オブジェクト表示システム及びオブジェクト表示方法
【課題】安価に、及び/又は、効率よく、適切な広告や地域情報等をユーザに提示する技術を提供することを目的とする。
【解決手段】オブジェクト配信装置は、位置情報取得装置で取得された移動体の基準点となる位置情報に基づき、移動体の複数の窓の各々の位置情報を特定し、特定した位置情報に基づいて、記憶装置から位置情報に対応するオブジェクトを取得し、取得したオブジェクトを対応する各窓に設定されているオブジェクト表示装置に配信し、各窓に設置されているオブジェクト表示装置は、配信されたオブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示することによって課題を解決する。
【解決手段】オブジェクト配信装置は、位置情報取得装置で取得された移動体の基準点となる位置情報に基づき、移動体の複数の窓の各々の位置情報を特定し、特定した位置情報に基づいて、記憶装置から位置情報に対応するオブジェクトを取得し、取得したオブジェクトを対応する各窓に設定されているオブジェクト表示装置に配信し、各窓に設置されているオブジェクト表示装置は、配信されたオブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示することによって課題を解決する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オブジェクト表示システム及びオブジェクト表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
広告媒体の一形態として、公共交通機関の沿線上に看板を掲示することが従来から行われてきた。例えば、列車の窓から見える場所に看板を設置しておくことによって看板が多くの需要者の目に止まることになり、効果的な宣伝や観光地域の紹介を行うことができる。
しかしながらこのような看板式の広告は、以下のような問題がある。
・看板として固定的に掲示するため、頻繁に内容を変更することが困難であり、仮に頻繁に変更するとなると維持コストが高くなる。電光板式等、内容変更できるものもあるが、特に数が多くなるとコストの影響は看板よりも大きい。
・同じタイミングでは誰にでも同じ広告しか見せることができない。
・看板を夜間にも表示したい場合、照明費等も発生し、コストを上げることになる。また積雪地では雪に埋もれてしまうと昼間でも見えない。これは固定式の看板・電光板何れも避けられない問題である。
そこで、先行文献1のように、例えばユーザ個々の行動分析を行い、そのユーザがよく乗降に利用する駅に関する広告を、ユーザの携帯電話に表示するような仕組みも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4205501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、このような先行文献1のような仕組みの場合、乗降駅付近の広告が提供されるだけであり、例えば通過する駅に関する広告や、沿線に関係のない広告は表示されないことになり、広告効果の向上が見込めない。特に観光等で初めて訪れる地域の広告が表示されないことになってしまい、広告主だけでなく、ユーザ側としても情報を入手できるチャンスを失うことになる。
【0005】
一方、広告主のなかには、広告費が高くなったとしても、広告効果を発揮する表示を望む場合もあるが、上記のとおり従来の固定看板は広告を見てもらいたい対象者を限定して提供することはできないという問題があった。つまり、従来の看板広告は同じ場所には物理的に一つしか設置できないという課題だけでなく、電光掲示板のように表示内容を変化させることができても、電力を無駄に消費したり、天候等の自然環境の影響を受けて表示できなかったりという技術的に解決すべき課題があった。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、安価に、及び/又は、効率よく、適切な広告や地域情報等をユーザに提示する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明は、移動体の基準点となる位置情報を取得する位置情報取得装置と、前記移動体の複数の窓の各々に設置されている複数のオブジェクト表示装置に表示させるオブジェクトと前記オブジェクトの表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置と、前記オブジェクト記憶装置に記憶されているオブジェクトを前記複数のオブジェクト表示装置に配信するオブジェクト配信装置と、前記複数のオブジェクト表示装置と、がネットワークを介して接続されたオブジェクト表示システムであって、前記オブジェクト配信装置は、前記位置情報取得装置で取得された移動体の基準点となる位置情報に基づき、前記移動体の複数の窓の各々の位置情報を特定し、特定した位置情報に基づいて、各窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを前記記憶装置から取得し、取得したオブジェクトを対応する各窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信し、各窓に設置されているオブジェクト表示装置は、配信されたオブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示する。
このオブジェクト表示システムは、例えば、後述する実施形態1のオブジェクト表示システム等に対応する。
【0008】
また、本発明は、移動体の基準点となる位置情報を取得する位置情報取得装置と、前記移動体の複数の窓の各々に設置されている複数のオブジェクト表示装置に表示させるオブジェクトと前記オブジェクトの表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置と、前記オブジェクト記憶装置に記憶されているオブジェクトを前記複数のオブジェクト表示装置に配信するオブジェクト配信装置と、前記複数のオブジェクト表示装置と、がネットワークを介して接続されたオブジェクト表示システムであって、前記オブジェクト配信装置は、前記位置情報取得装置で取得された移動体の基準点となる位置情報に基づき、前記移動体の複数の窓のうち前記移動体の進行方向に対して最初の窓の位置情報を特定し、特定した位置情報に基づいて、前記窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを前記記憶装置から取得し、取得したオブジェクトを前記窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信すると共に、移動体の速度情報に応じて、前記最初の窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信したオブジェクトを前記窓から進行方向に対して後ろの窓に設置されているオブジェクト表示装置に順次、配信し、各窓に設置されているオブジェクト表示装置は、配信されたオブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示する。
このオブジェクト表示システムは、例えば、後述する実施形態6のオブジェクト表示システム等に対応する。
【0009】
また、本発明は、移動体の基準点となる位置情報を取得する位置情報取得装置と、オブジェクトと前記オブジェクトを前記移動体の複数の窓の各々に表示させるための表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置と、前記窓に前記オブジェクトを投影させ、表示させるための、各窓に対応する複数の投影装置と、前記オブジェクト記憶装置に記憶されているオブジェクトを前記複数の投影装置に配信するオブジェクト配信装置と、がネットワークを介して接続されたオブジェクト表示システムであって、前記オブジェクト配信装置は、前記位置情報取得装置で取得された移動体の基準点となる位置情報に基づき、前記移動体の複数の窓の各々の位置情報を特定し、特定した位置情報に基づいて、各窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを前記記憶装置から取得し、取得したオブジェクトを対応する窓にオブジェクトを投影する投影装置に配信し、前記複数の投影装置は、配信されたオブジェクトを対応する窓に投影することで前記オブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示させる。
このオブジェクト表示システムは、例えば、後述する実施形態7のオブジェクト表示システム等に対応する。
【0010】
また、本発明は、移動体の基準点となる位置情報を取得する位置情報取得装置と、オブジェクトと前記オブジェクトを前記移動体の複数の窓の各々に表示させるための表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置と、前記窓に前記オブジェクトを投影させ、表示させるための、各窓に対応する複数の投影装置と、前記オブジェクト記憶装置に記憶されているオブジェクトを前記複数の投影装置に配信するオブジェクト配信装置と、がネットワークを介して接続されたオブジェクト表示システムであって、前記オブジェクト配信装置は、前記位置情報取得装置で取得された移動体の基準点となる位置情報に基づき、前記移動体の複数の窓のうち前記移動体の進行方向に対して最初の窓の位置情報を特定し、特定した位置情報に基づいて、前記窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを前記記憶装置から取得し、取得したオブジェクトを前記窓にオブジェクトを投影する投影装置に配信すると共に、移動体の速度情報に応じて、前記最初の窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信したオブジェクトを前記窓から進行方向に対して後ろの窓にオブジェクトを投影する投影装置に順次、配信し、前記複数の投影装置は、配信されたオブジェクトを対応する窓に投影することで前記オブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示させる。
このオブジェクト表示システムは、例えば、後述する実施形態8のオブジェクト表示システム等に対応する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、安価に、及び/又は、効率よく、適切な広告や地域情報等をユーザに提示する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、実施形態1のオブジェクト表示システムのシステム構成の一例を示す図である。
【図2】図2は、オブジェクト配信装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】図3は、オブジェクト表示装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】図4は、オブジェクト配信装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【図5】図5は、オブジェクト表示装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【図6】図6は、実施形態1のオブジェクト表示システムにおける処理の一例を示すシーケンス図である。
【図7】図7は、実施形態1におけるオブジェクトの表示の一例を示す図である。
【図8A】図8Aは、実施形態3におけるオブジェクトの表示の一例を示す図(その1)である。
【図8B】図8Bは、実施形態3におけるオブジェクトの表示の一例を示す図(その2)である。
【図9】図9は、実施形態4におけるオブジェクトの表示の一例を示す図である。
【図10】図10は、実施形態5におけるオブジェクトの表示の一例を示す図である。
【図11】図11は、実施形態6のオブジェクト表示システムのシステム構成の一例を示す図である。
【図12】図12は、実施形態6のオブジェクト表示システムにおける処理の一例を示すシーケンス図である。
【図13】図13は、実施形態7のオブジェクト表示システムのシステム構成の一例を示す図である。
【図14】図14は、オブジェクト投影装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図15】図15は、実施形態7のオブジェクト表示システムにおける処理の一例を示すシーケンス図である。
【図16】図16は、実施形態8のオブジェクト表示システムのシステム構成の一例を示す図である。
【図17】図17は、実施形態8のオブジェクト表示システムにおける処理の一例を示すシーケンス図である。
【図18】図18は、実施形態9のオブジェクト表示システムのシステム構成の一例を示す図である。
【図19】図19は、オブジェクト情報管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図20】図20は、オブジェクト情報管理装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【図21】図21は、オブジェクト管理情報の一例を示す図である。
【図22】図22は、実施形態9のオブジェクト表示システムにおける処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0014】
<実施形態1>
以下、実施形態1について説明する。
図1は、実施形態1のオブジェクト表示システムのシステム構成の一例を示す図である。図1に示されるように、実施形態1のオブジェクト表示システムは、移動体の一例である列車の位置情報を取得する位置情報取得装置2と、前記列車の複数の窓の各々に設置されている複数のオブジェクト表示装置31〜312に表示させるオブジェクトと前記オブジェクトの表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置4と、オブジェクト記憶装置4に記憶されているオブジェクトを前記複数のオブジェクト表示装置31〜312に配信するオブジェクト配信装置1と、前記複数のオブジェクト表示装置31〜312と、がネットワークを介して接続されている。
ここで、前記オブジェクトとは、例えば、広告や地域情報であり、オブジェクト記憶装置4には、オブジェクト表示装置31〜312に表示させるオブジェクトについて、オブジェクトの表示内容、オブジェクトの表示すべき位置情報(経度、緯度)等が関連付けて記憶されている。
位置情報取得装置2は、例えば、GPS受信機等であって、GPS衛星と通信を行い、列車の基準点となる位置情報(経度、緯度)を常時(又は一定間隔(例えば、0.1秒間隔)で)取得する。
オブジェクト配信装置1は、位置情報取得装置2で取得された列車の基準点の位置情報に基づき、前記列車の複数の窓の各々の位置情報を特定する。より具体的に説明すると、オブジェクト配信装置1は、予め定められている列車の基準点と各窓との相対的な位置関係の情報と、位置情報取得装置2で取得された列車の基準点の位置情報と、から複数の窓の各々の位置情報(経度、緯度)を特定する。
オブジェクト配信装置1は、前記特定した位置情報に基づいて、各窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトをオブジェクト記憶装置4から取得し、取得したオブジェクトを対応する各窓に設置されているオブジェクト表示装置31〜312に配信する。オブジェクト表示装置3は、オブジェクトが配信されると、配信されたオブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示する。オブジェクト配信装置1は、この重畳表示を、所謂拡張現実技術を用いて行うことができる。
なお、厳密には、列車は直進だけでなくカーブしながら走行するため、位置情報取得装置2で取得された列車の基準点の位置情報と、路線の経度・緯度情報とを用いて各窓の視野(向き)を特定する事になるが、説明を簡略するため以降も、列車の基準点の位置情報に基づき、前記列車の複数の窓の各々の位置情報を特定すると記載する。
【0015】
図2は、オブジェクト配信装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示されるように、オブジェクト配信装置1は、ハードウェア構成として、制御装置11と、記憶装置12と、通信装置13と、がバス14を介して接続された構成を有する。制御装置11は、CPU等であって、記憶装置12等に記憶されているプログラムに基づき処理を実行することによってオブジェクト配信装置1の機能を実現する。記憶装置12は、RAM、ROM、HDD等の記憶装置であって、プログラムを記憶したり、制御装置11がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶したりする。通信装置13は、オブジェクト配信装置1と位置情報取得装置2及びオブジェクト記憶装置4及びオブジェクト表示装置31〜312との通信の制御を司る装置である。
