説明

オーディオ装置、オーディオシステム、及び、オーディオ装置の制御方法

【課題】楽曲の再生中であっても楽曲情報の内容を変更可能とする。
【解決手段】複数の楽曲について、各楽曲の再生時に利用される楽曲情報を保持する再生リスト26と、この再生リスト26と対応する編集リスト27と、を記憶部18に記憶し、楽曲の再生中に楽曲情報の変更を受け付け可能に構成し、楽曲の再生中は再生リスト26の楽曲情報を利用して楽曲の再生を実行すると共に、楽曲の再生中に楽曲情報の変更が指示された場合、当該指示を反映して編集リスト27を編集し、編集後の編集リスト27の内容を再生リスト26へコピーするようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽曲を再生するオーディオ装置、オーディオシステム、及び、オーディオ装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CDやハードディスク等に記憶された楽曲を再生するオーディオシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。この種のオーディオシステムでは、タイトル等の楽曲情報を保持する再生リストを記憶部に記憶し、楽曲の再生中は、再生リストが保持する楽曲情報を利用して、例えば、表示装置に再生中の楽曲のタイトルを表示するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−153659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のオーディオシステムでは、楽曲の再生中に再生リストが保持する楽曲情報の内容が変更されたとすると、再生される楽曲と、再生リストが保持する楽曲の楽曲情報との整合性が完全に確保された状態を維持することに困難性があるため、楽曲の再生中における楽曲情報の内容の変更を制限したり、また、楽曲の再生中に楽曲情報の変更が指示された場合であっても、楽曲の再生中は楽曲情報の変更を反映せず、楽曲の再生が終了した後に楽曲情報の変更を反映する構成としたりしていた。しかしながら、ユーザーが楽曲の再生中に楽曲情報の変更を行うことを望む場合も多く、楽曲の再生中であっても楽曲情報の内容を変更し、ユーザーの利便性を向上したいとするニーズがあった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、楽曲の再生中であっても楽曲情報の内容を変更可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、楽曲を再生するオーディオ装置において、複数の楽曲について、各楽曲の再生時に利用される楽曲情報を保持する再生リストと、この再生リストと対応する編集リストと、を記憶部に記憶し、楽曲の再生中に楽曲情報の変更を受け付け可能に構成し、楽曲の再生中は前記再生リストの楽曲情報を利用して楽曲の再生を実行すると共に、楽曲の再生中に楽曲情報の変更が指示された場合、当該指示を反映して前記編集リストを編集し、編集後の前記編集リストの内容を前記再生リストへコピーすることを特徴とする。
この構成によれば、楽曲の再生中は、再生リストに基づいて楽曲情報が利用される状態が維持されつつ、楽曲の再生中に楽曲情報の変更が指示された場合、再生リストとは別に設けられた編集リストが、当該指示を反映して編集され、編集後の編集リストの内容が再生リストへコピーされる。ここで、楽曲情報の変更の指示に応じて、直接、再生リストを編集した場合、編集の過程で、再生される楽曲と、再生リストが保持する楽曲情報との間に不整合が生じる場合があり得るが、上記構成によれば、このような不整合の発生を確実に防止でき、楽曲の再生中における楽曲情報の内容の変更が可能となる。
【0006】
ここで、上記発明のオーディオ装置において、前記再生リスト及び前記編集リストは、複数の楽曲について、楽曲ごとに、楽曲に一意に付与される識別コードと、楽曲に関する楽曲情報とを対応づけて記憶したリストであり、楽曲の再生中、当該楽曲の識別コードをキーとして前記再生リストを参照し、前記再生リストにて当該楽曲の識別コードと対応づけて記憶された楽曲情報を利用する構成とし、楽曲の再生中に1の楽曲の楽曲情報の変更が指示された場合、前記編集リストにて当該1の楽曲の識別コードと対応づけて記憶された楽曲情報を、前記指示に基づいて変更することによって前記編集リストを編集し、編集後の前記編集リストの内容を前記再生リストへコピーするようにしてもよい。
