説明

オーバーラップ包装用の包材及びオーバーラップ包装体

【課題】合掌貼り部分の捲れが発生しにくいオーバーラップ包装用の包材及びオーバーラップ包装体を提供する。
【解決手段】被包装体にオーバーラップ包装を施すための包材であり、合掌貼りされる両側縁の重ね合わせ領域α1、α2と横シールライン及びその周辺部とを除くように、基材フィルム21の内面側に、背景となるベタ印刷と商品名や特徴的な図柄等を表示するデザイン印刷とが施された内面印刷層22が形成されており、基材フィルム21の外面側には、一方の重ね合わせ領域α1と、無印刷部及び縞模様の部分印刷部からなる印刷抜き領域24とを除いて、内面印刷層22が形成されていない領域を覆うように、背景となるベタ印刷が施された外面印刷層23が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、オーバーラップ包装用の包材及びその包材を用いて被包装体にオーバーラップ包装が施されたオーバーラップ包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、カップ入り即席焼きそばやカップ入り即席ラーメン等のカップ入り商品については、カップ状の容器本体や容器本体の口部を閉塞するシート状の蓋部材に予め図柄や商品名等を印刷しておき、容器本体に内容物を収容して口部を蓋部材によって閉塞した後、透明のシュリンクフィルムによって形成された包材を用いてオーバーラップ包装を施した状態で販売されている。
【0003】
こういったカップ入り商品等にオーバーラップ包装を施す場合は、まず、ピロー包装機等を用いて、シュリンクフィルムによって形成された長尺帯状の包材を、その幅方向の両側縁同士を重ね合わせて合掌貼りすることによって筒状に形成しながら、一定間隔で供給されるカップ入り商品等を筒状に形成された包材内に収容した後、筒状の包材を隣接するカップ入り商品等の間で順次溶断シールすることによって、カップ入り商品等を包材によって包み込み、その後、包材を加熱収縮させることによってカップ入り商品等に密着させることになる。
【0004】
また、容器本体や蓋部材に図柄等を印刷する場合に比べて、オーバーラップ包装を施すためのシュリンクフィルムによって形成された包材自体に図柄や商品名等を印刷したほうが印刷部分がクリアに仕上がると共に、蓋部材によって容器本体の口部を閉塞する際、容器本体の印刷部分と蓋部材の印刷部分との位置合わせ等を考慮しなくてもよいので、近年では、容器本体や蓋部材には印刷を行わずに、図柄や商品名等が予め印刷された包材を用いてオーバーラップ包装が施されるようになってきている。
【0005】
ところで、こういったオーバーラップ包装用の包材では、内面同士が相互にヒートシールされる合掌貼り部分に十分なシール強度を確保するために、合掌貼り部分については、基材フィルムの外面側に印刷が施されることになるが、合掌貼りするために包材における幅方向の両端同士を重ね合わせる際、ピロー包装機等の機械誤差によって、包材50の重ね合わせ部分にずれが発生すると、例えば、図11(a)に示すように、包材50の重ね合わせ部分がずれた状態でヒートシールされ、その合掌貼り部分CSが、同図(b)に示すように折り曲げられると、包材50の一端側に形成された印刷層52の裏面が透明な基材フィルム51を通して視認されることになり、合掌貼り部分CSが見苦しくなるといった問題がある。
【0006】
そこで、本願出願人は、図12(a)に示すように、合掌貼り部分CSを構成している包材60の一端側に印刷層を形成せずに透明にしておき、合掌貼り部分CSを、同図(b)に示すように、透明になっている包材60の一端側に折り曲げることを提案している(特開2005−313944号公報参照)。このようにしておくと、例えば、図13(a)、(b)に示すように、合掌貼り部分CSを構成している包材50の両端部が相互にずれた状態でヒートシールされている場合であっても、合掌貼り部分CSにおいて、包材60に形成された印刷層62の裏面が基材フィルム61を通して視認されることはなく、合掌貼り部分CSの美観を損なうことがない。
【0007】
【特許文献1】特開2005−313944号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、上述したように、合掌貼りすることによって筒状に形成された包材60内にカップ入り商品等を収容した後は、図14(a)、(b)に示すように、折り曲げた合掌貼り部分CSの幅方向に、包材60を溶断シールすることになるが、内面同士が線状にヒートシールされる溶断シール部分に十分なシール強度を確保するために、シールライン及びその周辺部についても、基材フィルム61の外面側に印刷が施されることになる。
