説明

エレベータシステムおよびエレベータシステムの調整方法

【課題】乗りかご設置時の位置調整作業を効率的に行うことができるエレベータシステムを提供する。
【解決手段】エレベータシステム10は、昇降路11に沿って上下方向に延びる一対のガイドレール12と、ガイドレール12に沿って上下方向に移動する乗りかご20と、を備えている。乗りかご20は、乗りかご20に固定され、上下方向に延びる一対の立枠21によって支持されている。また、ガイドレール12上を摺動する案内装置が立枠21に連結されている。立枠21にはさらに、ガイドレール12と立枠21との間の距離を測定する測距装置40が取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗りかごを支持ずる立枠に連結され、ガイドレール上を摺動する案内装置を備えたエレベータシステムに関する。また本発明は、エレベータシステムの調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
乗りかごが高速で昇降可能な高速エレベータシステムにおいては、一般に、乗りかごの静粛性および乗り心地を確保するため、ガイドレールに沿って摺動する案内装置が立枠に連結されている。案内装置としては、例えばローラーガイドを含むローラー式の案内装置が知られている。
【0003】
ローラー式の案内装置として、ローラーガイドがバネなどの弾性体によって付勢された弾性ローラーガイドが知られている。このような弾性ローラーガイドによれば、バネによって衝撃を吸収することができ、このため、乗りかごの走行時の振動を効率良く吸収することができる。一方、バネの弾性変形により弾性ローラーガイドの位置が変化し得るため、乗りかごや弾性ローラーガイドの設置位置が不適切であると、乗りかごの姿勢が傾いてしまうことになる。このため、弾性ローラーガイドが用いられる場合、設置時の精密な位置調整が重要となる。
【0004】
ところで、上下方向における乗りかごの移動に伴う乗りかご側と釣合重り側での重さのアンバランスを補償するため、乗りかごの底面には一般にコンペンロープやコンペンチェーンなどの補償部材が取り付けられている。この場合、乗りかごが上層階にある場合と乗りかごが下層階にある場合とでは、補償部材に起因する乗りかごのアンバランスが生じることがある。例えば、乗りかごが上層階にある場合の補償部材に起因する乗りかごの傾きと、乗りかごが下層階にある場合の補償部材に起因する乗りかごの傾きと、が異なることが考えられる。このように、乗りかごの上下方向の位置によって乗りかごの傾き状態が変化することがあるため、一般に乗りかご設置時の位置調整は、平均をとるべく、乗りかごが中層階にある場合の乗りかごの傾きを無くすよう実施される。
【0005】
乗りかご設置時の位置調整においては、はじめに、乗りかごを下層階へ移動させ、次に、弾性ローラーガイドのバネが伸縮しないようロックする。その後、乗りかごを中層階へ移動させ、次に、ガイドレールと乗りかごの立枠との間の距離を測定する。その後、距離の測定結果に基づいて、乗りかごの傾きを算出する。次に、乗りかごの傾きを無くすよう、乗りかごにバランスウェイトなどを搭載する。
【0006】
先行技術として、エレベータシステムのプランジャの傾きを測定する方法として、特許文献1において、プランジャに対して相対的に昇降する乗りかごを利用して、プランジャの傾きを測定する方法が開示されている。特許文献1に記載の方法によれば、乗りかごにレーザ発生源を固定した状態で乗りかごを昇降させる。このとき、レーザ発生源からのレーザ光をプランジャに照射する。これによって、レーザ発生源とプランジャとの間の距離を測定し、このことにより、プランジャの傾きに関する情報が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−167336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来、ガイドレールと立枠との間の距離を自動的に測定可能な装置は存在しておらず、このため、ガイドレールと乗りかごの立枠との間の距離を手動で測定する必要があった。この場合、乗りかごの上面などに作業者が乗りながら測定を実施すると作業者の自重により乗りかごが傾くため、作業者は、昇降路内に足場を設置し、この足場からガイドレールと乗りかごの立枠との間の距離を測定することになる。このため、作業に多大な時間を要し、作業が不効率になっていた。
【0009】
本発明は、このような課題を効果的に解決し得るエレベータシステムおよびエレベータシステムの調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、昇降路に沿って上下方向に延びる一対のガイドレールと、前記ガイドレールに沿って上下方向に移動する乗りかごと、前記乗りかごを支持するよう前記乗りかごに固定され、上下方向に延びる一対の立枠と、前記立枠に連結され、前記ガイドレール上を摺動する案内装置と、前記立枠に取り付けられ、前記ガイドレールと前記立枠との間の距離を測定する測距装置と、を備えたことを特徴とするエレベータシステムである。
【0011】
