説明

エラー復旧機能を有するLEDメディアファサード

【課題】本発明は、外部の環境的要因による誤動作から復旧でき、ブートエラーによる誤動作から復旧できるエラー復旧機能を有するLEDメディアファサードを提供する。
【解決手段】本願の第1発明にかかるLEDメディアファサードは、コンピュータから伝送される映像データを分割して出力するメインコントローラと、前記メインコントローラから出力されるデータ信号を、外部から供給されるクロック信号に同期させて出力する複数のサブコントローラと、前記クロック信号およびデータ信号を受信する、直列接続されたLEDバーと、前記直列接続されたLEDバーのうちいずれか1つのLEDバーから出力される前記クロック信号をサンプリングし、サンプリングされた前記クロック信号のエラーを検出するエラーチェック部とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDメディアファサードに関し、より詳細には、クロック信号のエラーを復旧できるLEDメディアファサードに関する。
【背景技術】
【0002】
LEDは、光を発する半導体素子であって、赤色、緑色、青色などの多様な色で発光し、各種電子製品類や計器盤などの電子表示板などに幅広く用いられている。
【0003】
このうち、LED電光板は、多数のLEDがマトリクス状に配列され、マトリクス状に配列されたLEDそれぞれが、入力される信号に応じて各自の色を発散し、各種映像や文字などを表出する。
【0004】
しかし、最近、LED電光板を建物の景観照明に応用してメディアファサードが提案されている。メディアファサードとは、建築物の外面の最中心を指すファサードとメディアの合成語で、建物の外壁などにLED照明を設置してメディア機能を具現することをいう。都市の建築物を、視覚的な美しさだけでなく、情報を伝達する媒介物として用いることから、デジタルサイネージ(Digital Signage)の一形態であり、照明・映像・情報技術(IT)を結合した21世紀の建築における新たなトレンドとして現れているものである。
【0005】
一方、メディアファサードは、建築物の外面に具現されるため、配線ができるだけ最小化されなければならないことから、LEDバーを直列に接続する直列方式を利用する。そして、メディアファサードは、LEDバーの間隔が一定でなく、距離が遠くて、外部の影響を多く受ける。つまり、LEDバー内のドライバ素子の不良ではなく、外部のノイズや初期ブート時の障害により、LEDバーが異常な動作をする場合が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の問題を解決するためになされた本発明は、外部の環境的要因による誤動作から復旧できるエラー復旧機能を有するLEDメディアファサードを提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、ブートエラーによる誤動作から復旧できるエラー復旧機能を有するLEDメディアファサードを提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願の第1発明にかかるLEDメディアファサードは、コンピュータから伝送される映像データを分割して出力するメインコントローラと、前記メインコントローラから出力されるデータ信号を、外部から供給されるクロック信号に同期させて出力する複数のサブコントローラと、前記クロック信号およびデータ信号を受信する直列接続されたLEDバーと、前記直列接続されたLEDバーのうちいずれか1つのLEDバーから出力される前記クロック信号をサンプリングし、サンプリングされた前記クロック信号のエラーを検出するエラーチェック部とを含む。
【0009】
好ましくは、前記エラーチェック部は、前記クロック信号の立ち上がりエッジを有する立ち上がりクロックまたは立ち下がりエッジを有する立ち下がりクロックの比率が所定範囲から外れると、前記クロック信号にエラーがあると判断する。
【0010】
好ましくは、前記所定範囲は、30〜70パーセントであり得る。
【0011】
好ましくは、前記サブコントローラは、前記エラーチェック部が前記クロック信号にエラーがあると判断すると、前記LEDバー内のLEDと外部の商用電源との間に配置されたスイッチング素子を遮断することを特徴とする。
【0012】
好ましくは、前記サブコントローラは、前記エラーチェック部が前記クロック信号にエラーがあると判断すると、前記LEDバー内のLEDと外部の商用電源との間に配置されたスイッチング素子を所定回数断続することを特徴とする。
【0013】
本願の第2発明にかかるLEDメディアファサードのエラー復旧方法は、直列接続されたLEDバーを含むLEDメディアファサードのエラー復旧方法において、前記LEDメディアファサード内の複数のサブコントローラの出力ポートを初期化させる第1ステップと、外部の商用電源と前記LEDバー内のLEDとの間に配置されたスイッチング素子をターンオンさせる第2ステップと、前記直列接続されたLEDバーのうちいずれか1つのLEDバーから出力されるクロック信号の立ち上がりクロックまたは立ち下がりクロックの比率が所定範囲から外れると、前記スイッチング素子をターンオフさせる第3ステップとを含む。
【0014】
