説明

エマルジョン爆薬の製造と送出のための方法及びシステム

【解決手段】不連続酸化剤溶液相と、連続燃料相と、乳化剤とを有するエマルジョン爆薬を製造及び送出するための方法において、(a)エマルジョン製造システムを提供する段階と、(b)酸化剤溶液相を、所定の圧力でエマルジョン製造システムに搬送する段階と、(c)燃料相を、所定の圧力でエマルジョン製造システムに搬送する段階と、(d)所定の圧力の一部分だけを使って酸化剤溶液相と燃料相からエマルジョンを形成し、エマルジョン形成後に使用可能な残留圧力を提供する段階と、(e)残留圧力を利用して、エマルジョンを所定の場所に非機械的に送出する段階と、を含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概括的には、爆薬及び爆薬送出システムに関し、より具体的には、エマルジョン爆薬を現場で、工場で、又は別の意図する場所で製造し、鋭感化し、そしてそこへ送出するための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現場で爆発するエマルジョンを製造し送出するシステムは、当技術では既知である。これらのシステムは、様々な燃料及び酸化剤溶液相の原料を様々な鋭感剤、密度低減剤、及び他の成分と共に使用して、エマルジョン爆薬を形成する。エマルジョンを形成し、それを送出できるように調製するのに用いられるシステムは、通常は機械的ポンプ、ミキサー、及び他のシステムの様々な組み合わせを備えている。加えて、エマルジョンが形成されると、順送キャビティポンプの様な機械的送出ポンプが、エマルジョンを実際に送出するのに必要である。機械的送出ポンプは、形成されたエマルジョンを受け取り、エマルジョンを意図する場所に、例えば試錐孔の奥へと機械的に搬送するよう機能する。
【0003】
通常、エマルジョンは、送出位置でエマルジョン爆薬として鋭感化され、又は鋭感化されてゆく。従って、送出ポンプからの機械的な入力の様な、エマルジョン爆薬への機械的な入力は、どの様なものでも送出に伴うリスクを高めるので望ましくない。更に、送出ポンプの追加は、エマルジョン爆薬を意図する場所に送る際のコストを大幅に高くする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
先行技術に付いて回る問題及び欠点に鑑み、本発明は、エマルジョン製造及び送出システムを提供することによってこれらを克服しようとしており、本発明では、ポンプレス送出システムを用いて、最終エマルジョン生成物を搬送又は送出する。
【0005】
ここに具現化し、広く説明している本発明によれば、本発明は、不連続酸化剤溶液相と、連続燃料相と、乳化剤とを有するエマルジョン爆薬を製造及び送出するための方法を特徴とし、本方法は、(a)エマルジョン製造システムを提供する段階と、(b)酸化剤溶液相を、所定の圧力でエマルジョン製造システムに搬送する段階と、(c)燃料相を、所定の圧力でエマルジョン製造システムに搬送する段階と、(d)所定の圧力の一部分だけを使って酸化剤溶液相と燃料相からエマルジョンを形成し、エマルジョン形成後に使用可能な残留圧力を提供する段階と、(e)残留圧力を利用して、エマルジョンを所定の場所に非機械的に送出する段階と、を含んでいる。
【0006】
本発明は、更に、不連続酸化剤溶液相と、連続燃料相と、望ましくは燃料相の一部としての乳化剤とを有するエマルジョン爆薬を形成及び送出するための方法を特徴とし、本方法は、(a)酸化剤溶液相を所定の圧力で混合チャンバに搬送する段階と、(b)燃料相をやはり所定の圧力で混合チャンバに搬送する段階と、(c)乳化剤を混合チャンバに提供する段階と、(d)燃料相と酸化剤溶液相の少なくとも一部分を非機械的に十分な力で互いに衝突させ、乳化剤が在る状態でエマルジョンを形成する段階と、(e)更に精製して所望の粘度を得るために、エマルジョンを非機械的に剪断する段階と、(f)搬送し、衝突させ、剪断する段階からの残留圧力を利用して、エマルジョンを所定の場所に非機械的に送出する段階であって、この残留圧力は、機械的な入力を追加すること無くエマルジョンを所定の場所に送出することができる、送出する段階と、を含んでいる。
【0007】
本発明は、更に具体的には、不連続酸化剤溶液相と、連続燃料相と、乳化剤とを有するエマルジョン爆薬を形成及び送出するための方法を特徴とし、本方法は、(a)酸化剤溶液相を、第1ノズルを通して混合チャンバに搬送する段階と、(b)燃料相を、第2ノズルを通して混合チャンバに搬送する段階と、(c)乳化剤を混合チャンバに提供する段階と、(d)酸化剤溶液相の少なくとも一部分と燃料相が、乳化剤が在る中で予混和されたエマルジョンを形成できるだけの力で互いに衝突するように、第1ノズルと第2ノズルを相対する位置に方向決めする段階と、(e)予混和エマルジョンを第3ノズルに押し込む段階と、(f)第3ノズルから出てくるエマルジョンを、第4ノズルを通して搬送されている酸化剤溶液相の第2部分と、更に酸素が均衡したエマルジョンを形成できるだけの力で衝突させる段階と、(g)エマルジョンを第5ノズルに押し込んで、エマルジョンを濃密化し精製する段階と、(h)エマルジョンを剪断して、所望の粘度を達成し、送出準備が整ったエマルジョン生成物を形成する段階と、(i)エマルジョン生成物を所定の場所に送出する段階と、を含んでおり、搬送する段階は、機械的入力を追加する必要無しに、方向決めする段階と、押し込む段階と、剪断する段階とを遂行し、更に、エマルジョン生成物を所定の場所に送出することができる残留圧力を提供できるだけの圧力で起こる。
【0008】
本発明は、更に、エマルジョンを製造し、送出するためのシステムを特徴とし、(a)エマルジョン製造システムと、(b)酸化剤溶液相を所定の圧力でエマルジョン製造システムに搬送するように構成されている第1圧力源と、(c)燃料相をエマルジョン製造システムに搬送するように構成されている第2圧力源であって、エマルジョン製造システムは、所定の圧力の一部分だけを使って酸化剤溶液相と燃料相からエマルジョンを形成し、使用可能な残留圧力を提供する、第2圧力源と、(d)残留圧力を利用して、エマルジョン生成物を所定の場所に送出するよう構成されている非機械的送出システムと、を備えている。
【0009】
本発明は、更に、エマルジョンを形成し、送出するためのシステムを特徴とし、(a)酸化剤溶液相を第1混合チャンバに搬送するよう構成されている第1圧力源と、(b)燃料相を第1混合チャンバに搬送するよう構成されている第2圧力源であって、燃料層は乳化剤を含んでいる、第2圧力源と、(c)酸化剤溶液相の少なくとも一部分を燃料相と非機械的に混和させるための手段であって、酸化剤溶液相は、第1混合チャンバ内の燃料相と、乳化剤が在る中でエマルジョンを形成することができるだけの力で衝突させられる、手段と、(d)エマルジョンを、酸化剤溶液相の第2部分と非機械的に混和させるための手段であって、エマルジョンは、第2混合チャンバ内の酸化剤溶液相の第2部分と、更に酸素が均衡したエマルジョンを形成することができるだけの力とエネルギーで衝突させられる、手段と、(e)エマルジョンを精製し処理して送出準備が整ったエマルジョン生成物を形成するための手段と、(f)第1及び第2圧力源からの残留圧力を使って、エマルジョン生成物を所定の場所に送出するよう構成されている非機械的送出システムと、を備えている。
【0010】
1つの代表的な実施形態では、酸化剤溶液相の少なくとも一部分を燃料相と非機械的に混和させるための手段は、(i)酸化剤溶液相を搬送するように構成されている第1ノズルと、(ii)燃料相を搬送するように構成されている第2ノズルとを備えており、第1及び第2ノズルは、酸化剤溶液を燃料相と衝突させるように互いに相対する位置に方向決めされている。
【0011】
別の代表的な実施形態では、酸化剤溶液相の少なくとも一部分を燃料相と非機械的に混和させるための手段は、静止ミキサーを備えている。
【0012】
更に別の代表的な実施形態では、酸化剤溶液相の少なくとも一部分を燃料相と非機械的に混和させるための手段は、静止ミキサーとノズルの組み合わせを備えており、両相は、間接的混合のために、表面から逸らされる。
【0013】
1つの代表的な実施形態では、エマルジョンを酸化剤溶液相の第2部分と非機械的に混和させるための手段は、(i)エマルジョンを搬送するように構成されている第3ノズルと、(ii)酸化剤溶液相の第2部分を搬送するように構成されている第4ノズルとを備えており、第3ノズルと第4ノズルは、エマルジョンを第2混合チャンバ内の酸化剤溶液相の第2部分と衝突させるように、互いに相対する位置に方向決めされている。上記と同様に、エマルジョンを酸化剤溶液の第2部分と非機械的に混和させるための手段は、静止ミキサー、又は静止ミキサーとノズルの組み合わせを備えている。
