説明

エンボス加工及び印刷された関連するしるしを含む吸収性ティッシュタオル製品

第1表面及び第2表面を有する紙基材と;第1表面又は第2表面の少なくとも1つの上に配置された印刷画像と;第1表面又は第2表面の少なくとも1つの上に配置されたエンボス加工画像と;を含み、エンボス加工画像及び印刷画像の両方が、同じ主題に関係するものの要素を表す、吸収性ティッシュタオル製品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンボス加工画像が印刷画像に関連する、エンボス加工及び印刷された吸収性ティッシュタオル製品に関する。
【背景技術】
【0002】
シート型又はウェブ型の消費者製品の美観的特性を、製品にエンボス加工及び印刷の両方を施すことによって改善することに対する要望はかなり以前からある。(米国特許第680,533号(マリニエ(Marinier)ら、1901年8月13日発行)を参照。)従来、エンボス加工のパターンは、エンボス加工のノブ(knob)から得られるドットの幾何学的パターンに限定されていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
出願人は、多くの消費者が、印刷画像に関連するエンボス加工画像を有するティッシュタオル製品が美観的にはるかに好ましいと考えていることを見出した。この関連性は、自然、事業、文学などのテーマを背景としていなければならない。近年、印刷図案及びエンボス加工図案を吸収性かつ伸縮性の製品に高度に位置決めするための技術が発展したことによって、製造者が、この消費者の要望にコスト効率良く応えることが可能になった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、
a)第1表面及び第2表面を有する紙基材と;
b)第1表面又は第2表面の少なくとも1つの上に配置される印刷されたしるしと;
c)第1表面又は第2表面の少なくとも1つの上に配置されるエンボス加工されたしるしと;を含み、
エンボス加工されたしるしが印刷されたしるしに関連する、吸収性ティッシュタオル製品に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
本明細書は、本発明を特定して指摘し明確に請求する請求項で結論とするが、本発明は、添付図面と共に読まれる好ましい実施形態の次の説明によってより良く理解されると考えられ、図面中において、同じ参照番号は同一要素であると見なす。
【0006】
本発明は、第1表面及び第2表面を有する紙基材10と、第1表面又は第2表面の少なくとも1つの上に配置された印刷画像30と、第1表面又は第2表面の少なくとも1つの上に配置されたエンボス加工画像20と、を含み、エンボス加工画像及び印刷画像の両方が同じ主題に関係するものの要素を表す、吸収性ティッシュタオル製品に関する。
【0007】
(ティッシュタオル製品)
本発明は、一般に、従来のフェルト圧縮ティッシュペーパー、パターン高密化ティッシュペーパー、及び嵩高非圧縮ティッシュペーパーが挙げられるがこれらに限定されない、ティッシュペーパー又はペーパータオル製品を含む紙基材10に適用可能である。ティッシュタオル製品の非限定的な例としては、紙タオル(toweling)、顔用ティッシュ、トイレットペーパー、及び食卓用ナプキンなどが挙げられる。ティッシュタオル製品としては、単プライ及び多プライの製品が挙げられ、また、製品の好ましい特性によっては、個々のプライが抄紙原料の1又はそれ以上の層を含んでもよい。ティッシュペーパーは好ましくは、約10g/m2〜約80g/m2の坪量、及び約0.04g/cm3〜約0.80g/cm3の範囲又はそれより小さい密度を有する。好ましくは、坪量は約約57.0g/m2(35lb/3000ft2)未満又はそれより小さく、密度は約0.30g/cc又はそれより小さい。最も好ましくは、密度は、約0.04g/cc〜約0.20g/ccである。
【0008】
