説明

オゾン水センサー

【課題】電気伝導度の極小さいオゾン水であっても、オゾン濃度を正確に測定することができる裸電極式のオゾン水センサーを提供する。
【解決手段】オゾン水センサー100は、イオン化傾向が互いに異なる検出電極1及び比較電極2と、検出電極1と比較電極2との間に挟んで設けられ、通水性及び耐オゾン性を有するマイクロメッシュ状あるいは布状の絶縁体3と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オゾン水センサーに関する。
【背景技術】
【0002】
オゾン水は、その殺菌性や脱臭性、さらに細胞に与える活性などの多くの分野における寄与が認められ、さらに水に溶解したオゾンは呼吸器への影響がないことから、産業用を初め医療や介護などの分野で広く利用されている。しかしながら、オゾン水の濃度は短時間で減衰することから、使用する現場においての濃度の指示と確認が強く要求されている。
従来、オゾン水の濃度検量法としては、ヨウ化カリウム等の検定薬の色変化を見る滴定法が正規の測定法であったが、薬品や精密なピペットを必要とし、実験室では利用することができるが、一般のオゾン水利用現場では煩雑で実用することができなかった。そのため、オゾン水の紫外線吸収率を調べる紫外線吸収法や、オゾン透過メンブレンを使用したポーラログラフ方式等も利用されている。しかし、紫外線吸収法は極めて高価であり、いずれも一長一短があり、簡単に瞬時にオゾン濃度を知ることは困難とされていた。
【0003】
そこで、簡単にオゾン水濃度を電気信号に変換し、より簡便な電極法が注目されるようになっている。この電極法は、流動しているオゾン水流中に、第一電極と第二電極とを浸し、第一電極を金属銀又は塩化銀によって被覆された金属銀によって構成し、第二電極を、表面にオゾン酸化膜を形成したニッケル・クロム合金によって構成し、第一電極と第二電極との間に発生するオゾン水濃度変化に追従する電圧変化を検知している(例えば、特許文献1参照)。このような電極法のうち、裸電極式は特に構造がシンプルで応答が速いという優れた特徴を持つ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−136501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記電極法の裸電極式では、電極部が直接オゾン水に晒されるため、使用条件によっては他の方式に比べて早く劣化を起こすことがあるという問題がある。例えば、オゾン水が蒸留水や精製水を原料水とする場合は、検出部が直接オゾン水に晒されていても検出部の汚染の心配は無いと考えても良いが、蒸留水や精製水は水の電気伝導度が極めて低く、従来から使用されているコイル型(図4参照)などの裸電極式では検出できる電圧や電流値が小さすぎて有為に測定を行うことができない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、電気伝導度の極小さいオゾン水であっても、オゾン濃度を正確に測定することができる裸電極式のオゾン水センサーを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、イオン化傾向が互いに異なる検出電極及び比較電極と、
前記検出電極と前記比較電極との間に挟んで設けられ、通水性及び耐オゾン性を有するマイクロメッシュ状あるいは布状の絶縁体と、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のオゾン水センサーにおいて、
前記検出電極及び前記比較電極が平面状の金属製マイクロメッシュであり、
前記検出電極と前記比較電極との間に前記絶縁体を挟み、前記検出電極及び前記比較電極間を均一な間隔に保持したことを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載のオゾン水センサーにおいて、
前記検出電極及び前記比較電極は、前記金属製マイクロメッシュを多層に積層した多層構造であることを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項2又は3に記載のオゾン水センサーにおいて、
前記検出電極と前記比較電極との間の間隔が0.3mm以下であることを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、請求項2〜4のいずれか一項に記載のオゾン水センサーにおいて、
