説明

エレベータ昇降路を測量する方法および装置

密閉された構造体10を測量する装置が、構造体10内を長手方向に移動するように構成されたプラットフォーム24と、このプラットフォーム24に接続され、プラットフォーム24上の一点と構造体10の壁との間の横方向距離を測定するように構成された少なくとも1つの第1の距離センサ48と、プラットフォーム24に接続され、プラットフォーム24上の一点と構造体10の第1の端部との間の長手方向距離を測定するように構成された少なくとも1つの第2の距離センサ50と、プラットフォーム24を構造体10内でほぼ長手方向に動かすように構成された搬送機械22と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エレベータ昇降路を測量することに関し、詳しくは、エレベータ昇降路の測量を行うための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータかごを案内したり支持するために、細長いレールを使用することは、当技術分野において周知のことである。エレベータシステムにおいては、一般に、エレベータかごの両側において、エレベータ昇降路の長さ全体に亘って延びるように配置された2本のレールが使用される。エレベータかごは、一般に、昇降路の頂部から鋼鉄のロープないしベルトによって吊り下げられ、或いは昇降路の底部に配置された油圧ピストンによって支持されており、昇降路内を走行するときに、上記のレールによって案内される。レールセグメントにわずかにでも歪みがある場合やセグメント間が不連続である場合、エレベータかごが、昇降路内を走行中に、傾いたり振動してしまうことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
レールが不完全にならないように、昇降路内にレールを適切に並べることは、レールが取り付けられる昇降路の垂直壁における歪みに大きく影響される。エレベータ昇降路の測量は、新しいエレベータの設置や既存のエレベータシステムの入替の際に、時間がかかり、手作業で行われ、コストの高い作業である。昇降路は、一般に、手作業で測量されるが、これは、(a)昇降路の頂部から吊り下げられた重り付きロープないしケーブルなどからなる垂直方向基準つまり垂直ラインを形成し、(b)この垂直ラインと、各階の乗場における4つの垂直な昇降路壁の各々と、の間の水平方向距離を手作業で測量することによる。従来の昇降路を測量する道具および方法は、時間がかかり、コストが高く、さらには比較的大きな誤差が生じやすい。
【0004】
上記のことを考慮して、本発明は、エレベータシステムに悪影響を及ぼし得る1つまたは複数の上記の問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
密閉された構造体を測量する装置が、構造体内を長手方向に移動するように構成されたプラットフォームと、このプラットフォームに接続され、プラットフォーム上の一点と構造体の壁との間の横方向距離を測定するように構成された少なくとも1つの第1の距離センサと、プラットフォームに接続され、プラットフォーム上の一点と構造体の第1の端部との間の長手方向距離を測定するように構成された少なくとも1つの第2の距離センサと、プラットフォームを構造体内でほぼ長手方向に動かすように構成された搬送機械と、を備える。
【0006】
本発明の上記および他の特徴、態様および利点は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲および図に示される実施例から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の昇降路測量システムの一実施例を含むエレベータ昇降路の正面図。
【図2】図1に示す昇降路測量システムの実施例による電子測定器の斜視図。
【図3A】昇降路の側面図であり、図1および図2に示す電子測定器によって測定された距離を示している。
【図3B】昇降路の平面図であり、図1および図2に示す電子測定器によって測定された距離を示している。
【図4】本発明による電子測定器の代替的な実施例を示す斜視図。
【図5】昇降路の平面図であり、図4に示す電子測定器によって測定された距離を示している。
【発明を実施するための形態】
【0008】
すべての図に亘って、同一の或いは類似の参照番号は、同一の或いは類似の部品を示す。
【0009】
図1は、エレベータ昇降路10の形態での構造体と、本発明の昇降路測量システム20と、を示す正面図である。昇降路測量システム20は、搬送機械22と、電子測定器(EMD)24などのプラットフォームと、電子コントローラ26と、光学アラインメントシステム28と、を含む。図1においては、EMD24は、搬送機械22に接続され、この搬送機械22によって、該EMD24は、昇降路10内を移動することができる。EMD24は、昇降路10内を移動しながら、該EMD24の側面24cと昇降路10の壁10cとの間の横方向距離D1、該EMD24の底面24bと昇降路の底部10aとの間の長手方向距離D2、などの距離を測定するように構成することができる。電子コントローラ26は、EMD24に接続され、該EMD24が昇降路10内を移動しながら集めた測定データを保存し、および/または送信するように構成することができる。電子コントローラ26は、例えば、プロセッサ、デジタルメモリ、および有線または無線の通信部品を含む市販の集積回路とすることができる。電子コントローラ26は、EMD24によって集められ該コントローラ26によって送信されたデータを出力するための、プリンタ、モニタまたはコンピュータなどの遠隔の電子機器26aに(無線または有線で)接続することができる。光学アラインメントシステム28は、例えば昇降路10の底部10aに配置された水平面32aに対してほぼ垂直な光学長手方向基準を発生させるように構成することができる。
