説明

カジノが設置されたホテルにおける各種提供サービスの決済システム

【課題】カジノが設置されたホテルにおいて生じる上記したような特殊な事情に基づいてなされたものであり、ホテルにおけるホテルサービスとカジノにおけるカジノサービスを統合可能とし、ハウスカードを1枚携行するだけで、ホテル/カジノ内の全てのサービスの提供が受けられ且つ決済が行なえるだけでなく、ホテル側およびカジノ側に大きな損失やリスクをかけることなく遊技者のカジノでの利用制限を極力緩和できる決済システムを提供する。
【解決手段】本発明の決済システムにおいて、ハウスカードサーバ250は、当該ハウスカードサーバ250およびカジノデポジット管理サーバ210での蓄積情報に基づき、利用者のカジノサービス提供部での利用額がデポジット額を超える場合には、クレジット会社120により設定された与信枠の範囲内でその利用者の前記カジノサービス提供部での利用を可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カジノが設置されたホテル内で提供される各種のサービスを総合的に管理して決済を行なうシステムに関し、具体的には、各種情報が記録されたハウスカード(ここでの「ハウスカード」には、光カード、磁気カード、ICカード等、接触型/非接触型、及び追記型などの各種の方式を含む)を予め宿泊者に提供し、ホテル内で提供される各種のサービスを総合的に管理して決済を行なうシステムに関する。
【0002】
なお、ここでのサービスには、通常のホテル業務において提供されるサービス(例えば、ルームサービス、レストラン、バー、ショッピング時等で受けるサービス;「ホテルサービス」と定義する)に加え、ホテルの施設の一部であるカジノにおいて提供されるサービス(例えば、スロットマシン、カードゲーム、ルーレット等、お金を賭けて勝負を行い、勝利した場合、所定の配当金を得るサービス;「カジノサービス」と定義する)が含まれる。また、カジノのフロアーに行かずに、宿泊している部屋や会議室などに設置される、モニターTVとSTB(セットトップボックス)を利用した、ネットワーク経由の遊技(プレイ)も含まれる。
【背景技術】
【0003】
一般的に、ホテル内において、宿泊者に上記したようなカードを発行し、このカードによって清算等を管理しようとするシステムが知られている。例えば、特許文献1には、宿泊者に、チェックイン時の記帳内容をインプットした宿泊者カードを提供し、このカードに記録された内容に基づいて各種サービス(ルームキーとしての機能、キャッシュレスでの買い物、レストラン内での特別メニューのサービス等)を提供したり、ホテル内での購買記録等を宿泊者カードに記録することで、チェックアウト時に費用の清算が行なえるようにするシステムが開示されている。
【0004】
一方、カジノ業界においても、遊技者にカードを携行させ、遊技者の行動を管理するシステム(プレーヤートラッキングシステム;PTS)が一般化されつつあり、現金以外にも、各種カードを用いたキャッシュレスで精算が行なる技術が利用されつつある。例えば、特許文献2には、クレジットカードを用いて、キャッシュレスでゲームが行なえるシステムが開示されている(段落番号[0038]等)。
【0005】
このように、ホテルやカジノでは、そこで提供されるサービスについて、ハウスカード等によるキャッシュレスで精算が行なえる精算システム等が知られたものになっているが、ラスベガスのような都市では、ホテルとカジノが一体化してサービスを提供している場合が多く、このようなホテルでは、ホテルにおけるシステムとカジノにおけるシステムは、独立しているのが現状である。これは、カジノという特殊な分野において、従来知られている特許文献1等に開示されている精算システムをそのまま使うには問題が生じるからである。例えば、カジノでの利用を、カード決済が行なえるようにすると、思ってもいないような損害が生じる可能性がある。例えば、ホテルのハウスカードを用いてカジノを行なう場合、遊技者は、無制限に使用する可能性があり、チェックアウト時など、実際の精算時において支払不能に陥る等、問題が生じる。また、システムが独立していると、カジノとホテル間で情報のやり取りができないため、利用者にきめ細かなサービスが提供できないと共に、利用者は、複数のカードを携行してサービス毎に異なるカードを提示する必要がある等、利便性の面から問題が生じる。
【0006】
そこで、特許文献3では、ホテルにおけるホテルサービスとカジノにおけるカジノサービスとを統合し、ハウスカードを1枚携行するだけで、ホテル/カジノ内の全てのサービスの提供が受けられ且つ決済が行なえるようにするとともに、あらかじめ設定したデポジットが無くなった場合には、その遊技者のカジノでの利用を制限することにより、遊技者が無制限にカジノを使用して支払不能に陥る等といった前述した問題を回避するようにした決済システムを提案している。
【0007】
【特許文献1】特開2002−123619号公報
【特許文献2】特開平8−180115号公報
【特許文献3】特開2004−199207号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、遊技者にとってみれば、あらかじめ設定したデポジットが無くなった際に強制的にカジノの利用を制限されたのでは、その時点で一気に遊技意欲が損なわれる結果となり、手放しで歓迎できるシステムとは言い難い。特に、あと一歩で大きな配当金を得られる可能性が高いときにデポジットが無くなってしまう場合には、支払い能力があるにもかかわらずカジノの利用ができなくなる場合があり、一攫千金の夢をその時点で絶たれることとなる。一部の国では、ホテル側またはカジノ側と遊技者との間に世話人(代行業者)が介在し、この世話人が遊技者のためにホテル側またはカジノ側に与信枠を設定し、デポジットが無い場合でもその与信枠の範囲内で遊技者が遊技を行なえ、また、その世話人がカジノで生じた遊技者の負債をも回収することが行なわれているが、ホテル側またはカジノ側においては、世話人に支払う回収手数料や世話人を雇う人件費などがかかり、また、回収リスクも伴うという問題がある。
