説明

エアフィルタ

【課題】耐熱性、捕集効率、圧力損失、ランニングコストなどの面において優れたエアフィルタを提供する。
【解決手段】エアフィルタ1は、清浄化対象の空気が順次流通する第1捕集部11,第2捕集部12及び第3捕集部13の3層構造からなる。第1捕集部11は、金属ワイヤが編まれて構成され、波板状に形成された網状部材11aを複数備えるとともに、各網状部材11aが積層されて構成される。第2捕集部12は、第1捕集部11の網状部材11aよりも目が細かくなるように金属ワイヤが編まれて構成され、平板状に形成された網状部材12aを複数備えるとともに、各網状部材12aが積層されて構成される。第3捕集部13は、横断面が矩形状をした金属繊維の不織布から構成され、第1捕集部11及び第2捕集部12を通過した、第1捕集部11及び第2捕集部12よりも小さい粒子を捕集可能に構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清浄化対象の空気に含まれる粉塵などを除去して当該空気を清浄にするためのエアフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車生産ラインの塗装乾燥工程において、車体に塗布された塗料を乾燥させる乾燥室は、その内部の空気が清浄であることが必要なため、この乾燥室内には、エアフィルタによって粉塵などが除去された空気が適宜供給されるようになっている。
【0003】
そして、このようなエアフィルタには、乾燥室内部の温度が高められていることから、耐熱性に優れていることや、乾燥室内の粉塵が塗装面に付着すると、塗装不良の原因となるため、捕集効率に優れていることが要求され、また、乾燥室内に空気を供給する送風機構にかかる負荷を小さくしたり、低性能の送風機構でも空気を供給可能とすべく、圧力損失が小さいことも求められている。
【0004】
従来、エアフィルタとしては、例えば、特開2000−300919号公報(特許文献1)に開示されたものや特開2001−25625号公報(特許文献2)に開示されたものなどが知られており、特許文献1には、空気中の粉塵などを除去するエアフィルタが、特許文献2には、空気中の油分を除去するエアフィルタが開示されている。
【0005】
特許文献1のエアフィルタは、ガラス繊維とバインダとが所定の割合で混合されて構成されたガラス繊維シートを備えており、このガラス繊維シートによって粉塵を除去する。
【0006】
一方、特許文献2のエアフィルタは、一定間隔を隔てて平行に配置され、多数の網目を有する平板状の2つの第1捕集網と、この各第1捕集網間に配置され、多数の網目を有する波板状の2つの第2捕集網とを備え、これらの各捕集網によって油分を除去する。尚、各第2捕集網は、その波部山側及び波部谷側の各頂部(折り目)の形成方向が当該第2捕集網の表面と平行な面内でそれぞれ交差するように設けられている。
【0007】
【特許文献1】特開2000−300919号公報
【特許文献2】特開2001−25625号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、エアフィルタは、その使用によって、除去された粉塵や油がガラス繊維シートや各捕集網に一定量以上堆積すると、目詰まりなどの原因になるため、定期的に、ガラス繊維シートや各捕集網を洗浄して、堆積した粉塵や油を除去したり、未使用のものと交換する必要がある。
【0009】
ところが、ガラス繊維シートを洗浄した場合には、洗浄コストが高いため、ランニングコストが高くなるという問題や、洗浄時にかかる水圧などによってガラス繊維が折損し易く、また、折損したガラス繊維が外部に飛散し易いことから、洗浄後の粉塵除去性能が低下するという問題がある。更に、作業者が飛散したガラス繊維を吸い込むと、塵肺といった健康被害を生じる恐れもあり、取り扱いに注意を要する。一方、ガラス繊維シートを洗浄せずに交換しても、交換部品のコストが高いため、洗浄したときと同様、ランニングコストは高くつく。
【0010】
また、各捕集網は、上記ガラス繊維シートのような問題はないものの、捕集した油による目詰まりを防止するために網目がある程度大きく形成されているため、細かな粉塵を捕集することができないという問題がある。
【0011】
このため、粉塵などを除去するのに適したエアフィルタであり、再使用可能なエアフィルタの開発が望まれていた。
【0012】