前記検出電極を内側に配置し、前記検出電極の外側を覆うように前記比較電極を配置し
たことを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明は、請求項2〜5のいずれか一項に記載のオゾン水センサーにおいて、
前記検出電極が金又は金メッキ、もしくは白金又は白金メッキであり、
前記比較電極が銀の表面に塩化銀又は酸化銀を被覆したものであることを特徴とする。
【0012】
請求項7の発明は、請求項6に記載のオゾン水センサーにおいて、
前記比較電極を導電性の被膜で被膜保護したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、検出電極及び比較電極と、これら両電極間に挟んで設けられ、通水性及び耐オゾン性を有するマイクロメッシュ状あるいは布状の絶縁体と、を備えるので、絶縁体の厚さを薄くすることによって、両電極間の間隔を簡単に狭くすることができる。そして、両電極の間隔を狭くすることで、オゾン濃度差に対するセンサー出力差を大きく現すことができ、センサー性能の非常に高い、裸電極式のオゾン水センサーとすることができる。したがって、電気伝導度の極小さいオゾン水であっても、オゾン濃度を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(a)は、第1実施形態におけるオゾン水センサーの外観斜視図、(b)は、オゾンセンサーの使用状態を示した側断面図である。
【図2】第2実施形態におけるオゾン水センサーの外観斜視図である。
【図3】図2のオゾン水センサーにおける検出電極及び比較電極の一部を示した外観斜視図である。
【図4】比較例のコイル型オゾン水センサーの外観斜視図である。
【図5】オゾン水濃度に対するセンサー出力の計測結果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図1(a)は、本発明のオゾン水センサーの外観斜視図、図1(b)は、オゾン水センサーの使用状態を示した側断面図である。
オゾン水センサー100は、例えば通水路や水槽内を流動するオゾン水のオゾン濃度を検出するセンサーである。オゾン水センサー100は、検出電極1及び比較電極2としてイオン化傾向が互いに異なる平面状の金属製マイクロメッシュ1a,2aを互いに対向させ、検出電極1と比較電極2との間に通水性及び耐オゾン性を有するマイクロメッシュ状あるいは布状の絶縁体3を挟み、検出電極1及び比較電極2間を狭い均一な間隔に保持したものである。
【0016】
検出電極1は、複数の金属製マイクロメッシュ1aが積層されてなる多層構造をなしている。図1(a)中では、検出電極1はマイクロメッシュ1aを2重積層しているが、十分な出力を得るためにも1cm程度の面積のマイクロメッシュ1aを3〜5重程度、積層することが好ましい。
検出電極1に使用する金属製マイクロメッシュ1aとしては、金又は金メッキ、もしくは白金又は白金メッキからなるものが挙げられる。
検出電極1を構成する金属製マイクロメッシュ1aの1枚の厚さは、0.1mm〜0.2mmが好ましく、検出電極1全体としての厚さは、0.3mm〜1mmが好ましい。
【0017】
比較電極2は、複数の金属製マイクロメッシュ2aが積層されてなる多層構造をなしている。比較電極2も、図1(a)中では、マイクロメッシュ2aを2重積層しているが、十分な出力を得るためにも1cm程度の面積のマイクロメッシュ2aを3〜5重程度、積層することが好ましい。
比較電極2に使用する金属製マイクロメッシュ2aとしては、銀マイクロメッシュに塩化銀又は酸化銀の被膜を形成したものが挙げられる。
比較電極2を構成する金属製マイクロメッシュ2aの1枚の厚さは、0.2mm〜0.5mmが好ましく、比較電極2全体としての厚さは、1mm〜2mmが好ましい。
また、比較電極2の表面は、導電性の被膜(図示しない)で被膜保護されている。導電性の被膜は、例えば、ナフイオン膜(陽イオン交換膜)の液体を比較電極2の表面に塗布して乾燥したものである。
【0018】
これら検出電極1及び比較電極2は、内側に板状に形成された検出電極1が配置され、検出電極1の外面(互いに対向する両側面及び上面)を覆うようにして比較電極2が折り畳んで設けられている。つまり、折り畳まれた比較電極2の内部に検出電極1が配置されている。
【0019】
