説明

オイルエレメントの分解装置

【課題】 複数のオイルエレメントを連続的に供給して効率よく処理すると共に、異なる直径や高さを有する複数種類のオイルエレメントにも適切にかつ簡易に対応して、オイルエレメントを効率良くかつ確実に分解して、リサイクル率を向上させる。
【解決手段】 オイルエレメント1の分解装置10は、複数の支持孔22を有する回転テーブル20によりオイルエレメント1を搬送する。オイルエレメント1は、ブッシング24により開口部の直径が調整された支持孔22に差し込まれる。回転テーブル20は所定のピッチ毎に回転して、オイルエレメント1を各作業位置に搬送し又は停止させる。固定刃34は、搬送されたオイルエレメント1を切断する。昇降爪により切断後のオイルフィルタ1からフィルタ等の内容物を分離する。油圧シリンダにより処理後のオイルエレメントの残部を支持孔22から抜き取る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定期間使用され用済みとなったオイルエレメントを廃棄処分に付するために分解するオイルエレメントの分解装置の改良に関し、特に、様々な寸法を有する複数種類のオイルエレメントに対応して適切に分解することに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車等のエンジンオイルの浄化に使用されるオイルエレメントは、図4に示すように、濾過紙等を立体的に付設して形成され異物等を濾過するフィルタ2と、このフィルタ2を収納する有底円筒形状の外筒3とから成っており、外筒3内をオイルが循環することによりオイルを浄化する。このオイルエレメント1は、所定期間使用された後は、浄化作用を充分に発揮できなくなることから定期的に交換される。この場合、用済みとなったオイルフィルタ1を廃棄することが必要となるが、オイルエレメント1のフィルタ2は紙や不織布等のから形成される一方、外筒3は一般に金属製材料から形成されているため、近年の環境に対する配慮やリサイクルの観点から両者を分別して処理するために、産業廃棄物処理場において、両者を分離して廃棄することが行われている。
【0003】
このオイルエレメント1をフィルタ2と外筒3とに分解する装置は、従来その殆どが、オイルエレメント1を一つずつ処理するものであった(例えば、特許文献1及び2参照)。しかし、これでは、オイルエレメント1を連続的に処理することができず、大量のオイルエレメント1を処理するのに多大な労力と時間を要し、大量に消費されるオイルエレメント1を効率よく分解することができない問題があった。
【0004】
このため、多量のオイルエレメントをホッパから投入して、このオイルエレメント1を凹部を有するベルトコンベアにより連続的に供給すると共に、ホッパから無作為に投入されたオイルフィルタ1の上下方向の向きを同一方向に揃えて、カッターにより切断する分解装置も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
しかし、廃棄されるオイルエレメント1の種類は一定ではなく、様々な直径(太さ)や高さを有する多種多様なオイルエレメント1が存在する。このため、この従来技術では、オイルフィルタ1の直径(太さ)によっては、ベルトコンベアの凹部にオイルフィルタ1を嵌合させてオイルフィルタ1を切断位置まで搬送することができず、様々な直径(太さ)を有するオイルフィルタ1に適切に対応することができない問題があった。
【0006】
また、オイルエレメントは、任意のいずれかの箇所で切断すればよいというものではなく、金属製の外筒3と内部のフィルター2とを一度の処理で、できるだけ効率よく分離するため、外筒3の上端や下端等の両端付近で行うことが望ましい。しかし、実際に廃棄されるオイルフィルタ1の高さは、多種多様であり、従って、オイルエレメント1を単に連続的に供給しても、オイルエレメント1に対するカッターの位置が一定では、高さが異なる複数のオイルエレメント間で高さ方向におけるカッターによる切断箇所が不均一とな梨、適切な箇所で切断することができないおそれがある。
【0007】
特に、オイルエレメント1のサイズとの関係だけではなく、カッターの種類によっては、オイルエレメント1に対する切断箇所を適切に調整することが望まれる場合がある。具体的には、例えば、固定的に設置されたカッターに対して、オイルエレメント1を移動させて切断する場合には、フィルタ2部分にカッターを当接させると、濾過紙等を立体的に付設して形成されたフィルタ2がカッターに受け止められて押し潰されるだけで、フィルタ2を適切に切断できないおそれがある。
【特許文献1】特開2004−1150号公報
【特許文献2】特開2004−58264号公報
【特許文献3】特開2004−121929号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点に鑑み、異なる直径や高さを有する複数種類のオイルエレメントにも適切にかつ簡易に対応して、オイルエレメントを効率良くかつ確実に分解して、リサイクル率を向上させることができるオイルエレメントの分解装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するための第1の手段として、オイルエレメントを支持して搬送する搬送手段と、この搬送手段により搬送されたオイルエレメントを切断するカッター手段とを備えたオイルエレメント分解装置であって、搬送手段は、オイルエレメントが差し込まれてオイルエレメントを支持する複数の支持孔を有し、複数の支持孔は、異なる直径を有する複数種類のオイルエレメントを支持できることを特徴とするオイルエレメントの分解装置を提供するものである。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するための第2の手段として、上記第1の解決手段において、複数の支持孔は、支持孔周縁がオイルエレメントのフランジに下方から係合することによりオイルエレメントを支持することを特徴とするオイルエレメントの分解装置を提供するものである。
