説明

カカオバター成分及び動物性脂肪成分を含む組成物

カカオバター成分及び動物性脂肪成分を含む脂質成分を含む組成物は、チョコレートの幾つかの特性を驚くべきことに模倣し、フード組成物、特にペットフード組成物としての様々な用途に有用であるその他の特異的性質を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カカオバター成分及び動物性脂肪成分を含む脂質成分を含む組成物を対象とする。本発明の組成物は、チョコレートの幾つかの特性を驚くべきことに模倣し、フード組成物、特にペットフード組成物としての様々な用途に有用であるその他の特異的性質を示す。
【背景技術】
【0002】
ペットとペットの世話をする人との両方にとって、より大きな魅力のあるペットフード組成物を開発するために、多くの取り組みがなされてきた。これらの取り組みには、例えば多様な質感及び含水量を有するペットフード組成物、又は色々な質感又は堅さの複数の成分を有するペットフード組成物が挙げられる。こうした組成物は、栄養的にバランスのとれた毎日の食事の形態であってもよいし、又は栄養的にバランスがとれていても若しくはとれていなくてもよいサプリメント(例えば、ペット用スナック)の形態であってもよい。
【0003】
近年のペットフードはまた、ペットの具体的な生物学的機能の問題に対処するために改善されてきた。例えば、ペットフード組成物は、健康を改善すること、寿命を延ばすこと、毛の状況を改善すること、病気にかかる可能性を減らすこと、及び老化の影響を減らすことを目的として開発されてきた。ペットの特定の生物学的機能に役立つ成分を含有するペットフード組成物を開発するための一つの課題は、組成物の消化時に所望の利益をペットに供給するよう、十分な期間、それらの成分を保存する能力である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カカオバター成分及び動物性脂肪成分を含む脂質成分を有する本発明の組成物は、チョコレートの幾つかの特性を驚くべきことに模倣し、多様なペットフードの用途に有用である組成物を提供する際に有用であることが見出された。本発明の組成物は、ペットとペットを世話する人との両方に同様に気に入られる、特異な給餌経験を提供するために、単独で、又は他の既知のペットフード組成物と組み合わせて投与されてもよい、口当たりのよいペットフード組成物を提供する。加えて、本発明の組成物は、ペットの特定の生物学的機能に役立つ、環境に敏感な成分を提供するために任意に用いられてもよい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、カカオバター成分及び動物性脂肪成分を含む脂質成分を含む組成物に関する。任意に、本発明の組成物は、組成物の約10重量%以下の甘味剤を含んでもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
例えば刊行物及び特許を包含する様々な文献が、本開示を通して引用される。こうした文献はすべて関連部分において本明細書に参考として組み込まれる。いずれの所与の文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であるとの承認として解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲については、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義を適用するものとする。
【0007】
百分率及び比率はすべて、特に指示がない限り、重量で計算される。百分率及び比率はすべて、特に指示がない限り、組成物全体を基準にして計算される。
【0008】
本発明で使用する様々な成分を包含する成分の商標名が本明細書で参照される。本発明者らは本明細書において、特定の商標名の物質により限定されることを意図していない。商標名により参照されているものと同等の物質(例えば、異なる名称又は参照番号で異なる供給源から得られるもの)は、本明細書の記載において置き換えられて使用されてもよい。
【0009】
本発明の記載において、様々な実施形態又は個々の特徴が開示されている。当業者には明らかであるが、こうした実施形態及び特徴のあらゆる組み合わせが可能であり、本発明の好ましい実施となり得る。
【0010】
