説明

エレクトロスプレーによる細胞内導入物質の細胞内導入方法およびそのための装置

【課題】細胞内導入物質を高い導入率でしかも迅速かつ簡便に細胞内に導入できるエレクトロスプレー方法およびそのためのエレクトロスプレー装置を提供する。
【解決手段】高電気伝導度、例えば25mS/cm〜200mS/cmと高い電気伝導度を有する電解質溶液をエレクトロスプレー液として用いることにより、細胞内導入物質の細胞内導入率を飛躍的に向上させることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導入率に優れたエレクトロスプレーによる細胞内導入物質の細胞内導入方法およびそのための装置に関するもので、特に、細胞と細胞内導入物質を接触させた後、細胞内導入物質を含まないスプレー液を細胞にエレクトロスプレーすることによって、細胞内に物質を導入する際に使用する、導入率に優れたスプレー液組成およびそのための装置に関する。DNA、RNAおよびタンパク質等を無傷な形で効率よく細胞内に導入できる方法およびそのための装置は、医療、農業等に関連した研究、応用分野で大変有用な技術的手段となる。
【背景技術】
【0002】
通常、エレクトロスプレー法は、スプレー用のノズルに高電圧を印加することでノズル先端に電荷を集め、その電荷が集まったノズル先端部分に液体を通すことにより、スプレー液を高圧に帯電した微細な液滴となし、対向電極に向かって高速でスプレーする方法である。
このエレクトロスプレー法を利用した遺伝子等の物質導入法の一つとして、パーティクルガン法がある。この方法は、キャピラリーの先端を通過させる際に、パーティクルを含む懸濁液に高電圧を印加し、細胞にスプレーする方法である(例えば、特許文献1参照)。また、細胞と遺伝子等の細胞内導入物質を接触させた後、細胞内導入物質を含まない液体を細胞と細胞内導入物質に向けてエレクトロスプレーすることにより、多種類の細胞内導入物質を、順次、連続的かつ簡便に細胞内に導入する方法および装置も開発されている(例えば、特許文献2、3参照)。
【0003】
このように、エレクトロスプレーを利用した物質の細胞内導入方法は、スプレー液に高電圧を印加しスプレーするという物理的手段で遺伝子等を細胞内に導入できるという簡便性において大変優れた特徴を有するが、反面、細胞内への導入率の面で必ずしも充分ではなく、改善の余地を残すという問題があった。
【0004】
エレクトロスプレーは微細噴霧する特徴のため、質量分析でのイオン化や微粒子作製に使用されることが多く、通常、使用される液体は微細化させるために表面張力を下げ帯電しやすいよう伝導度の低い溶液の使用が推奨されてきた。例えば、電気伝導度に関して、1mS/cm以上である場合、スプレーされないという報告(例えば、非特許文献1参照)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6093557号明細書
【特許文献2】国際公開第2007/132891パンフレット
【特許文献3】特開2008−220298号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】静電気学会編「静電気ハンドブック」p739,オーム社2006年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、DNA、RNAおよびタンパク質のような細胞内導入物質を高い導入率でしかも迅速かつ簡便に細胞内に導入できるエレクトロスプレー方法およびエレクトロスプレー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、高い導入率で細胞内導入物質を細胞内に導入できるエレクトロスプレー法について鋭意検討を検討し、従来エレクトロスプレーに不適とされて来た高い電気伝導度を有する溶液がエレクトロスプレー液として有効であり、これに依って細胞内導入率が飛躍的に向上することを見出し、以下の(1)〜(5)に示す本発明を完成させるに至った。
(1)エレクトロスプレーを用いて細胞内導入物質を細胞内に導入するに際して、エレクトロスプレー液として、電気伝導度が25mS/cmから200mS/cmの電解質溶液を用いることを特徴とする、エレクトロスプレーによる細胞内導入物質の細胞内導入方法。
(2)細胞と細胞内導入物質を接触させた後、エレクトロスプレー液として、細胞内導入物質を含まない、電気伝導度が25mS/cmから200mS/cmの電解質溶液を用いる、(1)に記載のエレクトロスプレーによる細胞内導入物質の細胞内導入方法。
(3)エレクトロスプレー液として用いる電解質溶液中の電解質が、アルカリ金属から選ばれる一種以上のカチオンと、鉱酸および有機酸から選ばれる一種以上のアニオンからなる、(1)または(2)に記載のエレクトロスプレーによる細胞内導入物質の細胞内導入方法。
(4)細胞内導入物質がDNA、RNAおよびタンパク質から選ばれる一種以上の物質である、(1)記載の細胞内導入物質の細胞内導入方法。