【0009】
本発明は、カジノが設置されたホテルにおいて生じる上記したような特殊な事情に基づいてなされたものであり、ホテルにおけるホテルサービスとカジノにおけるカジノサービスを統合可能とし、ハウスカードを1枚携行するだけで、ホテル/カジノ内の全てのサービスの提供が受けられ且つ決済が行なえるだけでなく、ホテル側およびカジノ側に大きな損失やリスクをかけることなく遊技者のカジノでの利用制限を極力緩和できる決済システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した課題を解決するために、本発明は、カジノが設置されたホテル内において、利用者を特定できるハウスカード(カードキー)を発行し、このハウスカードを利用することで利用者に各種サービスを提供すると共に、提供したサービスの決済を行なう決済システムであって、前記利用者に対し、その利用者を特定できる情報を記録したハウスカードを発行するハウスカード発行部(ハウスカード発券機)と、前記ハウスカード発行部により発行されたハウスカードを読み取るためのカードリーダ(フロント、客室、レストラン、バーなどに設置)と、前記ハウスカードを利用した際に発生するサービス金額情報を管理するとともに、クレジットカード会社と通信可能に接続され、当該クレジット会社により設定された与信枠情報を入手できるハウスカードサーバと、前記ハウスカードを所有する利用者によって定められ且つその利用者がカジノサービスを提供するカジノサービス提供部(客室、カジノ場でのカードテーブル、ルーレットテーブル、スロットマシンなど)において利用するためのデポジットの額に関するデポジット情報を、カードリーダから取得した利用者を識別する情報を用いて管理するカジノデポジット管理サーバとを有し、前記ハウスカードサーバは、当該ハウスカードサーバおよび前記カジノデポジット管理サーバでの蓄積情報に基づき、利用者の前記カジノサービス提供部での利用額がデポジット額を超える場合には、前記クレジット会社により設定された与信枠の範囲内でその利用者の前記カジノサービス提供部での利用を可能にすることを特徴とする。
【0011】
上記した構成において、宿泊者は、その利用者を特定できる情報(ID情報等)を記録したハウスカードが提供される。利用者は、ホテル内での各種ホテルサービスを受けるにあたり、そのハウスカードを提示する。ホテル内のサービス提供部(客室、飲食店、売店等)には、カードリーダ(書き込み機能を備えていても良い)が設置されており、その利用状況は、ハウスカードサーバに送信され、利用者毎に、そのサービスを受けた際に発生するサービス金額等が蓄積される。このため、利用者は、キャッシュレスで各種のホテルサービスを受けることができ、チェックアウト時に一括精算することが可能になる。なお、「ハウスカード」とは、利用者を特定できる情報などを記憶する機能を有するカードであって、所定の範囲(たとえば、ホテル内など)内において本人認証や決済に用いられるカードをいうものとする。また形状としてはカードに該当しなくとも、上記機能を有するものであれば「ハウスカード」に該当するものとする。
【0012】
また、宿泊者は、ハウスカードを取得するにあたり(取得した後でも良い)、ホテル内の各所におけるカジノサービス提供部において、各種のカジノサービスを受けるための金額をデポジットしておく。金額は、利用者毎に予め指定されるものであり、ホテルチェックアウト時に精算することを約したり、現金やデビットカードで納めたり、クレジットカードを利用することで、予めホテル側に収められたりする。この金額は、ID情報と共に、カジノデポジット管理サーバで管理される。そして、利用者は、ホテル内でカジノサービスを受けるにあたり、そのハウスカードを提示する。カジノサービス提供部(スロットマシン、カードテーブル、ルーレット等を行なう場所)には、カードリーダが設置されており、その利用状況は、カジノデポジット管理サーバに送信され、利用者毎に、デポジットの状況が蓄積される。また、利用者は、カジノサービス提供部での利用額がデポジット額を超える場合には、クレジット会社により設定された与信枠の範囲内でカジノサービス提供部での利用が可能である。
【0013】
また、上記した課題を解決するために、本発明は、カジノが設置されたホテル内において、利用者を特定できるハウスカードを発行し、このハウスカードを利用することで各種サービスの決済を行なう決済システムであって、前記利用者に対し、その利用者を特定できると共にカジノ内で利用可能なデポジット情報を記録し且つカジノサービス提供部においてカジノサービスを受ける毎に前記デポジット情報の更新・記録が可能なハウスカードを発行するハウスカード発行部と、ホテル内に設置されたカードリーダから取得され、そのハウスカード利用者がホテルサービスを利用した際に発生するサービス金額(商品/サービス購入額)情報を管理するとともに、クレジットカード会社と通信可能に接続され、当該クレジット会社により設定された与信枠情報を入手できるハウスカードサーバとを有し、前記ハウスカードサーバは、ハウスカードに記録されたデポジット情報に基づき、利用者の前記カジノサービス提供部での利用額がデポジット額を超える場合には、前記クレジット会社により設定された与信枠の範囲内でその利用者の前記カジノサービス提供部での利用を可能にすることを特徴とする。
【0014】
