説明

エンコーダ用スケールとその製造方法および製造装置

【課題】 長尺または多数のエンコーダ用スケールを、精度良く、安価に製造する製造方法および製造装置を提供することが課題である。
【解決手段】 円筒形状シリンダ表面に剥離可能に設けたエンコーダ用スケール部材上にエンコーダ用スケールパターンを形成し、前記エンコーダ用スケール部材を、前記形成したエンコーダ用スケールパターン間に切れ込みを入れて前記円筒形状シリンダ表面から剥離し、リボン状のエンコーダ用スケールとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンコーダ用スケールとその製造方法および製造装置に係り、特に、高精度で長尺のエンコーダ用スケールを、容易に精度良く作成するエンコーダ用スケールとその製造方法および製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
精密加工機械や罫書き装置、及びプリンター等の情報機器においては、その位置情報を高精度で得るため、マグネットスケールなどが用いられていたが、マグネットスケールは高価であり、光学式のリニアエンコーダが用いられるようになっている。この光学式リニアエンコーダは、高精細に設けられたスリットが刻まれた光学式スケールに光を投射し、変調された反射光または透過光、若しくは回折光を受光素子で読み取って位置情報を得るものであり、最近は5mを超えるような長尺のスケールに対する要求も生じている。
【0003】
この光学式リニアエンコーダに用いられる光学式スケールの作成方法として従来では、スケールのスリット形状を設けた金型に樹脂を流し込んでスケールを形成する方法、特許文献1に示されているようにフォトリソグラフィ法でスケールパターンを焼き付け、現像後エッチングによってスリットを設ける方法等があり、さらに長尺のスケールを得る方法として特許文献2に示されているように、短いスケールユニットを接続する方法などが用いられていた。
【0004】
【特許文献1】特開2004−45255号公報
【特許文献2】特開2000−258191号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながらスリット形状を設けた金型を用いる方法は、金型の製作費用が高く、長尺のスケールを作成するときはずらしてプレスする必要があって位置合わせ精度の向上が困難であり、異なるパターンのスケールを作成するときは異なった金型が必要になって高コストとなるなどの問題がある。また、フォトリソグラフィ法は、フォトマスクの製作費用が高く、長尺のスケールを作成するためにはずらして露光する必要があって位置合わせ精度の向上が困難であり、また、異なるパターンのスケールを作成するときは、異なったマスクが必要になって高コストとなる。
【0006】
また、短いスケールユニットを接続して長尺とする方法は、上記問題に加え、スケールユニットの接続時の精度が問題になると共に、接続のための治工具や接着剤などが必要であり、大きな作業工数も必要になって必然的にコストアップになる。
【0007】
そのため本発明においては、長尺のエンコーダ用スケールを、容易に精度良く、安価に製造する方法を提供することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため本発明は、
エンコーダ用スケールの製造方法であって、
円筒形状シリンダ表面にエンコーダ用スケール部材を剥離可能に設けてエンコーダ用スケールパターンを形成し、該エンコーダ用スケール部材を、前記円筒形状シリンダ表面から剥離することを特徴とする。
【0009】
そして、その製造方法により得られるエンコーダ用スケールは、
円筒形状シリンダ表面に、剥離可能に設けたエンコーダ用スケール部材上に螺旋状、または平行に形成されたことを特徴とする。
【0010】
また、前記製造方法を実施するためのエンコーダ用スケール製造装置は、
円筒形状シリンダと、該円筒形状シリンダに剥離可能に設けたエンコーダ用スケール部材にエンコーダ用スケールパターンを露光して現像する装置と、該露光・現像して形成されたエンコーダ用スケールパターンを螺旋状、または平行に切れ込みを入れる装置とからなることを特徴とする。
【0011】
このように、円筒形状シリンダ上に設けたエンコーダ用スケール部材にエンコーダ用スケールパターンを形成し、剥離してエンコーダ用スケールとすることで、長尺なエンコーダ用スケールを容易に、高精度で、しかも安価に得ることが可能となる。
【0012】
