説明

オルガノポリシロキサンエラストマー組成物及びこれを含有する化粧料

【課題】化粧料等に対する保存や配合等の安定性に優れるペースト状オルガノポリシロキサンエラストマー組成物を提供する。
【解決手段】(I)i)下記一般式(1)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、


ii)下記一般式(2)で示されるオルガノポリシロキサン


とを含むオルガノポリシロキサン混合物を付加重合することにより得られるオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子と、(II)25℃で液状の油剤とからなるペースト状のオルガノポリシロキサンエラストマー組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子を含むペースト状のオルガノポリシロキサンエラストマー組成物、及びこれを含有する化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
シリコーン油等の油剤は、その特性、安全性等から化粧品や食品を始め、さまざまな分野において使用されている。その中でもスキンケア、メイクアップ化粧品等の用途では、肌の保護効果、柔軟効果、湿潤効果、使用感等の向上の目的でシリコーン油が配合されている。特に100mm/s以下の低動粘度シリコーン油は、伸展性及びそのさっぱり感より、広く使用されているが、シリコーン油は他の化粧品油剤との相溶性が悪く、また低粘度であるため化粧品に安定配合することが困難であった。
【0003】
そこで、特定のシリコーン重合物と低粘度シリコーン油をせん断力下で混合して得られるペースト状組成物を化粧料に配合する方法が提案されている(特許文献1)。しかし、この方法によるペースト状組成物は化粧料に対する配合安定性は改良されているが、ヌメリ感や油膜感等の油っぽい感触が感じられることがある。また、特許文献2及び特許文献3には、Si−H含有ポリシロキサンとジエン化合物からなる架橋エラストマーと希釈剤からなるエラストマー組成物が示されているが、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエンに代表されるようなジエン化合物は不快な特異臭を有しており、残留した場合、化粧品用途には不向きとなる。
【0004】
一方、滑らかさやさらさら感等の使用感等を改良する目的で、球状シリコーン粒子が使用されている。例えば、特定の粒子径を有する球状の架橋シリコーン粒子とシリコーン油からなる組成物を化粧料に配合する方法(特許文献4、特許文献5)が提案されている。ここに示した方法では、滑らかさやさらさら感等の感触を改良する効果が見られるが、球状シリコーン粒子のシリコーン油に対する増粘性は不十分であり、球状シリコーン粒子を多く配合する必要があったり、シリコーン油の分離、球状シリコーン粒子の凝集等が起こり、化粧料等に対する保存安定性や配合安定性に問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2582275号公報
【特許文献2】米国特許第5654362号
【特許文献3】特表2005−537364号公報
【特許文献4】特許第3488573号公報
【特許文献5】特許第4025454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、化粧料等に対する保存や配合等の安定性に優れ、のびの重さ、油っぽさ、べたつき、油膜感等がなく、さらさらとした軽い感触のペースト状オルガノポリシロキサンエラストマー組成物、及びこれを含有する化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、少なくとも、
(I) i)下記一般式(1)で示される分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2ヶ含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、
【化1】

(式中、Rはそれぞれ同一であっても異なっていても良く、脂肪族不飽和基を有しない炭素原子数1〜8の一価炭化水素基である。aは1以上の整数、bは0以上の整数で、a+bは80以上の整数である。Xはそれぞれ同一であっても異なっていても良く、水素原子又はRである。)
ii)下記一般式(2)で示される分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2ヶ含有するオルガノポリシロキサン
【化2】

(式中、Rはそれぞれ同一であっても異なっていても良く、脂肪族不飽和基を有しない炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、Rはそれぞれ同一であっても異なっていても良く、末端に不飽和基を有する炭素原子数2〜8の一価炭化水素基である。cは1以上の整数、dは0以上の整数で、c+dは80以上の整数である。Yはそれぞれ同一であっても異なっていても良く、R又はRである。)
とを含むオルガノポリシロキサン混合物を付加重合することにより得られるオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子と、
(II) 25℃で液状の油剤
とからなるペースト状のオルガノポリシロキサンエラストマー組成物であって、前記(I)成分のオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子が、体積平均粒径2〜50μmの球状又は不定形の微粒子であり、該オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子100質量部に対して25℃における動粘度が10mm/s以下のメチルポリシロキサン200質量部以上を吸収できる微粒子であることを特徴とするオルガノポリシロキサンエラストマー組成物を提供する。
【0008】
このような本発明のオルガノポリシロキサンエラストマー組成物は、化粧料等に対する保存や配合等の安定性に優れ、のびの重さ、油っぽさ、べたつき、油膜感等がなく、さらさらとした軽い感触のものとなる。
【0009】
また、前記(II)成分の液状の油剤が、シリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、及び半合成油から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
このような液状の油剤は、安全性等により優れているため、これらを配合して得られる組成物も安全性が高く、化粧料等として好適である。
【0010】
また、前記一般式(2)におけるRが、ビニル基であることが好ましい。
このような脂肪族不飽和基含有のオルガノポリシロキサンを含むオルガノポリシロキサン混合物を、付加重合することにより得られるルガノポリシロキサンエラストマー微粒子であれば、特に液状の油剤に対して高い増粘効果を示すため好ましい。
【0011】
また、前記オルガノポリシロキサンエラストマー組成物に使用されている油剤の摩擦抵抗力/前記オルガノポリシロキサンエラストマー組成物の摩擦抵抗力≧0.80であることが好ましい。
【0012】
上記摩擦抵抗力の比が0.8以上であれば、ペースト状のオルガノポリシロキサン組成物の滑らかさ、軽さ、広がりやすさ等が良好なものとなる。
【0013】
また本発明は、前記オルガノポリシロキサンエラストマー組成物を含有するものであることを特徴とする化粧料を提供する。
このような化粧料は、ぬるつき、べたつき等がなく、さらさらとしたパウダー感を有し、さっぱりとした感触で、のび広がりが軽く、密着性等に優れたものとなる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明のオルガノポリシロキサンエラストマー組成物は、軽い伸びで油膜感等がなく、さらさらとした感触を有する。このため、化粧料に配合した場合、油っぽさがなくさらさらとしたパウダー感を付与することができるという特徴がある。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
上述のように、従来化粧品等に用いられているペースト状組成物は、化粧料等に対する保存や配合等の安定性、のびの重さ、油っぽさ、べたつき、油膜感等、様々な問題を有していた。
【0016】
そこで、本発明者らが上記問題点を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定のオルガノハイドジェンポリシロキサンと脂肪族不飽和基含有オルガノポリシロキサンとを含むオルガノポリシロキサン混合物を付加重合することにより得られるオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子を液状の油剤と混合することで、上記問題点を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0017】
即ち、本発明のオルガノポリシロキサンエラストマー組成物は、少なくとも、
(I) i)下記一般式(1)で示される分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2ヶ含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、
【化3】

(式中、Rはそれぞれ同一であっても異なっていても良く、脂肪族不飽和基を有しない炭素原子数1〜8の一価炭化水素基である。aは1以上の整数、bは0以上の整数で、a+bは80以上の整数である。Xはそれぞれ同一であっても異なっていても良く、水素原子又はRである。)
ii)下記一般式(2)で示される分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2ヶ含有するオルガノポリシロキサン
【化4】