【0016】
図3は、オブジェクト表示装置3のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示されるように、オブジェクト表示装置3は、ハードウェア構成として、制御装置21と、記憶装置22と、通信装置23と、表示装置24と、がバス25を介して接続された構成を有する。制御装置21は、CPU等であって、記憶装置22等に記憶されているプログラムに基づき処理を実行するっことによってオブジェクト表示装置3の機能を実現する。記憶装置22は、RAM、ROM、HDD等の記憶装置であって、プログラムを記憶したり、制御装置21がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶したりする。通信装置23は、オブジェクト表示装置3とオブジェクト配信装置1との通信の制御を司る装置である。表示装置24は、列車の窓等に貼り付けられた透過型の液晶フィルム等であって、制御装置21の制御の基、オブジェクトを表示する。
【0017】
図4は、オブジェクト配信装置1のソフトウェア構成の一例を示す図である。
図4に示されるように、オブジェクト配信装置1は、ソフトウェア構成(機能構成)として、配信制御部100を含む。配信制御部100は、位置情報取得装置2で取得された列車の基準点の位置情報に基づき、列車の複数の窓の各々の位置情報を特定する。そして、配信制御部100は、特定した位置情報に基づいて、各窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトをオブジェクト記憶装置4から取得する。配信制御部100は、取得したオブジェクトを対応する各窓に設置されているオブジェクト表示装置31〜312に配信する。
図5は、オブジェクト表示装置3のソフトウェア構成の一例を示す図である。
図5に示されるように、オブジェクト表示装置3は、ソフトウェア構成(機能構成)として、表示制御部200を含む。表示制御部200は、オブジェクト配信装置1より配信されたオブジェクトを表示装置24に表示させることで、窓の外の風景と重畳させる。
【0018】
図6は、実施形態1のオブジェクト表示システムにおける処理の一例を示すシーケンス図である。
シーケンスSQ1において、位置情報取得装置2は、GPS衛星と通信を行い、列車の基準点となる位置情報(経度、緯度)を取得する。
シーケンスSQ2において、位置情報取得装置2は、取得した位置情報を、オブジェクト配信装置1に送信する。
シーケンスSQ3において、オブジェクト配信装置1は、位置情報取得装置2で取得された列車の基準点の位置情報に基づき、前記列車の複数の窓の各々の位置情報を特定する。オブジェクト配信装置1は、特定した位置情報に基づいて、各窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトをオブジェクト記憶装置4から取得する。つまり、オブジェクト配信装置1は、窓ごとの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを取得する。
シーケンスSQ4において、オブジェクト配信装置1は、取得した窓ごとのオブジェクトを、各窓に設置されているオブジェクト表示装置31〜312に配信する。
シーケンスSQ5において、オブジェクトの配信を受けたオブジェクト表示装置31は、前記オブジェクトを表示装置24に表示させる。同様に、シーケンスSQ6において、オブジェクトの配信を受けたオブジェクト表示装置32は、前記オブジェクトを表示装置24に表示させる。
【0019】
図7は、実施形態1におけるオブジェクトの表示の一例を示す図である。
図7の241は、オブジェクト表示装置31の表示装置241(窓に貼り付けられた透過型の液晶フィルム)であって、窓の外の山の風景に重畳して「次郎山」という地域情報をそれぞれ表示している。
図7の242は、オブジェクト表示装置32の表示装置242(窓に貼り付けられた透過型の液晶フィルム)であって、窓の外の山の風景に重畳して「太郎山」という地域情報を、窓の外の池の風景に重畳して「花子池」という地域情報を表示している。
なお、オブジェクト配信装置1は、位置情報取得装置2で取得された列車の基準点となる位置情報に基づき、前記列車の複数の窓の各々の位置情報を特定する。そして、オブジェクト配信装置1は、特定した位置情報に基づいて、各窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトと、前記オブジェクトに関連付けられて記憶されている表示位置情報と、をオブジェクト記憶装置4から取得する。オブジェクト配信装置1は、特定した窓の位置情報と、前記窓の視野と、前記取得したオブジェクトの表示位置情報と、から前記オブジェクトの前記視野における表示位置を決定する。そして、オブジェクト配信装置1は、オブジェクト記憶装置4から取得したオブジェクトと、前記表示位置と、を対応する窓に設置されているオブジェクト表示装置31〜312に配信する。オブジェクト表示装置31〜312は、配信されたオブジェクトを配信された表示位置に表示することで窓の外の風景と重畳させる。このようにすることによって、図7に示されるように、例えば、窓の外の太郎山の風景に重畳して「太郎山」という地域情報を表示させることができる。
また、オブジェクト配信装置1は、オブジェクトの表示位置を決定した際に、窓の位置に対する前記表示位置に応じて、オブジェクトの形を、遠近法、又は短縮法等を用い逐次変形させ、オブジェクト表示装置3に配信するようにしもよい。
【0020】
以上、本実施形態によれば、広告や地域情報を窓に表示するので、天候や時間帯の暗さ等、影響を受けずに表示することができる。また、本実施形態によれば、オブジェクト記憶装置4に記憶されているオブジェクトを書き換えることによって、頻繁に広告や地域情報の内容を変更することができる。また、本実施形態によれば、例えば、田んぼの真ん中にトラクターを並べたり、海上に船を浮かべたりと、実際には看板を立てることができないような場所にも広告等を表示させることができる。
【0021】
<実施形態2>
以下、実施形態2について説明する。なお、実施形態2では、実施形態1とは異なる点を説明する。
本実施形態のオブジェクト表示装置3は、表示選択機能を有する。より具体的に説明すると、オブジェクト表示装置3は、表示装置24に表示の要否や、年齢、目的(ビジネス/観光)、趣味等を選択させる画面を表示させ、乗客による選択の結果をオブジェクト配信装置1に送信する。オブジェクト配信装置1は、各窓に対応するオブジェクト表示装置3から送信された選択の結果を窓ごと(窓に対応するオブジェクト表示装置3ごと)に保持する。
一方、本実施形態のオブジェクト記憶装置4は、オブジェクトとオブジェクトの表示位置情報と、前記オブジェクトを表示させる対象の年齢、目的(ビジネス/観光)、趣味等と、を関連付けて記憶する。
オブジェクト配信装置1は、位置情報取得装置2から列車の基準点となる位置情報を受け取ると、前記列車の複数の窓の各々の位置情報を特定する。そして、オブジェクト配信装置1は、特定した位置情報に基づき、各窓からの視野を特定し、特定した視野と、窓ごとの前記選択の結果と、に基づき、オブジェクト記憶装置4より選択された年齢や目的、趣味等に合致し、前記視野に表示させるオブジェクトを取得する。オブジェクト配信装置1は、取得した窓ごとのオブジェクトを対応する窓に設置されているオブジェクト表示装置31〜312に配信する。
以上、本実施形態によれば、乗客は、表示の要否を選択することができる。また、本実施形態によれば、乗客の属性(又は目的)等に応じたより乗客に適した広告等を窓に表示させることができる。
【0022】
<実施形態3>
以下、実施形態3について説明する。なお、実施形態3では、上述した実施形態とは異なる点を説明する。
図8Aは、実施形態3におけるオブジェクトの表示の一例を示す図(その1)である。
図8Aの242は、図7の242と同様、オブジェクト表示装置32の表示装置242(窓に貼り付けられた透過型の液晶フィルム)であって、窓の外の山の風景に重畳して「太郎山」という地域情報を、窓の外の池の風景に重畳して「花子池」という地域情報をそれぞれ表示している。但し、図8Aの242は、外が明るい時間帯にオブジェクト表示装置32の表示装置242が表示するオブジェクトの一例となっている。
図8Bは、実施形態3におけるオブジェクトの表示の一例を示す図(その2)である。
図8Bの242は、図8Aの242と同様、オブジェクト表示装置32の表示装置242(窓に貼り付けられた透過型の液晶フィルム)である。但し、図8Bの242は、図8Aの242と同じ位置の窓の外の風景であるが、外が暗い時間帯にオブジェクト表示装置32の表示装置242が表示するオブジェクトの一例となっている。
つまり、本実施形態のオブジェクト記憶装置4は、オブジェクトと、前記オブジェクトの表示位置情報と、前記オブジェクトを表示させる時間帯情報と、を関連付けられて記憶するようにしてもよい。そして、本実施形態のオブジェクト配信装置1は、位置情報取得装置2で取得された列車の基準点の位置情報に基づき、前記列車の複数の窓の各々の位置情報を特定する。オブジェクト配信装置1は、特定した位置情報に基づいて、各窓からの視野を特定する。また、オブジェクト配信装置1は、自身が有する、又は列車内の他の装置が有する時計装置より現在の時間を取得し、前記特定した視野に現在の時間に表示させるオブジェクトをオブジェクト記憶装置4から取得する。
以上、本実施形態によれば、図8A及び図8Bに示されるように、時間に応じて、窓に表示するオブジェクトを換えることができる。
【0023】
<実施形態4>
以下、実施形態4について説明する。なお、実施形態4では、上述した実施形態とは異なる点を説明する。
図9は、実施形態4におけるオブジェクトの表示の一例を示す図である。
図9の242は、図8Aの242、図7の242と同様、オブジェクト表示装置32の表示装置242(窓に貼り付けられた透過型の液晶フィルム)であって、窓の外の山の風景に重畳して「太郎山」という地域情報を、窓の外の池の風景に重畳して「花子池」という地域情報をそれぞれ表示している。また、図9に示されるように、表示装置242は、「もうすぐ富士山が見えます」という進行方向の予告情報を表示している。
本実施形態のオブジェクト配信装置1は、列車の複数の窓のうち、一の窓より列車の進行方向に存在する窓に設置されているオブジェクト表示装置3に配信するオブジェクトに基づき、前記一の窓に設置されているオブジェクト表示装置3に対して配信する予告情報を決定する。そして、オブジェクト配信装置1は、決定した予告情報を前記一の窓に設置されているオブジェクト表示装置3に対して配信する。
例えば、オブジェクト配信装置1は、オブジェクト表示装置32が設置されている窓より進行方向に存在する窓に設置されているオブジェクト表示装置31に「富士山」という地域情報を配信する場合、オブジェクト表示装置32に対して配信する予告情報として「もうすぐ富士山がみえます」と決定する。そして、オブジェクト配信装置1は、オブジェクト表示装置32に対してオブジェクトとして「太郎山」や「花子池」を配信すると共に、予告情報として「もうすぐ富士山がみえます」を配信する。
オブジェクト表示装置32は、配信されたオブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示すると共に、配信された予告情報を進行方向の予告情報として前記風景に重畳して図9に示すように表示する。
【0024】
なお、オブジェクト配信装置1は、列車の複数の窓のうち、一の窓より列車の進行方向に存在する予め定められた数個分前の窓に設置されているオブジェクト表示装置3に配信するオブジェクトに基づき、前記一の窓に設置されているオブジェクト表示装置3に対して配信する予告情報を決定してもよい。また、オブジェクト配信装置1は、列車より速度情報を取得し、取得した速度情報に応じて、前記一の窓より進行方向に何個分前の窓に設置されているオブジェクト表示装置3に配信するオブジェクトに基づき、前記一の窓に設置されているオブジェクト表示装置3に対して配信する予告情報を決定するかを決定してもよい。オブジェクト配信装置1は、決定した数個分前の窓に設置されているオブジェクト表示装置3に配信するオブジェクトに基づき、前記一の窓に設置されているオブジェクト表示装置3に対して配信する予告情報を決定する。
以上、本実施形態によれば、進行方向の予告情報も表示させることができる。
【0025】
<実施形態5>
以下、実施形態5について説明する。なお、実施形態5では、上述した実施形態とは異なる点を説明する。
上述した実施形態では、オブジェクトの一例として、広告や地域情報を例に説明を行ったが、オブジェクトの他の例としては、クーポン券や二次元コード等であってもよい。
図10は、実施形態5におけるオブジェクトの表示の一例を示す図である。
図10の242は、図9の242、図8Aの242、図7の242と同様、オブジェクト表示装置32の表示装置242(窓に貼り付けられた透過型の液晶フィルム)であって、窓の外の山の風景に重畳して「太郎山」という地域情報を、窓の外の池の風景に重畳して「花子池ソフトクリーム 50円割引」というクーポン券を、窓の外の山の風景に重畳して「太郎山旅館のホームページにアクセスするための二次元コード」を、それぞれ表示している。
乗客は、表示装置24に表示されたクーポン券を、例えば、携帯電話等で撮影し、画像を保存等し、花子池の近くにあるソフトクリーム屋等で前記画像を店員に見せることで、花子池ソフトクリームを50円割引で買うことができる。また、乗客は、表示装置24に表示された二次元コードを、例えば、携帯電話等で読み取ることによって、二次元コードに記録された情報を読み取ることができる。例えば、二次元コードにURLが含まれていた場合、乗客は、携帯電話等を用いて、前記URLにアクセスすることができる。
【0026】
<実施形態6>
以下、実施形態6について説明する。なお、実施形態6では、上述した実施形態とは異なる点を説明する。
図11は、実施形態6のオブジェクト表示システムのシステム構成の一例を示す図である。図11に示されるように、実施形態6のオブジェクト表示システムは、実施形態1のオブジェクト表示システムに比べて、列車の速度情報を取得する速度情報取得装置5がシステム構成として更に含まれている。
本実施形態のオブジェクト配信装置1は、位置情報取得装置2で取得された列車の基準点の位置情報に基づき、前記列車の複数の窓のうち前記列車の進行方向に対して最初の窓の位置情報を特定する。なお、列車の左右両側面に窓が存在する場合、オブジェクト配信装置1は、それぞれの側面ごとに最初の窓の位置情報を特定し、以下の処理を実行する。オブジェクト配信装置1は、特定した最初の窓の位置情報に基づいて、前記窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトをオブジェクト記憶装置4から取得し、取得したオブジェクトを前記窓に設置されているオブジェクト表示装置31に配信すると共に、速度情報取得装置5で取得された列車の速度情報に応じて、前記最初の窓に設置されているオブジェクト表示装置31に配信したオブジェクトを前記窓から進行方向に対して後ろの窓に設置されているオブジェクト表示装置32、33、34、・・・に順次、配信する。
各窓に設置されたオブジェクト表示装置3は、配信されたオブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示する。
【0027】
図12は、実施形態6のオブジェクト表示システムにおける処理の一例を示すシーケンス図である。
シーケンスSQ11において、位置情報取得装置2は、GPS衛星と通信を行い、列車の基準点となる位置情報(経度、緯度)を取得する。
シーケンスSQ12において、位置情報取得装置2は、取得した位置情報を、オブジェクト配信装置1に送信する。
シーケンスSQ13において、オブジェクト配信装置1は、位置情報取得装置2から受信した列車の基準点の位置情報に基づき、前記列車の複数の窓のうち前記列車の進行方向に対して最初の窓の位置情報を特定する。オブジェクト配信装置1は、特定した位置情報に基づいて、前記最初の窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトをオブジェクト記憶装置4から取得する。
シーケンスSQ14において、オブジェクト配信装置1は、取得した最初の窓のオブジェクトを、前記窓に設置されているオブジェクト表示装置31に配信する。
シーケンスSQ15において、オブジェクトの配信を受けたオブジェクト表示装置31は、前記オブジェクトを表示装置24に表示させる。
一方、シーケンスSQ16において、速度情報取得装置5は、列車の速度情報を、計測し、取得する。
シーケンスSQ17において、速度情報取得装置5は、取得した速度情報を、オブジェクト配信装置1に送信する。