上記した構成において、宿泊者は、その利用者を特定できる情報(ID情報等)を記録したハウスカードが提供される。ハウスカード利用者は、ホテル内での各種ホテルサービスを受けるにあたり、そのハウスカードを提示する。ホテル内のサービス提供部(客室、飲食店、売店等)には、カードリーダ(書き込み機能を備えていても良い)が設置されており、その利用状況は、ハウスカードサーバに送信され、利用者毎に、使用金額等が蓄積される。このため、利用者は、キャッシュレスで各種のホテルサービスを受けることができ、チェックアウト時に一括精算することが可能になる。
【0015】
また、宿泊者は、ハウスカードを取得時もしくは取得後任意の時点で、ホテル内の各所におけるカジノサービス提供部において、各種のカジノサービスを受けるための金額をデポジットすることができる。金額は、利用者毎に予め指定されるものであり、チェックアウト時に精算することを約したり、現金で納めたり、デビットカードやクレジットカードを利用することで、予めホテル側に収められ、この金額は、ID情報と共にハウスカードに書き込まれる。そして、利用者は、ホテル内でカジノサービスを受けるにあたり、そのハウスカードを提示する。カジノサービス提供部(スロットマシン、カードテーブル、ルーレット等を行なう場所)には、書き込み可能なカードリーダが設置されており、そのデポジット金額は、サービスを受ける毎に書き換えられる。また、利用者は、カジノサービス提供部での利用額がデポジット額を超える場合には、クレジット会社により設定された与信枠の範囲内でカジノサービス提供部での利用が可能である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の決済システムによれば、ホテルにおけるホテルサービスとカジノにおけるカジノサービスを統合可能とし、ハウスカードを1枚携行するだけで、ホテル/カジノ内の全てのサービスの提供が受けられ且つ決済が行なえるだけでなく、ホテル側およびカジノ側に大きな損失やリスクをかけることなく遊技者のカジノでの利用制限を極力緩和できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係るカジノが設置されたホテルにおける各種提供サービスの決済システムの一実施形態について説明する。
最初に、図1のブロック図を参照して、決済システムの全体構成について説明する。
【0018】
決済システムは、通信網100に接続されたホテルサービス管理サーバ200,カジノデポジット管理サーバ210,行動履歴管理(プレーヤートラッキングシステム(Player Trace System; PTS))サーバ211,マルチメディアサーバ220,サービスサーバ230,イントラサービスサーバ240,ハウスカードサーバ250,及び集計・分析サーバ260を有しているとともに、フロント1に設置されている端末1,ハウスカード発券機3,クレジットカード端末5と、各客室10に設置されているカードリーダ12、セットトップボックス14,電話機15,ドア電子錠16と、レストラン20に設置されているレジスタ21,カードリーダ22と、バー30に設置されているレジスタ21,カードリーダ22、カードリーダ(図示せず)を備えたカウンタートップ35と、カジノ場50内に設置されたルーレット51,カードテーブル53,スロットマシン55などの遊技機、チップ発行・精算機60とを有している。また、客室10内に設けられている電話機15は、交換機300と接続されており、図示しない電話回線網を介してホテル、カジノ内外の電話機と通話可能である。
【0019】
なお、上記サーバ200〜260を総称して「サーバ群」と呼び、上記フロント1,客室10,レストラン20,バー30に設置された端末1からカウンタートップ35までを総称して「ホテル内機器群」と呼び、カジノ場50内に設置されたルーレット51,カードテーブル53,スロットマシン55などの遊技機、チップ発行・精算機60を「カジノ内機器群」と呼ぶものする。
【0020】
以下に、上記決済システムの各構成要素を説明する。
[通信網100]
本実施の形態に係る決済システムは、通信網100を介して上記サーバ群、ホテル内機器群、カジノ内機器群が通信可能な構成となっている。ここで、通信網100は、有線・無線、専用回線・交換回線を問わず、これに接続されているサーバ群、ホテル内機器群、カジノ内機器群がそれぞれ目的とする装置に対しセッションを確立したときにその間での情報の送受を可能とするように作用する。通信網100は、インターネットのように、ゲートウエイを介して複数のネットワークが組み合わされて実現しても構わない。たとえば、ホテルサーバ200,ハウスカードサーバ250,サービスサーバ230,イントラサービスサーバ240,マルチメディアサーバ220とホテル内機器群からなる第1のローカルネットワーク(LAN)と、カジノデポジット管理サーバ210、PTSサーバ211,集計・分析サーバ260とカジノ内機器群とからなる第2のローカルネットワークと、これら第1及び第2のローカルネットワークとを接続するゲートウエイにより通信網100が構成されても良い。また、その接続についてもいわゆるバックボーンといわれる基幹線に直接接続せずとも、PPP接続などによって一時的に接続してあっても、セッションを確立したときにその間で情報の送受ができるようになっていれば構わない。なお、上記「通信網」は専用回線を固定的に張りめぐらせたような、交換機を用いない通信網も含むものとする。
【0021】
[サーバ群]
サーバ群を構成するサーバ200〜260のそれぞれは、演算処理装置(CPU)、主メモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、入出力装置(I/O)、ハードディスク装置等の外部記憶装置を具備している装置であって、たとえばコンピュータ、ワークステーションなどの情報処理装置などである。前記ROM、もしくはハードディスク装置などにこの情報処理装置をサーバ200〜260として機能させるためのプログラムが記憶されており、該プログラムを主メモリ上に載せ、CPUがこれを実行することによりサーバ200〜260が実現されるようになっている。また、上記プログラムはからなずしも情報処理装置内の記憶装置に記憶されていなくても良く、外部の装置(例えば、ASP(アプリケーション・サービス・プロバイダのサーバなど)から提供され、これを主メモリにダウンロードする構成であっても良い。