従来の圧縮ティッシュペーパー及びこのようなペーパーを製造する方法は、当該技術分野で既知である。同一出願人による米国特許出願第09/997,950号(2001年11月30日出願)を参照のこと。好ましいティッシュペーパーの1つは、比較的繊維密度が低い比較的嵩高い区域と、比較的繊維密度が高い高密度領域の配列とを有することにより特徴付けられるパターン高密化ティッシュペーパーである。嵩高い区域は、あるいは枕状領域の区域として特徴付けられる。高密化領域は、あるいはナックル領域とも呼ばれる。高密化領域は、嵩高い区域内に個別に間隔を空けて配置されてもよく、又は嵩高い区域内に完全に若しくは部分的に連結されてもよい。パターン高密化ティッシュウェブを作成するための好ましい製造方法は、米国特許第3,301,746号明細書明細書(サンフォード(Sanford)及びシッソン(Sisson)、1967年1月31日発行)、同第3,974,025号(エイヤーズ(Ayers)、1976年8月10日発行)、同第4,191,609号(1980年3月4日発行)、同第4,637,859号(1987年1月20日発行)、同第3,301,746号(サンフォード(Sanford)及びシッソン(Sisson)、1967年1月31日発行)、同第3,821,068号(サルブッチJr.(Salvucci,Jr.)ら、1974年5月21日発行)、同第3,974,025号(エイヤーズ(Ayers)、1976年8月10日発行)、同第3,573,164号(フライドバーグ(Friedberg)ら、1971年3月30日発行)、同第3,473,576号(アムヌス(Amneus)、1969年10月21日発行)、同第4,239,065号(トロカーン(Trokhan)、1980年12月16日発行、及び同第4,528,239号(トロカーン(Trokhan)、1985年7月9日発行)に開示されている。
【0009】
非圧縮性のパターン高密化されていないティッシュペーパーの構造もまた、本発明の範囲内にあるものと解釈され、米国特許第3,812,000号(ジョセフ L.サルブッチJr.(Joseph L.Salvucci,Jr.)及びピーター N.イアノス(Peter N.Yiannos)、1974年5月21日発行)及び同第4,208,459号(ヘンリー E.ベッカー(Henry E.Becker)、アルバート L.マコネル(Albert L.McConnel)、及びリチャード・シュット(Richard Schutte)、1980年6月17日発行)に記載されている。
【0010】
本発明の柔軟化組成物はまた、クレープ加工されていないティッシュペーパーに塗布することもできる。本明細書で使用される用語である、クレープ加工されていないティッシュペーパーとは、圧縮させずに乾燥させた、最も好ましくは、通気乾燥により乾燥させたティッシュペーパーを指す。得られる通気乾燥ウェブは、嵩高い区域内に比較的高密度の領域が分散するようにパターン高密化されており、これには、比較的高密度の領域が連続し、嵩高い区域が個々に分離しているパターン高密化ティッシュペーパーが挙げられる。このような方法でクレープ加工されていないティッシュペーパーを製造する技術は、従来技術で教示されている。例えば、欧州特許出願0677612A2(ウェント(Wendt)ら、1995年10月18日発行);同0617164A1(ハイランド(Hyland)ら、1994年9月28日発行);及び米国特許第5,656,132号(ファリントン(Farrington)ら、1997年8月12日発行)である。
【0011】
本発明に使用される抄紙繊維としては、通常は木材パルプに由来する繊維が挙げられる。綿リンター、バガスなど他のセルロース繊維性パルプ繊維を使用することができ、これらは本発明の範囲内にあるものとする。レーヨン繊維、ポリエチレン繊維及びポリプロピレン繊維などの合成繊維を天然セルロース繊維と組み合わせて使用してもよい。使用してもよい1つの代表的なポリエチレン繊維は、ハーキュレス社(Hercules,Inc.)(デラウェア州、ウィルミントン(Wilmington))から入手可能なパルペックス(Pulpex)(登録商標)である。
【0012】
利用可能な木材パルプとしては、クラフトパルプ、亜硫酸パルプ、及び硫酸塩パルプなどの化学パルプ、並びに例えば、砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ、及び化学的に改質したサーモメカニカルパルプなどのメカニカルパルプが挙げられる。しかしながら、化学パルプは、化学パルプから製造されるティッシュシートに優れた柔軟性の触感を付与するため好ましい。落葉樹(以下、「広葉樹材」とも呼ばれる)及び針葉樹(以下、「針葉樹材」とも呼ばれる)の両方に由来するパルプを使用してもよい。また、上記分類のいずれか又はすべて、並びに始めの抄紙を容易にするために使用された充填剤及び接着剤などの他の非繊維性材料を含有してもよい、リサイクル紙に由来する繊維も、本発明に利用できる。