そして、前記エンコーダ用スケール部材は前記円筒形状シリンダ表面に設けた金属メッキ層であり、前記エンコーダ用スケールパターンは、前記金属メッキ層上に塗布した感光層にエンコーダ用スケールパターンを露光、現像した後、前記金属メッキ層をエッチングすることで形成し、かつ、前記エンコーダ用スケール部材としての金属メッキ層は、金属製円筒形状シリンダ上に設けられた剥離層上に形成すること、前記エンコーダ用スケールパターンを形成したエンコーダ用スケール部材上に、耐腐食性メッキを施すことが本発明の好適な実施例である。
【0013】
また、前記エンコーダ用スケール部材は円筒形状シリンダ表面に塗布した光硬化性樹脂であり、前記エンコーダ用スケールパターンは、前記光硬化性樹脂を露光して硬化させ、未露光部を除去して形成し、さらに、前記エンコーダ用スケールパターンを形成したエンコーダ用スケール部材上に、保護膜を設けた後、切れ込みを入れることが本発明における他の好適な実施例である。
【0014】
さらに、前記エンコーダ用スケール部材を、前記円筒形状シリンダ表面に外装したスリーブ状の金属または樹脂系部材とし、該外装したスリーブ状のエンコーダ用スケール部材上に塗布した感光層にエンコーダ用スケールパターンを露光、現像した後、エッチングしてエンコーダ用スケールパターンを形成し、抜き取り加工もしくは前記円筒形状シリンダ上で所定の形状に切り取るようにしてもよい。
【0015】
さらに、前記露光をコンピュータに記憶させたエンコーダ用スケールパターンを用いてレーザ光で行うことにより、任意の形状のパターンを有したエンコーダ用スケールを製造することが可能となり、例えばアブソリュートエンコーダや、エンコーダ用スケールパターンを螺旋状に形成して長尺としたり、または複数のエンコーダ用スケールパターンを平行に形成して多数のエンコーダ用スケールをも容易に製造することができる、エンコーダ用スケールの製造方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上記載のごとく本発明によれば、長尺なエンコーダ用スケールを、容易に高精度で、しかも安価に得ることが可能となる。また、エンコーダ用スケールパターンをコンピュータに記憶させ、そのデータを元にレーザ光で露光するという方法を取ることで、任意の形状のパターンを有したエンコーダ用スケールを製造することが可能となり、例えばアブソリュートエンコーダや、エンコーダ用スケールパターンを螺旋状に形成して長尺としたり、または平行に形成して多数のエンコーダ用スケールをも容易に製造することができる、エンコーダ用スケールの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0018】
図1は、本発明の第1実施例になるエンコーダ用スケールの製造方法の概略を説明するための図であり、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)は、円筒形シリンダ上にエンコーダ用スケールパターンを形成する順序を示し、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)はその際の円筒形シリンダの構成概略を説明するための図、図2は本発明により製造されたリボン状のエンコーダ用スケールを示した図、図3はアブソリュートエンコーダパターンの一例である。
【0019】
最初に、本発明になるエンコーダ用スケールの製造方法の概略を説明すると、本発明ではまず、円筒形状シリンダ表面に剥離可能にエンコーダ用スケール部材とさらにその上にフォトレジストなどの感光層、またはエンコーダ用スケール部材として紫外線若しくは赤外線硬化樹脂などの光硬化製樹脂、もしくはスリーブ状の金属または樹脂系部材を外装して感光層を塗布する。そして感光層を設けた場合は、レーザ光でエンコーダ用スケールパターンを螺旋状または平行に露光装置を用いて露光して、現像装置とエッチング装置を用いて現像、エッチングをおこない、紫外線若しくは赤外線硬化樹脂などの光硬化製樹脂の場合は、紫外線若しくは赤外線レーザなどの露光装置を用いてエンコーダ用スケールパターンを螺旋状または平行に露光して硬化させ、未露光部を除去する。そして形成された螺旋状または平行に形成したエンコーダ用スケールパターンを、パターンとパターンの間に切れ込みを入れ、円筒形状シリンダから剥離、もしくは抜き取り加工して、螺旋状にエンコーダ用スケールパターンを露光した場合は長尺の、平行にエンコーダ用スケールパターンを露光した場合は複数のリボン状としたエンコーダ用スケールを得るようにしたものである。なお、エンコーダ用スケールパターンを平行に形成する場合は、円筒形状シリンダを大径とすることで、ある程度の長さのエンコーダ用スケールを得ることが可能となる。