(5)(1)から(4)の何れか一項に記載の細胞内導入物質の細胞内導入方法を用いるための、エレクトロスプレー装置。
【発明の効果】
【0009】
このような高い電気電導度を有するエレクトロスプレー液を用いる方法およびそのための装置を使用することによって、細胞内導入物質を細胞内に高い導入率で導入することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】エレクトロスプレー装置の図面である。
【図2】実施例で用いたエレクトロスプレー装置の図面である。
【図3】蛍光顕微鏡写真である(NIKON製顕微鏡 TE−2000Sを使用し、光源を高圧水銀ランプに蛍光フィルターNIKON製GFPブロックを使用して対物レンズ10倍で撮影した蛍光蛋白を発現している細胞の写真)。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明は、エレクトロスプレーを行う際、高率に細胞内導入物質、例えば遺伝子を細胞内に導入するためのエレクトロスプレー方法および装置に関する。
本発明における細胞内導入物質としては、DNAやRNAまたはそれらの類似化合物や誘導体等の核酸塩基類が挙げられる。これらはプラスミド、ファージ、ウイルス、ウイロイド、オリゴDNA、オリゴRNA、またはマイクロRNA等の形態で提供される。核酸塩基の配列の大きさは特に断りがない。核酸塩基は二本鎖、一本鎖どちらでも構わない。また、主鎖の異なる核酸類似物や人工塩基をつけた核酸でも構わない。また、遺伝子以外の、酵素、アミロイド、プリオンといったタンパク質やペプチドを細胞内に導入する際にも使用できる。なお、糖、脂質、農薬、抗菌剤、金属イオン、蛍光標識試薬、または同位体標識試薬等の比較的低分子の物質を細胞内に導入する際にも当然ながら使用できる。
【0012】
本発明の対象となる細胞、組織、生体は動物、植物、微生物等特に制限はない。なお、そのうち特に有効に使用できるのは動物細胞で、付着性細胞、浮遊性細胞ともに使用することが可能である。
【0013】
本発明のスプレー液は、細胞と細胞内導入物質を接触させた後、細胞内導入物質を含まない溶液をエレクトロスプレーすることによって、細胞内導入物質を細胞内に導入する際に非常に有効である。なお、細胞内導入物質を含むスプレー液を細胞にエレクトロスプレーする場合にも当然ながら有効である。
【0014】
本発明ではエレクトロスプレーする装置の構造については特に断りがない。模式的な構造を示す(図1)。スプレー液1が、高圧電源2により高電圧に印加された高電圧印加部3で高電圧になり、次いで、絶縁性チューブ4の先端から、細胞と細胞内導入物質が入った容器5に対してエレクトロスプレーされる構造である。絶縁性チューブ4の先端から容器5は電荷が貯まらないようにグランド電位になるように接続されている。なお、スプレー液1がチューブ4内部を満たし高電圧になってもチューブ先端部分が絶縁体となっているため、チューブ4が導電性材料のみからなる場合より対象の細胞等に対する放電量は減少する。また、絶縁体からなるチューブ先端部分の穴の内径は1μm〜10mm、スプレー用チューブの導電性材料からなる部分との距離は5mm〜500mmで、最短でも5mm以上隔てられた構造となっている。
【0015】
印加する電圧は細胞との距離、チューブの大きさ、エレクトロスプレーする液体の流量や性状等から最適値を求めて決めれば良く、チューブ先端の液体と細胞との電位差で0.1kV〜100kVが好ましく、1kV〜20kVの範囲がより好ましい。チューブに印加する電圧の極性は正負どちらでも良い。また、スプレーする際には、チューブノズルを手動または自動で、細胞が存在する場所に均一に散布されるように駆動させることが望ましい。
【0016】
このような装置を使用してエレクトロスプレーする際に有効な、高い導入率が得られるスプレー液の伝導度は、25mS/cm〜200mS/cmであり、より好ましくは40mS/cm〜150mS/cmである。伝導度が200mS/cmを上回る場合にはスプレー液の帯電量が著しく減少し、液滴化が阻まれるため安定的にエレクトロスプレーされなくなる。さらに、チューブ先端部分に絶縁性のノズルを使用してノズル自身からの放電を抑えても、内部の液体が導電性電極として働くために放電電流が増え、絶縁破壊による放電によって、細胞に対するダメージや細胞内導入物質に対する変性作用が起こりやすくなる。また、伝導度が極度に高い場合、スプレー液中の電解質濃度も高くなるため、それによる細胞障害の危険性も増す。一方、伝導度が25mS/cmを下回る場合は、細胞への物質導入率が現象として小さくなる。
【0017】