本明細書の組成物は、本明細書に記載されるような特徴又は実施形態のいずれかを含み、それらから本質的になり、又はそれらからなってもよい。
【0011】
本発明の様々な実施形態及び個々の特徴を説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正が可能である。これも明らかになるが、先行する開示で教示された実施形態及び特徴のあらゆる組み合わせが可能であり、本発明の好ましい実施となり得る。
【0012】
本明細書で使用するとき、用語「ペット」は家畜を意味しており、飼いイヌ、ネコ、ウマ、ウシ、フェレット、ウサギ、ブタなどが挙げられるが、これらに限定されない。飼いイヌ及び飼いネコが本明細書では好ましい。
【0013】
本明細書で使用するとき、用語「ペットフード組成物」は、ペットによる摂取を意図した組成物を意味する。ペットフード組成物には、毎日の食事に好適な栄養的にバランスのとれた組成物、並びに栄養的にバランスがとれていても又はとれていなくてもよいサプリメント(例えば、ペット用スナック)を挙げてもよいが、これらに限定されない。
【0014】
本発明の組成物
本発明の組成物は、カカオバター成分及び動物性脂肪成分を含む脂質成分を含む。
【0015】
一つの実施形態では、脂質成分は、カカオバター成分及び動物性脂肪成分を約5:95〜約50:50の重量比で含む。本明細書の別の実施形態では、脂質成分は、カカオバター成分及び動物性脂肪成分を、約20:80〜約45:55、又は約25:75〜約40:60の重量比で含む。
【0016】
カカオバター成分及び動物性脂肪成分は次のように記載される:
本発明の組成物は、カカオバター成分を含むが、カカオバター成分は、カカオバター、カカオバター増量剤、カカオバター代替品、又はカカオバター代用品の1以上を含む成分として本明細書では定義される。所与の脂肪は、カカオバター増量剤、カカオバター代替品、若しくはカカオバター代用品の一つとして分類されてもよいし、又は時にはカカオバター増量剤、カカオバター代替品、及びカカオバター代用品の2以上として分類されてもよい。用いられる場合、カカオバター増量剤、カカオバター代替品、及びカカオバター代用品の各々は、参照部類の中の一つの特定の脂肪であってもよいし、又はこうした脂肪のいずれかの混合物であってもよい。
【0017】
カカオバターは、当該技術分野において一般的に既知であり、チョコレートを調製するために用いられるカカオ豆からの脂肪を一般に指してもよい。カカオ豆は、カカオの木(例えば、テオブロマ・カカオ)の鞘から得られる。
【0018】
カカオバター成分は、更に又はあるいは、カカオバター増量剤を含んでもよい。これらの増量剤もまた、当該技術分野において一般的に既知であり、カカオバターに類似した固体脂指数(SFI)特性を有する他の脂肪を一般に指してもよい。カカオバター増量剤は、C16又はC18脂肪酸を含有する脂肪、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。留分及び/又は部分的に水素添加された形態を包含するパーム油、シア油、イリッペバター、綿実油、及び大豆油は、カカオバター増量剤の非限定例である。
【0019】
カカオバター成分は、更に又はあるいは、カカオバター代替品を含んでもよい。これらの代替品もまた当該技術分野において一般的に既知であり、カカオバターのものに類似した融解若しくは他の特性、又は構造を有する脂肪を一般に指してもよく、これは非ラウリル酸脂肪(例えば、C16若しくはC18)に基づいている。これらには、それらの留分及び/又は部分的に水素添加された形態を包含する、パーム油、綿実油、大豆油、及び菜種油のような植物油が挙げられる。一つの例は、アストラル(ASTRAL)(登録商標)R(部分的に水素添加された植物油(大豆油及び綿実油)、テネシー州コルドバ(Cordova)のハムコ・オイル・プロダクツ(Humko Oil Products)から市販されている)である。
【0020】
カカオバター成分は、更に又はあるいは、カカオバター代用品を含んでもよい。これらの代用品もまた当該技術分野において一般的に既知であり、カカオバターのものに類似した融解若しくは他の特性、又は構造を有する堅い脂肪(hard fats)を一般に指してもよく、これはラウリル酸脂肪(C12)に基づいている。こうしたカカオバター代用品は、カカオバターの融点より高い融点を有する傾向があってもよく、組成物に耐熱性を付与するために、これらの代用品を興味深いものにする。これらには、それらの留分及び/又は部分的に水素添加された形態を包含する、パーム核油、及びココヤシ油のような植物油が挙げられる。