【0014】
1つの代表的な実施形態では、精製するための手段は、第2混合チャンバからエマルジョンを受け取るように構成されている第5ノズルを備えており、第5ノズルは、エマルジョンを精製し、その粘度を送出に備えて高くするように機能する。
【0015】
1つの代表的な実施形態では、エマルジョンを精製するための手段は、エマルジョンに導入される密度低減剤を混ぜ合わせて、中に複数の気泡を形成するように構成されている第6ノズルを備えている。密度低減剤は、エマルジョンの密度を低減し、エマルジョンを、送出前及び送出中に鋭感化するよう機能する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、添付図面と関連付けて、以下の説明と特許請求の範囲を読めば、より完全に明白になるであろう。これらの図面は、本発明の代表的な実施形態を示しているに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではないものと理解されたい。ここで一般的に説明し、図面に示している本発明の各構成要素が、様々な異なる構成に配置し設計できることは、容易に理解頂けるであろう。しかしながら、本発明について、添付図面を使用して更に具体的に詳細に説明することとする。
【0017】
本発明の代表的な実施形態の以下の詳細な説明は、本明細書の一部である添付図面を参照しながら行っており、添付図面では、本発明を実施する代表的な実施形態を、実例として示している。これらの代表的な実施形態については、当業者が本発明を実施できるようになるほど詳細に説明しているが、他の実施形態で実現してもよく、本発明に対し様々な変更を、本発明の精神と範囲から逸脱すること無く施しうるものと理解されたい。従って、図1から図6に示している本発明の実施形態に関する以下の更に詳細な説明は、請求している本発明の範囲を限定するものではなく、説明のみを目的に示しており、限定を課すものではなく、本発明の特徴と特性について述べ、本発明の作用の最良のモードについて記載し、当業者が本発明を実施できるようにするものである。従って、本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0018】
本発明に関する以下の詳細な説明と代表的な実施形態は、添付図面を参照することにより良く理解頂けるであろうし、各図を通して、本発明の要素と機構を参照番号で示している。
【0019】
本発明は、現場で又は工場で爆発性エマルジョン生成物を製造するための方法とシステムについて述べており、エマルジョン爆薬は、不連続酸化剤溶液相と、連続燃料相と、乳化剤とを備えている。本発明は、更に、製造されたエマルジョンを、エマルジョン製造の残留圧力を使って送出するための方法とシステムについて述べており、従って、ポンプレス送出システムを提供しており、機械的ポンプ又は他の構造は、省かれおり、エマルジョン生成物を意図した場所に送出するのに必要ではない。
【0020】
本発明は、先行技術に関係するエマルジョン製造及び送出システムに勝る幾つかの重要な利点を提供しており、その幾つかについて以下の更に詳細な説明で詳しく述べることにする。詳述する利点それぞれは、添付図面を参照しながら以下に述べる詳細な説明を読めば明らかになるであろう。これらの利点は、如何なる意味でも制限を意図してはいない。実際、当業者には理解頂けるように、本発明を実施すると、ここに具体的に詳述している以外の利点が実現される。1つの具体的な利点は、エマルジョン製造及び精製処理からの残留圧力を使って、エマルジョン生成物を送出する能力である。これにより、高価な機械ポンプと、その様なポンプと共に用いられる他の装備を省くことができる。言い換えれば、本発明は、ここに教示する様に、ポンプレスの送出システムを考えている。
【0021】
予め説明するが、ここで用いる「ポンプレス」という用語は、ポンプレス送出システムを、より具体的には、送出段階で、形成されたエマルジョン生成物に別の機械的なポンプを利用しない送出システムを意味していると理解されたい。実際、ポンプレスであることによって、でき上がったエマルジョン生成物又は送出準備が整ったエマルジョン爆薬は、ポンプの様な機械的送出システムに供給又は搬送されるのではなく、代わりに、全ての製造及び精製処理を終えた後にシステム内に残っている残留圧力だけを使って送出されるよう意図されている。送出システムは、エマルジョンを送出するのに残留圧力を抽出して使用するように作動的に構成されている。従って、様々な酸化剤溶液相と燃料又は燃料相を製造システムに搬送するのに用いられる最初の搬送システムは、機械的ポンプ又は何らかの他の機械的運搬手段を備えているが、その様なポンプは、生材料(例えば、酸化剤溶液相と燃料相)に用いられるだけであり、従って、実際の送出システムは、何ら機械的送出手段を備えておらず、代わりにシステム内の残留圧力を利用している。
【0022】
ここで用いる「衝突する」という用語は、混合又は混和させる2つ又はそれ以上の入力ストリームの物理的な一体化を意味すると理解されたい。従って、2つ又はそれ以上の入力ストリームは、互いに直接的又は間接的に衝突する。直接的衝突の例には、2つの相対するノズルが含まれており、両ノズルは、各ノズルから出るストリームが、ノズル開口部を出ると互いに強く衝撃を与え合うように方向決めされている。間接的衝突の例には、静止ミキサーが含まれており、2つ又はそれ以上のストリームは、静止ミキサーの固定子と接触するときに互いに混ぜ合わされる。互いに衝突するストリームの例には、酸化剤溶液相と燃料相、直接導入されている乳化剤が在る中での酸化剤溶液相と燃料、エマルジョンと酸化剤溶液相の第2部分、などが含まれる。
【0023】
図1は、本発明の1つの代表的な実施形態による、エマルジョン生成物又はエマルジョン爆薬を製造及び送出するための本発明のシステム(以後、エマルジョン製造及び送出システム10)のブロック図を示している。エマルジョン製造及び送出システム10は、燃料又は燃料相を燃料又は燃料相圧力源16に供給するよう構成されている燃料又は燃料相リザーバ12と流体連通している第1又は燃料又は燃料相圧力源16と、酸化剤溶液相を酸化剤溶液相圧力源20に供給するよう構成されている酸化剤溶液相リザーバ14と流体連通している第2又は酸化剤溶液相圧力源20とを備えている。第1及び第2圧力源16及び20のそれぞれは、電源に電気的に連結され、電源によって電力供給され、圧力を提供する。代わりに、第1及び第2圧力源16及び20を、液圧又は空圧、並びに重力を使った圧力を提供するように構成してもよい。
【0024】
より具体的には、第1及び第2圧力源16及び20は、それぞれ、燃料又は燃料相と酸化剤溶液相の高圧搬送を提供するように構成されており、残留圧力が、形成されたエマルジョン生成物を意図する又は所定の場所に送出するために残っているようになっていてもよい。1つの代表的な実施形態では、第1及び第2圧力源16及び20は、燃料又は燃料相と酸化剤溶液相を所定の圧力と流量で搬送することができる機械的ポンプを備えている。別の代表的な実施形態では、第1及び第2圧力源16及び20は、上記と同じ働きをする様に構成されている空圧容器を備えている。更に別の代表的な実施形態では、第1及び第2圧力源16及び20は、燃料又は燃料相と酸化剤溶液相がそれぞれ高い場所から放出され、重力によって搬送されるようなシステムを備えている。重力システムは、更に、これらを、所定の圧力及び流量で搬送するよう構成されているのが望ましい。所定の圧力は、最終的なエマルジョン生成物を送出するのに使用できる残留圧力を提供できるだけの圧力である。
【0025】
第1及び第2圧力源16及び20は、具体的には、燃料又は燃料相と酸化剤溶液相を、それぞれ、エマルジョン爆薬又はエマルジョン生成物を形成するように構成されているエマルジョン製造又は形成システム24に搬送するように構成されており、このエマルジョン生成物は、不連続酸化剤溶液相と連続燃料相を備えている。エマルジョン製造システム24は、非機械的システムであるのが望ましく、これは、エマルジョン製造システム24を作っている様々な構成要素又はシステムの何れも、機械力学を使用しないことを意味している。これは、エマルジョンは、形成されているときには機械的入力を受けない点で好都合である。エマルジョン製造システム24は、燃料又は燃料相を酸化剤溶液相と混合又は混和させて、乳化剤が在る中でエマルジョンを形成するように構成されている1つ又は複数の混和システムを備えている。
【0026】
