エアゾール容器1を収納すると共に内容物の噴射を可能にする固定噴射用ケースを構成する。また、蓋体20は、平坦な天壁21を有し、この天壁21には、噴射スイッチ30が設けられている。
【0021】
噴射スイッチ30は、図2(c)に示すように、天壁21に形成されたU字形のスリットSにより形作られた片持ち支持片(舌片)である。噴射スイッチ30は、図3等に示すように、その自由端31側に、蓋体20の外側に膨出する押圧ボタン32が一体に設けられている。また、噴射スイッチ30の固定端33側には、図3に示すように、その裏面に、ヘッド3に接触可能な突起34が一体に設けられている。これにより、図3に示す押圧ボタン32を図4に示すように収納空間R1内に押し込むと、図4に示すように、固定端33側に弾性変形が生じることにより、突起34がヘッド3を容器本体2側に押し込むことができる。
【0022】
更に、噴射スイッチ30には、ノズル4の噴射孔4aが外界に解放されるように貫通孔A1が形成されている。これにより、押圧ボタン32の押し下げによってヘッド3を押し下げられることで、噴射孔4aからの内容物は、図4に示すように、貫通孔A1を通して外界に噴射される。そして、噴射スイッチ30は、押圧ボタン32の押し下げを解除すると、固定端33側で生じる復元力によって、又は、ヘッド3の復帰によって、図3に示す位置に復帰する。
【0023】
このように、本形態では、エアゾール容器1が凹部Cに対して底部2a及び胴部2bを支持された状態で斜めに載せ置かれるため、当該エアゾール容器1を凹部Cの底壁11a,11bに載せ置くだけの簡単な操作で、エアゾール容器1を比較的安定した状態に位置決めすることができる。また、本形態では、装填凹部Cの底壁11aが、エアゾール容器1の底部2aを支持しているため、エアゾール容器1を単体で用いた場合と同様に、ヘッド3を押し下げるだけで内容物を噴射させることができる。このため、エアゾール容器1を、装填凹部Cの底壁11a,11bに載せ置いて蓋体20を閉じれば、噴射スイッチ30を操作するだけで、内容物を一定に固定された方向に噴射させることができる。また、エアゾール容器1は、装填凹部Cに載せ置かれるため、蓋体20を開けば、本体10に対して自由に固定し、又は、取り外すことができる。
【0024】
加えて、天壁21の外表面には、図1等に示すように、エアゾール容器1から取り外したオーバーキャップ6が押圧ボタン32のカバーとなるように、当該オーバーキャップ6を嵌合保持するための第1の嵌合部22が一体に設けられている。第1の嵌合部22は、図2(c)の二点鎖線で示すように、噴射スイッチ30を挟んだ両側の位置に設けられている。第1の嵌合部22はそれぞれ、その外周面が周壁6aの内周面と着脱可能に嵌合する突条としてなる。これにより、オーバーキャップ6を蓋体20の第1の嵌合部22に嵌合させれば、図3に示すように、押圧スイッチ32は、オーバーキャップ6内に形成された空間R2に収納されることで、押圧スイッチ32を誤って操作することがない。このため、オーバーキャップ6を第1の嵌合部22に嵌合させれば、エアゾール容器1をセットした状態での予期せぬ噴射を防止することができる。
【0025】
従って、本形態によれば、1つのエアゾール容器1を、ケースからエアゾール容器1として取り出して自由に噴射することも、エアゾール容器1をケースに固定して机や床に据え置いた状態で噴射することもでき、併せて、エアゾール容器1をセットした状態での予期せぬ噴射を防止することができる。
【0026】
なお、第1の嵌合部22は、その変形例として、その内周面が周壁6aの外周面と着脱可能に嵌合するものとすることもできる。また、第1の嵌合部22が本形態の如く、突条となる場合には、噴射スイッチ30を挟んで両側に配置されていれば、各突条22をそれぞれ、更に複数に分割して断続的に設けることができる。また、突条は、噴射スイッチ30を挟んで両側に配置された条溝に置き換えることもできる。更に、第1の嵌合部22を突条又は条溝とした場合は、噴射スイッチ30を取り囲むように設けられた環状のものとすることもできる。第1の嵌合部22としては、突条又は条溝を採用すれば、オーバーキャップ6の着脱を簡素な構成で実現できるが、これに限定されるものではない。即ち、第1の嵌合部22は、オーバーキャップ6を着脱可能に嵌合させることができる構成であれば、種々の構成を採用することができる。
【0027】
