説明

エンボス加工した吸収性物品

エンボス加工された物品は、剥離紙を機能的に取り付けるように機能する、1つ以上の接着剤パターンを有する。剥離紙を、陥没区域を有するバックシートに取り付けるための方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤により接着した剥離紙を有するエンボス加工した吸収性物品に関連する。本発明は更に、吸収性物品のエンボス加工及び吸収性物品への接着剤の適用のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
回転式エンボス加工システムは、吸収性物品を形成するウェブをエンボス加工するために従来的に使用されてきた。典型的には、エンボス加工システムは、回転式エンボスロール及び共働的な回転式アンビルロールを含んできた。吸収性物品のための様々な所望のエンボスパターンを生成するために、異なるエンボス加工ダイが回転式エンボスロールに固定され得る。女性用生理ナプキンなどの典型的なエンボス加工した吸収性物品は、トップシート、吸収性コア及びバックシートを含み、バックシートは通常、トップシート及び吸収性コアのエンボス加工の前にトップシートに取り付けられる。エンボス加工の前のバックシートの吸収性コアへの取り付けは、エンボス加工の深さを制限したが、これは、エンボス加工が深すぎると、バックシートの切断又は破断などにより、エンボス加工中にバックシートが破損し得るためである。バックシートは典型的には、プラスチックなどの防水性材料から作製され、これはバックシートを、例えば不織布などよりも損傷に対して脆弱なものとする。吸収性物品の外観の損傷に加え、バックシートへの損傷は吸収性物品の効率性を悪化させ得るがこれは、損傷したバックシートが吸収された流体を吸収性物品から逃し着用者の皮膚又は衣服に接触させるためである。
【0003】
吸収性物品内の深いチャネルのエンボス加工は、着用者の身体に改善された吸収性物品のフィットを提供し、これは優れた保護性能を提供するために重要である。深いチャネルのエンボス加工はまた、着用者に心地良い女性用設計を提供する。更にエンボス加工した領域はまた、流体が吸収性物品の側部から逃れることを防ぐ流体障壁として機能する。
【0004】
加えて、深いチャネルを形成するエンボス加工のプロセスは、回転式エンボスロールと接触する表面(典型的には、トップシートを含む身体に面する表面)だけではなくまた、反対側の表面(典型的には衣類に面する表面)にもエンボス加工を生成することができる。吸収性コアの衣類に面する表面は、バックシートと接触する表面である。バックシートは多くの場合、吸収性コアの衣類に面する表面に存在するエンボス加工にぴったりと一致し、バックシートの不均一な表面を生じる。バックシートの不均一な表面は、剥離紙をバックシートの表面に取り付けようとする際に問題を生じる。通常、接着剤が最初に剥離紙に適用され、その後、剥離紙がバックシートと接触し、それによって接着剤が剥離紙をバックシートに、使用時まで保持する。しかしながら、エンボス加工によりバックシートに谷部が存在するため、剥離紙上に存在する接着剤がこれらの谷部に架橋し、結果的に接着剤はバックシートと直接的に接触しない。不規則な接着剤接触は、剥離紙からバックシートへの乏しい接着剤転移により、接着剤が剥離紙上に留まるか、又は吸収性物品上に残留する効率を低減して、ユーザーのパンティーなどの望ましくない表面に転移することを含む、いくつかの問題を生じる。別の問題は、ユーザーが剥離紙をパッドから剥がすと、接着剤がバックシートと剥離紙との間で糸状になる(ガムを踏み足を上げたときにガムが靴に粘着/糸状化するのと同様の状態)ことである。接着剤はユーザーの指に付着し、剥離紙又はバックシートのいずれかに跳ね返り得る。これらは全てユーザーのための望ましくない使用経験である。更なる複雑化要因は、バックシートと接触しない接着剤が剥離紙から転移せず、吸収性物品の使用をより困難にすることであるが、これは剥離紙がここで望ましくない表面に付着し、吸収性物品の取り付けを複雑化させるためである。加えて、接着剤のバックシートへの直接的な適用は、接着剤をバックシート内に形成される谷部に適用せず、剥離紙と同じ問題を生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
容易に取り外し可能なバックシートを可能にする、深いチャネルのエンボス加工及び接着剤パターンを有する吸収性物品が必要とされる。吸収性物品のバックシートへの損傷を防ぎ、剥離紙のバックシートへの適切な接着を可能にする、深いチャネルのエンボス加工を形成する方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
吸収性物品であって、トップシートと、バックシートと、トップシートとバックシートとの間に位置付けられた吸収性コアとを含み、トップシートは、吸収性物品の身体に面する側面を形成し、バックシートは吸収性物品の衣類に面する側面を形成し、吸収性物品は厚さを有し、吸収性物品の身体に面する側面は、エンボス加工区域を有し、エンボス加工区域は、吸収性物品の厚さの約20%〜約75%の平均深さを有し、吸収性物品の衣類に面する側面は、陥没区域を有し、陥没区域は吸収性物品の厚さの約15%〜約75%の平均深さを有し、衣類に面する側面は接着剤パターンを有し、接着剤パターンは、幅及び画定された表面積を有し、接着剤は画定された表面積の少なくとも約80%を被覆し、接着剤パターンは約8mm〜約25mmの形成間隔の範囲内で形成する際に、パターン幅の約0mm〜約2mmの範囲内の画定変動を有し、吸収性物品は、接着剤パターンに機能的に取り付けられた剥離紙を含む、吸収性物品が提供される。
【0007】
吸収性物品であって、トップシートと、バックシートと、トップシートとバックシートとの間に位置付けられた吸収性コアとを含み、トップシートは、吸収性物品の身体に面する側面を形成し、バックシートは吸収性物品の衣類に面する側面を形成し、吸収性物品は厚さを有し、吸収性物品の身体に面する側面は、エンボス加工区域を有し、エンボス加工区域は、吸収性物品の厚さの約20%〜約75%の平均深さを有し、吸収性物品の衣類に面する側面は、陥没区域を有し、陥没区域は吸収性物品の厚さの約15%〜約75%の平均深さを有し、衣類に面する側面は接着剤パターンを有し、接着剤パターンは、幅及び画定された表面積を有し、接着剤は画定された表面積の少なくとも約80%を被覆し、接着剤パターンは約8mm〜約25mmの形成間隔の範囲内で形成する際に、パターン幅の約0mm〜約2mmの範囲内の縁部画定変動を有し、吸収性物品は、接着剤パターンに機能的に取り付けられた剥離紙を含み、剥離紙の剥離力は、約2.45N(250gf)〜約5.88N(600gf)であり、剥離紙の除去後、剥離紙は、4mm以上の平均直径を有する接着剤の液滴又は糸を有さない、吸収性物品が提供される。
【0008】
吸収性物品をエンボス加工するための方法であって、トップシートを提供する工程と、衣類に面する側面及び身体に面する側面を有する吸収性コアを提供し、吸収性コアの身体に面する側面をトップシート上に位置付ける工程と、トップシート及び吸収性コアを機械方向に移動させる工程と、トップシートと回転式エンボス加工装置のエンボス加工部材とを機能的に接触させて、トップシート及び吸収性コアの身体に面する側面の少なくとも一部にエンボス加工区域を形成し、吸収性コアの衣類に面する側面に陥没区域を形成する工程と、バックシートと、陥没区域を有する吸収性コアの衣類に面する側面とを接触させて、厚さを有する吸収性物品を製造する工程と、非接触ダイ手段を使用して、接着剤をバックシートに所定のパターンで適用する工程と、剥離紙をバックシートに機能的に取り付ける工程とを含む、方法が提供される。
【0009】
吸収性物品をエンボス加工するための方法であって、トップシートを提供する工程と、衣類に面する側面及び身体に面する側面を有する吸収性コアを提供し、吸収性コアの身体に面する側面をトップシート上に位置付ける工程と、トップシート及び吸収性コアを機械方向に移動させる工程と、トップシートと回転式エンボス加工装置のエンボス加工部材とを機能的に接触させて、トップシート及び吸収性コアの身体に面する側面の少なくとも一部にエンボス加工区域を形成し、吸収性コアの衣類に面する側面に陥没区域を形成する工程と、バックシートと、陥没区域を有する吸収性コアの衣類に面する側面とを接触させる工程と、非接触ダイ手段を使用して、接着剤をバックシートに所定のパターンで適用する工程であって、この接着剤の適用が、押出出口から接着剤を押し出す工程と、押出出口からの空気流を、押し出される接着剤へ所定の角度で衝突させる工程と、押し出された接着剤をバックシート上に堆積させる工程と、剥離紙をバックシートに機能的に取り付ける工程とを含む、方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】吸収性コアのエンボス加工方法の概略側面図。
【図2】エンボス加工区域を有する女性用生理ナプキンの身体に面する表面の、上から下の、部分的に表面を切り取った図。
【図3】横断方向線3−3に沿った、図2の女性用生理ナプキンの断面図。
【図4】本発明に使用され得る回転式エンボス加工装置の側面図。