本発明によるエレベータシステムにおいて、各立枠は、互いに対向するよう設けられた一側側面部および他側側面部を有し、前記ガイドレールは、各立枠の前記一側側面部と前記他側側面部との間に至るよう前記乗りかごに向かって突出した突出部を有し、前記測距装置は、各立枠の前記一側側面部に設けられ、前記一側側面部と前記突出部との間の一側距離を測定する第1センサを有していてもよい。
【0012】
本発明によるエレベータシステムにおいて、前記測距装置は、各立枠の前記他側側面部に設けられ、前記他側側面部と前記突出部との間の他側距離を測定する第2センサをさらに有していてもよい。
【0013】
本発明によるエレベータシステムにおいて、前記ガイドレールの突出部のうち前記立枠の前記一側側面部と前記他側側面部との間に至る部分に孔が形成されており、前記第1センサは、前記立枠の前記突出部の前記孔を介して、前記立枠の前記一側側面部と前記他側側面部との間の全体距離をさらに測定してもよい。
【0014】
本発明によるエレベータシステムにおいて、前記案内装置は、前記乗りかごの上部において前記立枠に連結され、前記ガイドレールに対して前記乗りかごを弾性的に支持する上部弾性ローラーガイドと、前記乗りかごの下部において前記立枠に連結され、前記ガイドレールに対して前記乗りかごを非弾性的に支持する下部非弾性ローラーガイドと、を有していてもよい。この場合、前記測距装置は、少なくとも前記上部弾性ローラーガイドの近傍において前記ガイドレールと前記立枠との間の距離を測定するよう前記立枠に取り付けられた上側測距部を少なくとも含んでいる。
【0015】
本発明によるエレベータシステムにおいて、前記案内装置は、前記乗りかごの上部において前記立枠に連結され、前記ガイドレールに対して前記乗りかごを弾性的に支持する上部弾性ローラーガイドと、前記乗りかごの下部において前記立枠に連結され、前記ガイドレールに対して前記乗りかごを弾性的に支持する下部弾性ローラーガイドと、を有していてもよい。この場合、前記測距装置は、前記上部弾性ローラーガイドの近傍において前記ガイドレールと前記立枠との間の距離を測定するよう前記立枠に取り付けられた上側測距部と、前記下部弾性ローラーガイドの近傍において前記ガイドレールと前記立枠との間の距離を測定するよう前記立枠に取り付けられた下側測距部と、を含んでいてもよい。
【0016】
本発明によるエレベータシステムは、前記測距装置および前記乗りかごの移動を制御する制御装置をさらに備えていてもよい。
【0017】
本発明によるエレベータシステムは、前記測距装置により測定された距離に基づいて、前記ガイドレールに対する前記立枠の傾きの程度を算出する算出装置と、前記ガイドレールに対する前記立枠の傾きを補償するよう前記乗りかごに搭載されたバランスウェイトと、前記算出装置により算出された前記ガイドレールに対する前記立枠の傾きの程度に基づいて、前記バランスウェイトの搭載量を算出する調整装置と、をさらに備えていてもよい。
【0018】
本発明は、ガイドレールと乗りかごの立枠との間の距離を測定する第1測定工程と、前記第1測定工程により測定された前記距離に基づいて、前記ガイドレールに対する前記立枠の傾きの程度を算出する傾き算出工程と、前記ガイドレールに対する前記立枠の傾きを補償するよう前記乗りかごにバランスウェイトを搭載する搭載工程と、を備えたことを特徴とするエレベータシステムの調整方法である。
【0019】
本発明によるエレベータシステムの調整方法は、前記乗りかごに搭載されるバランスウェイトの搭載量を算出する調整工程をさらに備えていてもよい。
【0020】
本発明によるエレベータシステムの調整方法において、前記第1測定工程は、前記乗りかごが昇降路の中層階に位置する際に実施され、前記搭載工程は、前記乗りかごが昇降路の下層階に位置する際に実施されてもよい。この場合、エレベータ調整方法は、前記搭載工程が実施されている間に前記ガイドレールと前記立枠との間の距離を測定する第2測定工程をさらに備えていてもよい。
【0021】
本発明によるエレベータシステムの調整方法は、前記第2測定工程により測定される距離が所定の値に達したことを報知する報知工程をさらに備えていてもよい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ガイドレールと立枠との間の距離を測定する測距装置が立枠に取り付けられている。このため、ガイドレールと立枠との間の距離を測定し、測定結果に基づいて立枠の傾きを算出するという作業を容易に実施することができる。このことにより、乗りかご設置時の位置調整作業を効率的に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態におけるエレベータシステムを示す斜視図。
【図2】図2は、図1に示すエレベータシステムの上部弾性ローラーガイドを示す斜視図。
【図3】図3は、図1において二点鎖線IIIで囲まれる部分を拡大して示す斜視図。
【図4】図4(a)は、上側測距部の第1センサにより測定される一側距離Aを示す横断面図、図4(b)は、上側測距部の第1センサにより測定される全体距離Cを示す横断面図。
【図5】図5は、エレベータシステムの制御装置に接続された各構成要素を示すブロック図。