(式中、Rはそれぞれ同一であっても異なっていても良く、脂肪族不飽和基を有しない炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、Rはそれぞれ同一であっても異なっていても良く、末端に不飽和基を有する炭素原子数2〜8の一価炭化水素基である。cは1以上の整数、dは0以上の整数で、c+dは80以上の整数である。Yはそれぞれ同一であっても異なっていても良く、R又はRである。)
とを含むオルガノポリシロキサン混合物を付加重合することにより得られるオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子と、
(II) 25℃で液状の油剤
とからなるペースト状のオルガノポリシロキサンエラストマー組成物であって、前記(I)成分のオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子が、体積平均粒径2〜50μmの球状又は不定形の微粒子であり、該オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子100質量部に対して25℃における動粘度が10mm/s以下のメチルポリシロキサン200質量部以上を吸収できる微粒子であることを特徴とするオルガノポリシロキサンエラストマー組成物である。
【0018】
[i)オルガノハイドジェンポリシロキサン]
上記一般式(1)において、Rはそれぞれ同一であっても異なっていても良く、脂肪族不飽和基を有しない炭素原子数1〜8の一価炭化水素基である。Rの例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基、フェニル基であるが、好ましくはRで示される全一価炭化水素基の合計モル数の70%以上がメチル基である。aは1以上の整数であるが、メチルポリシロキサンの吸収性と感触面から、好ましくは80〜900、より好ましくは100〜500である。bは0以上の整数であり、両末端が水素原子の場合は0でもよいが、両末端が水素原子でない場合は2以上の整数である。好ましくは0〜40、より好ましくは0〜20である。Xは、それぞれ同一であっても異なっていても良く、水素原子又はRであり、水素原子であることが好ましい。
i)のオルガノハイドジェンポリシロキサンは、1種又は2種以上の混合物であってもよい。
【0019】
ただし、上記一般式(1)におけるa+bが80未満では、メチルポリシロキサンの吸収性が低下するため、ペースト状組成物とするためには多量のオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子を配合する必要があり、感触が重くなりやすく、また、保存中に油分の分離も発生しやすくなる。そのため、本発明では、上記一般式(1)におけるa+bは、80以上の整数である必要がある。
また、生産性等の観点から、好ましくは、100≦a+b≦900、より好ましくは、100≦a+b≦500である。
【0020】
[ii)脂肪族不飽和基含有のオルガノポリシロキサン]
上記一般式(2)において、Rはそれぞれ同一であっても異なっていても良く、脂肪族不飽和基を有しない炭素原子数1〜8の一価炭化水素基である。Rの例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基、フェニル基であるが、好ましくはRで示される全一価炭化水素基の合計モル数の70%以上がメチル基である。Rはそれぞれ同一であっても異なっていても良く、末端に不飽和基を有する炭素原子数2〜8の一価炭化水素基である。Rの例としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等が挙げられるが、好ましくはビニル基である。cは1以上の整数であるが、メチルポリシロキサンの吸収性と感触面から、好ましくは80〜900、より好ましくは100〜500である。dは0以上の整数であり、両末端がRの場合は0でもよいが、両末端がRでない場合は2以上の整数である。好ましくは0〜40、より好ましくは0〜20である。また、上記一般式(1)におけるa+bと同様の理由により、本発明では、上記一般式におけるc+dは、80以上である必要があり、好ましくは、100≦c+d≦900、より好ましくは、100≦c+d≦500である。Yは、R又はRであり、Rであることが好ましい。
ii)の脂肪族不飽和基含有のオルガノポリシロキサンは、1種又は2種以上の混合物であってもよい。
【0021】
[(I)オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子]
(I)成分のオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子は、上記一般式(1)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、上記一般式(2)で示される脂肪族不飽和基含有のオルガノポリシロキサンとを含むオルガノポリシロキサン混合物を付加重合することで得られる。
【0022】
本発明におけるオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子は、球状であっても不定形であっても良いが、好ましくは球状の微粒子である。オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子は、油剤に膨潤する前の体積平均粒径が2〜50μm、好ましくは3〜40μm、より好ましくは、5〜35μmである。体積平均粒径が2μmより小さくなると広がりが重い感触になりやすく、体積平均粒径が50μmより大きくなるとざらつき感や油膜感が出やすくなる。
【0023】
尚、体積平均粒径はコールターカウンター法により測定される。また、「球状」とはオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の形状が、真球であるだけでなく、最長軸の長さ/最短長軸の長さ(アスペクト比)が平均して、1〜4、好ましくは1〜2、より好ましくは1〜1.6、さらにより好ましくは1〜1.4の範囲にある変形した球体であることを意味する。この微粒子の形状は、光学顕微鏡、電子顕微鏡にて観察することにより確認することができる。
【0024】
オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子は、流動性、分散性の面から、また、さらさら感、なめらかさ等の感触面から、そのゴム硬度は、JIS K 6253に規定されているタイプAデュロメータによる測定で、5〜90の範囲であることが好ましく、より好ましくは10〜80の範囲である。
【0025】
オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子は、25℃における動粘度が10mm/s以下のメチルポリシロキサンを、該オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子100質量部に対して200質量部以上吸収(吸油)できるものである。吸油量が200質量部未満であると、化粧料に配合した場合、べたつき感、油膜感が解消されにくい。
【0026】
尚、動粘度が10mm/s以下のメチルポリシロキサンは、直鎖状、環状、分岐状のいずれであっても良く、該メチルポリシロキサンの例としては、式(CHSiO[(CHSiO]Si(CH (n=1〜15)で示されるジメチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シロキサン、トリストリメチルシロキシメチルシラン、テトラキストリメチルシロキシシラン等の分岐状シロキサンが挙げられる。
【0027】
吸油量は、例えば、予め質量を測定済のオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子及びメチルポリシロキサンをガラスビン等に入れて数十分間振とうした後、室温で数日間静置し、加圧ろ過器により固形分を分離し、該固形分の質量から前記オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の質量を差し引くことにより求めることができる。
【0028】
本発明におけるオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子(I)は、シリコーン油等の液状の油剤に対して高い増粘効果を示し、保存安定性等にも優れたものである。
【0029】
[オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の製造方法]
オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子は、上述のように、上記一般式(1)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと上記一般式(2)で示される脂肪族不飽和基含有オルガノポリシロキサンとを付加重合することで製造できるが、付加反応は、周知の付加反応触媒、例えば、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸−ビニルシロキサン錯体等の白金化合物、ロジウム、パラジウム等の白金族金属化合物の存在下、20〜150℃で行われる。付加反応触媒の添加量は周知の有効量で良く、組成物の合計量に対して白金族金属の換算質量で、通常、0.1〜500ppm、好ましくは0.5〜200ppm、より好ましくは1〜100ppmである。
【0030】
また、上記一般式(1)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと上記一般式(2)で示される脂肪族不飽和基含有オルガノポリシロキサンの混合物に界面活性剤と水を添加して乳化を行った後、該乳化物に前述の付加反応触媒を添加して付加反応を行い、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を製造した後、水分を除去することによって得ることもできる。
【0031】
界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の活性剤があるが、本発明においては特に制限されるものではなく、通常の化粧料に使用されるものであれば、いずれも使用することができる。
アニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、N−アシルタウリン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、モノアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩、脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸塩、アルケニルコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、カルボン酸高分子、スチレンオキシアルキレン酸無水物共重合体等が挙げられる。
【0032】
カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルジメチルアンモニウム塩、ジポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウム塩、トリポリオキシエチレンアルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジウム塩、モノアルキルアミン塩、モノアルキルアミドアミン塩、カチオン化セルロース等が挙げられる。
【0033】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド等が挙げられる。
【0034】
両性界面活性剤としては、ベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体、アミドアミン型等が挙げられる。
【0035】
乳化は公知の乳化分散機、例えば、プロペラミキサー、パドルミキサー、ホモミキサー、ホモディスパー、サンドグラインダー、コロイドミル、ホモジナイザー、ウルトラミキサー等を使用して行える。
【0036】
前述の付加反応触媒の水に対する分散性が悪い場合には、前述の界面活性剤に溶解した状態で乳化物に添加することが望ましい。付加反応は室温で行っても良いが、反応が完結しない場合は、100℃未満で加熱してもよい。
【0037】
オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液からの水分の除去は、例えば、水分散液を常圧又は減圧下で加熱することによってでき、具体的には、水分散液を加熱下で静置して水分を除去する方法、水分散液を加熱下で撹拌流動させながら水分を除去する方法、スプレードライヤーのように熱風気流中に分散液を噴霧して水分を除去する方法等が挙げられる。尚、これら水分除去の前処理として、加熱脱水、ろ過分離、遠心分離、デカンテーション等の方法で水分散液を濃縮しても良い。また、必要に応じて水洗を行っても良い。
【0038】
水分散液から水分を除去することにより得られたオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子が凝集している場合には、ジェットミル、ボールミル、ハンマーミル等の粉砕機で解砕してもよい。
【0039】
[(II)液状の油剤]
本発明で用いる(II)成分の液状の油剤としては、25℃における動粘度が0.65〜10000mm/sであることが好ましい。このような液状油剤としては、シリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、半合成油等から選択される少なくとも1種が挙げられる。
【0040】
シリコーン油の例としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等の動粘度0.65〜10000mm/s、好ましくは動粘度0.65〜1000mm/sのオルガノポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シロキサン、トリストリメチルシロキシメチルシラン、テトラキストリメチルシロキシシラン等の分岐状シロキサン、カプリリルメチコン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン等が挙げられる。
【0041】
炭化水素油としては、鎖式及び環式の炭化水素、例えば、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、合成スクワラン、植物性スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、水添イソブテン、イソドデカン、イソヘキサデカン等が挙げられる。
【0042】
エステル油としては、コハク酸ジオクチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジ(2−ヘプチルウンデシル)、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチルオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、クエン酸トリエチル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラオレイン酸ペンタエリトリトール、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソセチル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ラウロイルグルタミン酸ジオクチルドデシル、ラウロイルサルコシンイソプロピル等が挙げられる。
【0043】
天然動植物油及び半合成油としては、アボカド油、アーモンド油、オリーブ油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シナモン油、スクワラン、スクワレン、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、ナタネ油、日本キリ油、胚芽油、ヒマワリ油、ブドウ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、綿実油、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、落花生油、卵黄油等が挙げられる。
【0044】
[ペースト状のオルガノポリシロキサンエラストマー組成物]
本発明におけるオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子(I)をペースト状のオルガノポリシロキサンエラストマー組成物(以下、単に「ペースト状組成物」ということもある)とするためには、25℃(室温)で液状の油剤と混合後、せん断力下で混練することが好ましく、これにより外観が滑らかなペースト状組成物が得られる。せん断力下の混練りは、例えば三本ロールミル、二本ロールミル、サンドグラインダー、コロイドミル、ホモジナイザー、ウルトラミキサー、ホモミキサー、ホモディスパー等で行うことができるが、三本ロールミル又はホモディスパーを用いるのが好ましい。
【0045】
本発明におけるオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子(I)と液状油剤(II)との混合割合は1/20〜20/1(質量比)であることが好ましく、より好ましくは1/10〜1/1である。
【0046】
〈滑りやすさ〉
オルガノポリシロキサン組成物は、オルガノポリシロキサンエラストマー組成物に使用されている油剤の摩擦抵抗力/オルガノポリシロキサンエラストマー組成物の摩擦抵抗力(「滑りやすさ」)≧0.80であることが好ましい。
【0047】
この「滑りやすさ」は、試料保持台上にある評価試料を擦った時に保持台と水平方向の摩擦力と垂直方向の荷重を同時に測定できる摩擦抵抗力測定装置を用いて測定される。
【0048】
試料保持台上にある評価試料を擦った時に保持台と水平方向の摩擦力と垂直方向の荷重を同時に測定できる摩擦抵抗力測定装置としては、「ポータブル触感計 TYPE:33(新東科学社製)」が挙げられる。試料保持台には人工皮革を設置して測定することが好ましく、使用する人工皮革としては、人間の皮膚に類似した感触、凹凸の形状を有する「人工皮革サプラーレ(出光テクノファイン社製)」が好適である。測定に際しては、指で擦ってもよいが、接触面積を一定にするための冶具を使用してもよく、冶具の接触面には人工皮革を設置することが好ましい。
【0049】
試料台の人工皮革に測定試料を塗布し、指ないし冶具で水平方向に往復運動したときの摩擦抵抗力を計測する。ペースト状のオルガノポリシロキサンエラストマー組成物を構成する液状の油剤単独での摩擦抵抗力にペースト状のオルガノポリシロキサン組成物の摩擦力が近いほど油剤の感触を維持しながらペースト状の形状を保持していることを示し、オルガノポリシロキサン組成物の摩擦力が小さくなる場合は、よりいっそうの滑らかさ、軽さ、広がりやすさを示すことになる。
【0050】
このことから、「オルガノポリシロキサンエラストマー組成物に使用されている油剤の摩擦抵抗力/オルガノポリシロキサンエラストマー組成物の摩擦抵抗力」を「滑りやすさ」と定義することにより、ペースト状のオルガノポリシロキサン組成物の滑らかさ、軽さ、広がりやすさ等を定量的に評価できるようになった。「滑りやすさ」が0.80以上であれば、軽さ感、広がりやすさ感が低くなりすぎることもないため、「滑りやすさ」≧0.80が好ましく、より好ましくは「滑りやすさ」≧0.90である。
【0051】
[化粧料]
本発明は本発明のペースト状組成物を配合してなる化粧料にも関する。この化粧料は例えば本発明のペースト状組成物と、化粧用に許容される成分、即ち、(A)油剤、(B)水、(C)アルコール水酸基を有する化合物、(D)水溶性又は水膨潤性高分子化合物、(E)本発明におけるオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子以外の公知粉体、(F)界面活性剤、(G)慣用のシリコーン樹脂、(H)本発明のペースト状組成物以外の公知架橋型オルガノポリシロキサン重合体と液状油からなるペースト状組成物、からなる群から選択される少なくとも1種を含有してもよい。
【0052】
(A)成分の油剤は、固体、半固体、液状のいずれであっても良い。液状油に関しては前述のオルガノポリシロキサンエラストマー組成物に使用された同じ液状油剤、或いはその他の液状油剤及びその混合物を用いることができる。液状油の具体例は前述の通りである。
【0053】
その他の油剤成分としては、例えば、アマニ油、イボタロウ、エノ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、精製キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、シアバター、シナギリ油、ジョジョバロウ、セラックロウ、豚脂、馬脂、ヌカロウ、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ベイベリーロウ、ミツロウ、ミンク油、メドウフォーム油、羊脂、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0054】
また、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、フッ素系油剤等も挙げられ、炭化水素油としては、オゾケライト、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレン・ポリプロピレンワックス、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられ、高級脂肪酸としてはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。高級アルコールとしては、例えば、炭素原子数が好ましくは6以上、より好ましくは10〜30のアルコールが挙げられる。高級アルコールの具体例としては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。フッ素系油剤としては、パーフロロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等が挙げられる。
【0055】
(A)成分の油剤の配合量は、本発明の化粧料の形態に依存するが、好ましくは該化粧料全体の1〜98質量%の範囲で適宜選定される。
【0056】
(B)成分の水の配合量は本発明の化粧料の形態に依存するが、好ましくは該化粧料全体の1〜95質量%の範囲で適宜選定される。
【0057】
(C)成分のアルコール性水酸基を有する化合物としては、例えば、エタノール、イソプロパノール等の、炭素原子数が好ましくは2〜5の低級アルコール(低級1価アルコール);ソルビトール、マルトース等の糖アルコール等が挙げられる。また、コレステロール、シトステロール、フィトステロール、ラノステロール等のステロール;ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジブチレングリコール、ペンチレングリコール等の多価アルコール等が挙げられる。
(C)成分の配合量は、化粧料全体の0.1〜98質量%の範囲で適宜選定されるのが好ましい。
【0058】
(D)成分の水溶性又は水膨潤性高分子化合物としては、例えば、アラビアゴム、トラガカント、ガラクタン、キャロブガム、グアーガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、クインスシード(マルメロ)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ等)、アルゲコロイド、トラントガム、ローカストビーンガム等の植物系高分子化合物;キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子化合物;コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子化合物;カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子化合物;メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末のセルロース系高分子化合物;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子化合物;ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子化合物;ポリオキシエチレン系高分子化合物;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子化合物;ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、アクリロイルジメチルタウリン塩コポリマー等のアクリル系高分子化合物;ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等の他の合成水溶性高分子化合物;ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子化合物等が挙げられる。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の皮膜形成剤も例示される。
(D)成分の配合量は、本発明の化粧料全体の0.1〜25質量%の範囲が好適である。
【0059】
(E)成分の、本発明におけるオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子以外の公知粉体としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、針状、板状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができる。例えば、無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料、タール色素、天然色素等が挙げられる。
【0060】
無機粉体の例としては、酸化チタン、雲母チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、劈開タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、二酸化ケイ素、フュームドシリカ、含水二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックス、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、チッ化ホウ素、チッ化ボロン、ガラス等からなる微粒子が挙げられる。
【0061】
有機粉体としては、例えば、ポリアミド、ポリアクリル酸・アクリル酸エステル、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン、ポリメチルベンゾグアナミン、テトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート(例えば、ポリメタクリル酸メチル等)、セルロース、シルク、ナイロン、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、シリコーンエラストマー粒子、ポリメチルシルセスキオキサン粒子、特許第2832143号記載のシリコーンエラストマー粒子表面をポリメチルシルセスキキサンで被膜してなる粒子等が挙げられる。
【0062】
界面活性剤金属塩粉体としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等からなる粉体が挙げられる。
【0063】
有色顔料の例としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄等の無機赤色系顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色系顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色系顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの等が挙げられる。
【0064】
パール顔料の具体例としては、酸化チタン被覆雲母、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等が挙げられる。
【0065】
金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等が挙げられ、タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等が挙げられ、天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等が挙げられる。
【0066】
これらの粉体のうち、本発明においては少なくとも一部がジメチルポリシロキサンを架橋した構造を持つ架橋型球状ジメチルポリシロキサン微粉末、架橋型ポリメチルシルセスキオキサン微粉末、架橋型球状ポリシロキサンゴム表面をポリメチルシルセスキオキサン粒子で被覆してなる微粉末が好ましく、また、フッ素基を有する粉体及び/又は着色剤であるものも多く用いられる。さらにこれらの粉体は、本発明の効果を妨げない範囲で粉体を複合化したものや、一般油剤、シリコーン油、フッ素化合物、界面活性剤等で処理したもの、反応性を持つオルガノハイドロジェンポリシロキサン、加水分解性アルコキシシラン基を有するオルガノポリシロキサン、加水分解性シリル基を有するアクリル−シリコーン系共重合体等も使用することができ、必要に応じて一種又は二種以上用いることができる。
【0067】
これらの粉体の配合量は、化粧料全体の0.1〜99質量%の範囲が好適である。特に、粉末固形化粧料の場合の配合量は、化粧料全体の80〜99質量%の範囲が好適である。
【0068】
(F)成分の界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性の活性剤があるが、本発明においては特に制限されるものではなく、通常の化粧料に使用されるものであれば、いずれも使用することができる。
アニオン性界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、N−アシルタウリン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、モノアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホコハク酸塩、脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸塩、アルケニルコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物、カルボン酸高分子、スチレンオキシアルキレン酸無水物共重合体等が挙げられる。
【0069】
カチオン性界面活性剤としては、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルジメチルアンモニウム塩、ジポリオキシエチレンアルキルメチルアンモニウム塩、トリポリオキシエチレンアルキルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジウム塩、モノアルキルアミン塩、モノアルキルアミドアミン塩、カチオン化セルロース等が挙げられる。
【0070】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン、ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン(特許第2613124号)、シリコーン分岐状アルキル変性シリコーン(特許第3850202号)、シリコーン分岐状ポリオキシアルキレン・長鎖アルキル共変性オルガノポリシロキサン(特許第3724988号)、シリコーン分岐状ポリグリセリン変性オルガノポリシロキサン(特許3976226号)等が挙げられる。
【0071】
両性界面活性剤としては、ベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体、アミドアミン型等が挙げられる。
【0072】
これらの界面活性剤の中でも、分子中にポリグリセリン鎖、又はポリオキシアルキレン鎖を有する直鎖或いは分岐状のオルガノポリシロキサン、或いはアルキル共変性オルガノポリシロキサンであり、親水性のポリオキシエチレン基又はポリグリセリン基の含有量が分子中の10〜70質量%を占めるものが好ましい。また、配合量は化粧料全体の0.1〜20質量%であることが好ましく、特に好ましいのは0.2〜10質量%である。
【0073】
(G)成分のシリコーン樹脂は、常温でガム状又は固体状で且つデカメチルシクロペンタシロキサンに均一溶解するものである。
ガム状シリコーンは下記一般式(3)で示される直鎖状のポリシロキサンであることが好ましい。
【化5】