好ましくは、前記第3ステップの後、所定時間が経過すると、前記第2ステップおよび前記第3ステップを繰り返すステップと、前記繰り返しが所定回数を超えると、前記スイッチング素子をターンオンさせるステップとを含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明のエラー復旧機能を有するLEDメディアファサードによれば、外部の環境的要因による誤動作から復旧でき、ブートエラーによる誤動作から復旧できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態にかかるLEDメディアファサードの全体ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるLEDメディアファサードのエラー復旧用制御フローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態にかかるクロック信号のエラーの例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。まず、各図面の構成要素に参照符号を付加するにあたり、同一の構成要素に限っては、たとえ他の図面上に表示されても、できるだけ同一の符号で表していることに留意しなければならない。また、下記の説明では、多くの特定事項が示されているが、これは、本発明のより全般的な理解のために提供されたものであって、これらの特定事項なしにも本発明が実施可能であることは、当該技術分野における通常の知識を有する者にとっては自明である。そして、本発明を説明するにあたり、かかる公知の機能あるいは構成に対する具体的な説明が本発明の要旨をあいまいにする可能性があると判断された場合、その詳細な説明を省略する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態にかかるLEDメディアファサードの全体ブロック図であり、図2は、本発明の一実施形態にかかるLEDメディアファサードのエラー復旧用制御フローチャートであり、図3は、本発明の一実施形態にかかるクロック信号のエラーの例示図である。
【0019】
本発明の一実施形態にかかるLEDメディアファサードは、コンピュータ100と、メインコントローラ200と、サブコントローラ300と、メディアファサード電光板400と、エラーチェック部500とを含む。
【0020】
コンピュータ100は、遠隔地に配置され、有線又は無線によりデータを伝送することもでき、LEDメディアファサードと同じ建築物に配置され、有線又は無線によりデータを伝送することもできる。
【0021】
メインコントローラ200は、コンピュータ100から伝送される映像および/または音声データを分割し、並列接続された複数のサブコントローラ300に出力する。
【0022】
個別のサブコントローラ310、320、・・・は、それぞれクロック信号CLKとデータ信号DATAを直列接続されたLEDバー411、421、・・・に出力する。例えば、第1サブコントローラ310は、クロック信号CLKとデータ信号DATAをLEDバー411に出力し、第2サブコントローラ320は、クロック信号CLKとデータ信号DATAをLEDバー421に出力する。図示しないが、クロック信号発生器が個別のサブコントローラ310、320、・・・にクロック信号CLKを提供する。あるいは、クロック信号CLKを提供するクロック信号発生器が個別のサブコントローラ310、320、・・・内に具備されてもよい。
【0023】
LEDバー411は、クロック信号CLKに同期して、データ信号DATAのうち自らの番地に該当するデータ信号を内部のLEDに表出し、残りのデータ信号を隣り合うLEDバー412に伝達する。LEDバー412は、次のクロック信号CLKに同期して、入力されるデータ信号DATAのうち自らの番地に該当するデータ信号を内部のLEDに表出し、残りのデータ信号を同様の方式で隣り合うLEDバー413に伝達する。
【0024】
しかし、第1サブコントローラ310は、一番最後の番地に位置するLEDバー41Nのデータ信号を一番先に出力し、1番目の番地に位置するLEDバー411のデータ信号を最後に出力する。この方式でクロック信号に同期させてデータ信号を出力すると、N個のLEDバーに同時に1フレームのデータが表出できる。
【0025】
例えば、直列接続されたLEDバーが10個であれば、相次ぐ10個のクロック信号CLKに同期させて、10個のクロック信号CLKに1回ずつデータが表出できる。
【0026】
図示しないが、本発明の一実施形態にかかるLEDメディアファサードは、外部の商用電源を直流に変換する複数のコンバータと、外部の商用電源を断続する複数のスイッチング素子(例えば、トライアック、リレー)が配置される。そして、それぞれのLEDバーは、クロック信号CLKとデータ信号DATAを受信するドライバ素子と、データ信号DATAを表出する複数のLEDとを含む。複数のコンバータは、それぞれLEDバー内のドライバ素子に直流を供給し、複数のスイッチング素子は、外部の商用電源が複数のLEDに供給されることを断続する。
【0027】
一方、外部のノイズやブートエラーがある場合には、クロック信号CLKが異常に出力される。つまり、図3(a)のように、正常なクロック信号CLKのデューティー比(Duty Ratio=Ton/T)は15〜50%である。しかし、図3(b)ないし図3(e)のように、異常なクロック信号CLKは、パルス状信号、逆パルス状信号、ロー信号、ハイ信号などが出力される。このように出力されるクロック信号CLKの立ち上がりエッジと立ち下がりエッジを所定のクロックごとにサンプリングし、立ち上がりエッジを有する立ち上がりクロックまたは立ち下がりエッジを有する立ち下りクロックの比率(Dck=Ton/T)が30〜70%であれば、クロック信号CLKが正常に出力されると判断し、これから外れると、異常に出力されると判断する。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、直列接続されたLEDバーのうち最終のLEDバーから出力されるクロック信号を所定のクロックごとにサンプリングし、サンプリングされたクロック信号の立ち上がりエッジを有する立ち上がりクロックまたは立ち下がりエッジを有する立ち下がりクロックの比率(Dck)が所定範囲、例えば、30〜70%から外れる場合、当該直列接続されたLEDバーが誤動作すると判断する。一方、本発明の他の実施形態によれば、直列接続されたLEDバーのうちいずれか1つのLEDバーから出力されるクロック信号を所定のクロックごとにサンプリングすることにより、誤動作を判断することができる。