【0009】
従って、折り曲げた合掌貼り部分CSにおけるシールライン上では、合掌貼り部分CSの内面側の基材フィルム61と、合掌貼り部分CSが重なる反対側の包材60の基材フィルム61との間に印刷層62が介在することになるので、溶断シールされた合掌貼り部分CSについては、十分なシール強度を確保することができず、図15に示すように、カップ入り商品等70を包み込んだ包材60を加熱収縮させると、溶断シールされた合掌貼り部分CSの端部が捲れてしまい、オーバーラップ包装体の美観を損なうといった問題がある。
【0010】
さらに、合掌貼り部分CSの端部が捲れる際に溶断シール部分が断裂し、それに伴って溶断シール部分に形成されたピンホールが、包材60の加熱収縮によって拡大してしまうといった問題もある。
【0011】
そこで、この発明の課題は、合掌貼り部分の捲れが発生しにくいオーバーラップ包装用の包材及びオーバーラップ包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、所定幅で合掌貼りされる一方の重ね合わせ領域には基材フィルムに印刷層が形成されておらず、他方の重ね合わせ領域には前記基材フィルムの外面側に印刷層が形成されており、双方の前記重ね合わせ領域によって挟まれた中間領域には、双方の前記重ね合わせ領域を横断するように溶断シールされるシールライン及びその周辺部に、少なくとも、前記基材フィルムの外面側に印刷層が形成されているオーバーラップ包装用の包材において、前記中間領域における印刷層が形成されていない一方の前記重ね合わせ領域側の端部のシールライン上には、その重ね合わせ領域の基端部から重ね合わせ領域の半幅以上離れた位置にわたって、印刷層が部分的または全体的に欠落した印刷抜き領域が形成されていることを特徴とするオーバーラップ包装用の包材を提供するものである。
【0013】
また、上記の課題を解決するため、請求項2にかかる発明は、所定幅で合掌貼りされる一方の重ね合わせ領域には基材フィルムに印刷層が形成されておらず、他方の重ね合わせ領域には前記基材フィルムの外面側に印刷層が形成されており、双方の前記重ね合わせ領域によって挟まれた中間領域には、双方の前記重ね合わせ領域を横断するように溶断シールされるシールライン及びその周辺部に、少なくとも、前記基材フィルムの外面側に印刷層が形成されているオーバーラップ包装用の包材において、前記中間領域における印刷層が形成されていない一方の前記重ね合わせ領域側の端部のシールライン上には、その重ね合わせ領域の基端部から重ね合わせ領域の幅だけ離れた位置を含む、印刷層が部分的または全体的に欠落した印刷抜き領域が形成されていることを特徴とするオーバーラップ包装用の包材を提供するものである。
【0014】
また、請求項3にかかる発明は、請求項1または2にかかる発明のオーバーラップ包装用の包材において、前記印刷抜き領域の全体または一部を、前記シールラインに交差する印刷ラインと非印刷ラインとを交互に配列した縞模様に印刷したのである。
【0015】
また、上記の課題を解決するため、請求項4にかかる発明は、基材フィルムに印刷層が形成された包材を用いて被包装体にオーバーラップ包装が施されたオーバーラップ包装体であって、前記包材は、前記基材フィルムに印刷層が形成されていない透明な一端側の内面と、前記基材フィルムの外面側に印刷層が形成されている他端側の内面とが、所定幅でヒートシールされた状態で、透明な前記包材の一端側に折り曲げられた合掌貼り部と、前記合掌貼り部の両端部に形成された溶断シール部とを有し、前記溶断シール部及びその周辺部には、前記基材フィルムの外面側に印刷層が形成されており、前記溶断シール部における前記合掌貼り部の端部に対応する部分には、印刷層が部分的または全体的に欠落した印刷抜き領域が形成されていることを特徴とするオーバーラップ包装体を提供するものである。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、請求項1にかかる発明のオーバーラップ包装用の包材は、中間領域における印刷層が形成されていない一方の重ね合わせ領域側の端部のシールライン上に、その重ね合わせ領域の基端部から重ね合わせ領域の半幅以上離れた位置にわたって、印刷層が部分的または全体的に欠落した印刷抜き領域が形成されているので、合掌貼り部分を印刷層が形成されていない一方の重ね合わせ領域側に折り重ねた状態では、合掌貼り部分の基端部から重ね合わせ領域の半幅以上離れた位置にわたって、部分的または全体的に基材フィルム同士が接触することになる。従って、この状態で溶断シールすると、基材フィルム同士が接触している部分については、十分なシール強度が確保され、これによって、合掌貼り部分に捲れが発生しにくくなるという効果が得られる。