【図6A】図6A(a)(b)は、中層階においてガイドレールと立枠との間の距離を測定する第1測定工程を示す図。
【図6B】図6B(a)(b)は、下層階においてガイドレールと立枠との間の距離を測定する第2測定工程を示す図。
【図6C】図6C(a)(b)は、乗りかごにバランスウェイトを搭載する搭載工程を示す図。
【図7】図7は、本発明の第2の実施の形態において、上側測距部の第1センサにより測定される一側距離Aと、第2センサにより測定される他側距離Bと、を示す横断面図。
【図8】図8は、本発明の第3の実施の形態におけるエレベータシステムを示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
第1の実施の形態
以下、図1乃至図5を参照して、本発明の第1の実施の形態について説明する。まず図1により、本実施の形態におけるエレベータシステム10全体について説明する。
【0025】
エレベータシステム
図1は、エレベータシステム10を示す斜視図である。図1に示すように、エレベータシステム10は、昇降路11に沿って上下方向に延びる一対のガイドレール12と、ガイドレール12に沿って上下方向に移動する乗りかご20と、乗りかご20を支持するよう乗りかご20に固定され、上下方向に延びる一対の立枠21と、を備えている。このうち乗りかご20は、かご床25と、かご床25上に設置されたかご室22と、を有している。かご室22には、開閉自在なドア22aが設けられている。また立枠21の上端部には、水平方向に延び、乗りかご20の上方に配置された上梁23が固定されており、また立枠21の下端部には、水平方向に延び、乗りかご20の下方に配置された下梁24が固定されている。この下梁24の下面には、図1に示すようにセフティ26が取り付けられている。このセフティ26は、乗りかご20の異常動作の際にガイドレール12を例えば一対の楔状部材で挟持し、これによって制動力を発生させるためのものである。
【0026】
また立枠21には、ガイドレール12上を摺動する案内装置が連結されている。案内装置は、図1に示すように、上梁23を介して各立枠21に連結された上部弾性ローラーガイド31と、下梁24およびセフティ26を介して各21に連結された下部非弾性ローラーガイド38と、からなっている。また図1に示すように、立枠21のうち上部弾性ローラーガイド31の近傍の部分には、ガイドレール12と立枠21との間の距離を測定するよう構成された上側測距部41からなる測距装置が取り付けられている。この測距装置の動作や、乗りかご20の移動などは、後述する制御装置により制御される。
【0027】
案内装置
次に案内装置について詳細に説明する。はじめに図2を参照して、案内装置の上部弾性ローラーガイド31について詳細に説明する。
【0028】
(上部弾性ローラーガイド)
図2に示すように、上部弾性ローラーガイド31は、ガイドレール12の突出部12aに当接しながら回転する複数のローラー32と、ローラー32を回転可能に支持するレバー36と、レバー36が連結されるローラーガイドベース33と、を含んでいる。ここで図2に示すように、レバー36はバネ37を介してローラーガイドベース33に連結されている。このため、ガイドレール12上の段差などに起因してローラー32が振動する場合、レバー36が支点ピン35を軸として変位することができ、これによって、振動のエネルギーをバネ37により吸収することができる。このよう上部弾性ローラーガイド31を用いることにより、乗りかご20の走行の際の振動を効率良く吸収することができる。なお図2に示すように、レバー36を状況に応じて固定するためのストッパーボルト34が上部弾性ローラーガイド31に設けられていてもよい。
【0029】
(下部非弾性ローラーガイド)
下部非弾性ローラーガイド38は、レバーを変位可能とするためのバネが設けられていない点が異なるのみであり、その他の点は、図2に示す上部弾性ローラーガイド31と略同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0030】
測距装置
次に図3および図4(a)(b)を参照して、測距装置の上側測距部41について詳細に説明する。図3は、図1において二点鎖線IIIで囲まれる部分を拡大して示す斜視図である。図3に示すように、立枠21には上述の上側測距部41が取り付けられている。また図3に示すように、ガイドレール12は、乗りかご20に向かって突出した突出部12aを有している。この突出部12aには、図3に示すように複数の孔12bが形成されている。ここで図4(a)は、このような孔12bと上側測距部41とが水平方向において重なっていない場合を示す横断面図であり、図4(b)は、孔12bと上側測距部41とが水平方向において重なっている場合を示す横断面図である。
【0031】
図4(a)に示すように、各立枠21は、互いに対向するよう設けられた一側側面部21aおよび他側側面部21bを有している。また、ガイドレール12の上述の突出部12aは、各立枠21の一側側面部21aと他側側面部21bとの間に至るよう突出している。ここで上側測距部41は、図4(a)に示すように、立枠21の一側側面部21aに設けられ、一側側面部21aと突出部12aとの間の一側距離Aを測定するよう構成された第1センサ42からなっている。