ところで、エアゾール容器1を携帯する際に用いられるオーバーキャップ6は、エアゾール容器1をケースに収納したのち、その保管をしっかりしないと紛失してしまう可能性がある。このため、本願発明者は、エアゾール容器1を単独で使用する場合には、オーバーキャップ6の取り扱いも考慮しなければならないことも見出した。
【0028】
そこで、本形態では、図1等に示すように、天壁21の外表面に更に、オーバーキャップ6を嵌合保持するための第2の嵌合部23が設けられている。第2の嵌合部23は、図4等に示すように、その内周面が周壁6aの外周面と着脱可能に嵌合する窪み(陥没部)としてなる。これにより、オーバーキャップ6を第2の嵌合部23に嵌合させれば、オーバーキャップ6を紛失させることなく、噴射スイッチ30を操作可能な状態にすることができる。
【0029】
なお、符号13は、底壁11bから一体に起立する縦壁11cから本体10の幅方向(短手方向)に間隔を空けて一体に設けた突起である。突起13の先端にはそれぞれ、ヘッド3の側面に設けた縦リブ5に接触する斜面13fが形成されている。これにより、エアゾール容器1を装填するだけで、図2(b)等に示すように、ノズル4の向きを容易に位置決めすることができると共に、ヘッド3が容器本体2に対して回転することを防止できる。なお、突起13の下方にはそれぞれ、貫通長孔A2が形成されている。
【0030】
また、本形態では、蓋体20は、割り溝部24を有し、この割り溝部24を介して本体10に設けられたシャフト14に回転可能に軸支されている。これにより、エアゾール容器1の着脱は、蓋体20を本体10に対して回転させるだけの容易な操作で行うことができる。なお、蓋体20は、本体10に設けた係合突起15と着脱可能に嵌合する係合凹部25を更に有する。これにより、蓋体20の予期せぬ開放を防止する。
【0031】
また、蓋体20を本体10に対して軸支する手段は、これに限定されるものではなく、蓋体20を本体10に対して回転させることができる構成であれば、様々な構成のものを採用することができる。
【0032】
また、本発明に従えば、蓋体20は、本体10に対して回転させることなく、例えば、本形態のように、装填凹部Cの開口部を形作る上端縁16a〜16cに形成した2つの案内壁17を用いることで、蓋体20を案内壁17によって着脱可能に嵌合させる構成とすることも可能である。
【0033】
図5〜7は、本発明である、エアゾール容器を備える固定噴射用ケースの第2の形態である。以下、第1の形態と同一部分は、同一符号をもって、その説明を省略する。
【0034】
本形態では、噴射スイッチ40は、本体10に回転可能に保持される軸部41を有する回転部材である。噴射スイッチ40は、軸部41の後方(ノズル4よりも遠い位置)に、蓋体20(天壁21)に形成された開口部A3から蓋体20の外側に膨出する押圧ボタン42が一体に設けられている。また、軸部41の前方(ノズル4に近い位置)側には、ヘッド3に接触可能な突起43が一体に設けられている。これにより、図6に示す押圧ボタン42を図7に示すように収納空間R1内に押し込むと、図7に示すように、軸部41周りの回転を生じさせることにより、突起43がヘッド3を容器本体2側に押し込むことができる。そして、噴射スイッチ40は、押圧ボタン42の押し下げを解除すると、ヘッド3の復帰によって、図6に示す位置に復帰する。
【0035】
本形態も、第1の形態と同様、エアゾール容器1を、装填凹部Cの底壁11a,11bに載せ置いて蓋体20を閉じれば、噴射スイッチ40を操作するだけで、内容物を一定に固定された方向に噴射させることができる。また、エアゾール容器1は、装填凹部Cに装填されるため、蓋体20を開けば、本体10に対して自由に固定し、又は、取り外すことができる。
【0036】
加えて、天壁21の外表面にも、第1の形態と同様、図5等に示すように、エアゾール容器1から取り外したオーバーキャップ6が押圧ボタン42のカバーとなるように、当該オーバーキャップ6を嵌合保持するための第1の嵌合部22が一体に設けられている。これにより、オーバーキャップ6を第1の嵌合部22に嵌合させれば、図6に示すように、押圧スイッチ42は、オーバーキャップ6内に形成された空間R2に収納されることで、押圧スイッチ42を誤って操作することがない。このため、第1の形態と同様、エアゾール容器1をセットした状態での予期せぬ噴射を防止することができる。
【0037】
