説明

エネルギーに対して感度を有する、直接変換型放射線検出器

【解決手段】 X線照射を直接電気信号に変換することができるX線検出器は、電気的に絶縁性を持つさまざまな固体材料における、放射線誘発伝導性を利用する。当該検出器は、さまざまな厚みの誘電材料によって互いに分離されているアノードおよびカソードを1以上備えており、このような構造の検出器では主に電極においてイオン化が生じる。誘電材料の放射線誘発伝導性は、電極のサイズ、配向、および、組成と、誘電材料と、アノードおよびカソード間に印加される電気バイアスとを制御することによって変調され得る。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本願は、米国仮特許出願第60/938,114号(出願日:2007年5月15日)に関連し、該仮出願に基づき優先権の恩恵を主張する。該仮出願の内容は全て、本明細書に記載されているものとして、参照により本願に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明の実施形態は概して、放射線検出に関する。特に、さまざまな組成の電極を内蔵し、さまざまな固体材料、誘電材料における放射線誘発伝導性を利用する、直接変換型X線検出器に関する。
【背景技術】
【0003】
放射線検出器は、多岐にわたる用途において、入射する放射線、例えば、X線、ガンマ線光子、荷電/非荷電粒子等を検出するべく利用される。さまざまなエネルギーの光子を直接検出する際には、入射する光子が、検出器の構成材料をイオン化して、光電効果、対生成、および、コンプトン効果等の相互作用により、エネルギーを持つ電子を放出させる。放出された電子はさらに、このような電子のエネルギーに比例してイオン化を発生させ、そのようなイオン化は適切なデバイスによって検出され得る。
【0004】
X線画像撮像システムにおいては通常、X線源が、患者または手荷物等の被写体に対してX線を放出する。当該X線ビームは、被写体によって減衰された後、放射線検出器アレイに衝突し、検出器アレイにおいて受光される減衰後の放射線ビームの強度が検出される。検出器アレイが備える各検出素子は、該検出素子が受光した減衰後の放射線ビームを示す電気信号を個別に生成する。当該電気信号はその後、分析のためにデータ処理システムに送信され、最終的には画像を生成する。
【0005】
X線検出器は通常、検出器で受光され得る散乱放射線を除外するコリメータと、該コリメータに隣接して設けられ、X線を光エネルギーに変換するシンチレータと、隣接して設けられるシンチレータから光エネルギーを受光して、該光エネルギーに基づいて電気信号を生成するフォトダイオードとを備える。このタイプの検出器では、シンチレーション材料によって吸収されるX線エネルギーは、可視光子に変換され、当該可視光子はシリコン製のフォトダイオードに与えられる。このフォトダイオードの出力は、さまざまな増幅器およびその後段に設けられるアナログ/デジタル変換器によって、デジタルデータに変換され、画像再構成のためにデータ処理システムに送信される。
【0006】
このような間接型のX線検出方法は、X線を電気信号に変換して、該電気信号をさらにコンピュータ断層撮影法またはデジタルX線撮像法のような用途のために処理するという2段階で処理を行わなければならないという欠点がある。また、シンチレータ材料を用いる検出器は、メモリ効果を持つという問題を抱えている。シンチレータを用いた検出器に入射する可視光は、X線の照射を休止させると即座に減衰してしまう。しかし、この減衰の後、数十ミリ秒にわたって持続し得る残光効果が発生する。間接型の検出方法が抱える別の問題を挙げると、互いに非常に近接して設けられる2つ以上の検出素子間において光学クロストークが発生し得る。シンチレータ材料は通常、光学的に透明な接着剤を用いて、フォトダイオードアレイに接着される。この接着剤は、厚みが有限であるので、シンチレータの出射面に対して任意の入射角を持ち、シンチレータの端縁から任意の距離で出射する光は、隣接する検出素子に入射し得る。このような現象は、接着剤の厚みを出来る限り薄くすることによって、最小限に抑えることが可能であるが、シンチレータとフォトダイオードとの間の結合度は、接着剤が薄くなるにつれて劣化する。このような光学クロストーク現象は通常、間接型のX線検出器におけるクロストークの主な原因である。
【0007】
X線を電気信号に直接変換する方法は、公知技術であり、吸収線量および照射線量の測定においてしばしば用いられている。このタイプのX線検出は、上述したシンチレータ−フォトダイオード型に比べて、主に2つの利点を持つ。第1に、X線エネルギーの照射を休止した後に電気信号が減衰する速度が遥かに速い点が挙げられる。このため、シンチレータ材料に起因する残光効果を大きく低減する。第2に、シンチレータ材料を利用する必要がないので、シンチレータ材料に係るコストが不要となり、シンチレーション材料を検出器アレイに組み込むコストも不要となる。
【0008】