本発明は、以上の実情に鑑みなされたものであって、粉塵除去に適し、再使用可能な他、耐熱性、捕集効率、圧力損失、ランニングコストなどの面においても優れたエアフィルタの提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための本発明は、
第1捕集部,第2捕集部及び第3捕集部の3層構造からなり、清浄化対象の空気が該第1捕集部,第2捕集部及び第3捕集部を順次流通するように構成されたエアフィルタであって、
前記第1捕集部は、多数の網目を有するように金属ワイヤを編んで構成され且つ波板状に形成された複数の網状部材が積層状に設けられ、
前記第2捕集部は、前記第1捕集部の網状部材よりも目の細かい多数の網目を有するように金属ワイヤを編んで構成され且つ平板状に形成された複数の網状部材が積層状に設けられ、
前記第3捕集部は、横断面が矩形状をした金属繊維の不織布から構成されてなり、
前記第3捕集部は、前記第1捕集部及び第2捕集部を通過した、該第1捕集部及び第2捕集部で捕集される粒子よりも小さい粒子を捕集するように構成されてなることを特徴とするエアフィルタに係る。
【0014】
この発明によれば、清浄化対象の空気がエアフィルタの第1捕集部側に供給されると、当該空気は、第1捕集部,第2捕集部及び第3捕集部を順次流通し、第2捕集部では、その各網状部材が第1捕集部の各網状部材よりも目が細かく構成されていることから、第1捕集部よりも小さい粒子が捕集され、第3捕集部では、その不織布が第1捕集部及び第2捕集部よりも小さい粒子を捕集するように構成されていることから、第2捕集部よりも小さい粒子が捕集される。そして、各捕集部で粉塵などが除去されて清浄にされた空気が第3捕集部側から外部に排出される。
【0015】
本発明では、上述のように、第1捕集部及び第2捕集部を、複数の網状部材を積層して構成しているので、当該第1捕集部及び第2捕集部でも比較的細かな粉塵を除去することが可能となり、また、第1捕集部の各網状部材を波板状に形成しているので、積層された各網状部材間に形成される空間内に、除去した粉塵を堆積させることができ、これにより、捕集効率が低下したり、圧力損失が高くなるのを防止しつつ粉塵の捕集量を多くすることができる。
【0016】
また、このような第1捕集部及び第2捕集部を、不織布からなる第3捕集部の前処理部として設けているので、当該不織布によって大きな粉塵が除去されるのを防止することができ、当該不織布を目詰まりさせ難くすることができる。
【0017】
また、第3捕集部の不織布を、横断面が矩形状の金属繊維から構成しているので、当該繊維部の前後における空気の流動状態を、横断面が円形状の一般的な繊維に比べてより乱れた状態にすることができ、かかる空気の流動によって捕集効率を高めることができると考えられる。横断面が円形状の場合においても、嵩密度が高ければ、横断面が矩形状の場合と略同等に空気の乱れた領域を形成することができるが、嵩密度が高いために空孔率が低下して圧力損失が大きくなるという問題を生じる。逆に、横断面が矩形状の場合は、嵩密度が低くても、より広範囲に渡って空気の乱れた状態を形成することができ、圧力損失を大きくすることなく、捕集効率を効果的に高めることができるものと考えられる。
【0018】
また、第1捕集部及び第2捕集部の各網状部材並びに第3捕集部の不織布を、金属から構成しているので、耐熱性があり、また、容易に洗浄して再使用することができるとともに、洗浄しても、当該各捕集部による粉塵除去性能が低下することはない。また、取り扱いに際して不便なこともない。
【0019】
斯くして、本発明に係るエアフィルタによれば、金属製の第1捕集部,第2捕集部及び第3捕集部からなる3層構造とするとともに、当該各捕集部でこれらにそれぞれ対応した大きさの粒子を除去するようにしているので、空気中の粉塵などを効率的に除去して目詰まりの発生を防止することができるとともに、洗浄によって、捕集された粉塵を除去して再使用することができ、ランニングコストを大幅に削減することができる。
【0020】
したがって、本発明に係るエアフィルタによれば、当該エアフィルタを、耐熱性、捕集効率、圧力損失、ランニングコスト、取り扱い易さなどの面において優れた粉塵除去用のエアフィルタとすることができる。
【0021】
尚、前記第1捕集部及び第2捕集部の各網状部材を構成する金属ワイヤ、並びに前記第3捕集部の不織布を構成する金属繊維の材料には、各捕集部を洗浄水により繰り返し洗浄しても錆び難いものとするために、ステンレスやアルミニウムを用いることが好ましく、また、ステンレスの方がアルミニウムよりも耐熱性や耐食性に優れているので、ステンレスを用いれば、更に好ましくなる。