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するための第3の手段として、上記第1又は第2のいずれかの解決手段において、複数の支持孔は、支持孔の開口部の直径を調整することができることを特徴とするオイルエレメントの分解装置を提供するものである。
【0012】
本発明は、上記の課題を解決するための第4の手段として、上記第3の解決手段において、複数の支持孔は、異なる内径の開口部を有するブッシングを着脱自在に装着することができ、異なる内径の開口部を有する複数のブッシングのうち任意の内径の開口部を有するブッシングを装着してブッシングを介してオイルエレメントを支持することにより、又はブッシングを装着しないでオイルエレメントを支持することにより、支持孔の開口部の直径を調整することができることを特徴とするオイルエレメントの分解装置を提供するものである。
【0013】
本発明は、上記の課題を解決するための第5の手段として、上記第1乃至第4のいずれかの解決手段において、複数の支持孔は、相互又はグループ毎に異なる複数の直径の開口部を有していることを特徴とするオイルエレメントの分解装置を提供するものである。
【0014】
本発明は、上記の課題を解決するための第6の手段として、上記第1乃至第5のいずれかの解決手段において、搬送手段の変位量を検知する検知手段と、搬送手段の変位を制御する変位制御手段とを更に備え、この変位制御手段は、検知手段により搬送手段が支持孔の中心間のピッチ分変位したことが検出された場合に搬送手段の変位を停止させる一方、所定時間の経過後又は所定の処理の終了を検知した後再度搬送手段の変位を許容することを特徴とするオイルエレメントの分解装置を提供するものである。
【0015】
本発明は、上記の課題を解決するための第7の手段として、上記第1乃至第6のいずれかの解決手段において、カッター手段が固定刃である場合には、オイルエレメントのうち内部にフィルタが存在しない箇所を固定刃により切断することを特徴とするオイルエレメントの分解装置を提供するものである。
【0016】
本発明は、上記の課題を解決するための第8の手段として、上記第1乃至第6のいずれかの解決手段において、カッター手段がチップソー、ロータリーハンドソー若しくはシリンダにより進退可能な回転刃その他の回転刃である場合には、オイルエレメントのうちフィルタが存在しない箇所又はその他の箇所のうちの上端若しくは下端のいずれかを移動刃により切断することを特徴とするオイルエレメントの分解装置を提供するものである。
【0017】
本発明は、上記の課題を解決するための第9の手段として、上記第7又は第8のいずれかの解決手段において、カッター手段のオイルエレメントに対する相対位置を調整して、カッター手段をオイルエレメントのうちフィルタが存在しない箇所又はその他の箇所うちの上端若しくは下端のいずれかに当接させることを特徴とするオイルエレメントの分解装置を提供するものである。
【0018】
本発明は、上記の課題を解決するための第10の手段として、上記第9の解決手段において、支持孔に装着されるブッシングによりオイルエレメントの支持高さを調整して、オイルエレメントのカッター手段に対する相対位置を調整することを特徴とするオイルエレメントの分解装置を提供するものである。
【0019】
本発明は、上記の課題を解決するための第11の手段として、上記第9又は第10のいずれかの解決手段において、カッター手段の高さを調整して、カッター手段のオイルエレメントに対する相対位置を調整することを特徴とするオイルエレメントの分解装置を提供するものである。
【0020】
本発明は、上記の課題を解決するための第12の手段として、上記第1乃至第11のいずれかの解決手段において、カッター手段により切断されたオイルエレメントの内部に進退自在に設置されてオイルエレメントの内容物をオイルエレメントの外筒から排出して分離する分離手段を更に備えていることを特徴とするオイルエレメントの分解装置を提供するものである。
【0021】
本発明は、上記の課題を解決するための第13の手段として、上記第12の解決手段において、分離手段は、オイルエレメントの内部に進入して内容物を傾斜して外筒から押し出して排出した後、オイルエレメントの内部から退避する方向に移動して内容物を傾斜したまま外筒側へ引き寄せることにより外筒の端部に内容物を当接させて、内容物を分離手段から抜き取って外筒から分離することを特徴とするオイルエレメントの分解装置を提供するものである。
【0022】
本発明は、上記の課題を解決するための第14の手段として、上記第1乃至第13のいずれかの解決手段において、処理終了後のオイルエレメントの残部を支持孔から抜き取る抜取手段を更に備えていることを特徴とするオイルエレメントの分解装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、上記のように、オイルエレメントを、開口部の直径を調整可能な支持孔に差し込んで支持するため、オイルエレメントの直径に合わせて支持孔の開口部の直径を調整することにより、種々の直径(太さ)を有するオイルエレメントに対応して、これらの種々のオイルエレメントを確実にかつ適切に搬送することができる実益がある。