X線を直接電流に変換する方法の1つとして、イオンチャンバを利用する方法が挙げられる。イオンチャンバは、2つの平行な平坦電極プレートを、互いから一定の距離だけ離間させて、設けることによって構成されるとしてよい。これらの電極プレートは通常、Plexiglas(登録商標)のような誘電材料から成るチャンバ内に封入されている。当該チャンバは、封止されており、アルゴンまたはキセノン等の不活性ガスが充填されている。X線は、2つの平行電極プレートの間の気体容量を通過するように、当該チャンバの一端に方向付けられる。平行電極プレートは、両者間に十分な静電場を形成するように、電気的にバイアスされている。大きな電界がある場合にX線によって気体をイオン化すると、気体に吸収されるX線エネルギーに比例する電流が発生することになる。X線のエネルギーが一定の場合、生成される信号は、X線の光子束に比例するといわれている。気体を充填させたイオンチャンバの最も深刻な欠点の1つとして、X線吸収効率が低い点が挙げられる。高圧でキセノンガスが充填されたチャンバを用いる場合であっても、このようなイオンチャンバにおける単位長さ当たりの吸収効率は、シンチレータ−フォトダイオード型に比べると、低くなってしまう。このため、イオンチャンバ型の検出器は、どのようなタイプの撮像にも、X線検出器として利用されることはほとんどない。
【0009】
上述したイオンチャンバは、放射場がない場合には電気的絶縁性を持つ材料が、放射線によって伝導性を誘発する現象に基づいて構成されている検出器の具体例である。イオンチャンバの場合、絶縁材料は気体であり、気体中に放射場が発生すると、気体の実質電気抵抗性が低減されて、外部から電界を印加すると気体中を大きな電流が通過するようになる。その他の技術によると(例えば、米国特許第4,135,090号明細書、deGaston)、通常は絶縁性の材料として液化炭化水素を用いて、軟部組織と同様の吸収特性を持つ放射線検出器を構成するが、当該放射線検出器は、検出されたX線のエネルギーについては感知しない。
【0010】
有用性が期待されている別の直接変換型X線検出方法では、シリコンよりも原子番号が遥かに高い材料から成る化合物半導体が利用される。このような材料の1つとして、テルル化カドミウム亜鉛(CZT)が挙げられる。CZTを用いる検出器は大きく期待できる技術であるが、成長させたCZT結晶の質およびコストを考えると、現時点では、CZTはX線検出方法の主流とはなっていない。
【0011】
間接型または直接型のいずれの変換方法が用いられるとしても、撮像対象の患者または被写体によるX線の減衰を測定するだけでなく、患者又は被写体によって吸収されないX線のエネルギーをも測定することが望ましい。これは、患者または被写体の材料の組成を判断する上で望ましい。このような構成は、いくつかの方法によって実現されている。(1)X線源のエネルギーを変調して、さまざまなX線生成器のチューブのエネルギーについて検出器信号を記憶するとしてよい。(2)検出器アレイの一部分を、エネルギーが比較的低いX線を吸収するフィルタでマスクして、検出器アレイに含まれるその部分の下方に位置する検出器を、透過されたX線のうち比較的高いエネルギー部分にのみ応答するようにする。(3)または、個々のX線光子事象をカウントして、吸収される1つのX線光子によって生成される電流パルスのサイズを量子化するモードで検出器を動作させるとしてもよい。
【0012】
上述した方法はそれぞれに欠点がある。X線生成器のチューブを変調する場合(上述した方法(1)の場合)、検出するためには2回別個に放射線を照射するので、患者または被写体の放射線吸収線量が高くならざるを得ない。検出器アレイの一部分をマスクする場合(上述した方法(2)の場合)、X線のエネルギーは検出器の一部分において、不必要に浪費されてしまう(つまり、信号に変換されない)。この問題は、検出器全体をフィルタとして利用して(例えば、複数の検出器を上下方向に積層することによって)、低エネルギー信号および高エネルギー信号を同時に生成することによって最小限に抑えられている。光子をカウントする方法の場合(上述した方法(3)の場合)、単位時間当たりの入射X線光子の数が、複数のパルスを「ためる」ことなくX線光子によって生成される電流パルスをカウントできる程度に、十分に小さくなるように、検出素子のサイズを小型化しなければならない。この結果、検出器の電子機器部分がX線光子の数およびエネルギーの両方を不正確に分類してしまう可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
簡潔に説明すると、本発明の実施形態は、固体絶縁材料における放射線誘発伝導性(RIC)現象を利用してX線照射を電流に直接変換することを含む。本発明の実施形態に係る検出器において採用される電極の詳細な構造によって、検出器で発生するイオン化を改善すると共に信号のエネルギーを感知し得るようになる。本発明の一実施形態によると、直接変換型X線検出器は、誘電材料によって互いから離間している1以上のアノードおよびカソードを備え、該誘電材料の厚みは、複数の異なる値に設定される。気体が充填されたイオンチャンバおよび直接変換型の半導体の動作原理とは異なり、本発明によれば、X線の吸収が、電極間の材料ではなく電極それ自体によって主に行われるようになる(CZTおよび原子番号が高い元素から成るその他の光伝導体を用いる場合とは異なる)。
