説明

オーバーヘッドドアのための動力伝達装置

【課題】 手動式オーバーヘッドドアの改修を殆ど必要とせず、狭いスペースであってもオーバーヘッドドアを電動化できる動力伝達装置を実現する。
【解決手段】動力伝達装置20は、オーバーヘッドドア10の昇降装置14の巻き上げシャフト15に連結される連結部21と、電動駆動装置30で駆動される駆動入力部25と、連結部21における駆動入力部25の係止位置を設定することができる係止手段27とを有し、さらに連結部21の回転軸23の支持位置を設定して、支持手段36によって回動自在に支持される構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建屋の出入り口等の開閉を行なうオーバーヘッドドアにおいて、そのドアパネルを開閉させるために使用される動力伝達装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ドアパネルを昇降させて建屋(例えば倉庫、工場、家屋および車庫等)の出入り口等を開閉するオーバーヘッドドア(いわゆるオーバーヘッドドア等)としては、例えばドアパネルの下部に繋がれたワイヤを、出入り口の上方に位置づけたシャフト(以下、単に「巻き上げシャフト」または「シャフト」と表記することがある)に巻きつけてドアパネルを引き上げるとともに、それを建屋内天井に沿う平面的なスペースに格納することで、出入り口を開閉するオーバーヘッドドアがある(特許文献1)。
【0003】
しかしオーバーヘッドドアを手動で開閉したのでは、開閉ための労力と時間を必要とする等の問題があり、そのため多くのオーバーヘッドドアを備えた倉庫等では、迅速な開閉が困難なことによる物流コストの増加等の多くの問題が生じる。
【0004】
そこで巻き上げシャフトをモーターで駆動する電動式オーバーヘッドドア(いわゆる電動オーバーヘッドドア等)が考案された。この電動式オーバーヘッドドアは、天井近傍に無端チェーンを配設し、この無端チェーンを、やはり天井近傍に配設したモーターで駆動して、無端チェーンに連結されたドアパネルを引き上げるようになっている(特許文献2)。こうした電動式オーバーヘッドドアであれば、多くのオーバーヘッドドアを備えた倉庫等であっても、開閉の省力化と迅速化が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平07−026587号公報
【特許文献2】特開平11−229728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
オーバーヘッドドアの開閉の省力化と迅速化は、手動式オーバーヘッドドアを電動式オーバーヘッドドアに交換することで実現できるが、そのためには電動式オーバーヘッドドアの購入、手動式オーバーヘッドドアの撤去と廃棄、および交換工事等の費用負担に加えて、さらに工事期間中の倉庫等の使用に制約が生じる等の問題が生じてしまう。
【0007】
そこで、従来から使用している手動式オーバーヘッドドアを改修して、電動駆動装置を取り付けること(電動化すること)が考えられるが、電動化のための装置・機材のスペース等が問題となる。例えば、特許文献2に開示された電動式オーバーヘッドドアのように改修しようとすると、巻き上げシャフトを含む多くの部品等を交換または改修しなければならず、費用負担が増すことに加え、部品等の交換ができない、または改修スペースがない等で、改修が極めて困難さらには不可能なこともあり得る。
【0008】
そこで本発明は、手動式オーバーヘッドドアの改修を殆ど必要とせず、また狭いスペースであってもモーター等の駆動力をオーバーヘッドドアに伝達することができる動力伝達装置の動力源の実現を課題とするものである。
【0009】
また本発明は、手動式オーバーヘッドドアの構成を有するオーバーヘッドドアとともに使用することで、オーバーヘッドドア全体として、安価でかつ設置スペースの制約が少ない電動式オーバーヘッドドアとするための、動力伝達装置の実現を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明にかかる動力伝達装置は、例えば複数の手動式のオーバーヘッドドアが近接して設置されている倉庫等において、オーバーヘッドドア間の間隔が狭い場合であっても、電動駆動装置との位置関係を設定する構成を有することで、設置の自由度を高めることができる構成を有している。
【0011】