本発明は、1つの好適な代表的実施形態では、燃料が乳化剤を含んでいるか、又は乳化剤を含有しており、従って燃料相として存在していると考えていることに特に注目されたい。本発明は、別の代表的な実施形態では、燃料が乳化剤を含んでいなと考えている。この実施形態では、乳化剤は、直接エマルジョン製造システムに、混合チャンバの上流で、又は燃料(乳化剤が無いので燃料相ではない)が酸化剤溶液相と衝突するときに直接混合チャンバに、導入される。乳化剤の最初の導入は、何れかの所定の場所で行われ、直接混合チャンバに導入される場合もあれば、他の場所で導入されて、その後混合チャンバに送られる場合もある。これら両方の又は他の明白な実施形態では、乳化剤製造システムは、燃料を、乳化剤が在る中で酸化剤溶液相と混合させて、エマルジョンを形成するように構成されている。好適な方法は、燃料の中に乳化剤を含ませ、燃料を燃料相として存在させることである。従って、以下の議論の多くは、乳化剤が燃料の中に入っており、燃料が燃料相である実施形態に向けられている。
【0027】
エマルジョンが形成されたか、又は第1段階から送出準備が整う最終的な生成物の状態に形成されている間に、エマルジョンは、エマルジョン精製及び処理システム28で様々な精製及び/又は処理を受ける。例えば、エマルジョンは、中に入っている酸素の均衡を保つために追加の酸化剤溶液が加えられ、その際、酸化剤溶液相は分割され、エマルジョンの形成が簡単になる。エマルジョンは、エマルジョンを濃密化して(即ち、酸化剤溶液相の滴寸法を小さくして)、所望の粘度を得るために剪断される。更に、密度低下剤の様な微量元素がエマルジョンに導入され、エマルジョンを鋭感化する。その送出を支援するために、エマルジョンの回りに水のリングが配置される。実際、エマルジョンは、送出する前又は送出の間に多くの精製と処理を受ける。ここに記載していること、及びその他のことは、当業者には明白であろう。
【0028】
エマルジョンが形成された後で、最終的な生成物状態にあるときは、エマルジョンは、ポンプレスエマルジョン送出システム32によって送出する準備が整っている。以下により具体的に述べる様に、エマルジョン送出システム32は、圧力と流速を利用してエマルジョンを送出する非機械的システムであり、その圧力は、第1及び第2圧力源16及び20からの残留圧力である。先行技術関連のシステムとは異なり、本発明の送出システム32は、エマルジョンを所定の場所にポンプで送るか又は機械的に搬送するためのエマルジョンポンプも、同様又は等価な機械的システム又は装置も備えていない。そうではなくて、先に述べた様に、第1及び第2圧力源16及び20は、各相を所定の圧力で搬送するように構成されており、この圧力は、エマルジョンを形成するエマルジョン製造システム24、並びにエマルジョンを精製するエマルジョン精製及び処理システム28が使用できる圧力を供給するか、又は利用できるようにすることができるほど高い。更に、幾つかの型式の機械的入力を提供してエマルジョン生成物を送出する先行技術関連のシステムとは異なり、本発明は、システムを十分に高い圧力で作動させて、機械的入力を追加する必要無しに、エマルジョンを意図する所定の場所に送出するためにエマルジョン送出システム32が使用できる残留圧力が存在するように考えている。従って、送出システム32は、エマルジョンを非機械的に送出するように構成されており、これは、以下に論じる様に、最終的なエマルジョン生成物を意図する場所に搬送するため1つ又は複数のポンプを利用するシステムの様な、先行技術関連の機械式送出システムに勝る利点である。
【0029】
エマルジョン製造及び送出システム10は、第1又は燃料相と第2又は酸化剤溶液相の圧力源16と20のそれぞれに初期圧力を備えるように構成されている。これらの相が搬送され、エマルジョンが形成されるときに、システム内で様々な圧力降下が起こる。他にも、エマルジョンの精製及び処理の間に、圧力降下が起こる。しかしながら、システム10は、エマルジョンを送出システム32に供給する前に圧力を使い切ってしまうほどには圧力が降下しないように構成されている。言い換えれば、システム10は、その初期圧力量が十分で、送出前に各圧力低下が起こった後でも、最終的なエマルジョン生成物を意図する所定の場所に送出できるだけの残留圧力が残るように構成されているので、送出システムを、ここで定義している様に、ポンプレス又は非機械的送出システムにすることができる。送出段階で送出するために残留圧力を提供することは、非機械的圧力が誘発されて、最終的なエマルジョン生成物を送出できるよう作用し、これは更に、多くの先行技術関連のシステムでは普通に使用されているエマルジョンポンプ(例えば、順送キャビティポンプ)の様な機械的送出システム又は装置の必要性を無くするように機能する。エマルジョンポンプを無くすことによって、一般にその様な全てのポンプに必要な対応する安全停止システムも無くすことができる。これらの構成要素を無くすことによって、爆発性生成物への機械的入力は無くなるので、爆発性エマルジョンの送出がより安全になる。更に、大幅な経費削減を実現することができる。
【0030】
図2は、本発明の1つの代表的な実施形態による、一般的なエマルジョン製造及び送出システム10を示している。エマルジョン製造及び送出システム10は、送出管42を介して燃料相ポンプ16に燃料相を供給するよう構成されている燃料相リザーバ12と流体連通している燃料相ポンプ16の形態をした第1圧力源を備えている。酸化剤溶液相のポンプ20の形態をした第2圧力源は、送出管46を介して酸化剤溶液相を酸化剤溶液相ポンプ20に供給するよう構成されている酸化剤溶液相リザーバ14と流体連通している。ポンプ16と20のそれぞれは、電源2に電気的、空圧的、又は液圧的に連結され、電源2によって電力供給される。
【0031】
燃料相ポンプ16は、燃料相を、所定の圧力で、送出管58を通して第1混和システム66へ搬送するように構成されている。同様に、酸化剤溶液相ポンプ20は、酸化剤溶液相の少なくとも一部分を、所定の圧力で、送出管62を通して第1混和システム66へ、並びに、必要であれば、送出管64を通して第2の随意の混和システム74へ搬送するように構成されている。実際、1つの代表的なシステムは、酸化剤溶液相を60/40に分割し、40%が第1混和システム66へ行き、60%が第2混和システム74へ行く。勿論、分割の割合は、システムによって、又は必要に応じて変わるので、ここに述べている60/40の分割は、何ら限定する意味はないものと解釈されたい。
【0032】
第1及び第2混和システム66及び74は、酸化剤溶液相を燃料相と混ぜ合わせてエマルジョンを形成するように構成されている。第1混和システム66は、酸化剤溶液相の少なくとも一部分を燃料相と非機械的に混和させるための手段を備えて構成されており、酸化剤溶液相は、十分な力で第1混合チャンバ内で燃料相と衝突し、乳化剤が在る中でエマルジョンが形成されることになる。これは、1つ又は複数の非機械的手段を使って好都合に行われる。酸化剤溶液相の一部分だけを燃料相と混合させるようになっているので、形成されたエマルジョンは、燃料が豊富に含まれた予混和エマルジョンである。酸化剤溶液相と燃料相を混和させるための非機械的手段は、相対するノズル、静止ミキサー、これらの組み合わせ、及び、燃料相を酸化剤溶液相と衝突させ、混合させて、燃料が豊富なエマルジョンを形成することができる他の装置又はアッセンブリを備えている。これらのそれぞれについては、以下に更に詳しく論じる。しかしながら、基本的には、第1混和システム66は、十分な圧力、従ってエネルギーを提供するので、2つの相が互いに衝突すると、エマルジョンが生成又は形成される。エマルジョンを作り出すのに必要な力又は圧力は、システム構成、システム内で作動可能な構成要素の寸法、温度、用いられる乳化剤などの幾つかの要因次第である。エマルジョンが形成されると、エマルジョンは、数回の精製を経て、送出準備が整った最終的なエマルジョン生成物になる。数回の代表的な精製手順についても、以下に論じる。
【0033】
第2混和システム74は、第1混和システム66と流体連通しており、中に形成されている燃料が豊富な予混和エマルジョンを受け取る。第2混和システム74も、酸化剤溶液相ポンプ20と流体連通しており、第1混和システム66に搬送されなかった酸化剤溶液相の第2又は残部を受け取る。第2混和システム74は、従って、燃料が豊富な予混和エマルジョンを、酸化剤溶液相の第2部分と非機械的に混和させるための手段を備えて構成されており、燃料が豊富な予混和エマルジョンは、第2混合チャンバ内で酸化剤相の第2部分と、第1混和システム66内で形成された燃料が豊富なエマルジョンよりも更に酸素の均衡が保たれたエマルジョンを形成することができるだけの力とエネルギーで衝突することになる。燃料が豊富な予混和エマルジョンを酸化剤溶液の第2部分と混和させるための非機械的手段は、同様に、相対するノズル、静止ミキサー、これらの組み合わせ、及び他の装置又はアッセンブリを備えている。
【0034】