【0022】
[ホテル管理サービスサーバ]
ホテル管理サービスサーバ200は、予約の受付、顧客のチェックイン、チェックアウトなどホテル業務の総合管理を行なう機能を有する。
【0023】
[カジノデポジット管理サーバ]
カジノデポジット管理サーバ210は、カジノのデポジットの受付、デポジットからの支払いによるチップの発行、チップ換金金額のデポジットへの繰り入れ、デポジットの精算、デポジット利用額の監視・管理・制限を行なう機能を有する。
【0024】
[行動履歴管理(プレーヤートラッキングシステム(PTS)サーバ)]
行動履歴管理(プレーヤートラッキングシステム(PTS))サーバ211は、カードリーダから送信されるハウスカード7の使用要求を用いて、人の移動履歴、サービス利用履歴、行動履歴を蓄積記憶する機能を有する。蓄積されたこれら履歴を示すデータは、集計・分析サーバ260によって顧客の行動パターンの解析/分析などのデータマイニング等に利用される。
【0025】
[マルチメディアサーバ]
マルチメディアサーバ220は、客室10内のセットトップボックス14からの要求に応じて、映画、音楽などのデジタルコンテンツデータを通信網100を介してそのセットトップボックス14に宛てて送信する機能を有する。データを受け取ったセットトップボックス14は、そのデジタルコンテンツを客室内のモニタ(図略)を用いて再生し、顧客は映画、音楽などのデジタルコンテンツを客室10内にて楽しむことができる。
【0026】
[サービスサーバ]
サービスサーバ230は、ホテル内外で催されるショー、試合などのイベントの予約の受付、予約チケットの発券などを扱う機能を有する。顧客は、客室10内のセットトップボックス14からイベントの指定して予約要求を送り、サービスサーバは、予約可能であれば発券処理等を行なう。
【0027】
[イントラサービスサーバ]
イントラサービスサーバ240は、客室10内のセットトップボックス14からの要求に応じて、ホテル内イントラネットカジノ(スロットマシンゲーム、カード(ポーカー、ブラックジャックなど)ゲーム等)・イントラネットゲーム(いわゆるTVゲーム)のゲームデータを通信網100を介してそのセットトップボックス14に宛てて送信する機能を有する。ゲームデータを受け取ったセットトップボックス14は、そのゲームを客室内のモニタ(図略)を用いて実行・再生し、顧客はこれらゲームを客室10内にて楽しむことができる。
【0028】
なお、イントラカジノゲームを利用する場合は、ゲームの利用料、ベット、ゲームに勝利した場合の賞金としてカジノデポジット管理サーバ210にデポジットの引き落とし/加算を要求するようにしても良い。
【0029】
[ハウスカードサーバ]
ハウスカードサーバ250は、ハウスカード7の発行、使用停止、使用再開などの管理、およびホテル内個人口座管理を行なう機能を有する。ハウスカードを利用した物品/サービスの購入金額は、すべてハウスカードサーバ250に送られ、蓄積・記憶される。
【0030】
なお、顧客がカジノでのチップ購入などに用いるデポジット(以下、「カジノデポジット」という)を入れる場合は、顧客のデポジット要求に基づいてハウスカードサーバ250が指定されたデポジット利用額をサービス購入額として記録するとともに、デポジット管理サーバ210は指定されたデポジット利用額を利用可能額として記憶する。
【0031】
また、ハウスカードサーバ250は、インターネット等の他の通信網110を介してクレジットカード会社120と通信可能に接続されており、必要に応じてハウスカードの利用者毎にクレジット会社120により設定された当該利用者の与信枠情報を入手できるようになっている。特に、本実施形態では、与信枠情報がデポジット情報に関連付けられてデータベース130に記憶されるようになっている。具体的には、データベース130には、例えば図2に示されるようなテーブルの形態で、ハウスカードの利用者毎に、利用者ID、利用者がデポジットした累積的なデポジット額、残金、カード会社により設定された利用者の与信枠などの情報が記憶される。
【0032】
[ホテル内機器群]
次に、ホテル内機器群について説明する。
ホテル内には、フロント1、多数の客室10、レストラン20、バー30等の設備に加え、カジノ場50が設置されている。
前記フロント1には、ホテル内に設置された通信網100に接続される端末2を介して、ハウスカード発券機3及びクレジットカード端末5が接続されている。ハウスカード発券機3では、宿泊者毎に、その利用者を特定できる情報(ID情報等)が記録されたハウスカード7が提供される。この場合、ID情報に加えて、氏名、住所、滞在日数等の基本情報や、その他、趣味、嗜好等の個人情報を記録するようにしても良い。また、利用者の選択等に応じて、カード会社120が設定したその利用者の与信枠(カードの利用限度額)情報が予めハウスカード7に記録されても良い。また、このハウスカード7は、その宿泊客が利用する客室10の施錠を行なう客室キーとしての機能を併せ持つ。また、セキュリティを高めるために、提供されるカード毎に、宿泊者が定める暗証番号等の機能を付加し、決済時にカード提示に加えて暗証番号等を入力させることが好ましい。
【0033】
上記したハウスカード情報は、通信網100に接続されたハウスカードサーバ250によって管理される。
【0034】