【0010】
図1において、搬送機械22は、一体に設けられた第1のシーブを回転させるモータ30、モータフレーム32、第2のシーブ34、シーブフレーム36、ロープ38などのトランクション部材(以下、ロープ38と呼ぶ)、バネなどの引張部品40、およびバッテリなどの電源42を含む。引張部品40は、ロープ38の張力を変化させるように構成されるとともに、ロープ38の一端とEMD24との間例えばロープ38とEMD24の上面24aとの間に接続することができる。モータ30は、モータフレーム32に取り付けることができ、このフレーム32は、例えば、昇降路10の底部10aに接続することができる。シーブ34は、シーブフレーム36に取り付けることができ、このフレーム36は、例えば、昇降路10の頂部10bに取り付けることができる。ロープ38の一端は、EMD24の上面24aに取り付けられた引張部品40に繋ぐことができ、このロープ38は、該ロープ38の片側38aがEMD24のロープガイドホール44を通るように、シーブ34に巻き掛けることができる。このロープ38は、ホール44を通過後、モータ30に巻き掛けられ、EMD24の底面24bにおいて終端する。
【0011】
モータ30は、例えば、電源42から電力を得ることができ、この電源42は、昇降路10の内側あるいは外側のいずれに配置されていてもよい。モータ30およびシーブ34にロープ38が巻き掛けられ、引張部品40によって適切に引っ張られることによって、テンションシステムが形成される。これによって、ロープ38を介して接続されたモータ30およびシーブ34の回転運動が、モータ30の回転方向に依存して昇降路内を昇降するロープ38の直線運動に変換される。EMD24は、該EMD24の上面24aおよび底面24bにロープ38を接続することによって、搬送機械22に接続される。(電源42から電力を得た)モータ30が回転することによって、ロープ38が駆動され、これによって、EMD24が昇降路10内を移動する。
【0012】
図1に示す光学アラインメントシステム28は、例えば、送信機28aおよび受信機28bを含み、これらの送信機28aおよび受信機28bは、例えば、昇降路10の底部10aおよび頂部10bに配置されたモータフレーム32およびシーブフレーム36に取り付けられている。これらの送信機28aおよび受信機28bは、例えば、ビーム(例えば、レーザ)または波動(例えば、レーダ)の送信機/受信機とすることができ、あるいは他の送信機/受信機とすることができる(以下、様々な種類の送信機/受信機の各々をまとめて「ビーム」送信機/受信機と呼び、送信される/受信される信号を「ビーム」と呼ぶ)。具体的には、アラインメントシステム28は、送信機28aと受信機28bの各対の間に、ビーム28cを発生させるように構成することができる。送信機28aによって送信され受信機28bによって受信されるビーム28cは、例えば、昇降路10の底部10aに向かって設定された水平面に対してほぼ垂直な単一の平面内を通るように構成することができる。例えば、モータフレーム32の上面は、実質的に水平面32aとなるように構成することができ、送信機28aは、この水平面32a上に配置されて、この水平面32aに対して実質的に垂直なビーム28cを発生させるように構成することができる。こうして、ビーム28cは、水平面32aに対して実質的に垂直な光学長手方向基準をつくり出すように機能し、換言すれば、ビーム28cは、昇降路10内に、実質的に垂直な基準を示す光学的垂直ラインをつくり出すように機能することができる。
【0013】
ビーム28cに対して実質的に直交する方向つまり水平面32aに実質的に平行な方向に沿った距離D1などの測定値を得るようにEMD24が昇降路10内において適切に位置決めされた状態において、ビーム28cが、EMD24に形成された位置合せホール46を通過するように、光学アラインメントシステム28およびEMD24を配置することができる。昇降路10内で回転したり横に動くことなどによって、EMD24の姿勢が変わると、ビーム28cが遮断され、これにより、EMD24が昇降路10内で測定を行うのに不適切な姿勢であることを通知する信号が送られる。
【0014】