スプレー液中の電解質は、細胞に対して使用することから毒性を示さないものを用いることが望ましい。本発明で使用するカチオンとしては、アルカリ金属から選ばれる一種以上のカチオン、例えばナトリウムイオンやカリウムイオンが、アニオンとしては、鉱酸および有機酸から選ばれる一種以上のアニオン、例えば塩素イオン、臭素イオン、リン酸イオン等の鉱酸イオンや酢酸イオン、アスコルビン酸イオン等の有機酸イオンが挙げられる。これら電解質を含むスプレー液は、例えば、蒸留水に食塩、リン酸のナトリウム塩類、リン酸のカリウム塩類、臭化ナトリウム、臭化カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム等を加え溶解させることによって調製できる。
【0018】
使用するスプレー液のpHに関しては特に制限はないが、細胞に対する阻害作用が軽微と考えられるpH4〜pH11が好ましく、pH5〜pH9がより好ましい。
【0019】
次に、遺伝子を用いた場合の細胞内導入方法について操作手順に従って説明する。細胞は培地を除き、細胞を露出する。そこに細胞内導入遺伝子を含んだ水溶液を入れ細胞と接触させる。次いで、エレクトロスプレー装置を使用して、スプレー液が細胞全体に当たるようにチューブを動かす。これで細胞内導入遺伝子の細胞内への導入作業が終了する。終了後、培地を加え遺伝子導入処理を行った細胞の培養を行う。
【0020】
本発明の伝導度の高いスプレー液を用いてエレクトロスプレーする方法を用いた場合、伝導度の低い例えば純水をスプレー液として用いた場合と比較すると、細胞内への遺伝子導入率は同じ電圧で50倍以上にもおよぶ。また、本発明では伝導度を上げるのに食塩のような安全な物質を使用し、かつ遺伝子等の細胞内導入物質を含まないスプレー液を用いることができることから、導入する遺伝子等を含んだエアロゾルが形成され難く、実験者がミストに曝される危険性は著しく減少する。このように、本発明のエレクトロスプレー方法および装置を用いることにより、細胞内導入物質を、安全かつ迅速に、高い導入率で細胞内に導入することが可能となる。
【0021】
本発明の高い伝導度のエレクトロスプレー液を使用する手段が、細胞に対して有効である理由について以下のように予想している。エレクトロスプレーにおいてノズルの先端に高電界がかかることで液滴が帯電するが、伝導度の高い溶液を使用すると電荷が逃げやすくなり帯電しにくくなる。エレクトロスプレーでは表面張力と電荷の反発で液滴の大きさが決定するが、伝導度の高い溶液では液滴サイズが大きくなる。大きな液滴は小さな液滴に比べ、質量に比例した大きな運動エネルギーを有するので、飛翔中の空気抵抗に負けることなく高速度を維持しながら、細胞に大きな運動量で衝突することができる。その衝撃で細胞膜に大きな亀裂が生じ、細胞内に細胞内導入物質が高率で取り込まれるものと考えられる。実際、本発明の場合、細胞より大きな0.2から2mm程度の大きさの液滴が生じている。このことはパーティクルガンのような細胞径より小さな粒子が細胞を貫通して穴を開ける機構とは異なる機序で、遺伝子等の高分子量の物質を細胞内に高率に取り込ませることができることを示している。
【実施例】
【0022】
以下、実施例および比較例を以て本発明の内容をさらに詳しく示すが、これらの例のみに本発明は限定されない。
実施例1
1)実験装置
実験に使用したエレクトロスプレー装置の構造を示す(図2)。
スプレー液1はシリンジポンプ7によりスプレー用のノズル上部にある金属製部3を通過する。この金属は高圧電源2につながっていてスプレー液に高電圧を印加する。さらに、この金属製チューブはポリエーテルエーテルケトン製外径1/16インチ、内径0.25mmからなるスプレー用のノズル4につながり供給される。二次元的にスプレー用ノズルを可動できるロボット9に高電圧を印加したノズルを付けた。シャーレ5の乗るステージ6はステンレス製でグランド電位になっている。シャーレ5内部には細胞と細胞内導入物質があり、テフロン(登録商標)コートされた幅5mmのステンレスリボンで電気的にステージ6とつながりグランド電位になるようにした。ノズルは上下と横方向に移動することができる。ステージは金属製で縦方向に可動することができる。ノズルの先端から約2cmの位置に高電圧印加部がある。高電圧電源は最大電流100μAに制限して使用した。スプレー装置はヘパフィルタを通過したクリーンエアの環境下10で使用した。
2)実験条件
付着性細胞であるチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO細胞)の場合
使用培地はα-MEM+10%牛胎児血清を使用した。CHO細胞を100×104cell/mL濃度で100μLを3.5cmポリ-L-リジンコートされたポリスチレンシャーレ(イワキ社製)に培地2mLと共に加えた。2日後、培地を抜き、緑色蛍光蛋白質の遺伝子をコードした4.7kbpの大きさのプラスミドDNA(10μg)を水100μLに溶かしたものを加えた。5分後、40mmの直線を6mm間隔で8本スキャンするようにノズルを5mm/secで移動させながら6ml/hrの流量でエレクトロスプレーを行った。エレクトロスプレー後、すぐに培地を加え、培養した。1日後、NIKON製顕微鏡TE−2000Sを使用し、光源を高圧水銀ランプに蛍光フィルターNIKON製GFPブロックを使用して対物レンズ10倍で撮影し、蛍光蛋白を発現している細胞の数と全細胞数を計測した。エレクトロスプレー液の組成はKH2PO4 0.63g/L, NaCl 27g/L,NaH2PO4・7H2O 2.385g/Lで伝導度47mS/cmであった。印加電圧は-12kVで行った。その結果、遺伝子導入率は62%であった。
