カソードチップの製造方法
【課題】 研磨時に金属チップにバリを発生させないカソードチップの製造方法を提供する。
【解決手段】 円筒状金属チップ10の内周面とこの円筒状金属チップ10内に挿入された円柱状金属チップ11の外周面との間に形成される隙間sにみつろう5を充填した状態で、円筒状金属チップ10及び円柱状金属チップ11のラップ面10c、11cをみつろう5とともに研磨する。
【解決手段】 円筒状金属チップ10の内周面とこの円筒状金属チップ10内に挿入された円柱状金属チップ11の外周面との間に形成される隙間sにみつろう5を充填した状態で、円筒状金属チップ10及び円柱状金属チップ11のラップ面10c、11cをみつろう5とともに研磨する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はカソードチップの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子線露光装置の電子銃の電子源としてカソードチップが用いられている。
【0003】
図7はカソードチップの断面を示す概念図である。
【0004】
このカソードチップ101は円筒状金属チップ110と円柱状金属チップ111とで構成される。
【0005】
円筒状金属チップ110の材料は例えばタンタルである。円筒状金属チップ110は大径穴110aと小径穴110bとを有する。
【0006】
円柱状金属チップ111の材料は例えばタンタルである。円柱状金属チップ111は大径部111aと小径部111bとを有する。円柱状金属チップ111の大径部111aは円筒状金属チップ110の大径穴110a内に圧入されている。
【0007】
両金属チップ110,111のラップ面110c,111cはいずれも鏡面に研磨されている。
【0008】
円筒状金属チップ110の小径穴110bの内周面と円柱状金属チップ111の小径部111bの外周面との間には50μm程度の隙間sが形成されている。この隙間sがあることによって、円柱状金属チップ111のラップ面111cから均一に電子を放出させるために円柱状金属チップ111が加熱されたとき、円柱状金属チップ111のラップ面111cの温度分布が均一に保たれる。
【0009】
従来の電子線露光装置の電子銃のカソードチップは以下のようにして製造されていた。
【0010】
図8はカソードチップの従来の製造方法を説明する図であって、円筒状金属チップと円柱状金属チップとの断面を示す概念図である。
【0011】
まず、ほぼ同じ高さの円筒状金属チップ110と円柱状金属チップ111とを保持板150にみつろうで貼り付ける。
【0012】
その後、ラップ皿と金属チップ110,111のラップ面110c,111cとの間に研磨剤(図示せず)を入れて保持板150を回転させ、ラップ皿とラップ面110c,111cとの間に生じる摩耗作用を利用して、ラップ面110c,111cの凸部(図示せず)を除き、ラップ面110c,111cを平滑化する。
【0013】
最後に、円柱状金属チップ111を円筒状金属チップ110に圧入することによってカソードチップ101が完成する。
【0014】
図9は研磨後の円筒状金属チップの断面を示す概念図、図10は研磨後の円柱状金属チップの断面を示す概念図である。
【0015】
ラップ面110cの外周縁及び内周縁には研磨によってバリ112,113が発生している(図9参照)。
【0016】
また、ラップ面111cの外周縁にも研磨によってバリ114が発生している(図10参照)。
【0017】
この円柱状金属チップ111を円筒状金属チップ110に圧入すると、隙間sはバリ113,114によって埋まり、このバリ113,114を介して円筒状金属チップ110の小径穴110bの内周面と円柱状金属チップ111の小径部111bの外周面とが接触する。
【0018】
円筒状金属チップ110の小径穴110bの内周面と円柱状金属チップ111の小径部111bの外周面との隙間sが接触した場合、円柱状金属チップ111を加熱したときに円柱状金属チップ111から円筒状金属チップ110へバリ113,114を介して熱が逃げてラップ面111cの温度分布が変化する。ラップ面111cの温度分布が変化すると、電子銃の電子源としての円柱状金属チップ111のラップ面111cから熱電子(以下単に電子という)のビームが均一に放出されなくなる。
【0019】
図11はカソードチップの従来の他の製造方法を説明する図であって、円柱状金属チップを円筒状金属チップに挿入した状態の断面を示す概念図である。
【0020】
まず、円柱状金属チップ111を円筒状金属チップ110に圧入した状態で保持板150にみつろうで貼り付ける。
【0021】
その後、ラップ皿と金属チップ110,111のラップ面110c,111cとの間に研磨剤(図示せず)を入れて保持板150を回転させ、ラップ皿とラップ面110c,111cとの間に生じる摩耗作用を利用して、ラップ面110c,111cの凸部を除き、ラップ面110c,111cを平滑化する。
【0022】
図12は研磨後のカソードチップの断面を示す概念図である。
【0023】