光学アラインメントシステム28は、送信機28aおよび受信機28bに接続されたコントローラを備え得る。このコントローラは、例えば、EMD24が不適切な姿勢によってビーム28cが遮断された場合に、警報を発生させるか或いは測定を中断するように構成されている。本発明の他の実施例においては、アラインメントシステム28は、図1に示すように送信機28aを備えている一方で、受信機28bは、EMD24の底面24bに取り付けられている。この受信機28bは、例えば、EMD24の底面24bに取り付けられた光センサアレイを含み、この光センサアレイは、送信機28bが送信したビーム(28c)を受け、昇降路10内におけるEMD24の姿勢の変化を感知するように構成することができる。
【0015】
図1と、図2のEMD24の拡大斜視図と、に示すように、EMD24は、ロープガイドホール44、位置合せホール46、横方向距離センサ48、および長手方向距離センサ50を備え得る。上記のように、ロープガイドホール44は、ロープ38の片側38aを受けるように構成され、昇降路10内におけるEMD24の移動を案内する役割をする。EMD24は、さらに、ガイドホール44とは反対側24dに、バランスウェイト24gを備え得る。このバランスウェイト24gは、ガイドホール44を通過するロープ38に加わる力を低減するように構成することができる。位置合せホール46は、EMD24が昇降路10内において測定を行うために適切に位置決めされているとき、ビーム28cが遮断されずに送信されるように構成することができる。横方向距離センサ48は、EMD24の側面24c,24d,24e,24fに接続することができる。長手方向距離センサ50は、EMD24の底面24bに接続することができる。本発明の他の実施例においては、EMD24は、複数の長手方向距離センサを含み、これらの長手方向センサのうちの1つまたは複数が、EMD24の上面24aに接続されている。
【0016】
横方向距離センサ48は、昇降路10内におけるEMD24の様々な長手方向位置において、EMD24の側面24c,24d,24e,24fと、図3Bに示される昇降路10の対応する壁10c,10d,10e,10fと、の間の横方向距離を測定するように構成することができる。図1においては、横方向距離センサは、昇降路10内におけるEMD24の様々な長手方向位置において、例えば、EMDの側面24cと、昇降路10の壁10cと、の間の距離D1を測定するように構成することができる。昇降路10内におけるEMD24の長手方向位置は、EMD24の底面24bと、昇降路10の底部10aと、の間の距離D2などの長手方向距離を測定する長手方向センサ50を使用して確定することができる。
【0017】
横方向距離センサ48および長手方向距離センサ50は、例えば、レーザ距離センサや超音波距離センサなどの市販の電子センサとすることができる。レーザ距離センサや超音波距離センサは、例えば、光あるいは音の信号を反射体へ送り、反射体から反射されてセンサへ戻る信号を受けるまでの所要時間の長さに基づいて距離を計算することによって、センサと反射体との間の距離を測定する。レーザセンサは、また、例えば2フィート未満の比較的短い距離を測定するためには、三角測量法あるいは干渉計測法を使用することができる。三角測量法は、一般に、可視レーザ光からなるビームを反射体上へ放出し、反射体によって反射された光をデジタルカメラである角度から観測し、デジタルカメラが捕捉した画像の画素データから、反射体までの距離を計算することを含む。干渉計測法を用いてのレーザセンサは、反射体へ連続的に送られ、かつ反射されてくる、2つのビーム間の相対的な位相のずれの大きさから、反射体までの距離を計算することによって、測定を行うことができる。
【0018】
図3Aおよび図3Bは、図1および図2に示すEMD24によって測定された横方向距離および長手方向距離を示している。図3Aにおいては、EMD24は、昇降路10内の搬送機械22によって位置決めされている。EMD24の長手方向位置は、長手方向センサ50が、例えば、EMD24の底面24bと、昇降路10の底部10aと、の間の距離D2を測定することによって確定することができる。図3Bにおいて、EMD24は、図3Aに示したのと同一の或いは異なる長手方向位置において、該EMD24と、昇降路10の4つの壁と、の間の横方向距離を測定することができる。例えば、EMD24の側面24cに接続された横方向センサ48は、EMD24と、昇降路10の壁10cと、の間の距離D1を測定することができる。EMD24の側面24dに接続された横方向センサ48は、EMD24と、昇降路10の壁10dと、の間の距離D3を測定することができる。EMD24の側面24eに接続された横方向センサ48は、EMD24と、昇降路10の壁10eと、の間の距離D4を測定することができる。EMD24の側面24fに接続された横方向センサ48は、EMD24と、昇降路10の壁10fと、の間の距離D5を測定することができる。図1および図3Bに示すように、EMD24は、例えば、昇降路10の垂直方向軸52と実質的に整列するように、昇降路10内において実質的に中央に配置することができる。
【0019】