【0074】
上記一般式(3)中、Rはメチル基又は炭素原子数6〜20のアルキル基、炭素数が3〜15のアミノ基含有アルキル基、フッ素置換アルキル基、4級アンモニウム塩基含有アルキル基から選択され、eは1000〜20000、fは1〜5000、e+fが2000〜20000であるものが好ましい。
【0075】
固体状のシリコーン樹脂は、トリアルキルシロキシ単位(M単位)、ジアルキルシロキシ単位(D単位)、モノアルキルシロキシ単位(T単位)、4官能性のシロキシ単位(Q単位)の任意の組合せからなるMQ樹脂、MDQ樹脂、MTQ樹脂、MDTQ樹脂、T樹脂、TD樹脂、TQ樹脂、TDQ樹脂等のシリコーン網状化合物が挙げられる。さらに、アクリル/シリコーングラフト共重合体、アクリル/シリコーンブロック共重合体等からなるアクリルシリコーン樹脂が挙げられる(具体例としては、信越化学工業製:アクリル/シリコーングラフト共重合体の環状オルガノポリシロキサン溶液:KP−545等が挙げられる)。また、ピロリドン部分、長鎖アルキル部分、ポリオキシアルキレン部分及びフルオロアルキル部分、カルボン酸等のアニオン部分の中から選択される少なくとも1種を分子中に含有するアクリルシリコーン樹脂を使用することもできる。
【0076】
ガム状シリコーン樹脂、シリコーン網状化合物、アクリルシリコーン樹脂等のシリコーン樹脂は、低粘度シリコーン油や揮発性シリコーン油、及びその他の溶剤に溶解させたものを使用してもいよい。シリコーン樹脂の配合量は、化粧料の総量に対して樹脂成分量が0.1〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜10質量%である。
【0077】
(H)成分の、本発明のペースト状組成物以外の公知架橋型オルガノポリシロキサン重合体と液状油からなるペースト状組成物は、例えば、特公平6−55897号、特許第2631772号、特許第3969728号、特許第4001342号、特許第4490817号に記載されているもので、シリコーンオイルで膨潤された架橋型オルガノポリシロキサンとしては、例えば、KSG−15、16、17、18、21、24、210、710(信越化学工業製)、炭化水素油で膨潤された架橋型オルガノポリシロキサンとしては、例えば、KSG−31、32、34、310、320、340、41、42、44、810、820、840(信越化学工業製)、エステル油で膨潤された架橋型オルガノポリシロキサンとしては、例えば、KSG−33、330,43、830(信越化学工業製)等が挙げられる。この公知の架橋型オルガノポリシロキサンと液状油からなる組成物は、本発明の効果を妨げない範囲で使用することができ、化粧料の総量に対して0.1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜30質量%である。
【0078】
更に本発明の化粧料には、本発明の効果を妨げない範囲で、通常の化粧料に使用される成分、例えば、油溶性ゲル化剤、制汗剤、紫外線吸収剤、紫外線吸収散乱剤、保湿剤、抗菌防腐剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物、毛髪用固形化剤等を添加することができる。
【0079】
油溶性ゲル化剤としては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン;N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体;デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル;ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル;フラクトオリゴ糖ステアリン酸エステル、フラクトオリゴ糖2−エチルヘキサン酸エステル等のフラクトオリゴ糖脂肪酸エステル;モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体;ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー等の有機変性粘土鉱物等が挙げられる。
【0080】
制汗剤としては、アルミニウムクロロハイドレート、塩化アルミニウム、アルミニウムセスキクロロハイドレート、ジルコニルヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムヒドロキシクロライド、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等が挙げられる。
【0081】
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸メチル、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリメチルシクロヘキシル等のサリチル酸系紫外線吸収剤;パラメトキシケイ皮酸オクチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;ウロカニン酸エチル等のウロカニン酸系紫外線吸収剤;4−t−ブチル−4’−メトキシ−ジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤;フェニルベンズイミダゾールスルフォン酸、トリアジン誘導体等が挙げられる。
また、紫外線吸収散乱剤としては、微粒子酸化チタン、微粒子鉄含有酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム及びそれらの複合体等の、紫外線を吸収散乱する粒子が挙げられ、これらの紫外線を吸収散乱する粒子をあらかじめ油剤に分散させた分散物を用いることもできる。
【0082】
保湿剤としては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ペンチレングリコール、グルコース、キシリトール、マルチトール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド、卵黄レシチン、大豆レシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファジチルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴリン脂質等が挙げられる。
【0083】
抗菌防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等が挙げられる。抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール、メチルイソチアゾリン等が挙げられる。
【0084】
香料としては、天然香料及び合成香料が挙げられる。天然香料としては花、葉、材、果皮などから分離した植物性香料;ムスク、シベットなどの動物性香料が挙げられる。合成香料としてはモノテルペンなどの炭化水素類;脂肪族アルコール、芳香族アルコールなどのアルコール類;テルペンアルデヒド、芳香族アルデヒドなどのアルデヒド類;脂環式ケトンなどのケトン類;テルペン系エステルなどのエステル類;ラクトン類;フェノール類;オキサイド類;含チッソ化合物類;アセタール類などが挙げられる。
【0085】
塩類としては無機塩、有機酸塩、アミン塩及びアミノ酸塩が挙げられる。無機塩としては、例えば、塩酸、硫酸、炭酸、硝酸等の無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、ジルコニウム塩、亜鉛塩等が挙げられる。有機酸塩としては、例えば、酢酸、デヒドロ酢酸、クエン酸、りんご酸、コハク酸、アスコルビン酸、ステアリン酸等の有機酸類の塩が挙げられる。アミン塩としては、例えば、トリエタノールアミン等のアミン類の塩が挙げられる。アミノ酸塩としては、例えば、グルタミン酸等のアミノ酸類の塩が挙げられる。また、その他、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸等の塩、アルミニウムジルコニウムグリシン錯体等、さらには、化粧品処方の中で使用される酸−アルカリの中和塩等も使用することができる。
【0086】
酸化防止剤としては、トコフェロール、p−t−ブチルフェノール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸等が挙げられる。
【0087】
pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
【0088】
キレート剤としては、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸等が挙げられ、清涼剤としては、L−メントール、カンフル等が挙げられ、抗炎症剤としては、アラントイン、グリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びグリチルレチン酸ステアリル、トラネキサム酸、アズレン等が挙げられる。
【0089】
美肌用成分としては、胎盤抽出液、アルブチン、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤;ロイヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体、幼牛血液抽出液等の細胞賦活剤;肌荒れ改善剤;ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等の血行促進剤;酸化亜鉛、タンニン酸等の皮膚収斂剤;イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等が挙げられる。
【0090】
ビタミン類としては、ビタミンA油、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類;リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート、ピリドキシントリパルミテート等のビタミンB類、ビタミンB12及びその誘導体、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類;L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類;エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のビタミンE類;ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類;ビタミンH、ビタミンP、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類、ビオチン等が挙げられる。
【0091】
アミノ酸類としては、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等が挙げられる。
【0092】
核酸としては、デオキシリボ核酸等が挙げられる。また、ホルモンとしては、エストラジオール、エテニルエストラジオール等が挙げられる。包接化合物としては、シクロデキストリン等が挙げられる。
【0093】
毛髪用固定化剤としては、両イオン性、アニオン性、カチオン性、非イオン性の各高分子化合物が挙げられ、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体等の、ポリビニルピロリドン系高分子化合物、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸アルキルハーフエステル共重合体等の酸性ビニルエーテル系高分子化合物、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体等の酸性ポリ酢酸ビニル系高分子化合物、(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/アルキル(メタ)アクリレート/アルキルアクリルアミド共重合体等の酸性アクリル系高分子化合物、N−メタクリロイルエチル−N,N−ジメチルアンモニウム・α−N−メチルカルボキシベタイン/アルキル(メタ)アクリレート共重合体、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレート/アクリル酸オクチルアミド共重合体等の両性アクリル系高分子化合物が挙げられる。また、セルロース又はその誘導体、ケラチン又はその誘導体、コラーゲン又はその誘導体等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。
【0094】
また、本発明における化粧料としては、上記化粧料成分を配合してなる、乳液、クリーム、クレンジング、パック、オイルリキッド、マッサージ料、美容液、洗浄剤、脱臭剤、ハンドクリーム、リップクリーム等のスキンケア化粧料、メイクアップ下地、白粉、リキッドファンデーション、油性ファンデーション、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロウ、口紅等のメイクアップ化粧料、シャンプー、リンス、コンディショナー、トリートメント、セット剤等の毛髪化粧料、制汗剤、日焼け止め乳液や日焼け止めクリームなどの紫外線防御化粧料等が挙げられる。これらの化粧料の形態としては、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、プレス状、多層状、ムース状、スプレー状、スティック状等、種々の形状を選択することができる。
【実施例】
【0095】
以下に、合成例、比較合成例、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。尚、動粘度はオストワルド粘度計を用いた25℃における測定値、粘度は回転式粘度計DV−II+(ブルックフィールド社製)を用いた25℃における測定値である。
[合成例1]
乳化容器に、下記平均組成式(4)のメチルハイドジェンポリシロキサン200.0質量部、下記平均組成式(5)のメチルビニルポリシロキサン96.0質量部を加え、ホモミキサーを用いて2000rpmで混合した。得られた混合液にポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=9)0.7質量部及び水60質量部を加え、ホモミキサーを用いて6000rpmで15分間撹拌した後、2000rpmで撹拌しながら水220質量部を加えたところ、均一な白色のエマルジョンを得た。
【化6】