従って、本形態によっても、1つのエアゾール容器1を、ケースからエアゾール容器1として取り出して自由に噴射することも、エアゾール容器1をケースに固定した状態で噴射することもでき、併せて、エアゾール容器1をセットした状態での予期せぬ噴射を防止することができる。
【0038】
また、本形態でも、図5等に示すように、天壁21の外表面に更に、オーバーキャップ6を嵌合保持するための第2の嵌合部23が設けられている。第2の嵌合部23も、第1の形態と同様、図7等に示すように、その内周面が周壁6aの外周面と着脱可能に嵌合する。これにより、第1の形態と同様、オーバーキャップ6を第2の嵌合部23に嵌合させれば、オーバーキャップ6を紛失させることなく、噴射スイッチ30を操作可能な状態にすることができる。
【0039】
なお、本形態では、噴射スイッチ40の軸部41は、図5(b)等に示すように、本体10の案内壁17それぞれに形成した凹部18によって、回転可能に軸支されている。但し、本発明に従えば、軸部41を蓋体20側で軸支することも可能である。
【0040】
上述したところは、本発明の一形態を示したにすぎず、本発明に従えば、種々の変更を加えることができる。例えば、第2の嵌合部23は、第1の嵌合部22と同様の構成を取ることができる。第2の嵌合部23としては、突条、条溝又は窪み(陥没部)を採用すれば、第1の嵌合部22と同様、オーバーキャップ6の着脱を簡素な構成で実現できるが、これに限定されるものではない。即ち、第2の嵌合部23も、オーバーキャップ6を着脱可能に嵌合させることができる構成であれば、種々の構成を採用することができる。さらに、上述した形態の各構成要素は、適宜、組み合わせて用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、容器本体に設けられたヘッドの押し下げにより内容物が噴射されるエアゾール容器であれば、芳香剤等の、様々な内容物を充填したエアゾール容器を採用することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 エアゾール容器
1r マウントカップ巻締め部
2 容器本体
2a 容器底部
2b 容器胴部
3 ヘッド
4 ノズル
4a ノズル開口部(噴射孔)
5 縦リブ(ノズル位置決め用)
6 オーバーキャップ
6a 周壁
6b 天壁
6e オーバーキャップ下端
10 本体
11a (装填凹部)底壁(容器底部側)
11b (装填凹部)底壁(容器胴部側)
12a (装填凹部)側壁
12b (装填凹部)側壁
13 突起(ノズル位置決め用)
13f 突起斜面
14 (蓋体回転用)シャフト
15 (蓋体誤開放防止用)係合突起
16 本体上端縁
17 案内壁
18 (噴射スイッチ軸部保持用)凹部
20 蓋体
21 天壁
22 第1の嵌合部(突条)
23 第2の嵌合部(窪み)
24 (蓋体回転用)割り溝部
25 (蓋体誤開放防止用)係合凹部
30 噴射スイッチ(第1の形態)
31 自由端
32 押圧ボタン
33 固定端
34 (ヘッド押し下げ用)突起
40 噴射スイッチ(第2の形態)
42 押圧ボタン
43 固定端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体に設けられたヘッドの押し下げにより内容物が噴射されるエアゾール容器と、当該エアゾール容器に着脱可能に保持されるオーバーキャップと、オーバーキャップが取り外された状態のエアゾール容器が装填される装填凹部を有する本体と、当該本体に合わさって内側にエアゾール容器の収納空間を形成する蓋体とを備え、当該蓋体に配置された押圧ボタンによってエアゾール容器のヘッドを押し下げることでヘッドからの内容物が蓋体を通して外界に噴射される、エアゾール容器を備える固定噴射用ケースであって、
蓋体の外表面に、オーバーキャップが押圧ボタンのカバーとなるように、当該オーバーキャップが着脱可能に嵌合する第1の嵌合部と、当該第1の嵌合部と異なる、第2の嵌合部とを設けたことを特徴とする、エアゾール容器を備える固定噴射用ケース。
【請求項2】
請求項1において、第1の嵌合部を、オーバーキャップの端部に対して着脱可能に嵌合する、突条又は条溝とすると共に、第2の嵌合部を、オーバーキャップの端部に対して着脱可能に嵌合する、突条、条溝又は窪みとしたことを特徴とする、エアゾール容器を備える固定噴射用ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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