【0020】
このようにしてエンコーダ用スケールを製造することにより、高精度な円筒形状シリンダを用い、コンピュータとレーザ光を用いてエンコーダ用スケールパターンを高精度に露光すれば、長尺なエンコーダ用スケールや複数本のエンコーダ用スケールを高精度に得ることが可能となる。また、コンピュータに記憶させたエンコーダ用スケールパターンをレーザ光で露光するという方法を取ることで、任意の形状のパターンを有したエンコーダ用スケールを製造することが可能となり、例えばアブソリュートエンコーダなども容易に製造することができる。以下、本発明の具体例を詳細に説明する。
【実施例1】
【0021】
本発明になるエンコーダ用スケールの製造方法の第1実施例は、グラビア印刷におけるレーザー製版システムを応用して作成するものである。
これを、本発明の第1実施例になるエンコーダ用スケールの製造方法の概略を説明するための図である図1を用いて説明すると、レーザー製版システムを適用して製版に供することができるようにした図1(A)の版胴1は、図1(a)にその構造を示したように、鉄などを用いた円筒形シリンダ2に例えば厚さ0.5μm程度のNiでメッキ層3を形成し、そのNiメッキ層3上に厚さ200μm程度の銅メッキ加工を施して下地銅の層4を形成する。
【0022】
そして、この下地銅4に砥石研磨、バフ研磨等により研磨仕上げを施し、さらに、Agで厚さ1.0μm程度のメッキ層5を形成して剥離層となす。そしてこのAgメッキ層5上に、銅メッキ加工を施して厚さ90μmの銅の層6を形成し、この銅層6を砥石研磨、バフ研磨等で研磨仕上げを施して版胴とする。この銅層6は、剥離層5の上に形成されるため、前記したように切れ込みを入れると容易に剥離することが可能である。
【0023】
そして本発明においては、この版胴1に、図1(B)、(b)に示したようにフォトレジストなどで感光層7を塗布し、その感光層7に、図1(C)に示したように、コンピュータに記憶させたエンコーダ用スケールパターン8をレーザ光等により、例えば螺旋状に高精度に露光する。なお、以下の説明では、エンコーダ用スケールパターンを螺旋状に円筒状シリンダの上に形成する場合を例に説明するが、前記したように、エンコーダ用スケールパターンを平行に、複数本形成しても良いことは自明である。
【0024】
そして感光層7を図1(c)のように現像して未露光部を除去し、露出した図1(D)に8で示したエンコーダ用スケールパターンを図1(d)に9で示したように印刷版作成と同様エッチングをおこなって彫り込み、フォトレジストなどの露光済み感光層7を除去し、図1(e)のように必要に応じて耐腐食性を付与するために硬質クロムメッキ10などを施す。なお、レーザ光等により露光するエンコーダ用スケールパターン8は、前記したようにアブソリュートエンコーダ用のパターンであっても良い。
【0025】
そして最後に、螺旋状に形成されたエンコーダ用スケールパターンとパターンの間に、図1(E)に点線で示したように、カッター、レーザ、ウォータージェットなどを用いてやはり螺旋状に切れ込み11を入れ、剥離層5の上に形成されていた銅層6を剥離して、図2に示したようにエンコーダ用スケールパターン20を有したリボン状のエンコーダ用スケール21を得るものである。
【0026】
このようにすることにより、例えば半径100mm、長さ1000mmのシリンダを用い、幅20mmのエンコーダ用スケールパターンを形成すると、約30mのエンコーダ用スケールを作成することができる。
【実施例2】
【0027】
本発明になるエンコーダ用スケールの製造方法の第2実施例は、図1(A)に示した円筒形状シリンダ1の表面に設ける剥離可能なエンコーダ用スケール部材として、銅層6の代わりに、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂などの露光によって硬化させることができる光硬化樹脂を用いるものである。そのためこの第2実施例の場合、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂などの光硬化樹脂を後で剥離できればいいから、図1(a)に示したような構成のシリンダでなく、金属製の無垢のシリンダを用いて作成するようにしても良い。これ以外は前記第1実施例と全く同様であり、高精度な金属製円筒形状シリンダの上に紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂などの光硬化樹脂を塗布し、例えば紫外線レーザまたは赤外線レーザを用い、図1(C)に8で示したようなエンコーダ用スケールパターンをレーザ光等により例えば螺旋状に露光する。このパターンは第1実施例と同様、コンピュータに記憶させたパターンを用い、前記したようにアブソリュートエンコーダ用のパターンであっても良い。
