オンスクリーン・メニューを発生する方法
メニュー・ボタン(BG81、...、BG6’)および他のメニュー項目(例えば、ヘルプ・テキスト)から成る画面上メニューを発生する方法であって、1グループまたは複数グループのメニュー・ボタンまたはメニュー項目が規定されることを特徴とし、1グループは1つ以上のメニュー・ボタンまたはメニュー項目から成り、規定されたエリアを画面上に有する。「イネーブルド」(動作可能にされた)状態または「ディセーブルド」(動作不能にされた)状態が1つのボタンに割り当てられ、イネーブルド・ボタンのみが表示され、1グループ内で1つのボタンまたは項目がイネーブルされる。ボタンの状態は、他のボタンに関連するコマンドによって変更できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面上にオンスクリーン・メニューを発生する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
データ記録媒体、例えばビデオ用のDVD(Digital Versatile Discs)の音声・映像コンテンツは通常、ユーザが媒体の特定のコンテンツを選択できるように種々のメニュー・データを含んでいる。メニュー・データが使用され、画面(スクリーン)上にメニューを表示する。いわゆるマルチページ(複数ページ)メニューがしばしば使用され、メニューの各状態はフル・スクリーン(全画面)映像で表され、別個の層(レイヤ)としてビデオ画像の上に載せられる。表示されるメニュー項目を除いて、メニュー層は通常、透明(transparent:透過的)である。
【0003】
最新式のメニューにおいて、メニュー項目は基本的に、多数のボタンおよび非ボタン・オブジェクト(non‐button objects)から成る。各ボタンは、コンテンツのオーサ(author:作者)によって画面上に位置を割り当てられ、例えば、リモコンで、操作(ナビゲート)され起動される。各ボタンは、「正常の」(選択されない(unselected))状態、「選択された(selected)」状態、または「起動された(activated)」状態にある。各ボタンは、各状態において異なる視覚表示をユーザにフィードバックする。
【0004】
しかしながら、このような種類のメニューはどちらかといえば静的(スタティック)であって、画面全体を表現し直すことなく、ボタンを動的(ダイナミック)に追加したり画面から除去したりしない。コンテンツのオーサにとって、もっと洗練されたメニューが、例えば、サブメニューを設計するために望ましい。そのような場合、ユーザとの相互作用により、追加的なボタンが画面上に動的に現れては消える。本発明は、このようなダイナミックなメニューを発生する手段を提供する。
【発明の開示】
【0005】
(発明の概要)
本発明は、画面上でメニューの項目とボタンが、静的または動的背景の上に、ページ状(pagewise)でなく、別個に表現されるという想定に基づいている。「表現する」(render)とは、表示画素についての値を発生することを意味する。
【0006】
本発明によれば、各ボタンは追加的状態:「イネーブルド」(enabled:動作可能)状態または「ディセーブルド」(disabled:動作不能)状態を割り当てられる。この状態は概して、ボタンの表現行動を規定する。「イネーブルド(動作可能)」状態にあるボタンは典型的に、画面に表示され、「ディセーブルド(動作不能)」状態のボタンは表現されず、従って表示されない。だが、イネーブルド・ボタンは透明になることもある。
【0007】
ユーザは、「イネーブルド」状態にあるボタンのみを操作でき、よく知られる「正常の」状態、「選択された」状態、または「起動された」状態は、「イネーブルド(動作可能)」状態でのみ有効である。「ディセーブルド(動作不能)」状態にあるボタンは操作できず、それをしようとする試みは、本発明によれば、デコーダによって無視される。
【0008】
メニュー内の各ボタンは、画面上のエリア(領域)およびユニークな識別子を割り当てられる。通常、画面上でのボタンのエリアは矩形であるか、または複数の部分的矩形エリアの組合せである。
【0009】
本発明によれば、複数のボタンは幾つかのグループに編成され、すべてのボタンは或る規則にしたがう。これについては以下に述べる。
‐ 1つのボタン・グループに属するボタンの数は1つまたは複数である。空(から)のボタン・グループは存在しない。
‐ 1つのボタンは、複数のボタン・グループに属することはできない。
‐ 第1のボタン・グループに属するボタンのエリアは、画面上で、同じボタン・グループに属さない他のボタンのエリアと重ならない。
‐ 1つのボタン・グループ内の各ボタンは、2つの状態、「イネーブルド(動作可能)」または「ディセーブルド(動作不能)」状態の何れかでなければないない。
‐ 各ボタンは、初期状態(「イネーブルド」状態または「ディセーブルド」状態の何れか)を割り当てられる。
‐ 1つのボタン・グループ内の複数のボタンは一度に「イネーブルド」状態とならない。すなわち、画面上に表現されない。「イネーブルド」状態とは、ユーザの目に見えることを意味しない。例えば、イネーブルド・ボタンは、透明画素でのみ表される場合、ユーザの目に見えない。
‐ 1ボタン・グループ内の各ボタンを操作するために近隣情報、例えば、ユーザがLEFT(レフト:左)、RIGHT(ライト:右)、UP(アップ:上)、DOWN(ダウン:下)ボタンを押して、選択すべき他のボタンを決定できる。この近隣情報は、ボタンがイネーブルド状態のときにのみ有効である。ユーザは、ディセーブルド・ボタンを操作することはできない。
‐ 画面上で、第1のボタン・グループの第1のボタンのエリアと、同じグループの第2のボタンのエリア(目に見える表示)は重なることもある。これらは同じボタン・グループに属するので同時に見られず、一度に1つだけが「イネーブルド」状態になれる。
【0010】
本発明に基づき、新しいコマンドが規定される。このコマンドは、例えば、1つのボタンに関連し、別のボタンの「イネーブルド」状態と「ディセーブルド」状態を動的に切り替える。最新技術のメニューでは、1つのボタンを起動すると、1つ以上のコマンドが実行される。提案されたコマンドが同じように起動され、従って、最新技術の枠組みに適合する。他の効果として、ボタンを起動するとボタンはその外観、色などを変える。
【0011】
本発明の1つの態様は、ボタンをイネーブルまたはディセーブルするためのコマンドの規定である。どのボタンをイネーブルまたはディセーブルすべきかについての情報は、コマンドのパラメータとしてのボタン識別子により提供される。各ボタンについて、ボタンの起動時に実行される1つ以上のボタン・コマンドが規定される。ボタンに関連するコマンド(または一組のコマンド)はボタン・ハンドラ(handler)と称される。ボタン・コマンドの実行は、ボタンが「イネーブルド(動作可能)」状態にあるときにだけ可能であるが、関連するボタン・コマンドを有しない「空の(empty)」ボタンもある。ボタンをディセーブルすると、それを透明画素で置き替えることにより、ボタンの可視度が透明(クリア)になる。
【0012】
発明的ボタン・コマンドは通常、それ自身のボタンのイネーブルド状態またはディセーブルド状態を変更しない。イネーブルド・ボタンが起動されると、対応して起動時に実行されるボタン・コマンドは、他のボタンのイネーブルド/ディセーブルド状態を切り替えるが、そのボタン・ハンドラが既に別のボタンの選択を予定しているときを除き、それ自身のボタンをディセーブルド状態に切り替えない。しかしながら、メニュー全体をディセーブルする他のコマンドも実行される。1グループの1つのボタンをイネーブルするとそのグループ内の他のすべてのボタンを暗黙のうちにディセーブルする。
【0013】
各ボタン・グループのボタンが表示されるエリアが規定される。この表示エリアは、ボタン・グループ・エリアと呼ばれ、通常は矩形であるが、他の形状もある。この可視(目に見える)ボタンは、そのグループ・エリア内に在る限り、任意の形状を有する。例えば、矩形のエリア内に円形のボタンを表示することもできる。1つのボタン・グループ・エリアに属するがそのボタン・グループ・エリア内のイネーブルド・ボタンに属さない画素は透明にされる。
【0014】
本発明によるボタン・グループ・エリアの特徴として、1つのボタン・グループ内のボタン位置は、別のボタン・グループのボタン位置に重なり合わず、異なるボタン・グループのエリアはまったく重なり合わない。これは、画面が、幾つかの重なり合わないボタン・グループ・エリアと見なされることを意味する。或るボタン・グループのボタンの状態が変化すると、本発明によるデコーダは、記録媒体(通常、内部メモリ)から、それぞれのボタン・グループ・エリアの位置を読み取る。各グループについて、イネーブルド・ボタンのみが表現(表示)される。この場合、対応するボタン・グループ・エリアは任意の数の透明画素から成る。
【0015】
有利なことに、異なるボタン・グループ・エリアは重なり合わないので、1つのボタン・グループ・エリアを表現し直しても、別のボタン・グループ・エリアに属する画素は変更されず、復号化が容易となり、メニューのプログラミングが容易となり、特に、各プログラミング・コードの確認(静的ボタン位置および静的近隣関係による)が容易となる。
【0016】
以下に詳細に述べるように、ボタン・グループ・エリアについて3つの可能性がある。これらは、一般的なケースの特殊化されたものである。
【0017】
第1の可能性は、上述したような一般的ケースであり、この場合、ボタン・グループ・エリアは幾つかの重なり合わない部分的エリアから成り、各ボタン・グループ・エリアにおいて、それぞれのボタン・グループに属するボタンは目に見えるようにされる。従って、1つのボタン・グループに属する1つのボタンは通常、そのボタン・グループ・エリアの1つの部分的エリアに関連しており、1ボタン・グループの複数の部分的エリアはイネーブルド・ボタンを含まない。しかし、原則として、イネーブルド・ボタンは、そのボタン・グループの複数の部分的エリアに存在し、1つのボタンは幾つかの同等部分から成る。1つのボタン・グループのボタンの状態が変化すると、本発明によるデコーダは、記録媒体から各ボタン・グループの部分的エリアの位置を読み取り、すべての部分的エリアを新しく表現し直す。特に、デコーダは、複数の目に見えるボタン(すなわち、イネーブルド・ボタン)を表示しない。
【0018】
第2の可能性は、ボタン・グループのエリアが連続的(contiguous)な、例えば、矩形のエリアである。これは、結合性(cohesive)エリアが、各ボタン・グループについて規定されることを意味し、このエリアは、そのボタン・グループに属するボタンのあらゆる可能な位置を含んでいる。前述のように、異なるボタン・グループに属するエリアは重なり合わず、可視(目に見える)ボタンは必ずしも、許容されたエリアを充たす必要はない。すなわち、ボタンは、そのボタン・グループ・エリアの大きさと形状を有する必要はないが、完全に、そのグループに対応するエリア内になければならない。従って、異なるグループに属するボタンは重なり合わない。更に、同じボタン・グループに属する第2のボタンを表示するときに、第1のボタン・グループに属する第1のボタンを完全に削除するのは容易である。何故ならば、この場合、表現し直す必要のあるのは、それぞれのボタン・グループに属するボタン・グループ・エリアだけであり、これは単一の連続的エリアである。画面の他の部分を表現し直す必要はない。従って、以前に表示されたボタンの残存は見られない。1つのボタン・グループ内のすべてのボタンは、同じ画面上エリアを使用する。これは好ましい可能性である。
【0019】
第3の可能性は、1つのボタン・グループのすべてのボタンは同じ面積(すなわち、画面上でのボタンの大きさと位置)を有する。これは、デコーダの実施、メニューのプログラミングおよび確認に関して、最も容易な場合である。何故ならば、或る1つのボタン・グループに属するボタンを表示することにより、必然的に、同じ位置で以前に見られた同じボタン・グループの別のボタンは削除されるからである。しかし、これにより、他の2つの可能性よりも融通性の低いメニューとなる。