【0017】
また、請求項2にかかる発明のオーバーラップ包装用の包材は、中間領域における印刷層が形成されていない一方の重ね合わせ領域側の端部のシールライン上に、その重ね合わせ領域の基端部から重ね合わせ領域の幅だけ離れた位置を含む、印刷層が部分的または全体的に欠落した印刷抜き領域が形成されているので、合掌貼り部分を印刷層が形成されていない一方の重ね合わせ領域側に折り重ねた状態では、合掌貼り部分の先端部において、部分的または全体的に基材フィルム同士が接触することになる。従って、この状態で溶断シールすると、基材フィルム同士が接触している合掌貼り部分の先端部については、十分なシール強度が確保され、これによって、合掌貼り部分に捲れが発生しにくくなるという効果が得られる。
【0018】
特に、請求項3にかかる発明のオーバーラップ包装用の包材では、印刷抜き領域の全体または一部が、シールラインに交差する印刷ラインと非印刷ラインとを交互に配列した縞模様に印刷されているので、印刷抜き領域が合掌貼り部分の外側に張り出した場合であっても、その部分が目立ちにくく、美観が損なわれにくいという効果が得られる。
【0019】
また、請求項4にかかる発明のオーバーラップ包装体では、溶断シール部における合掌貼り部の端部に対応する部分には、印刷層が部分的または全体的に欠落した印刷抜き領域が形成されているので、合掌貼り部に捲れが発生しにくく、美観が損なわれることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図1(a)、(b)及び図2(a)、(b)に示すように、このオーバーラップ包装体1は、カップ状容器11に即席うどんや加薬等の内容物13を収容した後、カップ状容器11の上面開口部を蓋シート12によって閉塞したカップ入り即席うどん(以下、被包装体という)10に、基材フィルム21が透明なシュリンクフィルム(例えば、厚さ5〜30μmの熱収縮性2軸延伸ポリプロピレンフィルム等)によって形成された包材20を用いて、オーバーラップ包装を施したものであり、包材20には、被包装体10の天面や周面を覆う部分に商品名や特徴的な図柄等が表示されるように、基材フィルム21の内面側及び外面側に図柄やベタ印刷がグラビア印刷等によって施されている。
【0021】
前記包材20は、図3(a)、(b)に示すように、複数の被包装体10を順次包み込むことができるように、同一の印刷パターン(同図における網かけ表示部分が印刷領域である)で繰り返し印刷が施された長尺帯状の状態で供給されるようになっており、同図(a)に示す各印刷部分において被包装体2を順次包み込みながら、その幅方向の両側縁の内面同士を重ね合わせた状態で合掌貼りすることによって筒状に形成した後、筒状に形成された包材20を、同図に二点鎖線で示す横シールラインSLで順次溶断シールすることによって、被包装体10を1個ずつ完全に包み込んだ状態で切り離されるようになっている。
【0022】
それぞれの被包装体10を包み込む包材20は、図3(a)、(b)及び図4に示すように、合掌貼りされる両側縁の重ね合わせ領域α1、α2と横シールラインSL及びその周辺部とを除くように、基材フィルム21の内面側に、背景となるベタ印刷と商品名や特徴的な図柄等を表示するデザイン印刷とが施された内面印刷層22が形成されており、基材フィルム21の外面側には、一方の重ね合わせ領域α1及び同図において一点鎖線で囲われた印刷抜き領域24を除いて、内面印刷層22が形成されていない領域を覆うように、背景となるベタ印刷が施された外面印刷層23が形成されている。なお、合掌貼りされる両側縁の重ね合わせ領域α1、α2は、その全幅にわたってシールされるわけではなく、図4及び図5に二点鎖線で示すように、シール幅SBは重ね合わせ領域α1、α2の幅(30mm)の約1/2であり、重ね合わせ領域α1、α2の先端側はシールされないようになっている。なお、基材フィルム21の外面側には、基材フィルム21に対する外面印刷層23の密着性を確保するために、予めコロナ放電処理を施しておくことが望ましい。また、外面印刷層23を形成するインキとしては、耐熱性を有するポリアミド・硝化綿系インキ(混合重量比 ポリアミド:硝化綿=5:5〜7:3)や、耐熱性を有するアクリル系樹脂と硝化綿を混合したもの等を使用することが望ましく、特に、樹脂成分中に硝化綿が30〜50%含有されているものが好ましい。