【0024】
この場合、特に、本発明によれば、上記のように、複数の支持孔を有する搬送手段により複数のオイルエレメントを搬送しているため、異なる種類のオイルエレメントにも適切に対応しつつ複数のオイルエレメントを連続的に処理ですることができ、分解作業を効率よく簡易に行うことができ、オイルエレメントのリサイクル率を向上させることができる実益がある。
【0025】
また、本発明によれば、上記のように、搬送手段の変位を制御することにより、この搬送手段による複数のオイルエレメントの連続的な搬送を処理工程に合わせて適切に制御しているため、複数のオイルエレメントの連続的な処理を、適切にかつ確実に行うことができ、大量のオイルエレメントを分解作業を効率よく簡易に行うことができ、オイルエレメントのリサイクル率を向上させることができる実益がある。
【0026】
本発明によれば、上記のように、カッターの種類や能力に応じて、オイルエレメントの切断箇所を適切に調整しているため、オイルエレメントを確実にかつ円滑に切断して、フィルタと外筒とに分解することができる実益がある。
【0027】
本発明によれば、上記のように、カッター手段により切断されたオイルエレメントの内部に進退自在に設置されてオイルエレメントの内容物をオイルエレメントの外筒から排出して分離する分離手段を更に備えているため、オイルエレメントを切断後、フィルタと外筒とを自動的に分離することができる実益がある。
【0028】
この場合、特に、本発明によれば、分離手段により、内容物であるフィルタ等を傾斜して外筒から押し出して排出した後、オイルエレメントの内部から退避する方向に移動して内容物を傾斜したまま外筒側へ引き寄せることにより外筒の端部に内容物を当接させて、内容物を分離手段から抜き取って外筒から分離しているため、フィルタと外筒とを確実に分離することができる実益がある。
【0029】
本発明によれば、上記のように、支持孔から切断及び分離処理終了後のオイルエレメントを抜き取る抜取手段を更に備えているため、搬送手段に分解すべきオイルエレメントをセットするだけで、搬送、切断、分離、回収までの一連の自動化することができ、分解作業の容易性及び効率をより一層向上させることができる実益がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明を実施するための形態を図面を参照しながら詳細に説明すると、図1及び図2は本発明のオイルエレメント1の分解装置10を示し、この分解装置10は、図示の実施の形態では、図1及び図2に示すように、オイルエレメント1を支持して搬送する搬送手段12と、この搬送手段12により搬送されたオイルエレメント1を切断するカッター手段14と、このカッター手段14により切断されたオイルエレメント1の内容物をオイルエレメント1の外筒3から排出して分離する分離手段16と、処理終了後のオイルエレメント1の残部を搬送手段12から抜き取る抜取手段18とを備えている。
【0031】
(1.搬送手段)
搬送手段12は、図示の実施の形態では、回転テーブル20から成っている。この搬送手段12である回転テーブル20は、図1及び図2に示すように、オイルエレメント1が差し込まれてオイルエレメント1を支持する複数の、図示の実施の形態では8つの支持孔22を有している。これらの複数の支持孔22は、本発明においては、異なる直径を有する複数種類のオイルエレメント1を支持することができる。具体的には、図示の実施の形態においては、複数の支持孔22は、支持孔22の開口部22Aの直径を調整することにより、異なる直径を有する複数種類のオイルエレメント1を支持することができる。
【0032】
この支持孔22の開口部22Aの直径の調整は、具体的には、図3に示すように、支持孔22に着脱自在に装着することができるブッシング24により行うことができる。即ち、図3に示すように、このブッシング24にオイルエレメント1を差し込んで支持することができる開口部24Aを形成し、このブッシング24の開口部24の内径を、様々なサイズを有するオイルエレメント1のフランジ4付近の外径に合わせて予め複数設定して、複数のブッシング24を形成する。
【0033】
これらの異なる内径の開口部24Aを有する複数のブッシング24のうち、分解すべきオイルエレメント1の直径に対応する内径の開口部24Aを有するブッシング24を選択して支持孔22に装着することにより、支持孔22の開口部22Aの直径を、分解すべきオイルエレメント1に合わせて調整することができる。この直径調整後のブッシング24を介してオイルエレメント1を支持することにより、図3に示すように、オイルエレメント1をしっかりと確実に保持することができる。
【0034】
この場合、勿論、複数の支持孔22自体の開口部22Aの直径が、分解すべきオイルエレメント1のフランジ4付近の直径に符合している場合には、ブッシング1を装着しないでオイルエレメント1を支持することにより、当該サイズのオイルエレメント1に対応することができる。このように、分解すべきオイルエレメント1の直径に合わせて、適宜、適切なブッシング24を選択することにより、又は、ブッシング24を装着しないことにより、種々のオイルエレメントを確実にかつ適切に搬送することができる。
【0035】