【0096】
【化7】

【0097】
次いで、このエマルジョンを錨型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、15〜20℃に温度調整した後、撹拌しながら塩化白金酸0.5質量%のトルエン溶液0.46質量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)0.87質量部、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=23)0.87質量部の混合溶解物を加え、内温を15〜20℃に維持して12時間撹拌し、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を得た。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の形状を光学顕微鏡で確認したところ球状であり、粒度分布測定装置「(商品名)マルチサイザー3;ベックマンコールター社製」を用いて体積平均粒径を測定したところ12μmであった。
【0098】
得られたオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を加圧ろ過器を用いてろ過を行い、残留固形物をステンレス製トレイに移し、熱風循環型乾燥機を用いて105℃で乾燥後、ジェットミルで乾燥物を解砕して流動性のある微粒子を得た。この微粒子を電子顕微鏡で観察したところ球状の粒子であり、界面活性剤を用いて水に分散させて体積平均粒径を前述の「マルチサイザー3」で測定したところ12μmであった。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子を「エラストマー微粒子A」とする。
【0099】
ガラスビンにエラストマー微粒子A 5.0g、表1に示したメチルポリシロキサン50gを入れ30分間振とうした後、室温で3日間静置した。加圧ろ過器により固形分を分離し、ケーキ状の固形分の質量を計測し、下記式にして吸油量を測定した。
メチルポリシロキサン50gの代わりに、表1に示したデカメチルペンタシロキサン50gを用いて同様に吸油量を測定した。
それぞれの結果を表1に示す。

吸油量(g)=「ケーキ状の固形分(g)」−5.0(g)

【0100】
また、エラストマー微粒子A 100質量部とジメチルポリシロキサン(動粘度6mm/s)300質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子/ジメチルポリシロキサン=25/75質量比で粘度が823,000mPa・sのペースト状組成物を得た。このペースト状組成物を「ペースト状組成物A」とする。
【0101】
[合成例2]
乳化容器に、上記平均組成式(4)のメチルハイドジェンポリシロキサン200.0質量部、上記平均組成式(5)のメチルビニルポリシロキサン96.0質量部を加え、ホモミキサーを用いて2000rpmで混合した。得られた混合液にポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)0.46質量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=23)0.58質量部及び水50質量部加え、ホモミキサーを用いて6000rpmで15分間撹拌した後、2000rpmで撹拌しながら水230質量部を加えたところ、均一な白色のエマルジョンを得た。
【0102】
次いで、このエマルジョンを錨型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、15〜20℃に温度調整した後、撹拌しながら塩化白金酸0.5質量%のトルエン溶液0.46質量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)0.70質量部、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=23)0.70質量部の混合溶解物を加え、内温を15〜20℃に維持して12時間撹拌し、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を得た。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の形状を光学顕微鏡で確認したところ球状であり、前述の「マルチサイザー3」を用いて体積平均粒径を測定したところ5μmであった。
【0103】
得られたオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を加圧ろ過器を用いてろ過を行い、残留固形物をステンレス製トレイに移し、熱風循環型乾燥機を用いて105℃で乾燥後、ジェットミルで乾燥物を解砕して流動性のある微粒子を得た。この微粒子を電子顕微鏡で観察したところ球状の粒子であり、界面活性剤を用いて水に分散させて体積平均粒径を前述の「マルチサイザー3」で測定したところ5μmであった。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子を「エラストマー微粒子B」とする。
【0104】
ガラスビンにエラストマー微粒子B 5.0g、表1に示したメチルポリシロキサン50gを入れ30分間振とうした後、室温で3日間静置した。加圧ろ過器により固形分を分離し、ケーキ状の固形分の質量を計測し、合成例1に示した式にして吸油量を測定した。
メチルポリシロキサン50gの代わりに、表1に示したデカメチルペンタシロキサン50gを用いて同様に吸油量を測定した。
それぞれの結果を表1に示す。
【0105】
また、エラストマー微粒子B 100質量部とジメチルポリシロキサン(動粘度6mm/s)300質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子/ジメチルポリシロキサン=25/75質量比で粘度が861,000mPa・sのペースト状組成物を得た。このペースト状組成物を「ペースト状組成物B」とする。
【0106】
[合成例3]
乳化容器に、上記平均組成式(4)のメチルハイドジェンポリシロキサン200.0質量部、上記平均組成式(5)のメチルビニルポリシロキサン96.0質量部を加え、ホモミキサーを用いて2000rpmで混合した。得られた混合液にポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)0.48質量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=23)0.36質量部及び水80質量部加え、ホモミキサーを用いて4500rpmで15分間撹拌した後、2000rpmで撹拌しながら水200質量部を加えたところ、均一な白色のエマルジョンを得た。
【0107】
次いで、このエマルジョンを錨型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、15〜20℃に温度調整した後、撹拌しながら塩化白金酸0.5質量%のトルエン溶液0.46質量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)0.80質量部、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=23)0.80質量部の混合溶解物を加え、内温を15〜20℃に維持して12時間撹拌し、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を得た。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の形状を光学顕微鏡で確認したところ球状であり、前述の「マルチサイザー3」を用いて体積平均粒径を測定したところ28μmであった。
【0108】
得られたオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を加圧ろ過器を用いてろ過を行い、残留固形物をステンレス製トレイに移し、熱風循環型乾燥機を用いて105℃で乾燥後、ジェットミルで乾燥物を解砕して流動性のある微粒子を得た。この微粒子を電子顕微鏡で観察したところ球状の粒子であり、界面活性剤を用いて水に分散させて体積平均粒径を前述の「マルチサイザー3」で測定したところ28μmであった。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子を「エラストマー微粒子C」とする。
【0109】
ガラスビンにエラストマー微粒子C 5.0g、表1に示したメチルポリシロキサン50gを入れ30分間振とうした後、室温で3日間静置した。加圧ろ過器により固形分を分離し、ケーキ状の固形分の質量を計測し、合成例1に示した式にして吸油量を測定した。
メチルポリシロキサン50gの代わりに、表1に示したデカメチルペンタシロキサン50gを用いて同様に吸油量を測定した。
それぞれの結果を表1に示す。
【0110】
また、エラストマー微粒子C 100質量部とジメチルポリシロキサン(動粘度6mm/s)300質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子/ジメチルポリシロキサン=25/75質量比で粘度が616,000mPa・sのペースト状組成物を得た。このペースト状組成物を「ペースト状組成物C」とする。
【0111】
[合成例4]
乳化容器に、下記平均組成式(6)のメチルハイドジェンポリシロキサン145.0質量部、下記平均組成式(7)のメチルビニルポリシロキサン155.0質量部を加え、ホモミキサーを用いて2000rpmで混合した。得られた混合液にポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=9)0.7質量部及び水60質量部を加え、ホモミキサーを用いて6000rpmで15分間撹拌した後、2000rpmで撹拌しながら水220質量部を加えたところ、均一な白色のエマルジョンを得た。
【化8】

