説明

オブジェクト計数装置

【課題】オブジェクトの状態にかかわらず、オブジェクトの数を正確に検出することのできるオブジェクト計数装置が望まれていた。
【解決手段】シート状または冊子状の計数対象物(以下「オブジェクト」と言う)の数を計数するためのオブジェクト計数装置10であって、オブジェクトを積層状態で収納するための収納部20と、前記収納部に収納された積層状態のオブジェクトをオブジェクトの厚さ方向(積層方向)へ走査するセンサ11と、前記センサの出力を予め登録されたパラメータおよび閾値情報を用い処理する計数処理部13と、前記計数処理部で得られた計数値を出力する出力部12と、前記収納部に収納されたオブジェクトの状態情報を入力するための入力部18と、前記入力部によって入力された状態情報に応答して、前記計数処理部の計数処理内容を変更する計数方法変更手段13とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状または冊子状の計数対象物(以下、本明細書において「オブジェクト」と言うことがある。)の数を計数するためのオブジェクト計数装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、積層状態にあるオブジェクトの数を自動的に計数する装置が利用されている。たとえば、特許文献1に記載された通帳取扱装置は、オブジェクトとしての通帳を計数する装置であり、金融機関で利用されている。
この通帳取扱装置は、通帳の背部に光を照射し、その反射光を受光して電気信号に変換するフォトリフレクタを備えている。スタッカ内に積層状態に揃えて装填された複数の通帳の背部を厚さ方向にフォトリフレクタで走査することによって得た電気信号の出力に基づいて、スタッカ内の通帳の冊数を計数している。具体的には、通帳の数に対応した電気信号の出力の山と谷の部分の間に一定の値(スライスレベル)を設定し、フォトリフレクタが得た出力が、この一定の値を超えてピークを形成する回数を計数することで、スタッカ内の通帳の冊数を計数している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−77268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通帳取扱装置に収納される通帳には、その背部が複数色となっていたり、反っていたりする場合がある。このような通帳に対しては、従来の装置では、通帳の計数を正確に行えないことがある。たとえば、通帳の背部が複数色となっている場合に、フォトリフレクタを通帳の背部に対して厚さ方向に走査すると、フォトリフレクタが得る出力は色の影響から1冊の通帳であっても複数の凹凸を形成することとなり、その結果、一定の値を越えた複数のピークを形成することになる。このため、1冊の通帳を2冊と計数してしまうという問題があった。
【0005】
また、通帳が反っている場合に、フォトリフレクタを通帳の背部に対して厚さ方向に走査すると、最も端に位置する通帳から得るフォトリフレクタの出力が、他の通帳から得るフォトリフレクタの出力の幅よりも大きくなってしまうため、その出力が正しいものなのか異常なものなのかを判断することができず、通帳の数を正確に計数することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであって、オブジェクトの状態にかかわらず、オブジェクトの数を正確に検出することのできるオブジェクト計数装置を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、シート状または冊子状の計数対象物の数を計数するためのオブジェクト計数装置であって、計数対象物を積層状態で収納するための収納部と、前記収納部に収納された積層状態の計数対象物に対して計数対象物の厚さ方向へ走査するセンサと、前記センサの出力を予め登録されたパラメータおよび閾値情報を用い処理する計数処理部と、前記計数処理部で得られた計数値を出力する出力部と、前記収納部に収納された計数対象物の状態情報を入力するための入力部と、前記入力部によって入力された状態情報に応答して、前記計数処理部の計数処理内容を変更する計数方法変更手段と、を含むことを特徴とするオブジェクト計数装置である。
【0008】
請求項2記載の発明は、前記入力部は、前記収納部に収納された計数対象物の状態を操作者が確認し、手動で状態情報を入力するマニュアル入力部を含むことを特徴とする、請求項1記載のオブジェクト計数装置である。
請求項3記載の発明は、前記入力部は、前記状態情報を含む前記センサの出力を入力するオート入力部を含むことを特徴とする、請求項1に記載のオブジェクト計数装置である。
【0009】
請求項4記載の発明は、前記入力部は、計数対象物の状態の度合いに応じて、状態情報を複数段階に入力できることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のオブジェクト計数装置である。
請求項5記載の発明は、前記入力部は、計数対象物の状態に関し、複数のカテゴリーの状態情報を入力できることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のオブジェクト計数装置である。
【0010】
請求項6記載の発明は、前記入力部は、計数対象物の状態例を表示する表示部を有し、当該表示部に表示された状態例を参照して状態情報を入力できることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のオブジェクト計数装置である。
請求項7記載の発明は、前記収納部は、積層状態の計数対象物の積層方向一端側および他端側を押さえる一対の押さえ部を有し、前記押さえ部は、前記計数対象物に向かって傾斜した傾斜押さえ爪を含むことを特徴とする、請求項1記載のオブジェクト計数装置である。
【0011】
請求項8記載の発明は、前記収納部は、積層状態の計数対象物の積層方向の一端側および他端側を押さえる一対の押さえ部を有し、前記押さえ部は、前記計数対象物の面方向に揺動可能に設けられていることを特徴とする、請求項1または7記載のオブジェクト計数装置である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、収納部に収納する計数対象物の状態に応じて計数方法変更手段が計数方法を変更するため、計数対象物の状態が正規のものと異なる場合であっても、計数対象物を正しく計数することができる。
請求項2記載の発明によれば、収納部に収納された計数対象物の状態は、オペレータが目視により確認するので、計数対象物の状態に応じた情報を入力部から正しく入力することができる。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、収納部に収納された計数対象物の状態を自動で入力することができ、使い勝手の良い装置となる。
請求項4または5記載の発明によれば、計数対象物の状態に合わせたより細かな設定を行うことができるため、より適切で正確に計数対象物の計数をすることができる。
請求項6記載の発明によれば、操作者がたとえば銀行の行員の場合に、収納部に収納された計数対象物の状態を、表示部に表示された計数対象物の状態と比較しながら確認し、計数対象物の状態に応じた適切な情報入力を行うことができる。
【0014】
請求項7記載の発明によれば、押さえ部が傾斜押さえ爪を含むため、計数対象物に縦方向の反りが生じている場合であっても、傾斜押さえ爪によって縦方向の反りが生じた計数対象物との間に隙間が生じることがなく、隙間に起因する計数不良を回避することができる。