この構成によれば、ある楽曲の楽曲情報の編集が指示された場合、まず、編集リストにおいて当該楽曲に付与された識別コードと対応づけて記憶された楽曲情報が指示に基づいて変更されることによって編集リストの編集が行われ、編集後の編集リストの内容が再生リストへコピーされる。そして、編集後の編集リストの内容が再生リストへコピーされた後は、楽曲毎に一意に付与される識別コードをキーとして再生リストが参照された上で、各楽曲の楽曲情報が利用される。これにより、楽曲情報が変更された場合であっても、再生リストに基づいて楽曲に対応する楽曲情報を確実に利用可能となる。
【0007】
また、上記発明のオーディオ装置において、前記楽曲情報には、楽曲のタイトルを示す情報が含まれるようにしてもよい。
この構成によれば、ユーザーは、楽曲の再生中に、楽曲のタイトルの変更を行うことができる。ここで、楽曲のタイトルは、アルバム名やミュージシャン名等、他の楽曲情報と比較して、変更が多く行われる情報であるため、上記構成により、ユーザーの利便性のさらなる向上を実現できる。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明は、楽曲を再生するオーディオシステムにおいて、複数の楽曲について、各楽曲の再生時に利用される楽曲情報を保持する再生リストと、この再生リストと対応する編集リストと、を記憶部に記憶し、楽曲の再生中に楽曲情報の変更を受け付け可能に構成し、楽曲の再生中は前記再生リストの楽曲情報を利用して楽曲の再生を実行すると共に、楽曲の再生中に楽曲情報の変更が指示された場合、当該指示を反映して前記編集リストを編集し、編集後の前記編集リストの内容を前記再生リストへコピーすることを特徴とする。
この構成によれば、楽曲の再生中は、再生リストに基づいて楽曲情報が利用される状態が維持されつつ、楽曲の再生中に楽曲情報の変更が指示された場合、再生リストとは別に設けられた編集リストが、当該指示を反映して編集され、編集後の編集リストの内容が再生リストへコピーされる。ここで、楽曲情報の変更の指示に応じて、直接、再生リストを編集した場合、編集の過程で、再生される楽曲と、再生リストが保持する楽曲情報との間に不整合が生じる場合があり得るが、上記構成によれば、このような不整合の発生を確実に防止でき、楽曲の再生中における楽曲情報の内容の変更が可能となる。
【0009】
また、上記目的を達成するために、本発明は、楽曲を再生し、楽曲の再生中に楽曲情報の変更を受け付け可能に構成されたオーディオ装置を制御して、複数の楽曲について、各楽曲の再生時に利用される楽曲情報を保持する再生リストと、この再生リストと対応する編集リストと、を記憶部に記憶し、楽曲の再生中は前記再生リストの楽曲情報を利用して楽曲の再生を実行すると共に、楽曲の再生中に楽曲情報の変更が指示された場合、当該指示を反映して前記編集リストを編集し、編集後の前記編集リストの内容を前記再生リストへコピーすることを特徴とする。
この制御方法によれば、楽曲の再生中は、再生リストに基づいて楽曲情報が利用される状態が維持されつつ、楽曲の再生中に楽曲情報の変更が指示された場合、再生リストとは別に設けられた編集リストが、当該指示を反映して編集され、編集後の編集リストの内容が再生リストへコピーされる。ここで、楽曲情報の変更の指示に応じて、直接、再生リストを編集した場合、編集の過程で、再生される楽曲と、再生リストが保持する楽曲情報との間に不整合が生じる場合があり得るが、上記構成によれば、このような不整合の発生を確実に防止でき、楽曲の再生中における楽曲情報の内容の変更が可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、楽曲の再生中であっても楽曲情報の内容を変更できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態に係る車載オーディオ装置の機能的構成を模式的に示す図である。
【図2】(A)は、再生リストの構成を模式的に示す図であり、(B)は、編集リストの構成を模式的に示す図である。
