説明

オストメイト用下ばき

【課題】人工肛門及び人工膀胱を下腹部に造設された人の使用するショーツ等の下ばきでおいて、下腹部の左右いずれにおいてストーマが造設される場合でも単一の下ばきで合理的に対応でき、体にフィットし、より安定感があり活動的な生活を可能とするオストメイト用下ばきオストメイト用下ばきを提供する。
【解決手段】下ばきの内側にストーマに装着したパウチが出し入れしやすい寸法の袋部分を設けた。左側及び右側において又、両側のパウチにも対応出来るように製作した。尿や便が溜まったパウチが下ばきの内側に収納することで、より体にフィットし安定するように形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオストメイト用下ばきに関し、更に詳しくは尿処理、大便処理を簡単に短時
間で行うことが出来、人工肛門及び人工膀胱に装着されるパウチを使用しているオストメイトが使用するオストメイト用下ばきの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
病気や障害が原因で、腹部に孔を空けて人工的に作られた人工肛門や人工膀胱を持っている「オストメイト」と称される多くの人がいる。腹部に取り付けられる人工膀胱や人工肛門は総称して「ストーマ」と称される。
人工膀胱は「ウロストミー」、人工肛門及び人工結腸肛門は「コロストミー」と称され、回腸人工肛門が「イレオストミー」と称されている。ストーマは排泄の制御ができない為、排泄物を溜めるための「パウチ」と称される袋をそのストーマに取り付けて垂れ流される尿や大便を溜めて、パウチに尿や大便が溜まったところで尿処理や大便処理が出来るようにした下半身下着が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭60-189503号 公報
【特許文献2】実開平 2-96113号 公報
【特許文献3】特開平11-123203号 公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、開示されているものはいずれも開口部の大きさが限られた一箇所であり、ストーマ位置が体側の左右いずれかに偏っている場合とか、ストーマがコロストミー及びウロストミーと双方が必要な場合等に対応出来ない問題を有している。
【0005】
オストメイトがパウチを装着した状態でパウチの中に便が溜まった状態ではパウチに接する下の肌の皮膚面とが蒸れて湿疹や皮膚炎をおこしやすくなるため、パウチと肌とがポケットの布により直接パウチが肌に触れないように対応することが出来る。
【0006】
オストメイトストーマの位置が下腹部にいずれかに造設されてもより簡単に対応でき、またストーマが「ウロオストミー」「コロオストミー」と両方使用する場合も簡単に行う事が出来、開口部ポケットへ誤りなく収めることが出来ると共にスッキリとして見栄えも良く外観も良いオストメイト用の下ばきを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は請求項1として、オストメイト用パウチを取り付けた状態で着用するのに適したオストメイト用のメリヤス製下ばきであって、前身とこの前身と同じ形状である袋体が重ね合わされており、
又、前記袋体上端は折り返され且つ前身上端より下方に位置すると共に、前身と袋体の両方の腿開口端が縫合されると共に、前記前身より巾広で且つ短い股下端を有する後身を、袋体と挟むようにして、順に重ねた前身、袋体、後身のそれぞれの両側端及び股下端を縫合し、更に前身と後身のそれぞれの両側端の縫合によって形成された上方開放部にベルトを設けたことを特徴とするオストメイト用下ばき。
人工肛門、人工膀胱造設者のオストメイト用人工肛門パウチを取り付けた状態で着用するのに適したオストメイトの者の下ばきであって、下ばき腹面にパウチが収納できるポケットを設けた下ばきである。
請求項2として、前身と袋体と後身それぞれの股下端の縫合により形成された袋体の底を、前記股下端の縫合部よりも上方で縫合したことを特徴とする請求項1記載のオストメイト用下ばき。
オストメイトがコロストミーにコロストミー用パウチを取り付けた状態で着用した場合で着用するのに適したオストメイト用下ばきであって、
下ばきの腹側(内側)に当接されている開口部がポケット状になっており、人工肛門用パウチが収納できるオストメイト用下ばきである。
オストメイトがウロストミーにウロストミー用パウチを取り付けた状態で着用するのに敵したオストメイト用下ばき。前身両側脇縫によりパウチの収まる位置が定まるオストミー用下ばきである。
オストメイトがウロストミーにウロストミー用パウチを取り付け、更にコロストミーにコロストミー用パウチを取り付けた状態でどちらも着用するのに適した下ばきである。
少なくともウロストミー及びコロストミー、両側共のウロストミー用パウチ、コロストミー用パウチが下ばき前面に取り付けられたポケットに収納できるオストメイト用下ばき。
本発明の下ばきにより脱着自在であることとなったオストメイト用メリヤス製下ばき。
前記課題を解決するため本発明では、下ばきの前面内側に袋状の開口部を開設し、
前面脇縫によって袋部を安定させる構成にした。
開口部の縁はパウチが滑りやすく入りやすいように巾広く縁折り面を多くした。
【0008】
オストミー用人工肛門、人工膀胱の造設の位置が異なった位置であってもどの角度からも前面袋部に安定して挿入が可能であるようにすること。又、パウチを下ばきの外側に出すのではなく下ばきの内側に納めることにより外観を佳良とし、スマートにスッキリとするこが出来た。