具体的には、該動力伝達装置は、オーバーヘッドドアの昇降装置の巻き上げシャフトに連結される連結部と、電動駆動装置で駆動される駆動入力部(例えばプーリ等)と、連結部における駆動入力部の係止位置を設定することができる係止手段とを有して、電動駆動装置からの駆動力をオーバーヘッドドアに伝達する構成とした。すなわち駆動入力部は、連結部における係止位置を、電動駆動装置の駆動出力部(駆動出力部は動力伝達装置の駆動入力部に駆動力を出力するためのものであり、例えばプーリー等)の位置に応じて適切に設定できるようになっている。さらに該動力伝達装置は、連結部の回転軸の支持位置を設定し支持手段によって回動自在に支持される構成を有して、該動力伝達装置と電動駆動装置との位置関係を適切に設定できるようになっている。
【0012】
また係止手段は、連結部が有する回転軸の表面に軸方向に穿設された第1の溝部と、回転軸が挿通される駆動入力部の軸孔の内周面に軸方向に穿設された第2の溝部と、第1の溝部と第2の溝部との間に嵌入されて回転軸に対する駆動入力部の位置を固定するための固定キーを有している。固定キーは、その一端側の高さが両溝部の深さの合計よりも低く、その他端側の高さが両溝部の深さの合計よりも高くなっている。従って、駆動入力部の軸孔に挿通した回転軸の第1の溝部と、駆動入力部の第2の溝部とを相対するように位置づけて、両溝部に固定キーを嵌入すれば、駆動入力部を回転軸の任意の位置に係止することができる。
【0013】
かくして、複数の手動式のオーバーヘッドドアが近接して設置されている倉庫等において、オーバーヘッドドア間の間隔が狭いため設置位置が制約を受けるとき等であっても、動力伝達装置は、その駆動入力部の係止位置を設定することで、電動駆動装置からの動力を受け取ることができ、また該動力伝達装置と電動駆動装置との位置関係を設定できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明にかかる動力伝達装置によれば、改修を殆ど必要とせず、また狭いスペースであっても手動式オーバーヘッドドアを電動化することができる。また本発明にかかる動力伝達装置は、手動式オーバーヘッドドアの構成を有するオーバーヘッドドアとともに使用することで、オーバーヘッドドア全体として、設置スペースの制約が少ない電動式オーバーヘッドドアを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明にかかる動力伝達装置によって駆動されるオーバーヘッドドアの一例(概略構)を示す図である。
【図2】本発明にかかる動力伝達装置の一実施形態における概略構成を示す図である。
【図3】図2に示す動力伝達装置を、電動駆動装置が有する連結支持手段で支持した状態における概略側面構成を示す図である。
【図4】図3に示す電動駆動装置が有する駆動部マウントおよび支持マウントの概略平面構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明にかかる動力伝達装置について説明するが、先ず電動化の対象となるオーバーヘッドドアの一例を説明したのち、動力伝達装置について説明する。
【0017】
(オーバーヘッドドア)
図1に示すオーバーヘッドドア10は、ドアパネル11、ドアパネル11の両側部に取り付けられた複数のローラー12、これらローラー12をガイドしてドアパネル11の昇降動作を規定する2本のガイドレール13、および昇降装置14を有している。
【0018】
昇降装置14は、ドアパネル11の上方に配設されて、一端15aが互いに連結された2本のシャフト15、これらのシャフト15の他端15b側に取り付けられたドラム16、ドラム16で巻き上げられるワイヤ17、2本のシャフト15の一端15a側の近傍に装着された2つのスプリング部18、および2本のシャフト15を回動自在に支持するために、建屋の壁等に固定された複数のアンカーブラケット19を有している。これらアンカーブラケット19は、各シャフト15を、それらの一端15a側、他端15b側および略中央部分において支持している。またシャフト15は、その他端15b側がドアパネル11の両側部の上方に配設されて、ドアパネル11の両側部の下端側に繋がれたワイヤ17をドラム16で巻き上げるようになっている。
【0019】