【図3】車載オーディオ装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】車載オーディオ装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】編集リストの構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る車載オーディオ装置1(オーディオ装置、オーディオシステム)の機能的構成を示すブロック図である。車載オーディオ装置1は、車両に搭載され、車両に搭乗したユーザーの指示に応じて、楽曲CDに記録された楽曲を再生し、無線通信可能に接続された携帯型楽曲再生装置10に記録された楽曲を再生し、また自身に記憶された楽曲を再生する装置である。
【0013】
図1に示すように、車載オーディオ装置1は、制御部12と、メディア装置13と、無線通信部14と、音声処理部15と、表示部16と、入力部17と、記憶部18とを備えている。
【0014】
制御部12は、車載オーディオ装置1の各部を中枢的に制御するものであり、演算実行手段としてのCPUや、記憶手段としてのROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、その他周辺回路を備えている。
メディア装置13は、楽曲CDを再生するための装置であり、制御部12の制御の下、楽曲CDに記録された楽曲データの読み出しを行い、制御部12に出力する。また、メディア装置13は、楽曲CDに記録された楽曲データのTOC情報データを読み取り、制御部12に出力する。制御部12は、入力された楽曲データに対し所定の信号処理を施した上で、楽曲データに係る音声信号を音声処理部15に出力する。
楽曲データとは、所定のデータ形式を有する楽曲の音データのことであり、後述する楽曲情報データとは区別される。
また、TOC情報データとは、TOC(Table Of Contents)情報を示すデータである。TOC情報とは、楽曲を識別するための情報であって、楽曲ごとに一意な値を持った情報である。本実施形態では、TOC情報が識別コードに該当する。
なお、本実施形態では、メディア装置13として楽曲CDを再生するための装置を適用した場合を例にして説明するが、メディア装置13はこれに限らず例えば、MDやDVD等の各種メディアを再生するための装置であってもよい。
【0015】
無線通信部14は、制御部12の制御の下、携帯型楽曲再生装置10と、所定の無線通信規格に準拠した無線通信を行う。携帯型楽曲再生装置10には、楽曲データが記憶されており、制御部12は、無線通信部14を制御して、通信中の携帯型楽曲再生装置10から楽曲データ及びTOC情報データを取得し、取得した楽曲データ及びTOC情報データを制御部12に出力する。制御部12は、入力された楽曲データに対し所定の信号処理を施した上で、楽曲データに係る音声信号を音声処理部15に出力する。
音声処理部15は、D/Aコンバータや、ボリューム、アンプ等を備え、制御部12から入力された音声信号をデジタル/アナログ変換した後、増幅し、所定の音量でスピーカー20から放音する。
【0016】
表示部16は、液晶パネル等の表示パネル21を備え、制御部12の制御の下、表示パネル21に各種情報を表示する。
入力部17は、車載オーディオ装置1に設けられた各種のスイッチ22に接続され、これらスイッチ22に対する操作を検出する操作検出部やリモートコントローラー(不図示)からの送信信号を受信する受信部等から構成され、ユーザーからの各種指示を制御部12に出力する。
【0017】
記憶部18は、ハードディスクやフラッシュメモリー等の不揮発性メモリーを備え、各種データを書き換え可能に記憶する。
記憶部18には、楽曲データベース25が記憶されている。
楽曲データベース25とは、複数の楽曲データについて、楽曲データと、楽曲データのTOC情報データとを対応させて記憶するデータベースである。本実施形態に係る車載オーディオ装置1は、楽曲CDに記録された楽曲データや、携帯型楽曲再生装置10に記憶された楽曲データだけでなく、自身が備える記憶部18に記憶された楽曲データに基づいて、楽曲の再生が可能である。また、ユーザーは、各種スイッチ22を操作して、楽曲CD又は携帯型楽曲再生装置10に記憶された楽曲データをコピーすることを指示できる。当該指示が行われた場合、制御部12は、メディア装置13又は無線通信部14を制御して、楽曲CD又は携帯型楽曲再生装置10に記憶された楽曲データ、及び、TOC情報データを読み出し、読み出した楽曲データと、TOC情報データとを対応づけて楽曲データベース25に記憶する。