【0112】
【化9】

【0113】
次いで、このエマルジョンを錨型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、15〜20℃に温度調整した後、撹拌しながら塩化白金酸0.5質量%のトルエン溶液0.46質量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)0.87質量部、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=23)0.87質量部の混合溶解物を加え、内温を15〜20℃に維持して12時間撹拌し、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を得た。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の形状を光学顕微鏡で確認したところ球状であり、前述の「マルチサイザー3」を用いて体積平均粒径を測定したところ10μmであった。
【0114】
このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を加圧ろ過器を用いてろ過を行い、残留固形物をステンレス製トレイに移し、熱風循環型乾燥機を用いて105℃で乾燥後、ジェットミルで乾燥物を解砕して流動性のある微粒子を得た。この微粒子を電子顕微鏡で観察したところ球状の粒子であり、界面活性剤を用いて水に分散させて体積平均粒径を前述の「マルチサイザー3」で測定したところ10μmであった。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子を「エラストマー微粒子D」とする。
【0115】
ガラスビンにエラストマー微粒子D 5.0g、表1に示したメチルポリシロキサン50gを入れ30分間振とうした後、室温で3日間静置した。加圧ろ過器により固形分を分離し、ケーキ状の固形分の質量を計測し、合成例1に示した式にして吸油量を測定した。
メチルポリシロキサン50gの代わりに、表1に示したデカメチルペンタシロキサン50gを用いて同様に吸油量を測定した。
それぞれの結果を表1に示す。
【0116】
また、エラストマー微粒子D 100質量部とジメチルポリシロキサン(動粘度6mm/s)270質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子/ジメチルポリシロキサン=27/73質量比で粘度が683,000mPa・sのペースト状組成物を得た。このペースト状組成物を「ペースト状組成物D」とする。
【0117】
[合成例5]
乳化容器に、下記平均組成式(8)のメチルハイドジェンポリシロキサン105.0質量部、下記平均組成式(9)のメチルビニルポリシロキサン195.0質量部を加え、ホモミキサーを用いて2000rpmで混合した。得られた混合液にポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=9)0.7質量部及び水60質量部を加え、ホモミキサーを用いて6000rpmで15分間撹拌した後、2000rpmで撹拌しながら水220質量部を加えたところ、均一な白色のエマルジョンを得た。
【化10】

【0118】
【化11】

【0119】
次いで、このエマルジョンを錨型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、15〜20℃に温度調整した後、撹拌しながら塩化白金酸0.5質量%のトルエン溶液0.46質量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)0.87質量部、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=23)0.87質量部の混合溶解物を加え、内温を15〜20℃に維持して12時間撹拌し、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を得た。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の形状を光学顕微鏡で確認したところ球状であり、前述の「マルチサイザー3」を用いて体積平均粒径を測定したところ12μmであった。
【0120】
得られたオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を加圧ろ過器を用いてろ過を行い、残留固形物をステンレス製トレイに移し、熱風循環型乾燥機を用いて105℃で乾燥後、ジェットミルで乾燥物を解砕して流動性のある微粒子を得た。この微粒子を電子顕微鏡で観察したところ球状の粒子であり、界面活性剤を用いて水に分散させて体積平均粒径を前述の「マルチサイザー3」で測定したところ12μmであった。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子を「エラストマー微粒子E」とする。
【0121】
ガラスビンにエラストマー微粒子E 5.0g、表1に示したメチルポリシロキサン50gを入れ30分間振とうした後、室温で3日間静置した。加圧ろ過器により固形分を分離し、ケーキ状の固形分の質量を計測し、合成例1に示した式にして吸油量を測定した。
メチルポリシロキサン50gの代わりに、表1に示したデカメチルペンタシロキサン50gを用いて同様に吸油量を測定した。
それぞれの結果を表1に示す。
【0122】
また、エラストマー微粒子E 100質量部とジメチルポリシロキサン(動粘度6mm/s)300質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子/ジメチルポリシロキサン=25/75質量比で粘度が858,000mPa・sのペースト状組成物を得た。このペースト状組成物を「ペースト状組成物E」とする。
【0123】
[合成例6]
乳化容器に、上記平均組成式(8)のメチルハイドジェンポリシロキサン105.0質量部、上記平均組成式(9)のメチルビニルポリシロキサン195.0質量部を加え、ホモミキサーを用いて2000rpmで混合した。得られた混合液にポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)0.48質量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=23)0.36質量部及び水80質量部加え、ホモミキサーを用いて4500rpmで15分間撹拌した後、2000rpmで撹拌しながら水200質量部を加えたところ、均一な白色のエマルジョンを得た。
【0124】
次いで、このエマルジョンを錨型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、15〜20℃に温度調整した後、撹拌しながら塩化白金酸0.5質量%のトルエン溶液0.46質量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)0.80質量部、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=23)0.80質量部の混合溶解物を加え、内温を15〜20℃に維持して12時間撹拌し、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を得た。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の形状を光学顕微鏡で確認したところ球状であり、前述の「マルチサイザー3」を用いて体積平均粒径を測定したところ30μmであった。
【0125】
得られたオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を加圧ろ過器を用いてろ過を行い、残留固形物をステンレス製トレイに移し、熱風循環型乾燥機を用いて105℃で乾燥後、ジェットミルで乾燥物を解砕して流動性のある微粒子を得た。この微粒子を電子顕微鏡で観察したところ球状の粒子であり、界面活性剤を用いて水に分散させて体積平均粒径を前述の「マルチサイザー3」で測定したところ30μmであった。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子を「エラストマー微粒子F」とする。
【0126】
ガラスビンにエラストマー微粒子F 5.0g、表1に示したメチルポリシロキサン50gを入れ30分間振とうした後、室温で3日間静置した。加圧ろ過器により固形分を分離し、ケーキ状の固形分の質量を計測し、合成例1に示した式にして吸油量を測定した。
メチルポリシロキサン50gの代わりに、表1に示したデカメチルペンタシロキサン50gを用いて同様に吸油量を測定した。
それぞれの結果を表1に示す。
【0127】
また、エラストマー微粒子F 100質量部とジメチルポリシロキサン(動粘度6mm/s)300質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子/ジメチルポリシロキサン=25/75質量比で粘度が676,000mPa・sのペースト状組成物を得た。このペースト状組成物を「ペースト状組成物F」とする。
【0128】
[合成例7]
乳化容器に、下記平均組成式(10)のメチルハイドジェンポリシロキサン133.0質量部、下記平均組成式(11)のメチルビニルポリシロキサン167.0質量部を加え、ホモミキサーを用いて2000rpmで混合した。得られた混合液にポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)0.48質量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=23)0.36質量部及び水70質量部加え、ホモミキサーを用いて6000rpmで15分間撹拌した後、2000rpmで撹拌しながら水210質量部を加えたところ、均一な白色のエマルジョンを得た。
【化12】

【0129】
【化13】

【0130】
次いで、このエマルジョンを錨型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、15〜20℃に温度調整した後、撹拌しながら塩化白金酸0.5質量%のトルエン溶液0.46質量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)0.80質量部、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=23)0.80質量部の混合溶解物を加え、内温を15〜20℃に維持して12時間撹拌し、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を得た。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の形状を光学顕微鏡で確認したところ球状であり、前述の「マルチサイザー3」を用いて体積平均粒径を測定したところ18μmであった。
【0131】
得られたオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を加圧ろ過器を用いてろ過を行い、残留固形物をステンレス製トレイに移し、熱風循環型乾燥機を用いて105℃で乾燥後、ジェットミルで乾燥物を解砕して流動性のある微粒子を得た。この微粒子を電子顕微鏡で観察したところ球状の粒子であり、界面活性剤を用いて水に分散させて体積平均粒径を前述の「マルチサイザー3」で測定したところ18μmであった。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子を「エラストマー微粒子G」とする。
【0132】
ガラスビンにエラストマー微粒子G 5.0g、表1に示したメチルポリシロキサン50gを入れ30分間振とうした後、室温で3日間静置した。加圧ろ過器により固形分を分離し、ケーキ状の固形分の質量を計測し、合成例1に示した式にして吸油量を測定した。
メチルポリシロキサン50gの代わりに、表1に示したデカメチルペンタシロキサン50gを用いて同様に吸油量を測定した。
それぞれの結果を表1に示す。
【0133】
また、エラストマー微粒子G 100質量部とジメチルポリシロキサン(動粘度6mm/s)300質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子/ジメチルポリシロキサン=25/75質量比で粘度が751,000mPa・sのペースト状組成物を得た。このペースト状組成物を「ペースト状組成物G」とする。
【0134】
[合成例8]
乳化容器に、下記平均組成式(12)のメチルハイドジェンポリシロキサン66.0質量部、下記平均組成式(13)のメチルビニルポリシロキサン234.0質量部を加え、ホモミキサーを用いて2000rpmで混合した。得られた混合液にポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=9)0.7質量部及び水60質量部を加え、ホモミキサーを用いて6000rpmで15分間撹拌した後、2000rpmで撹拌しながら水220質量部を加えたところ、均一な白色のエマルジョンを得た。
【化14】