蛍光顕微鏡写真を示す(図3)。
【0023】
実施例2
エレクトロスプレー液の組成をKH2PO4 1.05g/L, NaCl 45g/L, NaH2PO4・7H2O 3.63g/Lで伝導度74mS/cmとした以外は実施例1と同様にして行った。その結果、遺伝子導入率は72%であった。
【0024】
実施例3
印加電圧-11kVとした以外は実施例2と同様にして行った。その結果、遺伝子導入率は54%であった。
【0025】
実施例4
エレクトロスプレー液の組成をKH2PO4 2.10g/L, NaCl 90g/L, NaH2PO4・7H2O 7.26g/Lで伝導度132mS/cmとした以外は実施例3と同様にして行った。その結果、遺伝子導入率は64%であった。
【0026】
実施例5
浮遊性細胞である人リンパ球細胞(Jurkat細胞)の場合
培地はRPMI1640に牛胎児血清10%加えたものを使用した。Jurkat細胞70×104cell/mL液100μLを3.5cmポリエチレンイミンコートされたポリスチレンシャーレ(イワキ社製)に培地2mLと共に加えた。3日後、310x104cell/dishになる。ゆっくりと培地を抜き、緑色蛍光タンパク質の遺伝子をコードした4.7kbpの大きさのプラスミドDNA(10μg)を水100μLに溶かしたものを加えた。5分後、実施例2で使用したスプレー液と同じ組成を使用して印加電圧-12kVで同様の操作を行った。その後、培地を加え、1日培養した。培養後、培地をリン酸バッファーに入れ替え、蛍光顕微鏡観察を行った。遺伝子導入率は45%であった。
【0027】
比較例1
エレクトロスプレー液として純水を使用した。伝導度は1μS/cm以下であった。この溶液を使用し、かつ印加電圧-11kVとした以外は実施例1と同様にして行った。その結果、遺伝子導入率は1%であった。
【0028】
比較例2
エレクトロスプレー液として純水を使用した。伝導度は1μS/cm以下であった。この溶液を使用した以外は、印加電圧-12kVとしたことを含め実施例1と同様にして行った。その結果、遺伝子導入率は1%であった。
【0029】
比較例3
Jurkat細胞を使用し、実施例5と同様の操作を行った。ただし、スプレー液はKH2PO4 0.21g/L, NaCl 9g/L, NaH2PO4・7H2O 0.726g/Lの組成で伝導度16mS/cmを使用した。
その結果、遺伝子導入された細胞は痕跡量であった。
【符号の説明】
【0030】
1はスプレー液を示す。
2は高圧電源を示す。
3は高電圧印加部を示す。
4は絶縁材料製チューブを示す。
5はシャーレを示す。
6はステージを示す。
7はシリンジポンプを示す。
8はステンレスリボンを示す。
9はロボットを示す。
10はクリーンな環境を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレクトロスプレーを用いて細胞内導入物質を細胞内に導入するに際して、エレクトロスプレー液として、電気伝導度が25mS/cmから200mS/cmの電解質溶液を用いることを特徴とする、エレクトロスプレーによる細胞内導入物質の細胞内導入方法。
【請求項2】
細胞と細胞内導入物質を接触させた後、エレクトロスプレー液として、細胞内導入物質を含まない、電気伝導度が25mS/cmから200mS/cmの電解質溶液を用いる、請求項1に記載のエレクトロスプレーによる細胞内導入物質の細胞内導入方法。
【請求項3】
エレクトロスプレー液として用いる電解質溶液中の電解質が、アルカリ金属から選ばれる一種以上のカチオンと、鉱酸および有機酸から選ばれる一種以上のアニオンからなる、請求項1または2に記載のエレクトロスプレーによる細胞内導入物質の細胞内導入方法。
【請求項4】
細胞内導入物質がDNA、RNAおよびタンパク質から選ばれる一種以上の物質である、請求項1記載の細胞内導入物質の細胞内導入方法。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項に記載の細胞内導入物質の細胞内導入方法を用いるための、エレクトロスプレー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−172284(P2010−172284A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−19590(P2009−19590)
【出願日】平成21年1月30日(2009.1.30)
【出願人】(000004466)三菱瓦斯化学株式会社 (1,281)
【Fターム(参考)】