【0021】
一つの実施形態では、カカオバター成分は、大豆油、綿実油、ココヤシ油、菜種油、パーム核油、前述のものの留分、及び前述のものの部分的に水素添加された形態からなる群から選択される少なくとも一つの脂質を含む。
【0022】
組成物は、動物性脂肪成分を更に含む。当該技術分野において一般的に既知であるように、動物性脂肪成分は、動物から得られる脂肪を含む。非限定例には、バターオイル、鶏脂、ラード、及びタローが挙げられる。
【0023】
一つの実施形態では、組成物は、組成物の約10重量%以下の甘味剤を含む。任意に、本明細書の組成物は、すべて組成物の重量で、約5重量%以下の甘味剤、又は約2重量%以下の甘味剤、又は約1重量%以下の甘味剤を含む。
【0024】
甘味剤には、単糖類及び二糖類のようなカロリーのある甘味剤(caloric sweeteners)を挙げてもよい。甘味剤の例には、スクロース、フルクトース、及びグルコースが挙げられる。フルクトースは、液体フルクトース、高フルクトースコーンシロップ、乾燥フルクトース、若しくはフルクトースシロップとして入手又は提供され得るが、好ましくは高フルクトースコーンシロップとして提供される。高フルクトースコーンシロップ(HFCS)は、HFCS−42、HFCS−55、及びHFCS−90として市販されており、それぞれその中にフルクトースとして、糖固形分の42重量%、55重量%、及び90重量%を含む。
【0025】
甘味剤はまたノンカロリー甘味剤を包含してもよい。ノンカロリー甘味剤の非限定例としては、アスパルテーム、サッカリン、シクラメート、アセスルファムK、L−アスパルチル−L−フェニルアラニン低級アルキルエステル甘味剤、例えば米国特許第4,411,925号に開示されているもののようなL−アスパルチル−D−アラニンアミド、例えば米国特許第4,399,163号に開示されているもののようなL−アスパルチル−D−セリンアミド、例えば米国特許第4,338,346号に開示されているもののようなL−アスパルチル−ヒドロキシメチルアルカンアミド甘味剤、例えば米国特許第4,423,029号に開示されているもののようなL−アスパルチル−1−ヒドロキシエチルアルカンアミド甘味剤、グリシルリチン、及び合成アルコキシ芳香族が挙げられる。
【0026】
本明細書の一つの実施形態では、組成物は、1以上の環境に敏感な成分、例えばプロバイオティク微生物、ビタミン、ミネラルなどの保護のために有用である。例えば、プロバイオティク微生物は、哺乳類の消費のために好適であり、宿主の微生物バランスを改善することができる、1以上の酵母又は細菌微生物から選択されてもよい。当該技術分野において既知の様々なプロバイオティク微生物が、本発明に用いるのに好適である。例えば、PCT国際公開特許WO03/075676(ネスレ(Societe Des Produits Nestle)、2003年9月18日公開)を参照のこと。
【0027】
本発明の一つの実施形態では、プロバイオティク成分は、バチルス属、バクテロイデス属、ビフィドバクテリウム属、エンテロコッカス属(例えば、エンテロコッカス・ヘシュウムDSM10663)、ラクトバチルス属、及びロイコノストック属の細菌、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。本発明の別の実施形態では、プロバイオティクは、ビフィドバクテリウム属、ラクトバチルス属の細菌、及びこれらの組み合わせから選択される。
【0028】
本明細書に用いるのに好適な乳酸菌の非限定例には、ストレプトコッカス・ラクチス、ストレプトコッカス・クレモリス、ストレプトコッカス・ジアセチラクチス、ストレプトコッカス・サーモフィルス、ラクトバチルス・ブルガリカス、ラクトバチルス・アシドフィルス(例えば、ラクトバチルス・アシドフィルス菌株DSM13241)、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ラクトバチルス・ビフィズス、ラクトバチルス・カセイ、ラクトバチルス・ラクチス、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ラムノーサス、ラクトバチルス・デルブリッキ(Lactobacillus