請求項8記載の発明によれば、押さえ部は計数対象物の面方向に揺動可能に設けられているから、計数対象物に横方向の反りが生じていて、計数対象物の反りにより押さえ部との間に隙間が生じようとしても、隙間が生じないように押さえ部が揺動する。従って、隙間が生じることに起因する計数不良を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る通帳取扱装置内部の概略図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係る通帳取扱装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、波形抽出部における処理を説明するための図である。
【図4】図4は、検証部における天地判定処理を説明するための図である。
【図5】図5は、検証部における凹部検証処理を説明するための図である。
【図6】図6は、検証部における幅検証処理を説明するための図である。
【図7】図7は、通帳取扱装置が実行する計数処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、通帳取扱装置の検証部が実行する天地判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図9は、通帳取扱装置の検証部が実行する凹部検証処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、通帳取扱装置の検証部が実行する幅検証処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】図11は、入力部に備えられた表示部の一例を示す図である。
【図12】図12は、判断基準表示の例を示し、(A)は通帳に反りがあることを示す判断基準画像であり、(B)は通帳の背に色混在があることを示す判断基準画像である。
【図13】図13は、入力部からの状態情報入力に基づいて切り出し位置が補正されることを示す図である。
【図14】図14は、入力部からの状態情報入力に基づいて、(A)の検出データが(B)のデータに補正されることを示す図である。
【図15】図15は、通帳取扱装置に備えられている通帳の収納部を示す図である。
【図16】図16は、通帳の反りを説明する図である。
【図17】図17は、通帳の反り(縦方向の反り)により隙間が生じることを説明する図である。
【図18】図18は、通帳の反り(横方向の反り)により隙間が生じることを説明する図である。
【図19】図19は、通帳押さえ部の構成を説明する図解的な側面図である。
【図20】図20は、樹脂ブロックおよび通帳押さえ部の図解的な平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。実施形態の説明では、オブジェクト計数装置の一例として、金融機関で使用される通帳取扱装置を例にとって説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る通帳取扱装置内部の概略図である。なお、同図では、通帳取扱装置の特徴を説明するために必要な計数機構の一部のみを示しており、計数機構の形状や構成部品などを限定するものではない。また、図1の(A)には、通帳取扱装置内部をY軸の正方向からみた概略上面図を、図1の(B)には、同装置内部をZ軸の負方向からみた概略側面図を示している。
【0017】
図1の(A)および(B)に示したように、通帳取扱装置は、主センサ11aと副センサ11bとを有している。かかる両センサはセンサ基盤(図示せず)にZ軸と平行に配置され、センサ基盤ごと方向100(図1のX軸の正方向および負方向)への移動を可能とする。
なお、図1の(A)に示したように、両センサの可動範囲は可動範囲sであり、Y軸の正方向からみた両センサの走査範囲はセンサ通過範囲fである。また、いずれを主センサとして扱うかは、あらかじめ設定可能とし、また、運用中も適宜変更可能とする。
【0018】
また、主センサ11aおよび副センサ11bは、発光素子と受光素子とを有するいわゆる反射型センサである。したがって両センサは、オブジェクト(被計数物)である通帳の端面へ向けて発光し、かかる発光を通帳の端面が反射した光を受光することで走査を行う(図1の(B)の折れ矢印300参照)。
また、両センサは焦点距離を異にしており(図1の(B)のd1およびd2を参照)、たとえば、浮いたまま収納された通帳500aの検出結果が両センサであえて異なるように設けられている。これは、端面を整えて収納された通帳500bについても同様であり、すなわち各センサの検出結果を併用するための前提となるものである。
【0019】
また、図1の(A)および(B)に示したように、通帳取扱装置は通帳を収納するための収納部20を有している。かかる収納部20は、仕切り板30によって複数の区画を構成する。そして、かかる区画ごとに計数対象となる通帳が積層状態で収納される。この際に通帳は通常、背が図1のY軸の正方向へ、前小口(背の反対側)が図1のY軸の負方向へ向くように収納される。なお、仕切り板30は収納部20に固定されている。
【0020】
そして、仕切り板30ごとに対応する押さえ板40が設けられている。かかる押さえ板40は可動式であり、方向200(図1のX軸の正方向および負方向)への移動を可能とする。かかる押さえ板40は、計数の際に、積層して収納された通帳の厚みが一様となるように通帳を仕切り板30の方向(図1のX軸の正方向)へと加圧する。なお、押さえ板40の可動範囲は、図1の(B)に示した可動範囲mである。
【0021】
また、仕切り板30および押さえ板40は、上面の所定の方向(図1のZ軸の正方向および負方向)へ延伸する樹脂ブロック50を設けている。かかる樹脂ブロック50の設置は、主センサ11aおよび副センサ11bの検出結果から計数対象範囲を切り出す際に、樹脂ブロック50の位置を切り出し位置の指標として特定するためのものである。したがって、樹脂ブロック50は、両センサの検出結果において特定が可能なように、以下に示す2つの特徴を有している。
【0022】
まず、1つめの特徴は、樹脂ブロック50は、図1のXY平面で切断した断面の形状が、直角を頂点とする直角三角形となっており、さらに、かかる頂点が丸みを帯びたいわゆるR形状になっている点である。このため、仮に主センサ11aあるいは副センサ11bの設置に傾き誤差が存在しても、傾きを含んだうえでの検出結果を得ることができる。
また、上述した断面形状の傾斜によって、主センサ11aおよび副センサ11bの受光素子が反射光を受けにくくなるため、樹脂ブロック50の頂点の反射光のみを特定しやすくすることができる。なお、図1の(B)の拡大図gには、樹脂ブロック50の頂点が半径3ミリのR形状である場合を示しているが、通帳取扱装置の検証試験などを通じて、樹脂ブロック50の位置特定に適正な検出結果が得られる形状とすればよい。
【0023】
2つめの特徴は、樹脂ブロック50は反射率の高い白色を基調としつつ、透過率の低い素材で構成されている点である。このため、樹脂ブロック50は、主センサ11aおよび副センサ11bの検出結果において高い出力値を示すことが期待できるので、樹脂ブロック50の位置を特定しやすくすることができる。
なお、本実施例では、樹脂ブロック50が樹脂製である場合を示しているが、反射率が高く、また透過率の低いものであればよく、素材を限定するものではない。
【0024】
また、図1の(A)および(B)に示したように、仕切り板30および押さえ板40は、センサ通過範囲f内にあたる箇所に切り欠き60を有している。かかる切り欠き60は、主センサ11aおよび副センサ11bの検出結果から計数対象範囲を切り出す際に、樹脂ブロック50の位置を切り出し位置の指標として特定しやすくするためのものである。具体的には、切り欠き60は反射率の低い黒色を基調としているため、対照的に反射率の高い樹脂ブロック50の位置を検出結果のうえで明確化する役割を果たす。
【0025】
また、図1の(B)の拡大図gに示したように、樹脂ブロック50の頂点から通帳と接触する端面までの最短距離i上に切り欠き60が存在することで、樹脂ブロック50と通帳との間に確実に検出結果の差異をつけることができる。
