説明

オゾンによる消臭装置

【課題】 居間、寝室、応接室などの開放された生活空間と、比較的高濃度のオゾンを一定時間照射しても人体に危害を及ぼす蓋然性の低い密封空間のいずれでも消臭可能な服装品や生活用品のオゾンによる消臭装置を提供するものである。
【解決手段】 オゾンによる消臭装置は被消臭物と可搬型オゾン発生手段を収納可能とする密封収納空間を備えた筐体と当該密封収納空間に開閉機構を設けた構造から構成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手袋、靴下、帽子、ネクタイ、ハンカチ、衣類、履物などの服装品や歯ブラシ、入れ歯、カツラ、財布、小物入れ・カバン、タオル、マスク、ネックレス、ペンダント、腕時計、乳幼児用品、サニタリー用品、介護用汚れ袋などの生活用品を対象とするオゾンによる消臭装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
居間などの開放された生活空間のみで使用可能な可搬型オゾン発生手段は商品化され市場に多種多様に供給されてはいるが、その可搬型オゾン発生手段を服装品や生活用品などの被消臭物とを同じ密封空間内に収納して消臭可能とする消臭装置は存在していない。またオゾン発生手段と密閉空間を一体化し分離不能とした高機能なオゾン消臭装置は存在しているが、そのオゾン発生手段を開放された生活空間でも消臭可能とする消臭装置は存在していない。なお、本消臭装置で消臭すべき臭いは主にタバコ臭、カビ臭、加齢臭、糞尿臭及びペット臭などの生活活動に伴い付随的に発生する悪臭である。
【0003】
たとえば特許文献1に開示されているような汚物の殺菌・脱臭装置は被消臭物を密封可能とする密封収納空間と当該被消臭物を出し入れする開閉機構を設けてはいるが、オゾン発生手段と汚物を収納する回収容器とが一体化し分離不能な構造になっている。従ってこの発明に基づく汚物の殺菌・脱臭装置は居間などの開放された生活空間での空気浄化のために単独使用は不可能である。
【0004】
あるいは特許文献2に開示されているカツラなどの脱臭・除菌装置はカツラなどの被消臭物を密封収納空間に出し入れすることを可能とする開閉可能な蓋を設けてはいるが、この発明もオゾン発生手段とカツラなどの被消臭物を収納する収納容器とが一体化し分離不能な構造となっている。従ってこの発明に基づくカツラなどの脱臭・除菌装置も居間などの開放された生活空間での空気浄化のために単独使用することは不可能である。
【0005】
非特許文献1に開示されている直付け電源プラグ式オゾン発生手段は可搬型ではあるが、居間などの開放された生活空間での空気浄化のために使用することを目的としているものである。しかし、比較的高濃度のオゾンが必要な服装品や生活用品の消臭の使用に際しては、オゾンを人体から遮蔽する安全機構がないので直接人体にオゾンが触れる蓋然性が高く常にオゾンの発生状況を監視しながら稼動させなければならず徒過して使用することができない。従って、この非特許文献に開示されている直付け電源プラグ式オゾン発生手段を使用して服装品や生活用品の被消臭物を消臭するのは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】 特開平9−234240号公報
【0007】
【特許文献2】 特開2004−332142号公報
【0008】
【非特許文献1】 製品カタログ PLS−1.pdf(Webサイト) オーニット株式会社
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、居間、寝室、応接室などの開放された生活空間と、比較的高濃度のオゾンを一定時間照射しても人体に危害を及ぼす蓋然性の低い密閉空間のいずれでも兼用して使用可能な服装品や生活用品のオゾンによる消臭装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のオゾンによる消臭装置は、前述課題等を解決するために次の構造から構成している。すなわち本発明のオゾンによる消臭装置は服装品や生活用品などの被消臭物と可搬型オゾン発生手段を収納可能とする密封収納空間を備えた筐体と当該密封収納空間に開閉機構を設けた構造から構成する。
【0011】
ここでいう可搬型オゾン発生手段は、小型サイズは片手で握持可能、大型サイズは両手で握持可能で容易に居間や寝室などに移動搬送可能なサイズでありマイコン制御の有無は問わないが、オゾン発生機構、オゾン放出口、オゾン濃度調整機構、タイマー装置、電源スイッチ、稼動点灯ランプ等の制御機能を具備しており、直付け電源プラグまたは電源コードを介して商用電源コンセントに接続される構成に形成されている。なお、当該可搬型オゾン発生手段は二次電池を搭載することもできる。
【発明の効果】
【0012】
前述の記述内容から明確なように、密閉した空間でオゾンの消臭作用に基づき服装品や生活用品を消臭するので、人がオゾンに直接触れることがないので人体に危険を及ぼさず安全に消臭作業を行うことができる。また、密閉した空間で消臭することができるので、開放された生活空間で被消臭物を消臭する場合に較べ短時間で消臭過多あるいは消臭不足を来たさず効率よく被消臭物の消臭を行うことができる。