【図5】エンボス加工部材の平面図。
【図6】横断方向線6−6に沿った、図5のエンボス加工部材の断面図。
【図7】エンボス加工部材の一部を通じた断面図の拡大図。
【図8】エンボス加工部材の一部を通じた断面図の拡大図。
【図9】本発明に使用され得る非接触ダイ手段の部分断面図のダイアグラム的な側面図。
【図10】図9に示される非接触ダイ手段の拡大図。
【図11】女性用生理ナプキンに接着剤を適用する際に、本発明の一実施形態の使用を例示するダイアグラム的な図。
【図12】非接触ダイ手段において使用され得るスロット付きシムの正面図。
【図13】非接触ダイ手段において使用され得るスロット付きシムの正面図。
【図14】上部の接着剤及び剥離紙を有する女性用生理ナプキンの斜視分解図。
【図15】取り付けられた剥離紙を有する女性用生理ナプキンの斜視図。
【図16】横断方向線16−16に沿った、図15の女性用生理ナプキンの断面図。
【図17】女性用生理ナプキンの断面図。
【図18】女性用生理ナプキンの断面図。
【図19】女性用生理ナプキンの図。
【図20】剥離紙を示す一連の図。
【図21】圧迫重りの組立てを示す図。
【図22】サンプルの調製を例示する図。
【図22A】サンプルの調製を例示する図。
【図22B】サンプルの調製を例示する図。
【図22C】サンプルの調製を例示する図。
【図22D】サンプルの調製を例示する図。
【図22E】サンプルの調製を例示する図。
【図22F】サンプルの調製を例示する図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明はエンボス加工された吸収性物品、並びに女性用生理ナプキンなどのエンボス加工された吸収性物品の製造方法に関連する。本方法は、トップシートと、身体に面する表面及び衣類に面する表面を有する吸収性コアを機械方向に移動させことを含み、それによってこれらは回転式アンビルと機能的に接触する1つ以上のエンボス部材を有する回転式エンボス加工装置によってエンボス加工される。エンボス加工部材は、トップシートの身体に面する表面に接触し、トップシート及び吸収性コアの身体に面する表面にエンボス加工区域を形成し、吸収性コアの衣類に面する表面のエンボス加工区域と対応する陥没区域を形成する。エンボス加工の後に、バックシートは吸収性コアウェブの衣類に面する表面を被覆する。スプレーなどの非接触方法を使用して接着剤がバックシートに適用され、剥離紙はその後、バックシートの接着剤コーティングされた表面と接触する。
【0012】
本明細書において使用するとき、用語「吸収性物品」とは、体液を吸収及び収容する装置を指し、より具体的には身体から排出されるものなど、様々な液体を吸収及び収容するように、皮膚に対して又はその付近に配置され得る装置を指す。典型的用途において、吸収性物品は、単一使用の後に洗濯ないしは別の方法で復元又は再使用されることを意図されない。吸収性物品の例としては、パーソナルケア吸収性製品、例えば、女性用衛生物品(例えば、女性用生理ナプキン、パンティーライナー、タンポン、陰唇間装置など)、乳幼児用おむつ、子供用トレーニングパンツ、成人用失禁製品、並びに吸収性拭きとり用品が挙げられるがこれらに限定されない。
【0013】
吸収性物品及びこれらの個別の構成要素、例えば液体透過性シート、トップシートに接合された実質的に液体透過性のバックシート、及びトップシートとバックシートとの間に位置付けられ、保持される吸収性コアは、身体に面する表面及び衣類に面する表面を有する。本明細書において、「身体に面する表面」とは、通常使用の間において、着用者の身体に向かって配置されるか、又はこれに隣接するように配置されることを意図される物品若しくは構成要素の表面を意味し、一方で「衣類に面する表面」とは、反対側にあり、通常使用において着用者の身体の反対側を向くように配置されるように意図される。衣類に面する表面は、吸収性物品が着用される際に、着用者の下着に向かうか又はこれに隣接して配置されるように構成されてもよい。一般的に、トップシートは、吸収性物品によって保持又は貯蔵されるように意図される液体に対して機能的に透過性であり、バックシートは意図される液体に対して実質的に不透過性であるか、ないしは別の方法で機能的に不透過性であり得る。吸収性物品はまた、他の構成要素、例えば、二次トップシート、液体吸上層、液体分配層、バリア層など、並びにこれらの組み合わせなどを含み得る。
【0014】
図1及び図2を参照し、本発明のエンボス加工された吸収性物品、及びこれを製造するために使用される方法は、長手方向に延びる機械方向10、及び横方向に延びる横断方向12を有し得る。機械方向10は、特定の構成要素又は材料がそれに沿い、エンボス加工された吸収性物品を製造するための方法の特定の位置に沿って、かつこれを通じて移送されるような方向である。横断方向12は一般的に、本方法を通じて移送される材料の平面内に存在し、機械方向10と垂直に位置合わせされる。したがって、図1に代表的に示される構成を考慮して、横断方向12は図面のシートの平面と垂直に延びる。
【0015】
図1、3及び4を参照し、エンボス加工された吸収性物品の形成のためのエンボス加工方法は、吸収性コア22をトップシート24などのウェブ材料上に位置付けることを含み得る。図1に示されるように、いずれも連続的なウェブ又は個別の構成要素の形態であり得るトップシート24及び吸収性コア22を機械方向10に沿って、選択されるウェブ速度で移動させ、いくつかの実施形態においてはトップシート24及び吸収性コア22は、2つ以上の予備カレンダリングロール(precalendering rolls)21を通過し得る。予備カレンダリングは、エンボス加工の工程が安定的な結合を達成するために非常に大きな力を必要とし得るために使用され得る。予備カレンダリングにより、これらの圧迫のいくらかは実際のエンボス加工工程の前に行われ得る。予備カレンダリングは、吸収性コア22のいずれかの恒久的変形を意図するものではなく、エンボス加工の前に吸収性コア22の標的部位を部分的に圧迫することを意図する。これは、エンボス加工区域における結合を「達成」するためのエンボス加工の工程を可能にし、吸収性コア22の残りの領域では、予備カレンダリング工程からの「再結合」を可能にする。予備カレンダリングロール21(必要な場合)の後に、トップシート24及び吸収性コア22が回転式エンボス加工装置30と機能的に接触し、吸収性コア22の身体に面する表面23におけるエンボス加工区域40及び衣類に面する表面27における陥没区域41を形成する。
【0016】
図4に示されるように、回転式エンボス加工装置30は、横断方向12及び円周方向42を有する周縁表面32と、外側表面32に位置するエンボス加工部材34とを含む。図1に示されるように、エンボス加工方法はまた、回転式エンボス加工装置30と共働するように構成されたアンビル部材50を含み得る。アンビル部材50は、回転式アンビルであり得る。加えて、アンビル部材50は、回転式エンボス加工装置30とアンビル部材50との間に位置し得る機能的エンボス加工区域を提供するように構成され得る。
【0017】
いくつかの実施形態において、吸収性コア22は、ウェブ形態である場合、図2及び図3に示される女性用生理ナプキンなどの女性用ケア物品において使用するための、個別の吸収性コアを提供するために、切断ないしは別の方法で分割され得る。女性用生理ナプキン80は、長手方向10に沿った長さ方向の寸法と、横断方向12に沿って横方向に延びる横方向寸法とを有し、これらはそれぞれ、上記の機械方向10及び横断方向12に対応する。
【0018】
吸収性コア22は、バックシートと接触する前にエンボス加工される。これは、吸収性コア22がエンボス加工区域40において、より深くエンボス加工される一方で、バックシートなどの吸収性物品の構成要素の望ましくない破断又は破裂を実質的に回避することを可能にする。
【0019】
図1を参照し、吸収性コア22は例えば、ベルト上に位置付けられることによって、選択された速度で機械方向10に移動するように構成され得る。いくつかの実施形態において、速度は毎秒約2メートル(m/秒)〜約9m/秒であり、いくつかの実施形態において速度は約5m/秒〜約7m/秒であり得る。
【0020】