円筒状金属チップ110の内周面と円柱状金属チップ111の外周面との隙間sには研磨の際に研磨剤140が入り込む。この研磨剤140を研磨中に取り除くことは難しい。そのため、隙間sに入り込んだ大径の粒子の研磨剤(研磨の初期の段階で使用する研磨剤)が研磨の後期の段階で隙間sから抜け出し、ラップ面110c,111cを傷付ける。
【0024】
また、ラップ面110cの外周縁及び内周縁並びにラップ面111cの外周縁には研磨によってバリ112,113,114が発生する。バリ113,114が円筒状金属チップ110の内周面と円筒状金属チップ110の外周面との隙間sに入り込んだ場合(図12参照)、前述の製造方法の場合と同様にラップ面111cの温度分布が変化し、ラップ面111cから電子ビームが均一に放出されなくなる。
【特許文献1】特開平10―223166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
前述の問題を解決するため、従来、円筒状金属チップ110のラップ面110cの内周縁及び円柱状金属チップ111のラップ面111cの外周縁に発生したバリ113,114を除去することを行っているが、金属チップ110,111の材料であるタンタルの延性が大きく、バリ113,114を完全に除去することは難しい。また、円筒状金属チップ110の内周縁及び円柱状金属チップ111の外周縁の稜角を削って、外周縁をいわゆるC面やR面とする方法も考えられるが、C面やR面からの微小放電によるノイズが発生するため、この方法を採用することはできない。
【0026】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は金属チップの研磨時にバリを発生させないカソードチップの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
上記課題を解決するため請求項1記載の発明は、円筒状金属チップの内周面と、この円筒状金属チップ内に挿入された電子を放出可能な円柱状金属チップの外周面との間に、形成される隙間に、所定の機能を有する充填材を充填した状態で、前記円筒状金属チップ及び前記円柱状金属チップの挿入方向前側の各々の面を同一工程で研磨する。
【0028】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のカソードチップの製造方法において、前記円筒状金属チップの外周面に前記充填材を付着させた状態で、前記円筒状金属チップ及び前記円柱状金属チップを同一工程で研磨することを特徴とする。
【0029】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載のカソードチップの製造方法において、前記所定の機能を有する充填材はみつろうであることを特徴とする。
【0030】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2記載のカソードチップの製造方法において、前記所定の機能を有する充填材は紫外線硬化樹脂であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
この発明によれば、金属チップの研磨時にバリが発生しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0033】
図1はカソードの断面を示す概念図、図2はカソードチップの断面を示す概念図、図3はホルダの側面図、図4は抑え環の側面図である。
【0034】
カソードはカソードチップ1とホルダ20と抑え環30とで構成されている。カソードチップ1は円筒状金属チップ10と円柱状金属チップ11とで構成される。
【0035】
円筒状金属チップ10の材料は例えばタンタルである。円筒状金属チップ10は大径穴10aと小径穴10bとを有する。なお、ラップ面10cには(110)面の結晶面が出ている。
【0036】
円柱状金属チップ11の材料は例えばタンタルである。円柱状金属チップ11は大径部11aと小径部11bとを有する。ホルダ20内にはヒータコイル(図示せず)が配置され、ラップ面11cが(111)面の結晶面となっているので、円柱状金属チップ11のラップ面11cから電子を放出可能である。
【0037】
金属チップ10,11の材料として用いられているタンタルは耐熱性が高く、しかも電子放出のための仕事関数が小さいという性質を有する。
【0038】
円柱状金属チップ11の大径部11aは円筒状金属チップ10の大径穴10aに圧入されている。
【0039】
このとき、円筒状金属チップ10のラップ面10cと円柱状金属チップ11のラップ面11cとはほぼ面一である。なお、円柱状金属チップ11のラップ面11cが円筒状金属チップ10のラップ面10cより5μm以下の範囲で突出することは許容される。
【0040】
両金属チップ10,11のラップ面10c,11cはいずれも平滑に研磨されている。
【0041】