【発明の効果】
【0022】
このように、本発明に係るエアフィルタによれば、波板状の網状部材を複数積層した第1捕集部、平板状の網状部材を複数積層した第2捕集部、不織布からなる第3捕集部の3層構造にするとともに、第3捕集部の不織布を、横断面が矩形状の繊維から構成することで、耐熱性、捕集効率、圧力損失、ランニングコスト、取り扱い易さなどの面において優れた粉塵除去用のエアフィルタとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の具体的な実施形態について、添付図面に基づき説明する。尚、図1は、本発明の一実施形態に係るエアフィルタの概略構成を示した断面図であり、図2は、図1における矢示A方向の底面図であり、図3は、矢示B方向の平面図である。
【0024】
図1乃至図3に示すように、本例のエアフィルタ1は、3層構造に設けられて清浄化対象の空気が順次流通するように構成された第1捕集部11,第2捕集部12及び第3捕集部13と、これら第1捕集部11,第2捕集部12及び第3捕集部13を保持する保持機構20とから構成される。
【0025】
尚、このエアフィルタ1の使用用途の一例としては、例えば、自動車生産ラインの塗装乾燥工程で、乾燥室内に供給される空気中から粉塵を除去するのに用いることを挙げることができるが、当該エアフィルタ1の使用用途は、これに限定されるものではない。
【0026】
前記第1捕集部11は、多数の網目を有するようにステンレスワイヤが編まれて構成され、波板状に形成された網状部材11aを複数(本例では、8枚)備えるとともに、当該各網状部材11aが積層されて構成される。各網状部材11aは、向い合わせに配置したものを一組として4組設けられ、積層された網状部材11aの波部山側及び波部谷側の各頂部間に所定容積の積層空間Sが形成されている。尚、この網状部材11aは、例えば、ステンレスワイヤを編んで網状且つ平板状に形成した後、これを波板状とすることで形成することができる。また、網状部材11aは、その折り目(波部山側及び波部谷側の各頂部)の形成方向とステンレスワイヤの編み方向とが当該網状部材11aの表面と平行な面内で交差するように波板状に形成されている。
【0027】
前記第2捕集部12は、ステンレスワイヤが第1捕集部11の網状部材11aよりも目の細かい多数の網目を有するように編まれて構成され、平板状に形成された網状部材12aを複数(本例では、10枚)備えるとともに、当該各網状部材12aが積層されて構成される。尚、この第2捕集部12の各網状部材12aや上記第1捕集部11の各網状部材11aには、例えば、ステンレスワイヤをメリヤス編みして構成されるデミスターフィルタと呼ばれるものを用いることができる。
【0028】
前記第3捕集部13は、横断面が矩形状をしたステンレス繊維の不織布から構成されており、第1捕集部11及び第2捕集部12を通過した、当該第1捕集部11及び第2捕集部12で捕集される粒子よりも小さい粒子を捕集可能に構成されている。尚、横断面が矩形状のステンレス繊維は、例えば、コイル状に巻かれたステンレス鋼板の端面を切削することで、当該ステンレス鋼板の板厚及び切り込み量に応じた寸法のステンレス繊維を得ることができる。
【0029】
前記保持機構20は、第1捕集部11の第2捕集部12側とは反対側の表面に設けられる第1保持金網21と、第3捕集部13の第2捕集部12側とは反対側の表面に設けられるシート状の第2保持金網22と、第2保持金網22の第3捕集部13側とは反対側の表面に設けられる第3保持金網23と、第1保持金網21及び第3保持金網23により第1捕集部11,第2捕集部12,第3捕集部13及び第2保持金網22を挟持した状態で保持する保持枠24とを備えている。
【0030】
前記第1保持金網21及び第3保持金網23は、第1捕集部11や第2捕集部12に比べて非常に目の粗いステンレス金網から構成され、前記第2保持金網22は、例えば、50メッシュ程度のステンレス金網から構成され、第3捕集部13の不織布を流通する空気や第3保持金網23によって当該不織布が波打ったように変形するのを防止する。
【0031】