【発明の効果】
【0009】
本発明によるとオストメイトのストーマの位置が下腹部左右、上下いずれの位置に造設されている場合でも前面袋部に対応でき、人工膀胱及び人工肛門の双方のストマーを使用せざる場合でも簡単に対応出来る。
【0010】
本発明によるオストミーに造設されたストーマに取り付けられるパウチは開示されている下ばきは一部開口部から下ばきの外側に取り出し扱うものであったが、
見栄えも悪くパウチが外にぶら下がる状態で尿、便の重量で不安定になるが、下ばきの内側袋部に収納するので体へのフィット感が良くなり安定し違和感が少なくなる効果を奏し、スマートにスッキリと外観も良好としうる効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明はオストメイトがより便利な生活を営むためQLO(日常生活の質)を高め使用価値が高く、今後医療福祉関連製品の製造業や販売業においても将来的な利用価値が高い発明である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の下ばき正面図
【図2】本発明の背面図
【図3】図1のA―A線切断部端図面
【図4】使用態様の一例を示す正面図
【図5】本発明の下ばきの各部材を説明する図
【図6】ストーマ装具を保持した状態での従来の下ばき正面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は本発明の実施形態に係るオストメイト用ショーツの外観を示す。本発明である
下ばき1は上部にベルト5を備え、その下方には下ばき1の本体布1である後身、2である前身、3である袋体をそれぞれ側方で縫着されている。
図2は本発明下ばきの背面図を示す。
図3は図1のA−A線切断部端面図を示す。前身2に向かって袋体3の上端部の袋折り返し4は形成されている。そして、この袋体3を挟んで後身1が縫合される。
女性用メリヤス製ショーツの実施の一例を示しており、下ばき前面に脇前に縫目を縫合されて袋部を設置して仕立てられており、袋部の上部開口部は折り返し4の縁部を広くしパウチの滑りを良くなるようされている。袋折り返し4の巾は10mm〜50mmが適当である。
【0014】
袋開口部は図4に示されるごとく縁布がパウチ接着面下方端部に沿って袋部がパウチと肌が直接触れることを防ぐことが出来る。
【0015】
図1は、前身脇の縦縫目で縫合されてショーツが仕立てられており、前身頃の袋部上部に袋開口部が開設されており、袋開口部の上端8は図4に示されるごとく折り返し4の縁は巾広く縫合されている。
【0016】
袋開口部は各種のストーマのパウチの最大寸法にも適用できる寸法に設定する必要があり、又小さい寸法のパウチにも取付が安定する必要があり、面積のある袋部が必要となる。
図5は本発明の下ばきの各部材を説明する図である。
(1)は上部開口端に縫着するベルトであり、伸縮性材料とする。
このベルトはゴム、レース等がよい。
(2)は後身であり、袋体縫合の為、脇より前身側端袋体側端まで長くする。
(3)は袋体であり、開口部縁はパウチを挿入しやすくする為に巾広くしてある。
後身1と前身2と袋体3はメリヤス生地の立て糸が縦方向となり、横糸が横方向
となるように裁断する。
(4)は前身であり、後身股下端と縫合する為、股下布を長くしてある。
【0017】
以上説明した各実施例はいずれもショーツの内側に設けた袋部の袋開口部の弾性上帯が内包され、両側どちらの開口部にも包被する縁布を一連に連続させたものである。
本発明の構成より、袋体3は外から見えないので特に女性の場合、外観的に見ばえが良くスマートになる。又、袋体3の上端は前身2と後身1のそれぞれの上端よりも
下方に位置しているため、袋体3に収納されたパウチが確実に下ばきから外に見えることはない。
【0018】
袋開口部は復元弾性により大きく拡開させても復元弾性により原形に戻ろうとする勢力を保持させようとしたものである。
【符号の説明】
【0019】
1 後身
2 前身
3 袋体
4 袋折返し
5 ベルト
6 後身上端
7 前身上端
8 袋体上端
9 後身側端
10 前身側端
11 袋体側端
12 後身股下端
13 前身股下端
14 袋体・下端
15 後身腿開口端
16 前身腿開口端
17 袋体腿開口端
18 袋体股下縫合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オストメイト用パウチを取り付けた状態で着用するのに適したオストメイト用のメリヤス製下ばきであって、前身とこの前身と同じ形状である袋体が重ね合わされており、
又、前記袋体上端は折り返され且つ前身上端より下方に位置すると共に、前身と袋体の両方の腿開口端が縫合されると共に、
前記前身より巾広で且つ短い股下端を有する後身を、袋体と挟むようにして、順に重ねた前身、袋体、後身のそれぞれの両側端及び股下端を縫合し、
更に前身と後身のそれぞれの両側端の縫合によって形成された上方開放部にベルトを設けたことを特徴とするオストメイト用下ばき。
【請求項2】
前身と袋体と後身それぞれの股下端の縫合により形成された袋体の底を、前記股下端の縫合部よりも上方で縫合したことを特徴とする請求項1記載のオストメイト用下ばき。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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