【0023】
前記印刷抜き領域24は、図3(b)、図4及び図5に示すように、双方の重ね合わせ領域α1、α2によって挟まれた中間領域における印刷層が形成されていない一方の重ね合わせ領域α1側の端部の横シールラインSLを跨ぐように、その重ね合わせ領域α1の基端部から重ね合わせ領域α1の幅(30mm)だけ離れた位置まで、外面印刷層23と同一幅で形成されており、重ね合わせ領域α1側に形成された、全く印刷されていない無印刷部24aと、横シールラインSLに直交する0.5mm幅の印刷ライン及び0.5mm幅の非印刷ラインが交互に配列された縞模様の部分印刷部24bとから構成されている。
【0024】
以上のように構成された包材20を用いて、被包装体10にオーバーラップ包装を施すには、横型ピロー包装機にロール状に巻き取った包材20をセットし、この包材20を繰り出しながら、複数の脱気用の小孔を形成し、図3(a)、(b)に示すように、包材20における二点鎖線で区画された部分において被包装体10を順次包み込みながら、図6(a)に示すように、基材フィルム21に印刷層が形成されていない透明な重ね合わせ領域α1の内面と、基材フィルム21に外面印刷層23が形成されている重ね合わせ領域α2の内面とを相互に重ね合わせ、その重ね合わせ部分の基端部側を、外周面にローレットが形成された一対のシールローラSR1、SR2によって挟み込んでヒートシール(センターシール)することによって、即ち、合掌貼りすることによって、筒状に形成した後、同図(b)に示すように、その合掌貼り部分CSを、包材20における透明な重ね合わせ領域α1に折り曲げる。
【0025】
包材20の幅方向の両側部の重ね合わせ領域α1、α2を合掌貼りする一対のシールローラSR1、SR2は、図6(a)に示すように、包材20における外面印刷層23が形成されている重ね合わせ領域α2、即ち、外面印刷層23に接触するシールローラSR2の温度が、包材20における印刷層が形成されていない透明な重ね合わせ領域α1、即ち、基材フィルム21に接触するシールローラSR1の温度より低く設定されており、高温のシールローラSR1が直接外面印刷層23に触れることがなく、外面印刷層23が形成されている包材20の重ね合わせ領域α2が、外面印刷層23が劣化し易い温度以上に加熱されないようになっている。具体的には、シールローラSR1による加熱温度が150〜230℃(例えば、200℃)、シールローラSR2による加熱温度が50〜120℃(例えば、80℃)に設定されている。
【0026】
このようにして、被包装体10を包み込んだ状態で筒状に形成された包材20を、図3(a)、(b)に二点鎖線で示す部分で順次溶断シールすると、図7(a)〜(c)に示すように、被包装体10が1個ずつ包材20によって完全に包み込まれた状態で切り離されるので、それぞれの被包装体10を包み込んでいる包材20を、熱風等によって加熱収縮させると、図1及び図2に示すように、包材20が被包装体10の外表面に略密着した状態のオーバーラップ包装体1が出来上がる。
【0027】
以上のように、このオーバーラップ包装体1では、重ね合わせ領域α1、α2によって挟まれた中間領域における印刷層が形成されていない一方の重ね合わせ領域α1側の端部の横シールラインSLを跨ぐように、外面印刷層がほとんど欠落した印刷抜き領域24が形成された包材20を使用しているので、合掌貼り部分CSを印刷層が形成されていない一方の重ね合わせ領域α1側に折り重ねた状態では、図8(a)、(b)に示すように、横シールラインSL上において、合掌貼り部分CSの全幅にわたって、基材フィルム21同士が概ね接触可能な状態となる。従って、この状態で溶断シールすると、基材フィルム21同士が概ね接触している合掌貼り部分CSについては、十分なシール強度が確保され、これによって、合掌貼り部分CSの両端部に捲れが発生しにくくなるという効果が得られる。
【0028】
特に、包材20に形成された印刷抜き領域24における合掌貼り部分CSの先端側に対応する部分には、縞模様の部分印刷部24bが形成されているので、合掌貼り部分CSが位置ずれすることによって、印刷抜き領域24が一部露出したとしても、全く印刷されていない無印刷部24aではなく、縞模様の部分印刷部24bが露出することになるので、印刷抜き領域24が目立ちにくく、美観を損ないにくいという効果が得られる。