検出電極1と比較電極2との間には、マイクロメッシュ状あるいは布状(クロス状)の絶縁材3が挟み込まれている。つまり、比較電極2の内面に接するとともに検出電極1の外面に接して絶縁材3が折り畳まれた状態で挟み込まれている。
絶縁材3としては、例えば、テフロン、PFA、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン等を使用することができる。特に、耐オゾン性の点でテフロン、PFAが好ましい。
絶縁材3の厚さは、0.05〜1mmが好ましく、より好ましくは0.3mm以下である。なお、絶縁材の厚さの下限は、市販のもので50μm程度である。絶縁材3の上限を1mmとしたのは、1mmを超えると、出力される絶対値が低いばかりでなく、異なった濃度のオゾン水に対しても一定の出力しか得られないためである。
【0020】
検出電極1は、その下端部の一部が下方に延出しており、この延出部1bにリード線4が接続され、リード線4は電流計(図示しない)の正極に結線されている。
比較電極2は、その下端部の一部が下方に延出しており、この延出部2bにリード線5が接続され、リード線5は電流計の負極に結線されている。なお、電流計としては、マイクロ・アンペア電流計を使用することができる。
また、検出電極1の延出部1b及び比較電極2の延出部2bは、基台6内に埋設されるとともに基台6の下面を貫通している。つまり、基台6の上面から検出電極1、比較電極2及び絶縁体3が突出するような構成となっている。
また、基台6の外周面の一部には、当該外周面に沿ってシール部材7が設けられている。シール部材7としては、例えば、Oリング、ゴムパッキン、リップシール、シーラント等が挙げられる。シール部材7は、例えば、図1(b)に示すように、オゾン水の通路となる通水路を形成する壁面200に貫通穴201を形成し、貫通穴201に基台6を嵌めこむことによってオゾン水センサー100を取り付けた場合に、貫通穴201と基台6との間の水密性を確保するためのものである。
【0021】
以上の構成からなるオゾン水センサー100を、例えば通水路内を流れるオゾン水や、水槽内のオゾン水を流動させながら浸して検出電極1及び比較電極2をオゾン水に接触させる。これによって起電力が発生し、オゾン水のオゾン濃度に比例した強さの安定した電気信号を得て、オゾン水の濃度を測定する。
【0022】
以上、本発明の実施形態によれば、検出電極1及び比較電極2と、これら両電極間に挟んで設けられ、通水性及び耐オゾン性を有するマイクロメッシュ状あるいは布状の絶縁体3と、を備えるので、絶縁体3の厚さを薄くすることによって、両電極間の間隔を簡単に狭くすることができる。そして、両電極の間隔を狭くすることで、オゾン濃度差に対するセンサー出力差を大きく現すことができ、センサー性能の非常に高い、裸電極式のオゾン水センサー100とすることができる。したがって、電気伝導度の極小さいオゾン水であっても、オゾン濃度を正確に測定することができる。
また、検出電極1及び比較電極2が平面状の金属製マイクロメッシュ1a,2aであり、両電極間に絶縁体3を挟み、両電極間を均一な間隔に保持したので、構造が単純で、両電極間に絶縁体を挟むだけで容易に製造することができる。また、特に、後述する第2実施形態のオゾン水センサー100Aに比べて構造が単純となるため、コンパクト化でき、製造が容易である。
また、検出電極1及び比較電極2は、金属製マイクロメッシュ1a,2aを積層した多層構造であるので、検出電極1及び比較電極2の表面積が増し、センサー出力を大幅に上げることができる。さらに、検出電極と比較電極との間の間隔が0.3mm以下の狭間隔とすることによって、オゾン水濃度差に対するセンサー出力差を大きく変えることができ、センサー性能をより向上させることができる。
また、検出電極1を内側に配置し、検出電極1の外側を覆うように比較電極2を配置したので、この点においても構造が単純で製造が容易となる。
また、比較電極2の表面は、導電性の被膜で被膜保護されているので、比較電極に被覆された塩化銀や酸化銀といった強度の低い材料を導電性の被膜により保護することができる。これによって極端にセンサー出力が落ちることもなく、裸電極式のオゾン水センサー100として使用することができる。
【0023】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のオゾン水センサーについて説明する。