【0028】
そして未露光部を除去し、さらに全体に紫外線または赤外線を照射して硬化を確実なものにすると共に、必要に応じてラミネートしたり粘着性テープなどを貼って保護膜を設け、最後に、螺旋状に形成されたエンコーダ用スケールパターンとパターンの間に、やはり螺旋状にカッター、レーザ、ウォータージェットなどを用いて切れ込みを入れ、樹脂層を円筒形状シリンダから剥離して、図2に示したようなエンコーダ用スケールパターン20を有したリボン状のエンコーダ用スケール21を得るものである。なお、高精度のエンコーダ用スケールパターンの形成には、紫外線硬化樹脂を用い、紫外線レーザで露光する方が好適である。
【0029】
以上が本発明になるエンコーダ用スケールの製造方法であるが、このようにエンコーダ用スケールを円筒形シリンダ上に螺旋状に形成すると、レーザ光をシリンダ軸に平行に走査した場合、できあがったエンコーダ用スケールにおけるパターンは螺旋にした分、パターンが傾いたものになる。そのため、傾きが支障となる場合は、露光の際にその分傾けて露光するようにすればよい。なお、エンコーダ用スケールパターンを検出する光学素子が、パターンの傾斜に関係なく検出できるようなものが使える場合はこの限りではない。
【実施例3】
【0030】
また本発明によれば、エンコーダ用スケールパターン8は、コンピュータに記憶させたパターン8をレーザ光等により露光することで、任意の形状のパターンを有したエンコーダ用スケールを製造することが可能となり、例えば図3に一例を示したようなアブソリュートエンコーダ30の場合でも、全く同様に容易に製造することができるエンコーダ用スケールの製造方法を提供することができる。
【0031】
この図3において、白色の部分は光を透過する部分を表し、密トラック31は通常のエンコーダ用スケールであり、32は疎トラックで、不規則循環コードと呼ばれて透過部と非透過部とが「1」、「0」の2値に対応し、スケール長にわたって形成されたコードのうち、予め決められたある長さ(bit数)に着目すると、スケール長のどの部分を取っても同じコードとならないように配置されたパターンで形成されている。なお、アブソリュートエンコーダスケールは、この図3に示されたパターンに限定されるものではなく、例えば複数列のパターンとしてそれぞれの列をビットとするような形式のものでも良いことは自明である。
【実施例4】
【0032】
なお、本発明になるエンコーダ用スケールの製造方法は以上説明してきた方法だけでなく、例えば円筒形状シリンダに剥離可能にフィルムを巻き付け、その上に紫外線硬化樹脂や赤外線硬化樹脂、または紫外線硬化型インクなどを用いてエンコーダ用スケールパターンを螺旋状に形成し、切れ込みを入れて同様にリボン状のエンコーダ用スケールを得るようにしても良い。
【実施例5】
【0033】
さらに円筒形状シリンダ表面に、スリーブ状の金属または樹脂系部材をエンコーダ用スケール部材として外装し、その上に感光層を塗布してエンコーダ用スケールパターンを螺旋状に露光、現像した後、エッチングしてエンコーダ用スケールパターンを形成し、抜き取り加工もしくは前記円筒形状シリンダ上で所定の形状に切り取ることで形成するようにしても良い。
【実施例6】
【0034】
また、以上説明してきた実施例では、円筒状のシリンダ上に形成するエンコーダ用スケールパターンを螺旋状にし、長尺のエンコーダ用スケールを得る場合を示したが、前記したように、例えば円筒状のシリンダを大径とし、エンコーダ用スケールパターンを平行に形成した後剥離し、複数本のエンコーダ用スケールを得るようにしてもよい。このようにすると、長さは制限されるが、エンコーダ用スケールを容易に多数得ることができる。
【0035】
以上種々述べてきたように本発明によれば、円筒形状シリンダを用い、その円筒形状シリンダ上に剥離可能に設けたエンコーダ用スケール部材にエンコーダ用スケールパターンを露光装置を用いて形成し、切れ込みを入れて剥離する、という簡単な装置と方法で長尺なエンコーダ用スケールや多数のエンコーダ用スケールを高精度で容易に、しかも安価に得ることが可能となり、大型の精密加工機械や罫書き装置、及びプリンター等の情報機器においても、その位置情報を高精度で得ることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明によれば、長尺または多数のエンコーダ用スケールを高精度で容易に、しかも安価に得ることが可能となり、大型の精密加工機械や罫書き装置、及びプリンター等の情報機器においても、その位置情報を高精度で得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の第1実施例になるエンコーダ用スケールの製造方法の概略を説明するための図であり、(A)、(B)、(C)、(D)、(E)は、円筒形シリンダ上にエンコーダ用スケールパターンを形成する順序を示し、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)はその際の円筒形シリンダの構成概略を説明するための図である。