【0029】
なお、上述した実施形態では、折り曲げられた合掌貼り部分CSに一致するように、透明な重ね合わせ領域α1の基端部から、その重ね合わせ領域α1の幅だけ離れた位置まで印刷抜き領域24を形成しているが、これに限定されるものではなく、印刷抜き領域は、透明な重ね合わせ領域α1の基端部から、その重ね合わせ領域α1の半幅以上離れた位置まで形成すればよく、重ね合わせ領域α1の基端部から重ね合わせ領域の幅だけ離れた位置を含むように、即ち、折り曲げられた合掌貼り部分CSの先端部だけに対応するように、部分的に形成してもよい。ただし、合掌貼り部分CSの先端部だけに対応するように、印刷抜き領域を形成した場合、被包装体を包み込んだ包材を加熱収縮させると、シール強度が小さい中間部から基端部にわたって、合掌貼り部分CSの両端縁が大きく収縮して湾曲してしまうので、できるだけ、合掌貼り部分CSの先端部から基端部に対応するように、印刷抜き領域を形成しておくことが望ましい。
【0030】
また、上述した実施形態では、包材20に形成された印刷抜き領域24を構成している部分印刷部24bを、横シールラインに直交する複数の印刷ラインを等間隔に配列した縞模様にしているが、これに限定されるものではなく、横シールラインに斜めに交差する複数の印刷ラインを等間隔に配列した斜めの縞模様にしたり、市松模様にしたりすることも可能である。
【0031】
また、上述した実施形態では、包材20に形成された印刷抜き領域24を、全く印刷されていない無印刷部24aと縞模様の部分印刷部24bとによって構成しているが、これに限定されるものではなく、印刷抜き領域全体を、無印刷の状態にしたり、図9(a)、(b)に示す印刷抜き領域24、24のような縞模様や市松模様等の部分印刷にすることも可能である。
【0032】
また、上述した実施形態では、合掌貼り部分CSの先端側に対応する部分に、縞模様の部分印刷部24bを配置しているが、これに限定されるものではなく、例えば、図10に示すように、合掌貼り部分CSの中間部から基端部に対応する部分に縞模様の部分印刷部24bを配置し、合掌貼り部分CSの先端部に対応する部分に、三角形の無印刷部24aを配置することも可能である。このようにしておくと、シール幅が増すと共に合掌貼り部分CSの先端が無印刷部24aにかかる確率が大きくなるので、合掌貼り部分CSの先端側のシール強度が大きくなり、しかも、合掌貼り部分CSがずれて印刷抜き領域24が露出した場合であっても、目立ちにくいという効果が得られる。
【0033】
また、上述した実施形態では、印刷抜き領域24の幅を、外面印刷層23の幅と同一幅に設定しているが、溶断シールされる横シールラインSLを跨ぐのであれば、印刷抜き領域の幅は、特に限定されない。ただし、合掌貼り部分が位置ずれすることによって、印刷抜き領域が一部露出する可能性があることを考慮すれば、印刷抜き領域の幅をできるだけ小さくしておくことが望ましい。
【0034】
また、上述した実施形態では、内面印刷層22及び外面印刷層23を併用した包材20について説明したが、これに限定されるものではなく、一方の重ね合わせ領域及び印刷抜き領域を除いて、基材フィルムの外面側だけに印刷層を形成した包材についても、本発明を適用することができることは言うまでもない。
【0035】
また、上述した実施形態では、被包装体10がカップ入り即席うどんである場合について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明のオーバーラップ包装用の包材及びオーバーラップ包装体は、種々の被包装体に対して適用することができることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】(a)はこの発明にかかるオーバーラップ包装体の一実施形態を示す斜視図、(b)は同上のオーバーラップ包装体を示す側面図である。
【図2】(a)は同上のオーバーラップ包装体を示す断面図、(b)は同上のオーバーラップ包装体を示す底面図である。
【図3】(a)はこの発明にかかる包材の内面側を示す図、(b)は同上の包材の外面側を示す図である。
【図4】同上の包材を横シールラインで切り離した状態を示す図である。
【図5】同上の包材における印刷抜き領域を示す拡大図である。
【図6】(a)、(b)は同上のオーバーラップ包装体を製造する際の合掌貼り工程を示す断面図である。