また、記憶部18には、再生リスト26及び編集リスト27が記憶されている。
【0018】
図2(A)は再生リスト26の構成を模式的に示す図である。
再生リスト26とは、TOC情報と楽曲情報とを対応づけて記憶するテーブルである。楽曲情報とは、楽曲に関する情報のことであり、本実施形態では、楽曲のタイトルが楽曲情報に該当する。
図2(A)に示すように、再生リスト26の1件のレコードには、TOC情報フィールド30と、タイトルフィールド31と、が含まれている。
TOC情報フィールド30には、楽曲毎に一意な値が割り当てられたTOC情報を示すTOC情報データが記憶される。
タイトルフィールド31には、楽曲のタイトルを示すタイトルデータが記憶される。
再生リスト26の各レコードは、以下の手段によって生成される。
本実施形態に係る車載オーディオ装置1では、車載オーディオ装置1に設けられた各種のスイッチ22を操作することによって、ユーザーが楽曲毎に楽曲のタイトルを入力できる構成となっており、楽曲が指定された上で当該楽曲のタイトルが入力された場合、制御部12は、当該入力に基づいて、当該楽曲のTOC情報データと、入力されたタイトルを示すタイトルデータとを対応づけて記憶することによって、再生リスト26の1件のレコードを生成する。
さらに、本実施形態では、車載オーディオ装置1に設けられた各種スイッチを操作することによって、ユーザーは、楽曲のタイトルとして既に登録されているタイトルを変更することができる構成となっている。タイトルの変更が指示された場合における制御部12の動作については後に詳述する。
【0019】
上記のような手段の他、例えば、以下のような手段によって再生リスト26の各レコードが生成されるようにしてもよい。
例えば、楽曲CDに、楽曲毎に、楽曲データ及びTOC情報データと共に、楽曲情報データ(楽曲のタイトルを示すタイトルデータ)が記憶されている場合、メディア装置13は、楽曲データ及びTOC情報データに加えて楽曲情報データを制御部12に出力する。制御部12は、入力されたTOC情報データ及び楽曲情報データに基づいて、再生リスト26のTOC情報フィールド30に、TOC情報データを記憶すると共に、タイトルフィールド31にタイトルデータを記憶する。
また例えば、車載オーディオ装置1をインターネットにアクセス可能に構成し、制御部12は、インターネット上の所定のサーバーからTOC情報データ及び楽曲情報データを取得し、これらデータに基づいて、再生リスト26の各レコードを生成するようにしてもよい。
【0020】
再生リスト26は、楽曲の再生にあたって以下のような利用のされ方をする。
本実施形態に係る車載オーディオ装置1では、楽曲の再生に際し、楽曲を再生している間、表示パネル21に当該楽曲の再生が開始されてからの経過時間の他、当該楽曲のタイトルを表示する構成となっている。そして、制御部12は、楽曲の再生中、当該楽曲に係るTOC情報データを取得し、TOC情報データをキーとして再生リスト26を参照し、再生リスト26のTOC情報フィールド30に当該TOC情報データが記憶されているレコードを特定し、特定したレコードのタイトルフィールド31に記憶されたタイトルデータを取得し、取得したタイトルデータに基づいて表示部16を制御して表示パネル21にタイトルを表示する。
【0021】
図2(B)は、編集リスト27の構成を模式的に示す図である。
図2(A)との比較において明らかなように、編集リスト27の1件のレコードには、再生リスト26と同様に、TOC情報データが記憶されるTOC情報フィールド33と、タイトルデータが記憶されるタイトルフィールド34とが含まれている。編集リスト27に記憶されるデータは、後述する編集リスト27の編集に係る作業中以外は、再生リスト26と同一とされる。
【0022】