図2及び図3は、本発明のエンボス加工された吸収性物品を示し、これはこの場合においては、トップシート24を含む身体に面する表面23と、トップシート24、吸収性コア22又はその両方に結合された液体不透過性バックシート28を含む衣類に面する表面27との間に位置付けられた吸収性コア22を有する、女性用生理ナプキン80である。女性用生理ナプキン80の身体に面する表面23は、身体に面する表面23の周囲領域から、エンボス加工区域40の最低部分まで測定した際に深さ「D」を有するエンボス加工区域40を有する。いくつかの実施形態において、身体に面する表面23のエンボス加工区域40の深さ「D」は、吸収性物品(この場合においては女性用生理ナプキン)の厚さ「T」の約20%〜約75%であり得、いくつかの他の実施形態においては、エンボス加工区域40の深さ「D」は、吸収性物品の厚さ「T」の約25%〜約50%であり得る。吸収性物品の厚さは、室温、並びに標準的な圧力及び湿度で測定される。この深さを有するエンボス加工区域は、改善された身体フィット、良好な液体バリア、並びに審美的視覚的効果という利益を提供する。女性用生理ナプキン80の衣類に面する表面27は、身体に面する表面27の周囲領域から陥没領域41の最低部分まで測定した際に深さ「D」を有する陥没区域41を有する。衣類に面する表面27の陥没区域41の深さ「D」は、吸収性物品(これはこの場合において女性用生理ナプキンである)の厚さ「T」の約15%〜約75%であり得、他のいくつかの実施形態においては陥没区域41の深さ「D」は、吸収性物品の厚さ「T」の約25%〜約50%であり得る。女性用生理ナプキン80の衣類に面する表面27は、回転式エンボス加工装置30と直接接触しない一方で、陥没区域41が生成される。理論に制限されないが、衣類に面する表面27の陥没区域41は、トップシート、吸収性コア及び二次トップシート(存在する場合)の引張りにより形成されるものと考えられる。エンボス加工及び回転式エンボス加工装置及びアンビル部材の除去の後、トップシート、吸収性コア及び二次トップシートを形成する材料の回復が、材料を、女性用生理ナプキンのエンボス加工区域の中央及び身体に面する表面に向かって上方に引くか、又は引っ張って戻す。
【0021】
女性用生理ナプキン80は長手方向軸「L」を有し、かつまた当該技術分野において既知の「ウィング」又は「フラップ」、又は吸収性コア22への流体の移送を促進するための流体獲得層などの、女性用生理ナプキンにおいて一般的に見出される追加的な機構を備えてもよい。更に、吸収性物品のトップシートは当該技術分野において既知の様々な任意の特徴を有することができ、例えば、トップシートは、流体獲得を補助する開口部を有することができる。
【0022】
いくつかの実施形態において、トップシートは、着用者の皮膚及び毛髪に対して適合する、柔軟な感触を有し、刺激を与えないものであり得る。更にトップシートは、液体透過性であり、液体、例えば、経血又は尿がその厚みを通して容易に浸透可能なものである。好適なトップシートは、織布材料及び不織布材料(例えば、繊維の不織布ウェブ);孔あき成形熱可塑性フィルム、孔あきプラスチックフィルム、及びハイドロフォーミングされた熱可塑性フィルム等の高分子材料;多孔質発泡体;網状発泡体;網状熱可塑性フィルム;並びに熱可塑性スクリム等の広範囲の材料から製造されてよい。好適な織布及び不織布材料は、天然繊維(例えば、木質繊維若しくは綿繊維)、合成繊維(例えば、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、若しくはポリエチレン繊維などのポリマー繊維)、又は天然繊維と合成繊維との組み合わせからなるものでよい。トップシートが、不織布ウェブを含む場合、ウェブは、多くの既知の手法により製造されてよい。例えば、ウェブが、スパンボンドされるか、毛羽立てられるか、湿式載置されるか、メルトブローされるか、水流交絡されるか、上記の組み合わせ等を施されてもよい。
【0023】
バックシートは、経血又は尿などの液体に対して実質的に透過性であり、薄いプラスチックフィルムから製造され得るが、他の可撓性の液体不透過性材料もまた使用され得る。バックシートは、吸収性コアによって吸収された滲出物が、例えば、ベッドシート、パンツ、パジャマ及び下着などの、ユーザーの寝具又は衣類を濡らすことを防ぐ。いくつかの実施形態において、バックシートは、空気及び水蒸気が吸収性物品から、特に吸収性コアから出るための十分な通路を与える一方で、体液の通路を遮蔽し得る。したがって、バックシートは、織布又は不織布材料、高分子フィルム、例えばポリエチレン若しくはポリプロピレンの熱可塑性フィルム、又は複合材料、例えばフィルムコーティングされた不織布材料を含んでもよい。いくつかの実施形態において、バックシートは、2003年の9月23日に発行された、米国特許第6,623,464号(Bewick−Sonntagら)に記載されるものなどの、通気性バックシートであり得る。
【0024】
図3に示されるようにバックシート28及びトップシート24はそれぞれ、女性用生理ナプキン80の、衣類に面する表面27及び身体に面する表面23に位置付けられる。いくつかの実施形態において、吸収性コアは、当該技術分野において既知のものなど、既知の取り付け手段によって、トップシート、バックシート又はその両方と接合され得る。しかしながら、本発明のいくつかの実施形態では、吸収性コアはトップシート、バックシート又はその両方と取り付けられていない。
【0025】
図2及び図3の吸収性コア22は、一般的にトップシート24とバックシート28との間に配置される。吸収性コア22は、一般的に圧縮可能で、適合性があり、着用者の皮膚に対して刺激を与えず、尿及び他の特定の身体排出物(例えば、経血)などの液体を吸収及び保持することが可能な任意の吸収性材料を更に含み得る。吸収性コア22は、女性用ケア物品に通常使用される様々な液体吸収性材料及び一般にエアフェルトと呼ばれている粉砕木材パルプ等のその他の吸収性物品を含んでもよい。他の好適な吸収性材料の例としては、縮みセルロース詰め物、コフォームを包含するメルトブローンポリマー、化学的に硬化、修飾、若しくは架橋されたセルロース繊維、ティッシュラップ及びティッシュラミネートを包含するティッシュ、高分散相エマルション(HIPE)から形成される発泡体などの吸収性発泡体、吸収性スポンジ、超吸収性ポリマー、吸収性ゲル材料;又は他のあらゆる既知の吸収性材料、あるいはこれらの材料の組み合わせが挙げられる。吸収性コアは、微量(典型的には10%未満)の非液体吸収性材料、例えば、接着剤、ワックス、油などを更に含んでもよい。本発明において使用され得る吸収性構造の例は、1989年5月30日に発行された米国特許第4,834,735号(Alemanyら)、1997年7月22日の同第5,625,222号(DesMaraisら)に見出される。
【0026】
吸収性コアはまた、1つ以上の超吸収性材料を含み得る。本発明における使用のために好適な超吸収性材料は、当業者に既知であり、粒子形状など、任意の機能的形態であり得る。超吸収性材料は水膨潤性で、一般的に不水溶性のヒドロゲル形成ポリマー吸収性材料であり得、これは、その重量の少なくとも約20倍、いくつかの実施形態では約30倍、及び追加的な実施形態では約60倍以上の、生理食塩水(例えば、0,9重量% NaCl)を吸収することができる。ヒドロゲル形成ポリマー吸収性材料は、有機ヒドロゲル形成ポリマー材料から形成されてもよく、これには寒天、ペクチン及びグアーガムなどの天然材料、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースなどの変性天然材料、並びに合成ヒドロゲル形成ポリマーが挙げられる。合成ヒドロゲル形成ポリマーとしては、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、エチレン無水マレイン酸コポリマー、ポリビニルエーテル、ポリビニルモルホリノン、ビニルスルホン酸のポリマー及びコポリマー、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、ポリビニルピリジンなどのアルカリ金属塩が挙げられる。他の好適なヒドロゲル形成ポリマーとしては、加水分解アクリルニトリルグラフトデンプン、アクリル酸グラフトデンプン及びイソブチレン無水マレイン酸コポリマー及びこれらの混合物が挙げられる。ヒドロゲル形成ポリマーは、好ましくは軽く架橋されて、材料を実質的に不水溶性にする。架橋は例えば、照射若しくは架橋、イオン、ファンデルワールス力又はヒドロゲル結合による場合がある。好適な材料は、Dow Chemical Company及びStockhausen,Incなどの、様々な商業ベンダーから入手可能である。超吸収性材料は、吸収性物品の指定の貯蔵又は保持部分に含まれてもよく、かつ任意により、吸収性物品の他の構成要素又は部分に利用されてもよい。
【0027】
図1に示されるように、回転式エンボス加工装置30は、アンビル部材50に隣接して共働するように位置付けられ得る。アンビル部材50は、回転式エンボス加工装置30に対して逆回転するように配置される。いくつかの実施形態において、本方法は代替的に、非回転式アンビル部材を含み得る。
【0028】
回転式エンボス加工装置30は、選択されたロール半径35を有し得る。いくつかの実施形態において、ロール半径は約7cm〜約25cmであり得、他のいくつかの実施形態において、ロール半径は、約11cm〜約19cmであり得る。
【0029】
回転式エンボス加工装置30を駆動するために、任意の従来的な動力機構又はシステムが利用され得る。このような動力機構としては、エンジン、モーター、電磁動力システム、流体動力システムなど、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。選択された駆動システムは、外側周縁リム表面32において、回転式エンボス加工装置30に選択された表面速度を提供するように構成され、いくつかの実施形態においては、周縁表面速度は、エンボス加工された吸収性コアのウェブ速度と実質的に同等であり得る。
【0030】