円筒状金属チップ10の小径穴10bの内周面と円柱状金属チップ11の小径部11bの外周面との間には50μm程度の隙間sが形成されている。この隙間sがあることによって、円柱状金属チップ11のラップ面11cから電子を放出させるために金属チップ10,11が加熱されたとき、円柱状金属チップ11のラップ面11cの温度分布が均一に保たれる。
【0042】
なお、両金属チップ10,11の材料はタンタルに限られるものではなく、線膨張係数の小さい材料、たとえばタングステンやモリブデン等でもよい。
【0043】
ホルダ20の材料は例えばモリブデンであり、ホルダ20は円筒状の筐体である。ホルダ20には円筒状金属チップ10のラップ面10cを外部へ逃がす穴20aが形成されている。また、ホルダ20の内周面にはめねじ(図示せず)が形成されている。
【0044】
抑え環30の材料は例えばモリブデンである。抑え環30は環状であり、その外周面にはホルダ20のめねじと螺合可能なおねじ(図示せず)が形成されている。
【0045】
カソードチップ1をホルダ20の穴20aに嵌め込んだ後、抑え環30でカソードチップ1をホルダ20の平面部20bに押し付けることによってカソードは組み立てられる。
【0046】
図5はこの発明の第1実施形態に係るカソードチップの製造方法を説明するための図であって、製造途中のカソードチップの断面を示す概念図である。
【0047】
カソードチップ1は以下の方法によって製造される。
【0048】
(1)まず、温められて溶けた状態のみつろう(所定の機能を有する充填材)を満たした皿(図示せず)に円筒状金属チップ10のラップ面10cを押し付け、円筒状金属チップ10の小径穴10bの内周面にみつろう5を付着させる。みつろう5は金属チップ10,11とともに研磨され、みつろう5の削りカスはラップ面10c,11cを傷付けないし、水等に溶けない。
【0049】
(2)次に、円柱状金属チップ11を円筒状金属チップ10に圧入し、それらを冷却する。
【0050】
その結果、円筒状金属チップ10の小径穴10bの内周面と円柱状金属チップ11の小径部11bの外周面との隙間sにみつろう5が固まった状態で充填される。すなわち、円筒状金属チップ10の小径穴10bの内周面と円柱状金属チップ11の小径部11bの外周面との隙間が硬化したみつろう5で埋まる。
【0051】
(3)その後、ラップ皿と金属チップ10,11のラップ面10c,11cとの間に研磨剤(図示せず)を入れ、金属チップ10,11を保持する保持板(図示せず)を回転させ、ラップ皿とラップ面10c,11cとの間に生じる摩耗作用を利用して、ラップ面10c,11cの凸部(図示せず)を除き、ラップ面10c,11cを平滑にする。
【0052】
(4)ラップ面10c,11cの研磨が終了した後、金属チップ10,11を再び80℃程度に温めてみつろう5を溶かす。そして、円柱状金属チップ11を円筒状金属チップ10から外す。
【0053】
(5)次に、金属チップ10,11を洗浄(みつろう5を除去)する。
【0054】
(6)最後に、円柱状金属チップ11を円筒状金属チップ10に再び圧入する。
【0055】
その結果、カソードチップ1が完成する。なお、円筒状金属チップ10のラップ面10cの外周縁に発生するバリは除去される。
【0056】
この製造方法により製造したカソードチップ1を例えば電子線露光装置(図示せず)の電子銃の電子源として用いた場合、内蔵されたヒータコイルによって円柱状金属チップ11を加熱する。その結果、円柱状金属チップ11のラップ面11cから電子が放射される。このとき、ラップ面11cの温度分布が一定であるから、放射される電子の均一性が保たれる。電子銃の最終電極のアノード電圧によって電子ビームは加速される。電子銃を出た電子ビームは一定の速さで進み、偏光コイル(図示せず)によって偏向され、レチクル(図示せず)を介してウエハ(図示せず)上に照射される。
【0057】
この実施形態によれば、研磨の際、円筒状金属チップ10の小径穴10bの内周面と円柱状金属チップ11の小径部11bの外周面との隙間sにみつろう5が充填されているので、円筒状金属チップ10のラップ面10cの内周縁及び円柱状金属チップ11のラップ面11cの外周縁にバリが発生しない。
【0058】
また、円筒状金属チップ10の小径穴10bの内周面と円柱状金属チップ11の小径部11bの外周面との隙間sに研磨の初期の段階で使用される大径の粒子の研磨剤が入り込まないので、研磨の後期の段階で隙間sから抜け出した大径の粒子の研磨剤によってラップ面10c,11cが傷付かない。
【0059】
なお、変形例として、所定の機能を有する充填材としてみつろう5に代えて紫外線硬化樹脂6を用い、カソードチップ1を下記のような方法で製造してもよい。
【0060】
(1)まず、紫外線硬化樹脂6を満たした皿に円筒状金属チップ10のラップ面10cを押し付け、円筒状金属チップ10の小径穴10bの内周面に紫外線硬化樹脂6を付着させる。硬化後の紫外線硬化樹脂6は金属チップ10,11とともに研磨され、紫外線硬化樹脂6の削りカスはラップ面10c,11cを傷付けないし、水等に溶けない。なお、円筒状金属チップ10の内周面及び円柱状金属チップ11の外周面には予め離型剤が塗布するのが好ましい。離型剤によって円筒状金属チップ10の内周面及び円柱状金属チップ11の外周面と紫外線硬化樹脂6との接着力を弱めることができるからである。