delbruekii)、ラクトバチルス・サーモフィルス、ラクトバチルス・ファーメンティ(Lactobacillus fermentii)、ラクトバチルス・サリバリウス、ラクトバチルス・ロイテリ、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・インファンティス、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・アニマリス、ビフィドバクテリウム・シュードロンガム、及びペディオコッカス・セレビシェの菌株、又はこれらの組み合わせが挙げられ、好ましくはラクトバチルス・サリバリウス、ビフィドバクテリウム・インファンティス、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0029】
非限定例としては、PCT国際公開特許WO00/42168に開示されているような、切除され、洗浄されたヒトの胃腸管から単離されたビフィドバクテリウムの菌株が好ましい。例えば、UCC35624と指定されるビフィドバクテリウム・インファンティス菌株(ナショナル・コレクションズ・オブ・インダストリアル・アンド・マリーンバクテリアLTD(National Collections of Industrial and Marine Bacteria Ltd)(NCIMB)に1999年1月13日に寄託され、加入番号NCIMB41003が与えられているとして記載される)が用いられてもよい。切除され、洗浄されたイヌ科動物又はネコ科動物の胃腸管から単離された菌株は、特に有用である場合がある。
【0030】
別の非限定例としては、PCT国際公開特許WO98/35014に記載されているような、切除され、洗浄されたヒトの胃腸管から単離されたラクトバチルス・サリバリウスの菌株が好ましい。より好ましいのは、UCC1及びUCC118と指定されるラクトバチルス・サリバリウス菌株(ナショナル・コレクションズ・オブ・インダストリアル・アンド・マリーンバクテリアLTD(National Collections of Industrial and Marine Bacteria Ltd)(NCIMB)に1996年11月27日に寄託され、加入番号NCIMB40830及び40829がそれぞれ与えられているとして記載される)である。
【0031】
1以上の他の任意成分が、本発明の組成物中に使用されてもよい。例えば、本明細書の脂質成分は、ペットフード組成物の成分として本明細書に用いるのに他に類を見ないほど有利である。ペットフード組成物は、いずれの形態であってもよいが、好ましくは経口投与可能な形態である。例えば、組成物は、栄養的にバランスのとれたペットフード組成物、あるいはサプリメントであってもよい。本明細書で使用するとき、ペットフード組成物に関する用語「栄養的にバランスのとれた」は、組成物が、コンパニオンアニマルの栄養学分野の専門家の推奨に基づいた適切な量及び割合で、生命を維持するために必要な既知の栄養素を有することを意味する。栄養的にバランスのとれたペットフード組成物は、当該技術分野では容易に理解され、例えば、乾燥フード、やや湿ったフード、及び湿ったフードはすべてが、ペットの日常食として使用される。一つの実施形態では、ペットフード組成物は、乾燥物質基準で、フード組成物の約20重量%〜約50重量%のタンパク質、又は約22重量%〜約40重量%のタンパク質を含んでもよい。別の例としては、フード組成物は、乾燥物質基準で、フード組成物の約5重量%〜約35重量%の脂肪、又は約10重量%〜約30重量%の脂肪を含んでもよい。
【0032】
サプリメントには、チューイングスナック(chews)、グレイビー(又は、トッピング)、ヨーグルト、又は他の形態を挙げてもよい。サプリメントは、典型的に栄養的にバランスがとれているというわけではないが、こうしたサプリメントが栄養的にバランスがとれている場合は、確実に許容範囲にある。別の実施形態では、チューイングスナック(chews)、及び他のペット用スナックのようなサプリメント組成物は、乾燥物質基準で、サプリメント組成物の約20重量%〜約50重量%のタンパク質、又は約22重量%〜約40重量%のタンパク質を含んでもよい。別の実施例として、これらの種類のサプリメント組成物は、乾燥物質基準で、サプリメント組成物の約5重量%〜約35重量%の脂肪、又は約10重量%〜約30重量%の脂肪を含んでもよい。