図4に示されるように、回転式エンボス加工装置30は、回転式エンボス加工装置の周縁方向42に沿って、かつ横方向横断方向12に沿って延びる、外側周縁リム表面32を有し得る。図1、4、5及び6を参照し、少なくとも一実施形態34は回転式エンボス加工装置30の外側周縁表面32上に位置し得る。いくつかの実施形態において、2つ以上のエンボス加工部材34の内の複数が、所望の配列で外側周縁表面32上に分配され得る。例えば、複数のエンボス加工部材は、エンボス加工装置30の周縁方向に沿って連続的に構成される場合があり、連続的構成は所望により不規則又は実質的に不規則であり得る。
【0031】
エンボス加工部材34は、吸収性物品に所望のエンボス加工を提供するために、任意の所望の形状、設計又は形状及び設計の組み合わせであってもよく、エンボス加工部材34は、いくつかの実施形態においては、図5において示されるように、2つ以上の二次形状39によって境界される主要形状38を含み得る。
【0032】
エンボス加工部材は、吸収性物品に対称形状、非対称形状、規則的又は不規則的直線的形状、規則的又は不規則的曲線的形状など、並びにこられの組み合わせを提供し得る。エンボス加工部材は、所望により非連続的又は実質的に連続的であるように構成され得る。特定の構成において、エンボス加工部材は、実質的に閉じた形状を効果的に提供するように構成され得る。いくつかの実施形態において、エンボス加工部材は、エンボス加工作業中に、吸収性コア外辺部の実質的全体に沿って延びるように構成され得る。
【0033】
図6及び図7を参照し、エンボス加工部材34は、エンボス加工部材高さ46及びエンボス加工部材幅48を有し得る。エンボス加工部材高さ46は、エンボス加工部材表面の頂部47と、エンボス加工装置の対応する局部外側表面区域32との距離である。いくつかの実施形態において、エンボス加工部材高さ46は、約2mm〜約12mmであり得る。いくつか他の実施形態において、エンボス加工部材高さ46は、約3mm〜約4mmであり得る。図7を参照し、いくつかの実施形態において、エンボス加工部材幅48は、約0.25mm〜約4mmであり得る。いくつかの実施形態において、エンボス加工部材幅48は、約0.5mm〜約2mmであり得る。エンボス加工部材34は、側壁区域64を含む場合があり、側壁区域は側壁角66を有し得る。いくつかの実施形態において、側壁角は、約0°〜約50°であり得る。いくつかの他の実施形態において、側壁角は、約10°〜約20°であり得る。
【0034】
図8に示されるように、いくつかの実施形態において、エンボス加工部材34は2つ以上のエンボス加工要素43、44の内の複数を含む場合がある。例えば、図示されるように、エンボス加工部材34は、第1エンボス加工要素43及び第1エンボス加工要素43に隣接するように位置する第2エンボス加工要素44を含み得る。直接隣接するエンボス加工要素43と44との間に選択される分離間隔45が存在し得る。いくつかの実施形態において、第1エンボス加工要素43と第2エンボス加工要素44との間の分離間隔は、約0.05cm〜約0.8cmであり得る。いくつかの他の実施形態において、第1エンボス加工要素43と第2エンボス加工要素44との間の分離間隔は、約0.1cm〜約0.4cmであり得る。多要素のエンボス加工部材34は、第1エンボス加工要素43の外側縁部90と、第2エンボス加工要素44の外側縁部92との間で測定される全体幅48を有し得る。いくつかの実施形態において、エンボス加工部材幅48は、約0.15mm〜約2.2mmであり得る。いくつかの他の実施形態において、エンボス加工部材幅48は、約0.3mm〜約1mmであり得る。第1エンボス加工要素43は、第1エンボス加工要素幅48Aを有する場合があり、第2エンボス加工要素44は第2エンボス加工要素幅48Bを有する場合がある。いくつかの実施形態において、第1エンボス加工要素幅48A又は第2エンボス加工要素幅48Bは、約0.25mm〜約4mmであり得る。いくつかの実施形態において、第1エンボス加工要素幅48A又は第2エンボス加工要素幅48Bは、約0.5mm〜約2mmであり得る。
【0035】
本発明のエンボス加工吸収性物品を製造する方法の別の態様において、トップシート24及び吸収性コア22と、回転式エンボス加工装置30のエンボス加工部材34との接触は、選択されたエンボス加工力の値をエンボス加工区域に適用するように構成され得る。いくつかの実施形態においては、エンボス加工力の値は、エンボス加工区域の幅にわたり、例えば、回転式エンボス加工装置30と回転式アンビル50との間のニップ区域に見出される際に、1メートル当たり約1×10ニュートン(N/m)〜約3×10N/mであり得る。いくつかの実施形態においては、エンボス加工力の値は、エンボス加工区域の幅にわたり、例えば、回転式エンボス加工装置30と回転式アンビル50との間のニップ区域に見出される際に、1メートル当たり約5×10N/m〜約2×10N/mであり得る。
【0036】
図1を参照し、本発明の方法は、バックシート28をトップシート24、吸収性コア22又はその両方に取り付けることを含み得る。いくつかの実施形態において、吸収性コア22と回転式エンボス加工装置30との接触の後、バックシート28は、トップシート24、吸収性コア22又はその両方に取り付けられ得る。図3に図示されるように、バックシート28の部分が、陥没区域41の外形にぴったりと一致し、それによって不規則な表面を生成する。各吸収性物品の様々な部分又は構成要素、例えば、吸収性コア22、トップシート24又はバックシート28が、任意の機能的技術を利用して互いに接合又は固定され得る。いずれかのこのような固定された関係を達成するために、当業者に既知の様々な好適な機構が使用され得る。このような固定機構又はシステムの例としては、2つの隣接する表面の間の様々なパターンの接着剤の適用が挙げられるがこれに限定されず、1つの吸収性本体構成要素の少なくとも一部分を、別の構成要素の隣接する表面の部分と交絡させるか、又は1つの構成要素の隣接する表面の少なくとも部分を、吸収剤の別の構成要素の部分と融合させる。
【0037】
図1を再び参照し、その取り付けの後に、バックシート28が、メルトブローン接着剤、スプレーコーティング樹脂又はウェブ形成樹脂の形態であり得る接着剤の1つ以上の流れと接触する。従来的に既知であるように、用語「メルトブローン」は、交絡させた熱溶融繊維のランダム網状組織を形成するために使用されるプロセスを一般的に記述する。動作中において、低粘度の溶融ポリマーは、一連の連続的な繊維を画定するために、押出成形機のダイ内に形成される一連の小さな排出オリフィスを通じて押し出される。これらの繊維は、溶融ポリマーの流れを断絶又は減衰させるために、加熱された高粘度の空気流にすぐに暴露される。このような空気衝突によって生じる流れの断絶のために、メルトブローン繊維は、連続的に移動するバックシート上への堆積の際に、加熱溶融繊維のランダムな交絡した網状組織に形成される。したがって、生じる一連の繊維は、典型的には連続的なフィラメントであるか、又は1つ以上の別個の長さ及び、いくつかの実施形態において約5マイクロメートル〜約120マイクロメートルの範囲内であってもよく、他のいくつかの実施形態においては約7マイクロメートル〜約30マイクロメートルである、繊維直径を有する。生じるメルトブローン接着剤層としては、約70グラム(gt)〜約4.90N(500gt)の力の所望の剥離力を達成するために、十分な量で分布した複数のこのような繊維が挙げられる。繊維は一般的に、接着剤層を生成するために、ランダムな様式、不織布様式、又は一般的な正弦波状の方式で分布し得る。
【0038】
メルトブローン接着剤としては、(1)凝集力を増加させるための凝集力変性剤、例えば、脂肪族ポリオレフィン、例えば、脂肪族ポリオレフィン、例えば、エチレンプロピレンコポリマー、ポリエーテルアミド、ポリエーテルエステル、エチレンビニルアセテートコポリマー、スチレンブタジエン又はスチレンイソプレンブロックコポリマー、樹脂又は類似材料(場合により粘着付与剤と称される)(2)接着剤力を増加させるための接着剤力変性剤、例えば、石油蒸留物から蒸溜された炭化水素、ロジン又はロジンエステル、例えば、木又はシトラスに由来するテルペン(3)メルトブローン接着剤の粘度を増加又は低減させるための粘度変性剤、例えば、ワックス、塑性剤、鉱油、ポリブテン、パラフィン油、エステル油などの、1つ以上のポリマーが挙げられる。メルトブローン接着剤にはまた、抗酸化物質又は他の安定剤が挙げられるがこれらに限定されない他の添加物が挙げられる。
【0039】
様々な塑性化又はプロセス油はまた、粘度制御の提供を補助し、更に希釈剤として機能するために、全接着剤組成物の約0重量%〜約30重量%の範囲の量で、本発明のメルトブローン接着剤組成物中に存在し得る。パラフィン又はナフテン系ホワイト油が使用され得る。抗酸化物質又は安定剤はまた、接着剤の製造及び適用中に生じ得る、潜在的に有害な熱及び抗酸化効果から接着剤を保護することを補助するため、接着剤組成物中において、好適な量で使用され得る。このような悪化が生じる場合、通常、接着剤組成物の外観、物理的特性及び性能の悪化を生じる。好適な安定剤の例としては、高分子量ヒンダードフェノール及び多官能フェノール、例えば、硫黄及びリン含有フェノールの1つ以上が挙げられる。
【0040】