【0061】
(2)次に、円柱状金属チップ11を円筒状金属チップ10に圧入し、紫外線硬化樹脂6に紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂6を硬化させる。
【0062】
その結果、円筒状金属チップ10の小径穴10bの内周面と円柱状金属チップ11の小径部11bの外周面との隙間sが硬化した紫外線硬化樹脂6で埋まる。
【0063】
(3)その後、ラップ皿と金属チップ10,11のラップ面10c,11cとの間に研磨剤(図示せず)を入れ、金属チップ10,11を保持する保持板(図示せず)を回転させ、ラップ皿とラップ面10c,11cとの間に生じる摩耗作用を利用して、ラップ面10c,11cの凸部を除き、ラップ面10c,11cを平滑化する。
【0064】
(4)ラップ面10c,11cの研磨が終了した後、円柱状金属チップ11を円筒状金属チップ10から外す。
【0065】
(5)次に、金属チップ10,11を洗浄(紫外線硬化樹脂6を除去)する。
【0066】
(6)最後に、円柱状金属チップ11を円筒状金属チップ10に再び圧入する。
【0067】
その結果、カソードチップ1が完成する。なお、円筒状金属チップ10のラップ面10cの外周縁に発生するバリは除去される。
【0068】
この変形例によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0069】
図6はこの発明の第2実施形態に係るカソードチップの製造方法を説明するための図であって、製造途中のカソードチップの断面を示す概念図である。第1実施形態と共通する部分には同一符合を付してその説明を省略する。
【0070】
この実施形態の製造方法は、円筒状金属チップ10の小径穴10bの内周面と円柱状金属チップ11の小径部11bの外周面との隙間sだけでなく、円筒状金属チップ10の外周面にもみつろう5(又は紫外線硬化樹脂6)を供給するようにした点で、第1実施形態の製造方法と相違する。
【0071】
この実施形態の製造方法は、円筒状金属チップ10の外周面にもみつろう5(又は紫外線硬化樹脂6)を供給するようにした点を除き、第1実施形態の製造方法と共通するので、その説明を省略する。
【0072】
この実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏するとともに、円筒状金属チップ10のラップ面10cの外周縁にもバリが発生しないため、カソードチップ1をホルダ20の穴20a(図1、3参照)に挿入したときに円筒状金属チップ10のラップ面10cの外周縁に生じたバリによってラップ面10cを傷付けるおそれがない。
【0073】
なお、上記各実施形態の製造方法を電子線露光装置以外の電子銃を有する装置のカソードチップ1の製造方法に適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】図1はカソードの断面を示す概念図である。
【図2】図2はカソードチップの断面を示す概念図である。
【図3】図3はホルダの側面図である。
【図4】図4は抑え環の側面図である。
【図5】図5はこの発明の第1実施形態に係るカソードチップの製造方法を説明するための図である。
【図6】図6はこの発明の第2実施形態に係るカソードチップの製造方法を説明するための図である。
【図7】図7はカソードチップの断面を示す概念図である。
【図8】図8はカソードチップの従来の製造方法を説明する図である。
【図9】図9は研磨後の円筒状金属チップの断面を示す概念図である。
【図10】図10は研磨後の円柱状金属チップの断面を示す概念図である。
【図11】図11はカソードチップの従来の他の製造方法を説明する図である。
【図12】図12は研磨後のカソードチップの断面を示す概念図である。
【符号の説明】
【0075】
5 みつろう(所定の機能を有する充填材)
6 紫外線硬化樹脂(所定の機能を有する充填材)
10 円筒状金属チップ
11 円柱状金属チップ
10c,11c ラップ面
s 隙間
【技術分野】
【0001】
この発明はカソードチップの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子線露光装置の電子銃の電子源としてカソードチップが用いられている。
【0003】
図7はカソードチップの断面を示す概念図である。
【0004】
このカソードチップ101は円筒状金属チップ110と円柱状金属チップ111とで構成される。
【0005】
円筒状金属チップ110の材料は例えばタンタルである。円筒状金属チップ110は大径穴110aと小径穴110bとを有する。
【0006】
円柱状金属チップ111の材料は例えばタンタルである。円柱状金属チップ111は大径部111aと小径部111bとを有する。円柱状金属チップ111の大径部111aは円筒状金属チップ110の大径穴110a内に圧入されている。
【0007】
両金属チップ110,111のラップ面110c,111cはいずれも鏡面に研磨されている。