スプリング部18は、その内部にシャフト15が挿通されており、その一端18aがシャフト15の一端15a側を支持するアンカーブラケット19に固定され、その他端18bがシャフト15に固定されている。ここでスプリング部18は、シャフト15をドラム16でワイヤ17を巻き上げる方向に回転付勢している。従って、シャフト15を回転駆動してドラム16でワイヤ17を巻き上げる際には、スプリング部18の付勢力が作用して、小さな駆動力でドアパネル11を上昇させる(引き上げる)ことができる。
【0020】
ガイドレール13は、建屋の出入り口の両側部において支柱1に取り付けられて垂直に位置づけられ、その上側部分において建屋内の天井と略平行するようになっており、引き上げられたドアパネル11を、その上側部分(天井の近傍)に収納するようになっている。もちろん、本発明にかかる動力伝達装置によって駆動されるオーバーヘッドドアは、オーバーヘッドドア10に限定されない。
【0021】
(動力伝達装置)
図2に示す動力伝達装置20は、オーバーヘッドドア10が有する昇降装置14の巻き上げシャフト15の一端15aに連結される連結部21と、電動駆動装置30で駆動される伝達プーリー(駆動入力部)25と、連結部21における伝達プーリー25の係止位置を設定するための係止手段27とを有している。
【0022】
ここで連結部21は、シャフト15の一端15aに連結されるフランジ22、フランジ22をその一端側に有する連結回転軸23、およびシャフト15の一端15aを締め付けるための略円盤形状の締結部材24(厚さT)を有している(フランジ22と連結回転軸23との軸方向の合計長さはL1である。)。フランジ22は、そのフランジ面22a側からシャフト15の一端15a側を挿入する軸孔22bと、この軸孔22bと同軸にフランジ面22aに穿設された凹部22cを有している。
【0023】
締結部材24は、シャフト15を挿通するための軸孔24a、および軸孔24aと同軸に一方の面に形成された凸部24bを有している。締結部材24の凸部24bは、フランジ22の凹部22cに挿入できるようになっており、フランジ22の軸孔22bの内周面には、締結部材24の凸部24bで軸方向に押されて、その内周径が縮径する締め付け手段が配設されている(図示せず)。従って、シャフト15の一端15a側を締結部材24の軸孔24aに挿通し、さらにフランジ22の軸孔22bに挿入したのち、締結部材24をフランジ22にボルト等(図示せず)で固定すると、フランジ22の軸孔22bの内周面に配設された締め付け手段がシャフト15の一端15a側の全周面を締め付けて、シャフト15とフランジ22とを連結することができる。このとき締め付け手段の内周面は、その中心が移動しないように縮径するようになっており、その結果、連結回転軸23およびシャフト15のそれぞれの中心軸が精度よく一致するようになっている。
【0024】
もちろん連結部21は、シャフト15と連結できるものであればよく、上記以外の構成を有してシャフト15と連結できるものでもよい。例えばフランジ22の軸孔22bに挿入されたシャフト15の一端15a側を、その断面方向の3か所をボルト等で締め付けるような構成であってもよい。
【0025】
(係止手段)
図2示すように係止手段27は、連結部21が有する連結回転軸23の表面に軸方向に穿設された第1の溝部23u(第1の溝部23uは連結回転軸23の略全長にわたって穿設されている)、伝達プーリー25の軸孔の内周面に軸方向に穿設された第2の溝部25u、および第1の溝部23uと第2の溝部25uとに嵌入されて連結回転軸23に対する伝達プーリー25の位置を固定するための固定キー26を有している。
【0026】
ここで第1の溝部23uと第2の溝部25uは、いずれも同じ幅と深さを有している。固定キー26は、その幅が第1の溝部23uおよび第2の溝部25uの幅より僅かに狭く、その一端26aの高さは、第1の溝部23uおよび第2の溝部25uの深さの合計よりも若干低く、その他端26bの高さは、第1の溝部23uおよび第2の溝部25uの深さの合計よりも若干高くなっている。従って、伝達プーリー25を連結回転軸23の任意の位置に位置づけたのち、連結回転軸23の第1の溝部23uと伝達プーリー25の第2の溝部25uとを相対させた状態で、伝達プーリー25と連結回転軸23との間の両溝部に固定キー26を嵌入することで、伝達プーリー25を連結回転軸23の任意の位置に係止することができる。
【0027】
(電動駆動装置)
次に本発明にかかる動力伝達装置の理解ために、動力伝達装置20とともに使用される電動駆動装置の一例について説明する。