いくつかの実施形態において、メルトブローン接着剤は、約135℃〜約260℃の溶解温度、約165℃において約200,000センチポワズ(cps)未満の粘度、及び約10,000cps〜約50,000cpsの範囲、及びいくつかの他の実施形態においては約20,000cps〜約35,000cpsの範囲の適用粘度(そのメルトブローン時付近の粘度)を有し得る。更に、いくつかの他の実施形態において、メルトブローン接着剤は約0.8g/cm〜約1.2g/cmの密度を有し得る。接着剤はメルトブローンされ得るため、メルトブローン接着剤は、約8mm〜約25.4mmの形成間隔を生じることができ(排出ノズル開口部と材料が適用されている基材との距離)、形成されたフィラメントの長さに沿って約10℃の温度の低下を生じる。
【0041】
接着剤はまた、良好な形成縁部画定(フィラメント形成中における接着剤パターンの一貫性)、例えば、約8mm〜約25.4mmの形成間隔内において形成する際に、所望のパターン幅の、いくつかの実施形態において0mm〜約4mm、及びいくつかの他の実施形態において0mm〜約2mmの縁部画定変動を呈し得る。接着剤パターンはまた、画定された表面積を有する。接着剤パターンを画定される表面積は、その上に接着剤が適用される、バックシートなどの、少なくとも1つの陥没区域を有する基材上の表面積である。いくつかの実施形態において、接着剤は、接着剤パターンを画定される表面積の少なくとも95%を被覆し、いくつかの他の実施形態においては、接着剤は、接着剤パターンを画定される表面積の少なくとも90%を被覆し、なお更なる実施形態では、接着剤は、接着剤パターンを画定される表面積の少なくとも80%を被覆する。いくつかの実施形態において、接着剤は、平方メートル当たり約13グラム(gsm)〜約19gsmの量で適用され得る。更に、接着剤パターンを画定される表面積内の5%未満の接着剤が、剥離紙の除去の際に接着剤の糸を形成する。ここで接着剤の糸は、20/20の視力を有する観察者の裸眼により、約30cmの距離から観察可能であり、剥離紙の除去の際に(これにより接着剤が伸張し、糸を形成する)、接着剤が、剥離紙及び接着剤が適用された基材の両方に取り付けられたままであるときに形成される。いくつかの実施形態において、接着剤パターンを画定される表面積内の2%未満の接着剤が糸を形成する。
【0042】
図9は、本発明において使用され得る、非接触ダイ手段100の例を例示する。ダイ手段100は、2つのダイ半体、第1ダイ半体102及び第2ダイ半体104、及び2つのエアブロック106、108を含む。各ダイ半体102、104は、下方向に延びる突起部110、112を含む。ダイ半体102、104は、これらの間に押出スロット114を画定する。押出スロット114は、第1ダイ半体102の面118及びダイ半体104の面120によって画定される。図9に示されるように、面118は、面120に対して並置される。押出スロット114は、細長いスロット又は押出出口122で終わる。
【0043】
第2ダイ半体104は、ホットメルト接着剤を受容し、ホットメルト接着剤を第2半体104の「コートハンガー」部分126に伝達するためのホットメルト経路124を含み、これは図10において、よりよく見ることができる。図12に最もよく見ることができるスロット付き又はセグメント化シム128、及び図9に見られるその一部が、ダイ半体102、104の並置された表面118、120の間に位置する。シム128は、押出出口122に向かって延び、その間に複数の細長いチャネル又はスロット132を画定する、複数の細長い突起部130を有する。図9において、シム128の頂部134が、明確性の目的のために示される。
【0044】
もう一度、図12を参照し、各突起部130は、先端部138を有する、下方に向かいテーパ状の端部136を有する。いくつかの実施形態において、開放シムが使用され得る。開放シム140の例が図13に表される。図12に見られるように、このシム140は、突起部130を有さない開放領域142を有する。また、別の実施形態において、テーパ状端部136又は先端部138は、出口122を超えて延びることができる。
【0045】
図9に戻り、ダイ半体102、104はそれぞれ、ダイの上方表面から各下方表面154、156に延びる主要空気経路150、152を備える。各ダイ半体102、104はまた、それぞれ表面154及び156から延びる傾いた表面158、160を含む。傾いた表面158、160は、以下でより詳細に記載される空気細長スロット162、164の一部を画定する。
【0046】
図9に示されるように、ダイ半体102、104の下にエアブロック106、108が位置付けられ、そのそれぞれが傾いた表面166、168を含み、これは並置された各表面158、160と共に、空気スロット162、164の反対側を画定する。各エアブロック106、108は、ダイ半体102、104の各下方表面154、156と並置される上方表面170、172を含む。
【0047】
細長い空気プレナム174、176は、各空気ブロック106、108内に形成される。プレナム174、176がまた図10に示される。各二次空気経路178、180が、各空気ブロック106、108内に形成され、各表面170、172から各プレナム174、176の下部182、184に延びる。各プレナム174、176は、主に、空気ブロック106、108内に画定される。しかしながら、各プレナム174、176それぞれの、上部領域はまた、ダイ半体102、104の下方表面154、156によってそれぞれ画定される。下方表面154、156はまた、それぞれ関連するプレナム174、176から空気スロット162、164へと続く、三次空気経路186、188の上方部分を形成する。したがって、図9に示されるように、空気はエアブロック106の主要経路150から二次経路178へ、かつそこからプレナム174へと通過することができる。プレナム174から、加圧空気が三次経路186を通じてエアブロック106の空気スロット162内に移動する。
【0048】
同様の方法により空気は、ダイ半体104内の主要経路152に導入され得、これはそこから、二次空気経路180、かつプレナム176の下方部分へと移動し得る。プレナム176から、加圧気体は三次空気経路188を通じて空気ブロック108の空気スロット164内に向けられる。
【0049】
図9に示されるように、上記のように、いくつかの実施形態において、これらの経路及び下流気体経路を空気で加圧するため、加熱され、加圧された空気の主要経路150、152それぞれへの導入を制御するため、コントローラ175は、弁V−1及びV−2に動作可能に接続される。同時に、コントローラ175は、ホットメルト接着剤などのコーティング材料の、ダイ手段100におけるホットメルト接着剤経路124及び内部コートハンガー領域126への供給を制御するために、ホットメルト制御弁177と動作可能に相互接続される。任意の好適な形態のコントローラ175が使用され得る。コントローラ175は、主要経路150、152への、同時又は別個のいずれかの空気の生成を開始及び停止することができ、かつまた弁177を通じたホットメルトの流れを開始及び停止することができ、以下でより詳細に記載されるように、加圧加熱空気の主要経路150、152への供給に関して、コーティング材料を経路124へと、別個にかつ事前に選択される時間で断絶的に提供する。
【0050】
空気スロット162、164は、押出スロット114の長さに対して角度を有するように向けられる。したがって、コーティング材料が押出スロット114を通じ、押出出口122の外に押し出される際、空気スロット162、164を通じて移動する空気は、材料へと、この材料がコーティングのために提供される下方の基材上に係合又は堆積する前に、衝突する。
【0051】
ホットメルト接着剤を溶融し、ホットメルト制御バルブ177にポンプ移送するために、任意の好適な装置が使用され得る。
【0052】
図9及び、図10に示される手段100の詳細を参照し、上記のように、エアブロック106、108内のプレナム174、176はそれぞれ、三次経路186、188の下方表面186A、188Aとそれぞれ連絡し、プレナム174、176の上部から放出される空気は三次経路186、188を通じ、その後各空気スロット162、164を通じて下方に移動することが理解される。
【0053】
図10に示されるようにダイ手段100は、傾斜表面192と連絡する漸進的な浅い寸法の弓状スロット190を有する「コートハンガー」部分126を導入している。表面192は、それが下部表面194と接するその下部が、上部よりも面120の平面に近くなるように傾斜している。スロット190は、そのポート195からの距離と共に、これが表面192へと連続的に到達するまで、減少する幅を有することがまた理解される。減少する深さの弓状スロット190にホットメルトポート195から送達され、これは、ホットメルト経路124と相互接続している。使用中、ホットメルト接着剤が圧力下で経路124に供給される際、これはポート195を通じて弓状スロット190内へと押し出され、ここから表面192上に流れ、ダイ面120のコートハンガー形状部分126、ダイ半体104の面120と並置されるシム128の側部を通じて広がる。