図2は、オゾン水センサーの外観斜視図、図3は、図2のオゾン水センサーにおける検出電極及び比較電極の一部を示した外観斜視図である。
第2実施形態のオゾン水センサー100Aは、第1実施形態のオゾン水センサー100とは異なり、図3に示すように、連続した線状の検出電極1A及び比較電極2Aを1本にまとめた電極部10Aを使用しており、このような電極部10Aを図2に示すようにタワシ状に加工している。
詳細には、検出電極1Aは、金線又は白金線であり、比較電極2Aは、銀線に塩化銀又は酸化銀を被覆したものである。
検出電極1Aの金線又は白金線の線径は、0.05mm〜0.5mmが好ましく、比較電極2Aの銀線の線径は、0.1mm〜1mmが好ましい。
【0024】
検出電極1Aと比較電極2Aとの間には、通水性及び耐オゾン性のあるマイクロメッシュ状あるいは布状(クロル状)の絶縁材3Aが挟み込まれている。つまり、検出電極1Aの外周に絶縁材3Aが被覆されており、この絶縁材3Aに接するように比較電極2Aが検出電極1Aに平行となるように配置されている。
また、比較電極2A及び絶縁材3Aの外周には、さらに通水性及び耐オゾン性のあるマイクロメッシュ状あるいは布状の絶縁材8Aが被覆されて、検出電極1Aと比較電極2Aが1本にまとめられている。
絶縁材3A,8Aとしては、上記第1実施形態の絶縁材3と同様のものを使用することができる。
【0025】
このようにして、図3に示すように1本にまとめられた検出電極1A及び比較電極2Aからなる電極部10Aは、図2に示すように、両端部を除いた部分がタワシ状に加工されている。なお、図2では、電極部10Aが複数本あるように見えるが、実際には電極部10Aは連続した1本の連続体であり、両端部を除いた部分が様々な方向に曲げられてタワシ状に加工されている。このとき、絶縁材3A,8Aによって絶縁が保たれているので、タワシ状に加工しても問題が生じないようになっている。
そして、電極部10Aの一端部における検出電極1Aの先端に、電流計の正極が結線されるリード線4Aが接続され、電極部10Bの他端部における比較電極1Bの先端に、電流系の負極が結線されるリード線5Aが接続されている。なお、図示しないが、このオゾン水センサー100Aにおいても、第1実施形態と同様に検出電極及び比較電極からなる電極部10Aが基台(図示しない)に取り付けられることが好ましい。
【0026】
以上、本発明の実施形態によれば、電極部10Aの一部をタワシ状に加工しているので、検出電極1A及び比較電極2Aの表面積をより増やすことができ、また、検出電極1Aと比較電極2Aとの間をより近接することができる。その結果、オゾン濃度に対するセンサー出力差を大きく現すことができ、センサー性能の向上を図ることができる。
【0027】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記第2実施形態では、タワシ状に加工するとしたが、絶縁が保たれているので、タワシ状以外にもコイル状、綿のように鞠状等、適宜形状を変更して加工しても良い。
また、上記第2実施形態では、1本にまとめられた検出電極1A及び比較電極2Aからなる電極部10Aが一本の連続体であるとしたが、電極部10Aが1本の連続体でなくとも、検出電極1A及び比較電極2Aを一本にまとめた電極部10Aを複数本パラレルに繋げて、これをタワシ状等に加工しても構わない。
【実施例】
【0028】
次に、本発明のマイクロメッシュ型オゾン水センサーによる効果について実施例を挙げて説明する。
[実施例1]
図1(a)に示すオゾン水センサー100を以下に示す通りにして製造した。
検出電極として、白金メッキマイクログレイチングを使用した。この白金マイクログレイチングは、厚さ0.1mmのチタンの箔を、菱形格子状(1mm×0.66mm)にグレイチング加工したもので、さらに表面に2μmの白金メッキを施したものである。全体としての厚さも0.1mmである。このようなマイクログレイチングを4枚重ねて検出電極とした。
比較電極として、塩化銀マイクログレイチングを使用した。この塩化銀マイクログレイチングは、厚さ0.3mmの銀の薄板を、菱形格子状(3mm×2mm)にグレイチング加工したもので、さらに表面に塩化銀メッキを10〜20μm施した。このようなマイクログレイチングを3枚重ねて逆U字型に折り畳んだものを比較電極とした。
絶縁材としては、厚さ0.1mmのポリエステルクロスを使用した。そして、検出電極の両面を覆うように絶縁材を折り重ね、さらに、絶縁材の両面を覆うように比較電極を3重に折り重ねて、これをオゾン水センサーとした。