シーケンスSQ18において、オブジェクト配信装置1は、速度情報取得装置5から受信した列車の速度情報に応じて、前記最初の窓のオブジェクト表示装置31に配信したオブジェクトを前記窓から進行方向に対して後ろの窓に設置されているオブジェクト表示装置32・・・に順次、配信する。
シーケンスSQ19において、オブジェクトの配信を受けたオブジェクト表示装置32は、前記オブジェクトを表示装置24に表示させる。
【0028】
以上、本実施形態の処理によれば、オブジェクト配信装置1は、列車の速度に応じて、オブジェクトを順次、進行方向に対して後ろの窓に設置されているオブジェクト表示装置3に配信すればよいので、各窓の位置を特定したり、各窓から見える視野を特定したりする必要がないため、少ない計算量、かつ、少ないメモリ容量で上述したような効果を挙げることができる。
なお、本実施形態では、速度情報取得装置5をシステム構成に含める例を用いて説明を行ったが、速度情報取得装置5は、一般的に列車に搭載されているものでよい。
【0029】
<実施形態7>
以下、実施形態7について説明する。なお、実施形態7では、上述した実施形態とは異なる点を説明する。
図13は、実施形態7のオブジェクト表示システムのシステム構成の一例を示す図である。図13に示されるように、実施形態7のオブジェクト表示システムは、移動体の一例である列車の位置情報を取得する位置情報取得装置2と、オブジェクトと前記オブジェクトを前記列車の複数の窓の各々に表示させるための表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置4と、前記列車の複数の窓にオブジェクトを投影させ、表示させるための、各窓に対応する複数のオブジェクト投影装置61〜612と、オブジェクト記憶装置4に記憶されているオブジェクトを複数のオブジェクト投影装置61〜612に配信するオブジェクト配信装置1と、がネットワークを介して接続されている。
オブジェクト配信装置1は、位置情報取得装置2で取得された列車の基準点の位置情報に基づき、前記列車の複数の窓の各々の位置情報を特定する。より具体的に説明すると、オブジェクト配信装置1は、予め定められている列車の基準点と各窓との相対的な位置関係の情報と、位置情報取得装置2で取得された列車の基準点の位置情報と、から複数の窓の各々の位置情報(経度、緯度)を特定する。
オブジェクト配信装置1は、前記特定した位置情報に基づいて、各窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトをオブジェクト記憶装置4から取得し、取得したオブジェクトを対応する窓にオブジェクトを投影するオブジェクト投影装置6に配信する。
複数の投影装置は61〜612、配信されたオブジェクトを対応する窓に投影することで前記オブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示させる。
【0030】
図14は、オブジェクト投影装置6のハードウェア構成の一例を示す図である。
図14に示されるように、オブジェクト投影装置6は、ハードウェア構成として、制御装置31と、記憶装置32と、通信装置33と、出力装置34と、がバスを介して接続された構成を有する。制御装置31は、CPU等であって、記憶装置32等に記憶されているプログラムに基づき処理を実行することによってオブジェクト投影装置6の機能を実現する。記憶装置32は、RAM、ROM、HDD等の記憶装置であって、プログラムを記憶したり、制御装置31がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶したりする。通信装置33は、オブジェクト投影装置6とオブジェクト配信装置1との通信の制御を司る装置である。
【0031】
図15は、実施形態7のオブジェクト表示システムにおける処理の一例を示すシーケンス図である。
シーケンスSQ21において、位置情報取得装置2は、GPS衛星と通信を行い、列車の基準点となる位置情報(経度、緯度)を取得する。
シーケンスSQ22において、位置情報取得装置2は、取得した位置情報を、オブジェクト配信装置1に送信する。
シーケンスSQ23において、オブジェクト配信装置1は、位置情報取得装置2で取得された列車の基準点の位置情報に基づき、前記列車の複数の窓の各々の位置情報を特定する。オブジェクト配信装置1は、特定した位置情報に基づいて、各窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトをオブジェクト記憶装置4から取得する。つまり、オブジェクト配信装置1は、窓ごとの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを取得する。
シーケンスSQ24において、オブジェクト配信装置1は、取得した窓ごとのオブジェクトを、各窓にオブジェクトを投影するオブジェクト投影装置61〜612に配信する。
シーケンスSQ25において、オブジェクトの配信を受けたオブジェクト投影装置61は、前記オブジェクトを対応する窓に投影することで前記オブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示させる。同様に、シーケンスSQ26において、オブジェクトの配信を受けたオブジェクト投影装置61は、前記オブジェクトを対応する窓に投影することで前記オブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示させる。
【0032】
以上、本実施形態に示したように、オブジェクトを窓(例えば、低反射フィルムを貼り付けた窓等)に投影することによっても、上述した実施形態に示した様な効果を挙げることができる。
なお、本実施形態では、1つの窓に1つのオブジェクト投影装置6を有する構成を用いて説明を行ったが、このことは本実施の形態を制限するものではない。1つのオブジェクト投影装置6が複数の窓にオブジェクトを投影するようにしてもよい。
【0033】
<実施形態8>
以下、実施形態8について説明する。なお、実施形態8では、上述した実施形態とは異なる点を説明する。
図16は、実施形態8のオブジェクト表示システムのシステム構成の一例を示す図である。図16に示されるように、実施形態8のオブジェクト表示システムは、実施形態7のオブジェクト表示システムに比べて、列車の速度情報を取得する速度情報取得装置5がシステム構成として更に含まれている。
本実施形態のオブジェクト配信装置1は、位置情報取得装置2で取得された列車の基準点の位置情報に基づき、前記列車の複数の窓のうち前記列車の進行方向に対して最初の窓の位置情報を特定する。なお、列車の左右両側面に窓が存在する場合、オブジェクト配信装置1は、それぞれの側面ごとに最初の窓の位置情報を特定し、以下の処理を実行する。オブジェクト配信装置1は、特定した最初の窓の位置情報に基づいて、前記窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトをオブジェクト記憶装置4から取得し、取得したオブジェクトを前記窓にオブジェクトを投影するオブジェクト投影装置61に配信すると共に、速度情報取得装置5で取得された列車の速度情報に応じて、前記最初の窓にオブジェクトを投影するオブジェクト投影装置61に配信したオブジェクトを前記窓から進行方向に対して後ろの窓にオブジェクトを投影するオブジェクト投影装置62、63、64、・・・に順次、配信する。
各窓にオブジェクトを投影するオブジェクト投影装置61〜612は、配信されたオブジェクトを対応する窓に投影することで前記オブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示させる。
【0034】
図17は、実施形態8のオブジェクト表示システムにおける処理の一例を示すシーケンス図である。
シーケンスSQ31において、位置情報取得装置2は、GPS衛星と通信を行い、列車の基準点となる位置情報(経度、緯度)を取得する。
シーケンスSQ32において、位置情報取得装置2は、取得した位置情報を、オブジェクト配信装置1に送信する。
シーケンスSQ33において、オブジェクト配信装置1は、位置情報取得装置2から受信した列車の基準点の位置情報に基づき、前記列車の複数の窓のうち前記列車の進行方向に対して最初の窓の位置情報を特定する。オブジェクト配信装置1は、特定した位置情報に基づいて、前記最初の窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトをオブジェクト記憶装置4から取得する。
シーケンスSQ34において、オブジェクト配信装置1は、取得した最初の窓のオブジェクトを、前記窓にオブジェクトを投影するオブジェクト投影装置61に配信する。
シーケンスSQ35において、オブジェクトの配信を受けたオブジェクト投影装置61は、配信されたオブジェクトを対応する窓に投影することで前記オブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示させる。
一方、シーケンスSQ36において、速度情報取得装置5は、列車の速度情報を常時、計測し、取得する。
シーケンスSQ37において、速度情報取得装置5は、取得した速度情報を、常時、オブジェクト配信装置1に送信する。
シーケンスSQ38において、オブジェクト配信装置1は、速度情報取得装置5から受信した列車の速度情報に応じて、前記最初の窓のオブジェクトを投影するオブジェクト投影装置61に配信したオブジェクトを前記窓から進行方向に対して後ろの窓にオブジェクトを投影するオブジェクト投影装置62・・・に順次、配信する。
シーケンスSQ39において、オブジェクトの配信を受けたオブジェクト投影装置62・・・は、配信されたオブジェクトを対応する窓に投影することで前記オブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示させる。
【0035】
以上、本実施形態によれば、実施形態7の方法よりは、少ない計算量、かつ、少ないメモリ容量で上述したような効果を挙げることができる。
なお、本実施形態では、1つの窓に1つのオブジェクト投影装置6を有する構成を用いて説明を行ったが、このことは本実施の形態を制限するものではない。1つのオブジェクト投影装置6が複数の窓にオブジェクトを投影するようにしてもよい。
また、本実施形態では、速度情報取得装置5をシステム構成に含める例を用いて説明を行ったが、速度情報取得装置5は、一般的に列車に搭載されているものでよい。
【0036】
<実施形態9>
以下、実施形態9について説明する。なお、実施形態9では、上述した実施形態とは異なる点を説明する。
図18は、実施形態9のオブジェクト表示システムのシステム構成の一例を示す図である。図18に示されるように、実施形態9のオブジェクト表示システムは、他の実施形態のオブジェクト表示システムに比べて、オブジェクト情報を管理するオブジェクト情報管理装置7がシステム構成として更に含まれている。オブジェクト情報管理装置7は、オブジェクト記憶装置4に記憶させておくべきオブジェクトを、まとめて管理するための装置である。オブジェクト情報管理装置7とオブジェクト配信装置1とは有線又は無線のネットワークを介して通信する。
【0037】
図19は、オブジェクト情報管理装置7のハードウェア構成の一例を示す図である。
図19に示されるように、オブジェクト情報管理装置7は、ハードウェア構成として、制御装置71と、記憶装置72と、通信装置73と、がバス74を介して接続された構成を有する。制御装置71は、CPU等であって、記憶装置72等に記憶されているプログラムに基づき処理を実行することによってオブジェクト情報管理装置7の機能を実現する。記憶装置72は、RAM、ROM、HDD等の記憶装置であって、プログラムを記憶したり、制御装置71がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶したりする。通信装置73は、オブジェクト情報管理装置7とオブジェクト記憶装置4等との通信の制御を司る装置である。
【0038】
図20は、オブジェクト情報管理装置7のソフトウェア構成の一例を示す図である。
図20に示されるように、オブジェクト情報管理装置7は、ソフトウェア構成(機能構成)として、オブジェクト情報管理部700を含む。
次にオブジェクト情報管理部700の機能を説明する。オブジェクト情報管理部700は、オブジェクト毎に表示内容や表示位置等をマスターデータとして管理する。このオブジェクト情報管理部700で管理されている情報が、通信装置73及び通信装置13を介して各列車に配置されたオブジェクト配信装置1に提供される。また、詳細は後述するが、オブジェクト情報管理部700は、各列車に配置されたオブジェクト配信装置1でのオブジェクトの利用状況を通信装置13及び通信装置73を介して受信し、格納する機能を備える。
【0039】
図21は、記憶装置72に記憶されているオブジェクト管理情報の一例を示した図である。オブジェクト情報管理部700は、オブジェクト管理情報として次のような情報を記録・更新する。オブジェクトID701は、表示するオブジェクトを一意に特定するための識別子である。表示内容702は、列車に配置されたオブジェクト表示装置3に表示するオブジェクトの内容であり、文字列情報や画像情報として格納されている。位置情報703は、現実空間の中で、どの位置にオブジェクトを表示するかという情報が例えば緯度・経度として格納されている。表示方式704・表示時間帯705は、どのように・いつ表示するかを定義する情報であり、例えば「時間帯固定」と「5:00−17:00」という組み合わせの場合、この時間帯であれば常に表示内容702に設定されたオブジェクトが表示される。また、「ユーザ選択」と「5:00−15:00」との組み合わせでは、実施形態2で説明したような乗客がオブジェクトを選択出来る場合に、この時間帯に乗客が選択した条件に合致すれば表示される。なお、この場合、図21には図示していないがオブジェクト情報管理部700は、オブジェクト管理情報として更に「対象年齢層」「乗車目的」「趣味」等の属性情報も格納しておく。
広告主706は、広告主が誰であるかという情報であり、表示するオブジェクトが例えば単に山や川等の名称であれば広告主は存在しないため空欄でもよい。広告単価707は、広告主に広告費を請求する際の単価の決め方を定義する情報である。時間あたりの単価やユーザに選択されて実際に表示される回数毎の単価等の情報が広告単価707に設定される。以上のオブジェクト管理情報は、予めデータとして入力されている。広告単価707は、単価情報の一例である。
実績708は、例えば1ヶ月毎のオブジェクト表示実績を記録した情報であり、オブジェクト配信装置1から受信するたびに格納/更新される。そして、請求予定額709は、広告単価707と実績708とから所定の演算で求まる、例えば月毎の請求予定額が格納される。実績708は、実績情報の一例である。請求予定額709は、請求額の一例である。
【0040】
図22は、実施形態9のオブジェクト表示システムにおける処理の内、オブジェクト情報管理装置7と、オブジェクト配信装置1との間の処理についてのみその一例を示すシーケンス図である。オブジェクト配信装置1での処理については上述した実施形態1〜8を適用すればよいため説明を省略する。
シーケンスSQ41において、オブジェクト情報管理装置7は、上記オブジェクト管理情報のうち、予めデータとして入力されているオブジェクトID701、表示内容702、位置情報703、表示方式704、表示時間帯705等の表示条件を判断するための属性情報を、ネットワークを介して各列車のオブジェクト配信装置1へ送信する。
シーケンスSQ42において、各列車のオブジェクト配信装置1は、実施形態1〜8で示した様々な形態でオブジェクトを表示制御する。
シーケンスSQ43において、各列車のオブジェクト配信装置1は、表示したオブジェクト毎にその実績値をネットワークを介してオブジェクト情報管理装置7へ送信する。このシーケンスSQ43を行うタイミングや周期は管理者等が任意に設定することができる。例えば、タイミングや周期は、1日1回でもよいし、駅に停車するたびでもよい。
シーケンスSQ44において、オブジェクト情報管理装置7は、広告単価707と実績708とから所定の演算式を使って請求予定額を算出する。例えば図21のオブジェクトID:002を例に説明すると、毎日17:00から翌1:00までの8時間広告を表示し、広告単価が1時間あたり10,000円であるため、30日間広告を表示すると、請求予定額は、
10,000(円)×8(時間)×30(日)=2,400,000
と算出される。なお、オブジェクト情報管理装置7は、この請求予定額の算出は、実際には各列車での実績値をオブジェクト情報管理装置7で合算して広告主毎に算出する。
【0041】
本実施形態では説明を簡単にするためにオブジェクトID001〜004の表示方式と表示時間帯とが重ならない形式としたが、ユーザ選択型での表示方式の場合、同じ期間帯で同じ表示位置に複数の広告を設定することもできる。
本実施形態によれば、広告毎に広告費を設定することができるようになり、また、その表示実績に応じた広告費を算出することができるため、広告主としては、必要な時間帯だけ広告を表示したり、希望する対象者(乗客)を選択して表示したりすることができ、無駄に広告費を費やすことを避けることができるようになる。