再生リスト26、及び、編集リスト27の各レコードは、タイトルフィールド31に記憶されたタイトルデータ(文字列データ)が、50音順、アルファベット順となるようにソートされる。例えば、図2(A)を参照して、各レコードが有するタイトルデータが、それぞれ「AAA」〜「FFF」を示すデータである場合、再生リスト26においてタイトルデータ=「AAA」を示すデータであるレコードが1件目のレコードとなり、次のレコードは、タイトルデータ=「BBB」を示すデータのレコードとなり、以後、「CCC」、「DDD」、「EEE」、「FFF」と続く。このように、再生リスト26、及び、編集リスト27の各レコードについて、タイトルフィールド31に記憶されたタイトルデータ(文字列データ)が、50音順、アルファベット順となるようにソートされるのは、本実施形態では、ユーザーの指示に基づいて、再生可能な楽曲のタイトルを50音順、アルファベット順に表示パネル21に表示可能な構成とされ、このような指示がなされた場合に表示に係る処理の処理効率を向上するためである。また、本実施形態では、ユーザーがタイトルをキーワードとして、再生可能な楽曲のタイトルを検索できる構成となっており、当該検索処理の処理効率を向上するためである。
【0023】
ところで、上述したように、本実施形態では、ユーザーが、車載オーディオ装置1に設けられた各種スイッチ22を操作することによって、楽曲のタイトルとして既に登録されたタイトルの変更を指示できる構成となっているが、本実施形態では、以下の動作を実行することにより、楽曲の再生中であってもユーザーがタイトルの変更を指示できるよう構成すると共に、何らかの不整合を発生することなく確実に、変更の指示に応じてタイトルが変更される構成となっている。
【0024】
図3は、車載オーディオ装置1の動作を示すフローチャートである。
以下の動作では、楽曲CD、携帯型楽曲再生装置10、又は、記憶部18に記憶されている楽曲データに係る楽曲を再生しているものとする。すなわち、以下の動作は楽曲の再生中に行われる動作である。
【0025】
まず、車載オーディオ装置1の制御部12は、ユーザーによってスイッチ22が操作されて、タイトルの変更が指示されたか否かを判別する(ステップSA1)。このタイトルの変更の指示では、ユーザーによって変更前のタイトルが指定され、かつ、変更後のタイトルが入力された上で、変更前のタイトルから変更後のタイトルへの変更が指示される。
次いで、制御部12は、記憶部18に記憶された編集リスト27へアクセスする(ステップSA2)。このステップSA2の時点では、再生リスト26の内容と、編集リスト27の内容とは、同一である。
次いで、制御部12は、ステップSA1におけるユーザーの指示を反映して、編集リスト編集処理を実行する(ステップSA3)。ここで、ステップSA3の編集リスト編集処理について詳述する。
【0026】
図4は、編集リスト編集処理時における車載オーディオ装置1の動作を示すフローチャートである。
上述したように、ステップSA1では、ユーザーは、変更前のタイトルを指定し、かつ、変更後のタイトルを入力した上で、変更前のタイトルから変更後のタイトルへの変更を指示する。このような指示が入力された制御部12は、編集リスト27を参照し(ステップSB1)、指定された変更前のタイトルを示すタイトルデータがタイトルフィールド34に記憶されているレコードを特定する(ステップSB2)。次いで、制御部12は、特定したレコードのタイトルフィールド34の値を、変更後のタイトルを示すタイトルデータによって上書き更新する(ステップSB3)。次いで、制御部12は、編集リスト27の各レコードのタイトルフィールド31に記憶されたタイトルデータに基づいて、タイトルフィールド31に記憶されたタイトルデータが、50音順、アルファベット順となるように編集リスト27の各レコードをソートする(ステップSB4)。
【0027】
図2(B)、及び、図5を用いて編集リスト編集処理について具体例を挙げて説明する。
ここで、編集リスト編集処理が開始される前の時点では、編集リスト27は、図2(B)に示す状態であるものとする。
例えば、ユーザーが、タイトルが「AAA」の楽曲について、タイトルを「CDE」に変更することを指示したとする。この場合、図4のステップSB2では、図2(B)の1件目のレコードが特定され、さらに、ステップSB3において、この1件目のレコードのタイトルフィールド34に、「CDE」を示すデータが上書き記憶される。
次いで、ステップSB4のソート処理によってソートが行われ、最終的に、編集リスト27は、図5に示すような状態となる。
【0028】
さて、前掲図3に戻り、ステップSA3の編集リスト編集処理が実行された後、制御部12は、編集リスト27の内容を再生リスト26にコピーする(ステップSA4)。このステップSA4では、編集に係る処理や計算に係る処理を伴わない単純なコピーに係る処理のみが実行されるため、短時間でコピーに係る処理を完了することができる。