なお、このことから解るように、複数の支持孔22の開口部22Aの直径は、分解すべきオイルエレメント1のうち、最も大きな直径を有するオイルエレメントに合わせて設定しておくことが望ましい。また、図1乃至図3に示す実施の形態では、オイルエレメント1のフランジ4が形成されたボトム側を上方に向けて複数の支持孔22にオイルエレメント1を差込み、支持孔22周縁(ブッシング24を使用した場合には支持孔22周縁のブッシング24本体、ブッシング24を使用しない場合には支持孔22周縁の回転テーブル20本体)がオイルエレメント1のフランジ4に下方から係合することによりオイルエレメント1を下から支えるようにして支持し、これによりオイルエレメント1は、搬送手段12である回転テーブル20から垂れ下がるように突出して搬送される。
【0036】
また、図示の実施の形態における分解装置10は、図1及び図2に示すように、更に、搬送手段12の変位量を検知する検知手段26と、搬送手段12の変位を制御する図示しない変位制御手段とを更に備えている。
【0037】
検知手段26は、図示の実施の形態では、図1に示すように、搬送手段12である回転テーブル20において複数の支持孔22の各々に対応して設置されたセンサー受棒30と、回転テーブル20の中央部付近でこのセンサー受棒30に接触するリミットセンサー32とから成っている。このリミットセンサー32は、回転テーブル32が回転して、センサー受棒30がリミットセンサー32に接触する度毎に、回転テーブル20が所定量変位したこと(搬送手段12が回転テーブルである図示の実施の形態においては、所定量の回転したこと)を感知する。
【0038】
従って、このセンサー受棒30を、複数の支持孔22の各々において、各支持孔22から見て対応する同じ位置に均等に設置することにより、所定のピッチ量、即ち、搬送手段12が複数の支持孔22の中心間のピッチ分変位したこと(回転テーブル20である場合には、複数の支持孔22の中心間の円弧距離分、回転したこと)を検出することができる。
【0039】
また、変位制御手段は、この検知手段26及び搬送手段12に電気的に接続された図示しない電気回路から成り、検知手段26により搬送手段12である回転テーブル20が支持孔の中心間のピッチ分変位したことが検出された場合に、この搬送手段12である回転テーブル20の回転(変位)を停止させる。これにより、各所定の位置において、後に述べる切断や分離、抜き取り等の所定の処理をすることができる。従って、この場合、カッター手段14や分離手段16、抜取手段18を所定の等間隔のピッチ上に配置することにより、各処理における位置決めをすることができ、搬送手段12である回転テーブル20により搬送された複数のオイルエレメント1に同時に複数の異なる処理を行うことができる。
【0040】
一方、変位制御手段は、タイマー等により例えば、5秒等の所定時間の経過後に、搬送手段12である回転テーブル20の回転停止状態を解除して、再び、回転することを許容するように設定することができる。これにより、いったん、複数の支持孔22に複数のオイルエレメント1を差し込んだ後は、搬送を初めとする各処理を自動的に処理することができることは勿論、複数のオイルエレメント1の連続的な搬送を処理工程に合わせて適切に制御して、複数のオイルエレメント1の連続的な処理を適切にかつ確実に行うことができる。これにより、大量のオイルエレメント1を分解作業を効率よく簡易に行うことができ、オイルエレメント1のリサイクル率を向上させることができる
【0041】
なお、図示の実施の形態では、検知手段26は、センサー受棒30を有する機械的なセンサーとしたが、必ずしも、センサーの種類は限定されるものではなく、光や赤外線等の他の光学的なセンサー等を使用することもできる。また、同様に、上記の実施の形態では、変位制御手段は、タイマーにより所定時間の経過後回転を許容するのではなく、カッター手段14、分離手段16、抜取手段18等の各種手段が所定の処理を終了したことを検知して、これを受けて搬送手段12の変位を許容するように設定することもできる。
【0042】
更には、図示の実施の形態では、搬送手段12は、自転する回転テーブル12であるのが示され、これによれば分解装置10の大型化を避け、省スペース化を図ることができるため好適であるが、特に、スペース上の問題よりも大量処理の要請が強い場合等には、図示しない直線上に延びるレール上を、直線的に移動する多数の移動体や長尺テーブル等から搬送手段12を形成することもできる。これらの場合には、検知手段26は、複数の支持孔の中心間の直線距離分の移動(変位)を検知するように設定する。
【0043】
(2.カッター手段)
また、カッター手段12は、図1及び図2に示す実施の形態では、分解装置10のフレームに固定的に設置された固定刃34を有している。この実施の形態においては、図1から解るように、搬送手段12である回転テーブル20により搬送されてきたオイルエレメント1が、所定の位置に設置された固定刃34に衝突していくことにより、オイルエレメント1が切断される。
【0044】
この場合、固定刃34は、図4の矢印Aに示すように、オイルエレメント1のうち内部にフィルタ2が存在しない箇所に当接させて、オイルエレメントを切断するように設定することが望ましい。これは、固定刃34に対して、オイルエレメント1を移動させて切断する場合には、フィルタ2部分にカッターを当接させると、濾過紙等を立体的に付設して形成されたフィルタ2が固定刃34に受け止められて押し潰されるだけで、フィルタ2を適切に切断できないおそれがあるためである。具体的には、図4に示すように、フィルタ2を固定するためのスプリング5や座金6を有する上方付近に当接させる。その調整方法については、次に述べる移動式の刃である場合も含めて、後述する。
【0045】