更に別の例として、グレイビー又は他のフードトッピングのようなサプリメント組成物は、多くの場合、サプリメント組成物の少なくとも約0.5重量%からのタンパク質、又は少なくとも約0.8重量%のタンパク質を含んでもよい。更に別の例として、グレイビー又は他のフードトッピングのようなサプリメント組成物は、多くの場合、サプリメント組成物の少なくとも約1重量%からの脂肪、又は少なくとも約2重量%の脂肪、又は約1重量%〜約5重量%の脂肪を含んでもよい。更に別の例として、グレイビー又は他のフードトッピングのようなサプリメント組成物は、多くの場合、少なくとも約50%からの水分、又は少なくとも約70%の水分、又は約70%〜約99%の水分を含んでもよい。
【0033】
本明細書の組成物及び成分の特性
本発明の組成物及びその中に使用される成分は、完全融点又は固体脂指数(SFI)により表される、定義された特性を示す場合がある。
【0034】
融点は、成分が固体から液相に変化する温度を指す。本明細書で使用するとき、完全融点とは、固体の最後の目に見える痕跡が消失する温度である。また本明細書で使用するとき、所与の組成物又は成分の完全融点は、AOCS方法Cc1−25(米国油脂化学協会(American Oil Chemists’ Society))にしたがって測定される。
【0035】
更に別の実施形態では、脂質成分は、約30℃以上の完全融点を有する。更に別の実施形態では、脂質成分は、約34℃以上、又は37℃以上の完全融点を有する。
【0036】
更に別の実施形態では、カカオバター成分は、約30℃以上の完全融点を有する。更に別の実施形態では、カカオバター成分は、約34℃以上、又は37℃以上の完全融点を有する。
【0037】
固体脂指数(SFI)は、本明細書の組成物又は成分により示される場合がある別の特性である。SFIは、所与の温度で固体である組成物又は成分の百分率に関する。本明細書で使用するとき、所与の組成物又は成分のSFIは、AOCS方法Cd10−57(米国油脂化学協会(American Oil Chemists’ Society))にしたがって測定される。
【0038】
本明細書の一つの実施形態では、カカオバター成分は、特定の固体脂指数(SFI)を有する。当該技術分野において周知であり、容易に測定されるように、SFIは、所与の温度における特定の成分中の固体の量の概算である。一つの実施形態では、カカオバター成分は、
(a)0〜約20%固体;又は0〜約15%固体、又は0〜約10%固体の、約38℃におけるSFI;
(b)約15%〜約45%固体;又は約15%〜約30%固体の、約33℃におけるSFI;
(c)約40%〜約55%固体;又は約40%〜約50%固体の、約27℃のおけるSFI;
(d)約50%〜約65%固体;又は約50%〜約60%固体の、約21℃におけるSFI;
(e)約55%固体を超える;又は約60%固体を超える、約10℃におけるSFI;及び
(f)これらの組み合わせ
から選択される固体脂指数(SFI)を有する。
【0039】
一つの実施形態では、カカオバター成分は、すぐ上の(a)〜(e)の2以上、3以上、4、又は5すべてのSFIを有する。
【実施例】
【0040】
これらの実施例は本発明を説明するために提供され、いずれの方式においても本発明の範囲を限定することを意図しない。次の組成物は、指示された成分をおよその指示された量で(全組成物の重量により重量百分率で提供される)使用して別個に調製される。組成物は、当該技術分野において周知の方法にしたがって調製される。
【表1】

*繊維成分は、単一繊維供給源、又は典型的には可溶性及び不溶性の両方の繊維をペットの餌に提供する繊維供給源の組み合わせを含んでもよい。繊維供給源には、例えば、セルロース、ゴム、ビートパルプなどを挙げてもよい。
**加工デンプンの供給源には、例えば、穀物、加工デンプン、及びデキストリン化デンプン(例えば、マルトデキストリン)を挙げてもよい。
***ペットフード組成物用に、風味成分は、肉及び肉副産物から得られる消化物、又はピーナッツ粗挽き粉及びピーナッツバターのような他の供給源を含んでもよい。
【0041】