【0042】
上述した各実施形態によれば、安価に、及び/又は、効率よく、適切な広告や地域情報等をユーザに提示する技術を提供することができる。
【0043】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、位置情報取得装置2から受信した列車の基準点の位置情報に基づき、前記列車の複数の窓の位置を割り出したが、位置情報取得装置2を列車の各車両に設け、各車両の基準点を基に複数の窓の位置を割り出してもよいし、各窓近傍に位置情報取得装置2を設けて窓ごとに位置が特定されるようにしてもよい。
更に、上述した実施形態以外に、例えば列車の先頭車両に備えたカメラで撮影したリアルタイムの画像に対して、オブジェクトを重畳表示してもよい。この場合、位置情報取得装置2から受信した列車の基準点の位置情報に基づき当該カメラ画像の視野に表示すべきオブジェクトをオブジェクト記憶装置4から取得し、各車両もしくは各座席に備えられた液晶ディスプレイ等に表示することもできる。その際、表示する内容は、上述した実施形態と同様に時間帯で変化させたり、乗客によって選択したりすることができる等、同様の実施形態を採用することができる。
なお、上述した実施形態では、列車を例に説明したが、窓を備えた移動体であれば同様に適用することができる。
なお、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよい。
なお、上述したように、オブジェクトとは、例えば、広告と、地域情報と、クーポン券と、二次元コードと、の何れか又は全て又はこれらのうち、任意のものを組み合わせたものである。また、上述した実施形態では、表示するオブジェクトとして文字列の広告や地域情報で説明をしたが、オブジェクトは文字列に限らず、図形や写真等の画像情報でもよく、画像情報は静止画でも動画でもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 オブジェクト配信装置
3 オブジェクト表示装置
6 オブジェクト投影装置
7 オブジェクト情報管理装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、オブジェクト表示システム及びオブジェクト表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
広告媒体の一形態として、公共交通機関の沿線上に看板を掲示することが従来から行われてきた。例えば、列車の窓から見える場所に看板を設置しておくことによって看板が多くの需要者の目に止まることになり、効果的な宣伝や観光地域の紹介を行うことができる。
しかしながらこのような看板式の広告は、以下のような問題がある。
・看板として固定的に掲示するため、頻繁に内容を変更することが困難であり、仮に頻繁に変更するとなると維持コストが高くなる。電光板式等、内容変更できるものもあるが、特に数が多くなるとコストの影響は看板よりも大きい。
・同じタイミングでは誰にでも同じ広告しか見せることができない。
・看板を夜間にも表示したい場合、照明費等も発生し、コストを上げることになる。また積雪地では雪に埋もれてしまうと昼間でも見えない。これは固定式の看板・電光板何れも避けられない問題である。
そこで、先行文献1のように、例えばユーザ個々の行動分析を行い、そのユーザがよく乗降に利用する駅に関する広告を、ユーザの携帯電話に表示するような仕組みも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4205501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、このような先行文献1のような仕組みの場合、乗降駅付近の広告が提供されるだけであり、例えば通過する駅に関する広告や、沿線に関係のない広告は表示されないことになり、広告効果の向上が見込めない。特に観光等で初めて訪れる地域の広告が表示されないことになってしまい、広告主だけでなく、ユーザ側としても情報を入手できるチャンスを失うことになる。
【0005】
一方、広告主のなかには、広告費が高くなったとしても、広告効果を発揮する表示を望む場合もあるが、上記のとおり従来の固定看板は広告を見てもらいたい対象者を限定して提供することはできないという問題があった。つまり、従来の看板広告は同じ場所には物理的に一つしか設置できないという課題だけでなく、電光掲示板のように表示内容を変化させることができても、電力を無駄に消費したり、天候等の自然環境の影響を受けて表示できなかったりという技術的に解決すべき課題があった。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、安価に、及び/又は、効率よく、適切な広告や地域情報等をユーザに提示する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明は、移動体の基準点となる位置情報を取得する位置情報取得装置と、前記移動体の複数の窓の各々に設置されている複数のオブジェクト表示装置に表示させるオブジェクトと前記オブジェクトの表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置と、前記オブジェクト記憶装置に記憶されているオブジェクトを前記複数のオブジェクト表示装置に配信するオブジェクト配信装置と、前記複数のオブジェクト表示装置と、がネットワークを介して接続されたオブジェクト表示システムであって、前記オブジェクト配信装置は、前記位置情報取得装置で取得された移動体の基準点となる位置情報に基づき、前記移動体の複数の窓の各々の位置情報を特定し、特定した位置情報に基づいて、各窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを前記記憶装置から取得し、取得したオブジェクトを対応する各窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信し、各窓に設置されているオブジェクト表示装置は、配信されたオブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示する。
このオブジェクト表示システムは、例えば、後述する実施形態1のオブジェクト表示システム等に対応する。
【0008】
また、本発明は、移動体の基準点となる位置情報を取得する位置情報取得装置と、前記移動体の複数の窓の各々に設置されている複数のオブジェクト表示装置に表示させるオブジェクトと前記オブジェクトの表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置と、前記オブジェクト記憶装置に記憶されているオブジェクトを前記複数のオブジェクト表示装置に配信するオブジェクト配信装置と、前記複数のオブジェクト表示装置と、がネットワークを介して接続されたオブジェクト表示システムであって、前記オブジェクト配信装置は、前記位置情報取得装置で取得された移動体の基準点となる位置情報に基づき、前記移動体の複数の窓のうち前記移動体の進行方向に対して最初の窓の位置情報を特定し、特定した位置情報に基づいて、前記窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを前記記憶装置から取得し、取得したオブジェクトを前記窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信すると共に、移動体の速度情報に応じて、前記最初の窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信したオブジェクトを前記窓から進行方向に対して後ろの窓に設置されているオブジェクト表示装置に順次、配信し、各窓に設置されているオブジェクト表示装置は、配信されたオブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示する。
このオブジェクト表示システムは、例えば、後述する実施形態6のオブジェクト表示システム等に対応する。
【0009】
また、本発明は、移動体の基準点となる位置情報を取得する位置情報取得装置と、オブジェクトと前記オブジェクトを前記移動体の複数の窓の各々に表示させるための表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置と、前記窓に前記オブジェクトを投影させ、表示させるための、各窓に対応する複数の投影装置と、前記オブジェクト記憶装置に記憶されているオブジェクトを前記複数の投影装置に配信するオブジェクト配信装置と、がネットワークを介して接続されたオブジェクト表示システムであって、前記オブジェクト配信装置は、前記位置情報取得装置で取得された移動体の基準点となる位置情報に基づき、前記移動体の複数の窓の各々の位置情報を特定し、特定した位置情報に基づいて、各窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを前記記憶装置から取得し、取得したオブジェクトを対応する窓にオブジェクトを投影する投影装置に配信し、前記複数の投影装置は、配信されたオブジェクトを対応する窓に投影することで前記オブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示させる。
このオブジェクト表示システムは、例えば、後述する実施形態7のオブジェクト表示システム等に対応する。
【0010】
また、本発明は、移動体の基準点となる位置情報を取得する位置情報取得装置と、オブジェクトと前記オブジェクトを前記移動体の複数の窓の各々に表示させるための表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置と、前記窓に前記オブジェクトを投影させ、表示させるための、各窓に対応する複数の投影装置と、前記オブジェクト記憶装置に記憶されているオブジェクトを前記複数の投影装置に配信するオブジェクト配信装置と、がネットワークを介して接続されたオブジェクト表示システムであって、前記オブジェクト配信装置は、前記位置情報取得装置で取得された移動体の基準点となる位置情報に基づき、前記移動体の複数の窓のうち前記移動体の進行方向に対して最初の窓の位置情報を特定し、特定した位置情報に基づいて、前記窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを前記記憶装置から取得し、取得したオブジェクトを前記窓にオブジェクトを投影する投影装置に配信すると共に、移動体の速度情報に応じて、前記最初の窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信したオブジェクトを前記窓から進行方向に対して後ろの窓にオブジェクトを投影する投影装置に順次、配信し、前記複数の投影装置は、配信されたオブジェクトを対応する窓に投影することで前記オブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示させる。
このオブジェクト表示システムは、例えば、後述する実施形態8のオブジェクト表示システム等に対応する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、安価に、及び/又は、効率よく、適切な広告や地域情報等をユーザに提示する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、実施形態1のオブジェクト表示システムのシステム構成の一例を示す図である。
【図2】図2は、オブジェクト配信装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】図3は、オブジェクト表示装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】図4は、オブジェクト配信装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【図5】図5は、オブジェクト表示装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【図6】図6は、実施形態1のオブジェクト表示システムにおける処理の一例を示すシーケンス図である。
【図7】図7は、実施形態1におけるオブジェクトの表示の一例を示す図である。
【図8A】図8Aは、実施形態3におけるオブジェクトの表示の一例を示す図(その1)である。
【図8B】図8Bは、実施形態3におけるオブジェクトの表示の一例を示す図(その2)である。
【図9】図9は、実施形態4におけるオブジェクトの表示の一例を示す図である。
【図10】図10は、実施形態5におけるオブジェクトの表示の一例を示す図である。
【図11】図11は、実施形態6のオブジェクト表示システムのシステム構成の一例を示す図である。
【図12】図12は、実施形態6のオブジェクト表示システムにおける処理の一例を示すシーケンス図である。
【図13】図13は、実施形態7のオブジェクト表示システムのシステム構成の一例を示す図である。
【図14】図14は、オブジェクト投影装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図15】図15は、実施形態7のオブジェクト表示システムにおける処理の一例を示すシーケンス図である。
【図16】図16は、実施形態8のオブジェクト表示システムのシステム構成の一例を示す図である。
【図17】図17は、実施形態8のオブジェクト表示システムにおける処理の一例を示すシーケンス図である。
【図18】図18は、実施形態9のオブジェクト表示システムのシステム構成の一例を示す図である。
【図19】図19は、オブジェクト情報管理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図20】図20は、オブジェクト情報管理装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。
【図21】図21は、オブジェクト管理情報の一例を示す図である。
【図22】図22は、実施形態9のオブジェクト表示システムにおける処理の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0014】
<実施形態1>
以下、実施形態1について説明する。
図1は、実施形態1のオブジェクト表示システムのシステム構成の一例を示す図である。図1に示されるように、実施形態1のオブジェクト表示システムは、移動体の一例である列車の位置情報を取得する位置情報取得装置2と、前記列車の複数の窓の各々に設置されている複数のオブジェクト表示装置31〜312に表示させるオブジェクトと前記オブジェクトの表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置4と、オブジェクト記憶装置4に記憶されているオブジェクトを前記複数のオブジェクト表示装置31〜312に配信するオブジェクト配信装置1と、前記複数のオブジェクト表示装置31〜312と、がネットワークを介して接続されている。
ここで、前記オブジェクトとは、例えば、広告や地域情報であり、オブジェクト記憶装置4には、オブジェクト表示装置31〜312に表示させるオブジェクトについて、オブジェクトの表示内容、オブジェクトの表示すべき位置情報(経度、緯度)等が関連付けて記憶されている。
位置情報取得装置2は、例えば、GPS受信機等であって、GPS衛星と通信を行い、列車の基準点となる位置情報(経度、緯度)を常時(又は一定間隔(例えば、0.1秒間隔)で)取得する。
オブジェクト配信装置1は、位置情報取得装置2で取得された列車の基準点の位置情報に基づき、前記列車の複数の窓の各々の位置情報を特定する。より具体的に説明すると、オブジェクト配信装置1は、予め定められている列車の基準点と各窓との相対的な位置関係の情報と、位置情報取得装置2で取得された列車の基準点の位置情報と、から複数の窓の各々の位置情報(経度、緯度)を特定する。
オブジェクト配信装置1は、前記特定した位置情報に基づいて、各窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトをオブジェクト記憶装置4から取得し、取得したオブジェクトを対応する各窓に設置されているオブジェクト表示装置31〜312に配信する。オブジェクト表示装置3は、オブジェクトが配信されると、配信されたオブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示する。オブジェクト配信装置1は、この重畳表示を、所謂拡張現実技術を用いて行うことができる。
なお、厳密には、列車は直進だけでなくカーブしながら走行するため、位置情報取得装置2で取得された列車の基準点の位置情報と、路線の経度・緯度情報とを用いて各窓の視野(向き)を特定する事になるが、説明を簡略するため以降も、列車の基準点の位置情報に基づき、前記列車の複数の窓の各々の位置情報を特定すると記載する。