【0032】
第1センサ42の具体的な構成が特に限られることはなく、被測定物との間の距離を測定することができる様々なタイプのセンサが適宜採用される。例えば、ドップラー効果を利用するタイプの超音波センサや、赤外線などの光を用いるタイプの光センサなどが用いられ得る。
【0033】
次に図4(b)に示すように、ガイドレール12の突出部12bのうち立枠21の一側側面部21aと他側側面部21bとの間に至る部分に形成された孔12bが、水平方向において第1センサ42に重なっている場合について考える。この場合、一側側面部21aに設けられた第1センサ42からの超音波や光などは、突出部12aの孔12bを介して他側側面部21bに至ることができる。このため、第1センサ42と孔12bとが図4(b)に示す位置関係にある場合、第1センサ42は、立枠21の一側側面部21aと他側側面部21bとの間の全体距離Cをさらに測定することができる。後述するように、測定された一側距離Aおよび全体距離Cに基づいて、突出部12aと他側側面部21bとの間の他側距離Bを算出することも可能である。
【0034】
制御装置
次に、エレベータシステム10に設けられている制御装置50、および、制御装置50に接続された各構成要素について説明する。図5は、制御装置50に接続された各構成要素を示すブロック図である。
【0035】
図5に示すように、エレベータシステム10には、制御装置50に接続された構成要素として、上述の測距装置40の他に、かご内操作盤28、算出装置51、調整装置52および報知装置53が設けられている。このうちかご内操作盤28は、図1に示すように、乗りかご20のかご室22の内部に設置されたものである。図1に示すように、かご内操作盤28は、調整作業者27が保持する制御端末15が接続され得るよう構成されている。この場合、調整作業者27は、後述するように、制御端末15を操作することにより、かご内操作盤28および制御装置50を介して測距装置40に測定を開始させることができる。算出装置51、調整装置52および報知装置53の具体的な作用については後述する。
【0036】
乗りかごの位置調整方法
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、乗りかご20の位置調整方法について説明する。
【0037】
(キャリブレーション工程)
はじめに、一側距離Aの理想的な値を得るためのキャリブレーション工程を実施する。まず、乗りかご20を下層階に移動させ、次に、立枠21をガイドレール12に対して固定する。すなわち、上部弾性ローラーガイド31のバネ37が伸縮しない状態にする。立枠21をガイドレール12に対して固定するための具体的な手段が特に限られることはなく、例えば、ボルトなどを用いることにより立枠21をガイドレール12に対して固定する。この際、ガイドレール12に対する立枠21の位置が理想的な位置になるよう、すなわち立枠21の傾きがゼロとなるよう立枠21をガイドレール12に固定する。
【0038】
その後、立枠21がガイドレール12に対して固定された状態において、第1センサ42を用いて上述の一側距離Aを測定する。以下の説明において、このとき得られた一側距離Aの値を一側理想値Aと称する。なお最下層にあるガイドレール12の突出部12aに孔12bが形成されている場合、本キャリブレーション工程において上述の全体距離Cが併せて測定されてもよい。以下の説明において、このとき得られた全体距離Cの値を全体理想値Cと称する。
【0039】
なお第1センサ42によって実際に得られる一側距離Aや全体距離Cの単位が特に限られることはない。例えば電気的手法を用いて距離が測定される場合、第1センサ42により得られる一側距離Aや全体距離Cの単位がmVなどの電気的な単位になっていてもよい。若しくは、所定の係数に基づいてmVなどの電気的な単位からメートルなどの距離の単位に変換されたものが第1センサ42により得られてもよい。
【0040】
(第1測定工程)
次に、ガイドレール12に対する立枠21の固定を解除する。すなわち、上部弾性ローラーガイド31のバネ37を伸縮可能な状態にする。次に、調整作業者27が乗りかご20に乗り込み、そして、制御端末15をかご内操作盤28に接続する。その後、乗りかご20が中層階に移動するよう制御端末15により操作する。乗りかご20が中層階に到着すると、調整作業者27は、中層階において乗りかご20を所定距離だけ上下に複数回往復移動させる。また調整作業者27は、第1センサ42が測定を開始するよう制御端末15により操作する。これによって、第1センサ42は、第1センサ42がガイドレール12の突出部12aの孔12bと水平方向において重なる時には上述の全体距離Cを測定し、その他の時には上述の一側距離Aを測定する。以下の説明において、このとき得られた一側距離Aおよび全体距離Cの値を一側第1測定値Aおよび全体第1測定値Cと称する。
【0041】
(傾き算出工程)
次に上述の算出装置51が、得られた一側第1測定値Aに基づいて、ガイドレール12に対する立枠21の傾きの程度を算出する。ガイドレール12に対する立枠21の傾きの程度を算出するための具体的な方法が特に限られることはなく、様々な方法が適宜用いられ得る。例えば、上述の一側理想値Aと一側第1測定値Aとの差に基づいて、ガイドレール12に対する立枠21の傾きの程度を算出してもよい。