【0013】
他の物質を水性抄紙完成紙料若しくは初期ウェブに添加して、製品に他の所望の特性を付与する、又は抄紙製造方法を改善することができるが、これは、それらの物質に柔軟化組成物の化学的性質との適合性があり、本発明の柔軟性、若しくは強度特性に顕著な影響、及び悪影響を及ぼさない場合に限られる。特に以下の物質が挙げられるが、ここに挙げるものが全てではない。本発明の効果を妨げない限り、又はそれを打ち消さない限り、他の物質もまた包含することができる。
【0014】
抄紙製造方法に供給される時に、カチオン電荷偏向種を抄紙製造方法に添加して、水性抄紙完成紙料のゼータ電位を制御することは、一般的である。セルロース繊維及び微細繊維、並びにほとんどの無機充填剤の表面など、固体のほとんどは本来負の表面電荷を有するため、これらの物質が使用される。伝統的に使用されるカチオン電荷偏向種の1つは、ミョウバンである。当該技術分野において更に最近では、電荷偏向は、好ましくは、分子量が約500,000以下の、より好ましくは約200,000以下の、更には約100,000以下の、比較的低分子量のカチオン性合成ポリマーを使用することによってなされる。このような低分子量カチオン性合成ポリマーの電荷密度は、比較的高い。これらの電荷密度の範囲は、ポリマー1キログラム当り、カチオン窒素約4〜約8等量である。代表的な物質は、コネチカット州、スタンフォード(Stamford)所在のサイテック社(Cytec,Inc.)製のシプロ(Cypro)514(登録商標)である。このような物質の使用は、明らかに本発明の実施の範囲内にあるものとする。
【0015】
地合い、脱水、強度、及び歩留りを改善する目的のために、表面積が大きくアニオン電荷の大きな微粒子を使用することが、当該技術分野で教示されている。例えば、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許第5,221,435号(スミス(Smith)、1993年6月22日発行)を参照されたい。
【0016】
永続的な湿潤強度が所望であれば、カチオン性湿潤強度向上樹脂を抄紙完成紙料又は初期ウェブに添加することができる。このような樹脂の好適な種類は、米国特許第3,700,623号(1972年10月24日発行)、及び同第3,772,076号(1973年11月13日発行)(共にカイム(Keim))に記載されている。
【0017】
多くの紙製品は、それらをトイレから浄化槽又は下水道に処理する必要があるため、湿潤時の強度が制限されていなければならない。これらの製品に湿潤強度が付与される場合、水の存在下において、初期強度の一部又は全てが崩壊することに特徴付けられる、一時的湿潤強度が好ましい。一時的湿潤強度が望ましい場合は、結合材料を、ジアルデヒド澱粉、又はメイン州スカーボロー(Scarborough)所在のナショナルスターチアンドケミカル社(National Starch and Chemical Company)により提供されるコボンド(Co-Bond)1000(登録商標)、コネチカット州スタンフォード(Stamford)所在のサイテック社(Cytec)により提供されるパレッツ(Parez)750(登録商標)、及び米国特許第4,981,557号(ビョークイスト(Bjorkquist)、1991年1月1日発行)に記載の樹脂、及び当該技術分野で既知の前述の崩壊特性を有する他のこのような樹脂など、アルデヒド官能基を有する他の樹脂からなる群から選択することができる。
【0018】
高い吸収性が必要な場合は、界面活性剤を使用して本発明のティッシュペーパーウェブを処理してもよい。界面活性剤が使用される場合、その濃度は、ティッシュウェブの乾燥繊維重量を基準にして約0.01重量%〜約2.0重量%であることが好ましい。界面活性剤は、炭素原子数8以上のアルキル鎖を有することが好ましい。代表的なアニオン性界面活性剤としては、直鎖アルキルスルホネート類、及びアルキルベンゼンスルホネート類などが挙げられる。代表的な非イオン性界面活性剤としては、クローダ社(Croda,Inc.)