【0028】
図3に示す電動駆動装置30は、駆動部マウント31、駆動部マウント31に取り付けられたモーター32、同じく駆動部マウント31に取り付けられた減速部33、および減速部33の出力軸33aに取り付けられて動力伝達装置20の伝達プーリー25に動力を伝達するための出力プーリー(駆動出力部)34を有している。減速部33は、例えばウォームギヤで、モーター32の回転軸32aと90度で交叉する方向の出力軸33aにモーター32の駆動力を減速し伝達する(図3中、32xはモーター32の回転軸32aの中心線であり、33xは減速部33の出力軸33aの中心線である。)。
【0029】
電動駆動装置30は、例えば軸長が長く直径が小さいモーター32と減速部33とを組み合わせ、モーター32の回転軸32aと減速部33の出力軸33aとを90度で交叉させて、電動駆動装置30の、減速部33の出力軸33a方向の長さ(図3中のD1、以下、「電動駆動装置30の長さ」と表記することがある)を短くすることで、狭いスペースに設置できるものが好ましい。また電動駆動装置30の長さD1は、フランジ22と連結回転軸23との軸方向の合計長さL1よりも短いことが望ましい。なお電動駆動装置30では、減速部33の出力軸33aの先端が駆動部マウント31からD2離れて位置づけられている(以下、「出力軸33aの長さD2」と表記することがある。)。
【0030】
ここで動力伝達装置20の伝達プーリー25および電動駆動装置30の出力プーリー34は、同一平面上で回転するように位置づけられ、また電動駆動装置30の減速部33の出力軸33aは、動力伝達装置20の連結回転軸23と平行するように位置づけられる。
【0031】
(動力伝達装置とオーバーヘッドドアとの位置関係等)
次に本発明にかかる動力伝達装置の理解ために、動力伝達装置20と電動駆動装置30との位置関係の一例について説明する。
【0032】
図3および図4に示すように動力伝達装置20は、電動駆動装置30が有する動力伝達装置支持手段36で支持されている。具体的には、動力伝達装置20の連結回転軸23は、その軸方向の任意の位置において、動力伝達装置支持手段36が有する支持マウント37に装着された軸受け38で回動自在に支持されている。また動力伝達装置支持手段36は、支持マウント37の取り付け側部37t(図4参照)において建屋の壁に取り付けられるようになっている。
【0033】
ここで支持マウント37は、図4に示すように、取り付け側部37tに直交する軸線37x上に、軸受け38を装着するための、円形の軸受け取り付け孔37a、37bおよび37cを有している(軸受け取り付け孔37a〜37cは連接しており、それらの近傍には軸受け38を支持マウント37に装着するためのネジ孔37dが複数穿設されている。)。
【0034】
さらに支持マウント37は、その取り付け側部37tと平行する方向(軸線37xと直交する方向)に穿設された2つの連結丸孔39を有しており、また駆動部マウント31は、モーター32の回転軸32aと平行する方向に長手方向を有する、2つの連結長孔35を有している。ここで2つの連結丸孔39の位置を、2つの連結長孔35の位置の長手方向に合わせて、両孔をボルト等で締結することで、支持マウント37と駆動部マウント31とを一体化することができる。
【0035】
このとき駆動部マウント31の2つの連結長孔35の長手方向の範囲内で、支持マウント37と駆動部マウント31との位置関係を設定することで(矢印A)、動力伝達装置20の伝達プーリー25と、電動駆動装置30の出力プーリー34との間隔を設定することができる(伝達プーリー25と出力プーリー34との間にはベルト(図示せず)がかけられる。)。
【0036】
上記構成を有する電動駆動装置30は、建屋の壁部に取り付けられた動力伝達装置支持手段36の軸受け取り付け孔37a〜37cの何れかに軸受け38を装着することで、建屋の壁部と動力伝達装置20の連結回転軸23との間隔を設定しつつ、連結回転軸23の任意の位置を軸受け38で回動自在に支持することができる。このとき以下の2つの条件が満たされて、電動駆動装置30が動力伝達装置20の下方において動力伝達装置20の軸長方向の領域内に設置されることが望ましい。
【0037】
先ず第1に、動力伝達装置20のフランジ22のフランジ面22aから支持マウント37までの長さL3が、電動駆動装置30の長さD1から出力軸33aの長さD2を減じた長さ(D1−D2)よりも長いことが望ましい(図3中、L3>(D1−D2)とすればよい。)。そうすれば図3中において、電動駆動装置30の右端は、フランジ22のフランジ面22aよりも左側に位置することになる。
