説明

エレベータードア異常状態通報装置

【目的】 エレベーターのドアが長時間開放状態にされている時、乗かご内の状態をインターホンにより監視センタで確認することで、その原因を早期に取り除けるエレベーターのドア異常状態通報装置の提供。
【構成】 ドアの開放時間を計数する第2のタイマ4と、この第2のタイマ4が所定時間を計数すると、乗かご内に設けられたインターホン9と監視センタ8とを通話状態にする通話制御装置10、11を備えた構成である。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエレベータードア異常状態通報装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の装置は、特開平2−257299号公報記載のように、エレベーターのドアが所定時間開放状態を保持している場合、異常状態検出部がエレベーターが起動できない異常が発生したと判断し、複数の建物の設備を通信回線を介して遠隔的に監視している監視センタへ、エレベーターに異常が発生した旨の信号を送信するようにしたものとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、エレベーターのドア端部に取付けてあるセフティシューを手で押えたり物を置いたり、ドアの敷居にくさび状の物を挟んでドアが閉じるのを阻止して、乗かごへ荷物の搬入、搬出や乗かご内の清掃を行なっている場合、所定の時間経過後、異常状態と判断し監視センタへ通報されたり、乗かご内の運転盤内に設置されているドアを開放状態に保持するドア開放スイッチ等の操作を行なった場合、特に乗かごから搬出してドア開放スイッチの復帰を忘れてしまったときは、エレベーターのドアが閉じない異常に気付いたビルを管理する管理人や、監視センタの監視員が、異常状態を復帰するために、エレベーターの専門技術者の派遣を依頼することがあり、専門技術者にとって無駄な出動があった。
【0004】本発明の目的は、エレベーターのドアが長時間開放状態にされている時、その原因を早期に取り除けるエレベータードア異常状態通報装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、エレベーターのドアの開放時間を計数する第1のタイマと、この第1のタイマに予め記憶させた第1の所定時間を越えると動作する異常検出装置と、この異常検出装置の動作で、複数台のエレベーターを通信回線を介して遠隔的に監視する監視センタへ異常発生を通報する通信装置を起動させるエレベータードア異常状態報知装置において、前記ドアの開放時間が前記第1の所定時間以下の第2の所定時間を記憶する第2のタイマと、この第2のタイマが第2の所定時間を計数すると、乗かご内に設けられたインターホンと前記監視センタとを通話状態にする通話制御装置を備えたものである。
【0006】
【作用】本発明は上記のように構成されているので、エレベーターのドアの開放状態が長時間となって専門技術者への出動依頼が発せられる前に、乗かご内の状態をインターホンにより監視センタで確認することで、荷物の搬入、搬出を行なう作業者や、その他の利用者にドア開放状態の発生を、インターホンでの会話によって復帰を促すので、エレベーターの長時間に渡る使用不能状態は防止でき、専門技術者の無駄な派遣もない。
【0007】
【実施例】図において、エレベーター制御回路1からの信号入力によって(図示せず)エレベータードアが閉じていることを検出するエレベータードア閉検出回路2は、第1のタイマ3と、第2のタイマ4とにNOT回路3a、4aを介在してそれぞれ反転出力されている。
【0008】ここで、第1のタイマ3に信号が所定時間入力され続けると、例えば入力が10分間継続したときに、接続されている異常検出装置5へ信号を出力する。異常検出装置5は通信装置6に接続され、通信装置6は通信回線7を介して、遠隔的に複数台のエレベーターの異常発生を監視する監視センタ8に接続されている。
【0009】一方、第2のタイマ4が所定時間、例えば5分間入力され続けたときにインターホン9へ信号を出力する。
【0010】第2のタイマ4から信号を入力したインターホン9は呼出し信号を出力する。
【0011】又、インターホン9に接続されている第3のタイマ10は、所定時間、例えば30秒入力されつづけた場合、すなわち、30秒以内にインターホン9が受付けなかった場合、第3のタイマ10と接続されている監視センタとの直接通話装置に接続を切り替え、かご内と監視センタ8とが通信回線7を介して通話状態となる。
【0012】今、乗かご(図示せず)に積み込まれた荷物(図示せず)を、ドア開放スイッチ(図示せず)の操作や、ドアのセフティシューを押える等してドア開状態を維持したまま降ろしているとき、エレベータードア閉検出回路2がNOT回路3aを介して、第1のタイマ3と第2のタイマ4に信号が入力され、第1のタイマ3と第2のタイマ4はそれぞれ時間の計数を開始する。
【0013】さらに、荷物(図示せず)を降ろす作業が継続され、第2のタイマ4により予め設定された5分間にドア開放スイッチ(図示せず)が戻されなかったり、ドアのセフティシュー(図示せず)が押えつづけられエレベータードア閉検出回路2の出力が継続されると、この第2のタイマ4はインターホン9に信号を出力する。第2のタイマ4の信号によりインターホン9は呼出しを開始する。
【0014】ここで、インターホン9が受付けないまま30秒経過すると、インターホン9と接続されている第3のタイマ10により監視センタとの直接通話装置11と接続が切り替り、監視センタの監視員は乗かご(図示せず)との通話を行ない、乗かご(図示せず)の状況確認の会話を行なう。それによって、荷物(図示せず)を乗かご(図示せず)から降ろしている作業者は荷降し作業を急速に行ない、ドア開放スイッチ(図示せず)を元に戻したり、ドアのセフティシューを押える行為をやめることができる。
【0015】一方、ドア開放スイッチ(図示せず)の操作や、ドアセフティシューの押えられた状態が10分間経過しても元に戻されない場合は、第1のタイマ3が異常検出装置6にドア閉まらずの信号を出力し、異常検出装置5は通信装置6を起動し、通信装置6は通信回線7を介して監視センタ8へ当該エレベーターがドア閉まらずの異常状態発生の旨の信号を送信する。ドア閉まらずの異常状態を受信した監視センタ8は、当該エレベーターの管理人にドア開放スイッチ(図示せず)を元に戻したり、ドアのセフティシュー(図示せず)の押えを取除く旨の連絡を行なうか、ドア開放スイッチ(図示せず)を元に戻したり、ドアのセフティシューの押えを取除くように指令を伝えたエレベーター専門技術者の派遣を行なう。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、エレベーターのドアの開放状態が長時間となって専門技術者への出動依頼が発せられる前に、乗かご内の状態をインターホンにより監視センタで確認することで、荷物の搬入、搬出を行なう作業者や、その他の利用者にドア開放状態の発生を、インターホンでの会話によって復帰を促すので、エレベーターの長時間に渡る使用不能状態は防止でき、専門技術者の無駄な派遣もない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の要部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
2 エレベータードア閉検出回路
3 第1のタイマ
4 第2のタイマ
7 通信回線
8 監視センタ
9 インターホン
10 第3のタイマ
11 監視センタとの直接通話装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】 エレベーターのドアの開放時間を計数する第1のタイマと、この第1のタイマに予め記憶させた第1の所定時間を越えると動作する異常検出装置と、この異常検出装置の動作で、複数台のエレベーターを通信回線を介して遠隔的に監視する監視センタへ異常発生を通報する通信装置を起動させるエレベータードア異常状態報知装置において、前記ドアの開放時間が前記第1の所定時間以下の第2の所定時間を記憶する第2のタイマと、この第2のタイマが第2の所定時間を計数すると、乗かご内に設けられたインターホンと前記監視センタとを通話状態にする通話制御装置を備えたことを特徴とするエレベータードア異常状態通報装置。

【図1】
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