【0020】
原則として、1つのボタン・グループには、非ボタン・オブジェクト(すなわち、目に見えるが選択できないメニュー項目)も含まれる。1つのボタン・グループに属する非ボタン・オブジェクトは、「イネーブルド」状態または「ディセーブルド」状態を割り当てられており、イネーブルされる場合にのみ、目に見えるようにされる。イネーブリング(enabling:動作可能化)またはディセーブリング(disabling:動作不能化)はメニュー・ボタンに関連するボタン・ハンドラ(button handler)により行われる。
【0021】
本発明は、洗練されたメニュー(例えば、コンテンツのオーサ(作者)により要求される)を特徴とし、この特徴により、復号化は容易となる。特に、本発明は、動的(ダイナミック)なメニューを提供し、ボタンは動的にメニューから除去され、メニューに追加される。
【0022】
本発明により、コンテンツのオーサは、フラットなデータ構造により表される階層的メニューおよびサブメニューを容易に規定できる。メニューのプログラミングと確認は、既知の方法によるよりも容易である。本発明の利点は、グラフィックス・デコーダが、メニュー操作のためにメニュー全体を考慮する必要がなく、孤立したボタン・グループを処理するだけである。初期のメニュー構造を記述するデータは、記録媒体(取外し可能な記録媒体、光学ディスク)から読み出され、デコーダに接続される一時的記録媒体(メモリ)に記憶される。メニューが操作されると、一時的記録媒体内の変数は、現在の状態を保持する。
【0023】
ボタンが不可視の(目に見えない)とき(これは、ボタンがディセーブルされ、選択不可能/起動不能となるか、またはボタンがイネーブルされ、不可視としてマークされる:例えば、特殊なフラグまたは透明画素を有する)ことを意味する。後者の場合、ボタンは選択可能であり、選択されると、自動的に起動され、関連するコマンドが実行され、可視ボタンが選択される。また、最後のボタン・コマンドが可視ボタンを選択すれば、不可視ボタンを連結(concatenate)することができる。
【0024】
請求項1は、このようなボタン・グループを使用してメニューを発生する方法を開示する。発明的方法を利用する装置を請求項8に開示する。それぞれのデータ構造を保持する記録媒体を請求項12に開示する。
【0025】
本発明の更なる目的、特徴および利点は、添付する図面に関連する以下の説明と特許請求の範囲を考慮することから明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は、スクリーンS(Screen)に表示されるメニュー・ページの初期画面を示し、「音声言語(Audio Laguage)ボタンVB1と「サブタイトル言語(Subtitle Language)」ボタンVB2のみがイネーブルされ目に見えている。その他のボタンBGは、目に見えるボタンのサブメニュー(submenus)に属し、目に見えない。これは、メニューを記述し媒体上でビットストリーム内に含められるデータ・セグメントにより規定される。本発明によれば、これらのボタンBGは別個のボタン・グループに属し、最初はディセーブルされており目に見えない。2つの可視ボタン(VB1、VB2)は別個のボタン・グループに属することもある。データ・セグメントはICS(Interactive Composition Segment:双方向組成セグメント)と呼ばれる。図1に示す初期画面で、可視ボタンVB1、VB2はどれも起動されていない。通常、可視ボタンのうち1つは、最初に、デフォルトにより選択される。図示するケースで、ユーザがリモコンでRIGHT(右)ボタンを押すと、まだ起動されているボタンはないので、何も変化しない。ディセーブルド・ボタンに通じる近隣関係が決定されても、近隣ボタンがディセーブルされている限り、デコーダはこの関係を無視する。例えば、UP(アップ:上)ボタンまたはDOWN(ダウン:下)ボタンを押すと可視ボタンVB1かVB2が選択される。ボタンVB1を選択し、リモコンで「OK」ボタンを押して「音声言語」(Audio Language)ボタンを起動すると、図2に示すように、メニューの表示が変更される。
【0027】
図2で、「音声言語」ボタンVB1が起動され、それに関連するボタン・コマンドが、右側にあるボタンBGAをイネーブルする。その結果、これらのボタンBGAは目に見えるようになり、そのうち1つを選択し起動すると、音声言語を選択できるようになる。
【0028】
図3は、図2からスタートし、音声言語(Audio Language)ボタンVB1は起動されておらず、DOWN(ダウン:下)ボタンが押されて、サブタイトル言語(Subtitle Language)ボタンVB2が選択されている状況を示す。次に、ユーザがリモコンで、「OK」ボタンを押すことにより、「サブタイトル言語」ボタンVB2が起動される。結果として、右側に4個のボタンBGSが表され、サブタイトルのオプション(選択)を示す。これらのボタンは、図2において音声のオプションのために表示された4個のボタンBGAと同じ位置に表される。これは、同じ位置を有し異なるサブメニューに属するボタンは同じボタン・グループに属するので、ボタン・グループのボタンを配置する第3の可能性(上述)に対応する。図3に示すボタンBGSは、図2に示すボタンBGAとは異なる機能を有し、すなわち、サブタイトル言語を選択する。ボタンBGSは、各ボタン・グループの「サブタイトル(字幕)」(Subtitle)ボタンを表し、図2のボタンBGAは同じボタン・グループの「音声」(Audio)ボタンを表す。本例において、表示されるサブメニューの対応するボタンは、位置だけでなく言語および外観も同じである。図3で、ボタンBGSがどのサブメニューを指しているかは、選択されたボタンVB2からのみ見ることができる。従って、サブメニュー・ボタンBGSのうち1つが選択されると、対応する上位のボタンVB2は選択されないボタン(起動もされない)とは異なって見える。
【0029】
図4のメニューで、可視ボタン(VB1、VB2)内にグラフィカル・ヒント(GH:図式的ヒント)が小さい矢印で現れて、関連するサブメニューの存在を示す。「音声言語」ボタンVB1が起動され、または選択されて、リモコンのRIGHT(ライト:右)ボタンが押されると、そのボタン・ハンドラが不可視(目に見えない)ボタンINBを選択する。不可視ボタンINBは、「音声言語」ボタンVB1右側の近隣情報と定義される。不可視ボタンINBは、いわゆる「オートアクション」ボタンであって、選択された状態から起動された状態に自動的に切り替え、そのボタン・ハンドラが実行される。ボタン・ハンドラが具えるコマンドにより、右側にある4個のボタンBGAを、それらが起動されずに、可視状態にし、且つコマンドにより、「英語」ボタンを選択する。不可視ボタンINBは、他のボタンと同じデータ構造を有する。「音声言語」ボタンが選択されている間、RIGHT(ライト:右)ボタンが押されると、音声(audio)オプション(選択)が可視となる。
【0030】
つぎのステップ(図5)で、右側の新しいボタンのうち1つが選択される。4つの異なるボタン・グループBGA(英語、日本語、韓国語、オランダ語)がある。「音声言語」および「サブタイトル言語」ボタンがボタン・グループに属することは可能であり、ボタン・グループと単独のボタンとを組み合わせることもできる。データ構造の観点から、単独のボタンが1つだけの要素を有するボタン・グループを形成できる。図5に、「音声言語」ボタンが選択され起動されているように見える。サブメニュー・ボタン・グループBGAの各々について、音声の選択を表すボタンがイネーブルされ可視となる。これらのボタンは同じ位置に表され、サブタイトルを選択するボタンも、「サブタイトル言語」が選択されていれば、ここに表される。従って、同じボタン・グループに属するボタンは互いに上書きされる。サブメニュー・ボタンのうち1つが選択されるので「音声言語」ボタンは選択から外されなければならない(図23に関して以下に述べる)。選択されたサブメニュー・ボタンはデフォルト・ボタンである。例えば、「英語」は予め定められたデフォルトであるか、または現在使用されているオプションであるか、あるいは他のタイプのデフォルト(default)である。
【0031】
図6〜図8は、ボタン・グループのエリア(領域)を規定する、上述の3つの可能性を例示する。一般に、ボタン・グループのエリアは、そのボタン・グループに属するボタンの画面上エリアの総和により定められる。同じボタン・グループに属する異なるボタンの位置は、そのボタン・グループに指定されたエリア内にある限り、異なる。実際的な理由で、すなわち、典型的ディスプレイの行列構造により、ボタン・グループのエリアおよび部分的エリアは原則として、任意の形状を有するが、通常は矩形となる。
【0032】
図6は、ボタン・グループを規定する第1の可能性(上述)を示す。第1のボタン・グループBG61は、3個のボタンB#1、B#4、B#6から成り、3つの別個の非コヒーレント(non‐coherent:非干渉性)エリアを有する。第2のボタン・グループBG62も、3個のボタンB#2、B#3、B#5から成り、3つの別個の非コヒーレント・エリアを有する。各ボタン・グループ(BG61、BG62)につき一度に1つのボタンがイネーブルされ、可視となる。従って、ボタンB#1、B#4、B#6のうち1つだけ、そしてボタンB#2、B#3、B#5のうち1つだけが一度にイネーブルされ(可視となり)、他のボタンは透明にされる。第1のボタン・グループBG61の個々のボタン・エリアのうちどれも、他方のボタン・グループBG62の個々のボタン・エリアと重なり合わない。しかし、第1のボタン・グループのエリアを、第2のボタン・グループに属する部分的エリアで包囲することは可能であり、完全に包囲することも可能である。本例でイネーブルされて可視となるボタンは、それぞれボタン・グループ・エリアを完全に占める。別の実施例で、同じグループに属するボタンのエリア(例えば、B#2とB#5)が重なり合うこともある。これは、複数のボタンが同時に可視とならないからであり、ボタンのうち1つが可視にされると、そのボタン・グループのすべての部分的エリアは表示し直され、従って、透明にされる。
【0033】
図7に示す好ましい実施例で、各ボタン・グループごとに1つのエリアが規定され、そのボタン・グループに属するすべてのボタンは、そのエリア内に配置される。ボタン・グループBG71は、そのすべてのボタン(B#11、B#12)が表示される規定されたエリアを有する。別のボタン・グループBG72はそのボタン(B#21とB#22)のために別のエリアを有する。ここでは、異なるボタン・グループのエリアは重なり合わない。同じボタン・グループBG71に属する異なるボタン(B#11、B#12)の位置は、ボタンが指定されたエリア内に在る限り、異なる。
【0034】
図8は好ましい実施例の特殊な場合を示し、各ボタン・グループのすべてのボタンはまったく同じ位置にあり、互いに上書きされる。この場合、1つのボタンのエリアは、そのボタン・グループのエリアと同じである。第1のボタン・グループは、イネーブルされて可視となる「音声言語」ボタンBG81と、1つ以上のディセーブルされて不可視となるボタンBG81’とから成る。分かり易くするために、ディセーブルト゛・ボタンBG81’は可視に描かれているが、可視ボタンBG81とまったく同じ位置に表示される。
【0035】
図9は、メニューがメニュー・アイコンMMのみで表される一例を示す。画面の他の部分は音声・映像のプレゼンテーション(例えば、映画)を表示する。小さいアイコンMMが画面に表示され、メニューが利用できることを知らせる。アイコンMMは映画を見ている視聴者の邪魔にならない。視聴者がメニューを、専用のボタンまたはリモコンの「OK」ボタンを押してメニューを起動すると、更なるメニュー・ボタンが表示される(図10)。ユーザはメニューを操作し選択を行い、ボタン(AL、SL)で、音声言語またはサブタイトル言語を選択する。例えば「音声言語」ボタンALが選択され起動されると、音声言語サブメニューが可視となり(図11)、この階層メニュー内の現在の位置、および英語、日本語、韓国語、オランダ語につき最初の言語選択ボタン(L1...L4)を表示する。「音声言語」ボタンAL1は「その他(more)」などの表示MI1を有し、更なるオプションの存在を知らせる。「音声言語」ボタンALを繰り返し起動させることにより、この更なるオプションにアクセスできる。これはマルチ起動と呼ばれる。このALボタンが二度目に起動されると、スペイン語、フランス語、ギリシャ語、ポーランド語の音声言語ボタンL5...L8が現れ、3回目の起動後に、デンマーク語、ノルウェー語、フィンランド語およびスウェーデン語の音声言語ボタンL9、...、L12が現れる。「音声言語」ボタンALを四回目に起動後に、図10に示す初期メニューが再び表示される。このメニューは、専用のメニュー・ボタンで再びアイコン化される。