(ニューヨーク州ニューヨーク(New York))から入手可能なクロデスタ(Crodesta)SL−40(登録商標)などのアルキルグリコシドエステルを含むアルキルグリコシド類;米国特許第4,011,389号(ランドン(Langdon)ら、1977年3月8日発行)に記載のアルキルグリコシドエーテル類;及びグリコケミカル社(Glyco Chemicals,Inc.)(コネチカット州グリニッチ(Greenwich))から入手可能なペゴスパース(Pegosperse)200ML、及びローヌプーラン社(Rhone Poulenc Corporation)(ニュージャージー州クランベリー(Cranbury))から入手可能なイゲパル(IGEPAL)RC−520(登録商標)などのアルキルポリエトキシル化エステル類が挙げられる。あるいは、不飽和(モノ及び/又はポリ)及び/又は分岐鎖アルキル基が多いカチオン性柔軟剤活性成分は、吸収性を大幅に向上させることができる。
【0019】
本発明の好ましい実施形態は、ティッシュウェブ表面上に付着した特定の柔軟化剤組成物を開示するが、本発明はまた、抄紙製造方法の一部として化学柔軟化剤が添加される変形も明らかに包含する。例えば、化学柔軟化剤は、ウェットエンド添加に包含されてもよい。加えて、本発明の範囲内ではない形態の、他の化学柔軟化剤が用いられてもよい。好ましい化学柔軟化剤は、周知のジアルキルジメチルアンモニウム塩類(例えば、ジタロージメチルアンモニウムクロライド、ジタロージメチルアンモニウムメチルサルフェート、ジ(水素添加タロー)ジメチルアンモニウムクロライドなど)が挙げられるがこれらに限定されない、四級アンモニウム化合物を含む。これらの柔軟化剤の特に好ましい変異体としては、脂肪酸とメチルジエタノールアミン及び/又はトリエタノールアミンとの反応後、塩化メチル又は硫酸ジメチルで四級化することによって作成される、前述のジアルキルジメチル第四級アンモニウム塩及びエステルのモノ又はジエステル変形が挙げられる。
【0020】
抄紙で添加される化学柔軟化剤の別の種類は、最も好ましいアミノ官能基を有するポリジメチルシロキサンを包含する、周知の有機反応性ポリジメチルシロキサン成分から構成される。
【0021】
また、充填材を本発明のティッシュペーパーに組み込んでもよい。本明細書に参考として組み込まれる、米国特許第5,611,890号(ビンソン(Vinson)ら、1997年3月18日発行)は、本発明の基材として許容可能な充填剤入りティッシュペーパー製品を開示している。
【0022】
上記に列挙された任意の化学添加物は、実際は、単に代表例を示すためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0023】
(エンボス加工画像)
エンボス加工画像20は、ティッシュタオル製品の構造を変形及び/又は圧縮することで得られる、ティッシュタオル基材中で知覚可能ないずれかのパターンを含む。パターンとしては、幾何学的形状、線画、物の表示、言葉、一般的な背景領域などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
エンボス加工画像20は、いずれかの回転エンボス加工機器によって、紙ウェブのプライの1つの上に配置されてもよい。「エンボス加工」とは、基材の比較的小さい部分をその面に垂直な方向に偏向させ、基材の偏向された部分を比較的硬い表面に衝突させて、基材の構造を永続的に崩壊させる製造方法を指す。業界で既知のいかなるエンボス加工方法も、本発明の製造方法に使用してもよい。
【0025】
エンボス加工は、通常はノブ・トゥー・ノブ(knob-to-knob)エンボス加工又はネスト状(nested)エンボス加工の2つの製造方法の1つによって実施される。ノブ・トゥー・ノブエンボス加工は、軸方向に平行な、対向するロールのノブの間に、エンボス加工される材料の厚さよりも小さい幅を有するニップを形成するように並置されたロールで構成される。ネスト状エンボス加工は、1つのロールのエンボス加工ノブが他のロールのエンボス加工ノブの間に噛合して構成される。