【0015】
図2は、オブジェクト配信装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2に示されるように、オブジェクト配信装置1は、ハードウェア構成として、制御装置11と、記憶装置12と、通信装置13と、がバス14を介して接続された構成を有する。制御装置11は、CPU等であって、記憶装置12等に記憶されているプログラムに基づき処理を実行することによってオブジェクト配信装置1の機能を実現する。記憶装置12は、RAM、ROM、HDD等の記憶装置であって、プログラムを記憶したり、制御装置11がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶したりする。通信装置13は、オブジェクト配信装置1と位置情報取得装置2及びオブジェクト記憶装置4及びオブジェクト表示装置31〜312との通信の制御を司る装置である。
【0016】
図3は、オブジェクト表示装置3のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3に示されるように、オブジェクト表示装置3は、ハードウェア構成として、制御装置21と、記憶装置22と、通信装置23と、表示装置24と、がバス25を介して接続された構成を有する。制御装置21は、CPU等であって、記憶装置22等に記憶されているプログラムに基づき処理を実行するっことによってオブジェクト表示装置3の機能を実現する。記憶装置22は、RAM、ROM、HDD等の記憶装置であって、プログラムを記憶したり、制御装置21がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶したりする。通信装置23は、オブジェクト表示装置3とオブジェクト配信装置1との通信の制御を司る装置である。表示装置24は、列車の窓等に貼り付けられた透過型の液晶フィルム等であって、制御装置21の制御の基、オブジェクトを表示する。
【0017】
図4は、オブジェクト配信装置1のソフトウェア構成の一例を示す図である。
図4に示されるように、オブジェクト配信装置1は、ソフトウェア構成(機能構成)として、配信制御部100を含む。配信制御部100は、位置情報取得装置2で取得された列車の基準点の位置情報に基づき、列車の複数の窓の各々の位置情報を特定する。そして、配信制御部100は、特定した位置情報に基づいて、各窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトをオブジェクト記憶装置4から取得する。配信制御部100は、取得したオブジェクトを対応する各窓に設置されているオブジェクト表示装置31〜312に配信する。
図5は、オブジェクト表示装置3のソフトウェア構成の一例を示す図である。
図5に示されるように、オブジェクト表示装置3は、ソフトウェア構成(機能構成)として、表示制御部200を含む。表示制御部200は、オブジェクト配信装置1より配信されたオブジェクトを表示装置24に表示させることで、窓の外の風景と重畳させる。
【0018】
図6は、実施形態1のオブジェクト表示システムにおける処理の一例を示すシーケンス図である。
シーケンスSQ1において、位置情報取得装置2は、GPS衛星と通信を行い、列車の基準点となる位置情報(経度、緯度)を取得する。
シーケンスSQ2において、位置情報取得装置2は、取得した位置情報を、オブジェクト配信装置1に送信する。
シーケンスSQ3において、オブジェクト配信装置1は、位置情報取得装置2で取得された列車の基準点の位置情報に基づき、前記列車の複数の窓の各々の位置情報を特定する。オブジェクト配信装置1は、特定した位置情報に基づいて、各窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトをオブジェクト記憶装置4から取得する。つまり、オブジェクト配信装置1は、窓ごとの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを取得する。
シーケンスSQ4において、オブジェクト配信装置1は、取得した窓ごとのオブジェクトを、各窓に設置されているオブジェクト表示装置31〜312に配信する。
シーケンスSQ5において、オブジェクトの配信を受けたオブジェクト表示装置31は、前記オブジェクトを表示装置24に表示させる。同様に、シーケンスSQ6において、オブジェクトの配信を受けたオブジェクト表示装置32は、前記オブジェクトを表示装置24に表示させる。
【0019】
図7は、実施形態1におけるオブジェクトの表示の一例を示す図である。
図7の241は、オブジェクト表示装置31の表示装置241(窓に貼り付けられた透過型の液晶フィルム)であって、窓の外の山の風景に重畳して「次郎山」という地域情報をそれぞれ表示している。
図7の242は、オブジェクト表示装置32の表示装置242(窓に貼り付けられた透過型の液晶フィルム)であって、窓の外の山の風景に重畳して「太郎山」という地域情報を、窓の外の池の風景に重畳して「花子池」という地域情報を表示している。
なお、オブジェクト配信装置1は、位置情報取得装置2で取得された列車の基準点となる位置情報に基づき、前記列車の複数の窓の各々の位置情報を特定する。そして、オブジェクト配信装置1は、特定した位置情報に基づいて、各窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトと、前記オブジェクトに関連付けられて記憶されている表示位置情報と、をオブジェクト記憶装置4から取得する。オブジェクト配信装置1は、特定した窓の位置情報と、前記窓の視野と、前記取得したオブジェクトの表示位置情報と、から前記オブジェクトの前記視野における表示位置を決定する。そして、オブジェクト配信装置1は、オブジェクト記憶装置4から取得したオブジェクトと、前記表示位置と、を対応する窓に設置されているオブジェクト表示装置31〜312に配信する。オブジェクト表示装置31〜312は、配信されたオブジェクトを配信された表示位置に表示することで窓の外の風景と重畳させる。このようにすることによって、図7に示されるように、例えば、窓の外の太郎山の風景に重畳して「太郎山」という地域情報を表示させることができる。
また、オブジェクト配信装置1は、オブジェクトの表示位置を決定した際に、窓の位置に対する前記表示位置に応じて、オブジェクトの形を、遠近法、又は短縮法等を用い逐次変形させ、オブジェクト表示装置3に配信するようにしもよい。
【0020】
以上、本実施形態によれば、広告や地域情報を窓に表示するので、天候や時間帯の暗さ等、影響を受けずに表示することができる。また、本実施形態によれば、オブジェクト記憶装置4に記憶されているオブジェクトを書き換えることによって、頻繁に広告や地域情報の内容を変更することができる。また、本実施形態によれば、例えば、田んぼの真ん中にトラクターを並べたり、海上に船を浮かべたりと、実際には看板を立てることができないような場所にも広告等を表示させることができる。
【0021】
<実施形態2>
以下、実施形態2について説明する。なお、実施形態2では、実施形態1とは異なる点を説明する。
本実施形態のオブジェクト表示装置3は、表示選択機能を有する。より具体的に説明すると、オブジェクト表示装置3は、表示装置24に表示の要否や、年齢、目的(ビジネス/観光)、趣味等を選択させる画面を表示させ、乗客による選択の結果をオブジェクト配信装置1に送信する。オブジェクト配信装置1は、各窓に対応するオブジェクト表示装置3から送信された選択の結果を窓ごと(窓に対応するオブジェクト表示装置3ごと)に保持する。
一方、本実施形態のオブジェクト記憶装置4は、オブジェクトとオブジェクトの表示位置情報と、前記オブジェクトを表示させる対象の年齢、目的(ビジネス/観光)、趣味等と、を関連付けて記憶する。
オブジェクト配信装置1は、位置情報取得装置2から列車の基準点となる位置情報を受け取ると、前記列車の複数の窓の各々の位置情報を特定する。そして、オブジェクト配信装置1は、特定した位置情報に基づき、各窓からの視野を特定し、特定した視野と、窓ごとの前記選択の結果と、に基づき、オブジェクト記憶装置4より選択された年齢や目的、趣味等に合致し、前記視野に表示させるオブジェクトを取得する。オブジェクト配信装置1は、取得した窓ごとのオブジェクトを対応する窓に設置されているオブジェクト表示装置31〜312に配信する。
以上、本実施形態によれば、乗客は、表示の要否を選択することができる。また、本実施形態によれば、乗客の属性(又は目的)等に応じたより乗客に適した広告等を窓に表示させることができる。
【0022】
<実施形態3>
以下、実施形態3について説明する。なお、実施形態3では、上述した実施形態とは異なる点を説明する。
図8Aは、実施形態3におけるオブジェクトの表示の一例を示す図(その1)である。
図8Aの242は、図7の242と同様、オブジェクト表示装置32の表示装置242(窓に貼り付けられた透過型の液晶フィルム)であって、窓の外の山の風景に重畳して「太郎山」という地域情報を、窓の外の池の風景に重畳して「花子池」という地域情報をそれぞれ表示している。但し、図8Aの242は、外が明るい時間帯にオブジェクト表示装置32の表示装置242が表示するオブジェクトの一例となっている。
図8Bは、実施形態3におけるオブジェクトの表示の一例を示す図(その2)である。
図8Bの242は、図8Aの242と同様、オブジェクト表示装置32の表示装置242(窓に貼り付けられた透過型の液晶フィルム)である。但し、図8Bの242は、図8Aの242と同じ位置の窓の外の風景であるが、外が暗い時間帯にオブジェクト表示装置32の表示装置242が表示するオブジェクトの一例となっている。
つまり、本実施形態のオブジェクト記憶装置4は、オブジェクトと、前記オブジェクトの表示位置情報と、前記オブジェクトを表示させる時間帯情報と、を関連付けられて記憶するようにしてもよい。そして、本実施形態のオブジェクト配信装置1は、位置情報取得装置2で取得された列車の基準点の位置情報に基づき、前記列車の複数の窓の各々の位置情報を特定する。オブジェクト配信装置1は、特定した位置情報に基づいて、各窓からの視野を特定する。また、オブジェクト配信装置1は、自身が有する、又は列車内の他の装置が有する時計装置より現在の時間を取得し、前記特定した視野に現在の時間に表示させるオブジェクトをオブジェクト記憶装置4から取得する。
以上、本実施形態によれば、図8A及び図8Bに示されるように、時間に応じて、窓に表示するオブジェクトを換えることができる。
【0023】
<実施形態4>
以下、実施形態4について説明する。なお、実施形態4では、上述した実施形態とは異なる点を説明する。
図9は、実施形態4におけるオブジェクトの表示の一例を示す図である。
図9の242は、図8Aの242、図7の242と同様、オブジェクト表示装置32の表示装置242(窓に貼り付けられた透過型の液晶フィルム)であって、窓の外の山の風景に重畳して「太郎山」という地域情報を、窓の外の池の風景に重畳して「花子池」という地域情報をそれぞれ表示している。また、図9に示されるように、表示装置242は、「もうすぐ富士山が見えます」という進行方向の予告情報を表示している。
本実施形態のオブジェクト配信装置1は、列車の複数の窓のうち、一の窓より列車の進行方向に存在する窓に設置されているオブジェクト表示装置3に配信するオブジェクトに基づき、前記一の窓に設置されているオブジェクト表示装置3に対して配信する予告情報を決定する。そして、オブジェクト配信装置1は、決定した予告情報を前記一の窓に設置されているオブジェクト表示装置3に対して配信する。
例えば、オブジェクト配信装置1は、オブジェクト表示装置32が設置されている窓より進行方向に存在する窓に設置されているオブジェクト表示装置31に「富士山」という地域情報を配信する場合、オブジェクト表示装置32に対して配信する予告情報として「もうすぐ富士山がみえます」と決定する。そして、オブジェクト配信装置1は、オブジェクト表示装置32に対してオブジェクトとして「太郎山」や「花子池」を配信すると共に、予告情報として「もうすぐ富士山がみえます」を配信する。
オブジェクト表示装置32は、配信されたオブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示すると共に、配信された予告情報を進行方向の予告情報として前記風景に重畳して図9に示すように表示する。
【0024】
なお、オブジェクト配信装置1は、列車の複数の窓のうち、一の窓より列車の進行方向に存在する予め定められた数個分前の窓に設置されているオブジェクト表示装置3に配信するオブジェクトに基づき、前記一の窓に設置されているオブジェクト表示装置3に対して配信する予告情報を決定してもよい。また、オブジェクト配信装置1は、列車より速度情報を取得し、取得した速度情報に応じて、前記一の窓より進行方向に何個分前の窓に設置されているオブジェクト表示装置3に配信するオブジェクトに基づき、前記一の窓に設置されているオブジェクト表示装置3に対して配信する予告情報を決定するかを決定してもよい。オブジェクト配信装置1は、決定した数個分前の窓に設置されているオブジェクト表示装置3に配信するオブジェクトに基づき、前記一の窓に設置されているオブジェクト表示装置3に対して配信する予告情報を決定する。
以上、本実施形態によれば、進行方向の予告情報も表示させることができる。
【0025】
<実施形態5>
以下、実施形態5について説明する。なお、実施形態5では、上述した実施形態とは異なる点を説明する。
上述した実施形態では、オブジェクトの一例として、広告や地域情報を例に説明を行ったが、オブジェクトの他の例としては、クーポン券や二次元コード等であってもよい。
図10は、実施形態5におけるオブジェクトの表示の一例を示す図である。
図10の242は、図9の242、図8Aの242、図7の242と同様、オブジェクト表示装置32の表示装置242(窓に貼り付けられた透過型の液晶フィルム)であって、窓の外の山の風景に重畳して「太郎山」という地域情報を、窓の外の池の風景に重畳して「花子池ソフトクリーム 50円割引」というクーポン券を、窓の外の山の風景に重畳して「太郎山旅館のホームページにアクセスするための二次元コード」を、それぞれ表示している。
乗客は、表示装置24に表示されたクーポン券を、例えば、携帯電話等で撮影し、画像を保存等し、花子池の近くにあるソフトクリーム屋等で前記画像を店員に見せることで、花子池ソフトクリームを50円割引で買うことができる。また、乗客は、表示装置24に表示された二次元コードを、例えば、携帯電話等で読み取ることによって、二次元コードに記録された情報を読み取ることができる。例えば、二次元コードにURLが含まれていた場合、乗客は、携帯電話等を用いて、前記URLにアクセスすることができる。
【0026】
<実施形態6>
以下、実施形態6について説明する。なお、実施形態6では、上述した実施形態とは異なる点を説明する。
図11は、実施形態6のオブジェクト表示システムのシステム構成の一例を示す図である。図11に示されるように、実施形態6のオブジェクト表示システムは、実施形態1のオブジェクト表示システムに比べて、列車の速度情報を取得する速度情報取得装置5がシステム構成として更に含まれている。
本実施形態のオブジェクト配信装置1は、位置情報取得装置2で取得された列車の基準点の位置情報に基づき、前記列車の複数の窓のうち前記列車の進行方向に対して最初の窓の位置情報を特定する。なお、列車の左右両側面に窓が存在する場合、オブジェクト配信装置1は、それぞれの側面ごとに最初の窓の位置情報を特定し、以下の処理を実行する。オブジェクト配信装置1は、特定した最初の窓の位置情報に基づいて、前記窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトをオブジェクト記憶装置4から取得し、取得したオブジェクトを前記窓に設置されているオブジェクト表示装置31に配信すると共に、速度情報取得装置5で取得された列車の速度情報に応じて、前記最初の窓に設置されているオブジェクト表示装置31に配信したオブジェクトを前記窓から進行方向に対して後ろの窓に設置されているオブジェクト表示装置32、33、34、・・・に順次、配信する。
各窓に設置されたオブジェクト表示装置3は、配信されたオブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示する。
【0027】
図12は、実施形態6のオブジェクト表示システムにおける処理の一例を示すシーケンス図である。
シーケンスSQ11において、位置情報取得装置2は、GPS衛星と通信を行い、列車の基準点となる位置情報(経度、緯度)を取得する。
シーケンスSQ12において、位置情報取得装置2は、取得した位置情報を、オブジェクト配信装置1に送信する。