【0014】
本発明の一実施形態によると、イオン化は、エネルギーを持つ光電子によって、電極間に設けられる誘電材料内で発生する。これは、電極内での一次的なX線の相互作用によって生じる、エネルギーを持つ光電子またはコンプトン電子によるものである。検出器の特性、例えば、電極材料の選択および厚み、カソード(電極)に対するアノードの配置および構造、ならびに、電極間に設けられる誘電材料の選択を制御することによって、本発明は、入射するX線を略100%吸収することが出来ると共に、エネルギーに対して感度を持つ検出素子内で信号を生成するという利点も実現することができる。光子をカウントしてエネルギーに対する感度を持たせる方法とは異なり、本発明で利用する検出素子のサイズは限定されない。本発明の一実施形態によれば、フィルタリング方法、検出器を積層させて用いるフィルタリング方法とも異なり、(例えば、さまざまな検出素子間の基板等)機能が純粋に機械的である、積層検出器アレイで利用される部材に吸収されることによってX線信号の損失が発生することはない。また、本発明で実現されるエネルギーに対する感度は、X線生成器のチューブエネルギーの変調によるものではない。
【0015】
本開示および以下の詳細な説明で説明する特徴および利点は、全てを列挙したものではなく、本開示の図面、明細書および請求項を鑑みることで、当業者には、多くの更なる特徴および利点が明らかになるであろう。さらに、明細書で使用する用語および言葉遣いは主に、読みやすさおよび教示を目的として選択されたものであり、進歩性を有する主題を正確に記述するものではなく、または、そのような主題を限定するものでもない場合があることに留意されたい。進歩性を有する主題を判断する際には請求項を必ず参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の上述およびそれ以外の特徴および目的と、それらを実現する方法とを、より明らかにする。本発明自体は、以下に記載する好ましい実施形態を添付図面を参照して解釈することによって、理解されたい。添付図面は、以下の通りである。
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係る直接変換型X線検出器を示す図である。
【0018】
【図2】本発明の一実施形態に係る、あるエネルギー範囲にわたるX線照射を検出するよう構成されている複数の直接変換型X線検出器を示す図である。
【0019】
【図3】本発明の一実施形態に係る、あるエネルギー範囲にわたるX線照射を検出するよう構成されている、平面構成を利用した複数の直接変換型X線検出器を示す図である。
【0020】
【図4】本発明の一実施形態に係る、X線照射のエネルギーを検出してエネルギーを直接電流に変換する方法を示すフローチャートである。
【0021】
上記の図面では本発明の実施形態を図示しているが、これは例示のみを目的としたものである。以下の記載を参照すれば、当業者は、本明細書で説明する構造および方法の別の実施形態が、本明細書に記載されている本発明の原理を逸脱することなく実施可能であることを容易に認識するであろう。
【発明を実施するための形態】
【0022】
添付図面を参照しつつ本発明の具体的な実施形態を以下に詳細に説明する。複数の図面で使用される同様の構成要素は、一貫して、同様の参照番号で特定している。本発明を記載および図示するに当たってはある程度まで詳細に記載しているが、本開示は例示のみを目的として為されたものであり、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、構成要素の組み合わせおよび配置について、当業者であれば、数多くの点で変更を為し得るものと理解されたい。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に係る直接変換型X線検出器100を示す図である。X線検出器100は、電極として平行なプレートを用いて構成されており、一方のプレートがアノード110で、他方のプレートがカソード130である。これらの2つの電極は、誘電材料120によって、互いから分離している。このような構造は、気体が充填されたイオンチャンバおよびその他の直接変換型半導体検出器の一部の構造と同様であるが、本発明は、X線吸収の最も重要な部分が、誘電材料ではなく電極自体において発生する点において相違する。逆に、半導体直接変換型X線検出器では、電極間に設けられるCZT等の半導体材料内で吸収される。気体が充填されたチャンバを用いるX線検出器では、電極間の領域を占める気体分子で吸収される。
【0024】