【0054】
シム128のスロット132は、その表面194の真上コートハンガーダイ領域126の下部と連絡する上方端部を有し、それによってホットメルト接着剤はスロット132内に流れ、その後押出出口122へと下方に流れ得る。この方法において、ホットメルト接着剤はコートハンガー部分126にわたり、シム128のスロット132の各上方端部にわたって、著しく等しい圧力下で広がり、それによってホットメルト接着剤は、シム128のスロット132内の押し出しスロット114を通じて、比較的等しい圧力下で移動し得る。
【0055】
図12において概略的に例示されるように、材料はスロット132を通じて、その後押出出口122の外に押し出される。
【0056】
いくつかの実施形態において、突起部130の間のスロット132の幅は、シム128の厚さの約2倍であり得る。1つのシム128の厚さは、約0.1mmであり得、一方で1つの突起部130から次の突起部130にわたる距離であるスロット幅は、約0.2mmであり得る。例えば、別のシム128において、シム厚さは約0.2mmであリ得る一方で、並置される突起部の間のセグメント化されるスロットは約0.4mmであり得る。
【0057】
シム厚さのシムスロット幅に対する比率は、約2:1であるが、この比率は、様々なホットメルト接着剤厚さを生成するために異なることができる。シム128、140及びこれらの構成要素の幅及び厚さパラメーターは異なる場合がある。パラメーターは、所望の平方メートル当たりのホットメルト接着剤の坪量、所望の凝集性、ホットメルト接着剤粘度又は他の要因のために、変化し得る。
【0058】
ホットメルト接着剤を吸収性物品に適用するため、ダイ手段100は空気スロット162、164からの熱い空気を、押出出口122から押し出されるホットメルト接着剤の両側に衝突させる。衝突空気はホットメルト接着剤と係合し、個別のマイクロデニール繊維へと裁断する。縁部制御は均一であり、パターンの密度は25%開放又は繊維性〜0%開放(例えば、非多孔性)の範囲であり得る。パラメーターは、ホットメルト接着剤が適用される適用先によって選択される。
【0059】
いくつかの実施形態において、ダイ手段100は空気流を、堆積期間中に、空気スロット162又は164のいずれかを通じて個別に又は一緒適用し、特に基材上の堆積したコーティングの開始及び終了接触位置をより正確に画定する。動作の1つのこのような様式が図11に例示され、装置が使用されて、例えば、剥離紙がそこに機能的に取り付けられ得るように、ホットメルト接着剤を女性用生理ナプキンのバックシートに適用する。
【0060】
図11において、上部に接着剤がない女性用生理ナプキンがB−1の位置の図の左側に示される。B−1に例示されるように、流れは空気スロット162、164を通じて開始されるが、押出スロット114を通じてホットメルト接着剤は押し出されていない。B−2の位置における女性用生理ナプキンに移り、ホットメルトフロー接着剤が開始され、これに空気スロット162、164を通じて流れる空気が衝突することが理解される。位置B3及びB4における空気スロット162、164を通じて流れる空気は、図11に示される一般的な右−左方向で下方に移動するため、ホットメルト接着剤は女性用生理ナプキンの面に糸状になって落ちるのではなく、糸状化することなく女性用生理ナプキンのバックシートに直接適用される。したがって、位置B−5に示されるように、ホットメルト接着剤流は止まり、一方で空気スロット162、164を通じて流れる空気は継続する。この動作は、例えば、剥離紙を女性用生理ナプキンのバックシートに機能的に取り付けるために使用される場合、接着剤が女性用生理ナプキンの縁部に糸状にあって落ちないことを確実にする。
【0061】
したがって、図11に関連し、ホットメルト接着剤の押出の前に空気流が開始され、ホットメルト接着剤の押し出しが停止される前に、停止される。このようにして、ホットメルト接着剤に対して角度を有する空気は、女性用生理ナプキンの縁部の上に糸状にして吹き飛ばすことはないが、これはそうすることが望ましくなく、更にホットメルト接着剤の切断及び切り口縁部が、女性用生理ナプキンのバックシート上で鋭く、四角い様式に維持されるためである。
【0062】
図14〜16において、衣類に面する表面27が可視であり、バックシート28及び陥没区域41が見えるように、女性用生理ナプキン80が例示される。接着剤の線又はバンドを含み得る、画定された表面積を有する接着剤パターン81が、本明細書において記載される装置によって、繊維性又は不透過性の形態で、剥離紙82を取り外し可能に機能的に取り付けるために、バックシート28に適用される。個別のバックシートごとに、2つ以上の接着剤パターンが存在してもよく、例えば、個別バックシートが2、3、4以上の個別の接着剤パターンを有し得る。更に接着剤パターンは、例えば、矩形、正方形、十字形パターン、非対称又は対称の形状など、任意の好適な形状であり得る。図16に示されるように、接着剤パターン81は、バックシート28の実質的に平坦な部分及び陥没区域41にぴったりと一致するバックシート28の部分の両方に存在する。以下に記載されるように、接触方法の接着剤適用と比較して、接着剤の非接触適用は、接着剤がバックシート28の実質的に平坦な部分に及び陥没区域41に接触することを可能にし、画定された表面積内における接着剤パターン81の増加した接着剤適用範囲を提供する。図14〜16は、幅が変わり得る接着剤パターン81を例示する。接着剤パターンは本明細書において開示されるように適用され得、必要に応じて、鋭く四角い側部、前縁部及び後縁部を備えるようにして、既定の位置で、女性用生理ナプキン製造ラインに沿って配置される。
【0063】
図17及び図18は、図15及び図16に示されるものと同じ位置における女性用生理ナプキンの断面図であり、本発明の利益を提供しない接着剤適用を例示する。例えば、スロットコートアプリケータ、ローラー又はブラシを使用する接触方法の接着剤適用を使用し、図16に示されるように、女性用生理ナプキン184のバックシート182に接着剤180を提供する際、接着剤は陥没区域186の陥没領域に適用されない。剥離紙からバックシートへのこの接着剤の不十分な転移は、糸状化及び残留物の可能性を増加させ、潜在的に接着剤を意図しない表面、例えば、ユーザーのパンティー又は手に転移する。
【0064】
接着剤が最初に、スロットコートアプリケータ、ローラー又はブラシを使用して剥離紙に適用される場合、図18に示されるように剥離紙はバックシートに機能的に取り付けられ、剥離紙192上に存在する接着剤190は、陥没区分194の陥没部と直接接触しない。剥離紙192上に存在する接着剤190は、剥離紙192と、女性用生理ナプキン200のバックシート198内に存在する陥没区域194との間の間隙内に接着剤190の糸196を形成する。使用中、剥離紙192がバックシート198から分離される際、糸196は剥離紙192及び陥没区域194の両方に取り付けられたままである。二重取り付けは、接着剤の糸196の伸張を生じる。接着剤の伸張した糸は、これらが接触する意図しない表面に取り付けられる場合があり、女性用生理ナプキンの配置を複雑にし、掃除の必要性を増やす。
【実施例】
【0065】
剥離紙は、これが女性用生理ナプキンから除去された後に接着剤が剥離紙に取り付けられたままであるかどうかを決定するために、検査される。
【0066】
(実施例1)
サンプルの調製
サンプル試験は、室温で、標準的な圧力及び湿度において行われた。
【0067】
サンプルは本明細書において記載される方法によって調製された。特に、サンプルは、ポリプロピレンバックシートを取り付ける前に、エンボス加工されたALWAYS(登録商標)Maxi Padであった。ALWAYS(登録商標)Maxi Padは、身体に面する表面(トップシート)が、5.5mmの平均側部エンボス加工深さ及び2.7の平均端部深さを有するように、図19に示されるエンボス加工区域でエンボス加工された。ALWAYS(登録商標)Maxi Padの衣類に面する表面(バックシート)は、2.6mmの平均側部陥没区域深さ及び2.8mmの平均端部陥没深さを有した。
【0068】
剥離紙への接着剤の接触適用のため、National Starch & Chemical Co.(Bridgewater,NJ)からのAdhesive−EASYMELT(登録商標)34−689Bが、平方メートル当たり15グラム(gsm)の量で、EP 11 Slot Applicator,Nordson Corp.(Westlake,OH)を使用して、剥離紙へと、155℃〜160℃の温度において、13mmずつ離間し、適用される剥離紙よりも前端部及び後端部の両方において7mm短い長さ(MDとして測定される)を有する2つの18mm幅の矩形形状で適用された。接着剤適用の直後、剥離紙は女性用生理ナプキンへと取り付けられた。使用された剥離紙は、シリコーン系剥離紙RP MONDI 35gsm 54mm(幅)印刷なし(Mondi plc,Addleston Surrey,UK)であり、カット及びスリップアンビルを使用して長さ通りに切断した。剥離紙長さは、MDで測定した際に、接着剤パターンの前端部を7mm超え、接着剤パターンの後端部を7mm超えて伸びた。剥離紙の取り付けの後、接着剤は、剥離紙が除去される前に一時間硬化させた。