宿泊者は、ハウスカードを取得するにあたり、各種のカジノサービスを受けるための金額をデポジットしておく。この場合、金額は、利用者毎に予め決定されるものであり、ハウスカードを受けるにあたり、現金で納めたり、或いはデビットカードやクレジットカードを利用して予めホテル側に収める。ここで収めた金額は、ID情報と共に、通信網100に接続されたカジノデポジット管理サーバ210で管理される。なお、デポジットは、上記したようにハウスカード発行時以外にも、同様な方法で、ホテルの各所(レストラン、バー等)に設置されたレジスタ等によっても予納できるようにしておいても良い。
【0035】
前記客室10には、ハウスカード所有者のカード情報を読み取らせることで、各種のサービスの提供が受けられるカードリーダ12(書き込み機能を有するものであっても良い;以下のカードリーダにおいても同じ)が設置されている。ここでのサービス提供の形態としては、例えば、ビデオオンデマンド、ゲームオンデマンド、ルームサービスや各種館内サービス(ショーやイベントの参加)の要求、及び宿泊料金精算を行なうセットトップボックス14、電話15やインターネット網へのアクセス、客室ドア16等が挙げられる。すなわち、これらのサービスはカードリーダ12にカード情報を読み取らせることで提供されるようになっている。
【0036】
上記したサービス提供に際して入力されたカード情報、及び利用金額は、通信網100に接続されたハウスカードサーバ250に送信され、利用者毎に金額等が管理される。また、各客室に対しするビデオやゲーム等、各種のコンテンツの配信は、通信網100に接続されたマルチメディアサーバ220、ショーやイベントの予約/発券は、通信網100に接続されたサービスサーバ230によって成される。
【0037】
また、各客室10内において、カジノ場50で行なわれるカジノサービス(例えばカジノ場内に撮影手段を設置してカードゲームやルーレット等へのリアルタイムでの参加)を受けたり、テレビゲームによるカジノの提供を受けるようにしても良い。これらのカジノサービスは、通信網100に接続されたイントラサービスサーバ240によって成される。なお、このようなサービスを受けるに際して、その利用金額(デポジット)は、後述するカジノ場50でのサービス提供と同様に、カジノデポジット管理サーバ210によって管理されるようにしても良い。
【0038】
前記レストラン20には、レジ21に設けられ、ハウスカード所有者のカード情報を読み取らせることで、そこで受けたサービスをキャッシュレスでの精算を可能にするカードリーダ22が設置されている。各ハウスカード所有者は、キャッシュレスで精算することができ、その際のカード情報、及び利用金額は、通信網100に接続されたハウスカードサーバ250に送信され、利用者毎に金額等が管理される。
【0039】
前記バー30には、レストラン20と同様、レジ31に設けられ、ハウスカード所有者のカード情報を読み取らせることで、そこで受けたサービスをキャッシュレスでの精算を可能にするカードリーダ32が設置されている。各ハウスカード所有者は、キャッシュレスで精算することができ、その際のカード情報、及び利用金額は、通信網100に接続されたハウスカードサーバ250に送信され、利用者毎に金額等が管理される。なお、バー内でカジノサービス(カードゲーム等)が受けられるカウンタートップ35を設けても良い。ここでのカジノサービスを受けるに際して、その利用金額(デポジット)は、各カウンターに設置されたカードリーダ35(書き込み機能を有するものであっても良い)を介して、カジノデポジット管理サーバ210によって管理される。
【0040】
[カジノ内機器群]
前記カジノ場50内には、各種カジノサービスが受けられるよう、例えば、ルーレット51、カードテーブル53、スロットマシン55等が設置されている。これらには全てカードリーダ(図略)が設置されており、このようなサービスを受けるに際して、その利用金額(デポジット)は、カジノデポジット管理サーバ210によって管理されるようになっている。また、カジノ場50内には、チップ発行/精算機60が設置されており、カードリーダ61を介して、デポジットの範囲内でチップの発行をしたり、或いは精算することが可能となっている。
【0041】
そして、上述したカジノサービスの提供に際しては、カジノデポジット管理サーバ210は、リアルタイムで各利用者のデポジット状況を管理するようになっている。なお、デポジットがなくなったことが検出された場合、その利用者のカジノサービス提供部(カジノ場50)での利用を制限するように構成しておくことが好ましい。
【0042】
上記したカジノデポジット管理サーバ210に関連させて、PTSサーバ211によって、各プレーヤの動線管理(利用者の移動履歴やサービス利用履歴)をしたり、各プレイスポットでの消費金額、滞在時間等を管理するようにしても良い。このような情報を管理することにより、利用者の嗜好や行動パターンが把握できるようになり、スタッフの配置管理等、カジノ内でのきめ細かなサービスの提供が行なえるようになる。なお、このようなPTSサーバ211は、ホテル内での全ての行動履歴を管理するように構成しても良い。
【0043】
また、ホテル内において、カジノの利用等に関わる費用を蓄積すべく個人口座を開設する場合は、ハウスカードサーバ250によって個人口座が管理される。さらに、集計・分析サーバ260によって、各サービス提供場所の利用状況(購入品、嗜好品等)を分析することで、ホテル全体として、きめ細かなポイントサービスの提供が可能になる。
【0044】
[本決済システムの動作例]
次に、図3〜図5のシーケンス図を参照して、上記した決済システムの動作例を利用者の行動パターンと共に説明する。
【0045】
[ハウスカードを用いてホテル内のサービス等を購入させる場合の動作例]
図3は、カードを用いてホテル内のサービス等を購入させる場合の本決済システムの動作例を示すシーケンス図である。
【0046】