【0013】
なお、本発明のオゾンによる消臭装置はオゾン発生手段を一体化し筐体から分離不能としたものではなく当該オゾン発生手段は可搬型であるために、従来のように居間、寝室、応接室などの開放された生活空間においても消臭装置として単独で使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】 本発明の一実施例を示すオゾンによる消臭装置の開閉機構を開いた状態の全体斜視図である。
【図2】 本発明の別の実施例を示すオゾンによる消臭装置の駆動源周りの構成を示す説明図である。
【図3】 本発明の別の実施例を示すオゾンによる消臭装置の駆動源周りの構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0015】
図1に記載の実施例は、被消臭物と可搬型オゾン発生手段4を当該密封収納空間1内に出し入れするために開閉機構2を設けた構造としている。本実施例は当該開閉機構2は単に筐体12と物理的に分離した蓋とで構成しているが、筐体13の当該側壁7上端に回動軸を介して回動自在に軸支することもできる。この実施例に記載の可搬型オゾン発生手段4は放電によるオゾン発生手法を採用しているが、当該オゾン発生手段4にオプション機能として搭載している二次電池をその駆動源としている。その二次電池は、着脱自在な二次電池収納ボックス5内に装着している。なお、オゾンを発生させるには、紫外線式、電気分解式及び放電式などのいずれの方法によるものであってもよい。本発明で実施するオゾン発生手段4はいずれかの方法に限定されるものではないが、電気エネルギーを主要な駆動源とするものである。稼動時には当該収納空間1に服装品や生活用品などの被消臭物を載置することになるが、図1には被消臭物の記載を省略している。
【実施例2】
【0016】
図2に記載の実施例は当該密封収納空間1を備えた筐体12の側壁6にさらに電源プラグ8付きの電源コード10を挿通可能ならしめる程度の挿通孔13を設けた構造としているものである。当該挿通孔13を介在して当該筐体13内の密封収納空間1と外気空間とが連通し、密封収納空間1内のオゾンが外気空間に流出するが実用に際しては人体に危険を及ぼすほどのオゾン濃度にはならず問題はない。当該挿通孔13を設けることにより、二次電池を搭載しておらず商用電源のみで駆動する可搬型オゾン発生手段4であっても商用電源から電力の供給を受け容易に使用に供することが可能となる。この実施例においては当該可搬型オゾン発生手段4には二次電池搭載機能は必須要件ではないので記載していない。本実施例においても図2には服装品や生活用品の被消臭物の記載を省略している。
【0017】
なお、電源コード10を不使用時に収納しておくための電源コード収納ボックスを当該可搬型オゾン発生手段4に外設または内設し、併せて収納した電源コード10が不用意に散乱しない機械的機構を備えた構成を附設することもできる。
【実施例3】
【0018】
図3に記載の実施例は当該密封収納空間1を備えた筐体12の側壁6内面にACコンセント7を、当該筐体12の側壁6から商用電源壁コンセントに接続可能とする電源プラグ8付きの電源コード10と電源コード収納ボックス9を設けた構造としているものである。この電源コード収納ボックス9は、電源コード10の不使用時に収納しておく収納庫であり電源コード10を収納できる容積と収納した電源コード10が不用意に散乱しない機械的機構を備えた構成としている。当該ACコンセント7に当該可搬型オゾン発生手段4の電源プラグ11を接続し当該オゾン発生手段4を密封収納空間1内で駆動させるので、オゾンによる危険性はいたって少ない。この実施例においても当該可搬型オゾン発生手段4には二次電池搭載機能は必須要件ではないので記載していない。本実施例においても図3には服装品や生活用品の被消臭物の記載を省略している。
【0019】
さらに当該密封収納空間内のオゾン濃度を測定するためにオゾンセンサーやオゾン濃度告知手段を当該オゾン発生装置あるいは当該可搬型オゾン発生手段に設置すれば、残留オゾン濃度を確認し安全性を考慮しながら被消臭物の搬出を可能とすることもできる。さらに当該開閉機構にロック機構を設置すれば、幼児等による残留オゾンの高濃度時の不用意な開閉操作を防止することもできる。
【符号の説明】
【0020】
1 密封収納空間
2 開閉機構
3 オゾン放出口
4 可搬型オゾン発生手段
5 二次電池収納ボックス
6 側壁
7 ACコンセント
8 電源プラグ
9 電源コード収納ボックス
10 電源コード
11 電源プラグ
12 筐体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被消臭物と可搬型オゾン発生手段を収納可能とする密封収納空間を備えた筐体と当該密封収納空間に開閉機構を設けたことを特徴とするオゾンによる消臭装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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