本発明によると、カソード130は、原子番号の高い材料、例えば、これに限定されるわけではないが、タングステンによって構成される。アノード110は、同一の材料によって構成されるとしてもよいし、または、原子番号Zがより低い材料、例えば、これに限定されるわけではないが、アルミニウムまたは銅によって構成されるとしてもよい。これら2つの平行なプレート(フリンジング電界の影響を最小限に抑えるべく互いに異なる寸法を持つとしてもよい)の間の容量は、誘電材料120、例えば、これに限定されるわけではないが、二酸化シリコンまたはアルミナで充填される。当業者であれば、本発明の新規性を逸脱することなく、同様の原子番号のほかの材料を用い得ることに想到するであろう。実際、本発明では、X線照射を最適に電気信号に変換するべく、多岐にわたる材料の組み合わせを考慮する。約0keVから約200keVのエネルギー範囲において、物質とX線との一次的な相互作用が生じるプロセスは概して3つ存在することは公知である。それら3つのプロセスとは、(1)干渉性散乱、(2)光電効果、および(3)コンプトン散乱である。干渉性散乱では、散乱箇所において直接イオン化が発生するわけではないので、本発明の目的に照らし合わせて除外される。光電散乱およびコンプトン散乱は共に、一次的な吸収/散乱事象の箇所において、エネルギーを持つ電子を生成する。このようなエネルギーを持つ電子の距離が、電子エネルギーが十分に高い場合は、電子エネルギーの累乗に比例することも公知である。光電効果の場合、電子エネルギーは、X線光子エネルギーと吸収原子のK殻、L殻またはM殻のエネルギーとの間の差分である。例えば、58keVのX線光子と、L殻のエネルギーが約10keVであるタングステン原子との間で相互作用が生じる場合、生成される光電子は約48keVのエネルギーを持つことになる。このようなエネルギーを持つ光電子はさらに、電極(タングステン)および誘電材料の両方においてイオン化を生じさせる。誘電材料でイオン化が生じると、電子は、誘電材料の価電子帯から伝導帯に移動し、価電子帯には正に帯電しているホールが残る。電界が十分に高い場合、これらの電荷キャリアは電極に集められて、エネルギーを持つ光電子によって生じたイオン化の量に比例する電流を生成する。重要なことに、電極の厚み、および、アノードとカソードとの間の誘電材料の厚みは、入射するX線照射を略100%吸収すると共にX線エネルギーに比例した信号を検出器内で生成するように設定され得る。
【0025】
カソード130、アノード110、および誘電材料120の厚みを決定する場合には、さまざまな材料でX線照射を検査しなければならない。ある物質のX線エネルギーの吸収能力を測定する方法の1つに、連続減速近似(CSDA)距離が挙げられる。CSDA距離は、荷電粒子が停止するべく減速する場合に移動した平均経路距離に対して、非常に近い近似を提供する。この近似では、軌跡に沿ったどのポイントにおいてもエネルギー損失率は、粒子がその中を通って移動する材料の総阻止能と等しいと仮定される。エネルギー損失の変動は通常、無視される。CSDA距離は、エネルギーに対して総阻止能の逆数を積分することによって得られる。さまざまな材料のCSDA距離を表す式は、米国標準技術局(NIST)の「阻止能および電子の距離」プログラム(Stopping Power and Range for Electrons program)(eSTAR)から選択された阻止能データのうち最良適合データに基づいて得られる。このプログラムおよびCSDAに関するほかの情報は、http://www.physics.nist.gov、具体的には、http://physics.nist.gov/PhysRefData/Star/Text/ESTAR.htmlを参照されたい。eSTARプログラムは、さまざまな材料において、エネルギーを持つ電子について、阻止能、密度効果パラメータ、距離および放射線収率のテーブルを算出している。
【0026】
タングステンの場合、エネルギーを持つ光電子のCSDA距離は以下の式で表され得る。
【数1】

【0027】
この式において、Rはミクロン単位で表される距離であり、EはkeV単位で表される光電子のエネルギーである。前述した58keVの入射X線の例に戻ると、タングステンにおいてX線が光電相互作用を生じさせた結果得られる48keVの光電子は、タングステンにおける距離が4.7ミクロンとなる。図1に示すような入射X線140と検出器100の構造において、カソード130がタングステンから形成されていると仮定すると、タングステン製のカソードに吸収されたX線光子が誘電材料においてイオン化を生じさせるためには、カソードの厚み135が約9.4ミクロンよりもはるかに薄くなければならない。この数字は、X線140がアノード110の中間点に正確に入射する場合を考える場合に得られる。幅を9.4ミクロン以下とすることによって、カソードの面と直交する光電子160はカソード130から離脱する。カソードの長軸に対して同じ論理を当てはめると、理想的なカソードは、9.4ミクロンをはるかに下回る寸法の立方体(または、球体)である必要があると思われる。
【0028】
同様に、アルミナから形成される誘電材料を通過する光電子のCSDA距離は、以下の式によって表され得る。
【数2】

【0029】