【0029】
次いで、制御部12は、現在再生中の楽曲のTOC情報データを取得し、TOC情報データをキーとして再生リスト26を参照し(ステップSA5)、当該TOC情報データと対応づけて記憶されたタイトルデータを取得し、取得したタイトルデータに基づいて、表示部16を制御して表示パネル21に再生中の楽曲のタイトルを表示する(ステップSA6)。このステップSA6において、制御部12は、楽曲毎に一意に付与されたTOC情報データをキーとして再生リスト26を参照し、タイトルデータを取得するため、仮に再生中の楽曲のタイトルの変更がユーザーによって指示された場合であっても、確実に、対応する楽曲のタイトルデータを取得できる。
【0030】
ところで、楽曲の再生中に楽曲のタイトルの変更が指示された場合において、指示を反映して再生リスト26を編集することを考える。この場合、例えば、再生リスト26の各レコードをソートしているときに、再生すべき楽曲が次の楽曲へ移行する事態が発生すると、正常に再生リスト26を参照できず、従って、当該次の楽曲のタイトルデータを適切に取得することができないという事態が発生し得る。
【0031】
一方で、本実施形態では、楽曲の再生中に楽曲のタイトルの変更が指示された場合、まず、当該指示を反映して編集リスト27を編集し、編集後の編集リスト27の内容を再生リスト26にコピーする。こうすることにより、再生リスト26の各レコードのソート中に再生すべき楽曲が次の楽曲へ移行するといった事態が発生することを確実に防止でき、これにより、楽曲の再生中における楽曲のタイトルの変更が実現される。
【0032】
以上説明したように、本実施形態に係る車載オーディオ装置1では、楽曲情報たるタイトルデータを保持する再生リスト26と、この再生リスト26と対応する編集リスト27とが記憶部18に記憶される。さらに、車載オーディオ装置1は、楽曲の再生中に楽曲のタイトルの変更を受け付け可能に構成されている。
そして、楽曲の再生中、制御部12は、再生リスト26のタイトルデータを利用して楽曲の再生を実行すると共に、楽曲の再生中にタイトルの変更が指示された場合、当該指示を反映して編集リスト27を編集し、編集後の編集リスト27の内容を再生リスト26へコピーする。
これによれば、楽曲の再生中は、再生リスト26に基づいてタイトルデータが利用される状態が維持されつつ、楽曲の再生中にタイトルの変更が指示された場合、再生リスト26とは別に設けられた編集リスト27が、当該指示を反映して編集され、編集後の編集リスト27の内容が再生リスト26へコピーされる。ここで、タイトルの変更の指示に応じて、直接、再生リスト26を編集した場合、編集の過程で、再生される楽曲と、再生リスト26が保持するタイトルデータとの間に不整合が生じる場合があり得るが、上記構成によれば、このような不整合の発生を確実に防止でき、楽曲の再生中における楽曲のタイトルの変更が可能となる。
【0033】
また、本実施形態では、再生リスト26及び編集リスト27は、複数の楽曲について、楽曲ごとに、楽曲に一意に付与されるTOC情報データと、楽曲に関するタイトルデータとを対応づけて記憶したリストである。制御部12は、楽曲の再生中、当該楽曲のTOC情報データをキーとして再生リスト26を参照し、再生リストにて当該楽曲のTOC情報データと対応づけて記憶されたタイトルデータを利用して楽曲を再生する。そして、楽曲の再生中に1の楽曲のタイトルの変更が指示された場合、編集リスト27にて当該1の楽曲のTOC情報データと対応づけて記憶されたタイトルデータを、指示に基づいて変更することによって編集リスト27を編集し、編集後の編集リスト27の内容を再生リスト26へコピーする。
これによれば、ある楽曲のタイトルの変更が指示された場合、まず、編集リスト27において当該楽曲に付与されたTOC情報データと対応づけて記憶されたタイトルデータが指示に基づいて変更されることによって編集リスト27の編集が行われ、編集後の編集リスト27の内容が再生リスト26へコピーされる。そして、編集後の編集リスト27の内容が再生リスト26へコピーされた後は、楽曲毎に一意に付与されるTOC情報データをキーとして再生リスト26が参照された上で、各楽曲のタイトルデータが利用される。これにより、タイトルデータが変更された場合であっても、再生リスト26に基づいて楽曲に対応するタイトルデータを確実に利用可能となる。