【0135】
【化15】

【0136】
次いで、このエマルジョンを錨型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、15〜20℃に温度調整した後、撹拌しながら塩化白金酸0.5質量%のトルエン溶液0.46質量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)0.87質量部、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=23)0.87質量部の混合溶解物を加え、内温を15〜20℃に維持して12時間撹拌し、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を得た。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の形状を光学顕微鏡で確認したところ球状であり、前述の「マルチサイザー3」を用いて体積平均粒径を測定したところ13μmであった。
【0137】
得られたオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を加圧ろ過器を用いてろ過を行い、残留固形物をステンレス製トレイに移し、熱風循環型乾燥機を用いて105℃で乾燥後、ジェットミルで乾燥物を解砕して流動性のある微粒子を得た。この微粒子を電子顕微鏡で観察したところ球状の粒子であり、界面活性剤を用いて水に分散させて体積平均粒径を前述の「マルチサイザー3」で測定したところ13μmであった。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子を「エラストマー微粒子H」とする。
【0138】
ガラスビンにエラストマー微粒子H 5.0g、表1に示したメチルポリシロキサン50gを入れ30分間振とうした後、室温で3日間静置した。加圧ろ過器により固形分を分離し、ケーキ状の固形分の質量を計測し、合成例1に示した式にして吸油量を測定した。
メチルポリシロキサン50gの代わりに、表1に示したデカメチルペンタシロキサン50gを用いて同様に吸油量を測定した。
それぞれの結果を表1に示す。
【0139】
また、エラストマー微粒子H 100質量部とジメチルポリシロキサン(動粘度6mm/s)300質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子/ジメチルポリシロキサン=25/75質量比で粘度が793,000mPa・sのペースト状組成物を得た。このペースト状組成物を「ペースト状組成物H」とする。
【0140】
[合成例9]
乳化容器に、上記平均組成式(12)のメチルハイドジェンポリシロキサン66.0質量部、上記平均組成式(13)のメチルビニルポリシロキサン234.0質量部を加え、ホモミキサーを用いて2000rpmで混合した。得られた混合液にポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)0.32質量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=23)0.42質量部及び水50質量部加え、ホモミキサーを用いて6000rpmで15分間撹拌した後、2000rpmで撹拌しながら水230質量部を加えたところ、均一な白色のエマルジョンを得た。
【0141】
次いで、このエマルジョンを錨型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、15〜20℃に温度調整した後、撹拌しながら塩化白金酸0.5質量%のトルエン溶液0.46質量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)0.85質量部、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=23)0.85質量部の混合溶解物を加え、内温を15〜20℃に維持して12時間撹拌し、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を得た。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の形状を光学顕微鏡で確認したところ球状であり、前述の「マルチサイザー3」を用いて体積平均粒径を測定したところ8μmであった。
【0142】
得られたオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を加圧ろ過器を用いてろ過を行い、残留固形物をステンレス製トレイに移し、熱風循環型乾燥機を用いて105℃で乾燥後、ジェットミルで乾燥物を解砕して流動性のある微粒子を得た。この微粒子を電子顕微鏡で観察したところ球状の粒子であり、界面活性剤を用いて水に分散させて体積平均粒径を前述の「マルチサイザー3」で測定したところ8μmであった。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子を「エラストマー微粒子I」とする。
【0143】
ガラスビンにエラストマー微粒子I 5.0g、表1に示したメチルポリシロキサン50gを入れ30分間振とうした後、室温で3日間静置した。加圧ろ過器により固形分を分離し、ケーキ状の固形分の質量を計測し、合成例1に示した式にして吸油量を測定した。
メチルポリシロキサン50gの代わりに、表1に示したデカメチルペンタシロキサン50gを用いて同様に吸油量を測定した。
それぞれの結果を表1に示す。
【0144】
また、エラストマー微粒子I 100質量部とジメチルポリシロキサン(動粘度6mm/s)300質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子/ジメチルポリシロキサン=25/75質量比で粘度が877,000mPa・sのペースト状組成物を得た。このペースト状組成物を「ペースト状組成物I」とする。
【0145】
[比較合成例1]
乳化容器に、上記平均組成式(4)のメチルハイドジェンポリシロキサン200.0質量部、上記平均組成式(5)のメチルビニルポリシロキサン96.0質量部を加え、ホモミキサーを用いて2000rpmで混合した。得られた混合液にポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)0.69質量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=23)0.87質量部及び水50質量部加え、ホモミキサーを用いて6000rpmで15分間撹拌した後、2000rpmで撹拌しながら水230質量部を加えたところ、均一な白色のエマルジョンを得た。
【0146】
次いで、このエマルジョンを錨型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、15〜20℃に温度調整した後、撹拌しながら塩化白金酸0.5質量%のトルエン溶液0.46質量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)0.44質量部、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=23)0.44質量部の混合溶解物を加え、内温を15〜20℃に維持して12時間撹拌し、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を得た。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の形状を光学顕微鏡で確認したところ球状であり、前述の「マルチサイザー3」を用いて体積平均粒径を測定したところ1.8μmであった。
【0147】
得られたオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を加圧ろ過器を用いてろ過を行い、残留固形物をステンレス製トレイに移し、熱風循環型乾燥機を用いて105℃で乾燥後、ジェットミルで乾燥物を解砕して流動性のある微粒子を得た。この微粒子を電子顕微鏡で観察したところ球状の粒子であり、界面活性剤を用いて水に分散させて体積平均粒径を前述の「マルチサイザー3」で測定したところ1.8μmであった。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子を「エラストマー微粒子J」とする。
【0148】
ガラスビンにエラストマー微粒子J 5.0g、表1に示したメチルポリシロキサン50gを入れ30分間振とうした後、室温で3日間静置した。加圧ろ過器により固形分を分離し、ケーキ状の固形分の質量を計測し、合成例1に示した式にして吸油量を測定した。
メチルポリシロキサン50gの代わりに、表1に示したデカメチルペンタシロキサン50gを用いて同様に吸油量を測定した。
それぞれの結果を表1に示す。
【0149】
また、エラストマー微粒子J 100質量部とジメチルポリシロキサン(動粘度6mm/s)335質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子/ジメチルポリシロキサン=23/77質量比で粘度が894,000mPa・sのペースト状組成物を得た。このペースト状組成物を「ペースト状組成物J」とする。
【0150】
[比較合成例2]
乳化容器に、上記平均組成式(8)のメチルハイドジェンポリシロキサン105.0質量部、上記平均組成式(9)のメチルビニルポリシロキサン195.0質量部を加え、ホモミキサーを用いて2000rpmで混合した。得られた混合液にポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)0.48質量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=23)0.36質量部及び水100質量部加え、ホモミキサーを用いて4500rpmで15分間撹拌した後、2000rpmで撹拌しながら水180質量部を加えたところ、均一な白色のエマルジョンを得た。
【0151】
次いで、このエマルジョンを錨型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、15〜20℃に温度調整した後、撹拌しながら塩化白金酸0.5質量%のトルエン溶液0.46質量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)0.80質量部、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=23)0.80質量部の混合溶解物を加え、内温を15〜20℃に維持して12時間撹拌し、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を得た。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の形状を光学顕微鏡で確認したところ球状であり、前述の「マルチサイザー3」を用いて体積平均粒径を測定したところ52μmであった。
【0152】
得られたオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を加圧ろ過器を用いてろ過を行い、残留固形物をステンレス製トレイに移し、熱風循環型乾燥機を用いて105℃で乾燥後、ジェットミルで乾燥物を解砕して流動性のある微粒子を得た。この微粒子を電子顕微鏡で観察したところ球状の粒子であり、界面活性剤を用いて水に分散させて体積平均粒径を前述の「マルチサイザー3」で測定したところ52μmであった。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子を「エラストマー微粒子K」とする。
【0153】
ガラスビンにエラストマー微粒子K 5.0g、表1に示したメチルポリシロキサン50gを入れ30分間振とうした後、室温で3日間静置した。加圧ろ過器により固形分を分離し、ケーキ状の固形分の質量を計測し、合成例1に示した式にして吸油量を測定した。
メチルポリシロキサン50gの代わりに、表1に示したデカメチルペンタシロキサン50gを用いて同様に吸油量を測定した。
それぞれの結果を表1に示す。
【0154】
また、エラストマー微粒子K 100質量部とジメチルポリシロキサン(動粘度6mm/s)285質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子/ジメチルポリシロキサン=26/74質量比で粘度が659,000mPa・sのペースト状組成物を得た。このペースト状組成物を「ペースト状組成物K」とする。
【0155】
[比較合成例3]
乳化容器に、下記平均組成式(14)のメチルハイドジェンポリシロキサン11.0質量部、下記平均組成式(15)のメチルビニルポリシロキサン289.0質量部を加え、ホモミキサーを用いて2000rpmで混合した。得られた混合液にポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=9)0.7質量部及び水60質量部を加え、ホモミキサーを用いて6000rpmで15分間撹拌した後、2000rpmで撹拌しながら水220質量部を加えたところ、均一な白色のエマルジョンを得た。
【化16】

【0156】
【化17】

【0157】
次いで、このエマルジョンを錨型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、15〜20℃に温度調整した後、撹拌しながら塩化白金酸0.5質量%のトルエン溶液0.46質量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)0.87質量部、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=23)0.87質量部の混合溶解物を加え、内温を15〜20℃に維持して12時間撹拌し、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を得た。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の形状を光学顕微鏡で確認したところ球状であり、前述の「マルチサイザー3」を用いて体積平均粒径を測定したところ12μmであった。
【0158】
得られたオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を加圧ろ過器を用いてろ過を行い、残留固形物をステンレス製トレイに移し、熱風循環型乾燥機を用いて105℃で乾燥後、ジェットミルで乾燥物を解砕して流動性のある微粒子を得た。この微粒子を電子顕微鏡で観察したところ球状の粒子であり、界面活性剤を用いて水に分散させて体積平均粒径を前述の「マルチサイザー3」で測定したところ12μmであった。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子を「エラストマー微粒子L」とする。
【0159】
ガラスビンにエラストマー微粒子L 5.0g、表1に示したメチルポリシロキサン50gを入れ30分間振とうした後、室温で3日間静置した。加圧ろ過器により固形分を分離し、ケーキ状の固形分の質量を計測し、合成例1に示した式にして吸油量を測定した。
メチルポリシロキサン50gの代わりに、表1に示したデカメチルペンタシロキサン50gを用いて同様に吸油量を測定した。
それぞれの結果を表1に示す。
【0160】
また、エラストマー微粒子L 100質量部とジメチルポリシロキサン(動粘度6mm/s)300質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子/ジメチルポリシロキサン=25/75質量比で粘度が778,000mPa・sのペースト状組成物を得た。このペースト状組成物を「ペースト状組成物L」とする。
【0161】
[比較合成例4]
乳化容器に、下記平均組成式(16)のメチルハイドジェンポリシロキサン6.0質量部、上記平均組成式(15)のメチルビニルポリシロキサン294.0質量部を加え、ホモミキサーを用いて2000rpmで混合した。得られた混合液にポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=9)0.7質量部及び水60質量部を加え、ホモミキサーを用いて6000rpmで15分間撹拌した後、2000rpmで撹拌しながら水220質量部を加えたところ、均一な白色のエマルジョンを得た。
【化18】

【0162】
次いで、このエマルジョンを錨型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、15〜20℃に温度調整した後、撹拌しながら塩化白金酸0.5質量%のトルエン溶液0.46質量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)0.87質量部、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=23)0.87質量部の混合溶解物を加え、内温を15〜20℃に維持して12時間撹拌し、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を得た。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の形状を光学顕微鏡で確認したところ球状であり、前述の「マルチサイザー3」を用いて体積平均粒径を測定したところ12μmであった。
【0163】
得られたオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を加圧ろ過器を用いてろ過を行い、残留固形物をステンレス製トレイに移し、熱風循環型乾燥機を用いて105℃で乾燥後、ジェットミルで乾燥物を解砕して流動性のある微粒子を得た。この微粒子を電子顕微鏡で観察したところ球状の粒子であり、界面活性剤を用いて水に分散させて体積平均粒径を前述の「マルチサイザー3」で測定したところ12μmであった。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子を「エラストマー微粒子M」とする。
【0164】
ガラスビンにエラストマー微粒子M 5.0g、表1に示したメチルポリシロキサン50gを入れ30分間振とうした後、室温で3日間静置した。加圧ろ過器により固形分を分離し、ケーキ状の固形分の質量を計測し、合成例1に示した式にして吸油量を測定した。
メチルポリシロキサン50gの代わりに、表1に示したデカメチルペンタシロキサン50gを用いて同様に吸油量を測定した。
それぞれの結果を表1に示す。
【0165】
また、エラストマー微粒子M 100質量部とジメチルポリシロキサン(動粘度6mm/s)203質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子/ジメチルポリシロキサン=33/67質量比で粘度が814,000mPa・sのペースト状組成物を得た。このペースト状組成物を「ペースト状組成物M」とする。
【0166】
[比較合成例5]
乳化容器に、上記平均組成式(14)のメチルハイドジェンポリシロキサン5.0質量部、下記平均組成式(17)のメチルビニルポリシロキサン295.0質量部を加え、ホモミキサーを用いて2000rpmで混合した。得られた混合液にポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=9)0.7質量部及び水60質量部を加え、ホモミキサーを用いて6000rpmで15分間撹拌した後、2000rpmで撹拌しながら水220質量部を加えたところ、均一な白色のエマルジョンを得た。
【化19】