【0036】
視聴者は、オプション・ボタン内でテキストだけが変化するという感じをいだくが、このようなメニューを既知の方法とデータ構造でプログラムすることは技術的に困難であり、且つ誤りを起こしやすい。特に、メニューが正確に働くようにするために、プログラムされたメニュー・データの確認のために、ボタンの組合せをすべてテストする必要がある。本発明によるボタン・グループを使用する方法では、メニューを確認する必要のために使用するボタンは各ボタン・グループから1つだけなので、有利であり、ボタン・グループの機構は一度だけ別個に確認できる。更に、メニュー・プログラマは容易にオプションを編成し直し、ボタン・グループを変更できる。
【0037】
第1のボタン・グループは、英語L1、スペイン語L5、デンマーク語L9のボタンから成る。第2のボタン・グループは、日本語L2、フランス語L6、ノルウェー語L10のボタンから成る。第3のボタン・グループは、韓国語L3、ギリシャ語L7、フィンランド語L11のボタンからなる。第4のボタン・グループは、オランダ語L4、ポーランド語L8、スウェーデン語L12のボタンから成る。同時にイネーブルされて可視となる、異なるボタン・グループのボタンは、データ構造の観点から互いに独立しているが、1つの論理層と見なされる。これらは、同時にイネーブルされて可視となるだけである。
【0038】
「音声言語」ボタンALは、他のメニュー・ボタンの現状に依り異なる機能を有するので単独のボタンではない。特に、「音声言語」ボタンの起動時に、オプションのボタンをイネーブルしなければならない点で機能が異なる。例えば、「音声言語」ボタンAL1(図11)を起動すると、オプションのボタンL5...L8(図12)がイネーブルされ、同じ外観の「音声言語」ボタンAL2(図12)を起動すると、ボタンL9...L12(図13)がイネーブルされる。従って、第5のボタン・グループは、論理層に属するそれぞれ異なる「音声言語」ボタンAL1、AL2、AL3から成る。または、「音声言語」ボタンAL1、AL2、AL3が同じこともあり得る。ボタンのコマンドは、ボタン・グループのどのボタンが現在イネーブルされているかを考慮し、コマンドは、各ボタン・グループの次の要素をイネーブルする。
【0039】
図14は、条件付きイネーブリング(動作可能化)の例を示す。ボタンは、ユーザの設定またはプレーヤの設定に依り、イネーブルされ、あるいはディセーブルされる。例えば、ディスク上での映画に3つのバージョン:「子供のカット(Children’s cut)」、「劇場のカット(Theatrical cut)」、および「監督のカット(Director’s cut)」がある。ディスクをプレーヤに挿入すると、最初のメニューは、例えば、映画の題名と共に選択不可能ボタンNSB、および再生用の選択可能ボタンSB1、SB2、SB3を表示する。ユーザはペアレンタル・レベル(parental level)を設定し、「子供のカット」と「劇場のカット」を許可し、「監督のカット」を拒絶する。画面には、許可された2つオプションのために選択可能なボタンSB1、SB2のみが表示される。禁じられたオプションは透明にされるので、可視ボタンはない。
【0040】
本発明により、このメニュー行動は、イネーブル/ディセーブル・コマンドおよびボタン・グループを使用することにより、技術的に達成できる。1つ以上のオプション・ボタンSB1、SB2、SB3は別個のボタン・グループに属し、各ボタン・グループに対して指定された設定により、規定されたメンバがイネーブルされ、可視表示される。本例で、「監督のカット」ボタンは、関連するボタン・グループ・エリアと共に、ボタン・グループSB3に属し、プレーヤをペアレンタル・レベルに設定すると、最初のボタン・ハンドラはそれぞれのボタンをディセーブルする、すなわち、ボタン・グループ・エリアを透明にする。他の設定、例えば、プレーヤのタイプ、オーディオ機器のタイプなどに依存する再生のオプションを利用することもできる。
【0041】
本発明の更なる実施例として、いわゆる「ブレッドクラム」(breadcrumb:パンのかけら)メニューを容易に構築できる。ブレッドクラム・メニューでは、別の階層に属する以前に押されたボタンが依然として可視のままであり、ユーザはどのボタンが選択されたのか、そして現在表示されているオプション・ボタンが何を指しているのか、を見ることができる。これは、階層的メニューのために特に役立つ。本発明によって利用されるデータ構造では、階層は近隣関係によって暗に示される。
【0042】
図15は、同じ階層レベルに属する3個のボタンAMB、ALMB、SLMBを有するメニュー画面を示す。メニュー・ボタンの1つAMBは、マルチアングル(複数のアングル)選択のためのもので、選択されて、3個のアングル選択ボタンASBが右側に表示される。これらの目に見える(可視)選択ボタンASBの各々は別個のボタン・グループに属し、「アングル」メニュー・ボタンASBが選択されて、可視となる。これらのボタン・グループの他のメンバはディセーブルされ、従って目に見えない。
【0043】
図16は、メニューが他の不可視ボタンIB1...IB4から成ることを示す。これらを使用して、高レベルのメニュー・ボタンAMB、ALMB、SLMB間の推移において何が起こるのかを明確にする。
【0044】
図15で、「アングル」(Angle)メニュー・ボタンAMBが選択され、ユーザが「音声言語」メニュー・ボタンALMBを選択したいときに、「音声言語」メニュー・ボタンALMBは「アングル」メニュー・ボタンAMBの下に表示される。ユーザはリモコンのDOWN(下)ボタンを押す。本発明でサポートされる動的メニューは以下のように実行される。最初に、「アングル」ボタンの下にある「近隣」ボタン(本例では、不可視ボタンIB1)が選択される。この状態を図17に示す。不可視ボタンは、画面に表示されないが、例えば、同じデータ構造が可視ボタンと不可視ボタンのために使用される場合、データの一貫性により、割り当てられた表示エリアまたは位置を有する。図面では説明のために、不可視ボタンもその論理的位置に示されている。
【0045】
次に、不可視ボタンIB1が選択された後に、不可視ボタンIB1は自動的に起動され(表1で、auto_action_flag==true)、そのボタン・ハンドラは以下のコマンドを実行する:第1に、ボタン・ハンドラは、「アングル」メニュー・ボタンAMBに関連するメニュー・オプション・ボタンASBをディセーブルして不可視にし、第2に、ユーザが選択したいメニュー・ボタン(「音声言語」ボタン)に属するオプション・ボタンALSBをイネーブルし、最後に、「音声言語」メニュー・ボタンALMBを選択して、ボタン・ハンドラ自体は選択からはずれる。これを図18に示す。図19と図20は別の不可視ボタンIB3を使用し、「音声言語」メニュー・ボタンALMBから「サブタイトル言語」メニュー・ボタンSLMBへの推移を示す。この場合、音声言語サブメニュー・ボタンALSBは、サブタイトル言語サブメニュー・ボタンSLSBに置き換えられる。更に、反対方向に推移するための不可視ボタン(IB2、IB4)がある。
【0046】
その結果、メニューのオプション・ボタンASB、ALSB、SLSBは常に、選択したメニュー・ボタンAMB、ALMB、SLMBとマッチし、選択したメニュー・ボタンは起動されない。ユーザはその中間状態、(通常、数ミリセカンドの範囲で、不可視ボタンまたは前述した推移がとる)に気づかないかもしれない。メニューのオプション・ボタンASB、ALSB、SLSBはボタン・グループのメンバとなる。異なるサブメニューに属する、同じ位置にあるボタンは1つのボタン・グループを形成する。これにより、容易なメニュー・データ構造が得られ、プログラミングおよび確認が簡略化される。特に、ボタン・グループは暗に処理して、古いサブメニューのオプション・ボタンをディセーブルし、新しく選択されたメニュー・ボタンに属する正確なサブメニューのオプション・ボタンをイネーブルする。1つのボタン・グループから1つのボタンがイネーブルされ、可視となるので、各ボタン・グループについて、イネーブルすべき新しいボタンを選択すれば十分である。これは暗に、そのグループの以前にイネーブルされたボタンをディセーブルすることを意味し、そのボタン・グループ・エリアに属する画素は、新しいボタンのビットマップ表示に従い上書きされる。ディスプレイの残りの部分は変更されないので、以前にどのボタンが可視であったか、どのボタンを取り替えなければならないのか、ボタンがどのエリアを占拠したか、重なり合っているボタン・エリアがあるか、をデコーダが分析する必要はない。
【0047】
本発明の別の実施例(ブレッドクラム効果の実施例)を図21〜図23に示す。階層的メニュー・ボタン、例えば、「アングル」メニュー・ボタンAMB1(図21)が選択されると、正常の状態から選択された状態に変化し、その表示は異なって見え、例えば、ハイライトされる。これは、ボタンの状態に応じて異なるビットマップの表示により起こされる。「アングル」メニュー・ボタンは、起動されると、非常に短時間だけ起動されている。この期間中、その外観は選択された状態とは異なるが、ユーザはほとんどそれに気づかない。このボタンが起動されると、そのボタン・ハンドラは不可視ボタンINBを選択し、これを使用して、サブメニュー・ボタンASBを可視にする。この状況を図22に示す。このとき、不可視ボタンINBが選択された状態にあると、「アングル」メニュー・ボタンは選択されない。何故なら、一度に選択できるメニュー・ボタンは1つだけだからである。さもなければ、デコーダは、ユーザのコマンドがどのボタンを指しているのか検出できない。「アングル」メニュー・ボタンは正常状態にある。しかし、ブレッドクラム効果を得るため、すなわち、現在のサブメニュー・ボタンASBが指しているメニュー・ボタンを示すために、メニュー・ボタンAMB1に別の外観を与えることが望ましい。これは、例えば、「アングル」ボタン・グループを発生することにより、本発明に従うボタン・グループで達成できる。
【0048】
メニュー・ボタンのようなデフォルトの「アングル」ボタンAMB1は3つの状態:正常状態、選択された状態、起動された状態を有する。別のボタン、例えば、同じボタン・グループに属する「Angle_Select(アングル選択)」ボタンは、デフォルトの「アングル」ボタンAMB1と同じように見え、同じ表示位置を有するが、わずかに異なる。その正常状態のビットマップは、選択されたデフォルト・ボタンまたは起動された状態のビットマップと同じである。前述のように、不可視ボタンINBは、選択されると自動的に起動される。それ(INB)はサブメニュー・ボタンASBを可視にし、「Angle_Select(アングル選択)」ボタンAMB2を(正常状態に)イネーブルし、従って、以前に可視であった「アングル」ボタンAMB1を暗にディセーブルし、最後に、サブメニュー・ボタンASB1のうち1つを選択し、それ(INB)自体は選択からはずれる(図23)。結果として、ユーザは以前と同様、ボタンAMB2を同じボタンAMB1として認識する。ボタンAMB2は選択されているかまたは起動されているように見えるが、実際には、選択からはずされている。、ボタンを他のボタンに替えることにより、ボタンは、異なる表示(色、形状、テキストなど)が与えられる。発明によるボタン・グループにより、ボタンを容易に処理でき、簡素な機構により、そのボタン・グループ・エリア内の画素について正確な値を決定できる。