上記の組成物は、ペットフード組成物のような幾つかの形態で使用されてもよい。例えば、組成物は、キブル、ビスケット、又はペットフードサプリメントを調製するための他の従来の基剤を、部分的に又は完全に被覆するために使用されてもよい。被覆プロセスでは、加熱された組成物が従来の基剤の上に噴霧されてもよいし、又は基剤が加熱された多量の混合物の中に浸漬されてもよい。別の方法としては、加熱された組成物が、従来の基剤の上に振りかけられて、基剤を均一にコーティングするか又は基剤の表面を図案の形態にコーティングするかのいずれかであってもよい。
【0042】
別の実施形態では、組成物は、堅い又はやや湿った従来の外郭構造の内部に充填されて、ペットフード組成物を提供してもよい。ひとたび充填されたら、外郭構造は両端を押し付けられてもよいし、又は1以上の開放末端部を提供されてもよい。
【0043】
更に別の実施形態では、組成物は、栄養的にバランスのとれたペットフードの餌のトッピングとして用いるドレッシングとして調製されてもよい。ドレッシングは、袋又は他の収容装置内に包装されてもよい。ドレッシングは、組成物を事実上より流動性にするために、餌に適用する前に任意に加熱されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂質成分を含む組成物であって、前記脂質成分が、カカオバター成分及び動物性脂肪成分を、5:95〜50:50の重量比で含む組成物。
【請求項2】
カカオバター成分と動物性脂肪成分との比が、20:80〜45:55の重量比、好ましくは25:75〜40:60の重量比である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
脂質成分を含む組成物であって、前記脂質成分が、カカオバター成分及び動物性脂肪成分を含み、前記カカオバター成分が、
(a)0〜20%固体;好ましくは0〜15%固体、より好ましくは0〜10%固体の、38℃におけるSFI;
(b)15%〜45%固体、好ましくは15%〜30%固体の、33℃におけるSFI;
(c)40%〜55%固体、好ましくは40%〜50%固体の、27℃におけるSFI;
(d)c50%〜65%固体の、27℃におけるSFI;
(e)55%固体を超え、好ましくは60%固体を超える、10℃におけるSFI;又は
(f)これらの組み合わせ
からなる群から選択される固体脂指数(Solid Fat Index)(SFI)を有し、前記脂質成分が、34℃以上の完全融点を有するものである、組成物。
【請求項4】
前記脂質成分が、前記カカオバター成分及び前記動物性脂肪成分を、5:95〜50:50の重量比;好ましくは20:80〜45:55の重量比;より好ましくは25:75〜40:60の重量比で含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項6】
前記カカオバター成分が、大豆油、綿実油、ココヤシ油、菜種油、パーム核油、前述のものの留分、及び前述のものの部分的に水素添加された形態からなる群から選択される少なくとも一つの脂質を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記カカオバター成分が、30℃以上の完全融点を有し、かつ前記脂質成分が、30℃以上の完全融点、好ましくは34℃以上の完全融点、より好ましくは37℃以上の完全融点を有するものである、先行する請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物がペットフードである、先行する請求項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、前記組成物の10重量%以下の甘味剤を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の組成物。

【公表番号】特表2008−535522(P2008−535522A)
【公表日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−506510(P2008−506510)
【出願日】平成18年4月4日(2006.4.4)
【国際出願番号】PCT/US2006/012566
【国際公開番号】WO2006/110408
【国際公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(595056859)ザ・アイムス・カンパニー (52)
【氏名又は名称原語表記】The Iams Company
【Fターム(参考)】