従って、図1〜図3Bに示す昇降路測量システム20が、昇降路10を測定することができるのは、搬送機械22によって、EMD24が昇降路10内を移動し、該EMD24が、長手方向センサ50によって確定された昇降路10内におけるEMD24の様々な長手方向位置において、横方向距離センサ48を使って、該EMD24と、昇降路10の壁と、の間の横方向距離の測定を行うことによる。電子コントローラ26は、EMD24が集めた測定データを保存しかつ送信するように構成することができる。光学アラインメントシステム28は、モータフレーム32の水平面32aに対して実質的に垂直な光学長手方向基準を発生させるように構成することができ、この光学長手方向基準は、EMD24が昇降路内において測定を行うのに適切な姿勢であるか否かを判断する役割をし得る。
【0020】
図4は、本発明によるEMD54の代替的な実施例を示す斜視図であり、このEMD54は、ロープガイドホール44、位置合せホール46、回転式横方向距離センサ56、および長手方向距離センサ50を備えている。このEMD54は、該EMD54と、昇降路10の壁10c,10d,10e,10fと、の間の4つの横方向距離のすべてを測定するように構成された1つの横方向距離センサ56を使用する。この横方向距離センサ56は、例えば、EMD54の上面54aの中央に配置されるように、EMD54に接続され、該EMD54および昇降路10に対して回転するように構成することができる。この横方向距離センサ56は、昇降路10内におけるEMD54の1つまたは複数の長手方向位置において、回転しながら、EMD54と、昇降路10の壁と、の間の複数の横方向距離を測定するように構成することができる。このように、横方向距離センサ56は、ほぼ360°に亘って、EMD54と、昇降路の壁と、の間の距離を測定することができる。センサ56が放出したビーム(例えば、センサ56が、レーザ、レーダなどの放出源である場合)が引張部品40やロープ38によって先に反射されてしまう位置だけは測定ができない。そして、EMD54は、例えば、該EMD54と、昇降路の4つの壁10c,10d,10e,10fの各々と、の間の最短距離を選択することによって、関連する横方向距離を確定することができる。
【0021】
図5は、図4に示したEMD54によって測定された横方向距離を示す。図5に示すように、EMD54は、昇降路10内の所定の長手方向位置において、該EMD54と、昇降路10の4つの壁と、の間の横方向距離を測定することができる。例えば、EMD54の上面54aに接続された横方向センサ56は、EMD54および昇降路10に対して360°回転しながら、EMD54と、昇降路10の4つの壁10c,10d,10e,10fと、の間の複数の距離Dnを測定することができる。例えば、横方向センサ56が昇降路10の垂直軸52(例えば、図1を参照)と整列するように、EMD54を、昇降路10内において実質的に中央に配置することができる。
【0022】
本発明の実施例は、また、エレベータ昇降路を測定する方法を含み、この方法は、長手方向基準軸に沿った1つまたは複数の位置において、昇降路の長手方向基準軸と、昇降路の壁と、の間の1つまたは複数の横方向距離を電子的に測定し、測定した横方向距離に基づく出力を提供することを含む。昇降路壁までの横方向距離の測定に用いられる長手方向基準軸は、昇降路の第1の端部または第2の端部の少なくとも一方に対して実質的に垂直とすることができ、測定される横方向距離は、長手方向基準軸に対して実質的に直交する方向にすることができる。さらには、長手方向基準軸は、電子測定器の側面に沿って或いはその電子測定器の中央部を通るように、提供することができる。これに加えて或いは代替的に、長手方向基準軸は、昇降路の垂直方向軸52とすることができる。測定した横方向距離および長手方向距離に基づく出力を提供することは、例えば、コンピュータで読取可能な形式で距離を保存すること、および/または、測定した距離を、プリンタ、モニタまたはコンピュータなどの遠隔の電子機器へ送信することを含む。本発明によるエレベータ昇降路を測定する方法は、昇降路の長手方向基準軸に沿った位置を電子的に測定し、測定した1つまたは複数の横方向距離を、長手方向基準軸に沿った位置の各々に関連付けることを含む。
【0023】
本発明の実施例は、エレベータ昇降路を測定するための従来の方法およびシステムよりも優れたいくつかの利点を有する。本発明による方法およびシステムは、エレベータ昇降路を測量するための機械支援式自動手段を提供する。本発明の実施例は、昇降路内を移動するように構成された電子測定器を含み、昇降路の全長に亘って重要な昇降路寸法を電子的に測定する。本発明のEMDは、効率良く正確な距離の測定を行うレーザセンサまたは超音波センサなどの電子距離センサを備え、そのような電子距離センサは、測定した距離を自動的に保存しかつ送信する、集積回路などの電子コントローラに接続することができる。本発明の方法およびシステムによって、昇降路の測定における所要時間が短縮されると同時に精度が向上し、延いては新しいエレベータの設置や既存のエレベータの入替において、測量コストが著しく低減する。
【0024】
上述の説明は、単に本発明を説明するためのものであり、添付の特許請求の範囲を特定の実施例あるいは実施例群に限定するためのものではない。従って、特定の実施例を参照して本発明を説明したが、以下の特許請求の範囲に記載の本発明の範囲を逸脱することなく、いくつかの変更や変形がなされ得ることが理解されよう。
【0025】