再度記載すると、Rはミクロン単位で表される距離であり、EはkeVで表される光電子のエネルギーである。58keVの入射X線140が、アルミナから成る誘電体に対向するアノード110の面上でタングステン原子によって吸収され、その結果光電子160がアノード110の面と直交するように放出されると仮定すると、アルミナ内での最大CSDA距離は12.8ミクロンとなる。このため、入射X線140がこのようなエネルギーを持つ場合、誘電体の厚み125の最小値は、誘電材料120内でのイオン化を最大化するためには(つまり、誘電体を横切る最短経路は、該誘電体材料のCSDA以上となる)、12.8ミクロン以上であるべきである。誘電体の厚みの実際の最適値は、対象となる電子の距離と、アノードおよびカソード間に印加される電界に対して誘電体内にイオン化によって形成される空間電荷領域とに応じて決まる。本発明の別の実施形態では、アノード110を、カソード130の両側に配置するとしてよい。
【0030】
図2は、本発明の一実施形態に係る、あるエネルギー範囲にわたるX線照射を検出するよう構成されている複数の直接変換型X線検出器を示す図である。X線の吸収を確実に最大化するためには、図2に示すように、複数のカソード−アノード対100を、入射X線240、250に対して垂直な方向にずらして配置する。入射X線240、250は、検出器に入射すると、即座に電極230に当たってエネルギーを持つ光電子260を生成するか、または、オフセットされた電極235に当たるまで誘電材料120の中を移動していく。ここで、光電子270が生成され、誘電材料120内を横切って、自由キャリアを生成し、この自由キャリアが最終的に電流となる。先に述べたように計算される電極210、230の幅135と誘電体125の幅とに応じて、複数のオフセットされた検出器100が多層状280に配列され得る。
【0031】
実施形態1の別の拡張例では、カソード材料をタングステンとする(または、アノードと同じ材料を用いる)。図2から分かるように、このような構成とすることによって、検出器の厚みの合計を小さく抑えつつ、X線の吸収をさらに改善し得る。エネルギーを持つ光電子が、生成された電極から離脱する限りにおいて、逆向きの電界であっても、誘電材料ではイオン化が生じる。このようなデバイスにおいて生成される信号の電流は略全てが、一次的に発生する光電子またはコンプトン電子によって生成される、二次的に発生する電子−ホールの対に起因するものであることに留意されたい。アノード230と同じ材料でカソードを形成することによって、製造過程における利点もいくつか実現され得る。
【0032】
図3は、平面構成を利用した複数の直接変換型X線検出器を備える本発明の別の実施形態を示す図である。本実施形態によると、検出器の平面電極310、330は、入射するX線照射に対して垂直に配向されている。入射X線340が検出器を貫通して電極330との間で相互作用を生じさせると、誘電材料120をイオン化する光電子360が生成される。図3から明らかであるが、各カソード330の幅335は、層380毎に大きくなっている。同様に、各隔壁(誘電材料)の幅325も層毎に大きくなっている。
【0033】
図3に示す構成によればさらに、ある範囲内のエネルギーレベルを持つX線照射を検出して電気信号に変換する機能も得られる。図3に示す第1のカソード330―アノード310の対が一例として先述した56keVのX線について最適に構成されていると仮定し、図3に示すアノード310が全てタングステンから成り、誘電材料がアルミナであると仮定すると、第1のアノード310の幅335は9.4ミクロン以下でなければならず、これに対応して、アノード310の上方および下方に配置されている誘電材料の幅325は、12.8ミクロン以上でなければならない(上記の計算を参照のこと)。
【0034】
本発明の本実施形態によると、さまざまなエネルギーのX線を、同一の検出器で検出することが可能であると同時に、電気信号へと直接変換することが可能である。56keVよりも遥かに高いエネルギーを持つX線350は、複数の層380の電極330の厚みを合計した値が入射X線の吸収可能性が高くなる値に到達するまで、図3に示した構造の複数の層380を通過する可能性が高い。X線と複数のカソード330との間の相互作用によって生成されるエネルギーを持つ光電子370は、複数の層の誘電材料120においてイオン化を生じさせ、その結果複数のアノード310で電流が発生する。複数のアノード310は、並列に組み合わせられて単一の信号を出力するとしてもよいし、入射X線ビームの複数の異なるエネルギービンを表す複数の信号を出力するように分割されるとしてもよい。このようにして、ある範囲内のX線エネルギーレベルを持つX線を検出して直接変換型検出器を形成することができる。この場合、エネルギービンの数(および、これらのビンがカバーするエネルギーのおよその範囲)は、層の数によって決まる。
【0035】
図3に図示した本発明の実施形態はさらに、製造の容易さという利点を持つ。具体的に説明すると、本実施形態は、CMOS、BiCMOS、または、MEMS/CMOS組み合わせプロセスに統合するとしてもよい。この場合、検出器の電子機器部分は電極の直下に配置され、発明の名称に表されるような方法で実装され得るコンパクトなX線検出器が提供され得る。尚、複数の検出器アレイをモザイク状に2次元的に配置することによって、より大型の検出器アレイが得られる。