シーケンスSQ13において、オブジェクト配信装置1は、位置情報取得装置2から受信した列車の基準点の位置情報に基づき、前記列車の複数の窓のうち前記列車の進行方向に対して最初の窓の位置情報を特定する。オブジェクト配信装置1は、特定した位置情報に基づいて、前記最初の窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトをオブジェクト記憶装置4から取得する。
シーケンスSQ14において、オブジェクト配信装置1は、取得した最初の窓のオブジェクトを、前記窓に設置されているオブジェクト表示装置31に配信する。
シーケンスSQ15において、オブジェクトの配信を受けたオブジェクト表示装置31は、前記オブジェクトを表示装置24に表示させる。
一方、シーケンスSQ16において、速度情報取得装置5は、列車の速度情報を、計測し、取得する。
シーケンスSQ17において、速度情報取得装置5は、取得した速度情報を、オブジェクト配信装置1に送信する。
シーケンスSQ18において、オブジェクト配信装置1は、速度情報取得装置5から受信した列車の速度情報に応じて、前記最初の窓のオブジェクト表示装置31に配信したオブジェクトを前記窓から進行方向に対して後ろの窓に設置されているオブジェクト表示装置32・・・に順次、配信する。
シーケンスSQ19において、オブジェクトの配信を受けたオブジェクト表示装置32は、前記オブジェクトを表示装置24に表示させる。
【0028】
以上、本実施形態の処理によれば、オブジェクト配信装置1は、列車の速度に応じて、オブジェクトを順次、進行方向に対して後ろの窓に設置されているオブジェクト表示装置3に配信すればよいので、各窓の位置を特定したり、各窓から見える視野を特定したりする必要がないため、少ない計算量、かつ、少ないメモリ容量で上述したような効果を挙げることができる。
なお、本実施形態では、速度情報取得装置5をシステム構成に含める例を用いて説明を行ったが、速度情報取得装置5は、一般的に列車に搭載されているものでよい。
【0029】
<実施形態7>
以下、実施形態7について説明する。なお、実施形態7では、上述した実施形態とは異なる点を説明する。
図13は、実施形態7のオブジェクト表示システムのシステム構成の一例を示す図である。図13に示されるように、実施形態7のオブジェクト表示システムは、移動体の一例である列車の位置情報を取得する位置情報取得装置2と、オブジェクトと前記オブジェクトを前記列車の複数の窓の各々に表示させるための表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置4と、前記列車の複数の窓にオブジェクトを投影させ、表示させるための、各窓に対応する複数のオブジェクト投影装置61〜612と、オブジェクト記憶装置4に記憶されているオブジェクトを複数のオブジェクト投影装置61〜612に配信するオブジェクト配信装置1と、がネットワークを介して接続されている。
オブジェクト配信装置1は、位置情報取得装置2で取得された列車の基準点の位置情報に基づき、前記列車の複数の窓の各々の位置情報を特定する。より具体的に説明すると、オブジェクト配信装置1は、予め定められている列車の基準点と各窓との相対的な位置関係の情報と、位置情報取得装置2で取得された列車の基準点の位置情報と、から複数の窓の各々の位置情報(経度、緯度)を特定する。
オブジェクト配信装置1は、前記特定した位置情報に基づいて、各窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトをオブジェクト記憶装置4から取得し、取得したオブジェクトを対応する窓にオブジェクトを投影するオブジェクト投影装置6に配信する。
複数の投影装置は61〜612、配信されたオブジェクトを対応する窓に投影することで前記オブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示させる。
【0030】
図14は、オブジェクト投影装置6のハードウェア構成の一例を示す図である。
図14に示されるように、オブジェクト投影装置6は、ハードウェア構成として、制御装置31と、記憶装置32と、通信装置33と、出力装置34と、がバスを介して接続された構成を有する。制御装置31は、CPU等であって、記憶装置32等に記憶されているプログラムに基づき処理を実行することによってオブジェクト投影装置6の機能を実現する。記憶装置32は、RAM、ROM、HDD等の記憶装置であって、プログラムを記憶したり、制御装置31がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶したりする。通信装置33は、オブジェクト投影装置6とオブジェクト配信装置1との通信の制御を司る装置である。
【0031】
図15は、実施形態7のオブジェクト表示システムにおける処理の一例を示すシーケンス図である。
シーケンスSQ21において、位置情報取得装置2は、GPS衛星と通信を行い、列車の基準点となる位置情報(経度、緯度)を取得する。
シーケンスSQ22において、位置情報取得装置2は、取得した位置情報を、オブジェクト配信装置1に送信する。
シーケンスSQ23において、オブジェクト配信装置1は、位置情報取得装置2で取得された列車の基準点の位置情報に基づき、前記列車の複数の窓の各々の位置情報を特定する。オブジェクト配信装置1は、特定した位置情報に基づいて、各窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトをオブジェクト記憶装置4から取得する。つまり、オブジェクト配信装置1は、窓ごとの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを取得する。
シーケンスSQ24において、オブジェクト配信装置1は、取得した窓ごとのオブジェクトを、各窓にオブジェクトを投影するオブジェクト投影装置61〜612に配信する。
シーケンスSQ25において、オブジェクトの配信を受けたオブジェクト投影装置61は、前記オブジェクトを対応する窓に投影することで前記オブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示させる。同様に、シーケンスSQ26において、オブジェクトの配信を受けたオブジェクト投影装置61は、前記オブジェクトを対応する窓に投影することで前記オブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示させる。
【0032】
以上、本実施形態に示したように、オブジェクトを窓(例えば、低反射フィルムを貼り付けた窓等)に投影することによっても、上述した実施形態に示した様な効果を挙げることができる。
なお、本実施形態では、1つの窓に1つのオブジェクト投影装置6を有する構成を用いて説明を行ったが、このことは本実施の形態を制限するものではない。1つのオブジェクト投影装置6が複数の窓にオブジェクトを投影するようにしてもよい。
【0033】
<実施形態8>
以下、実施形態8について説明する。なお、実施形態8では、上述した実施形態とは異なる点を説明する。
図16は、実施形態8のオブジェクト表示システムのシステム構成の一例を示す図である。図16に示されるように、実施形態8のオブジェクト表示システムは、実施形態7のオブジェクト表示システムに比べて、列車の速度情報を取得する速度情報取得装置5がシステム構成として更に含まれている。
本実施形態のオブジェクト配信装置1は、位置情報取得装置2で取得された列車の基準点の位置情報に基づき、前記列車の複数の窓のうち前記列車の進行方向に対して最初の窓の位置情報を特定する。なお、列車の左右両側面に窓が存在する場合、オブジェクト配信装置1は、それぞれの側面ごとに最初の窓の位置情報を特定し、以下の処理を実行する。オブジェクト配信装置1は、特定した最初の窓の位置情報に基づいて、前記窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトをオブジェクト記憶装置4から取得し、取得したオブジェクトを前記窓にオブジェクトを投影するオブジェクト投影装置61に配信すると共に、速度情報取得装置5で取得された列車の速度情報に応じて、前記最初の窓にオブジェクトを投影するオブジェクト投影装置61に配信したオブジェクトを前記窓から進行方向に対して後ろの窓にオブジェクトを投影するオブジェクト投影装置62、63、64、・・・に順次、配信する。
各窓にオブジェクトを投影するオブジェクト投影装置61〜612は、配信されたオブジェクトを対応する窓に投影することで前記オブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示させる。
【0034】
図17は、実施形態8のオブジェクト表示システムにおける処理の一例を示すシーケンス図である。
シーケンスSQ31において、位置情報取得装置2は、GPS衛星と通信を行い、列車の基準点となる位置情報(経度、緯度)を取得する。
シーケンスSQ32において、位置情報取得装置2は、取得した位置情報を、オブジェクト配信装置1に送信する。
シーケンスSQ33において、オブジェクト配信装置1は、位置情報取得装置2から受信した列車の基準点の位置情報に基づき、前記列車の複数の窓のうち前記列車の進行方向に対して最初の窓の位置情報を特定する。オブジェクト配信装置1は、特定した位置情報に基づいて、前記最初の窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトをオブジェクト記憶装置4から取得する。
シーケンスSQ34において、オブジェクト配信装置1は、取得した最初の窓のオブジェクトを、前記窓にオブジェクトを投影するオブジェクト投影装置61に配信する。
シーケンスSQ35において、オブジェクトの配信を受けたオブジェクト投影装置61は、配信されたオブジェクトを対応する窓に投影することで前記オブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示させる。
一方、シーケンスSQ36において、速度情報取得装置5は、列車の速度情報を常時、計測し、取得する。
シーケンスSQ37において、速度情報取得装置5は、取得した速度情報を、常時、オブジェクト配信装置1に送信する。
シーケンスSQ38において、オブジェクト配信装置1は、速度情報取得装置5から受信した列車の速度情報に応じて、前記最初の窓のオブジェクトを投影するオブジェクト投影装置61に配信したオブジェクトを前記窓から進行方向に対して後ろの窓にオブジェクトを投影するオブジェクト投影装置62・・・に順次、配信する。
シーケンスSQ39において、オブジェクトの配信を受けたオブジェクト投影装置62・・・は、配信されたオブジェクトを対応する窓に投影することで前記オブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示させる。
【0035】
以上、本実施形態によれば、実施形態7の方法よりは、少ない計算量、かつ、少ないメモリ容量で上述したような効果を挙げることができる。
なお、本実施形態では、1つの窓に1つのオブジェクト投影装置6を有する構成を用いて説明を行ったが、このことは本実施の形態を制限するものではない。1つのオブジェクト投影装置6が複数の窓にオブジェクトを投影するようにしてもよい。
また、本実施形態では、速度情報取得装置5をシステム構成に含める例を用いて説明を行ったが、速度情報取得装置5は、一般的に列車に搭載されているものでよい。
【0036】
<実施形態9>
以下、実施形態9について説明する。なお、実施形態9では、上述した実施形態とは異なる点を説明する。
図18は、実施形態9のオブジェクト表示システムのシステム構成の一例を示す図である。図18に示されるように、実施形態9のオブジェクト表示システムは、他の実施形態のオブジェクト表示システムに比べて、オブジェクト情報を管理するオブジェクト情報管理装置7がシステム構成として更に含まれている。オブジェクト情報管理装置7は、オブジェクト記憶装置4に記憶させておくべきオブジェクトを、まとめて管理するための装置である。オブジェクト情報管理装置7とオブジェクト配信装置1とは有線又は無線のネットワークを介して通信する。
【0037】
図19は、オブジェクト情報管理装置7のハードウェア構成の一例を示す図である。
図19に示されるように、オブジェクト情報管理装置7は、ハードウェア構成として、制御装置71と、記憶装置72と、通信装置73と、がバス74を介して接続された構成を有する。制御装置71は、CPU等であって、記憶装置72等に記憶されているプログラムに基づき処理を実行することによってオブジェクト情報管理装置7の機能を実現する。記憶装置72は、RAM、ROM、HDD等の記憶装置であって、プログラムを記憶したり、制御装置71がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶したりする。通信装置73は、オブジェクト情報管理装置7とオブジェクト記憶装置4等との通信の制御を司る装置である。
【0038】
図20は、オブジェクト情報管理装置7のソフトウェア構成の一例を示す図である。
図20に示されるように、オブジェクト情報管理装置7は、ソフトウェア構成(機能構成)として、オブジェクト情報管理部700を含む。
次にオブジェクト情報管理部700の機能を説明する。オブジェクト情報管理部700は、オブジェクト毎に表示内容や表示位置等をマスターデータとして管理する。このオブジェクト情報管理部700で管理されている情報が、通信装置73及び通信装置13を介して各列車に配置されたオブジェクト配信装置1に提供される。また、詳細は後述するが、オブジェクト情報管理部700は、各列車に配置されたオブジェクト配信装置1でのオブジェクトの利用状況を通信装置13及び通信装置73を介して受信し、格納する機能を備える。
【0039】
図21は、記憶装置72に記憶されているオブジェクト管理情報の一例を示した図である。オブジェクト情報管理部700は、オブジェクト管理情報として次のような情報を記録・更新する。オブジェクトID701は、表示するオブジェクトを一意に特定するための識別子である。表示内容702は、列車に配置されたオブジェクト表示装置3に表示するオブジェクトの内容であり、文字列情報や画像情報として格納されている。位置情報703は、現実空間の中で、どの位置にオブジェクトを表示するかという情報が例えば緯度・経度として格納されている。表示方式704・表示時間帯705は、どのように・いつ表示するかを定義する情報であり、例えば「時間帯固定」と「5:00−17:00」という組み合わせの場合、この時間帯であれば常に表示内容702に設定されたオブジェクトが表示される。また、「ユーザ選択」と「5:00−15:00」との組み合わせでは、実施形態2で説明したような乗客がオブジェクトを選択出来る場合に、この時間帯に乗客が選択した条件に合致すれば表示される。なお、この場合、図21には図示していないがオブジェクト情報管理部700は、オブジェクト管理情報として更に「対象年齢層」「乗車目的」「趣味」等の属性情報も格納しておく。
広告主706は、広告主が誰であるかという情報であり、表示するオブジェクトが例えば単に山や川等の名称であれば広告主は存在しないため空欄でもよい。広告単価707は、広告主に広告費を請求する際の単価の決め方を定義する情報である。時間あたりの単価やユーザに選択されて実際に表示される回数毎の単価等の情報が広告単価707に設定される。以上のオブジェクト管理情報は、予めデータとして入力されている。広告単価707は、単価情報の一例である。
実績708は、例えば1ヶ月毎のオブジェクト表示実績を記録した情報であり、オブジェクト配信装置1から受信するたびに格納/更新される。そして、請求予定額709は、広告単価707と実績708とから所定の演算で求まる、例えば月毎の請求予定額が格納される。実績708は、実績情報の一例である。請求予定額709は、請求額の一例である。
【0040】
図22は、実施形態9のオブジェクト表示システムにおける処理の内、オブジェクト情報管理装置7と、オブジェクト配信装置1との間の処理についてのみその一例を示すシーケンス図である。オブジェクト配信装置1での処理については上述した実施形態1〜8を適用すればよいため説明を省略する。
シーケンスSQ41において、オブジェクト情報管理装置7は、上記オブジェクト管理情報のうち、予めデータとして入力されているオブジェクトID701、表示内容702、位置情報703、表示方式704、表示時間帯705等の表示条件を判断するための属性情報を、ネットワークを介して各列車のオブジェクト配信装置1へ送信する。
シーケンスSQ42において、各列車のオブジェクト配信装置1は、実施形態1〜8で示した様々な形態でオブジェクトを表示制御する。
シーケンスSQ43において、各列車のオブジェクト配信装置1は、表示したオブジェクト毎にその実績値をネットワークを介してオブジェクト情報管理装置7へ送信する。このシーケンスSQ43を行うタイミングや周期は管理者等が任意に設定することができる。例えば、タイミングや周期は、1日1回でもよいし、駅に停車するたびでもよい。