前記保持枠24は、矩形状且つ枠状をしたステンレス製の部材から構成されるとともに、両端部(第1保持金網21及び第3保持金網23側の端部)が中央側に突出して形成されており、この突出部24aの内側に第1保持金網21及び第3保持金網23の周縁部が設けられて係合することで、当該第1保持金網21及び第3保持金網23により第1捕集部11,第2捕集部12,第3捕集部13及び第2保持金網22を保持する。
【0032】
以上のように構成された本例のエアフィルタ1によれば、清浄化対象の空気が第1保持金網21側から供給されると、当該空気は、第1捕集部11,第2捕集部12及び第3捕集部13を順次流通し、第2捕集部12では、その各網状部材12aが第1捕集部11の各網状部材11aよりも目が細かいことから、第1捕集部11よりも小さい粒子が捕集され、第3捕集部13では、その不織布が第1捕集部11及び第2捕集部12よりも小さい粒子を捕集可能であることから、第2捕集部12よりも小さい粒子が捕集される。そして、各捕集部11,12,13で粉塵などが除去されて清浄にされた空気は、第2保持金網22を通過して第3保持金網23側から外部に排出される。
【0033】
上述のように、本例のエアフィルタ1では、第1捕集部11及び第2捕集部12を、複数の網状部材11a,12aを積層して構成しているので、当該第1捕集部11及び第2捕集部12でも比較的細かな粉塵を除去することが可能となり、また、第1捕集部11の各網状部材11aを波板状に形成しているので、積層された網状部材11aの波部山側及び波部谷側の各頂部間に形成される積層空間S内に、除去した粉塵を堆積させることができ、これにより、捕集効率が低下したり、圧力損失が高くなるのを防止しつつ粉塵の捕集量を多くすることができる。
【0034】
また、このような第1捕集部11及び第2捕集部12を、不織布からなる第3捕集部13の前処理部として設けているので、当該不織布によって大きな粉塵が除去されるのを防止することができ、当該不織布を目詰まりさせ難くすることができる。
【0035】
また、第3捕集部13の不織布を、横断面が矩形状の金属繊維から構成しているので、当該繊維部の前後における空気の流動状態を、横断面が円形状の一般的な繊維に比べてより乱れた状態にすることができ、かかる空気の流動によって捕集効率を高めることができると考えられる。横断面が円形状の場合においても、嵩密度が高ければ、横断面が矩形状の場合と略同等に空気の乱れた領域を形成することができるが、嵩密度が高いために空孔率が低下して圧力損失が大きくなるという問題を生じる。逆に、横断面が矩形状の場合は、嵩密度が低くても、より広範囲に渡って空気の乱れた状態を形成することができ、圧力損失を大きくすることなく、捕集効率を効果的に高めることができるものと考えられる。
【0036】
また、第1捕集部11及び第2捕集部12の各網状部材11a,12aや第3捕集部13の不織布、保持機構20の第1保持金網21,第2保持金網22,第3保持金網23及び保持枠24を、ステンレス製としているので、耐熱性があり、また、容易に洗浄して再使用することができるとともに、洗浄しても、当該各捕集部11,12,13による粉塵除去性能が低下することはなく、更に、洗浄水により繰り返し洗浄しても錆び難いものとすることができる。また、取り扱いに際して不便なこともない。
【0037】
斯くして、本例のエアフィルタ1によれば、ステンレス製の第1捕集部11,第2捕集部12及び第3捕集部13からなる3層構造とするとともに、当該各捕集部11,12,13でこれらにそれぞれ対応した大きさの粒子を除去するようにしているので、空気中の粉塵などを効率的に除去して目詰まりの発生を防止することができるとともに、洗浄によって、捕集された粉塵を除去して再使用することができ、ランニングコストを大幅に削減することができる。
【0038】
したがって、本例のエアフィルタ1によれば、当該エアフィルタ1を、耐熱性、捕集効率、圧力損失、ランニングコスト、取り扱い易さなどの面において優れた粉除去用のエアフィルタ1にすることができる。
【0039】
因みに、本例のエアフィルタ1と、ガラス繊維シートを備えた従来のエアフィルタについて、当該各エアフィルタに供給する空気の風速と圧力損失との関係を測定したところ、図4(a)の実線(本例のエアフィルタ1)及び破線(ガラス繊維シートを備えた従来のエアフィルタ)に示すような結果が得られた。
【0040】