また、カッター手段14は、図1及び図2に示す固定刃34に限定されるものではなく、図5乃至図8に示すように、移動式の刃を使用することもできる。具体的には、図5においては、カッター手段14は、自転するチップソー36であるのが示されている。この図5に示す実施の形態では、チップソー36は、アーム37により揺動自在に支持されると共に、通常の状態では、搬送手段12の進行方向(回転テーブル20の回転方向:図5の矢印A参照)とは逆方向に向けてばね等により付勢されている。
【0046】
この場合、チップソー36は、常時回転(自転)しており、搬送されてきたオイルエレメント1に接触してオイルエレメント1を切断する。なお、オイルエレメント1の搬送速度が速い場合には、それに応じて、ほぼ瞬時にオイルエレメント1を切断するが、搬送速度が遅い場合には、オイルエレメント1がチップソー36に接触すると、オイルエレメント1の進行力によりいったんバネ等による付勢力に抗して搬送手段12の進行方向に一時的に後退した後、オイルエレメント1を受け止めて、オイルエレメント1の移動中であれば力が均衡した箇所で、あるいは、変位制御手段により搬送が停止された状態で、オイルエレメント1を切断することができる。
【0047】
この図5に示すチップソー36タイプのカッター手段14とした場合には、図1及び図2に示す固定刃34に比べて、切断後の切り口が整っており、後の作業であるフィルタ2の分離作業等を効率よく行える利点がある。
【0048】
また、図6においては、カッター手段14が、回転するハンドソー38であるのが示されている。このハンドソー38の場合にも、切断する機構は図5に示すチップソー36のバイト同様であるが、チップソー36よりも、更に切断後の切り口を整えることができると共に、より一層の低騒音化を期待することができると同時にオイルフィルタ1との接触による火花の発生も抑制することができるため、最も好適な切断手段であるといえる。
【0049】
更に、図7及び図8においては、カッター手段14が、油圧シリンダー40の先端に支持されてオイルエレメント1に対して進退自在に設置された回転刃42と、所定の切断箇所でオイルエレメント1に回転力を付与してオイルエレメント1を自転させる回転体44と、支持孔22内に設置され回転体44によるオイルエレメント1の支持孔22内での回転を許容するベアリング46とを備えている。
【0050】
この図7及び図8に示す実施の形態においては、オイルエレメント1が、所定の切断箇所に搬送されてくると、油圧シリンダー40により回転刃がオイルエレメント1方向に進行して、オイルエレメント1の外筒3に接触し、この外筒3を切断すると共に、昇降シリンダー48により、回転体44がレール49上を下降して、回転体44の凹凸を有する鋭角先端部がオイルフィルタ1に入り込みオイルフィルタ1を回転させる。これにより、オイルフィルタ1が支持孔22内で1周して、外筒3の周囲が回転刃42に接触して外筒が切断される。この実施の形態は、外筒3のみを切断するため、他の実施の形態に比し、切断作業を円滑に行うことができる点で有利である。
【0051】
なお、カッター手段14が、これらの図5乃至図7に示す回転式の刃である場合には、固定刃34の場合と異なり、特にオイルフィルタ1の切断箇所は問わず、いずれの箇所であっても切断自体は行うことができるが、刃が回転しているため金属部分と接触すると騒音や金属粉の飛沫、火花等が発生するおそれがあるため、固定刃34の場合とは逆に、むしろフィルタ2が存在する箇所を切断する方が好ましい。
【0052】
加えて、オイルエレメント1の中央付近で切断するよりも、上下端で切断した方が、切断後のオイルフィルタ1の一部の回収効率を向上させることができるため、図4に示すように、フィルタ2が存在する部分のうち、できるだけオイルエレメント1の上端(図4の矢印B参照:フランジ4が上方に存在する向きで配置されているため、図面上は下方に位置する)、又は、下端(図4の矢印C参照:フランジ4が上方に存在する向きで配置されているため、図面上は上方に位置する)に当接させて切断することが好ましい。
【0053】
更には、搬送手段である12である回転テーブル20との間での、これらの回転刃自体の移動スペース等を考慮すると、図4に示すフィルタ2が存在する部分のうちできるだけオイルエレメント1の上端(図4の矢印B参照:フランジ4が上方に存在する向きで配置されているため、図面上は下方に位置する)で切断することが最も望ましいといえる。
【0054】
以上のカッター手段14である各種刃の切断位置の調整は、カッター手段14のオイルエレメント1に対する相対位置を調整することにより、カッター手段14の種類に応じて適切に設定することができる。具体的には、図9に示すように、支持孔22に装着されるブッシング24によりオイルエレメント1の支持高さを調整して、オイルエレメント1のカッター手段14に対する相対位置を調整することができる。
【0055】
即ち、ブッシング24に、図9に示すように、ある程度の高さを付与して、オイルエレメント1を搬送手段12である回転テーブル20の上方に多少持ち上げるようにして突出させることにより、回転テーブル20から下方に垂れ下がるようにして突出する長さを調整することにより、カッター手段14の種類に応じて、適切な切断位置を確保することができる。この実施の形態においては、カッター手段34自体は、複雑な機構に夜昇降させる必要がなく、各種のオイルエレメント1の直径と高さを予め調査して、対応するブッシング24のみを用意して支持孔22に装着するだけで、簡易に対応することができる点で有利である。
【0056】