第1及び第2混和システム66及び74は、先行技術関連のシステムに用いられている本質的に機械的な従来の混和システム又は装置とは異なることに注目されたい。そうではなく、本発明の混和システムは、非機械的であり、より具体的には、圧力源によって提供されるシステム内の圧力だけを使って、高圧の下で燃料相と酸化剤溶液相を受け取り、燃料相を酸化剤溶液相と衝突させてエマルジョンを形成し、エマルジョンを酸化剤溶液相の残部に衝突させることができるシステムである。更に、混和システム66と74の構成次第で、様々な燃料相と酸化剤溶液相を互いに、又は燃料が豊富なエマルジョンを残りの酸化剤溶液相と、(管内でノズルが直線状に又は僅かに傾いて互いに相対している場合の様な)直接的に、又は(入ってくる材料が1つ又は複数の表面から逸れるようになっている静止ミキサー又は静止ミキサーとノズルの組み合わせの場合の様な)間接的に、衝突させる。これらのそれぞれについても、以下に更に詳しく論じる。
【0035】
製造段階の数箇所で、エマルジョンは、更に送出に適したエマルジョン生成物が得られるように精製又は処理を受ける。精製及び処理システム28は、必要なエマルジョン精製を実施するよう機能する。お分かり頂けるように、エマルジョンは、第2混和システム74又は別のシステム(仮想線で図示)内にあるときに部分的に精製される。精製加工の例について、ここに論じる。
【0036】
送出システム32は、システム内に残っている、第1及び第2圧力源からの残留圧力を利用して、エマルジョンを、試錐孔の様な、又は工場内の所定の場所に送出するように構成されている。システム内の残留圧力を使って最終的なエマルジョン生成物を意図する場所に非機械的に搬送又は送出することのできるシステムが、ここで考えられている。
【0037】
図3と図4は、本発明の1つの代表的な実施形態による、具体的な現場でのエマルジョン製造及び送出システム210を示している。この具体的な実施形態に示されている様々な構成要素は、現場でエマルジョンを製造し、生成された爆発性エマルジョンを所定の場所に送出することのできるトラック又は他の車両内に収納され、支持されている。
【0038】
図示の様に、酸化剤溶液相は、酸化剤溶液相リザーバ214から、機械式ポンプとして図示されている酸化剤溶液ポンプ220へ供給される。酸化剤溶液相は、酸化剤溶液ポンプ220に入る前に、フィルター240を通過する。酸化剤溶液ポンプ220は、酸化剤溶液相の少なくとも一部分を、高圧で、エマルジョン製造システム224へ、具体的には、中に配置されている第1ノズル272へ搬送するよう機能する。図示の代表的な実施形態では、酸化剤溶液相は、一部が第1ノズル272へ搬送され、第2部分が、目的については後に述べるが、エマルジョン製造処理の後の段階で使用するために、第4ノズル314へ搬送されるように、分割され又は分けられる。分割割合は、システムに依って変わるが、典型的には40から60パーセント(40%−60%)の間にあり、最初に第1ノズル272へ行き、残りが第4ノズル314へ行く。好適な分割では、第1ノズル272へ搬送されるのが40パーセント(40%)で、第4ノズル314へ搬送されるのが残りの60パーセント(60%)となる。酸化剤溶液相を分割し又は分けることは、燃料相と酸化剤溶液相からのエマルジョンの迅速な形成をやり易くするように機能する。しかしながら、酸化剤溶液相を分割するのは、必要不可欠ではない。燃料相を全ての酸化剤溶液相と同時に衝突させることによってエマルジョンを形成するシステムも考えられている。
【0039】
燃料相は、燃料相リザーバ212から、これも機械式ポンプとして図示されている燃料相ポンプ216へ供給される。先に論じた様に、1つの好適な代表的実施形態では、燃料は、乳化剤を含んでおり、従って燃料相である。別の代表的な実施形態では、燃料は、乳化剤を含まないが、代わりに、直接導入される乳化剤と混ぜ合わせられる。燃料相は、燃料相ポンプ216に入る前に、フィルター274を通過する。燃料相ポンプ216は、燃料相を、エマルジョン製造システム224へ、具体的には中に配置されている第2ノズル280へ搬送するよう機能する。図示の様に、第1及び第2ノズル272及び280は、互いに相対する位置に方向決めされており、第1ノズル272を出る酸化剤溶液相は、第2ノズル280を出る燃料相と、望ましくは第1混合チャンバ284と図示されている混合チャンバ内で、衝突又はぶつかるようになっている。言い換えれば、第1及び第2ノズル272及び280は、酸化剤溶液相が燃料相と衝突するように方向決めされている。第1及び第2ノズル272及び280は、固定子又は静止ミキサーが中に在ってもよいし、無くてもよい。
【0040】
酸化剤溶液相ポンプ220は、酸化剤溶液相を所定の圧力と速度又は流量で搬送して、酸化剤溶液相を第1ノズル272から十分に高速で出すことができるように構成されているので、酸化剤溶液相は、乳化剤が在る中で燃料相に衝突する際には、十分な力と圧力、従って十分なエネルギーを持って衝突するので、予混和された燃料豊富なエマルジョンが形成される。エマルジョンを形成するのに必要なエネルギーは、2つの相が搬送されるときの速度から生じる。燃料相ポンプ216も、燃料相を所定の圧力と速度又は流量で搬送するよう構成されている。従って、2つの相の速度は、混合によってエマルジョンを形成するのに要するエネルギーを生成することができるほどの速度でなければならない。酸化剤溶液相の速度は、通常は燃料相より遙かに高速である。この具体的な実施形態で、燃料が豊富な予混和エマルジョンは、非機械的に形成されており、ブレンダーの様な機械的システム又は装置からの入力を追加しないことを意味するものと留意されたい。
【0041】
酸化剤溶液相と燃料相が、それぞれ第1及び第2ノズル272及び280を出て、互いに衝突して形成されたエマルジョンは、大部分が精製されていないか、又はむしろ予混和状態にあり、酸化剤溶液相と混ぜ合わされる燃料相の濃度が高いため、燃料が豊富であるか、又は高燃料濃度のエマルジョンである。しかしながら、当業者には理解頂けるように、先に論じた通り、酸化剤溶液相は、燃料相と衝突させてエマルジョンを形成する前に、分割する必要はない。実際、百パーセント(100%)の酸化剤溶液を燃料相と衝突又は混合させ、実質的に送出準備が整っているエマルジョンを形成することによって、エマルジョンが形成される。
【0042】
燃料が豊富な予混和エマルジョンは、形成されると、第1混合チャンバ284から第3ノズル290を通して押し出されるが、第3ノズル290は、第1及び第2ノズル272及び280と垂直であり、システム内で利用可能な、酸化剤溶液と燃料相のポンプ216と220からのエネルギーを使って、第1混合チャンバ284及び/又は第1及び第2ノズル272及び280と流体連通している。ここで、エマルジョンを製造及び送出するのに用いられる、システム内に存在する圧力とエネルギーは、酸化剤溶液と燃料相のポンプ216と220によって提供される。言い換えれば、ポンプ216と220は、システム内で必要な全ての圧力又はエネルギーを提供し、エマルジョンを形成するのに用いられる生成物を搬送し、並びに、エマルジョンを精製してエマルジョン生成物を生成し易くするように構成されている。圧力は、製造及び精製システム224と228による様々な段階の処理の全てを実施できるだけの圧力となるよう事前に定められている。様々な圧力降下が、製造及び精製処理の様々な段階で起こるが、ポンプは、これを考慮し、全ての製造及び精製又は処理段階が完了した後で、エマルジョンを送出できるだけの残留圧力を提供できるように構成されている。この残留圧力は、エマルジョンを意図する場所に、例えば試錐孔の奥へと送出するための非機械的手段を提供するよう機能する。
【0043】
燃料が豊富なエマルジョンは、第3ノズル290を通して搬送され、第2混合チャンバ318に出される。第3ノズル290は、固定子ミキサー又は別の型式の構造を備えて構成されており、エマルジョンに剪断を導入して、エマルジョンを幾らか濃密にし、精製する。第4ノズル314は、第3ノズル290と相対して配置され、酸化剤溶液相の最初の部分から分割された酸化剤溶液相の残り部分を、第2混合チャンバ318へと搬送し、そこで、この残り部分が、燃料が豊富なエマルジョンと衝突又はぶつかるように構成されている。言い換えれば、燃料が豊富なエマルジョンは、第2混合チャンバ318内で酸化剤溶液相の残りの部分と衝突させられる。同様に、酸化剤溶液相の第2又は残りの部分と燃料が豊富なエマルジョンは、十分な圧力とエネルギーで搬送されるので、第2混合チャンバ318内で互いに衝突すると、酸素の均衡が更に保たれているエマルジョンが形成される。
【0044】