【0029】
[実施例2]
図1(a)に示すオゾン水センサー100を以下に示す通りにして製造した。
上記実施例1において、絶縁材として、厚さ0.5mmのABS製マイクロメッシュを使用し、これ以外は同様にしてオゾン水センサーを製造した。
【0030】
[比較例]
図4に示すコイル型オゾン水センサー100Bを以下に示す通りにして製造した。このコイル型オゾン水センサー100Bでは、検出電極1Bの外側で検出電極1Bに接触しないようにコイル状に比較電極2Bが設けられている。その他の構成は、図1(a)のオゾン水センサー100と同様の構成であるので、図4中、同様の数字に英字Bを付した。
検出電極として、線径0.6mmの無垢の金線を使用した。
比較電極として、線径0.8mmの銀線をコイル状に加工し、さらに表面に塩化銀のメッキを施したものを使用した。そして、検出電極と比較電極との間隔を、1.2mmとしたコイル型オゾン水センサーを製造した。なお、銀線のコイル内径は3mmとした。
【0031】
上記実施例1、2及び比較例のオゾン水センサーをオゾン水が流れる通水路に配置し、1ppm〜5ppmの範囲でオゾン水濃度を変化させて、センサー出力を計測した。また、オゾン水の濃度は10℃、25℃の場合でそれぞれ計測した。その結果を図5に示した。
【0032】
図5に示す結果より、実施例1、2のように検出電極と比較電極との間に絶縁体を挟んだマイクロメッシュ型の場合、比較例のコイル型に比べて、オゾン水の濃度差に対するセンサー出力に差異が現れることが認められる。したがって、センサー性能に優れることがわかる。
特に実施例1のように、検出電極と比較電極との間を狭間隔(0.1mm)にした場合、実施例2のように検出電極と比較電極との間を広間隔(0.5mm)にした場合に比べて、オゾン水の濃度差に対するセンサー出力差(勾配)が大きく現れることが認められる。したがって、検出電極と比較電極との間を0.3mm以下と狭間隔にするほど、センサー性能を向上させることがわかる。
【符号の説明】
【0033】
1、1A 検出電極
1a マイクロメッシュ
2、2A 比較電極
2a マイクロメッシュ
3、3A 絶縁体
100、100A オゾン水センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン化傾向が互いに異なる検出電極及び比較電極と、
前記検出電極と前記比較電極との間に挟んで設けられ、通水性及び耐オゾン性を有するマイクロメッシュ状あるいは布状の絶縁体と、を備えることを特徴とするオゾン水センサー。
【請求項2】
前記検出電極及び前記比較電極が平面状の金属製マイクロメッシュであり、
前記検出電極と前記比較電極との間に前記絶縁体を挟み、前記検出電極及び前記比較電極間を均一な間隔に保持したことを特徴とする請求項1に記載のオゾン水センサー。
【請求項3】
前記検出電極及び前記比較電極は、前記金属製マイクロメッシュを多層に積層した多層構造であることを特徴とする請求項2に記載のオゾン水センサー。
【請求項4】
前記検出電極と前記比較電極との間の間隔が0.3mm以下であることを特徴とする請求項2又は3に記載のオゾン水センサー。
【請求項5】
前記検出電極を内側に配置し、前記検出電極の外側を覆うように前記比較電極を配置したことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のオゾン水センサー。
【請求項6】
前記検出電極が金又は金メッキ、もしくは白金又は白金メッキであり、
前記比較電極が銀の表面に塩化銀又は酸化銀を被覆したものであることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載のオゾン水センサー。
【請求項7】
前記比較電極を導電性の被膜で被膜保護したことを特徴とする請求項6に記載のオゾン水センサー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−127889(P2012−127889A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281246(P2010−281246)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(591145874)水青工業株式会社 (10)