【0167】
次いで、このエマルジョンを錨型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、15〜20℃に温度調整した後、撹拌しながら塩化白金酸0.5質量%のトルエン溶液0.46質量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)0.87質量部、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=23)0.87質量部の混合溶解物を加え、内温を15〜20℃に維持して12時間撹拌し、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を得た。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の形状を光学顕微鏡で確認したところ球状であり、前述の「マルチサイザー3」を用いて体積平均粒径を測定したところ12μmであった。
【0168】
得られたオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を加圧ろ過器を用いてろ過を行い、残留固形物をステンレス製トレイに移し、熱風循環型乾燥機を用いて105℃で乾燥後、ジェットミルで乾燥物を解砕して流動性のある微粒子を得た。この微粒子を電子顕微鏡で観察したところ球状の粒子であり、界面活性剤を用いて水に分散させて体積平均粒径を前述の「マルチサイザー3」で測定したところ12μmであった。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子を「エラストマー微粒子N」とする。
【0169】
ガラスビンにエラストマー微粒子N 5.0g、表1に示したメチルポリシロキサン50gを入れ30分間振とうした後、室温で3日間静置した。加圧ろ過器により固形分を分離し、ケーキ状の固形分の質量を計測し、合成例1に示した式にして吸油量を測定した。
メチルポリシロキサン50gの代わりに、表1に示したデカメチルペンタシロキサン50gを用いて同様に吸油量を測定した。
それぞれの結果を表1に示す。
【0170】
また、エラストマー微粒子N 100質量部とジメチルポリシロキサン(動粘度6mm/s)257質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子/ジメチルポリシロキサン=28/72質量比で粘度が724,000mPa・sのペースト状組成物を得た。このペースト状組成物を「ペースト状組成物N」とする。
【0171】
[比較合成例6]
乳化容器に、上記平均組成式(6)のメチルハイドジェンポリシロキサン190.0質量部、下記平均組成式(18)のメチルビニルポリシロキサン110.0質量部を加え、ホモミキサーを用いて2000rpmで混合した。得られた混合液にポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=9)0.7質量部及び水60質量部を加え、ホモミキサーを用いて6000rpmで15分間撹拌した後、2000rpmで撹拌しながら水220質量部を加えたところ、均一な白色のエマルジョンを得た。
【化20】

【0172】
次いで、このエマルジョンを錨型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、15〜20℃に温度調整した後、撹拌しながら塩化白金酸0.5質量%のトルエン溶液0.46質量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=4)0.87質量部、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド付加モル数=23)0.87質量部の混合溶解物を加え、内温を15〜20℃に維持して12時間撹拌し、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を得た。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の形状を光学顕微鏡で確認したところ球状であり、前述の「マルチサイザー3」を用いて体積平均粒径を測定したところ11μmであった。
【0173】
得られたオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子の水分散液を加圧ろ過器を用いてろ過を行い、残留固形物をステンレス製トレイに移し、熱風循環型乾燥機を用いて105℃で乾燥後、ジェットミルで乾燥物を解砕して流動性のある微粒子を得た。この微粒子を電子顕微鏡で観察したところ球状の粒子であり、界面活性剤を用いて水に分散させて体積平均粒径を前述の「マルチサイザー3」で測定したところ11μmであった。このオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子を「エラストマー微粒子O」とする。
【0174】
ガラスビンにエラストマー微粒子O 5.0g、表1に示したメチルポリシロキサン50gを入れ30分間振とうした後、室温で3日間静置した。加圧ろ過器により固形分を分離し、ケーキ状の固形分の質量を計測し、合成例1に示した式にして吸油量を測定した。
メチルポリシロキサン50gの代わりに、表1に示したデカメチルペンタシロキサン50gを用いて同様に吸油量を測定した。
それぞれの結果を表1に示す。
【0175】
また、エラストマー微粒子O 100質量部とジメチルポリシロキサン(動粘度6mm/s)257質量部を混合し、三本ロールミルにて十分混練りして、オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子/ジメチルポリシロキサン=28/72質量比で粘度が737,000mPa・sのペースト状組成物を得た。このペースト状組成物を「ペースト状組成物O」とする。
【0176】
【表1】

【0177】
[実施例1〜9、比較例1〜6]
合成例1〜9、比較合成例1〜6で得られたペースト状組成物A〜Oを肌に塗布したときの感触について、表2に示す基準に従って専門パネラー10名による評価を行った。得られた平均点について表3に示す基準に従って判定を行った。判定結果を表4に示す。
【0178】
また、合成例1〜9、比較合成例1〜6で得られたペースト状組成物A〜Oの摩擦抵抗力を触感計(ポータブル触感計TYPE:33、新東科学社製)を用いて測定し、「滑りやすさ」(ペースト状組成物に使用されている油剤の摩擦抵抗力/ペースト状組成物の摩擦抵抗力)を求めた。触感計は、指で摩擦面を触ったときに、指がかける垂直方向の荷重と指が感じる摩擦抵抗力を同時に測定できる摩擦測定器であり、摩擦面には人工皮革(人工皮革サプラーレ、出光テクノファイン社製)を使用した。摩擦面(人工皮革)にペースト状組成物を塗布(5mg/cm)し、指を2秒/1回の速度で20回往復させた。概測定を3回行い摩擦抵抗力の平均値を求めた。評価は「滑りやすさ」、すなわち「ペースト状組成物に使用されている油剤の摩擦抵抗力/ペースト状組成物の摩擦抵抗力」で行った。この「滑りやすさ」が1に近い程、また1を超える程、油剤の感触を損なわずにペースト状にしていることを示し、なめらかでのびがよく軽い感触に関係する。測定結果を表5に示す。
【0179】
【表2】