燃料が豊富なエマルジョンと残りの酸化剤溶液相が第2混合チャンバ318内で互いに衝突した後で、でき上がった酸素の均衡が更に保たれているエマルジョンは、そこから出され、精製及び処理システム228に入れられる。より具体的には、精製の初期段階は、酸素の均衡が更に保たれているエマルジョンを様々なノズルに押し込んで更に精製し、例えば、エマルジョンを濃密にし、安定化し、その粘度を増すか又は調整する。しかしながら、エマルジョンを形成するのに用いられるシステムの構成に依っては、更なる精製が必要な場合もあるし、必要でない場合もある。実際、エマルジョンを形成するのに用いられる構成要素とシステムパラメーターは、追加精製の必要無しに、送出準備が整った最終的なエマルジョン生成物を作る。
【0045】
1つの代表的な実施形態では、第5ノズル322が含まれており、第3及び第4ノズル290及び314に対して直角に向けられている。更に酸素の均衡が保たれているエマルジョンは、第5ノズル322に押し込まれ、そこでエマルジョンは、幾らか濃密にされ、その粘度が高められる。図示の実施形態では、第5ノズル322は、追加の剪断を導入するため静止ミキサーを備えている。精製及び処理システム228の他の精製及び処理工程について、以下に論じる。
【0046】
別の代表的な実施形態では、エマルジョンは、第5ノズル322に押し込まれた後で、粘度調整器又はBurkert弁の様な剪断弁330へと導入又は搬送される。剪断弁330の目的は、エマルジョンの最終精製を実施し、その意図する爆発機能を実行するための送出準備が整った最終的なエマルジョン生成物又はエマルジョン爆薬を形成することである。剪断弁330は、追加の剪断を、所望の粘度を達成又は取得できるだけの時間、エマルジョンに導入するように構成されている。当業者には理解頂ける様に、剪断弁以外の他の型式のシステム、弁、又は装置を用いて、形成されたエマルジョンを精製し、最終的なエマルジョン生成物を形成してもよい。例えば、剪断弁を、中に静止ミキサー構造を有する一連のノズル(異なる寸法又は構造であってもなくてもよい)に置き換えてもよい。
【0047】
他の処理段階でのように、必要であれば、システム内に存在する圧力を使って、エマルジョンを第5ノズル322から出し、剪断弁330に入れて通過させる。つまり、エマルジョンを剪断弁330へと動かし、又は搬送し、剪断弁330を通過させるのに、機械的入力は必要ない。
【0048】
エマルジョン生成物は、剪断弁330を出た後は、送出システム234によって送出される準備が整っている。図示の実施形態では、送出システム234は、送出管を介して剪断弁330と流体連通している送出ホース346を備えている。送出ホース346は、開口部350を備えており、エマルジョン生成物を、試錐孔、パッケージ、又は貯蔵所の様な意図する又は所定の場所に送出できるだけの長さを有している。送出ホースは、送出ホース346を巻いたり解いたりするために回転させるホースリール354を提供するよう構成された、トラック(図示せず)の様な支持体に取り付けられているホースリール354によって支持されている。一般的なクランク356は、ホースリール354を回転させるのに用いられる。
【0049】
先に論じた様に、送出システム234は、好都合に、システム内に存在する残留圧力を利用してエマルジョン生成物を意図する場所へ送出する。送出に使用できる残留圧力の量は、システムの制約条件、即ち、燃料相及び酸化剤溶液相を供給する圧力源又はポンプ内の初期圧力と、送出前にシステム内に起こる圧力降下の回数とに依る。基本的に、システムは、残留圧力が残るように設計されるよう意図されている。その様な場合、圧力は、製造及び精製工程中に使い尽くされない。図示の実施形態では、酸化剤溶液相ポンプ220の初期圧力出力は、300から500psigである。燃料相ポンプ216の初期圧力出力は、300から500psigである。エマルジョンを製造し精製する作業による全ての圧力降下の後で、残留圧力は、50から250psigであり、最終的なエマルジョン生成物を、送出管346を介して試錐孔の奥に必要な距離だけ送出するのに十分である。或る好適な実施形態では、燃料相と酸化剤溶液相は、約350psigで流れている。システム内の圧力降下は合計で200から250psigなので、エマルジョン生成物を送出するのに利用できる100から150psigの残留圧力がある。
【0050】
図3は、更に、追加の精製及び処理システムを示している。例えば、第5ノズル322を出た後、剪断弁330に搬送される前に、エマルジョンは、爆薬として鋭感化される。この処理段階で、密度低減剤がシステムに導入され、エマルジョンの密度を下げ、エマルジョン内に泡を形成して、その感度を上げる。密度低減剤を、第5ノズル322の下流に配置されている注入器388に搬送するよう構成されているポンプ380が設けられている。注入器388は、密度低減剤を、第5ノズル322から出てくるエマルジョンに注入するよう機能する。第6ノズル392は、密度低減剤が剪断弁330に搬送される前に、それをエマルジョンと混合させるのに用いられる。第6ノズル392は、中に、密度低減剤をエマルジョンと混合させる静止ミキサーを備えている。様々な型式及び構成のミキサーが、エマルジョンを鋭感化するために、密度低減剤をエマルジョンと混合させるよう装備されている。何れにしても、密度低減剤の役割は、中に小さな気泡を形成することによって、エマルジョンを爆薬として鋭感化することである。
【0051】
1つの代表的な実施形態では、密度低減剤は、1つの化学的ガス発生剤又は様々な化学的ガス発生剤の形態をした微量元素を備えており、それぞれが中に注入されるとエマルジョンと反応してエマルジョンの中に小さな泡を形成するよう構成されている。化学的ガス発生剤の例には、限定するわけではないが、亜硝酸塩、過酸化物及び炭酸塩が含まれる。
【0052】
別の代表的な実施形態では、密度低減剤は、圧縮ガスを備えている。圧縮ガスは、エマルジョンに導入されると、エマルジョン内に泡を導入するよう機能する。圧縮ガスの例には、限定するわけではないが、窒素、ヘリウム、アルゴン、及び空気が含まれる。
【0053】
先の議論では、密度低減剤は、第5ノズル322の下流に導入される。本発明は、他の注入場所も考えている。具体的には、密度低減剤は、第6ノズル392を不要にできる場所に注入される。例えば、図示の様に、ポンプ380は、密度低減剤が第4ノズル314を通して第2混合チャンバ318へと搬送される前に、それを第2又は残りの酸化剤溶液相ストリームに注入するよう構成されていてもよい。代わりに、密度低減剤を、第1混合チャンバ284に直接注入し、そこで燃料相の全てを、酸化剤溶液相の少なくとも一部分と結合させてもよい。これらの例では、密度低減剤をエマルジョンと混合させるのは、形成及び精製段階で達成されることになる。エマルジョンの密度を効果的に低減するのに適していれば、他の場所でもよい。密度低減剤をシステムに注入するのに用いられる注入器の1つの具体的な型式は、ステンレス鋼の焼結排気マフラーを備えている。更に、空気の流量は、跳ねる量を最小にするよう調整される。
【0054】
図3は、更に、送出前のエマルジョン生成物の回りに水リングを配置するよう構成されている注水器410を示している。注水器410は、水源402と流体連通しており、そこから、逆止弁406を通過する水を受け取る。注水器410の場所は、剪断弁330の下流で、エマルジョン生成物が送出システム234に入る直前に示されている。水リングは、エマルジョン生成物を意図する場所に、例えば、当技術で一般的に理解されている様に試錐孔の奥に、送出するのを支援するのに用いられる。
【0055】
ここで、エマルジョン製造及び送出システム210は、システム内の活動を制御及び監視するため様々な弁、計器、及びゲージを備えていることに注目されたい。例えば、酸化剤溶液ポンプ220を第1ノズル272に流体接続する送出管には、リリーフ弁244、流量計248、圧力ゲージ/変換器252、グローブ弁260、及び逆止弁268がある。これらのそれぞれは、エマルジョンの製造及び送出の際に、システムのオペレーターを支援するよう機能する。酸化剤溶液ポンプ220を第4ノズル314に流体接続する送出管には、これらと同じ構成要素の多く、並びにグローブ弁294、流量計302、及び逆止弁310がある。圧力ゲージ/変換器334及び三方向ボール弁342の様な同様の構成要素が、剪断弁330と送出システム234の間にも配置されている。当業者には理解頂ける様に、他の型式の弁、システムなどを、システムに組み込み又は含ませてもよい。
【0056】