なお、最短距離iについては、通帳取扱装置の検証試験などを通じてあらかじめ計測しておけば、主センサ11aあるいは副センサ11bの汚れなどによる信号入出力低下の場合にも、上述の切り出し位置特定の判定材料とすることができる。また、かかる最短距離iの計測にあたっては、機構部品の製造ばらつきや組み立てによるばらつきを考慮して、仕切り板30と押さえ板40との間に厚さ0.5ミリ程度の治具を挟んで計測することが好ましい。
【0026】
次に、本発明の一実施形態に係る通帳取扱装置10の構成について図2を用いて説明する。図2は、通帳取扱装置10の構成を示すブロック図である。なお、図2では、通帳取扱装置10の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
図2に示すように、通帳取扱装置10は、センサ部11と、通知部12と、制御部13と、記憶部14とを備えている。また、制御部13は、波形抽出部13aと、凹凸計数部13bと、検証部13cと、計数結果判定部13dと、切替部13eとをさらに備えており、記憶部14は、抽出変数群14aと、閾値情報14bと、計数情報14cとを記憶する。通帳取扱装置10の特徴は、記憶部14に対して入力を行うための入力部18が備えられていることである。入力部18は、後述するように、通帳取扱装置10の操作者(オペレータ)により手動で予め定める状態情報や信号を入力するために設けられている。
【0027】
センサ部11は、センサからの信号を受け取り、波形抽出部13aに対して通知する入力デバイスである。また、センサ部11は、図1に示した主センサ11aや副センサ11bなどのセンサごとに個別に存在する。したがって、通帳取扱装置10に複数のセンサが設けられている場合には、複数のセンサ部11が並列して計数処理を実行することになる。
【0028】
通知部12は、計数結果判定部13dからの計数値や、正常終了や異常終了といった終了ステータスなどの計数結果通知を受け取る処理部であり、特に構成を限定されない。したがって、通知部12は、通帳取扱装置10を含んだシステムの構成によっては、他の装置とのインタフェースデバイスにもなりうる。たとえば、計数結果を通帳取扱装置10の上位装置にて出力する場合には、通知部12は、計数結果判定部13dからの計数結果通知を上位装置に対して出力することになる。
【0029】
制御部13は、センサ部11から入力した信号に基づいて通帳の部数の計数を行い、行った計数結果を検証および判定して通知部12に対して通知する処理を行う処理部である。また、制御部13は、計数結果の判定内容によってはセンサの切替を行い、他のセンサから得た出力による再計数処理の制御などを行う処理部でもある。
波形抽出部13aは、センサ部11から入力した信号に基づいて計数可能な形のデータへ加工する処理を行う処理部である。また、加工したデータを凹凸計数部13bに対して通知する処理部でもある。
【0030】
ここで、波形抽出部13aについて、図3を用いてさらに詳細に説明しておく。図4は、波形抽出部13aにおける処理を説明するための図である。なお、図3の(A)には、波形データの抽出を説明する図を、図3の(B)には、波形データの平滑化を説明する図を、図3の(C)には、波形データの切り出しを説明する図を、それぞれ示している。
図3の(A)に示したように、波形抽出部13aは、センサ部11から入力した信号を波形データとしてサンプリングする。この際、波形抽出部13aは、記憶部14の抽出変数群14aに予め格納されているサンプリング間隔値を参照して処理を行う。なお、図3の(A)に示すサンプリング範囲tが1冊の通帳、すなわち計数単位をあらわしている。
【0031】
また、波形抽出部13aは、図3の(A)に示した波形データに基づき、波形データを平滑化する処理を行う(図3の(B)参照)。ここにいう平滑化とは、各サンプリングポイントと前後のサンプリングポイントとの平均値をあらたなサンプリングポイントとするもので、波形データの細かい変化を逓減させてノイズ成分を抑える効果を得ることができる。
【0032】
なお、波形抽出部13aは、記憶部14の抽出変数群14aにあらかじめ格納されている平滑化変数を参照して処理を行う。ここで、図3の(B)に示した「平滑化(3)」とは、3つのサンプリングポイント平均値であることをあらわしており、この場合の平滑化変数は3となる。
また、波形抽出部13aは、図3の(B)に示した平滑化後の波形データから、図3の(C)に示したように計数対象範囲を切り出す処理を行う。この際、波形抽出部13aは、記憶部14の抽出変数群14aに予め格納されている樹脂ブロック50位置特定情報を参照して処理を行う。かかる樹脂ブロック50位置特定情報は、図1で示した樹脂ブロック50の位置を特定するための最短距離iなどを含む。なお、図3の(C)に示したBおよびBは、樹脂ブロック50の頂点部をあらわしている。
【0033】
図2の説明に戻り、凹凸計数部13bについて説明する。凹凸計数部13bは、波形抽出部13aが加工したデータに基づいて通帳を計数する処理を行う処理部である。具体的には、計数対象範囲すべての凹凸部を検出して、1つの凸部を挟んで隣り合う凹部から凹部の間を計数単位とし、かかる計数単位の計数を行う。この際、凹凸計数部13bは、記憶部14の閾値情報14bに予め格納されている各凹凸部を検出するための電圧閾値を参照して処理を行う。また、凹凸計数部13bは、検出したすべての凹凸部と計数単位の計数値とを、検証部13cに対して通知する処理を行う処理部でもある。
【0034】
また、凹凸計数部13bは、切替部13eからの再計数指示を受け取り、あらたに計数対象となったセンサのデータに基づいて通帳を計数する処理を行う処理部でもある。なお、センサ部11と、波形抽出部13aと、凹凸計数部13bとで各センサに対応する計数処理部を構成することになる。
検証部13cは、凹凸計数部13bが検出したすべての凹凸部に基づいてデータを検証する処理を行う処理部である。また、かかるデータの検証結果と凹凸計数部13bから受け取った計数値とを計数結果判定部13dに対して通知する処理を行う処理部でもある。
【0035】
ここで、検証部13cについて、図4〜図6を用いてさらに詳細に説明しておく。図4は、検証部13cにおける天地判定処理を説明するための図を、図5は、検証部13cにおける凹部検証処理を説明するための図を、図6は、検証部13cにおける幅検証処理を説明するための図を、それぞれ示している。
まず、検証部13cは、凹凸計数部13bが検出したすべての凸部を処理対象として通帳の天地判定処理を行う。ここにいう天地とは、通常の紙葉類の部位名称としての天地ではなく、図1に示したY軸の正方向を天とし、Y軸の負方向を地とした場合を指す。すなわち、天地判定処理では、通帳の前小口(背の反対側)が天へ向いて収納されている、いわゆる逆向きに収納されている通帳が、計数対象範囲の中に存在するか否かを判定する処理を行う。
【0036】
図4に示したように、センサの検出結果においては、通帳の収納状態の差異は所定の区間のサンプリングポイント数の差異としてあらわれてくる。たとえば、図4に示した1冊正常の場合のH区間のサンプリングポイント数は4個、1冊逆の場合のH区間は6個、2冊逆の場合のH区間は12個である。したがって、所定のサンプリングポイント数を閾値とすれば、天地逆向きで収納された通帳の検出が可能となる。そして、通帳が天地逆向きで収納されていた場合でも、図4に示した1冊逆の場合のように、適正に凹部が検出されていれば、計数単位として計数を行うことが可能である。しかしながら、図4に示した2冊逆の場合の枠Pのように、適正に凹部が検出されていなければ、計数単位として計数を行うことができない。
【0037】
そこで、検証部13cの天地判定処理は、通帳が2冊以上連続して天地逆向きであるために計数不能である場合を、閾値として設定した所定のサンプリングポイント数に基づいて天地判定する処理を行う。以下に、かかる処理の手順を説明する。