ノブ・トゥー・ノブエンボス加工及びネスト状エンボス加工の例は、同一出願人による米国特許第3,414,459号(ウェルズ(Wells)、1968年12月3日発行);同第3,547,723号(グレシャム(Gresham)、1970年12月15日発行);同第3,556,907号(ニストランド(Nystrand)、1971年1月19日発行);同第3,708,366号(ドネリー(Donnelly)、1973年1月2日発行);同第3,738,905号(トーマス(Thomas)、1973年6月12日発行);同第3,867,225号(ニストランド(Nystrand)、1975年2月18日発行);同第4,483,728号(バウアーンファインド(Bauernfeind)、1984年11月20日発行);同第3,867,225号(ニストランド(Nystrand)、1975年2月18日発行);同第5,468,323号(マクニール(McNeil)、1995年11月21日発行);及び同第6,277,466B1号(マクニール(McNeil)ら、2001年8月21日発行)による先行技術に示されている。
【0026】
(印刷画像)
印刷画像30は、ウェブ表面に印刷材料を適用することで得られる、ティッシュタオル製品上で知覚可能ないずれかのパターンを含む。印刷材料は、好ましくは、ウェブ表面に単色又は多色の絵柄を作成可能な印刷インクであるが、本発明は、印刷材料として機能性材料を使用することも意図する。そのような機能性材料としては、染料、のり又は接着剤、繊維結合剤、柔軟剤などが挙げられるが、これらに限定されない。単一の流体の画像又は複数の流体の画像を、基材に適用してもよい。好ましくは、印刷画像30は、基材に適用される1又はそれ以上のインクを含む。
【0027】
本発明に好適な印刷方法は、業界で既知のいずれの回転印刷塗布であってもよい。これらには、石版印刷、凸版印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、凹版印刷、及び好ましくはフレキソ印刷が挙げられるが、これらに限定されない。同様に、これらの組み合わせ及び変形も、本発明の範囲内にあると見なされる。一般に、回転印刷方法は、印刷ユニット及び逆圧ローラを含む。本発明に従って吸収性ティッシュタオルペーパーの好ましい基材上に画像を適用するのに好適な装置は、同一出願人による米国特許第5,213,037号(レオパーディ2世(Leopardi,II)、1993年5月25日発行);同第5,255,603号(ソネビル(Sonneville)ら、1993年10月26日発行);及び同第6,096,412号(マクファーランド(McFarland)ら、2000年8月1日発行)に記載されている。
【0028】
紙上に生成された印刷画像30は、線画、ハーフトーン画像、多色印刷、又はこれらの組み合わせであることができる。本明細書で使用する時、「多色印刷」は、色分離方法によって作成され、2又はそれ以上のインクからなる画像が、再結合されて当初の画像の完全な色の範囲を生成可能なハーフトーンのドットに分解された、ハーフトーン色の印刷を指す。
【0029】
本発明の吸収性ティッシュタオル製品のエンボス加工画像20及び印刷画像30は、同じ主題に関係するものによって関連付けられる。「主題に関係するもの」により、特定の主題に固有のある対象物の意味における関連性を意味する。この関連性は、単に2つの対象物がティッシュ製品上に共にあることで見栄えがよいため、という意味での関連性以上のものである。
【0030】
第1の要件は、印刷画像及びエンボス加工画像の両方が、それぞれ明確な意味又は対象物を表すことである。明確な意味を表さない不規則な又は規則的な線のパターン、幾何学的形状などは、本発明においては意図されない。第2の要件は、印刷画像で表される明確な意味又は対象物が、エンボス加工画像で表される明確な意味又は対象物と、同一であると識別できなければならないという点である。固有の関連性は、文化的、職業的、及び文学的関係性をより高いレベルで有することによって強化される。例えば、クマと少女、イヌとトリ、又は花と木といった単純な画像は、本発明のティッシュタオル製品において価値のあるような、相乗効果のある物語を作り出す特定の主題と独自に関連していない。しかしながら、これらの画像を少し変更して、ゴルディロックと3匹のクマ、又はスヌーピーとウッドストック、又は桜の花と桜の木を表すようにすれば、本発明の製品に関連する、特定の主題に対する一義的な関係性が作り出される。
【0031】