また、上述のように一側第1測定値Aと併せて全体第1測定値Cが得られている場合、一側第1測定値Aと全体第1測定値Cとの差に基づいて他側距離Bを算出し(図4(b)参照)、その後、算出された他側距離Bと一側第1測定値Aとの差に基づいて、ガイドレール12に対する立枠21の傾きの程度を算出してもよい。なお一側第1測定値Aと全体第1測定値Cとの差に基づいて他側距離Bを算出する際、予め把握されている突出部12aの厚み分に相当する値が適切な単位(mVやメートルなど)で差し引かれてもよい。
若しくは、上述のキャリブレーション工程において一側理想値Aと併せて理想値Cが得られている場合、一側理想値Aおよび全体理想値Cと一側第1測定値Aおよび全体第1測定値Cとを比較することにより、ガイドレール12に対する立枠21の傾きの程度を算出してもよい。例えば、一側理想値Aに対する全体理想値Cの比と一側第1測定値Aに対する全体第1測定値Cの比との差に基づいて、ガイドレール12に対する立枠21の傾きの程度を算出してもよい。
【0042】
(調整工程)
次に上述の調整装置52が、ガイドレール12に対する立枠21の傾きの程度に基づいて、傾きを補償するために乗りかご20に搭載されるバランスウェイト29の搭載量を算出する。バランスウェイト29の搭載量を算出する具体的な方法が特に限られることはなく、様々な方法が適宜用いられる。例えば、所定の算出式に基づいてバランスウェイト29の搭載量が算出されてもよい。若しくは、過去の位置調整作業により蓄積された、様々な立枠21の傾きの程度に対する最適なバランスウェイト29の搭載量に関する多数のデータに基づいて、バランスウェイト29の搭載量が算出されてもよい。
【0043】
(搭載工程)
その後、調整作業者27は、乗りかご20が下層階に移動するよう制御端末15により操作する。乗りかご20が下層階の昇降路内ピットに到着すると、調整作業者27は、調整装置52により算出された搭載量分のバランスウェイト29を乗りかご20に搭載する。これによって、ガイドレール12に対する立枠21の傾きが補償される。このようにして、乗りかご20の位置調整作業が完了する。
【0044】
このように本実施の形態によれば、ガイドレール12と立枠21との間の距離を測定する上側測距部41が立枠に取り付けられている。このため、ガイドレール12と立枠21との間の距離を測定し、測定結果に基づいて立枠21の傾きを算出するという作業を容易かつ安全に実施することができる。このことにより、乗りかご20設置時の位置調整作業を効率的に行うことが可能となる。
【0045】
また本実施の形態によれば、ガイドレール12の突出部12aのうち立枠21の一側側面部21aと他側側面部21bとの間に至る部分に孔12bが形成されている。このため、上側測距部41の第1センサ42は、一側側面部21aと突出部12aとの間の一側距離Aを測定するだけでなく、突出部12aの孔12bを介して立枠の一側側面部21aと他側側面部21bとの間の全体距離Cをさらに測定することができる。このことにより、ガイドレール12に対する立枠21の傾きの程度を、簡易な構成の測距装置40を用いながら精度良く算出することができる。
【0046】
乗りかごの位置調整方法の変形例
なお上述の本実施の形態において、調整装置52により、乗りかご20に搭載されるバランスウェイト29の搭載量が算出される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、バランスウェイト29の搭載作業中にガイドレール12と立枠21との間の距離の測定を行い、測定された距離が所定値に達すると搭載作業を終了する、という方法により、バランスウェイト29の搭載量が決定されてもよい。以下、このような変形例について、図6A乃至図6Cを参照して説明する。
【0047】
はじめに下層階において上述のキャリブレーション工程を実施し、その後、図6A(a)(b)に示すように、中層階において上述の第1測定工程を実施する。これによって、上述の一側理想値Aおよび一側第1測定値Aが得られる。
【0048】
その後、乗りかご20を下層階へ移動させ、ここで図6B(a)(b)に示すように、上側測距部41の第1センサ42を用いて突出部12aと一側側面部21aとの間の一側距離Aを測定する。このとき得られる一側距離Aは、乗りかご20が中層階にある場合と下層階にある場合とのバランスの差に起因して、上述の一側第1測定値Aとは異なる値になると考えられる。以下の説明において、このとき得られた一側距離Aを一側下層測定値A’と称する。また、一側第1測定値Aと一側下層測定値A’とに基づいて、中層階から下層階へ移動させることに起因する一側距離Aの変化量ΔA(=A’−A)を算出する。
【0049】
(搭載工程および第2測定工程)
その後、図6C(a)(b)に示すように、乗りかご20へのバランスウェイト29の搭載作業を開始する。また、搭載作業の間、上側測距部41の第1センサ42を用いて、ガイドレール12の突出部12aと立枠21の一側側面部21aとの間の一側距離Aを測定し続ける。以下の説明において、このとき得られる一側距離Aを一側第2測定値Aと称する。