まず、検証部13cの天地判定処理は、前小口(背の反対側)を天方向へ向けて収納された通帳を検出するため、所定の電圧値以上の凸部を検索する。通常、通帳の前小口は白色であるため、センサの光を受けた際の反射率が高くなり、所定の電圧値以上の出力値を示すからである。ここで、所定の電圧値は、図5のhで示した値であり、記憶部14の閾値情報14bに格納されている。
【0038】
つづいて、検証部13cの天地判定処理は、サンプリングポイントを計数する区間を区切るため、検出した凸部の電圧値から境界電圧を算出する。ここで、境界電圧は、図4に示したbであり、あらかじめ記憶部14の閾値情報14bに格納された所定の比率に基づいて算出される。そして、検証部13cの天地判定処理は、図4に示した境界電圧bによって区切られた区間(同図の区間H、区間H、区間H参照)のサンプリングポイントの計数を行う。そして、計数したサンプリングポイント数と所定のサンプリングポイント数の閾値とを比較して、天地逆向きの通帳が2冊以上連続しているか否かの判定を行い、2冊以上連続していれば天地判定を異常とする。
【0039】
次に、図5を用いて、検証部13cにおける凹部検証処理を説明する。図5は、検証部13cにおける凹部検証処理を説明するための図である。なお、図5の(A−a)には、検証部13cの凹部検証処理における正常なパターンの例を、図5の(A−b)には、同処理における異常なパターンの例を、それぞれ示している。
ここで、たとえば黒色や青色といった、センサの光を受けた際の反射率が低い暗色の通帳が計数対象としてある場合に、図5の(A−a)に示した正常なパターンでは、同図に示した点γである凸部と両隣に位置する2つの凹部とを、凹凸計数部13bが適正に検出している。また、図5の(A−b)に示した異常なパターンでは、同図に示した枠γ周辺の凸部と右隣の凹部とを、凹凸計数部13bが適正に検出していない。したがって、図5の(A−b)に示した異常なパターンでは、同図に示した区間Hおよび区間Hをそれぞれ計数単位としてしまうため、同図に示した例では通帳が3冊と計数されるべきところを2冊と計数してしまい、正確な計数結果が得られなくなる。
【0040】
かかる正常なパターンと異常なパターンとの差異は、図5の(A−a)および(A−b)に示した点α、点β、点γである各凸部の区間T、区間Tのサンプリング間隔数の差異としてあらわれてくる。したがって、所定のサンプリング間隔数を閾値とすれば、かかる正常なパターンと異常なパターンとの判別が可能となる。
そこで、検証部13cの凹部検証処理は、黒色や青色といった暗色の通帳が計数対象としてある場合に、正常なパターンと異常なパターンとの判別を、閾値として設定した所定のサンプリング間隔数に基づいて行う。以下に、かかる処理の手順を説明する。
【0041】
まず、検証部13cの凹部検証処理は、所定の電圧値以下の凹部を検索する。通常、通帳が黒色や青色といった暗色である場合、センサの光を受けた際の反射率が低くなり、所定の電圧値以下の出力値を示すからである。ここで、所定の電圧値は、図5のbで示した値であり、記憶部14の閾値情報14bに格納されている。
つづいて、検証部13cの凹部検証処理は、検出した凹部の両隣に位置する2つの凸部間を、サンプリング間隔を計数する区間として区切り(図5の(A−a)および(A−b)の区間T、区間T参照)、サンプリング間隔の計数を行う。そして、計数したサンプリング間隔数と所定のサンプリング間隔数の閾値とを比較して、正常なパターンと異常なパターンとの判別を行い、異常なパターンと判別すれば凹部検証を異常とする。
【0042】
次に、図6を用いて、検証部13cにおける幅検証処理を説明する。図6は、検証部13cにおける幅検証処理を説明するための図である。なお、図6の(A)には、計数単位あたりのサンプリング間隔数を示す図を、図6の(B−a)には、幅検証処理における正常なパターンの例を、図6の(B−b)には、同処理における異常なパターンの例を、それぞれ示している。
【0043】
検証部13cは、凹凸計数部13bが検出したすべての凹凸部を処理対象として幅検証処理を行う。ここにいう幅検証とは、通帳取扱装置10の対応規格外である幅を有する通帳の存否を判定することを指す。そこで、検証部13の幅検証処理は、すべての凹凸部から計数単位あたりのセンサ通過時間を検証して、適正でない幅を有する通帳の存否を判定する処理を行う。
【0044】
まず、検証部13cの幅検証処理は、凹凸計数部13bが検出したすべての凹凸部を処理対象として、1つの凸部を挟んで隣り合う凹部から凹部の間、すなわち計数単位あたりのサンプリング間隔の計数を、すべての計数単位に対して行う。図6の(A)に示すtは、かかる計数単位あたりのサンプリング間隔数をあらわしている。
つづいて、検証部13cの幅検証処理は、上述した計数単位あたりのサンプリング間隔数の分布を求める(図6の(B−a)および(B−b)参照)。ここで、サンプリング間隔数とはセンサ通過時間と同義であるため、かかる分布は計数単位あたりのセンサ通過時間範囲をあらわすことになる。
【0045】
そして、検証部13cの幅検証処理は、計数単位あたりのセンサ通過時間範囲が所定の範囲内にあるか否かを判定する。ここにいう所定の範囲とは、通帳取扱装置10が対応する通帳幅をセンサ通過時間に換算した上限値および下限値の範囲であり、通帳取扱装置10運用前の検証試験などを経て、あらかじめ記憶部14の閾値情報14bに格納されている。
【0046】
ここで、図6の(B−a)に示したように、正常なパターンでは、すべての計数単位がセンサ通過時間の上限値(図6の(B−a)に示すL参照)および下限値(図6の(B−a)に示すL参照)の範囲内に存在するため、検証部13cの幅検証処理は、すべての通帳幅が適正であると判定する。
また、図6の(B−b)に示したように、異常なパターンでは、センサ通過時間の上限値(図6の(B−b)に示すL参照)および下限値(図6の(B−b)に示すL参照)の範囲外に計数単位が存在するため(図6の(B−b)に示す枠0参照)、検証部13cの幅検証処理は、適正でない幅を有する通帳が存在すると判定する。
【0047】
図2の説明に戻り、計数結果判定部13dについて説明する。計数結果判定部13dは、検証部13cから受け取ったデータの検証結果に基づき、計数結果を判定する処理を行う処理部である。
また、計数結果判定部13dは、かかる計数結果の判定に基づき、通知部12に対して処理結果を通知する処理を行う処理部でもある。さらに、計数結果判定部13dは、かかる計数結果の判定に基づき、切替部13eに対してセンサの出力についての切替指示を通知する処理を行う処理部でもある。
【0048】
具体的には、計数結果判定部13dは、検証部13cの検証結果から天地判定処理が正常であるか否かを判定する。そして、検証部13cの天地判定処理が正常でない場合、通帳のセット状態が異常である旨を通知部12に対して通知して、センサの出力の切り替えによる再計数を行わずに処理を終了する。なぜなら、天地逆向きの通帳による検証異常の場合には、センサの出力を切り替えて再計数を行っても、再度検証部13cの天地判定処理で異常となる可能性が高いためである。
【0049】
また、計数結果判定部13dは、検証部13cの天地判定処理が正常である場合、検証部13cの凹部検証処理または幅検証処理が正常であるか否かを判定する処理を行う。そして、いずれかの処理が異常である場合、計数結果判定部13dは、センサの出力を切り替えるべく切替部13eに対して、センサの出力についての切替指示を通知する。
そして、計数結果判定部13dは、検証部13cのすべての検証結果が正常である場合、検証部13cから受け取った計数値を、記憶部14の計数情報14cに登録する処理を行う。また、計数結果判定部13dは、同計数値を通知部12に対して通知する処理もあわせて行う。
【0050】