図5は、1つの代表的な実施形態による、本発明のシステムに用いられているノズルの詳細な破断図を示している。ここで、先に述べた第1、第2、第3及び第4ノズルの何れも、図5に示しているノズルと同様に構成されていることに留意されたい。図示の様に、ノズル418は、中央孔420と、エマルジョンが出て行く直径が小さくなった開口部424とを備えている。中央孔420の中には静止ミキサー432が設けられ、エマルジョンを回転させ、エマルジョンがノズル開口部424から出る前に剪断をエマルジョンに導入するように構成されている。ノズル418は、更に、その外側表面の全て又は一部分にねじ山428が形成されており、ノズル418を支持構造に挿入し、開口部424が混合チャンバに向くようにノズル418を適所に固定できるようになっている。
【0057】
当業者には理解頂ける様に、上記ノズルは、システム内の場所、各種相に関する所望の流量、又は通過してゆく形成されたエマルジョン次第で、寸法と構成が様々である。更に、ノズルは、中に静止ミキサーを備えずに構成してもよい。
【0058】
本発明は、更に、燃料相と酸化剤溶液相を混合してエマルジョンを形成し、加えて、形成されたエマルジョンを精製するための他の型式の非機械的混合及び/又は混和手段を考えている。例えば、2つの相対するノズルの代わりに、1つの具体的な実施形態は、静止ミキサーを備えており、燃料相と酸化剤溶液相が同時期に入れられ、静止ミキサーが、これら2つの相からエマルジョンを形成するよう機能するようになっている。この実施形態では、静止ミキサーは、更に、先に論じた第5と第6のノズルの様な様々な精製ノズルに置き換えて用いられている。ノズルを使ってエマルジョンを精製するのではなく、1つ又は複数の静止ミキサーを使ってエマルジョンを精製してもよい。
【0059】
別の実施形態は、ノズルと静止ミキサーの組み合わせを含んでいる。その様な実施形態では、燃料相と酸化剤溶液相は、一体に混ぜ合わされ、ノズルを通して送られる。ノズルは、混ぜ合わされた相を静止ミキサーに注入する。この場合、一体に混ぜ合わされてはいるが、燃料相と酸化剤溶液相は、静止ミキサーに入る前は、エマルジョンを形成できるほど十分には、又は十分なエネルギーでは、混ぜ合わされていない。
【0060】
更に別の代表的な実施形態では、酸化剤溶液相と燃料相は、別々のノズルを通して、混合チャンバ内に支持されている1つ又は複数の偏向板に送られ、そこで酸化剤溶液相と燃料相は、互いに直接衝突するのではなく、互いに間接的に衝突する。偏向板は、エマルジョンを形成するのに必要な、どの様な枚数でも、どの様な構成であってもよい。
【0061】
図6は、代表的なシステム内の、各段階の圧力量と、エマルジョン生成物が送出される直前に存在している残留圧力のグラフである。図示の様に、システム内の初期圧力は、約500psigであり、圧力源によって提供され、様々な酸化剤溶液相と燃料相を搬送する。エマルジョンが製造され精製されると、圧力には幾つかの変化が起こり、具体的には、圧力が数回降下する。しかしながら、初期圧力は、全ての製造及び/又は精製段階の最後に、そしてエマルジョン生成物の送出の直前に、約100psigの残留圧力462を提供できるように構成及び設計されている。第1の大幅な圧力降下450は、酸化剤溶液相が燃料相と混ぜ合わされ、燃料が豊富なエマルジョンを形成する第1混和システム内で起こる。第2の大幅な圧力降下454は、燃料が豊富なエマルジョンが、酸化剤溶液相の第2又は残部と混ぜ合わされ、より酸素の均衡が保たれたエマルジョンが形成される第2混和システム内で起こる。圧力降下458の様な他の圧力降下は、例えば、所望の粘度を得るためにエマルジョンが剪断弁に通される様なエマルジョン精製の間に起こる。図6のグラフは、エマルジョンが形成及び/又は精製される際の時間経過に亘る圧力の降下を示すためのものであることに留意されたい。実際、ここに示した以外にも、圧力の変化は在る。例えば、エマルジョンが圧縮ガスに曝されてその密度を下げるときにも、圧力が変化する。
【0062】
以下の例は、本発明の方法とシステムを使って、エマルジョンを作成及び送出するために行われた実験の例示である。これらの例は、如何なる意味でも限定を課す意図は無く、その様に解釈しないで頂きたい。
【0063】
例1
エマルジョン爆薬組成物を、毎分500ポンド(500lbsmin)で形成した。燃料相は、乳化剤と共に、第1ノズルを通して毎分30ポンド(30lbsmin)の流量で押し出した。酸化剤溶液相の一部分は、Waukesha酸化剤溶液ポンプによって、第2ノズルを通して毎分235ポンド(235lbsmin)の流量で押し出した。酸化剤溶液相は、エマルジョンをより迅速且つ効果的に形成できるように分割した。第1ノズルと第2ノズルは、それらの出口又はノズル開口部が互いに直接相対するよう、互いに対して相対する位置に方向決めした。燃料相と酸化剤溶液相ポンプそれぞれの初期圧力によって、燃料相を、乳化剤が在る中で、混合チャンバ内で酸化剤溶液相の一部分と衝突させ、高燃料の又は燃料が豊富なエマルジョンを形成した。次に、高燃料のエマルジョンを、第1及び第2ノズルに対し垂直に向いている第3ノズルに押し込んだ。第4ノズルは、第3ノズルと相対する位置に方向決めされていたので、第3ノズルを通して押し込まれた精製済みの高燃料エマルジョンは、第4ノズルを通して押し込まれた酸化剤溶液相の第2部分と衝突した。酸化剤溶液相の第2部分は、第4ノズルを通して毎分235ポンド(235lbsmin)で押し出した。でき上がったより酸素の均衡が保たれているエマルジョンは、次に、濃密化によりエマルジョンを精製するため、第3及び第4ノズルに対し垂直に向いている第5ノズルに押し込んだ。第5ノズルから出てくる生成物は、エマルジョン爆薬を備えていた。エマルジョンは、この時点で、85℃で6500cPの粘度(#6スピンドル@50rpm)を有していることが分かった。この様に、エマルジョンを、第5ノズルと一直線状に、第5ノズルの直後に並行に配置されている粘度調整装置又は剪断弁(例えば、Burkert弁)に掛けた。粘度調整装置は、エマルジョンを所望の粘度に濃密化するよう機能し、エマルジョンの送出準備が整った。
【0064】
例2
この例は、例1と似ている。しかしながら、上記例のノズルと流量は、毎分200ポンド(200lbsmin)の流量を達成するため500lbsminから小さくした。更に、燃料相は、乳化剤と共に、ギアポンプで、第1ノズルを通して押し出した。酸化剤溶液相は、高圧ダイヤフラムポンプで、第2ノズルを通して押し出した。約500psigまでの圧力で必要な流量を達成するために、一般的な燃料相ポンプをギアポンプと置き換えた。Waukesha酸化剤溶液ポンプを高圧ダイヤフラムポンプと置き換えると、これらの高い圧力で所望の流量を送出する能力が提供される。
【0065】
ここでも、第1ノズルと第2ノズルを互いに相対する位置に方向決めしたので、それらの出口は、互いに直接相対していた。燃料相と酸化剤溶液相のポンプそれぞれの初期圧力によって、燃料相を、乳化剤が在る中で、混合チャンバ内で酸化剤溶液相の少なくとも一部分に衝突させ、高燃料の又は燃料が豊富なエマルジョンを形成した。高燃料のエマルジョン混和物は、次に、第1及び第2ノズルに対し垂直に向いている第3ノズルに押し込んだ。第4ノズルは、第3ノズルに対して相対する位置に方向決めされていたので、第3ノズルを通して押し込まれる精製済みの高燃料エマルジョンは、第4ノズルを通して押し込まれる酸化剤溶液相の第2部分と衝突した。でき上がったエマルジョンは、次に、ここに述べている様に更に精製するため、第3及び第4ノズルに対し垂直に向いている第5ノズルに押し込んだ。第5ノズルから出てくる生成物は、最終的なエマルジョン生成物又はエマルジョン爆薬の形態をしていた。エマルジョンは、この時点で、85℃で6500cPの粘度(#6スピンドル@50rpm)を有していることが分かった。この様に、エマルジョンを、第5ノズルと一直線状に、第5ノズルの直後に並行に配置されている粘度調整装置又は剪断弁(例えば、Burkert弁)に掛けた。粘度調整装置は、エマルジョンを所望の粘度に濃密化するよう機能した。
【0066】
高い圧力は、エマルジョンが製造及び精製された後で、送出される直前に、残留圧力となった。従って、エマルジョンを試錐孔に送出するのに用いられる送出システムは、使用可能な残留圧力を利用して、エマルジョンを試錐孔の奥に搬送する圧力送出システムであった。
【0067】
下の表は、システムパラメーターを示しており、例2に記載した実験を実行した結果である。
【0068】
【表1】

【0069】
なお、粘度@60psiは、#7@20rpmであり、全てのインライン圧力は+/−10psiであり、酸化剤溶液は、ストリーム番号1とストリーム番号2の2つのストリームに分割し、ストリーム番号1は40%で、ストリーム番号2は60%であった。
【0070】
以上の詳細な説明は、具体的な代表的実施形態に関連付けて本発明を説明したものである。しかしながら、特許請求の範囲に述べている本発明の範囲から逸脱すること無く、様々な修正と変更を施し得ることは明らかである。詳細な説明と添付図面は、単なる例示であり、限定を課すものではなく、その様な全ての修正又は変更は、何れも、ここに説明され記載されている本発明の範囲に含まれると考えられたい。