なお、このことから、例えば、外筒3にテーパが形成され、外筒3の直径が連続的に次第に変化するタイプのオイルフィルタ1である場合には、必ずしも、フランジ4を支持する必要はなく、例えば、外筒3を、高さ方向の途中の箇所において、開口部22A、24Aに嵌合させることにより、オイルフィルタ1の支持高さを調整することもできる。更には、このことから、高さ調整の有無にかかわらず、テーパが形成された外筒3を有するオイルフィルタ1を分解する場合には、フランジ4以外の箇所を支持することもできることが理解できる。
【0057】
一方、カッター手段14のオイルエレメント1に対する相対位置の調整は、カッター手段14の高さを調整して、カッター手段14のオイルエレメント1に対する相対位置を調整することにより行うこともできる。この場合には、具体的には、カッター手段14の刃をレールに沿って昇降可能として、所定の箇所で位置決めして固定することができるように設定して対応することができる。この場合、図示しないセンサ等を用いて、オイルエレメントのサイズに応じたカッター手段の適切な位置を検出して、カッター手段14を自動的に昇降させる設定とすることもでき、これによれば、一層簡易に様々な種類のオイルエレメント1に対応することができる。
【0058】
なお、以上の位置調整のためのブッシング22と、カッター手段14の昇降は、複合的に実施することもでき、これにより、一層緻密に、種々のサイズのオイルエレメント1や新種のオイルエレメント1に適切に対応することができる。また、以上のカッター手段14により切断されたオイルエレメント1は、切り離された部分が自然に下方に落下して回収されるが、カッター手段14の下方に図2に示すように、受け皿50を設置しておくことにより、周囲を汚さずに、かつ、簡易に確実に廃棄物を回収することができる。
【0059】
(3.分離手段)
また、以上のカッター手段14により切断されたオイルエレメント1の内容物であるフィルタ2等をオイルエレメント1の外筒3から排出して分離する分離手段16は、具体的には、図10に示すように、オイルエレメント1の内部に進退自在に設置されてオイルエレメントの内容物をオイルエレメントの外筒から排出して分離する昇降爪52から成っている。
【0060】
この昇降爪52は、図10に示すように、油圧シリンダ56のシリンダシャフト58の先端に取り付けられて誘導筒54内を昇降可能に設置され、図10(A)及び図11(A)に示すように、通常ではこの誘導筒54の上端に形成された座金60と、この誘導筒54の上方に設置された油圧シリンダ56のシリンダシャフト58の途中に形成された座金62との間に設置されたスプリング64の伸長力により誘導筒54内に収納されている。
【0061】
一方、昇降爪52は、図10(B)及び図11(B)に示すように、シリンダシャフト58が、スプリング64の伸長力に抗して下降することにより、誘導筒54から下方に押し出される。この場合、昇降爪52は、図10及び図11に示すように、ヒンジ66を介して接続され、間に設置されたスプリング68の伸長力により通常では相互に離反する方向に付勢された2枚の爪板から成っており、従って、昇降爪52は、誘導筒54から押し出されて開放されると、図10(B)及び図11(B)に示すように、2枚の爪板が開く。一方、シリンダシャフト58が上昇して、昇降爪52が誘導筒54内に入り込むと、図10(A)及び図11(A)に示すように、スプリング68が誘導筒54の内壁に挟まれて収縮し、2枚の爪板が近接して閉じた状態で誘導筒54内に格納される。
【0062】
このようにして、オイルエレメント1の内部に進退自体に設置された昇降爪52は、図10から解るように、オイルエレメント1の内部に進入して内容物であるフィルタ2等を傾斜させて外筒3から押し出して排出した後、再びオイルエレメント1の内部から退避する方向に移動してフィルタ2等の内容物を傾斜したまま外筒3側へ引き寄せることにより外筒3の端部にフィルタ2等の内容物を当接させて、フィルタ2等の内容物を昇降爪52から分離手段から抜き取って外筒3から分離する。
【0063】
具体的には、昇降爪52は、図10及び図11に示すように、相互に長さの異なる2枚の爪板から形成されているため、長い方の爪板が先にオイルエレメント1の内容物(具体的には、円筒状のパンチングメタル)に接触して、内容物を偏向して押し下げるため、内容物を傾斜させることができる。このようにして傾斜して外筒3から押し出された内容物は、外筒3よりも外側に飛び出るため、図10(B)に示すように、そのまま上方へ引き上げられると、外筒3の端部に当接して、この外筒3の端部がいわばストッパとなり、上昇が規制される。一方、油圧シリンダ56の押し下げから解放され、スプリング64の伸長力により上昇する昇降爪52は、そのまま引き続き上昇して内容物から抜き取られる一方、昇降爪52に支持されていた内容物は、下方に落下する。
【0064】
これにより、紙製等のフィルタ2等の内容物を、金属製の外筒3から自動的に分離することができ、オイルエレメント1の分解作業を簡易にかつ効率よく行うことができる。なお、この場合も、分離手段16の下方に図示しない受け皿を設置しておくことにより、外筒3から分離されたフィルタ2などの内容物を、周囲を汚さずに、かつ、簡易に確実に回収することができる。
【0065】
なお、昇降爪52の形態は、図10及び図11に示す長さが異なり、かつ、昇降軸に対して均等に開閉する形態に限定されるものではなく、内容物を外筒から確実に分離することができれば、他の形態とすることもできる。具体的には、例えば、図12に示すように、長さは均等であるが、傾斜角度が異なる2枚の爪板から成る昇降爪52や、図13に示すように、スプリング68により開閉するのではなく弾性変形により開閉する昇降爪52とすることもできる。