【0036】
本発明の別の実施形態は、重金属原子、例えば、これらに限定されないが、鉛、テルリウム、またはガドリニウムを含む誘電材料で電極間の空隙を充填することを含む。電極間に設けられる材料は、摂氏0度から摂氏100度のオーダーの温度において高い抵抗性を持つ必要があるので、一実施形態に係るこのような材料は、このような重金属元素の酸化物を一部含むガラスである。誘電体マトリクスに重金属元素を追加することによって、誘電材料によるX線吸収が大きくなる。このように吸収が改善されると、検出器の積層をより薄くすることが可能となる。誘電材料に十分高い吸収特性が与えられる場合、電極を高い原子番号の材料で構成する必要はなくなる。X線照射の阻止能が高過ぎる誘電材料を利用する場合は注意しなければならない。これは、誘電材料において減速する、エネルギーを持つ光電子またはコンプトン電子が、制動放射効果によって電磁放射としてチャネルから離脱し、そして、適切なチャネルにおいて検出されて失われるか、または、隣接するチャネルで検出されてチャネル間クロストークの原因となり得る場合があるためである。また、このように吸収特性が高められたガラスは、X線の光子によって可視光を発生させてしまう可能性があるので、シンチレータであってはならない。この可視光は、誘電材料をイオン化するのに十分なエネルギーを持たないので、検出されない。
【0037】
図4は、本発明の一実施形態に係る、X線照射のエネルギーを検出して、このエネルギーを直接電流に変換するプロセスの一例を実装した方法を示すフローチャートである。以下の説明では、フローチャートの各ブロックおよび複数のブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実装され得るものと理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラム可能装置にロードされてマシンを実現し、コンピュータまたはその他のプログラム可能装置上で命令が実行されると、フローチャートの各ブロックまたは複数のブロックに具体的に説明されている機能を実装する手段を実現する。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ読み出し可能メモリに格納されるとしてもよい。当該メモリは、特定の方法でコンピュータまたはその他のプログラム可能装置を機能させて、コンピュータ読み出し可能メモリに格納される命令に、フローチャートの各ブロックまたは複数のブロックに具体的に説明されている機能を実装する命令手段を含む製造物品を実現させるとしてよい。これらのコンピュータプログラム命令はさらに、コンピュータまたはその他のプログラム可能装置にロードされて、一連の動作ステップをコンピュータまたはその他のプログラム可能装置で実行させて、コンピュータ実装プロセスを実現して、コンピュータまたはその他のプログラム可能装置で命令が実行されると、フローチャートの各ブロックまたは複数のブロックに具体的に説明されている機能を実装するステップを実現させるとしてよい。
【0038】
従って、図示したフローチャートのブロックは、特定の機能を実行する手段の組み合わせ、および、特定の機能を実行するステップの組み合わせをサポートする。また、図示されたフローチャートの各ブロックおよび図示されたフローチャートのブロックの組み合わせは、特定の機能またはステップを実行する特定用途向けハードウェアベースのコンピュータシステム、または、特定用途向けハードウェアおよびコンピュータ命令の組み合わせによって実装され得るものと理解されたい。
【0039】
X線照射を直接電流に変換する上で最初のステップは、特定のエネルギーを持つX線のために生成される、エネルギーを持つ光粒子、コンプトン粒子、または対生成粒子の範囲を特定する(410)。このような粒子のエネルギーの特定の範囲は、本発明を構成する上で非常に重要な点である。続いて、材料の種類を決定しなければならない(420)。一般的には、カソードは、原子番号が26よりも大きい材料、例えば、金またはタングステンのような材料から形成され、誘電材料は、検出器が動作する温度であって、検出器の動作中に利用される電気バイアスにおいても低い伝導性を検出器が維持しつつ、同時に、放射線に誘発される伝導性には検出器が影響を受けやすい温度において、伝導性が低くなるように、バンドギャップが十分に大きい材料から形成されている。
【0040】
検出器の特定のエネルギー範囲およびさまざまな構成要素について選択される材料の種類に基づいて、電極の厚みの最大値および電極間に設けられる誘電材料の幅の最小値を決定する(430)。その後、カソードおよびアノードを、互いに略平行になり、誘電材料によって分離されるように(450)構成する(440)。
【0041】
特定のエネルギー範囲のX線とアノードとの間で相互作用が生じて、エネルギーを持つ光電子が生成される(460)。電極および誘電材料において光電子が相互作用を生じさせることによって、誘電材料がイオン化される。このイオン化によって、誘電材料において自由キャリアが生成され、アノードとカソードとの間に電位が印加されると、イオン化を生じさせた電子の特定のエネルギーに比例する電流が形成される(470)。