【0050】
調整作業者27がバランスウェイト29の乗りかご20への搭載作業を進めると、上述の一側第2測定値Aが徐々に変化する。その後、一側第2測定値Aが所定の値(一側目標値A)に達すると、報知装置53は、一側第2測定値Aが一側目標値Aに達したということを調整作業者27に対して報知する。これによって、調整作業者27は、そのとき搭載されているバランスウェイト29によりガイドレール12に対する立枠21の傾きが補償されたことを知ることができる。このようにして、乗りかご20の位置調整作業が完了する。
【0051】
なお上述の一側目標値Aは、例えばA+ΔAに設定される。ここで上述のように、Aは、立枠21の傾きがゼロとなるよう立枠21をガイドレール12に固定したときに得られた一側距離Aであり、またΔAは、乗りかご20を中層階から下層階へ移動させることに起因する一側距離Aの変化量である。このように一側目標値Aを設定することにより、下層階において一側距離Aを測定しながら、中層階における一側距離Aが一側理想値Aとなるようバランスウェイト29を乗りかご20に搭載することができる。
【0052】
また本変形例によれば、実際に一側距離Aを測定しながらバランスウェイト29を乗りかご20に搭載するため、乗りかご20の位置調整をより精密に実施することができる。また本変形例によれば、一側第2測定値Aが一側目標値Aに達したことが報知装置53により調整作業者27に対して報知される。このため、乗りかご20設置時の位置調整作業を効率的に行うことができる。
【0053】
なお本変形例においても、中層階および下層階において、一側距離Aと併せて全体距離Cが測定されてもよい。また、バランスウェイト29の乗りかご20への搭載作業が実施されている間、一側距離Aと併せて全体距離Cを測定し、これらの測定結果の変化に基づいて、十分な量のバランスウェイト29が乗りかご20に搭載されたことを報知装置53が調整作業者27に報知してもよい。
【0054】
乗りかごの位置調整方法のその他の変形例
また上述の本実施の形態において、中層階において、調整作業者27が乗りかご20に乗り込んだ状態で上側測距部41による測定が実施される例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、乗りかご20に調整作業者27が乗り込んでいない状態で、上側測距部41による測定が実施されてもよい。
【0055】
例えば、はじめに調整作業者27は、制御端末15をかご内操作盤28に接続し、その後、エレベータシステム10が自動調整モードとなるよう制御端末15により操作する。その後、調整作業者27は乗りかご20から降りる。エレベータシステム10が自動調整モードとなると、制御装置50は、まずかご室22のドア22aを閉鎖し、その後、中層階において乗りかご20を所定距離だけ上下に複数回往復移動させる。また制御装置50は、上側測距部41の第1センサ42が測定を開始するよう測距装置40に対して命令する。これによって、第1センサ42は、第1センサ42がガイドレール12の突出部12aの孔12bと水平方向において重なる時には上述の全体距離Cを測定し、その他の時には上述の一側距離Aを測定する。
【0056】
このように本変形例によれば、乗りかご20に調整作業者27が乗り込んでいない状態で、上側測距部41による測定を実施することができる。このため、上側測距部41による測定結果に、調整作業者27の自重による影響が現れることはない。このことにより、ガイドレール12と立枠21との間の距離をより精密に測定することができる。
【0057】
第2の実施の形態
次に図7を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図7に示す第2の実施の形態は、上側測距部がさらに第2センサを有する点が異なるのみであり、他の構成は、図1乃至図6に示す第1の実施の形態と略同一である。図7に示す第2の実施の形態において、図1乃至図6に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0058】
(上側測距部)
図7に示すように、測距装置40の上側測距部41は、一側側面部21aに設けられた第1センサ42に加えて、他側側面部21bに設けられた第2センサ43をさらに有している。この第2センサ43は、他側側面部21bと突出部12aとの間の他側距離Bを測定するよう構成されている。このため本実施の形態によれば、突出部12aに孔12bを設けることなく、一側距離Aと他側距離Bとを測定することができる。このため、ガイドレール12の設置時に孔12bを見つけ出し、この孔12bが適切な位置に配置されるようガイドレール12を設置するという作業が不要となる。このことにより、ガイドレール12の設置作業を容易にすることができる。また上側測距部41による測定においても、孔12bを探すために乗りかご20を所定距離だけ上下に複数回往復移動させるという作業が不要になり、これによって、より容易に一側距離Aおよび他側距離Bを測定することが可能となる。
【0059】
第3の実施の形態