シーケンスSQ44において、オブジェクト情報管理装置7は、広告単価707と実績708とから所定の演算式を使って請求予定額を算出する。例えば図21のオブジェクトID:002を例に説明すると、毎日17:00から翌1:00までの8時間広告を表示し、広告単価が1時間あたり10,000円であるため、30日間広告を表示すると、請求予定額は、
10,000(円)×8(時間)×30(日)=2,400,000
と算出される。なお、オブジェクト情報管理装置7は、この請求予定額の算出は、実際には各列車での実績値をオブジェクト情報管理装置7で合算して広告主毎に算出する。
【0041】
本実施形態では説明を簡単にするためにオブジェクトID001〜004の表示方式と表示時間帯とが重ならない形式としたが、ユーザ選択型での表示方式の場合、同じ期間帯で同じ表示位置に複数の広告を設定することもできる。
本実施形態によれば、広告毎に広告費を設定することができるようになり、また、その表示実績に応じた広告費を算出することができるため、広告主としては、必要な時間帯だけ広告を表示したり、希望する対象者(乗客)を選択して表示したりすることができ、無駄に広告費を費やすことを避けることができるようになる。
【0042】
上述した各実施形態によれば、安価に、及び/又は、効率よく、適切な広告や地域情報等をユーザに提示する技術を提供することができる。
【0043】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、位置情報取得装置2から受信した列車の基準点の位置情報に基づき、前記列車の複数の窓の位置を割り出したが、位置情報取得装置2を列車の各車両に設け、各車両の基準点を基に複数の窓の位置を割り出してもよいし、各窓近傍に位置情報取得装置2を設けて窓ごとに位置が特定されるようにしてもよい。
更に、上述した実施形態以外に、例えば列車の先頭車両に備えたカメラで撮影したリアルタイムの画像に対して、オブジェクトを重畳表示してもよい。この場合、位置情報取得装置2から受信した列車の基準点の位置情報に基づき当該カメラ画像の視野に表示すべきオブジェクトをオブジェクト記憶装置4から取得し、各車両もしくは各座席に備えられた液晶ディスプレイ等に表示することもできる。その際、表示する内容は、上述した実施形態と同様に時間帯で変化させたり、乗客によって選択したりすることができる等、同様の実施形態を採用することができる。
なお、上述した実施形態では、列車を例に説明したが、窓を備えた移動体であれば同様に適用することができる。
なお、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよい。
なお、上述したように、オブジェクトとは、例えば、広告と、地域情報と、クーポン券と、二次元コードと、の何れか又は全て又はこれらのうち、任意のものを組み合わせたものである。また、上述した実施形態では、表示するオブジェクトとして文字列の広告や地域情報で説明をしたが、オブジェクトは文字列に限らず、図形や写真等の画像情報でもよく、画像情報は静止画でも動画でもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 オブジェクト配信装置
3 オブジェクト表示装置
6 オブジェクト投影装置
7 オブジェクト情報管理装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の基準点となる位置情報を取得する位置情報取得装置と、前記移動体の複数の窓の各々に設置されている複数のオブジェクト表示装置に表示させるオブジェクトと前記オブジェクトの表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置と、前記オブジェクト記憶装置に記憶されているオブジェクトを前記複数のオブジェクト表示装置に配信するオブジェクト配信装置と、前記複数のオブジェクト表示装置と、がネットワークを介して接続されたオブジェクト表示システムであって、
前記オブジェクト配信装置は、前記位置情報取得装置で取得された移動体の基準点となる位置情報に基づき、前記移動体の複数の窓の各々の位置情報を特定し、特定した位置情報に基づいて、各窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを前記記憶装置から取得し、取得したオブジェクトを対応する各窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信し、
各窓に設置されているオブジェクト表示装置は、配信されたオブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示するオブジェクト表示システム。
【請求項2】
前記オブジェクト配信装置は、特定した窓の位置情報と、前記窓の視野と、前記記憶装置から取得したオブジェクトの前記表示位置情報と、に基づいて、前記オブジェクトの前記視野における表示位置を決定し、前記記憶装置から取得したオブジェクトと、前記オブジェクトの前記表示位置と、を対応する各窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信し、
各窓に設置されているオブジェクト表示装置は、配信されたオブジェクトを、配信された表示位置に表示することで窓の外の風景に重畳して表示する請求項1記載のオブジェクト表示システム。
【請求項3】
前記オブジェクト記憶装置は、オブジェクトと、前記表示位置情報と、オブジェクトを表示する時間帯情報と、を関連付けて記憶し、
前記オブジェクト配信装置は、特定した視野に現在の時間に表示させるオブジェクトを前記記憶装置から取得し、取得したオブジェクトを対応する各窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信する請求項1又は2記載のオブジェクト表示システム。
【請求項4】
前記オブジェクト配信装置は、前記複数の窓のうち、一の窓より進行方向に存在する窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信するオブジェクトに基づき、前記一の窓に設置されているオブジェクト表示装置に対して配信する予告情報を決定し、決定した予告情報を前記一の窓に設置されているオブジェクト表示装置に対して配信し、
前記オブジェクト表示装置は、配信されたオブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示すると共に、配信された予告情報を進行方向の予告情報として前記風景に重畳して表示する請求項1乃至3何れか1項記載のオブジェクト表示システム。
【請求項5】
前記オブジェクトは、広告と、地域情報と、クーポン券と、二次元コードと、の何れか又は全てである請求項1乃至4何れか1項記載のオブジェクト表示システム。
【請求項6】
前記オブジェクト毎の表示条件を示す属性情報を含むオブジェクト情報を管理するオブジェクト情報管理装置を更に含み、
前記オブジェクト情報管理装置は、前記属性情報を前記オブジェクト配信装置に送信し、
前記オブジェクト配信装置は、前記属性情報が示す表示条件を満たす場合、前記オブジェクトを対応する各窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信する請求項1乃至5何れか1項記載のオブジェクト表示システム。
【請求項7】
前記オブジェクト情報には、前記オブジェクト毎の表示の単価情報が更に含まれ、
前記オブジェクト配信装置は、前記オブジェクトを表示した実績情報を前記オブジェクト情報管理装置に送信し、
前記オブジェクト情報管理装置は、前記オブジェクト配信装置から受信した前記オブジェクトの実績情報をオブジェクト毎に格納し、オブジェクト毎に前記実績情報と、前記表示の単価情報と、に基づいて、請求額を算出する請求項6記載のオブジェクト表示システム。
【請求項8】
移動体の基準点となる位置情報を取得する位置情報取得装置と、前記移動体の複数の窓の各々に設置されている複数のオブジェクト表示装置に表示させるオブジェクトと前記オブジェクトの表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置と、前記オブジェクト記憶装置に記憶されているオブジェクトを前記複数のオブジェクト表示装置に配信するオブジェクト配信装置と、前記複数のオブジェクト表示装置と、がネットワークを介して接続されたオブジェクト表示システムであって、
前記オブジェクト配信装置は、前記位置情報取得装置で取得された移動体の基準点となる位置情報に基づき、前記移動体の複数の窓のうち前記移動体の進行方向に対して最初の窓の位置情報を特定し、特定した位置情報に基づいて、前記窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを前記記憶装置から取得し、取得したオブジェクトを前記窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信すると共に、移動体の速度情報に応じて、前記最初の窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信したオブジェクトを前記窓から進行方向に対して後ろの窓に設置されているオブジェクト表示装置に順次、配信し、
各窓に設置されているオブジェクト表示装置は、配信されたオブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示するオブジェクト表示システム。
【請求項9】
移動体の基準点となる位置情報を取得する位置情報取得装置と、オブジェクトと前記オブジェクトを前記移動体の複数の窓の各々に表示させるための表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置と、前記窓に前記オブジェクトを投影させ、表示させるための、各窓に対応する複数の投影装置と、前記オブジェクト記憶装置に記憶されているオブジェクトを前記複数の投影装置に配信するオブジェクト配信装置と、がネットワークを介して接続されたオブジェクト表示システムであって、
前記オブジェクト配信装置は、前記位置情報取得装置で取得された移動体の基準点となる位置情報に基づき、前記移動体の複数の窓の各々の位置情報を特定し、特定した位置情報に基づいて、各窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを前記記憶装置から取得し、取得したオブジェクトを対応する窓にオブジェクトを投影する投影装置に配信し、
前記複数の投影装置は、配信されたオブジェクトを対応する窓に投影することで前記オブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示させるオブジェクト表示システム。
【請求項10】
移動体の基準点となる位置情報を取得する位置情報取得装置と、オブジェクトと前記オブジェクトを前記移動体の複数の窓の各々に表示させるための表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置と、前記窓に前記オブジェクトを投影させ、表示させるための、各窓に対応する複数の投影装置と、前記オブジェクト記憶装置に記憶されているオブジェクトを前記複数の投影装置に配信するオブジェクト配信装置と、がネットワークを介して接続されたオブジェクト表示システムであって、
前記オブジェクト配信装置は、前記位置情報取得装置で取得された移動体の基準点となる位置情報に基づき、前記移動体の複数の窓のうち前記移動体の進行方向に対して最初の窓の位置情報を特定し、特定した位置情報に基づいて、前記窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを前記記憶装置から取得し、取得したオブジェクトを前記窓にオブジェクトを投影する投影装置に配信すると共に、移動体の速度情報に応じて、前記最初の窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信したオブジェクトを前記窓から進行方向に対して後ろの窓にオブジェクトを投影する投影装置に順次、配信し、
前記複数の投影装置は、配信されたオブジェクトを対応する窓に投影することで前記オブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示させるオブジェクト表示システム。
【請求項11】
移動体の基準点となる位置情報を取得する位置情報取得装置と、前記移動体の複数の窓の各々に設置されている複数のオブジェクト表示装置に表示させるオブジェクトと前記オブジェクトの表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置と、前記オブジェクト記憶装置に記憶されているオブジェクトを前記複数のオブジェクト表示装置に配信するオブジェクト配信装置と、前記複数のオブジェクト表示装置と、がネットワークを介して接続されたオブジェクト表示システムにおけるオブジェクト表示方法であって、
前記オブジェクト配信装置が、前記位置情報取得装置で取得された移動体の基準点となる位置情報に基づき、前記移動体の複数の窓の各々の位置情報を特定し、特定した位置情報に基づいて、各窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを前記記憶装置から取得し、取得したオブジェクトを対応する各窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信するステップと、
各窓に設置されているオブジェクト表示装置が、配信されたオブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示するステップと、
を含むオブジェクト表示方法。
【請求項12】
移動体の基準点となる位置情報を取得する位置情報取得装置と、前記移動体の複数の窓の各々に設置されている複数のオブジェクト表示装置に表示させるオブジェクトと前記オブジェクトの表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置と、前記オブジェクト記憶装置に記憶されているオブジェクトを前記複数のオブジェクト表示装置に配信するオブジェクト配信装置と、前記複数のオブジェクト表示装置と、がネットワークを介して接続されたオブジェクト表示システムにおけるオブジェクト表示方法であって、
前記オブジェクト配信装置が、前記位置情報取得装置で取得された移動体の基準点となる位置情報に基づき、前記移動体の複数の窓のうち前記移動体の進行方向に対して最初の窓の位置情報を特定し、特定した位置情報に基づいて、前記窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを前記記憶装置から取得し、取得したオブジェクトを前記窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信すると共に、移動体の速度情報に応じて、前記最初の窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信したオブジェクトを前記窓から進行方向に対して後ろの窓に設置されているオブジェクト表示装置に順次、配信するステップと、
各窓に設置されているオブジェクト表示装置が、配信されたオブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示するステップと、
を含むオブジェクト表示方法。
【請求項13】
移動体の基準点となる位置情報を取得する位置情報取得装置と、オブジェクトと前記オブジェクトを前記移動体の複数の窓の各々に表示させるための表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置と、前記窓に前記オブジェクトを投影させ、表示させるための、各窓に対応する複数の投影装置と、前記オブジェクト記憶装置に記憶されているオブジェクトを前記複数の投影装置に配信するオブジェクト配信装置と、がネットワークを介して接続されたオブジェクト表示システムにおけるオブジェクト表示方法であって、
前記オブジェクト配信装置が、前記位置情報取得装置で取得された移動体の基準点となる位置情報に基づき、前記移動体の複数の窓の各々の位置情報を特定し、特定した位置情報に基づいて、各窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを前記記憶装置から取得し、取得したオブジェクトを対応する窓にオブジェクトを投影する投影装置に配信するステップと、
前記複数の投影装置が、配信されたオブジェクトを対応する窓に投影することで前記オブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示させるステップと、
を含むオブジェクト表示方法。
【請求項14】
移動体の基準点となる位置情報を取得する位置情報取得装置と、オブジェクトと前記オブジェクトを前記移動体の複数の窓の各々に表示させるための表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置と、前記窓に前記オブジェクトを投影させ、表示させるための、各窓に対応する複数の投影装置と、前記オブジェクト記憶装置に記憶されているオブジェクトを前記複数の投影装置に配信するオブジェクト配信装置と、がネットワークを介して接続されたオブジェクト表示システムにおけるオブジェクト表示方法であって、