【0042】
最後に、X線の特定のエネルギーまたはある範囲内のエネルギーについて、略100%の吸収を確実なものとするべく、アノード/カソード/誘電材料から成る群を複数設けるとしてよい(480)。これらの群は、これに限定されるわけではないが、互いに狭入して係合する円錐状の構造物を平行に構成することを含み得る。尚、電極間に設けられる誘電体の厚みは、各電極に沿った位置に応じて変化し、円錐状の構造物は、電荷の輸送および収集を高めるべく、局所的な電界を大きくする機能を持つ。本発明の説明および図示においてはある程度まで具体的な例を挙げたが、本開示は例示のために為されたものに過ぎず、当業者であれば、特許請求の範囲に記載されているような本発明の精神および範囲から逸脱することなく、構成要素の組み合わせおよび配置については多くの点において変更し得るものと理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直接変換型放射線検出器であって、
互いに平行に配向されて、電極プレートのセットを形成する少なくとも2つの電極プレートと、
前記少なくとも2つの電極プレートの間に設けられている誘電材料と
を備え、
前記電極プレートのセットの各々について、第1の電極プレートは、原子番号が26以上の元素を持つ材料を有するカソードであって、第2の電極プレートは、アノードであり、
前記誘電材料は、特定のエネルギー範囲のイオン化放射線を前記検出器が吸収することによってイオン化を生じさせ、放射線誘発伝導性を発生させ、前記アノードと前記カソードとの間に外部から電圧が印加されると、測定可能な電流を生成する
直接変換型放射線検出器。
【請求項2】
前記イオン化放射線は、X線を含む
請求項1に記載の直接変換型放射線検出器。
【請求項3】
前記電極プレートのセットにおけるX線の吸収または非弾性散乱によって生成される、エネルギーを持つ荷電粒子は、前記電極プレートのセットから離脱して、前記誘電材料においてイオン化を生じさせる
請求項1に記載の直接変換型放射線検出器。
【請求項4】
前記誘電材料の厚みの最小値は、エネルギーを持つ荷電粒子の前記誘電材料内での連続減速近似距離以上であり、前記エネルギーを持つ荷電粒子は、前記カソードまたは前記アノードのいずれかにおけるX線の吸収または非弾性散乱によって生成されている
請求項1に記載の直接変換型放射線検出器。
【請求項5】
前記アノードおよび前記カソードは、同一の材料を有する
請求項1に記載の直接変換型放射線検出器。
【請求項6】
前記誘電材料は、鉛、テルリウム、または、ガドリニウムを含む、原子番号が26以上の元素を持つ材料を有する
請求項1に記載の直接変換型放射線検出器。
【請求項7】
第3の電極プレート
をさらに備え、
前記第3の電極プレートは、前記第1の電極プレートが前記第2の電極プレートと前記第3の電極プレートとの間に位置するように、前記第1の電極プレートおよび前記第2の電極プレートに対して平行に配置されているカソードであり、前記誘電材料は、前記第1の電極プレートと前記第2の電極プレートとの間、および、前記第1の電極プレートと前記第3の電極プレートとの間に設けられる
請求項1に記載の直接変換型放射線検出器。
【請求項8】
電極プレートの各セットは、入射する前記イオン化放射線と直交するように、配向されている
請求項1に記載の直接変換型放射線検出器。
【請求項9】
入射するイオン化放射線ビームと直交するように、電極プレートのセットを複数互いに隣接するように設けて、電極プレートの各セットについて、アノードおよび/またはカソードの厚み、ならびに、誘電材料の厚みは、先行する電極プレートのセットよりも大きくなっている
請求項8に記載の直接変換型放射線検出器。
【請求項10】
前記少なくとも2つの電極プレートは平坦プレート電極であって、前記平坦プレート電極の互いに平行な複数の対によって形成される隔壁によって、複数の検出器ピクセルが画定されており、前記平坦プレート電極は、前記アノードおよび前記カソードに対して垂直であり、前記誘電材料は、前記平坦プレート電極の前記複数の対の間に設けられており、前記電極は、任意の2つの前記平坦プレート電極間に電流が流れないように、単一の電位にバイアスされる
請求項8に記載の直接変換型放射線検出器。
【請求項11】
ピクセル間において前記隔壁を定めている前記平坦プレート電極は、アノード電位にバイアスされ、前記電極プレートに垂直に配向されているアノードは、前記電極プレートに隣接して設けられ、前記電極プレートに隣接して前記隔壁を画定している領域は、カソードが設けられていない
請求項10に記載の直接変換型放射線検出器。
【請求項12】
前記検出器は、電極プレートのセットの層を複数備え、各層は、入射するイオン化ビームに対して平行であり、各層内の電極プレートの各セットは、前記入射するイオン化放射線と直交する方向にオフセットされている
請求項8に記載の直接変換型放射線検出器。
【請求項13】
前記特定のエネルギー範囲の放射線エネルギーは、約1keVから約200keVである