【0049】
グループ構造はメニュー・デコーダに関する情報を提供し、この情報は、更新を必要とする画面上のエリアを規定する。1つのボタン・グループ内で一度に1つのボタンが動作するので、1グループ内の別のボタンの起動は、同じグループ内の第1のボタンの非起動を意味する。これでメニューをオーサするのが容易となり、オーサリングに有利となる。
【0050】
プリレコード(prercorded)媒体、例えば、Blu‐ray(ブルーレイ)ディスクの場合、題名(タイトル)に関して確認プロセスが行われてから、データ構造が仕様書に適合するか点検のためにリリースされる。本発明は、確認を容易にし、動的メニューを制作する際、高められた特徴をコンテンツのオーサに提供する。
【0051】
以下の表1に、ビットストリーム内に含まれるデータ・セグメントのシンタクス、および実施例である最初のメニュー画面を記載する。表1は、上述した第2の可能性に従い、ボタン・グループ・エリアが規定される場合を記載する。
【表1】
【表2】
【0052】
表1の記号法はwhile‐ループとfor‐ループを使用するが、ループは記号法を一般化する手段にすぎず、実際のビットストリームはループの単独パス(pass)またはインスタンス(instance)に関するデータを含んでいる。1.17と1.61の間にlength segment_lengthのデータ・セグメント全体にわたるループがある。データ・セグメントには任意の数のボタン・グループが含まれる。
【0053】
1.18において、以下のラインは、1.60まで、1つのボタン・グループの定義に言及する。グループの識別子は、丸括弧内に示す値である。1.19〜22において、画面上のそれぞれの位置は、現在のボタン・グループ(ボタン・グループ・エリアとも称される)について規定される。これは、その水平および垂直方向のサイズおよびその基準点の位置によって規定される。この場合、ボタン・グループ・エリアは1つの矩形であるが、前述のように、他のエリアであるかまたは複数の矩形である。その場合、1.19〜22は、各部分的エリアについて一回繰り返される。
【0054】
1.23におけるパラメータは、現在のグループのボタンのうちどれがデフォルトによってイネーブルされるかを規定する。デコーダはこの値を使用し、最初に、現在のグループに関連するレジスタをロードし、変数を保持する。この変数は、現在イネーブルされているボタンの数を指定し、メニューの操作中に変更できる。変数は、ボタンのうちのどれにも対応しない値を割り当てられ、その結果、そのグループのすべてのボタンはディセーブルされる。この構成によって、1つのグループ内の1つのボタンがイネーブルされる。メニュー操作の間に変更される変数を初期化するために使用される他の2つのパラメータは、default_selected_button_number(1.15)と、default_activated_button_number(1.16)である。
【0055】
1.24において、現在のグループ内のボタンの数が規定される。
【0056】
1.25で始まるループは、そのグループのボタンをすべて包含し、各ボタンについて参照番号(1.26)を、もしそれが数値的に選択可能であるなら(1.27)、もしそれが選択されたときにそのコマンドを自動的に実行するなら(1.29)、規定し、ボタン・グループ・エリア(1.31〜32)内のその位置、その近隣ボタン(1.33〜38)、および異なるボタン状態に対応するビットマップが読まれる場所を示すアドレス範囲、を規定する。各ボタンごとに、1つ以上のコマンドが規定される。1.55で、現在のボタンのコマンド数は、パラメータnum_of_button_commandsによって指定される。ボタン・ハンドラの実際のコマンドは1.56〜58で規定される。
【0057】
本発明は、ディスプレイにアクセスを有し且つDVD、Blu‐rayディスクまたは他の媒体から読み出されるメニュー・データ構造を処理するデコーダを具える、あらゆる種類のプレゼンテーション装置に使用できる。更に、本発明は、このようなデータ構造を発生するために使用できる。
【0058】
本発明により、デコーダはデータ・ストリームを復号化し、データ・ストリームは視覚的に表示可能なメニューに関するメニュー・データから成り、メニューは別個に表されるメニュー項目から成り、メニュー項目は選択可能なメニュー・ボタンを含み、以下の手段を具える:(1)少なくとも1グループのメニュー項目を規定する手段であって、該グループは1つ以上のメニュー項目から成り、1つのメニュー項目は複数のグループに属さない、前記規定する手段、(2)ディスプレイ上で規定されるエリアを前記グループに関連させる手段、および(3)1グループに属する前記メニュー項目の各々に「イネーブルド」状態または「ディセーブルド」状態を割り当てる手段であって、イネーブルド・メニュー項目だけが表示され、1グループ内の複数のメニュー項目が同時にイネーブルされない、前記割り当てる手段。
【0059】
更に、1グループに属する表示された1つのメニュー項目は、そのグループに関連するエリア内に表示され、異なるグループのエリアは重なり合わず、1つの表示画素は複数のグループに属さない。
【0060】
更に、1つのメニュー項目は、関連する1つのコマンドを有し、コマンドは、メニュー項目の起動時に実行され、別のメニュー項目をイネーブルし、またはディセーブルする。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】ディセーブルド・サブメニューを有するメニュー画面。
【図2】第1のイネーブルド・サブメニューを有するメニュー画面。
【図3】第2のイネーブルド・サブメニューを有するメニュー画面。
【図4】サブメニュー選択用のオーサリングのオプション。
【図5】選択されたサブメニュー項目を有するメニュー画面。
【図6】第1の可能性による、ボタン・グループ・エリア。
【図7】第2の可能性による、ボタン・グループ・エリア。
【図8】第3の可能性による、ボタン・グループ・エリア。
【図9】メニュー・アイコンを有する画面。
【図10】メニュー・アイコンおよびイネーブルド・メニューを有する画面。
【図11】特徴的ボタンの最初の起動後の、最初のマルチ起動メニュー画面。
【図12】特徴的ボタンの第2の起動後の、マルチ起動メニュー画面。
【図13】特徴的ボタンの第3の起動後の、マルチ起動メニュー画面。
【図14】条件付きでイネーブルされた項目を有するメニュー画面。
【図15】ブレッドクラム・メニューの初期画面。
【図16】ブレッドクラム・メニューの初期画面に含まれるボタン。
【図17】ブレッドクラム・メニューで、第1から第2の画面への推移。
【図18】ブレッドクラム・メニューで、第1から第2の画面への推移。
【図19】ブレッドクラム・メニューで、第2から第3の画面への推移。
【図20】ブレッドクラム・メニューで、第2から第3の画面への推移。
【図21】サブメニューの推移の間、ブレッドクラム・メニューで選択されたボタン、および以前に選択されたが現在選択されていないボタンの外観。
【図22】サブメニューの推移の間、ブレッドクラム・メニューで選択されたボタン、および以前に選択されたが現在選択されていないボタンの外観。
【図23】サブメニューの推移の間、ブレッドクラム・メニューで選択されたボタン、および以前に選択されたが現在選択されていないボタンの外観。
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面上にオンスクリーン・メニューを発生する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
データ記録媒体、例えばビデオ用のDVD(Digital Versatile Discs)の音声・映像コンテンツは通常、ユーザが媒体の特定のコンテンツを選択できるように種々のメニュー・データを含んでいる。メニュー・データが使用され、画面(スクリーン)上にメニューを表示する。いわゆるマルチページ(複数ページ)メニューがしばしば使用され、メニューの各状態はフル・スクリーン(全画面)映像で表され、別個の層(レイヤ)としてビデオ画像の上に載せられる。表示されるメニュー項目を除いて、メニュー層は通常、透明(transparent:透過的)である。
【0003】
最新式のメニューにおいて、メニュー項目は基本的に、多数のボタンおよび非ボタン・オブジェクト(non‐button objects)から成る。各ボタンは、コンテンツのオーサ(author:作者)によって画面上に位置を割り当てられ、例えば、リモコンで、操作(ナビゲート)され起動される。各ボタンは、「正常の」(選択されない(unselected))状態、「選択された(selected)」状態、または「起動された(activated)」状態にある。各ボタンは、各状態において異なる視覚表示をユーザにフィードバックする。
【0004】
しかしながら、このような種類のメニューはどちらかといえば静的(スタティック)であって、画面全体を表現し直すことなく、ボタンを動的(ダイナミック)に追加したり画面から除去したりしない。コンテンツのオーサにとって、もっと洗練されたメニューが、例えば、サブメニューを設計するために望ましい。そのような場合、ユーザとの相互作用により、追加的なボタンが画面上に動的に現れては消える。本発明は、このようなダイナミックなメニューを発生する手段を提供する。
【発明の開示】
【0005】
(発明の概要)
本発明は、画面上でメニューの項目とボタンが、静的または動的背景の上に、ページ状(pagewise)でなく、別個に表現されるという想定に基づいている。「表現する」(render)とは、表示画素についての値を発生することを意味する。
【0006】
本発明によれば、各ボタンは追加的状態:「イネーブルド」(enabled:動作可能)状態または「ディセーブルド」(disabled:動作不能)状態を割り当てられる。この状態は概して、ボタンの表現行動を規定する。「イネーブルド(動作可能)」状態にあるボタンは典型的に、画面に表示され、「ディセーブルド(動作不能)」状態のボタンは表現されず、従って表示されない。だが、イネーブルド・ボタンは透明になることもある。
【0007】
ユーザは、「イネーブルド」状態にあるボタンのみを操作でき、よく知られる「正常の」状態、「選択された」状態、または「起動された」状態は、「イネーブルド(動作可能)」状態でのみ有効である。「ディセーブルド(動作不能)」状態にあるボタンは操作できず、それをしようとする試みは、本発明によれば、デコーダによって無視される。
【0008】
メニュー内の各ボタンは、画面上のエリア(領域)およびユニークな識別子を割り当てられる。通常、画面上でのボタンのエリアは矩形であるか、または複数の部分的矩形エリアの組合せである。
【0009】
本発明によれば、複数のボタンは幾つかのグループに編成され、すべてのボタンは或る規則にしたがう。これについては以下に述べる。
‐ 1つのボタン・グループに属するボタンの数は1つまたは複数である。空(から)のボタン・グループは存在しない。
‐ 1つのボタンは、複数のボタン・グループに属することはできない。
‐ 第1のボタン・グループに属するボタンのエリアは、画面上で、同じボタン・グループに属さない他のボタンのエリアと重ならない。
‐ 1つのボタン・グループ内の各ボタンは、2つの状態、「イネーブルド(動作可能)」または「ディセーブルド(動作不能)」状態の何れかでなければないない。
‐ 各ボタンは、初期状態(「イネーブルド」状態または「ディセーブルド」状態の何れか)を割り当てられる。
‐ 1つのボタン・グループ内の複数のボタンは一度に「イネーブルド」状態とならない。すなわち、画面上に表現されない。「イネーブルド」状態とは、ユーザの目に見えることを意味しない。例えば、イネーブルド・ボタンは、透明画素でのみ表される場合、ユーザの目に見えない。
‐ 1ボタン・グループ内の各ボタンを操作するために近隣情報、例えば、ユーザがLEFT(レフト:左)、RIGHT(ライト:右)、UP(アップ:上)、DOWN(ダウン:下)ボタンを押して、選択すべき他のボタンを決定できる。この近隣情報は、ボタンがイネーブルド状態のときにのみ有効である。ユーザは、ディセーブルド・ボタンを操作することはできない。