【0071】
更に具体的には、本発明の例示的な代表的実施形態についてここに述べてきたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるのではなく、以上の詳細な説明に基づいて当業者が理解するであろう修正、削除、組み合わせ(例えば、様々な実施形態に亘る態様の組み合わせ)、改造及び/又は変更を有するあらゆる及び全ての実施形態を含んでいる。請求項における限定は、請求の範囲に採用されている用語に基づいて広く解釈し、以上の詳細な説明又は本出願を実行する際に記載されている例に限定されず、その様な例は排他的ではないと解釈されたい。例えば、本開示では、「望ましい」という用語は、「望ましいが、それに限定するものではない」ことを意味するものであって排他的ではない。何れかの方法又は過程の請求項に記載されている段階は、どの様な順序で実行してもよく、請求項に示されている順序に限定されない。手段プラス機能又は段階プラス機能の限定は、具体的な請求の限定に関して、以下の全ての条件:a)「のための手段」又は「のための段階」と明白に述べられている、b)対応する機能が明白に述べられている、及びc)その構造を支持する構造、材料、又は行為が明白に述べられている、条件が限定の中に存在する場合にのみ採用される。従って、本発明の範囲は、上記の説明及び例によらず、特許請求の範囲及びそれらの法的等価物によってのみ定められる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の1つの代表的な実施形態による、エマルジョン製造及びポンプレス送出システム全体のブロック図を示している。
【図2】本発明の1つの代表的な実施形態による、エマルジョン製造及びポンプレス送出システムの全体的概略図を示している。
【図3】本発明の1つの代表的な実施形態による、エマルジョン製造及びポンプレス送出システムの詳細な概略図を示している。
【図4】図3のエマルジョン製造及びポンプレス送出システムの一部分の詳細な概略図を示している。
【図5】1つの代表的な実施形態による、エマルジョンを精製するのに用いられるノズルの詳細な破断側面図を示している。
【図6】製造の各段階の、システム内の圧力レベルと、エマルジョン生成物の送出直前に存在している残留圧力のグラフを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不連続酸化剤溶液相、連続燃料相、及び乳化剤を有するエマルジョン爆薬を製造及び送出するための方法において、
エマルジョン製造システムを提供する段階と、
酸化剤溶液相を、所定の圧力で前記エマルジョン製造システムに搬送する段階と、
燃料を、所定の圧力でエマルジョン製造システムに搬送する段階と、
前記所定の圧力の一部分だけを使って、前記酸化剤溶液相、前記燃料、及び乳化剤からエマルジョン爆薬を形成し、前記エマルジョン爆薬の形成後に使用可能な残留圧力を提供する段階と、
前記残留圧力を利用して、前記エマルジョン爆薬を所定の場所に非機械的に送出する段階と、を含む方法。
【請求項2】
前記燃料は、燃料相を備えており、前記乳化剤は、前記燃料の中に入っており、前記燃料を介して前記エマルジョン製造システムに導入される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記乳化剤は、所定の場所で前記エマルジョン製造システムに直接供給され、前記燃料及び前記酸化剤溶液相と混ぜ合わせられる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
不連続酸化剤溶液相、連続燃料相、及び乳化剤を有するエマルジョン爆薬を製造及び送出するための方法において、
酸化剤溶液相を、所定の圧力で混合チャンバに搬送する段階と、
燃料を、やはり所定の圧力で前記混合チャンバに搬送する段階と、
乳化剤を前記混合チャンバに提供する段階と、
前記燃料と、前記酸化剤溶液相の少なくとも一部分と、前記乳化剤を、非機械的に、エマルジョンを形成できるだけの力で互いに衝突させる段階と、
更に精製して、所望の粘度を得るために、前記エマルジョンを非機械的に剪断する段階と、
前記搬送し、衝突させ、剪断する各段階からの残留圧力を利用して、前記エマルジョンを所定の場所に非機械的に送出する段階であって、前記残留圧力は、機械的な入力を追加する必要無しに、前記エマルジョンを前記所定の場所に送出することができる、送出する段階と、を含む方法。
【請求項5】
乳化剤を前記混合チャンバに提供する前記段階は、前記乳化剤を前記燃料に入れる段階を含んでおり、従って前記燃料は燃料相として存在するので、燃料を搬送する前記段階は、燃料相を前記混合チャンバに搬送する段階を含んでいる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
乳化剤を前記混合チャンバに提供する前記段階は、前記乳化剤を所定の場所に導入する段階を含んでおり、前記乳化剤は、前記混合チャンバに直接導入される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記酸化剤溶液相を搬送する前記段階は、第1ノズルを通して搬送する段階を含んでいる、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記燃料を搬送する前記段階は、第2ノズルを通して搬送する段階を含んでおり、前記第1ノズルと第2ノズルは、前記乳化剤が在る中で、前記酸化剤溶液相の少なくとも一部分と前記燃料を非機械的に互いに衝突させる前記段階を遂行できるように、互いに相対して配置されている、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記衝突させる段階は、前記酸化剤溶液相と前記燃料を、前記乳化剤が在る中で、静止ミキサーを通して同時に搬送し、前記エマルジョンを形成する段階を含んでいる、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記混合チャンバは、1つ又は複数の固定子又は偏向器を備えて構成されており、前記酸化剤溶液相と前記燃料は、前記混合チャンバに入ってくるときに前記固定子で逸らされることによって、前記乳化剤が在る中で、互いに間接的に衝突させられる、請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記エマルジョンを第2混合チャンバに搬送する段階を更に含んでいる、請求項4に記載の方法。
【請求項12】
前記酸化剤溶液相の第2部分を、前記第2混合チャンバに搬送する段階を更に含んでいる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記エマルジョンを、前記酸化剤溶液相の前記第2部分に非機械的に衝突させて、より酸素の均衡が保たれたエマルジョンを作る段階を更に含んでいる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記エマルジョンと、前記酸化剤溶液相の前記第2部分は、前記第2混合チャンバ内に在る1つ又は複数の固定子で逸らされることによって、互いに間接的に衝突させられる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記エマルジョンを、送出する前に精製する段階を更に含んでいる、請求項4に記載の方法。
【請求項16】
前記精製する段階は、前記エマルジョンを濃密化し、安定させる段階を含んでいる、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記精製する段階は、前記エマルジョンの密度を下げることによって、前記エマルジョンを鋭感化する段階を含んでいる、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
不連続酸化剤溶液相と、乳化剤が入っている連続燃料相とを有するエマルジョン爆薬を形成及び送出するための方法において、
酸化剤溶液相を、第1ノズルを通して混合チャンバに搬送する段階と、
燃料相を、第2ノズルを通して前記混合チャンバに搬送する段階と、
前記酸化剤溶液相の少なくとも一部分と燃料相が、前記乳化剤が在る中で予混和エマルジョンを形成できるだけの力で、互いに衝突するように、前記第1及び第2ノズルを相対する位置に方向決めする段階と、
前記予混和エマルジョンを第3ノズルに押し込む段階と、
前記第3ノズルから出てくる前記エマルジョンを、第4ノズルを通して搬送されている前記酸化剤溶液相の第2部分と、更に酸素が均衡したエマルジョンを形成することができるだけの力で衝突させる段階と、