【0008】
円筒状金属チップ110の小径穴110bの内周面と円柱状金属チップ111の小径部111bの外周面との間には50μm程度の隙間sが形成されている。この隙間sがあることによって、円柱状金属チップ111のラップ面111cから均一に電子を放出させるために円柱状金属チップ111が加熱されたとき、円柱状金属チップ111のラップ面111cの温度分布が均一に保たれる。
【0009】
従来の電子線露光装置の電子銃のカソードチップは以下のようにして製造されていた。
【0010】
図8はカソードチップの従来の製造方法を説明する図であって、円筒状金属チップと円柱状金属チップとの断面を示す概念図である。
【0011】
まず、ほぼ同じ高さの円筒状金属チップ110と円柱状金属チップ111とを保持板150にみつろうで貼り付ける。
【0012】
その後、ラップ皿と金属チップ110,111のラップ面110c,111cとの間に研磨剤(図示せず)を入れて保持板150を回転させ、ラップ皿とラップ面110c,111cとの間に生じる摩耗作用を利用して、ラップ面110c,111cの凸部(図示せず)を除き、ラップ面110c,111cを平滑化する。
【0013】
最後に、円柱状金属チップ111を円筒状金属チップ110に圧入することによってカソードチップ101が完成する。
【0014】
図9は研磨後の円筒状金属チップの断面を示す概念図、図10は研磨後の円柱状金属チップの断面を示す概念図である。
【0015】
ラップ面110cの外周縁及び内周縁には研磨によってバリ112,113が発生している(図9参照)。
【0016】
また、ラップ面111cの外周縁にも研磨によってバリ114が発生している(図10参照)。
【0017】
この円柱状金属チップ111を円筒状金属チップ110に圧入すると、隙間sはバリ113,114によって埋まり、このバリ113,114を介して円筒状金属チップ110の小径穴110bの内周面と円柱状金属チップ111の小径部111bの外周面とが接触する。
【0018】
円筒状金属チップ110の小径穴110bの内周面と円柱状金属チップ111の小径部111bの外周面との隙間sが接触した場合、円柱状金属チップ111を加熱したときに円柱状金属チップ111から円筒状金属チップ110へバリ113,114を介して熱が逃げてラップ面111cの温度分布が変化する。ラップ面111cの温度分布が変化すると、電子銃の電子源としての円柱状金属チップ111のラップ面111cから熱電子(以下単に電子という)のビームが均一に放出されなくなる。
【0019】
図11はカソードチップの従来の他の製造方法を説明する図であって、円柱状金属チップを円筒状金属チップに挿入した状態の断面を示す概念図である。
【0020】
まず、円柱状金属チップ111を円筒状金属チップ110に圧入した状態で保持板150にみつろうで貼り付ける。
【0021】
その後、ラップ皿と金属チップ110,111のラップ面110c,111cとの間に研磨剤(図示せず)を入れて保持板150を回転させ、ラップ皿とラップ面110c,111cとの間に生じる摩耗作用を利用して、ラップ面110c,111cの凸部を除き、ラップ面110c,111cを平滑化する。
【0022】
図12は研磨後のカソードチップの断面を示す概念図である。
【0023】
円筒状金属チップ110の内周面と円柱状金属チップ111の外周面との隙間sには研磨の際に研磨剤140が入り込む。この研磨剤140を研磨中に取り除くことは難しい。そのため、隙間sに入り込んだ大径の粒子の研磨剤(研磨の初期の段階で使用する研磨剤)が研磨の後期の段階で隙間sから抜け出し、ラップ面110c,111cを傷付ける。
【0024】
また、ラップ面110cの外周縁及び内周縁並びにラップ面111cの外周縁には研磨によってバリ112,113,114が発生する。バリ113,114が円筒状金属チップ110の内周面と円筒状金属チップ110の外周面との隙間sに入り込んだ場合(図12参照)、前述の製造方法の場合と同様にラップ面111cの温度分布が変化し、ラップ面111cから電子ビームが均一に放出されなくなる。
【特許文献1】特開平10―223166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
前述の問題を解決するため、従来、円筒状金属チップ110のラップ面110cの内周縁及び円柱状金属チップ111のラップ面111cの外周縁に発生したバリ113,114を除去することを行っているが、金属チップ110,111の材料であるタンタルの延性が大きく、バリ113,114を完全に除去することは難しい。また、円筒状金属チップ110の内周縁及び円柱状金属チップ111の外周縁の稜角を削って、外周縁をいわゆるC面やR面とする方法も考えられるが、C面やR面からの微小放電によるノイズが発生するため、この方法を採用することはできない。
【0026】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は金属チップの研磨時にバリを発生させないカソードチップの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