また、上記各エアフィルタについて、JIS B 9908 形式3(質量法)に基づく試験方法、JIS Z 8901 15種に基づく試験粉塵により、風速が2.5m/sの条件で、給塵量と圧力損失との関係、及び給塵量と捕集効率との関係を求めたところ、図4(b)及び図4(c)にそれぞれ示すような結果が得られた。尚、図4(b)及び図4(c)において、実線及び破線は、上記図4(a)と同様、本例のエアフィルタ1及びガラス繊維シートを備えた従来のエアフィルタをそれぞれ示しており、給塵量は、エアフィルタに向けて供給した空気中の粉塵量のことである。
【0041】
そして、このようにして得られた各グラフにおいて、本例のエアフィルタ1と、ガラス繊維シートを備えた従来のエアフィルタとを対比すると、本例のエアフィルタ1は、圧力損失が低く、また、捕集効率はさほど変わらないということを容易に理解することができる。したがって、このグラフからも、本例のエアフィルタ1は、捕集効率や圧力損失の面において優れていると言える。
【0042】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の採り得る具体的な態様は、何らこれに限定されるものではない。
【0043】
本例のエアフィルタ1は、自動車生産ラインの塗装乾燥工程で用いるべく、ステンレスから構成して耐熱性や耐食性に優れたものにしたが、耐熱性や耐食性がさほど要求されない場合には、第1捕集部11及び第2捕集部12の各網状部材11a,12aを、ステンレスワイヤに代えてアルミニウムワイヤから構成したり、第3捕集部13の不織布を、ステンレス繊維に代えてアルミニウム繊維から構成しても良い。
【0044】
また、上例では、第1捕集部11における網状部材11aの積層数を8枚とし、第2捕集部12における網状部材12aの積層数を10枚としたが、各捕集部11,12における網状部材11a,12aの積層数は、これらに限定されるものではない。
【0045】
また、第1捕集部11における各網状部材11aの積層方法は、上例に限定されるものではなく、各網状部材11aを、その折り目の形成方向がそれぞれ当該網状部材11aの表面と平行な面内で交差するように積層しても良い。この場合においても、網状部材11aの波部山側の頂部上方及び波部谷側の頂部下方に所定容積の空間が形成されるので、上記と同様、当該空間内に、除去した粉塵を堆積させて、捕集効率が低下したり、圧力損失が高くなるのを防止しつつ粉塵の捕集量を多くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態に係るエアフィルタの概略構成を示した断面図である。
【図2】図1における矢示A方向の底面図である。
【図3】図3は、矢示B方向の平面図である。
【図4】本例のエアフィルタと、ガラス繊維シートを備えた従来のエアフィルタとを比較するためのグラフであって、風速と圧力損失との関係、給塵量と圧力損失との関係、及び給塵量と捕集効率との関係をそれぞれ示したグラフである。
【符号の説明】
【0047】
1 エアフィルタ
11 第1捕集部
11a 網状部材
12 第2捕集部
12a 網状部材
13 第3捕集部
20 保持機構
21 第1保持金網
22 第2保持金網
23 第3保持金網
24 保持枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1捕集部,第2捕集部及び第3捕集部の3層構造からなり、清浄化対象の空気が該第1捕集部,第2捕集部及び第3捕集部を順次流通するように構成されたエアフィルタであって、
前記第1捕集部は、多数の網目を有するように金属ワイヤを編んで構成され且つ波板状に形成された複数の網状部材が積層状に設けられ、
前記第2捕集部は、前記第1捕集部の網状部材よりも目の細かい多数の網目を有するように金属ワイヤを編んで構成され且つ平板状に形成された複数の網状部材が積層状に設けられ、
前記第3捕集部は、横断面が矩形状をした金属繊維の不織布から構成されてなり、
前記第3捕集部は、前記第1捕集部及び第2捕集部を通過した、該第1捕集部及び第2捕集部で捕集される粒子よりも小さい粒子を捕集するように構成されてなることを特徴とするエアフィルタ。
【請求項2】
前記第1捕集部及び第2捕集部の各網状部材を構成する金属ワイヤ、並びに前記第3捕集部の不織布を構成する金属繊維は、それぞれステンレスから構成されてなることを特徴とする請求項1記載のエアフィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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