自然に関係するものとは、画像及びパターンが、特定の自然事象又は自然事象の群に関連することを指す。これらの画像及びパターンとしては、自然事象の人物、動物、植物、対象物及び象徴の描写を挙げることができるが、これらに限定されない。自然事象及びそれに関連する画像の代表的な一例としては、動物、その特徴、その鳴き声の引用、その動物に独自に関連する品目(例えば、ネコ、ネコの足、「ニャア(Meow)」という言葉の表現、毛糸玉などから選択される対象物)などを挙げることができる。自然事象及びそれに関連する画像の他の代表例としては、雨林とその要素、砂浜とその要素などを挙げることができる。自然界の様々な種の中で、特定の関係性が存在する。トリの世界では様々なトリを表現することができ、花の世界では様々な花を表現できる、などである。
【0032】
職業に関係するものとは、画像及びパターンが、特定の職業又は職業群に関連することを指す。これらの画像及びパターンとしては、職業又は職業群の人物、対象物及び象徴の描写を挙げることができるが、これらに限定されない。職業とそれに関連する画像の代表例としては、消防士、消防車、ホース、はしごなどから選択される対象物で表される消防に関する職業;医師、看護師、聴診器、注射器などから選択される対象物で表される医療に関する職業;宇宙飛行士、ロケット、月などで表される航空の分野を挙げることができる。
【0033】
事業に関係するものとは、画像及びパターンが、特定の事業又は事業群に関連することを指す。これらの画像及びパターンとしては、選択された事業の人物、対象物及び象徴の描写を挙げることができるが、これらに限定されない。事業及びそれに関連する画像の代表例としては、公式ログ(official log)、多様な製品の商標、及びそれらの製品を表す画像から選択される、対象物、画像及び商標で表される、プロクター・アンド・ギャンブル社(Procter & Camble Company);又は、公式ロゴ、多様なチームのロゴ、並びにフットボール及びゴールポストなどの画像から選択される、対象物、画像及び商標で表される、全米プロフットボールリーグを挙げることができる。
【0034】
芸術及び文学に関係するものとは、画像及びパターンが、特定の芸術作品又は文学作品に関連することを指す。本明細書において、芸術作品及び文学作品としては、周知の絵画、人物画、彫刻、物語、小説、寓話、童謡、まんが、映画、テレビ番組などが挙げられる。これらの画像及びパターンとしては、特定の作品又は一連の作品における人物、対象物及び象徴の描写を挙げることができるが、これらに限定されない。文学作品又は芸術作品並びにそれらに関連する画像の代表例としては、ピーナッツ(The Peanuts)のまんがの登場人物、登場人物とそれらに関係する品目(例えば、スヌーピーの犬小屋、ライナスの毛布など)から選択される画像;及び登場人物とそれらに関係する対象物(例えば、魔法の杖、カミナリなど)から選択される画像及び対象物で表される、ハリー・ポッターシリーズの本を挙げることができる。文化に関係するものとは、画像及びパターンが、特定の文化的行事又は理念に関連することを指す。これらの画像及びパターンとしては、特定の文化の人物、対象物及び象徴の描写を挙げることができるが、これらに限定されない。文化及びそれに関連する画像の代表例としては、ンケカ(Mkeka)、キナラ(Kinara)、ムヒンディ(Muhindi)などから選択される対象物で表現される、クワンザ(Kwanzaa)というアフリカの祭り;メキシコの旗、ソンブレロ、ピニャータ、ダンス用スカートなどから選択される対象物で表される、シンコ・デ・マヨ(Cinco de Mayo)というヒスパニックの祭り;並びに、こま(dradle)、燭台(minorah)、ダビデの星などから選択される対象物で表される、ハヌカ(Hanukkah)というユダヤの祭りを挙げることができる。
【0035】
娯楽に関係するものとは、画像及びパターンが、特定の娯楽活動又は複数の活動に関連することを指す。これらの画像及びパターンとしては、そのような活動の人物、対象物及び象徴の描写を挙げることができるが、これらに限定されない。娯楽活動とそれに関連する画像の代表例としては、釣り竿、ボート、魚、釣り道具などから選択される対象物で表される魚釣り;針、糸、指ぬき、布、模様などから選択される対象物で表される裁縫;多様な一連のスポーツ用品、選手の画像などから選択される対象物で表されるスポーツを挙げることができる。他の例は、米国特許第6,297,424B1号(オルソン(Olson)ら、2001年10月2日発行)及び同第6,307,119B1号(カマロタ(Cammarota)ら、2001年10月23日発行)に見出すことができる。
【0036】