切替部13eは、計数結果判定部13dから受け取ったセンサの出力についての切替指示に基づき、これまで計数対象としたデータを別のセンサが出力したデータへと切り替える処理を行う処理部である。また、切替部13eは、凹凸計数部13bに対して再計数の指示を通知する処理を行う処理部でもある。
記憶部14は、ハードディスクドライブや不揮発性メモリといった記憶デバイスで構成される記憶部であり、抽出変数群14aと、閾値情報14bと、計数情報14cとを記憶する。
【0051】
なお、抽出変数群14aおよび閾値情報14bについては、通帳取扱装置10の運用前の検証試験などを経て、予め設定値として値が格納されている。かかる設定値については、運用に沿って適宜変更することとしてもよい。また、設定や変更などの手段についても特に限定する必要はなく、ハードウェアによることとしてもよいし、ソフトウェアによることとしてもよい。この実施形態に係る通帳取扱装置10では、図2に示すように、入力部18からの入力により、抽出変数群14aおよび/または閾値情報14bを変更し、修正可能になっている。その結果、入力部18から入力される入力内容に基づいて計数処理の内容が変更され、オブジェクトである通帳の状態に適応した計数方法により、正しい計数が実行される。この点については、後に詳述する。
【0052】
抽出変数群14aは、センサ部11の出力値を計数可能なデータへ加工する際に必要となるパラメータ群であり、波形抽出部13aによって参照される。具体的には、センサ部11の出力値を波形データとして抽出するためのサンプリング間隔値と、抽出した波形データを平滑化するための平滑化変数と、波形データの切り出し範囲を特定するための樹脂ブロック50位置特定情報とを含む。
【0053】
閾値情報14bは、波形抽出部13bが抽出した計数対象範囲の波形データを計数もしくは検証する際に必要となる閾値に関する情報であり、凹凸計数部13bおよび検証部13cによって参照される。具体的には、凹凸計数部13bが波形データの各凹凸部を検出するための電圧閾値と、検証部13cが波形データの検証を行うためのサンプリング間隔数閾値およびサンプリングポイント数閾値とを含む。
【0054】
計数情報14cは、計数対象である通帳の部数の計数値であり、計数結果判定部13dによって登録される。
次に、通帳取扱装置10が実行する処理手順について、図7を用いて説明する。図7は、通帳取扱装置10が実行する計数処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、図7では、通帳取扱装置10のセンサ機構が一方向のみ(たとえば、図1に示したX軸の正方向へのみ)走査した場合の処理手順を示しているが、実際には、往路復路の二方向分が連続して実行される。
【0055】
図7に示すように、通帳取扱装置10は、センサ部11の出力値を波形データとして抽出する(ステップS101)。そして、センサ部11から得た波形データを平滑化した後(ステップS102)、計数対象とする範囲の切り出しを行う(ステップS103)。なお、ステップS101からステップS103の処理は、通帳取扱装置10に設けられたセンサごとに並列して行われる。
【0056】
そして、通帳取扱装置10は、設けられたセンサのうちの1つを主センサとし、主センサ以外のセンサを副センサとして、まず、主センサから得た波形データを計数対象とする(ステップS104)。そして、計数対象とした波形データのすべての凹部および凸部を検出して、1つの凸部を挟んで隣り合う凹部から凹部を計数単位とし、計数を行う(ステップS105)。
【0057】
つづいて、通帳取扱装置10は、天地逆向きに収納され、かつ、計数不能である通帳の存否を判定する天地判定処理を行う(ステップS106)。そして、ステップS106の結果が正常であるか否かの判定を行う(ステップS107)。
ここで、ステップS107の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS107,No)、通帳取扱装置10は、セット異常である旨を計数結果判定部13dに対して通知した後(ステップS108)、処理を終了する。なお、天地判定処理の詳細については、図8を用いて後述する。
【0058】
つづいて、通帳取扱装置10は、黒色や青色といった暗色であり、かつ、波形データの凹部として検出されないために計数不能である通帳の存否を検証する凹部検証処理を行う(ステップS109)。そして、ステップS109の結果が正常であるか否かの判定を行う(ステップS110)。なお、凹部検証処理の詳細については、図9を用いて後述する。
【0059】
そして、凹部検証処理の結果が正常であると判定された場合(ステップS110,Yes)、通帳取扱装置10は、自装置の対応規格外である幅を有する通帳の存否を検証する幅検証処理を行う(ステップS111)。そして、ステップS109の結果が正常であるか否かの判定を行う(ステップS112)。なお、幅検証処理の詳細については、図10を用いて後述する。
【0060】
そして、幅検証処理の結果が正常であると判定された場合(ステップS112,Yes)、通帳取扱装置10は、検証後の計数結果を計数結果判定部13dに対して通知した後(ステップS113)、処理を終了する。
また、ステップS110の判定条件を満たさなかった場合(ステップS110,No)あるいはステップS112の判定条件を満たさなかった場合(ステップS112,No)には、通帳取扱装置10は、主センサが現在の計数対象であるか否かを判定する(ステップS114)。
【0061】
ここで、ステップS114の判定条件を満たした場合には(ステップS114,Yes)、通帳取扱装置10は、計数対象とする主センサから得た出力を副センサから得た出力に切り替えて(ステップS115)、ステップS105以降の処理を繰り返す。
また、ステップS114の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS114,No)、通帳取扱装置10は、セット異常である旨を計数結果判定部13dに対して通知した後(ステップS116)、処理を終了する。
【0062】
なお、上述したように、図7に示した通帳取扱装置10が実行する計数処理の処理手順は、通帳取扱装置10のセンサ機構が一方向のみ(たとえば、図1に示したX軸の正方向へのみ)走査した場合の処理手順を示しているが、実際には往路復路の二方向分が連続して実行される。
ここで、図示しないかかる往復処理の処理手順について説明しておく。通帳取扱装置10は上述した計数処理を、往路復路分の2回実行する。そして、往路復路それぞれの計数値が一致した場合には、正常終了として計数値を出力する処理を行う。
【0063】
また、いずれかの計数処理で天地判定処理の異常があった場合には、異常終了として処理を終了する。そして、いずれかの計数処理で凹部検証処理もしくは幅検証処理の異常があった場合には、往路復路分の計数処理を1回のみ再実行する。また、往路復路それぞれの計数値が一致しなかった場合にも、同じく往路復路分の計数処理を1回のみ再実行する。
【0064】
次に、図7に示した天地判定処理(図7のステップS106参照)の詳細な処理手順について、図4および図8を用いて説明する。図8は、通帳取扱装置10の検証部13cが実行する天地判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
図8に示すように、天地判定処理においては、通帳取扱装置10の検証部13cは、凹凸計数部13bが検出したすべての凸部(図7のステップS105参照)のうちの最初の凸部を最初の処理対象とする(ステップS201)。
【0065】
そして、処理対象とした凸部が所定の電圧値以上であるか否かの判定を行う(ステップS202)。ここにいう所定の電圧値以上とは、通帳の前小口(背の反対側)が通常白色であることから、白色であると識別できる電圧値以上であることを指す。なお、所定の電圧値は、あらかじめ記憶部14の閾値情報14bに格納されている。