前記オブジェクト配信装置が、前記位置情報取得装置で取得された移動体の基準点となる位置情報に基づき、前記移動体の複数の窓のうち前記移動体の進行方向に対して最初の窓の位置情報を特定し、特定した位置情報に基づいて、前記窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを前記記憶装置から取得し、取得したオブジェクトを前記窓にオブジェクトを投影する投影装置に配信すると共に、移動体の速度情報に応じて、前記最初の窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信したオブジェクトを前記窓から進行方向に対して後ろの窓にオブジェクトを投影する投影装置に順次、配信するステップと、
前記複数の投影装置が、配信されたオブジェクトを対応する窓に投影することで前記オブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示させるステップと、
を含むオブジェクト表示方法。
【請求項1】
移動体の基準点となる位置情報を取得する位置情報取得装置と、前記移動体の複数の窓の各々に設置されている複数のオブジェクト表示装置に表示させるオブジェクトと前記オブジェクトの表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置と、前記オブジェクト記憶装置に記憶されているオブジェクトを前記複数のオブジェクト表示装置に配信するオブジェクト配信装置と、前記複数のオブジェクト表示装置と、がネットワークを介して接続されたオブジェクト表示システムであって、
前記オブジェクト配信装置は、前記位置情報取得装置で取得された移動体の基準点となる位置情報に基づき、前記移動体の複数の窓の各々の位置情報を特定し、特定した位置情報に基づいて、各窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを前記記憶装置から取得し、取得したオブジェクトを対応する各窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信し、
各窓に設置されているオブジェクト表示装置は、配信されたオブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示するオブジェクト表示システム。
【請求項2】
前記オブジェクト配信装置は、特定した窓の位置情報と、前記窓の視野と、前記記憶装置から取得したオブジェクトの前記表示位置情報と、に基づいて、前記オブジェクトの前記視野における表示位置を決定し、前記記憶装置から取得したオブジェクトと、前記オブジェクトの前記表示位置と、を対応する各窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信し、
各窓に設置されているオブジェクト表示装置は、配信されたオブジェクトを、配信された表示位置に表示することで窓の外の風景に重畳して表示する請求項1記載のオブジェクト表示システム。
【請求項3】
前記オブジェクト記憶装置は、オブジェクトと、前記表示位置情報と、オブジェクトを表示する時間帯情報と、を関連付けて記憶し、
前記オブジェクト配信装置は、特定した視野に現在の時間に表示させるオブジェクトを前記記憶装置から取得し、取得したオブジェクトを対応する各窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信する請求項1又は2記載のオブジェクト表示システム。
【請求項4】
前記オブジェクト配信装置は、前記複数の窓のうち、一の窓より進行方向に存在する窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信するオブジェクトに基づき、前記一の窓に設置されているオブジェクト表示装置に対して配信する予告情報を決定し、決定した予告情報を前記一の窓に設置されているオブジェクト表示装置に対して配信し、
前記オブジェクト表示装置は、配信されたオブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示すると共に、配信された予告情報を進行方向の予告情報として前記風景に重畳して表示する請求項1乃至3何れか1項記載のオブジェクト表示システム。
【請求項5】
前記オブジェクトは、広告と、地域情報と、クーポン券と、二次元コードと、の何れか又は全てである請求項1乃至4何れか1項記載のオブジェクト表示システム。
【請求項6】
前記オブジェクト毎の表示条件を示す属性情報を含むオブジェクト情報を管理するオブジェクト情報管理装置を更に含み、
前記オブジェクト情報管理装置は、前記属性情報を前記オブジェクト配信装置に送信し、
前記オブジェクト配信装置は、前記属性情報が示す表示条件を満たす場合、前記オブジェクトを対応する各窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信する請求項1乃至5何れか1項記載のオブジェクト表示システム。
【請求項7】
前記オブジェクト情報には、前記オブジェクト毎の表示の単価情報が更に含まれ、
前記オブジェクト配信装置は、前記オブジェクトを表示した実績情報を前記オブジェクト情報管理装置に送信し、
前記オブジェクト情報管理装置は、前記オブジェクト配信装置から受信した前記オブジェクトの実績情報をオブジェクト毎に格納し、オブジェクト毎に前記実績情報と、前記表示の単価情報と、に基づいて、請求額を算出する請求項6記載のオブジェクト表示システム。
【請求項8】
移動体の基準点となる位置情報を取得する位置情報取得装置と、前記移動体の複数の窓の各々に設置されている複数のオブジェクト表示装置に表示させるオブジェクトと前記オブジェクトの表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置と、前記オブジェクト記憶装置に記憶されているオブジェクトを前記複数のオブジェクト表示装置に配信するオブジェクト配信装置と、前記複数のオブジェクト表示装置と、がネットワークを介して接続されたオブジェクト表示システムであって、
前記オブジェクト配信装置は、前記位置情報取得装置で取得された移動体の基準点となる位置情報に基づき、前記移動体の複数の窓のうち前記移動体の進行方向に対して最初の窓の位置情報を特定し、特定した位置情報に基づいて、前記窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを前記記憶装置から取得し、取得したオブジェクトを前記窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信すると共に、移動体の速度情報に応じて、前記最初の窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信したオブジェクトを前記窓から進行方向に対して後ろの窓に設置されているオブジェクト表示装置に順次、配信し、
各窓に設置されているオブジェクト表示装置は、配信されたオブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示するオブジェクト表示システム。
【請求項9】
移動体の基準点となる位置情報を取得する位置情報取得装置と、オブジェクトと前記オブジェクトを前記移動体の複数の窓の各々に表示させるための表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置と、前記窓に前記オブジェクトを投影させ、表示させるための、各窓に対応する複数の投影装置と、前記オブジェクト記憶装置に記憶されているオブジェクトを前記複数の投影装置に配信するオブジェクト配信装置と、がネットワークを介して接続されたオブジェクト表示システムであって、
前記オブジェクト配信装置は、前記位置情報取得装置で取得された移動体の基準点となる位置情報に基づき、前記移動体の複数の窓の各々の位置情報を特定し、特定した位置情報に基づいて、各窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを前記記憶装置から取得し、取得したオブジェクトを対応する窓にオブジェクトを投影する投影装置に配信し、
前記複数の投影装置は、配信されたオブジェクトを対応する窓に投影することで前記オブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示させるオブジェクト表示システム。
【請求項10】
移動体の基準点となる位置情報を取得する位置情報取得装置と、オブジェクトと前記オブジェクトを前記移動体の複数の窓の各々に表示させるための表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置と、前記窓に前記オブジェクトを投影させ、表示させるための、各窓に対応する複数の投影装置と、前記オブジェクト記憶装置に記憶されているオブジェクトを前記複数の投影装置に配信するオブジェクト配信装置と、がネットワークを介して接続されたオブジェクト表示システムであって、
前記オブジェクト配信装置は、前記位置情報取得装置で取得された移動体の基準点となる位置情報に基づき、前記移動体の複数の窓のうち前記移動体の進行方向に対して最初の窓の位置情報を特定し、特定した位置情報に基づいて、前記窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを前記記憶装置から取得し、取得したオブジェクトを前記窓にオブジェクトを投影する投影装置に配信すると共に、移動体の速度情報に応じて、前記最初の窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信したオブジェクトを前記窓から進行方向に対して後ろの窓にオブジェクトを投影する投影装置に順次、配信し、
前記複数の投影装置は、配信されたオブジェクトを対応する窓に投影することで前記オブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示させるオブジェクト表示システム。
【請求項11】
移動体の基準点となる位置情報を取得する位置情報取得装置と、前記移動体の複数の窓の各々に設置されている複数のオブジェクト表示装置に表示させるオブジェクトと前記オブジェクトの表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置と、前記オブジェクト記憶装置に記憶されているオブジェクトを前記複数のオブジェクト表示装置に配信するオブジェクト配信装置と、前記複数のオブジェクト表示装置と、がネットワークを介して接続されたオブジェクト表示システムにおけるオブジェクト表示方法であって、
前記オブジェクト配信装置が、前記位置情報取得装置で取得された移動体の基準点となる位置情報に基づき、前記移動体の複数の窓の各々の位置情報を特定し、特定した位置情報に基づいて、各窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを前記記憶装置から取得し、取得したオブジェクトを対応する各窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信するステップと、
各窓に設置されているオブジェクト表示装置が、配信されたオブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示するステップと、
を含むオブジェクト表示方法。
【請求項12】
移動体の基準点となる位置情報を取得する位置情報取得装置と、前記移動体の複数の窓の各々に設置されている複数のオブジェクト表示装置に表示させるオブジェクトと前記オブジェクトの表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置と、前記オブジェクト記憶装置に記憶されているオブジェクトを前記複数のオブジェクト表示装置に配信するオブジェクト配信装置と、前記複数のオブジェクト表示装置と、がネットワークを介して接続されたオブジェクト表示システムにおけるオブジェクト表示方法であって、
前記オブジェクト配信装置が、前記位置情報取得装置で取得された移動体の基準点となる位置情報に基づき、前記移動体の複数の窓のうち前記移動体の進行方向に対して最初の窓の位置情報を特定し、特定した位置情報に基づいて、前記窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを前記記憶装置から取得し、取得したオブジェクトを前記窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信すると共に、移動体の速度情報に応じて、前記最初の窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信したオブジェクトを前記窓から進行方向に対して後ろの窓に設置されているオブジェクト表示装置に順次、配信するステップと、
各窓に設置されているオブジェクト表示装置が、配信されたオブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示するステップと、
を含むオブジェクト表示方法。
【請求項13】
移動体の基準点となる位置情報を取得する位置情報取得装置と、オブジェクトと前記オブジェクトを前記移動体の複数の窓の各々に表示させるための表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置と、前記窓に前記オブジェクトを投影させ、表示させるための、各窓に対応する複数の投影装置と、前記オブジェクト記憶装置に記憶されているオブジェクトを前記複数の投影装置に配信するオブジェクト配信装置と、がネットワークを介して接続されたオブジェクト表示システムにおけるオブジェクト表示方法であって、
前記オブジェクト配信装置が、前記位置情報取得装置で取得された移動体の基準点となる位置情報に基づき、前記移動体の複数の窓の各々の位置情報を特定し、特定した位置情報に基づいて、各窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを前記記憶装置から取得し、取得したオブジェクトを対応する窓にオブジェクトを投影する投影装置に配信するステップと、
前記複数の投影装置が、配信されたオブジェクトを対応する窓に投影することで前記オブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示させるステップと、
を含むオブジェクト表示方法。
【請求項14】
移動体の基準点となる位置情報を取得する位置情報取得装置と、オブジェクトと前記オブジェクトを前記移動体の複数の窓の各々に表示させるための表示位置情報とを関連付けて記憶するオブジェクト記憶装置と、前記窓に前記オブジェクトを投影させ、表示させるための、各窓に対応する複数の投影装置と、前記オブジェクト記憶装置に記憶されているオブジェクトを前記複数の投影装置に配信するオブジェクト配信装置と、がネットワークを介して接続されたオブジェクト表示システムにおけるオブジェクト表示方法であって、
前記オブジェクト配信装置が、前記位置情報取得装置で取得された移動体の基準点となる位置情報に基づき、前記移動体の複数の窓のうち前記移動体の進行方向に対して最初の窓の位置情報を特定し、特定した位置情報に基づいて、前記窓からの視野を特定し、前記特定した視野と、前記表示位置情報と、に基づいて前記特定した視野に表示させるオブジェクトを前記記憶装置から取得し、取得したオブジェクトを前記窓にオブジェクトを投影する投影装置に配信すると共に、移動体の速度情報に応じて、前記最初の窓に設置されているオブジェクト表示装置に配信したオブジェクトを前記窓から進行方向に対して後ろの窓にオブジェクトを投影する投影装置に順次、配信するステップと、
前記複数の投影装置が、配信されたオブジェクトを対応する窓に投影することで前記オブジェクトを窓の外の風景に重畳して表示させるステップと、
を含むオブジェクト表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2011−227469(P2011−227469A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55363(P2011−55363)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(000191076)新日鉄ソリューションズ株式会社 (136)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(000191076)新日鉄ソリューションズ株式会社 (136)
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