【0069】
バックシートへの接着剤の非接触適用のために、National Starch & Chemical Co.(Bridgewater,NJ)からの接着剤EASYMELT(登録商標)34−689Bが、15gsmの量で、Control Coat Applicator(Nordson Corp.(Westlake,OH))を使用して女性用生理ナプキンのバックシートへと、155℃〜160℃の温度において、13mmずつ離間し、適用される剥離紙よりも前端部及び後端部の両方において7mm短い長さ(MDとして測定される)を有する2つの18mm幅の矩形形状で適用された。接着剤適用の直後、剥離紙は女性用生理ナプキンへと取り付けられた。使用された剥離紙は、シリコーン系剥離紙RP MONDI 35gsm 54mm(幅)印刷なし(Mondi plc,Addleston Surrey,UK)であり、カット及びスリップアンビルを使用して長さ通りに切断した。剥離紙長さは、MDで測定した際に、接着剤パターンの前端部を7mm超え、接着剤パターンの後端部を7mm超えて伸びた。適用の後、接着剤は、剥離紙が除去される前に1時間硬化させた。
【0070】
サンプルの試験
剥離紙の除去のために、ALWAYS(登録商標)Maxi Padが片手で保持され、剥離紙がもう一方の手で保持された。剥離紙はその後、通常のユーザーが使用する速度で除去された。剥離紙がALWAYS(登録商標)Maxi Padから剥される方向は、結果に影響しなかった。剥離紙はその後、接着剤の存在について観察された。
【0071】
図20に示されるように、剥離紙の除去後に以下が観察された場合においてはサンプルは試験に不合格したものとみなされた:剥離紙の除去の後の、4mm以上の平均直径を有する、剥離紙上の3つ以上の接着剤液滴又は糸の形態の接着剤残留物。糸状化は、剥離紙の除去後にバックシート及び剥離紙の両方に取り付けられたままであり、バックシートと剥離紙との間に接着剤の糸を形成する、接着剤を含む。
【表1】

【0072】
結果は、スロットアプリケータを使用して接着剤が剥離紙に適用されたサンプルに関しては、試験された200のサンプル全てにおいて、試験を不合格するに足る十分な接着剤が剥離紙上に存在したことを示す。残留接着剤(糸、液滴又その両方の形態のいずれか)がユーザーの手、衣服又は吸収性物品(この例においては女性用生理ナプキン)に付着し女性用生理ナプキンの配置と干渉し得るために、剥離紙上に存在する接着剤の結果としてユーザーは製品を好まない。これとは対照的に、本発明における、バックシートへの非接触方法の接着剤適用を使用して製造されたサンプルの全てのサンプルは、試験を合格し、すなわちサンプルのいずれも、剥離紙上に存在する3つ以上の接着剤液滴又は糸を観察されなかった。これは、本発明を使用して適用された接着剤が、剥離紙の除去の後にサンプルのエンボス加工区域内に適用されて残ることを実証しており、これは剥離紙が剥されるときに、女性用生理ナプキンから部分的に除去された、接触方法を使用して適用された接着剤とは対照的である。
【0073】
(実施例2)
感圧性接着剤に接着した綿の剥離力を判定するためにサンプルが試験された。適切な剥離力を有するサンプルは、消費者の使用中において適所に留まるが、過度な困難を伴わずに除去され得ること確実にするよう補助する。
【表2】

【0074】
機器
圧迫重りの組立て(図21参照)
1.ポリエチレンフィルムが平坦な表面上に配置された。
2.ウレタンフォームは、フォームの長辺がポリエチレンフィルムの長辺と並行であるようにして、ポリエチレンフィルムの上に配置された。
3.プレキシガラスプレートは、ウレタンフォームの上に配置された。
4.ポリエチレンフィルムは、ウレタンフォーム上で折られて、透明なテープを使用してプレキシガラスプレートに固定された。
5.ウレタンフォーム/プレキシガラスプレートが圧迫重りの4つの角と位置合わせされ、ウレタンフォームの面を金属表面と反対側に向けた。
6.ウレタンフォーム/プレキシガラスプレートが、透明なテープを使用して圧迫重りに固定された。
【表3】

【表4】

【0075】
サンプルの調製
サンプル試験は、室温で、標準的な圧力及び湿度において行われる。
【0076】
サンプルは本明細書において記載される方法によって調製された。特に、サンプルは、ポリプロピレンバックシートを取り付ける前に、エンボス加工されたALWAYS(登録商標)Maxi Padであった。ALWAYS(登録商標)Maxi Padは、身体に面する表面(トップシート)が、5.5mmの平均側部エンボス加工深さ及び2.7の平均端部深さを有するように、図19に示されるエンボス加工区域でエンボス加工された。ALWAYS(登録商標)Maxi Padの衣類に面する表面(バックシート)は、2.6mmの平均側部陥没区域深さ及び2.8mmの平均端部陥没深さを有した。
【0077】
接着剤の剥離紙への接触適用のため、National Starch & Chemical Co.(Bridgewater,NJ)からのAdhesive−EASYMELT(登録商標)34−689Bが、15gsmの量で、EP 11 Slot Applicator,Nordson Corp.(Westlake,OH)を使用して、剥離紙へと、155℃〜160℃の温度において、13mmずつ離間し、適用される剥離紙よりも前端部及び後端部の両方において7mm短い長さ(MDとして測定される)を有する2つの18mm幅の矩形形状で適用された。接着剤適用の直後、剥離紙は女性用生理ナプキンへと取り付けられた。使用された剥離紙は、シリコーン系剥離紙RP MONDI 35gsm 54mm(幅)印刷なし(Mondi plc,Addleston Surrey,UK)であり、カット及びスリップアンビルを使用して長さ通りに切断した。剥離紙長さは、MDで測定した際に、接着剤パターンの前端部を7mm超え、接着剤パターンの後端部を7mm超えて伸びた。剥離紙の取り付けの後、接着剤は、剥離紙が除去される前に一時間硬化させた。
【0078】
バックシートへの接着剤の非接触適用のために、National Starch & Chemical Co.(Bridgewater,NJ)からの接着剤EASYMELT(登録商標)34−689Bが、15gsmの量で、Control Coat Applicator(Nordson Corp.(Westlake,OH))を使用して女性用生理ナプキンのバックシートへと、155℃〜160℃の温度において、13mmずつ離間し、適用される剥離紙よりも前端部及び後端部の両方において7mm短い長さ(MDとして測定される)を有する2つの18mm幅の矩形形状で適用された。接着剤適用の直後、剥離紙は女性用生理ナプキンへと取り付けられた。使用された剥離紙は、シリコーン系剥離紙RP MONDI 35gsm 54mm(幅)印刷なし(Mondi plc,Addleston Surrey,UK)であり、カット及びスリップアンビルを使用して長さ通りに切断した。剥離紙長さは、MDで測定した際に、接着剤パターンの前端部を7mm超え、接着剤パターンの後端部を7mm超えて伸びた。適用の後、接着剤は、剥離紙が除去される前に1時間硬化させた。
【0079】
サンプル調製(図22及び22A〜22Fに示される)
1.サンプルは、接着剤の面を上にして、合成剥離プレート(図22A)上に配置された。
2.サンプルは、摩擦掴みフレームをサンプル上に配置することによって合成剥離プレート上に固定された(図22B)。
3.剥離紙はその後、接着剤から剥離される(図22C)。
4.剥離紙の除去の後、5分以内に綿材料見本が、暴露された接着剤上に配置された。綿材料見本の一端が、接着剤の上縁部又は下縁部を、約25mm超えて延びた(綿材料見本前縁部)(図22D)。
5.圧迫重りはその後、圧迫重りが接着剤領域を完全に被覆するように、綿材料見本上に配置された(図22E)。圧迫重りを綿材料見本に適用するために力は使用されず、圧迫重りは試験者の手によっていずれの圧力も適用されることなく綿材料見本上に配置されたが、これは圧迫重りが配置される方法におけるサンプル間の偏差が結果にばらつきを生じる場合があるためであり、例えば、圧迫重りをサンプル上に落とすと、遥かに高い圧迫力を生じ、より高い剥離力を生じる。圧迫重りは同一のサンプル上に30秒間(±2秒)放置された。
6.重りは、圧迫重りを持ち上げる間にサンプルにいかなる追加的な圧力も加えることなく静かに取り除かれた。
【0080】
サンプルの試験
サンプルは、圧迫重りが取り除かれた後、1分間以内で試験された。
1.ロードセルの風袋が量られた(ゼロに設定された)。
2.剛性剥離プレートの上端部が引張試験機の下方クランプ内に配置され、綿材料見本の下端部がロードセルと共に上方クランプ内に配置された。
3.剛性剥離プレート及び綿材料見本は、上方クランプ及び下方クランプ内で調節され、綿材料見本は接着剤パターンの上縁部又は下縁部(剥離ライン)と位置合わせされる(図22F)。
4.綿材料見本は、これが上方クランプ内に固定する前に緩く、剥離ラインが均等に中央に合わせされ、上方及び下方クランプと並行であることを確実にするよう検査された。試験の初めに、綿材料見本に0.1Nの張力が存在した。この開始張力は、風袋を量られなかった(ゼロ設定されなかった)。