【0029】
以下、図2を参照して、本発明の一実施形態にかかるエラー復旧方法を説明する。
【0030】
本発明の一実施形態により、電源をオンにすると(S210)、複数のサブコントローラの出力ポートを初期化させ(S220)、サブコントローラは、スイッチング素子をターンオンさせ、外部の商用電源をLEDバー内のLEDに供給する(S230)。エラーチェック部500は、最終のLEDバーから出力されるクロック信号CLKを所定のクロックごとにサンプリングし、クロック信号CLKの立ち上がりエッジを有する立ち上がりクロックまたは立ち下がりエッジを有する立ち下がりクロックの比率が所定範囲から外れると、サブコントローラは、スイッチング素子をターンオフさせ(S260)、所定時間が経過すると(S270)、ステップS230ないしステップS270を繰り返す。ステップS230ないしステップS270の繰り返しが所定回数を超えると(S290)、サブコントローラは、スイッチング素子をターンオンさせ(S300)て終了する。
【0031】
本発明の他の実施形態によれば、サブコントローラの代わりにメインコントローラがスイッチング素子を断続することができる。
【0032】
このように、本発明の詳細な説明では、具体的な実施形態に関して説明したが、本発明の範疇を逸脱しない限度内で様々な変形が可能であることはもちろんである。そのため、本発明の範囲は、説明された実施形態に限って定められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等なものによって定められなければならない。
【符号の説明】
【0033】
100 コンピュータ
200 メインコントローラ
300 サブコントローラ
400 メディアファサード電光板
500 エラーチェック部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータから伝送される映像データを分割して出力するメインコントローラと、
前記メインコントローラから出力されるデータ信号を、外部から供給されるクロック信号に同期させて出力する複数のサブコントローラと、
前記クロック信号およびデータ信号を受信する、直列接続されたLEDバーと、
前記直列接続されたLEDバーのうちいずれか1つのLEDバーから出力される前記クロック信号をサンプリングし、サンプリングされた前記クロック信号のエラーを検出するエラーチェック部と、を含む
ことを特徴とするLEDメディアファサード。
【請求項2】
前記エラーチェック部は、前記クロック信号の立ち上がりエッジを有する立ち上がりクロックから立ち下がりエッジを有する立ち下がりクロックまでの周期に対する比率が所定範囲から外れると、前記クロック信号にエラーがあると判断することを特徴とする請求項1記載のLEDメディアファサード。
【請求項3】
前記所定範囲は、30〜70パーセントであることを特徴とする請求項2記載のLEDメディアファサード。
【請求項4】
前記サブコントローラは、前記エラーチェック部が前記クロック信号にエラーがあると判断すると、前記LEDバー内のLEDと外部の商用電源との間に配置されたスイッチング素子を遮断することを特徴とする請求項2記載のLEDメディアファサード。
【請求項5】
前記サブコントローラは、前記エラーチェック部が前記クロック信号にエラーがあると判断すると、前記LEDバー内のLEDと外部の商用電源との間に配置されたスイッチング素子を所定回数断続することを特徴とする請求項2記載のLEDメディアファサード。
【請求項6】
直列接続されたLEDバーを含むLEDメディアファサードのエラー復旧方法において、
前記LEDメディアファサード内の複数のサブコントローラの出力ポートを初期化させる第1ステップと、
外部の商用電源と前記LEDバー内のLEDとの間に配置されたスイッチング素子をターンオンさせる第2ステップと、
前記直列接続されたLEDバーのうちいずれか1つのLEDバーから出力されるクロック信号の立ち上がりエッジを有する立ち上がりクロックまたは立ち下がりエッジを有する立ち下がりクロックの比率が所定範囲から外れると、前記スイッチング素子をターンオフさせる第3ステップと、を含む
ことを特徴とするLEDメディアファサードのエラー復旧方法。
【請求項7】
前記第3ステップの後、所定時間が経過すると、前記第2ステップおよび前記第3ステップを繰り返すステップと、
前記繰り返しが所定回数を超えると、前記スイッチング素子をターンオンさせるステップと、をさらに含む
ことを特徴とする請求項6記載のLEDメディアファサードのエラー復旧方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−88820(P2013−88820A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−230619(P2012−230619)
【出願日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【出願人】(512269568)大韓電光株式会社 (1)
【出願人】(511193433)ポスコ アイシーティ カンパニー リミテッド (4)
【Fターム(参考)】