顧客がハウスカード7を用いてホテル内のサービス等を購入する場合、顧客は自己のハウスカード7をカードリーダ(12,22,32等)により読み取らせることにより、カードに記録された利用者識別情報をカードリーダに渡す(ステップS201)。一方、レジスタ(21,31など)に利用額が入力される(ステップS202)。レジスタは、カードリーダから受け取った利用者識別情報とともに利用額の情報をハウスカードサーバ250に通信網100を介して送信する(ステップS203)。ハウスカードサーバ250は、これらの情報を受け取ると、この利用者の行動履歴、購買履歴などを記録させるように、PTSサーバ211に諸情報を送信する(ステップS204)。またハウスカードサーバ250は、この利用者の購買額を記憶し(ステップS205)、チェックアウト時などに行われる料金精算に備える。このように、ハウスカードによりホテル内のサービス等がキャッシュレスにより行えるようなる。
【0047】
[カジノデポジット管理サーバにクレジットを入れる処理例]
次に、顧客がカジノデポジット管理サーバ210にクレジットを入れることにより、ハウスカード7を用いてカジノ場50内のサービスを購入できるようにするための処理例について説明する。図4は、カジノデポジット管理サーバ210にクレジットを入れる本管理システムの動作例を示すシーケンス図である。
【0048】
まず、顧客は自己のハウスカード7をカードリーダ(12,22,32、61等)により読み取らせることにより、ハウスカードに記録された利用者識別情報をカードリーダに渡す(ステップS301)。一方、レジスタ(21,31など)やチップ発行・精算機60からデポジット額が入力される(ステップS302)。レジスタまたはチップ発行・精算機60は、カードリーダから受け取った利用者識別情報とともにデポジット額の情報をデポジット要求として通信網100を介してカジノデポジット管理サーバ210へ送信する(ステップS303)。カジノデポジット管理サーバ210は、これらの情報を受け取ると、このデポジット要求が所定のデポジット利用制限条件に反しないかどうかをチェックする(ステップS304)。反している場合は、デポジット要求を拒絶する。一方、デポジット利用制限条件に反していない場合は、カジノデポジット管理サーバ210は利用者の行動履歴、購買履歴などを記録させるように、PTSサーバ211に諸情報を送信する(ステップ305)。また、カジノデポジット管理サーバ210は、この利用者のデポジット額を記憶し(ステップS306)、チップ発行・精算機60からのチップ発行要求に備える。さらに、カジノデポジット管理サーバ210は、デポジット額の情報をハウスカードサーバ250に通信網100を介して送信する(ステップS307)。ハウスカードサーバ250は、これらの情報を受け取ると、この利用者のデポジット額を購入額として記憶し(ステップS308)、チェックアウト時などに行われる料金精算に備える。ハウスカードサーバ250は、ステップS308の終了後、通信網100を介して利用受付完了を通知する(ステップS309)。この通知を受け取ったカジノデポジット管理サーバ210は、デポジットが完了したことを通信網100を介してレジスタまたはチップ発行・精算機60に通知し(ステップS310)、顧客はレジスタまたはチップ発行・精算機60のディスプレイなどに表示される情報によりデポジットがなされたことを確認できる。
【0049】
[ハウスカードを用いてチップの発行・精算を行なう処理例]
次に、顧客がカジノでおいてチップを購入し、または獲得したチップや余ったチップを精算するための処理例について説明する。図5は、本決済システムにおけるハウスカードを用いてチップの発行・精算を行なう処理例を示すシーケンス図である。
【0050】
まず、顧客がチップを購入する場合において本システムが行なう処理について説明する。顧客は自己のハウスカード7をチップ発行・精算機60に接続されたカードリーダ61により読み取らせ(ステップS401)、つぎにチップ発行・精算機60に必要なチップ枚数若しくは金額を入力する(ステップS402)。チップ発行・精算機60は、カードリーダから受け取った利用者識別情報とともにチップ枚数若しくは金額の情報を通信網100を介してカジノデポジット管理サーバ210へ送信する(ステップS403)。カジノデポジット管理サーバ210は、これらの情報を受け取ると、その情報に係る枚数若しくは金額がデポジット額の範囲内である場合に限り、この要求されたチップ枚数若しくは金額に相当する額を当該顧客のデポジット額から引き落とし、残ったデポジット額をその顧客の所有するデポジット額として記憶する(ステップS404)とともに、要求されたチップ枚数若しくは金額に相当するチップの発行をチップ発行・精算機60に命令する(ステップS405)。この命令を受けたチップ発行・精算機60は、命令に応じたチップを発行する。
【0051】
一方、カジノデポジット管理サーバ210は、チップ発行・精算機60から受け取る情報に係る枚数若しくは金額がデポジット額の範囲を超える場合には、利用額がデポジット額を超えている旨の情報(限度額超過情報)をチップ発行・精算機60に送信する(ステップS406)。また、これを受けて、チップ発行・精算機60は、例えばその表示部を介して利用者に当該限度額超過情報を報知するとともに、不足分をクレジットカード会社120の与信枠で補填するか否かの選択を利用者に促す(ステップS407)。利用者が与信枠の利用を選択した場合、チップ発行・精算機60は、その与信枠選択情報をカジノデポジット管理サーバ210へ送信する(ステップS408)。そして、カジノデポジット管理サーバ210は、この与信枠選択情報を受けると、ハウスカードサーバ250に対して与信枠設定要求情報を送信する(ステップS409)。ハウスカードサーバ250は、カジノデポジット管理サーバ210から与信枠設定要求情報を受けると、クレジット会社120に対してその利用者の与信枠(クレジットカード会社が設定した与信枠(カード利用限度額))に関する情報を問い合わせる(ステップS410)。