次に図8を参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。図8に示す第3の実施の形態は、乗りかごの下部に設けられる案内装置のローラーガイドが下部弾性ローラーガイドからなる点が異なるのみであり、他の構成は、図1乃至図6に示す第1の実施の形態と略同一である。図8に示す第3の実施の形態において、図1乃至図6に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0060】
(案内装置)
図8に示すように、本実施の形態においては、乗りかごの下部に設けられる案内装置のローラーガイドとして、支点ピンを軸としてレバーが変位可能となっている下部弾性ローラーガイド39が用いられる。下部弾性ローラーガイド39の具体的な構成は、上述の第1の実施の形態における上部弾性ローラーガイド31の構成と略同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0061】
一般に、ローラーガイドとして非弾性のローラーガイドが用いられる場合、当該ローラーガイドのレバーは変位できないため、ローラーガイドの設置作業に高い精度が要求される。一方、ローラーガイドとして弾性のローラーガイドが用いられる場合、当該ローラーガイドのレバーは変位可能であるため、ローラーガイドの設置位置が理想的な位置から多少ずれたとしても、ローラーガイドが自然に適切な位置に調整され得る。このため本実施の形態によれば、乗りかご20の下部に設けられるローラーガイドを下部弾性ローラーガイド39とすることにより、下部非弾性ローラーガイド38が用いられる場合に比べて、ローラーガイドの設置作業を容易化することができる。
【0062】
(測距装置)
一方、乗りかご20の下部に設けられるローラーガイドとして下部非弾性ローラーガイド38が用いられるため、乗りかご20の上部だけでなく下部においても、ガイドレール12に対して立枠21が傾いてしまうことが考えられる。このため、測距装置40は、上述の上側測距部41を有するだけでなく、図8に示すように、下部弾性ローラーガイド39の近傍において立枠21に取り付けられた下側測距部46をさらに有することが好ましい。
【0063】
下側測距部46は、下部弾性ローラーガイド39の近傍においてガイドレール12と立枠21との間の距離を測定するよう構成されている。下側測距部46の具体的な構成は、上述の第1の実施の形態における上側測距部41の構成と略同一であるので、詳細な説明は省略する。
【0064】
乗りかごの位置調整方法
本実施の形態における乗りかご20の位置調整方法においては、キャリブレーション工程および第1測定工程において、一側側面部21aと突出部12aとの間の一側距離Aだけでなく他側側面部21bと突出部12aとの間の他側距離Bが測定される。また傾き算出工程において、測定された一側距離Aおよび他側距離Bに基づいて、ガイドレール12に対する立枠21の傾きの程度が算出される。その他の点は、図1乃至図5に示す上述の第1の実施の形態の場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0065】
また本実施の形態においても、図6に示す上述の第1の実施の形態の変形例の場合と同様に、バランスウェイト29の搭載作業中にガイドレール12と立枠21との間の距離の測定を行い、測定された距離が所定値に達すると搭載作業を終了する、という方法が採用されてもよい。この場合、ガイドレール12と立枠21との間の距離を測定する各工程において、一側側面部21aと突出部12aとの間の一側距離Aだけでなく、他側側面部21bと突出部12aとの間の他側距離Bが測定される。また搭載工程においては、測定されている一側距離Aおよび他側距離Bが所定の目標値に達すると、報知装置53は、一側距離Aおよび他側距離Bが目標値に達したということを調整作業者27に対して報知する。その他の点は、図6A乃至図6Cに示す上述の第1の実施の形態の変形例の場合と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【符号の説明】
【0066】
10 エレベータシステム
11 昇降路
12 ガイドレール
12a 突出部
12b 孔
15 制御端末
20 乗りかご
21 立枠
21a 一側側面部
21b 他側側面部
22 かご室
22a ドア
23 上梁
24 下梁
25 かご床
26 セフティ
27 調整作業者
28 かご内操作盤
29 バランスウェイト
31 上部弾性ローラーガイド
32 ローラー
33 ローラーガイドベース
34 ストッパーボルト
35 支点ピン
36 レバー
37 バネ
38 下部非弾性ローラーガイド
39 下部弾性ローラーガイド
40 測距装置
41 上側測距部
42 第1センサ
43 第2センサ
46 下側測距部
50 制御装置
51 算出装置
52 調整装置
53 報知装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇降路に沿って上下方向に延びる一対のガイドレールと、
前記ガイドレールに沿って上下方向に移動する乗りかごと、
前記乗りかごを支持するよう前記乗りかごに固定され、上下方向に延びる一対の立枠と、