【0066】
なお、以上の分離手段16は、例えば、オイルエレメント1を、フランジ付近(図4の矢印C参照)で切断する場合には、オイルエレメント1の底面だけが搬送手段12上に残存するため、必ずしも設けなくても良い。
【0067】
(4.抜取手段)
更に、処理終了後のオイルエレメント1の残部を搬送手段12から抜き取る抜取手段18は、図示の実施の形態では、図1及び図14に示すように、切断及び分離処理が終了したオイルエレメント1の残部が停止した位置に設置され、当該残部を下方から叩き上げる支持孔22から抜き取るシリンダ70から成っている。この抜取手段18を設置することにより、搬送手段12に分解すべきオイルエレメント1をセットするだけで、搬送、切断、分離、回収までの一連の自動化することができ、分解作業の容易性及び効率をより一層向上させることができる。
【0068】
なお、図示の実施の形態においては、搬送手段12上に位置するオイルエレメント1の部分は、フランジ4及びこのフランジ4に連続する薄い底部だけであるため、図14に示すように、抜取手段18を下方から残部を持ち上げるシリンダ70としたが、必ずしも図示の形態に限定されるものではなく、残部を適切に排除することができれば、例えば、上方から引き上げる等の他の適宜の手段とすることもできる。また、この場合も、抜取手段18の周囲に図示しない受け皿を設置しておくことにより、オイルエレメント1の残部を、周囲を汚さずに、かつ、簡易に確実に回収することができる。
【0069】
(5.その他の実施の形態)
なお、図示の実施の形態においては、ブッシング24を設けて、複数の支持孔22の開口部22Aの直径を調整することにより、異なる直径を有する複数種類のオイルエレメント1を支持したが、必ずしもこれに限定されるされるものではなく、他に例えば、相互又はグループ毎に異なる複数の直径の開口部22Aを有する支持孔22とすることによって種々のオイルエレメントに対応することもできる。なお、この場合は勿論、ブッシング24を使用した場合も含めて、同時期に高さの異なる複数種類のオイルエレメント1を搬送する場合には、上述したカッター手段14の高さ位置をセンサー等により自動的に調整することが望ましい。換言すれば、例えば、予め分解すべきオイルエレメント1を種類毎に分け、ブッシング24の調整により同時期に(回転テーブル20が1周する間に)、同じサイズのオイルエレメントをまとめて処理する場合には、カッター手段14の高さ調整等は必ずしも行う必要はなく、簡易な構成及び手順とすることができ、必要性に応じて、適宜選択することができる。勿論、この場合でも、1台の分解装置で種々のオイルエレメント1に適切に対応することができる点で、従来技術にはない優位性を確保している。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、特に、産業廃棄物処理場や、自動車整備工場等におけるオイルエレメントの廃棄処分に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の分解装置の概略平面図である。
【図2】本発明の分解装置の概略側面図である。
【図3】本発明の分解装置によりオイルエレメントを搬送する状態の概略側面図である。
【図4】本発明の分解装置によるオイルエレメントの適切な切断箇所を示すオイルエレメントの側面図である。
【図5】本発明の分解装置に用いられるカッター手段の他の実施の形態の概略平面図である。
【図6】本発明の分解装置に用いられるカッター手段の更に他の実施の形態の概略平面図である。
【図7】本発明の分解装置に用いられるカッター手段の更に他の実施の形態を示し、同図(A)はその概略平面図、同図(B)はその概略側面図である。
【図8】図7に示す実施の形態のカッター手段に用いられる支持孔の概略断面図である。
【図9】本発明に用いられるブッシングの他の実施の形態の概略側面図である。
【図10】本発明に用いられる分離手段によりフィルタを分離する状態の概略側面図である。
【図11】本発明に用いられる分離手段の拡大側面図である。
【図12】本発明に用いられる分離手段の他の実施の形態の拡大側面図である。
【図13】本発明に用いられる分離手段の更に他の実施の形態の拡大側面図である。
【図14】本発明に用いられる抜取手段の概略側面図である。
【符号の説明】
【0072】
1 オイルエレメント
2 フィルタ
3 外筒
4 フランジ
5 スプリング
6 座金
10 分解装置
12 搬送手段
14 カッター手段
16 分離手段
18 抜取手段
20 回転テーブル
22 複数の支持孔
22A 支持孔の開口部
24 ブッシング
24A ブッシングの開口部
26 検知手段
30 センサー受棒
32 リミットセンサー
34 固定刃
36 チップソー
37 アーム
38 ハンドソー
40 油圧シリンダ
42 回転刃
44 回転体
46 ベアリング
48 昇降シリンダ
49 レール
50 受け皿
52 昇降爪
54 誘導筒
56 油圧シリンダ
58 シリンダシャフト
60,62 座金
64 スプリング
66 ヒンジ
68 スプリング
70 シリンダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オイルエレメントを支持して搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送された前記オイルエレメントを切断するカッター手段とを備えたオイルエレメント分解装置であって、前記搬送手段は、前記オイルエレメントが差し込まれて前記オイルエレメントを支持する複数の支持孔を有し、前記複数の支持孔は、異なる直径を有する複数種類のオイルエレメントを支持できることを特徴とするオイルエレメントの分解装置。