また、これを受けて、当該利用者の与信枠に関する情報がクレジットカード会社からハウスカードサーバ250へと送られてくる(ステップS411)。なお、当該利用者に関するクレジットカード会社の与信枠が予めデータベース130に記憶されている場合には、ステップS410およびステップS411は省かれる。その後、ハウスカードサーバ250は、クレジットカード会社が設定した与信枠をデポジット額として設定して記憶し(ステップS412)、その与信枠の設定に関する与信枠設定情報をカジノデポジット管理サーバ210へ送信する(ステップS413)。カジノデポジット管理サーバ210は、与信枠設定情報を受けると、その与信枠をその利用者(顧客)が所有するデポジット額として記憶する(ステップS414)とともに、要求されたチップ枚数若しくは金額に相当するチップの発行をチップ発行・精算機60に命令する(ステップS415)。この命令を受けたチップ発行・精算機60は、命令に応じたチップを発行する。
【0052】
なお、チップの購入処理に際して、カジノデポジット管理サーバ210は利用者の行動履歴、購買履歴などを記録させるように、PTSサーバ211に諸情報を送信するようにしても良い。
【0053】
次に、図5を参照しながら顧客がチップの精算をする場合の本決済システムの動作例を説明する。
【0054】
まず、顧客は自己のハウスカード7をチップ発行・精算機60に接続されたカードリーダ61により読み取らせ(ステップS416)、つぎにチップ発行・精算機60にカジノ内で獲得したチップの預け入れ・デポジットの払い戻しなどの命令を入力する(ステップS417)。チップ発行・精算機60は、カードリーダから受け取った利用者識別情報とともに、入力された命令および金額の情報を通信網100を介してカジノデポジット管理サーバ210へ送信する(ステップS418)。また、チップのデポジット繰り入れを行なう場合は、チップ発行・精算機60からカウントしたチップの枚数若しくはカウントした枚数に相当する金額がカジノデポジット管理サーバ210に送信される(ステップS419)ようにしても良い。これらの情報を受け取ると、カジノデポジット管理サーバ210はこの繰り入れを要求されたチップ枚数若しくは金額に相当する額を当該顧客のデポジット額に加算して記憶する(ステップS420)。
【0055】
一方、デポジットの払い戻しを要求された場合、カジノデポジット管理サーバ210は利用者識別情報により特定される顧客のデポジット額から払い戻し要求にかかる金額を減算し、減算後のデポジット額をさらに記憶し(ステップS420)、払い戻し要求にかかる金額を加える(精算時に請求額から差し引く)ようハウスカードサーバ250に通知する(ステップS421)。ハウスカードサーバ250は、その顧客のホテル内口座に払い戻し要求にかかる金額を記憶する(ステップS422)。
【0056】
そして、チェックアウト時など、ハウスカードサーバ250に蓄積されたカード情報を参照することにより、キャッシュレスによりホテル内で受けたホテルサービス、カジノサービスの精算が行なえるようになる。
【0057】
[本決済システムの利点]
上記した構成の決済システムによれば、以下の効果が得られる。
【0058】
[ホテル側]
ホテル内のレストランやカジノ場でのキャッシャーによる精算業務をキャッシュレスで行なえるため、精算業務が高速化できると共に、半無人化することで人件費を低減することができる。特に、完全キャッシュレス化による集金〜運搬まで、金銭に関わる人件費を削減することができ、安全性も向上する。また、上記実施形態では、カジノサービスを受けるための金額を予めデポジットしておき、この範囲内でカジノサービスを受けられるように構成していることから、精算時に、利用金額が払えない等のトラブルが生じることもない。さらに、ルームサービス、通信販売、売店、飲食店、カジノ等、個別売上の管理が行なえると共に、その分析を行なうことが可能となる。
【0059】
また、キャッシュレス、サインレスで迅速簡便な決済が行なえるため、顧客サービスの向上が図れると共に、そのホテルで口座を開設した者(会員)についてはハウスカードを元に、その情報(個人情報、プレイ履歴や嗜好の自動分析)を有効活用して、きめ細かな各種サービスの提供を実現することが可能となる。
【0060】
さらに、ホテルで口座を開設した者に対し、ホテル内でLANを使ったイントラネットカジノを展開したり、口座をインターネット網と繋げることによって、遠隔地からのアクセスを可能にし、そのホテル内のカジノが胴元となったインターネットカジノや宝くじなどを構築、運営することができる。
【0061】
更に、上記実施形態では、利用者のカジノでの利用額がデポジット額を超える場合、クレジット会社120により設定された与信枠の範囲内でその利用者のカジノでの利用を可能にするため、すなわち、提携したクレジットカード会社の与信枠内で運営しているため、ホテルチェックアウト時にクレジット決済させるだけで済み、回収リスクをクレジットカード会社にまわすことができる(回収リスクを負わずに済む)。また、利用者との間に世話人(回収代行業者)を介在させる必要がなく、したがって、世話人に支払う回収手数料や世話人を雇う人件費などを削減できる。
【0062】
[顧客(利用者)側]
顧客にとっては、ルームキーからホテル内での各種のサービスを1枚のハウスカードで受けることができ、各所での精算をキャッシュレスで行なえることから、利便性の向上が図れるようになる。また、上記した実施形態では、カジノサービスを受けるに際しては、予めデポジットしておき、その範囲内でサービスを受けることができるので、不必要なお金の使い過ぎを防止することができる。
【0063】