請求項1に記載の直接変換型放射線検出器。
【請求項14】
電極プレートの各セットは、入射するイオン化放射線に対して平行に配向されている
請求項1に記載の直接変換型放射線検出器。
【請求項15】
前記カソードまたは前記アノードの厚みの最大値は、前記カソードまたは前記アノードにおける前記特定のエネルギー範囲のX線の吸収または非弾性散乱によって生成される荷電粒子の連続減速近似距離未満である
請求項1に記載の直接変換型放射線検出器。
【請求項16】
前記少なくとも2つの電極プレートのうち少なくとも1つは、複数の多面体を隣接させた平坦プレートであり、前記複数の多面体の組成は前記平坦プレートの組成と同一であり、前記複数の多面体は任意の2つの多面体の間に間隙が設けられるようにアレイ状に配置され、前記間隙は誘電材料によって充填されている
請求項1に記載の直接変換型放射線検出器。
【請求項17】
前記カソードおよび前記アノードは共に、前記複数の多面体を有しており、前記カソードに対して前記アノードは、前記アノードに隣接する前記複数の多面体と前記カソードに隣接する前記複数の多面体とが互いに狭入して係合するように配向されており、前記カソードまたは前記カソードに隣接する任意の多面体と、前記アノードまたは前記アノードに隣接する任意の多面体との間の空隙が、誘電材料で充填されている
請求項16に記載の直接変換型放射線検出器。
【請求項18】
前記アノードおよび前記カソードに隣接している前記複数の多面体は、直方体、角錐、および角柱から成るリストから選択される形状を持つ
請求項17に記載の直接変換型放射線検出器。
【請求項19】
前記アノードおよび前記カソードに隣接している前記複数の多面体に代えて、複数の直円錐または直円柱を設ける
請求項17に記載の直接変換型放射線検出器。
【請求項20】
イオン化放射線を直接電流に変換する方法であって、
電極プレートのセットを定める、互いに平行な少なくとも2つの電極プレートを設ける段階と、
誘電材料によって前記少なくとも2つの電極プレートを分離する段階と、
前記少なくとも2つの電極プレートのうち少なくとも1つにおいて特定のエネルギー範囲のX線照射を吸収することによって、前記誘電材料においてイオン化を生じさせる段階と
を備え、
前記電極プレートのセットの各々について、第1の電極プレートは原子番号が26以上の元素を持つ材料を有するカソードであって、第2の電極プレートはアノードであり、
前記誘電材料は、X線照射の吸収または非弾性散乱によって生成される荷電粒子にイオン化を生じさせ、放射線誘発伝導性を発生させ、前記アノードと前記カソードとの間に外部から電圧が印加されると測定可能な電流を生成する
イオン化放射線を直接電流に変換する方法。
【請求項21】
前記カソードおよび/または前記アノードの厚みは、前記検出器の前記電極プレートのセットにおけるX線の吸収または非弾性散乱によって、エネルギーを持つ荷電粒子を前記検出器において生成させ、前記エネルギーを持つ荷電粒子は前記電極プレートのセットから離脱して、前記誘電材料においてイオン化を生じさせる
請求項20に記載のイオン化放射線を直接電流に変換する方法。
【請求項22】
前記誘電材料の厚みの最小値は、前記誘電材料内での、エネルギーを持つ荷電粒子の連続減速近似距離の最大値以上であり、前記エネルギーを持つ荷電粒子は、前記誘電材料において、前記カソードまたは前記アノードのいずれかにおけるX線の吸収または非弾性散乱によって生成されている
請求項20に記載のイオン化放射線を直接電流に変換する方法。
【請求項23】
入射放射線ビームと直交するように、電極プレートの複数のセットを互いに隣接するように配向する段階
をさらに備え、
電極プレートの各セットについて、アノードおよび/またはカソードの厚み、ならびに、誘電材料の厚みは、先行する電極プレートのセットよりも大きくなっている
請求項20に記載のイオン化放射線を直接電流に変換する方法。
【請求項24】
各層が入射放射線ビームに対して平行になるように、電極プレートのセットの層を複数配向する段階
をさらに備え、
電極プレートの各セットは、前記入射放射線ビームと直交する方向にオフセットされている
請求項20に記載のイオン化放射線を直接電流に変換する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−527453(P2010−527453A)
【公表日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−508583(P2010−508583)
【出願日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際出願番号】PCT/US2008/063740
【国際公開番号】WO2008/144414
【国際公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【出願人】(509010894)エアロフレックス コロラド スプリングス インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】