‐ 画面上で、第1のボタン・グループの第1のボタンのエリアと、同じグループの第2のボタンのエリア(目に見える表示)は重なることもある。これらは同じボタン・グループに属するので同時に見られず、一度に1つだけが「イネーブルド」状態になれる。
【0010】
本発明に基づき、新しいコマンドが規定される。このコマンドは、例えば、1つのボタンに関連し、別のボタンの「イネーブルド」状態と「ディセーブルド」状態を動的に切り替える。最新技術のメニューでは、1つのボタンを起動すると、1つ以上のコマンドが実行される。提案されたコマンドが同じように起動され、従って、最新技術の枠組みに適合する。他の効果として、ボタンを起動するとボタンはその外観、色などを変える。
【0011】
本発明の1つの態様は、ボタンをイネーブルまたはディセーブルするためのコマンドの規定である。どのボタンをイネーブルまたはディセーブルすべきかについての情報は、コマンドのパラメータとしてのボタン識別子により提供される。各ボタンについて、ボタンの起動時に実行される1つ以上のボタン・コマンドが規定される。ボタンに関連するコマンド(または一組のコマンド)はボタン・ハンドラ(handler)と称される。ボタン・コマンドの実行は、ボタンが「イネーブルド(動作可能)」状態にあるときにだけ可能であるが、関連するボタン・コマンドを有しない「空の(empty)」ボタンもある。ボタンをディセーブルすると、それを透明画素で置き替えることにより、ボタンの可視度が透明(クリア)になる。
【0012】
発明的ボタン・コマンドは通常、それ自身のボタンのイネーブルド状態またはディセーブルド状態を変更しない。イネーブルド・ボタンが起動されると、対応して起動時に実行されるボタン・コマンドは、他のボタンのイネーブルド/ディセーブルド状態を切り替えるが、そのボタン・ハンドラが既に別のボタンの選択を予定しているときを除き、それ自身のボタンをディセーブルド状態に切り替えない。しかしながら、メニュー全体をディセーブルする他のコマンドも実行される。1グループの1つのボタンをイネーブルするとそのグループ内の他のすべてのボタンを暗黙のうちにディセーブルする。
【0013】
各ボタン・グループのボタンが表示されるエリアが規定される。この表示エリアは、ボタン・グループ・エリアと呼ばれ、通常は矩形であるが、他の形状もある。この可視(目に見える)ボタンは、そのグループ・エリア内に在る限り、任意の形状を有する。例えば、矩形のエリア内に円形のボタンを表示することもできる。1つのボタン・グループ・エリアに属するがそのボタン・グループ・エリア内のイネーブルド・ボタンに属さない画素は透明にされる。
【0014】
本発明によるボタン・グループ・エリアの特徴として、1つのボタン・グループ内のボタン位置は、別のボタン・グループのボタン位置に重なり合わず、異なるボタン・グループのエリアはまったく重なり合わない。これは、画面が、幾つかの重なり合わないボタン・グループ・エリアと見なされることを意味する。或るボタン・グループのボタンの状態が変化すると、本発明によるデコーダは、記録媒体(通常、内部メモリ)から、それぞれのボタン・グループ・エリアの位置を読み取る。各グループについて、イネーブルド・ボタンのみが表現(表示)される。この場合、対応するボタン・グループ・エリアは任意の数の透明画素から成る。
【0015】
有利なことに、異なるボタン・グループ・エリアは重なり合わないので、1つのボタン・グループ・エリアを表現し直しても、別のボタン・グループ・エリアに属する画素は変更されず、復号化が容易となり、メニューのプログラミングが容易となり、特に、各プログラミング・コードの確認(静的ボタン位置および静的近隣関係による)が容易となる。
【0016】
以下に詳細に述べるように、ボタン・グループ・エリアについて3つの可能性がある。これらは、一般的なケースの特殊化されたものである。
【0017】
第1の可能性は、上述したような一般的ケースであり、この場合、ボタン・グループ・エリアは幾つかの重なり合わない部分的エリアから成り、各ボタン・グループ・エリアにおいて、それぞれのボタン・グループに属するボタンは目に見えるようにされる。従って、1つのボタン・グループに属する1つのボタンは通常、そのボタン・グループ・エリアの1つの部分的エリアに関連しており、1ボタン・グループの複数の部分的エリアはイネーブルド・ボタンを含まない。しかし、原則として、イネーブルド・ボタンは、そのボタン・グループの複数の部分的エリアに存在し、1つのボタンは幾つかの同等部分から成る。1つのボタン・グループのボタンの状態が変化すると、本発明によるデコーダは、記録媒体から各ボタン・グループの部分的エリアの位置を読み取り、すべての部分的エリアを新しく表現し直す。特に、デコーダは、複数の目に見えるボタン(すなわち、イネーブルド・ボタン)を表示しない。
【0018】
第2の可能性は、ボタン・グループのエリアが連続的(contiguous)な、例えば、矩形のエリアである。これは、結合性(cohesive)エリアが、各ボタン・グループについて規定されることを意味し、このエリアは、そのボタン・グループに属するボタンのあらゆる可能な位置を含んでいる。前述のように、異なるボタン・グループに属するエリアは重なり合わず、可視(目に見える)ボタンは必ずしも、許容されたエリアを充たす必要はない。すなわち、ボタンは、そのボタン・グループ・エリアの大きさと形状を有する必要はないが、完全に、そのグループに対応するエリア内になければならない。従って、異なるグループに属するボタンは重なり合わない。更に、同じボタン・グループに属する第2のボタンを表示するときに、第1のボタン・グループに属する第1のボタンを完全に削除するのは容易である。何故ならば、この場合、表現し直す必要のあるのは、それぞれのボタン・グループに属するボタン・グループ・エリアだけであり、これは単一の連続的エリアである。画面の他の部分を表現し直す必要はない。従って、以前に表示されたボタンの残存は見られない。1つのボタン・グループ内のすべてのボタンは、同じ画面上エリアを使用する。これは好ましい可能性である。
【0019】
第3の可能性は、1つのボタン・グループのすべてのボタンは同じ面積(すなわち、画面上でのボタンの大きさと位置)を有する。これは、デコーダの実施、メニューのプログラミングおよび確認に関して、最も容易な場合である。何故ならば、或る1つのボタン・グループに属するボタンを表示することにより、必然的に、同じ位置で以前に見られた同じボタン・グループの別のボタンは削除されるからである。しかし、これにより、他の2つの可能性よりも融通性の低いメニューとなる。
【0020】
原則として、1つのボタン・グループには、非ボタン・オブジェクト(すなわち、目に見えるが選択できないメニュー項目)も含まれる。1つのボタン・グループに属する非ボタン・オブジェクトは、「イネーブルド」状態または「ディセーブルド」状態を割り当てられており、イネーブルされる場合にのみ、目に見えるようにされる。イネーブリング(enabling:動作可能化)またはディセーブリング(disabling:動作不能化)はメニュー・ボタンに関連するボタン・ハンドラ(button handler)により行われる。
【0021】
本発明は、洗練されたメニュー(例えば、コンテンツのオーサ(作者)により要求される)を特徴とし、この特徴により、復号化は容易となる。特に、本発明は、動的(ダイナミック)なメニューを提供し、ボタンは動的にメニューから除去され、メニューに追加される。
【0022】
本発明により、コンテンツのオーサは、フラットなデータ構造により表される階層的メニューおよびサブメニューを容易に規定できる。メニューのプログラミングと確認は、既知の方法によるよりも容易である。本発明の利点は、グラフィックス・デコーダが、メニュー操作のためにメニュー全体を考慮する必要がなく、孤立したボタン・グループを処理するだけである。初期のメニュー構造を記述するデータは、記録媒体(取外し可能な記録媒体、光学ディスク)から読み出され、デコーダに接続される一時的記録媒体(メモリ)に記憶される。メニューが操作されると、一時的記録媒体内の変数は、現在の状態を保持する。
【0023】
ボタンが不可視の(目に見えない)とき(これは、ボタンがディセーブルされ、選択不可能/起動不能となるか、またはボタンがイネーブルされ、不可視としてマークされる:例えば、特殊なフラグまたは透明画素を有する)ことを意味する。後者の場合、ボタンは選択可能であり、選択されると、自動的に起動され、関連するコマンドが実行され、可視ボタンが選択される。また、最後のボタン・コマンドが可視ボタンを選択すれば、不可視ボタンを連結(concatenate)することができる。
【0024】
請求項1は、このようなボタン・グループを使用してメニューを発生する方法を開示する。発明的方法を利用する装置を請求項8に開示する。それぞれのデータ構造を保持する記録媒体を請求項12に開示する。
【0025】
本発明の更なる目的、特徴および利点は、添付する図面に関連する以下の説明と特許請求の範囲を考慮することから明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は、スクリーンS(Screen)に表示されるメニュー・ページの初期画面を示し、「音声言語(Audio Laguage)ボタンVB1と「サブタイトル言語(Subtitle Language)」ボタンVB2のみがイネーブルされ目に見えている。その他のボタンBGは、目に見えるボタンのサブメニュー(submenus)に属し、目に見えない。これは、メニューを記述し媒体上でビットストリーム内に含められるデータ・セグメントにより規定される。本発明によれば、これらのボタンBGは別個のボタン・グループに属し、最初はディセーブルされており目に見えない。2つの可視ボタン(VB1、VB2)は別個のボタン・グループに属することもある。データ・セグメントはICS(Interactive Composition Segment:双方向組成セグメント)と呼ばれる。図1に示す初期画面で、可視ボタンVB1、VB2はどれも起動されていない。通常、可視ボタンのうち1つは、最初に、デフォルトにより選択される。図示するケースで、ユーザがリモコンでRIGHT(右)ボタンを押すと、まだ起動されているボタンはないので、何も変化しない。ディセーブルド・ボタンに通じる近隣関係が決定されても、近隣ボタンがディセーブルされている限り、デコーダはこの関係を無視する。例えば、UP(アップ:上)ボタンまたはDOWN(ダウン:下)ボタンを押すと可視ボタンVB1かVB2が選択される。ボタンVB1を選択し、リモコンで「OK」ボタンを押して「音声言語」(Audio Language)ボタンを起動すると、図2に示すように、メニューの表示が変更される。
【0027】
図2で、「音声言語」ボタンVB1が起動され、それに関連するボタン・コマンドが、右側にあるボタンBGAをイネーブルする。その結果、これらのボタンBGAは目に見えるようになり、そのうち1つを選択し起動すると、音声言語を選択できるようになる。
【0028】
図3は、図2からスタートし、音声言語(Audio Language)ボタンVB1は起動されておらず、DOWN(ダウン:下)ボタンが押されて、サブタイトル言語(Subtitle Language)ボタンVB2が選択されている状況を示す。次に、ユーザがリモコンで、「OK」ボタンを押すことにより、「サブタイトル言語」ボタンVB2が起動される。結果として、右側に4個のボタンBGSが表され、サブタイトルのオプション(選択)を示す。これらのボタンは、図2において音声のオプションのために表示された4個のボタンBGAと同じ位置に表される。これは、同じ位置を有し異なるサブメニューに属するボタンは同じボタン・グループに属するので、ボタン・グループのボタンを配置する第3の可能性(上述)に対応する。図3に示すボタンBGSは、図2に示すボタンBGAとは異なる機能を有し、すなわち、サブタイトル言語を選択する。ボタンBGSは、各ボタン・グループの「サブタイトル(字幕)」(Subtitle)ボタンを表し、図2のボタンBGAは同じボタン・グループの「音声」(Audio)ボタンを表す。本例において、表示されるサブメニューの対応するボタンは、位置だけでなく言語および外観も同じである。図3で、ボタンBGSがどのサブメニューを指しているかは、選択されたボタンVB2からのみ見ることができる。従って、サブメニュー・ボタンBGSのうち1つが選択されると、対応する上位のボタンVB2は選択されないボタン(起動もされない)とは異なって見える。