5.引張試験機が開始され、上方クランプ(図22F)が、綿材料見本を引張始めた(予備試験経路「LB」)。58mmから引張データ収集が開始され、170mmで終了した(試験経路「LM」)。58mmの記録と170mmの記録との間のデータが、試験された各パッドに関して平均化され、表2及び表3に示される。
【表5】

【表6】

【0081】
表2及び表3の結果は、接着剤適用の接触方法と比較して、非接触方法を使用して接着剤が適用される際に、剥離力(綿材料見本を接着剤から取り除くために必要な力の量)がより一貫していることを示す。剥離力の一貫性は、接触接着剤適用を使用して調製されたサンプル(サンプル1〜5)と比較して、非接触接着剤適用を使用して調製したサンプル(サンプル6〜10)において劇的に高く、0.505N(51.5gf)の力のグラム数の平均荷重における標準偏差、及び2.029N(206.9gf)の力のグラム数のピーク荷重における標準偏差を有するサンプル1〜5と比較して、サンプル6〜10の力のグラム数における平均荷重の標準偏差は0.282N(28.8gf)であり、力のグラム数のピーク荷重の標準偏差は0.278N(28.3gf)であった。剥離力の一貫性は、接着剤の接着性能の重要な要素である。剥離力が低すぎる場合、吸収性物品(この例においては、女性用生理ナプキン)の適所に留まる(綿材料見本に取り付けられている)能力は悪化し、剥離力が高すぎると、女性用生理ナプキンを綿材料見本から取り除くのが困難になる。剥離力のばらつきの低減は、いずれかの問題のある極端な女性用生理ナプキンを生じる可能性を顕著に低減する。そして、剥離力のばらつきの低減は、サンプル1〜5に観察される比較的高い標準偏差(0.505N(51.5gf)及び2.029N(206.9gf))と比較した際の、サンプル6〜10に観察される比較的低い標準偏差(0.282N(28.8gf)及び0.278N(28.3gf))において例示される。
【0082】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、それぞれのそのような寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示した寸法は、「約40mm」を意味することを意図したものである。
【0083】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は出願書類を含め、本明細書において引用される全ての文献は、明示的に除外ないしは制限されない限り、その全体を参考として本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示され請求されるいずれかの発明に関する先行技術であること、又はそれが単独で若しくは他のいかなる参照とのいかなる組み合わせにおいても、このような発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。
【0084】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品であって、
トップシートと、
バックシートと、
前記トップシートと前記バックシートとの間に位置付けられた吸収性コアとを含み、
前記トップシートは、前記吸収性物品の身体に面する側面を形成し、前記バックシートは前記吸収性物品の衣類に面する側面を形成し、
前記吸収性物品は厚さを有し、
前記吸収性物品の前記身体に面する側面は、エンボス加工区域を有し、前記エンボス加工区域は、前記吸収性物品の前記厚さの約20%〜約75%の平均深さを有し、
前記吸収性物品の前記衣類に面する側面は、陥没区域を有し、前記陥没区域は前記吸収性物品の前記厚さの約15%〜約75%の平均深さを有し、
前記衣類に面する側面は接着剤パターンを有し、前記接着剤パターンは、幅及び画定された表面積を有し、前記接着剤は前記画定された表面積の少なくとも約80%を被覆し、
前記接着剤パターンは、約8mm〜約25mmの形成間隔の範囲内で形成する際に、前記パターン幅の約0mm〜約2mmの範囲内の縁部画定変動を有し、
前記吸収性物品が、前記接着剤パターンに機能的に取り付けられた剥離紙を含む、吸収性物品。
【請求項2】
前記剥離紙の剥離力は、約2.452N(250gf)〜約5.88N(600gf)である、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記剥離紙の除去後、前記剥離紙が、4mm以上の平均直径を有する接着剤の液滴又は糸を有さない、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記衣類に面する側面が、2つ以上の接着剤パターンを有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記吸収性物品の長さに沿って延びる、2つの実質的に並行な接着剤パターンが存在する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記バックシートの前記衣類に面する側面が不均一な表面を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記陥没区域が、約2.6mmの平均側部陥没区域深さ及び約2.8mmの平均端部陥没深さを有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記エンボス加工区域が、約5.5mmの平均側部エンボス深さ及び約2.7の平均端部深さを有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
メルトブローン接着剤が約13gsm〜約19gsm、より好ましくは15gsm〜19gsmの量で適用されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記吸収性物品は、女性用生理ナプキン、パンティーライナー、タンポン、陰唇間装置、幼児用おむつ、子供用トレーニングパンツ、成人用失禁製品又は吸収性拭きとり用品の少なくとも1つである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項11】
吸収性物品をエンボス加工するための方法であって、
トップシートを提供する工程と、
衣類に面する側面及び身体に面する側面を有する吸収性コアを提供し、前記吸収性コアの前記身体に面する側面を前記トップシート上に位置付ける工程と、
前記トップシート及び吸収性コアを機械方向に移動させる工程と、
前記トップシートと回転式エンボス加工装置のエンボス加工部材とを機能的に接触させて、前記トップシート及び前記吸収性コアの身体に面する側面の少なくとも一部にエンボス加工区域を形成し、前記吸収性コアの前記衣類に面する側面に陥没区域を形成する工程と、
バックシートと、陥没区域を有する吸収性コアの前記衣類に面する側面とを接触させて、厚さを有する吸収性物品を製造する工程と、
非接触ダイ手段を使用して、接着剤を前記バックシートに所定のパターンで適用する工程と、
剥離紙を前記バックシートに機能的に取り付ける工程とを含む、方法。
【請求項12】
前記接着剤の適用が、
押出出口から接着剤を押し出す工程と、
前記押出出口からの空気流を、押し出される接着剤へ所定の角度で衝突させる工程と、
押し出された接着剤を前記バックシート上に堆積させる工程とを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記接着剤の適用が、別個の接着剤パターンを生成するために、前記接着剤の押出を開始及び停止させる工程を含む、請求項11又は12に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図22A】
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【図22C】
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【図22D】
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【図22E】
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【図22F】
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【公表番号】特表2013−510700(P2013−510700A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541241(P2012−541241)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際出願番号】PCT/US2011/056979
【国際公開番号】WO2012/058080
【国際公開日】平成24年5月3日(2012.5.3)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】