対象物は、それが他の対象物の一部分又は部分集合である時、又は両方の対象物がより大きな同じ対象物の部分又は部分集合である時に、関連性を有する。同様に、対象物は、画像が元の画像を単に拡大縮小(即ち、倍率を縮小又は拡大)した、又は元の画像と対称の画像である時に、関連性を有する。これを最も直接的に適用したものは、製品上に印刷されたのと同じ画像の輪郭を、ティッシュタオル製品にエンボス加工することである。
【0037】
「発明を実施するための最良の形態」において引用されるすべての文献は、その関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを認めるものと解釈されるべきではない。
【0038】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
【図面の簡単な説明】
【0039】

【図1】同じ文学に関係するもの(即ち、スポンジボブ・スクエアパンツ(SpongeBob SquarePants))を描写するエンボス加工パターン及び印刷画像を有する、本発明の吸収性ティッシュタオル製品の好ましい一実施形態の写真画像。
【図2】同じ自然に関係するもの(即ち、ネコとネコの足、及び「ニャア(meow)」)を描写するエンボス加工パターン及び印刷画像を有する、本発明の吸収性ティッシュタオル製品の好ましい一実施形態の写真画像。
【図3】同じ分野にある対象物(即ち、花)の画像を描写するエンボス加工パターン及び印刷画像を有する、本発明の吸収性ティッシュタオル製品の好ましい一実施形態の写真画像。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)第1表面及び第2表面を有する紙基材と;
b)前記第1表面又は第2表面の少なくとも1つの上に配置された印刷画像と;
c)前記第1表面又は第2表面の少なくとも1つの上に配置されたエンボス加工画像と;を含み、
前記エンボス加工画像及び前記印刷画像の両方が、同じ主題に関係するものの要素を表すことを特徴とする、吸収性ティッシュタオル製品。
【請求項2】
前記エンボス加工画像及び前記印刷画像の両方が、同じ自然に関係するものの要素を表す、請求項1に記載の吸収性ティッシュタオル製品。
【請求項3】
前記エンボス加工画像及び前記印刷画像の両方が、同じ職業に関係するものの要素を表す、請求項1に記載の吸収性ティッシュタオル製品。
【請求項4】
前記エンボス加工画像及び前記印刷画像の両方が、同じ事業に関係するものの要素を表す、請求項1に記載の吸収性ティッシュタオル製品。
【請求項5】
前記エンボス加工画像及び前記印刷画像の両方が、同じ芸術に関係するものの要素を表す、請求項1に記載の吸収性ティッシュタオル製品。
【請求項6】
前記エンボス加工画像及び前記印刷画像の両方が、同じ文学に関係するものの要素を表す、請求項1に記載の吸収性ティッシュタオル製品。
【請求項7】
前記エンボス加工画像及び前記印刷画像の両方が、同じ文化に関係するものの要素を表す、請求項1に記載の吸収性ティッシュタオル製品。
【請求項8】
前記エンボス加工画像が、前記印刷画像に表される対象物に関係する一部分を表す、請求項1に記載の吸収性ティッシュタオル製品。
【請求項9】
前記印刷画像が、前記エンボス加工画像に表される対象物に関係する一部分を表す、請求項1に記載の吸収性ティッシュタオル製品。
【請求項10】
前記エンボス加工画像が、前記印刷画像の表現と同じ分野の自然物を表す、請求項1に記載の吸収性ティッシュタオル製品。
【請求項11】
前記エンボス加工画像が、前記印刷画像中の形状の輪郭又は影に比例する表現を表し、好ましくは、前記エンボス加工画像が、前記印刷画像と同じ縮尺である、請求項1に記載の吸収性ティッシュタオル製品。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−527638(P2006−527638A)
【公表日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517593(P2006−517593)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/020191
【国際公開番号】WO2005/001202
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】