【0180】
【表3】

【0181】
【表4】

【0182】
【表5】

【0183】
表4に示したように、本発明の実施例1〜9のペースト状のオルガノポリシロキサンエラストマー組成物(ペースト状組成物A〜I)は、比較例1〜6のペースト状の組成物(ペースト状組成物J〜O)に比べ油膜感がなく、軽い感触のパウダー感を感じるものであった。
【0184】
また、表5に示したように、本発明の実施例1〜9のペースト状のオルガノポリシロキサンエラストマー組成物(ペースト状組成物A〜I)は、比較例1〜6のペースト状の組成物(ペースト状組成物J〜O)に比べ、滑りやすさが優れているものであった。
【0185】
次に本発明のオルガノポリシロキサンエラストマー組成物を含む化粧料の実施例を示す。
[実施例10;W/O型乳液]
(成分) (質量部)
1.合成例1で得られたペースト状組成物A 15.0
2.ジメチルポリシロキサン(動粘度;6mm/s) 12.0
3.デカメチルシクロペンタシロキサン 10.0
4.トリオクタン酸グリセリル 5.0
5.ポリエーテル変性シリコーン(注1) 3.0
6.1,3−ブタンジオール 5.0
7.防腐剤 適量
8.香料 適量
9.精製水 50.0
(注1)信越化学工業(株)製 KF−6017
【0186】
(製造方法)
a:成分1〜5を均一に撹拌混合した。
b:成分6〜9を均一に混合した後、aに加えて撹拌混合して乳化物を得た。
【0187】
(結果)
このようにして得られた乳液は、べたつきがなく、のび広がりが軽く、さっぱりとした感触で、つやのある仕上りが得られるW/O型乳液であった。
【0188】
[実施例11;O/W型クリーム]
(成分) (質量部)
1.合成例2で得られたペースト状組成物B 8.0
2.架橋型メチルフェニルポリシロキサン(注2) 2.0
3.イソノナン酸イソトリデシル 5.0
4.ジプロピレングリコール 7.0
5.グリセリン 5.0
6.2%メチルセルロース溶液(注3) 7.0
7.ポリアクリルアミド系乳化剤(注4) 2.0
8.グアニン 1.0
9.防腐剤 適量
10.香料 適量
11.精製水 63.0
(注2)信越化学工業(株)製 KSG−18
(注3)信越化学工業(株)製 メトローズSM−4000
(注4)SEPIC製 セピゲル305
【0189】
(製造方法)
a:成分3〜11を均一に撹拌混合した。
b:成分1〜2を均一に混合した後、aに加え撹拌混合して乳化物を得た。
【0190】
(結果)
このようにして得られたクリームは、キメが細かく、べたつきがなく、のび広がりが軽く、油っぽさがなく、さっぱりとした使用感を与えると共に化粧持ちも良く、安定性に優れたO/W型クリームであった。
【0191】
[実施例12;W/O型クリーム]
(成分) (質量部)
1.合成例4で得られたペースト状組成物D 5.0
2.ジメチルポリシロキサン(動粘度;6mm/s) 10.0
3.架橋型ポリエーテル変性シリコーン(注5) 2.0
4.ポリエーテル変性分岐型シリコーン(注6) 0.5
5.ジプロピレングリコール 10.0
6.クエン酸ナトリウム 0.2
7.エタノール 5.0
8.防腐剤 適量
9.香料 適量
10.精製水 67.3
(注5)信越化学工業(株)製 KSG−210
(注6)信越化学工業(株)製 KF−6028
【0192】
(製造方法)
a:成分1〜4を均一に撹拌混合した。
b:成分5〜10を均一に混合した後、aに加え撹拌混合して乳化物を得た。
【0193】
(結果)
このようにして得られたクリームは、ぬるつき、べたつきがなく、のび広がりが軽く、みずみずしいさっぱりとした使用感を感じる、W/O型クリームであった。
【0194】
[実施例13;パウダーファンデーション]
(成分) (質量部)
1.合成例5で得られたペースト状組成物E 6.0
2.アクリレート/ジメチルシリコーン共重合体(注7) 3.0
3.スクワラン 3.0
4.アクリルシリコーン処理マイカ(注8) 50.0
5.トリエトキシカプリリル処理タルク(注9) 24.0
6.トリエトキシアルキルシリコーン処理酸化チタン(注10) 9.0
7.ハイブリッドシリコーン複合粉体(注11) 2.0
8.球状ポリメチルシルセスキオキサン粉体(注12) 3.0
9.トリエトキシアルキルシリコーン処理顔料(注13) 適量
10.防腐剤 適量
11.香料 適量
(注7)信越化学工業(株)製 KP−561P
(注8)信越化学工業(株)製 KP−574処理マイカ
(注9)信越化学工業(株)製 AES−3083処理タルク
(注10)信越化学工業(株)製 KF−9909処理酸化チタン
(注11)信越化学工業(株)製 KSP−300
(注12)信越化学工業(株)製 KMP−590
(注13)信越化学工業(株)製 KF−9909処理顔料
【0195】
(製造方法)
a:成分4〜10を均一に混合した。
b:成分1〜3を均一に混合した後、aに加え混合した。
c:成分11を添加した後、金型にプレス成型してパウダーファンデーションを得た。
【0196】
(結果)
このようにして得られたパウダーファンデーションは、べたつきがなく、のびが軽く広がりの良い、密着性に優れたパウダーファンデーションであった。
【0197】
[実施例14;W/O型クリームファンデーション]
(成分) (質量部)
1.合成例8で得られたペースト状組成物H 8.0
2.架橋型ポリエーテル変性シリコーン(注14) 3.0
3.ポリエーテル変性シリコーン(注15) 1.0
4.ジメチルポリシロキサン(動粘度;6mm/s) 3.0
5.デカメチルペンタシロキサン 9.0
6.トリオクタン酸グリセリル 5.0
7.ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 2.0
8.球状ポリメチルシルセスキオキサン粉体(注16) 1.5
9.ポリグリセリンアルキル共変性分岐型シリコーン(注17) 2.0
10.トリエトキシアルキルシリコーン処理顔料(注18) 5.0
11.ペンチレングリコール 5.0
12.塩化ナトリウム 0.5
13.防腐剤 適量
14.香料 適量
15.精製水 55.0
(注14)信越化学工業(株)製 KSG−210
(注15)信越化学工業(株)製 KF−6017
(注16)信越化学工業(株)製 KMP−590
(注17)信越化学工業(株)製 KF−6105
(注18)信越化学工業(株)製 KF−9909処理顔料
【0198】
(製造方法)
a:成分1〜4、5の一部、6〜8を均一に撹拌混合した。
b:成分9〜10、5の残部を撹拌混合した。
c:成分11〜13、15を均一に混合した。
d:cをaに加えて撹拌混合して乳化を行った。
e:成分14及びbをdに加えて撹拌混合した。
【0199】
(結果)
このようにして得られたクリームファンデーションは、ぬるつき、べたつきがなく、広がりが軽く、さらに顔料の分散性が良く、密着性に優れたW/O型クリームファンデーションであった。
【0200】
[実施例15;アイシャドウ]
(成分) (質量部)
1.セリサイト 45.0
2.マイカ 12.0
3.タルク 12.0
4.酸化チタン 10.0
5.微粒子酸化チタン 5.0
6.ステアリン酸マグネシウム 3.0
7.顔料 適量
8.オクチルドデカノール 3.0
9.ジメチルポリシロキサン(動粘度;6mm/s) 4.0
10.合成例5で得られたペースト状組成物E 6.0
11.防腐剤 適量
12.香料 適量
【0201】
(製造方法)
a:成分8〜11を均一に混合した。
b:成分1〜7を均一に混合した後、aを加え混合した。
c:成分12をbに添加した。
【0202】
(結果)
このようにして得られたアイシャドウは、のびが良く、密着性に優れた化粧持ちのよいアイシャドウであった。
【0203】
[実施例16;クリームアイカラー]
(成分) (質量部)
1.合成例5で得られたペースト状組成物E 3.5
2.合成例7で得られたペースト状組成物G 5.0
3.ポリエーテル変性分岐型シロキサン(注19) 2.0
4.ジメチルポリシロキサン(動粘度;6mm/s) 6.5
5.デカメチルペンタシロキサン 26.6
6.トリエチルヘキサノイン 5.0
7.有機変性ベントナイト 1.2
8.アクリレート/ジメチルシリコーン共重合体(注20) 1.5
9.トリエトキシアルキルシリコーン処理顔料(注21) 5.0
10.ジプロピレングルコール 5.0
11.クエン酸ナトリウム 0.2
12.防腐剤 適量
13.香料 適量
14.精製水 38.5
(注19)信越化学工業(株)製 KF−6028
(注20)信越化学工業(株)製 KP−575
(注21)信越化学工業(株)製 KF−9909処理顔料
【0204】
(製造方法)
a:成分1〜4、5の一部、6〜7を均一に撹拌混合した。
b:成分10〜12、及び14を撹拌混合した。
c:成分8〜9、及び5の残部を均一に混合した。
d:cをaに加えて撹拌混合して乳化を行った。
e:成分13及びbをdに加えて撹拌混合した。
【0205】
(結果)
このようにして得られたクリームアイカラーは、ぬるつき、べたつきがなく、広がりが軽く、さらに顔料の分散性が良く、密着性に優れたクリームアイカラーであった。
【0206】
[実施例17;ロールオンタイプ制汗剤]
(成分) (質量部)
1.合成例1で得られたペースト状組成物A 20.0
2.架橋型ポリエーテル変性シリコーン(注22) 20.0
3.架橋型ジメチルポリシロキサン(注23) 15.0
4.ジメチルポリシロキサン(動粘度;6mm/s) 10.0
5.デカメチルペンタシロキサン 15.0
6.アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレイト 20.0
7.香料 適量
(注22)信越化学工業(株)製 KSG−240
(注23)信越化学工業(株)製 KSG−15
【0207】
(製造方法)
a:成分1〜5を均一に混合した。
b:成分6〜7をaに加え混合分散した。
【0208】
(結果)
このようにして得られたロールオンタイプ制汗剤は、べたつきがなく、伸びが軽く、清涼感のあるさらりとした感触のロールオンタイプ制汗剤であった。
【0209】
[実施例18;サンカットクリーム]
(成分) (質量部)
1.トリエトキシアルキルシリコーン処理酸化亜鉛(注24) 20.0
2.アルキル・ポリグリセリン共変性シリコーン(注25) 12.0
3.デカメチルシクロペンタシロキサン 20.0
4.ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 7.0
5.架橋型アルキルポリエーテル共変性シリコーン(注26) 2.0
6.合成例5で得られたペースト状組成物E 5.0
7.アルキル・ポリエーテル共変性分岐シリコーン(注27) 1.0
8.メトキシ桂皮酸オクチル 3.0
9.クエン酸ナトリウム 0.2
10.ジプロピレングリコール 3.0
11.防腐剤 適量
12.香料 適量
13.精製水 26.8
(注24)信越化学工業(株)製 KF−9909処理酸化亜鉛
(注25)信越化学工業(株)製 KF−6105
(注26)信越化学工業(株)製 KSG−310
(注27)信越化学工業(株)製 KF−6038
【0210】
(製造方法)
a:成分3の一部、及び4〜8を均一に撹拌混合した。
b:成分9〜11、及び13を混合した。
c:成分1〜2、及び3の残部を混合した。
d:bをaに加えて撹拌混合して乳化を行った。
e:c及び成分12をdに加えて撹拌混合した。
【0211】
(結果)
このようにして得られたサンカットクリームは、ぬるつき、べたつきがなく、広がりが軽く、密着性に優れた化粧持ちも良かった。
【0212】
[実施例19;サンカット乳液]
(成分) (質量部)
1.合成例7で得られたペースト状組成物G 5.0
2.合成例5で得られたペースト状組成物E 1.0
3.ジメチルポリシロキサン(動粘度;6mm/s) 5.0
4.トリオクタン酸グリセリル 2.0
5.ポリエーテル変性シリコーン(注28) 1.0
6.酸化チタン/デカメチルシクロペンタシロキサン分散物(注29) 30.0
7.酸化亜鉛/デカメチルシクロペンタシロキサン分散物(注30) 30.0
8.ジプロピレングリコール 3.0
9.クエン酸ナトリウム 0.2
10.防腐剤 適量
11.香料 適量
12.精製水 22.8
(注28)信越化学工業(株)製 KF−6017
(注29)信越化学工業(株)製 SPD−T5
(注30)信越化学工業(株)製 SPD−Z5
【0213】
(製造方法)
a:成分1〜5を均一に撹拌混合した。
b:成分8〜10、及び12を混合した。
c:bをaに加えて撹拌混合して乳化を行った。
d:成分6、7、11をcに加えて撹拌混合した。
【0214】
(結果)
このようにして得られたサンカット乳液は、ぬるつき、べたつきがなく、広がりが軽く、化粧持ちの良いものであった。
【0215】
以上より、本発明のペースト状のオルガノポリシロキサンエラストマー組成物を含有する化粧料は、ぬるつき、べたつき等がなく、のび広がりが軽く、さっぱりとした感触で、密着性等に優れたものであることが示された。
【0216】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、
(I) i)下記一般式(1)で示される分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2ヶ含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、
【化1】

(式中、Rはそれぞれ同一であっても異なっていても良く、脂肪族不飽和基を有しない炭素原子数1〜8の一価炭化水素基である。aは1以上の整数、bは0以上の整数で、a+bは80以上の整数である。Xはそれぞれ同一であっても異なっていても良く、水素原子又はRである。)
ii)下記一般式(2)で示される分子中に脂肪族不飽和基を少なくとも2ヶ含有するオルガノポリシロキサン
【化2】

(式中、Rはそれぞれ同一であっても異なっていても良く、脂肪族不飽和基を有しない炭素原子数1〜8の一価炭化水素基であり、Rはそれぞれ同一であっても異なっていても良く、末端に不飽和基を有する炭素原子数2〜8の一価炭化水素基である。cは1以上の整数、dは0以上の整数で、c+dは80以上の整数である。Yはそれぞれ同一であっても異なっていても良く、R又はRである。)
とを含むオルガノポリシロキサン混合物を付加重合することにより得られるオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子と、
(II) 25℃で液状の油剤
とからなるペースト状のオルガノポリシロキサンエラストマー組成物であって、前記(I)成分のオルガノポリシロキサンエラストマー微粒子が、体積平均粒径2〜50μmの球状又は不定形の微粒子であり、該オルガノポリシロキサンエラストマー微粒子100質量部に対して25℃における動粘度が10mm/s以下のメチルポリシロキサン200質量部以上を吸収できる微粒子であることを特徴とするオルガノポリシロキサンエラストマー組成物。
【請求項2】
前記(II)成分の液状の油剤が、シリコーン油、炭化水素油、エステル油、天然動植物油、及び半合成油から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のオルガノポリシロキサンエラストマー組成物。
【請求項3】
前記一般式(2)におけるRが、ビニル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載のオルガノポリシロキサンエラストマー組成物。
【請求項4】
前記オルガノポリシロキサンエラストマー組成物に使用されている油剤の摩擦抵抗力/前記オルガノポリシロキサンエラストマー組成物の摩擦抵抗力≧0.80であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサンエラストマー組成物。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のオルガノポリシロキサンエラストマー組成物を含有するものであることを特徴とする化粧料。

【公開番号】特開2012−214701(P2012−214701A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−21207(P2012−21207)
【出願日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【出願人】(000002060)信越化学工業株式会社 (3,361)
【Fターム(参考)】