【0029】
図4のメニューで、可視ボタン(VB1、VB2)内にグラフィカル・ヒント(GH:図式的ヒント)が小さい矢印で現れて、関連するサブメニューの存在を示す。「音声言語」ボタンVB1が起動され、または選択されて、リモコンのRIGHT(ライト:右)ボタンが押されると、そのボタン・ハンドラが不可視(目に見えない)ボタンINBを選択する。不可視ボタンINBは、「音声言語」ボタンVB1右側の近隣情報と定義される。不可視ボタンINBは、いわゆる「オートアクション」ボタンであって、選択された状態から起動された状態に自動的に切り替え、そのボタン・ハンドラが実行される。ボタン・ハンドラが具えるコマンドにより、右側にある4個のボタンBGAを、それらが起動されずに、可視状態にし、且つコマンドにより、「英語」ボタンを選択する。不可視ボタンINBは、他のボタンと同じデータ構造を有する。「音声言語」ボタンが選択されている間、RIGHT(ライト:右)ボタンが押されると、音声(audio)オプション(選択)が可視となる。
【0030】
つぎのステップ(図5)で、右側の新しいボタンのうち1つが選択される。4つの異なるボタン・グループBGA(英語、日本語、韓国語、オランダ語)がある。「音声言語」および「サブタイトル言語」ボタンがボタン・グループに属することは可能であり、ボタン・グループと単独のボタンとを組み合わせることもできる。データ構造の観点から、単独のボタンが1つだけの要素を有するボタン・グループを形成できる。図5に、「音声言語」ボタンが選択され起動されているように見える。サブメニュー・ボタン・グループBGAの各々について、音声の選択を表すボタンがイネーブルされ可視となる。これらのボタンは同じ位置に表され、サブタイトルを選択するボタンも、「サブタイトル言語」が選択されていれば、ここに表される。従って、同じボタン・グループに属するボタンは互いに上書きされる。サブメニュー・ボタンのうち1つが選択されるので「音声言語」ボタンは選択から外されなければならない(図23に関して以下に述べる)。選択されたサブメニュー・ボタンはデフォルト・ボタンである。例えば、「英語」は予め定められたデフォルトであるか、または現在使用されているオプションであるか、あるいは他のタイプのデフォルト(default)である。
【0031】
図6〜図8は、ボタン・グループのエリア(領域)を規定する、上述の3つの可能性を例示する。一般に、ボタン・グループのエリアは、そのボタン・グループに属するボタンの画面上エリアの総和により定められる。同じボタン・グループに属する異なるボタンの位置は、そのボタン・グループに指定されたエリア内にある限り、異なる。実際的な理由で、すなわち、典型的ディスプレイの行列構造により、ボタン・グループのエリアおよび部分的エリアは原則として、任意の形状を有するが、通常は矩形となる。
【0032】
図6は、ボタン・グループを規定する第1の可能性(上述)を示す。第1のボタン・グループBG61は、3個のボタンB#1、B#4、B#6から成り、3つの別個の非コヒーレント(non‐coherent:非干渉性)エリアを有する。第2のボタン・グループBG62も、3個のボタンB#2、B#3、B#5から成り、3つの別個の非コヒーレント・エリアを有する。各ボタン・グループ(BG61、BG62)につき一度に1つのボタンがイネーブルされ、可視となる。従って、ボタンB#1、B#4、B#6のうち1つだけ、そしてボタンB#2、B#3、B#5のうち1つだけが一度にイネーブルされ(可視となり)、他のボタンは透明にされる。第1のボタン・グループBG61の個々のボタン・エリアのうちどれも、他方のボタン・グループBG62の個々のボタン・エリアと重なり合わない。しかし、第1のボタン・グループのエリアを、第2のボタン・グループに属する部分的エリアで包囲することは可能であり、完全に包囲することも可能である。本例でイネーブルされて可視となるボタンは、それぞれボタン・グループ・エリアを完全に占める。別の実施例で、同じグループに属するボタンのエリア(例えば、B#2とB#5)が重なり合うこともある。これは、複数のボタンが同時に可視とならないからであり、ボタンのうち1つが可視にされると、そのボタン・グループのすべての部分的エリアは表示し直され、従って、透明にされる。
【0033】
図7に示す好ましい実施例で、各ボタン・グループごとに1つのエリアが規定され、そのボタン・グループに属するすべてのボタンは、そのエリア内に配置される。ボタン・グループBG71は、そのすべてのボタン(B#11、B#12)が表示される規定されたエリアを有する。別のボタン・グループBG72はそのボタン(B#21とB#22)のために別のエリアを有する。ここでは、異なるボタン・グループのエリアは重なり合わない。同じボタン・グループBG71に属する異なるボタン(B#11、B#12)の位置は、ボタンが指定されたエリア内に在る限り、異なる。
【0034】
図8は好ましい実施例の特殊な場合を示し、各ボタン・グループのすべてのボタンはまったく同じ位置にあり、互いに上書きされる。この場合、1つのボタンのエリアは、そのボタン・グループのエリアと同じである。第1のボタン・グループは、イネーブルされて可視となる「音声言語」ボタンBG81と、1つ以上のディセーブルされて不可視となるボタンBG81’とから成る。分かり易くするために、ディセーブルト゛・ボタンBG81’は可視に描かれているが、可視ボタンBG81とまったく同じ位置に表示される。
【0035】
図9は、メニューがメニュー・アイコンMMのみで表される一例を示す。画面の他の部分は音声・映像のプレゼンテーション(例えば、映画)を表示する。小さいアイコンMMが画面に表示され、メニューが利用できることを知らせる。アイコンMMは映画を見ている視聴者の邪魔にならない。視聴者がメニューを、専用のボタンまたはリモコンの「OK」ボタンを押してメニューを起動すると、更なるメニュー・ボタンが表示される(図10)。ユーザはメニューを操作し選択を行い、ボタン(AL、SL)で、音声言語またはサブタイトル言語を選択する。例えば「音声言語」ボタンALが選択され起動されると、音声言語サブメニューが可視となり(図11)、この階層メニュー内の現在の位置、および英語、日本語、韓国語、オランダ語につき最初の言語選択ボタン(L1...L4)を表示する。「音声言語」ボタンAL1は「その他(more)」などの表示MI1を有し、更なるオプションの存在を知らせる。「音声言語」ボタンALを繰り返し起動させることにより、この更なるオプションにアクセスできる。これはマルチ起動と呼ばれる。このALボタンが二度目に起動されると、スペイン語、フランス語、ギリシャ語、ポーランド語の音声言語ボタンL5...L8が現れ、3回目の起動後に、デンマーク語、ノルウェー語、フィンランド語およびスウェーデン語の音声言語ボタンL9、...、L12が現れる。「音声言語」ボタンALを四回目に起動後に、図10に示す初期メニューが再び表示される。このメニューは、専用のメニュー・ボタンで再びアイコン化される。
【0036】
視聴者は、オプション・ボタン内でテキストだけが変化するという感じをいだくが、このようなメニューを既知の方法とデータ構造でプログラムすることは技術的に困難であり、且つ誤りを起こしやすい。特に、メニューが正確に働くようにするために、プログラムされたメニュー・データの確認のために、ボタンの組合せをすべてテストする必要がある。本発明によるボタン・グループを使用する方法では、メニューを確認する必要のために使用するボタンは各ボタン・グループから1つだけなので、有利であり、ボタン・グループの機構は一度だけ別個に確認できる。更に、メニュー・プログラマは容易にオプションを編成し直し、ボタン・グループを変更できる。
【0037】
第1のボタン・グループは、英語L1、スペイン語L5、デンマーク語L9のボタンから成る。第2のボタン・グループは、日本語L2、フランス語L6、ノルウェー語L10のボタンから成る。第3のボタン・グループは、韓国語L3、ギリシャ語L7、フィンランド語L11のボタンからなる。第4のボタン・グループは、オランダ語L4、ポーランド語L8、スウェーデン語L12のボタンから成る。同時にイネーブルされて可視となる、異なるボタン・グループのボタンは、データ構造の観点から互いに独立しているが、1つの論理層と見なされる。これらは、同時にイネーブルされて可視となるだけである。
【0038】
「音声言語」ボタンALは、他のメニュー・ボタンの現状に依り異なる機能を有するので単独のボタンではない。特に、「音声言語」ボタンの起動時に、オプションのボタンをイネーブルしなければならない点で機能が異なる。例えば、「音声言語」ボタンAL1(図11)を起動すると、オプションのボタンL5...L8(図12)がイネーブルされ、同じ外観の「音声言語」ボタンAL2(図12)を起動すると、ボタンL9...L12(図13)がイネーブルされる。従って、第5のボタン・グループは、論理層に属するそれぞれ異なる「音声言語」ボタンAL1、AL2、AL3から成る。または、「音声言語」ボタンAL1、AL2、AL3が同じこともあり得る。ボタンのコマンドは、ボタン・グループのどのボタンが現在イネーブルされているかを考慮し、コマンドは、各ボタン・グループの次の要素をイネーブルする。
【0039】
図14は、条件付きイネーブリング(動作可能化)の例を示す。ボタンは、ユーザの設定またはプレーヤの設定に依り、イネーブルされ、あるいはディセーブルされる。例えば、ディスク上での映画に3つのバージョン:「子供のカット(Children’s cut)」、「劇場のカット(Theatrical cut)」、および「監督のカット(Director’s cut)」がある。ディスクをプレーヤに挿入すると、最初のメニューは、例えば、映画の題名と共に選択不可能ボタンNSB、および再生用の選択可能ボタンSB1、SB2、SB3を表示する。ユーザはペアレンタル・レベル(parental level)を設定し、「子供のカット」と「劇場のカット」を許可し、「監督のカット」を拒絶する。画面には、許可された2つオプションのために選択可能なボタンSB1、SB2のみが表示される。禁じられたオプションは透明にされるので、可視ボタンはない。
【0040】
本発明により、このメニュー行動は、イネーブル/ディセーブル・コマンドおよびボタン・グループを使用することにより、技術的に達成できる。1つ以上のオプション・ボタンSB1、SB2、SB3は別個のボタン・グループに属し、各ボタン・グループに対して指定された設定により、規定されたメンバがイネーブルされ、可視表示される。本例で、「監督のカット」ボタンは、関連するボタン・グループ・エリアと共に、ボタン・グループSB3に属し、プレーヤをペアレンタル・レベルに設定すると、最初のボタン・ハンドラはそれぞれのボタンをディセーブルする、すなわち、ボタン・グループ・エリアを透明にする。他の設定、例えば、プレーヤのタイプ、オーディオ機器のタイプなどに依存する再生のオプションを利用することもできる。
【0041】
本発明の更なる実施例として、いわゆる「ブレッドクラム」(breadcrumb:パンのかけら)メニューを容易に構築できる。ブレッドクラム・メニューでは、別の階層に属する以前に押されたボタンが依然として可視のままであり、ユーザはどのボタンが選択されたのか、そして現在表示されているオプション・ボタンが何を指しているのか、を見ることができる。これは、階層的メニューのために特に役立つ。本発明によって利用されるデータ構造では、階層は近隣関係によって暗に示される。
【0042】
図15は、同じ階層レベルに属する3個のボタンAMB、ALMB、SLMBを有するメニュー画面を示す。メニュー・ボタンの1つAMBは、マルチアングル(複数のアングル)選択のためのもので、選択されて、3個のアングル選択ボタンASBが右側に表示される。これらの目に見える(可視)選択ボタンASBの各々は別個のボタン・グループに属し、「アングル」メニュー・ボタンASBが選択されて、可視となる。これらのボタン・グループの他のメンバはディセーブルされ、従って目に見えない。