【図7】(a)は被包装体を包材によって包み込んだ状態を示す底面図、(b)、(c)は同上の状態を示す側面図である。
【図8】(a)は合掌貼り部分を折り曲げた状態を示す一部切欠平面図、(b)は(a)のX−X線に沿った断面図である。
【図9】(a)、(b)は印刷抜き領域の変形例を示す図である。
【図10】印刷抜き領域の変形例を示す図である。
【図11】(a)、(b)は従来のオーバーラップ包装体の背景を説明するための説明図である。
【図12】(a)、(b)は改良された従来のオーバーラップ包装体を説明するための説明図である。
【図13】(a)、(b)は同上のオーバーラップ包装体の改良点を説明するための説明図である。
【図14】(a)、(b)は同上のオーバーラップ包装体の問題点を説明するための説明図である。
【図15】(a)、(b)は同上のオーバーラップ包装体の問題点を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0037】
1 オーバーラップ包装体
10 カップ入り即席うどん(被包装体)
20 包材
21 基材フィルム
22 内面印刷層
23 外面印刷層
24 印刷抜き領域
24a 無印刷部
24b 部分印刷部
α1、α2 重ね合わせ領域
CS 合掌貼り部分
SL 横シールライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定幅で合掌貼りされる一方の重ね合わせ領域には基材フィルムに印刷層が形成されておらず、他方の重ね合わせ領域には前記基材フィルムの外面側に印刷層が形成されており、
双方の前記重ね合わせ領域によって挟まれた中間領域には、双方の前記重ね合わせ領域を横断するように溶断シールされるシールライン及びその周辺部に、少なくとも、前記基材フィルムの外面側に印刷層が形成されているオーバーラップ包装用の包材において、
前記中間領域における印刷層が形成されていない一方の前記重ね合わせ領域側の端部のシールライン上には、その重ね合わせ領域の基端部から重ね合わせ領域の半幅以上離れた位置にわたって、印刷層が部分的または全体的に欠落した印刷抜き領域が形成されていることを特徴とするオーバーラップ包装用の包材。
【請求項2】
所定幅で合掌貼りされる一方の重ね合わせ領域には基材フィルムに印刷層が形成されておらず、他方の重ね合わせ領域には前記基材フィルムの外面側に印刷層が形成されており、
双方の前記重ね合わせ領域によって挟まれた中間領域には、双方の前記重ね合わせ領域を横断するように溶断シールされるシールライン及びその周辺部に、少なくとも、前記基材フィルムの外面側に印刷層が形成されているオーバーラップ包装用の包材において、
前記中間領域における印刷層が形成されていない一方の前記重ね合わせ領域側の端部のシールライン上には、その重ね合わせ領域の基端部から重ね合わせ領域の幅だけ離れた位置を含む、印刷層が部分的または全体的に欠落した印刷抜き領域が形成されていることを特徴とするオーバーラップ包装用の包材。
【請求項3】
前記印刷抜き領域は、その全体または一部が、前記シールラインに交差する印刷ラインと非印刷ラインとを交互に配列した縞模様に印刷されている請求項1または2に記載のオーバーラップ包装用の包材。
【請求項4】
基材フィルムに印刷層が形成された包材を用いて被包装体にオーバーラップ包装が施されたオーバーラップ包装体であって、
前記包材は、前記基材フィルムに印刷層が形成されていない透明な一端側の内面と、前記基材フィルムの外面側に印刷層が形成されている他端側の内面とが、所定幅でヒートシールされた状態で、透明な前記包材の一端側に折り曲げられた合掌貼り部と、前記合掌貼り部の両端部に形成された溶断シール部とを有し、
前記溶断シール部及びその周辺部には、前記基材フィルムの外面側に印刷層が形成されており、
前記溶断シール部における前記合掌貼り部の端部に対応する部分には、印刷層が部分的または全体的に欠落した印刷抜き領域が形成されていることを特徴とするオーバーラップ包装体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2007−153379(P2007−153379A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−350038(P2005−350038)
【出願日】平成17年12月2日(2005.12.2)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【Fターム(参考)】