ここで、ステップS202の判定条件を満たした場合(ステップS202,Yes)、通帳取扱装置10の検証部13cは、所定の比率に基づき、処理対象とした凸部の電圧から図4に示した境界電圧bを算出する(ステップS203)。ここにいう所定の比率とは、天地逆向きの通帳が2冊以上連続している状態を識別する境界電圧を導くための媒介変数であり、あらかじめ記憶部14の閾値情報14bに格納されている。
【0066】
なお、ステップS202の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS202,No)、ステップS206以降の処理を行う。かかるステップS206以降の処理については後述する。
つづいて、通帳取扱装置10の検証部13cは、処理対象の凸部からステップS203で算出した境界電圧の間に存在するサンプリングポイント数、すなわち、図4に示した所定の電圧値hから境界電圧bの間に存在するサンプリングポイント数の計数を行う(ステップS204)。そして、計数したサンプリングポイント数が所定の閾値未満であるか否かを判定する処理を行う(ステップS205)。ここにいう所定の閾値とは、天地逆向きの通帳が2冊以上連続する場合のサンプリングポイント数を識別するための閾値であり、あらかじめ記憶部14の閾値情報14bに格納されている。
【0067】
そして、ステップS205の判定条件を満たした場合(ステップS205,Yes)、通帳取扱装置10の検証部13cは、次の処理対象である凸部の存否を判定する処理を行う(ステップS206)。そして、次の処理対象である凸部が存在しない、すなわち、すべての凸部についての検証を終えたと判定した場合(ステップS206,No)、天地判定を正常であると計数結果判定部13dに対して通知したうえで(ステップS208)、処理を終了する。また、次の処理対象である凸部が存在する場合には(ステップS206,Yes)、次の凸部を処理対象としたうえで(ステップS207)、ステップS202以降の処理を繰り返す。
【0068】
また、ステップS205の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS205,No)、通帳取扱装置10の検証部13cは、天地判定が異常であると計数結果判定部13dに対して通知したうえで(ステップS209)、処理を終了する。
なお、図8には、天地逆向きの通帳が2冊以上連続する場合を異常とする例を示したが、1冊でも天地逆向きの通帳があれば異常とすることとしてもよい。この場合、記憶部14の閾値情報14bを、通帳取扱装置10の検証試験などを経て調整することとすればよい。
【0069】
また、図8には、天地逆向きの通帳が2冊以上連続すれば即時に異常とする例を示したが、一旦すべての凸部の検証を行った後に、天地逆向きであるすべての通帳の所在を通知することとしてもよい。
次に、図7に示した凹部検証処理(図7のステップS109参照)の詳細な処理手順について、図5および図9を用いて説明する。図9は、通帳取扱装置10の検証部13cが実行する凹部検証処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0070】
図9に示すように、凹部検証処理においては、通帳取扱装置10の検証部13cは、凹凸計数部13bが検出したすべての凹部(図7のステップS105参照)のうちの最初の凹部を最初の処理対象とする(ステップS301)。そして、処理対象とした凹部が所定の電圧値以下であるか否かの判定を行う(ステップS302)。ここにいう所定の電圧値以下とは、通帳の色が黒色や青色といった暗色であると識別できる電圧値以下であることを指す。なお、所定の電圧値は、あらかじめ記憶部14の閾値情報14bに格納されている。
【0071】
ここで、ステップS302の判定条件を満たした場合(ステップS302,Yes)、通帳取扱装置10の検証部13cは、処理対象の凹部の両隣に位置する2つの凸部間のサンプリング間隔の計数を行う(ステップS303)。そして、計数したサンプリング間隔数が所定の閾値未満であるか否かを判定する処理を行う(ステップS304)。ここにいう所定の閾値とは、黒色や青色といった暗色の通帳によって適正に凹部が検出されなかった場合のサンプリング間隔数を識別するための閾値であり、あらかじめ記憶部14の閾値情報14bに格納されている。
【0072】
なお、ステップS302の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS302,No)、ステップS305以降の処理を行う。かかるステップS305以降の処理については後述する。
そして、ステップS304の判定条件を満たした場合、すなわち、図5の(A−a)に示した正常なパターンの場合(ステップS304,Yes)、通帳取扱装置10の検証部13cは、次の処理対象である凹部の存否を判定する処理を行う(ステップS305)。そして、次の処理対象である凹部が存在しない、すなわち、すべての凹部についての検証を終えたと判定した場合(ステップS305,No)、凹部検証を正常であると計数結果判定部13dに対して通知したうえで(ステップS307)、処理を終了する。また、次の処理対象である凹部が存在する場合には(ステップS305,Yes)、次の凹部を処理対象としたうえで(ステップS306)、ステップS302以降の処理を繰り返す。
【0073】
また、ステップS304の判定条件を満たさなかった場合、すなわち、図5の(A−b)に示した異常なパターンの場合には(ステップS304,No)、通帳取扱装置10の検証部13cは、凹部検証が異常であると計数結果判定部13dに対して通知したうえで(ステップS308)、処理を終了する。
なお、図9には、黒色や青色といった暗色の通帳によって適正に凹部が検出されなかった場合には即時に異常とする例を示したが、一旦すべての凹部の検証を行った後に、適正に凹部が検出されなかったすべての通帳の所在を通知することとしてもよい。
【0074】
次に、図7に示した幅検証処理(図7のステップS111参照)の詳細な処理手順について、図6および図10を用いて説明する。図10は、通帳取扱装置10の検証部13cが実行する幅検証処理の処理手順を示すフローチャートである。
図10に示すように、幅検証処理においては、通帳取扱装置10の検証部13cは、凹凸計数部13bが検出したすべての凹凸部(図7のステップS105参照)を処理対象とする。そして、1つの凸部を挟んで隣り合う凹部から凹部の間、すなわち、図6の(A)に示した計数単位tあたりのサンプリング間隔の計数を、すべての計数単位に対して行う(ステップS401)。つづいて、通帳取扱装置10の検証部13cは、ステップS401で計数した計数単位あたりのサンプリング間隔数分布(図6の(B)参照)を算出する(ステップS402)。ここで、サンプリング間隔数とはセンサ通過時間と同義であるため、かかるステップS402の処理によって、計数単位あたりのセンサ通過時間範囲を算出することになる。
【0075】
そして、通帳取扱装置10の検証部13cは、ステップS402で算出したサンプリング間隔数分布、すなわち計数単位あたりのセンサ通過時間範囲が所定の範囲内にあるか否かを判定する(ステップS403)。ここにいう所定の範囲とは、通帳取扱装置10が対応する通帳幅をセンサ通過時間に換算した上限値および下限値であり、あらかじめ記憶部14の閾値情報14bに格納されている。
【0076】
ここで、ステップS403の判定条件を満たした場合(ステップS403、Yes)、通帳取扱装置10の検証部13cは、幅検証が正常であると計数結果判定部13dに対して通知したうえで(ステップS404)、処理を終了する。また、ステップS403の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS403、No)、幅検証が異常であると計数結果判定部13dに対して通知したうえで(ステップS405)、処理を終了する。
【0077】