【0043】
図16は、メニューが他の不可視ボタンIB1...IB4から成ることを示す。これらを使用して、高レベルのメニュー・ボタンAMB、ALMB、SLMB間の推移において何が起こるのかを明確にする。
【0044】
図15で、「アングル」(Angle)メニュー・ボタンAMBが選択され、ユーザが「音声言語」メニュー・ボタンALMBを選択したいときに、「音声言語」メニュー・ボタンALMBは「アングル」メニュー・ボタンAMBの下に表示される。ユーザはリモコンのDOWN(下)ボタンを押す。本発明でサポートされる動的メニューは以下のように実行される。最初に、「アングル」ボタンの下にある「近隣」ボタン(本例では、不可視ボタンIB1)が選択される。この状態を図17に示す。不可視ボタンは、画面に表示されないが、例えば、同じデータ構造が可視ボタンと不可視ボタンのために使用される場合、データの一貫性により、割り当てられた表示エリアまたは位置を有する。図面では説明のために、不可視ボタンもその論理的位置に示されている。
【0045】
次に、不可視ボタンIB1が選択された後に、不可視ボタンIB1は自動的に起動され(表1で、auto_action_flag==true)、そのボタン・ハンドラは以下のコマンドを実行する:第1に、ボタン・ハンドラは、「アングル」メニュー・ボタンAMBに関連するメニュー・オプション・ボタンASBをディセーブルして不可視にし、第2に、ユーザが選択したいメニュー・ボタン(「音声言語」ボタン)に属するオプション・ボタンALSBをイネーブルし、最後に、「音声言語」メニュー・ボタンALMBを選択して、ボタン・ハンドラ自体は選択からはずれる。これを図18に示す。図19と図20は別の不可視ボタンIB3を使用し、「音声言語」メニュー・ボタンALMBから「サブタイトル言語」メニュー・ボタンSLMBへの推移を示す。この場合、音声言語サブメニュー・ボタンALSBは、サブタイトル言語サブメニュー・ボタンSLSBに置き換えられる。更に、反対方向に推移するための不可視ボタン(IB2、IB4)がある。
【0046】
その結果、メニューのオプション・ボタンASB、ALSB、SLSBは常に、選択したメニュー・ボタンAMB、ALMB、SLMBとマッチし、選択したメニュー・ボタンは起動されない。ユーザはその中間状態、(通常、数ミリセカンドの範囲で、不可視ボタンまたは前述した推移がとる)に気づかないかもしれない。メニューのオプション・ボタンASB、ALSB、SLSBはボタン・グループのメンバとなる。異なるサブメニューに属する、同じ位置にあるボタンは1つのボタン・グループを形成する。これにより、容易なメニュー・データ構造が得られ、プログラミングおよび確認が簡略化される。特に、ボタン・グループは暗に処理して、古いサブメニューのオプション・ボタンをディセーブルし、新しく選択されたメニュー・ボタンに属する正確なサブメニューのオプション・ボタンをイネーブルする。1つのボタン・グループから1つのボタンがイネーブルされ、可視となるので、各ボタン・グループについて、イネーブルすべき新しいボタンを選択すれば十分である。これは暗に、そのグループの以前にイネーブルされたボタンをディセーブルすることを意味し、そのボタン・グループ・エリアに属する画素は、新しいボタンのビットマップ表示に従い上書きされる。ディスプレイの残りの部分は変更されないので、以前にどのボタンが可視であったか、どのボタンを取り替えなければならないのか、ボタンがどのエリアを占拠したか、重なり合っているボタン・エリアがあるか、をデコーダが分析する必要はない。
【0047】
本発明の別の実施例(ブレッドクラム効果の実施例)を図21〜図23に示す。階層的メニュー・ボタン、例えば、「アングル」メニュー・ボタンAMB1(図21)が選択されると、正常の状態から選択された状態に変化し、その表示は異なって見え、例えば、ハイライトされる。これは、ボタンの状態に応じて異なるビットマップの表示により起こされる。「アングル」メニュー・ボタンは、起動されると、非常に短時間だけ起動されている。この期間中、その外観は選択された状態とは異なるが、ユーザはほとんどそれに気づかない。このボタンが起動されると、そのボタン・ハンドラは不可視ボタンINBを選択し、これを使用して、サブメニュー・ボタンASBを可視にする。この状況を図22に示す。このとき、不可視ボタンINBが選択された状態にあると、「アングル」メニュー・ボタンは選択されない。何故なら、一度に選択できるメニュー・ボタンは1つだけだからである。さもなければ、デコーダは、ユーザのコマンドがどのボタンを指しているのか検出できない。「アングル」メニュー・ボタンは正常状態にある。しかし、ブレッドクラム効果を得るため、すなわち、現在のサブメニュー・ボタンASBが指しているメニュー・ボタンを示すために、メニュー・ボタンAMB1に別の外観を与えることが望ましい。これは、例えば、「アングル」ボタン・グループを発生することにより、本発明に従うボタン・グループで達成できる。
【0048】
メニュー・ボタンのようなデフォルトの「アングル」ボタンAMB1は3つの状態:正常状態、選択された状態、起動された状態を有する。別のボタン、例えば、同じボタン・グループに属する「Angle_Select(アングル選択)」ボタンは、デフォルトの「アングル」ボタンAMB1と同じように見え、同じ表示位置を有するが、わずかに異なる。その正常状態のビットマップは、選択されたデフォルト・ボタンまたは起動された状態のビットマップと同じである。前述のように、不可視ボタンINBは、選択されると自動的に起動される。それ(INB)はサブメニュー・ボタンASBを可視にし、「Angle_Select(アングル選択)」ボタンAMB2を(正常状態に)イネーブルし、従って、以前に可視であった「アングル」ボタンAMB1を暗にディセーブルし、最後に、サブメニュー・ボタンASB1のうち1つを選択し、それ(INB)自体は選択からはずれる(図23)。結果として、ユーザは以前と同様、ボタンAMB2を同じボタンAMB1として認識する。ボタンAMB2は選択されているかまたは起動されているように見えるが、実際には、選択からはずされている。、ボタンを他のボタンに替えることにより、ボタンは、異なる表示(色、形状、テキストなど)が与えられる。発明によるボタン・グループにより、ボタンを容易に処理でき、簡素な機構により、そのボタン・グループ・エリア内の画素について正確な値を決定できる。
【0049】
グループ構造はメニュー・デコーダに関する情報を提供し、この情報は、更新を必要とする画面上のエリアを規定する。1つのボタン・グループ内で一度に1つのボタンが動作するので、1グループ内の別のボタンの起動は、同じグループ内の第1のボタンの非起動を意味する。これでメニューをオーサするのが容易となり、オーサリングに有利となる。
【0050】
プリレコード(prercorded)媒体、例えば、Blu‐ray(ブルーレイ)ディスクの場合、題名(タイトル)に関して確認プロセスが行われてから、データ構造が仕様書に適合するか点検のためにリリースされる。本発明は、確認を容易にし、動的メニューを制作する際、高められた特徴をコンテンツのオーサに提供する。
【0051】
以下の表1に、ビットストリーム内に含まれるデータ・セグメントのシンタクス、および実施例である最初のメニュー画面を記載する。表1は、上述した第2の可能性に従い、ボタン・グループ・エリアが規定される場合を記載する。
【表1】
【表2】
【0052】
表1の記号法はwhile‐ループとfor‐ループを使用するが、ループは記号法を一般化する手段にすぎず、実際のビットストリームはループの単独パス(pass)またはインスタンス(instance)に関するデータを含んでいる。1.17と1.61の間にlength segment_lengthのデータ・セグメント全体にわたるループがある。データ・セグメントには任意の数のボタン・グループが含まれる。
【0053】
1.18において、以下のラインは、1.60まで、1つのボタン・グループの定義に言及する。グループの識別子は、丸括弧内に示す値である。1.19〜22において、画面上のそれぞれの位置は、現在のボタン・グループ(ボタン・グループ・エリアとも称される)について規定される。これは、その水平および垂直方向のサイズおよびその基準点の位置によって規定される。この場合、ボタン・グループ・エリアは1つの矩形であるが、前述のように、他のエリアであるかまたは複数の矩形である。その場合、1.19〜22は、各部分的エリアについて一回繰り返される。
【0054】
1.23におけるパラメータは、現在のグループのボタンのうちどれがデフォルトによってイネーブルされるかを規定する。デコーダはこの値を使用し、最初に、現在のグループに関連するレジスタをロードし、変数を保持する。この変数は、現在イネーブルされているボタンの数を指定し、メニューの操作中に変更できる。変数は、ボタンのうちのどれにも対応しない値を割り当てられ、その結果、そのグループのすべてのボタンはディセーブルされる。この構成によって、1つのグループ内の1つのボタンがイネーブルされる。メニュー操作の間に変更される変数を初期化するために使用される他の2つのパラメータは、default_selected_button_number(1.15)と、default_activated_button_number(1.16)である。
【0055】
1.24において、現在のグループ内のボタンの数が規定される。
【0056】
1.25で始まるループは、そのグループのボタンをすべて包含し、各ボタンについて参照番号(1.26)を、もしそれが数値的に選択可能であるなら(1.27)、もしそれが選択されたときにそのコマンドを自動的に実行するなら(1.29)、規定し、ボタン・グループ・エリア(1.31〜32)内のその位置、その近隣ボタン(1.33〜38)、および異なるボタン状態に対応するビットマップが読まれる場所を示すアドレス範囲、を規定する。各ボタンごとに、1つ以上のコマンドが規定される。1.55で、現在のボタンのコマンド数は、パラメータnum_of_button_commandsによって指定される。ボタン・ハンドラの実際のコマンドは1.56〜58で規定される。
【0057】
本発明は、ディスプレイにアクセスを有し且つDVD、Blu‐rayディスクまたは他の媒体から読み出されるメニュー・データ構造を処理するデコーダを具える、あらゆる種類のプレゼンテーション装置に使用できる。更に、本発明は、このようなデータ構造を発生するために使用できる。
【0058】
本発明により、デコーダはデータ・ストリームを復号化し、データ・ストリームは視覚的に表示可能なメニューに関するメニュー・データから成り、メニューは別個に表されるメニュー項目から成り、メニュー項目は選択可能なメニュー・ボタンを含み、以下の手段を具える:(1)少なくとも1グループのメニュー項目を規定する手段であって、該グループは1つ以上のメニュー項目から成り、1つのメニュー項目は複数のグループに属さない、前記規定する手段、(2)ディスプレイ上で規定されるエリアを前記グループに関連させる手段、および(3)1グループに属する前記メニュー項目の各々に「イネーブルド」状態または「ディセーブルド」状態を割り当てる手段であって、イネーブルド・メニュー項目だけが表示され、1グループ内の複数のメニュー項目が同時にイネーブルされない、前記割り当てる手段。
【0059】
更に、1グループに属する表示された1つのメニュー項目は、そのグループに関連するエリア内に表示され、異なるグループのエリアは重なり合わず、1つの表示画素は複数のグループに属さない。
【0060】
更に、1つのメニュー項目は、関連する1つのコマンドを有し、コマンドは、メニュー項目の起動時に実行され、別のメニュー項目をイネーブルし、またはディセーブルする。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】ディセーブルド・サブメニューを有するメニュー画面。