【0034】
また、本実施形態では、楽曲情報には、楽曲のタイトルを示す情報が含まれる。
これによれば、ユーザーは、楽曲の再生中に、楽曲のタイトルの変更を行うことができる。ここで、楽曲のタイトルは、アルバム名やミュージシャン名等、他の楽曲情報と比較して、変更が多く行われる情報であるため、上記構成により、ユーザーの利便性のさらなる向上を実現できる。
【0035】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
本実施形態では、オーディオ装置として車載に搭載されるものを例として説明したが、車両に搭載されるオーディオ装置以外のオーディオ装置にも本発明を適用可能である。
また、楽曲情報は、楽曲のタイトルに限らず、楽曲のアーティスト名、楽曲が記録されたアルバム名等、楽曲に関する情報であればよい。
【符号の説明】
【0036】
1 車載オーディオ装置(オーディオ装置、オーディオシステム)
18 記憶部
26 再生リスト
27 編集リスト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲を再生するオーディオ装置において、
複数の楽曲について、各楽曲の再生時に利用される楽曲情報を保持する再生リストと、この再生リストと対応する編集リストと、を記憶部に記憶し、
楽曲の再生中に楽曲情報の変更を受け付け可能に構成し、
楽曲の再生中は前記再生リストの楽曲情報を利用して楽曲の再生を実行すると共に、楽曲の再生中に楽曲情報の変更が指示された場合、当該指示を反映して前記編集リストを編集し、編集後の前記編集リストの内容を前記再生リストへコピーすることを特徴とするオーディオ装置。
【請求項2】
前記再生リスト及び前記編集リストは、複数の楽曲について、楽曲ごとに、楽曲に一意に付与される識別コードと、楽曲に関する楽曲情報とを対応づけて記憶したリストであり、
楽曲の再生中、当該楽曲の識別コードをキーとして前記再生リストを参照し、前記再生リストにて当該楽曲の識別コードと対応づけて記憶された楽曲情報を利用する構成とし、
楽曲の再生中に1の楽曲の楽曲情報の変更が指示された場合、前記編集リストにて当該1の楽曲の識別コードと対応づけて記憶された楽曲情報を、前記指示に基づいて変更することによって前記編集リストを編集し、編集後の前記編集リストの内容を前記再生リストへコピーすることを特徴とする請求項1に記載のオーディオ装置。
【請求項3】
前記楽曲情報には、楽曲のタイトルを示す情報が含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載のオーディオ装置。
【請求項4】
楽曲を再生するオーディオシステムにおいて、
複数の楽曲について、各楽曲の再生時に利用される楽曲情報を保持する再生リストと、この再生リストと対応する編集リストと、を記憶部に記憶し、
楽曲の再生中に楽曲情報の変更を受け付け可能に構成し、
楽曲の再生中は前記再生リストの楽曲情報を利用して楽曲の再生を実行すると共に、楽曲の再生中に楽曲情報の変更が指示された場合、当該指示を反映して前記編集リストを編集し、編集後の前記編集リストの内容を前記再生リストへコピーすることを特徴とするオーディオシステム。
【請求項5】
楽曲を再生し、楽曲の再生中に楽曲情報の変更を受け付け可能に構成されたオーディオ装置を制御して、
複数の楽曲について、各楽曲の再生時に利用される楽曲情報を保持する再生リストと、この再生リストと対応する編集リストと、を記憶部に記憶し、
楽曲の再生中は前記再生リストの楽曲情報を利用して楽曲の再生を実行すると共に、楽曲の再生中に楽曲情報の変更が指示された場合、当該指示を反映して前記編集リストを編集し、編集後の前記編集リストの内容を前記再生リストへコピーすることを特徴とするオーディオ装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−80529(P2013−80529A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−31711(P2010−31711)
【出願日】平成22年2月16日(2010.2.16)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】