詳細な説明および図は、従って、図示するためのものであり、添付の特許請求の範囲を限定するためのものではない。当業者であれば、本発明の上記の開示を参照して、本発明の範囲を逸脱することなく、他の実施例および変更がなされ得ることを理解されよう。従って、本開示から、本発明の範囲を逸脱することなく、当業者によってなされ得る変更のすべては、本発明の更なる実施例とされる。本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の記載によって確定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉された構造体を測量する装置であって、
上記構造体内を長手方向に移動するように構成されたプラットフォームと、
上記プラットフォームに接続され、上記プラットフォーム上の点と上記構造体の壁との間の横方向距離を測定するように構成された少なくとも1つの第1の距離センサと、
上記プラットフォームに接続され、上記プラットフォーム上の点と上記構造体の第1の端部との間の長手方向距離を測定するように構成された少なくとも1つの第2の距離センサと、
上記プラットフォームを上記構造体内において実質的に長手方向に動かすように構成された搬送機械と、
を備える装置。
【請求項2】
上記プラットフォームに接続され、上記第1の距離センサおよび第2の距離センサからのデータを保存するように構成された電子コントローラをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
上記電子コントローラは、遠隔の電子機器へ上記データを送るようにさらに構成されていることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
上記搬送機械は、
モータと、
上記モータに駆動されるように接続され、上記構造体の第1の端部に配置されるように構成された第1のシーブと、
上記構造体の第2の端部に配置されるように構成された第2のシーブと、
上記第1のシーブと上記第2のシーブとの間に接続されたトラクション部材と、
を備え、
上記プラットフォームは、上記トラクション部材に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
上記プラットフォームに形成されたガイドホールと、
上記プラットフォームに接続され、上記ガイドホールの反対側に配置されたバランスウェイトと、
をさらに備え、
上記トラクション部材が上記ガイドホールを通過することを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
上記バランスウェイトは、上記ガイドホールを通過するトラクション部材に上記プラットフォームが及ぼす力を低減するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
水平面に対して実質的に直交する光学長手方向基準を発生させるように構成された光学アラインメントシステムをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
上記光学アラインメントシステムは、
送信機および受信機を含んでなる少なくとも一対のアラインメント送信機・受信機を備え、
上記送信機および受信機の一方は、上記構造体の第1の端部に配置され、上記送信機および受信機の他方は、上記構造体の第2の端部に或いは上記プラットフォーム上に配置され、
上記送信機によって発生されたビームが、上記水平面に対して実質的に直交する平面内を通過することを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
上記第1の距離センサは、レーザ距離センサおよび超音波距離センサからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
上記第2の距離センサは、レーザ距離センサおよび超音波距離センサからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
昇降路と、
電子測定器であって、上記昇降路内における該測定器の1つまたは複数の長手方向位置において、該測定器上の点と上記昇降路の壁との間の1つまたは複数の横方向距離を測定するように構成された電子測定器と、
上記測定器を上記昇降路内において長手方向に移動させるように構成された搬送機械と、
を備えるエレベータ昇降路測量システム。
【請求項12】
上記測定器は、
上記搬送機械に駆動されるように接続されたプラットフォームと、
上記プラットフォームに接続され、上記昇降路内における上記プラットフォームの1つまたは複数の長手方向位置において、上記プラットフォーム上の1つまたは複数の対応する点と、上記昇降路の壁と、の間の1つまたは複数の横方向距離を測定するように構成された少なくとも1つの第1の距離センサと、
上記プラットフォームに接続され、上記昇降内における上記プラットフォームの1つまたは複数の長手方向位置を測定するように構成された少なくとも1つの第2の距離センサと、
備えることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