また、宿泊客全てにハウスカードを配布することによって、各種のサービスに利用制限を設定することが可能となる。例えば、未成年者には、サービスを受けられる内容に制限を与えることが可能となる。
【0064】
更に、上記実施形態では、利用者のカジノでの利用額がデポジット額を超える場合、クレジット会社120により設定された与信枠の範囲内でその利用者のカジノでの利用を可能にするため、あと一歩で大きな配当金を得られる可能性が高いときにデポジットが無くなってしまった場合でも、クレジットカード会社の与信枠の範囲内でカジノの利用ができるようになり、一攫千金の夢を実現することが可能になり、遊技意欲が高まる。
【0065】
なお、前述した決済システムによれば、各利用者のカジノサービスを受けるためのデポジットは、カジノデポジット管理サーバ210によって管理するように構成したが、デポジットは、各利用者に提供されるハウスカードに、その都度、書換え可能に構成したものであっても良い。すなわち、ハウスカードには、予め利用者によって定められたデポジット額が記録されており、カジノサービスを提供するスポットにおいて、プレイ毎に、カードにデポジット状況を書換え記録できるようにする。そして、このデポジットがなくなった場合、カジノサービスの提供を制限するようにしておくのが良い。このような構成では、上記したカジノデポジット管理サーバ210は設置しなくても良い。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明に係るカジノが設置されたホテルにおける各種提供サービスの決済システムの全体構成を示すブロック図。
【図2】ハウスカードサーバに接続されたデータベースに記憶されるテーブルの一例を示す図。
【図3】カードを用いてホテル内のサービス等を購入させる場合の本決済システムの動作例を示すシーケンス図。
【図4】カジノデポジット管理サーバにクレジットを入れる本決済システムの動作例を示すシーケンス図。
【図5】本決済システムにおけるカードを用いてチップの発行・精算を行なう処理例を示すシーケンス図。
【符号の説明】
【0067】
1 フロント
2 端末
3 ハウスカード発券機
5 クレジットカード端末
7 ハウスカード(カードキー)
10 客室
12、22、32、61 カードリーダ(カードR/W)
14 セットトップボックス
20 レストラン
30 バー
21、31 レジスタ
50 カジノ
51 ルーレット
53 カードテーブル
55 スロットマシン
120 クレジットカード会社
200 ホテルサービス管理サーバ
210 カジノデポジット管理サーバ
211 PTSサーバ
220 マルチメディアサーバ
230 サービスサーバ
240 イントラサービスサーバ
250 ハウスカードサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カジノが設置されたホテル内において、利用者を特定できるハウスカードを発行し、このハウスカードを利用することで利用者に各種サービスを提供すると共に、提供したサービスの決済を行なう決済システムであって、
前記利用者に対し、その利用者を特定できる情報を記録したハウスカードを発行するハウスカード発行部と、
前記ハウスカード発行部により発行されたハウスカードを読み取るためのカードリーダと、
前記ハウスカードを利用した際に発生するサービス金額情報を管理するとともに、クレジットカード会社と通信可能に接続され、当該クレジット会社により設定された与信枠情報を入手できるハウスカードサーバと、
前記ハウスカードを所有する利用者によって定められ且つその利用者がカジノサービスを提供するカジノサービス提供部において利用するためのデポジットの額に関するデポジット情報を、カードリーダから取得した利用者を識別する情報を用いて管理するカジノデポジット管理サーバと、
を有し、
前記ハウスカードサーバは、当該ハウスカードサーバおよび前記カジノデポジット管理サーバでの蓄積情報に基づき、利用者の前記カジノサービス提供部での利用額がデポジット額を超える場合には、前記クレジット会社により設定された与信枠の範囲内でその利用者の前記カジノサービス提供部での利用を可能にすることを特徴とする、
カジノが設置されたホテルにおける各種提供サービスの決済システム。
【請求項2】
カジノが設置されたホテル内において、利用者を特定できるハウスカードを発行し、このハウスカードを利用することで各種サービスの決済を行なう決済システムであって、
前記利用者に対し、その利用者を特定できると共にカジノ内で利用可能なデポジット情報を記録し且つカジノサービス提供部においてカジノサービスを受ける毎に前記デポジット情報の更新・記録が可能なハウスカードを発行するハウスカード発行部と、
ホテル内に設置されたカードリーダから取得され、そのハウスカード利用者がホテルサービスを利用した際に発生するサービス金額情報を管理するとともに、クレジットカード会社と通信可能に接続され、当該クレジット会社により設定された与信枠情報を入手できるハウスカードサーバと、
を有し、
前記ハウスカードサーバは、ハウスカードに記録されたデポジット情報に基づき、利用者の前記カジノサービス提供部での利用額がデポジット額を超える場合には、前記クレジット会社により設定された与信枠の範囲内でその利用者の前記カジノサービス提供部での利用を可能にすることを特徴とする、
カジノが設置されたホテルにおける各種提供サービスの決済システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−48376(P2009−48376A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−213088(P2007−213088)
【出願日】平成19年8月17日(2007.8.17)
【出願人】(506314416)株式会社モビテクノ (10)