前記エマルジョンを第5ノズルに押し込んで、前記エマルジョンを濃密化し精製する段階と、
前記エマルジョンを、所望の粘度を達成し、送出準備が整ったエマルジョン生成物を形成するために、剪断する段階と、
前記エマルジョン生成物を所定の場所に送出する段階と、から成り、
前記搬送する両段階は、前記方向決めし、押し込み、及び剪断する各段階を遂行し、更に、機械的入力を追加する必要無しに、前記エマルジョン生成物を所定の場所に送出することができる残留圧力を提供できるだけの圧力で行われる、方法。
【請求項19】
前記剪断する段階の前に、密度低減剤を中に導入することによって前記エマルジョンを鋭感化する段階を更に含んでいる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記鋭感化する段階は、前記エマルジョンに微量元素を導入する段階を含んでおり、前記微量元素は、1つ又は複数の化学的ガス発生剤を備えており、前記化学的ガス発生剤は、反応し、前記エマルジョン内に複数の泡を形成して、その密度を下げるよう機能する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記鋭感化する段階は、前記エマルジョンに圧縮ガスを導入する段階を含んでおり、前記圧縮ガスは、前記エマルジョン内に複数の泡を導入して、その密度を下げるよう機能する、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記密度低減剤は、前記エマルジョンに注入され、前記密度低減剤と前記エマルジョンは、第6ノズルを通して搬送され、互いに混ぜ合わされる、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記密度低減剤は、前記酸化剤溶液相、前記燃料相、前記乳化剤、及び前記混合チャンバの内の1つに注入される、請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記エマルジョンの回りに水リングを配置し、前記所定の場所へ送出する前記段階を支援する段階を更に含んでいる、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記搬送する両段階は、ポンプ、重力送出システム、及び圧力容器から成るグループから選択される何れかによって実現される、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
前記剪断ずる段階は、剪断弁、一連のノズル、及びこれらの組み合わせから成るグループから選択される何れかによって遂行される、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
前記所定の場所は、試錐孔、貯蔵所、及び工場から成るグループから選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項28】
前記ノズルは、中に組み込まれている静止ミキサーを備えている、請求項18に記載の方法。
【請求項29】
前記ノズルは、システムの要件次第で、異なる寸法を備えていてもよい、請求項18に記載の方法。
【請求項30】
エマルジョン爆薬の製造及び送出のためのシステムにおいて、
エマルジョン製造システムと、
酸化剤溶液相を所定の圧力で前記エマルジョン製造システムに搬送するよう構成されている第1圧力源と、
乳化剤が入っている燃料相を前記エマルジョン製造システムに搬送するよう構成されている第2圧力源であって、前記エマルジョン製造システムは、前記所定の圧力の一部分だけを使って、前記酸化剤溶液相と燃料相からエマルジョンを形成し、使用可能な残留圧力を提供する、第2圧力源と、
前記残留圧力を利用して、前記エマルジョン生成物を所定の場所に送出するよう構成されている非機械的送出システムと、を備えているシステム。
【請求項31】
エマルジョン爆薬の形成及び送出のためのシステムにおいて、
酸化剤溶液相を第1混合チャンバに搬送するよう構成されている第1圧力源と、
燃料相を前記第1混合チャンバに搬送するよう構成されている第2圧力源であって、前記燃料層は乳化剤を含んでいる、第2圧力源と、
前記酸化剤溶液相の少なくとも一部分を前記燃料相と非機械的に混和させるための手段であって、前記酸化剤溶液相は、前記燃料相と、前記第1混合チャンバ内で、前記乳化剤が在る中でエマルジョンを形成できるだけの力で、衝突させられる、混和させるための手段と、
前記エマルジョンを前記酸化剤溶液相の第2部分と非機械的に混和させるための手段であって、前記エマルジョンは、前記酸化剤溶液相の前記第2部分と、第2混合チャンバ内で、更に酸素の均衡が保たれたエマルジョンを形成できるだけの力とエネルギーで、衝突させられる、混和させるための手段と、
前記エマルジョンを、送出準備が整ったエマルジョン生成物を形成するために、精製し処理する手段と、
前記第1及び第2圧力源からの残留圧力を使って、前記エマルジョン生成物を所定の場所に送出するよう構成されている非機械的送出システムと、を備えているシステム。
【請求項32】
前記酸化剤溶液相の少なくとも一部分を前記燃料相と非機械的に混和させるための前記手段は、
前記酸化剤溶液相を搬送するよう構成されている第1ノズルと、
前記燃料相を搬送するよう構成されている第2ノズルと、を備えており、
前記第1及び第2ノズルは、前記酸化剤溶液相を前記燃料相に衝突させるように互いに相対する位置に方向決めされている、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記酸化剤溶液相の少なくとも一部分を前記燃料相と非機械的に混和させるための前記手段は、静止ミキサーを備えている、請求項31に記載のシステム。
【請求項34】
前記酸化剤溶液相の少なくとも一部分を前記燃料相と非機械的に混和させるための前記手段は、静止ミキサーとノズルの組み合わせを備えており、前記酸化剤溶液相と燃料相は、前記エマルジョンを形成するために前記混合チャンバ内で表面から逸らされ、而して互いに間接的に衝突する、請求項31に記載のシステム。
【請求項35】
前記エマルジョンを前記酸化剤溶液相の第2部分と非機械的に混和させるための前記手段は、
前記エマルジョンを搬送するよう構成されている第3ノズルと、
前記酸化剤溶液相の第2部分を搬送するよう構成されている第4ノズルと、を備えており、
前記第3及び第4ノズルは、前記エマルジョンを前記酸化剤溶液相の前記第2部分と前記第2混合チャンバ内で衝突させるように、互いに相対する位置に方向決めされている、請求項31に記載のシステム。
【請求項36】
前記エマルジョンを前記酸化剤溶液相の第2部分と非機械的に混和させるための前記手段は、静止ミキサーを備えている、請求項31に記載のシステム。
【請求項37】
前記エマルジョンを前記酸化剤溶液相の第2部分と非機械的に混和させるための前記手段は、静止ミキサーとノズルの組み合わせを備えている、請求項31に記載のシステム。
【請求項38】
前記精製するための手段は、前記エマルジョンを前記第2混合チャンバから受け入れるよう構成されている第5ノズルを備えており、前記第5ノズルは、前記エマルジョンを、濃密化することによって精製するよう機能する、請求項35に記載のシステム。
【請求項39】
前記精製するための手段は、前記エマルジョンを受け入れてその粘度を高めるためその中に剪断を導入するよう構成されている剪断弁の形態をした粘度調整器を備えている、請求項31に記載のシステム。
【請求項40】
前記エマルジョンを精製するための前記手段は、前記エマルジョンに注入される密度低減剤を混ぜ合わせ、中に複数の泡を形成して、前記エマルジョンの密度を低減し、送出前及び送出中に前記エマルジョンを鋭感化するよう構成されている第6ノズルを備えている、請求項31に記載のシステム。
【請求項41】
前記第1及び第2圧力源は、高圧ポンプ、圧力容器、及び重力解放システムから成るグループから選択される、請求項31に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−511404(P2009−511404A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534570(P2008−534570)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【国際出願番号】PCT/US2006/037910
【国際公開番号】WO2007/086950
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(508104352)