【図2】本発明により製造されたリボン状のエンコーダ用スケールを示した図である。
【図3】アブソリュートエンコーダパターンの一例である。
【符号の説明】
【0038】
1 版胴
2 円筒形シリンダ
3 Niメッキ層
4 下地銅層
5 Agメッキ層(剥離層)
6 銅層
7 感光層
8 エンコーダ用スケールパターン
9 エッチングして彫り込んだ部位
10 硬質クロムメッキ層
11 切れ込み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンコーダ用スケールの製造方法であって、
円筒形状シリンダ表面にエンコーダ用スケール部材を剥離可能に設けてエンコーダ用スケールパターンを形成し、該エンコーダ用スケール部材を、前記円筒形状シリンダ表面から剥離することを特徴とするエンコーダ用スケールの製造方法。
【請求項2】
前記エンコーダ用スケール部材は前記円筒形状シリンダ表面に設けた金属メッキ層であり、前記エンコーダ用スケールパターンは、前記金属メッキ層上に塗布した感光層にエンコーダ用スケールパターンを露光、現像した後、前記金属メッキ層をエッチングすることで形成したことを特徴とする請求項1に記載したエンコーダ用スケールの製造方法。
【請求項3】
前記エンコーダ用スケール部材としての金属メッキ層は、金属製円筒形状シリンダ上に設けられた剥離層上に形成されていることを特徴とする請求項2に記載したエンコーダ用スケールの製造方法。
【請求項4】
前記エンコーダ用スケールパターンを形成したエンコーダ用スケール部材上に、耐腐食性メッキを施したことを特徴とする請求項2または3に記載したエンコーダ用スケールの製造方法。
【請求項5】
前記エンコーダ用スケール部材は円筒形状シリンダ表面に塗布した光硬化性樹脂であり、前記エンコーダ用スケールパターンは、前記光硬化性樹脂を露光して硬化させ、未露光部を除去して形成したことを特徴とする請求項1に記載したエンコーダ用スケールの製造方法。
【請求項6】
前記エンコーダ用スケールパターンを形成したエンコーダ用スケール部材上に、保護膜を設けた後、切れ込みを入れることを特徴とする請求項5に記載したエンコーダ用スケールの製造方法。
【請求項7】
前記エンコーダ用スケール部材を、前記円筒形状シリンダ表面に外装したスリーブ状の金属または樹脂系部材とし、該外装したスリーブ状のエンコーダ用スケール部材上に塗布した感光層にエンコーダ用スケールパターンを露光、現像した後、エッチングしてエンコーダ用スケールパターンを形成し、抜き取り加工もしくは前記円筒形状シリンダ上で所定の形状に切り取ることを特徴とする請求項1に記載したエンコーダ用スケールの製造方法。
【請求項8】
前記露光をコンピュータに記憶させたエンコーダ用スケールパターンを用いてレーザ光で行うことを特徴とする請求項2または5、もしくは7に記載したエンコーダ用スケールの製造方法。
【請求項9】
前記エンコーダ用スケールパターンをアブソリュートエンコーダ用パターンとしたことを特徴とする請求項8に記載したエンコーダ用スケールの製造方法。
【請求項10】
前記エンコーダ用スケール部材上に形成するエンコーダ用スケールパターンを、螺旋状に、または複数のエンコーダ用スケールパターンを平行に、形成したことを特徴とする請求項1乃至9に記載したエンコーダ用スケールの製造方法。
【請求項11】
円筒形状シリンダ表面に、剥離可能に設けたエンコーダ用スケール部材上に螺旋状、または平行に形成されたことを特徴とするエンコーダ用スケール。
【請求項12】
円筒形状シリンダと、該円筒形状シリンダに剥離可能に設けたエンコーダ用スケール部材にエンコーダ用スケールパターンを露光して現像する装置と、該露光・現像して形成されたエンコーダ用スケールパターンを螺旋状、または平行に切れ込みを入れる装置とからなることを特徴とするエンコーダ用スケールの製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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