上記課題を解決するため請求項1記載の発明は、円筒状金属チップの内周面と、この円筒状金属チップ内に挿入された電子を放出可能な円柱状金属チップの外周面との間に、形成される隙間に、所定の機能を有する充填材を充填した状態で、前記円筒状金属チップ及び前記円柱状金属チップの挿入方向前側の各々の面を同一工程で研磨する。
【0028】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のカソードチップの製造方法において、前記円筒状金属チップの外周面に前記充填材を付着させた状態で、前記円筒状金属チップ及び前記円柱状金属チップを同一工程で研磨することを特徴とする。
【0029】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載のカソードチップの製造方法において、前記所定の機能を有する充填材はみつろうであることを特徴とする。
【0030】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2記載のカソードチップの製造方法において、前記所定の機能を有する充填材は紫外線硬化樹脂であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
この発明によれば、金属チップの研磨時にバリが発生しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0033】
図1はカソードの断面を示す概念図、図2はカソードチップの断面を示す概念図、図3はホルダの側面図、図4は抑え環の側面図である。
【0034】
カソードはカソードチップ1とホルダ20と抑え環30とで構成されている。カソードチップ1は円筒状金属チップ10と円柱状金属チップ11とで構成される。
【0035】
円筒状金属チップ10の材料は例えばタンタルである。円筒状金属チップ10は大径穴10aと小径穴10bとを有する。なお、ラップ面10cには(110)面の結晶面が出ている。
【0036】
円柱状金属チップ11の材料は例えばタンタルである。円柱状金属チップ11は大径部11aと小径部11bとを有する。ホルダ20内にはヒータコイル(図示せず)が配置され、ラップ面11cが(111)面の結晶面となっているので、円柱状金属チップ11のラップ面11cから電子を放出可能である。
【0037】
金属チップ10,11の材料として用いられているタンタルは耐熱性が高く、しかも電子放出のための仕事関数が小さいという性質を有する。
【0038】
円柱状金属チップ11の大径部11aは円筒状金属チップ10の大径穴10aに圧入されている。
【0039】
このとき、円筒状金属チップ10のラップ面10cと円柱状金属チップ11のラップ面11cとはほぼ面一である。なお、円柱状金属チップ11のラップ面11cが円筒状金属チップ10のラップ面10cより5μm以下の範囲で突出することは許容される。
【0040】
両金属チップ10,11のラップ面10c,11cはいずれも平滑に研磨されている。
【0041】
円筒状金属チップ10の小径穴10bの内周面と円柱状金属チップ11の小径部11bの外周面との間には50μm程度の隙間sが形成されている。この隙間sがあることによって、円柱状金属チップ11のラップ面11cから電子を放出させるために金属チップ10,11が加熱されたとき、円柱状金属チップ11のラップ面11cの温度分布が均一に保たれる。
【0042】
なお、両金属チップ10,11の材料はタンタルに限られるものではなく、線膨張係数の小さい材料、たとえばタングステンやモリブデン等でもよい。
【0043】
ホルダ20の材料は例えばモリブデンであり、ホルダ20は円筒状の筐体である。ホルダ20には円筒状金属チップ10のラップ面10cを外部へ逃がす穴20aが形成されている。また、ホルダ20の内周面にはめねじ(図示せず)が形成されている。
【0044】
抑え環30の材料は例えばモリブデンである。抑え環30は環状であり、その外周面にはホルダ20のめねじと螺合可能なおねじ(図示せず)が形成されている。
【0045】
カソードチップ1をホルダ20の穴20aに嵌め込んだ後、抑え環30でカソードチップ1をホルダ20の平面部20bに押し付けることによってカソードは組み立てられる。
【0046】
図5はこの発明の第1実施形態に係るカソードチップの製造方法を説明するための図であって、製造途中のカソードチップの断面を示す概念図である。
【0047】
カソードチップ1は以下の方法によって製造される。
【0048】
(1)まず、温められて溶けた状態のみつろう(所定の機能を有する充填材)を満たした皿(図示せず)に円筒状金属チップ10のラップ面10cを押し付け、円筒状金属チップ10の小径穴10bの内周面にみつろう5を付着させる。みつろう5は金属チップ10,11とともに研磨され、みつろう5の削りカスはラップ面10c,11cを傷付けないし、水等に溶けない。
【0049】