【0038】
第2に、動力伝達装置20のフランジ22のフランジ面22aから支持マウント37までの長さL3と出力軸33aの長さD2との合計が、フランジ22と連結回転軸23との合計長さL1よりも短いことが望ましい(図3中、D2+L3<L1)。そうすれば図3中において、電動駆動装置30の左端は、連結回転軸23の先端よりも右側に位置することになる。
【0039】
このように連結回転軸23に対する軸受け38の位置を設定することで、電動駆動装置30は、動力伝達装置20の下方において動力伝達装置20の軸長方向の領域内に設置される。また電動駆動装置30の出力プーリー34に対する動力伝達装置20の伝達プーリー25の係止位置(フランジ22のフランジ面22aからL2)を定めることもできる。
【0040】
このように動力伝達手段20は、その連結回転軸23を支持する動力伝達装置支持手段36の支持位置を適宜設定できるようになっており、加えて、その伝達プーリー25は、電動駆動装置30の出力プーリー34との位置関係を適宜設定できるようになっている。
従って、動力伝達手段20は、オーバーヘッドドア10の側部側方向におけるスペースが狭くても、該スペースに設置可能な電動駆動装置30からの駆動力をオーバーヘッドドアに伝達することができる。
【0041】
なお本発明にかかる動力伝達装置は、実施例に限定されるものではなく、その趣旨を変更することなく適宜変形して実施できるものである。例えば、駆動入力部および駆動出力部をギヤとして両者間にチェーンをかけてもよい。また動力伝達装置支持手段は、電動駆動装置と機械的に分離されて構成であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明にかかる動力伝達装置は、手動式オーバーヘッドドアを電動化するために製造、販売等でき、また手動式オーバーヘッドドアの構成を有するオーバーヘッドドアとともに使用することで、オーバーヘッドドア全体として設置スペースの制約が少ない電動式オーバーヘッドドアを製造等できるから、経済的価値を有して産業上の利用可能性を有する発明である。
【符号の説明】
【0043】
10 オーバーヘッドドア
11 ドアパネル
14 昇降装置
15 シャフト(巻き上げシャフト)
20 動力伝達装置
21 連結部
23 連結回転軸
23u 第1の溝部
25 伝達プーリー(駆動入力部)
25u 第2の溝部
26 固定キー
27 係止手段
30 電動駆動装置
36 支持手段(動力伝達装置支持手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアパネルとそれを昇降させるための昇降装置とを有するオーバーヘッドドアの前記昇降装置へ、電動駆動装置の駆動力を伝達するための動力伝達装置であって、
前記昇降装置の巻き上げシャフトに連結される連結部と、
前記電動駆動装置で駆動される駆動入力部と、
前記連結部における前記駆動入力部の係止位置を設定することができる係止手段とを有し、さらに前記連結部の回転軸の支持位置を設定して、支持手段によって回動自在に支持できることを特徴とする動力伝達装置。
【請求項2】
前記係止手段が、
前記連結部が有する連結回転軸の表面に軸方向に穿設された第1の溝部と、
前記連結回転軸を挿通する前記駆動入力部の軸孔の内周面に軸方向に穿設された第2の溝部と、
前記第1の溝部と前記第2の溝部との間に嵌入されて前記連結回転軸に対する前記駆動入力部の係止位置を固定するための固定キーとを有していること
を特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
【請求項3】
前記動力入力部がプーリーまたはギヤであることを特徴とする請求項1または2に記載の動力伝達装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−219459(P2012−219459A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83774(P2011−83774)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(598029793)コンゴー工業株式会社 (1)