【請求項2】
請求項1に記載されたオイルエレメントの分解装置であって、前記複数の支持孔は、前記支持孔周縁が前記オイルエレメントのフランジに下方から係合することにより前記オイルエレメントを支持することを特徴とするオイルエレメントの分解装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2のいずれかに記載されたオイルエレメントの分解装置であって、前記複数の支持孔は、前記支持孔の開口部の直径を調整することができることを特徴とするオイルエレメントの分解装置。
【請求項4】
請求項3に記載されたオイルエレメントの分解装置であって、前記複数の支持孔は、異なる内径の開口部を有するブッシングを着脱自在に装着することができ、前記異なる内径の開口部を有する複数のブッシングのうち任意の内径の開口部を有するブッシングを装着して前記ブッシングを介して前記オイルエレメントを支持することにより、又は前記ブッシングを装着しないで前記オイルエレメントを支持することにより、前記支持孔の開口部の直径を調整することができることを特徴とするオイルエレメントの分解装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載されたオイルエレメントの分解装置であって、前記複数の支持孔は、相互又はグループ毎に異なる複数の直径の開口部を有していることを特徴とするオイルエレメントの分解装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載されたオイルエレメントの分解装置であって、前記搬送手段の変位量を検知する検知手段と、前記搬送手段の変位を制御する変位制御手段とを更に備え、前記変位制御手段は、前記検知手段により前記搬送手段が前記支持孔の中心間のピッチ分変位したことが検出された場合に前記搬送手段の変位を停止させる一方、所定時間の経過後又は所定の処理の終了を検知した後再度前記搬送手段の変位を許容することを特徴とするオイルエレメントの分解装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載されたオイルエレメントの分解装置であって、前記カッター手段が固定刃である場合には、前記オイルエレメントのうち内部にフィルタが存在しない箇所を前記固定刃により切断することを特徴とするオイルエレメントの分解装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載されたオイルエレメントの分解装置であって、前記カッター手段がチップソー、ロータリーハンドソー若しくはシリンダにより進退可能な回転刃その他の回転刃である場合には、前記オイルエレメントのうちフィルタが存在しない箇所又はその他の箇所のうちの上端若しくは下端のいずれかを前記移動刃により切断することを特徴とするオイルエレメントの分解装置。
【請求項9】
請求項7又は請求項8のいずれかに記載されたオイルエレメントの分解装置であって、前記カッター手段の前記オイルエレメントに対する相対位置を調整して、前記カッター手段を前記オイルエレメントのうちフィルタが存在しない箇所又はその他の箇所うちの上端若しくは下端のいずれかに当接させることを特徴とするオイルエレメントの分解装置。
【請求項10】
請求項9に記載されたオイルエレメントの分解装置であって、前記支持孔に装着されるブッシングにより前記オイルエレメントの支持高さを調整して、前記オイルエレメントの前記カッター手段に対する相対位置を調整することを特徴とするオイルエレメントの分解装置。
【請求項11】
請求項9又は請求項10のいずれかに記載されたオイルエレメントの分解装置であって、前記カッター手段の高さを調整して、前記カッター手段の前記オイルエレメントに対する相対位置を調整することを特徴とするオイルエレメントの分解装置。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11のいずれかに記載されたオイルエレメントの分解装置であって、前記カッター手段により切断された前記オイルエレメントの内部に進退自在に設置されて前記オイルエレメントの内容物を前記オイルエレメントの外筒から排出して分離する分離手段を更に備えていることを特徴とするオイルエレメントの分解装置。
【請求項13】
請求項12に記載されたオイルエレメントの分解装置であって、前記分離手段は、前記オイルエレメントの内部に進入して前記内容物を傾斜して前記外筒から押し出して排出した後、前記オイルエレメントの内部から退避する方向に移動して前記内容物を傾斜したまま前記外筒側へ引き寄せることにより前記外筒の端部に前記内容物を当接させて、前記内容物を前記分離手段から抜き取って前記外筒から分離することを特徴とするオイルエレメントの分解装置。
【請求項14】
請求項1乃至請求項13のいずれかに記載されたオイルエレメントの分解装置であって、処理終了後の前記オイルエレメントの残部を前記支持孔から抜き取る抜取手段を更に備えていることを特徴とするオイルエレメントの分解装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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