(2)次に、円柱状金属チップ11を円筒状金属チップ10に圧入し、それらを冷却する。
【0050】
その結果、円筒状金属チップ10の小径穴10bの内周面と円柱状金属チップ11の小径部11bの外周面との隙間sにみつろう5が固まった状態で充填される。すなわち、円筒状金属チップ10の小径穴10bの内周面と円柱状金属チップ11の小径部11bの外周面との隙間が硬化したみつろう5で埋まる。
【0051】
(3)その後、ラップ皿と金属チップ10,11のラップ面10c,11cとの間に研磨剤(図示せず)を入れ、金属チップ10,11を保持する保持板(図示せず)を回転させ、ラップ皿とラップ面10c,11cとの間に生じる摩耗作用を利用して、ラップ面10c,11cの凸部(図示せず)を除き、ラップ面10c,11cを平滑にする。
【0052】
(4)ラップ面10c,11cの研磨が終了した後、金属チップ10,11を再び80℃程度に温めてみつろう5を溶かす。そして、円柱状金属チップ11を円筒状金属チップ10から外す。
【0053】
(5)次に、金属チップ10,11を洗浄(みつろう5を除去)する。
【0054】
(6)最後に、円柱状金属チップ11を円筒状金属チップ10に再び圧入する。
【0055】
その結果、カソードチップ1が完成する。なお、円筒状金属チップ10のラップ面10cの外周縁に発生するバリは除去される。
【0056】
この製造方法により製造したカソードチップ1を例えば電子線露光装置(図示せず)の電子銃の電子源として用いた場合、内蔵されたヒータコイルによって円柱状金属チップ11を加熱する。その結果、円柱状金属チップ11のラップ面11cから電子が放射される。このとき、ラップ面11cの温度分布が一定であるから、放射される電子の均一性が保たれる。電子銃の最終電極のアノード電圧によって電子ビームは加速される。電子銃を出た電子ビームは一定の速さで進み、偏光コイル(図示せず)によって偏向され、レチクル(図示せず)を介してウエハ(図示せず)上に照射される。
【0057】
この実施形態によれば、研磨の際、円筒状金属チップ10の小径穴10bの内周面と円柱状金属チップ11の小径部11bの外周面との隙間sにみつろう5が充填されているので、円筒状金属チップ10のラップ面10cの内周縁及び円柱状金属チップ11のラップ面11cの外周縁にバリが発生しない。
【0058】
また、円筒状金属チップ10の小径穴10bの内周面と円柱状金属チップ11の小径部11bの外周面との隙間sに研磨の初期の段階で使用される大径の粒子の研磨剤が入り込まないので、研磨の後期の段階で隙間sから抜け出した大径の粒子の研磨剤によってラップ面10c,11cが傷付かない。
【0059】
なお、変形例として、所定の機能を有する充填材としてみつろう5に代えて紫外線硬化樹脂6を用い、カソードチップ1を下記のような方法で製造してもよい。
【0060】
(1)まず、紫外線硬化樹脂6を満たした皿に円筒状金属チップ10のラップ面10cを押し付け、円筒状金属チップ10の小径穴10bの内周面に紫外線硬化樹脂6を付着させる。硬化後の紫外線硬化樹脂6は金属チップ10,11とともに研磨され、紫外線硬化樹脂6の削りカスはラップ面10c,11cを傷付けないし、水等に溶けない。なお、円筒状金属チップ10の内周面及び円柱状金属チップ11の外周面には予め離型剤が塗布するのが好ましい。離型剤によって円筒状金属チップ10の内周面及び円柱状金属チップ11の外周面と紫外線硬化樹脂6との接着力を弱めることができるからである。
【0061】
(2)次に、円柱状金属チップ11を円筒状金属チップ10に圧入し、紫外線硬化樹脂6に紫外線を照射し、紫外線硬化樹脂6を硬化させる。
【0062】
その結果、円筒状金属チップ10の小径穴10bの内周面と円柱状金属チップ11の小径部11bの外周面との隙間sが硬化した紫外線硬化樹脂6で埋まる。
【0063】
(3)その後、ラップ皿と金属チップ10,11のラップ面10c,11cとの間に研磨剤(図示せず)を入れ、金属チップ10,11を保持する保持板(図示せず)を回転させ、ラップ皿とラップ面10c,11cとの間に生じる摩耗作用を利用して、ラップ面10c,11cの凸部を除き、ラップ面10c,11cを平滑化する。
【0064】
(4)ラップ面10c,11cの研磨が終了した後、円柱状金属チップ11を円筒状金属チップ10から外す。
【0065】
(5)次に、金属チップ10,11を洗浄(紫外線硬化樹脂6を除去)する。
【0066】
(6)最後に、円柱状金属チップ11を円筒状金属チップ10に再び圧入する。
【0067】
その結果、カソードチップ1が完成する。なお、円筒状金属チップ10のラップ面10cの外周縁に発生するバリは除去される。
【0068】
この変形例によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0069】
図6はこの発明の第2実施形態に係るカソードチップの製造方法を説明するための図であって、製造途中のカソードチップの断面を示す概念図である。第1実施形態と共通する部分には同一符合を付してその説明を省略する。
【0070】