上述してきたように、本実施例では、波形抽出部が、走査条件の異なる複数のセンサの検出結果を通帳の部数の計数を可能とする形へ加工し、凹凸計数部が、複数のセンサの内の一つの検出結果から通帳の部数を計数し、検証部が、かかる検出結果を検証し、計数結果判定部が、かかる検証結果を判定したうえで正常であるならば計数値を出力し、あるいは異常であるならばセンサ出力についての切替の指示をし、切替部が、計数対象としているセンサから得た出力を別センサから得た出力へ切り替えるように通帳取扱装置を構成した。したがって、通帳等の紙葉類の種類や収納状態に関わらず、計数精度を向上させることができる。
【0078】
ところで、上述した実施例では、通帳取扱装置が有する2個のセンサの検出結果のうち、一方のセンサの検出結果のみに基づいて計数結果を得る場合について説明した。しかしながら、一方のセンサが適正に検出できていない部分を、もう一方のセンサが適正に検出できているのであれば、両センサの検出結果を相互に補正することによって、計数結果を得られるようにすることもできる。
【0079】
次に、図2に示すこの発明の一実施形態に係る通帳取扱装置10に設けられている入力部18について詳細に説明をする。
入力部18は、通帳取扱装置10が設置された金融機関の職員や、通帳取扱装置10の保守員等の操作者が操作して、必要な状態情報等を入力するための機能装置である。
入力部18には、たとえば図11に示すような表示部181が備えられている。表示部181には、収納部に積層状態で収納された通帳について、反りが有るか否かの情報、および、積層状態で収納された通帳の背の部分の色が、色が混在した状態か否かの情報が表示される。また、この表示部181は、いわゆるタッチパネル方式の表示部となっている。操作者は、「反り」について、収納された通帳の状態を確認し、大きく反りがあるか、小さく反りがあるか、反りはないかにより、表示部を択一的に押圧する。これにより、押圧された表示部の表示182が反転し、たとえば「小さく有り」の表示182が選択設定される。
【0080】
「反り」に関しても、同様の手順で、たとえば「少し有り」の表示183が選択設定される。
このように、操作者が、収納部に積層状態で収納されている通帳の状態を目視で確認し、その確認した状態に応じた反りに関する情報および色混在に関する情報を入力部18により入力できるようにされている。
【0081】
なお、図11に示す表示部181の表示例は一例に過ぎず、たとえば反りが有るか無いかの2値情報、色混在が有るか無いかの2値情報を、たとえばテンキー等の入力ボタンを用いて入力できる構成であってもよい。
また、通帳の収納部が、複数の収納部に分かれている場合において、各収納部毎に、収納された通帳の状態を確認し、その状態に応じた情報が入力できる構成であるのが好ましい。
【0082】
さらに、入力部18には、図12に示すように、通帳に「反り」かあるかないかの判断基準または判断指針となる画像(図12の(A))や、通帳の背に「色混在」があるかないかの判断基準または判断指針となる画像(図12(B))が表示される表示部が備えられていてもよい。このような判断の基準や指針となる画像が表示された場合、操作者はこの画像を基準にして反りや色混在の有無を判断でき、操作者毎に判断のばらつきがなくなり、入力部18から適正な補正情報を入力することができる。
【0083】
ちなみに、図12の(A)は、積層状態で収納された通帳を側面から見た模式図で、隙間発生が0.5mm以上であれば、通帳に反りがあることを示す判断基準画像である。図12の(B)は、積層状態で収納された通帳を上(通帳の背側)から表示した画像で、黒色に対して白色の太い線や細い線が多数混ざっており、通帳の背に色混在があることを表わす判断基準画像である。
【0084】
図13は、入力部18から通帳に「反り」がある旨の情報(状態情報)が入力されることにより、記憶部14の閾値情報14bから読み出される閾値情報が変更され、切り出し位置が補正されることを示す図である。通帳に反りがある場合、押さえ板40と通帳との間に隙間が生じ、切り出し位置から最初の通帳が検出されるまでの検出幅が大きくなり、誤検知される可能性がある(図13の(A))。そこで、入力部18から入力された通帳に反りがある旨の情報に基づき、閾値情報14bが変更されて、図13の(B)に示すように、切り出し位置が補正され、補正された切り出し位置に基づいて通帳の計数開始位置が設定される。
【0085】
また、入力部18から通帳の背に色混在がある旨の情報が入力された場合は、図14の(A)に示す検出データが、図14の(B)に示すデータに補正される。
すなわち、通帳の背に色混在があることが、操作者により確認され、入力部18から入力されると、それに基づいて読み出される閾値情報14bが変更される。その結果、検出されるデータは14の(A)に示すように、色混在により波形が割れて凹部が発生した波形出力となるが、波形の頂上部に発生する凹部についてはこれを無効化した処理がなされ(図14の(B))、通帳の数が適正に検出される。
【0086】
このように、通帳取扱装置10に入力部18を設け、操作者が収納部に通帳をセットした際に、セットした通帳の積層状態を目視で確認し、収納した通帳に反りがあるか否か、および/または通帳の背に色混在があるか否かを確認して、その結果を入力部18から入力できるようにした。そしてその入力された情報に基づき、装置が自動的に通帳の計数処理内容を変更するため、収納された実際の通帳の積層状態に合った適切な計数処理が行え、正しく通帳数を検出できることが可能となる。
【0087】
図15〜図20は、本発明の他の実施形態に係る通帳取扱装置の構成を説明するための図である。本発明の他の実施形態に係る通帳取扱装置は、通帳に反りがある場合であっても、収納部に積層状態で通帳が収納された際に、その反りがセンサの検出に悪影響を与えないように、収納部の構成が工夫された実施例である。
まず、図15は、通帳取扱装置に備えられている通帳の収納部(スタッカ内部)を示す斜視図である。収納部70は、平行に設けられた左右一対の側板71、72を有し、側板71、72間にさらに、中央仕切り板73が備えられている。そして、側板71、72と直交方向に延びる2枚の仕切り板30が間隔をあけて固定されており、また、4枚の押さえ板40が仕切り板30に対向するように設けられている。押さえ板40は、それぞれ、矢印A1方向へスライド移動可能である。これにより、収納部70は、4つの収納スペース70A、70B、70C、70Dに区画されていて、各収納スペース70A、70B、70C、70Dには、それぞれ、通帳を積層状態で収納できる。通帳の収納は、各収納スペースにおいて、通帳の背が上に向く状態で、かつ、通帳が仕切り板30と押さえ板40との間に並ぶように収納される。従って、各収納スペース70A〜70Dに積層状態で収納された通帳を、上方から、センサで矢印A1方向またはその逆方向に走査することにより、収納された通帳の数を検出することができる。
【0088】
各仕切り板30および押さえ板40には、収納スペース70A〜70D毎に、それぞれ樹脂ブロック50および樹脂ブロック50に関連して通帳押さえ部51が備えられている。
次に、この通帳押さえ部51について説明をする。
通帳PBは、周知の通り、厚手の紙が複数枚重ねられ、中央が綴じられて2つ折りされた冊子であり、図16の(A)に示すように、正面形状は長方形で、図16の(B)(C)に示すように、平面視および側面視はそれぞれ所定の厚みの長手棒状をしている。かかる通帳PBに「反り」が生じた場合、図16の(B)に示すように、横方向の反りでは平面形状が左右両側で上下に反り、縦方向の反りでは側面形状が上下両側で左右に反ることになる。
【0089】
このため、図17に示すように、仕切り板30と押さえ板40との間に通帳PBの背が上に向く状態で立てて積層状態で収納すると、通帳PBに縦方向の反りが生じている場合、押さえ板40と通帳PBの背との間に隙間が発生する。