前記立枠に連結され、前記ガイドレール上を摺動する案内装置と、
前記立枠に取り付けられ、前記ガイドレールと前記立枠との間の距離を測定する測距装置と、を備えたことを特徴とするエレベータシステム。
【請求項2】
各立枠は、互いに対向するよう設けられた一側側面部および他側側面部を有し、
前記ガイドレールは、各立枠の前記一側側面部と前記他側側面部との間に至るよう前記乗りかごに向かって突出した突出部を有し、
前記測距装置は、各立枠の前記一側側面部に設けられ、前記一側側面部と前記突出部との間の一側距離を測定する第1センサを有することを特徴とする請求項1に記載のエレベータシステム。
【請求項3】
前記測距装置は、各立枠の前記他側側面部に設けられ、前記他側側面部と前記突出部との間の他側距離を測定する第2センサをさらに有することを特徴とする請求項2に記載のエレベータシステム。
【請求項4】
前記ガイドレールの突出部のうち前記立枠の前記一側側面部と前記他側側面部との間に至る部分に孔が形成されており、
前記第1センサは、前記立枠の前記突出部の前記孔を介して、前記立枠の前記一側側面部と前記他側側面部との間の全体距離をさらに測定することを特徴とする請求項2に記載のエレベータシステム。
【請求項5】
前記案内装置は、前記乗りかごの上部において前記立枠に連結され、前記ガイドレールに対して前記乗りかごを弾性的に支持する上部弾性ローラーガイドと、前記乗りかごの下部において前記立枠に連結され、前記ガイドレールに対して前記乗りかごを非弾性的に支持する下部非弾性ローラーガイドと、を有し、
前記測距装置は、少なくとも前記上部弾性ローラーガイドの近傍において前記ガイドレールと前記立枠との間の距離を測定するよう前記立枠に取り付けられた上側測距部を少なくとも含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のエレベータシステム。
【請求項6】
前記案内装置は、前記乗りかごの上部において前記立枠に連結され、前記ガイドレールに対して前記乗りかごを弾性的に支持する上部弾性ローラーガイドと、前記乗りかごの下部において前記立枠に連結され、前記ガイドレールに対して前記乗りかごを弾性的に支持する下部弾性ローラーガイドと、を有し、
前記測距装置は、前記上部弾性ローラーガイドの近傍において前記ガイドレールと前記立枠との間の距離を測定するよう前記立枠に取り付けられた上側測距部と、前記下部弾性ローラーガイドの近傍において前記ガイドレールと前記立枠との間の距離を測定するよう前記立枠に取り付けられた下側測距部と、を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のエレベータシステム。
【請求項7】
前記測距装置および前記乗りかごの移動を制御する制御装置をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のエレベータシステム。
【請求項8】
前記測距装置により測定された距離に基づいて、前記ガイドレールに対する前記立枠の傾きの程度を算出する算出装置と、
前記ガイドレールに対する前記立枠の傾きを補償するよう前記乗りかごに搭載されたバランスウェイトと、
前記算出装置により算出された前記ガイドレールに対する前記立枠の傾きの程度に基づいて、前記バランスウェイトの搭載量を算出する調整装置と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のエレベータシステム。
【請求項9】
ガイドレールと乗りかごの立枠との間の距離を測定する第1測定工程と、
前記第1測定工程により測定された前記距離に基づいて、前記ガイドレールに対する前記立枠の傾きの程度を算出する傾き算出工程と、
前記ガイドレールに対する前記立枠の傾きを補償するよう前記乗りかごにバランスウェイトを搭載する搭載工程と、を備えたことを特徴とするエレベータシステムの調整方法。
【請求項10】
前記乗りかごに搭載されるバランスウェイトの搭載量を算出する調整工程をさらに備えたことを特徴とする請求項9に記載のエレベータシステムの調整方法。
【請求項11】
前記第1測定工程は、前記乗りかごが昇降路の中層階に位置する際に実施され、
前記搭載工程は、前記乗りかごが昇降路の下層階に位置する際に実施され、
前記エレベータ調整方法は、前記搭載工程が実施されている間に前記ガイドレールと前記立枠との間の距離を測定する第2測定工程をさらに備えたことを特徴とする請求項9または10に記載のエレベータシステムの調整方法。
【請求項12】
前記第2測定工程により測定される距離が所定の値に達したことを報知する報知工程をさらに備えたことを特徴とする請求項11に記載のエレベータシステムの調整方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−56718(P2013−56718A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194914(P2011−194914)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(390025265)東芝エレベータ株式会社 (2,543)
【Fターム(参考)】