この実施形態の製造方法は、円筒状金属チップ10の小径穴10bの内周面と円柱状金属チップ11の小径部11bの外周面との隙間sだけでなく、円筒状金属チップ10の外周面にもみつろう5(又は紫外線硬化樹脂6)を供給するようにした点で、第1実施形態の製造方法と相違する。
【0071】
この実施形態の製造方法は、円筒状金属チップ10の外周面にもみつろう5(又は紫外線硬化樹脂6)を供給するようにした点を除き、第1実施形態の製造方法と共通するので、その説明を省略する。
【0072】
この実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏するとともに、円筒状金属チップ10のラップ面10cの外周縁にもバリが発生しないため、カソードチップ1をホルダ20の穴20a(図1、3参照)に挿入したときに円筒状金属チップ10のラップ面10cの外周縁に生じたバリによってラップ面10cを傷付けるおそれがない。
【0073】
なお、上記各実施形態の製造方法を電子線露光装置以外の電子銃を有する装置のカソードチップ1の製造方法に適用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】図1はカソードの断面を示す概念図である。
【図2】図2はカソードチップの断面を示す概念図である。
【図3】図3はホルダの側面図である。
【図4】図4は抑え環の側面図である。
【図5】図5はこの発明の第1実施形態に係るカソードチップの製造方法を説明するための図である。
【図6】図6はこの発明の第2実施形態に係るカソードチップの製造方法を説明するための図である。
【図7】図7はカソードチップの断面を示す概念図である。
【図8】図8はカソードチップの従来の製造方法を説明する図である。
【図9】図9は研磨後の円筒状金属チップの断面を示す概念図である。
【図10】図10は研磨後の円柱状金属チップの断面を示す概念図である。
【図11】図11はカソードチップの従来の他の製造方法を説明する図である。
【図12】図12は研磨後のカソードチップの断面を示す概念図である。
【符号の説明】
【0075】
5 みつろう(所定の機能を有する充填材)
6 紫外線硬化樹脂(所定の機能を有する充填材)
10 円筒状金属チップ
11 円柱状金属チップ
10c,11c ラップ面
s 隙間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状金属チップの内周面と、この円筒状金属チップ内に挿入された電子を放出可能な円柱状金属チップの外周面との間に、形成される隙間に、所定の機能を有する充填材を充填した状態で、前記円筒状金属チップ及び前記円柱状金属チップの挿入方向前側の各々の面を同一工程で研磨することを特徴とするカソードチップの製造方法。
【請求項2】
前記円筒状金属チップの外周面に前記充填材を付着させた状態で、前記円筒状金属チップ及び前記円柱状金属チップを同一工程で研磨することを特徴とする請求項1記載のカソードチップの製造方法。
【請求項3】
前記所定の機能を有する充填材はみつろうであることを特徴とする請求項1又は2記載のカソードチップの製造方法。
【請求項4】
前記所定の機能を有する充填材は紫外線硬化樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載のカソードチップの製造方法。
【請求項1】
円筒状金属チップの内周面と、この円筒状金属チップ内に挿入された電子を放出可能な円柱状金属チップの外周面との間に、形成される隙間に、所定の機能を有する充填材を充填した状態で、前記円筒状金属チップ及び前記円柱状金属チップの挿入方向前側の各々の面を同一工程で研磨することを特徴とするカソードチップの製造方法。
【請求項2】
前記円筒状金属チップの外周面に前記充填材を付着させた状態で、前記円筒状金属チップ及び前記円柱状金属チップを同一工程で研磨することを特徴とする請求項1記載のカソードチップの製造方法。
【請求項3】
前記所定の機能を有する充填材はみつろうであることを特徴とする請求項1又は2記載のカソードチップの製造方法。
【請求項4】
前記所定の機能を有する充填材は紫外線硬化樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載のカソードチップの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−221895(P2006−221895A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−32628(P2005−32628)
【出願日】平成17年2月9日(2005.2.9)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年2月9日(2005.2.9)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
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