【図2】第1のイネーブルド・サブメニューを有するメニュー画面。
【図3】第2のイネーブルド・サブメニューを有するメニュー画面。
【図4】サブメニュー選択用のオーサリングのオプション。
【図5】選択されたサブメニュー項目を有するメニュー画面。
【図6】第1の可能性による、ボタン・グループ・エリア。
【図7】第2の可能性による、ボタン・グループ・エリア。
【図8】第3の可能性による、ボタン・グループ・エリア。
【図9】メニュー・アイコンを有する画面。
【図10】メニュー・アイコンおよびイネーブルド・メニューを有する画面。
【図11】特徴的ボタンの最初の起動後の、最初のマルチ起動メニュー画面。
【図12】特徴的ボタンの第2の起動後の、マルチ起動メニュー画面。
【図13】特徴的ボタンの第3の起動後の、マルチ起動メニュー画面。
【図14】条件付きでイネーブルされた項目を有するメニュー画面。
【図15】ブレッドクラム・メニューの初期画面。
【図16】ブレッドクラム・メニューの初期画面に含まれるボタン。
【図17】ブレッドクラム・メニューで、第1から第2の画面への推移。
【図18】ブレッドクラム・メニューで、第1から第2の画面への推移。
【図19】ブレッドクラム・メニューで、第2から第3の画面への推移。
【図20】ブレッドクラム・メニューで、第2から第3の画面への推移。
【図21】サブメニューの推移の間、ブレッドクラム・メニューで選択されたボタン、および以前に選択されたが現在選択されていないボタンの外観。
【図22】サブメニューの推移の間、ブレッドクラム・メニューで選択されたボタン、および以前に選択されたが現在選択されていないボタンの外観。
【図23】サブメニューの推移の間、ブレッドクラム・メニューで選択されたボタン、および以前に選択されたが現在選択されていないボタンの外観。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
別個に表示されるメニュー項目から成る、表示可能なメニューを発生する方法において、
前記メニュー項目は、選択可能なメニュー・ボタンを含み、
少なくとも1グループのメニュー項目が規定され、該グループは1つ以上のメニュー項目を含み、且つ画面上に規定されたエリアを有し、
前記メニュー項目は、前記グループのうちの1つに属し、
イネーブルド状態、またはディセーブルド状態が各メニュー項目に割り当てられ、イネーブルド・メニュー項目のみが表示され、1グループ内の複数のメニュー項目は同時にイネーブルされない、前記方法。
【請求項2】
前記1グループに属するメニュー項目が、前記グループに関連するエリア内に表示され、異なるグループのエリアは重なり合わず、表示画素は1グループ以上に属さない、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記1グループに関連するエリアが、互いに接続されない複数の部分的エリアから成る、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記1グループに関連するエリアが、1つの矩形エリアから成り、前記グループに属する可視メニュー項目が前記エリアの一部のみ、またはエリア全体を占める、請求項1または2記載の方法。
【請求項5】
前記1グループ内のすべてのメニュー項目が、前記矩形エリアの同じ部分を占める、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記メニュー項目が関連するコマンドを有し、該コマンドは前記メニュー項目の起動時に実行され、該コマンドは別のメニュー項目をイネーブルにし、またはディセーブルにする、前の請求項の何れか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記メニューが、取外し可能な記録媒体の音声・映像コンテンツに関連し、前記メニュー・データが前記媒体に記憶される、前の請求項の何れか1つに記載の方法。
【請求項8】
データ・ストリームを処理する装置であって、
前記データ・ストリームは表示可能なメニューに関するデータから成り、
前記メニューは、選択可能なメニュー・ボタンを含む別個に表示される複数のメニュー項目から成り、
デコーダが、
1つ以上のメニュー項目から成る少なくとも1グループのメニューを規定する手段であって、1つのメニュー項目が複数のグループに属さない、前記規定する手段と、
画面上に規定されるエリアを前記グループに関連づける手段と、
「イネーブルド」状態または「ディセーブルド」状態を、1グループに属する前記メニュー・グループの各々に割り当てる手段であって、イネーブルド・メニュー項目のみが表示され、1グループ内の複数のメニュー項目が同時にイネーブルにされない、前記割り当てる手段と、
を具える、前記データ・ストリームを処理する方法。
【請求項9】
前記1グループに属するメニュー項目が前記グループに関連するエリア内に表示され、異なるグループのエリアが重なり合わず、表示画素が複数のグループに属さない、請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記メニュー項目が関連するコマンドを有し、該コマンドがメニュー項目の起動時に実行され、該コマンドが別のメニュー項目をイネーブルにし、またはディセーブルにする、請求項8または9記載の装置。
【請求項11】
前記メニューが、取外し可能な記録媒体に記憶される音声・映像マルチメディア・プレゼンテーションに関連し、前記データ・ストリームも前記媒体に記憶される、請求項8〜請求項10の何れか1つに記載の装置。
【請求項12】
音声・映像データとメニュー・データ構造を含み、該音声・映像データに関連する表示可能なメニューを発生する、取外し可能なデータ記録媒体であって、
前記メニューは、選択可能なメニュー・ボタンを含むメニュー項目から成り、
前記メニュー・データ構造が、1つ以上のメニュー項目から成り且つ画面上に規定されたエリアを有する、少なくとも1グループのメニュー項目が規定され、
1つのメニュー項目が前記グループの1つに属し、
「イネーブルド」状態または「ディセーブルド」状態が各メニュー項目に割り当てられ、イネーブルド・メニュー項目のみが表示され、1グループ内の複数のメニューが同時にイネーブルされない、前記取外し可能な記録媒体。
【請求項1】
別個に表示されるメニュー項目から成る、表示可能なメニューを発生する方法において、
前記メニュー項目は、選択可能なメニュー・ボタンを含み、
少なくとも1グループのメニュー項目が規定され、該グループは1つ以上のメニュー項目を含み、且つ画面上に規定されたエリアを有し、
前記メニュー項目は、前記グループのうちの1つに属し、
イネーブルド状態、またはディセーブルド状態が各メニュー項目に割り当てられ、イネーブルド・メニュー項目のみが表示され、1グループ内の複数のメニュー項目は同時にイネーブルされない、前記方法。
【請求項2】
前記1グループに属するメニュー項目が、前記グループに関連するエリア内に表示され、異なるグループのエリアは重なり合わず、表示画素は1グループ以上に属さない、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記1グループに関連するエリアが、互いに接続されない複数の部分的エリアから成る、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記1グループに関連するエリアが、1つの矩形エリアから成り、前記グループに属する可視メニュー項目が前記エリアの一部のみ、またはエリア全体を占める、請求項1または2記載の方法。
【請求項5】
前記1グループ内のすべてのメニュー項目が、前記矩形エリアの同じ部分を占める、請求項4記載の方法。
【請求項6】
前記メニュー項目が関連するコマンドを有し、該コマンドは前記メニュー項目の起動時に実行され、該コマンドは別のメニュー項目をイネーブルにし、またはディセーブルにする、前の請求項の何れか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記メニューが、取外し可能な記録媒体の音声・映像コンテンツに関連し、前記メニュー・データが前記媒体に記憶される、前の請求項の何れか1つに記載の方法。
【請求項8】
データ・ストリームを処理する装置であって、
前記データ・ストリームは表示可能なメニューに関するデータから成り、
前記メニューは、選択可能なメニュー・ボタンを含む別個に表示される複数のメニュー項目から成り、
デコーダが、
1つ以上のメニュー項目から成る少なくとも1グループのメニューを規定する手段であって、1つのメニュー項目が複数のグループに属さない、前記規定する手段と、
画面上に規定されるエリアを前記グループに関連づける手段と、
「イネーブルド」状態または「ディセーブルド」状態を、1グループに属する前記メニュー・グループの各々に割り当てる手段であって、イネーブルド・メニュー項目のみが表示され、1グループ内の複数のメニュー項目が同時にイネーブルにされない、前記割り当てる手段と、
を具える、前記データ・ストリームを処理する方法。
【請求項9】
前記1グループに属するメニュー項目が前記グループに関連するエリア内に表示され、異なるグループのエリアが重なり合わず、表示画素が複数のグループに属さない、請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記メニュー項目が関連するコマンドを有し、該コマンドがメニュー項目の起動時に実行され、該コマンドが別のメニュー項目をイネーブルにし、またはディセーブルにする、請求項8または9記載の装置。
【請求項11】
前記メニューが、取外し可能な記録媒体に記憶される音声・映像マルチメディア・プレゼンテーションに関連し、前記データ・ストリームも前記媒体に記憶される、請求項8〜請求項10の何れか1つに記載の装置。
【請求項12】
音声・映像データとメニュー・データ構造を含み、該音声・映像データに関連する表示可能なメニューを発生する、取外し可能なデータ記録媒体であって、
前記メニューは、選択可能なメニュー・ボタンを含むメニュー項目から成り、
前記メニュー・データ構造が、1つ以上のメニュー項目から成り且つ画面上に規定されたエリアを有する、少なくとも1グループのメニュー項目が規定され、
1つのメニュー項目が前記グループの1つに属し、
「イネーブルド」状態または「ディセーブルド」状態が各メニュー項目に割り当てられ、イネーブルド・メニュー項目のみが表示され、1グループ内の複数のメニューが同時にイネーブルされない、前記取外し可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【公表番号】特表2007−518167(P2007−518167A)
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−548144(P2006−548144)
【出願日】平成16年12月13日(2004.12.13)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014187
【国際公開番号】WO2005/069109
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
【住所又は居所原語表記】46 Quai A. Le Gallo, F−92100 Boulogne−Billancourt, France
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月13日(2004.12.13)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014187
【国際公開番号】WO2005/069109
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing
【住所又は居所原語表記】46 Quai A. Le Gallo, F−92100 Boulogne−Billancourt, France
【Fターム(参考)】
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