また、通帳PBに横方向の反りが生じている場合、図18に示すように、押さえ板40の側端部において、押さえ板40と通帳PBとの間に隙間が発生する。
【0090】
そこで、この実施例では、仕切り板30および押さえ板40に設けた通帳押さえ部51の構成を工夫することによって、通帳PBに反りが生じている場合であっても、それに起因して通帳PBと仕切り板30または押さえ板40との間に隙間が生じないようにした。
図19は、仕切り板30および押さえ板40にそれぞれ設けられた樹脂ブロック50および通帳押さえ部51の構成を説明する図解的な側面図である。通帳押さえ部51は、樹脂ブロック50の下に配置されており、収納スペースに臨む押さえ爪52を有している。この押さえ爪52はこの実施例では横に等間隔で並んだ3つの押さえ爪とされている(図20参照)。そして押さえ爪52は、上方に向かって斜めに傾斜している。このため、収納スペースは上部が狭くなるので、図示のように通帳PBが反りにより斜めになっていても、通帳PBの背部近傍において、通帳PBと押さえ爪52との間に隙間が生じない。
【0091】
なお、押さえ爪52の傾斜角度と、通帳PBの反り角度との関係は、
傾斜角度≧反り角度
となるように、押さえ爪52の傾斜が設定されている。
なお、図19に示すように、押さえ爪52で挟持された通帳PBの下方部(通帳PBの背と反対側の前小口側)は、押さえ爪52の下方に形成された空隙53により、通帳PBの反りが逃がされる構成となっている。
【0092】
次に、図20を参照して、通帳押さえ部51の構成について説明をする。図20は、仕切り板30および押さえ板40に備えられた樹脂ブロック50および通帳押さえ部51の図解的な平面図である。仕切り板30および押さえ板40の上辺上に通帳押さえ部51が配置され、通帳押さえ部51の上に樹脂ブロック50が設けられている。通帳押さえ部51は、収納スペースに臨む3つの押さえ爪52を備えている。この押さえ爪52は、図19を参照して説明したように、上方に向かって収納スペース側に傾斜した爪である。そして、通帳押さえ部51は、支軸54を中心に、平面視で揺動可能に設けられている。このため、通帳押さえ51(の押さえ爪52)間で挟まれる通帳PBに横方向の反りが生じている場合、通帳PBの反りに沿って通帳押さえ部51は回動し、押さえ爪52と通帳PBとの間に隙間が生じないように変位する。
【0093】
従って、切り出し位置の基準となる樹脂ブロック50と通帳PBとの位置関係が、平面視においても隙間なく保たれるので、通帳PBの枚数検出時に、その切り出し位置が隙間により変わるといった不具合をなくすことができる。
以上、この発明のいくつかの実施形態について詳細に説明したが、この発明は、説明した実施形態に限定されるものではない。たとえば、実施形態では、通帳を検出するセンサを、主センサ11aおよび副センサ11bを有するセンサとして説明したが、センサは、1つだけのセンサであってもよい。また、反射型のセンサに限らず、通帳の数を計数するための信号を得られるセンサであればよい。
【0094】
また、上述の実施形態では、手動で通帳の状態情報を入力する場合を例にとって説明したが、自動で通帳の状態情報が入力されるようにしても良い。具体的には、収納部にセットされた通帳に対してセンサを走査させることで得た波形データと、予め記憶部に記憶された通帳に色混在および/または反りがある場合の波形データとを比較し、通帳の反りの度合いなどを判定し、判定結果に基づいて、自動的に収納部に収納している通帳の状態情報が入力されるようにしても良い。この場合には、入力部は操作者により手動で操作されるのもではなく、収納部にセットされた通帳に対してセンサを走査させることで得た波形データを自動で通帳取扱装置に入力するオート入力部としての機能を有するものとなる。
【0095】
また、実施形態では、通帳取扱装置を例にとって説明したが、この発明は、通帳の計数だけでなく、シート状または冊子状の計数対象物の数を計数するための計数装置に広く適用可能である。
その他、この発明は、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0096】
この発明に係るオブジェクト計数装置は、シート状または冊子状の計数対象物、すなわちオブジェクトの数を計数する場合に、積層状態で収納されたオブジェクトの状態にかかわらず、計数精度を向上させたい場合に有用な計数装置である。
【符号の説明】
【0097】
10 通帳取扱装置
11 センサ部
11a 主センサ
11b 副センサ
12 通知部
13 制御部
13a 波形抽出部
13b 凹凸計数部
13c 検証部
13d 計数結果判定部
13e 切替部
14 記憶部
14a 抽出変数群
14b 閾値情報
14c 計数情報
20 収納部
30 仕切り板
40 押さえ板
50 樹脂ブロック
60 切り欠き
18 入力部
51 通帳押さえ部
52 押さえ爪
70 収納部
70A、70B、70C、70D 収納スペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状または冊子状の計数対象物を計数するためのオブジェクト計数装置であって、
計数対象物を積層状態で収納するための収納部と、
前記収納部に収納された積層状態の計数対象物に対して計数対象物の厚さ方向へ走査するセンサと、
前記センサの出力を予め登録されたパラメータおよび閾値情報を用い処理する計数処理部と、
前記計数処理部で得られた計数値を出力する出力部と、
前記収納部に収納された計数対象物の状態情報を入力するための入力部と、
前記入力部によって入力された状態情報に応答して、前記計数処理部の計数処理内容を変更する計数方法変更手段と、
を含むことを特徴とするオブジェクト計数装置。
【請求項2】
前記入力部は、前記収納部に収納された計数対象物の状態を操作者が確認し、手動で状態情報を入力するマニュアル入力部を含むことを特徴とする、請求項1記載のオブジェクト計数装置。
【請求項3】
前記入力部は、前記状態情報を含む前記センサの出力を入力するオート入力部を含むことを特徴とする、請求項1に記載のオブジェクト計数装置。
【請求項4】
前記入力部は、計数対象物の状態の度合いに応じて、状態情報を複数段階に入力できることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のオブジェクト計数装置。
【請求項5】
前記入力部は、計数対象物の状態に関し、複数のカテゴリーの状態情報を入力できることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のオブジェクト計数装置。
【請求項6】
前記入力部は、計数対象物の状態例を表示する表示部を有し、当該表示部に表示された状態例を参照して状態情報を入力できることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のオブジェクト計数装置。
【請求項7】
前記収納部は、積層状態の計数対象物の積層方向一端側および他端側を押さえる一対の押さえ部を有し、
前記押さえ部は、前記計数対象物に向かって傾斜した傾斜押さえ爪を含むことを特徴とする、請求項1記載のオブジェクト計数装置。
【請求項8】
前記収納部は、積層状態の計数対象物の積層方向の一端側および他端側を押さえる一対の押さえ部を有し、
前記押さえ部は、前記計数対象物の面方向に揺動可能に設けられていることを特徴とする、請求項1または7記載のオブジェクト計数装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−20594(P2013−20594A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155912(P2011−155912)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】