上記プラットフォームに接続され上記第1の距離センサおよび第2の距離センサからのデータを保存するように構成された電子コントローラをさらに備えることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
上記第1の距離センサは、レーザ距離センサおよび超音波距離センサからなる群から選択されることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
上記第2の距離センサは、レーザ距離センサおよび超音波距離センサからなる群から選択されることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
上記搬送機械は、
モータと、
上記モータに駆動されるように接続され、上記昇降路の第1の端部に配置されるように構成された第1のシーブと、
上記昇降路の第2の端部に配置されるように構成された第2のシーブと、
上記第1のシーブと第2のシーブとの間に接続されたトラクション部材と、
を備え、
上記電子測定器が上記トラクション部材に接続されていることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
上記電子測定器に形成されたガイドホールと、
上記電子測定器に接続され、上記ガイドホールの反対側に配置されたバランスウェイトと、
を備え、
上記トラクション部材が上記ガイドホールを通過することを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
上記バランスウェイトは、上記ガイドホールを通過するトラクション部材に上記電子測定器が及ぼす力を低減するように構成されていることを特徴とする請求項17に記載の装置。
【請求項19】
水平面に対して実質的に直交する光学長手方向基準を発生させるように構成された光学アラインメントシステムをさらに備えることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項20】
送信機および受信機を含んでなる少なくとも一対のアラインメント送信機・受信機を備え、
上記送信機および受信機の一方は、上記構造体の第1の端部に配置され、上記送信機および受信機の他方は、上記構造体の第2の端部あるいは上記プラットフォーム上のいずれかに配置され、
上記送信機によって発生されたビームが、上記水平面に対して実質的に直交する平面内を通過することを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
エレベータ昇降路を測量する方法であって、
測定器を使用して、上記昇降路の長手方向基準軸に沿った第1の位置において、上記長手方向基準軸と上記昇降路の壁との間の1つまたは複数の横方向距離を電子的に測定し、
上記測定器を、上記昇降路内で上記長手方向基準軸に沿って第2の位置へ移動させ、
上記測定器を使用して、上記昇降路の長手方向基準軸に沿った第2の位置において、上記長手方向基準軸と上記昇降路の壁との間の1つまたは複数の横方向距離を電子的に測定し、
測定した横方向距離に基づく出力を提供すること、
を含む方法。
【請求項22】
上記長手方向基準軸は、上記昇降路の第1の端部および第2の端部の少なくとも一方に対して実質的に直交することを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
上記測定した横方向距離に基づく出力を提供することは、上記測定した横方向距離を、コンピュータで読取可能な形式で保存することを含む請求項21に記載の方法。
【請求項24】
上記測定した横方向距離に基づく出力を提供することは、上記測定した横方向位置を、遠隔の電子機器へ送ることを含む請求項21に記載の方法。
【請求項25】
上記遠隔の電子機器は、プリンタ、モニタおよびコンピュータ機器からなる群から選択されることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
上記測定した横方向距離は、上記長手方向基準軸に対して実質的に直交することを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項27】
上記測定した1つまたは複数の横方向距離のうちの1つまたは複数を、上記長手方向基準軸に沿った第1の位置および第2の位置に関連付けることをさらに含む請求項21に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−506222(P2011−506222A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536896(P2010−536896)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【国際出願番号】PCT/US2007/025065
【国際公開番号】WO2009/073010
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(591020353)オーチス エレベータ カンパニー (402)
【氏名又は名称原語表記】OTIS ELEVATOR COMPANY
【Fターム(参考)】